JP2016507543A - 小胞を含む医薬組成物 - Google Patents

小胞を含む医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016507543A
JP2016507543A JP2015556499A JP2015556499A JP2016507543A JP 2016507543 A JP2016507543 A JP 2016507543A JP 2015556499 A JP2015556499 A JP 2015556499A JP 2015556499 A JP2015556499 A JP 2015556499A JP 2016507543 A JP2016507543 A JP 2016507543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vesicles
animal
vesicle
composition
omv
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015556499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016507543A5 (ja
Inventor
グランディ,グイド
グランディ,アルベルト
Original Assignee
グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
エクスターノーティクス エスピーエー
エクスターノーティクス エスピーエー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム, グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム, エクスターノーティクス エスピーエー, エクスターノーティクス エスピーエー filed Critical グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
Publication of JP2016507543A publication Critical patent/JP2016507543A/ja
Publication of JP2016507543A5 publication Critical patent/JP2016507543A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/5005Wall or coating material
    • A61K9/5063Compounds of unknown constitution, e.g. material from plants or animals
    • A61K9/5068Cell membranes or bacterial membranes enclosing drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Endocrinology (AREA)

Abstract

本発明は、動物小胞及び細菌小胞を含む医薬組成物、前記組成物を調製する方法、並びにその使用に関する。【選択図】なし

Description

本出願は、欧州出願第EP13154463.7号(2013年2月7日出願)の利益を主張するものであり、その両方の全内容が全目的で参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、動物小胞及び細菌小胞を含む医薬組成物、前記組成物を調製する方法、並びにその使用に関する。
癌は病的状態及び死亡の主な世界的原因であり、今後数十年でますます広まるようになると予想される。癌に対する従来の治療には、化学療法薬、放射線療法、及び介入的手術が含まれる。癌細胞の分子発現プロファイルに基づく特定のホルモン療法及び抗体療法も、種々の癌タイプに対して開発されている(例えば、Her2陽性乳癌に対する抗Her2抗体、Herceptin)。
癌ワクチンは、その特異性、安全性、及び再発の制御に重要な長期免疫記憶のため、癌の従来治療に代わる魅力的な選択肢として最近現れている(Douganら、Annu Rev Immunol. 2009; 27:83〜117頁、PMID:19007331)。Cervarix及びGardasilは、子宮頸癌の予防に有効性を示す予防ワクチンの成功例である。発癌性ヒトパピローマウイルス(HPV)バリアント由来の抗原の送達に基づくこれらのワクチンは、HPV誘導子宮頸部腫瘍の新生物形成を結果的に予防する強い抗ウイルス免疫応答を活性化する。
2010年、食品医薬品局は、進行性前立腺癌を治療するためのワクチン(Provenge)の使用を承認した。これは、自己抗原に対する免疫系を刺激して癌細胞の殺傷を促進する治療ワクチンの最初の例である。このワクチンは、免疫系をプライミングして前立腺癌細胞を認識し殺傷する、前立腺特異的タンパク質(前立腺酸性フォスファターゼ融合タンパク質)でパルスされた活性化樹状細胞の使用に基づく。しかし、このワクチンに対する当初の意気込みは、その有効性が中程度(生存時間の4.1ヶ月の増加)及び法外な費用(約93,000ドル/用量/患者)であるため急速に低下した。とはいえ、Provengeは癌ワクチン開発における画期的な出来事であり、個別化癌ワクチン療法分野に新たな道を開いた。
しかし、種々の送達ベクターを用いる及び/又は様々なアジュバントと共に製剤化された、腫瘍関連抗原(TAA)の送達に基づくほとんどのワクチンは、4つの主な理由で不本意な結果に至った。すなわち、(i)多くのTAAは、過剰発現されたタンパク質(例えばHer2)、又は体細胞変異(例えばRAS、p53)若しくは翻訳修飾(例えばMUC1)を有するタンパク質であることから免疫原性が低い、(ii)幾つかのTAAは、胎児発育中にしばしば高度に発現される(例えばCEA)が、成人では高度に発現されない、(iii)TAA、特に細胞内TAAは、抗原提示細胞(APC)に非効率的に送達されるため抗原性が低い、(iv)TAAは一般には、不完全な抗原提示プロセス(例えばMHC Iの欠如)、共刺激分子の欠如(例えばB7分子の欠乏)、及び免疫抑制因子(例えばIL-10及びTFG)の放出に起因する免疫抑制環境で又はTAAの免疫寛容が確立された状況で発現されるためである。
新たな免疫調節試薬が、進行癌状態に特有の免疫寛容を逆転させる能力及び癌細胞に対する免疫監視を強める能力について評価段階にある。新規の抗原送達システム及びアジュバントも、癌ワクチンの力価を増強する目的で開発中である。これらには、樹状細胞活性化因子及び増殖因子、ワクチンアジュバント、T細胞刺激因子及び増殖因子、遺伝子修飾T細胞、サイトカイン、抑制性細胞(suppressive cells)を中和又は阻害する薬剤が含まれる。アラム(alum)及びMPL(Romanowskiら、Lancet 2009年12月12日;374(9706):1975〜85頁、PMID:19962185)などのクリニックで使用されるもの、並びに臨床開発の後期で使用されるものを含むアジュバントは、TLRなどのパターン認識受容体(PRR)を通じた活性化のために先天性免疫系を標的にする傾向がある。
これらの領域における最近の進歩にもかかわらず、癌ワクチン(例えば、非ホジキンリンパ腫の治療のためのMyVax及びFavId)の臨床試験からの結果はまだ満足のいくものではなく、癌患者において確立された寛容を克服し、インビボでのT及びB細胞レベルを有効に上昇させることができ、並びにT細胞数を長時間維持することができる効果的な免疫刺激分子/ワクチン送達プラットフォームの需要は依然としてある。増強された免疫応答は、特に患者が、例えば感染、変性疾患、又は高齢のため免疫無防備状態であり得る癌以外の疾患の治療にも望ましい。
ほとんどの抗原は、活性化されたヘルパーT(Th)細胞、主にTh1及びTh2細胞を用いてB細胞を活性化する。Th1細胞はIFN-γを分泌し、IFN-γはマクロファージを活性化し、B細胞によるオプソニン化抗体の産生を誘導する。Th1応答は主に、細胞内病原体(侵襲性細菌、原虫及びウイルス)を防御する細胞性免疫(細胞応答)をもたらす。Th1応答は、T細胞のサブグループである細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を活性化し、CTLは、ウイルス及び他の細胞内病原体に感染した細胞の死を誘導する。ナチュラルキラー(NK)細胞もTh1応答により活性化され、これらの細胞は、ウイルス及び細胞内細菌により感染された細胞において、腫瘍細胞のアポトーシス/殺傷の誘導に重要な役割を果たす。他方で、Th2細胞は一般には、細胞外病原体(蠕虫、細胞外微生物及び毒素)に対する防御において重要な液性(抗体)応答を誘導する。
ワクチンに対するTh応答の規模及びタイプは、抗原製剤に使用されるアジュバントに応じて大幅に調節され得る。例えば、ジフテリア-破傷風-百日咳、ヒトパピローマウイルスに対するワクチン及び肝炎ワクチンを含む、ヒトワクチン接種において最もよく使用されているアジュバントであるアラム(Marrack Pら、(2009). Nat Rev Immunol.9(4):287〜93頁)は主に強いTh2応答を誘発するが、Th1細胞性免疫を必要とする病原体に対してはむしろ効果がない。フロイント不完全アジュバント(IFA)は、幾らかのTh1細胞応答を伴う主としてTh2に偏向した応答を誘導する。MF59(登録商標)に関して、これは、細胞性(Th1)及び液性(Th2)免疫応答両方の強力な刺激因子である(Ott G、(1995). Pharm Biotechnol 6: 277〜96頁)。本質的にはパターン認識受容体(PRR)に対するリガンドである他のアジュバントは、先天性免疫を誘導すること、主としてAPCを標的にすること、結果的に、適応免疫応答に影響を与えることにより作用する。PRRファミリーのほぼ全てのメンバーが、アジュバントの潜在的な標的である。これらには、Toll様受容体(TLR)、NOD様受容体(NLR)、RIG-I様受容体(RLR)、及びC型レクチン受容体(CLR)が含まれる。これらは、種々の転写因子の活性化をもたらす異なるアダプター分子を含む経路を通じてシグナル伝達する。これらの転写因子(NF-κB、IRF3)は、免疫応答のプライミング、増大及び極性化において重要な役割を果たすサイトカイン及びケモカインの産生を誘導する。
Dougan et al., Annu Rev Immunol. 2009; 27:83-117, PMID:19007331 Romanowski et al., Lancet 2009 Dec 12;374(9706):1975-85, PMID:19962185 Marrack P et al., (2009). Nat Rev Immunol.9(4):287-93 Ott G, (1995). Pharm Biotechnol 6: 277-96
古典的アジュバントは、Th1応答がほとんどない又は全くない、強いTh2応答を誘導することから、現在の課題は、癌、肝炎、インフルエンザ、マラリア、及びHIVに対するワクチンなどのワクチンに重要な強いTh1偏向を誘導するアジュバントを開発することである。PRRに対する天然のリガンド又は合成アゴニストである新たなアジュバント(単独又は様々な製剤と一緒の)が開発中である。PRR活性化は、病原体を排除する宿主の能力を高める炎症誘発性サイトカイン/ケモカイン及びI型IFNの産生を刺激する。故に、ワクチン製剤への病原体関連分子パターン(PAMP)の組み込みは、ワクチン特異的応答の誘導を向上及び加速させることができる。
本発明者らは、医薬組成物、例えばワクチンにおいて使用され得る動物小胞-細菌小胞複合体を開発した。詳細には、本発明者らは、エクソソーム(動物小胞)及びOMV(細菌小胞)が一緒に混合されるとき、エクソソーム-OMV複合体が自発的に生じることを示しており(例えば、実施例1参照)、本発明者らは、安定な融合複合体が形成されると仮定する。故に本発明は、動物小胞及び細菌小胞の共送達に基づく免疫原性の高いワクチンを開発するための新たなプラットフォームを提供する。動物小胞と細菌小胞との組合せ送達は、2つの成分の主な特性、すなわち、
- 細菌小胞により提供される強いアジュバント性、及び
- 動物小胞により提示され、標的疾患に関連した抗原に対する特異的適応免疫応答
を利用して先天性免疫応答を誘発する治療ワクチンの有望な戦略となる。
さらに本発明は、癌、肝炎、インフルエンザ、マラリア、及びHIVに対するワクチンなどのワクチンに重要な強いTh1偏向を誘導する小胞、特にエクソソーム-OMV複合体を提供する。
本発明は、抗原の組合せを患者の免疫系に提示することが有益となり得るいずれの治療にも有用である。例えば、動物小胞は、癌治療には1つ以上のTAA、感染の治療には1つ以上の病原性抗原、又は特に免疫無防備状態及び/若しくは(例えば高齢者において)免疫の強い増強作用が必要とされる場合には、他の疾患に関連した任意の他の抗原若しくは抗原の組合せなどの任意の疾患関連抗原を提示することができる。細菌小胞の細菌抗原の強いアジュバント特性と組み合わせて、動物小胞により提示されたこれらの疾患関連抗原は、ワクチン接種の有効なアプローチを提供することができる。
故に、本発明は、(a)動物小胞及び(b)細菌小胞を含む医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、動物小胞及び細菌小胞は、例えば脂質二重層の融合又は表面分子接着により、共に複合体中にある。幾つかの実施形態において動物小胞は、1つ以上のTAA、1つ以上の病原体関連抗原、又は1つ以上の変性障害関連抗原などの疾患関連抗原を含む。好ましい実施形態において、動物小胞はTAAを含む。例えば、幾つかの実施形態において、動物小胞は腫瘍由来である。幾つかの実施形態において、動物小胞は腫瘍由来エクソソームである。幾つかの実施形態において細菌小胞は、外膜小胞(OMV)、微小胞(MV [1])又は「天然のOMV」(「NOMV」)である。故に、1つの実施形態において、本発明は、腫瘍由来エクソソーム及びOMVを含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、1つ以上の複合体を調製する方法であって、(a)動物小胞を(b)細菌小胞と混合するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、(a)動物小胞及び(b)細菌小胞を含む複合体も提供する。幾つかの実施形態において複合体は、本発明の方法により得ることができ、又は得られる。幾つかの実施形態において複合体は、融合複合体である。
本発明はまた、医薬組成物を調製する方法であって、(a)動物小胞を(b)細菌小胞と混合するステップを含む方法を提供する。好ましい実施形態において医薬組成物は、免疫原性組成物である。
同様に、本発明は、医薬組成物を調製する方法であって、第1の組成物及び第2の組成物を混合するステップを含み、第1の組成物は動物小胞を含み、第2の組成物は細菌小胞を含む方法を提供する。混合後、プロセスは、第1及び第2の組成物由来の小胞が互いに相互作用し、これにより本発明の医薬組成物を作製することを可能にするステップを含んでもよい。
本発明はまた、医薬品において使用するための組成物であって、(a)動物小胞及び(b)細菌小胞を含む組成物を提供する。この組成物は例えば、(例えば動物小胞がTAAを含む)癌の治療又は予防に用いることができる。
本発明はまた、本発明の医薬組成物を哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物において免疫応答を惹起する方法も提供する。この免疫応答は、例えば動物小胞がTAAを含む抗腫瘍応答であってもよい。
本発明はまた、(例えば癌の治療又は予防に用いるための)医薬品の製造における動物小胞及び細菌小胞の両方の使用も提供する。
本発明はまた、(a)哺乳動物被験者から腫瘍細胞を抽出するステップと、(b)抽出された腫瘍細胞から小胞を得るステップと、(c)得られた小胞を細菌小胞と混合して医薬組成物を得るステップとを含む、医薬組成物を調製する方法も提供する。この組成物は次いで、腫瘍細胞がステップ(a)で抽出された哺乳動物被験者に投与されてもよい。
本発明はまた、(a)哺乳動物被験者から得られた腫瘍細胞から小胞を得るステップと、(b)得られた小胞を細菌小胞と混合して医薬組成物を得るステップとを含む、医薬組成物を調製する方法も提供する。この組成物は次いで、ステップ(a)の前に腫瘍細胞が得られた哺乳動物被験者に投与されてもよい。
動物小胞
本発明で有用な動物小胞は、動物細胞から放出される細胞外小胞である。動物小胞は、生体分子を取り囲む脂質二重層により制限され、典型的には20から1000nmの直径を有する。膜粒子、膜小胞、微小胞、エクソソーム様小胞、エクソソーム、エクトソーム(ectosome)様小胞、エクトソーム又はエクソベシクル(exovesicle)を含む様々なタイプの動物小胞が当技術分野で公知である。Theryら(F1000 Biol Rep. 2011; 3: 15頁)は、エクソソーム及び他の類似の分泌小胞のレビューを提供している。種々のタイプの動物小胞は、直径、細胞内起源、ショ糖中のその密度、形状、沈降速度、脂質組成物、タンパク質マーカー、及び分泌様式(すなわちシグナル後(誘導性)又は自発的(構成性))に基づき区別される。4つの一般的な動物小胞及びこれらの際立った特徴が、以下の表1に記載されている。
Figure 2016507543
動物小胞は、直接的及び間接的機構によるドナー細胞とレシピエント細胞の間のビヒクルとして作用することにより、細胞間情報伝達において役割を果たすと考えられている。直接的機構は、レシピエント細胞による動物小胞及びこのドナー細胞由来成分(タンパク質、脂質又は核酸などの)の取り込みを含み、該成分はレシピエント細胞において生物活性を有する。間接的機構は、微小胞-レシピエント細胞表面相互作用を含み、レシピエント細胞の細胞内シグナル伝達の調節をもたらす。したがって、動物小胞は、1つ以上のドナー細胞由来特性のレシピエント細胞による獲得を媒介することができる。
幾つかの実施形態において、動物小胞は哺乳動物小胞であり、すなわち動物小胞は哺乳動物細胞由来である。幾つかの実施形態において動物小胞はヒト小胞であり、すなわち動物小胞はヒト細胞由来である。医薬組成物がヒトへの投与を目的とされる場合、ヒト小胞が好ましい。同じ起源/目的の一致は他の動物にも当てはまる。
疾患関連抗原を免疫系に提示することができる(例えば腫瘍起源を有するために、感染細胞若しくは変異細胞に由来するために、又は他の手段により)任意の動物小胞が、本発明の文脈では有用である。したがって、幾つかの実施形態において、本発明は、細菌小胞及び動物小胞を含む医薬組成物であって、動物小胞は少なくとも1つの疾患関連抗原を含む医薬組成物を提供する。さらなる実施形態において、少なくとも1つの疾患関連抗原を含む動物小胞は、膜粒子、膜小胞、微小胞、エクソソーム様小胞、エクソソーム、エクトソーム様小胞、エクトソーム又はエクソベシクルである。エクソソーム及びエクソソーム様粒子は、これらのサイズ、組成、及び作製の容易さのため、本発明の好ましい動物小胞である。
幾つかの実施形態において、動物小胞が由来する動物細胞は腫瘍細胞である。腫瘍細胞は原発腫瘍細胞であってもよく、又は例えば継代、培養、増殖、不死化等により腫瘍細胞から作製されてもよい。故に腫瘍細胞は、癌若しくは前癌患者における腫瘍由来であり得、又は腫瘍若しくは癌細胞株由来であり得る。腫瘍細胞は、TAAを示す動物小胞を提供することができる。腫瘍細胞は、良性腫瘍又は悪性腫瘍由来であってもよい。
他の実施形態において、動物小胞が由来する動物細胞は感染細胞、すなわち病原体を含有する細胞である。
他の実施形態において、動物小胞が由来する動物細胞は変異細胞である。例えば、幾つかの実施形態において変異細胞は、変異体タンパク質又はミスフォールドタンパク質を発現する。幾つかの実施形態において、変異細胞は1つ以上のタンパク質を過剰発現する。幾つかの実施形態において変異体細胞は、プロテオパチー障害(proteopathic disorder)などの変性障害に関与する。幾つかの実施形態において、動物細胞は中枢神経系細胞である。
幾つかの実施形態において、腫瘍細胞、感染細胞又は変異細胞などの動物細胞は、自家性、すなわち医薬組成物が投与される患者由来であってもよい。
典型的には、特定の癌タイプのワクチンとして使用する医薬組成物は、この特定の癌タイプの腫瘍/癌細胞に由来する動物小胞を含むであろう。例えば、前立腺癌ワクチンに用いるための医薬組成物は、典型的には、前立腺腫瘍/癌細胞から精製された動物小胞を含む。このように、動物小胞は、治療/防御されるべき腫瘍/癌細胞上に存在する抗原に対する適応免疫応答を刺激するTAAを含む。同じ起源/目的の一致は他の疾患にも当てはまる。
表1に示されているように、エクソソームは、後期エンドサイトーシス区画における多小胞体(MVB)の境界膜の「内向き/逆向きの出芽」により形成されるナノスケール(30〜100nm)の膜小胞であり、MVBが形質膜と融合すると放出される。エクソソーム分泌は、生理的及び病的状態下の両方でほとんどの細胞タイプから、特に腫瘍細胞及び造血細胞から観察される。エクソソームは調製しやすく、その目的に対するキットさえ市販されている(例えばSBI製ExoQuick-TCキット)。
エクソソームは、細胞質タンパク質及び膜タンパク質の他、親細胞に由来する核酸を含有する。タンパク質内容物は一般には、標的/接着分子(例えばテトラスパニン、ラクトアドへリン及びインテグリン)、膜輸送分子(例えばアネキシン及びRabタンパク質)、細胞骨格分子(例えばアクチン及びチューブリン)、MVB形成に関与するタンパク質(例えばAlix、Tsg101及びクラスリン)、シャペロン(例えば、Hsp70及びHsp90)、シグナル伝達タンパク質(例えばタンパク質キナーゼ、14-3-3、及びヘテロ三量体Gタンパク質)、及び細胞質酵素(例えばGAPDH、ペルオキシダーゼ、及びピルビン酸キナーゼ)を含む特定の分子に富んでいる(Yang C.及びRobbins D.B. The role of tumor-derived exosomes in cancer pathogenesis. Clinical and Developmental Immunology、2011、doi:10.1155/2011/842849)。他の動物小胞も、エクソソームに関して上記に記載されたものなどの様々な活性分子を含有する。例えば、膜微小胞及びエクトソームは、サイトカイン、増殖因子受容体、RNA、及びメタロプロテアーゼもまた含むことが示されている。
細胞起源に応じて、動物小胞のタンパク質組成は特定のタンパク質に富み得る。例えば、腫瘍由来動物小胞は通常、メラン-A、Silv、癌胎児性抗原(CEA)、及びメソテリンなどの親腫瘍細胞で発現されるTAAを含有する。故に、癌ワクチン戦略は、DCをパルスするためのTAAの供給源として腫瘍由来エクソソームを使用し、マウス(Wolfers J、Lozier A、Raposo Gら Tumor-derived exosomes are a source of shared tumor rejection antigens for CTL cross-priming. Nature Medicine. 2001;7(3):297〜303頁)及びヒト(Bu N、Wu H、Sun Bら Exosome-loaded dendritic cells elicit tumor-specific CD8(+) cytotoxic T cells in patients with glioma. Journal of Neuro-Oncology. 104(3):659〜667頁)において腫瘍特異的CD8+ CTL応答を誘導することができるDCへの腫瘍抗原の移行をもたらした。
幾つかの実施形態において、動物小胞は、追加のタンパク質を含むように、又は目的とするタンパク質のレベルを増減させるように修飾されてもよい。典型的には修飾は、細胞から小胞を得る前に、小胞が由来する細胞に適用されるであろう。タンパク質発現を変更する方法は当技術分野で周知であり、該方法には、例えば、遺伝子修飾、小分子阻害剤、酵素又は他の阻害/活性化タンパク質若しくはペプチドによる阻害、及びアンチセンス技術(又は他の核酸技術)が含まれる。例えば、動物小胞は、例えば、小胞が由来する細胞を炎症誘発性サイトカイン及び/又はHsp70レベルが増加するストレス条件に供して、高レベルの炎症誘発性因子を含有するように修飾することができる(Yang C.及びRobbins D.B. The role of tumor-derived exosomes in cancer pathogenesis. Clinical and Developmental Immunology、2011、doi:10.1155/2011/842849)。これは、Th1極性化免疫応答を刺激することができる動物小胞をもたらし得る。或いは、親細胞は、FasL、TRAIL又はTGFベータなどの免疫抑制分子の発現を低下させるように修飾されてもよい。動物小胞はまた、追加の免疫原性タンパク質の組み込み、例えばスーパー抗原ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)との融合(Xiu F、Cai Z、Yang Y、Wang X、Wang J、Cao X. Surface anchorage of superantigen SEA promotes induction of specific antitumor immune response by tumor-derived exosomes. Journal of Molecular Medicine. 2007;85(5):511〜521頁)により修飾することもできる。
動物小胞調製物のタンパク質内容物は、例えばウエスタンブロット、共焦点顕微鏡検査、プロテオミクス等を含む当技術分野で周知の方法により分析することができる。
細胞起源及び合成機構に応じて、エクソソームの脂質組成もまた変わり得る。これらの違いは、当技術分野で周知の方法により検出することができる。エクソソーム特異的核酸(miRNAなどの)もまたモニタリングすることができる。故にエクソソームは、タンパク質、脂質及び核酸組成により特徴付けることができる。
細菌小胞
本発明で有用な細菌小胞は、グラム陰性菌の外膜を破壊して又は該外膜からブレブリング(blebbling)して外膜由来の抗原を保持する小胞を形成することにより得られる任意のプロテオリポソーム小胞であり得る。故に該用語には、例えば、OMV(「ブレブ(bleb)」と呼ばれることもある)、微小胞(MV [1])及び「天然のOMV」(「NOMV」[2])が含まれる。
細菌小胞は、(i)強い免疫原性、(ii)自己アジュバント性、(iii)哺乳動物細胞と相互作用し、膜融合又は接着受容体を介した細胞付着により取り込まれる能力、及び(iv)組換え技術により異種抗原発現を組み込む可能性を含む、細菌小胞をワクチン送達プラットフォームの魅力的な候補にする幾つかの特性を有する。
MV及びNOMVは、細菌増殖中に自然に生じ培地に放出される自然発生の膜小胞である。MVは、ブロス培地で細菌を培養し、ブロス培地でより小さいMVから全細胞(whole cells)を分離し(例えば濾過により、又は細胞のみをペレット化し、より小さい小胞をペレット化しない低速遠心分離により)、次いで細胞枯渇培地からMVを回収して(例えば濾過により、MVの示差沈殿又は凝集により、MVをペレット化するための高速遠心分離により)得ることができる。MVの作製に用いる株は一般には、培養液中に産生されるMVの量に基づき選択することができる(例えば参考文献3及び4には、高MV産生ナイセリア(Neisseria)が記載されている)。
OMVは細菌から人工的に調製され、界面活性剤処理(例えばデオキシコレートによる)又は非界面活性剤手段(例えば参考文献5参照)を用いて調製することができる。OMVを形成する手法には、界面活性剤を沈殿させないために十分に高いpHでの胆汁酸塩界面活性剤(例えばリトコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、デオキシコール酸、コール酸、ウルソコール酸等の塩)による細菌の処理が含まれる[6]。他の手法は、超音波処理、均質化、マイクロ流動化(microfluidisation)、空洞化、浸透圧ショック、破砕、フレンチプレス、ブレンディング等などの手法を用いて、界面活性剤の非存在下で実質的に行うことができる[5]。界面活性剤を用いない又は低い界面活性剤を用いる方法は、有用な抗原を保持することができる[5]。故に方法は、約0.5%以下、例えば約0.2%、約0.1%、<0.05%又はゼロのデオキシコレートを含む、OMV抽出緩衝液を使用してもよい。
細菌小胞は好都合には、例えば0.22μmフィルターによる濾過により全細菌から分離することができる。細菌濾液は、遠心分離、例えば高速遠心分離(例えば20,000×g、約2時間)により清澄化されてもよい。OMV調製のための別の有用なプロセスは参考文献7に記載されており、高速遠心分離の代わりに粗OMVに対する限外濾過を伴う。該プロセスは、限外濾過が行われる後に超遠心分離のステップを含み得る。(i)例えば0.22μm精密濾過により、小胞が濾液を通過しながら小胞が種々のサイズに基づき細菌から分離される第1の濾過ステップと、(ii)例えば0.1μm精密濾過により小胞が保持液に保持される第2の濾過ステップとを含む、細菌小胞を精製するための簡単なプロセスが参考文献8に記載されている。2つのステップはいずれも、接線流濾過を使用してもよい。
OMV作製の別の有用なプロセスは、細菌が小胞を培地に自発的に放出するように細菌を変異させることである。例えば、髄膜炎菌(meningococcus)に関して、参考文献9に開示されているように、髄膜炎菌のmltA遺伝子を不活化することが可能であり、これらの変異体細菌は小胞を培地に自発的に放出する。
OMVは、増殖中、グラム陰性菌により天然に及び構成的に放出される脂質二重層ナノスケール球状粒子(直径10〜300nm)である。OMVは細菌外膜の「出芽」により生成され、これと一致してOMVは、リポ多糖(LPS)、グリセロリン脂質、外膜タンパク質、及びペリプラズム成分を含む細菌外膜の組成と類似した組成を有する(Mashburn-Warren及びWhiteley、2008; 2005頁)。OMV放出は、細菌が外部環境の変化に迅速に適応するのに不可欠なステップであることが提案されている。さらに、宿主細胞への毒素因子及び病原性因子送達、種間及び種内細胞間クロストーク、バイオフィルム形成、遺伝形質転換、並びに宿主免疫応答に対する防御を含む多くの他の機能が、OMVに起因すると考えられている。
親細菌細胞と同様に、OMVはヒト免疫系を活性化する。LPS及び外膜ポーリンは、病原体関連分子パターン(PAMP)として先天性免疫系に提示される異種複合体の一部である。宿主食細胞の表面に存在するToll様受容体(TLR)のようなパターン認識受容体(PRR)は、LPS及び他のPAMPを認識し、補体系と共に炎症反応を駆動する(Amanoら、2010; Beutlerら、2003; Blander及びMedzhitov、2006; Schnareら、2001; Schnareら、2006)。さらに、PAMP免疫増強物質が、上記に記載されたOMV内在化プロセスにより防御抗原と共送達されるという事実は、なぜOMVが防御免疫の発生においてそれほど有効なのかを説明するものである。
OMVの内容物又はインタクトなOMVは、膜融合により、又は細菌と同じ宿主受容体を用いた接着受容体を介した小胞との細胞付着により、哺乳動物細胞に取り込まれ得る(Ellis及びKuehn、2010; Ellisら、2010; Kuehn及びKesty、2005; Parkerら、2010)。宿主細胞へのOMVの接着は、インビボ及びインビトロの両方で生じる。OMVは、感染ヒト組織でも検出されている(Brown及びHardwidge、2007; Kulp及びKuehn、2010; Leeら、2008; Lindmarkら、2009)。腸管毒素原性大腸菌(E. coli)(ETEC)により産生される熱不安定性エンテロトキシン(LT)は、OMVにより宿主細胞に送達され得る活性毒素の例である(Brown及びHardwidge、2007)。
上述の通り、異種抗原をOMVなどの細菌小胞に組み込むことも可能である(Gorringeら、2009; O'Dwyerら、2004; Royら、2010)。例えば、Schroeder及びAebischer(2009)は、OMに自発的に組み込まれる大腸菌オートトランスポーター(autotransporter)のC末端ドメインに融合されたリーシュマニア(Leishmania)抗原を有するサルモネラ(Salmonella)由来の組換えOMVを調製した。該研究者らは、組換え小胞の皮下注射が、生サルモネラワクチンで経口免疫されたマウスにおいてワクチン免疫応答を40倍まで増加させることを見出した。研究は、他のグラム陰性菌由来、及びより最近ではグラム陽性微生物由来の異種タンパク質が、ペリプラズムタンパク質又は外膜タンパク質との融合により初期OMVに組み込まれる得ることも示している(Ashrafら、2011; Muralinathら、2011)。
小胞ベースのワクチンによるほとんどの臨床経験は髄膜炎菌に基づくが、小胞ベースのワクチンは他のグラム陰性菌についても知られている。
故に小胞は、大腸菌属(Escherichia)、赤痢菌属(Shigella)、ナイセリア属、モラクセラ属(Moraxella)、ボルデテラ属(Bordetella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、クラミジアヘモフィルス(Chlamydia Haemophilus)、レジオネラ属(Legionella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、エルシニア属(Yersinia)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、サルモネラ属(Salmonella)、ビブリオ属(Vibrio)等のいずれかにおける種由来であってもよい。例えば、小胞は、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)、マルタ熱菌(Brucella melitensis)、ヒツジ流産菌(Brucella ovis)、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、カタル球菌(Moraxella catarrhalis)、大腸菌(腸管外病原性株を含む)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(非分類可能株を含む)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)(チフス菌(serovar typhi)及びネズミチフス菌(typhimurium)を含む)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、フレキシネル菌(Shigella flexneri)、ボイド菌(Shigella boydii)又はソンネ菌(Shigella sonnei)等由来であってもよい。
髄膜炎菌OMVはヒトでの証明された安全性記録を有し、そのため好ましい選択肢となり得る。別の有用な選択は、大腸菌小胞、例えばBL21(DE3)株である(「方法」参照)。
小胞は、野生型細菌又は修飾細菌、例えば、毒性表現型をもたらす遺伝子を不活化するように修飾された株から調製されてもよい。例えば、特に大腸菌、髄膜炎菌、赤痢菌等について、天然リポ多糖(LPS)を発現しないように細菌を修飾することが知られている。天然LPSの様々な修飾が行われてもよく、例えばこれらにより天然脂質A構造、オリゴ糖コア、又は外側のO抗原が破壊されてもよい。LPSにおけるO抗原の欠如は、ヘキサアシル化脂質Aの欠如と同様に有用である。エンテロトキシンの不活化も、例えば志賀毒素の発現を予防することが知られている。リポオリゴ糖(LOS)が小胞に存在するならば、LOS及びタンパク質成分を連結する(「ブレブ内(intra-bleb)」コンジュゲーション)ように小胞を処理することが可能である。小胞はLOSを完全に欠如してもよく、又は小胞はヘキサアシル化LOSを欠如してもよい(例えば小胞中のLOSは、LOS分子1個当たりの二次アシル鎖の数が減少してもよい[10])。例えば、小胞は、ペンタアシル化LOSの産生をもたらすlpxL1欠失又は変異を有する株由来であってもよい。株中のLOSは、ラクト-N-ネオテトラオースエピトープを欠如してもよく、例えば該LOSは、lst及び/又はlgtBノックアウト株であってもよい。LOSは、少なくとも1つの野生型一次O連結脂肪酸を欠如してもよい[11]。LOSは、α鎖を持たなくてもよい。LOSは、GlcNAc-Hep2ホスホエタノールアミン-KDO2-リピドAを含んでもよい[12]。細菌はまた、Tol-Palの発現を低減又はノックアウトするように修飾することもできる。Tol-Pal複合体は、ペリプラズムにまたがり、膜タンパク質及び可溶性タンパク質の両方から成るグラム陰性菌の超分子機構である。その構築が、コレラ菌、緑膿菌及びネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)などの病原性微生物における病原性に関して必要とされる。故に、好ましい実施形態において、細菌小胞は機能的Tol-Pal系を含まない。上述の通り、細菌は、mltA遺伝子の不活化により修飾することもできる。
細菌は、アップレギュレート抗原又は外来抗原(すなわち特定の細菌株に生来備わっていない抗原)の発現を有するように修飾することができる。この修飾の結果、修飾細菌から調製された小胞は、より高いレベルのアップレギュレート/外来抗原を含有する。アップレギュレート抗原の小胞における発現の増加(対応する野生型株と比べて測定される)は、有用には少なくとも10%(小胞の単位質量当たりの当該抗原の質量で測定される)であり、より有用には少なくとも20%、30%、40%、50%、75%、100%又はこれ以上である。
抗原のアップレギュレーションを引き起こすのに使用され得る適切な組換え修飾には、(i)プロモーター置換、(ii)遺伝子付加、(iii)遺伝子置換、又は(iv)リプレッサーノックアウトが含まれるが、これらに限定されない。プロモーター置換では、細菌における抗原の遺伝子の発現を制御するプロモーターが、より高いレベルの発現をもたらすプロモーターで置換される。例えば、遺伝子は、ハウスキーピング代謝遺伝子由来のプロモーターの制御下に置かれてもよい。他の実施形態において、抗原の遺伝子は、構成的プロモーター又は誘導性プロモーターの制御下に置かれる。同様に、遺伝子は、この発現が相変異を受けないことを確保するように修飾されてもよい。髄膜炎菌における遺伝子発現の相変異性を低減又は排除する方法は、参考文献13に開示されている。これらの方法には、プロモーター置換、又は遺伝子の相変異性に関与するDNAモチーフの除去若しくは置換が含まれる。遺伝子付加では、抗原を既に発現している細菌は、当該遺伝子の第2のコピーを受け取る。この第2のコピーは、細菌染色体に組み込まれてもよく、又はプラスミドなどのエピソームエレメント上にあってもよい。第2のコピーは、既存のコピーよりより強いプロモーターを有し得る。遺伝子は、構成的プロモーター又は誘導性プロモーターの制御下に置かれてもよい。遺伝子付加の効果は、発現抗原の量を増加させることである。遺伝子置換では、遺伝子付加は生じるが、遺伝子の既存のコピーの欠失を伴う(参考文献14参照)。置換コピーからの発現は、以前のコピーからの発現より高く、故にアップレギュレーションをもたらす。リプレッサーノックアウトでは、目的とする抗原の発現を抑制するタンパク質がノックアウトされる。故に抑制が生じず、目的とする抗原はより高いレベルで発現され得る。アップレギュレート遺伝子のプロモーターには、有利にはCRENを含み得る[15]。
修飾株は一般には、遺伝子修飾を除いて親株と同質遺伝子的であろう。修飾の結果、修飾株における目的とする抗原の発現は親株より高い(同じ条件下で)。典型的な修飾は、天然に見出されないプロモーターの制御下に遺伝子を置くこと、及び/又はリプレッサーをコードする遺伝子をノックアウトすることであろう。
抗原がアップレギュレートされる実施形態において、様々なアプローチが使用され得る(例えば、IPTG誘導性プロモーターの制御下で目的とする抗原タンパク質を発現する遺伝子の導入)。プロモーターはCRENを含み得る。
本発明は、種々の株由来の小胞の混合物と共に使用されてもよい(例えば、参考文献16参照)。
複合体
本発明者らは、上記に記載された動物小胞及び細菌小胞が、PBSなどの溶液中で混合されると共局在化することを示した。本発明者らは、これらが安定な複合体を形成すると仮定する。
故に、幾つかの実施形態において、本発明は、動物小胞及び細菌小胞を含む複合体を提供する。幾つかの実施形態において複合体は、単一の動物小胞及び単一の細菌小胞を含む。幾つかの実施形態において、複合体は、2つ以上の動物小胞(同じタイプの)及び/又は2つ以上の細菌小胞(同じタイプの)を含む。例えば、幾つかの実施形態において複合体は、1:1、1:2、1:3、1:4以上、又は2:1、3:1、4以上:1の小胞数による比で動物小胞及び細菌小胞を含む。
同様に、幾つかの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、動物小胞及び細菌小胞を含み、ここで動物小胞及び細菌小胞は複合体中に存在する。
幾つかの実施形態において、複合体は、2つの脂質二重層の融合、すなわち動物小胞脂質二重層と細菌小胞脂質二重層との融合により形成される。幾つかの実施形態において、融合は、単一の閉じられた脂質二重層をもたらす。故に、幾つかの実施形態において本発明は、(i)場合によりPAMPを含むアジュバント性に関連した細菌抗原と、(ii)TAAなどの疾患関連抗原とを含む「融合複合体」を提供する。
上述の通りエクソソームは、それらの細胞の起源に依存するタンパク質、脂質及び核酸組成物により特徴付けすることができる。これらの違いは、融合においてエクソソームをOMVと区別するために検出され得、使用され得る。故に、幾つかの実施形態において融合複合体は、例えば動物小胞に由来する動物グリコフォーム、動物脂質、動物核酸及び/又は動物外膜タンパク質を含む。融合複合体は典型的には、脂質二重層、場合により単一の閉じられた脂質二重層(2つ以上の脂質二重層の完全融合となり得る)を有する小胞である。
別の実施形態において、複合体は、2つの脂質二重層上、すなわち動物小胞脂質二重層及び細菌小胞脂質二重層上のタンパク質及び/又は炭水化物部分の表面接着により形成される。例えば、表面接着は接着受容体を介してもよい。
幾つかの実施形態において、複合体は、融合及び表面接着の組合せにより形成される。
幾つかの実施形態において、複合体形成はない、すなわち動物小胞及び細菌小胞は、別個の成分として医薬組成物中に存在する。
幾つかの実施形態において、動物小胞及び細菌小胞は、医薬組成物に組み込まれる前に別個の成分として保管される。成分は、動物への投与前、投与後、投与と同時に組み合わせることができる。故に、別個の成分は、別個の成分として、典型的には同時に又は連続的に動物に投与されてもよい。或いは、別個の成分は、例えばデュアルチャンバーシリンジ又は混合シリンジを用いて動物に共投与されてもよい。
動物小胞及び細菌小胞の共局在化は、動物小胞及び細菌小胞を標識し(例えばそれぞれ異なる蛍光標識を用いて)、動物小胞及び細菌小胞を混ぜ合わせ(例えばPBS中で)、顕微鏡(例えばレーザー走査型共焦点顕微鏡)下で小胞を観察して決定することができる。
疾患関連抗原
一般に動物小胞は、目的とする特定の疾患に対する免疫応答を刺激するために疾患関連抗原を含む。
故に、幾つかの実施形態において、動物小胞は少なくとも1つの疾患関連抗原を含む。幾つかの実施形態において少なくとも1つの疾患関連抗原は、TAA、病原体関連抗原、又は変性障害関連抗原である。
幾つかの病原体は、患者の感染細胞の表面に抗原の幾つかを発現することが示されている。したがって、これらの感染細胞に由来するエクソソームなどの動物小胞は、病原体関連抗原も含有することになる。幾つかの実施形態において病原体関連抗原は、特定のウイルス、細菌、真菌、原虫又は寄生虫に関連し得る。好ましい実施形態において病原体は、細胞内病原体、すなわち宿主の細胞内で増殖及び複製することができる病原体である。細菌の例には、野兎病菌(Francisella tularensis)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、サルモネラ菌、ブルセラ菌(Brucella)、レジオネラ菌(Legionella)、マイコバクテリア(mycobacteria)、ノカルジア菌(Nocardia)、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、エルシニア(Yersinia)、髄膜炎菌、クラミジア(Chlamydia)、リケッチア(Rickettsia)、コクシエラ(Coxiella)、ライ菌(mycobacteria leprae)などのマイコバクテリア、及び梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)が含まれるが、これらに限定されない。真菌の例には、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、及びニューモシスチス肺炎菌(Pneumocystis jirovecii)が含まれるがこれらに限定されない。原虫の例には、アピコンプレキサン類(Apicomplexan)(例えばプラスモジウム(Plasmodium)属種、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)及びクリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum))、並びにトリパノソーマ類(Trypanosomatids)(例えばリーシュマニア属種及びクルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi))が含まれるがこれらに限定されない。
変性障害には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、別名ルーゲーリック病、アルツハイマー病、パーキンソン病、多系統萎縮症、ニーマンピック病、アテローム性動脈硬化、進行性核上麻痺、癌、本態性振戦、テイサックス病、糖尿病、心臓疾患、円錐角膜、炎症性腸疾患(IBD)、前立腺炎、骨関節炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、ハンチントン病、慢性外傷性脳症及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)が含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、変性障害は、特定のタンパク質が構造的に異常になり、これにより身体の細胞、組織及び器官の機能を破壊するプロテオパチー疾患(Proteopathic disease)である。プロテオパチー疾患には、アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病、2型糖尿病、アミロイドーシスが含まれるが、これらに限定されない。いずれのこれらの変性障害も、用語「変性障害関連抗原」の範囲内にある変性障害に関連した抗原を有し得る。例えば、プロテオパチー疾患の凝集タンパク質(表2参照)又はこの断片は、変性障害関連抗原の例である。
Figure 2016507543
Figure 2016507543
動物小胞は、病原体関連抗原の任意の組合せ、変性障害関連抗原の任意の組合せ(表2にリストされているプロテオパチー抗原の任意の組合せを含む)、又はTAAの任意の組合せを含む疾患関連抗原の任意の組合せを含有し得る。
腫瘍関連抗原
TAA(腫瘍特異的抗原-TSAを含む)は、異常な構造及び/又は異常な発現パターンを有する、腫瘍細胞で産生されるタンパク質である。
腫瘍胎児抗原は、腫瘍抗原の1つのクラスである。例は、アルファフェトプロテイン(AFP)及び癌胎児性抗原(CEA)である。これらのタンパク質は、正常には胚発生の初期に産生され、免疫系が十分に発達する頃には消失する。故に自己寛容は、これらの抗原に対して発達しない。
異常なタンパク質は、腫瘍ウイルス、例えばEBV及びHPVに感染された細胞によっても産生される。これらのウイルスにより感染された細胞は、潜伏ウイルスDNAを含有し、該DNAは転写され、得られたタンパク質は免疫応答をもたらす。
タンパク質に加えて、細胞表面糖脂質及び糖タンパク質のような他の物質も腫瘍細胞において異常な構造を有し得、故に免疫系の標的となり得る。
幾つかの実施形態において、本発明の動物小胞は1つ以上のTAAを含み、1つ以上のTAAは、以下から選択される:(a) NY-ESO-1、SSX2、SCP1、並びにRAGE、BAGE、GAGE及びMAGEファミリーポリペプチド、例えば、GAGE-1、GAGE-2、MAGE-1、MAGE-2、MAGE-3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、及びMAGE-12などの癌-精巣抗原(メラノーマ、肺腫瘍、頭頸部腫瘍、NSCLC、乳房腫瘍、胃腸腫瘍、及び膀胱腫瘍に対処するために例えば使用することができる、(b)変異抗原、例えば、p53(様々な固形腫瘍、例えば、結腸直腸癌、肺癌、頭頸部癌に関連)、p21/Ras(例えば、メラノーマ、膵臓癌及び結腸直腸癌に関連)、CDK4(例えば、メラノーマに関連)、MUM1(例えば、メラノーマに関連)、カスパーゼ8(例えば、頭頸部癌に関連)、CIA 0205(例えば、膀胱癌に関連)、HLA-A2-R1701、ベータカテニン(例えば、メラノーマに関連)、TCR(例えば、T細胞非ホジキンリンパ腫に関連)、BCR-abl(例えば、慢性骨髄性白血病に関連)、トリオースリン酸イソメラーゼ、KIA 0205、CDC-27、及びLDLR-FUT、(c)過剰発現抗原、例えば、ガレクチン4(例えば、結腸直腸癌に関連)、ガレクチン9(例えば、ホジキン病に関連)、プロテイナーゼ3(例えば、慢性骨髄性白血病に関連)、WT 1(例えば、様々な白血病に関連)、炭素脱水酵素(例えば、腎臓癌に関連)、アルドラーゼA(例えば、肺癌に関連)、PRAME(例えば、メラノーマに関連)、HER-2/neu(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌及び卵巣癌に関連)、マンマグロビン、アルファ-フェトプロテイン(例えば、肝細胞癌に関連)、KSA(例えば、結腸直腸癌に関連)、ガストリン(例えば、膵臓癌及び胃癌に関連)、テロメラーゼ触媒タンパク質(telomerase catalytic protein)、MUC-1(例えば、乳癌及び卵巣癌に関連)、G-250(例えば、腎細胞癌に関連)、p53(例えば、乳癌、結腸癌に関連)、及び癌胎児性抗原(例えば、乳癌、肺癌、及び結腸直腸癌などの胃腸管の癌に関連)、(d)共通抗原、例えば、MART-1/メランA、gp100、MC1R、メラニン細胞刺激ホルモン受容体、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質-1/TRP1及びチロシナーゼ関連タンパク質-2/TRP2(例えば、メラノーマに関連)などのメラノーマ-メラニン細胞分化抗原、(e)例えば前立腺癌に関連したPAP、PSA、PSMA、PSH-P1、PSM-P1、PSM-P2などの前立腺関連抗原、(f)免疫グロブリンイディオタイプ(例えば、骨髄腫及びB細胞リンパ腫に関連)。特定の実施形態において、1つ以上のTAAは、p15、Hom/Mel-40、H-Ras、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、エプスタインバーウイルス抗原、EBNA、E6及びE7を含むヒトパピローマウイルス(HPV)抗原、B型及びC型肝炎ウイルス抗原、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス抗原、TSP-180、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、mn-23H1、TAG-72-4、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、p16、TAGE、PSCA、CT7、43-9F、5T4、791 Tgp72、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68/KP1、CO-029、FGF-5、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90(Mac-2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、TPS等から選択されるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、1つ以上のTAAは、メラン-A、Silv、癌胎児性抗原(CEA)、及びメソテリンから選択されるが、これらに限定されない。
動物小胞は、上記にリストされたTAAから選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はこれ以上のTAAの任意の組合せを含むと理解されるべきである。
医薬組成物
医薬組成物は、動物小胞及び細菌小胞に加えてさらなる成分を含んでもよい。これらのさらなる成分は、さらなる免疫原性成分及び/又は非免疫原性成分を含んでもよい。
医薬組成物は通常、薬学的に許容される担体を含み、該担体は、組成物を受け取る患者に有害な抗体の産生をそれ自体は誘導しない任意の物質であり得、過度の毒性なしに投与することができるであろう。薬学的に許容される担体には、水、生理食塩水、グリセロール及びエタノールなどの液体が含まれ得る。湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝物質等などの補助物質も、そのようなビヒクルに存在してもよい。適切な担体の完全な論考は、参考文献17で入手可能である。
医薬組成物のpHは、通常6から8の間、より好ましくは6.5から7.5の間(例えば約7)である。幾つかの実施形態において、本発明の組成物における安定なpHは、緩衝液、例えばトリス緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、又はヒスチジン緩衝液の使用により維持することができる。故に本発明の医薬組成物は、一般には緩衝液を含むであろう。
医薬組成物は、無菌であってもよく及び/又はパイロジェンフリーであってもよい。医薬組成物は、ヒトに関して等張であってもよい。
本発明はまた、本発明の医薬組成物を予め充填された容器(例えバイアル)又は送達装置(例えばシリンジ)を提供する。本発明はまた、容器又は装置に本発明の小胞含有組成物を導入するステップを含む、そのような容器又は装置を提供するプロセスも提供する。
被験者に投与するための本発明の医薬組成物は、好ましくはワクチン組成物である。本発明によるワクチンは、予防的(例えば癌を予防するために)、又は治療的(例えば癌を治療するために)であってもよい。ワクチンとして使用される医薬組成物は、免疫学的有効量の抗原の他必要に応じて任意の他の成分を含む。「免疫学的有効量」により、個体へのこの量の投与が、単回投与で又は連続投与の一環として治療又は予防に有効であることが意味される。この量は、治療される個体の健康及び体調、年齢、治療される個体の分類群(例えばヒト以外の霊長類、霊長類等)、抗体を合成する個体の免疫系のキャパシティー、望まれる防御の程度、ワクチンの剤形、医学的状況の治療医師の評価、及び他の関連要因に応じて異なる。該量は、日常の試験を通じて決定することができる比較的広い範囲に収まることが予想される。本発明の組成物の抗原含量は一般には、1用量当たりのタンパク質の量で表されるであろう。本発明の組成物中の目的とする抗原の濃度は一般には、10から500μg/mlの間、好ましくは25から200μg/mlの間、より好ましくは約50μg/ml又は約100μg/ml(組成物中の総タンパク質量で表される)であってもよい。
医薬組成物に含まれる動物及び細菌小胞の濃度は、例えば小胞が由来する細胞タイプを含む幾つかのパラメーターに応じて異なるであろう。組成物中の動物小胞の濃度は一般には、1ml当たり108から109小胞となるであろう。典型的には、動物小胞及び細菌小胞は、モルによる当量で混合されるであろう。しかし、幾つかの実施形態において、表面抗原のレベルに応じて、より大きな割合の動物小胞又はより大きな割合の細菌小胞が医薬組成物中に存在するであろう。例えば、幾つかの実施形態において動物小胞は、1:10から10:1、1:9から9:1、1:8から8:1、1:7から7:1、1:6から6:1、1:5から5:1、1:4から4:1、1:3から3:1、1:2から2:1又は1:1のモル量の比で細菌小胞と混合される。
医薬組成物は、免疫学的アジュバントを含んでもよい。故に、例えば、医薬組成物は、アルミニウム塩アジュバント又は水中油型エマルジョン(例えば水中スクアレン型エマルジョン)を含んでもよい。適切なアルミニウム塩には、水酸化物(例えばオキシ水酸化物)、リン酸塩(例えばヒドロキシリン酸塩、オルトリン酸塩)、(例えば参考文献18の第8及び9章参照)、又はこれらの混合物が含まれる。該塩は、任意の適切形態(例えばゲル、結晶、非結晶等)をとってもよく、該塩に抗原が吸着することが好ましい。被験者に投与するための組成物中のAl+++の濃度は、好ましくは5mg/ml未満、例えば≦4mg/ml、≦3mg/ml、≦2mg/ml、≦1mg/ml等である。好ましい範囲は、0.3から1mg/mlの間である。最大0.85mg/用量が好ましい。
本発明の組成物は、様々な液体形態で調製することができる。例えば、組成物は、溶液又は懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製されてもよい。組成物は、微細スプレーを用いた例えば吸入器による肺内投与用に調製されてもよい。組成物は、例えばスプレー又は滴剤として鼻内、耳内又は眼内投与用に調製されてもよく、鼻腔内小胞ワクチンは当技術分野で公知である。筋肉内投与用の注射剤が典型的である。注射は針(例えば皮下注射針)を介してもよいが、無針注射が代替的に使用されてもよい。
組成物は、特に複数回投与形式で包装される場合、抗菌剤を含んでもよい。チオメルサール及び2-フェノキシエタノールなどの抗菌剤がワクチンにおいて一般的に見出されるが、水銀を含まない防腐剤を使用すること、又は防腐剤を全く使用しないことが好ましい。
組成物は、界面活性剤、例えばTween 80などのTween(ポリソルベート)を含んでもよい。界面活性剤は一般には、低レベル、例えば<0.01%で存在する。
組成物は、例えばOMV調製物からの残留界面活性剤(例えばデオキシコレート)を含んでもよい。残留界面活性剤の量は、小胞タンパク質1μgごとに、好ましくは0.4μg未満(より好ましくは0.2μg未満)である。
組成物がLOSを含む場合、LOSの量は、小胞タンパク質1μgごとに、好ましくは0.12μg未満(より好ましくは0.05μg未満)である。
組成物は、例えば張度を制御するためのナトリウム塩(例えば塩化ナトリウム)を含んでもよい。10±2mg/ml NaClの濃度が典型的である(例えば約9mg/ml)。
有効投与容量は、組成物の抗原性に応じて日常的に確立することができる。組成物の典型的なヒト用量は、例えば筋肉内注射(例えば大腿部又は上腕に)に対して、例えば約0.5mlであってもよい。類似の用量は他の送達経路に対して使用することができ、例えば噴霧用の鼻腔内ワクチンは、1スプレー当たり約100μl又は約130μlの容量を有してもよく、約0.5mlの総用量を得るために4スプレーが投与されてもよい。
本発明の使用
本発明はまた、医薬品に用いるための、例えば疾患の治療又は予防に用いるための本発明の複合体又は組成物を提供する。
本発明はまた、本発明の医薬組成物を哺乳動物、好ましくはヒトに投与するステップを含む疾患を治療又は予防する方法も提供する。
本発明はまた、本発明の医薬組成物、好ましくは免疫原性組成物を哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物において免疫応答を惹起する方法も提供する。典型的には、免疫応答は抗体応答である。抗体応答は、好ましくは防御抗体応答である。本発明はまた、そのような方法に用いるための本発明の組成物も提供する。
本発明はまた、哺乳動物に本発明の医薬組成物を投与するステップを含む、癌などの疾患に対して哺乳動物を防御する方法も提供する。
本発明は、医薬品として(例えば免疫原性組成物として、又はワクチンとして)使用するための本発明の医薬組成物を提供する。本発明はまた、哺乳動物における疾患を治療又は予防するための医薬品の製造における、場合により複合体での動物小胞及び細菌小胞の使用も提供する。
疾患は、例えば、病原性感染(本出願の他の部分にリストされたものなどの)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、別名ルーゲーリック病、アルツハイマー病、パーキンソン病、多系統萎縮症、ニーマンピック病、アテローム性動脈硬化、進行性核上麻痺、癌、本態性振戦、テイサックス病、糖尿病、心臓疾患、円錐角膜、炎症性腸疾患(IBD)、前立腺炎、骨関節炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、ハンチントン病、慢性外傷性脳症及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)であり得る(しかし、これらに限定されない)。さらなる実施形態において、変性障害は、特定のタンパク質が構造的に異常になり、これにより身体の細胞、組織及び器官の機能を破壊するプロテオパチー疾患である。プロテオパチー疾患には、アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病、2型糖尿病、アミロイドーシスが含まれるが、これらに限定されない。
癌は、例えば、気管支原性癌、鼻咽頭癌、喉頭癌、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、肺腺癌、肝細胞癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌、又はリンパ性白血病であり得る(しかし、これらに限定されない)。
本発明に用いるために選択される小胞は、特定の疾患に対する免疫応答を惹起するための適切な抗原を含有する小胞として選択されるべきである。適切な小胞は、当業者により容易に選択され得る。例えば、癌の治療に用いる医薬組成物又は複合体を調製するために、当業者は、腫瘍に由来するエクソソームなどの動物小胞を選択し得、癌患者に投与される場合に免疫応答を補強することができる細菌小胞とこの動物小胞を組み合わせ得る。同様に、小胞は、目的とする疾患の適切な抗原を含有すべきである。例えば、表2にリストされたプロテオパチー障害に対して、当業者は、1つ以上の対応するリストされた凝集タンパク質の抗原が動物小胞に含まれることを確保し得る。
哺乳動物は、好ましくはヒトである。ヒトは、成人又は小児であってもよい。小児に意図されるワクチンは、例えば安全性、投与量、免疫原性等を評価するために成人に投与することもできる。
治療処置の有効性は、本発明の組成物を投与後に感染進行又は腫瘍進行をモニタリングしてテストすることができる。予防治療の有効性は、組成物の投与後に、小胞中の免疫原性タンパク質又は他の抗原、例えばTAAに対する免疫応答をモニタリングしてテストすることができる。本発明の組成物の免疫原性は、テスト被験者にこれを投与すること、次いで標準的な血清パラメーターを決定することにより決定することができる。これらの免疫応答は一般に、組成物の投与後およそ4週間で決定され、組成物の投与前に決定された値と比較されるであろう。1回を超える用量の組成物が投与される場合、1回を超える投与後の決定が行われ得る。一般に、TAAを含む動物小胞を含む本発明の医薬組成物は、被験者に投与された後に血清抗TAA抗体応答を誘導することができる。
本発明の組成物は一般には、患者に直接投与されるであろう。直接送達は、非経口注射(例えば皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、又は組織の間質腔への)、又は直腸、経口、膣内、局所、経皮、鼻腔内、眼内、耳内、肺内若しくは他の粘膜投与により達成することができる。大腿部又は上腕への筋肉内投与が好ましい。注射は針(例えば皮下注射針)を介してもよいが、無針注射が代替的に使用されてもよい。典型的な筋肉内用量は、約0.5mlである。
本発明は、全身及び/又は粘膜免疫を誘発するのに使用することができる。
投与治療は、単回投与スケジュール又は複数回投与スケジュールであってもよい。複数回投与は、一次免疫スケジュール及び/又は追加免疫スケジュールで使用することができる。一次投与スケジュールの後に、追加投与スケジュールが続き得る。プライミング投与間(例えば4〜16週間の間)、及びプライミングと追加の間の適切なタイミングは、日常的に決定することができる。
全般
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」の他「成る(consisting)」を包含し、例えばXを「含む(comprising)」組成物は、Xのみから成ってもよく、又は追加の何か、例えばX+Yを含んでもよい。
単語「実質的に(substantially)」は、「完全に(completely)」を排除せず、例えばYを「実質的に含まない(substantially free)」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要な場合、単語「実質的に」は、本発明の定義から除外され得る。
数値xとの関連において、用語「約(about)」は任意選択であり、例えば、x±10%を意味する。
詳細に記載されない限り、2つ以上の成分を混合するステップを含むプロセスは、混合する任意の特定の順番を必要としない。故に成分は、任意の順番で混合することができる。3つの成分がある場合は、2つの成分が互いに組み合わされてもよく、次いで該組合せが第3の成分等と組み合わされてもよい。
OMV-エクソソーム複合体の図である。大腸菌ΔTolRから精製されたOMVは、FM4-64色素とのインキュベーションにより標識され、EGFPトランスフェクトHEK293T細胞株から単離されたエクソソームとインキュベートされた。エクソソーム-OMV共局在化は、488nm/543nmレーザー線によるレーザー走査型共焦点顕微鏡により評価された。図1Aの上のパネル:それぞれレーザー線488及び542nmでスキャンされた精製EGFP-エクソソーム及びOMV FM4-64色素の図である。エクソソーム及びOMVの原蛍光シグナルは、白及びグレースケール(EGFP-エクソソーム、ダークグレーのスポット; OMV FM 4-64、白いスポット)に変換され、2つの画像の統合は、3つのうち2つの目に見えるOMV(スポット1及び3)が488及び542nm蛍光シグナルの両方を示すことを示しており、これは、これらの小胞がエクソソームと共局在化することを示すものである。図1B、1C及び1Dの下のパネル:目に見える小胞の共局在化グラフを示す図である。グラフは、OMV及びエクソソームスポットの1マイクロメータ当たりの蛍光強度を表し、EGFP-エクソソームとOMV FM 4-64の間の重複シグナルを示す(スポット1及び3として標識)(EGFP-エクソソーム、実線; OMV FM 4-64、破線)。 図1Aと同じ。 図1Aと同じ。 図1Aと同じ。 エクソソームに関連することが知られるタンパク質であるIFITM3に対して産生された抗体によるウエスタンブロットを示す図である。 5種類のエクソソーム関連ヒトタンパク質(CXCR4、EFFR、IFITM3、FOLH1、TFRC)に対してOMV+エクソソーム製剤により誘発された全IgGを示す図である。OMV+エクソソーム及びOMV単独で免疫されたマウス由来の血清がプールされ、免疫前血清との比較によって、各組換えタンパク質についてELISAにより分析された。 5種類のエクソソーム関連ヒトタンパク質に対してOMV+エクソソームにより誘発されたIgG1及びIgG2a抗体サブクラスを示す図である。OMV+エクソソーム、エクソソーム単独及びOMV単独で免疫されたマウス由来の血清がプールされ、各組換えタンパク質についてELISAにより分析された。 図4Aと同じ。
[実施例1]
方法
エクソソーム精製及び分析
Hek293-EGFP安定クローンは、製造者の条件下、グリーン蛍光タンパク質EGFPをコードするプラスミド(pcDNA-EGF)を用いて、HEK293-FLPin細胞(Invitrogen)を安定にトランスフェクトして開発した。Hek293-EGFP細胞を37℃、5% CO2でDMEM 10% FBSで培養した。細胞が80〜90%のコンフルエンスになったとき、培地を新鮮な血清不含培地と交換した。24時間後、本発明者らは10mlの細胞培養上清を回収し、エクソソームをExoQuick-TCキット(SBI)を用いて提供者のプロトコルに従って精製した。
エクソソーム調製物の品質は、エクソソームに関連することが知られている一連のタンパク質に対して作出した抗体を用いて、共焦点顕微鏡検査によるウエスタンブロットにより分析した。さらに、エクソソームを、種々の細胞株により発現され、エクソソーム中に検出された腫瘍関連抗原に対する抗体で染色した(例えば、図2参照)。
ウエスタンブロットのために、エクソソームペレットを20ulのLaemmliローディングに再懸濁し、10分間沸騰させ、SDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に移した。膜を、PBS+10%脂肪粉乳で1時間、室温で飽和させた。1%脱脂粉乳及び0.05% Tweenを含むPBS中でインキュベートした膜を、1:1000希釈で一晩、4℃、ポリクローナルにより最初にプローブした。1%脱脂粉乳及び0.05% Tweenを含むPBSで3回洗浄後、二次抗体を室温で1時間、1:500希釈で添加した。PBS+0.05% Tweenで3回さらに洗浄した後、膜をECLで発色し、ChemiDocで検出した。共焦点顕微鏡分析のために、Hek293-EGFPエクソソームをExoquick-Tcで単離し、488nmレーザー線(LeicaSP5)によるレーザー走査型共焦点顕微鏡下で観察した。
OMV調製
機能性TolR遺伝子を欠くBL21(DE3)ΔtolR変異体株の培地、株を0.22μm細孔径フィルター(Millipore、ベッドフォード、MA)により濾過した。濾液を遠心分離により清澄化し、高速遠心分離(200,000×g、2時間)に供し、OMVを含有するペレットをPBSで洗浄し、最後にPBSで再懸濁した。OMVを、標準的なプロトコル手順を用いて共焦点顕微鏡検査用にFM 4-64色素(Molecular probes)で標識した。
或いは、OMVは、新鮮プレートから500mlのLB(ルリアベルターニブロス)+Amp(100ug/ml)に播種し、撹拌(200r.p.m.)しながら37℃でインキュベートし、増殖させたBL21(DE3)ΔompA大腸菌細胞から調製することができる。細菌培養物を37℃でO.D.=1まで増殖させた。この時点で、培地を0.22μm細孔径フィルター(Millipore、ベッドフォード、MA)により濾過した。濾液を高速遠心分離(200,000×g、90分間)に供し、OMVを含有するペレットをPBSで洗浄し、最後にPBSで再懸濁した(Berlandaら(2008) Mol Cell Proteomics 2008 Mar; 7(3):473〜85頁)。
OMV-エクソソーム複合体の生成
エクソソームと相互作用するOMVの能力を実証するために、共局在化試験を実施した。OMVを、FM 4-64色素で標識し、等容量のEGFP-エクソソーム調製物とPBS中、室温で30分間混合し、希釈し、ガラスカバースリップにプレートし、グリセロールプラスチン(glycerol plastine)でマウントした。OMV-エクソソーム複合体を、488nm/543nmレーザー線(LeicaSP5)によるレーザー走査型共焦点顕微鏡下で可視化した。
結果及び結論
EGFP-エクソソームの分析は、これらが最も豊富なエクソソームタンパク質の1つであるCD81を含有することを示した。さらに、エクソソームは、ワクチンに用いるために利用され得る一連の腫瘍関連抗原の存在を示した。OMVはFM 4-64色素で標識し、精製EGFP-エクソソームとインキュベートした。エクソソーム-OMV共局在化を、488nm/543nmレーザー線によるレーザー走査型共焦点顕微鏡により検証した。この分析では、OMV-エクソソーム複合体の存在が、重複する488nm及び542nm蛍光シグナルにより明らかにされるのに対し、異なるOMV及びエクソソームは2つの蛍光シグナルのどちらかを示す。図1に示されているように、EGFP-エクソソーム及びOMV FM 4-64を共インキュベートした場合、幾つかのOMV及びエクソソーム小胞は両方とも蛍光シグナルを有しており、これは、細菌小胞及び哺乳動物小胞が共局在化し(図1、パネルAの1及び3として標識されたライトグレーのスポットにより表されている)、複合体を形成することを示すものである。
[実施例2]
方法
OMV調製
OMVを、新鮮プレートから500mlのLB(ルリアベルターニブロス)+Amp(100ug/ml)に播種し、撹拌(200 r.p.m.)しながら37℃でインキュベートし、増殖させたBL21(DE3)ΔompA大腸菌細胞から調製した。細菌培養物を37℃でO.D.=1まで増殖させた。この時点で、培地を0.22μm細孔径フィルター(Millipore、ベッドフォード、MA)により濾過した。濾液を高速遠心分離(200,000×g、90分間)に供し、OMVを含有するペレットをPBSで洗浄し、最後にPBSで再懸濁した(Berlandaら(2008) Mol Cell Proteomics 2008 Mar; 7(3):473〜85頁)。
免疫化試験のためのエクソソームの調製
免疫化試験のために、細胞培養上清由来のエクソソームを、Raposoら(1996)Exp. Med. 183、1161〜1172頁により記載された分画遠心分離により単離した。CD81簡単には、1×108 のHCT15細胞を、プレコンフルエンスまで18個の175cm2フラスコ中、DMEM-10% FCSでコンフルエンスまで培養した。エクソソーム調製のために、培地を血清不含培地(PFHM-II Gibco-LifeTechnologies)と交換し、24時間培養し、次いで200×gで10分間遠心分離した(ペレットP1)。上清を回収し、500gで10分間、2回遠心分離した(ペレットP2)。第2の上清を15分間、2,000×gで2回(ペレットP3)、30分間、10,000×gで1回(ペレットP4)、60分間、70,000×gで1回(ペレットP5)、SW28ローター(Beckman instruments、Inc.)を用いて連続的に遠心分離した。細胞ペレットP1を1mlのC-RIPA緩衝液(50mM Tris-Hcl pH7.5、150mM NaCl、1% Nonidet P-40; 2mM EGTA、1mMオルトバナデート、0.1% SDS、0.5% Na-デオキシコレート、1mMフェニルメタンスルホニルフルオリド、10μg/mlロイペプチン、10μg/mlアプロチニン)で可溶化し、一方、上清由来ペレットP2〜P5の各々は0.5lの同じ緩衝液で可溶化した。清澄後、各試料のタンパク質濃度をブラッドフォードにより決定した。
エクソソミアル(exosomial)調製物の品質管理として、20μgのP1抽出物及び10μgのP2〜P5抽出物(それぞれ、約2×105及び2×107細胞に相当)をSDS-PAGE(4〜12%)にローディングし、エクソソミアルマーカーCD81を標的にする抗体によるウエスタンブロットにより分析した。さらに、エクソソーム中の5種類のタンパク質の存在もウエスタンブロットにより評価した。SDS-PAGE(4〜12%ゲル)をニトロセルロース膜にエレクトロブロットした。膜は、10%粉乳を含有する1×PBS-0.1% Tween 20(PBST)から成るブロッキング緩衝液中、室温で1時間飽和させた。次いで、膜を、1%粉乳を含有するブロッキング緩衝液に1:1000希釈した抗原特異的抗体とインキュベートし、PBST-1%で洗浄した。二次HRPコンジュゲート抗体(ヤギ抗マウス免疫グロブリン/HRP、Perkin Elmer)をブロッキング緩衝液に1:5000希釈し、化学発光検出を、Chemidoc-IT UVP CCDカメラ(UVP)及びWestern Lightning(商標) Cheminulescence Reagent Plus(Perkin Elmer)を用いて、製造者のプロトコルに従って実施した。
免疫化
5/6週齢CD1非近交系メスマウス(1群当たり5匹)を、1、14及び28日目に3mg/mlの最終濃度でアジュバントとしての等容量の水酸化アラム(Alum Hydroxide)と共に製剤化したOMV(100マイクロリットル中15マイクログラム)又はOMV+エクソソームの組合せ(100マイクロリットル中各15マイクログラム)又はエクソソーム単独(100マイクロリットル中15マイクログラム)のいずれかで腹腔内免疫した。2週間後、最後の免疫化マウスを出血させ、個々のマウス由来の血清をプールした。
ELISA分析
マウスをOMV+エクソソームの組合せで免疫して誘発した総IgG力価を、一連のエクソソミアルタンパク質についてテストし、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によりアッセイした。マイクロELISAプレート(Nunc Maxisorp)の個々のウェルを、PBS(pH7.4)中1μgの各組換えタンパク質で一晩、4℃で被覆した。プレートを洗浄し、PBS-1%BSAで1時間、37℃で処理し、PBS-0.1% Tween中種々の連続希釈物での、OMV、エクソソーム及びOMV+エクソソームに対する抗血清の100μlアリコートをウェルに添加した。37℃で2時間のインキュベーション後、プレートを再び洗浄し、PBS-Tween中、1:2500希釈したアルカリホスファターゼコンジュゲートヤギ抗マウスIgG(Sigma)と37℃で1時間インキュベートした。
IgG2a及びIgG1サブクラスを検出するために、プレートを、PBS-Tween中、1:4000で希釈したアルカリホスファターゼコンジュゲートヤギ抗マウスIgG2a及びIgG1(Sigma)とインキュベートした。この後、100μlのPNPP(Sigma)を試料に添加し、30分間室温でインキュベートした。光学密度を405nmで読み取り、血清-抗体力価を0.5のOD値をもたらす血清希釈として定義した。
結果及び結論
HCT15由来エクソソームにおけるマーカー検出
HCT15細胞における一連のエクソソーム関連タンパク質の発現を、HCT15細胞の全抽出物及び/又はエクソソミアル画分でウエスタンブロットにより検証した。エクソソームを培養上清の連続的な分画遠心分離により調製し、5種類の遠心分離ペレットを得、このうちP1は細胞ペレットであり、P2〜P4は中間上清由来ペレットであり、P5は最終エクソソーム濃縮ペレットである。ペレットP1(20μg/レーン、約1×105細胞に相当)、P4及び最終エクソソームペレットP5(10μg/レーン、2×107細胞に相当)を、エクソソミアルマーカーCD81に対して作出した抗体、及び以下の表Aにリストされた5種類の選択されたタンパク質に対するポリクローナル抗体によるウエスタンブロットに供した。
Figure 2016507543
CD81は、調製物の品質を裏付けるエクソソミアル画分に非常に富んでいた。これらの細胞におけるタンパク質発現及びエクソソミアル画分との関連を裏付ける、予想されたサイズのバンドが全ての抗体で検出された。
OMV-エクソソーム製剤は免疫原性が高い
エクソソミアルタンパク質に対する高い抗体力価を誘発するOMV-エクソソーム組合せの能力を検証するために、CD1マウスを、水酸化アラム中に製剤化された、組合せOMV+エクソソーム(15+15マイクログラム)及びOMV(15マイクログラム)でマウス免疫した。最終免疫化後に回収した血清をプールし、5種類の組換えタンパク質(表A参照)で被覆したプレートでELISAにより分析した。該タンパク質は、エクソソーム関連であること、及び様々なヒト疾患に関与していることにより選択された(表A参照)。図3に示されているように、組合せOMV+エクソソームは、5/5ヒトタンパク質に対する高い抗体力価を誘導した。マウスをOMV単独で免疫した場合、抗体はほとんど検出されず、これは、OMV+エクソソームにより各抗原に対して誘発された抗体応答が特異的であること、及びOMVタンパク質との交差反応によるものではないことを示している。全実験中、マウスは毒性又は疼痛のいずれの明白な徴候も示さなかった。
このデータは、OMV-エクソソーム製剤が安全であり、免疫原性が高く、全ての選択されたヒトタンパク質に対する抗体を誘発できることを示している。5種類のエクソソミアルタンパク質は、種々のヒト病理に関与することが知られていることから、OMV-エクソソーム製剤に基づくワクチンは、種々の疾患の予防又は治療において幅広い適用性を有し得る。
免疫マウス由来の血清における抗原特異的IgGサブクラス分布
組合せワクチンにおけるアジュバントは、注射の免疫用量及び回数を低減するのに使用することができ、これにより望ましくない副作用を減らすことができる(Dadanら(1998) Infect. Immun. 66:2093〜20981998頁)。アジュバントは、デポ効果を生み出すこと、免疫細胞を標的にすること、又は特定のサイトカインの産生を増加させることにより、特定の抗原の免疫応答を増強又は調節する(Moingeonら、(2001) Vaccine 19:4363〜4372頁; Guptaら(1995) Vaccine 13:1263〜1276頁)。アジュバントはTh1-Th2バランスの変化を誘導し得、故に生成される抗体サブクラスの変化を誘導し得る。マウスでは、免疫グロブリンG1(IgG1)はTh2様応答に関連しているが、Th1応答はIgG2a、IgG2b、及びIgG3抗体の誘導に関連している(Germannら、(1995) Eur. J. Immunol. 25:823〜829頁)。
OMVとエクソソームとの共送達を用いた免疫化が、免疫応答バランスをTh1プロファイルに移行し得るかどうかを理解するために、本発明者らは、5種類の選択されたタンパク質に対する、OMV+エクソソーム、エクソソーム単独、又はOMVで免疫したマウスで誘発されたIgG2a及びIgG1サブクラスのレベルを比較した。抗原特異的IgG1及びIgG2a力価を、抗IgG1及び抗IgG2a特異的抗体を用いて、種々の製剤で免疫したマウス由来の血清においてELISAにより測定した。
図4に示されているように、OMV+エクソソーム及びエクソソーム単独での免疫化は、類似のレベルのIgGを誘発した。反対に、OMV+エクソソームは、エクソソーム単独より著しく高い抗原特異的IgG2aレベルを誘発することができた。この知見は、製剤OMV+エクソソームが、Th1方向に免疫応答を傾ける上で極めて有効であることを強く示している。
本発明は、例としてのみ記載され、変形が、本発明の範囲及び趣旨の範囲内において行われ得ることが理解されよう。
参考文献
Figure 2016507543

Claims (15)

  1. 医薬組成物を調製する方法であって、(a)動物小胞を(b)細菌小胞と混合するステップを含む前記方法。
  2. (a)動物小胞及び(b)細菌小胞を含む、免疫原性医薬組成物。
  3. 動物小胞が少なくとも1つの疾患関連抗原を含む、請求項1に記載の方法又は請求項2に記載の組成物。
  4. 疾患関連抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)、病原体関連抗原、又は変性障害関連抗原から選択される、請求項3に記載の方法又は組成物。
  5. 少なくとも1つのTAAが、メラン-A、Silv、癌胎児性抗原(CEA)、及びメソテリンから選択される、請求項4に記載の方法又は組成物。
  6. 動物小胞がエクソソーム又はエクソソーム様小胞である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  7. 細菌小胞が、外膜小胞(OMV)、微小胞(MV)、又は「天然のOMV」(「NOMV」)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  8. 細菌小胞が外膜小胞(OMV)である、請求項7に記載の方法又は組成物。
  9. 細菌小胞が、例えば親細胞における遺伝子組換えによって修飾されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  10. 動物小胞及び細菌小胞が複合体を形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  11. 複合体が2つの脂質二重層の融合又は表面接着により形成される、請求項10に記載の方法又は組成物。
  12. 医薬組成物がワクチン組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  13. 疾患の治療又は予防に用いるための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
  14. 疾患が、癌、病原体感染、又は変性障害である、請求項13に記載の方法又は組成物。
  15. 請求項2〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物において免疫応答を惹起する方法。
JP2015556499A 2013-02-07 2014-02-06 小胞を含む医薬組成物 Pending JP2016507543A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP13154463.7 2013-02-07
EP13154463 2013-02-07
PCT/EP2014/052370 WO2014122232A1 (en) 2013-02-07 2014-02-06 Pharmaceutical compositions comprising vesicles

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016507543A true JP2016507543A (ja) 2016-03-10
JP2016507543A5 JP2016507543A5 (ja) 2017-03-09

Family

ID=47681775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015556499A Pending JP2016507543A (ja) 2013-02-07 2014-02-06 小胞を含む医薬組成物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20160120818A1 (ja)
EP (1) EP2953620A1 (ja)
JP (1) JP2016507543A (ja)
CN (1) CN105163724A (ja)
BR (1) BR112015018877A2 (ja)
CA (1) CA2900454A1 (ja)
WO (1) WO2014122232A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3096741B1 (en) 2014-01-21 2020-09-02 Anjarium Biosciences AG Process for the production of hybridosomes
WO2016051389A1 (en) * 2014-10-03 2016-04-07 Engeneic Molecular Delivery Pty Ltd Enhanced loading of intact, bacterially derived vesicles with small molecule compounds
AU2017226956A1 (en) * 2016-03-03 2018-10-11 Institut Gustave Roussy PTPS-based vaccines against cancer
EP3563835A4 (en) * 2016-12-29 2020-12-30 Korea Institute of Science and Technology NEW EXOSOME-BASED ANTI-CANCER AGENT
EP3784220A4 (en) * 2018-04-26 2022-05-11 University Of Louisville Research Foundation, Inc. EDIBLE PLANT EXOSOME-TYPE NANOVECTORS FOR VACCINATION
US11541105B2 (en) 2018-06-01 2023-01-03 The Research Foundation For The State University Of New York Compositions and methods for disrupting biofilm formation and maintenance
WO2020146390A1 (en) * 2019-01-09 2020-07-16 Exocure Biosciences, Inc. Bacteria-derived vesicles and uses thereof
CN110367202B (zh) * 2019-06-20 2021-11-02 广东医科大学附属医院 一种肠菌外膜囊泡在制备痴呆动物模型中的应用
US20220378902A1 (en) * 2019-08-22 2022-12-01 Sichuan University Bacterial membrane vesicles, and separation and preparation system and method therefor
CN111521826A (zh) * 2020-05-21 2020-08-11 江海松 外周血外泌体中Notch3蛋白作为分子标记的应用及一种检测试剂盒
WO2022154149A1 (ko) * 2021-01-14 2022-07-21 (주)엑솔런스 세포외소포체를 이용한 백신 조성물
WO2023097652A1 (en) * 2021-12-03 2023-06-08 National Center For Nanoscience And Technology An engineered cell and application thereof
CN115350161B (zh) * 2022-08-19 2024-04-16 沈阳药科大学 基于工程化益生菌外膜囊泡包被纳米酶递送系统及其制备方法和应用
CN117065041B (zh) * 2023-04-04 2024-02-27 山东大学 一种包被载药脂质纳米粒的外膜囊泡及其制备方法和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514388A (ja) * 2001-12-17 2005-05-19 ヘルス プロテクション エージェンシー グラム陰性菌由来の外膜小胞およびワクチンとしての使用
JP2011513217A (ja) * 2008-02-22 2011-04-28 エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ(エイ・スター) 間葉系幹細胞粒子

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6180111B1 (en) 1995-05-18 2001-01-30 University Of Maryland Vaccine delivery system
US6645503B1 (en) 1998-03-10 2003-11-11 Wyeth Holdings Corporation Antigenic conjugates of conserved lipopolysaccharides of gram negative bacteria
US6248329B1 (en) * 1998-06-01 2001-06-19 Ramaswamy Chandrashekar Parasitic helminth cuticlin nucleic acid molecules and uses thereof
US6482807B1 (en) 1998-11-03 2002-11-19 De Staat Der Nederlanden, Vertegenwoordigd Door De Minister Van Welzijn, Volksgezondheid En Cultuur LPS with reduced toxicity from genetically modified gram negative bacteria
US6531131B1 (en) 1999-08-10 2003-03-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Conjugate vaccine for Neisseria meningitidis
AU1917501A (en) 1999-11-12 2001-06-06 University Of Iowa Research Foundation, The Control of neisserial membrane synthesis
DK1897555T3 (da) * 2000-01-17 2014-10-13 Novartis Vaccines & Diagnostic Kompletteret OMV-vaccine mod meningococcus
NO20002828D0 (no) 2000-06-02 2000-06-02 Statens Inst For Folkehelse Proteinholdig vaksine mot Neisseria meningtidis serogruppe samt fremgangsmÕte ved fremstilling derav
ES2519440T3 (es) 2000-07-27 2014-11-07 Children's Hospital & Research Center At Oakland Vacunas para la protección de amplio espectro contra enfermedades causadas por Neisseria meningitidis
MXPA05001265A (es) 2002-08-02 2005-04-28 Glaxosmithkline Biolog Sa Composiciones de vacuna de neisserial que comprenden una combinacion de antigenos.
GB0220194D0 (en) 2002-08-30 2002-10-09 Chiron Spa Improved vesicles
GB0316560D0 (en) 2003-07-15 2003-08-20 Chiron Srl Vesicle filtration
CN1925873B (zh) * 2004-02-02 2011-02-09 恩杰内克分子递送有限公司 经细菌来源的完整微细胞在体外将药物靶向递送至哺乳动物细胞的组合物和方法
GB0419627D0 (en) 2004-09-03 2004-10-06 Chiron Srl Immunogenic bacterial vesicles with outer membrane proteins
GB0424092D0 (en) * 2004-10-29 2004-12-01 Chiron Srl Immunogenic bacterial vesicles with outer membrane proteins
US9034345B2 (en) 2005-01-27 2015-05-19 Children's Hospital & Research Center Oakland GNA1870-based vesicle vaccines for broad spectrum protection against diseases caused by Neisseria meningitidis
CN102596177B (zh) * 2009-07-01 2014-05-28 阿昂梅迪克斯公司 来源于有核哺乳动物细胞的微囊泡及其应用
GB0917003D0 (en) 2009-09-28 2009-11-11 Novartis Vaccines Inst For Global Health Srl Purification of bacterial vesicles

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514388A (ja) * 2001-12-17 2005-05-19 ヘルス プロテクション エージェンシー グラム陰性菌由来の外膜小胞およびワクチンとしての使用
JP2011513217A (ja) * 2008-02-22 2011-04-28 エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ(エイ・スター) 間葉系幹細胞粒子

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CLINICAL AND DEVELOPMENTAL IMMUNOLOGY, 2011, ARTICLE ID 842849, JPN6017044104, ISSN: 0003835929 *
HUMAN VACCINES & IMMUNOTHERAPEUTICS, JULY 2012, P.953-955, JPN6017044101, ISSN: 0003835926 *
PNAS, 2010, VOL.107, NO.7, P.3099-3104, JPN6017044102, ISSN: 0003835927 *
VACCINE, 2011, VOL.29, P.8293-8301, JPN6017044103, ISSN: 0003835928 *
WOLFERS JOSEPH, NATURE MEDICINE, vol. V7 N3, JPN5016001856, 1 March 2001 (2001-03-01), US, pages 297 - 303, ISSN: 0003835930 *

Also Published As

Publication number Publication date
CA2900454A1 (en) 2014-08-14
WO2014122232A1 (en) 2014-08-14
CN105163724A (zh) 2015-12-16
US20160120818A1 (en) 2016-05-05
BR112015018877A2 (pt) 2017-08-22
EP2953620A1 (en) 2015-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016507543A (ja) 小胞を含む医薬組成物
Azmi et al. Recent progress in adjuvant discovery for peptide-based subunit vaccines
Shariat et al. P5 HER2/neu-derived peptide conjugated to liposomes containing MPL adjuvant as an effective prophylactic vaccine formulation for breast cancer
Granadillo et al. A novel fusion protein-based vaccine comprising a cell penetrating and immunostimulatory peptide linked to human papillomavirus (HPV) type 16 E7 antigen generates potent immunologic and anti-tumor responses in mice
TWI449534B (zh) 利用陽離子性脂質之對映異構體刺激免疫反應
JP5755839B2 (ja) T細胞応答の増強方法
JP2018516847A (ja) 生体高分子薬を送達するための組成物及び方法
Cheung et al. Adjuvant‐loaded subcellular vesicles derived from disrupted cancer cells for cancer vaccination
US20200405835A1 (en) Fusion proteins for the outer membrane vesicle (omv) delivery of heterologous polypetides and immunogenic compositions thereof
EP3672625B1 (en) Synthetic vaccine
Sedlik et al. Different immunogenicity but similar antitumor efficacy of two DNA vaccines coding for an antigen secreted in different membrane vesicle-associated forms
AU2016354590B2 (en) Lipids as synthetic vectors to enhance antigen processing and presentation ex-vivo in dendritic cell therapy
ES2342606T3 (es) Blanco in vivo de celulas dentriticas.
JP6487850B2 (ja) アジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物、並びにこれらの製造方法
Moore et al. Injectable, ribbon-like microconfetti biopolymer platform for vaccine applications
JP2004523494A6 (ja) 低免疫原性抗原の免疫原性を増強する医薬組成物
Zhu et al. Screening for lipid nanoparticles that modulate the immune activity of helper T cells towards enhanced antitumour activity
Blom et al. Virosome-bound antigen enhances DC-dependent specific CD4+ T cell stimulation, inducing a Th1 and Treg profile in vitro
Kuai et al. Lipid-based nanoparticles for vaccine applications
Shen et al. Self-adjuvanting lipoimmunogens for therapeutic HPV vaccine development: potential clinical impact
US8003093B2 (en) B cell-based vaccine loaded with the ligand of natural killer T cell and antigen
Shariat et al. Preparation and characterization of different liposomal formulations containing P5 HER2/neu-derived peptide and evaluation of their immunological responses and antitumor effects
JP2022036961A (ja) 樹状細胞療法においてex vivoでの抗原のプロセシングと提示を亢進させるための合成ベクターとしての脂質
JPWO2016194685A1 (ja) アルミニウムを含有するアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物
Ochyl Preparation and Characterization of Cell Membranes for Cancer Immunotherapy

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20160218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180717