JP2016507249A - ナノ構造ベースの核酸配列決定のための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

本願で提供されるのは、ナノ構造ベースの配列決定方法およびシステムである。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年2月20日出願の米国出願第61/766,925号の恩典を主張する。
技術分野
本開示は、概して、核酸配列決定システムおよび方法ならびにそのようなシステムおよび方法において使用され得る組成物に関する。
背景
ナノ構造DNA配列決定は、費用対効果の優れた、長い読み取りの、かつ正確な全ヒトゲノム配列決定および効率的な細菌ゲノム配列決定ならびにその他の配列決定用途を実現できるDNA配列決定の1つの方法である。本開示は、既存のナノ構造配列決定技術に対して多くの改善を提供し、例えば臨床応用および高スループット環境でのナノ構造ベースの配列決定方法の使用を制限している多くの制約に対処する。
要旨
ナノ構造ベースの配列決定は、ナノ構造の近くで固体表面に対して固定されているポリメラーゼに基づく。塩基の組み込みおよびポリメラーゼによる伸長の結果として、核酸はポリメラーゼ酵素内を、そしてその結果として、ナノ構造を貫通して(through)、ナノ構造上で(on)またはナノ構造の上方で(over)転位する。酵素依存的な転位の結果として、ナノ構造にわたる電気信号の変化が観察される。本明細書に記載される配列決定方法は、2つのアプローチを含む。第1のアプローチは、既知の塩基を添加し、単一塩基重合およびナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での転位(すなわち、移動)を行わせるベース・バイ・ベース(base-by-base)の配列決定である。第2のアプローチにおいては、4つのヌクレオチドすべてが存在し、そのヌクレオチドのうちの1つが律速量で存在する。4つのヌクレオチドのうちの3つの組み込みおよびその後のポリメラーゼによる伸長、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の移動は、その酵素の通常の速度で起こる。しかし、律速ヌクレオチドに対応する核酸内位置では、伸長/転位、したがってナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での移動が、低速になるかまたは休止する。律速濃度の各ヌクレオチドを用いて反応を繰り返すことにより、完全な配列決定をバイオインフォマティクス的に構築することが可能となる。
1つの局面において、標的核酸分子の配列を決定する方法が提供される。そのような方法は、典型的に、ポリメラーゼと標的核酸分子を配列決定条件下で接触させる工程であって、配列決定条件が少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、ポリメラーゼが固体基材に固定されている、工程;ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;前記接触させる工程および前記検出する工程を複数回繰り返す工程;ならびに少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在下での前記移動の変化の存在または非存在に連続的に基づき標的核酸分子の配列を決定する工程、を含む。いくつかの態様において、配列決定条件は、単一のヌクレオシド三リン酸の存在を含む。いくつかの態様において、配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する。
代表的な固体基材は、ガラスである。1つの態様において、ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼである。代表的なRNAポリメラーゼは、例えば、バクテリオファージRNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼおよびT3 RNAポリメラーゼ)ならびに細菌RNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌(E.coli)RNAポリメラーゼ)を含む。1つの態様において、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。代表的なDNAポリメラーゼは、例えば、phi29 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、枯草菌(Bacillus subtilis)DNAポリメラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、Hisタグを介してまたは1つもしくは複数のビオチン-ストレプトアビジン結合を介して固体表面に固定される。
いくつかの態様において、標的核酸分子は、真核生物性である。標的核酸分子は、二本鎖または一本鎖であり得る。いくつかの態様において、標的核酸分子は、生物学的試料中にまたは生物学的試料の一部として含まれる。いくつかの態様において、標的核酸分子は、ポリメラーゼプロモーター配列を含む。いくつかの態様において、標的核酸分子は、磁気タグをさらに含む。
代表的なナノ構造は、例えば、生物学的ナノ構造、ソリッドステートナノ構造またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、検出する工程は、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのもしくはナノ構造の上方でのナノ構造の電流の変化の測定および/またはナノ構造のイオン伝導の変化の測定を含む。検出する工程は、CMOSベースの人工ナノ構造および電子機器上での移動の捕捉をさらに含み得る。いくつかの態様において、この方法は、標的核酸分子に有向性の力を適用する工程をさらに含む。いくつかの態様において、有向性の力は、磁石によって生成される。いくつかの態様において、有向性の力は、流動または圧によって生成される。
別の局面において、標的核酸分子の配列を決定する方法が提供される。そのような方法は、典型的に、ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;ポリメラーゼと標的核酸分子を第1の配列決定条件下で接触させる工程であって、第1の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;第1の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第1のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程、を含む。そのような方法は、ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;ポリメラーゼと標的核酸分子を第2の配列決定条件下で接触させる工程であって、第2の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;第2の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第2のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程、をさらに含み得る。いくつかの態様において、第2の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程は、第1の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程と同時に行われる。いくつかの態様において、第2の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程は、第1の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程の前または後に順に実施される。そのような方法は、ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;ポリメラーゼと標的核酸分子を第3の配列決定条件下で接触させる工程であって、第3の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第3のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;第3の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第3のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程、をさらに含み得る。そのような方法は、典型的に、標的核酸分子内での第1、第2および第3のヌクレオシド三リン酸の位置情報から標的核酸分子の配列を決定する工程を含む。そのような方法は、ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;ポリメラーゼと標的核酸分子を第4の配列決定条件下で接触させる工程であって、第4の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第4のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;第4の配列決定条件下での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第4のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程、をさらに含み得る。
さらに別の局面において、標的核酸分子の配列を決定する方法が提供される。そのような方法は、典型的に、1つまたは複数のポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;1つまたは複数のポリメラーゼと標的核酸分子を第1の配列決定条件下で接触させる工程であって、第1の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸の存在を含む、工程;ならびに第1の配列決定条件下で、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動の変化が起こるかどうかを検出する工程、を含む。移動の変化が起こる場合、この方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第1の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含むが、移動の変化が起こらない場合、この方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第2の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含み、第2の配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2のヌクレオシド三リン酸の存在を含む。ここで、移動の変化が起こる場合、この方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第1の配列決定条件で繰り返す工程をさらに含むが、移動の変化が起こらない場合、この方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第3の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含み、第3の配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第3のヌクレオシド三リン酸の存在を含む。最後に、この方法は、第1、第2または第3の配列決定条件下での移動の変化の発生に連続的に基づき標的核酸分子の配列を決定する工程を含む。
さらに別の局面において、製造物品が提供される。そのような製造物品は、通常、複数のポリメラーゼが固定されている固体基材であって、複数のナノ構造を含む固体基材を含む。いくつかの態様において、固体基材は、銅およびPEGでコーティングされる。いくつかの態様において、固体基材は、ニッケルおよびPEGでコーティングされる。いくつかの態様において、固体基材は、Ni-NTAでコーティングされる。いくつかの態様において、固体基材は、CMOSまたはCCDである。いくつかの態様において、複数のポリメラーゼは、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼまたはそれらの組み合わせを含む。そのような製造物品は、ポリメラーゼプロモーター配列、ビオチニル化核酸係留配列および/または1つもしくは複数のヌクレオシド三リン酸をさらに含み得る。いくつかの態様において、そのような製造物品は、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を同定する;前記移動およびヌクレオシド三リン酸の存在に基づき標的核酸分子の配列をコンパイルする;ならびに/または有向性の力を適用するための説明書をさらに含み得る。いくつかの態様において、説明書は、電子形態で提供される。
別の局面において、標的核酸分子の単一塩基配列決定のための装置が提供される。そのような装置は典型的に、配列決定モジュールを含む。配列決定モジュールは、通常、複数の固定されたポリメラーゼおよび複数のナノ構造を含む固体基材を受け入れるための収容構造と、固体表面に固定された複数のポリメラーゼによって重合される標的核酸分子に張力を適用するのに十分でありかつそのような方向に向けられている有向性の力を提供するための供給源と、ナノ構造の電流および/またはイオン伝導の変化を決定するための手段と、を含む。いくつかの態様において、この装置は、コンピュータープロセッサをさらに含み得る。いくつかの態様において、この装置は、核酸の配列決定に関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段(fluidics)をさらに含み得る。代表的な試薬は、ヌクレオシド三リン酸を含み得る。代表的な緩衝液は、洗浄緩衝液、酵素結合緩衝液および/または配列決定緩衝液を含み得る。いくつかの態様において、有向性の力を提供するための供給源は磁石および/または液体の流動を含む。
そのような装置はまた、生物学的試料を受け入れるための収容構造と、配列決定する核酸の単離および調製に関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段と、を含み得る試料調製モジュールを含み得る。代表的な試薬は、細胞溶解試薬および切断酵素を含む。代表的な緩衝液は、溶解緩衝液および洗浄緩衝液を含む。
そのような装置はまた、ポリメラーゼプロモーター配列を核酸分子に結び付けるのに関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段を含み得る鋳型仕上げモジュールを含み得る。代表的な試薬は、リガーゼ酵素、分子モーター結合配列および係留手段(tether)を含む。代表的な緩衝液は、リガーゼ緩衝液、磁気タグ結合緩衝液および酵素結合緩衝液を含む。
別の局面において、標的核酸分子の重合時に得られるデータに基づき標的核酸分子の配列を決定する方法が提供される。そのような方法は、標的核酸分子の第1位置に関して第1データを受け取る工程であって、第1データが、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのもしくはナノ構造の上方での標的核酸分子および/もしくは1つもしくは複数の新生鎖の移動の存在もしくは非存在ならびに/またはナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのもしくはナノ構造の上方での該鎖の移動速度を示す、工程;標的核酸分子の第1位置に関して第2データを受け取る工程であって、第2データが、重合時に利用可能な1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸の存在および/または量を示す、工程;標的核酸分子の第2位置に関して別の第1データおよび別の第2データを受け取る工程;標的核酸分子の第3位置に関してさらに別の第1データおよびさらに別の第2データを受け取る工程;第1データを受け取る工程および第2データを受け取る工程を、標的核酸分子の第4位置およびそれ以降の位置に関して繰り返す工程;ならびに各位置に関して受け取った第1データおよび第2データに基づき標的核酸分子の配列を決定する工程を含む。いくつかの態様において、第1データおよび第2データは、示された位置のヌクレオチドとして記録される。
別途定義がなされていない限り、本明細書で使用されるすべての技術・科学用語は、本件システム、方法および組成物の属する技術の分野における通常の知識を有する者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本件システム、方法および組成物の実施または試験には本明細書に記載されているのと類似または等価なシステム、方法および材料を使用することができるが、以下には適当なシステム、方法および材料が記載されている。加えて、本件システム、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図したものではない。以下で言及されているいずれの刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献も、それらの全体が参照により組み入れられる。
単一分子ナノ構造ベース配列決定複合体の態様を示している。酵素、この態様においてはT7 RNAポリメラーゼは、Hisタグまたは他の方法を介して、この態様においてはナノ細孔の一方の側で、官能化された表面に結び付けられ、そして核酸は、このナノ構造を貫通して通される。本明細書に記載されるようにして配列決定が行われ、それにより核酸が酵素を貫通して、およびこの態様においてはナノ細孔を貫通して転位する。 この態様においてはDNAポリメラーゼを利用する単一分子ナノ構造ベース配列決定複合体の態様を示している。酵素は、この態様においてはナノ細孔の一方の側で、官能化された固体表面に結び付けられる。核酸は、このナノ構造を貫通して通され、伸張する。配列決定が本明細書に記載されるようにして行われ、核酸が、この態様においてはナノ細孔を貫通して転位する。 核酸を伸張させるためおよび核酸に張力を適用するために磁気ビーズおよび磁力が使用される単一分子ナノ構造ベース配列決定複合体の態様を示している。酵素、この態様においてはT7 RNAポリメラーゼは、この態様においてはナノ細孔の付近で、官能化された固体表面に結び付けられる。磁気ビーズは、核酸の末端またはその付近に結び付けられ、そして磁力を用いて、張力が適用され、核酸が伸張される。配列決定は本明細書に記載されるようにして行われ、核酸が、この態様においてはナノ細孔を貫通して転位する。 標的核酸分子の配列を決定するためのプロセスの例を示す流れ図である。 DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼのいずれを使用することもできる単一分子ナノ構造ベース配列決定複合体の態様を示している。酵素は、この態様においてはナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)の官能化された固体表面に結び付けられる。配列決定が本明細書に記載されるようにして行われ、核酸がナノ構造を貫通して転位する。酵素周囲およびナノ構造付近の(例えば、デバイ領域における)イオン濃度の変化により生じる電気信号が測定される。ポリメラーゼ酵素は、鋳型と相互作用し新生鎖に塩基を組み込む際に様々な立体構造を採用するので、ナノチューブを通る電気信号が、酵素の動き、位置および/または形状と相関させるために使用され得る。したがって、酵素が律速量の1つのヌクレオチドの存在下で停止するとき、電気信号は停止の特徴を示す。
詳細な説明
本開示は、複雑さ、費用、拡張性ならびに究極的にはより長い読み取り長、より高いスループットおよび向上した精度を含む、既存の単一分子配列決定システムの制約の多くが軽減された単一分子ナノ構造ベースの配列決定システムについて説明する。本明細書に記載されるリアルタイム、単一分子ナノ構造ベースの配列決定方法およびシステムは、高処理性の酵素およびナノ構造技術の使用により非常に短い時間の間に高い精度で数千のヌクレオチドを配列決定することができる。
本発明のナノ構造ベースの配列決定システムの利点は多数ある。例えば、二本鎖核酸または一本鎖核酸が鋳型として使用され得、試料調製の要求が最小化および軽減される。加えて、検出が、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での転位を用いて行われるため、標識されたヌクレオチドを必要とせず、これにより費用が大きく削減される。また、野生型ポリメラーゼ酵素が使用され得;酵素に対する特別な修飾は必要なく、かつ表面化学および酵素固定技術も慣用的なものである。本発明のナノ構造ベースの配列決定システムおよび方法は、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での転位がヌクレオチド毎に検出可能なので、ホモポリマー配列に適している。したがって、この移動は、ヌクレオチドが同一であるときでさえ、複数のヌクレオチドにわたって累積される。本発明のナノ構造ベースの配列決定システムおよび方法はまた、複数のナノ構造が単一の固体表面上で使用され得るため、高スループット配列決定に容易に適合可能である。注目すべきは、ポリメラーゼ酵素が、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での転位の速度を調節することであり、これは現在のナノ構造ベースの配列決定システムおよび方法にとっては大きな問題であるが、本発明のシステムおよび方法においては究極的にはより高いスループットさえもたらし得る。
ナノ構造ベースの配列決定の全体像
ナノ構造ベースの配列決定は、ポリメラーゼ酵素による標的核酸分子の伸長および転位に基づくものであり、これはまた、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子の転位を引き起こす。1つの態様において、ポリメラーゼは固体表面に固定され、そして標的核酸がポリメラーゼの一端に結び付けられ、他端は、ナノ構造を貫通して、ナノ構造上でまたはナノ構造の上方で通される。ソリッドステートナノ構造、例えばナノ細孔またはナノチューブは、典型的に、生物学的ナノ構造よりも大きな開口を有し、したがって二本鎖核酸を収容することができる。ナノ構造は、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の移動中に非対称的イオン応答を検出することができ、これがヌクレオチド塩基の伸長および転位を示す。
1つの態様において、単一のヌクレオチドが存在するベース・バイ・ベース(または同期)配列決定反応が行われ得る。次いで、反応は、他のヌクレオチド間で繰り返し行われ得る。別の態様において、4つすべてのヌクレオチドが存在するが4つのヌクレオチドのうちの1つが律速量で提供される非同期配列決定反応が行われ得る。これは、律速ヌクレオチドを組み込もうとする際にポリメラーゼによる停止を引き起こし、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の転位(すなわち、移動)の変化がその位置における律速ヌクレオチドの存在を示す。次いで、全体配列が、例えば4つの塩基のうちの1つが律速量で提供される4つの異なる反応を用いてバイオインフォマティクスによりコンパイルされ得る。異なるタイプの配列決定反応が、以下でより詳細に考察されている。
図1および2は、本明細書に記載される単一分子ナノ構造ベース配列決定複合体を示している。図1は、T7 RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAP)を含むナノ構造ベース配列決定複合体の態様であり、図2は、DNAポリメラーゼ(例えば、Phi29)を含むナノ構造ベース配列決定複合体の態様である。以下により詳細に記載されるように、ポリメラーゼ酵素は、Hisタグまたは他の方法を介してナノ構造の近くの官能化された表面に固定され得る。標的核酸分子は、酵素が固体基材に固定される前に酵素と複合体化され得、または標的核酸分子は、酵素が固体表面に固定された後に酵素と複合体化され得る。標的核酸分子は、ナノ構造を貫通して、ナノ構造上でまたはナノ構造の上方で通されまたは供給され、配列決定は、本明細書に記載されるようにベース・バイ・ベース様式または非同期様式のいずれかで開始される。ポリメラーゼ酵素による各塩基取り込み工程の間に、核酸は、ナノ構造を貫通して、ナノ構造上でまたはナノ構造の上方で転位し、これが検出される。本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法において、ナノ構造は、ポリメラーゼによる塩基取り込みに起因する核酸による移動を検出し;ナノ構造はヌクレオチド塩基を識別するためには使用されない。
ナノ構造ベースの配列決定反応の各特徴は、以下でより詳細に考察される。
固体表面
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法のために、酵素(RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼ)は固体表面に固定される。本明細書に記載されるいくつかの態様において、固体表面は、シリカベースのガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス、溶融石英または石英)製である。他の態様において、酸化アルミニウム、シリコン、グラフェンまたは半導体分野で基材または基材上の層として使用される他の表面。しかし、他の材料(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコン、シリコン窒化物および他のポリマーまたはそれらの複合材料)もまた、それらが本明細書に記載される配列決定において使用するのに適している限り、使用され得る。
1つまたは複数のポリメラーゼを固体表面に固定する前に、固体表面は、通常、ポリメラーゼを受け取りそれと結合するよう修飾(例えば、官能化)される。酵素を固定するための固体表面の官能化方法は当技術分野で公知である。いくつかの態様において、固体表面は、銅またはニッケルで官能化され得、いくつかの態様において、固体表面はNi-NTA(例えば、Paik et al., 2005, Chem, Commun. (Camb), 15:1956-8を参照のこと)またはCu-NTAで官能化され得る。あるいは、コバルト等の金属が、固定用の固体表面を修飾するために使用され得る。
固体表面を修飾する前に、固体表面は、例えば、PEG部分で処理され得る。そのようなストラテジーは、固体表面上のポリメラーゼの密度を調節するために使用され得、かつ固体表面上にポリメラーゼのパターン、例えばポリメラーゼの均等、準秩序または無作為アレイ、を生成するためにも使用され得る。PEG環境は、酵素と表面の間の相互作用を最小化し(NまたはC末端の結合タグを除く)、究極的には固定された酵素のネイティブの立体構造への妨害を最小化する。加えて、表面安定化法が当技術分野で公知であり、例えばウシ血清アルブミン(BSA)による固体表面の処理を含み得る。
固体表面は、ナノ構造に対する好ましい酵素結合位置が達成され得るよう、アレイ形式で官能化され得る。この位置は、いくつかの態様において、ナノ構造の近く、ナノ構造のすぐ隣またはナノ構造の周囲であり得る。いくつかの例において、酵素は、部分的にナノ構造を覆い得、またはそれはナノ構造と1つもしくは複数の試薬もしくは緩衝液との間の流体連通を可能にするチャネルに結び付けられ得る。酵素を特定位置に配置する方法は、当技術分野で公知である。ナノ構造に対する酵素の位置決めもまた、当技術分野で公知の方法(例えば、TEM、SEM、AFM)を用いて実行可能である。大まかな位置読み取りのためには、特に、酵素のための場所を確保するために切断され得るかまたは酵素が近くに配置されてもその場に残され得るかのいずれかである蛍光部分で官能性領域がタグ付けされ得る場合、高解像度光学画像化で十分であり得る。
ポリメラーゼ酵素
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法は、任意のタイプのポリメラーゼ酵素を利用し得る。ポリメラーゼ(EC 2.7.7.6;EC 2.7.7.7;EC 2.7.7.19;EC 2.7.7.48;またはEC 2.7.7.49)は、一本鎖または二本鎖の鋳型DNAまたはRNAから1つまたは2つの新しいDNAまたはRNA鎖を合成する。適当なポリメラーゼは、例えば、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼを含む。
代表的なDNAポリメラーゼは、phi29である。他のDNAポリメラーゼが当技術分野で周知であり、蛍光に基づく単一分子配列決定プラットフォームで使用されている多くが本発明のナノ構造ベースの配列決定方法における使用にも適するであろう。代表的なDNAポリメラーゼは、非限定的に、T7 DNAポリメラーゼ、枯草菌DNAポリメラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼを含む。
任意の多くのRNAポリメラーゼ酵素が、本発明の方法において使用され得る。例えば、多サブユニットRNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌もしくは他の原核生物RNAポリメラーゼまたは真核生物RNAポリメラーゼの1つ)が、本明細書に記載される配列決定方法において使用され得る。しかし、小さな単サブユニットRNAポリメラーゼ、例えばバクテリオファージ由来のそれらが特に適していることが理解されるであろう。単サブユニットRNAポリメラーゼまたはそのような酵素をコードする遺伝子は、T3、T7、SP6またはK11バクテリオファージから入手され得る。
バクテリオファージRNAポリメラーゼは、多サブユニットRNAポリメラーゼの多くと比較して非常に高処理性かつ高精度であり、多くの場合、欠失・挿入エラーをほとんど生じない。加えて、バクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼは、多サブユニット対応物、例えば大腸菌由来のRNAポリメラーゼと比較して、後戻り(back-tracking)する傾向が有意に低い。様々な異なるバクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼが記載されている。一例にすぎないが、T7 RNAポリメラーゼは、99 kDaの分子量を有する単一のポリペプチドから構成され、T7 RNAポリメラーゼをコードする遺伝子のクローニングおよび発現は、米国特許第5,693,489号に記載されている。T7 RNAポリメラーゼの構造は、3.3オングストロームのレベルまで分解され、4つの異なる結晶構造:T7 RNAポリメラーゼ単独(非複合体)、核酸プロモーターに結合したT7 RNAポリメラーゼ、完全初期複合体(核酸プロモーターおよび1つまたは複数の転写因子に結合したT7 RNAポリメラーゼ)ならびにイニシエーターに結合したT7 RNAポリメラーゼ、が判明している。
固体表面上でのポリメラーゼの密度および/または分布は、例えば、実施される特定の配列決定反応が最適化されるよう制御または操作され得る。当技術分野で公知のように、生物学的分子のアレイは、パターン状に作製され得る。例えば、生物学的分子のアレイは、固体表面上に無作為に分配され得、均等に分配され得、または例えば本明細書に記載される官能化を用いて秩序もしくは準秩序様式で分配され得る。いくつかの態様において、固体表面は、固定された100個超のポリメラーゼ、または1000個超のポリメラーゼ(例えば、10,000個超のポリメラーゼ、または100,000個超のポリメラーゼ、または1,000,000個超のポリメラーゼ)を有し得る。いくつかの態様において、固体表面は、約5μm2ごとに少なくとも1つ固定されたポリメラーゼ(例えば、約2.5μm2、約1μm2、約0.5μm2または約0.1μm2ごとに少なくとも1つ固定されたポリメラーゼ)を有し得る。固体表面上のポリメラーゼの密度は、少なくとも部分的に、配列決定される標的核酸分子のサイズならびにナノ構造の数、位置およびサイズに依存し得ることが理解されるであろう。本明細書に示されているように、ポリメラーゼ酵素は、ナノ構造の近く、ナノ構造のすぐ隣、ナノ構造と重なってまたはナノ構造の周囲に配置され得る。
ポリメラーゼ酵素は、任意の多くの公知の手段を用いて固体表面に固定され得る。例えば、いくつかの態様において、ポリメラーゼは、Hisタグ(例えば、4個のHis残基、6個のHis残基または10個のHis残基を有するHisタグ)を含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、1つまたは複数のビオチン・ストレプトアビジン結合を介して固体表面に固定される。Hisタグ、ビオチン・ストレプトアビジン結合対または他の適当な手段が、上記の表面化学(例えば、官能化)と適合する限り、使用され得る。ポリメラーゼは、ナノ構造の近くで固体表面に固定され得、またはポリメラーゼは、ナノ構造と同じ位置で固体表面に固定され得る。
標的核酸分子
ナノ構造ベースの配列決定のための核酸分子は、真核生物、細菌および古細菌を含む実質的に任意の供給源から入手され得る。真核生物核酸は、ヒトおよび他の哺乳動物(例えば、霊長類、ウマ、ウシ、イヌ、ネコおよびげっ歯類)または非哺乳動物(例えば、鳥類、爬虫類(例えば、ヘビ、カメ、ワニ等)および魚類)由来であり得、原核生物核酸は、細菌(例えば、病原性細菌、例えば、非限定的に、連鎖球菌(Streptococcus)、大腸菌、シュードモナス菌(Pseudomonas)およびサルモネラ菌(Salmonella))または古細菌(例えば、クレンアーキオータおよびユリアーキオータ)由来であり得る。
ナノ構造ベースの配列決定のための核酸分子は、任意の多くの生物学的試料中に含まれ得る。代表的な生物学的試料は、非限定的に、流体(例えば、血液、尿、精液)および組織(例えば、臓器、皮膚、粘膜および腫瘍)を含む。
上記のように、本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法の利点の1つは、鋳型として二本鎖または一本鎖核酸を使用できることである。これにより試料および核酸を操作する必要性が減り、これは、生物学的試料から核酸を得るために使用される多くの方法が核酸の望ましくない切断、剪断または分解を引き起こすものなので、特に1キロ塩基超(Kb;例えば、2 Kb超、5 Kb超、10 Kb超、20 Kb超、または50 Kb超、または75 kb超、または100 kb超、または150 Kb超)の長さの核酸を配列決定するときに非常に有利である。一本鎖核酸(または一本鎖核酸を含む試料)は、本発明の方法において直接使用され得、または二本鎖核酸に変換され得る。二本鎖核酸を作製する方法は、当技術分野で周知であり、それは一本鎖核酸の性質(例えば、DNAまたはRNA)に依存するであろう。そのような方法は、典型的に、周知のDNAポリメラーゼおよび/または逆転写酵素の使用を含む。異なる酵素は異なる鋳型(例えば、DNAまたはRNA、一本鎖または二本鎖)を利用すること、および固体表面に固定するポリメラーゼの選択は、少なくとも部分的に、配列決定される標的核酸に依存することが理解されるであろう。
試料調製は、その供給源に依存するが、典型的には、核酸の単離とその後のプロモーターのライゲートを含むであろう。本明細書に記載される配列決定方法において使用される核酸鋳型は任意の特別な調製を必要とせず、したがって標準的なDNA単離方法が使用され得る。また、特定のポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列が、標的核酸分子にライゲートされなければならない。DNAおよびRNAの両ポリメラーゼの多くのポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列は、当技術分野で公知であり、広く使用されている。加えて、1つの核酸分子(例えば、プロモーター配列)を別の核酸分子(例えば、未知の配列を有する標的核酸分子)にライゲートする方法は、当技術分野で周知であり、多くのリガーゼ酵素が市販されている。
加えて、単離された核酸は、任意で、断片化され得、そして望ましい場合、特定サイズのものが選択または分画され得る。例えば、単離された核酸は、超音波処理を用いて断片化され得、そして望ましい場合、慣用的なゲル電気泳動方法を用いてサイズ選択され得る。加えて、標的核酸は、任意で、配列決定が環状の標的上で反復的または繰り返し的様式で行うことができるよう、例えばプラスミドに環状化され得る。
他の部分(例えば、タグ)は、係留手段を用いて標的核酸分子に結び付けられ得る。これらの部分は、標的核酸分子がナノ構造を貫通して、ナノ構造上でまたはナノ構造の上方で通された後に結び付けられ得る。そのような部分は、例えば、(以下でより詳細に考察されるように)標的核酸分子に対して力を付与するために、蛍光のために、転写と共に回転させるために、酵素/標的核酸またはナノ構造を貫通する、ナノ構造上のもしくはナノ構造の上方での標的核酸分子のもしくはナノ構造領域の外側のもしくはナノ構造領域を出た標的核酸分子のセグメントの位置または移動の推定を補助するその他の官能基の位置を示すために、使用され得る。
標的核酸分子に部分(例えば、タグ)を結び付けるための係留手段は、当技術分野で公知であり、非限定的に、化学的連結(例えば、架橋、ファンデルワールスもしくは水素結合)またはタンパク質連結(例えば、ビオチン・ストレプトアビジン結合対、ジゴキシゲニンおよび認識抗体、ヒドラジン結合もしくはHisタグ付加)を含む。例えば、いくつかの態様において、部分は、少なくとも部分的にストレプトアビジンでコーティングされ得、ビオチニル化された核酸係留手段が標的核酸分子にライゲートされ得る。いくつかの態様において、ビオチン標識核酸(例えば、約500塩基対(bp))が、標的核酸分子の一端にライゲートされ得る。ビオチン標識係留手段を有する標的核酸分子は、次いで、ストレプトアビジンコーティングされた部分と組み合わされ得る。1つの態様において、本明細書で使用される部分は、ビーズであり得る。標的核酸分子を係留するためおよび/または第2の部分と結合させるために使用され得る様々な化学によってコーティングまたは部分的にコーティングされた、磁気ビーズを含む、多くの市販のビーズが存在する(例えば、Dynal、Invitrogen、Spherotech、Kisker Inc.、Bangs Laboratories Inc.)。
核酸分子に対する張力
長い核酸分子は折りたたまれ得るまたはそれ自身の上に倒壊し得るので、標的核酸分子に対する張力は、より長い標的核酸分子ほど重要となる。標的核酸分子の任意のタイプの異常ならせん構造が、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での移動を、したがって配列決定信号を鈍らせ得るまたは遮蔽し得る。
標的核酸分子に適用される有向性の力は、特に標的核酸分子の末端がポリメラーゼから数千または数十万ヌクレオチド離れている場合に、上記の標的核酸分子の折りたたみまたは倒壊を回避するのに十分である必要がある。しかし、標的核酸分子に適用される有向性の力は、伸長/転位が何らかのかたちで妨害されるまたは標的核酸分子の骨格が破壊されるほど強くすることはできない(すなわち、そのような強い張力を適用することはできない)。そのような標的核酸分子に対する張力はまた、長い標的核酸分子の自由端で起こり得るブラウン運動またはその他のノイズ効果(例えば、熱流体ノイズ効果)を減少させ、それによってその構造を貫通する、その構造上でのまたはその構造の上方での転位(すなわち、移動)の検出の精度を向上させ得る。
いくつかの態様において、張力源(または有向性の力の供給源)は、磁石であり得る。そのような例において、標的核酸分子は磁性の部分(例えば、磁気タグ)で標識され得る。例えば、図3を参照のこと。磁気タグ(例えば、ビーズ、ロッド等)は当技術分野で周知である。例えば、標的核酸分子を十分に伸張させループの形成を回避させる、例えば約1 pNの大きさの、z軸方向に均一な空間的な力を提供する磁力が適用され得る。同時に、そのような磁石は、x軸方向には非常に小さい力しか発生させない。これらの特徴は、標的核酸分子の自由端のブラウン運動を安定化させつつ、移動(すなわち、ポリメラーゼ酵素を貫通するおよびナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子の伸長および転位)を妨害しない。いくつかの態様において、張力源は、例えば、液体(例えば、水もしくは緩衝液)または空気の有向性の流動の結果であり得る。
標的核酸分子に適用される張力の量は、標準的な流体工学的方法を用いて補正され得、そしてデータ取得・分析プロセスまたはベースコーリング(base calling)アルゴリズムに組み込まれ得る。例えば、そのような補正は、表面上の様々な位置での、表面の面に対する様々な角度でのおよび/または異なる流動場もしくは磁場におけるならびに酵素周囲の緩衝液の様々なイオン濃度での、表面に固定されたポリメラーゼにより読み取られる核酸分子のブラウン運動のモニタリングを含み得る。
特定の態様においておよび上記と同じ技術を用いて、張力は、新生鎖の一方または両方に適用され得る。
ナノ構造の通り抜け
本明細書で考察されるように、ポリメラーゼ酵素は、鋳型核酸と複合体化される前または後に、ナノ構造上に直接またはナノ構造の近くで固体表面に固定され得る。鋳型核酸およびナノ構造が互いに近接状態にされた後、核酸は、例えば拡散または電流を含む任意の多くの方法を用いてナノ構造内に導入または通され得る。エントロピー力がナノ構造に進入する試料の能力に影響し得ること、および拡散とエントロピーの間の相互関係が核酸の長さおよびナノ構造のサイズ等のパラメータに依存することが当業者に理解されるであろう。例えば、その手引きとしてHe et al., (2013, ACS Nano, 7:538-46)を参照のこと。
異なるタイプのナノ構造(例えば、ナノチューブ、ナノ細孔)は異なるサイズの開口を有することが当技術分野で公知である。一例にすぎないが、生物学的ナノ構造は約1 nmの開口を有し得、グラフェンナノ構造は約0.5 nmの開口を有し得、そして約2 nmという小さな開口を有するシリコン窒化物ナノ構造が作製されている。したがって、核酸のタイプおよびポリメラーゼのタイプが本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法において使用される特定のナノ構造を決定し得ることが理解されるであろう。例えば、二本鎖核酸は、通常、例えば1 nmの開口を有するナノ構造(例えば、生物学的ナノ構造)内に適合するには大きすぎ;したがってこれらのナノ構造は一本鎖核酸(例えば、一本鎖DNAまたは一本鎖RNA)の転位を検出するために使用され得る。加えて、ナノ構造は、複合体内の任意の多くの異なる核酸の転位を検出し得る。例えば、いくつかの例において、ナノ構造は、鋳型鎖(例えば、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNA)の転位を、酵素によって前進するごとに検出し得;いくつかの例において、ナノ構造は、新生鎖(例えば、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNA)の転位を、酵素によって生成されるごとに検出し得る。さらに、鋳型鎖の転位は、酵素の前でまたは酵素が取り除かれた後にナノ構造によって検出され得ることが理解されるであろう。
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法は、ナノ構造が核酸を捕捉する可能性が増加するよう核酸およびナノ構造を効果的に接近させるよう設計される。
ナノ構造およびナノ構造ベースの配列決定
ナノ構造は、当技術分野で周知であり、非限定的に、ナノ細孔、ナノチューブおよびナノワイヤを含む。ナノ構造は、生物学的物質(例えば、タンパク質、例えば細孔形成タンパク質)、合成もしくはソリッドステート物質(例えば、シリコン、グラフェン、シリコン窒化物、酸化アルミニウム)またはそれらの組み合わせを用いて作製され得る。ナノ構造の背景にある原理は、電圧が印加された際のナノ構造、ナノ構造上またはナノ構造の上方を通過するイオン電流のモニタリングに基づいている。分子の通過または本発明においては核酸分子の移動は、電流レベルの妨害または変化をもたらす。当業者は、ナノ構造が存在する緩衝液のイオン濃度により、電流の増加または減少が観察されるかどうかが決定され得ることを理解するであろう(例えば、Smeets et al., 2006, NanoLett., 6:89-95を参照のこと)。したがって、いくつかの態様において、低いイオン濃度が使用され得;いくつかの態様において、高いイオン濃度が使用され得る。
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法において、ナノ構造は、反応に関与する1つまたは複数の核酸の移動を検出し得る。例えば、ナノ構造は、ポリメラーゼ酵素に進入する前、ポリメラーゼ酵素から出た後またはその両方で、鋳型核酸分子の転位(すなわち、移動)を検出し得る。加えて、ナノ構造は、ポリメラーゼにより生成された1つまたは複数の新生鎖の転位(すなわち、移動)を検出し得る。個々の構成は、少なくとも部分的に、個々のポリメラーゼに依存するであろう(例えば、好ましい鋳型の鎖特性(strandedness)、合成の方向、新しく生成される核酸の鎖の状態)。
既存のナノ構造ベースの配列決定方法の基礎は、ナノ構造(例えば、生物学的またはソリッドステートまたはハイブリッド)を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の転位であり、これは特定の様式の下での、例えば各塩基に対する特定の補正の下での、4つの塩基の各々の間の差の影響を受ける。既存のナノ構造ベースの配列決定方法の1つの大きな障害は、各塩基に対する構造物の感度の違いである。現在、生物学的細孔のみが、塩基間を区別するのに十分な感度および識別能を示している。しかし、生物学的細孔でさえも、データがしばしば不明瞭(例えば、ナノ構造の1つの位置において2つ以上の塩基を同定する)となるためにソフトウェアアルゴリズムが使用される。したがって、既存のナノ構造ベースの配列決定方法は、異なる塩基間の十分な識別能を欠いている。
低い精度に寄与する既存のナノ構造ベースの配列決定方法の別の制約は、転位が速く起きすぎることである。これらの例において、塩基は、その平均化された信号特性に基づき他の3つの塩基に対して区別されるのに十分長くナノ構造の近くにとどまらない。いくつかの例において、これに対処するため、転位を遅くしナノ構造内の各塩基により誘導される電気信号の正確な検出を可能にするために分子モーターが導入される。しかし、分子モーターがポリメラーゼである例(例えば、Manrao et al., 2012, Nat. Biotech., 30:349-53を参照のこと)でさえも、塩基の識別は依然としてナノ構造内で行われる。
既存のナノ構造ベースの配列決定技術の別の制約は、試料調製に関するものである。ナノ構造ベースの配列決定技術は、非常に長い読み取り長(例えば、50 kbまたはそれ以上)を実現し得るが、最高の感度を達成するためには一本鎖核酸が好ましい。しかし、長い一本鎖核酸は、生産するのが困難であり得る。二本鎖核酸は、より安定的でありかつより容易に調製される。しかし、生物学的ナノ構造は小さいので、二本鎖核酸は生物学的ナノ構造を利用するナノ構造ベースの配列決定システムにおいて配列決定される前に追加の方法および酵素を用いて一本鎖核酸に変換されなければならない。他方、ソリッドステートナノ構造はより大きく、二本鎖核酸を収容することができるものの、より大きな構造において2つのヌクレオチド(すなわち、各鎖1つ)を読み取る精度は有意に低い。
本発明のナノ構造ベースの配列決定方法は、ナノ構造が各個別の塩基を同定する必要性を排除する。現在のナノ構造ベースの配列決定方法におけるポリメラーゼは、塩基の同定に関しては正確に機能するが、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の移動を単純に遅くしない。代わりに、本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法は、ポリメラーゼに提供される塩基に依存し、そして配列を決定するために、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の転位(例えば、転位の存在もしくは非存在または転位の速度もしくはパターンの変化)を使用する。
配列決定条件
ナノ構造ベースの配列決定複合体は、任意の多くの異なる様式で生成され得ることが当業者に理解されるであろう。1つの態様において、プロモーターが結合した標的核酸分子(鋳型または鋳型核酸とも称される)が、ポリメラーゼが固定された固体表面に提供され得る。この態様において、標的核酸分子は、標的核酸分子が固定されたポリメラーゼと複合体を形成する前または後に、ナノ構造を貫通して、ナノ構造上にまたはナノ構造の上方に供給され得る。別の態様において、ポリメラーゼおよびプロモーターが結合した標的核酸分子は、組み合わされ、そしてその後にポリメラーゼが固体表面に固定され得る。これまでの態様と同様に、標的核酸分子は、ポリメラーゼが提供されその後に固定される前または後にナノ構造を貫通して、ナノ構造上にまたはナノ構造の上方に供給され得る。複合体形成の順は、例えば、非限定的に、さらなる部分がプロモーター結合末端の反対側にある標的核酸分子の末端に結び付けられるかどうかを含む様々な要因に依存するであろう。
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定は、標的核酸分子の配列を決定するために、非同期(すなわち、律速)様式もしくは同期(ベース・バイ・ベース)様式またはそれらの任意の組み合わせで実施され得る。本明細書で使用される「配列決定条件」は、最低限、標的核酸分子の配列を決定するために以下に記載されるように使用され得る少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在を表す。本明細書でより詳細に考察される少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在に加えて、配列決定反応を実施する条件は、当技術分野で周知である。例えば、適切な緩衝成分(例えば、KCl、Tris-HCl、MgCl2、DTT、Tween-20、BSA)が、酵素に適した環境を提供するために使用され得る。本明細書で使用される場合、ヌクレオシド三リン酸は、リボース含有NTPまたはデオキシリボース含有dNTPのいずれかを表す。当業者は、個々の配列決定反応において使用されるヌクレオシド三リン酸が個々のポリメラーゼによって決定されることを理解しているであろう。
a)非同期配列決定
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定法は、ヌクレオチドの非同期組み込みに基づき標的核酸を配列決定するのに使用することができる。非同期態様における、初期反応を行う配列決定条件(すなわち、第1の配列決定条件)は、その少なくとも1つが律速であり少なくとも1つが非律速である、異なる量で存在する4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含む。例えば、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの1つが律速量(例えば、他の3つのヌクレオシド三リン酸の量よりも少ない量)で提供される。そのような反応において、ポリメラーゼは、律速量で提供されたヌクレオシド三リン酸を転写物に組み込もうとするごとに効果的に休止し、そしてそのような休止は、本明細書に記載されるような移動のパターンで観察することができる。
重要なことは、各休止と休止の間の塩基数が、休止と休止の間の移動の累積量を検出することによって正確に決定できることである。したがって、標的核酸分子の配列上の、例えば各グアニン(G)ヌクレオチドの正確な位置は、Gヌクレオシド三リン酸が律速量で提供されたときの移動の変化に基づき簡単に決定することができる。同様の反応を、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2、第3および第4のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、それぞれ、第2、第3および必要な場合は第4の配列決定条件下で実行することができる。4つの反応からの情報の組み合わせは、それらが互いに同時に実行されたものであろうが互いに続いて順に実行されたものであろうが、標的核酸分子の完全配列を提供する。
このパターンは、4つのうちの1つのヌクレオチドの位置の配列を示す単一の反応からのものであっても、核酸データベースと比較することができ、そして高い信頼性レベルで核酸分子を同定するのに使用することができる。加えて、標的核酸分子の配列は、4つのうちの3つのヌクレオシド三リン酸から得られた位置情報を用いることで、その配列の第4のヌクレオチドの位置情報は他の3つのヌクレオチドが明らかになった後に推測できるため、コンパイル可能であることが当業者に理解されるであろう。
b)同期またはベース・バイ・ベース配列決定
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法は、他ではベース・バイ・ベース配列決定として公知となっていることもある、同期パターンで核酸を配列決定するために使用され得る。同期またはベース・バイ・ベース態様の場合、初期反応を行う配列決定条件(すなわち、第1の配列決定条件)は、単一のヌクレオシド三リン酸の存在を含む。そのような反応において、ポリメラーゼによる転写は、標的核酸がその位置に相補的な塩基を含んでいる場合に限り進行し、それは、本明細書に記載されるように核酸の移動の変化として観察され得る。そのような反応条件は、移動が変化しなくなるまで継続される。移動の累積変化は、第1のヌクレオシド三リン酸が新生鎖に(例えば、標的核酸分子のホモポリマー領域に)連続的に組み込まれた回数を正確に決定するのに使用され得ることが理解されるであろう。
第1の配列決定条件下(すなわち、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸の存在下)での核酸の移動にそれ以上変化が観察されなくなったら、または第1の配列決定条件下で移動の変化が全く観察されない場合、第2の配列決定条件下で反応が実行される。第2の配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2のヌクレオシド三リン酸の存在を含む。ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の移動の変化は、ポリメラーゼによる新生鎖への塩基の組み込みを示し、核酸の移動の変化の非存在は、塩基の組み込みが起こらなかったことを示す。
第1の配列決定条件、第2の配列決定条件、第3の配列決定条件(すなわち、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第3のヌクレオシド三リン酸の存在)または第4の配列決定条件(すなわち、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第4のヌクレオシド三リン酸の存在)下でのそのような反応は、各配列決定条件下での核酸の移動の変化に基づき標的核酸分子の配列が連続的に決定される様式で実施され得る。1つの配列決定条件における残留ヌクレオシド三リン酸を異なる配列決定条件の導入前に除去する工程が採用され得ることが、当業者に理解されるであろう。例えば、ポリメラーゼが固定された表面は、異なるヌクレオシド三リン酸の導入前に洗浄または洗い流しされ得る。そのような洗浄工程は必須ではないが、そのような工程が、得られる配列情報の精度を向上させ得ることが理解されるであろう。
c)さらなる配列決定方法
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法は、例えば、非限定的に、配列決定情報の精度をさらに向上させるためおよび配列決定反応において得られる情報量をさらに増大させるために利用することができる、多くの異なるバリエーションおよび慣用的な改変を受け入れることができる。
例えば、特定のポリメラーゼ、通常RNAポリメラーゼは、「ストランドスイッチ(strand-switching)」または「反転(turn-around)」能力を有している。この特徴は、本明細書に記載される方法において、得られる配列情報の精度を向上させるのに有益に使用することができる。例えば、ポリメラーゼが標的核酸の末端に到達した際、ポリメラーゼは反対鎖に「飛び移り」、転写を続行することができる。例えば、McAllister at al.(US 2007/0077575)およびRong et al.(1998., J. Biol., Chem. 273(17): 10253-60)を参照のこと。加えて、特定のRNAポリメラーゼは、二本鎖DNA鋳型からハイブリッドDNA-RNA転写物に「飛び移り」、DNA鎖の転写を再開することができる。加えて、このタイプの標的核酸分子の繰り返し的配列決定は、ポリメラーゼが両方の鎖に結合しこれを転写するよう、標的核酸分子の各末端にポリメラーゼプロモーターを導入(例えば、ライゲート)することによって遺伝子的に操作され得る。
加えて、1つまたは複数の異なるポリメラーゼ(例えば、異なる生物由来のポリメラーゼまたは同一生物由来の異なるポリメラーゼ)が、固体表面に固定され得る。当技術分野で公知のように、異なるポリメラーゼは、異なるプロモーター配列を認識し結合する。したがって、1つまたは複数の異なるポリメラーゼプロモーターが、異なる標的核酸分子集団にライゲートされ得、そして組み合わされた標的核酸分子集団が、固体表面に固定された1つまたは複数の異なるポリメラーゼを用いる本明細書に記載されるナノ構造ベースの核酸配列方法を用いて配列決定され得る。例えば、異なるポリメラーゼまたは異なる標的核酸分子集団を(例えば、異なる波長を発するビーズ、蛍光タグまたは蛍光標識抗体を用いて)差別的に標識することによって、1つの標的核酸分子集団の配列を別の標的核酸集団の配列から区別することができる。そのような方法を用いることで、異なる標的核酸分子集団に対する配列決定反応を同時に実行することができる。
いくつかの態様においては、ポリメラーゼおよび標的核酸分子集団の両方が差別的に標識され得る。標的核酸分子の標識は、核酸を介して直接的にまたは例えば標的核酸分子に結合された追加部分を介して行われ得ることが理解されるであろう。この、配列決定反応の複数のレベルで差別的に標識する能力は例えば、例えばホモポリマー領域またはメチル化領域を示し得る、同一配列を有する標的核酸分子に対する異なるポリメラーゼの処理性の比較のために、または2つ以上のポリメラーゼによる異なる配列を有する標的核酸分子の重合の比較のために、使用され得る。
一例にすぎないが、(例えば、1つもしくは複数のバクテリオファージ、1つもしくは複数の原核生物または1つもしくは複数の真核生物由来の)ポリメラーゼ酵素の任意の組み合わせが、適当な核酸プロモーター配列と共に、本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定方法において使用され得る。本明細書で考察されているように、この特徴は、配列決定反応の多重化を可能にする。異なるポリメラーゼをそれらの特異的プロモーター配列および差別的標識技術と組み合わせて使用するその他のバリエーションも本発明において想定されている。
いくつかの態様において、2つの非同期的・ナノ構造ベースの配列決定方法が、同一の配列決定条件(例えば、第1の配列決定条件)下で実施され得る。配列決定が十分なヌクレオチド数(例えば、少なくとも100 nt、500 nt、1,000 nt、5,000 ntまたは10,000 ntまたは20,000 ntまたは50000 ntまたは100000 ntまたは1500000 nt)進行した後、これらの反応のうちの1つの配列決定条件が変更され(例えば、第2の配列決定条件に)、そしてナノ構造ベースの配列決定が継続され得る。第1の配列決定条件の下で得られる配列情報は、第1反応における特定の標的核酸分子と第2反応における同一の特定の標的核酸分子を対応させるのに使用され得、これにより、配列決定条件が変更されたときに、特定の標的核酸分子内の2つのヌクレオチドで位置的配列情報を得ることができるようになる。
当業者は、特にポリメラーゼ酵素は伸長および転位の間に核酸分子にねじれを与えるために、ナノ構造のサイズおよび/またはナノ構造周囲の緩衝液のイオン濃度が配列決定反応の効率および精度に影響し得ることを理解するであろう。いくつかの例においては、ポリメラーゼおよび/またはナノ構造のローディングが配列決定の速度に有利な影響を与えるよう使用され得るポリメラーゼおよび/または配列決定条件があるかもしれないが、ほとんどの場合、当業者はこれらの効果を最小限に抑えることを好むであろう。
製造物品/キット
製造物品(例えば、キット)が本明細書に提供される。製造物品は、本明細書で考察されているような、複数のポリメラーゼ酵素が固定された固体基材を含み得る。複数のポリメラーゼ酵素は、少なくとも10個のポリメラーゼ(例えば、少なくとも20、50、75もしくは100個の酵素)、少なくとも100個のポリメラーゼ(例えば、少なくとも200、500もしくは1,000個の酵素)または少なくとも1,000個のポリメラーゼ(例えば、少なくとも約2,500、5,000、10,000、50,000個もしくはそれ以上の酵素)を表す。
製造物品は当技術分野で周知であり、包装材(例えば、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バイアルまたは容器)を含み得、そしてポリメラーゼが固定された固体表面に加えて、1つまたは複数の追加の要素を含み得る。
いくつかの態様において、製造物品は、ポリメラーゼプロモーターに対応する核酸配列を含み得る。本明細書で考察されているように、ポリメラーゼによる転写を指示するプロモーターは当技術分野で周知であり、慣用的に使用されている。
いくつかの態様において、製造物品は、係留手段を含み得る。本明細書で考察されているように、係留手段は、標的核酸分子を部分(例えば、タグ)に結び付けるために使用され得る。いくつかの態様において、係留手段は核酸配列を含み、これは例えば、例えばストレプトアビジン標識タグに結合するようビオチニル化され得る。
いくつかの態様において、製造物品は、1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸を含み得る。2つ以上のヌクレオシド三リン酸が提供される場合、それらは、まとめて(例えば、単一の容器で)または別々に(例えば、別個の容器で)提供され得る。
いくつかの態様において、製造物品は説明書をさらに含む。説明書は、紙面の形態でまたは任意の多くの電子的な形態(例えば、例えばCDもしくはフラッシュドライブ上の電子ファイル、またはインターネット上のサイトへの案内(例えば、リンク))で提供され得る。そのような説明書は、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の移動を同定するため;この移動およびヌクレオシド三リン酸の存在に基づき標的核酸分子の配列をコンパイルするため;ならびに/または核酸に適当な張力を適用するために使用され得る。
ナノ構造ベースの配列決定システム
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定システムは、配列決定モジュールを少なくとも含む。標的核酸分子を配列決定するための配列決定モジュールは、典型的に、固体基材を受け入れるための収容構造、有向性の力を提供するための張力源、およびナノ構造を横断する電流の変化を決定するための手段を含む。固体基材および張力源は、上で考察されており、電流の変化を決定または検出するための手段は当技術分野で周知である。そのような手段は、例えば、(例えば、電圧固定増幅器(例えば、Axopatch)を用いる)イオン電流測定の使用または横電場(例えば、ドラッギング、トンネリング)の使用を含み得る(例えば、Tsutsui et al., 2012, Sci. Rep., 2:394)。固体基材を受け入れるための収容構造は、例えば、凹型チャンバーとして構成され得る。配列決定モジュールはまた、コンピュータープロセッサまたはコンピュータープロセッサと連動する手段を含み得る。さらに、配列決定モジュールの一部として一次分析ソフトウェアが提供され得る。
加えて、配列決定モジュールはさらに、配列決定反応の温度を変化させるおよび調節するための加熱冷却要素および温度制御システムを含み得る。加えて、配列決定モジュールはさらに、流体工学手段(例えば、1つまたは複数の試薬または緩衝液を反応チャンバーに送達するための1つまたは複数の試薬または緩衝液用リザバーおよびチューブ)を含み得る。1つまたは複数の試薬または緩衝液を送達するための流体工学手段はまた、少なくとも1つのポンプを含み得るが、これに限定されない。配列決定反応において使用できる例示的な試薬には、例えば、ヌクレオシド三リン酸、および/または酵素(ポリメラーゼ)が含まれ得るがこれらに限定されない。また、配列決定反応において使用できる例示的な緩衝液には、例えば、洗浄緩衝液、酵素結合緩衝液および配列決定緩衝液が含まれ得るがこれらに限定されない。
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定システムは、単一ヌクレオチド解像による大量並行単一分子分析に基づき、ポイント・オブ・ケア診断およびゲノミクスを大きく前進させることができる。このシステムは本質的に、高度に多重化された標的同定に適しており、同時または連続的に異なる核酸標的、例えば病原体およびヒトバイオマーカーを探索するよう再構成できるという無限の柔軟性を有する。現在のPCRおよびマイクロアレイベースの核酸配列決定方法は、明確な同定には特別な試薬セット(プライマーおよびプローブ)が必要となるため、既知の配列または感染因子のみしか検出できないという制限がある。
例えば高スループット臨床診断またはポイント・オブ・ケア診断のために設計されたシステムにおいては、本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定システムは、試料調製モジュールおよび鋳型仕上げモジュールと組み合わされ得る。
試料調製モジュールは、細胞を溶解し、それによって核酸を放出させるよう構成され得、試料調製モジュールはまた、核酸を剪断/断片化する能力を有し得る。試料調製モジュールは、典型的に、生物学的試料を受け入れるための容器および生物学的試料に1つまたは複数の試薬または緩衝液を送達するための流体工学手段を含む。試料調製モジュールは、様々な異なる生物学的試料を受け入れるよう構成することができ、また、試料調製モジュールは、特定のタイプの生物学的試料(例えば、スワブ、組織試料、血液もしくは血漿試料、唾液または培養物の一部)または特定の形態(例えば、バイアルもしくはチューブでまたは吸い取り紙)で提供される生物学的試料を受け入れるよう構成することもできる。配列決定調製モジュールはまた、例えば、フィルター、カラム、磁石、免疫学的方法またはそれらの組み合わせを用いて生物学的試料(例えば、細菌細胞、ウイルス等)から特定分子を捕捉するよう構成され得る(例えば、Pathogen Capture System、NanoMR Inc.)。
試料調製モジュールは、生物学的試料から核酸を取得しその核酸を配列決定用に調製するのに関係する試薬または緩衝液を含み得る。例えば、配列決定用の核酸の取得に関係する試薬には、細胞溶解試薬、核酸切断酵素、DNAポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドおよび/またはDNA結合剤(例えば、標的核酸分子に結合するおよびこれを洗浄するためのビーズまたは固体マトリクス)が含まれ、配列決定用の核酸の取得に関係する緩衝液には、溶解緩衝液、洗浄緩衝液、溶出緩衝液または結合緩衝液が含まれる。試料調製モジュールの機能的要素の多くは、市販されている(例えば、シリカゲルメンブレン(QiagenもしくはAmbionキット)、またはPalladium System(Integrated Nano Technologies Inc.)に統合された部品)。加えて、核酸鋳型の酵素切断の代替物として、核酸を断片化する機器が市販されている(例えば、Covaris)。
鋳型仕上げモジュールは、標的核酸分子にポリメラーゼプロモーター配列を結び付けるよう構成され得る。鋳型仕上げモジュールは、典型的に、1つまたは複数の試薬または緩衝液を標的核酸分子に送達するための流体工学手段を含む。例えば、鋳型仕上げモジュールは、標的核酸分子にポリメラーゼプロモーター配列をライゲートするための試薬および緩衝液を含み得る。例えば、標的核酸分子へのプロモーター配列のライゲートに関係する試薬は、プロモーター配列を含むことが明らかであるが、例えば、リガーゼ酵素、係留手段またはPCR試薬も含まれ得、標的核酸分子へのプロモーター配列のライゲートに関係する緩衝液は、ライゲーション緩衝液、酵素結合緩衝液、洗浄緩衝液および配列決定緩衝液を含む。
本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定システムの構成に応じて、複数のポリメラーゼが、プロモーターが結合された標的核酸分子を導入する前に、固体表面に固定され得る。あるいは、複数のポリメラーゼは、プロモーターが結合された標的核酸分子と組み合わされ、そしてその複合体全体が固体表面に沈着され得る。後者の手順は、ポリメラーゼおよびそれらの対応するプロモーター配列の結合キネティクスが非常に高速、効率的かつ特異的であるために実現可能である。
ナノ構造ベースの配列決定に続く配列の決定
図4は、標的核酸分子の配列を決定するプロセス例1100を説明する流れ図である。いくつかの例において、プロセス1100は、1つまたは複数のコンピューターデバイスを用いて実行される1つまたは複数のコンピュータープログラムアプリケーションを用いて実施され得る。説明の目的で、ポリメラーゼによる標的核酸分子の伸長の間に得られるデータに基づく標的核酸分子の配列の決定に関する非限定的な例が提供される。
プロセス1100は、同定位置を、本明細書に記載されるナノ構造ベースの配列決定を用いて配列決定される標的核酸分子の現在の核酸位置に設定する(1110)ことによって開始する。同定位置は、例えば、プロモーター配列内に組み込まれる/プロモーター配列内で伸長される最初のヌクレオチド、標的核酸分子から組み込まれる/伸長される(すなわち、プロモーター配列の後の)最初のヌクレオチドまたは標的核酸分子上の任意のヌクレオチド位置であり得る。
標的核酸分子の同定位置における第1データ(すなわち、第1情報)は、ナノ構造ベースの配列決定の実施からの情報に基づき、ナノ構造ベースの配列決定システムから受信し(1120)または提供され、そして標的核酸分子の同定位置における第2情報(すなわち、第2データ)が提供されるまたはそれを受信する(1120)。例えば、第1データは、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での核酸の転位(すなわち、移動)に関する情報であり得る。例えば、第1データは、転位の速度、転位の存在もしくは非存在の決定または確立された転位パターンの変化であり得る。例えば、第2データは、配列決定反応における1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸の存在および/または利用性(例えば、濃度)に関する情報であり得る。
次に、同定位置のヌクレオチドが、第1および第2データに基づき決定され得る。例えば、第1データが転位の速度の変化を示し、第2データがその反応におけるグアニンヌクレオシド三リン酸の存在を示す場合、標的核酸分子の同定位置におけるヌクレオチドはシトシンと決定される。同様に、第1データが転位の速度の変化の非存在を示し、第2データがその反応におけるグアニンヌクレオシド三リン酸の存在を示す場合、標的核酸分子の同定位置におけるヌクレオチドは非グアニン(すなわち、アデニン、グアニンまたはチミン)と決定される。
同定位置を次の位置に進めることができると決定された場合(1140)、同定位置は、標的核酸分子における次の核酸位置に設定され(1150)、そしてプロセス1100が続行される(1120)。同定位置を次の位置に進めることができないと決定された場合(1140)、各同定位置で受信した第1情報および第2情報に基づき標的核酸分子の配列がコンパイルされ(1160)、プロセス1100が終了する。伸長が例えば標的核酸分子の重合の完了または(例えば、酵素活性の減衰に起因する)ポリメラーゼ活性の失効によりそれ以上起こらない場合、同定位置を次の位置に進めることができない。
本明細書に記載される態様およびその作業は、デジタル電子回路において、またはコンピューターソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェアにおいて、またはそれらの1つもしくは複数の組み合わせにおいて実行することができる。本明細書に記載される態様は、1つまたは複数のコンピュータープログラムとして、すなわちデータ処理装置によって実行するためのまたはデータ処理装置の作業を制御するためにコンピューター記憶媒体にエンコードされた1つまたは複数のコンピュータープログラム指令モジュールとして実行することができる。あるいはまたは加えて、このプログラム指令は、人工的に生成される伝搬信号、例えば、データ処理装置によって実行するために適切な受信装置に伝送するための情報をエンコードするために生成される、機械生成される電気、光または電磁信号にエンコードすることができる。コンピューター記憶媒体は、コンピューター読み取り可能な記憶デバイス、コンピューター読み取り可能な記憶基板、ランダムもしくはシリアルアクセスメモリアレイもしくはデバイス、モバイルコミュニケーションデバイスまたはそれらの1つもしくは複数の組み合わせであり得るまたはそれに含まれ得る。さらに、コンピューター記憶媒体は伝播信号ではないが、コンピューター記憶媒体は人工的に生成される伝播信号にエンコードされたコンピュータープログラム指令の送信元または送信先であり得る。コンピューター記憶媒体はまた、1つまたは複数の個別の物理的要素またはメディア(例えば、複数のCD、ディスクまたはその他の記憶デバイス)であり得るまたはそれに含まれ得る。
本明細書に記載される作業は、1つまたは複数のコンピューター読み取り可能な記憶デバイスに保存されたまたはその他の供給源から受信するデータに対してデータ処理装置によって実行される作業として実施される。「データ処理装置」という用語は、例としてプログラム可能なプロセッサ、モバイルコミュニケーションデバイス、コンピューター、チップ上システムまたはこれらの多重化版もしくは組み合わせを含む、データ処理のためのすべての種類の装置、デバイスおよび機械を包含する。装置は、特殊用途の論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。装置はまた、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータープログラムの実行環境を形成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームルーチン環境、仮想マシンまたはこれらの1つまたは複数の組み合わせを含み得る。装置および実行環境は、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャー、例えば、ウェブサービス、分散コンピューティングおよびグリッドコンピューティングインフラストラクチャーを実現し得る。
コンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても公知である)は、コンパイル型またはインタープリター型言語、宣言型または手続き型言語を含む任意のプログラミング言語形式で記述され得、そしてそれはスタンドアローンプログラムとしてまたはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクトもしくはコンピューティング環境で使用するのに適したその他のユニットとしてを含む任意の形式で配置され得る。コンピュータープログラムは、ファイルシステムにおけるファイルに対応するものであり得るが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに保存された1つまたは複数のスクリプト)に、対象のプログラム専用の単一ファイルに、または複数の関連ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブルーチンまたはコードの一部を保存するファイル)に保存され得る。コンピュータープログラムは、1つのコンピューター上でまたは1ヵ所に設置されたもしくは複数ヵ所に分散されコミュニケーションネットワークによって相互接続された複数のコンピューター上で実行されるよう配置することができる。
本明細書に記載されるプロセスおよび論理フローは、1つまたは複数のコンピュータープログラムに入力データに対して作業させ出力を生成させることにより行動を起こさせる1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって実施され得る。プロセスおよび論理フローはまた、特殊用途の論理回路、例えばFPGAまたはASICによって実施され、かつ装置はまた、そのような論理回路を実装され得る。
コンピュータープログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用および特殊用途の両方のマイクロプロセッサならびに任意の種類のデジタルコンピューターの任意の1つまたは複数のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から指令およびデータを受信する。コンピューターの必須要素は、指令通りに行動を起こすプロセッサならびに指令およびデータを保存する1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピューターはまた、データ保存用の1つまたは複数の大容量記憶デバイス、例えば磁気、光磁気ディスクまたは光ディスクを含む、またはそのようなデバイスからデータを受信するもしくはそのようなデバイスにデータを送信するよう機能的に接続される、またはその両方である。しかし、コンピューターは、そのようなデバイスを有している必要はない。さらに、コンピューターは、別のデバイス、例えば、いくつか列挙すると、モバイルコミュニケーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯オーディオまたはビデオプレーヤー、ゲーム端末、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機または携帯記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュデバイス)、に埋め込まれ得る。コンピュータープログラム指令およびデータを保存するのに適したデバイスには、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク;光磁気ディスク;ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特殊用途の論理回路によって補完され得るまたはそのような回路に組み込まれ得る。
使用者とのやりとりを提供するため、本明細書に記載される態様は、使用者に情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニターならびに使用者がコンピューターへの入力を提供するキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールを有するコンピューターにおいて実施され得る。加えて、コンピューターは、使用者によって使用されるデバイスにドキュメントを送信し、同デバイスからドキュメントを受信することによって;例えば、使用者のクライアントデバイスのウェブブラウザに、そのウェブブラウザから受信したリクエストに応じてウェブページを送信することによって、使用者とやりとりし得る。
本明細書に記載される態様は、例えばデータサーバーとしてバックエンドコンポーネントを含む、またはミドルウェアコンポーネント、例えばアプリケーションサーバーを含む、またはフロントエンドコンポーネント、例えばそれを通じて使用者が本明細書に記載される本実装機器とやりとりすることができるグラフィカルユーザーインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピューターを含む、または1つもしくは複数のそのようなバックエンド、ミドルウェアもしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムにおいて実施され得る。システムのコンポーネントは、デジタルデータコミュニケーションの任意の形式または媒体、例えば、コミュニケーションネットワークによって相互接続され得る。コミュニケーションネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)およびピア・ツー・ピアネットワーク(例えば、アドホックピア・ツー・ピアネットワーク)が含まれる。
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバーを含み得る。クライアントおよびサーバーは、一般に、互いに隔離されており、かつ典型的に、コミュニケーションネットワークを通じてやりとりする。クライアントとサーバーの関係は、それぞれのコンピューターにおいて稼働している互いに対してクライアント・サーバー関係を有するコンピュータープログラムによって確立される。いくつかの態様において、サーバーは、クライアントデバイスに対してデータ(例えば、HTMLページ)を伝送する(例えば、クライアントデバイスとやりとりする使用者にデータを表示し、使用者から使用者の入力を受信するために)。クライアントデバイスにおいて生成されたデータ(例えば、使用者とのやりとりの結果として)は、サーバーにおいて、クライアントデバイスから受信され得る。
本発明にしたがい、当技術分野の技能の範囲で、従来の分子生物学、微生物学、生化学および組み換えDNA技術が使用されることがある。そのような技術は、文献で十分に説明されている。本発明はさらに以下の実施例の中で説明されるが、これらは特許請求の範囲に記載される方法および組成物の範囲を限定するものではない。
実施例1 - 固体表面の調製
NTA単層を、記載されたようにして調製した(Paik et al., 2005, Chem. Commun., 15: 1956-58を参照のこと。Ni-NTA表面は、このNTA官能化基材を、0.1 M NiCl2を含む10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)に30分間浸漬することによって得た。次いでこの基材をMilli-Q水で数回すすぎ、そして窒素流下で乾燥させた。
新たに清浄化した基材を、アルゴン下で2日間、1%(v/v)3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを含む蒸留トルエン溶液に浸漬した。溶液から基材を取り出した後、これらを蒸留トルエンですすぎ、そして窒素流下で乾燥させた。このエポキシ末端化SAMで官能化された基材を、60℃で4時間、2.5 mM N,Nビス(カルボキシメチル)-L-リジン(NTA)を含む10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)中でインキュベートした。マイクロコンタクトプリントの準備のために、基材をMilli-Q水ですすぎ、そして乾燥させた。
このNTA SAMに対するHisタグ付きタンパク質の限定的な非特異的結合効果が観察され、これによって、このNTA SAMが、マイクロコンタクトプリントおよびディップペンナノリソグラフィー技術によるNi(II)イオンパターンの形成に適した表面であることが実証された。
実施例2 - Hisタグ付きRNAポリメラーゼのクローニングおよび精製
38アミノ酸のSBPタグをコードするDNAフラグメントを、鋳型としてpTAGk19ならびにプライマーとして合成DNAオリゴマーRP46およびRP47(以下を参照のこと)を用いるPCRにより合成した。このフラグメントをNcoIで消化し、pBH16117にライゲートして、pRP6を得た。
SBP-His-RNAポリメラーゼおよびHis-RNAポリメラーゼを、以前に記載されたようにして発現させ精製した(He et al., 1997, J. Protein Expression Purif., 9: 142-51;およびKeefe et al., 2001, J. Protein Expression Purif., 23: 440-46)。
実施例3 - ポリメラーゼの固定
Si(III)へのRNAポリメラーゼ分子の固定のために、以下の反応スキームを行った:(a)40% NH4F、10分間、25℃;(b)Cl2ガス、20分間、100℃;(c)mPEG、一晩、真空、150℃;(d)DSC、DEIDA、DMAP、DMF、一晩、25℃;(f)BBTO、ジエチルエーテル、6時間、25℃;(g)CuSO4、エタノール 20分間、25℃;(h)6x Hisタグ付きタンパク質のインキュベーション。
実施例4 - マイクロコンタクトプリント(μCP)および複合体形成
ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)と硬化剤(Sylgard 184、Dow Corning)の10:1(v/v)混合物を、パターン構造化シリコンマスターに対してキャストし、5ミクロンの線の特徴、3および10ミクロンの間隔の線の特徴ならびに5ミクロンの間隔を有するPDMSスタンプを調製した。非酸化PDMSスタンプを、約1時間、0.1 M NiCl2を含む10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)中でインキュベートし、次いで窒素流下で乾燥させた。このスタンプを、3分間、NTA末端化基材と接触させた。スタンプを剥がした後、Ni(II)プリントされた基材を、30分間、100 nMのHis-T7 RNAPと共にds-DNA、プロモーターおよびストレプトアビジン・ビオチン結合を介して結び付けられた磁気タグを含む約200μLの25 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)中でインキュベートし、次いで過剰なタンパク質を除去するために10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)およびMilli−Q水ですすいだ。
実施例5 - 係留
2.8ミクロンのSAコンジュゲートビーズ(Dynal)および1.0ミクロンのビオチニル化ビーズをPBSで希釈し(それぞれ、1:20および1:200)、室温で15分間混合した。以前に記載されたようにしてカバースリップをNi2+-NTA HRPコンジュゲート(Qiagen)でコーティングし、そしてカバースリップをわずかに離して整列させることによってフローチャンバーを構築した(Noji et al., 1997, Nature, 386: 299-302を参照のこと)。
実施例6 - 鋳型の調製
転写による配列決定のためのDNA鋳型は、T7プロモーターを保有する4.6 kbファージT7 DNAフラグメントとラムダDNAの0.5 kbビオチニル化フラグメントを1つに接合することによって調製した。4.6 kbフラグメントは、#T7pPK13フォワードプライマーおよび3'末端にXbaI認識部位を含む#T7phi17REVプライマーを用いるPCRによって作製した。0.5 kb PCRフラグメントは、ビオチン-16-dUTP(Roche)の存在下で#F3および#R3プライマーを用いるPCRによって作製した。PCRが完了した後、精製されたPCR産物をNheIで消化し、そしてQIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)で清浄化した。
PCR産物をXbaIで消化した後、その4.6 kb片を、15℃で一晩のライゲーションによって、NheI消化した0.5 kbビオチニル化PCRフラグメントに接合した。得られた5.1 kbのライゲーション産物を0.7%アガロースゲル電気泳動を用いて分離し、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いてゲルから抽出した。このDNAを転写・配列決定実験において使用した。
以下のプライマーをPCRに使用した:
Figure 2016507249
下線はT7プロモーター配列であり、太字のGは+1であり、太字のCは+20位の休止部位である);
Figure 2016507249
Xba部位を含む);
Figure 2016507249
5'末端にNheI制限部位を含む);および
Figure 2016507249
以下の表は、T7プロモーターを含むT7ファージから4.6 Kbフラグメントを調製するのに使用した反応混合物を示している。PCR増幅は、以下のサイクル条件下で行った:94℃で30''、94℃で10''、55℃で30''、65℃で4'10''、65℃で10'を32サイクル、その後に4℃で維持。
Figure 2016507249
以下の表は、複数のビオチンを含む0.5 Kbラムダフラグメントを調製するのに使用した反応混合物を示している。PCR増幅は、以下のサイクル条件下で行った:94℃で10'、94℃で10''、55℃で30''、72℃で1'、72℃で7'を32サイクル、その後に4℃で維持。
Figure 2016507249
実施例7 - 複合体形成および配列決定反応
PEG-Cu++官能化ガラススライド(MicroSurfaces, Inc)を、緩衝液B + 1% BSAによって不動態化させた。
以下の反応物を室温で準備し、37℃で3分間インキュベートした。
Figure 2016507249
45μlの緩衝液Bを、鋳型の+20位で中断しているT7 RNAP-DNA伸長複合体を含む反応混合物に添加し、その混合物を5分間かけてフローセルに注入した。
このフローセルを緩衝液Bで洗浄し、そして1μm SA磁気ビーズ(緩衝液B + 0.1% BSA中6μlの洗浄されたビーズと混合された46μlの緩衝液B + 0.1% BSA)を12分間かけて注入した。このフローセルを緩衝液B + 0.1% BSAで洗浄した。
0.8ミクロンのポリスチレンビオチニル化ビーズ(2μlの洗浄されたビーズ + 48μlの1xB/0.1% BSA)をフローセルに注入し、15分間インキュベートして、表面に磁気SAビーズが係留された2成分粒子を形成させた。未結合の0.8ミクロンポリスチレンビーズを除去するため、フローセルを緩衝液Bで洗浄した。
転写/配列決定は、フローセルに緩衝液B + 250μM NTP + 10 mM DTTを注入することによって開始した。4つの異なるNTP混合物(各々、ヌクレオチドの1つを少量で含む)を4つの異なるフローセルに使用した。
Figure 2016507249
本システム、方法および組成物は、本明細書において、多くの異なる局面に関連して説明されているが、前出の様々な局面の説明は例示を意図したものであり、本システム、方法および組成物の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。他の局面、利点および改変物も、添付の特許請求の範囲に含まれる。
開示されたシステム、方法および組成物のために使用することができる、それらに関連して使用することができる、それらの準備のために使用することができる、またはそれらの生産物である、システム、方法および組成物が開示されている。これらおよびその他の物が本明細書に開示されており、そしてこれらのシステム、方法および組成物の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されていることを理解されたい。すなわち、これらの組成物および方法の各々の様々な個別のおよび集合的な組み合わせおよび並べ替えに関する具体的な言及は明示的には示されていないかもしれないが、各々は具体的に想定され本明細書に記載されているのである。例えば、ある特定のシステムパーツ、組成物または特定の方法が開示され考察されている場合および複数のシステムパーツ、組成物または方法が考察されている場合、そうでないことが具体的に示されていない限り、これらのシステムパーツ、組成物および方法の各々およびあらゆる組み合わせおよび並べ替えが具体的に想定されているのである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも具体的に想定され開示されている。

Claims (61)

  1. ポリメラーゼと標的核酸分子を配列決定条件下で接触させる工程であって、配列決定条件が少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、ポリメラーゼが固体基材に固定されている、工程;
    ナノ構造を貫通する(through)、ナノ構造上での(on)またはナノ構造の上方での(over)標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;
    前記接触させる工程および前記検出する工程を複数回繰り返す工程;ならびに
    少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸の存在下での前記移動の変化の存在または非存在に連続的に基づき標的核酸分子の配列を決定する工程
    を含む、標的核酸分子の配列を決定する方法。
  2. 配列決定条件が、単一のヌクレオシド三リン酸の存在を含む、請求項1記載の方法。
  3. 配列決定条件が、4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、請求項1記載の方法。
  4. 固体基材がガラスである、請求項1記載の方法。
  5. ポリメラーゼが、RNAポリメラーゼである、請求項1記載の方法。
  6. RNAポリメラーゼが、バクテリオファージRNAポリメラーゼおよび細菌RNAポリメラーゼからなる群より選択される、請求項5記載の方法。
  7. バクテリオファージRNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼおよびT3 RNAポリメラーゼからなる群より選択される、請求項6記載の方法。
  8. 細菌RNAポリメラーゼが、大腸菌(E.coli)RNAポリメラーゼである、請求項6記載の方法。
  9. ポリメラーゼが、DNAポリメラーゼである、請求項1記載の方法。
  10. DNAポリメラーゼが、phi29、T7 DNAポリメラーゼ、枯草菌(Bacillus subtilis)DNAポリメラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼからなる群より選択される、請求項9記載の方法。
  11. ポリメラーゼが、Hisタグを介して固体表面に固定される、請求項1記載の方法。
  12. ポリメラーゼが、1つまたは複数のビオチン-ストレプトアビジン結合を介して固体表面に固定される、請求項1記載の方法。
  13. 標的核酸分子が、真核生物性である、請求項1記載の方法。
  14. 標的核酸分子が、二本鎖である、請求項1記載の方法。
  15. 標的核酸分子が、一本鎖である、請求項1記載の方法。
  16. 標的核酸分子が、生物学的試料中に含まれる、請求項1記載の方法。
  17. 標的核酸分子が、ポリメラーゼプロモーター配列を含む、請求項1記載の方法。
  18. 標的核酸分子が、磁気タグをさらに含む、請求項1記載の方法。
  19. ナノ構造が、ナノ細孔、ナノチューブおよびナノワイヤからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  20. ナノ構造が、生物学的ナノ構造、ソリッドステートナノ構造またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  21. 検出する工程が、ナノ構造の電流の変化の測定を含む、請求項1記載の方法。
  22. 検出する工程が、ナノ構造のイオン伝導の変化の測定を含む、請求項1記載の方法。
  23. 検出する工程が、CMOSベースの人工ナノ構造および電子機器上での移動の捕捉をさらに含む、請求項1記載の方法。
  24. 標的核酸分子に有向性の力を適用する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  25. 有向性の力が、磁石によって生成される、請求項24記載の方法。
  26. 有向性の力が、流動または圧によって生成される、請求項24記載の方法。
  27. ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;
    ポリメラーゼと標的核酸分子を第1の配列決定条件下で接触させる工程であって、第1の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;
    第1の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに
    前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第1のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程
    を含む、標的核酸分子の配列を決定する方法。
  28. ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;
    ポリメラーゼと標的核酸分子を第2の配列決定条件下で接触させる工程であって、第2の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;
    第2の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに
    前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第2のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程
    をさらに含む、請求項27記載の方法。
  29. 第2の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程が、第1の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程と同時に行われる、請求項28記載の方法。
  30. 第2の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程が、第1の配列決定条件下での接触させる工程および検出する工程の前または後に順に実施される、請求項28記載の方法。
  31. ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;
    ポリメラーゼと標的核酸分子を第3の配列決定条件下で接触させる工程であって、第3の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第3のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;
    第3の配列決定条件下での、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに
    前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第3のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程
    をさらに含む、請求項28記載の方法。
  32. 標的核酸分子内での第1、第2および第3のヌクレオシド三リン酸の位置情報から標的核酸分子の配列を決定する工程
    をさらに含む、請求項31記載の方法。
  33. ポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;
    ポリメラーゼと標的核酸分子を第4の配列決定条件下で接触させる工程であって、第4の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸の存在を含み、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第4のヌクレオシド三リン酸が律速量で存在する、工程;
    第4の配列決定条件下での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を検出する工程;ならびに
    前記移動の変化に基づき標的核酸分子に沿った第4のヌクレオシド三リン酸の位置情報を決定する工程
    をさらに含む、請求項31記載の方法。
  34. 1つまたは複数のポリメラーゼがその上に固定された固体基材を提供する工程;
    1つまたは複数のポリメラーゼと標的核酸分子を第1の配列決定条件下で接触させる工程であって、第1の配列決定条件が4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第1のヌクレオシド三リン酸の存在を含む、工程;
    第1の配列決定条件下で、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動の変化が起こるかどうかを検出する工程であって、
    前記移動の変化が起こる場合、方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第1の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含み、
    前記移動の変化が起こらない場合、方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第2の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含み、第2の配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第2のヌクレオシド三リン酸の存在を含み、
    ここで、前記移動の変化が起こる場合、方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第1の配列決定条件で繰り返す工程をさらに含み、
    前記移動の変化が起こらない場合、方法は、前記接触させる工程およびそれ以降の工程を第3の配列決定条件下で繰り返す工程をさらに含み、第3の配列決定条件は、4つのヌクレオシド三リン酸のうちの第3のヌクレオシド三リン酸の存在を含む、工程;ならびに
    第1、第2または第3の配列決定条件下での移動の変化の発生に連続的に基づき標的核酸分子の配列を決定する工程
    を含む、標的核酸分子の配列を決定する方法。
  35. 複数のポリメラーゼがその上に固定されている固体基材であって、複数のナノ構造を含む、固体基材
    を含む、製造物品。
  36. 固体基材が銅およびPEGでコーティングされている、請求項35記載の製造物品。
  37. 固体基材がニッケルおよびPEGでコーティングされている、請求項35記載の製造物品。
  38. 固体基材がNi-NTAでコーティングされている、請求項35記載の製造物品。
  39. 固体基材がCMOSまたはCCDである、請求項35記載の製造物品。
  40. 複数のポリメラーゼが、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼまたはそれらの組み合わせを含む、請求項35記載の製造物品。
  41. ポリメラーゼプロモーター配列をさらに含む、請求項35記載の製造物品。
  42. ビオチニル化核酸係留配列をさらに含む、請求項35記載の製造物品。
  43. 1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸をさらに含む、請求項35記載の製造物品。
  44. ナノ構造が、ナノ細孔、ナノチューブおよびナノワイヤからなる群より選択される、請求項35記載の製造物品。
  45. ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのまたはナノ構造の上方での標的核酸分子および/または1つもしくは複数の新生鎖の移動を同定する;
    前記移動およびヌクレオシド三リン酸の存在に基づき標的核酸分子の配列をコンパイルする;または
    有向性の力を適用する
    ための説明書をさらに含む、請求項35記載の製造物品。
  46. 説明書が電子形態で提供される、請求項45記載の製造物品。
  47. その上に固定された複数のポリメラーゼおよび複数のナノ構造を含む固体基材を受け入れるための収容構造と、
    固体表面に固定された複数のポリメラーゼによって重合される標的核酸分子に張力を適用するのに十分でありかつそのような方向に向けられている有向性の力を提供するための供給源と、
    ナノ構造の電流/イオン伝導の変化を決定するための手段と
    を含む配列決定モジュール
    を含む、標的核酸分子の単一塩基配列決定のための装置。
  48. コンピュータープロセッサをさらに含む、請求項47記載の装置。
  49. 核酸の配列決定に関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段(fluidics)
    をさらに含む、請求項47記載の装置。
  50. 試薬が、ヌクレオシド三リン酸からなる群より選択される、請求項49記載の装置。
  51. 緩衝液が、洗浄緩衝液、酵素結合緩衝液および配列決定緩衝液からなる群より選択される、請求項49記載の装置。
  52. 有向性の力を提供するための供給源が磁石を含む、請求項47記載の装置。
  53. 有向性の力を提供するための供給源が液体の流動を含む、請求項47記載の装置。
  54. 生物学的試料を受け入れるための収容構造と、
    配列決定する核酸の単離および調製に関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段と
    を含む試料調製モジュール
    をさらに含む、請求項47記載の装置。
  55. 試薬が、細胞溶解試薬および切断酵素からなる群より選択される、請求項54記載の装置。
  56. 緩衝液が、溶解緩衝液および洗浄緩衝液からなる群より選択される、請求項54記載の装置。
  57. ポリメラーゼプロモーター配列を核酸分子に結び付けるのに関係する試薬および緩衝液を収容および輸送するための流体工学手段を含む、鋳型仕上げモジュール
    をさらに含む、請求項54記載の装置。
  58. 試薬が、リガーゼ酵素、分子モーター結合配列および係留手段(tether)からなる群より選択される、請求項57記載の装置。
  59. 緩衝液が、リガーゼ緩衝液、磁気タグ結合緩衝液および酵素結合緩衝液からなる群より選択される、請求項57記載の装置。
  60. 標的核酸分子の第1位置に関して第1データを受け取る工程であって、第1データが、ナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのもしくはナノ構造の上方での標的核酸分子および/もしくは1つもしくは複数の新生鎖の移動の存在もしくは不存在ならびに/またはナノ構造を貫通する、ナノ構造上でのもしくはナノ構造の上方での前記鎖の移動速度を示す、工程;
    標的核酸分子の第1位置に関して第2データを受け取る工程であって、第2データが、重合時に利用可能な1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸の存在および/または量を示す、工程;
    標的核酸分子の第2位置に関して別の第1データおよび別の第2データを受け取る工程;
    標的核酸分子の第3位置に関してさらに別の第1データおよびさらに別の第2データを受け取る工程;
    第1データを受け取る工程および第2データを受け取る工程を、標的核酸分子の第4位置およびそれ以降の位置に関して繰り返す工程;ならびに
    各位置に関して受け取った第1データおよび第2データに基づき標的核酸分子の配列を決定する工程
    を含む、標的核酸分子の重合時に得られるデータに基づき標的核酸分子の配列を決定する方法。
  61. 第1データおよび第2データが、示された位置のヌクレオチドとして記録される、請求項60記載の方法。
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