JP2016514163A - ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法 - Google Patents

ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016514163A
JP2016514163A JP2016503073A JP2016503073A JP2016514163A JP 2016514163 A JP2016514163 A JP 2016514163A JP 2016503073 A JP2016503073 A JP 2016503073A JP 2016503073 A JP2016503073 A JP 2016503073A JP 2016514163 A JP2016514163 A JP 2016514163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cenp
lipid
hydrocarbon
disease
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016503073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016514163A5 (ja
Inventor
ライター,ジェームズ
ギルモア,スーザン
ジェレミック,アレクサンダー
バート−ウォン,イカテリナ
フェアブラザーズ,グレッグ
Original Assignee
ペロキシウム・インコーポレイテッド,デラウェア・シー・コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ペロキシウム・インコーポレイテッド,デラウェア・シー・コーポレーション filed Critical ペロキシウム・インコーポレイテッド,デラウェア・シー・コーポレーション
Publication of JP2016514163A publication Critical patent/JP2016514163A/ja
Publication of JP2016514163A5 publication Critical patent/JP2016514163A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/51Nanocapsules; Nanoparticles
    • A61K9/5107Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/5123Organic compounds, e.g. fats, sugars
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • A61K33/244Lanthanides; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • A61P25/16Anti-Parkinson drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • A61P39/06Free radical scavengers or antioxidants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明は、種々の病的状態の療法、および診断、予後、検査、スクリーニング、治療および/または予防に有用な方法およびリポソーム組成物を提供する。本発明は、種々の状態のイメージング法を提供する。本発明は、罹患組織部位へ送達された時点でアンジッピングすることによる、ナノ粒子リポソーム配合物および局在化作用機序を含む多層薬物送達経路である。ナノカプセル化法により、療法ポテンシャルを確実にする、有効なアンチオキシダントの生体適合性の最大化、ターゲット細胞への透過および取込みの増大、オフターゲット作用の低減、ならびに高い抗酸化活性の保持が可能になる。【選択図】 図1

Description

本発明は、パブリックドメインで入手できるこれまでに試験された化合物の特性を増強するために発明されたナノテクノロジー、薬理学、医化学および工学作製リポソームの分野に関する。
先進国では慢性疾患、いわゆる文明病が、罹病率、死亡率、およびクオリティ・オブ・ライフに対する挑戦、ならびにヘルスケアにおける最大の経費ドライバーの大きな部分を占めている。肥満症および糖尿病、肺疾患、神経変性障害、卒中、アテローム性硬化症、心筋梗塞、慢性心疾患、循環性ショック、関節炎ならびに慢性自己炎症性疾患を含めたこれらの疾患において、反応性の酸素および窒素ラジカルによる炎症の密接な関与が示唆されている。
反応性酸素種(Reactive Oxygen Species)(ROS−主に、スーパーオキシド、O 、およびそれの誘導体)および反応性窒素種(Reactive Nitrogen Species)(RNS−主に酸化窒素、NO、およびそれの誘導体)が生物における炎症性損傷の主要な関与物質である。ROS−およびRNS−発生酵素は実質的にすべてのヒト組織中に見出されている。炎症はこれらの反応性種(Reactive Species)(RS)の発生および酸化的ストレスをもたらす。これらのRSの酸化、窒素化およびヒドロキシル化活性が、本明細書に開示する老化および広範な加齢性慢性疾患における鍵機序であると考えられている。大部分は進行性であり、すべてが共通して病原性炎症ならびに酸化的−窒素化的な細胞傷害および細胞死の強い証拠をもつ。RSの活性は、ホメオスタシス、またはアポトーシスおよび壊死の開始において、細胞の生と死の決定に対する中核であるという強い証拠がある。
RSのうち特にペルオキシナイトライト(ONOO)は、生物学において知られている最速のインビボ反応で、O とNOの拡散制御反応により形成される。ペルオキシナイトライトはきわめて強力な酸化および窒素化作用物質であり、毒性の高いヒドロキシルラジカルと異なり種々の細胞間に拡散して臓器損傷を伝播するのに十分な長い半減期をもつ。それは広範な、しばしば細胞傷害性である酸化的および窒素化的損傷をタンパク質、脂質、DNA、RNAおよび炭水化物に引き起こし、さらに身体の抗酸化防御を圧倒する可能性がある長期フィードバックループを誘発する。この酸化的カスケードは、長時間にわたり元の炎症性障害より長く続いて無痛性かつ持続性の自立炎症状態を作り出す可能性がある(本明細書中でさらに考察するように)。ペルオキシナイトライトは、強力な酸化および窒素化作用物質として、鍵となる細胞成分をターゲティングして組織傷害を引き起こす。ペルオキシナイトライトは多くの病態生理学的状態に関与することが示唆されており、身体自身のシステムはそれを排除する装備が不十分である。ペルオキシナイトライト活性を直接妨害する作用物質は炎症性慢性疾患に対処する際の療法ツールとして示唆されている。
フリーラジカルは、ミトコンドリア機能不全(それは多数の中枢神経系(CNS)障害を伴なう)、ならびにヘム−オキシゲナーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼおよびNADPHオキシダーゼの作用(それらは多様な炎症状態でフリーラジカルを発生する可能性がある)の結果として形成される。組織損傷に関与するフリーラジカルには、スーパーオキシドラジカル、酸化窒素、およびペルオキシナイトライト(スーパーオキシドラジカルおよび酸化窒素から形成され、それは酸化窒素シンターゼにより形成される−内皮性、神経性および誘導性)が含まれる。ペルオキシナイトライトは、それの比較的長い半減期および高い反応性のため、これらのフリーラジカルのうちおそらく最も損傷作用の大きいものであろう(1)。酸化的損傷の証拠は、それが後に残す残留物により検出される:脂質の過酸化、およびタンパク質、特にチロシンの窒素化。脂質の過酸化およびタンパク質の窒素化の証拠は、多発性硬化症(MS)、多様な変性性脳疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、アツルハイマー病、外傷性脳傷害など)、虚血性能損傷、外傷性脳傷害、および全身性疾患、たとえば心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および糖尿病に広範に存在する(2-11)。
肺疾患
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支拡張症、嚢胞性線維症、および間質性肺疾患を含めた多くの肺疾患が、慢性炎症および酸化的ストレスを伴なう。COPDは米国で第4位の主要な死因であり、毎年の死亡全体の約4.5%を占める。有病推定値は13,500,000人プラス“未診断”で最大15,000,000人に及ぶ;200万人は肺気腫を伴なう。それは炎症、水腫および分泌物により引き起こされる多様性疾患であり、結果として肺の全領域に形態変化が生じる。肺機能は年齢と共に低下し、進行性の不可逆的臓器不全として、特に肺気腫および慢性気管支炎において顕性になる。これらの障害は世界的に廃疾および死亡の主な負荷となっており、現在はそれらの自然経過を著しく変化させる全肺移植片の不足のため療法はない。
肺における炎症亢進は、肺水腫/COPD、喘息、および他の変性性肺疾患、たとえば特発性肺線維症における顕著な特徴である。これらの疾患に特徴的な酸化的ストレスは、炎症反応、および慢性炎症の発病機序、細胞外マトリックスおよび血管のリモデリング、粘液分泌亢進、アンチプロテアーゼの不活性化、アポトーシス、オートファジーおよび細胞増殖調節に対してきわめて重要である。RS仲介による細胞損傷の確立した証拠がかなりあり、それには下記のものが含まれる:カルボニル修飾またはチロシン−ニトロシル化タンパク質、それらはタンパク質および酵素の機能に損傷を与える;脂質過酸化、それは細胞およびオルガネラの膜に損傷を与える;過酸化水素(H)および酸化窒素(NO)のレベルの変化;炎症性サイトカインのレベル上昇、および肺における主要な生理的アンチオキシダントであるグルタチオンのレベル低下;プロテアーゼ/アンチプロテアーゼ不均衡を引き起こすアンチプロテアーゼ不活性化およびマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性化、それは細胞の傷害および死に直接つながる;肺胞壁細胞におけるDNAおよびRNAの酸化、それはプログラムド細胞死を引き起こす;ならびにエラスチン分解酵素の放出増大による細胞外マトリックスの破断、それは肺気腫に特徴的な組織破壊を促進する。
中枢神経系(CNS)の疾患
脳は、高レベルの酸素を必要とする結果として、ROS仲介による損傷に対して特に感受性が高い。血液−脳関門の背後で、正常なミトコンドリア呼吸からの漏出および活性化されたミクログリアからの呼吸によるRSバーストにより発生する酸化的ストレスが、本明細書中で考察するアルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳傷害、多発性硬化症、老人性認知症、筋萎縮性側索硬化症その他を含めた中枢神経系の難病における神経死に関与することが長い間疑われてきた。研究により、特に高齢対象の脳において悪質かつ自律永続性の自己中毒サイクルになる可能性があるものに、DNA、脂質、タンパク質、カルシウムバランス、および神経伝達物質活性の酸化的損傷の証拠が見出された。RS活性のマーカーがすべての主要なCNS疾患に見出された。神経変性疾患に対する最も信頼性のあるリスク因子は老化であり、これは高齢化に際して脳がRS傷害をより受けやすくなる可能性があること、および/またはそれらの作用が長期間かけて増強される可能性があることを示唆する。“すべてではないとしても大部分の細胞死モデルはフリーラジカル種および酸化的ストレスを伴なう。したがって、フリーラジカルが酸化的損傷を仲介するのを停止または遅延させることを目標とした療法戦略を考案することにより、神経変性疾患における細胞死を妨げることができる可能性がある”(12)。
成人において第2位の最も一般的な神経変性疾患であるパーキンソン病(PD)は、通常は散発性の非遺伝性状態であり、黒質緻密部(substantia nigra pars compacta)からのドーパミン作動性ニューロンの喪失、およびレーヴィ小体と呼ばれる顕著な好酸性細胞質内タンパク質封入体の存在、および神経炎を伴なう。PDは、静止振戦、運動緩慢(運動を開始および継続する能力の遅滞、ならびに身体位置を調整する能力の損傷)、強直、および体位不安定を特徴とする。この疾患は慢性かつ進行性である。患者は疾患進行に伴なって次第に日常生活機能が困難になる。PDは65歳の年齢までに集団のうち約1%が罹患し、85歳までに4%〜5%にまで増加する。有病者は北米で約1,000,000人であり、年間50,000人が発症する。レボドパはPD患者に対するクオリティ・オブ・ライフを改善したが、集団ベースの探査はこれらの患者が依然として一般集団と比較して寿命低下を示すことを示唆している。さらに、大部分のPD患者は最適医療で専門的に処置した場合ですら5〜10年の疾患後にかなりの運動障害を伴ない、またレボドパにより増強されたドーパミン酸化がドーパミン作動性ニューロンの喪失を加速するという証拠が蓄積しつつある。
開放隅角緑内障(open angle glaucoma)(OAG)は、多くの症例において適切な眼内圧管理にもかかわらず眼球高血圧および進行性失明を伴なう。緑内障は世界的に失明の第2位の主因である(13)。失明は網膜神経節ニューロン(retinal ganglion neuron)(RGN)が死滅するのに伴なって起き、RGNを死滅させるプロセスは中枢神経系内へ広がって視覚路のさらに他のニューロンにまで及ぶ可能性がある(14)。したがって、OAGの進行は実際には神経疾患である。OAGに対する処置の主軸は、シュレム管(canal of Schlemm)(それを通して眼内液を排除する)により眼内液の除去を促進するか、あるいは眼内液の形成を抑制する医療処置であり、すべて眼内圧の低下を目的とする(13)。医療処置が失敗した場合には、眼から眼内液を排除するための多様な外科処置が開発されている。これらの療法にもかかわらず、多くの患者が視力を失い続けている。眼内圧上昇に対する応答としての、または眼内圧とは無関係な、おそらく老化に関連するプロセスとしての、フリーラジカル形成が、OAGの視覚機能喪失において顕著な役割をもつ(15, 16)。OAGの動物モデルにおいてアンチオキシダント療法が有益であった(14, 16-21)が、緑内障に使用するために現在承認されている神経保護アンチオキシダント療法はない。
心血管疾患は世界的に罹病率および死亡率の主因であり、高血圧症は心血管疾患および卒中の主要なリスク因子である。多数の研究が、高血圧症の発病、および虚血/再潅流に関連する他の病態における反応性酸素種および窒素種の関与を支持している。これらの疾患は6億人以上が罹患しており、2025年までに世界の成人集団のうち29%が高血圧症に罹患すると推定されている。関与が示唆されている生体経路が多重であるため神経変性疾患の病態生理は複雑であるが、これらの疾患はしばしば血管内皮に由来する。内皮活性化に続いて、アテローム性硬化症および高血圧症の発症には酸化的ストレスが重要な役割をもち、それにより構造的および機能的な心血管損傷の進行に関与する。虚血/再潅流傷害に関連する心血管疾患において、ROSおよびRNSにより仲介される多数のシグナル伝達経路の活性をレドックス不均衡が誘発する。その結果、体外循環を用いる心臓外科処置において、これらの反応性種の過剰産生による電気的および構造的なリモデリングが、不整脈、たとえば心房性細動の発生をもたらす可能性がある。さらに、急性心筋梗塞後の再潅流傷害はROSおよびRNS形成増大から生じ、再潅流の酸化的ストレスは梗塞サイズを増大させる可能性がある。これらの心臓異常は、酸化的ストレス関連バイオマーカーの大きな変化に関連する。アンチオキシダント療法は、高血圧症またはアテローム性硬化症の初期に、酸化的ストレス仲介による“正のフィードバックループ”が可逆的内皮機能不全からアテローム硬化斑形成へ進行するのを阻止することによって有効でなければならない。
DNA、タンパク質および脂質に対する酸化的損傷の証拠が多量に存在するにもかかわらず、アンチオキシダントを用いる療法の試みはほとんど例外なく消失しつつある。アンチオキシダント療法の有効性は幾つかの要因を条件とする(22)。第1に、療法剤は罹患組織に局在化(たとえば、血液脳関門を通過)しなければならない。第2に、化合物は疾患の処置に臨床的に有効であるのに十分なほど高い濃度で罹患組織に蓄積しなければならない。CNS疾患の場合、血液脳関門を透過できる‘小分子’薬物は2%未満であり、認識できるほど脳に沈着するのはこれらのうちの一部にすぎない。他の全身疾患においても、薬物透過、および処置期間にわたる適切な薬物レベルの維持が、アンチオキシダント療法の有効性を制限する(25)。最後に、療法剤は、慢性疾患プロセスの一部として産生される過剰量の反応性酸素種(ROS)を中和するのに十分なほど長い半減期をもたなければならない。大部分のアンチオキシダントは、有効性に対するこれらの要件のうち1以上を満たさない。
Beckman JS, Crow JP. Pathological complications of nitric oxide, superoxide and peryoxinitrite formation. Biochemical Soc Trans 1993;21:330-334. Hall ED, Wang JA, Miller DM. Relationship of nitric oxide synthase induction to peroxynitrite-mediated oxidative damage during the first week after experimental traumatic brain injury. Exp Neurol 2012;238:176-182. MacNee W. Oxidative stress and lung inflammation in airways disease. Europ J Pharm 2001;429:195-207. Mustafa AG, Singh IN, Wang J, Carrico KM, Hall ED. Mitochondrial protection after traumatic brain injury by scavenging lipid peroxyl radicals. J Neurochem 2010;114:271-280. Smith KJ, Kapoor R, Felts PA. Demyelination: The role of reactive oxygen and nitrogen species. Brain Pathol 1999;9:69-92. van Horssen J, Witte ME, Schreibelt G, de Vries HE. Radical changes in multiple sclerosis pathogenesis. Biochim Biophys Acta 2011;1812:141-150. Rahangdale S, Yeh SY, Malhotra A, Veves A. Therapeutic interventions and oxidative stress in diabetes. Frontiers in bioscience : a journal and virtual library 2009;14:192-209. Reynolds A, Laurie C, Mosley RL, Gendelman HE. Oxidative stress and the pathogenesis of neurodegenerative disorders. International review of neurobiology 2007;82:297-325. Kinnula VL, Crapo JD. Superoxide dismutases in the lung and human lung disease. Am J Resp Crit Care Med 2003;167:1600-1619. Morris AH, Kinnear G, Wan W-YH, Wyss D, Bahra P, Stevenson CS. Comparison of cigarette smoke-induced acute inflammation in multiple strains of mice and the effect of a matrix metalloproteinase inhibitor on these responses. J Pharmacol Exp Therap 2008;327:851-862. Taraseviciene-Stewart L, Voelkel NF. Molecular pathogenesis of emphysema. J Clin Invest 2008;118:394-402. Olanow CW, Jenner P, Youdim MBH. Neurodegeneration and neuroprotection in parkinson's disease. London; San Diego: Academic Press; 1996. Friedman DS, Wolfs RC, O'Colmain BJ, Klein BE, Taylor HR, West S, Leske MC, Mitchell P, Congdon N, Kempen J. Prevalence of open-angle glaucoma among adults in the united states. Arch Ophthalmol 2004;122:532-538. Tezel G. Oxidative stress in glaucomatous neurodegeneration: Mechanisms and consequences. Prog Retin Eye Res 2006;25:490-513. Tamm ER, Russell P, Johnson DH, Piatigorsky J. Human and monkey trabecular meshwork accumulate alpha b-crystallin in response to heat shock and oxidative stress. Invest Ophthalmol Vis Sci 1996;37:2402-2413. Mozaffarieh M, Flammer J. Is there more to glaucoma treatment than lowering iop? Surv Ophthalmol 2007;52 Suppl 2:S174-179. Zanon-Moreno V, Marco-Ventura P, Lleo-Perez A, Pons-Vazquez S, Garcia-Medina JJ, Vinuesa-Silva I, Moreno-Nadal MA, Pinazo-Duran MD. Oxidative stress in primary open-angle glaucoma. J Glaucoma 2008;17:263-268. Aslan M, Dogan S, Kucuksayan E. Oxidative stress and potential applications of free radical scavengers in glaucoma. Redox Rep 2013;18:76-87. Moreno MC, Campanelli J, Sande P, Sanez DA, Keller Sarmiento MI, Rosenstein RE. Retinal oxidative stress induced by high intraocular pressure. Free Radic Biol Med 2004;37:803-812. Yildirim O, Ates NA, Ercan B, Muslu N, Unlu A, Tamer L, Atik U, Kanik A. Role of oxidative stress enzymes in open-angle glaucoma. Eye (Lond) 2005;19:580-583. Pinazo-Duran MD, Zanon-Moreno V, Garcia-Medina JJ, Gallego-Pinazo R. Evaluation of presumptive biomarkers of oxidative stress, immune response and apoptosis in primary open-angle glaucoma. Curr Opin Pharmacol 2013;13:98-107. Schreibelt G, van Horssen J, van Rossum S, Dijkstra CD, Drukarch B, de Vries HE. Therapeutic potential and biological role of endogenous antioxidant enzymes in multiple sclerosis pathology. Brain Res Rev 2007;56:322-330. Lipinski CA. Drug-like properties and the causes of poor solubility and poor permeability. Journal of pharmacological and toxicological methods 2000;44:235-249. Pardridge WM. Blood-brain barrier drug targeting: The future of brain drug development. Molecular interventions 2003;3:90-105, 151. Rahman I. Antioxidant therapeutic advances in copd. Ther Adv Respir Dis 2008;2:351-374.
本発明者らは、スーパーオキシドアニオン、過酸化水素、酸化窒素およびペルオキシナイトライトを中和できる有効な合成アンチオキシダントである酸化セリウム(“セリア(ceria)”またはCeO)ナノ粒子(CeNP)をインビトロ卒中モデルで試験した(26)。これらの粒子の化学反応性は、CeOサイクルとして+4と+3の間の原子価状態で再生可能である(26-29)。さらに、CeNPの小さなサイズ、生体適合性および電荷により、他のナノ粒子配合物より広範な生体分布およびより有効な中枢神経系透過が得られる(26, 30-33)。種々の試験間でのこれらの粒子の物理的特性および化学的特性の相異が、粒子と多様な生体界面との反応様式を決定し、これらの物質の分布および生物学的作用の劇的相異の根底にあると考えられる(34-36)。
セリアの療法効力の大部分は、インビトロで細胞培養モデルを用いて(37-39)、あるいは明らかな臨床相関性のないモデルにおいてインビボで(40)、査定された。最近、本発明者らは、多発性硬化症の動物モデルにおいて臨床関連行動エンドポイントを用いてCeNPの有効性を立証した(33)。この試験において、CeNPはフィンゴリモド(fingolimod)、すなわちヒトにおいて多発性硬化症に使用するものとしてFDAが承認した薬物と同様に有効であった。さらに、CeNPは網膜損傷を軽減し(41)、虚血げっ歯類モデルの中大脳動脈における梗塞サイズを縮小し(42)、心筋障害のネズミモデルにおいて心機能を改善した(43)。これらのすべての試験において、CeOナノ粒子の有益な効果はそれらの粒子のアンチオキシダント活性によるものであった。
本発明は、一部は、酸化セリウム粒子の多層カプセル化が、それらの抗酸化活性の増強、有効なアンチオキシダントの生体適合性の最大化、ターゲット細胞への粒子の透過および取込みの増大、オフターゲット作用の低減、ならびに高い抗酸化活性の保持に有用であるという知見に基づく。したがって、本発明は多様な用途、特に療法用途に有用な、病的状態の療法、診断、予後、検査、スクリーニング、治療および/または予防に有用な方法およびリポソーム組成物を提供する。1態様において、本発明の方法および組成物は、酸化セリウムナノ粒子と反応性酸素種の反応を指向するのに有用である。
本発明は本明細書に記載する多様な状態のイメージング法を提供する。酸化セリウムナノ粒子を用いるイメージングは、Ce+3およびCe+4の固有蛍光特性、粒子表面への市販色素の直接化学結合、ならびにカプセル化脂質層による色素の取込みを利用する。他の態様において、本発明は、本明細書に記載するように、ナノ粒子リポソーム配合物、および配合物/組成物が罹患組織部位に送達された時点でアンジッピング(unzipping)することによる局在化作用機序を含む、多層薬物送達経路を提供する。さらに他の態様において、ナノ粒子リポソーム配合物はリポソームカプセル間に多官能性炭化水素界面をも備えており、酸化セリウムナノ粒子に、および粒子から、電子をシャトリングするためのラジカル安定性をもつ。これらのナノカプセル化方法の開発により、アンチオキシダントの生体適合性が最大になり、ターゲット細胞への透過および取込みが増大し、オフターゲット作用が低減し、かつ療法効力を得るための高い抗酸化活性の保持が増強される。
他の態様において、本発明は、下記により反応性酸素種に対する目的とするCeNP作用を制御および指向する方法を提供する:近接接触のためにそれをカプセル化している生体適合層を脱落(shedding)させる(アンジッピング経路)、および/または、CeNP表面と脂質カプセルの間に挿入した炭化水素リンカーに由来する安定ラジカル表面部分を利用するCeNPラジカル相互作用の拡張した電子球(extended electronic sphere)。CeNPのカプセル化は、ラジカル濃度が上昇していない血液および組織中でのCeNPと生体物質の相互作用を阻止する。カプセルはフリーラジカルの存在により‘アンジッピング’し、それにより、フリーラジカルが形成されている身体部位または多量に存在する身体部位で最も容易にCeNPのアンチオキシダント活性が利用できるようになる。アンジッピングは2つの態様により達成される。第1態様において、CeNPをカプセル化する脂質は、クエン酸処理した表面、たとえばCeNP表面に、特定の化学結合を用いて連結される。第2態様において、短い連結用の炭化水素が脂質コートとクエン酸処理CeNP表面の間に挿入される。脂質または炭化水素をクエン酸処理CeNP表面に連結する化学結合はフリーラジカル(たとえば、スーパーオキシドおよびペルオキシナイトレート)による化学的攻撃に対して少なからず感受性であり、脂質カプセルを炭化水素リンカーに連結する化学結合もフリーラジカルによる化学的攻撃に対して少なからず感受性である。さらに、炭化水素リンカーはCeNP表面への電子シャトリングを可能にする化学構造をもつことができ、これによってより広範囲のフリーラジカルスカベンジングが促進され、炭化水素リンカーの遠位部分(CeNP表面から遠い)が安定なフリーラジカル自体を形成する。これは、炭化水素リンカーが存在する場合に二重アンジッピングプロセスを作り出し、CeNPコアからのアンチオキシダント活性の範囲を拡張する。炭化水素リンカーの各末端の二重アンジッピング結合の感受性が類似している必要はない。たとえば、脂質−炭化水素結合をフリーラジカル攻撃に対してきわめて感受性にし、内側の炭化水素−CeNP結合をフリーラジカル攻撃に対してより低い感受性にすることができる。変動するフリーラジカル攻撃に対する結合感受性について多数の順列(permutation)が可能である。したがって、ラジカルとCeNPの相互作用の範囲を制御することにより(炭化水素リンカーの長さに応じて、短いものから長いものまで)本発明は多様な配合物を提供し、それらには、記載した組成物/配合物を低い毒性プロフィールおよび最大化した療法効力または診断効力で多様な慢性疾患に長期投与する用途が含まれる。本発明は、近接接触範囲と拡張接触範囲の両方により作用が得られるようにCeNPとラジカルを近づける配合物を提供する。
さらに他の態様において、本発明は一部は、CeNPの固有の抗酸化活性に対する“オフ−スイッチ(off-switch)”を作製するのに有用な酸化セリウム粒子の多層カプセル化に基づくものであり、積層カプセル化はカプセル化CeNPが体内を循環する間にカプセル化CeNPが血液および組織と相互作用する相互作用を制限する。カプセル化CeNPを投与して炎症部位へ移行させる途中のアンチオキシダント活性を制限することにより、生体適合性が増大する。そのようなカプセル化により、オフターゲット作用を完全または部分的に低減できる。1態様において、これは一部は、CeNPが活性ではないようにCeNPを特定の方法でコーティングすることに基づく。CeNPのレドックス活性を、コーティング、たとえば脂質および炭化水素のコートによって抑制する。この新規戦略は、この不動態化したCeNPを生体組織に導入する際のプロ−オキシダント作用を阻止する。1態様において、これは研究および診断のツールならびに療法用配合物の安全性を増強するための戦略を提供し、こうして療法設定での安全性−対−有効性比の制御が可能になる。本発明の他の態様において、CeNPのアンチオキシダント活性を不動態化する方法は、カプセル化された不動態化CeNPをアンジッピングするために必要な有意のフリーラジカル形成がない生体部位におけるCeNPのアンチオキシダント活性を抑制することにより、オフターゲット取込みおよびオフターゲット作用を低減する。
したがって、本発明はCeNPの反応性を制限することによりそれを不動態化する方法を提供する。本発明は、少なからぬ被覆度(coverage)、長い炭化水素、および炭化水素鎖の中間にある嵩高い側鎖(たとえば、tert−ブチル基(単数または複数))、ならびにCeNPの化学活性を妨げる他の官能基をもつことができる。他の態様において、この新規な配合方法は、療法剤および/または診断剤として用いる場合にこれらの粒子の製造プロセスを最適化する際の、また療法効果および/または臓器毒性の比を改善する際の、研究ツールとして重要である。
本発明の以上および他の特徴、観点および利点を、添付の図面に示した以下の本発明の態様の記載に関連してより詳細に考察する。
図1は、酸化セリウムナノ粒子をリポソームカプセル化粒子として製造することによりそれらの多層薬物送達経路を作製する第1相を示す。CeNP粒子上に表面安定化のための配位子シェルを構築することにより、特異的な組織ターゲティング能をリポソーム配合物に付加することができる。(A)CeNP上の表面反応基の模式図は、利用可能なカルボン酸基を示す。(B)直接表面修飾(親水性分子としてのクエン酸をこの例では示す)が、CeNPをキレート化することによりターゲティング分子を付着させるためのCeNP表面を調製する。ここではクエン酸配位子を一例として示すが、粒子表面化学の多数の順列をもたらす1800種類を超えるカルボン酸成分がある。 図2は、CeNP周囲の配位子シェルがどのようにしてアンチオキシダントの生体適合性を最大化するかを示す。この例はCeNPをオレイン酸で囲む配位子シェルを示す。(A)CeNP表面に脂質(長さ8〜20炭素の範囲であってもよい)を配位子として結合させることにより、脂質の末端カルボン酸は表面と錯化し、一方で炭化水素テイルはCeNPコアの周囲に疎水性表面を形成する。(B)CeNPのオレイン酸表面の全体図を示す。(C)オレイン酸の構造。クエン酸およびそれのコンジェナーのカルボン酸結合特性が配位子シェルを形成するための鍵である。CeNPと表面処理(この図ではクエン酸)の初期相互作用における不活性炭化水素(ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキシルデシルなど)または反応性末端基の選択は、目的とする機能結果に依存する。反応基または保護された基をもつカルボン酸配位子(アジド、アルキン、チオール、保護されたアミン、保護されたカルボン酸など)は、直接にCeNPの表面において、最大可能な修飾および表面化学フレキシビリティーを可能にする。 図3は、脂質/PEGハイブリッド層でコーティングされたCeNP粒子を含有するテーラード(tailored)配合物の組成を示す。DOPCおよびPEG350 PEを示すが、CeNPカプセル化の外面を特定の用途にテイラリングするために多様な脂質を導入することができる。リン脂質は細胞膜の主要な脂質成分であり、コリンヘッド基は細胞シグナル伝達に関与しないので、生体適合性を増強するための脂質カプセル化のための論理的な不活性選択肢となる。ただし、この例は、可能性のある組織ターゲティングのためにナノ粒子を広範な脂質でカプセル化する可能性に対する限定とみるべきではない。 図4は、ハイブリッド層の官能基化を示す。ターゲティング分子を付着させるために、反応性ヘッド基を備えた脂質を脂質ハイブリッド層に取り込ませる;幾つかの可能性のうち2つを示す。この戦略は、ターゲット細胞への透過を改善し、酸化セリウムナノ粒子の選択的な細胞取込みを増大させるであろう。 図5は、本発明のアンジッピング粒子合成方法からの一例を示す。本発明者らは、ROSおよび/またはRNSに遭遇した時点でアンジッピングして粒子表面に結合している脂質を脱落させる酸化セリウムナノ粒子の合成方法の工程を立証した。この例では、配位子層を末端チオール(−SH)基に官能基化した後、CeNPをチオール脂質またはアルカンチオール(末端チオール基を備えた炭化水素)に曝露して、ジスルフィド結合を形成する。粒子を次いで脂質、たとえばDOPCその他特定のCeNP用途にテイラリングした脂質(たとえば、PEG修飾した脂質)に曝露すると、二重層が生成する。好ましい連結を選択する論理がこの図の一部なのではなく、化学結合を構築する原理を示すにすぎない。 図6は、脂質もしくは短い炭化水素リンカーをCeNPに結合させ、または脂質外面とCeNP表面に結合した短い炭化水素リンカーとの間に結合させるために用いた表面修飾化学および特定の化学結合により、アンジッピングプロセスによる有効成分のアンマスキング(unmasking)作用を作り出す方法を示す。CeNPアンジッピング粒子がインビトロでDTT(ジチオトレイトール)に、またはインビボでグルタチオンに曝露されると、ジスルフィド結合が開裂して配位子表面が再生されるであろう。保護用の脂質/PEG層が脱落した後、CeNPは細胞環境でアンチオキシダント剤として作用できる状態になる。 図7は、(A)配位子シェル修飾の種々の順列および付着戦略へのルートを示す。CeNP表面の初期処理としてクエン酸を用いるこの例は、クエン酸配位子上の利用可能なカルボン酸を用いる他のアミン結合反応が可能であることを示す。5000種類の可能なカップリング用アミンを、1つの業者、たとえばAldrichカタログから入手できる。したがって、フリーラジカルによる攻撃に対して少なからず感受性であってコアCeNPをアンジッピングする結合をCeNP表面と外側カプセルとの間に形成するために、初期CeNP表面処理を変更することによって、脂質−CeNP結合のチューニングに際して大きなフレキシビリティーが得られる。(B)クエン酸配位子を用いるドーパミンの直接付着を示す。(C)ドーパミン受容体へのアクセス性を高めるためにBMPHをスペーサーとして含む、クエン酸配位子を用いるL−DOPA付着を示す。チオール末端表面は、他のチオール末端小分子またはシステイン末端ペプチドの直接結合をもたらす。(D)アミン末端CeNP表面を用いるL−DOPA直接結合を示す。L−DOPAはこの図において概念説明のために用いる。 図7は、(A)配位子シェル修飾の種々の順列および付着戦略へのルートを示す。CeNP表面の初期処理としてクエン酸を用いるこの例は、クエン酸配位子上の利用可能なカルボン酸を用いる他のアミン結合反応が可能であることを示す。5000種類の可能なカップリング用アミンを、1つの業者、たとえばAldrichカタログから入手できる。したがって、フリーラジカルによる攻撃に対して少なからず感受性であってコアCeNPをアンジッピングする結合をCeNP表面と外側カプセルとの間に形成するために、初期CeNP表面処理を変更することによって、脂質−CeNP結合のチューニングに際して大きなフレキシビリティーが得られる。(B)クエン酸配位子を用いるドーパミンの直接付着を示す。(C)ドーパミン受容体へのアクセス性を高めるためにBMPHをスペーサーとして含む、クエン酸配位子を用いるL−DOPA付着を示す。チオール末端表面は、他のチオール末端小分子またはシステイン末端ペプチドの直接結合をもたらす。(D)アミン末端CeNP表面を用いるL−DOPA直接結合を示す。L−DOPAはこの図において概念説明のために用いる。 図7は、(A)配位子シェル修飾の種々の順列および付着戦略へのルートを示す。CeNP表面の初期処理としてクエン酸を用いるこの例は、クエン酸配位子上の利用可能なカルボン酸を用いる他のアミン結合反応が可能であることを示す。5000種類の可能なカップリング用アミンを、1つの業者、たとえばAldrichカタログから入手できる。したがって、フリーラジカルによる攻撃に対して少なからず感受性であってコアCeNPをアンジッピングする結合をCeNP表面と外側カプセルとの間に形成するために、初期CeNP表面処理を変更することによって、脂質−CeNP結合のチューニングに際して大きなフレキシビリティーが得られる。(B)クエン酸配位子を用いるドーパミンの直接付着を示す。(C)ドーパミン受容体へのアクセス性を高めるためにBMPHをスペーサーとして含む、クエン酸配位子を用いるL−DOPA付着を示す。チオール末端表面は、他のチオール末端小分子またはシステイン末端ペプチドの直接結合をもたらす。(D)アミン末端CeNP表面を用いるL−DOPA直接結合を示す。L−DOPAはこの図において概念説明のために用いる。 図7は、(A)配位子シェル修飾の種々の順列および付着戦略へのルートを示す。CeNP表面の初期処理としてクエン酸を用いるこの例は、クエン酸配位子上の利用可能なカルボン酸を用いる他のアミン結合反応が可能であることを示す。5000種類の可能なカップリング用アミンを、1つの業者、たとえばAldrichカタログから入手できる。したがって、フリーラジカルによる攻撃に対して少なからず感受性であってコアCeNPをアンジッピングする結合をCeNP表面と外側カプセルとの間に形成するために、初期CeNP表面処理を変更することによって、脂質−CeNP結合のチューニングに際して大きなフレキシビリティーが得られる。(B)クエン酸配位子を用いるドーパミンの直接付着を示す。(C)ドーパミン受容体へのアクセス性を高めるためにBMPHをスペーサーとして含む、クエン酸配位子を用いるL−DOPA付着を示す。チオール末端表面は、他のチオール末端小分子またはシステイン末端ペプチドの直接結合をもたらす。(D)アミン末端CeNP表面を用いるL−DOPA直接結合を示す。L−DOPAはこの図において概念説明のために用いる。 図8は、脂質/ハイブリッド二重層上のチオール脂質ヘッド基への(a)L−DOPAおよび(b)一般的ペプチドの結合を示す。同じ戦略を用いて、その後の粒子テイラリングのために、遊離システインを含むペプチドが容易に脂質層に付加される。脂質ヘッド基中の第一級アミンは脂質層の修飾のための別の可能性をもたらす。 図8は、脂質/ハイブリッド二重層上のチオール脂質ヘッド基への(a)L−DOPAおよび(b)一般的ペプチドの結合を示す。同じ戦略を用いて、その後の粒子テイラリングのために、遊離システインを含むペプチドが容易に脂質層に付加される。脂質ヘッド基中の第一級アミンは脂質層の修飾のための別の可能性をもたらす。 図9は、療法、診断および研究の用途のためにCeNPを蛍光色素で修飾する2つの異なる付着戦略を示す。色素は脂質に取り込ませてもよい(図3〜6)。これらの色素は、Ce+3の固有の蛍光特性とカップリングして、粒子、それのシェル、それらの互いの相互作用、ならびに細胞、組織および動物における相互作用のトラッキングを可能にする。 図10は、多様な化学官能基のフリーラジカルを形成するエンタルピー(△H゜)を挙げる。結合解離エネルギー(△H゜(BDE))と結合形成エネルギー(△H゜(BFE))を合わせると、エネルギーサイクルの推定が可能になる(44)(45-47)。フリーラジカルの存在下で、これらの化学リンカーは安定なラジカルを形成し、結合解離および形成エネルギーは結合開裂および再形成が熱力学的に好都合であることを示す。この分析から、多数の可能なアンジッピング例が同定される。これにより、フリーラジカルアンジッピングに対する脂質−CeNP層の感受性をフリーラジカル形成速度にテイラリングすることができ、あるいはいずれか特定の組織におけるフリーラジカル炎症の重症度に比例してCeNPを制御および放出し、または利用できるようにすることができる。 図11は、アミン末端炭化水素へのCeNPカップリングの模式図を示す。EDCおよびNHSを用いると、CeNP表面のポリアクリレート配位子のカルボン酸が反応性になり、目的アミンの添加に伴なって容易にアミド結合を形成する。ここに挙げるデシルアミンおよびアセタールアミンの例は、完成した2つの成功した修飾である。 図12は、CeNP上でのアミドカップリング反応を赤外(IR)分光分析により追跡する。(A)ポリアクリレート配位子シェルを含むCeNP(‘裸’またはストックCeNP)のIRスペクトルおよびCeNP−デシルアミン(粗抽出物)のスペクトルを示す。(B)デシルアミンのC−H伸縮、N−H伸縮、ならびに一連の他の伸縮および縦ゆれ(wag)を示し、CeNP−デシルアミド(粗抽出物)と比較する。(C)粗抽出物へのクエン酸添加が未反応アミンに及ぼす影響を示す。 図12は、CeNP上でのアミドカップリング反応を赤外(IR)分光分析により追跡する。(A)ポリアクリレート配位子シェルを含むCeNP(‘裸’またはストックCeNP)のIRスペクトルおよびCeNP−デシルアミン(粗抽出物)のスペクトルを示す。(B)デシルアミンのC−H伸縮、N−H伸縮、ならびに一連の他の伸縮および縦ゆれ(wag)を示し、CeNP−デシルアミド(粗抽出物)と比較する。(C)粗抽出物へのクエン酸添加が未反応アミンに及ぼす影響を示す。 図12は、CeNP上でのアミドカップリング反応を赤外(IR)分光分析により追跡する。(A)ポリアクリレート配位子シェルを含むCeNP(‘裸’またはストックCeNP)のIRスペクトルおよびCeNP−デシルアミン(粗抽出物)のスペクトルを示す。(B)デシルアミンのC−H伸縮、N−H伸縮、ならびに一連の他の伸縮および縦ゆれ(wag)を示し、CeNP−デシルアミド(粗抽出物)と比較する。(C)粗抽出物へのクエン酸添加が未反応アミンに及ぼす影響を示す。 図13は、CeNP生成物と比較した未反応デシルアミンのNMRスペクトルを示す。反応後に、α−メチレンプロトン(アミド結合に隣接するもの)は2.68から2.21ppmへシフトする。弱いピークが7.85ppmに出現し、それはアミドプロトンピークに配属された。 図14は、CeNP出発物質のDLSスキャンをポリアクリレート配位子単独(‘裸’)および脂質カプセル化CeNPと比較する。(A)裸CeNPは、0.77±1.0nmを中心とする単一の粒子分布ピーク(99%の質量)をもつ。(B)脂質カプセル化CeNPは4つのピークを示す。集団のうた約1/3が目的サイズ範囲(4〜8nm)のベシクルを形成した。この集団は単一ナノ粒子コアを含有するベシクルのみを含む。形成された、より大きなリポソームも、修飾ナノ粒子を含有する可能性がある。 図14は、CeNP出発物質のDLSスキャンをポリアクリレート配位子単独(‘裸’)および脂質カプセル化CeNPと比較する。(A)裸CeNPは、0.77±1.0nmを中心とする単一の粒子分布ピーク(99%の質量)をもつ。(B)脂質カプセル化CeNPは4つのピークを示す。集団のうた約1/3が目的サイズ範囲(4〜8nm)のベシクルを形成した。この集団は単一ナノ粒子コアを含有するベシクルのみを含む。形成された、より大きなリポソームも、修飾ナノ粒子を含有する可能性がある。 図15は、CeNPが脂質色素に近接している場合の蛍光の変化を示す。Ce+3/Ce+4の固有蛍光は、励起ピークを350nmに、発光ピークを465nm(非修飾CeNPスペクトルに示すように)に示す。適宜な脂質色素が10nm以内にあれば、蛍光は脂質色素の方へシフトするであろう。この図の脂質色素の例は、発光ピークが520nmへシフトし、脂質がCeNPの10nm以内にあることの指標となる。 図16(AおよびB)は、Fe+2と1,10−フェナントリンの錯体形成、およびそれの吸光スペクトルを示す。 図16(AおよびB)は、Fe+2と1,10−フェナントリンの錯体形成、およびそれの吸光スペクトルを示す。 図17は、Fe+2/Fe+3および1,10−フェナントリン(PA)の存在下での過酸化水素(H)分解を用いて、CeNPの存在下でのFe+2/Fe+3サイクリングを測定する。Fe+2からFe+3への変換は高活性の指標となり、520nmで吸光するFe+2+PA錯体の数が少なくなる。(A)すべてのアッセイを比較した場合、非修飾CeNPが最高活性をもつが、それらは生体適合性が最小である。(B)Hを用いないと、Hが存在しない場合に最大吸光が起きる。CeNPを含むアッセイ(C)では、Fe+3に認識可能な上昇があり、これはCeNP活性の指標となる。2種類の修飾CeNPを比較すると(D)、デシルアミドCeNPより、アセタール、すなわちアンジッピングするナノ粒子が最高活性を示す。 図17は、Fe+2/Fe+3および1,10−フェナントリン(PA)の存在下での過酸化水素(H)分解を用いて、CeNPの存在下でのFe+2/Fe+3サイクリングを測定する。Fe+2からFe+3への変換は高活性の指標となり、520nmで吸光するFe+2+PA錯体の数が少なくなる。(A)すべてのアッセイを比較した場合、非修飾CeNPが最高活性をもつが、それらは生体適合性が最小である。(B)Hを用いないと、Hが存在しない場合に最大吸光が起きる。CeNPを含むアッセイ(C)では、Fe+3に認識可能な上昇があり、これはCeNP活性の指標となる。2種類の修飾CeNPを比較すると(D)、デシルアミドCeNPより、アセタール、すなわちアンジッピングするナノ粒子が最高活性を示す。 図17は、Fe+2/Fe+3および1,10−フェナントリン(PA)の存在下での過酸化水素(H)分解を用いて、CeNPの存在下でのFe+2/Fe+3サイクリングを測定する。Fe+2からFe+3への変換は高活性の指標となり、520nmで吸光するFe+2+PA錯体の数が少なくなる。(A)すべてのアッセイを比較した場合、非修飾CeNPが最高活性をもつが、それらは生体適合性が最小である。(B)Hを用いないと、Hが存在しない場合に最大吸光が起きる。CeNPを含むアッセイ(C)では、Fe+3に認識可能な上昇があり、これはCeNP活性の指標となる。2種類の修飾CeNPを比較すると(D)、デシルアミドCeNPより、アセタール、すなわちアンジッピングするナノ粒子が最高活性を示す。 図17は、Fe+2/Fe+3および1,10−フェナントリン(PA)の存在下での過酸化水素(H)分解を用いて、CeNPの存在下でのFe+2/Fe+3サイクリングを測定する。Fe+2からFe+3への変換は高活性の指標となり、520nmで吸光するFe+2+PA錯体の数が少なくなる。(A)すべてのアッセイを比較した場合、非修飾CeNPが最高活性をもつが、それらは生体適合性が最小である。(B)Hを用いないと、Hが存在しない場合に最大吸光が起きる。CeNPを含むアッセイ(C)では、Fe+3に認識可能な上昇があり、これはCeNP活性の指標となる。2種類の修飾CeNPを比較すると(D)、デシルアミドCeNPより、アセタール、すなわちアンジッピングするナノ粒子が最高活性を示す。 図18は、520nmにおけるFe+2+PA錯体の吸光と比較した場合のFe+2濃度間の直線関係を示す。この検量曲線から、活性アッセイデータを定量できる。 図19は、活性アッセイの定量を示す。最初に299μMのFe+2が溶液中にある。検量曲線から、彎曲点におけるFe+2の濃度を計算する。Hを含まないアッセイからの最大吸光は、最初に存在した299μMのFe+2から219μMの錯体が生成することを示す。HをFe+2溶液に添加すると、約88μMのFe+3が変換される。これと対照的に、デシルCeNPはFe+3の量を126μMに増加させ、アセタールCeNPは150μMを変換する。非修飾CeNPはこのアッセイで最高量の約200μMのFe+3を生成する。§ すべての彎曲点データが15sにおける吸光値であると推定される。 Fe+2/PA対照実験からのデータを用いて、得られる最大吸光および最大遊離Fe+2を推定する。それらの吸光値はt=∞で取得されたものである。
以上にまとめた本発明は、以下の記載を参照することによってより良く理解できる。本発明の実施を行なうために以下に述べる態様の記載は好ましい態様を限定するためのものではなく、その具体例として用いるためのものである。当業者は開示された概念および特定の態様を、本発明のものと同じ目的を実施するために改変し、他の方法およびシステムを考案するための基礎として容易に利用できることを認識すべきである。当業者は、そのような均等なアセンブリーが最も広い形態の本発明の精神および範囲から逸脱しないことも理解するはずである。
1態様において、本発明は、ROSレベル、特にペルオキシナイトライト(ONOO) −人体内で最も強力かつ持続性のアンチオキシダント− を低減する耐久性の再生可能な触媒作用物質の組織ターゲティングおよび活性化を増強し、その作用物質を体内の過剰フリーラジカル形成部位へ送達する。CeNPをリポソームに取り込ませ、リポソームの表面を官能基化することにより、CeNPの罹患組織沈着増大(かつ肝臓および脾臓沈着の低減)が達成される。脂質コートがラジカル攻撃によって除去されるまでCeNPの活性を制限する、CeNPのリポソームコーティングによって、レドックス活性の選択的アンマスキングが達成される。このように、この態様は、最大のフリーラジカル形成部位における組織特異的レドックス活性を増強するために、機能的なターゲティングおよび薬物放出の2段階プロセスからなる。この態様は、同様に2つの戦略からなる:完全開裂によるアンマスキング、および電子が炭化水素リンカー上の特定の化学基により脂質表面とCeNP表面の間でシャトリングされることによるアンマスキング。
他の態様において、これらの工学作製ナノ粒子は、たとえば下記の慢性疾患の診断、予防および治療のための療法剤として使用されるであろう:全身疾患、たとえばCOPD−肺気腫、喘息、特発性線維化膵臓炎(IFP);全身性自己免疫疾患、たとえばI型糖尿病、関節炎、ならびに変性性アミロイド誘発性の脳および膵臓の疾患、たとえばアルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、黄斑変性症、外傷性脳傷害、心血管疾患、ならびにII型糖尿病;これらにおいては、発病に際して酸化的ストレスおよび/またはアミロイド形成が役割をもつ(38, 48-50)。
1態様において、本発明は、インビボでの酸化セリウムナノ粒子(CeNP)のラジカルスカベンジャー挙動を最大化するためのターゲティッドおよびテーラード(tailored)表面化学を提供する。生体適合性、表面修飾および有効性のバランスをとるために、脂質と表面化学の組合わせが重要である。表面修飾は2層に組織化される。表面に近接した第1層は、被覆度およびアンジッピングをテーラリング(tailoring)することによりレドックスCeNP活性を保存する。第1層上に構築される第2層は、CeNPを脂質および/またはポリエチレングリコール(PEG)および/または特定のタンパク質でカプセル化して生体適合性を最大化しかつ循環時間ならびに組織送達および取込みの特異性を最適化するために、第1層との界面を形成する。修飾CeNPが本明細書に記載され、それがこの戦略最適化である。本明細書に記載するように、本発明は脂質およびPEG層のアンジッピング修飾およびテーラリングを詳述する。
以下に、ナノ粒子修飾のための界面および経路の観点を示す。第1に、CeNP表面を配位子でキレート化して安定性を高める。現在最も有効な配位子は、カルボン酸系のキレート化小分子である。これらは安定性を高め、さらに粒度を制御する(51-53)。Sigma Aldrichは、カタログ中に1800種類を超えるカルボン酸化合物をもつ。本発明を、クエン酸またはポリアクリレートを用いて例示する。しかし、他のキレート化剤を用いて有効な表面修飾戦略を拡張して、新規な表面化学選択肢を作製できる。たとえば、n−末端カルボン酸を含むブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキシルデシルは、直ちに脂質カプセル化できる不活性疎水性表面を形成するであろう。末端部分に追加官能基、たとえばエーテル、エステル、エポキシド、ペルオキシド、チオールもしくはアセタール官能基を備えたカルボン酸は、アンジッピング能を組み込む。
酸化セリウムの場合、カルボン酸系キレート化剤、たとえばクエン酸およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA、ならびにそれらの誘導体(115種類の化合物が同定された)が効率的に表面に結合し、本発明のリポソーム配合物に特異的組織ターゲティング能を付加するためのさらなる修飾に必要な表面安定化をもたらす。反応性末端基をもたないカルボン酸化合物(たとえば、ステアリン酸またはオレイン酸)は、非特異的的修飾、たとえば脂質ハイブリッド二重層により目的効果を生じる。クエン酸またはポリアクリレートおよびそれらのさらなる修飾の可能性を本発明の配合物において探査する。両方とも多重カルボン酸(−COOH)基をもち、それらのうち少なくとも1つを付着のために利用できる。
露出したカルボン酸基は、カルボジイミドおよびスクシンイミド化学(EDC/NHS)を利用して、アミン(−NH)末端小分子、たとえば炭化水素アミン(ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキシルデシルアミン)、ペプチド、官能性アミン(エーテル、エステル、エポキシド、ペルオキシド、チオールもしくはアセタールなど)、L−DOPA、ドーパミン誘導体その他に、カルボン酸をカップリングさせるのを可能にする。この戦略はペプチド結合形成をシミュレートしており、カルボン酸部分をアミンに結合させるために広く用いられている(54-56)。スルフヒドリル基も本発明に利用できる。さらにSigma Aldrichは、露出したカルボン酸に付着させるための約5000種類のアミンをそのカタログ中に提供している;特定のアミンを種々の設定で用いて、大きな多様性および大きな特異性および制御が得られる機会がある。本明細書には代表的数のそのようなアミンについて概説する。十分に特性解析された反応基を用いて、豊富な表面修飾が得られる。
ここまでで、アミンカップリングさせてアミド結合を形成することによるさらなるCeNP表面修飾のために、現在の配位子シェル(クエン酸/ポリアクリレート)が有用であると証明された。それはさらなる表面修飾を提供する。さらに、アミド結合はフリーラジカルを形成し、CeNPと外層の間のシャトルとして作用し、その結果、CeNPがフリーラジカルをより反応性の低い種に変換できるようになる。それはROSの存在下で開裂する場合または開裂しない場合がある。
ここまでで、配位子シェルは最初のテーラリングの機会を提供する。アミド結合または他の化学カップリングによる少なくとも1種類の炭化水素(またはチオール、アジド、アルキン)の選択が、もうひとつの修飾点を追加する。
CeNP表面を化学修飾するためのもうひとつのテーラリングの機会(炭化水素付加)は、炭素2〜40、4〜20、6〜12または8〜10個の炭化水素によるものである。炭化水素は2つの役割を果たす:(1)活性をチューニングすること、および(2)脂質コーティングのためにCeNP表面を調製すること。活性チューニング(1)のために、炭化水素の長さが重要な役割を果たす可能性がある。長い炭素鎖(16〜40個の炭素)は表面を完全に不動態化することができ、一方、短いもの(4〜12個の炭素)はなおROSを分解できる状態で活性を低下させることができる。これは、全般的な非特異的的活性チューニングである。この付着は安定性が高い可能性がある。脂質コーティングのための調製(2)において、炭化水素はCeNPを疎水性表面に変換し、その結果、脂質がそれをカプセル化できる。
炭化水素層は、CeNPを脂質層内にカプセル化するための調製における修飾である。脂質層は、粒子の生体適合性および循環時間を増大させる。このプロトコルを実施するために、炭化水素修飾されたCeNPを、有機溶媒中の脂質に添加する。次いで真空下で溶媒を除去して乾燥させ、脂質およびCeNPのフィルムを形成する。緩衝液の添加は脂質の膨潤を促進し、それらは水性環境に応答して自然に二重層を形成する。最初の脂質−CeNPリポソームは、しばしば大きく(100nmより大きい)、かつ単一粒子コアを含む脂質の単層ではなく多層である。これらのリポソームを個別脂質層を備えた単一CeNPに分離するために、脂質−CeNP溶液を水浴内で音波処理する。このプロトコルにより、DPPCおよびDOPC(DPPC, 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン;またはDOPC, 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)を用いて脂質修飾されたCeNPを製造するのに成功した。
動的光散乱(DLS,図14を参照)を用いて脂質プロトコルをモニターした。図14(A)において、ポリアクリレート配位子のみのCeNP出発物質(‘裸’)は、0.77±1.0nmを中心とする1つの主ピーク(99%の質量)をもつ。脂質カプセル化および音波処理の後、DLSは3つの主ピークを示す(図14(B))。集団のうち約1/3が目的サイズ範囲(4〜8nm)のベシクルを形成した。この集団には、単一ナノ粒子コアを含むベシクルのみが含まれる。350nm(27%の質量)および1670nm(40%の質量)の直径についてのピークは、CeNPがそれらの脂質二重層および多層リポソームに埋め込まれた単層リポソームである。これらの配合物もナノ粒子活性に寄与すると予想される。
脂質色素も、脂質修飾プロトコルに際して容易に脂質層に取り込まれる。脂質がナノ粒子をカプセル化したことを確認するために、蛍光を用いて脂質とCeNPの近接性を示す(図15を参照)。Ce+3/Ce+4イオン形においてセリウムは蛍光性であり、約350〜400nmに励起ピーク、470nmに発光ピークをもつ。この蛍光が460〜500nmで励起する脂質色素とカップリングした場合、蛍光は脂質色素発光(520nm)をシフトさせるはずである。脂質色素とCeNPが近接すると、CeNP蛍光ピークは465nmから520nmへ赤色シフトするであろう。図15において、非修飾CeNPの発光スペクトルを、脂質色素を含む脂質カプセル化CeNPと比較する。非修飾CeNPトレースは、400nmの励起ピークによるCeNPの固有蛍光を示す。約460nmの発光ピークは可視である。適切に調和した励起および発光の脂質色素を含有する脂質層でナノ粒子をカプセル化した後、約460nmのナノ粒子蛍光が脂質色素を励起させ、発光ピークが約520nmへシフトする。再び、粒子の湿潤特性が疎水性(炭化水素修飾)から親水性(脂質修飾)に変化する。
本発明の第2方法において、炭化水素リンカーを電子シャトリングのための有効な導管として用いた。電子伝達範囲を拡張する安定なラジカルを形成できる炭化水素を、炭化水素リンカーの半径範囲に付着させる。ラジカル形成のエネルギー機構を潜在候補へのガイドとして用いた。官能基または炭化水素は、フリーラジカル形成エネルギーが+100kJ/mol未満であれば、好ましい候補として分類される(図10を参照)。炭化水素リンカーのフリーラジカル形成および電子シャトリングは、CeNPの抗酸化活性の範囲を拡張する。電子シャトリングを促進するために、大型のコンジュゲート系、たとえば一連の固定ベンジル環、たとえばナフタレン誘導体、または交互二重結合をもつ炭化水素は、CeNP表面へ、また表面から、電子を伝達することができ、その結果、ラジカルスカベンジング活性がナノ粒子表面を十分に越えるのが促進される。粒子特性は下記によりチューニングされる;安定構造(開裂なし)の選択、それは粒子の高い経時的安定性を確実にする;または開裂性官能基の選択、それはフリーラジカルが形成される組織内へカプセル化CeNPが透過するまで抗酸化活性を制限するが、フリーラジカルの存在下ではCeNP活性のバーストをも可能にする。開裂(アンジッピング)能を得るために、+500kJ/mol未満の結合解離エネルギーをもつ官能基を目標とする。立体障害が電子シャトリング官能基による完全なCeNP被覆を制限する場合または制限しない場合がある。立体障害により完全被覆が妨げられる場合、残りの開放表面部位を適切なアミン炭化水素で満たすことができる。
生体適合性を増大させ、かつ循環時間を最適化するために、CeNP表面を脂質シェル内で終結させることができる。ホスファチジルコリン脂質を一般的な非反応性脂質として使用できる。リン脂質は細胞膜における主要クラスの脂質であり、コリン基は細胞シグナル伝達に関与しない中性ヘッド基である。さらに、リン脂質は、特定のテイル長さ、コンジュゲーションおよびヘッド基の選択によって多数のバリエーションを形成する。これらにはホスホ−コリン(PC)脂質、ホスホ−エタノールアミン(PE)、ホスホ−チオエタノール(PTE)およびPEG官能基化された脂質が含まれるが、これらに限定されない。PEおよびPTEは、ターゲティング分子を付着させるのに有用な脂質の2例である。スフィンゴ脂質も、同様に多様な組合わせのヘッド基およびテイル基を備えた生体適合性脂質層を提供する。ステロール類、たとえばコレステロールは第3の主要な脂質ファミリーであり、リン脂質、スフィンゴ脂質およびステロールの混合物は粒子の脂質層を実質的にいかなる細胞タイプの膜組成にも調和させることができる。実行可能なCeNP脂質層修飾がすべて可能である。脂質層は生体適合性の外側シェルを与え、それは生物汚損(biofouling)を阻止する。この脂質層はCeNPの循環時間を延長することができる。脂質は、炭化水素付加のほかに、ナノ粒子活性レベルを全般的にチューニングするための第2の機会を提供する。長鎖大型脂質はROSとCeNP表面の距離を広げ、それにより活性を低下させ、一方、短い脂質はより大きなアクセス性および活性を可能にするであろう。
脂質カプセル化工程は、表面を特定のターゲットにテーラリングするための高度の制御をも提供する。脂質は、反応性脂質ヘッド基により、ターゲティング分子、たとえばペプチド、またはL−DOPAのような小分子の付着を可能にする(図7を参照)。この生体適合性の外層により、本発明はナノ粒子を特定の疾患または組織への適用にテーラリングする能力を備えている。特定の疾患または用途:ドーパミン、それの誘導体およびL−DOPAは共に、パーキンソン病に対する療法効果を得るために脳へのターゲティングをもたらす。セロトニンおよびアセチルコリンは両方とも膵臓における受容体に対するリガンドであり、CeNPをII型糖尿病用に送達するのに有用な可能性がある。
さらに、PEG基を脂質ヘッド基位置に取り込ませることにより、循環時間をさらに延長でき、タンパク質汚損を低減できる。
本明細書に説明するように、本発明は、CeNPテーラリングのための表面化学戦略の範囲内で、酸化セリウム粒子からの距離の順序に挙げると、少なくとも5つの可能な修飾点を提供する:(1)配位子シェル(CeNPへの最も内側の連結);(2)炭化水素付加;(3)炭化水素に埋め込まれた電子シャトリング(安定なフリーラジカル形成);(4)脂質シェル(炭化水素から脂質シェルへの最も外側の連結);および/または(5)脂質によるターゲティング分子付着。これらの戦略により修飾されたCeNPは、組織および臓器テーラード生体分布のためにテーラリングされたナノ粒子となる。これらのナノ粒子は、直径が約5nmにまで小さくなるのに伴なって反応性が高くなり、そこでそれらの最大ROSスカベンジング活性に達する。配位子、たとえばEDTA、クエン酸またはポリアクリレートのみを含むCeNPが最も効力が高い。しかし、脂質層がなければ、それらは限られた循環寿命および低い生体適合性をもつ(30, 31)。さらに、ベンチマークテスト(benchmark test)、すなわち図17に示すTPAおよびフェントン試薬(Fenton’s reagent)アッセイは、これらの粒子の活性を具体的に示す。これらのアンチオキダントナノ粒子のユニークな特徴は、それらを多数回適用できることである:数週間かけて、セリウム(IV)リッチ粒子は徐々にそれらの出発時セリウム(III)含量に戻る。ほぼすべての場合、粒子はコロイド状で安定なままであり(たとえば、凝集がない)、アンチオキシダントとして多数回適用できた。これらの化学的特性は、細胞培養においても観察され、その場合、それらの物質はHに曝露されたヒト皮膚線維芽細胞において、それらの溶液相活性に匹敵する効率で酸化的ストレスを低減することができた。
ここまで、本発明は、多様な程度の修飾を伴なう多数の修飾点について詳述した。本発明から認識されるように、記載したこれらの修飾のありとあらゆる組合わせを用いて、ニーズ、たとえば療法、診断、マーキング、研究などに応じた種々の特徴を達成できる。可能な修飾の組合わせを限定するのではなく、種々のニーズを達成できるそのような修飾の例を以下に提示する:
1.配位子層および炭化水素付加修飾;
2.配位子層、炭化水素付加、脂質シェル、および脂質を介したターゲティング分子付着;
3.配位子層、炭化水素付加、炭化水素に埋め込まれた電子シャトリング(安定なフリーラジカルの形成)、脂質シェル、および脂質を介したターゲティング分子付着。
本明細書に提示する他の態様により本発明をさらに詳細に記載する。
他の態様において、配合物はCeO表面に配位子シェルを構築することからなる。用途特異的CeNPを配位子シェルによりテーラリングして、化学修飾を特定する。配位子シェルを形成するために、合成プロセスでキレート化小分子を添加する。それは安定性を高め、粒度をさらに制御する(51-53)。Sigma Aldrichはそのカタログ中に1800種類を超えるカルボン酸化合物をもつ。クエン酸を用いて本発明を例示する。しかし、別のキレート化剤を用いて有効な表面修飾戦略を拡大して、新規な表面化学選択肢を作製することができる。
酸化セリウムの場合、カルボン酸系キレート化剤、たとえばクエン酸およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA、ならびにそれらの誘導体(115種類の化合物が同定された)が効率的に表面に結合し、本発明のリポソーム配合物に特異的組織ターゲティング能を付加するためのさらなる修飾に必要な表面安定化をもたらす。反応性末端基をもたないカルボン酸化合物(たとえば、オレイン酸)は、非特異的的修飾、たとえば脂質ハイブリッド二重層により目的効果を生じる。図1および2を参照。図1に示すように、クエン酸およびそれのさらなる修飾の可能性を本発明の配合物において探査する;それは3つのカルボン酸(−COOH)基をもち、それらのうち少なくとも1つを、ドーパミンまたはL−DOPAなどのターゲティング分子の付着のために利用できる。クエン酸(または、CeNPの表面を調製するために用いる他の有機酸)のカルボン酸残基は、アミン(−NH)、チオール、またはスルフヒドリル(−SH)、アジド(−N)またはアルキン(−C=C−H)と反応性であり、緩和な条件下でさらに修飾することができる。これらの反応性ハンドルから、幾つかの反応経路でCeNP表面をさらに修飾して、疾患特異的組織領域をターゲティングするように配合物をテーラリングする。現在、EDC/NHSによるカルボン酸とアミンのカップリング化学を用いてCeNPが首尾よく修飾された(図11を参照)。デシルアミン(CH(CHNH)はポリアクリレート配位子と反応してアミド結合を形成する。具体的には、修飾CeNPを製造するために、ポリアクリレート配位子シェルを備えたCeNPの溶液をEDCおよびNHS(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド;N−ヒドロキシスルホスクシンイミド)と混合する。過剰の目的アミンを反応混合物に添加し、数時間反応させる。生成物を反応混合物から分離するために、有機抽出を実施する。次いでクエン酸溶液を添加して、未反応アミンを除去し、水洗で分離する。
この反応経路は炭化水素付加(単数または複数)を含む:カルボン酸系キレート化剤、たとえばクエン酸は、CeNPの表面に効率的に結合する。一例としてクエン酸に注目する;それは3つのカルボン酸(−COOH)基をもち、それらのうち少なくとも1つをターゲティング分子の付着のために利用できる。露出したカルボン酸基は、カルボジイミドおよびスクシンイミド化学(EDC/NHS)を利用して、クエン酸を適切なアミン(−NH)末端小分子にカップリングさせるのを可能にする。この戦略はペプチド結合形成をシミュレートしており、カルボン酸部分をアミンに結合させるために広く用いられている(54-56)。本発明者らの研究で、図12(A−C)においてデシルアミンへのCeNPカップリングを赤外(IR)分光分析により追跡する。図12(A)において、ポリアクリレート配位子シェルを含むCeNP(‘裸’またはストックCeNP)のIRスペクトルは、顕著なC=O(1632cm−1)およびC−O(1562cm−1)、ならびに3500cm−1における幅広いO−H伸縮を示す。CeNP−デシルアミン(粗抽出物)のスペクトルには、C−H(2850〜2950cm−1)、C−O、C=OおよびC−Nバンド(1300〜1700cm−1)が追加された。N−H伸縮(3350cm−1)は未反応デシルアミンの指標であり、それは後に除去されるであろう。粗抽出物を図12(B)のデシルアミンと比較すると、デシルアミンは2850〜2950cm−1にC−H伸縮、3333および3185cm−1にN−H伸縮、ならびに1650から1385cm−1までに一連の伸縮および縦ゆれを示す;C−H、N−HおよびC−Nバンドを示すCeNP−デシルアミド(粗抽出物)と比較する。粗抽出物中にN−H伸縮は依然として存在する(3500cm−1)が、それはデシルアミンN−H伸縮よりかなり小さい。同様に、C−O、C=OおよびC−Nはすべて1300〜1700cm−1領域にシフトした。図12(C)に示すように粗抽出物にクエン酸を添加した後、未反応アミンは次いでクエン酸とアミド結合を形成して水相中へ分配され、その結果、分離した生成物が残る。粗抽出物と比較して3333cm−1のアミンN−H伸縮は消失している。同様に、アミンカルボニル(1700cm−1)およびC−N(1650cm−1)伸縮はより顕著である。
核磁気共鳴(NMR)分光分析を用いて、未反応デシルアミンをCeNP生成物と比較する。デシルアミンの末端メチルおよび内部メチレンのピークが0.88および1.27ppm δ H(クロロホルム,CDCl)にみられる。アミド結合から炭素2個離れたβ−メチレンプロトン類はシフトせずに1.45ppmに留まる。反応後、α−メチレンプロトン類(アミド結合に隣接するもの)は2.68から2.21ppmへシフトする。7.85ppmに弱いピークが出現し、それはアミドプロトンピークに配属される。1個のアミド水素がジュウテリウム化溶媒(CDCl)と交換されて、単なる小さなブリップ(blip)となる。この例では、若干の未反応アミンがある(2.68ppmのオーバーラッピングピーク)。
IRおよびNMR分光分析(図12および13を参照)を用いてアミドカップリングを確認するほかに、分離および精製工程でナノ粒子は有機(クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサン類、または他の有機溶媒)相内へ分配される。炭化水素外層がCeNPを親水性粒子から疎水性粒子へ変換した。
(2)Sigma Aldrichは、露出したクエン酸配位子に付着させるための約5000種類のアミンをそのカタログ中に提供している。本明細書に数例を概説する。十分に特性解析された反応基を用いて、豊富な表面修飾が得られる。
カプセル化CeNP配合物に埋め込まれた(不安定)結合(単数または複数)のアンジッピング:有効性を確実にするために、フリーラジカル攻撃に対して感受性であって脂質シェルから開裂しやすい不安定結合(単数または複数)を取り込むようにCeNPの表面を修飾する。酸化的損傷を受けている環境(高濃度のフリーラジカル)は不安定結合を開裂させ、その結果、脂質/PEG表面がアンジッピングしてCeNPが露出し、それのアンチオキシダント活性が最大になる(トロイ戦略(Trojan strategy))。アンチオキシダントの診断および療法用途にそのような戦略を用いることは知られていない。このゲートキーピング法は、CeNPをそのターゲットにおいて脂質ハイブリッド層からアンジッピングして有効成分を放出させ、それの療法または診断作用が最適になる細胞位置でCeNPの最大有効活性が得られるようにする様式で、本発明のデザインに組み込まれている。これは、一部は安定なラジカルを形成する官能基(たとえば、アセタール、またはエーテル(たとえば、アセタール、エポキシド、アミド、ペルオキシドまたはエーテル(図10および(47)を参照)を備えた炭化水素を選択することにより達成される。
(3)図5は、そのような粒子をトロイ戦略による送達で調製する方法を示し、図6は細胞内でのアンジッピングおよび作用の機序を示す。これまでに探査されていない粒子表面修飾化学により、ターゲット細胞内で開裂する開裂性結合を埋め込むことが可能になり、配合物はCeNPの療法作用に関与しない層を脱落させて療法/診断用CeO粒子を露出させることができる。これらの配合物を工学作製するために提唱された方法により、ある範囲の表面被覆度(1/10未満の被覆度から完全被覆度まで)を含む多重順列が可能になり、フリーラジカル開裂性結合へのアクセス性を変更できる。これらの順列はすべて、多様な慢性疾病状況において有効となるようにテーラリングされた疾患および組織特異的配合物をもたらす。
他の観点において、電子シャトリング能を付与する。有効性を確実にするために、安定なフリーラジカルを形成する官能基を取り込むように表面修飾して、より大きな半径のCeNPアンチオキシダント活性を構築し、一方で脂質シェルに適合する表面を構築する。ラジカルとCeNPの相互作用の範囲(短いものから長いものまで)を制御すると、多様な慢性炎症性疾患における長期投与のためのあらゆる用途を包含する、低い毒性プロフィールおよび最大の療法または診断効力を備えた、多様な配合物を調製できる。これらの配合物は、近接接触範囲から遠隔接触範囲までの両方の作用を得るために、CeNPとラジカルを互いに一緒にする。
ラジカルスカベンジャー活性を証明するために、フェントン試薬を用いてナノ粒子を試験する。具体的には、CeNPを塩化アンモニウム溶液中の鉄(II)(Fe+2)溶液に混入し、その後、少量の過酸化水素(H)を添加する。過酸化水素は、過酸化水素が分解するのに伴なってFe+2を徐々にFe+3に変換するであろう(Fe2++H+H→Fe3++HO・+HO)。CeNPを添加すると、酸化セリウムは酸化/還元パートナーとして作用してCe+4からCe+3へ循環する(スキーム1を参照:2Ce+3+3O−2+2HO・→2Ce+4+4O−2+HO)ので、Fe+2からFe+3への変換は増大する。指示した時間の後、1,10−フェナントリン(PA)を反応溶液に添加する。それはFe+2と錯体を形成し、強い色の変化を伴なう(無色から明るい赤色へ,520nmで吸光,図16(A)〜(B)を参照)。可視分光分析を用いてFe+2の濃度を測定し、比較して、それらの修飾によるCeNPの活性を確認する。
図17(A−C)に示すように、データは、最も多量のFe+2を含む試料はHを含まない対照アッセイであり、溶液中の全量の遊離Fe+2が明るい錯体を形成することを指摘する。このFe+2/PAアッセイにより、図17(B)に示すこれらの条件下で可能な最大吸光度が確立される。HをFe+2溶液に添加すると、Fe+2/H/PAトレース(図17(A))に示すように、反応時間内に最初に存在したFe+2の一部がFe+3に変換される。CeNPを添加すると、Fe+2からFe+3への変換速度が明らかに増大する(図17(A)および(C))。最少量のFe+2を含む試料は非修飾CeNPである(Fe+2/H/非修飾CeNP/PA)。それは大部分のFe+2をFe+3に変換したので、最少量の1,10−フェナントリン+Fe+2錯体および520nmにおける最低の吸光度をもつ。それは最高の活性をもつが、生体適合性が最小でもある。低い被覆度のアセタールアミド(2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミンから)および高い被覆度のデシルアミドの混合炭化水素層を備えたナノ粒子は、明確なアンチオキシダント活性を示す。完全デシルアミドを含むCeNPはより低い活性レベルをもつ。アセタール/デシル修飾CeNPと完全デシルアミド単独修飾CeNP(図17(D))の相異が予想される。アセタールアミドは、過酸化水素により発生したようなラジカルの存在下で開裂するであろう(図10を参照)。開裂したアセタール基はアンジッピング剤として作用し、アセタール修飾CeNPはそれらの脂質層を脱落させる。開裂によって酸化セリウム付近にヒドロキシルが生成し、この新たな官能基がナノ粒子の湿潤挙動を疎水性から親水性に変化させる。アセタールとデシルの比に応じて、活性レベルをチューニングできる。
Fe+2濃度の検量曲線(図18)を用いると、活性データがFe+2に換算され、それらの数値によりCeNP活性の定量比較が得られる。ベールの法則(Beer’s Law)は、吸光度と吸光種の間に直接的な関係があると述べている:A520=bcε520(ここで、Aは520nmにおける吸光度であり;bはキュベットのパス長さであり;cは吸光性化学種の濃度であり;ε520は吸光性化学種のモル吸光計数である)。パス長さ(b)とモル吸光計数は両方とも一定に保持されているので、Fe+2の吸光度と濃度の直線関係が容易に確立する。
Fe+2検量曲線から、活性アッセイを定量化する(図19を参照)。299μMの初期Fe+2値から、Fe+2/PA対照実験からの最大吸光度値により約220μMの上限が得られる。Fe+2/Fe+3はpH5で約220μM/約80μMに対応する平衡状態に達する。Hが存在する状態での活性アッセイについて、彎曲点はPAとの錯体を容易に形成する自由に利用できるFe+2を表わす。すべての彎曲点がPAの添加後15秒で起きると推定される。HをFe+2溶液に添加すると、約88μMのFe+3が変換される。これと対照的に、デシルCeNPはFe+3の量を126μMに増加させ、これは38μMの増加に相当する。アセタールCeNPは150μM、すなわち62μM高い量を変換する。非修飾CeNPはこのアッセイで最高量の約200μMのFe+3を生成する。
データ(図17〜19を参照)は、最も多量のFe+2をFe+3に変換した最も反応性であるナノ粒子は、ポリアクリレート配位子のみを含む酸化セリウム、すなわち非修飾または‘裸’のCeNPであることを示す。しかし、それは生体適合性が最も低いものでもある。低い被覆度のアセタールアミド(2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミンから)および高い被覆度のデシルアミドの混合炭化水素層を備えたナノ粒子は明確なアンチオキシダント活性を示し、CeNPが存在しない場合よりFe+3生成を62μM増加させる。完全デシルアミドを含むCeNPは、より低い活性をもつ。アセタール/デシル修飾CeNPと完全デシルアミド単独修飾CeNPの相異が予想される。アセタールアミドは、過酸化水素により発生したようなラジカルの存在下で開裂するであろう(図10を参照)。開裂したアセタール基はアンジッピング剤として作用し、アセタール修飾CeNPはそれらの脂質層を脱落させる。開裂によって酸化セリウム付近にヒドロキシルが生成し、この新たな官能基がナノ粒子の湿潤挙動を疎水性から親水性に変化させる。アセタールとデシルの比に応じて、活性レベルをチューニングできる。
いったんアンジッピングすると、酸化セリウム表面は、診断および/または処置される疾患に応じて多様な由来の酸化的損傷組織またはターゲット組織にアクセスできる状態になる。
他の態様において、CeNP表面は脂質またはポリエチレングリコールのシェル内にカプセル化され、その結果、脂質/PEGハイブリッド二重層を生成している;図3により示す。配位子シェルは長い炭化水素鎖を付着させて疎水性ナノ粒子を調製する機会も提供するが、5つの修飾点の採用がテーラリングの機会を最大にする。脂質シェル(ポリソルベート(Tween)界面活性剤、ラクテート、アポリポタンパク質−E、アミド化)は、ペプチドまたは小分子、たとえばL−DOPA、ドーパミン、セロトニン、およびそれらの誘導体、ならびにターゲティングタンパク質、たとえばトランスフェリンが付着する機会を提供する。
(4)本発明の粒子をさらにテーラリングする。脂質とPEG修飾脂質を組み合わせると、その結果、水性環境でハイブリッド二重層が生成する。本発明の配合物の官能基化を添付の図4に示す。
ポリエチレングリコール修飾した脂質を適用すると、リポソームの循環寿命が延長される(57)。脂質およびPEGで修飾したデバイスである薬物装填リポソームは、生体適合性を高め、タンパク質汚損を低減する(58)。本発明は、CeNP有効性を最大化するためにこれらの両方の観点を利用する。脂質およびPEG脂質選択肢(http://avantilipids.com)から、本発明はカプセル化CeNPを特定の組織および疾患への適用にテーラリングする。
他の態様において、配合物は、本明細書に記載するように組織特異的送達のためのターゲティング分子を含有する。他の態様において、多様な用途特異的ペプチドを付着させる方法を用いる。ペプチドは将来のターゲティング分子の豊富なプールを提供すると認識される。よって、C−末端およびN−末端はペプチドを付着させるのに必要な反応基を提供するが、システインの遊離チオールは本発明のナノ粒子への直接的なテーラード連結を提供する。カルボン酸とチオールをカップリングさせる小分子、たとえばSigma Aldrichから入手できるアミンマレイミド類を用いてこの反応経路を開拓する。そのアミン部分はカルボン酸表面と反応し、一方、マレイミドはチオールと反応する。あるいは、アミン基およびチオール基を含む小分子は、ジスルフィド連結を生じる。アミン基は(たとえばクエン酸)配位子とカップリングするが、露出したチオール基は緩和な条件下で溶液中の遊離チオールと容易に反応する。反応条件は、過剰のペプチドを用いて、または表面のチオールの数を減らしてペプチド付着を最大化し、かつ粒子二量体化を最小化することにより調節される。このジスルフィド結合は不安定であり、還元性条件下で容易に開裂する。しかし、ターゲティングペプチドを用いて、ナノ粒子を酸化的損傷部位に近接して適正に配置する。適所に配置された時点で、損傷を受けた細胞および組織の処置を施すのは酸化セリウムである。ペプチドは療法剤ではない。
組織/細胞ターゲティングについて、ペプチドの付着は伝統的な生体分子標識に限定されない。専門のアミノ酸によるアジド類およびアルキン類の埋込みは、化学的付着をクリックするための扉を開く。
他の態様において、ターゲット組織に至る途中での生体適合性を最大化し、次いで罹患組織へ送達されてアンジッピングした時点で細胞内において有効作用を開放するように、配合物を工学作製する。このハイブリッド二重層は、脂質およびPEGの特性を利用して、インビボでの生体適合性および循環時間を最大化する。しかし、そのような層は、反応性無機表面を不動態化するためにも用いられている(59-63)。有効性を確実にするために、ハイブリッド二重層の付着前に不安定結合を取り込むように表面を修飾する。酸化的損傷を受けた環境は、この結合を開裂させ、その結果、脂質/PEG表面がアンジッピングされて酸化セリウム粒子が露出し、それの活性が最大になるであろう(トロイ戦略)。アンチオキシダントの診断および療法用途にそのような戦略を用いることは知られていない。このゲートキーピング法は本発明の粒子表面デザインに固有であり、それによりそれのターゲットにおいて薬物または脂質ハイブリッド層が除去されてCeOがそれの療法または診断作用を発揮する最大の機会を与える。これは、一部は安定なラジカルを形成する官能基(たとえば、アセタール、エポキシド、アミド、ペルオキシドまたはエーテル(図10および(47)を参照)を備えた炭化水素を選択することにより達成される。いったんアンジッピングすると、酸化セリウム表面は、診断および/または処置される疾患に応じて多様な由来の酸化的損傷組織またはターゲット組織にアクセスできる状態になる。
他の態様において、配合物は、組織透過のためのに、またCNS障害、肺障害、自己免疫性障害およびアミロイド障害、多様な癌の発病に関与する組織が受容体選択的または準選択的に発現する受容体による受容体認識プロセスを介した特異的な臓器取込みのために、リガンドおよびホーミングデバイス(homing device)をカップリングさせることによる追加の層修飾を保有する。具体的には、COPD用途について、たとえば長時間作用型抗コリン作用薬(たとえば、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide))、アセチルコリン、ムスカリン受容体M1、M3およびM4に対する機能的および動力学的選択性を備えた長時間作用型ムスカリンアンタゴニストを付着させる。そのようなリガンドの例はスコポラミンである。本発明の配合物によりターゲティングするための他のクラスの受容体は、ヒトの気道のベータ−アドレナリン受容体である。具体的には、CNS障害について、セロトニン作動系をターゲティングするカップリングリガンド(たとえば、5−HT1A受容体リガンド:セロトニン作動性1A型(5−HT 1a)受容体アゴニスト、セロトニン作動性2A型(5−HT 2a)受容体アゴニスト)を付着させる。用いられる他のリガンドは、ブスピロン(buspirone)、サリゾタン(sarizotan)、タンドスピロン(tandospirone)である。具体的には、パーキンソン病用途について、代謝型グルタミン酸受容体(metabotropic glutamate receptor)(mGluR)に対するリガンドを配合物に付着させる(例には、mGluR2およびmGluR4の正のアロステリックモジュレーター、ならびにmGluR5の負のアロステリックモジュレーターの両方が含まれる)。NR2Bサブユニットを選択的にターゲティングするNDMA受容体アンタゴニスト、および代謝型グルタミン酸受容体mGluR5のアンタゴニスト。
他の態様は、ドーパミンおよびノルエピネフリン再取込みトランスポーターにより細胞に取り込まれる神経伝達物質(たとえば、L−DOPAおよび6OHDA)の付着である。神経伝達物質のアナログ/コンジェナー(congener)およびタンパク質またはタンパク質の一部を、リポソームコーティングに取り込ませる;それらは細胞膜を通して特異的トランスポーターにより輸送され、あるいはリポソームコートの脂質溶解性によって特別な親和性で輸送され、あるいは細網内皮系による取込みを阻止または制限する、リポソームコートのPEG化または他の分子修飾に関連する長時間循環によって輸送される。
本発明の配合物中に用いるリガンドには下記のものが含まれるが、それらに限定されない:オレイン酸、インスリン、IGF−1、IGF−2、レプチン、トランスフェリン、L−DOPAおよびドーパミン。図7には、そのような多様な付着物質を本発明の配合物に付加するために使用できる一連の戦略が記載されている。特定の疾患において作用するように配合物をテイラリングするために前記修飾を適用する方法の具体例を図8に示す;それは、CNS疾患において目的活性を得るためにL−DOPAをシェルの外側の脂質に付着させるのに用いる方法を示す。L−DOPA CeO粒子を中脳ドーパミンニューロンへ特異的にターゲティングさせるための戦略は、これらの脳細胞によるドーパミントランスポーター(DAT)の選択的発現に基づく(64)。DATを発現するこれらの中脳ニューロンはROSおよび酸化的ストレスに対する感受性が高く、それの喪失がパーキンソン病につながる(65, 66)。選択的取込みに続いて、細胞質ゾルの還元性環境で粒子がそれの脂質コートを脱落させ、その結果、CeOがROSにアクセスして消失させることができる。粒子の抗凝集特性に基づいて、アミロイドペプチドを発現している組織、たとえば脳および膵臓に本発明のCeOナノ粒子が局所蓄積することにより、これら2つのアミロイド感受性組織におけるアミロイド誘発性の酸化的ストレスの程度および/または速度が低減することも予想される。こうして、アミロイド負荷を受けた組織におけるROSの生成および蓄積に対するCeOナノ粒子の直接阻害作用を達成できる。
他の態様において、これらのCeNP組成物は鼻腔内、経口、吸入、点眼および非経口配合物中にあってもよい。配合物は、処置する疾患もしくは状態または用いる診断検査の用途および要件に基づいて決定できる。
(1)乾燥形態:CeNPを配位子レベルで修飾した後、それらを乾固し、そして再水和することができる。適正な分散を確実にするために、この方法を試験しなければならない。
(2)液体:脂質層を付加した後、CeNPを溶液中に保持しなければならない。脂質は乾燥後に容易に酸化される。水和と乾燥の反復サイクルにより脂質は分解する。液状での送達には、静脈内適用またはおそらく注射が含まれる。
(3)エアゾール:裸のCeNP、配位子修飾および表面修飾されたCeNP、ならびにリポソームバリエーションのCeNPは、すべてエアゾール適用することができる。点滴剤は脂質を水和状態に保持するために十分である。この配合物は鼻腔噴霧および肺吸入適用が可能である。
(4)ゲルカプセル剤/経口送達:経口適用のためには、修飾CeNPは消化器系を通過しなければならない。表面化学特性を過酷な環境から保護するために、おそらく保護ゲルカプセル剤は腸を通過した後にCeNPを血流中へ送達するであろう。
他の態様において、本発明はホモ−およびヘテロ−二官能性リンカーを用いる。本明細書に記載する化学修飾はクエン酸配位子に基づくが、保護されたアミンまたは他の官能基を備えた他のキレート化分子の導入も、探査すべき新たな手段を提供できる。外側脂質層を効率的に脱落させるために、光開裂性官能基を付加した配合物も開発できる。(58)を参照。
他の態様において、図9に記載するように、粒子の固有蛍光およびCeNP表面への蛍光色素の化学付着を用いて、CeNPの診断用途を開拓する。セリウムは+3/+4状態で蛍光特性をもつ(350nmで励起/460nmで発光,図15を参照)(67)。
(1)裸または配位子シェルを備えた形態で、それの発光は適切な短い波長の色素(400〜550nm, www.probes.com)とカップリングさせることができる。CeNPと色素が近接すれば(>10nm)、エネルギー転移事象の検出(FRET)が期待され、それにより共局在化(colocalization)が確認されるであろう。そのようなツールは細胞研究に有用であり、細胞膜または細胞の特定部分を色素でタグ付けしてCeNP相互作用を追跡できる。脂質近接を判定する際、脂質とCeNPが10nm以内にあることを示すのが有用であることが証明された。
(2)アミン末端色素誘導体を用いて色素をCeNPのカルボン酸表面に付着させることもできる。あるいは、色素の他の末端反応基を適切なCeNP表面化学で使用できる。FRET事象から、表面への色素装填の診断および特性解析ツールとしてのそのような化学の使用が期待される。
(3)短い波長の色素はFRET可能性を提供するが、CeNP表面と比較的長い波長の色素の対合によりCeNPと色素分子の比を解析することができ、その結果、装填情報も得られるであろう。前記のように、アミンその他の反応性末端基を備えた色素誘導体は、それらをCeNP表面に付着させるための化学的手段を提供する。さらに、250nm範囲の励起は光損傷を引き起こす可能性をもつので、長い波長の色素ほどより細胞適合性である。この場合も、細胞の種々の部分を適切なFRET色素カウンターパートでタグ付けすると、約10nm以内にあるCeNPの相互作用が検出されて、共局在化が証明されるであろう。
(4)蛍光色素をCeNP上に用いることにより、蛍光顕微鏡検査および蛍光分析によりインビボ循環を追跡し、ターゲット組織またはオフターゲット部位へのそれらの取込みおよびCeNP濃度を定量することができる。
(5)最後に、インビトロでアンジッピング機序を試験するために、脂質色素を二重層に取り込ませることができる。CeNPが還元性環境に曝露された際、粒子および脂質の蛍光信号をモニターすることができる。粒子を緩衝液中で洗浄した後には、CeNP信号のみの検出が期待される。
本発明はこれまで用いられてきたアンチオキシダントの短所を克服する。第1に、本発明の配合CeNP粒子は罹患組織に局在化し(たとえば、血液脳関門を越える)、過剰のROSが重要な役割をもつ疾患に有効な療法となる。クエン酸からの利用可能なカルボン酸基を用いて、炭化水素リンカー、脂質およびターゲティング分子を付着させることができる。この方法で、ターゲット組織における取込みの最大化を達成でき、アンチオキシダント活性を制御し(薬物送達中には不動態化されている)、高濃度のROSおよび/またはRNSを含む組織部位でアンマスキングすることができる。小分子アクセス性の効果は、酸化セリウムまたは脂質表面からのターゲティング分子の距離を変更することにより作り出すことができる。脂質ハイブリッド層は、タンパク質汚損を低減しかつPEG化脂質により循環を延長するという立証済みの戦略を提供する。
第2に、化合物は、疾患の処置において臨床的に有効であるのに十分なほど高い濃度で罹患組織に蓄積しなければならない。CNS疾患の場合、血液脳関門を透過できる‘小分子’薬物は2%未満であり、認識できるほど脳に沈着するのはこれらの一部にすぎない(23, 24, 68)。したがって、CeNPは他のアンチオキシダントと比較して低頻度で投与してもなお認識できるほどの組織レベルを達成できる(69-73)。新規なナノ粒子表面修飾、たとえばアンジッピング層または電子シャトリング能、および弱い結合または官能基の埋め込みをリポソームに導入することにより、最大の生体適合性およびターゲティングが得られるように粒子特性をチューニングすることができる。脂質層不動態化の問題は、ROSの存在下で開裂するであろう不安定結合の組込み、またはCeNPのレドックス活性の延長、および/またはCeNPへの開裂層もしくは脱落層の導入により克服できる。
1態様において、二重にアンジッピングした時点でCeO表面は酸化的損傷組織にアクセスできる状態になる。細胞への透過、沈着および細胞内反応性の改善により、インビボで用いた際のCeNPの薬物動態特性が著しく改善されるであろう。
他の態様において、本発明方法により不動態化されたCeNPは、肝臓および脾臓による取込みを避けることにより全身毒性を最小化し、疾患病態に関与していない組織におけるレドックス反応性を最小化し、酸化的ストレが最大の部位(単数または複数)における抗酸化作用を最大化する薬物動態プロフィールを備えた、組織および臓器特異的な生体分布にテイラリングされた状態になる。
認識されるように、本発明はCeNP修飾の多重点を提供する。1態様において、これらの修飾はCeNPレドックス活性を部分的ないし完全に不動態化する作用をもつ。たとえば、長い炭化水素(炭素2〜40、4〜20、6〜12、8〜10個および/またはそれより長いもの)のほかに、炭化水素鎖の中間にある嵩高い側鎖(たとえば、tert−ブチル基、シクロアルカン類、樹状構造体、ポリプロピレン官能基)、また他の官能基、たとえばフッ素化誘導体およびポリマー構造体はすべて、CeNPの活性を遮断または妨害するための候補である。1態様において、多層および不動態化または“オフ”状態のCeNP配合物を作製することができる。本明細書に記載したCeNPテイラリングのための表面修飾戦略を用いて、CeNPレドックス活性を部分的または完全に不動態化することができる。不動態化CeNPは、組織および臓器特異的な取込みを改善するようにテイラリングされる。
他の態様において、これらの工学作製ナノ粒子は、たとえば下記の慢性疾患を診断および予防するための診断剤として使用されるであろう:全身疾患、たとえばCOPD−肺気腫、喘息、特発性線維化膵臓炎(IFP);全身性自己免疫疾患、たとえばI型糖尿病、関節炎、ならびに変性性アミロイド誘発性の脳および膵臓の疾患、たとえばアルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、黄斑変性症、外傷性脳傷害、心血管疾患、ならびにII型糖尿病;これらにおいては、発病に際して酸化的ストレスおよび/またはアミロイド形成が役割をもつ(38, 48-50)。
最後に、療法剤は慢性疾患プロセスの一部として産生された過剰量のROSを中和するのに十分なほど長い半減期をもたなければならない。CeNPは組織における長い半減期をもち、それによって新規な投与スケジュールが可能になる。CeNPを用いて、将来の酸化的ストレスのリスクが高い可能性のある個体(たとえば、頭部外傷および外傷性脳傷害を生じやすい個体、たとえば兵士またはコンタクトスポーツ(contact sport)のアスリート)に‘ワクチン接種’できる可能性がある。ポリエチレングリコール修飾脂質の適用はリポソームの循環寿命を延長する(57)。脂質およびPEGで修飾したデバイスである薬物装填リポソームは生体適合性を増大させ、タンパク質汚損を低減する(58)。これらの観点は両方とも、CeNPの有効性を最大化するために利用できる。脂質およびPEG脂質選択肢(http://avantilipids.com)から、カプセル化CeNPを特定の組織および疾患への適用にテイラリングすることができる。脂質カプセル化およびPEG化は循環時間を延長し、ターゲット組織取込みを増大させる−これによりCeNPの組織内半減期が延長される。
以下は、本発明の対象である、発病におけるRSの強い役割が確立した慢性疾患の代表例リストである:パーキンソン病;アルツハイマー病;アミロイド症;レーヴィ小体を伴なう認知症;脳の鉄蓄積を伴なう神経変性1型;他の成人発症型基底核疾患;下記を含めた非アルツハイマー型タウオパシー(Tauopathies):a)ピック病(前頭側頭認知症)、b)進行性の核上不全麻痺(supranuclear palsy)、ただしPHFタウではなく直線フィラメントを伴なう、c)ボクサー認知症(Dementia pugilistica)(慢性外傷性脳障害)、d)染色体17関連ではあるけれども検出可能なβ−アミロイド班を伴なわない前頭側頭認知症およびパーキンソン症候群、e)リチコ−ボーディッヒ病(Lytico-Bodig disease)(グアムのパーキンソン−認知症複合疾患)、f)神経原線維優位型認知症(Tangle-predominant dementia)、ADに類似するNFTを伴なうけれども班を伴なわない(きわめて高齢の場合にみられる傾向がある)、g)神経細胞神経膠腫(ganglioglioma)および神経節細胞腫(gangliocytoma)、h)髄膜血管腫症(Meningioangiomatosis)、i)亜急性硬化性全脳炎(Subacute sclerosing panencephalitis)、j)ならびに鉛脳障害、結節性硬化症、ハレルフォルデン−スパッツ病(Hallervorden-Spatz disease)、およびリポフスチン沈着症(lipofuscinosis)、k)前頭側頭認知症、ならびにl)前頭側頭葉変性;筋萎縮性側索硬症;外傷性脳傷害および慢性外傷性脳障害;棘筋委縮;脊髄小脳萎縮;多発性硬化症および特発性炎症性脱髄疾患;慢性炎症性脱髄性多発神経障害および他の自己免疫性脱髄性疾患;脳室周囲白質軟化症および脳性麻痺;クロイツフェルト−ヤコブ(プリオン)病;フリードライヒ運動失調症(Friedreich's Ataxia);ハレルフォルデン−スパッツ病;筋ジストロフィー;ハンチントン病;血管性認知症;脳虚血;血管疾患および班形成、心筋梗塞および再潅流傷害;心筋炎;心筋障害;卒中:酸素不足後の再潅流傷害;糖尿病;緑内障;加齢性黄斑変性症;白内障;難聴;慢性腎不全;腎炎;肝硬変、アルコール性肝疾患、肝線維症;肝虚血および再潅流傷害;エイズ関連認知症およびHIV脳炎;敗血症性ショックおよび臓器不全;鎌状赤血球病;炎症性リウマチ様疾患および骨関節炎;リウマチ様関節炎;老化;細菌性髄膜炎;壊死性全腸炎;セリアック病(Celiac disease);炎症性腸疾患−クローン病、潰瘍性大腸炎;全身性エリテマトーデス;アトピー性皮膚炎−湿疹;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺気腫(多数);閉塞性細気管支炎;特発性肺線維症、特発性間質性肺炎(IIP)、これは間質性肺疾患の1タイプである;急性肺傷害;敗血症性および窮迫性肺(呼吸窮迫症候群);封入体筋炎;発癌;尋常性座瘡;てんかん;うつ病;不安;双極性障害;統合失調症;雄性不妊症;繊維筋痛;ならびに慢性疲労症候群。これらの疾患および障害、ならびに本明細書全体において考察するものは、本発明の対象である。
療法選択肢
大部分の主要な慢性疾患においてアンチオキシダントの有効性は広く研究されており、それには下記のものが含まれる:カロテノイド、フラボノイド、ビタミン(アスコルベートおよびトコフェロールを含む)、無機物(亜鉛、セレン)、果実および野菜ならびに抽出物、ユビキノン(補酵素Q−10)、グルタチオン(グルタチオンエステル、グルタチオンペルオキシダーゼミメティック、グルタチオン生合成誘導物質)、リポ酸、メラトニン、チオール化合物(N−アシステリン(N-acystelyn)、N−イソブチリルシステイン、合成新規チオール類、およびN−アセチル−L−システイン)、ニトロンスピントラップ剤(nitrone spin trap)、スーパオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ、SODミメティック、ならびにレドックスセンサー阻害剤。若干の研究は有効性を示したが、外的要因を適切に制御するのに苦闘し、しばしば類似の研究を再現するのに失敗した。SODおよびカタラーゼは生物学的に有効な内因性アンチオキシダント酵素であるが、これらの酵素は細胞によって容易には取り込まれないので、それらを外から導入するのは問題が多い。生物学的利用能は外因性アンチオキシダント戦略全般における重要な複雑な要因である;たとえ炎症部位に適切に配置したとしても、大部分のアンチオキシダントはフリーラジカルとの1回の相互作用で消費され、その結果、連続投与の手段なしではそれらのスカベンジング効力は制限される。
臨床的に有効であるためには、抗炎症療法剤を優先的にターゲット臓器(たとえば、CNSまたは肺実質)へ配置する必要があり、かつ疾患発病に量的に重要である特異的な細胞および経路を、好ましくは触媒作用様式でターゲティングする必要がある。アンチオキシダントのレベルを長期間持続させる必要がある。慢性疾患は、組織および臓器における持続的な有効薬物レベルでの長期療法を要求する。
セリウムは遷移金属、ランタニド元素である。それの酸化物CeO(“セリア”)は、大きな拡散係数を示す酸素空孔(oxygen vacancy)を含む蛍石結晶構造をもつ。これらの要因が組み合わさって可逆的変換が促進され、その際Ceは2つの酸化状態、Ce3+(完全還元状態)またはCe4+(還元酸化状態)で存在する可能性があり、その結果、それはスーパーオキシドジスムターゼ活性と再生可能なカタラーゼ活性の両方を示すことができる:
レドックス環境で、高い表面積−対−体積比をもつ5〜10nmのセリア粒子は有効な反応性をもち、これらの状態間で容易に相互変換でき、フリーラジカルを含む酸素に対して特別な反応性/親和性を示し、その結果、それらは有効性の高い再生可能な(触媒性)、スーパーオキシドおよび臓器ペルオキシナイトライトのフリーラジカルスカベンジャーになる。さらに、ナノスケールでセリアナノ粒子の表面は高い水素および酸素吸収能をもち、その結果、HまたはHOおよびそれらの関連ラジカル種との反応しやすさを備えている。セリアナノ粒子は細胞内および細胞間空間へのアクセス性をもつことが立証されており、その結果、炎症性疾患において重要な‘保護された’環境内へ透過する。セリアは培養および動物モデルにおいて試験され、RS活性および傷害の中和における有効性が立証されている:
・セリアナノ粒子は、パーキンソン病のMPTPマウスモデルにおいて線条体ドーパミンを保存し、黒質のドーパミン作動性ニューロンを保護し、用量応答性は釣鐘形である。
・セリアナノ粒子は一部はミトコンドリアに局在化し、ミトコンドリアにおける複合体I活性のロテノン(rotenone)誘発性阻害に関連する細胞死および機能不全を低減する。
・予備処理したセリアナノ粒子は、無傷で、炎症または細胞傷害を生じることなく、ヒト気管支上皮のエンドソームコンパートメントおよびマウスマクロファージ細胞系に進入する;それらはROS産生を抑制し、酸化的ストレスに対する細胞抵抗性を誘導する。
・酸化セリウムナノ粒子は多様な細胞培養系を酸化的損傷(UV光線、ペルオキシド、照射およびグルタミン酸誘発性の興奮毒性(excitotoxicity))に対して保護する。
・ネズミマクロファージ細胞を酸化セリウムナノ粒子で処理すると、誘導性酸化窒素シンターゼおよびmRNAのレベルが濃度依存性で抑制され、反応性酸素種が消失し、試験したいずれの濃度でも細胞に対する毒性を伴なわない。
・虚血性心筋障害のネズミモデルにおいて、酸化セリウムナノ粒子は単球およびマクロファージの浸潤、3−ニトロチロシン(チロシンのペルオキシナイトライト窒素化のマーカー)の蓄積、アポトーシスによる細胞死、ならびに炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子TNF−α、IL−1β、およびIL−6の発現を顕著に阻害した。
・セリアナノ粒子は、アルツハイマーモデルにおいてアミロイド−β傷害に対してヒト神経芽細胞の細胞生存性および細胞形態を保護し、神経栄養効果を示す。
・酸化セリウムナノ粒子は、虚血および再潅流(卒中をシミュレートする)のモデルにおいて脳切片を傷害に対して保護する。
・酸化セリウムナノ粒子は、ラット皮質ミクログリアを用いるインビトロモデルにおいて、外傷性脳傷害により誘発される炎症細胞損傷に対して保護する。
・炭酸アンヒドラーゼ(酵素)に付着した酸化セリウムナノ粒子は、ラットにおいて酸化的網膜損傷を軽減する。
・尾静脈注射により投与した酸化セリウムナノ粒子は、実験的自己免疫性脳炎(再発性多発性硬化症のモデル)の重症度を軽減する。
・ラットにおける予備毒性試験により、静脈内送達したセリアナノ粒子は、最も酸化性である臓器(脳、心臓、および肺)に主に蓄積し、注射後少なくとも6か月間は顕性毒性なしに保持されることが認められた。
セリアナノ粒子は、短期および長期実験(数日ないし数週ないし数か月)において明らかに無毒性であると思われる。50〜750mg/Kgの高用量を投与して、急性全身毒性の証拠はほとんどなかった(33)。米国および欧州におけるCeOの安全性試験では、重篤な毒性または変異誘発性はみられなかった。療法範囲は、投与経路に応じて0.1〜500mg/kgであろう。高い方の用量を経口投与し、中間範囲の用量を静脈内投与または吸入または皮下投与し、きわめて低い用量を眼内に投与する。動物における現在の静脈内および皮下用量は5〜60mg/kgの範囲であり、1日1回の高頻度および週1回の低頻度で投与する。ヒトの用量は0.1〜100mg/kgの範囲を含み、薬物のクリアランス速度に応じて変更可能なスケジュールで投与されるであろう(全身投与については1日1回ないし週1回ないし月1回、眼内投与については低頻度で3〜6か月間)。重要なことに、セリア粒子の保護作用は再生可能である;それらの活性は触媒性であって、それらとペルオキシナイトライトおよびスーパーオキシドラジカルとのアンチオキシダント反応において消費されないからである。粒子は動物において数週間の測定半減期をもつ;規則的な間隔の投与で、または罹患した臓器もしくは組織にセリア粒子をフロントローディング(front loading)し、次いで維持フォローアップ処置(ボーラスに続くブースター、その間でセリア粒子投与からの長期的な離脱)を施すことができる計画で、持続性の比較的均一なレベルの有効アンチオキシダント活性を達成できる。フロントローディングは、療法の初期に短期間の高用量投与によりセリア粒子の薬物動態プロフィールおよび再生性を最適化するための戦略として採用できる。フロントローディング計画は3〜90日間にわたって施すことができる。
方法
1.卓越した療法特性を備えた有効な生物学的利用能のある酸化セリウムナノ粒子プラットホームを作製する。セリアナノ粒子(直径5〜10nm)は生物活性をもち、ペルオキシナイトライトおよびスーパーオキシドのレベルを低下させ、その結果、炎症の傷害性細胞作用を低減する。新規コーティングおよびキャリヤーまたは多官能性炭化水素を用いて修飾したナノ粒子を合成することができ、レドックス活性を増強するための内部修飾を開発し、粒子を特定の組織ヘターゲティングさせ、隔離環境への粒子透過を増大させることができる(肺の上皮層を通した吸収、血液脳関門の透過増大)。選択的取込みのために肺への吸入により投与できまたは静脈内に投与できる組成物および表面特性、パッケージングならびに送達ビヒクルの工学作製は、特異的にフリーラジカル発生部位における蓄積を最小化し、生物学的利用能を増大させ、有効性を最適化するであろう。
2.肺気腫の動物モデルにおける吸入ナノ粒子の有効性、タバコの煙に曝露した後の肺損傷の軽減および改善を立証する。吸入した化学修飾された酸化セリウムナノ粒子の効果について、2パック/日の喫煙と同等のタバコの煙に20週間曝露した2系統のラットにおいて試験を実施することができる;吸入ナノ粒子の投与がペルオキシナイトライトの濃度を低下させるかどうか(タンパク質のニトロシル化に反映される)、またタバコの煙に曝露した後に測定した肺損傷の重症度を軽減するかどうかを試験する。ラット系統は、タバコの煙により誘発される肺疾患に対するそれらの感受性が異なる。この曝露の期間および程度は、約75%の動物に肺気腫を発症させるのに十分なものである。両方ともこの研究分野で既に受け入れられている2つのラット系統について試験することができる。肺疾患の重症度は、タバコ曝露動物と対照動物、および薬物曝露動物と対照動物において、肺の体積変化および一酸化炭素の拡散度を測定することにより機能的に判定できる(2×2実験デザイン)。安全性、副作用および毒性を査定することができる。肺気腫は、立体解析法を用いて種々の動物グループにおいて肺胞のサイズを測定することにより病理学的に判定できる。最後に、サイトカインおよびチロシン化タンパク質についての肺洗浄液分析と肺組織の細胞内セリアレベルを測定するための肺組織分析との組合わせを用いて、セリア粒子について作用機序および組織特異的な装填を確認することができる。この作業は#1と同時に実施できる。
3.パーキンソン病の動物モデルにおいて注入ナノ粒子の有効性を立証する。パーキンソン病の動物モデルにおいてランダム化二重盲検試験を実施して、血液脳関門を越えた多数のセリア粒子の生物学的利用能、および疾患進行の遅延または停止における有効性を確立することができる。6−ヒドロキシドーパミンはパーキンソン病の認知された動物モデルである。6−ヒドロキシドーパミンは、フリーラジカル依存性機序でドーパミン作動性ニューロンを死滅させる毒素である。前記に概説したCOPD試験と並行して、6−ヒドロキシドーパミンの注射により作製したパーキンソン病モデルにおいて2×2デザインで試験を実施して、裸の5〜10nmセリア粒子が被験ラットにおいてパーキンソン症状の重症度を軽減するかどうかを試験することができる;この症状軽減/6−ヒドロキシドーパミン毒性の低減は、キャリヤービヒクル中において送達した酸化セリウムナノ粒子で処置した動物においては、血液脳関門を越えた生物学的利用能の増大のため、よりいっそう大きいであろう。安全性、副作用および毒性を査定することができる。この作業は#1および#2と同時に実施できる。
4.セリア粒子−キャリヤー製品の有効性をインビボで動物モデルにおいて立証する。第1世代キャリヤー技術(前記の#1)および裸のナノ粒子投与の処方(前記の#2および#3)を完了した後、セリア保有キャリヤーの安全性および有効性をCOPDモデルおよびパーキンソンモデルにおいて、同じデザインで試験する。この作業の結論は、IND作業の完了およびヒトにおける試験の遂行を正当化するための原理証明(proof-of-principle)を構成する;最初にCOPD、続いてパーキンソン病において。この作業は前記#1、2および3の結論の後に実施することができる。
好ましい態様を参照して本発明を記載した。本発明の概念を記載する目的で具体的な数値、関係、材料および工程を述べたが、具体的態様に示した本発明に対して、広義の本発明の基本概念および操作原理の精神または範囲から逸脱することなく多数の変更および/または改変をなしうることは当業者に認識されるであろう。前記の教示からみて、それらの具体例を本明細書中の教示から逸脱することなく当業者が改変できることを認識すべきである。本発明の根底をなす概念の好ましい態様および特定の改変を十分に述べたが、本明細書中に提示および記載した態様の他の多様な態様ならびに特定の変更および改変は、根底をなすそのような概念に精通するようになれば当業者に明らかになるであろう。そのような改変、別法および他の態様はすべて、それらが特許請求の範囲またはそれと均等な範囲内にある限り本発明の範囲に含まれるものとする。したがって、本発明は本明細書に具体的に述べたもの以外の方法で実施できることを理解すべきである。したがって、本発明の態様はあらゆる観点で例示であって限定ではないとみなすべきである。
参考文献
以下のリストは本明細書中で引用した参考文献を示す。これらの参考文献を参考にした範囲で、それぞれを本明細書に援用する。
1. Beckman JS, Crow JP. Pathological complications of nitric oxide, superoxide and peryoxinitrite formation. Biochemical Soc Trans 1993;21:330-334.
2. Hall ED, Wang JA, Miller DM. Relationship of nitric oxide synthase induction to peroxynitrite-mediated oxidative damage during the first week after experimental traumatic brain injury. Exp Neurol 2012;238:176-182.
3. MacNee W. Oxidative stress and lung inflammation in airways disease. Europ J Pharm 2001;429:195-207.
4. Mustafa AG, Singh IN, Wang J, Carrico KM, Hall ED. Mitochondrial protection after traumatic brain injury by scavenging lipid peroxyl radicals. J Neurochem 2010;114:271-280.
5. Smith KJ, Kapoor R, Felts PA. Demyelination: The role of reactive oxygen and nitrogen species. Brain Pathol 1999;9:69-92.
6. van Horssen J, Witte ME, Schreibelt G, de Vries HE. Radical changes in multiple sclerosis pathogenesis. Biochim Biophys Acta 2011;1812:141-150.
7. Rahangdale S, Yeh SY, Malhotra A, Veves A. Therapeutic interventions and oxidative stress in diabetes. Frontiers in bioscience : a journal and virtual library 2009;14:192-209.
8. Reynolds A, Laurie C, Mosley RL, Gendelman HE. Oxidative stress and the pathogenesis of neurodegenerative disorders. International review of neurobiology 2007;82:297-325.
9. Kinnula VL, Crapo JD. Superoxide dismutases in the lung and human lung disease. Am J Resp Crit Care Med 2003;167:1600-1619.
10. Morris AH, Kinnear G, Wan W-YH, Wyss D, Bahra P, Stevenson CS. Comparison of cigarette smoke-induced acute inflammation in multiple strains of mice and the effect of a matrix metalloproteinase inhibitor on these responses. J Pharmacol Exp Therap 2008;327:851-862.
11. Taraseviciene-Stewart L, Voelkel NF. Molecular pathogenesis of emphysema. J Clin Invest 2008;118:394-402.
12. Olanow CW, Jenner P, Youdim MBH. Neurodegeneration and neuroprotection in parkinson's disease. London; San Diego: Academic Press; 1996.
13. Friedman DS, Wolfs RC, O'Colmain BJ, Klein BE, Taylor HR, West S, Leske MC, Mitchell P, Congdon N, Kempen J. Prevalence of open-angle glaucoma among adults in the united states. Arch Ophthalmol 2004;122:532-538.
14. Tezel G. Oxidative stress in glaucomatous neurodegeneration: Mechanisms and consequences. Prog Retin Eye Res 2006;25:490-513.
15. Tamm ER, Russell P, Johnson DH, Piatigorsky J. Human and monkey trabecular meshwork accumulate alpha b-crystallin in response to heat shock and oxidative stress. Invest Ophthalmol Vis Sci 1996;37:2402-2413.
16. Mozaffarieh M, Flammer J. Is there more to glaucoma treatment than lowering iop? Surv Ophthalmol 2007;52 Suppl 2:S174-179.
17. Zanon-Moreno V, Marco-Ventura P, Lleo-Perez A, Pons-Vazquez S, Garcia-Medina JJ, Vinuesa-Silva I, Moreno-Nadal MA, Pinazo-Duran MD. Oxidative stress in primary open-angle glaucoma. J Glaucoma 2008;17:263-268.
18. Aslan M, Dogan S, Kucuksayan E. Oxidative stress and potential applications of free radical scavengers in glaucoma. Redox Rep 2013;18:76-87.
19. Moreno MC, Campanelli J, Sande P, Sanez DA, Keller Sarmiento MI, Rosenstein RE. Retinal oxidative stress induced by high intraocular pressure. Free Radic Biol Med 2004;37:803-812.
20. Yildirim O, Ates NA, Ercan B, Muslu N, Unlu A, Tamer L, Atik U, Kanik A. Role of oxidative stress enzymes in open-angle glaucoma. Eye (Lond) 2005;19:580-583.
21. Pinazo-Duran MD, Zanon-Moreno V, Garcia-Medina JJ, Gallego-Pinazo R. Evaluation of presumptive biomarkers of oxidative stress, immune response and apoptosis in primary open-angle glaucoma. Curr Opin Pharmacol 2013;13:98-107.
22. Schreibelt G, van Horssen J, van Rossum S, Dijkstra CD, Drukarch B, de Vries HE. Therapeutic potential and biological role of endogenous antioxidant enzymes in multiple sclerosis pathology. Brain Res Rev 2007;56:322-330.
23. Lipinski CA. Drug-like properties and the causes of poor solubility and poor permeability. Journal of pharmacological and toxicological methods 2000;44:235-249.
24. Pardridge WM. Blood-brain barrier drug targeting: The future of brain drug development. Molecular interventions 2003;3:90-105, 151.
25. Rahman I. Antioxidant therapeutic advances in copd. Ther Adv Respir Dis 2008;2:351-374.
26. Estevez AY, Erlichman JS. Cerium oxide nanoparticles for the treatment of neurological oxidative stress diseases. In: Andreescu S, editor. Oxidative stress: Diagnostics, prevention, and therapy. Washington, DC: American Chemical Society; 2011. p. 255-288.
27. Korsvik C, Patil S, Seal S, Self WT. Superoxide dismutase mimetic properties exhibited by vacancy engineered ceria nanoparticles. Chem Commun (Camb) 2007:1056-1058.
28. Andreescu A, Ornatska M, Erlichman JS, Estevez AY, Leiter JC. Biomedical applications of metal oxide nanoparticles. In: Matijevic E, editor. Fine particles in medicine and pharmacy. New York: Springer Science+Business Media, LLC; 2012. p. 57-100.
29. Ganesana M, Erlichman JS, Andreescu S. Real-time monitoring of superoxide accumulation and antioxidant activity in a brain slice model using an electrochemical cytochrome c biosensor. Free Radic Biol Med 2012;53:2240-2249.
30. Yokel RA, FlorenceRL, Unrine JM, Tseng MT, Graham UM, Wu PYK, Grulke EA, Sultana R, Hardas SS, Butterfield DA. Biodistribution and oxidative stress effects of a systematically-introduced commercial ceria engineered nanomaterial. Nanotoxicology 2009;3:234-248.
31. Yokel RA, Au TC, MacPhail R, Hardas SS, Butterfield DA, Sultana R, Goodman M, Tseng MT, Dan M, Haghnazar H, Unrine JM, Graham UM, Wu P, Grulke EA. Distribution, elimination, and biopersistence to 90 days of a systemically introduced 30 nm ceria-engineered nanomaterial in rats. Toxicol Sci 2012;127:256-268.
32. Hardas SS, Butterfield DA, Sultana R, Tseng MT, Dan M, Florence RL, Unrine JM, Graham UM, Wu P, Grulke EA, Yokel RA. Brain distribution and toxicological evaluation of a systemically delivered engineered nanoscale ceria. Toxicol Sci 2010;116:562-576.
33. Heckman K, DeCouteau W, Estevez AY, Reed K, Constanzo W, Sanford D, Leiter JC, Clauss J, Knapp K, Gomez C, Mullen p, Rathburn E, Prime K, Marini J, Patchevsky J, Patchevsky AS, Hailstone RK, Erlichman JS. Custom cerium oxide nanoparticles protect against a free radical mediated autoimmune degenerative disease in the brain. ACS Nano 2013;7:10582-10596.
34. Dowding JM, Das S, Kumar A, Dosani T, McCormack R, Gupta A, Sayle TX, Sayle DC, von Kalm L, Seal S, Self WT. Cellular interaction and toxicity depend on physicochemical properties and surface modification of redox-active nanomaterials. ACS Nano 2013;7:4855-4868.
35. Walkey CD, Olsen JB, Guo H, Emili A, Chan WC. Nanoparticle size and surface chemistry determine serum protein adsorption and macrophage uptake. J Am Chem Soc 2012;134:2139-2147.
36. Asati A, Santra S, Kaittanis C, Perez JM. Surface-charge-dependent cell localization and cytotoxicity of cerium oxide nanoparticles. ACS Nano 2010;4:5321-5331.
37. Rzigalinski BA, Danielsen I, Strawn ET, Cohen CA, Liang C. Nanoparticles for cell engineering - a radical concept. In: Kumar CSSR, editor. Tissue, cell and organ engineering. Weinhem: Wiley-VCH Verlag GmbH & Co.; 2006.
38. Schubert D, Dargusch R, Raitano J, Chan S-W. Cerium and yttrium oxide nanoparticles are neuroprotective. Biochem Biophys Res Comm 2006;342:86-91.
39. Das M, Patil S, Bhargava N, Kang J-F, Riedel LM, Seal S, Hickman JJ. Auto-catalytic ceria nanoparticles offer neuroprotection to adult rat spinal cord neurons. Biomaterials 2007;28:1918-1925.
40. Hirst SM, Karakoti AS, Singh S, Self W, Tyler RD, Seal S, Reilly CM. Bio-distribution and in vivo antioxidant effects of cerium oxide nanoparticles in mice. Environ Toxicol 2011.
41. Kong L, Cai X, Zhou X, Wong LL, Karakoti AS, Seal S, McGinnis JF. Nanoceria extend photoreceptor cell lifespan in tubby mice by modulation of apoptosis/survival signaling pathways. Neurobiol Dis 2011;42:514-523.
42. Kim CK, Kim T, Choi IY, Soh M, Kim D, Kim YJ, Jang H, Yang HS, Kim JY, Park HK, Park SP, Park S, Yu T, Yoon BW, Lee SH, Hyeon T. Ceria nanoparticles that can protect against ischemic stroke. Angew Chem Int Ed Engl 2012.
43. Niu J, Azfer A, RogersLM, Wang X, Kolattukudy PE. Cardioprotective effects of cerium oxide nanoparticles in a transgenic murine model of cardiomyopathy. Cardiovasc Res 2007;73:549-559.
44. Bach RD, Dmitrenko O. The effect of substitutents on the strain energies of small ring compounds. The Journal of organic chemistry 2002;67:2588-2599.
45. Gray P, Williams A. Chemistry of free radicals containing oxygen. Part 3.-thermochemistry and reactivity of the higher alkoxyl radicals ro. Trans Faraday Soc 1959;55:760-777.
46. Luo YR. Comprehensive handbook of chemical bond energies. Boca Raton: CRC Press; 2007.
47. Crc handbook of chemistry and physics. Boca Raton: CRC Press; 2010.
48. Trikha S, Jeremic AM. Clustering and internalization of toxic amylin oligomers in pancreatic cells require plasma membrane cholesterol. J Biol Chem 2011;286:36086-36097.
49. Janciauskiene S, Ahren B. Fibrillar islet amyloid polypeptide differentially affects oxidative mechanisms and lipoprotein uptake in correlation with cytotoxicity in two insulin-producing cell lines. Biochemical and biophysical research communications 2000;267:619-625.
50. Clark A, Nilsson MR. Islet amyloid: A complication of islet dysfunction or an aetiological factor in type 2 diabetes? Diabetologia 2004;47:157-169.
51. Chanteau B, Fresnais J, Berret JF. Electrosteric enhanced stability of functional sub-10 nm cerium and iron oxide particles in cell culture medium. Langmuir 2009;25:9064-9070.
52. Nunez NO, Liviano SR, Ocana M. Citrate mediated synthesis of uniform monazite lnpo4 (ln = la, ce) and ln:Lapo4 (ln = eu, ce, ce + tb) spheres and their photoluminescence. Journal of colloid and interface science 2010;349:484-491.
53. Safi S, H., Sandre O, Mignet N, Berret J-F. Interactions between sub-10-nm iron and cerium oxide naqnoparticles and 3t3 fibroblasts: The role of the coating and aggregation state. Nanotechnology 2010;21:145103.
54. Tawfik DS. Amidation of carboxyl groups. In: Walker JM, editor. The protein protocols handbook. New York: Springer; 1996. p. 361-362.
55. Fischer MJ. Amine coupling through edc/nhs: A practical approach. In: Fischer MJMNJ, Fischer MJ, editors. Surface plasmon resonance: Methods and protocols. New York: Springer; 2010. p. 55-73.
56. Hermanson GT. Bioconjugate techniques. Academic Press; 1996.
57. Klibanov AL, Maruyama K, Torchilin VP, Huang L. Amphipathic polyethyleneglycols effectively prolong the circulation time of liposomes. FEBS letters 1990;268:235-237.
58. Romberg B, Hennink WE, Storm G. Sheddable coatings for long-circulating nanoparticles. Pharm Res 2008;25:55-71.
59. Dubertret B, Skourides P, Norris DJ, Noireaux V, Brivanlou AH, Libchaber A. In vivo imaging of quantum dots encapsulated in phospholipid micelles. Science 2002;298:1759-1762.
60. Jewett SA, Yoder JA, Ivanisevic A. Surface modifications on inas decrease indium and arsenic leaching under physiolgical conditions. Appl Surf Sci 2012;261:842-850.
61. Cheraghipour E, Tamaddon AM, Javadpour S, Bruce IJ. Peg conjugated citrate-capped magnetite nanoparticles for biomedical applications. J Magn Magn Mater 2013;328:91-95.
62. Johnsson M, Hansson P, Edwards K. Spherical micelles and other self-assembled structures in dilute aqueous mixtures of poly(ehtylene glycol) lipids. J Phys Chem B 2001;105:8420-8430.
63. Karakoti AS, Das S, Thevuthasan S, Seal S. Pegylated inorganic nanoparticles. Angew Chem Int Ed Engl 2011;50:1980-1994.
64. Counihan T, Penney J. Regional dopamine transporter gene expression in the substantia nigra from control and parkinson's disease brains. J Neurol Neurosurg Psychiatry 1998;65:164-169.
65. Baillet A, Chanteperdrix V, Trocme C, Casez P, Garrel C, Besson G. The role of oxidative stress in amyotrophic lateral sclerosis and parkinson's disease. Neurochemical research 2010;35:1530-1537.
66. Poewe W, Mahlknecht P, Jankovic J. Emerging therapies for parkinson's disease. Current opinion in neurology 2012;25:448-459.
67. Han GC, Liu YN. Synthesis, characterization and fluorescent properties of cerium(iii) glutathione complex. Luminescence : the journal of biological and chemical luminescence 2010;25:389-393.
68. Pardridge WM. The blood-brain barrier: Bottleneck in brain drug development. NeuroRx : the journal of the American Society for Experimental NeuroTherapeutics 2005;2:3-14.
69. Hendriks JJ, Alblas J, van der Pol SM, van Tol EA, Dijkstra CD, de Vries HE. Flavonoids influence monocytic gtpase activity and are protective in experimental allergic encephalitis. J Exp Med 2004;200:1667-1672.
70. Stanislaus R, Gilg AG, Singh AK, Singh I. N-acetyl-l-cysteine ameliorates the inflammatory disease process in experimental autoimmune encephalomyelitis in lewis rats. J Autoimmune Dis 2005;2:4.
71. Moriya M, Nakatsuji Y, Miyamoto K, Okuno T, Kinoshita M, Kumanogoh A, Kusunoki S, Sakoda S. Edaravone, a free radical scavenger, ameliorates experimental autoimmune encephalomyelitis. Neurosci Lett 2008;440:323-326.
72. Marracci GH, Jones RE, McKeon GP, Bourdette DN. Alpha lipoic acid inhibits t cell migration into the spinal cord and suppresses and treats experimental autoimmune encephalomyelitis. J Neuroimmunol 2002;131:104-114.
73. Aktas O, Waiczies S, Smorodchenko A, Dorr J, Seeger B, Prozorovski T, Sallach S, Endres M, Brocke S, Nitsch R, Zipp F. Treatment of relapsing paralysis in experimental encephalomyelitis by targeting th1 cells through atorvastatin. J Exp Med 2003;197:725-733.

Claims (20)

  1. 酸化セリウムナノ粒子および配位子シェルを含む多層カプセル化した酸化セリウムナノ粒子(“CeNP”)であって、場合により炭化水素付加、電子シャトリング系、脂質シェル、ターゲティング分子付着、またはその組合わせを含むことができるCeNP。
  2. 配位子シェルがCeNPに対する最も内側の連結である、請求項1に記載のCeNP。
  3. 配位子シェルが、炭素2〜40個の長さを有する炭化水素を含む、請求項1に記載のCeNP。
  4. 配位子シェルがキレート化カルボン酸を含む、請求項3に記載のCeNP。
  5. キレート化カルボン酸が、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキシルデシルカルボン酸、またはカルボン酸とエーテル、エステル、エポキシド、ペルオキシド、チオールもしくはアセタールとの対向官能基を備えた炭化水素、またはその組合わせのうち少なくとも1つを含む、請求項4に記載のCeNP。
  6. 配位子シェルが、ステアリン酸、オレイン酸、ポリアクリレート、クエン酸、またはその組合わせを含む、請求項1に記載のCeNP。
  7. 炭化水素付加がn−末端アミン炭化水素を含む、請求項1に記載のCeNP。
  8. 炭化水素付加がリンカーである、請求項7に記載のCeNP。
  9. アミン炭化水素が、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキシルデシルアミン、またはω−末端のエーテル、エステル、エポキシド、ペルオキシド、チオールもしくはアセタールなどの二重官能基を備えたアミンを含む、請求項7に記載のCeNP。
  10. 電子シャトリング系が、大型のコンジュゲートした系、または固定ベンジル環の系、または炭化水素鎖上の交互二重結合を含む、請求項1に記載のCeNP。
  11. 脂質シェルが長鎖大型脂質を含む、請求項1に記載のCeNP。
  12. 脂質シェルが、種々のヘッド基およびテイル選択肢を備えたリン脂質、スフィンゴ脂質またはステロール類を含む、請求項1に記載のCeNP。
  13. ターゲティング分子付着が、カルボン酸、チオール基またはアミンを使ってカップリングする小分子を含む、請求項1に記載のCeNP。
  14. ターゲティング分子付着が、L−DOPA、ドーパミン、セロトニン、アセチルコリン、6OHDA、その誘導体、またはペプチドを含む、請求項1に記載のCeNP。
  15. 反応性酸素種に対するCeNP作用を制御および指向する方法であって、
    少なくとも1つのアンジッピング形成を備えたCeNPを作製し;
    CeNPを反応性酸素種またはフリーラジカルの存在に曝露し、それにより、反応性酸素種またはフリーラジカルが形成される部位または多量に存在する部位に対するCeNPのアンチオキシダント活性が得られるようにする
    ことを含む方法。。
  16. CeNPが、処理されたセリウム表面に連結した脂質カプセルを含む、請求項15に記載の方法。
  17. CeNPが、セリウムの修飾された表面における脂質コートの形成を容易にする短い連結炭化水素を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 配位子シェルおよび脂質シェルの両方またはいずれか一方に埋め込まれた化学結合が、反応性酸素種またはフリーラジカルによる攻撃に対して感受性である、請求項17に記載の方法。
  19. CeNPと体内の血液および組織との相互作用を制限するための方法であって、
    多層カプセル化した酸化セリウムナノ粒子(“CeNP”)をその必要がある対象に投与し、その際、CeNPの固有の抗酸化活性を制限するようにCeNPを形成する
    ことを含む方法。
  20. CeNPを、炭素鎖または他の嵩高い付加物、たとえばt−ブチル、シクロアルカン類、樹状構造体、ポリプロピレン官能基で不動態化する、請求項19に記載の方法。
JP2016503073A 2013-03-14 2014-03-14 ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法 Pending JP2016514163A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361785794P 2013-03-14 2013-03-14
US61/785,794 2013-03-14
US201361802915P 2013-03-18 2013-03-18
US61/802,915 2013-03-18
PCT/US2014/029361 WO2014153160A2 (en) 2013-03-14 2014-03-14 METHOD OF ENHANCING THE BIODISTRIBUTION AND TISSUE TARGETING PROPERTIES OF THERAPEUTIC CeO2 PARTICLES VIA NANO-ENCAPSULATION AND COATING

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018189796A Division JP2019014745A (ja) 2013-03-14 2018-10-05 ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016514163A true JP2016514163A (ja) 2016-05-19
JP2016514163A5 JP2016514163A5 (ja) 2017-04-20

Family

ID=51528091

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016503073A Pending JP2016514163A (ja) 2013-03-14 2014-03-14 ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法
JP2018189796A Pending JP2019014745A (ja) 2013-03-14 2018-10-05 ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018189796A Pending JP2019014745A (ja) 2013-03-14 2018-10-05 ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20140271899A1 (ja)
EP (1) EP2968148A4 (ja)
JP (2) JP2016514163A (ja)
AU (1) AU2014236247A1 (ja)
CA (1) CA2904758A1 (ja)
WO (1) WO2014153160A2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019142895A (ja) * 2013-05-17 2019-08-29 シネクシス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーSynexis LLC 疑似理想気体相過酸化水素を用いた節足動物の制御のための方法
WO2020129963A1 (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、核酸の分解方法、ポリペプチドの分解方法、酸化セリウムのナノ粒子の製造方法、酸化剤、抗酸化剤、抗カビ剤および抗ウイルス剤
WO2021132643A1 (ja) * 2019-12-26 2021-07-01 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、分散体、酸化剤、抗酸化剤および酸化セリウムのナノ粒子の製造方法
WO2021132628A1 (ja) * 2019-12-26 2021-07-01 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、分散体、酸化剤、抗酸化剤および酸化セリウムのナノ粒子の製造方法
WO2022014122A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20 恒隆 川口 セリウム化合物を有効成分として含む、医薬組成物

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10456462B2 (en) 2015-07-07 2019-10-29 Janssen Vaccines & Preventions B.V. Vaccine against RSV
PL3464331T3 (pl) 2016-05-30 2021-04-19 Janssen Vaccines & Prevention B.V. Stabilizowane przedfuzyjne białka F RSV
US11123301B2 (en) 2016-10-21 2021-09-21 Cenyx Biotech Inc. Ceria nanocomposite comprising ceria nanoparticle for treating subarachnoid hemorrhage, method for preparing same, and pharmaceutical composition
US11246944B2 (en) 2016-12-29 2022-02-15 Cenyx Biotech Inc. Ceria nanocomposite for biomedical treatment and pharmaceutical composition containing same
KR101782622B1 (ko) * 2017-01-04 2017-09-27 서울대학교병원 생체의학적 치료용 세리아 나노복합체 및 이를 포함하는 약학적 조성물
CN113398282B (zh) * 2021-08-03 2021-11-09 深圳市第二人民医院(深圳市转化医学研究院) 外泌体仿生修饰氧化铈纳米颗粒的递送体系及其在毛细胞中的应用
WO2023168056A2 (en) * 2022-03-04 2023-09-07 University Of Pittsburgh - Of The Commonwealth System Of Higher Education Methods for using cerium oxide nanoparticles for macrophage-mediated efficacy in respiratory syncytial viral infection

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008064357A2 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 University Of Florida Research Foundation, Inc. Nanoparticles for protection of cells from oxidative stress
US20100098768A1 (en) * 2008-10-16 2010-04-22 Clarkson University Method of neuroprotection from oxidant injury using metal oxide nanoparticles
US20100221344A1 (en) * 2006-04-27 2010-09-02 Sudipta Seal Functionalized Nanoceria Composition For Ophthalmic Treatment
US20110104052A1 (en) * 2007-12-03 2011-05-05 The Johns Hopkins University Methods of synthesis and use of chemospheres
US20120070500A1 (en) * 2010-09-17 2012-03-22 Annamaria Cimini Nanoparticles Of Cerium Oxide Targeted To An Amyloid-Beta Antigen Of Alzheimer's Disease And Associated Methods
WO2012104275A2 (en) * 2011-01-31 2012-08-09 Nanobiotix Nanoparticles delivery systems, preparation and uses thereof

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030124194A1 (en) * 2002-01-02 2003-07-03 Gaw Debra A. Amine functionalized superparamagnetic nanoparticles for the synthesis of bioconjugates and uses therefor
US8333993B1 (en) * 2006-12-29 2012-12-18 University Of Central Florida Research Foundation, Inc. Synthesis of polymer coated ceria nanoparticles for biomedical applications
WO2009132277A1 (en) * 2008-04-25 2009-10-29 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Inhibition of neovascularization by cerium oxide nanoparticles

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100221344A1 (en) * 2006-04-27 2010-09-02 Sudipta Seal Functionalized Nanoceria Composition For Ophthalmic Treatment
WO2008064357A2 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 University Of Florida Research Foundation, Inc. Nanoparticles for protection of cells from oxidative stress
US20110104052A1 (en) * 2007-12-03 2011-05-05 The Johns Hopkins University Methods of synthesis and use of chemospheres
US20100098768A1 (en) * 2008-10-16 2010-04-22 Clarkson University Method of neuroprotection from oxidant injury using metal oxide nanoparticles
US20120070500A1 (en) * 2010-09-17 2012-03-22 Annamaria Cimini Nanoparticles Of Cerium Oxide Targeted To An Amyloid-Beta Antigen Of Alzheimer's Disease And Associated Methods
WO2012104275A2 (en) * 2011-01-31 2012-08-09 Nanobiotix Nanoparticles delivery systems, preparation and uses thereof

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANGEW. CHEM. INT. ED., vol. 51, JPN6017042292, 2012, pages 11039 - 11043, ISSN: 0003811296 *
SYNTHESIS OF BIOCOMPATIBLE ANTIOXIDANT POLYMER COATED CERIUM OXIDE NANOPARTICLES, ITS OXIDASE LIKE B, JPN6017042290, 2009, pages 全文, ISSN: 0003811295 *

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019142895A (ja) * 2013-05-17 2019-08-29 シネクシス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーSynexis LLC 疑似理想気体相過酸化水素を用いた節足動物の制御のための方法
WO2020129963A1 (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、核酸の分解方法、ポリペプチドの分解方法、酸化セリウムのナノ粒子の製造方法、酸化剤、抗酸化剤、抗カビ剤および抗ウイルス剤
CN113194932A (zh) * 2018-12-18 2021-07-30 东丽株式会社 氧化铈的纳米粒子、核酸的分解方法、多肽的分解方法、氧化铈的纳米粒子的制造方法、氧化剂、抗氧化剂、抗霉剂及抗病毒剂
US11937598B2 (en) 2018-12-18 2024-03-26 Toray Industries, Inc. Cerium oxide nanoparticle, decomposition method of nucleic acid, decomposition method of polypeptide, method of producing cerium oxide nanoparticle, oxidizing agent, antioxidant, antifungal agent, and anti-virus agent
JP7508780B2 (ja) 2018-12-18 2024-07-02 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、酸化セリウムのナノ粒子の製造方法、ポリペプチドの分解方法、酸化酵素代替物、漂白剤、消毒剤、抗酸化酵素代替物、ラジカル消去剤、抗カビ剤および抗ウイルス剤
WO2021132643A1 (ja) * 2019-12-26 2021-07-01 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、分散体、酸化剤、抗酸化剤および酸化セリウムのナノ粒子の製造方法
WO2021132628A1 (ja) * 2019-12-26 2021-07-01 東レ株式会社 酸化セリウムのナノ粒子、分散体、酸化剤、抗酸化剤および酸化セリウムのナノ粒子の製造方法
WO2022014122A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20 恒隆 川口 セリウム化合物を有効成分として含む、医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US20140271899A1 (en) 2014-09-18
AU2014236247A1 (en) 2015-10-08
WO2014153160A3 (en) 2014-12-04
US20190209483A1 (en) 2019-07-11
JP2019014745A (ja) 2019-01-31
EP2968148A2 (en) 2016-01-20
CA2904758A1 (en) 2014-09-25
WO2014153160A2 (en) 2014-09-25
EP2968148A4 (en) 2016-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019014745A (ja) ナノカプセル化およびコーティングによる療法用CeO2粒子の生体分布および組織ターゲティング特性を増強する方法
Yang et al. Dual-functional selenium nanoparticles bind to and inhibit amyloid β fiber formation in Alzheimer's disease
Nazem et al. Nanotechnology for Alzheimer's disease detection and treatment
Casals et al. Distribution and potential toxicity of engineered inorganic nanoparticles and carbon nanostructures in biological systems
Cui et al. Novel D-penicillamine carrying nanoparticles for metal chelation therapy in Alzheimer's and other CNS diseases
JP5658568B2 (ja) 高密度リポタンパク質様ペプチド−リン脂質足場(「hpps」)ナノ粒子
Gao et al. Brain delivery of vasoactive intestinal peptide enhanced with the nanoparticles conjugated with wheat germ agglutinin following intranasal administration
Wu et al. A novel small Odorranalectin-bearing cubosomes: preparation, brain delivery and pharmacodynamic study on amyloid-β25–35-treated rats following intranasal administration
Zhang et al. Nanomaterials for reducing amyloid cytotoxicity
Cao et al. Pharmacological and toxicological aspects of carbon nanotubes (CNTs) to vascular system: A review
Nair et al. Blood brain barrier permeable gold nanocluster for targeted brain imaging and therapy: an in vitro and in vivo study
Fernandes et al. Recent advances in the therapeutic and diagnostic use of liposomes and carbon nanomaterials in ischemic stroke
Li et al. Cathepsin B-responsive nanodrug delivery systems for precise diagnosis and targeted therapy of malignant tumors
JP2016514163A5 (ja)
KR20120048563A (ko) C?말단 요소를 가진 펩타이드 및 단백질의 사용방법 및 그 조성물
JP2018526432A (ja) ナノ粒子をベースとした肝臓標的化療法および撮像
Dasargyri et al. Targeting nanocarriers with anisamide: fact or artifact?
Keshavarz et al. CAR, a homing peptide, prolongs pulmonary preferential vasodilation by increasing pulmonary retention and reducing systemic absorption of liposomal fasudil
Siringan et al. Interactions between fullerene derivatives and biological systems
Piersimoni et al. Antioxidant lipoic acid ligand-shell gold nanoconjugates against oxidative stress caused by α-synuclein aggregates
US9950007B2 (en) Neuronal protection by cerium oxide nanoparticles
EP2512497A1 (en) Methods and compositions related to clot-binding compounds
Li et al. Current strategies of detecting Aβ species and inhibiting Aβ aggregation: Status and prospects
Panghal et al. Nanotechnology in the diagnostic and therapy for Alzheimer's disease
Low et al. Microenvironment-tailored nanoassemblies for the diagnosis and therapy of neurodegenerative diseases

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170314

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181005