JP2016513823A - 二重レベルシャッターを組み込むディスプレイ装置 - Google Patents

二重レベルシャッターを組み込むディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

本開示は、ディスプレイ上に画像を形成するために光を変調するためのシステム、方法および装置、ならびにそのような装置を製造する方法を提供する。ディスプレイ装置は、二重レベルシャッターアセンブリを含む。二重レベルシャッターアセンブリの各々は、前方および後方光遮断層にそれぞれ隣接して配置された前方および後方光遮断レベルを含む。前方および後方光遮断層は、バックライトからディスプレイの前面までの光路を与える開口を画定する。二重レベルシャッターは、画像を生成するためにこれらの光路を選択的に遮る。

Description

関連出願
本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2013年3月13日に出願された「DISPLAY APPARATUS INCORPORATING DUAL−LEVEL SHUTTERS」と題する米国特許出願第13/800,400号の優先権を主張する。
本開示は、電気機械システム(EMS)に関する。特に、本開示は、EMSシャッター設計に関する。
ディスプレイにおける改善されたコントラスト比に対する要求は、増加し続けている。いくつかのシャッター式EMSディスプレイデバイスは、それらが含む光変調シャッター付近に漏れる光に起因する低下したコントラスト比を経験する。たとえば、いくつかのシャッター式EMSディスプレイは、2つの対向する光遮断層の間を横に移動するシャッターを含む。光遮断層は、シャッターが光を変調するために選択的に遮る開口を含む。しかしながら、一般的なシャッター設計は、光遮断層のうちの一方を通過する光の方が他方を通過する光より、遮ることにおいてより効率的である。他方の光遮断層内の開口の不十分な遮断は、低下したコントラスト比に寄与することがある。
その上、完全な暗状態と完全な明状態との間で個別の部分透過状態を確実に達成し得るEMS方式光変調器は、たとえあるとしてもごく少ない。したがって、EMS方式光変調器を組み込むディスプレイは、光変調器を一連のサブフレーム内の明状態または暗状態に駆動することによって時分割の原理を使用して様々なグレースケール値を生成する傾向がある。たとえ、そのようなサブフレームが重み付けされるとしても、そのようなディスプレイは、依然として、所望のグレースケール細分性のレベルを得るために、画像フレームごとに多数のサブフレームを生成する必要があることがある。
本開示のシステム、方法、およびデバイスは、それぞれいくつかの革新的態様を有し、それらの態様のうちのいずれの1つも、本明細書で開示されている望ましい属性に単独で関与することはない。
本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、第1の光遮断層およびシャッターを含む装置内に実装され得る。第1の光遮断層は、その中に形成された第1の開口を含む。シャッターは、第1の光遮断層の上に懸架され、側壁、近位の光遮断レベル、および遠位の光遮断レベルを含む。側壁は、第1の光遮断層に実質的に垂直に配向される。近位の光遮断レベルは、第1の光遮断層に近接して置かれた側壁の第1の端部に結合され、その端部から外に延び、その端部を囲む。遠位の光遮断レベルは、近位の光遮断レベルに対する第1の光遮断層の遠位に置かれた側壁の第2の端部に結合され、その端部から外に延び、その端部を囲む。
いくつかの実装形態では、シャッターは、遠位の光遮断レベルを介して画定される遠位のシャッター開口と、近位の光遮断レベルを介して画定される近位のシャッター開口とを含む。いくつかの実装形態では、近位のシャッター開口は、遠位のシャッター開口と整列され得る。
いくつかの実装形態では、近位および遠位の光遮断レベルのうちの1つの一部は、近位または遠位の光遮断レベルの別の部分より実質的に厚い。いくつかのそのような実装形態では、近位または遠位の光遮断レベルのより厚い部分は、シャッターが閉位置にあるときに、より厚い部分が第1の光遮断層によって画定される第1の開口と一直線上にあるように、シャッター内のある位置にある。
いくつかの他の実装形態では、シャッターは、閉位置において、近位の光遮断レベルの一部が第1の光遮断層内に画定された第1の開口の端部に重なり、遠位の光遮断レベルの一部が第2の光遮断層内に画定された第2の開口の端部に重なる。いくつかのそのような実装形態では、第2の光遮断層が、シャッターの、第1の光遮断層と反対側に配置される。遠位の光遮断レベルが第2の光遮断層から離隔される距離とほぼ同じ距離だけ、近位の光遮断レベルが、第1の光遮断層から離隔され得る。いくつかの他の実装形態では、シャッターの、第1の光遮断層と反対に配置された第2の光遮断層から遠位の光遮断レベルが離隔される距離と約3ミクロン未満異なる距離だけ、近位の光遮断レベルが、第1の光遮断層から離隔され得る。
いくつかの実装形態では、装置は、シャッターを、開口を通る光路の中におよび外に移動させるための静電アクチュエータを含む。いくつかの実装形態では、静電アクチュエータは、シャッターに隣接して配置された少なくとも1つのビーム電極を含み、近位の光遮断レベルは、基板の上に、ビーム電極の近位端とほぼ同じ高さに配置される。いくつかの実装形態では、遠位の光遮断レベルは、基板の上に、ビーム電極の遠位端とほぼ同じ高さに配置される。
いくつかの実装形態では、装置は、ディスプレイと、プロセッサと、メモリデバイスとを含む。ディスプレイは、シャッターを含み得る。プロセッサは、ディスプレイと通信し、画像データを処理するように構成され得る。メモリデバイスは、プロセッサと通信するように構成される。いくつかの実装形態では、装置はまた、ディスプレイに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路を含み、プロセッサは、ドライバ回路に画像データの少なくとも一部分を送るようにさらに構成される。いくつかの実装形態では、装置は、プロセッサに画像データを送るように構成された画像源モジュールを含む。画像源モジュールは、受信機、送受信機、および送信機のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実装形態では、装置はまた、入力データを受信し、入力データをプロセッサに通信するように構成された入力デバイスを含み得る。
本開示で説明する主題の別の発明的態様は、ディスプレイ要素を作製するための方法で実施され得る。方法は、基板の上に犠牲材料の第1の層を堆積およびパターニングするステップと、犠牲材料のパターニングされた第1の層の上に構造材料の第1の層を堆積するステップと、シャッターの近位の光遮断レベルを画定するためおよび第1のシャッター開口を画定するために構造材料の第1の層をパターニングするステップとを含む。方法は、構造材料のパターニングされた第1の層の上に犠牲材料の第2の層を堆積およびパターニングするステップと、犠牲材料のパターニングされた第2の層の上に構造材料の第2の層を堆積するステップと、シャッターの遠位の光遮断レベルを画定するために構造材料の第2の層をパターニングするステップとをさらに含む。
いくつかの実装形態では、犠牲材料の第2の層をパターニングするステップは、シャッターの近位の光遮断レベルを形成する構造材料の第1の層の一部に向けて下に延びる、犠牲材料の第2の層内の凹部を形成するステップを含む。いくつかの実装形態では、構造材料の第2の層を堆積するステップは、構造材料の第1の層の一部の上に構造材料の第2の層の一部を直接堆積するステップを含む。
いくつかの実装形態では、方法は、第2のシャッター開口が構造材料の第1の層内に画定された第1のシャッター開口と整列するように、構造材料の第2の層内に第2のシャッター開口を画定するステップをさらに含む。いくつかのそのような実装形態では、第2のシャッター開口は、基板と、犠牲材料の第1の層と、犠牲材料の第2の層とを含む材料積層体の上部に配置された構造材料の第2の層の一部の中に画定される。いくつかの他の実装形態では、第2のシャッター開口は、犠牲材料の第2の層内にパターニングされた凹部の底部に配置された構造材料の第2の層の一部の中に画定される。
いくつかの実装形態では、方法は、近位および遠位の光遮断レベルを解放するために、犠牲材料の第1および第2の層を除去するステップをさらに含む。いくつかの他の実装形態では、近位の光遮断レベルおよびシャッター開口を画定するステップは、近位の光遮断レベルの第2の対向する端部より近位の光遮断レベルの第1の端部により近くなるように、シャッター開口を画定するステップを含む。いくつかの他の実装形態では、第1のシャッター開口と第1の端部との間の距離が、第1のシャッター開口と第2の対向する端部との間の距離の約半分となるように、近位の光遮断レベルおよび第1のシャッター開口が画定される。
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の説明において示す。本概要で提供する例は、主にMEMS方式ディスプレイに関して説明するが、本明細書で提供する概念は、他のタイプのディスプレイ、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイおよび電界放出ディスプレイ、ならびに他の非ディスプレイMEMSデバイス、たとえば、MEMSマイクロフォン、センサ、および光スイッチに適用することができる。他の特徴、態様および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかになろう。以下の図の相対寸法は、一定の縮尺で描かれてはいない場合があることに留意されたい。
例示的な直視MEMS方式ディスプレイ装置の概略図である。 例示的なホストデバイスのブロック図である。 例示的なシャッター式光変調器の透視図である。 例示的な制御マトリクスの概略図である。 図3Aの制御マトリクスに接続された例示的なシャッター式光変調器アレイの透視図である。 例示的な二重アクチュエータシャッターアセンブリの図である。 例示的な二重アクチュエータシャッターアセンブリの図である。 シャッター式光変調器を組み込む例示的なディスプレイ装置の断面図である。 例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図である。 例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図である。 例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図である。 例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図である。 例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図である。 狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリの構築の段階の等角図である。 狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリの構築の段階の等角図である。 狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリの構築の段階の等角図である。 狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリの構築の段階の等角図である。 例示的なディスプレイ装置の断面図である。 図8Aに示す例示的なディスプレイ装置内に組み込まれたシャッターアセンブリの斜視図である。 図8Aおよび図8Bに示すシャッターアセンブリを作製するための例示的な方法のフロー図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図である。 別の例示的なディスプレイ装置の断面図である。 別の例示的なディスプレイ装置の断面図である。 別の例示的なディスプレイ装置の断面図である。 図11Aから図11Cに示すディスプレイ装置内に組み込まれたシャッターアセンブリの例示的な斜視図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリに類似する別の例示的なシャッターアセンブリの斜視図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリの作製の例示的な段階の断面図である。 図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリを製造する方法の別の表現のフロー図である。 表示素子のセットを含む例示的なディスプレイデバイスのシステムブロック図である。 表示素子のセットを含む例示的なディスプレイデバイスのシステムブロック図である。
様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の説明は、本開示の発明的態様を説明するためのいくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の様々な方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識するであろう。説明する実装形態は、動いている(ビデオなど)か静止している(静止画像)かにかかわらず、またテキストか、グラフィックか、図かにかかわらず、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置またはシステム内に実装され得る。より詳細には、説明する実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応携帯電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読み取りデバイス(電子書籍など)、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(走行距離計および速度計のディスプレイなどを含む)、コックピット制御機器および/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板または看板、プロジェクタ、建築構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、パーキングメータ、(微小電気機械システム(MEMS)用途を含む電気機械システム(EMS)用途ならびに非EMS用途などにおけるような)パッケージ化、美的構造(一片の宝石または衣服の上への画像の表示など)、および多様なEMSデバイスなど、多様な電子デバイスに含まれ得るかまたは関連付けられ得ることが考えられる。本明細書の教示はまた、限定はしないが、電子スイッチデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動作検知デバイス、磁力計、家庭用電子機器のための慣性コンポーネント、家庭用電子機器製品のパーツ、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子試験機器など、非ディスプレイ用途において使用され得る。したがって、教示は、図に示される実装形態だけに限定されることを意図されているのではなく、当業者に容易に明らかとなる広い利用可能性を有することを意図されている。
ディスプレイのコントラスト比は、前方光遮断レベルと後方光遮断レベルの両方を有するシャッターを組み込むことによってシャッター式EMSディスプレイにおいて改善され得る。光遮断レベルの一方は、シャッターが作製される基板に近接して置かれる。他方の光遮断レベルは、他方の光遮断レベルに対して基板から遠位に置かれる。各光遮断レベルは、隣接する光遮断層の比較的近くに配置される。光遮断レベルと、隣接する光遮断層との間に比較的小さい距離を仮定すれば、シャッターは、両方の光遮断層を通して画定された開口を通過する光をより効率的に遮断することができる。
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。前方遮断レベルと後方遮断レベルの両方を有するシャッターを組み込むシャッターアセンブリは、改善された光管理能力を提供する。シャッターの両側に置かれた光遮断層内に形成された開口に極めて近接して光遮断レベルを配置することによって、シャッターは、基板に対して低い角度でバックライトを出る光の望ましくない漏れを効率的に防止し得る。シャッターはまた、周辺光反射を効率的に低減し得る。この改善された光管理の結果として、ディスプレイのコントラスト比が向上する。
加えて、いくつかの実装形態では、二重光遮断レベルシャッターを製造するためのプロセスは、シャッターの他の部分と比較して実質的に増加した厚さを有するシャッターのいくつかの部分をもたらす。光遮断層内に画定された開口間の光路内にそのような部分を直接配置することによって、シャッターはまた、基板に対して実質的に垂直な角度でバックライトを出る光の経路をより効率的に遮ることができる。これは、ディスプレイのコントラスト比をさらに改善し得る。
図1Aは、例示的な直視型MEMS方式ディスプレイ装置100の概略図を示している。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102aから102d(一般的に「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102aから102dの状態を選択的にセットすることによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105で照射された場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するのに利用することができる。別の実装形態では、装置100は、装置の前面から発する周辺光の反射によって、画像を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわちフロントライトを使用して、画像を形成することができる。
いくつかの実装形態では、各光変調器102は、画像104中の画素106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、複数の光変調器を利用して、画像104中の画素106を形成することができる。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含み得る。特定の画素106に対応する色固有光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104中のカラー画素106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104中の輝度レベルを提供するために、画素106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義される最も小さいピクチャ要素に対応する。ディスプレイ装置100の構造構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の単一画素を形成する光を変調するのに使用される、機械構成要素と電気構成要素との組合せを指す。
ディスプレイ装置100は、投影型アプリケーションで通常見出される結像光学素子を含まなくてよいという点で、直視型ディスプレイである。投影型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面に形成される画像は、スクリーンまたは壁に投影される。ディスプレイ装置は、投影画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、ユーザは、光変調器を含み、場合によってはディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを増強するためのバックライトまたはフロントライトを含むディスプレイ装置を直接見ることによって、画像を見る。
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つのランプまたは複数のランプから発する光をフィルタリングし、または選択的に遮断する。場合によっては、各画素を均一に照明できるように、ランプからの光は、光ガイドまたは「バックライト」に注入される。透過直視型ディスプレイは、光変調器を含む一方の基板がバックライトのすぐ上に配置されるサンドイッチアセンブリ配列を円滑にするように、透明基板またはガラス基板の上に構築されることが多い。
各光変調器102は、シャッター108および開口109を含むことができる。画像104中の画素106を照明するために、シャッター108は、見ている人に向かって光が開口109を通るように配置される。画素106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、光が開口109を通過するのを妨げるように配置される。開口109は、各光変調器102中の反射材料または光吸収材料を通じてパターニングされた開口部によって画定される。
ディスプレイ装置は、シャッターの移動を制御するための、基板と、光変調器とに接続された制御マトリクスも含む。制御マトリクスは、画素の行ごとに、少なくとも1つの書込み許可相互接続110(「スキャンライン相互接続」とも呼ばれる)と、各画素列に対する1つのデータ相互接続112と、すべての画素に、または少なくとも、ディスプレイ装置100中の複数の列と複数の行の両方にある画素に共通電圧を与える1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気相互接続(たとえば、相互接続110、112および114)を含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、VWE」)の印加に応じて、所与の画素行に対する書込み許可相互接続110は、行中の画素を、新規シャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続112は、新規移動命令を、データ電圧パルスの形で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態において、シャッターの静電的な移動に直接寄与する。いくつかの他の実装形態では、データ電圧パルスは、スイッチ、たとえば、トランジスタ、または、データ電圧よりも通常、規模が高い別個の作動電圧の、光変調器102への印加を制御する他の非線形回路要素を制御する。次いで、これらの作動電圧を印加した結果、シャッター108の静電駆動移動が生じる。
図1Bは、例示的なホストデバイス120(すなわち、セルフォン、スマートフォン、PDA、MP3プレーヤ、タブレット、電子リーダー、ネットブック、ノートブックなど)のブロック図を示している。ホストデバイス120は、ディスプレイ装置128、ホストプロセッサ122、環境センサ124、ユーザ入力モジュール126、および電源を含む。
ディスプレイ装置128は、複数のスキャンドライバ130(「書込み許可電圧源」とも呼ばれる)、複数のデータドライバ132(「データ電圧源」とも呼ばれる)、コントローラ134、共通ドライバ138、ランプ140から146、ランプドライバ148、および、図1Aに示す光変調器102などの表示素子のアレイ150を含む。スキャンドライバ130は、スキャンライン相互接続110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ132は、データ相互接続112にデータ電圧を印加する。
ディスプレイ装置のいくつかの実装形態において、データドライバ132は、特に画像104の輝度レベルがアナログ方式で導出されるべきである場合、表示素子のアレイ150にアナログデータ電圧を提供するように構成される。アナログ動作において、光変調器102は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続112を通して印加されると、シャッター108における、ある範囲の中間開状態が生じ、その結果、ある範囲の中間照明状態または画像104における輝度レベルが生じるように設計される。他の場合には、データドライバ132は、2つ、3つまたは4つのデジタル電圧レベルの縮小セットのみをデータ相互接続112に印加するように構成される。これらの電圧レベルは、デジタル方式で、シャッター108の各々に対して、開状態、閉状態、または他の個別の状態をセットするように設計される。
スキャンドライバ130およびデータドライバ132は、デジタルコントローラ回路134(「コントローラ134」とも呼ばれる)に接続される。コントローラはデータを、行および画像フレームでグルーピングされた所定のシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ132に送る。データドライバ132は、直列並列データコンバータと、レベルシフティングと、一部のアプリケーション向けにはデジタルアナログ電圧コンバータとを含み得る。
ディスプレイ装置は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を含む。いくつかの実装形態において、共通ドライバ138は、たとえば、一連の共通相互接続114に電圧を供給することによって、表示素子のアレイ150内のすべての表示素子にDC共通電位を提供する。いくつかの他の実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに従って、表示素子のアレイ150に対し電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイ150の複数の行および列中のすべての表示素子の同時作動を駆動および/または開始することが可能であるグローバル作動パルスを出す。
異なるディスプレイ機能のためのドライバ(たとえば、スキャンドライバ130、データドライバ132、および共通ドライバ138)はすべて、コントローラ134によって時間同期される。コントローラからのタイミングコマンドが、ランプドライバ148と、表示素子のアレイ150内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ132からの電圧の出力と、表示素子作動を可能にする電圧の出力とにより、赤、緑および青および白色ランプ(それぞれ140、142、144、および146)の照明を調整する。いくつかの実装形態では、ランプは発光ダイオード(LED)である。
コントローラ134は、シャッター108の各々が、新規画像104に適した照明レベルにリセットされ得るためのシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新規画像104は、周期的間隔でセットされ得る。たとえば、ビデオディスプレイの場合、カラー画像104またはビデオフレームは、10から300ヘルツ(Hz)の範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態において、アレイ150への画像フレームの設定は、交替画像フレームが、赤、緑および青など、交替する一連の色で照射されるように、ランプ140、142、144、および146の照明と同期される。それぞれの色のための画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが、20Hzを超過する周波数で交替される場合、人間の脳は、交替するフレーム画像を、広い連続する範囲の色を有する画像の知覚に平均する。代替実装形態では、原色をもつ4つ以上のランプが、ディスプレイ装置100において利用されてよく、赤、緑、および青以外の原色を利用する。
ディスプレイ装置100が、開状態と閉状態との間のシャッター108のデジタル切替えのために設計されるいくつかの実装形態において、コントローラ134は、前述のように、時分割グレースケールの方法によって画像を形成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、画素ごとに複数のシャッター108を使用することによって、グレースケールを提供することができる。
いくつかの実装形態において、画像状態104についてのデータは、コントローラ134によって、表示素子アレイ150に、スキャンラインとも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によりロードされる。シーケンス中の行またはスキャンラインごとに、スキャンドライバ130は、アレイ150のその行について、書込み許可相互接続110に書込み許可電圧を印加し、続いて、データドライバ132が、選択された行中の各列について、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ150中のすべての行についてデータがロードされるまで繰り返す。いくつかの実装形態において、データローディングのための選択された行のシーケンスは、線形であり、アレイ150中の上から下に進む。いくつかの他の実装形態では、選択された行のシーケンスは、視覚的アーティファクトを最小限にするために擬似ランダム化される。また、いくつかの他の実装形態では、シーケンシングはブロックで編成され、この場合、ブロックに対して、画像状態104の特定の一部のみについてのデータが、たとえば、シーケンス中のアレイ150の5行おきにのみアドレス指定することによってアレイ150にロードされる。
いくつかの実装形態において、アレイ150に画像データをロードするためのプロセスは、アレイ150中の表示素子を作動させるプロセスとは、時間的に分離される。これらの実装形態において、表示素子アレイ150は、アレイ150中の各表示素子に対するデータメモリ要素を含むことができ、制御マトリクスは、メモリ要素に記憶されたデータに従って、シャッター108の同時作動を開始するためのトリガ信号を、共通ドライバ138から搬送するためのグローバル作動相互接続を含み得る。
代替実装形態では、表示素子のアレイ150と、表示素子を制御する制御マトリクスとが、方形の行および列以外の構成で配列され得る。たとえば、表示素子は、六角形アレイまたは曲線をなす行および列で配列され得る。概して、本明細書で使用するスキャンラインという用語は、書込み許可相互接続を共有する、任意の複数の表示素子を指すものである。
ホストプロセッサ122は全般的に、ホストの動作を制御する。たとえば、ホストプロセッサ122は、ポータブル電子デバイスを制御するための汎用または専用プロセッサであり得る。ホストデバイス120内に含まれるディスプレイ装置128に対して、ホストプロセッサ122は、画像データならびにホストに関する追加データを出力する。そのような情報は、環境センサからのデータ、たとえば周辺光もしくは温度、ホストに関する情報、たとえば、ホストの動作モードもしくはホストの電源に残っている電力量、画像データの内容に関する情報、画像データのタイプに関する情報、および/または画像を選択する際に使用するディスプレイ装置に関する指示を含み得る。
ユーザ入力モジュール126は、ユーザの個人的好みをコントローラ134に直接、またはホストプロセッサ122を介して伝える。いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが「色をより濃く」、「コントラストをより良好に」、「電力をより低く」、「輝度を増して」、「スポーツ」、「ライブアクション」、または「アニメーション」などの個人的好みをプログラムしているソフトウェアによって制御される。いくつかの他の実装形態では、これらの好みは、スイッチまたはダイヤルなどのハードウェアを使用して、ホストに入力される。コントローラ134への複数のデータ入力はコントローラに対し、最適な画像化特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するように指示する。
環境センサモジュール124も、ホストデバイス120の一部として含まれ得る。環境センサモジュール124は、温度および/または周辺の採光条件など、周辺環境に関するデータを受信する。センサモジュール124は、デバイスが屋内またはオフィス環境で動作しているのか、明るい昼光の中の屋外環境で動作しているのか、夜間の屋外環境で動作しているのかを区別するようにプログラムされ得る。センサモジュール124は、コントローラ134が周辺環境に応答して表示条件を最適化できるように、この情報をディスプレイコントローラ134に通信する。
図2は、例示的なシャッター式光変調器200の透視図を示している。シャッター式光変調器200は、図1Aの直視型MEMS方式ディスプレイ装置100への組込みに適している。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッター202を含む。アクチュエータ204は、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205(「アクチュエータ205」)から形成され得る。シャッター202は、一方では、アクチュエータ205に結合する。アクチュエータ205は、表面203に対して実質的に平行である運動面における表面203の上方で、シャッター202を横方向に移動する。シャッター202の反対側は、アクチュエータ204によって加えられる力に対向する復元力を与えるスプリング207に結合する。
各アクチュエータ205は、シャッター202をロードアンカ208に接続するコンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とともに、機械的サポートとして働き、シャッター202を、表面203に近接して懸架されたまま保つ。表面203は、光を通過させるための1つまたは複数の開口穴211を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とシャッター202とを表面203に物理接続し、ロードビーム206を、バイアス電圧、一部の事例ではグランドに電気接続する。
基板がシリコンのような不透過性のものである場合、基板を通して穴アレイをエッチングすることによって、基板に開口穴211が形成される。基板がガラスやプラスチックのような透明なものである場合、基板に堆積された遮光材料の層に開口穴211が形成される。開口穴211は概して、円形、楕円、多角形、蛇行状、または形状が不規則でよい。
各アクチュエータ205は、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216も含む。駆動ビーム216は、一方の端部において、駆動ビーム216の間で共有される駆動ビームアンカ218に結合する。各駆動ビーム216の他端は、自由に移動する。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端と、ロードビーム206の固定端との近くで、ロードビーム206に最接近するように湾曲される。
動作時、光変調器200を組み込むディスプレイ装置は、駆動ビームアンカ218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加され得る。駆動ビーム216とロードビーム206との間の得られる電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方に引き付け、ロードビーム206のシャッター端を、駆動ビーム216の固定端の方に引き付け、そうすることによって、シャッター202を、駆動アンカ218に向かって横に駆動する。コンプライアント部材206は、ビーム206および216の電位にわたる電圧が除去されたとき、ロードビーム206がシャッター202をその初期位置に押し戻すように、スプリングとして働き、ロードビーム206に蓄えられた応力を解放する。
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後にシャッターをその休止位置に戻すための、スプリングなどの受動復元力を組み込む。他のシャッターアセンブリは、「開」および「閉」アクチュエータの2種セット、ならびにシャッターを開状態または閉状態のいずれかに移動させるための「開」および「閉」電極の別個のセットを組み込むことができる。
制御マトリクスによりシャッターおよび開口のアレイを制御して、画像が生じるようにし、多くの場合、適切な輝度レベルで画像を移動させるための様々な方法がある。一部のケースでは、制御は、ディスプレイの周囲にあるドライバ回路に接続された行および列相互接続の受動マトリクスアレイを用いて遂行される。他のケースでは、速度、ディスプレイの輝度レベルおよび/または電力消散性能を向上させるために、切替えおよび/またはデータ記憶要素を、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各画素中に含めることが適切である。
図3Aは、例示的な制御マトリクス300の概略図を示している。制御マトリクス300は、図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100に組み込まれた光変調器を制御するのに適している。図3Bは、図3Aの制御マトリクス300に接続された例示的なシャッター式光変調器アレイ320の透視図を示している。制御マトリクス300は、画素アレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定することができる。各画素301は、アクチュエータ303によって制御される、図2のシャッターアセンブリ200などの弾性シャッターアセンブリ302を含み得る。各画素は、開口324を含む開口層322も含み得る。
制御マトリクス300は、シャッターアセンブリ302が形成される基板304の表面に、拡散または薄膜堆積電気回路として組み立てられる。制御マトリクス300は、制御マトリクス300中の画素301の各行に対するスキャンライン相互接続306と、制御マトリクス300中の画素301の各列に対するデータ相互接続308とを含む。各スキャンライン相互接続306は、書込み許可電圧源307を、対応する画素301の行中の画素301に電気接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源309(「Vdソース」)を、対応する画素の列中の画素301に電気接続する。制御マトリクス300中で、Vdソース309は、シャッターアセンブリ302の作動に使用されるエネルギーの大部分を提供する。このように、データ電圧源、Vdソース309は、作動電圧源としても働く。
図3Aおよび図3Bを参照すると、画素アレイ320中の各画素301または各シャッターアセンブリ302に対して、制御マトリクス300は、トランジスタ310とキャパシタ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、画素301が置かれているアレイ320中の行のスキャンライン相互接続306に電気接続される。各トランジスタ310のソースは、それに対応するデータ相互接続308に電気接続される。各シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の1つの電極、および対応するアクチュエータ303の電極のうちの1つと並列に電気接続される。シャッターアセンブリ302内のキャパシタ312の他方の電極およびアクチュエータ303の他方の電極は、共通または接地電位に接続される。代替実装形態では、トランジスタ310は、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各スキャンライン相互接続306にVweを順に印加することによって、シーケンス中のアレイ320中の各行を書込み可能にする。書込み可能にされた行に対して、行中の画素301のトランジスタ310のゲートへのVweの印加により、トランジスタ310を通してデータ相互接続308に電流が流れて、シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303に電位が印加される。行が書込み可能にされている間、データ電圧Vdが、データ相互接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを与える実装形態では、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされたスキャンライン相互接続306とデータ相互接続308との交差位置に置かれた画素301の所望の輝度との関係で変えられる。デジタル制御方式を提供する実装形態では、データ電圧は、比較的低規模の電圧(すなわち、グランドに近い電圧)になるように、またはVat(作動閾電圧)を満たし、もしくは超えるように選択される。データ相互接続308へのVatの印加に応答して、対応するシャッターアセンブリ内のアクチュエータ303が作動し、シャッターアセンブリ302内のシャッターを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にVweを印加するのをやめた後でも、画素301のキャパシタ312に蓄えられたまま留まる。したがって、シャッターアセンブリ302が作動するのに十分な程長い時間、行において電圧Vweを待ち、保持する必要はなく、そのような作動は、書込み許可電圧が行から除去された後も進行し得る。キャパシタ312は、アレイ320内のメモリ要素としても機能し、画像フレームの照明のために作動命令を記憶する。
アレイ320の画素301ならびに制御マトリクス300は、基板304上に形成される。アレイ320は、基板304上に配設された開口層322を含み、開口層322は、アレイ320中のそれぞれの画素301に対する1組の開口324を含む。開口324は、各画素中のシャッターアセンブリ302と整列される。いくつかの実装形態では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料から作られる。いくつかの他の実装形態では、基板304は、不透過性材料から作られるが、この場合、穴がエッチングされて開口324を形成する。
シャッターアセンブリ302は、アクチュエータ303とともに、双安定にされ得る。すなわち、シャッターは、いずれかの位置にシャッターを保持するための電力がほとんどまたはまったく要求されることなく、少なくとも2つの均衡位置(たとえば、開または閉)に存在し得る。より具体的には、シャッターアセンブリ302は、機械的に双安定であり得る。シャッターアセンブリ302のシャッターが正しい位置でセットされると、その位置を維持するのに、電気エネルギーまたは保持電圧は要求されない。シャッターアセンブリ302の物理要素に対する機械的圧力が、シャッターを所定の場所で保持し得る。
シャッターアセンブリ302はまた、アクチュエータ303とともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のまま、かつシャッターを所定の位置で保持する。対向力は、図2Aに示すシャッター式光変調器200内のスプリング207などのスプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
光変調器アレイ320は、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実装形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2値の「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中の複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口324が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
図4Aおよび図4Bは、例示的な二重アクチュエータシャッターアセンブリ400の図を示している。図4Aに示す二重アクチュエータシャッターアセンブリ400は、開状態にある。図4Bは、閉状態にある二重アクチュエータシャッターアセンブリ400を示している。シャッターアセンブリ200とは対照的に、シャッターアセンブリ400は、シャッター406の両側にアクチュエータ402および404を含む。各アクチュエータ402および404は、独立に制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ402は、シャッター406を開くのを担当する。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ404は、シャッター406を閉じるのを担当する。アクチュエータ402および404は両方とも、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ402および404は、シャッターがその上方で懸架されている開口層407に対して実質的に平行な平面にあるシャッター406を駆動することによって、シャッター406を開閉する。シャッター406は、アクチュエータ402および404に取り付けられたアンカ408によって、開口層407の上方で小さな間隔で懸架される。シャッター406の移動軸に沿って、シャッター406の両端に取り付けられたサポートを含むことにより、シャッター406の面外運動が低減され、運動が基板に対して実質的に平行な平面へ閉じ込められる。図3Aの制御マトリクス300との類似性によって、シャッターアセンブリ400とともに使用するのに適した制御マトリクスは、対向するシャッター開アクチュエータ402およびシャッター閉アクチュエータ404の各々につき、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを含み得る。
シャッター406は、光が通り得る2つのシャッター開口412を含む。開口層407は、3つの開口409からなるセットを含む。図4Aにおいて、シャッターアセンブリ400は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ402は作動しており、シャッター閉アクチュエータ404はその弛緩位置にあり、シャッター開口412の中心線が開口層の開口409のうちの2つの中心線と一致する。図4Bにおいてシャッターアセンブリ400は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ402はその弛緩位置にあり、シャッター閉アクチュエータ404は作動しており、シャッター406の遮光部分はこの場合、開口409(点線として示す)を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口409は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が開口層407に形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。いくつかの他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形断面が、各シャッターとの対応を維持し得る間、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数のシャッターによって共有されるように連結され得る。
様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口412および409に通すために、開口層407中の開口409の対応する幅またはサイズよりも大きい幅またはサイズをシャッター開口412に与えることが有利である。閉状態において光が漏れるのを効果的に阻止するために、シャッター406の遮光部分が開口409と重なるのが好ましい。図4Bは、シャッター406内の遮光部分の辺と、開口層407内に形成される開口409の1つの辺との間の所定の重複416を示す。
静電アクチュエータ402および404は、その電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ400に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、そのアクチュエータが閉状態である(シャッターは開または閉のいずれかである)間に印加されると、対向アクチュエータに作動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉じたまま、かつシャッターを所定の位置に保持する。そのような対向力に対してシャッターの位置を維持するのに必要とされる最小電圧は、維持電圧Vmと呼ばれる。
図5は、シャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)502を組み込む例示的なディスプレイ装置500の断面図を示している。各シャッターアセンブリ502は、シャッター503とアンカ505とを組み込む。アンカ505とシャッター503との間で接続されると、表面の上で短い距離でシャッター503を懸架するのを助けるコンプライアントビームアクチュエータについては図示していない。シャッターアセンブリ502は、プラスチックまたはガラスで作られた基板などの、透明基板504上に配設される。基板504上に配設された後ろ向き反射層、反射膜506が、シャッターアセンブリ502のシャッター503の閉位置の下に置かれた複数の表面開口508を画定する。反射膜506は、表面開口508を通らない光を、ディスプレイ装置500の後ろに向かって逆反射して戻す。反射開口層506は、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相堆積(CVD)を含むいくつかの堆積技術によって薄膜方式で形成された含有物をもたない微粒金属膜であり得る。いくつかの他の実装形態では、後ろ向き反射層506は、誘電鏡などの鏡から形成され得る。誘電鏡は、高および低屈折率の材料を交互に繰り返す誘電薄膜の積層として組み立てられ得る。シャッターが自由に移動する反射膜506からシャッター503を分離する垂直ギャップは、0.5から10ミクロンの範囲内である。垂直ギャップの規模は、図4Bに示す重複416など、閉状態における、シャッター503の辺と、開口508の辺との間の横の重複よりも小さいのが好ましい。
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度増強膜514を含む。光ガイド516は、透明材料、すなわちガラス材料またはプラスチック材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、バックライト516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1のパス上に画像を形成するためにディスプレイ装置500を離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリアレイ502中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
光ガイド516は、ランプ518から開口508の方に、したがってディスプレイの前面の方に光を向け直す1組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタ517は、代替可能に断面が三角形、台形になる、または湾曲することができる形状をもつ光ガイド516のプラスチック本体内に成形することができる。プリズム517の密度は概して、ランプ518からの距離とともに増大する。
いくつかの実装形態では、開口層506は、光吸収材料で作ることができ、代替実装形態では、シャッター503の表面は、光吸収材料または光反射材料のいずれかでコーティングすることができる。いくつかの他の実装形態では、開口層506は、光ガイド516の表面に直接堆積され得る。いくつかの実装形態では、開口層506は、(後で説明するMEMSダウン構成の場合のように)シャッター503およびアンカ505と同じ基板上に配設される必要はない。
いくつかの実装形態では、光源518は、異なる色、たとえば、赤、緑、および青色のランプを含み得る。人間の脳が、異なる色の画像を単一の多色画像に平均するのに十分なレートで、異なる色のランプで画像を連続して照明することによって、カラー画像が形成され得る。様々な色固有画像が、シャッターアセンブリアレイ502を使って形成される。別の実装形態では、光源518は、3つよりも多い異なる色をもつランプを含む。たとえば、光源518は、赤、緑、青および白色ランプまたは赤、緑、青および黄色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、シアン、マゼンタ、黄色および白色ランプまたは赤、緑、青および白色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、追加のランプが光源518に含まれ得る。たとえば、5つの色を使用する場合、光源518は、赤、緑、青、シアンおよび黄色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、白、オレンジ、青、紫および緑色ランプまたは白、青、黄色、赤およびシアン色ランプを含み得る。6つの色を使用する場合、光源518は、赤、緑、青、シアン、マゼンタおよび黄色ランプまたは白、シアン、マゼンタ、黄色、オレンジおよび緑色ランプを含み得る。
カバープレート522は、ディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の後ろ側は、コントラストを増すために、ブラックマトリクス524でカバーされ得る。代替実装形態では、カバープレートは、カラーフィルタ、たとえば、シャッターアセンブリ502のうちの異なるものに対応する、固有の赤、緑、および青フィルタを含む。カバープレート522は、シャッターアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支えられ、ギャップ526を形成する。ギャップ526は、機械的サポートもしくはスペーサ527によって、かつ/またはカバープレート522を基板504に付着させる粘着シール528によって維持される。
粘着シール528は、流体530を封じ込める。流体530は、好ましくは約10センチポアズを下回る粘度、好ましくは約2.0を上回る比誘電率、および約10V/cmを上回る誘電破壊強度で作製される。流体530は、潤滑油としても働き得る。いくつかの実装形態では、流体530は、高い表面濡れ性をもつ疎水性液体である。代替実装形態では、流体530は、基板504の屈折率よりも大きい、または小さい屈折率をもつ。
機械的光変調器を組み込むディスプレイは、数百、数千、または場合によっては数百万の可動要素を含み得る。いくつかのデバイスでは、要素が移動するたびに、静止摩擦が要素のうちの1つまたは複数を無効にする機会が生じる。この移動は、(流体530とも呼ばれる)流体にすべての部品を浸漬し、MEMSディスプレイセルの流体空間またはギャップ内に(たとえば、接着剤で)流体を密閉することによって、促進される。流体530は通常、摩擦係数が低く、粘度が低く、長期的に劣化の影響が最小である。MEMS方式ディスプレイアセンブリが流体530用に液体を含むとき、液体は少なくとも部分的に、MEMS方式光変調器の可動部のうちのいくつかを囲む。いくつかの実装形態では、作動電圧を下げるために、液体は、70センチポアズを下回る粘度を有する。いくつかの他の実装形態では、液体は、10センチポアズを下回る粘度を有する。70センチポアズを下回る粘度を有する液体は、4,000グラム/モルを下回るか、または場合によっては400グラム/モルを下回る低分子量を有する材料を含み得る。そのような実装形態に好適であり得る流体530は、限定はしないが、脱イオン水、メタノール、エタノールおよび他のアルコール、パラフィン、オレフィン、エーテル、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、または他の天然もしくは合成の溶剤もしくは潤滑油を含む。有用な流体は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、たとえば、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサン、またはアルキルメチルシロキサン、たとえば、ヘキシルペンタメチルジシロキサンであり得る。有用な流体はアルカン、たとえば、オクタンまたはデカンであり得る。有用な流体はニトロアルカン、たとえば、ニトロメタンであり得る。有用な流体は芳香族化合物、たとえば、トルエンまたはジエチルベンゼンであり得る。有用な流体はケトン、たとえば、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンであり得る。有用な流体はクロロカーボン、たとえば、クロロベンゼンであり得る。有用な流体はクロロフルオロカーボン、たとえば、ジクロロフルオロエタンまたはクロロトリフルオロエチレンであり得る。これらのディスプレイアセンブリについて考えられる他の流体には、酢酸ブチルおよびジメチルホルムアミドが含まれる。これらのディスプレイアセンブリについてのさらに他の有用な流体には、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ペンタノール、およびブタノールが含まれる。例示的な適切なハイドロフルオロエーテルには、エチルノナフルオロブチルエーテルおよび2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサンが含まれる。
薄板金属または成形プラスチックアセンブリブラケット532は、カバープレート522と、基板504と、バックライトと、他の構成要素部とを合わせて、辺の周りに保持する。アセンブリブラケット532は、複合ディスプレイ装置500に剛性を加えるために、ねじまたは刻みタブで取り付けられる。いくつかの実装形態において、光源518は、エポキシポッティング化合物によって、所定の場所に成形される。反射体536は、光ガイド516の辺から漏れた光を光ガイド516に戻すのを助ける。シャッターアセンブリ502およびランプ518に制御信号ならびに電力を与える電気相互接続は、図5に示していない。
いくつかの他の実装形態では、図2Aから図2Dに示すように、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、ディスプレイ装置500内のシャッターアセンブリ502の代わりに用いられ得る。
ディスプレイ装置500は、MEMSアップ構成と呼ばれ、MEMS方式光変調器が、基板504の前面、すなわち見ている人の方を向く表面に形成される。シャッターアセンブリ502は、反射開口層506のすぐ上に構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる代替実装形態において、シャッターアセンブリは、反射開口層が形成される基板とは別個の基板上に配設される。複数の開口を画定する反射開口層が形成される基板は、本明細書では、開口プレートと呼ばれる。MEMSダウン構成において、MEMS方式光変調器を収容する基板は、ディスプレイ装置500におけるカバープレート522に取って代わり、上部基板の後面、すなわち見ている人に背を向けて、光ガイド516の方を向く表面にMEMS方式光変調器が配置されるように配向される。MEMS方式光変調器は、そうすることによって、反射開口層506にあるギャップに直接対向して、かつギャップにわたって配置される。ギャップは、開口プレートと、MEMS変調器が形成される基板とを接続する一連のスペーサポストによって維持することができる。いくつかの実装形態において、スペーサは、アレイ中の各画素内に、または各画素の間に配設される。MEMS光変調器を、それに対応する開口から分離するギャップまたは距離は、好ましくは10ミクロン未満、または重複416など、シャッターと開口との間の重複よりも小さい距離である。
図6Aから図6Eは、例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図を示している。図6Aは、完成された複合シャッターアセンブリ600の例示的な断面図を示している。シャッターアセンブリ600は、シャッター601、2つのコンプライアントビーム602、ならびに基板603および開口層606の上に構築されたアンカ構造体604を含む。複合シャッターアセンブリ600の要素は、第1の機械層605、導体層607、第2の機械層609、および封入誘電体611を含む。機械層605または609の一方または両方は、シャッターアセンブリ600の主要ロードベアリングおよび機械的作動部材として働くので、機械層605または609のうちの少なくとも1つは、0.15ミクロンを上回る厚さで堆積され得るが、いくつかの実装形態では、機械層605および609はより薄い場合がある。機械層605および609の材料の候補として、限定はしないが、金属、たとえばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ネオジム(Nd)、もしくはそれらの合金、誘電体材料、たとえば酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、五酸化タンタル(Ta)、もしくは窒化ケイ素(Si)、または半導体材料、たとえばダイヤモンドライクカーボン、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)、テルル化カドミウム(CdTe)もしくはそれらの合金が含まれる。導体層607などの層のうちの少なくとも1つは、作動要素との間で電荷を授受するように導電性であるべきである。材料の候補として、限定はしないが、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、Ti、Ta、Nb、Ndもしくはそれらの合金、または半導体材料、たとえば、ダイヤモンドライクカーボン、Si、Ge、GaAs、CdTeもしくはそれらの合金がある。いくつかの実装形態では、半導体層を用いて、半導体にリン(P)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、またはAlなどの不純物をドープする。図6Aは、同様の厚さおよび機械的特性を有する機械層605および609が導体層607の両側に堆積された複合物のサンドイッチ構成を示している。いくつかの実装形態では、サンドイッチ構造は、堆積後に残っている応力および/または温度変動によって課せられる応力がシャッターアセンブリ600の曲げ、反りまたは他の変形を引き起こさないようにするのを助ける。
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ600の外側が導体層から形成される一方、シャッターアセンブリ600の内側が機械層から形成されるように、複合シャッターアセンブリ600の層の順序が逆にされ得る。
シャッターアセンブリ600は、封入誘電体611を含み得る。いくつかの実装形態では、シャッター601、アンカ604、およびビーム602のすべての露出した下面、上面、および側面が均一にコーティングされるように、誘電体のコーティングが共形に適用され得る。そのような薄膜は、熱酸化によって、かつ/またはAl、酸化クロム(III)(Cr)、酸化チタン(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化バナジウム(V)、酸化ニオブ(Nb)、Ta、SiOもしくはSiなどの絶縁体のコンフォーマルCVDによって、または原子層堆積を通じて同様の材料を堆積することによって成長し得る。誘電体コーティング層は、10nmから1ミクロンの範囲内の厚さで加えられ得る。いくつかの実装形態では、誘電体コーティングを側壁に堆積するために、スパッタリングおよび蒸着が使用され得る。
図6Bから図6Eは、図6Aに示すシャッターアセンブリ600を形成するために使用される例示的なプロセスのいくつかの中間製造段階の結果の例示的な断面図を示している。いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ600は、図3Aおよび図3Bに示す制御マトリクスのような薄膜トランジスタのアクティブマトリクスアレイなどの既存の制御マトリクスの上に構築される。
図6Bは、シャッターアセンブリ600を形成する例示的なプロセスの最初の段階の結果の断面図を示す。図6Bに示されるように、犠牲層613が堆積されパターニングされる。いくつかの実装形態では、ポリイミドが犠牲層材料として使用される。他の犠牲層材料の候補には、限定はされないが、ポリアミド、フルオロポリマー、ベンゾシクロブテン、ポリフェニルキノキシレン、パリレン、またはポリノルボルネンがある。これらの材料は、粗い表面を平坦化し、250℃を上回る処理温度で機械的完全性を維持する能力、ならびにエッチングおよび/または除去中の熱分解の容易さを理由に選ばれる。他の実装形態では、犠牲層613は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエチレンおよびフェノール樹脂またはノボラック樹脂などのフォトレジストから形成される。いくつかの実装形態で使用される代替犠牲層材料としてSiOがあり、これは、その除去に使用されるフッ化水素酸溶液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。1つのそのような適した耐性材料として、Siがある。別の代替犠牲層材料としてSiがあり、これは、大半の金属およびSiなど、その除去に使用されるフッ素プラズマまたはフッ化キセノン(XeF)に対して電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。さらに別の代替犠牲層材料としてAlがあり、これは、濃縮水酸化ナトリウム(NaOH)溶液など、強力なアルカリ溶液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。適した材料には、たとえば、Cr、Ni、Mo、TaおよびSiがある。さらに別の代替犠牲層材料としてCuがあり、これは、硝酸溶液または硫酸溶液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。そのような材料には、たとえば、Cr、Ni、およびSiがある。
次に犠牲層613は、アンカ領域604に穴またはビアを露出させるようにパターニングされる。ポリイミドまたは他の非感光性材料を犠牲層材料として用いる実装形態では、犠牲層材料は感光剤を含むように作られてよく、それにより、UVフォトマスクを通じて露光する領域を現像液中で優先的に除去することができる。他の材料から形成された犠牲層は、フォトレジストの追加層において犠牲層613をコーティングし、フォトレジストをフォトパターニングし、最後にフォトレジストをエッチングマスクとして使用することによってパターニングされ得る。犠牲層613は、代替的に、SiOまたはCrなどの金属の薄層であり得るハードマスクにより犠牲層613をコーティングすることによってパターニングされ得る。次いでフォトパターンが、フォトレジストおよび湿式化学エッチングによってハードマスクに転写される。ハードマスクに現像されるパターンは、深くて狭いアンカ穴を犠牲層613に与えるために使用され得る乾式化学エッチング技術、異方性エッチング技術、またはプラズマエッチング技術に対して耐性があり得る。
アンカ領域604が犠牲層613中に開かれた後、表面の酸化物層を除去するために、露出した下にある導電面614を化学的に、またはプラズマのスパッタリング効果によってエッチングすることができる。そのようなコンタクトエッチング段階により、下にある導電面614とシャッター材料とのオーム接触を改善することができる。犠牲層613のパターニングの後、フォトレジスト層またはハードマスクが、溶剤洗浄法または酸エッチング法のいずれかを使用して除去され得る。
次に、図6Cに示すように、シャッターアセンブリ600を構築するためのプロセスにおいて、シャッター材料が堆積される。シャッターアセンブリ600は、複数の薄膜、すなわち第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609から構成される。いくつかの実装形態では、第1の機械層605はアモルファスシリコン(a−Si)層であり、導体層607はAlであり、第2の機械層609はa−Siである。第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609は、犠牲層613に物理的劣化が生じる温度を下回る温度で堆積される。たとえば、ポリイミドは約400℃を上回る温度で分解する。したがって、いくつかの実装形態では、第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609は、約400℃を下回る温度で堆積され、ポリイミドを犠牲層材料として使用することを可能にする。いくつかの実装形態では、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)は、約250から約350℃の範囲の温度でシランガスからプラズマ強化化学気相成長法(PECVD)によって、応力が比較的少ない状態において、約0.15から約3ミクロンの範囲の厚さに成長可能であるので、第1の機械層605および第2の機械層609にとって有用な機械材料である。そのような実装形態のうちのいくつかでは、a−Siが約1オームcmを下回る抵抗率で成長し得るように、ドーパントとしてホスフィンガス(PH)が使用される。代替実装形態では、同様のPECVD技術が、第1の機械層605としてSi、シリコンリッチなSiもしくはSiO材料の堆積に、または第1の機械層605のためにダイヤモンドライクカーボン、Ge、SiGe、CdTeもしくは他の半導体材料の堆積に使用され得る。PECVD堆積技術の利点として、堆積が非常に共形になり得る、すなわち、様々な傾斜面または狭いビアホールの内面をコーティングし得る。犠牲層材料に切り込まれたアンカまたはビアホールがほぼ垂直な側壁を呈しているとしても、PECVD技術は、アンカの下水平面と上水平面との間に実質的に連続したコーティングを実現することができる。
PECVD技術に加えて、第1の機械層605および第2の機械層609の成長のために利用可能な代替の適した技術には、RFまたはDCスパッタリング、金属有機CVD、蒸着、電気めっきまたは無電解めっきが含まれる。
導体層607には、いくつかの実装形態では、Alなどの金属薄膜が利用される。いくつかの他の実装形態では、Cu、Ni、Mo、またはTaなどの代替金属が選択され得る。そのような導電性材料を含めることは、2つの目的を果たす。それは、シャッター601の全体的なシート抵抗を軽減するほか、a−Siは、シャッター601のいくつかの実装形態で使用され得るように、約2ミクロン未満の厚さである場合に、可視光をある程度透過し得るので、シャッター601を可視光が通るのを妨げるのを助ける。導電性材料は、スパッタリングによって、またはより共形に、CVD、電気めっきもしくは無電解めっきによって、堆積され得る。
図6Dは、シャッターアセンブリ600の形成に使用される次の1組の処理段階の結果を示している。第1の機械層605、導体層607、および第2の機械層609がフォトマスクされ、エッチングされる一方、犠牲層613は依然として基板603上にある。第1に、フォトレジスト材料が施され、次いでフォトマスクを通して露出され、次いで現像されてエッチマスクが形成される。次いでアモルファスシリコン、Si、およびSiOが、フッ素ベースのプラズマ化学でエッチングされ得る。SiO機械層はまた、HF湿式化学を使用してエッチングでき、導体層607におけるいずれの金属も、湿式化学または塩素ベースのプラズマ化学反応のいずれかを使用してエッチングできる。
フォトマスクを通じて付与されるパターン形状は、シャッターアセンブリ600のアクチュエータおよびシャッター601における剛性、コンプライアンス、電圧応答などの機械的特性に影響を及ぼす場合がある。シャッターアセンブリ600は、断面で示すコンプライアントビーム602を含む。各コンプライアントビーム602は、幅がシャッター材料の全体的な高さまたは厚さを下回るように形成される。いくつかの実装形態では、ビーム寸法比は約1.4:1以上に、コンプライアントビーム602が幅よりも高くまたは厚くなるように維持される。
シャッターアセンブリ600を構築するための例示的な製造プロセスの後続段階の結果が、図6Eに示されている。犠牲層613が除去されて、アンカポイントを除いて基板603からすべての可動部が解放される。いくつかの実装形態では、ポリイミド犠牲材料が酸素プラズマにおいて除去される。犠牲層613に使用された他のポリマー材料も、酸素プラズマにおいて、または場合によっては熱分解によって除去され得る。いくつかの犠牲層材料(SiOなど)は、湿式化学エッチングによって、または気相エッチングによって除去され得る。
図6Aに結果が示されている最終プロセスにおいて、封入誘電体611がシャッターアセンブリ600のすべての露出面に堆積される。いくつかの実装形態では、シャッター601およびビーム602のすべての下面、上面および側面がCVDを使用して均一にコーティングされるように、封入誘電体611は共形に施されてよい。いくつかの他の実装形態では、シャッター601の上面および側面のみがコーティングされる。いくつかの実装形態では、Alが封入誘電体611に使用され、約10から約100ナノメートルの範囲内の厚さで原子層堆積によって堆積される。
最後に、反スティクションコーティングがシャッター601およびビーム602の表面に施され得る。これらのコーティングは、アクチュエータの2つの独立したビーム間の不要な貼り付きまたは粘着を防止する。適したコーティングは、炭素膜(グラファイトとダイヤモンド状の両方)ならびにフルオロポリマーおよび/または低蒸気圧潤滑油ならびにクロロシラン、炭化水素クロロシラン、過フッ化炭化水素クロロシラン、たとえばメトキシ終端化シラン、パーフルオロ化、アミノシラン、シロキサンおよびカルボン酸ベースのモノマーおよび化学種を含む。これらのコーティングは、分子蒸気への露出、またはCVDによる前駆体化合物の分解のいずれかによって施され得る。スティクション防止コーティングは、絶縁表面のフッ化、シラン化、シロキサン化、または水素化におけるような、シャッター表面の化学変換によって作成されてもよい。
MEMS方式シャッターディスプレイにおいて使用するのに適したアクチュエータの種類の1つとして、ディスプレイ基板に対して横であるか、またはディスプレイ基板の面内であるシャッター運動を制御するためのコンプライアントアクチュエータビームが含まれる。そのようなシャッターアセンブリの作動に用いられる電圧は、アクチュエータビームがよりコンプライアントになるにつれて低下する。作動している運動の制御はまた、面外運動に対して面内運動が優先または促進されるようにビームが形成される場合に改善する。それによって、いくつかの実装形態では、コンプライアントアクチュエータビームは、ビームが幅よりも高くまたは厚くなるような方形断面を有する。
特定の平面内の曲げに対する長い方形ビームの剛性は、その平面におけるそのビームの最も薄い寸法の3乗に比例する。したがって、面内運動の作動電圧を下げるためにコンプライアントビームの幅を縮小することは有利である。しかしながら、従来型のフォトリソグラフィ機器を使用してシャッターおよびアクチュエータ構造体を画定し、組み立てるとき、ビームの最小幅は光学素子の解像度に限定され得る。そして、狭い特徴体によりフォトレジストにおいてパターンを画定するようにフォトリソグラフィ機器が開発されてきたものの、そのような機器は高価であり、単一の露出においてパターニングが達成され得るエリアは限られている。ガラスまたは他の透明基板の大型パネルでの経済的フォトリソグラフィでは、パターニング解像度または最小特徴体サイズは通常、数ミクロンに限定される。
図7Aから図7Dは、狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリ700の構築の段階の等角図である。この代替プロセスは、コンプライアントアクチュエータビーム718および720ならびにコンプライアントスプリングビーム716(「側壁ビーム716、718および720」と総称される)をもたらし、側壁ビーム716、718および720の幅は、大きいガラスパネルに対する従来型のリソグラフィの限度を大きく下回る。図7Aから図7Dに示すプロセスでは、シャッターアセンブリ700のコンプライアントビームは、犠牲材料から作られる型上の側壁特徴体として形成される。このプロセスは側壁ビームプロセスと呼ばれる。
側壁ビーム716、718および720を有するシャッターアセンブリ700を形成するプロセスは、図7Aに示すように、第1の犠牲材料701の堆積およびパターニングで始まる。第1の犠牲材料701において画定されるパターンは、開口部またはビア702を作り、最終的には開口部またはビア702の中に、シャッターアセンブリ700のアンカが形成される。第1の犠牲材料701の堆積およびパターニングは、図6Aから図6Eに関して説明した堆積およびパターニングについて述べたものと概念的に類似しており、類似の材料および技術を使用する。
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、第2の犠牲材料705の堆積およびパターニングで続く。図7Bは、第2の犠牲材料705のパターニング後に作られた型703の形状を示している。型703はまた、第1の犠牲材料701およびその以前に画定されたビア702を含む。図7Bにおける型703は、2つの別個の水平レベルを含む。型703の下水平レベル708は、第1の犠牲材料701の上面によって確立されており、第2の犠牲材料705がエッチング除去されているエリアにおいてアクセス可能である。型703の上水平レベル710は、第2の犠牲材料705の上面によって確立されている。図7Bに示す型703はまた、実質的に垂直な側壁709を含む。第1の犠牲材料701および第2の犠牲材料705として使用するための材料が、図6Aから図6Eの犠牲層613に関して上で説明されている。
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、図7Cに示すように、犠牲型703の露出面のすべてへのシャッター材料の堆積およびパターニングで続く。シャッター712を形成する際に使用するのに適した材料については、図6Aから図6Eの第1の機械層605、導体層607、および第2の機械層609に関して上述している。シャッター材料は、約2ミクロン未満の厚さで堆積される。いくつかの実装形態では、シャッター材料は、約1.5ミクロン未満の厚さを有するように堆積される。いくつかの他の実装形態では、シャッター材料は、約1.0ミクロン未満の厚さを有するように、また約0.10ミクロンほどの薄さで堆積される。堆積後、シャッター材料(上述したように、いくつかの材料の複合物であり得る)は、図7Cに示すようにパターニングされる。第1に、シャッター材料上にフォトレジストマスクが堆積される。次いでフォトレジストはパターニングされる。フォトレジストに現れるパターンは、シャッター材料が後続のエッチング段階の後、シャッター712の領域に、かつアンカ714に留まるように設計される。
製造プロセスは、異方性エッチングを施すことで継続し、その結果、図7Cに示す構造が生じる。シャッター材料の異方性エッチングは、基板726に対して、または基板726に近接した電極に対して電圧バイアスがかけられたプラズマ環境において実行される。バイアスされた基板726(電界が基板726の表面に対して直角である)により、基板726に対してほぼ直角な角度で基板726の方へイオンが加速する。そのような加速したイオンとエッチング化学物質とが相まって、エッチング速度は、基板726の平面に垂直である方向において、基板726に対して平行な方向と比較して格段に速くなる。フォトレジストによって保護された領域におけるシャッター材料のアンダーカットエッチングは、それによって大幅に取り除かれる。加速したイオンの軌道に対して実質的に平行である型703の垂直な側壁709に沿って、シャッター材料は異方性エッチングからもかなり保護される。そのような保護された側壁シャッター材料は、シャッター712を支えるための側壁ビーム716、718、および720を形成する。上水平面710または下水平面708などの型703の他の(フォトレジストで保護されていない)水平面に沿って、シャッター材料は、エッチングによって実質的に完全に除去されている。
側壁ビーム716、718および720を形成するために使用される異方性エッチングは、基板726の電気バイアスまたは基板726に極めて近接した電極の電気バイアスのための設備が供給される限り、RFまたはDCのいずれかのプラズマエッチングデバイスで達成され得る。RFプラズマエッチングの場合、励起回路の接地板から基板ホルダを切り離すことによって、基板電位がプラズマにおいて浮動可能になり、等価セルフバイアスが取得され得る。いくつかの実装形態では、炭素と水素の両方および/または炭素とフッ素の両方がエッチングガス中の成分であるトリフルオロメタン(CHF)、パーフルオロブテン(C)、またはクロロホルム(CHCl)などのエッチングガスを提供することが可能である。再び基板726の電圧バイアスを通じて達成される、方向性プラズマと組み合わされたとき、解放された炭素(C)、水素(H)および/またはフッ素(F)の原子が、受動型または保護型の準ポリマーコーティングを作り上げる場所となる垂直な側壁709の方へ移動することができる。この準ポリマーコーティングはさらに、側壁ビーム716、718および720をエッチングまたは化学攻撃から保護する。
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、第2の犠牲材料705および第1の犠牲材料701の残余を除去することで完了する。その結果は図7Dに示されている。犠牲材料を除去するプロセスは、図6Eに関して説明したプロセスと同様である。型703の垂直な側壁709上に堆積された材料は、側壁ビーム716、718および720として留まる。側壁ビーム716は、アンカ714をシャッター712に機械的に接続するスプリングとして働くとともに、受動的復元力をもたらし、コンプライアントビーム718および720から形成されたアクチュエータによって加えられた力に対抗する。アンカ714は、開口層725に接続する。側壁ビーム716、718および720は、高く、狭い。型703の表面から形成される側壁ビーム716、718および720の幅は、堆積されたシャッター材料の厚さと同程度である。いくつかの実装形態では、側壁ビーム716の幅は、シャッター712の厚さと同じになる。いくつかの他の実装形態では、ビーム幅は、シャッター712の厚さの約1/2のみとなる。側壁ビーム716、718および720の高さは、第2の犠牲材料705の厚さによって、または言い換えれば、図7Bに関して説明したパターニング動作中に作成された型703の深さによって決定される。堆積されたシャッター材料の厚さが約2ミクロン未満になるように選択される限り、図7Aから図7Dに示すプロセスは、非常に狭いビームの作成に好適である。実際、多くの適用例では、0.1から2.0ミクロンの範囲の厚さが非常に適している。従来型のフォトリソグラフィは、図7A、図7Bおよび図7Cに示すパターニングされる特徴体を、格段に大きい寸法に限定し、たとえば、許容される最小分解特徴体は2ミクロンまたは5ミクロン以上となる。
図7Dは、上述のプロセスにおける解放動作後に形成されたシャッターアセンブリ700の等角図を示しており、高いアスペクト比の断面を有するコンプライアントビームがもたらされている。第2の犠牲材料705の厚さが、たとえば、シャッター材料の厚さの約4倍よりも大きい限り、結果的に、ビーム高とビーム幅の比は同様の比、すなわち、約4:1よりも大きくなる。
上記には示していないが、図7Cに至るプロセスの一部として含まれる随意の段階は、コンプライアントロードビーム720をコンプライアント駆動ビーム718から分離または分断するための側壁ビーム材料の等方性エッチングを伴う。たとえば、ポイント724におけるシャッター材料が、等方性エッチングを使用して側壁から除去されている。等方性エッチングでは、エッチング速度がすべての方向において実質的に同じであるので、ポイント724などの領域における側壁材料はもはや保護されない。等方性エッチングは、バイアス電圧が基板726に印加されない限り、通常のプラズマエッチング機器において達成され得る。等方性エッチングはまた、湿式化学または気相エッチング技術を使用して達成され得る。この随意の第4のマスキングおよびエッチング段階に先立って、側壁ビーム材料は、型703における凹部特徴体の外周に基本的に連続して存在する。第4のマスキングおよびエッチング段階を使用して、側壁材料を分離、分割し、別個のビーム718および720を形成する。ポイント724におけるビーム718および720の分離は、フォトレジストの供給およびマスクを通じた露光の第4のプロセスを通じて達成される。この場合におけるフォトレジストパターンは、分離ポイント724を除くすべてのポイントで等方性エッチングに対して側壁ビーム材料を保護するように設計される。
側壁プロセスの最終段階として、封入誘電体が側壁ビーム716、718および720の外面の周りに堆積される。
型703の垂直な側壁709上に堆積されたシャッター材料を保護するために、また実質的に均一の断面の側壁ビーム716、718および720を作るために、いくつかの特定のプロセスガイドラインに従い得る。たとえば、図7Bにおいて、側壁709は、できるだけ垂直に作られ得る。垂直な側壁709および/または露出面における傾斜は、異方性エッチングの影響を受けやすくなる。いくつかの実装形態では、垂直な側壁709は、異方性方式による第2の犠牲材料705のパターニングなどの図7Bにおけるパターニング動作によって作られ得る。第2の犠牲層705のパターニングとともに追加のフォトレジストコーティングまたはハードマスクを使用することにより、フォトレジストの過度の損耗を軽減しながら、第2の犠牲材料705の異方性エッチングにおいて強いプラズマおよび/または高い基板バイアスを使用することができるようになる。垂直な側壁709はまた、UV露光中に焦点深度を制御するように注意され、レジストの最終硬化中に過度の収縮が回避される限り、フォトイメージ可能な犠牲材料において作られ得る。
側壁ビーム処理中に役立つ別のプロセスガイドラインは、シャッター材料の堆積の共形性に関係する。型703の表面は、垂直か水平かを問わず、それらの表面の方位に関係なく、同様の厚さのシャッター材料で覆われ得る。そのような共形性は、CVDにより堆積するときに達成され得る。具体的には、次の共形技術が用いられ得る。PECVD、低圧化学気相堆積(LPCVD)、および原子層または自己限定層堆積(ALD)。上記のCVD技術では、薄膜の成長速度は、ソース原子の方向性フラックスに表面を露出させるのとは対照的に、表面の反応速度によって制限され得る。いくつかの実装形態では、垂直面上で成長する材料の厚さは、水平面上で成長する材料の厚さの少なくとも50%である。代替的に、シャッター材料は、めっきの前に表面をコーティングする金属シード層が提供された後、無電解めっきまたは電気めっきによって溶液から共形に堆積され得る。
図8Aは、例示的なディスプレイ装置800の断面図を示す。図8Bは、例示的なディスプレイ装置800内に組み込まれたシャッターアセンブリ801の斜視図を示す。図8Aおよび図8Bを参照すると、ディスプレイ装置800は、2つの光遮断層808と810との間のアクチュエータ804およびアンカ806によって支えられるシャッター802を含む。後方光遮断層808が、基板812上に形成され、基板812上に、シャッター802、アクチュエータ804、およびアンカ806が、同様に形成される。前方光遮断層810が、ディスプレイのカバーシート814上に形成される。光遮断層808および810の各々は、それらを通して画定された開口816を含み、基板812の後ろに配置されたバックライト811から、対向する開口816のペアを通り、ディスプレイ装置800の前面の外への光路を形成する。アクチュエータ804は、光路に沿った光の経路を遮るために、これらの光路の中におよび外にシャッター802を選択的に移動させ、それによって画像を形成する。
シャッター802は、前方光遮断レベル820および後方光遮断レベル822の2つの光遮断レベルを含む。前方光遮断レベル820および後方光遮断レベル822は、側壁824によって接続される。前方光遮断レベル820は、前方光遮断層810から約2ミクロンと約10ミクロンとの間の比較的短い距離だけ離れて離隔され、概してアクチュエータ804の端部と整列される。距離は、基板812をカバーシート814から分離するスペーサ(図示せず)のセットによって維持される。後方光遮断レベル822は、同様に、後方光遮断層808から約2ミクロンと約10ミクロンとの間の比較的短い距離だけ離れて離隔される。この距離は、アンカ806によって維持される。いくつかの実装形態では、前方光遮断レベル820は、前方光遮断層810から、後方光遮断レベル822が後方光遮断層808から離隔される距離とほぼ同じ距離に配置される。いくつかの他の実装形態では、分離距離は異なるが、互いに約3ミクロン以内にある。これらの類似する分離距離の結果、シャッター802の光遮断部は、後方光遮断層808と前方光遮断層810の両方の中に形成された開口816を通る光の経路に近接し、その光の経路を実質的に遮ることができる。
前方光遮断レベル820および後方光遮断レベル822は、シャッター開口823のペアを画定する。シャッター開口823は互いに整列され、それによって、シャッター802が開位置にあるときに、後方光遮断層808および前方光遮断層810の中の開口816の対応するペアを通る光路が開かれる。次に、光は、後方光遮断層808内の開口816を通過し、シャッター開口823を通過し、前方光遮断層810内の開口816を通過してディスプレイ装置800の外に進むことができる。
2つの光遮断レベル820および822の利点は、2つの例示的な光線850aおよび852aに関して見ることができる。図8Aでは、シャッター802は閉位置にあり、その結果、後ろ開口816を通過する実質的にすべての光を遮断する。光線850aは、後方光遮断レベル822がいかにして、角度のずれた光がシャッター802をバイパスしてディスプレイの外に漏れるのを防止するのを助け得るかを例証する。破線850bは、後方光遮断レベル822が含まれない場合に光線850aが取ったであろう経路を示す。光線852aは、シャッター802の前方光遮断レベル820がいかにして、光が後方光遮断レベル822に反射し、後方光遮断層808の前面に戻る光がディスプレイ装置800を不必要に離れるのを防止するのを助け得るかを例証する。線852bは、前方光遮断レベル820がシャッター802から省略された場合の光線852aの経路を示す。
その上、シャッターアセンブリ801を作製するために使用された作製プロセスの結果として、シャッター802の後方光遮断レベル822の一部825は、後方光遮断レベル822の残余より実質的に厚くなる。図8Aに示すように、いくつかの実装形態では、シャッター802が閉位置にあるとき、これらのより厚い部分825は、対向する開口816のペアの間に直接整列される。余分の厚さは、シャッター802の光遮断能力を向上させ、ディスプレイ装置800のコントラスト比をさらに改善させる。
いくつかの他の実装形態では、シャッターアセンブリ801は、カバーシート814が図8Aに示されるディスプレイの前面に置かれた基板上に(すなわち、MEMSダウン構成にて)作製される。そのような実装形態におけるシャッターアセンブリ801は、後方光遮断層がその上に形成され、基板812が図8Aに示される位置に置かれる、開口プレートに向かって下に延びる。いくつかの他の実装形態では、シャッターアセンブリ801の方位に応じて前方光遮断層810または後方光遮断層808のいずれかが、持ち上げられた開口層と置き換えられる。持ち上げられた開口層は、シャッターアセンブリ801と同じ基板上に作製される。そのような持ち上げられた開口層は、光遮断層808または810によって画定された開口816と一直線上に配置された開口を画定する光遮断層を含む。
図9は、図8Aおよび図8Bに示すシャッターアセンブリ801を作製するための例示的な方法900のフロー図を示す。簡単に概観すると、方法900は、犠牲材料の第1の層を堆積およびパターニングする(段階902)ステップと、犠牲材料のパターニングされた第1の層の上に構造材料の第1の層を堆積する(段階904)ステップと、シャッターの近位の光遮断レベルおよびシャッター開口を画定するために構造材料の第1の層をパターニングする(段階906)ステップとを含む。方法900は、構造材料のパターニングされた第1の層の上に犠牲材料の第2の層を堆積およびパターニングする(段階908)ステップと、犠牲材料のパターニングされた第2の層の上に構造材料の第2の層を堆積する(段階910)ステップと、シャッターの遠位の光遮断レベルを画定するために構造材料の第2の層をパターニングする(段階912)ステップとをさらに含む。図10Aから図10Hは、図9に示す方法に含まれる処理段階の各々の結果の断面図を示す。
図8A、図8B、図9および図10Aから図10Hを参照すると、方法900は、犠牲材料の第1の層1002を堆積およびパターニングする(段階902)ステップから始まる。より詳細には、犠牲材料の第1の層1002は、図8Aに示す後方光遮断層808のような光遮断層1004の上部に堆積される。犠牲材料の第1の層1002を堆積する前に、後方光遮断層1004が、同じく図8Aに示す開口816のような開口を形成するためにパターニングされている。犠牲材料は、犠牲材料として使用するために適するとして図6Bに関して上記で説明した材料のいずれかであってよい。犠牲材料の第1の層1002は、実質的に平らな上面をもたらすためにスピンオンプロセスを介して塗布され得る。いくつかの実装形態では、犠牲材料の第1の層1002は、約1ミクロンから約10ミクロンの厚さに堆積される。いくつかの実装形態では、犠牲材料の第1の層1002は、約3ミクロンから約5ミクロンの厚さに堆積される。このプロセスは、図10Aに示す構造をもたらす。
次に、犠牲材料の第1の層1002は、図8Aおよび図8Bに示すアンカ806などのアンカの下部に対する型として働くことになる凹部1006を形成するためにパターニングされる。犠牲材料の第1の層1002は、使用される材料に応じていくつかの方法でパターニングされ得る。より詳細には、犠牲材料の第1の層1002は、図6Bに関して上記で説明した犠牲層パターニングプロセスのいずれかによってパターニングされ得る。たとえば、感光性の犠牲材料に対して、犠牲材料の第1の層1002は、フォトマスクを介して直接露出され、現像されて、不要な犠牲材料が除去され得る。他のタイプの犠牲材料に対して、個別のレジストが、最初に、犠牲材料の第1の層1002上に堆積される。次に、レジストは、パターニングされたレジストを介して露出された犠牲材料の層1002の一部を除去するエッチングプロセスにおけるエッチマスクとしてパターニングされ、使用される。このプロセスの結果を、図10Bに示す。
図示しないが、いくつかの実装形態では、金属層および金属間誘電体層を含むいくつかの追加の層が、光遮断層1004の上面に堆積され、犠牲材料の第1の層1002の堆積の前にパターニングされる。これらの追加の層は、完成するとシャッターアセンブリを制御することになる制御マトリクスを形成するかまたは含む。いくつかの他の実装形態では、追加の金属層および金属間誘電体層が、透明基板812上に堆積され、光遮断層1004の堆積の前にパターニングされる。
次に、構造材料の第1の層1008が、犠牲材料のパターニングされた層1002の上部に堆積される(段階904)。構造材料は、CVD、PECVD、PVDまたはALDプロセスを使用して堆積され、犠牲材料の第1の層1002の露出した表面および凹部1006を通して露出した任意の他の表面を実質的にコンフォーマルにコーティングする。構造材料は、適したシャッター材料であるとして図6Cに関して上記で説明した金属およびまたは半導体材料の1つまたは複数の層を含み得る。構造材料は、約2.0ミクロン未満の全厚さを有するように堆積され得る。この堆積段階(段階904)の結果を、図10Cに示す。
構造材料の第1の層1008は、シャッターアセンブリ801の近位の光遮断レベル1010を形成するためにパターニングされる(段階906)。本明細書で使用する近位のという用語は、シャッターアセンブリ801が作製されている基板に対して使用される。図8Aに示すディスプレイ装置800に対して、近位の光遮断レベル1010は、後方光遮断レベル822に対応する。基板812から遠い前方光遮断レベル820は、遠位の光遮断レベルと見なされる。
構造材料の第1の層1008は、1つまたは複数のエッチプロセスを使用してパターニングされ得る。たとえば、いくつかの実装形態では、構造材料の第1の層1008は、最初に、不要な構造材料を図10Cに示す構造の水平面から除去するために、異方性エッチを使用してエッチングされる。次に、第2の等方性エッチが、垂直面上の不要な構造材料を除去するために使用され得る。いくつかの他の実装形態では、単一の等方性エッチが、構造の水平面と垂直面の両方の上の材料を同時に除去するために使用され得る。
いくつかの実装形態では、一緒に、1つまたは複数のエッチングプロセスが、図10Dに示す近位の光遮断レベル1010を形成することになる材料以外の、構造材料の第1の層1008のすべてを除去する。そのようなエッチングは、近位の光遮断レベル1010の外周ならびに近位のシャッター開口1011を画定する。いくつかの他の実装形態では、構造材料はまた、凹部1006の1つまたは複数の表面上に残される。
次に、犠牲材料の第2の層1012が、堆積され、パターニングされる(段階908)。犠牲材料の第2の層1012は、たとえば、図10Eに示す構造をもたらすスピンオンプロセスを使用して図10Dに示す構造の上に堆積される。犠牲材料の第2の層1012は、犠牲材料の第1の層1002用に使用されるものと同じ材料であり得または含み得、あるいは犠牲材料の第2の層1012は、犠牲材料として使用するのに適するとして上記で特定された他の材料のいずれかを含み得る。犠牲材料の第2の層1012は、約1ミクロンと約10ミクロンとの間の厚さに堆積される。いくつかの実装形態では、犠牲材料の第2の層1012は、約3ミクロンと約5ミクロンとの間の厚さに堆積される。
犠牲材料の第2の層1012は、いくつかの追加の凹部を形成するためにパターニングされる。特に、パターニングは、アンカ806用の型として働くために、犠牲材料の第1の層1002内に形成された凹部1006の上に配置された2つの新しいアンカ凹部1014をもたらす。2つのアクチュエータ凹部1016が形成される。アクチュエータ凹部1016の側壁は、静電アクチュエータ804のビーム用の型を画定する。アクチュエータ凹部1016は、犠牲材料の第1の層1002の上面に向けて下に延びる。その結果、基板812に近接するこの型を使用して形成されたアクチュエータビームの端部は、近位の光遮断レベル1010とほぼ同じ距離だけ基板812から離れる。加えて、2つのシャッター凹部1018が、犠牲材料の第2の層1012内に形成される。シャッター凹部1018は、シャッター802の側壁824に対する型を画定し、近位の光遮断レベル1010を形成する、構造材料の第1の層1008から残存する構造材料に向けて下に延びる。その結果得られた構造を、図10Fに示す。
次に、構造材料の第2の層1020が、図10Fに示す構造の上に堆積される(段階910)。構造材料は、図10Gに示すように、構造の露出面を実質的にコンフォーマルにコーティングする。構造材料の第2の層1020は、構造材料の第1の層1008用に使用されるのと同じ材料を含む、上記で言及した構造材料のいずれかであり得る。また、構造材料の第2の層1020は、約2ミクロン未満の厚さに堆積され得る。
次に、構造材料の第2の層1020が、図10Hに示すように、遠位の光遮断レベル1022を画定するためにパターニングされる(段階912)。図8Aおよび図8Bに示す前方光遮断レベル820は、遠位の光遮断レベル1022の一例である。より詳細には、構造材料の第2の層1020が、遠位の光遮断層1022の外周を画定するために、ならびに遠位の光遮断層1022内の遠位のシャッター開口1024を画定するためにパターニングされる。遠位のシャッター開口1024は、近位のシャッター開口1011と一直線上に画定される。
このパターニング段階(段階912)はまた、アンカ806および静電アクチュエータ804のビームを画定する。前方光遮断レベル1020は、基板812の上で、静電アクチュエータ804のビームの遠位端とほぼ同じ距離だけ離隔される。いくつかの実装形態では、パターニングプロセスは、アクチュエータビームの最遠位端から構造材料のごく一部を除去し得る。したがって、シャッター802の前方光遮断レベル1020は、基板812の上で、アクチュエータビームの遠位端よりわずかに遠くに離隔され得る一方で、依然としてほぼ同じ距離だけ離隔される。前の構造材料パターニング段階(段階906)と同様に、構造材料の第2の層1020が、異方性エッチおよび/または等方性エッチを含む1つまたは複数のエッチングプロセスを使用して、同様にパターニングされ得る。このパターニング段階(段階912)の結果を、図10Hに示す。次に、この構造が解放され、図8Aおよび図8Bに示すシャッターアセンブリ801がもたらされる。
上記で説明したように、近位のシャッター開口1011と遠位のシャッター開口1024の両方が、エッチングされるとき、エッチングされる材料積層体の最も上のレベルにある表面を介してエッチングされる。すなわち、シャッター開口1011または1024のいずれも、材料積層体内に形成された凹部の底における材料を介してエッチングされない。これは、エッチングプロセスのより正確な制御を可能にする。凹部の底の上に置かれた構造材料をエッチングするとき、凹部の側壁は、側壁付近を正確にパターニングすることを制限するシャドーイング効果をもたらすことがある。そのようなシャドーは、材料積層体の上部の材料のエッチングと干渉し得ない。凹部の底におけるレジスト層を効果的に堆積およびパターニングすることが、課題をもたらすこともあるが、その課題は材料積層体の上部における材料をエッチングすることによって回避される。
図11Aから図11Cは、別の例示的なディスプレイ装置1100の断面図を示す。より詳細には、図11Aから図11Cは、シャッターアセンブリが切り替えられ得る3つの別個の状態の各々において、ディスプレイ装置1100に組み込まれるシャッターアセンブリ1102を示す。シャッターアセンブリ1102は、図11Aに示す閉状態、または図11Bに示す部分開状態、図11Cに示す開状態に入ることができる。図11Dは、図11Aから図11Cに示す、ディスプレイ装置1100内に組み込まれたシャッターアセンブリ1102の例示的な斜視図を示す。
図11Aから図11Dを参照すると、ディスプレイ装置は、前方光遮断層1104と後方光遮断層1106との間に配設されたシャッターアセンブリ1102を含む。開口1108のペアは、前方光遮断層1104および後方光遮断層1106を通して画定される。シャッターアセンブリ1102は、前方光遮断層1104および後方光遮断層1106の中に形成された開口1108のペアを通して形成された光路の中におよび外に、静電アクチュエータ1112aおよび1112bによって移動されるシャッター1110を含む。
シャッターアセンブリ1102は、シャッター1110の非対称的形状による3つの別個の光変調状態を達成し得る。特に、シャッター1110は、短い光遮断部1114および長い光遮断部1116の2つの光遮断部を含む。シャッター1110の進行方向に沿った、短い光遮断部1114の長さは、長い光遮断部1116の長さより実質的に短い。いくつかの実装形態では、短い光遮断部1114は、長い光遮断部1116の約半分の長さを有する。他の実装形態では、短い光遮断部1114は、長い光遮断部1116の約1/4、3/4または他の分数の長さを有し得る。
動作中、シャッターアセンブリ1102は、シャッター1110の両側の前方光遮断層1104および後方光遮断層1106の中に形成された開口1108に対して横にシャッター1110を移動させる。長い光遮断部1116は、シャッターアセンブリ1102が(図11Aに示すように)閉状態にあるとき、長い光遮断部1116が開口1108を通過する光1118を完全に遮るように、十分に長い。この状態では、第1の静電アクチュエータ1112aは、シャッター1110を、シャッターアセンブリ1102の片側の最後まで移動させる。
短い光遮断部1114は、シャッターアセンブリ1102が(図11Bに示す)部分開状態にあるとき、短い光遮断部1114が開口1108を一部だけ遮るように、十分に短い。たとえば、いくつかの実装形態では、短い光遮断部1114は、開口1108の約1/4、約半分、約3/4、または任意の他の分数の面積を遮るのに十分に長いものであり得る。この状態では、第2の静電アクチュエータ1112bは、シャッター1110を、シャッターアセンブリ1102の他端の最後まで移動させる。
光遮断部1114および1116は、シャッター1110を通して形成されたシャッター開口1119によって分離される。シャッターアセンブリ1102が(図11Cおよび図11Dに示す)開状態にあるとき、シャッター開口1119は、前方光遮断層1104および後方光遮断層1106の中に形成された開口1108と実質的な一直線上にある。静電アクチュエータ1112aおよび1112bは、この状態において、ともに弛緩され(または非作動であり)、シャッター1110を、シャッターアセンブリ1102のほぼ中央にあるままにする。いくつかの実装形態では、光遮断部1114および1116は、それぞれ、この状態において開口1108をわずかに遮るが、著しい程度ではない。
光遮断部1114および1116の各々は、前方光遮断レベル1120と後方光遮断レベル1122の両方を含む。前方光遮断レベル1120および後方光遮断レベル1122は、シャッター開口1119を取り巻く側壁1124によって接続される。いくつかの実装形態では、前方光遮断レベル1120は、前方光遮断層1104から、後方光遮断レベル1122が後方光遮断層1106から離隔される距離とほぼ同じ距離に配置される。いくつかの他の実装形態では、分離距離は異なるが、互いに約3ミクロン以内にある。その結果、シャッター1110の光遮断レベルは、前方光遮断層1104と後方光遮断層1106の両方の中に形成された開口1108を通る光の経路に近接し、その光の経路を実質的に遮ることができる。
シャッターアセンブリ1102はMEMSアップ構成において示されるが、いくつかの他の実装形態では、シャッターアセンブリ1102は、MEMSダウン構成におけるディスプレイ装置内に一体化され得る。いくつかの他の実装形態では、シャッターアセンブリ1102の方位(すなわち、MEMSアップまたはMEMSダウン)に応じて前方光遮断層1104または後方光遮断層1106のいずれかが、持ち上げられた開口層と置き換えられる。持ち上げられた開口層は、シャッターアセンブリ801と同じ基板上に作製される。そのような持ち上げられた開口層は、光遮断層1104または1106によって画定された開口1108と一直線上に配置された開口を画定する光遮断層を含む。加えて、いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ1102は、1つだけの光遮断レベルを含むシャッターを含み得る。そのようなシャッターアセンブリの一例を、図11Eに示す。
図11Eは、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1102に類似する別の例示的なシャッターアセンブリ1150の例示的な斜視図を示す。より詳細には、シャッターアセンブリ1150は、図11Aから図11Dに示すシャッター1110内に含まれる個別の前方光遮断レベル1120および後方光遮断レベル1122を有するのではなく、単一の光遮断レベルだけを有するシャッター1160を含む。しかし、シャッター1110と同様に、シャッター1160は、短い遮光部1114と長い遮光部1116の両方を含む。シャッター1160はまた、対向するアクチュエータ1112aおよび1112bによって支えられ、アンカ1128によって光遮断層1106の上で支えられる。シャッターアセンブリ1150は、シャッターアセンブリ1102と同じように動作され得、シャッター1160を図11Aから図11Cに示す3つの状態の間で移動させる。
図12Aから図12Hは、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1102の作製の例示的な段階の断面図を示す。図8に示すシャッターアセンブリ801と同様に、シャッターアセンブリ1102は、図9に示すのと同じ概略的作製プロセス900を使用して作製され得る。図12Aおよび図12Bに示すようにシャッターアセンブリ1100の作製は、犠牲材料の第1の層1202を堆積およびパターニングする(段階902)ステップから始まる。特に、犠牲材料の第1の層1202は、基板1204上およびパターニングされた光遮断層1206の上に堆積される。光遮断層1206は、上記で説明した光路の一部を形成する開口1108を形成するためにパターニングされている。犠牲材料の第1の層1202は、上記で説明した犠牲材料のいずれかであり得、またはいずれかを含み得る。犠牲材料の第1の層1202は、図11Aから図11Dに示すアンカ1128の基部に対する型として働くことになる凹部1208を形成するためにパターニングされる。
次に、構造材料の第1の層1210が、犠牲材料のパターニングされた第1の層1202の上に堆積される(段階904)。構造材料の第1の層1210は、いくつかの実装形態では、そのような材料の多層積層体を含む、上記で説明した構造材料のいずれかであり得、またはいずれかを含み得る。構造材料の第1の層1210は、約2.0ミクロン未満の厚さに堆積され得る。そのような堆積の結果を、図12Cに示す。
構造材料の第1の層1210は、シャッター1110の近位の光遮断レベル、すなわち、後方光遮断レベル1122およびシャッター開口1118を画定するためにパターニングされる(段階906)。このパターニングプロセスでは、構造材料の第1の層1210は、それが後方光遮断レベル1122を形成することになる場所を除いて除去される。シャッター開口1119は、後方光遮断レベル1122の長さに対して中心を外れるようにパターニングされ、それによって、短い遮光部1114および長い遮光部1116のサイズが画定される。いくつかの実装形態では、パターニングは、構造の水平面上の不要な構造材料を除去するための異方性エッチと、凹部1208の側壁など、構造の垂直面上の不要な構造材料を除去するための等方性エッチとの2つのエッチを使用して遂行される。このパターニングプロセスの結果を、図12Dに示す。
近位の光遮断レベルおよびシャッター開口が画定された(段階906)後、犠牲材料の第2の層1212が、(図12Eに示すように)構造材料のパターニングされた第1の層1210の上に堆積されてパターニングされ(段階908)、図12Fに示す構造がもたらされる。特に、犠牲材料の第2の層1212が、アンカ凹部1214、アクチュエータ凹部1216、およびシャッター開口凹部1218を形成するためにパターニングされる。
次に、構造材料の第2の層1220が、犠牲材料のパターニングされた第2の層1212の上に堆積される(段階910)。構造材料の第2の層1220は、犠牲材料の第2の層1212の上面ならびに凹部1214、1216、および1218の側壁および底をコーティングする。構造材料の第2の層1220は、構造材料の第1の層1210と同じ材料であり得または同じ材料を含み得、その第1の層と実質的に同じ厚さであり得る。この堆積の結果を、図12Gに示す。
次に、構造材料の第2の層1220が、シャッター1110の遠位の光遮断レベル、すなわち前方光遮断レベル1120を画定するためにパターニングされる(段階912)。同時に、構造材料の第2の層1220は、アンカ1128、アクチュエータ1112aおよび112bを画定するため、および構造材料の第2の層によって覆われたシャッター開口1119を再び開口させるためにパターニングされる。以前の構造材料パターニング段階と同様に、構造材料の第2の層1220が、単一の等方性エッチ、または異方性エッチおよび等方性エッチを含む2段階エッチプロセスを使用してパターニングされ得る。その結果得られた構造を、図12Hに示す。パターニング段階(段階912)の後、構造が解放され、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1100がもたらされる。
図13は、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1100を製造する方法1300の別の表現のフロー図を示す。方法は、第1の光遮断層内に第1の開口を画定する(段階1302)ステップと、第1の光遮断層の上に犠牲材料の第1の層を堆積する(段階1304)ステップと、犠牲材料の第1の層の上に構造材料の少なくとも第1の層を堆積する(段階1306)ステップとを含む。方法1300は、シャッターの外周およびシャッターを通るシャッター開口を画定するために構造材料の少なくとも第1の層をパターニングするステップであって、シャッターの(図11Aから図11Cに示す)運動軸1130に沿ってシャッター開口の両側に配置された非対称の第1および第2の光遮断部をシャッターが含むようにシャッター外周およびシャッター開口が構成される、パターニングする(段階1308)ステップと、運動軸に沿ってシャッターを、第1および第2の光遮断部のいずれもが第1の開口を通過する光を実質的に遮らない弛緩状態、第1の光遮断部が第1の開口を通過する光の一部を遮る第1の作動状態、および第2の光遮断部が第1の開口を通過する光の実質的にすべてを遮る第2の作動状態に移動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを画定するために構造材料の少なくとも第1の層をパターニングするステップ(段階1310)とをさらに含む。
上記に記載したように、方法1300は、図12Aに示す光遮断層1206など、第1の光遮断層(段階1302)内に、図11Aから図11Cおよび図12Aから図12Hに示す、開口1108など、第1の開口を画定するステップを含む。たとえば、開口は、光遮断層を通る開口部をエッチングするためのいくつかの一般的なフォトリソグラフィプロセスのうちの1つを使用して画定され得る。いくつかの実装形態では、第1の光遮断層は光を吸収する。いくつかの他の実装形態では、第1の光吸収層は反射性である。いくつかの他の実装形態では、第1の光遮断層は、一方向に反射性であり、反対方向に吸収性である。
次に、犠牲材料の第1の層が、第1の光遮断層の上に堆積される(段階1304)。このプロセスは、図12Aに示すプロセスと同様である。次に、構造材料の少なくとも第1の層が、犠牲材料の第1の層の上に堆積される(段階1306)。いくつかの実装形態では、構造材料の2つ以上の層が堆積される。いくつかのそのような実装形態では、犠牲材料の第2の層が構造材料の第1の層の上に堆積される前、および構造材料の第2の層が堆積される前に、以下でさらに説明されるように、構造材料の第1の層がパターニングされる。構造材料層堆積プロセスは、図12Cおよび図12Gに関して上記でさらに説明されている。
方法1300は、構造材料の堆積された層をパターニングする(段階1308および1310)ステップをさらに含む。より詳細には、構造材料の層は、図11Aから図11Eに示すシャッター1110などのシャッターを画定するためにパターニングされ(段階1308)、同じく図11Aから図11Eに示すアクチュエータ1112aおよび1112bなど、少なくとも1つのアクチュエータを画定するためにパターニングされる(段階1310)。シャッターは、図11Aから図11Eに示す、シャッターの外周ならびにシャッター開口1119などのシャッター開口をパターニングすることによって画定される。シャッターの運動軸に沿ったシャッター開口の両側に、シャッターが非対称の第1および第2の光遮断部を含むように、外周およびシャッター開口がパターニングされる。図11に示すシャッター1110の短い遮光部1114および長い遮光部1116は、そのような非対称の第1および第2の遮光部の例である。
アクチュエータが3つの状態の間で運動軸に沿ってシャッターを移動させ得るように、少なくとも1つのアクチュエータが画定される。弛緩状態では、段階1302において第1の光遮断層内に画定された開口を通過する光を、第1および第2の遮光部のいずれもが実質的に遮らない。第1の作動状態では、第1の光遮断部が、第1の開口を通過する光の実質的に全部ではなく一部を遮る位置に、少なくとも1つのアクチュエータがシャッターを移動させる。第2の作動状態では、第2の光遮断部が、第1の開口を通過する光の実質的に全部を遮る位置に、少なくとも1つのアクチュエータがシャッターを移動させる。上記で説明したシャッターおよび少なくとも1つのアクチュエータをもたらすパターニングプロセスを、図12Dおよび図12Hに関連して上記で説明している。少なくとも1つのアクチュエータの動作を、図11Aから図11Cに示す。
図14および図15は、表示素子のセットを含む例示的なディスプレイデバイス40のシステムブロック図を示している。このディスプレイデバイス40はたとえば、スマートフォン、携帯電話またはモバイル電話であってもよい。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれらのわずかな変形は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子書籍端末、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスのような様々なタイプのディスプレイデバイスも例示している。
ディスプレイデバイス40は、筐体41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。筐体41は、射出成形および真空成形を含む種々の製造プロセスのいずれかによって形成され得る。加えて、筐体41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含むがそれらに限らない種々の材料のいずれかから作られ得る。筐体41は、異なる色の、または異なるロゴ、絵、もしくは記号を含む、他の取外し可能な他の部分と交換され得る取外し可能な部分(図示せず)を含み得る。
ディスプレイ30は、本明細書で説明されるように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む種々のディスプレイのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイ、OLED、スーパーツイストネマティック(STN)ディスプレイ、LCD、もしくは薄膜トランジスタ(TFT)LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはブラウン管(CRT)もしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。加えて、ディスプレイ30は、本明細書で説明するように、機械的光変調器方式ディスプレイを含み得る。
ディスプレイデバイス40の構成要素が図14に概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、筐体41を含み、ディスプレイデバイス40内に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含み得る。たとえば、ディスプレイデバイス40は、送受信機47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40に表示され得る画像データの源であり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は、画像源モジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像源モジュールとして機能し得る。送受信機47は、調整用ハードウェア52に接続されたプロセッサ21に接続されている。調整用ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタリングする、または別様に操作する)ように構成され得る。調整用ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続され得る。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されてよく、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合されてよい。図14で特に示されない要素を含む、ディスプレイデバイス40の中の1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように、かつプロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計において実質的にすべての構成要素に電力を供給することができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信することができるようにアンテナ43と送受信機47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえばプロセッサ21のデータ処理要件を軽減するいくつかの処理機能を有し得る。アンテナ43は、信号を送受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、IEEE16.11(b)、またはIEEE16.11(g)を含むIEEE16.11標準、あるいはIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11nを含むIEEE802.11標準、およびそのさらなる実装形態に従ってRF信号を送受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth(登録商標)規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナ43は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications (GSM)、GSM/General Packet Radio Service (GPRS)、Enhanced Data GSM Environment (EDGE)、Terrestrial Trunked Radio (TETRA)、Wideband−CDMA (W−CDMA)、Evolution Data Optimized (EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、High Speed Packet Access (HSPA)、High Speed Downlink Packet Access (HSDPA)、High Speed Uplink Packet Access (HSUPA)、Evolved High Speed Packet Access (HSPA+)、Long Term Evolution (LTE)、AMPS、または3G、4G、もしくは5G技術を利用するシステムのような、ワイヤレスネットワーク内で通信するのに使用される他の公知の信号を受信するように設計され得る。送受信機47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信されさらに操作され得るように、受信された信号を前処理することができる。送受信機47はまた、プロセッサ21から受信された信号がディスプレイデバイス40からアンテナ43を介して送信され得るように、受信された信号を処理することができる。
いくつかの実装形態では、送受信機47は受信機と置き換えられ得る。加えて、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送信すべき画像データを記憶または生成することのできる画像源と置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作全体を制御し得る。プロセッサ21は、圧縮された画像データなどのデータをネットワークインターフェース27または画像源から受信し、データを処理して生画像データまたは生の画像データへと容易に処理され得るフォーマットへ処理する。プロセッサ21は、処理されたデータを、記憶するためにドライバコントローラ29またはフレームバッファ28に送ることができる。生データは通常、画像内の各位置での画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、彩度、およびグレースケールレベルを含み得る。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含み得る。調整用ハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、マイクロフォン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含み得る。調整用ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21もしくは他の構成要素内に組み込まれてもよい。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接取り込むことができ、またはフレームバッファ28から取り込むことができ、かつ生画像データをアレイドライバ22への高速送信のために適切に再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データをラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、したがって、ドライバコントローラ29は、ディスプレイアレイ30全体をスキャンするのに適した時間順を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、スタンドアロンの集積回路(IC)としてのシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは多数の方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれても、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれても、ハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化されてもよい。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ディスプレイの表示素子のx−yマトリクスからの数百本、場合によっては数千本(またはそれよりも多く)のリード線に1秒当たりに何度も印加される波形の並列なセットへと、ビデオデータを再フォーマットすることができる。
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明されるいずれの種類のディスプレイにも適切である。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラであり得る。加えて、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバであり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイであり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されてもよい。そのような実装形態は、高度に集積されたシステム、たとえば、携帯電話、ポータブル電子デバイス、腕時計または小面積ディスプレイにおいて有益であり得る。
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえばユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードもしくは電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチ感知スクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチ感知スクリーン、または圧力感知膜もしくは熱感知膜を含み得る。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40用の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を通じた音声コマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
電源50は、種々のエネルギー貯蔵デバイスを含み得る。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池のような再充電が可能な電池であり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池もしくは塗料型太陽電池を含む太陽電池であってもよい。電源50はまた、壁付きコンセントから電力を受けるように構成され得る。
いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に配置され得るドライバコントローラ29に制御プログラム性が存在する。いくつかの他の実装形態では、アレイドライバ22に制御プログラム性が存在する。上で説明された最適化は、任意の数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で使用するように、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」に関する語句は、単一のメンバーを含めて、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a−b、a−c、b−c、およびa−b−cを包含することを意図している。
本明細書で開示した実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムのプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性は、全体的にそれらの機能に関して説明し、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびプロセスにおいて示してきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示した態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有の回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示した構造およびそれらの構造の同等物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアにおいて、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明した対象の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令もしくはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶され、または、コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送が可能にされ得る任意の媒体を含むコンピュータ通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得るとともに、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。加えて、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
本開示で説明した実装形態の様々な修正形態が当業者にはすぐに理解でき、本明細書に定める一般的原理は、本開示の趣旨または範囲から離れることなく他の実装形態に適用できる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、この原理および本明細書で開示する新規の特徴と合致する最大の範囲を認めるものである。
さらに、当業者は、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切に配向されたページ上の図の方位に対応する相対位置を示しており、実装される任意のデバイスの適切な方位を反映していない場合があることを容易に諒解する。
個別の実装形態との関連で本明細書で説明しているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装されてもよい。反対に、単一の実装形態との関連で説明している様々な特徴は、複数の実装形態で個別に、または任意の適切な副組合せで実装されてもよい。さらに、特徴は一定の組合せで機能するものとして上述され、当初はそういうものとして特許請求されることもあるが、特許請求される組合せによる1つまたは複数の特徴は、場合によっては、当該組合せにより実施可能であり、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形を対象にし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これについては、所望の結果を達成するために、そのような動作を示された特定の順序でもしくは順次に実行すること、またはすべての示された動作を実行することを要求するものとして理解すべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作を、概略的に示す例示的なプロセスに組み込むことができる。たとえば、1つまたは複数の追加の動作は、示された動作のいずれかの前、示された動作のいずれかの後、示された動作のいずれかと同時に、または示された動作のいずれかの間に実行され得る。いくつかの状況において、マルチタスキングおよび並列処理は有利であり得る。また、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離については、すべての実装形態でかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品への統合、または複数のソフトウェア製品へのパッケージ化が可能であると理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、請求項に記載の動作は、異なる順序で実行されながらもなお、望ましい結果を達成することが可能である。
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイアレイ
40 ディスプレイデバイス
41 筐体
43 アンテナ
45 スピーカ
46 マイクロフォン
47 送受信機
48 入力デバイス
50 電源
52 調整用ハードウェア
100 直視型MEMS方式ディスプレイ装置
102 光変調器、色固有光変調器
102a 光変調器
102b 光変調器
102c 光変調器
102d 光変調器
104 画像
105 ランプ
106 画素
108 シャッター
109 開口
110 書込み許可相互接続
112 データ相互接続
114 共通相互接続
120 ホストデバイス
122 ホストプロセッサ
124 環境センサ
126 ユーザ入力モジュール
128 ディスプレイ装置
130 スキャンドライバ
132 データドライバ
134 コントローラ
138 共通ドライバ
140 ランプ
142 ランプ
144 ランプ
146 ランプ
148 ランプドライバ
150 表示素子アレイ
200 シャッター式光変調器
202 シャッター
203 表面
204 アクチュエータ
205 コンプライアント電極ビームアクチュエータ
206 コンプライアントロードビーム
207 スプリング
208 ロードアンカ
211 開口穴
216 コンプライアント駆動ビーム
218 駆動ビームアンカ
220 ローラー式光変調器
250 光タップ
270 エレクトロウェッティング式光変調アレイ
300 制御マトリクス
301 画素
302 弾性シャッターアセンブリ
303 アクチュエータ
304 基板
306 スキャンライン相互接続
307 書込み許可電圧源
308 データ相互接続
309 データ電圧源
310 トランジスタ
312 キャパシタ
320 シャッター式光変調器アレイ
322 開口層
324 開口
400 二重アクチュエータシャッターアセンブリ
402 アクチュエータ、シャッター開アクチュエータ
404 アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ
406 シャッター
407 開口層
408 アンカ
409 開口
412 シャッター開口
416 重複
500 ディスプレイ装置
502 シャッター式光変調器
503 シャッター
504 透明基板
505 アンカ
506 後ろ向き反射層
508 表面開口
512 ディフューザ
514 輝度増強膜
516 バックライト
517 光リダイレクタまたはプリズム
518 ランプ、光源
519 反射体
520 前向き反射膜
521 光線
522 カバープレート
524 ブラックマトリクス
526 ギャップ
527 スペーサ
528 粘着シール
530 流体
532 薄板金属または成形プラスチックアセンブリブラケット
536 反射体
600 複合シャッターアセンブリ
601 シャッター
602 コンプライアントビーム
603 基板
604 アンカ構造体
605 第1の機械層
606 開口層
607 導体層
609 第2の機械層
611 封入誘電体
613 犠牲層
614 下にある導電面
700 シャッターアセンブリ
701 第1の犠牲材料
702 開口部またはビア
703 型
705 第2の犠牲材料
708 下水平レベル
709 垂直な側壁
710 上水平レベル
712 シャッター
714 アンカ
716 コンプライアントスプリングビーム
718 コンプライアントアクチュエータビーム
720 コンプライアントアクチュエータビーム
724 ポイント
725 開口層
726 基板
800 ディスプレイ装置
801 シャッターアセンブリ
802 シャッター
804 アクチュエータ
806 アンカ
808 後方光遮断層
810 前方光遮断層
811 バックライト
812 基板
814 カバーシート
816 開口
820 前方光遮断レベル
822 後方光遮断レベル
823 シャッター開口
824 側壁
825 後方光遮断レベルの部分
850a 光線
850b 光線
852a 光線
852b 光線
1002 犠牲材料の第1の層
1004 後方光遮断層
1006 凹部
1008 構造材料の第1の層
1010 近位の光遮断レベル
1011 近位のシャッター開口
1012 犠牲材料の第2の層
1014 アンカ凹部
1016 アクチュエータ凹部
1018 シャッター凹部
1020 構造材料の第2の層
1022 遠位の光遮断レベル
1024 遠位のシャッター開口
1102 シャッターアセンブリ
1104 前方光遮断層
1106 後方光遮断層
1108 開口
1110 シャッター
1112a 静電アクチュエータ
1112b 静電アクチュエータ
1114 短い光遮断部
1116 長い光遮断部
1119 シャッター開口
1120 前方光遮断レベル
1122 後方光遮断レベル
1124 側壁
1128 アンカ
1130 運動軸
1150 シャッターアセンブリ
1160 シャッター
1202 犠牲材料の第1の層
1204 基板
1206 光遮断層
1208 凹部
1210 構造材料の第1の層
1212 犠牲材料の第2の層
1214 アンカ凹部
1216 アクチュエータ凹部
1218 開口凹部
1220 構造材料の第2の層
シャッターアセンブリ302はまた、アクチュエータ303とともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のまま、かつシャッターを所定の位置で保持する。対向力は、図2に示すシャッター式光変調器200内のスプリング207などのスプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度増強膜514を含む。光ガイド516は、透明材料、すなわちガラス材料またはプラスチック材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、光ガイド516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライト515に戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1のパス上に画像を形成するためにディスプレイ装置500を離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリアレイ502中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、第2の犠牲材料705および第1の犠牲材料701の残余を除去することで完了する。その結果は図7Dに示されている。犠牲材料を除去するプロセスは、図6Eに関して説明したプロセスと同様である。型703の垂直な側壁709上に堆積された材料は、側壁ビーム716、718および720として留まる。側壁ビーム716は、アンカ714の1つをシャッター712に機械的に接続するスプリングとして働くとともに、受動的復元力をもたらし、コンプライアントビーム718および720から形成されたアクチュエータによって加えられた力に対抗する。アンカ714は、開口層725に接続する。側壁ビーム716、718および720は、高く、狭い。型703の表面から形成される側壁ビーム716、718および720の幅は、堆積されたシャッター材料の厚さと同程度である。いくつかの実装形態では、側壁ビーム716の幅は、シャッター712の厚さと同じになる。いくつかの他の実装形態では、ビーム幅は、シャッター712の厚さの約1/2のみとなる。側壁ビーム716、718および720の高さは、第2の犠牲材料705の厚さによって、または言い換えれば、図7Bに関して説明したパターニング動作中に作成された型703の深さによって決定される。堆積されたシャッター材料の厚さが約2ミクロン未満になるように選択される限り、図7Aから図7Dに示すプロセスは、非常に狭いビームの作成に好適である。実際、多くの適用例では、0.1から2.0ミクロンの範囲の厚さが非常に適している。従来型のフォトリソグラフィは、図7A、図7Bおよび図7Cに示すパターニングされる特徴体を、格段に大きい寸法に限定し、たとえば、許容される最小分解特徴体は2ミクロンまたは5ミクロン以上となる。
このパターニング段階(段階912)はまた、アンカ806および静電アクチュエータ804のビームを画定する。前方光遮断レベル1022は、基板812の上で、静電アクチュエータ804のビームの遠位端とほぼ同じ距離だけ離隔される。いくつかの実装形態では、パターニングプロセスは、アクチュエータビームの最遠位端から構造材料のごく一部を除去し得る。したがって、シャッター802の前方光遮断レベル1022は、基板812の上で、アクチュエータビームの遠位端よりわずかに遠くに離隔され得る一方で、依然としてほぼ同じ距離だけ離隔される。前の構造材料パターニング段階(段階906)と同様に、構造材料の第2の層1020が、異方性エッチおよび/または等方性エッチを含む1つまたは複数のエッチングプロセスを使用して、同様にパターニングされ得る。このパターニング段階(段階912)の結果を、図10Hに示す。次に、この構造が解放され、図8Aおよび図8Bに示すシャッターアセンブリ801がもたらされる。
図12Aから図12Hは、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1102の作製の例示的な段階の断面図を示す。図8に示すシャッターアセンブリ801と同様に、シャッターアセンブリ1102は、図9に示すのと同じ概略的作製プロセス900を使用して作製され得る。図12Aおよび図12Bに示すようにシャッターアセンブリ1102の作製は、犠牲材料の第1の層1202を堆積およびパターニングする(段階902)ステップから始まる。特に、犠牲材料の第1の層1202は、基板1204上およびパターニングされた光遮断層1206の上に堆積される。光遮断層1206は、上記で説明した光路の一部を形成する開口1108を形成するためにパターニングされている。犠牲材料の第1の層1202は、上記で説明した犠牲材料のいずれかであり得、またはいずれかを含み得る。犠牲材料の第1の層1202は、図11Aから図11Dに示すアンカ1128の基部に対する型として働くことになる凹部1208を形成するためにパターニングされる。
構造材料の第1の層1210は、シャッター1110の近位の光遮断レベル、すなわち、後方光遮断レベル1122およびシャッター開口1119を画定するためにパターニングされる(段階906)。このパターニングプロセスでは、構造材料の第1の層1210は、それが後方光遮断レベル1122を形成することになる場所を除いて除去される。シャッター開口1119は、後方光遮断レベル1122の長さに対して中心を外れるようにパターニングされ、それによって、短い遮光部1114および長い遮光部1116のサイズが画定される。いくつかの実装形態では、パターニングは、構造の水平面上の不要な構造材料を除去するための異方性エッチと、凹部1208の側壁など、構造の垂直面上の不要な構造材料を除去するための等方性エッチとの2つのエッチを使用して遂行される。このパターニングプロセスの結果を、図12Dに示す。
次に、構造材料の第2の層1220が、シャッター1110の遠位の光遮断レベル、すなわち前方光遮断レベル1120を画定するためにパターニングされる(段階912)。同時に、構造材料の第2の層1220は、アンカ1128、アクチュエータ1112aおよび1112bを画定するため、および構造材料の第2の層によって覆われたシャッター開口1119を再び開口させるためにパターニングされる。以前の構造材料パターニング段階と同様に、構造材料の第2の層1220が、単一の等方性エッチ、または異方性エッチおよび等方性エッチを含む2段階エッチプロセスを使用してパターニングされ得る。その結果得られた構造を、図12Hに示す。パターニング段階(段階912)の後、構造が解放され、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1102がもたらされる。
図13は、図11Aから図11Dに示すシャッターアセンブリ1102を製造する方法1300の別の表現のフロー図を示す。方法は、第1の光遮断層内に第1の開口を画定する(段階1302)ステップと、第1の光遮断層の上に犠牲材料の第1の層を堆積する(段階1304)ステップと、犠牲材料の第1の層の上に構造材料の少なくとも第1の層を堆積する(段階1306)ステップとを含む。方法1300は、シャッターの外周およびシャッターを通るシャッター開口を画定するために構造材料の少なくとも第1の層をパターニングするステップであって、シャッターの(図11Aから図11Cに示す)運動軸1130に沿ってシャッター開口の両側に配置された非対称の第1および第2の光遮断部をシャッターが含むようにシャッター外周およびシャッター開口が構成される、パターニングする(段階1308)ステップと、運動軸に沿ってシャッターを、第1および第2の光遮断部のいずれもが第1の開口を通過する光を実質的に遮らない弛緩状態、第1の光遮断部が第1の開口を通過する光の一部を遮る第1の作動状態、および第2の光遮断部が第1の開口を通過する光の実質的にすべてを遮る第2の作動状態に移動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを画定するために構造材料の少なくとも第1の層をパターニングするステップ(段階1310)とをさらに含む。

Claims (24)

  1. 第1の光遮断層であって、前記第1の光遮断層内に形成された第1の開口を含む、第1の光遮断層と、
    前記第1の光遮断層の上に懸架されたシャッターとを備え、前記シャッターが、
    前記第1の光遮断層に実質的に垂直に配向された側壁と、
    前記第1の光遮断層に近接して置かれた前記側壁の第1の端部に結合され、その端部から外に延び、その端部を囲む、近位の光遮断レベルと、
    前記近位の光遮断レベルに対する前記第1の光遮断層の遠位に置かれた前記側壁の第2の端部に結合され、その端部から外に延び、その端部を囲む、遠位の光遮断レベルとを含む、装置。
  2. 前記シャッターが、
    前記遠位の光遮断レベルを通して画定された遠位のシャッター開口と、
    前記近位の光遮断レベルを通して画定された近位のシャッター開口とを含み、前記近位のシャッター開口が前記遠位のシャッター開口と整列される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記近位の光遮断レベルおよび前記遠位の光遮断レベルのうちの1つの一部が、前記近位の光遮断レベルまたは前記遠位の光遮断レベルの別の部分より実質的に厚い、請求項1に記載の装置。
  4. 前記近位の光遮断レベルまたは前記遠位の光遮断レベルのより厚い前記部分が、前記シャッターが閉位置にあるときに、より厚い前記部分が前記第1の光遮断層によって画定される前記第1の開口と一直線上にあるように、前記シャッター内のある位置にある、請求項3に記載の装置。
  5. 閉位置において、前記近位の光遮断レベルの一部が前記第1の光遮断層内に画定された前記第1の開口の端部に重なり、前記遠位の光遮断レベルの一部が第2の光遮断層内に画定された第2の開口の端部に重なるように、前記シャッターが構成される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記第2の光遮断層が、前記シャッターの、前記第1の光遮断層と反対側に配置される、請求項5に記載の装置。
  7. 前記遠位の光遮断レベルが前記第2の光遮断層から離隔される距離とほぼ同じ距離だけ、前記近位の光遮断レベルが、前記第1の光遮断層から離隔される、請求項6に記載の装置。
  8. 前記シャッターの、前記第1の光遮断層と反対に配置された第2の光遮断層から前記遠位の光遮断レベルが離隔される前記距離と約3ミクロン未満異なる距離だけ、前記近位の光遮断レベルが、前記第1の光遮断層から離隔される、請求項6に記載の装置。
  9. 前記シャッターを、前記開口を通る光路の中におよび外に移動させるための静電アクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  10. 前記静電アクチュエータが、前記シャッターに隣接して配置された少なくとも1つのビーム電極を含み、前記近位の光遮断レベルが、基板の上に、前記ビーム電極の近位端とほぼ同じ高さに配置される、請求項9に記載の装置。
  11. 前記遠位の光遮断レベルが、基板の上に、前記ビーム電極の遠位端とほぼ同じ高さに配置される、請求項10に記載の装置。
  12. 前記シャッターを含むディスプレイと、
    前記ディスプレイと通信するように構成され、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
    前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスとを備える、請求項1に記載の装置。
  13. 前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路をさらに備え、
    前記プロセッサが、前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
  14. 前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備え、前記画像ソースモジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の装置。
  15. 入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサに通信するように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項12に記載の装置。
  16. ディスプレイ要素を作製するための方法であって、
    基板の上に犠牲材料の第1の層を堆積およびパターニングするステップと、
    犠牲材料の前記パターニングされた第1の層の上に構造材料の第1の層を堆積するステップと、
    シャッターの近位の光遮断レベルを画定するため、および第1のシャッター開口を画定するために、構造材料の前記第1の層をパターニングするステップと、
    構造材料の前記パターニングされた第1の層の上に犠牲材料の第2の層を堆積およびパターニングするステップと、
    犠牲材料の前記パターニングされた第2の層の上に構造材料の第2の層を堆積するステップと、
    前記シャッターの遠位の光遮断レベルを画定するために構造材料の前記第2の層をパターニングするステップとを含む、方法。
  17. 犠牲材料の前記第2の層をパターニングするステップが、前記シャッターの前記近位の光遮断レベルを形成する構造材料の前記第1の層の一部に向けて下に延びる、犠牲材料の前記第2の層内の凹部を形成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 構造材料の前記第2の層を堆積するステップが、構造材料の前記第1の層の一部の上に構造材料の前記第2の層の一部を直接堆積するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 第2のシャッター開口が構造材料の前記第1の層内に画定された前記第1のシャッター開口と整列するように、構造材料の前記第2の層内に第2のシャッター開口を画定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記第2のシャッター開口が、前記基板と、犠牲材料の前記第1の層と、犠牲材料の前記第2の層とを含む材料積層体の上部に配置された構造材料の前記第2の層の一部の中に画定される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第2のシャッター開口が、犠牲材料の前記第2の層内にパターニングされた凹部の底に配置された構造材料の前記第2の層の一部の中に画定される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記近位および前記遠位の光遮断レベルを解放するために、犠牲材料の前記第1および前記第2の層を除去するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  23. 前記近位の光遮断レベルおよび前記シャッター開口を画定するステップが、前記近位の光遮断レベルの第2の対向する端部より前記近位の光遮断レベルの第1の端部により近く、前記シャッター開口を画定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  24. 前記第1のシャッター開口と前記第1の端部との間の距離が、前記第1のシャッター開口と前記第2の対向する端部との間の前記距離の約半分となるように、前記近位の光遮断レベルおよび前記第1のシャッター開口が画定される、請求項23に記載の方法。
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