JP2016505118A - 相互に連通する高圧穴を備えるコンポーネント - Google Patents

Abstract

コンポーネント（１）、特に少なくとも１つの第１の高圧通路（４）と第２の高圧通路（５）がある高圧燃料ポンプのハウジングにおいて、第１の通路（４）の長軸は第２の通路（５）の長軸に対して鋭角または直角をなしており、第２の通路（５）は第１の通路（４）に連通しており、それによって交差部が形成される。第１の通路（４）は中央穴（１０）および中央穴（１０）の断面を拡張する少なくとも１つの副穴（１１）により形成されており、副穴（１１）の長軸と中央穴（１０）の長軸は互いに平行に延びている。中央穴（１０）はコンポーネント（１）を貫通しており、交差部を越えて延びる第１の区域（８）と、これに後続する第２の区域（９）とで成り立っており、少なくとも１つの副穴（１１）は第１の区域（８）に沿ってのみ延びており、第２の区域（９）に沿っては副穴が設けられていない。【選択図】図２

Description

本発明は、コンポーネント、特に少なくとも１つの第１の高圧通路と第２の高圧通路がある高圧燃料ポンプのハウジングに関するものであり、第１の通路の長軸は第２の通路の長軸に対して鋭角または直角をなしており、第２の通路は第１の通路に連通しており、それによって交差部が形成され、第１の通路は中央穴および中央穴の断面を拡張する少なくとも１つの副穴により形成されており、副穴の長軸と中央穴の長軸は互いに平行に延びている。

このような種類のコンポーネントは、たとえば燃料システムのピストンポンプのハウジングとして知られている。これを用いて、燃料が非常に高い圧力まで圧縮されて、燃料高圧リザーバへ、特に燃料集合配管（「レール」）へ、またはリザーバインジェクタの一体化されたリザーバへ圧送される。そこで燃料は非常に高い圧力のもとで蓄えられる。燃料集合配管には複数の噴射弁が接続されており、これらが、噴射弁に付属するそれぞれの燃焼室へ燃料を直接噴射する。

このような種類の公知のコンポーネントでは、燃料は、ハウジングの中にある送出室の中で相応のピストンにより圧縮される。高圧燃料ポンプのハウジングまたはハウジング部分に穴の形態で穿設された流動通路を介して、高度に圧縮された燃料が個々の送出室から共通の吐出部へ、いわゆるポンプコレクタへと達する。各々の送出室から、流動通路ないし穴はポンプコレクタへと連通しており、流動通路はポンプコレクタに対して＞０°の角度をなしている。流動通路とポンプコレクタとの交わり領域で、それぞれ穴交差部が形成される。

燃料噴射システムの高圧を通すコンポーネントで生じる最大２２００バールの圧力に基づき、媒体を通す管または通路では応力が発生する。管の場合、軸方向の応力、半径方向の応力、および円周方向の応力が発生し、そのうち円周方向の応力が管負荷にもっとも高い割合を占める。管交差部では、特に鋭角の場合、両方または複数の穴の応力の重なり合いによって特別に高い応力が引張応力の形態で材料に生じる。応力最大値には交差部エッジのところで直接達する。このような個所は、特に圧力が一定でない場合、すなわち負荷が増大する場合、著しい破損の危険がある。したがってまず第１に、円周応力を低減することが必要である。

この関連において、第１の通路の断面を少なくとも第２の通路の連通部の領域で拡張することがすでに提案されており、それは、中央穴を起点として、中央穴の断面を拡張する少なくとも１つ、特に２つの副穴が穿設されることによる。副穴と中央穴の長軸がそれぞれ互いに鋭角をなしているとき、これは「扇形交差部」または「望遠鏡型交差部」とも呼ばれる。その場合、中央穴と副穴の長軸は、第１の通路の高圧接続部に向かう方向へと収束していく。このような構成の欠点は、中央穴と副穴がそれぞれコンポーネントの両方の側から穿孔されなければならないという事情にあり、このことは、製造公差に対する高い影響感度と高いコストとを生じさせる。

したがって本発明の課題は、応力レベルに関して得られる利点を失うことなく、第１の通路における交差部のためのコストを引き下げることにある。

この課題を解決するため、本発明は基本的に、冒頭に述べた種類のコンポーネントにおいて、中央穴がコンポーネントを貫通しており、交差部を越えて延びる第１の区域と、これに後続する第２の区域とで成り立っており、少なくとも１つの副穴は第１の区域に沿ってのみ延びており、第２の区域に沿っては副穴が設けられていないことを提案する。中央穴が貫通していることにより、行われるべき穿孔の回数が減る。このように、互いに一直線上に並んでいる中央穴の第１の区域と第２の区域は、ただ１回の作業ステップで形成される。第１の通路の断面拡張は、交差部の領域で、すなわち少なくとも１つの第２の通路の連通部の領域で、中央穴の第１の区域に沿って少なくとも１つの副穴が形成されることによって具体化され、副穴はコンポーネントを貫いて延びるのではなく、止まり穴として構成されている。このように本発明による構成は、少なくとも１つの副穴をコンポーネントの一方の側から穿孔するだけで足りるので、実行されるべき穿孔の回数を全体として大幅に減らすことができる。

特別に応力の少ない構成が達成されるのは、１つの好ましい発展例に基づき、中央穴の両側にそれぞれ中央穴の断面を拡張する副穴が構成されているときである。このとき、中央穴とこれら２つの副穴の長軸は、共通の平面に位置しているのが好ましい。

少なくとも１つの副穴は、中央穴と等しい穴直径を有することができる。しかしながら別案として、少なくとも１つの副穴が中央穴よりも小さい穴直径を有していることも考えられる。

副穴を設けることは、いずれの場合でも、第１の通路の断面積が第２の通路の断面積よりも大きくなるという結果をもたらすのが好ましい。特に第２の通路の断面積は、第１の通路の中央穴の断面積に実質的に相当することができる。

中央穴と副穴端部との交差部における応力ピークを低減するために、１つの好ましい発展例は、少なくとも１つの副穴の穴端部が球面状に構成されており、または１２０°〜１５０°、特に１４０°の円錐ドリルによって構成されることを意図している。

さらに、高圧媒体を通す配管の接続を簡単な仕方で可能にするために、中央穴が第２の区域の端部に、外方に向かって発散していく円錐状の封止面を備える高圧接続部を有することが意図されていてよい。

本発明の１つの好ましい用途の要諦は、第１の通路が高圧ピストンポンプのコレクタ穴であり、特に内燃機関の燃料噴射システムのラジアルピストンポンプのコレクタ穴であることにある。

次に、図面に模式的に示されている実施例を参照しながら、本発明について詳しく説明する。

従来技術に基づくいわゆる扇形交差部の構成である。 第１の断面図で示す本発明による構成である。 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面で示す図２の構成である。

図１には、たとえば内燃機関の燃料噴射システムの高圧燃料ポンプのハウジングである、高圧媒体を通すコンポーネント１が従来技術に基づいて示されている。コンポーネント１は、接続管の対応する対応面と協働作用することができる円錐状の封止面３を有する高圧接続部２を有している。高圧接続部２は、ハウジング１の穴として製作された第１の通路４へと通じている。第１の通路４に、同じく穴として製作された第２の通路５が直角に連通している。第１の通路４と第２の通路５との間の交差部の領域で断面拡張を実現するために、第１の通路４は、中央穴と、中央穴の両側に配置されて中央穴の断面を拡張する２つの副穴とで構成されている。高圧接続部２から第２の通路５の軸まで延びる区域６では、副穴の軸は中央穴の軸に対して鋭角に延びており、それによって扇形の構造が生じている。区域６に直接後続する区域７では、副穴の軸は中央穴の軸と平行に延びている。第１の区域６の穴と第２の区域７の穴は、コンポーネント１のそれぞれ向かう合う側から穿設されている。このように図１の構成では、全部で６つの穴が必要である。したがって、このような構成はコスト集中的であり、製造公差からの影響を受けやすい。

それに対して、図２に示す本発明の構成では３つの穴しか必要なく、交差部の領域で応力レベルがマイナスの影響を受けることがない。第１の通路４は、互いに直接的に接続する第１の区域８と第２の区域９とを有している。第１の区域８は、第２の通路５と第１の通路４との交差部を越えて延びており、それにより、交差部は全面的に第１の区域８に位置している。第２の区域９では、第１の通路４は中央穴１０だけで構成されており、それに対して第１の通路４は、第１の区域８では中央穴１０と副穴１１とで構成されており、その様子は特に図３の断面図に明らかである。副穴１１はその端部１２のところで、湾曲した端部面を得るために、ボールヘッドを用いて加工することができる。

１ コンポーネント
２ 高圧接続部
３ 封止面
４ 第１の通路
５ 第２の通路
８ 第１の区域
９ 第２の区域
１０ 中央穴
１１ 副穴

Claims (10)

1. コンポーネント、特に１つの第１の高圧通路と少なくとも１つの第２の高圧通路がある高圧燃料ポンプのハウジングであって、第１の通路の長軸は第２の通路の長軸に対して鋭角または直角をなしており、第２の通路は第１の通路に連通しており、それによって交差部が形成され、第１の通路は中央穴および中央穴の断面を拡張する少なくとも１つの副穴により形成されており、副穴の長軸と中央穴の長軸は互いに平行に延びている、そのようなコンポーネントにおいて、中央穴（１０）は前記コンポーネント（１）を貫通しており、交差部を越えて延びる第１の区域（８）と、これに後続する第２の区域（９）とで成り立っており、少なくとも１つの副穴（１１）は第１の区域（８）に沿ってのみ延びており、第２の区域（９）に沿っては副穴が設けられていないことを特徴とするコンポーネント。
2. 中央穴（１０）の両側に中央穴（１０）の断面を拡張する副穴（１１）がそれぞれ構成されていることを特徴とする、請求項１に記載のコンポーネント。
3. 中央穴と２つの副穴（１１）の長軸は共通の平面に位置していることを特徴とする、請求項２に記載のコンポーネント。
4. 少なくとも１つの副穴（１１）は中央穴（１０）と等しい穴直径を有していることを特徴とする、請求項１，２または３に記載のコンポーネント。
5. 少なくとも１つの副穴（１１）は中央穴（１０）よりも小さい穴直径を有していることを特徴とする、請求項１，２または３に記載のコンポーネント。
6. 第１の通路（４）の第１の区域の断面積は第２の通路（５）の断面積よりも大きいことを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載のコンポーネント。
7. 第２の通路（５）の断面積は第１の通路（４）の中央穴（１０）の断面積に実質的に相当していることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項に記載のコンポーネント。
8. 少なくとも１つの副穴（１１）の穴端部（１２）は球面状に構成されており、またはたとえば１４０°の円錐ドリルによって構成されていることを特徴とする、請求項１から７のいずれか１項に記載のコンポーネント。
9. 中央穴（１０）は第２の区域（９）の端部に外方に向かって発散していく円錐状の封止面（３）を備えた高圧接続部（２）を有していることを特徴とする、請求項１から８のいずれか１項に記載のコンポーネント。
10. 第１の通路（４）は高圧ピストンポンプの、特に内燃機関の燃料噴射システムのインラインピストンポンプまたはラジアルピストンポンプのコレクタ穴であることを特徴とする、請求項１から９のいずれか１項に記載のコンポーネント。

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