JP2016512459A - 抗血栓および抗菌処理が施されたデバイス - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年3月11日に出願された米国仮特許第61/776,104号(発明の名称「Novel Enhanced Devices with Anti-Thrombogenic Coatin」)の優先権の利益を主張し、また、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年9月18日に出願された米国仮特許第61/879,623号(発明の名称「Novel Enhanced Devices with Anti-Thrombogenic and Anti-Microbial Coating」)の優先権の利益を主張する。
本開示は、医療デバイスを処理するための製剤、溶液と接触した医療デバイスの組合せ、医療デバイスを処理、コーティングまたは含浸するための方法、処理、コーティングまたは含浸された医療デバイス、および医療デバイスの臨床的使用のための方法に関する。
石油化学工業からの主要原材料である4−クロロ−アニリン(PCA)の容易な利用可能性、ならびに1950年代の英国における殺菌薬および局所消毒薬としてのImperial Chemical Industriesによる推進に起因して、クロルヘキシジンは、大量および低コストで合成され、消毒液として世界中で広く使用されている。クロルヘキシジンおよびアレキシジンは、ビグアニド化合物である。アレキシジンは、市販されているが、アレキシジン合成に関与する合成ステップの数がより多いことに起因して、クロルヘキシジンよりも高価である。出発材料である2−エチル−ヘキシルアミンは、大量には容易に利用できず、アレキシジンのより高いコストをもたらす。アレキシジンの別の課題は、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)と比較して、水に対する溶解度が比較的低いことである。CHGは、水に極めて可溶性であり、そのため口内洗浄液、コンタクトレンズ溶液、石鹸、および殺菌液等の用途に広く使用されている。これらの課題にも関わらず、本開示は、アレキシジンで処理、コーティングもしくは含浸(またはそれらの任意の組合せ)された医療デバイスを開示し、新規な改善された組成物、デバイス、および方法を提供する。
本開示は、血管または体内の空洞と接触するように適合された医療デバイスであって、抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含む、コーティングまたは含浸物のうちの少なくとも1つである外側物質を含む外側表面と、抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含む、コーティングまたは含浸物のうちの少なくとも1つである内側物質を含む内側表面とを備える、管状部分を含む医療デバイスを提供する。
さらに、外側物質および内側物質が、非アレキシジン溶質を含む、上記医療デバイスが包含される。さらに、外側物質が、外側物質中に存在する全ての溶質で構成される外側物質溶質群であって、少なくとも1種の非アレキシジン溶質を含む外側物質溶質群を含む、上記医療デバイスが提供される。医療デバイスは、内側物質中に存在する全ての溶質で構成される内側物質溶質群であって、少なくとも1種の非アレキシジン溶質を含む内側物質溶質群をさらに含み、(i)外側物質溶質群は、内側物質溶質群と同じではない、または(ii)少なくとも1種の溶質が、外側物質溶質群中では、内側物質溶質群中の濃度とは異なる濃度である。製造された医療デバイス中の溶質の含量を測定する上で、いかなる測定でも、アセトンまたはメタノール等の溶媒が除外されることが、当業者に理解される。残留溶媒は、溶質の決定の時点で存在してもよく、または存在しなくてもよい。
また、少なくとも1種の特徴的な溶質が、(i)医療デバイスに共有結合していないポリウレタンポリマー、または(ii)酢酸イオンもしくはグルコン酸イオンであるイオンを含む、上記医療デバイスが包含される。
また、外側物質が、約500μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが包含される。また、外側物質が、約300μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。また、外側物質が、約100μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
さらに別の実施形態において、外側表面が、血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度は、同じ前記濃度のクロルヘキシジンを含む外側表面を有する比較医療デバイスが、血栓形成イベントを検出可能な程低減することができないような濃度である、上記医療デバイスが提供される。
また、外側表面が、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して0〜50%の範囲内である低い範囲まで血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度が、同じ前記濃度のクロルヘキシジンを含む外側表面を有する比較医療デバイスが、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して90.0〜99.9%の範囲まで血栓形成イベントを低減することができるような濃度である、上記医療デバイスが提供される。
さらに、アレキシジン、アレキシジン塩酸塩、アレキシジン二塩酸塩、アレキシジン一酢酸塩、アレキシジン二酢酸塩、アレキシジングルコン酸塩、またはアレキシジン二グルコン酸塩の1種または複数種を含む、上記医療デバイスが包含される。
別の態様において、医療デバイスにより含まれるアレキシジンが、血液凝固時間の測定のためにヒト全血を使用して測定されるアレキシジンを含まない対照医療デバイスによる血液凝固時間と比較して、少なくとも150%の血液凝固時間の変化または少なくとも50%の血液凝固時間の増加をもたらすのに十分な濃度である、上記医療デバイスが提供される。
また、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも100マイクログラム、(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも10マイクログラム、または(iii)外側表面面積のcm2当たり少なくとも100マイクログラムおよび内側表面面積のcm2当たり少なくとも10マイクログラムのうちの1つである、上記医療デバイスが企図される。
別の態様において、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも200マイクログラム、(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも20マイクログラムの一方もしくは両方、または(iii)外側表面面積のcm2当たり少なくとも200マイクログラムおよび内側表面面積のcm2当たり少なくとも20マイクログラムである、上記医療デバイスが提供される。
また、カテーテル、カニューレ、細長管、弁、または埋設用ポートのうちの1つまたは複数を備える、上記医療デバイスが提供される。また、血管系、尿路、または呼吸器系のうちの1つまたは複数と接触するようにまたはそれに挿入されるように適合された、上記医療デバイスが提供される。排他的な実施形態において、クロルヘキシジンを含まない上記医療デバイスが提供される。
使用方法の実施形態において、本開示は、哺乳動物対象内に医療デバイスを留置する(store)ための方法であって、医療デバイスは、少なくとも部分的に血管腔内に位置し、方法は、(i)医療デバイスの少なくとも一部を、血管腔内に挿入するステップと、続いて、(ii)溶液を投与する、生体液を引き出す、または溶液を投与すると共に生体液を引き出すステップと、続いて、(iii)血管腔から医療デバイスを引き出すステップとを含み、医療デバイスは、血管系内の血液と接触することができる表面を備え、医療デバイスは、抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含み、使用中、アレキシジンは、血栓形成イベントを低減することができ、また微生物活性を低減することができる方法を提供する。
さらに、医療デバイスが外側表面を備え、アレキシジン含量が、外側表面面積のcm2当たり少なくとも50マイクログラムであり、医療デバイスの外側表面により含まれるアレキシジンが、血液凝固時間を測定するためにヒト全血を使用し、アレキシジンを含まない対照医療デバイスによる血液凝固時間と比較して、少なくとも125%の血液凝固時間の変化または少なくとも25%の血液凝固時間の増加をもたらすのに十分である、上記方法が提供される。
さらに別の方法の実施形態において、医療デバイスが、内側表面および外側表面を備え、外側表面は、コーティング、含浸物、またはコーティングおよび含浸物の両方と定義される外側物質を含み、外側物質は、アレキシジンを含み、内側表面は、コーティング、含浸物、またはコーティングおよび含浸物の両方と定義される内側物質を含み、内側物質は、アレキシジンを含み、外側物質中のアレキシジンの濃度は、内側物質中のアレキシジンの濃度よりも高い、上記方法が提供される。
また、外側表面が、第1の時間枠の間溶液と接触され、内側表面が、第2の時間枠の間溶液と接触され、第1の時間枠は、第2の時間枠と少なくとも部分的に重複する、上記製造方法が提供される。
また、第1の溶液が、テトラヒドロフランおよびメタノールの一方もしくは両方を含み、または、第2の溶液が、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、クエン酸、およびクエン酸三ナトリウム塩のうちの1種もしくは複数を含む、上記製造方法が提供される。
溶液の実施形態において、本開示は、医療デバイスをアレキシジンでコーティングするもしくは含浸する、またはコーティングすると共に含浸するように構成された溶液であって、(i)少なくとも0.05%のアレキシジンと、(ii)テトラヒドロフラン(THF)およびメタノール、THFおよびエタノール、またはTHFおよびイソプロピルアルコール、またはTHFおよびクエン酸、またはTHFおよびイソプロピルアルコールおよびクエン酸を含む溶媒とを含む溶液を提供する。また、可溶性ポリマーをさらに含む上記溶液が提供される。また、可溶性ポリウレタンである可溶性ポリマーをさらに含む上記溶液が提供される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、アレキシジンではない第1の溶質を含み、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、アレキシジンではない第2の溶質を含み、(i)第1の溶質が、化学組成の点で第2の溶質と同じではない、または(ii)第1の溶質が、医療デバイスにおいて第2の溶質と異なる濃度で存在する、上記医療デバイスが包含される。
代替の測定単位、例えば、約50マイクロメートルの深さまでマイクログラム毎平方センチメートル、約100マイクロメートルの深さまでマイクログラム毎平方センチメートル、約1ミリメートルの深さまでマイクログラム毎平方センチメートル、約2ミリメートルの深さまでマイクログラム毎平方センチメートル等が使用されてもよい。他の代替の単位、例えば、ピコグラム毎立方ミリメートル、ナノグラム毎立方ミリメートル、マイクログラム毎立方ミリメートル等が使用されてもよい。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約400μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約300μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約150μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約100μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約85μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが企図される。
また、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約80μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが企図される。
加えて、外側コーティング、含浸物、またはその両方が、約70μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスがさらに提供される。
本開示により包含される内側コーティング、含浸物、またはその両方を有する内側表面は、以下を含む。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約300μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約200μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約100μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約85μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約70μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが企図される。
また、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約60μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが企図される。
加えて、内側コーティング、含浸物、またはその両方が、約30μg/cm2未満の第1の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスがさらに提供される。
「約」という言葉を有さない実施形態において、コーティング、含浸物、またはその両方が、400μg/cm2未満である、300μg/cm2未満である、200μg/cm2未満である、150μg/cm2未満である、100μg/cm2未満である、約85μg/cm2未満である、80μg/cm2未満である、約75μg/cm2未満である、70μg/cm2未満である、65μg/cm2、60μg/cm2、55μg/cm2、50μg/cm2、45μg/cm2、40μg/cm2、35μg/cm2、30μg/cm2未満等である濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、上記医療デバイスが提供される。これらの濃度は、外側コーティング(含浸物、またはその両方)、内側コーティング(含浸物、またはその両方)、外側コーティング(含浸物、またはその両方)のために構成された溶液、および内側コーティング(含浸物、またはその両方)のために構成された溶液に適用することができる。
別の態様において、外側表面が、血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度は、同じ前記濃度のクロルヘキシジンを含む外側表面を有する比較医療デバイスが、血栓形成イベントを検出可能な程低減することができないような濃度である、上記医療デバイスが提供される。
さらに別の態様において、外側表面が、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して0〜50%の範囲内である比較的高い程度まで血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度は、同じ前記濃度のクロルヘキシジンを含む外側表面を有する比較医療デバイスが、90.0〜99.9%の範囲内である比較的低い程度まで血栓形成イベントを低減することができるような濃度であり、非阻害血栓形成イベントレベルは100%と定義される、上記医療デバイスが提供される。
さらに、本開示はまた、アレキシジン、アレキシジン塩基、アレキシジン塩酸塩、アレキシジン二塩酸塩、アレキシジン一酢酸塩、アレキシジン二酢酸塩、アレキシジングルコン酸塩、またはアレキシジン二グルコン酸塩の1種または複数種を含む、上記医療デバイスを包含する。
さらに、医療デバイスにより含まれるアレキシジンが、ヒト全血を使用して測定されるアレキシジンを含まない対照医療デバイスによる血液凝固時間と比較して、少なくとも150%の血液凝固時間の変化(血液凝固時間の50%の増加)をもたらすのに十分な濃度である、上記医療デバイスが提供される。好ましくは、但しいかなる限定も示唆しないが、ヒト全血を使用した凝固は、本開示からの例を使用して測定される。
別の態様において、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも50マイクログラム、および(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも5マイクログラムの一方または両方である、上記医療デバイスが提供される。
別の態様において、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも75マイクログラム、および(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも10マイクログラムの一方または両方である、上記医療デバイスが提供される。
別の態様において、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも200マイクログラム、および(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも40マイクログラムの一方または両方である、上記医療デバイスが提供される。
別の態様において、アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも300マイクログラム、および(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも100マイクログラムの一方または両方である、上記医療デバイスが提供される。
また、アレキシジンがバルク分布している、上記医療デバイスが提供される。
さらに、カテーテル、カニューレ、細長管、弁、または埋設用ポートのうちの1つまたは複数を備える、上記医療デバイスが提供される。
また、クロルヘキシジンを含まない上記医療デバイスが提供される。また、トリクロサンを含まない、銀を含まない、またはトリクロサンおよび銀を含まない上記医療デバイスが提供される。
コーティング、含浸物、またはその両方のポリマーの実施形態において、スルホベタイン、ポリスルホベタイン、カルボキシベタイン、ポリカルボキシベタイン、またはスルホベタインおよびカルボキシベタインの両方、または両方のElast−Eon(登録商標)を含むポリマーであるコーティング、含浸物、またはその両方を備える、上記医療デバイスが提供される。スルホベタインまたはカルボキシベタインをベースとしたコーティング、含浸物、またはコーティングおよび含浸物の組合せは、異なる製造プロセスにおいて医療デバイスに適用される。
医学的使用方法の実施形態において、哺乳動物対象内に医療デバイスを留置するための方法であって、医療デバイスが、少なくとも部分的に血管腔内に位置し、方法が、(i)医療デバイスの少なくとも一部を、血管内に挿入するステップと、続いて、(ii)溶液を投与する、生体液を引き出す、または溶液を投与すると共に生体液を引き出すステップと、続いて、(iii)血管から医療デバイスを引き出すステップとを含み、医療デバイスが、血管系内の血液と接触することができる表面を備え、医療デバイスが、抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含み、使用中、アレキシジンが、血栓形成イベントを低減することができ、また微生物活性を低減することができる、方法が提供される。
別の製造の態様において、外側表面が、第1の時間枠の間溶液と接触され、内側表面が、第2の時間枠の間溶液と接触され、第1の時間枠は、第2の時間枠と少なくとも部分的に重複する、上記方法が提供される。
また、第1の溶液のアレキシジン濃度が、第2の溶液としてのアレキシジン濃度と同じではない、上記製造方法が提供される。
上記製造方法の別の態様において、接触させるステップが、ディッピング、浸漬、噴霧、またはワイピングのうちの1つまたは複数を含む、上記方法が提供される。
また、上記製造方法は、第1の溶媒が、テトラヒドロフランおよびメタノールの一方もしくは両方を含む、または、第2の溶媒が、テトラヒドロフランおよびメタノールの一方もしくは両方を含む方法を包含する。また、(i)第1の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含む、(ii)第2の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含む、(iii)第1の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含み、第2の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含む、または(iv)第1の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含有し、第2の溶媒が、可溶性プラスチックポリマーを含有しない、上記方法が包含される。
本開示は、上記実施形態の全ての可能な組合せを包含し、また従属請求項を有する各独立請求項の全ての可能な開示を包含する。例えば、請求項1+請求項2の組合せ、または請求項1+請求項2+請求項3の組合せ、または請求項1+請求項3+請求項4の組合せ、または請求項1+請求項2+請求項3+請求項4の組合せ等である発明が包含される。
「〜ように適合される」、「〜ために(〜ように)構成される」、および「〜することができる」という用語は、同じことを意味する。請求項の組においてこれらの用語の2つ以上が使用されている場合、これらの用語の1つ1つは、それらが生じ得るとしても、「〜することができる」を意味する。
長手方向の外観を有するアセンブリ、例えばシースおよび拡張器のアセンブリ等の医療デバイスの文脈において、「近位」という用語は、一般に、医師に最も近いアセンブリの末端を指し、一方「遠位」は、一般に、患者に挿入される末端を指す。「近位から遠位への移動」または「近位から遠位への力」という用語が使用される場合、これらの用語は、デバイスが患者に対して使用されている状況を指してもよく、また医師および患者が存在しない概念的な状況であってもよい。
医療デバイスの処理は、コーティング、含浸、コーティングおよび含浸の組合せ、ならびに表面開始重合を含み得る。コーティングと含浸とは区別される。一般に、コーティングは、医療デバイスの外部表面上に位置する、またはそれに付着する。コーティング厚は、限定されないが、約1ナノメートル(nm)、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約500nm、約1.0マイクロメートル(μm)、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1ミリメートル(mm)等であってもよく、医療デバイスの表面付近から延在する。コーティングに使用される材料は、医療デバイス内に延在してもよく、このコーティングの態様は、含浸と呼ぶことができる。含浸は、限定されないが、医療デバイスの表面からコアまで、約10ナノメートル(nm)、約50nm、約100nm、約500nm、約1.0マイクロメートル(μm)、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1ミリメートル(mm)等だけ延在してもよい。「コーティング」または「含浸」という用語の使用は、コーティングまたは含浸が機能的により重要であるかどうかに依存し得る。代替として、いかなる限定も示唆しないが、「コーティング」という用語は、重量の点または分子数の点での抗菌剤の量が、表面上に実質的に位置し、また医療デバイスの中実部分内に実質的に位置していない場合に使用され得る。また、「含浸」という用語は、抗菌剤が医療デバイスの中実部分内に実質的に位置している場合、および表面に結合している量が比較的実質的でない場合に使用され得る。
デバイス表面上での表面開始重合は、開始剤および触媒を利用して、限定されないが、約10ナノメートル(nm)、約50nm、約100nm、約500nm、約1.0マイクロメートル(μm)、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1ミリメートル(mm)等だけ医療デバイスの表面から外向きに延在し得る、表面上の薄層を重合する。
コーティングされる抗菌剤は、イオン結合、親水性相互作用、親油性相互作用、親水性および親油性相互作用の組合せ、ファンデルワールス力、共有結合等、またはそれらの任意の組合せによりポリマーマトリックスに結合し得る。含浸される抗菌剤は、イオン結合、親水性相互作用、親油性相互作用、親水性および親油性相互作用の組合せ、ファンデルワールス力、共有結合等、またはそれらの任意の組合せによりポリマーマトリックスに結合し得る。
「バルク分布している」という用語は、バルク製造方法により得られたものの特徴である抗菌剤の分布を指し得る。分布は、例えば、抗菌剤の個々の分子間の平均距離に関して、または抗菌剤の個々の分子間の距離を説明するいくつかの他の統計的パラメータに関して表現され得る。バルク分布は、限定されないが、抗菌剤の存在下でモノマーを混合して、それからポリマーを形成すること、溶融したポリマーに抗菌剤を添加すること、粉砕した固体ポリマーに抗菌剤を添加すること、ポリマービーズに抗菌剤を添加すること等を含むことができる。医療デバイス全体にわたり延在する含浸、およびデバイス全体にわたる延在が3次元分布において実質的に均一である場合、含浸は、バルク分布として特徴付けることができる。
医療デバイスの「外側表面」と関連するコーティングは、例えば、コーティングの原子または分子が医療デバイスの外部上に実質的に位置するコーティング、例えば、原子または分子が、付着または物理吸着または化学吸着により、本質的に外部表面上にある医療デバイス内の部位に関連するコーティングであってもよい。また、医療デバイスの「外側表面」と関連するコーティングは、例えば、コーティングの原子または分子が、本質的に外部表面にある医療デバイス内の部位、および、例えば50マイクロメートル(μm)まで、100μmまで、200μmまで、500μmまで、1,000μm(1mm)まで、2mmまで、5mmまで等の深さのより深い吸収部位への吸収により、医療デバイスの外部表面に実質的に位置する(吸着した)コーティングであってもよい。好ましくは、但し限定されないが、コーティングが医療デバイスの表面下に位置する抗菌剤を包含する場合、抗菌剤は、細孔、空洞、隙間内等の表面領域に結合する。
管腔表面または空洞の表面等の「内側表面」と関連するコーティングは、原子または分子が、吸着(主に管腔の表面との分子相互作用)、含浸、または吸着および含浸の組合せにより関連するコーティングであってもよい。コーティングまたはコーティングの成分が吸着する場合、分子相互作用は、共有結合的、非共有結合的、またはそれらの混合であってもよい。また、コーティングまたはコーティングの成分が吸収される(含浸される)場合、分子相互作用は、共有結合的、非共有結合的、またはそれらの混合であってもよい。
外側溶液対内側溶液の相対アレキシジン濃度
外側コーティング(もしくは外側含浸、または外側コーティングおよび外側含浸の組合せ)を適用するために使用される第1の溶液は、内側コーティング(もしくは内側含浸、または内側コーティングおよび内側含浸の組合せ)を付与するために使用される第2の溶液よりも高い濃度のアレキシジンを含有してもよく、第1の溶液中の濃度は、第2の溶液中の濃度よりも少なくとも1.5倍高い、少なくとも2.0倍高い、少なくとも2.5倍高い、少なくとも3.0倍高い、少なくとも3.5倍高い、少なくとも4.0倍高い。
コーティングされた医療デバイスの外側コーティング中または内側コーティング中のアレキシジンは、0.10mm、0.20mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm等の深さまで測定され得る。例えば、内側コーティングは、管腔の表面上または空洞の表面上に位置し得る。
主に吸着された(表面コーティングされた)、主に含浸された、または吸着および含浸の組合せであるコーティング中に存在する化学薬品または組成物の量は、以下のように測定され得る。1平方センチメートルの表面積をカテーテルから切り出して、おおよそ立方体の形状を得ることができ、立方体の面の1つは、1平方センチメートルである。次いで、立方体全体を分析のために溶解することができる。
この分析方法は、表面コーティングのみが施された量、含浸のみが施された量を測定するため、またはこれらの組合せの量を測定するために好適である。コーティング手順が主に吸着をもたらす場合(表面コーティング)、検出される量は、面積当たりの化学薬品の重量、体積当たりの化学薬品の重量、またはカテーテルの重量当たりの化学薬品の重量の単位に関して表現され得る。コーティング手順が実質的に含浸をもたらす場合、またはコーティング手順がバルク分布をもたらす場合、好ましい単位は、体積当たりの化学薬品の重量、またはカテーテルの重量当たりの化学薬品の重量である。また、表面積は、例えば1平方ミリメートルであってもよく、体積は、例えば1立方ミリメートルであってもよい。領域は、四角形構造を有する必要はなく、円形、不定形等であってもよい。
内側コーティングの場合、好ましい限定されないアレキシジン含量は、約4〜70マイクログラム/cm2(μg/cm2)であってもよい。実施形態において、内側コーティング中のアレキシジン含量は、少なくとも1μg/cm2、少なくとも5μg/cm2、少なくとも10μg/cm2、少なくとも20μg/cm2、少なくとも40μg/cm2、少なくとも60μg/cm2、少なくとも80μg/cm2、少なくとも100μg/cm2、少なくとも120μg/cm2、少なくとも140μg/cm2、少なくとも160μg/cm2、少なくとも180μg/cm2、少なくとも200μg/cm2、少なくとも220μg/cm2、少なくとも240μg/cm2、少なくとも260μg/cm2等であってもよい。
バルク分布
材料は、医療デバイス全体にバルク分布していてもよい。バルク分布した材料、物質、化学薬品、または化学組成物は、外部表面および外部表面より深い全ての点に存在し得る。本開示は、物質がまたバルク分布した医療デバイスの外部にも付着する、バルク分布した物質を有する医療デバイスを提供する。代替として、本開示はまた、バルク分布した医療デバイスの外部に付着する物質のほとんどまたは全てが、適切な溶液、例えば塩溶液中での洗浄により除去される、バルク分布した物質を有する医療デバイスを提供する。排他的実施形態において、本開示は、バルク分布したクロルヘキシジン、またはいくつかの他のバルク分布した抗菌剤等のバルク分布した化合物を含むデバイスを除外し得る。
限定されない実施形態において、本開示は、アレキシジンがバルク分布した医療デバイス、または他の器具もしくはデバイスを提供する。プラスチックポリマーまたはゴム内のバルク分布は、例えば、デバイス全体にわたる実質的に均一な分布を可能にするのに十分な期間浸漬することにより達成され得る。代替として、バルク分布は、固体デバイスを形成する前に、例えば熱硬化、圧縮成形、射出成形、押出、発泡剤による発泡等の前またはその間に、ポリマーのスラリー、粉末、粘稠性溶液中にアレキシジンを含めることにより達成され得る(例えば、Brazel and Rosen (2012) Fundamental Principles of Polymeric Materials, 3rd ed., Wiley, New York, NYを参照されたい)。
バルク分布したアレキシジンは、医療デバイス全体を溶解し、ポリマーを沈殿させ、HPLC等の標準的方法によりアレキシジンを定量することにより測定され得る。
本開示は、押出により処理された医療デバイス、例えば管状部材を備える医療デバイスを提供する。押出において、溶融された均質熱可塑性材料は、ダイを介して、プラスチックポリマーで作製された医療デバイス等の固体表面上に直接適用される。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Onwumereの米国特許第5,328,698号を参照されたい。好ましい押出の実施形態において、アレキシジンは、カテーテル管を押し出す時点でポリマーに添加され、それによって熱による分解を最小限化する。
本開示は、内側表面(空洞;管腔)および外側表面を有する管状部材を備えるデバイス等の医療デバイスであって、内側表面は、第1のコーティングを備え、外側表面は、第2のコーティングを備え、第1のコーティングの組成は、第2のコーティングの組成と同じではない医療デバイスを提供する。例えば、本開示は、内側コーティングが外側コーティングのアレキシジン濃度と異なるアレキシジン濃度を有するカテーテルを包含する。方法の実施形態において、医療デバイスをコーティングまたは含浸するための方法であって、医療デバイスは、内側表面と、前記内側表面により画定される空洞または管腔とを備え、医療デバイスは、外側表面または外部表面をさらに備え、方法は、第1の製剤を内側表面に接触させるステップと、第2の製剤を外側表面に接触させるステップとを含み、第1および第2の製剤は、互いに異なる組成を有する方法が提供される。外側コーティングに対する内側コーティング中のアレキシジン濃度は、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも5.0倍等だけ異なってもよい。また、内部コーティングに使用される処理製剤中に使用されるアレキシジンの濃度は、外側コーティングに使用される処理製剤中のアレキシジンの濃度と異なってもよく、これらの濃度は、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも5.0倍等だけ異なってもよい。
時間の実施形態において、医療デバイスを製剤で処理する方法は、30秒以内、60秒以内、2分以内、4分以内、6分以内、8分以内、10分以内、15分以内、20分以内、30分以内、40分以内、50分以内、60分以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内等の間、医療デバイスを製剤に接触させるステップを含む。他の時間の実施形態は、30〜60秒、1〜2分、2〜4分、1〜4分、1〜5分、5〜10分、5〜20分、10〜60分等を含む。本開示は、接触させる、処理する、ディッピングする、コーティングする、含浸するステップを提供し、また、抗菌的に有効な量、または抗血栓的に有効な量の一方または両方のアレキシジンがコーティングまたは含浸されることを確実にする時間を提供する。
いかなる限定も示唆しないが、「ディッピング」は、デバイスが比較的短期間、例えば数分の1秒、数秒、または1分未満の間、部分的または完全に浴に浸される行為を指す。ディッピングの後、デバイス上に残留浴溶液があってもよく、またはなくてもよく、残留浴溶液からデバイス内への溶質または溶媒の連続的な移動があってもよく、またはなくてもよい。いかなる限定も示唆しないが、「浸漬」は、デバイスが比較的長期間、例えば1分を超えて、1時間を超えて、8〜10時間、10〜15時間、15〜20時間等の間、部分的または完全に浴に浸される行為を指す。「ワイピング」は、クロス、布地、またはマトリックスをデバイスの上で引くことによりデバイスを溶液に接触させる行為を指し、クロス、布地、またはマトリックスは、浴溶液で含浸されている。いかなる限定も示唆しないが、ワイピングの場合、任意の残留溶液は、ディッピングまたは浸漬の場合と対照的に最小限である。
内部が第1の製剤(A)で処理され、外部が第2の製剤(B)で処理される実施形態において、第1の製剤(A)による内部の接触および第2の製剤(B)による同じ内部の接触が、いくつかの実施形態において、(A)/(B)=80/20超、(A)/(B)=85/15超、(A)/(B)=90/10超、(A)/(B)=95/5超、(A)/(B)=98/2超、(A)/(B)=99/1超、(A)/(B)=99.9/0.1超等の比で生じる。また、外部が第1の製剤(C)で処理され、内部が第2の製剤(D)で処理され、第1の製剤(C)による外部の接触および第2の製剤(D)による同じ外部の接触が、ある特定の実施形態において、(C)/(D)=80/20超、(C)/(D)=85/15超、(C)/(D)=90/10超、(C)/(D)=95/5超、(C)/(D)=98/2超、(C)/(D)=99/1超、(C)/(D)=99.9/0.1超等の比で生じる実施形態が企図される。これらの比は、例えば、接触時間、特定の溶質の相対濃度、アレキシジンの相対濃度、特定の溶媒の相対濃度等を指すことができる。排他的実施形態において、比が上で開示されたパラメータの1つに該当する医療デバイス、または処理する方法が除外され得る。
いかなる限定も示唆しないが、「抗血栓的に有効な」量は、血液凝固のいくつかの態様を、最大値の100%未満まで、最大値の95%未満まで、最大値の90%未満まで、最大値の85%未満まで、最大値の80%未満まで、75%未満まで、70%未満まで、65%未満まで、60%未満まで、55%未満まで、50%未満まで、40%未満まで、30%未満まで、20%未満まで、10%未満まで、5%未満まで、2%未満まで、1%未満まで等に低減する量を包含する。
抗血栓活性は、完全に液相中でのアッセイ、血塊の形成を検出するアッセイ、発色基質を使用するアッセイ、プロトロンビンからトロンビンへの変換等の特定の血液凝固タンパク質の活性化を検出するアッセイ、血小板活性化のためのアッセイ等により測定され得る。いかなる限定も示唆しないが、「血栓形成イベント」は、血塊の形成、血小板の活性化、トロンビンからプロトロンビンへの変換、発色基質の触媒的切断、プロトロンビン内の活性化ペプチド結合の1つまたは複数の切断、第X因子の活性化、フィブリノゲンからフィブリンへの変換等のうちの1つまたは複数を包含する。
限定されない実施形態において、溶解したポリマー、例えば溶解したポリウレタンを含有する溶液でのコーティング(もしくは含浸、またはコーティングおよび含浸の組合せ)は、ガイドワイヤと任意の内側コーティングとの間の相互作用を回避するために、外側コーティングにのみ好ましく、内側コーティングには好ましくない。以下のポリマーのリストはまた、コーティング可能な医療デバイスにより含まれる化学組成物を特定するのに役立つ。換言すれば、本開示のコーティング可能な医療デバイスのポリマー成分は、部分的に、主に、または完全に、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリシロキサン、または本明細書に開示されるような他のポリマーのいずれかを含んでもよい。
開示されるポリマーは、医療デバイス自体を製造するために、ならびに製造された医療デバイスをコーティングするため、および製造された医療デバイスを含浸するために使用され得る。
医療デバイスの外側表面または内側表面を処理するために、好ましい溶媒は、THF/メタノール、DMF/メタノール、THF/エタノール、THF/IPA、またはIPAのみを含む。バルク分布のために、IPAは、アレキシジンを医療デバイス内に導入するのに許容される溶媒である。代替として、バルク分布のために、アレキシジンは、配合または押出用の樹脂に添加されてもよい。
医療デバイスへのアレキシジンの浸透
外側表面、または内側表面、例えば管腔表面に対する処理条件は、取り込まれたアレキシジンの少なくとも90%が表面から0.01ミリメートル(mm)以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から0.05mm以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から0.10mm以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から0.5mm以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から1.0mm以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から5.0mm以内に位置すること、アレキシジンの少なくとも90%が表面から10.0mm以内に位置すること等をもたらし得る。
例えばアレキシジンの含量を定量するためのカテーテルの抽出は、以下のように行うことができる。まず、カテーテルまたは他の医療デバイスを、100%メタノール、またはメタノールおよびアセトニトリルを含有する溶媒混合物に浸漬する。抽出時間は、30分以上である。次いで、アレキシジンを含有する溶液を大量の水に希釈し、次いで分析に使用する。希釈は、例えば、10倍、100倍、1000倍等であってもよい。アレキシジンの含量を定量するためのカテーテルの溶解は、医療デバイスまたは医療デバイスの断片を100%のテトラヒドロフラン(THF)で溶解し、次いでポリマーを50%のメタノールおよび50%の水で沈殿させることにより行うことができ、HPLCまたは微生物学的アッセイ等の技術により溶液を分析する。
医療デバイスからのアレキシジンの放出速度は、HPLCを使用して、または[3H]アレキシジンもしくは[14C]アレキシジン等の標識化アレキシジンを使用して測定され得る。「標識化」された組成物は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、同位体的、または化学的方法により、直接的または間接的に検出可能である。有用な標識は、32P、33P、35S、14C、3H、125I、安定な同位体、エピトープタグ、蛍光染料、高電子密度試薬、例えば酵素結合免疫測定法において使用されるような基質もしくは酵素、またはフルオレット(fluorette)を含む(例えば、Rozinov and Nolan (1998) Chem. Biol. 5:713-728を参照されたい)。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)管、樹脂等が、本開示における使用、例えば医療デバイスの製造、製造された医療デバイスの処理、製造された医療デバイスの処理のための可溶性溶液中での使用等に利用可能である。72A、77A、87A、94A、51D、60D、63D、67D、73A/78A、83A/86A、90A/95A、93A/98A、55D/65D、63D/78D、73D、75D/82D(Tecoflex(登録商標)シリーズ);および75A、85A、94A、54D、64D、69D、74D、75D、77A/83A、87A/88A、97A/97A、55D/64D、67D/75D、70D、75D、77D/84D(Tecothane(登録商標)シリーズ)(Lubrizol’s Engineered Polymers for Medical and Health Care;Lubrizol Corp、Cleveland OH)の硬度を有する管、樹脂等が利用可能である。ポリウレタンを含む医療用ポリマーに関する指針は、例えば、Polymer Membranes/Biomembranes (Advances in Polymer Science), ed. by Meier and Knoll, Springer, 2009;Lubricating Polymer Surfaces by Uyama, CRC Press, 1998;およびPolymer Grafting and Crosslinking, ed. by Bhattacharya, et al, Wiley, 2008から利用可能である。
カテーテル、カニューレ、管等の直径は、フレンチサイズにより分類され得る。本開示は、限定されない例を挙げると、3Fr(1mm;0.039インチ)、4Fr(1.35mm;0.053インチ)、5Fr(1.67mm;0.066インチ)、6Fr(2mm;0.079インチ)、7Fr(2.3mm;0.092インチ)等であるフレンチサイズを有する管を提供する。ミリメートルおよびインチでの対応する直径は、括弧内に示されている。フレンチ単位系は、ゲージサイズ間の均一な増分(1ミリメートルの1/3)を有する(Iserson KV (1987) J.-F.-B. Charriere: the man behind the “French” gauge. J. Emerg. Med. 5:545-548)。カテーテル、針等の外径および内径(管腔)を測定するためのシステムは説明されている(例えば、Ahn, et al. (2002) Anesth. Analg. 95:1125を参照されたい)。フレンチサイズは、内径または外径を指し得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Schurに対して発行された米国特許第7,641,645号を参照されたい)。
ブロックコポリマー、例えばポリウレタンのブロックコポリマーおよびポリジメチルシロキサン(PDMS)のポリウレタンとのブロックコポリマー(例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Oberhellmanらの米国特許第8,008,407号およびMatonらの米国特許第8,084,535号;ならびに、F. Wang, Polydimethylsiloxane Modification of Segmented Thermoplastic Polyurethanes and Polyureas, Thesis, Virginia Polytechnic Institute and State Univ., Blacksburg, VA, 1998を参照されたい)が、本開示により包含される。多孔性に関して、ポリマーコーティング、含浸物等の多孔性が、細胞外液へのアレキシジンの拡散を可能とするには不十分である場合、ポロシゲン(porosigen)、例えばラクトース、ヒドロゲル、または他の放出促進剤、例えばクエン酸三ナトリウム塩、ポリソルベート80、またはTween 20(登録商標)等が、コーティング、含浸物等に使用されるポリマーに添加されてもよい。ヒドロゲル、ならびにヒドロゲルの含水量および様々な種類のヒドロゲルの機械的強度を制御するための方法が説明されている(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Tanabeらの米国特許第4,734,097号を参照されたい)。定義を目的として、「1つの種類」のプラスチックポリマーの例は、例えば、主にポリウレタンを含む、主にポリシロキサンを含む、主にポリエチレンを含む、または主に1つの種類のコポリマーを含むポリマーである。様々な末端基によるポリウレタンポリマーの修飾がなされても、ポリマーがまだ「ポリウレタン」として分類される事実に変わりはないことが、当業者に理解される。例えばポリカーボネートポリウレタンのブロックコポリマー、例えばCarbothane(登録商標)またはQuadrathane(登録商標)のように、コポリマー中の2種のポリマーは互いに一体化し、また互いに共有結合するため、「コポリマー」は、主に「1つの種類」のプラスチックポリマーからなるものと定義される。
デバイス、カテーテル、管状部材、溶媒、コーティング、含浸、処理、および関連した方法は、クエン酸塩等の安定剤を包含し得る。変色を低減する、亀裂もしくは剥離を低減する、「鮫肌」表面の形成を低減する、酸化を低減する、または経年劣化および保存の他の態様を低減する、1種または複数種の安定剤が包含される。また、放出プロファイルの改善における使用のため、またはアレキシジンの有効性を延長するため、またはアレキシジンの放出プロファイルを調整するため、例えば放出を数週間、数カ月もしくは数年の期間にわたりより均一とするための、ヒドロゲルを含むコーティング(もしくは含浸、またはコーティングおよび含浸の組合せ、またはバルク分布)が包含される。ヒドロゲル、およびヒドロゲルを特性決定するための方法が説明されている(例えば、Qiu and Park (2001) Adv. Drug Delivery Reviews. 53:321-339;Bromberg and Ron (1998) Adv. Drug Delivery Reviews. 31:197-221;Wei et al (2009) Biomaterials. 30:2606-2613;Westhaus and Messersmith (2001) Biomaterials. 22:453-462;Sosnik and Cohn (2004) Biomaterials. 25:2851-2858;Kim et al (2009) Biomacromolecules. 10:2476-2481を参照されたい)。
本開示は、限定されないが、コーティングまたは他の処理、例えばスルホベタイン、カルボキシベタイン、ポリマーヒドロゲル、例えば架橋ポリスルホベタインヒドロゲル、カルボキシベタインアクリレート、カルボキシベタインアクリルアミド、カルボキシベタインビニル化合物、カルボキシベタインエポキシド、スルホベタインアクリレート、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインビニル化合物、スルホベタインエポキシド、スルホベタインメタクリレート(SBMA)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、それらの混合物、ジブロックポリマー、層状コーティング、層状処理、相互貫入ポリマーネットワーク(例えば、それぞれ参照によりその全体が個々に本明細書に組み込まれる、Jiangらに対し発行された米国特許第7,879,444号、JiangおよびChenの米国特許出願第2009/0259015号;O’Shaughnesseyらの米国特許出願第2009/0155335号;Jiangらの米国特許出願第2009/0156460号;Zhangらの米国特許出願第2010/0145286号;Jiangらの米国特許出願第2011/0097277号;ならびにLiらの米国特許出願第2010/0152708号を参照されたい)を提供する。
本開示は、形状、サイズ、および組成に関して、様々な器官系における使用、例えば心臓血管カテーテル、尿路カテーテル、結腸直腸カテーテル、または肺気道カテーテルとしての使用のために特別に構成されたカテーテルを提供する。特定の形状、寸法、サイズ、および化学組成についての指針が利用可能である。例えば、Mort (2007) Critical Care and Trauma. 105:1357-1362、Taylor et al (2003) Radiology. 229:99-108、Akahoshi et al (2001) Brit. J. Radiology. 74:1017-1022、Walter et al (2009) J. Spinal Cord Med. 32:578-582、Mohammed et al (2008) Expert Rev. Med. Devices. 5:705-707、Durst et al (2007) Imaging and Diagnostic Methods. 9:290-293、AARC Clinical Practice Guidelines (2010) Respir. Care. 55:758-764、Thomas et al (2011) J. Invasive Cardiol. 23:536-539、Besarab et al (2011) Clin. J. Am. Soc. Nephrol. 6:227-234、Knuttinen et al (2009) Seminars in Interventional Radiology. 26:106-114、Royle et al (2008) Ann. R. Coll. Surg. Engl. 90:679-684を参照されたい。本開示は、眼、耳、脊柱、気管、鼻、気管、肺、動脈、静脈、心臓、結腸、直腸、男性または女性生殖器官、胎児、尿管、腎臓、膵臓、任意の吻合血管領域、食道、胃、十二指腸、回腸、空腸、間質腔、骨髄、腫瘍血管系等の、器官、血管、および管腔用に特別に構成された、特定のカテーテル、製造方法、および使用方法を提供する。
トリクロサンを包含するデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。金属化合物を包含するデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。銀を包含するデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。ルイス酸、トリアリールメタン染料、メチルバイオレット、ブリリアントグリーン、ゲンチアナバイオレット等の1種または複数種を包含するデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。さらに、阻害ポリマー、例えば親水性阻害ポリマー、疎水性阻害ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、ポリビニリデン、ジフルオリド、フッ素化エチレンプロピレン等の1種または複数種を包含するデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。さらに、例えば2つの異なる層内に位置する、2つの異なる層内に位置し、第3の層により互いから分離される等により、抗菌剤および阻害ポリマーが分離されているデバイス、システム、使用方法、または製造方法は除外され得る。分離はまた、デバイスの2つの異なる領域に、例えば近位端に対して遠位端に、またはシース内に対して拡張器内に位置することによりなされてもよい。
また、抗炎症剤を含む任意の医療デバイス、あるいは抗炎症剤、例えばサリチル酸を含むコーティング(もしくは含浸物、またはコーティングおよび含浸物の両方)を有する任意の医療デバイスが除外され得る。
医療デバイス上の細菌、真菌、または他の微生物の増殖を低減するための薬剤の使用は、医学的処置の方法を構成しないことが、当業者に理解される。また、本開示の抗血栓剤は、医療デバイスと1種または複数種の酵素またはタンパク質との間の相互作用に関連すること、およびこれが医学的処置の方法ではないことが、当業者に理解される。
医療デバイスの抗菌効果は、医療デバイスに微生物を植菌し、増殖を低減する、付着を低減する、もしくは微生物を死滅させる、または生物膜の形成を低下させる抗菌剤の能力を監視することにより評価され得る。医療デバイスの表面上、または医療デバイスのマトリックスもしくは細孔内で生じる抗菌活性は、当業者に周知の方法を用いて、光学顕微鏡または電子顕微鏡により評価され得る。抗菌的に有効な量の抗菌剤を含有する医療デバイスは、医療デバイスの表面にコロニー形成する、または医療デバイスの細孔もしくはマトリックスにコロニー形成する微生物の数を検出することにより測定され得る。代替として、限定されないが、抗菌的な効果は、医療デバイスを液体培地または寒天培地中でインキュベートし、医療デバイスの表面上にコロニー形成する、または医療デバイスの表面から離れた所定の領域または体積、例えば医療デバイスの表面から0mm〜1mm離れた、1mm〜3mm離れた、0mm〜3mm離れた、2mm〜5mm離れた、0mm〜5mm離れた、2mm〜20mm離れた領域等にコロニー形成する微生物の数を検出することにより測定され得る。対照医療デバイスは、擬似的製剤のみ(抗菌剤なし)で処理されてもよく、または実対照薬で処理されてもよい。
血液凝固に対するアレキシジンの影響は、いくつかのアッセイ方法により測定され得る。凝固時間は、Quick法により、Owren法により測定され得る(Schnick et al (2009) Critical Care. 13:R191(15ページ);Osman et al (2009) Scand. J. Clin. Lab. Invest. 69:395-400)。Owren法は、フィブリノゲンおよび第V因子が試薬中にあるため、凝固第II、第VII、および第X因子のみを測定する。プロトロンビン時間(PT)は、凝固の外因性(組織因子)経路を測定し、経口抗凝固治療の有効性を監視するための標準的試験法である。活性凝固時間(ACT)は、例えばHelena Laboratories(Beaumont、TX);ITC(Edison、NJ);Medtronics(Minneapolis、MN)、およびRoche Diagnostics(Indianapolis、IN)から入手可能な器具により評価され得る。トロンビン凝固時間(TCT)は、他の全ての血液凝固因子を回避して、フィブリノゲンからフィブリンへのトロンビン誘導変換を測定する。TCTは、クエン酸血漿にトロンビンを添加し、フィブリンモノマーの形成に必要な時間を測定することにより行うことができる(例えば、Jespersen and Sidelmann (1982) Acta Haematol. 67:2-7を参照されたい)。
アレキシジンは、逆相LCカラム(Agilent、Santa Clara、CA)を使用したHPLC(高圧液体クロマトグラフィー;高速液体クロマトグラフィー)により測定され得る。検出は、UV検出器を用いて210nmの波数で行うことができる。アレキシジンはまた、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)またはフーリエ変換赤外(FTIR)分光法を用いて測定され得る。医療デバイスから抽出されたアレキシジン、または医療デバイスの浸漬または処理前のアレキシジン試料が測定され得る。アレキシジンはまた、微生物学的アッセイ、例えば、様々な既知の濃度のアレキシジン、またはアレキシジンの未知試料で含浸された円形濾紙が、栄養寒天上の植菌された細菌叢上に設置されるアッセイを用いて測定され得る。この種の微生物学的アッセイは、阻害領域をもたらし、より大きな直径の領域は、より多量のアレキシジンを示す。
図1は、アレキシジン処理された末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)の広域抗菌効果を示す微生物コロニー形成低減を示す。ヒストグラムバーのそれぞれは、初期植菌材料と比較した試験微生物による表面コロニー形成のlog10低減を表す。表4は、初期植菌材料中の微生物細胞(細菌細胞または真菌細胞)の数、および、初期植菌材料と比較したカテーテル表面に付着したバイオマスのlog10低減を示す。実験におけるステップは、まず、カテーテルを(+/−)アレキシジンに浸漬し、図1に示される日数の間ヒト血漿中でインキュベートし、続いて示された微生物の植菌および1日のインキュベーションを行って微生物を増殖させることを含んでいた。図1中の結果は、ヒト血漿中での長期インキュベーションが、抗菌活性の進行性消失をもたらさなかったことを示している。
図3Aおよび図3Bは、未処理カテーテルの500倍の倍率のSEM写真を示す。左上のバーは、50マイクロメートルの長さを示す。
図4Aおよび図4Bは、未処理カテーテルの2000倍の倍率のSEM写真を示す。左上のバーは、10マイクロメートルの長さを示す。
図5Aおよび図5Bは、クロルヘキシジン処理カテーテルの70倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。左上のバーは、500マイクロメートル(0.5mm)の長さを示す。
図6Aおよび図6Bは、クロルヘキシジン処理カテーテルの500倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。左上のバーは、50マイクロメートルの長さを示す。
図7Aおよび図7Bは、クロルヘキシジン処理カテーテルの2000倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。左上のバーは、10マイクロメートルの長さを示す。
図9Aおよび図9Bは、アレキシジン処理カテーテルの500倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。左上のバーは、50マイクロメートルの長さを示す。
図10Aおよび図10Bは、アレキシジン処理カテーテルの2000倍の倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。バーは、10マイクロメートルの長さを示す。
図11は、上述の図の1つ(500倍、クロルヘキシジン処理)の複写であり、図11は、白血球(WBC)および赤血球(RBC)を示す。左上側のバーは、50マイクロメートルの長さを示す。
図12は、血小板を示す、上述の図の1つ(2000倍、未処理)の複写である。引かれた線は、血小板を示す。左上側のバーは、10マイクロメートルの長さを示す。
様々なアレキシジン濃度(50〜300マイクログラム/mL)の溶液を、それぞれ0.50mLのヒト血液を含有する個々の試験管内でインキュベートした。ヒト血液には、3.8%のクエン酸ナトリウムを添加した。インキュベーションは、24rpmおよび37℃に設定された旋回シェーカー上で1時間であった。1時間後、10マイクロリットルの500単位/mLトロンビン、および60マイクロリットルの200mM CaCl2を、インキュベーションしている血液試料のそれぞれに添加した。次いで、ストップウォッチを使用して、血液凝固時間を測定した。表1は、結果を示す。アレキシジン試料は、より長いトロンビン凝固時間または全血中の部分凝固を示した。
アレキシジンを含む末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)の抗菌および抗血栓特性を試験した。0.1〜5%のアレキシジン(重量/体積)、2〜10%のTecothane(登録商標)(重量/体積)、ならびにテトラヒドロフラン(THF)およびメタノールの溶媒混合物を含有する溶液が、PICC処理に適用可能である。溶液を調製し、5.5フレンチ(Fr)二重管腔ポリウレタンPICC処理の外側表面に適用した。処理されたPICCを、50℃に設定された炉内で0.5時間、次いで室温で24時間乾燥させ、続いてエチレンオキシドで滅菌した。その後、滅菌されたカテーテルから2cmの断片を切り出し、HPLCを使用して、単位長さ当たり存在するアレキシジンの量を決定した。「5.5Fr」という長さは、外径から反対側の外径までの管部分にわたる距離を指す(管状部分の管腔の完全に内側に位置する直径距離を指すものではない)。
例3は、ポリマースルホベタイン(polySB)で改質されたカテーテルへのアレキシジンの組込みを示す。非浸出polySB表面改質を有する血管カテーテルは、カテーテル表面への水分子の配位により、血小板付着および微生物付着を低減する。アレキシジンをpolySB改質表面に組み込み、抗血栓および抗菌活性の向上に関して評価した。共にpolySBで改質されたポリウレタン慢性血液透析カテーテル(CHDC)およびPICCを、THFおよびメタノール混合物中の1.5%アレキシジン(重量/体積)を含有する溶液で処理した。次いで、処理されたカテーテルを、35℃に設定された炉内で、24時間の乾燥で乾燥させ、続いてエチレンオキシドで滅菌した。滅菌された改質および非改質(対照)CHDCおよびPICCから、長さ1cmの断片を得、例1において上述されたように、トロンビン凝固時間法を用いて、抗血栓活性に関して分析した。表5は、血液凝固時間の結果を示す。アレキシジンおよびpolySB処理を施したPICおよびCHDC試料は共に、全血の部分凝固を示した。したがって、polySB処理は、アレキシジンの抗血栓特性に対して悪影響を有さなかった。
以下は、アレキシジンとクロルヘキシジンとを並べた比較を示す。トロンビン凝固時間に対するアレキシジンおよびクロルヘキシジンの影響を比較するために、液相実験を行った(表6)。アレキシジンは、血液凝固の阻害において、クロルヘキシジンよりも4倍有効であることが判明した。反応混合物は、新しく採取されたヒト血液、示されるようなアレキシジンまたはクロルヘキシジン、および外部から添加されたトロンビンを含有していた。実験は、複製1〜5により示されるように、5回繰り返した。実験において使用されたアレキシジンまたはクロルヘキシジンの濃度は、示されるように、ゼロμg/mL(ベースライン)、3.125、6.25、12.5、25、50、または100μg/mLであった。ベースラインデータは、抗菌剤が添加されていない場合の凝固時間が急速である、すなわち約30秒であることを示した。抗菌剤が6.25μg/mLの濃度で使用された場合、クロルヘキシジンの存在下での凝固時間は約30秒であり、したがって検出可能な程阻害されなかった。対照的に、アレキシジン(6.25μg/mL)の存在下では、凝固時間は約5分であり、したがって顕著に阻害された。この劇的な差はまた、凝固反応においてより高濃度の抗菌剤が使用された場合にも観察された。
走査型電子顕微鏡法のための調製前の、ヒト血液によるカテーテル断片の処理
各試験対象(1cmの断片)を、3.8%のクエン酸ナトリウムを含有するヒト全血中で、75rpmおよび37℃に設定されたインキュベーターシェーカー上で1時間インキュベートした。この1時間の血液曝露後、試料をPBS中で3回濯ぎ、次いで固定してSEM用に処理した。
(例6)
走査型電子顕微鏡用の試料調製
以下の限定されない手順を、走査型電子顕微鏡(SEM)用の試料調製に使用した。試料に関して、または試薬および方法に関していかなる限定も示唆しないが、手順は、以下のステップを含んでいた。
ステップ2。2.5%のグルタルアルデヒド溶液(PBS中で作製)中で、室温で30分間固定する(Vijayanand, K, Pattanayak, D, Mohan, T, & Banerjee, R. (2005) Interpreting Blood-Biomaterial Interactions from Surface Free Energy and Work of Adhesion. Trends in Biomaterials and Artificial Organs 18:73-83)。
ステップ3。水中のエタノール系(60、70、80、90、100%)中でそれぞれ5分脱水する(Vijayanand、上記参照)。
ステップ4。100%のヘキサメチルジシラザン中に15分間、それぞれ2回浸す(Hochberg, R & Litvaitis, M. (2000) Hexamethyldisilazane for Scanning Electron Microscopy of Gastrotricha. Biotechnic & Histochemistry, 75: 41-44)。
ステップ6。載置するまで保存する。
試料の走査型電子顕微鏡分析の結果
上述のように、(1)未処理試料、(2)クロルヘキシジン処理試料、および(3)アレキシジン処理試料の3種類の試料を使用した。これらの試料のそれぞれのヒト血液への曝露後、試料を処理し、次いで走査型電子顕微鏡(SEM)により検査した。SEM分析では、試料に付着する血液細胞の相対密度が明らかとなった。上で詳述されたように、SEM下で視認可能な血液細胞は、白血球(WBC)、赤血球(RBC)、および血小板を含んでいた。500倍の倍率の写真から、および2000倍の倍率の写真から最も明らかなように、未処理試料は、最も高い密度の付着血液細胞を含有していた。SEMデータはまた、クロルヘキシジン処理試料がより低い密度の細胞を含有していたこと、およびアレキシジン処理試料が最も低い密度の細胞を含有していたことを示している。
本開示は、対応するクロルヘキシジンコーティング試料の密度の90%未満、対応するクロルヘキシジンコーティング試料の85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満の密度で細胞付着を支持することができるアレキシジンコーティング試料を提供する。
また、本開示は、対応するクロルヘキシジン浸漬(またはディッピング)試料の密度の90%未満、対応するクロルヘキシジン浸漬(またはディッピング)試料の85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満の密度で細胞付着を支持することができるアレキシジン浸漬(またはディッピング)試料を提供する。
また、本発明の本質から逸脱せずに、様々な変更がなされてもよいことが理解されるべきである。そのような変更もまた、暗に説明に含まれる。それでもそれらは、本発明の範囲内に含まれる。本開示は、独立したもの、および全体的なシステムの両方として、ならびに方法および装置モードの両方において、本発明のいくつもの態様を網羅する特許を形成するように意図されることが理解されるべきである。
さらに、本発明および特許請求の範囲の様々な要素のそれぞれは、様々な様式で達成されてもよい。本開示は、それが任意の装置実施形態、方法もしくはプロセス実施形態の実施形態の変形例、またはさらには単にこれらの任意の要素の変形例であるかに関わらず、そのような変形例のそれぞれを包含することが理解されるべきである。
そのような同等の、より広い、またはさらにより一般的な用語は、各要素または動作の説明に包含されるとみなされるべきである。そのような用語は、所望により、本発明が該当する黙示的に広い範囲を明示的とするように置換されてもよい。
全ての動作は、その動作を行うための手段として、またはその動作をもたらす要素として表現され得ることが理解されるべきである。
同様に、開示された各物理的要素は、その物理的要素が促進する動作の開示を包含するものとして理解されるべきである。
最後に、本出願と共に提出された情報開示陳述書または他の情報の記述にリストされた全ての参考文献は、本明細書に添付され、参照により本明細書に組み込まれるが、上記のそれぞれに関して、参照により組み込まれるそのような情報または記述が、この/これらの発明の特許と矛盾しているとみなされ得る場合、そのような記述は、明示的に、出願人によりなされたものとしてみなされない。
1つの独立請求項または概念の下で示された様々な従属性または他の要素のいずれかを、任意の他の独立請求項または概念の下での従属性または要素として追加することを可能とするために、35 USC §132または他のそのような法律を含むがそれらに限定されない新規事項の法律の下で要求される範囲で、サポートが存在することが理解されるべきである。
そのような用語は、出願人に法律的に許容され得る最も広い範囲を提供するように、その最も包括的な形態で解釈されるべきである。
Claims (40)
- 血管または体内の空洞と接触するように適合された医療デバイスであって、
抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含む、コーティングまたは含浸物のうちの少なくとも1つである外側物質を含む外側表面と、
抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含む、コーティングまたは含浸物のうちの少なくとも1つである内側物質を含む内側表面と
を備える管状部分を含む医療デバイス。 - 外側物質が、第1の濃度(マイクログラム/平方センチメートル;μg/cm2)のアレキシジンを含み、内側物質が、第2の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、第1の濃度が、第2の濃度と同じではない、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側物質および内側物質の一方が、非アレキシジン溶質を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側物質中に存在する全ての溶質で構成される外側物質溶質群であって、少なくとも1種の非アレキシジン溶質を含む外側物質溶質群と、
内側物質中に存在する全ての溶質で構成される内側物質溶質群であって、少なくとも1種の非アレキシジン溶質を含む内側物質溶質群と
をさらに含み、
(i)外側物質溶質群が、内側物質溶質群と同じではない、または、
(ii)少なくとも1種の溶質が、外側物質溶質群中では、内側物質溶質群中とは異なる濃度である、請求項1に記載の医療デバイス。 - 外側物質溶質群または内側物質溶質群の一方にのみ存在する少なくとも1種の特徴的な溶質をさらに含み、(i)少なくとも1種の特徴的な溶質が、医療デバイスに共有結合していないポリマーを含む、または(ii)少なくとも1種の特徴的な溶質が、アニオンを含む、請求項4に記載の医療デバイス。
- 少なくとも1種の特徴的な溶質が、(i)医療デバイスに共有結合していないポリウレタンポリマー、または(ii)酢酸イオンもしくはグルコン酸イオンであるイオンを含む、請求項5に記載の医療デバイス。
- 外側物質が、約500μg/cm2未満のアレキシジン濃度(μg/cm2)を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側物質が、約300μg/cm2未満の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側物質が、約100μg/cm2未満の濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジンが、(i)外側表面および内側表面の少なくとも一方で生じる血栓形成イベントを低減することができる、ならびに(ii)外側表面および内側表面の少なくとも一方で生じる微生物活性を低減することができる、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側表面が、血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、アレキシジンと同じ濃度のクロルヘキシジン(chlorohexidine)を含む外側表面を有する比較医療デバイスは、血栓形成イベントを検出可能な程低減することができない、請求項1に記載の医療デバイス。
- 外側表面が、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して0〜50%の範囲まで血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度が、同じ濃度のクロルヘキシジンを含む外側表面を有する比較医療デバイスが、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して90.0〜99.9%の範囲まで血栓形成イベントを低減することができるような濃度である、請求項1に記載の医療デバイス。
- 内側表面が、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して0〜50%の範囲内である比較的高い程度まで血栓形成イベントを低減することができる濃度(μg/cm2)のアレキシジンを含み、前記濃度が、同じ前記濃度のクロルヘキシジンを含む内側表面を有する比較医療デバイスが、100%と定義される非阻害血栓形成イベントレベルに対して90.0〜99.9%の範囲まで血栓形成イベントを低減することができるような濃度である、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジン、アレキシジン塩酸塩、アレキシジン二塩酸塩、アレキシジン一酢酸塩、アレキシジン二酢酸塩、アレキシジングルコン酸塩、またはアレキシジン二グルコン酸塩からなる群の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジンを含み、追加の溶質を含んでもよい第1の組成物を含む内表面物質と、
アレキシジンを含み、追加の溶質を含んでもよい第2の組成物を含む外表面物質と
をさらに含み、第1の組成物が、第2の組成物と同じ溶質を有する、請求項1に記載の医療デバイス。 - アレキシジンの濃度が、ヒト全血を使用して測定されたアレキシジンを含まない対照医療デバイスの血液凝固時間と比較して、少なくとも150%の血液凝固時間の変化または少なくとも50%の血液凝固時間の増加をもたらすのに十分である、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジンの濃度が、アレキシジンを含まない対照医療デバイスによる血小板沈着と比較して、90%未満の最大血小板沈着を医療デバイス上にもたらすのに十分であり、最大血小板沈着は100%と定義される、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも100マイクログラム、(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも10マイクログラム、ならびに(iii)外側表面面積のcm2当たり少なくとも100マイクログラムおよび内側表面面積のcm2当たり少なくとも10マイクログラムのうちの1つである、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジン含量が、(i)外側表面面積のcm2当たり少なくとも200マイクログラム、(ii)内側表面面積のcm2当たり少なくとも20マイクログラム、ならびに(iii)外側表面面積のcm2当たり少なくとも200マイクログラムおよび内側表面面積のcm2当たり少なくとも20マイクログラムのうちの1つである、請求項1に記載の医療デバイス。
- アレキシジンが、バルク分布している、請求項1に記載の医療デバイス。
- カテーテル、カニューレ、細長管、弁、または埋設用ポートのうちの1つまたは複数を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
- 血管系、尿路、または呼吸器系のうちの少なくとも1つと接触するようにまたはそれに挿入されるように適合された、請求項1に記載の医療デバイス。
- クロルヘキシジンを含まない、請求項1に記載の医療デバイス。
- ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、またはポリジメチルシロキサンポリウレタンを含むコーティングをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
- 内側物質および外側物質の少なくとも一方が、(i)ポリスルホベタイン、(ii)ポリカルボキシベタイン、または(iii)ポリスルホベタインおよびポリカルボキシベタインを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- 内側物質および外側物質の少なくとも一方が、シリコーンマクロジオールおよびポリウレタンのコポリマーを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
- 哺乳動物対象内に医療デバイスを留置するための方法であって、医療デバイスが、少なくとも部分的に哺乳動物対象の血管腔内に位置し、前記方法が、
(i)医療デバイスの少なくとも一部を、血管腔内に挿入するステップと、続いて、
(ii)溶液を投与する、生体液を引き出す、または溶液を投与して生体液を引き出すステップと、続いて、
(iii)血管腔から医療デバイスを引き出すステップと
を含み、医療デバイスが、血管系内の血液と接触することができる表面を有し、抗血栓的に有効および抗菌的に有効である量のアレキシジンを含み、血栓形成イベントを低減し微生物活性を低減することができる、方法。 - 溶液が、滅菌溶液、薬理作用物質、または診断薬剤である、請求項27に記載の方法。
- 医療デバイスが、外側表面面積のcm2当たり少なくとも50マイクログラム(μg/cm2)のアレキシジン含量を有する外側表面を備え、アレキシジン含量が、ヒト全血を使用して測定されたアレキシジンを含まない対照医療デバイスの血液凝固時間と比較して、少なくとも125%の血液凝固時間の変化または少なくとも25%の血液凝固時間の増加をもたらすのに十分である、請求項27に記載の方法。
- 医療デバイスが、外側表面面積のcm2当たり約200マイクログラム(μg/cm2)未満のアレキシジン含量を有する外側表面を備え、アレキシジン含量が、ヒト全血を使用して測定されたアレキシジンを含まない対照医療デバイスの血液凝固時間と比較して、少なくとも125%の血液凝固時間の変化または少なくとも25%の血液凝固時間の増加をもたらすのに十分である、請求項27に記載の方法。
- 医療デバイスが、内側表面および外側表面を備え、外側表面が、コーティング、含浸物、またはコーティングおよび含浸物の両方と定義される外側物質を含み、外側物質が、アレキシジンを含み、内側表面が、コーティング、含浸物、またはコーティングおよび含浸物の両方と定義される内側物質を含み、内側物質が、アレキシジンを含み、外側物質中のアレキシジンの濃度は、内側物質中のアレキシジンの濃度よりも高い、請求項27に記載の方法。
- アレキシジンを含む医療デバイスを製造するための方法であって、
(1)外側表面および内側表面を備える医療デバイスを得るステップと、
(2)アレキシジンを含む第1の溶液に外側表面を接触させ、アレキシジンを含む第2の溶液に内側表面を接触させるステップと、
(3)アレキシジンを含む外側表面を生成するのに十分な時間、外側表面の第1の溶液との接触を維持し、アレキシジンを含む内側表面を生成するのに十分な時間、内側表面の第2の溶液との接触を維持するステップと、
(4)アレキシジンを含む医療デバイスからあらゆる残留溶液を乾燥させるまたは除去するステップであって、アレキシジンを含む医療デバイスが、抗血栓的に有効であると共に抗菌的に有効である量のアレキシジンを含むステップと
を含む方法。 - 外側表面が、第1の時間枠の間溶液と接触され、内側表面が、第2の時間枠の間溶液と接触され、第1の時間枠は、第2の時間枠と少なくとも部分的に重複する、請求項32に記載の方法。
- 第1の溶液のアレキシジン濃度が、第2の溶液としてのアレキシジン濃度と同じではない、請求項32に記載の方法。
- 外側表面を接触させるステップが、ディッピング、浸漬、噴霧、またはワイピングのうちの1つまたは複数を含み、内側表面を接触させるステップが、ディッピング、浸漬、噴霧、またはワイピングのうちの1つまたは複数を含む、請求項32に記載の方法。
- 第1の溶液が、テトラヒドロフランおよびメタノールの一方もしくは両方を含み、または、第2の溶液が、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、クエン酸、およびクエン酸三ナトリウム塩のうちの1種もしくは複数を含む、請求項32に記載の方法。
- (i)第1の溶液が、可溶性プラスチックポリマーを含む、(ii)第2の溶液が、可溶性プラスチックポリマーを含む、(iii)第1の溶液が、可溶性プラスチックポリマーを含み、第2の溶液が、可溶性プラスチックポリマーを含む、または(iv)第1の溶液および第2の溶液の一方のみが、可溶性プラスチックポリマーを含有する、請求項32に記載の方法。
- 医療デバイスをアレキシジンでコーティングするもしくは含浸する、またはコーティングすると共に含浸するように構成された溶液であって、
(i)少なくとも0.05%のアレキシジンと、
(ii)テトラヒドロフラン(THF)およびメタノール;THFおよびエタノール;THFおよびイソプロピルアルコール;THFおよびクエン酸;またはTHF、イソプロピルアルコールおよびクエン酸を含む溶媒と
を含む溶液。 - 可溶性ポリマーをさらに含む、請求項38に記載の溶液。
- 可溶性ポリマーが、ポリウレタンである、請求項39に記載の溶液。
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