JP2016514696A - 微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物およびそれを含む局所製剤 - Google Patents

微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物およびそれを含む局所製剤 Download PDF

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Abstract

局所製剤で用いるのに適した微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物、およびそれを産生する方法が提供される。乾燥粒子状レスベラトロール組成物において、レスベラトロール活性剤は、例えば、粒子の細孔中での捕捉および/または粒子の表面へのイオン結合かつ/もしくは非共有結合を介して、粒子と結び付けられ、ならびに/または粒子と緩く結び付けられる。本発明の乾燥粒子状レスベラトロール組成物を含む局所製剤、およびそれを使用する方法も提供される。

Description

関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に準じて、本出願は、2013年3月15日付で出願された米国仮特許出願第61/798,727号の出願日に対する優先権を主張するものであり、この出願の開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
導入
皮膚は、表皮として知られる表面層と、真皮として知られる、より深い結合組織層を含む。表皮は、最も外部の細胞がはぎ落され、内部の真皮層から生じる細胞と取り替えられ、連続的な代謝回転を経る。真皮は、線維芽細胞を含む種々の細胞型から構成される。
真皮がより痩せていき、皮膚線維芽細胞の数が減少していくにつれて、20歳以降の人間の皮膚の厚さは減少し始める。皮膚が老化し、または紫外線および他の環境障害に曝されるにしたがって、根底にある真皮の変化が、損傷した皮膚と関連した機能的かつ形態的な変化を引き起こしうる。コラーゲンおよびプロテオグリカンを含む、線維芽細胞産物の存在量および機能の低下は、しわが寄り損傷を受けた皮膚において、主要な役割を演ずると考えられる。
3,5,4'-トリヒドロキシスチルベンともいわれる、レスベラトロールは、以下の一般式を有するポリヒドロキシ置換化合物である。
Figure 2016514696
レスベラトロールは、レッドグレープ、ラズベリー、ブルーベリーおよびその他のある種の植物果または抽出物に存在している。レスベラトロールは抗老化作用、抗がん作用、および抗ウイルス作用を有することが報告されている。レスベラトロールは、その有益な特性のため、皮膚用クリームのような、種々の化粧料製剤へ組み入れられている。しかしながら、レスベラトロールに関連する1つの問題は、レスベラトロールが化粧料製剤中では一般に不安定であるということである。したがって、化粧料製剤において用いられる場合、レスベラトロールはごく少量でしか用いることができない。あまりに多量に存在する場合、レスベラトロールは、それが組み入れられている化粧料製剤を加水分解し、変色させてしまう。この化合物は、光および熱に感受性であるという安定性の問題、水におよび親油性成分にほぼ不溶性であるという溶解性の問題、ならびにその低い溶解性のためにインビボで十分な効果に達しないという生物学的利用能の問題を有しており、これによって食品および栄養補助食品、ならびに化粧用途でのその使用は制限されうる。
概要
局所製剤で用いるのに適した微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物、ならびにそれを産生および使用する方法が提供される。乾燥粒子状レスベラトロール組成物において、レスベラトロール活性剤は、例えば、粒子の細孔中での捕捉および/または粒子の表面へのイオン結合かつ/もしくは非共有結合を介して、粒子と結び付けられ、ならびに/または粒子と緩く結び付けられる。本発明の乾燥粒子状レスベラトロール組成物を含む局所製剤、およびそれを使用する方法も提供される。
皮膚への改善された送達を示す研究のグラフ結果を提供する。
詳細な説明
局所製剤で用いるのに適した微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物、およびそれを産生する方法が提供される。乾燥粒子状レスベラトロール組成物において、レスベラトロール活性剤は、例えば、粒子の細孔中での捕捉および/または粒子の表面へのイオン結合かつ/もしくは非共有結合を介して、粒子と結び付けられ、ならびに/または粒子と緩く結び付けられる。本発明の乾燥粒子状レスベラトロール組成物を含む局所製剤、およびそれを使用する方法も提供される。
本発明についてさらに記述する前に、本発明は、記述される特定の態様に限定されず、したがって多様でありうることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書において用いられる用語が特定の態様のみを記述する目的のためであって、限定することは意図されないことも理解されるべきである。
値の範囲が提供されている場合は、文脈に明示されていない限り、下限の単位の1/10までの、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその明示された範囲内の他の任意の値または介在値が、本発明に包含されることを理解されたい。これらのより狭い範囲の上限および下限は、より狭い範囲内に独立して含まれてもよく、明示された範囲内の特定の除外限界にしたがって、同じく本発明内に包含される。明示された範囲が限界の一方または両方を含む場合は、それらの含まれる限界のうちのいずれかまたは両方を除外した範囲も本発明に含まれる。
特定の範囲は本明細書において、「約」という用語を数値の前に置くことによって表される。「約」という用語は本明細書において、その用語を前に置いた正確な数字、ならびにその用語を前に置いた数字に近いまたは近似の数字の文字通りの補助を提供するために用いられる。ある数字が具体的に列挙された数字に近いまたは近似するかどうかを判断する際に、近いまたは近似する列挙されていない数字は、その数字が示される文脈で、具体的に列挙された数字の実質的な同等値を提供する数字でありうる。
本明細書において列挙される方法は、論理的に可能である列挙された事象の任意の順序、ならびに事象の列挙された順序で実行されうる。
特に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記述されているものと同様または同等の任意の方法および材料も、本発明の実践または試験において用いることができるが、好ましい方法および材料についてこれから記述する。
本明細書において言及される全ての刊行物は、引用された刊行物と関連する方法および/または材料を開示および記述するように、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈に明示されていない限り、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。さらに、特許請求の範囲は任意の要素を除外するように作成されうることに留意されたい。したがって、この記述は、「単に」、「だけ」などのような排他的な用語を、列挙された請求項要素と関連付けながら用いること、または「否定的な」限定を用いることについての先行詞となるよう意図される。
本明細書において論じられている刊行物は、それが本出願の出願日よりも前に開示されていることのためだけに提供される。本明細書中のいずれも、本発明が、先行発明によって、そのような刊行物に先行する権利を与えられない承認として解釈されるべきではない。さらに、提供されている公開日は、独立して確認されることが必要とされうる実際の公開日とは異なる場合がある。
微細乾燥粒子状活性物質を生成する方法およびそれを用いて生成された微細乾燥粒子状活性物質
上で要約したように、本発明の局面には、微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物を作成する方法であって、乾燥粒子状レスベラトロール組成物を生成させるのに十分なやり方で一定量のナノ多孔性カルシウム粒子(例えば、リン酸カルシウム粒子)および1つまたは複数のレスベラトロール活性剤を組み合わせる段階を含む該方法が含まれる。上で概説したように、乾燥粒子状レスベラトロール組成物において、活性剤は、例えば、粒子の細孔中での捕捉および/または粒子の表面へのイオン結合かつ/もしくは非共有結合を介して、粒子と結び付けられ、ならびに/または粒子と緩く結び付けられる。本発明の態様による方法を実践する際に、ナノ多孔性カルシウム粒子および1つまたは複数のレスベラトロール活性剤は、活性剤が粒子の内部空間に入るのにおよび/もしくはイオン結合するのにおよび/もしくは共有結合するのに、ならびに/または粒子の表面と結び付くのに十分な条件の下で適当な溶媒系の存在下において組み合わされる。本方法の段階についてさらに記述する前に、本方法のある種の態様において採用される粒子、活性剤および溶媒系についてさらに詳細に総説する。
ナノ多孔性カルシウム粒子
本発明の方法において採用される粒子は、ナノ多孔性リン酸粒子である。「ナノ多孔性」とは、ASTM D 4284-88「Standard Test Method for Determining Pore Volume Distribution of Catalysts by Mercury Intrusion Porosimetry」に記述されているように水銀侵入ポロシメータ多孔率判定プロトコルを用いて判定した場合に、粒子が30%またはそれ以上、例えば40%またはそれ以上、50%またはそれ以上などの多孔率を有することを意味し、ここで多孔率は30%〜85%、例えば40%〜70%、45%〜55%などの範囲でありうる。多孔性は「細孔容積(ml/g)」によっても記述され、そのような場合において、多くは0.1 ml/g〜2.0 ml/gの範囲である。いくつかの場合において、ASTM D3663-03 Standard Test Method for Surface Area of Catalysts and Catalyst Carriersに記述されているようにBETガス吸着表面積判定プロトコルを用いて判定した場合に、粒子は、内部表面積が10 m2/g〜150 m2/g、例えば20 m2/g〜100 m2/g、30 m2/g〜80 m2/gなどの範囲のような多孔率を有する。孔径は異なってよく、場合によっては、2〜100 nmであり、例えば5〜80 nm、10〜60 nmなどの範囲である。加えて、粒子は0.2 g/cm3〜0.5 g/cm3、例えば0.25 g/cm3〜0.45 g/cm3、0.3 g/cm3〜0.4 g/cm3などの範囲のタップ密度を有しうる。タップ密度は、ASTM WK13023規格 - 定容測定法による金属粉末タップ密度の新測定(New Determination of Tap Density of Metallic Powders by a Constant Volume Measuring Method)を用いることによって測定することができる。
場合によっては、粒子は、形状が均一かつ球形である剛性粒子である。「剛性」とは、粒子が硬質であって、柔軟ではないことを意味する。「均一」とは、粒子が実質的に同じ球形状を有するように、粒子の形状が実質的に異ならないことを意味する。「球形」という用語は、従来の意味で利用され、中心から実質的に等距離となる全ての点を表面とする球体を意味する。ある種の態様において関心があるのは、20 μmまたはそれ以下、例えば10 μmまたはそれ以下、5 μmまたはそれ以下などの直径を有するカルシウム粒子であり、ここで場合によっては、中央径(medium diameter)は4 μmまたはそれ以下、例えば3 μmまたはそれ以下、2 μmまたはそれ以下などである。ある種の態様において関心があるのは、組成物中の粒子成員の全ての中央径が20 μmまたはそれ以下、例えば10 μmまたはそれ以下、5 μmまたはそれ以下などであり、ここで場合によっては、中央径が4 μmまたそれ以下、例えば3 μmまたはそれ以下、2 μmまたはそれ以下などであるカルシウム粒子状組成物である。ある種の態様において関心があるのは、組成物中の粒子の全ての算術平均(arithmetic mean or average)が20 μmまたはそれ以下、例えば10 μmまたはそれ以下、5 μmまたはそれ以下などであり、ここで場合によっては、中央径が4 μmまたはそれ以下、例えば3 μmまたはそれ以下、2 μmまたはそれ以下などであるカルシウム粒子状組成物である。上記の範囲に関して、場合によっては、粒子は0.1 μmまたはそれ以上、例えば.05 μmまたはそれ以上、1.0 μmまたはそれ以上などの直径を有する。
粒子は、場合によっては、化学的に純粋である。化学的に純粋とは、粒子が実質的には一種類の化合物、例えばリン酸カルシウム・ミネラルのような、カルシウム化合物で構成されていることを意味する。多孔性粒子として関心があるのは、カルシウム陽イオンおよび適当な陰イオン、例えば、炭酸塩、リン酸塩などを含む分子で構成されているカルシウム含有粒子のような、カルシウム含有粒子である。場合によっては、粒子は、限定されるものではないが米国特許第5,292,495号および同第7,754,176号に開示されている炭酸カルシウム粒子のような、炭酸カルシウム粒子である。場合によっては、リン酸カルシウム粒子は、分子式Ca10(PO4)6(OH)2によって記述されるリン酸カルシウムで構成される。
場合によっては、粒子はセラミック粒子である。セラミックとは、高温状態に粒子を供する段階を含む方法を用いて粒子が生成されることを意味し、そのような状態を以下に例証する。高温は200〜1000℃、例えば300〜900℃、および300〜800℃などの範囲でありうる。いくつかの態様において、欧州特許EP1840661に記述されているように、400℃〜900℃の温度で焼結された粒子でSHIMADZU MCT-W500微小圧縮試験機器粒子強度判定プロトコルを用いて判定した場合に、粒子は、20〜200 MPa、例えば50〜150 MPa、および75〜90 MPaなどの範囲の圧縮破断強度を有する。いくつかの態様において、粒子は生分解性であり、生分解性とは、粒子が生理学的条件の下で経時的に、いくつかのやり方で分解する、例えば、溶解することを意味する。これらの態様の粒子は生理学的条件の下で生分解性であるので、それらは少なくとも、5.8またはそれ以下、例えば5.5またはそれ以下、例えば5.3またはそれ以下、5またはそれ以下など、例えば、4.9またはそれ以下のpHの条件下にて検出可能な速度で溶解し始める。
本方法の態様において採用される均一の硬い球状のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子は、任意の好都合なプロトコルを用いて調製されうる。関心対象の1つのプロトコルにおいて、均一の球状ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子を生成させるためにナノ多孔性リン酸カルシウム(例えばハイドロキシアパタイト)結晶(これは2 nm〜100 nmの大きさの範囲でありうる)を含むスラリーをスプレイ乾燥させることにより粒子が製造される。得られた粒子を次に、機械的および化学的に安定な剛性の球体をもたらすのに十分な時間、焼結させる。この段階において、焼結温度は、1時間〜10時間、例えば2時間〜8時間および3時間〜6時間などの範囲の時間、100℃〜1000℃、例えば200℃〜1000℃、例えば300℃〜900℃および300℃〜800℃などの範囲でありうる。
場合によっては、ナノ多孔性カルシウム粒子は、前処理されうる。前処理された粒子は、いくつかの異なるプロトコルを介して調製されうる。場合によっては、粒子は、例えば、酸のような、pH調整剤で中和されうる。pHは、必要な場合、活性剤に特異的でありうる、最適な範囲に調整されうる。関心対象のpH調整剤の例としては、弱酸または強酸、例えば塩酸、グリコール酸、リン酸、乳酸およびクエン酸などが挙げられる。場合によっては、粒子は、リン酸ナトリウムのような、リン酸塩で前処理されてもよく、または塩化カルシウムのような、カルシウム塩で前処理されてもよい。場合によっては、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸または塩化カルシウムおよび乳酸のような、緩衝系の混合物が用いられる。所望の場合、このプロトコルの間に生成された任意の塩類が、例えば、ろ過またはデカンティングを介して、除去されてもよい。ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子に対する関心対象の前処理プロトコルに関するさらなる詳細は、米国仮特許出願第61/327,633号において見出されうる。
レスベラトロール活性剤
「レスベラトロール活性剤」という用語は、レスベラトロール活性を有する剤をいう。レスベラトロール活性剤の例としては、レスベラトロール(3,4',5-トリヒドロキシスチルベンまたは3,4',5-スチルベントリオールまたは3,5,4'-トリヒドロキシスチルベン)、およびその誘導体、代謝産物または類似体が挙げられるが、これらに限定されることはない。本明細書において用いられる「レスベラトロール、その誘導体、代謝産物または類似体」という用語は、一般式Iによって包含される化合物を含み:
Figure 2016514696
式中でAは炭素-炭素単結合または二重結合を意味し、後者はトランスまたはシスであってよく、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は互いに独立して、水素、ヒドロキシ、エーテル化されたヒドロキシまたはエステル化されたヒドロキシ基を意味する。Aが二重結合(-CH=CH-)である化合物Iが、好ましい。記号Aによって示される炭素-炭素二重結合はトランスまたはシスであってよいが、上記式Iは、同様にシス/トランス混合物も含むものと理解される。Aがトランス炭素-炭素結合である式Iの化合物が、場合によっては採用される。
エーテル化またはエステル化されたヒドロキシ基は、1〜26個の炭素原子を有する非置換もしくは置換、直鎖もしくは分枝鎖アルキル基に由来してもよく、または1〜26個の炭素原子を有する非置換もしくは置換、直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸、芳香脂肪酸もしくは芳香族カルボン酸に由来してもよい。エーテル化されたヒドロキシ基はさらに、グリコシド基であってもよく、エステル化されたヒドロキシ基はさらに、グルクロニドまたは硫酸基であってもよい。Aが-CH=CH-である式Iの化合物の例は、レスベラトロール(R1、R3およびR5=水素、R2、R4およびR6=ヒドロキシ); ピセアタンノール(R3およびR5=水素、R1、R2、R4およびR6=ヒドロキシ)、ならびにラポンチゲニン(R5=水素、R1、R3、R4およびR6=ヒドロキシ、ならびにR2=メトキシ)である。Aが-CH2-CH2-である式Iの化合物の例は、ジヒドロレスベラトロール(R1、R3およびR5=水素; R2、R4およびR6=ヒドロキシ)、ジヒドロピセアタンノール(R3およびR5=水素; R1、R2、R4およびR6=ヒドロキシ)ならびにトリスチン(R3およびR5=水素; R2、R4およびR6=ヒドロキシおよびR1=メトキシ)である。これらの化合物は、全て周知であり、市販されており、または当技術分野において周知の方法にしたがって得ることができる。
本発明の目的で、レスベラトロール、その誘導体、代謝産物または類似体は、合成または天然由来であってもよい。本発明の1つの態様において、レスベラトロール、特に合成由来の(トランス)-レスベラトロールが本発明の目的で用いられる。本発明の別の態様において、天然由来、すなわち、天然レスベラトロール源から単離されたレスベラトロールが、またはブドウ種子抽出物もしくはオオイタドリ抽出物などの天然レスベラトロール源由来のレスベラトロール含有抽出物として用いられる。さらに、レスベラトロールは単独で、すなわち単一活性構成成分として、または栄養補助製剤中で用いられることが多い1種もしくは複数種の他の活性成分と組み合わせて、本発明の目的で用いられてもよい。そのような他の成分には、特にエステル形態の、天然の、抽出物および濃縮物または合成物の形態の、およびほぼ純粋な形態の、ミネラル塩; ビタミン(例えば、ビタミンEおよびC); β-カロテン、リコペン、ルテインまたはゼアキサンチンなどのカロテノイド; エピガロカテキン(EGCG)などの緑茶カテキン; ヒドロキシチロソールおよびオレウロペインなどのオーリブフェノール類; 補酵素Q10; ゲニステインならびにあらゆる種類のPUFAが含まれるが、これらに限定されることはない。
関心対象のレスベラトロール誘導体は、米国特許出願公開第20090035243号、同第20090035242号、同第20090035240号および同第20090035236号に報告されているものをさらに含むが、これに限定されることはなく; それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。
溶媒系
溶媒系は、単一の溶媒または2種もしくはそれ以上の異なる溶媒から構成されてもよく、ここで特定の溶媒または溶媒系を構成する溶媒は、粒子と複合体化される活性剤の性質に基づき選択されうる。場合によっては、溶媒系は水性であり、100%水であってよく、または所望により、有機もしくは無機であってよい、極性および無極性の溶媒を含む、1種もしくは複数種のさらなる溶媒と組み合わされた水であってよい。他の例では、溶媒系は無極性であってよい。
乾燥粒子状活性物質の製造
上記に概説したように、本発明の態様にしたがって乾燥粒子状活性物質を調製する際に、活性剤、ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子および溶媒系を組み合わせて、リン酸カルシウム粒子/活性剤の混合物を生成させる。様々な構成成分は、任意の好都合なプロトコルを用いて組み合わされうる。場合によっては、活性剤を最初に溶媒系に溶解し、次いで得られた活性剤溶液を一定量のリン酸カルシウム粒子と組み合わせる。さらに他の例では、リン酸カルシウム粒子を溶媒系と最初に組み合わせ、その後、活性剤を加えて、リン酸カルシウム粒子/活性剤の混合物を生成させる。
活性剤および溶媒系は、所望の混合溶液を生成するのに十分な任意のプロトコルを用いて組み合わされうる。場合によっては、活性剤および溶媒系は、撹拌で組み合わされる。撹拌は任意の好都合なプロトコル、例えば撹拌棒、撹拌羽、プロペラなどを用いてもたらされうる。活性物質が溶媒系と組み合わされ、それに溶解される温度は、変化することがあり、室温未満、室温または室温超でありうる。活性剤および溶媒の組み合わせがなされる特定の温度は、例えば、融点、沸点などの、溶媒系の特性はもちろんのこと、活性剤の性質に基づき(活性剤を不活性化しない温度が選択されるように)選択されうる。場合によっては、温度は0℃のすぐ上〜200℃の範囲である。場合によっては、温度は4〜25℃、例えば、5〜10℃の範囲である。場合によっては、温度は室温超、例えば、35〜60℃、例えば40〜45℃、50〜55℃、またはそれ以上である。場合によっては、温度は65〜150℃、例えば70〜85℃、90〜105℃、120〜135℃またはそれ以上の範囲である。場合によっては、温度は5〜80℃、例えば5〜75℃、例えば10〜65℃、例えば20〜60℃の範囲である。
溶媒系に溶解される活性剤の量は、溶媒系中での活性剤の溶解性に基づき、および/または用いられるリン酸カルシウム粒子の量に基づき選択されうる。場合によっては、リン酸カルシウム粒子に対する活性剤の量は0.1重量%またはそれ以上、例えば10重量%またはそれ以上、例えば20重量%またはそれ以上、例えば30重量%またはそれ以上、例えば40重量%またはそれ以上、例えば60重量%またはそれ以上、例えば70重量%またはそれ以上、例えば80重量%またはそれ以上、例えば90重量%またはそれ以上、100重量%またはそれ以上など、1000重量%またはそれ以上などである。場合によっては、活性剤のリン酸カルシウム粒子に対する重量比は、0.01:10、0.1:1、1:1および1:0.1に及ぶ。場合によっては、活性剤のカルシウム粒子に対する重量比は、0.5:1.0〜5:1の範囲であり、ここで場合によっては、その比率は1:1である。
例えば、上記のように、活性剤溶液の調製後、適当な量のリン酸カルシウム粒子(これは、例えば、先に記述され参照されたように、前処理されてもまたはされなくてもよい)を溶液と組み合わせる。場合によっては、活性剤溶液と組み合わされるリン酸カルシウム粒子は乾燥している。場合によっては、本方法は、溶媒系で初期量のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子を湿潤させる段階を含み、ここで溶媒系は、例えば、上記のように、活性剤溶液を調製するために用いられるものと同一のものまたは異なるものでもよい。
粒子(上記のように乾燥しているか、または湿潤しているかのいずれか)は、例えば、上記のように、溶媒系中に存在する活性剤の溶液と組み合わされて、溶媒系の中に粒子および活性剤を含む液体組成物を生じうるが、この組成物は本明細書において活性剤混合物といわれうる。活性剤溶液および粒子(所望により、乾燥または湿潤した)は、任意の好都合なプロトコルを用いて、例えば、撹拌(上記のような)によって混合され、溶媒系の中に粒子および活性剤の両方を含む液体組成物を生じうる。この混合段階は、所望の混合液を生成するのに十分な時間続き、場合によっては、長さが1分〜600分、例えば5分〜300分の範囲である。場合によっては、ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子および活性剤溶液は、陰圧下で組み合わされる。陰圧下で組み合わされる場合、関心対象の圧力は変化しえ、場合によっては0.001トル〜1トル、例えば0.01トル〜0.1トルおよび0.05トル〜0.5トルなどの範囲である。
混合物の調製後、溶媒系は、所望の微細乾燥粒子状活性物質を生成させるために、活性剤混合物から乾燥除去される。乾燥は任意の好都合なプロトコルを用いて達成されうるが、ここで関心対象のプロトコルには、溶媒を蒸発させるのに十分に上昇した温度での維持が含まれるが、これに限定されることはない。関心対象の乾燥方法には、スプレイ乾燥、空気流乾燥、流動層乾燥および過熱ストリーム乾燥のような、熱対流による乾燥、または真空乾燥、凍結乾燥、回転ドラム乾燥および回転式真空乾燥のような、熱伝導による乾燥、または赤外線加熱乾燥、マイクロ波乾燥のような、熱放射による乾燥、または他の電磁波を伴う熱放射、ならびにまたは超臨界乾燥のような他の方法などが含まれるが、これらに限定されることはない。所望により、様々なプロトコルの組み合わせが採用されてもよい。溶媒の分離に引き続き、得られた乾燥生成物が所望によりさらに加工処理されてもよく、例えば、微細乾燥粒子状活性物質を生成させるため、所望により、生成物は研磨され、製粉され(例えば、ボールミル、ハンマーミル、ジェット衝撃ミル、湿性衝撃ミルなどを介して)、ふるいにかけられ(例えば、振動の有無、気流または噴流による分類に供され)などされてもよい。
上記のように、本発明の活性組成物は、所与のカルシウム粒子と結び付けられた単一の活性剤、または2つもしくはそれ以上の活性剤(例えば、3つもしくはそれ以上の活性剤、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上)、同じカルシウム粒子と結び付けられた異なる活性剤を有することによって特徴付けられうる。
上記の製造プロトコルによって、本発明の微細乾燥粒子状レスベラトロール活性物質の生成がもたらされる。反応生成物において、乾燥粉末活性剤は粒子の内部に存在しており、および/または共有結合もしくはイオン結合により、粒子に結合されており、および/または粒子の表面に接しており、および/または粒子と密に結び付いており、粒子と緩く結び付いている。リン酸カルシウム粒子と結合されまたは結び付けられる活性剤構成成分(これは1つまたは複数の異なる活性剤から構成される)の量は、特定の活性剤に依って、変化しうる。得られる活性微粒子は粒子の直径に関して分布を有し、ここで場合によっては、粒子の大部分(例えば60%またはそれ以上、75%またはそれ以上、90%またはそれ以上、95%またはそれ以上)が、0.01〜100 μm、例えば0.01〜20 μm、例えば0.1〜10 μm、および0.1〜2 μmなどの範囲の直径を有する。
場合によっては、カルシウム粒子に対する活性剤の量は、1重量%またはそれ以下から500重量%またはそれ以上の範囲であり、例えば、場合によっては、50重量%またはそれ以上、例えば60重量%またはそれ以上、例えば70重量%またはそれ以上、例えば80重量%またはそれ以上、例えば90重量%またはそれ以上、100重量%またはそれ以上など、例えば150重量%またはそれ以上、例えば500重量%またはそれ以上、1000重量%またはそれ以上などである。場合によっては、活性剤のカルシウム粒子に対する重量比は、0.5:1.0〜5:1、例えば、0.1対1〜1:0.1の範囲であり、ここで場合によっては、その比率は1:1である。
採用される、得られた活性物質の性質に依って、プロトコルは、得られた活性粉末を被覆する段階を含んでもまたは含まなくてもよい。関心対象の被覆材料(これは1つまたは複数の被覆材料を含みうる)は、様々な製剤、例えば、皮膚への局所適用のためにデザインされた製剤中での活性剤とリン酸カルシウム粒子との結び付きを保存するものである。適当な被覆剤には、生理学的に許容され、かつ室温で固体であり、かつ皮膚への適用に適している薬剤が含まれる。被覆材料の構成成分は、単一の材料または2つもしくはそれ以上の材料の組み合わせであってよく、例えば、ここでこの組み合わせにより1つまたは複数の望ましい特性が提供される。被覆材料としての用途が見つかる材料には、ワックス、バターなどが含まれるが、これらに限定されることはない。関心対象の被覆材料およびその使用のための方法は、US 2010-0086606 A1として公開されている米国特許出願第12/565,687号にさらに記述されており; この開示は参照により本明細書に組み入れられる。
採用される場合、被覆構成成分または安定剤構成成分は、単一の材料であってよく、または、例えば、組み合わせによって望ましい融解温度などのような、1つもしくは複数の望ましい特性が提供される場合、2種もしくはそれ以上の材料の組み合わせであってもよい。安定剤としての用途が見つかる材料には、ムクジャーヤシシードバター、アーモンドバター、アロエバター、アプリコットカーネルバター、アルガンバター、アッタレアマリパシードバター、アボカドバター、ババスバター、バキュリバター、バグラソフトバター、バオバブソフトバター、バッシアブチラセアシードバター、バッシアラティフォリアシードバター、クロフサスグリシードバター、ブラジルナッツバター、カメリナバター、カメリアバター、カンデリラバター、カルナウババター、カルポットロシェブラジリエンシスシードバター、カモミールバター、ココアバター、ココナッツバター、コーヒーバター、コットンソフトバター、クランベリーバター、クプアスバター、グレープシードバター、ヘーゼルナッツバター、ヘンプシードバター、ツクシバター、イリッペバター、アフリカマンゴーカーネルバター、ジョジョババター、カリテバター、コクムバター、ククイバター、ラベンダーバター、レモンバター、ライムバター、マカダミアバター、マンゴバター、マルラバター、モノイバター、モーラバター、ムカジャバター、ムルムルバター、オリーブ属(Olea)バター、オリーブバター、オレンジバター、ヤシ油、パッションバター、フルワラバター、ピスタチオバター、ザクロバター、パンプキンバター、ラズベリーバター、ライスバター、サルバター、サプカイナバター、ゴマバター、シアバター、大豆バター、タマヌバター、ヒマワリシードバター、スィートアーモンドバター、タンジェリンバター、ツクマシードバター、ウクーバ(Ucuuba)バター、小麦胚芽バター、アクラワックス、ヤマモモワックス、ミツロウワックス、カンデリラワックス、ヒマシワックス、カルナバワックス、セレシンワックス、エスパルトワックス、グリコワックス、ホホバワックス、ジャパンワックス、亜炭ワックス、直鎖ポリエチレンワックス、微結晶石油ワックス、モンタンワックス、オウリコウリワックス、オゾケライトワックス、パラフィンワックス、米ぬかワックス、セラックワックス、シリコーンワックス、合成ワックス、サトウキビワックス、ワセリン、硬化牛脂、セチルアルコール、ラノリンアルコール、ラノリン、ステアリルアルコール、ステアロン、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセロール、パルミチン酸セチル、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl-ポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、酢酸ポリビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸、メタクリル酸メチル、2-ヒドロキシメタクリル酸、メタクリル酸ヒドロゲル、1,3ブチレングリコール、エチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、メタクリル酸エチレングリコール、ならびに/またはポリエチレングリコール、例えばPEG-18、PEG-20、PEG-32、PEG-75、PEG-90、PEG-100、およびPEG-180が含まれるが、これらに限定されることはない。
局所製剤
本発明の局面は、ヒト対象の局所部位への適用のために構成される局所製剤をさらに含む。本発明の局所製剤は、ヒト対象のような哺乳類対象の粘膜表面または角化皮膚表面のような用途に向けられる。粘膜表面とは、口の内部、鼻の内部などのような、粘膜を含む対象の位置を意味する。角化皮膚表面とは、対象の皮膚の位置、すなわち、動物の体の外側被覆または外皮の位置を意味する。本発明の局所製剤は局所位置への送達のために製剤化されるので、それらが製剤化されるための局所位置に生理的に適合するように製剤化される。したがって、それらが製剤化されるための標的の角化皮膚表面と接触した場合、ある態様の局所用組成物は、もしあったとしても、局所組成物の使用を局所適用に適当ではないようにする実質的な生理的応答(炎症または刺激のような)を起こさない。本発明の局所製剤は、(a) ある量の活性物質(これは安定化されても安定化されなくてもよい); および(b) 局所送達媒体を含む。
上記のように、局所組成物は、局所送達媒体中に存在するある量の微細乾燥粒子状活性物質を含む。送達組成物中に存在し、それゆえ送達媒体と組み合わされる微細乾燥粒子状活性物質の量は、変化しうる。いくつかの態様において、送達媒体中に存在する微細乾燥粒子状活性物質の量は、10〜50 mg/gの微細乾燥粒子状活性物質/送達媒体gを含めて、0.01 mg/g〜500 mg/g、例えば0.01〜250 mg/g、例えば0.1〜200 mg/g、例えば1〜100 mg/gの範囲である。ある種の態様において、微細乾燥粒子状活性物質は、重量で約0.001%またはそれ以上、例えば0.01%、または0.05%、または1%もしくはそれ以上、5%もしくはそれ以上、10%もしくはそれ以上、15%もしくはそれ以上、25%もしくはそれ以上、30%もしくはそれ以上、50%もしくはそれ以上の範囲の量で組成物中に存在する。ある種の態様において、微細乾燥粒子状活性物質は、送達媒体に直接加えられる(すなわち、微細乾燥粒子状活性物質は、送達媒体と組み合わされる/混合される前には湿潤されていない)。言い換えれば、微細乾燥粒子状活性物質および送達媒体が組み合わされて、局所組成物を形成する。
送達媒体(すなわち、局所送達構成成分)は、微細乾燥粒子状活性物質ではない局所組成物のその部分をいう。関心対象の送達媒体は、経口、局所、移植、眼球、耳、直腸、膣などの経路の1つまたは複数を介した適用に適している組成物を含むが、これらに限定されることはない。ある種の態様において、媒体は角化皮膚表面のような、対象の局所領域または表面への適用のために製剤化される。主題の組成物は、例えば水性溶媒中で、構成成分の安定な溶液または懸濁液として製剤化されうる。所望であれば、構成成分を1つまたは複数の担体材料と組み合わせて、所望のように、溶液、懸濁液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、エアロゾルスプレイ、ロールオン、発泡体製品、ムース、粉末、スティックなどを形成させてもよい。ある種の態様において関心があるのは、水性の送達媒体、すなわち特定の量の水を含む水性媒体である。水性媒体の例としては、ヒドロゲル媒体、スプレイ、血清などが挙げられる。
局所組成物は、香料、染料、緩衝液、冷却剤(例えば、メントール)、被覆材料などのような、特に官能特性に関連した、その他の生理学的に許容される賦形剤またはその他の少量の添加剤も含有してもよい。賦形剤および少量の添加剤は、例えば、重量で、約0.001%〜5%、例えば0.001〜2%の範囲である、場合によっては重量で計10%を超えない、通常の量で存在するであろう。
関心対象のローション(他の局所製剤と同様に)は、以下の構成成分: 水、粘度調整剤、保湿剤、植物油および水素添加植物油、皮膚軟化剤、調整剤、乳化剤、脂肪酸のグリセリルエステル、シリコーン、糖のC1〜C30モノエステルおよびポリエステル、調整剤、防腐剤などの1つまたは複数を含みうる。局所用製剤に依っては、関心対象のさらなる成分: 研磨剤、吸収剤、抗菌および抗真菌剤、収斂剤、抗ざ瘡剤、抗しわ剤、抗酸化剤、抗菌剤、結合剤、生物学的活性物質、緩衝活性物質、膨化活性物質、キレート剤、化学添加物、外用鎮痛剤、被膜形成剤、乳白剤、pH調整剤、還元剤、着色剤、香料、化粧鎮静剤、日焼け活性物質および促進剤、皮膚の淡色化/美白剤、日焼け止め剤、界面活性剤、皮膚調整剤、ビタミンなどを含む。
上記のように、ある種の態様において関心があるのは、ゲル、クリームおよび軟膏のような、半固体の送達組成物である。そのような組成物は、(活性剤に加えて)水、水溶性重合体、防腐剤、アルコール、多価アルコール、乳化剤、ワックス、溶媒、増粘剤、可塑剤、pH調節剤、保水剤などの混合物でありうる。さらに、そのような組成物は、香料、染料、緩衝液、被覆材料などのような、その他の生理学的に許容される賦形剤またはその他の少量の添加剤も含有してもよい。
同様に関心があるのは、局所貼付製剤のような固形製剤である。局所貼付製剤はかなり変化しうる。局所貼付製剤は、活性剤層、支持体および放出裏地を含みうる。活性剤層は、香料、染料、緩衝液、被覆材料などのような、生理学的に許容される賦形剤またはその他の少量の添加剤を含みうる。支持体は、人体の動きに適合することが可能である柔軟な材料で構成されてもよく、例えば、プラスチックフィルム、様々な不織布、織物、スパンデックスなどを含む。様々な不活性の覆いが採用されてもよいが、それには、以下で記述される硬膏での使用が見出されうる様々な材料が含まれる。あるいは、不織布または織物の覆い、特に熱輸送および蒸気輸送を可能にするエラストマーの覆いが採用されてもよい。これらの覆いは、機械的除去からゲルを保護する一方で、大きな快適さを提供する、疼痛部位の冷却を可能にする。放出裏地は従来の物質で構成されてもよいが、代表的な放出フィルムには、PETまたはPPなどのような、ポリエステル類が含まれる。
送達媒体中に存在する時、初期微細乾燥粒子状組成物の活性剤の高い重量百分率のものが、カルシウム粒子と結合したままでありうる。場合によっては、カルシウム粒子と結合したままの(それゆえ、送達媒体中で自由ではない)重量百分率は、40%またはそれ以上、例えば50%またはそれ以上であり、60%またはそれ以上、例えば70%またはそれ以上を含む。カルシウム粒子と結合したままの活性剤は、酸性の皮膚環境での送達に向けて粒子とともに皮膚へ運ばれうる。
有用性
本発明の局所製剤は、対象の局所部位へ活性剤を送達する方法において用途が見つかるが、ここで局所部位とは皮膚表面部位または粘膜部位でありうる。活性剤を対象の局所部位へ送達する際に、本発明の製剤は活性剤を少なくとも対象の皮膚表面下の表皮部位へ送達しうる。したがって、本発明の態様は、対象の角質層へ活性剤/カルシウム粒子の複合体を送達する方法を含み、ここでこの方法は、対象の深部角質層および/または真皮への複合体の送達をもたらしうる。「深部角質層」とは、皮膚表面下の1個またはそれ以上の細胞層、例えば皮膚表面下の2個またはそれ以上の、例えば、5個またはそれ以上の細胞層、皮膚表面下の10個またはそれ以上の細胞層など、である領域を意味する。場合によっては、活性剤/カルシウム粒子複合体は皮膚表面下、2 μmまたはそれ以上、例えば5 μmまたはそれ以上および15 μmまたはそれ以上などにある角質層の領域へ送達される。
活性剤/カルシウム粒子複合体は、その標的の真皮部位に到達すると、その活性剤「ペイロード」を放出し、崩壊し始めうるが(例えば、皮膚のpH勾配によって引き起こされる溶解を介して)、これは、均一の硬い球状のナノ多孔性粒子が角質層の生理学的酸性条件のような、酸性条件、例えばpH 5.5またはそれ以下、例えば5またはそれ以下、4.0またはそれ以下などの条件の下で溶解するからである。角質層における粒子の溶解に必要な時間は、異なることがあり、ある種の態様において、数分から数日まで、例えば1分から24時間、例えば10分から12時間および30分から3時間などの範囲であり、その時間にわたって、活性剤が微細粒子状乾燥活性物質から放出される。活性剤/カルシウム粒子複合体から放出される活性剤の比率は、異なることがあり、場合によっては、0.01% (w/w)またはそれ以上、例えば0.1% (w/w)またはそれ以上、1% (w/w)またはそれ以上など、例えば10% (w/w)またはそれ以上、50% (w/w)またはそれ以上、75% (w/w)またはそれ以上など、最大100% (w/w)などである。
本発明の方法は、それゆえ、少なくとも対象の角質層への、活性剤の送達をもたらしうる。関心対象のさらなる身体標的部位には、例えば透明層、顆粒層、有棘層、基底層および真皮に限定されない、さらなる表皮領域が含まれる。ある種の態様において、活性剤は真皮の領域へ送達される。ある種の態様において、活性剤は真皮下の領域へ、例えば、皮下組織へ送達される。
本発明の方法を実践する際に、局所製剤は対象の局所領域に適用され、上記のように、対象への活性剤の望ましい送達をもたらすのに十分な時間、局所領域で維持される。局所領域は、ある種の態様において、角化皮膚領域である。角化皮膚領域は、毛包、汗腺および皮脂腺を含めて、種々の部位、例えば四肢、腕、脚; 胴体、例えば胸、背中、腹; 頭部、例えば首、顔などに存在しうる。ある種の態様において、当領域は、顔面領域、例えば額、後頭部、口の周りなどのような、頭部領域である。組成物が適用される局所領域は、部分に関して異なることがあり、ある種の態様において1 mm2〜20,000 cm2またはそれ以上、例えば1〜50 cm2、および3〜10 cm2などの範囲である。
適用後、望ましい治療結果を得るのに、例えば、乾燥を減らすなどの、関心対象の症状の改善を起こすのに十分な時間、局所製剤は適用部位に維持される。この時間は異なることがあり、ある種の態様において、瞬時から数日まで、例えば1分から24時間またはそれ以上、例えば30分から12時間および1時間から12時間またはそれ以上などの範囲である。
本発明の方法を実践する際に、対象は所与の時間にわたって単回用量または2回もしくはそれ以上の用量を投与されてもよい。例えば、1ヶ月の所与の処置期間にわたり、1回またはそれ以上の用量、例えば2回またはそれ以上の用量、3回またはそれ以上の用量、4回またはそれ以上の用量、5回またはそれ以上の用量などが対象に投与されてもよく、ここでこれらの用量は、毎週もしくは毎日または1日に複数回でさえ、その間に休み時間を伴って、投与されてもよく、例えば、ここで休み時間は、例えば、4時間、6時間、12時間、1日、3日、7日など異なりうる。
主題の方法および組成物は、種々の異なる種類の動物において用いることができ、ここでこの動物は、典型的には、「哺乳類」または「哺乳動物」であり、ここでこれらの用語は、肉食目(例えば、イヌおよびネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモットおよびラット)、ウサギ目(例えば、ウサギ)ならびに霊長類(例えば、ヒト、チンパンジーおよびサル)を含む、哺乳動物の部類の範囲内である生物を記述するように広く用いられる。ある種の態様において、対象または患者はヒトである。
主題の局所製剤は、レスベラトロール活性剤を対象に送達することが望まれる用途において用いられる。ある種の態様において、主題の局所製剤は、皮膚状態の処置において採用される。「処置」とは、対象を苦しめている状態と関連した症状の少なくとも改善が達成されることを意味し、ここで改善は、パラメータ、例えば処置される状態に関連した症状の大きさの少なくとも低減をいうように広い意味で用いられる。したがって、処置は、状態またはそれに関連した少なくとも症状が、完全に阻止される、例えば、発生が抑止される、または止められる、例えば、状態または状態を特徴付ける少なくとも症状で対象がもはや苦しまないように、終結される状況も含む。ある種の態様において、疾患状態で苦しんでいることが分かった対象に局所製剤が提供されるように、疾患状態の存在について対象が診断されうる。
本発明の方法の実践によって、皮膚改善の結果を増強することができ、この場合には一定量のしわ、粗さ、乾燥、弛緩、黄ばみ、または処置された皮膚の色素性斑点形成の顕著な減少が認められる。皮膚状態の改善を測定する方法は、当技術分野において周知であり(例えば、Olsen et al., J. Amer. Acad. Dermatol. 26:215-24, 1992を参照のこと)、患者または第二者、例えば、処置を行う医師による主観的評価を含むことができる。客観的方法はGrove et al., J. Amer. Acad. Dermatol. 21:631-37 (1989)に記述されているものなどの、皮膚トポグラフィー測定を含むことができる。皮膚トポグラフィー測定では、シリコーンゴムのレプリカが皮膚小域、例えば、直径1 cmの円形域で作られる。シリコーンゴムのレプリカは、皮膚上の細線およびしわを捕らえる。これらの被検査物を次に、コンピュータ化されたデジタル画像処理を用いて分析し、皮膚のトポグラフィーの客観的測定結果を提供する。デジタル画像処理の後に作成された皮膚トポグラフィー測定結果は、Olsen et al., J. Amer. Acad. Dermatol. 37:217-26, 1997に記述されているようにRa値およびRz値を用いて測定することができ、ここでRaは平均中心線上下の皮膚表面特性の逸脱域を表し、Rzは皮膚表面プロファイルの5つの同等なセグメントにおける最大の高さと最小の高さとの間の差を表す。本発明の方法を実践することによって達成されるように、未処置の皮膚と比べて本発明により処置された皮膚におけるRa値およびRz値の統計的に有意な減少(例えば、P<0.05)から、皮膚の改善が示唆される。
本発明の組成物および方法の使用により、いくつかの重要な利点が提供される。場合によっては、微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物を含む局所製剤(例えば、クリームおよびローション)は、貯蔵安定性であり、その結果、該組成物および/または活性剤の特性、例えば、色、粘性、活性剤活性などは、室温および高温の下で、例えば、40℃またはそれ以上、50℃またはそれ以上などで、長期間、例えば、1週間またはそれ以上、2週間またはそれ以上、1ヶ月またはそれ以上、6ヶ月またはそれ以上、1年間またはそれ以上にわたって実質的に変化しない。場合によっては、微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物を含む局所製剤(例えば、クリームおよびローション)は、対照と比べて活性剤の生体利用性の増大を示し、ここで増大の大きさは2倍またはそれ以上、例えば5倍またはそれ以上、10倍またはそれ以上などでありうる。場合によっては、微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物を含む局所製剤(例えば、クリームおよびローション)は、活性剤の持続放出を示し、ここで持続放出とは、6時間またはそれ以上、例えば12時間またはそれ以上、18時間またはそれ以上など、例えば、24時間またはそれ以上、2日間またはそれ以上など、例えば、3日間またはそれ以上、4日間またはそれ以上、5日間またはそれ以上、6日間またはそれ以上、7日間またはそれ以上の間の、治療的に望ましい量の放出を意味する。場合によっては、微細乾燥粒子状レスベラトロール活性剤組成物を含む局所製剤(例えば、クリームおよびローション)は、レスベラトロールおよびカルシウムの皮膚健康活性(skin health activitie)に関して相乗的な結果を示し、ここで治療結果の大きさは、これらの2つの作用物質それぞれについて予想される相加的活性よりも大きい。
以下の実施例は、例証として提供されるものであり、限定として提供されるものではない。
実験
I. レスベラトロール-ヒドロキシソームの調製
50 mLの回転式蒸発器フラスコ中でレスベラトロール粉末1 gをエタノール20 mLに溶解し、その後、ヒドロキシソーム(登録商標)リン酸カルシウム粒子(Laboratory Skin Care, South San Francisco)粉末1 gを加えた。フラスコ中の混合物を回転式真空蒸発器にセットし、エタノールを真空中60℃で2時間除去した。得られた生成物を保存期間安定性について試験した。生成物は、HPLCプロトコルを用いて判定された場合、室温で24ヶ月間、40℃で3ヶ月間および50℃で1ヶ月間安定であることが観察された。
加えて、本発明のレスベラトロールの微細乾燥粒子状組成物のいくつかの製剤を、水に基づく局所製剤中で試験した。これらの製剤において、レスベラトロールの、10%未満を含めて、15%未満のものがヒドロキシソーム(登録商標)リン酸カルシウム粒子から放出された。HPLC分析を用いて、生成物は室温で、3ヶ月間40℃で、および1ヶ月間50℃で製剤中において安定であることが観察された。pH、色、外観または粘性の変化は、観察されなかった。
II. 局所送達
上記のレスベラトロールの微細乾燥粒子状組成物を、クリーム局所送達媒体と組み合わせ、ヒト皮膚に適用した。安定なレスベラトロールの角質層への送達は、皮膚の完全性を破壊することなく、および2種の先導的な市販レスベラトロールクリーム(対照1および対照2)と比べてはるかに高いレベルで達成された。調査研究から、皮膚において本発明のレスベラトロールの微細乾燥粒子状組成物から放出されるレスベラトロールの量は、等量の各生成物がヒト対象の前腕に2、8および24時間適用された場合に対照よりもはるかに高い濃度で存在することが明らかである。
具体的には、2種の市販レスベラトロール皮膚製品(微粉化レスベラトロールおよびリン酸化レスベラトロール)を、ヒト対象において上記の微細乾燥粒子状組成物と比較した。この3種の製剤の等モル量をヒト対象の前腕に2、8および24時間適用した。各時点の後、皮膚表面を洗い、各適用部位から5枚のテープストリップを得た。各時点で、本発明のものは皮膚においていっそう高い濃度で見出された。この結果を図1に示す。
III. 被覆組成物
new phase technologies, USAから入手したポリエチレンワックスのペルホルマレン(performalene) 1 gをヘキサン20 mLに溶解した。上記のように調製されたレスベラトロール-ヒドロキシソーム粉末1グラムをアセトン溶液中のオイドラギット(Eudragit)に加え、懸濁液が均一になるまで混合した。懸濁液を乾燥チャンバ中、温度60℃でB-290スプレイ乾燥機, BUCHI Labortechnik AG in Flawil, Switzerlandを用いてスプレイ乾燥させた。
被覆材料は、脂肪、油、ワックス、樹脂、乳化剤またはその混合物を含む群より選択されうる。場合によっては、シェル材料は、動物油および動物脂肪、完全水素化植物油または動物油、部分的水素化植物油または動物油、不飽和、水素化または完全水素化脂肪酸、不飽和、部分的水素化または完全水素化脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドまたはジグリセリドの不飽和、部分的水素化または完全水素化エステル化脂肪酸、不飽和、部分的水素化または完全水素化遊離脂肪酸、他の乳化剤、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物系ワックス、合成ワックス、天然および合成樹脂ならびにそれらの混合物を含む群より選択される。
動物油および動物脂肪は、限定されるものではないが、牛脂、羊脂、ラム脂、ラードまたは豚脂、マッコウ鯨油などである。水素化または部分的水素化植物油は、限定されるものではないが、アブラナ油、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、大豆油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ココナツ油、パーム油、アマニ油、キリ油およびヒマシ油などである。遊離脂肪酸は、限定されるものではないが、ステアリン酸、パルミチン酸およびオレイン酸などである。他の乳化剤は、限定されるものではないが、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ソルビタンエステルなどである。動物性ワックスは、限定されるものではないが、蜜蝋、ラノリン、シェルワックスまたは中国昆虫ワックスなどである。植物性ワックスは、限定されるものではないが、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、ベーベリ蝋またはサトウキビ蝋などである。鉱物系ワックスは、限定されるものではないが、パラフィン、微結晶石油、オゾセライト、セレシンまたはモンタンワックスなどである。
理解を明確にする目的で例証および実施例により、上述の発明を多少詳しく記述してきたが、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の趣旨または範囲から逸脱することなく、それにある種の変更および修正がなされうることが当業者には容易に明らかである。
したがって、上述したものは、本発明の原理を例証するにすぎない。当業者は、本明細書には明示的に記述または示されていないが、本発明の原理を具現化し、かつその趣旨および範囲内に含まれる様々なアレンジを考案できることが理解されよう。さらに、本明細書に列挙される全ての実施例および条件付きの言語は、本発明の原理および当技術分野を推進させるために本発明者らが寄与する概念を読者が理解する際の補助となるよう主に意図されており、そのような具体的に列挙された実施例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、局面および態様、ならびにその具体的な実施例を列挙する本明細書の全ての記載は、その構造的等価物および機能的等価物の両方を包含するよう意図される。さらに、そのような等価物は、現在公知の等価物および将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を果たすように開発された任意の要素、の両方を含むことが意図される。それゆえ、本発明の範囲は、本明細書において示され、記述される例示的な態様に限定されるよう意図されない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。
概要
局所製剤で用いるのに適した微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物、ならびにそれを産生および使用する方法が提供される。乾燥粒子状レスベラトロール組成物において、レスベラトロール活性剤は、例えば、粒子の細孔中での捕捉および/または粒子の表面へのイオン結合かつ/もしくは非共有結合を介して、粒子と結び付けられ、ならびに/または粒子と緩く結び付けられる。本発明の乾燥粒子状レスベラトロール組成物を含む局所製剤、およびそれを使用する方法も提供される。
[本発明1001]
ナノ多孔性カルシウム粒子の細孔の内部および/もしくは粒子の表面に存在している、ならびに/または粒子と緩く結び付いているレスベラトロール活性剤を含む、微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1002]
組成物中のレスベラトロール活性剤の重量百分率が0.001から100までの範囲である、本発明1001の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1003]
ナノ多孔性カルシウム粒子がナノ多孔性リン酸カルシウム粒子である、本発明1001または1002の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1004]
ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が均一、剛性、球形であり、ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子がセラミックである、本発明1003の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1005]
均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子がセラミックである、本発明1004の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1006]
均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、1〜10 μmの範囲の直径を有する、前記本発明のいずれかの微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1007]
均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、2 μmまたはそれ以下の直径を有する、本発明1006の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1008]
ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、2 nm〜100 nmの範囲の大きさの細孔を含む、前記本発明のいずれかの微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1009]
レスベラトロール活性剤がレスベラトロールである、前記本発明のいずれかの微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
[本発明1010]
本発明1001〜1009のいずれかの微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物; および
局所送達媒体
を含む、局所製剤。
[本発明1011]
局所送達媒体が水性局所送達媒体である、本発明1010の局所組成物。
[本発明1012]
レスベラトロール活性剤を対象に送達する方法であって、
(a) 本発明1001〜1009のいずれかの微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物; および
(b) 局所送達媒体
を含む局所製剤を対象の局所領域に適用して、レスベラトロール活性剤を対象に送達する段階
を含む、方法。
[本発明1013]
以下の段階を含む方法:
(a) 溶媒の存在下において
(i) 内部空間を規定する多孔性構造を含むナノ多孔性カルシウム粒子; および
(ii) レスベラトロール活性剤
を組み合わせて混合物を生成させる段階; ならびに
(b) 溶媒を混合物から除去して、微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物を生成させる段階。
[本発明1014]
本発明1001〜1012のいずれかの組成物を産生する方法である、本発明1013の方法。
[本発明1015]
粒子およびレスベラトロール活性剤が陰圧下で組み合わされる、本発明1014の方法。

Claims (15)

  1. ナノ多孔性カルシウム粒子の細孔の内部および/もしくは粒子の表面に存在している、ならびに/または粒子と緩く結び付いているレスベラトロール活性剤を含む、微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  2. 組成物中のレスベラトロール活性剤の重量百分率が0.001から100までの範囲である、請求項1記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  3. ナノ多孔性カルシウム粒子がナノ多孔性リン酸カルシウム粒子である、請求項1または2記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  4. ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が均一、剛性、球形であり、ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子がセラミックである、請求項3記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  5. 均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子がセラミックである、請求項4記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  6. 均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、1〜10 μmの範囲の直径を有する、前記請求項のいずれか一項記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  7. 均一な、剛性、球形のナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、2 μmまたはそれ以下の直径を有する、請求項6記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  8. ナノ多孔性リン酸カルシウム粒子が、2 nm〜100 nmの範囲の大きさの細孔を含む、前記請求項のいずれか一項記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  9. レスベラトロール活性剤がレスベラトロールである、前記請求項のいずれか一項記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物; および
    局所送達媒体
    を含む、局所製剤。
  11. 局所送達媒体が水性局所送達媒体である、請求項10記載の局所組成物。
  12. レスベラトロール活性剤を対象に送達する方法であって、
    (a) 請求項1〜9のいずれか一項記載の微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物; および
    (b) 局所送達媒体
    を含む局所製剤を対象の局所領域に適用して、レスベラトロール活性剤を対象に送達する段階
    を含む、方法。
  13. 以下の段階を含む方法:
    (a) 溶媒の存在下において
    (i) 内部空間を規定する多孔性構造を含むナノ多孔性カルシウム粒子; および
    (ii) レスベラトロール活性剤
    を組み合わせて混合物を生成させる段階; ならびに
    (b) 溶媒を混合物から除去して、微細乾燥粒子状レスベラトロール組成物を生成させる段階。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項記載の組成物を産生する方法である、請求項13記載の方法。
  15. 粒子およびレスベラトロール活性剤が陰圧下で組み合わされる、請求項14記載の方法。
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