JP2016504587A - イムノアッセイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、試料からの物質特異的免疫グロブリンの検出感度を増加させる改良されたイムノアッセイに関する。本発明の方法は、少なくとも1の形が該物質の天然抽出物を含む複数の形の物質を提供することに関する。存在する他の形は該物質の組換えまたは天然抗原成分でありうる。

Description

本発明は、抗原特異的免疫グロブリンを検出および/または定量するイムノアッセイの分野、より具体的には、アレルギー病状または疾患の診断に用いるイムノアッセイに関する。
アレルギー疾患は、過去数十年間にわたり、特に世界のより先進地域で有病率が増加している。アレルギーは、通常、環境において有害でない物質に対する免疫反応である。身体は、該物質を脅威とみなし、それに対する不適切で過度の反応を生じる。反応を引き起こす物質はアレルゲンと呼ばれ、これには花粉、イエダニ、動物の鱗屑、カビ胞子、ラテックス、薬剤、昆虫毒、および食品、例えば、ナッツおよび卵などの物質が含まれうる。
アレルギーは、大きな健康問題であり、顕著な経済的損失を生じ、正しい診断と治療が鍵となる。
アレルギー患者は、該疾患の種々の臨床症状を示す。これらには、呼吸器(例えば、くしゃみ、喘鳴、および急性気管支痙攣)、心臓血管(例えば、低血圧)、皮膚(例えば、腫脹、および蕁麻疹)、胃腸(例えば、嘔吐および下痢)の症状、または全身症状(アナフィラキシーを含む)が含まれる。一般アレルギー疾患には、喘息、湿疹、および枯草熱が含まれる。患者が初期治療環境で刺激および炎症を含む症状を示せば、医師は、通常、さらにどのアレルゲンがアレルギー反応を引き起こしているかを決定する試験を行う。試験は、臨床症状とアレルギーの診断をもたらす1またはそれ以上のアレルゲンに対する免疫グロブリンの存在の組み合わせである。
アレルギー診断を行うために、医師は皮刺試験を行うことができる。反応があるかを見るために、皮膚に微量の疑わしいアレルゲンを刺す。反応があれば刺傷周辺の皮膚は、該アレルゲンに対する免疫反応の典型的兆候である腫脹と、発赤、かゆみを生じるだろう。しかしながら、皮刺試験は、特に、不快であり、総合試験のために皮膚の大きな面積に及び得るため、常に望ましいわけではない。さらに、個体があらゆるアレルゲンに致命的な反応を示す場合は、該試験は勧められない。さらに、個体が抗ヒスタミン剤や三環系抗鬱薬を服用している場合は、皮刺試験は信頼性がないかもしれない。
ある物質の抗原性はその物質内の多くの単一抗原に由来しうる。抗原成分(「成分」)は、タンパク質、多糖、または免疫反応を刺激することができるあらゆる他のエンティティ(エピトープを含む)でありうる。例えば、該物質がイエダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)である場合は、これには該生物の生命を維持するすべての分子が含まれるが、Der p 1およびDer p 2などの抗原成分からなるアレルゲン分画も含む。特にDer p 1およびDer p 2は、天然イエダニ抽出物の主要なアレルゲン部分である。一般的に、ある抽出物中のアレルゲン分子の分画が低いと該抽出物に基づくアッセイの感度も低くなる。
免疫グロブリンE(IgE)は、アレルギー疾患で主要な役割を果たす抗体の一種である。IgEはアレルゲンと結合し、炎症の原因となりうる肥満細胞由来の物質の放出を引き起こす。感受性の人々ではB細胞がアレルゲンへの最初の暴露に反応してアレルゲン特異的IgEを産生する。次に、このIgEは血中を循環し、肥満細胞と結合し、同じアレルゲンに次に暴露するとアレルギー反応のカスケードを開始することができる。したがって、特異的IgEはアレルギー疾患の確立されたマーカーとなっている。
イムノアッセイは、特定のアレルゲンに特異的なIgEのレベルを測定するのに用いることができる。これらは、感作された対象における種々のアレルゲン特異的IgE抗体の存在を評価し、定量可能な主要な血液検査である。
イムノアッセイは、ある試料中の抗原または特定の抗原特異的抗体の存在をアッセイするのに用いる方法である。抗原特異的抗体と結合した抗原(すなわち、免疫複合体)の検出は、特定抗原について試料をインキュベーションすることにより達成することができる。次いで、抗原特異的抗体の存在は種々の技術を用いて可視化することができる。一般的に、イムノアッセイは、固体支持体上に抗原を固定する必要がある。イムノアッセイの種類には、ELISA(酵素免疫測定法)およびRAST(放射性アレルゲン吸着試験(蛍光ベースのImmunoCAP(登録商標)アッセイフォーマット(Phadia AB)を含む))が含まれる。
アレルギーin-vitro診断イムノアッセイは、血液試料だけあればよいので人により好都合であり、皮膚試験の代替法として用いられている。しかしながら、血液試験の感度は皮膚試験より最大25〜30%低いことがあることが報告されている(Bernstein et al、Allergy Diagnostic testing:an updated practice parameter. Part 2. Ann Allergy Asthma Immunol 2008 Mar;100(3 suppl) S66-S121)。
アレルギーの可能性がある個体の血液試験の現在の臨床業務は、一般的には物質と結合する試料(例えば血液)中の免疫グロブリンの存在を試験することである。該物質は、アレルゲンまたは抗原物質、例えば、ピーナツ、イヌの鱗屑、または樺の木の花粉である。該物質は、イムノアッセイでは該物質の天然抽出物または該天然抽出物から単離された成分として存在するかもしれないが、両者同時にではない。そのようなアッセイは、医師が「ピーナツに対するアレルギー」または「樺の木の花粉に対するアレルギー」を決定するのを助けるがそれ以上の情報はない。さらに、各アレルギー患者は、独特なアレルゲン特異的IgEプロフィールを持つ。個々の成分のみを用いると、特定の抗原成分が見つからないか同定されないかもしれないのでアレルギーが見つからない可能性がある。ほとんどの物質は少なくとも1の抗原成分を含むため、アレルギーは複雑である。実際に、抗原成分間のいくつかの交差反応性が知られている。例えば、樺の木の花粉由来のアレルゲン Bet v 1とピーナツ由来のAra h 8は交差反応性であることが知られており、これらの一つに特異的な免疫グロブリンは他方とも結合しうる。
限られた環境でのみ、個体は、個体が免疫グロブリンを持つ物質の成分を決定しようとする第2の血液試験を受ける。ある種の成分特異的免疫グロブリンの存在は、その物質に対する潜在的アナフィラキシー反応を示し、他には示さないことがありうるので、これは重要なことがある。例えば、ピーナツを食べてBet v 1(Ara h 8を含む)に対するIgE抗体を有する樺の木の花粉アレルギー患者は、アナフィラキシー反応ではなく交差反応抗体の存在により口のかゆみ(口腔症状)を経験するかもしれない。
本発明は、アレルギーのイムノアッセイ、実際にあらゆる物質のイムノアッセイの感度と質を改善しようとする。本発明は、被験試料中の特異的免疫グロブリンレベルを定量するためのより感度のよいイムノアッセイを提供する。イムノアッセイの感度と質を改善すると被験試料の特異的免疫グロブリンの検出限界も改善される。さらに、個体は、臨床症状の的確な管理を可能にするより明確な診断を受けることができる。
(発明の要約)
本発明の目的は、感度と質が増した改良されたイムノアッセイを提供することである。具体的には、本発明は、物質特異的免疫グロブリンレベルの検出および/または定量方法である。さらに、本発明は、そのような検出と定量を可能にするシステムに関する。該方法は、特に患者の症状を考慮する場合に、個体のアレルゲンへの感作またはアレルギーを診断するのに用いることができる。
より具体的には、本発明の目的は、初期治療環境でも直接好都合に用いることができるより感度のよい診断手段を提供する改良されたイムノアッセイを提供することである。
これらの目的は、目的とする各物質の複数の形を新規に提供することにより達成される。例えば、目的の物質はピーナツ由来でありうる。所望により2以上の物質を含むことができ、各被験物質は複数の形で提供される。例えば、該物質は、天然抽出物および該物質由来の1またはそれ以上の抗原成分として提供される。例として、これは1つの形としてピーナツの天然抽出物、および抗原成分 Ara h 1、Ara h 2、およびAra h 5かもしれない。これらの分離した物質形は、固体支持体を用いる場合は固体支持体上に別々に固定される。したがって、該形はそれぞれイムノアッセイで別々に評価され、各形について別個の結果が得られる。したがって、各被験物質について複数の形が複数の結果をもたらす。ピーナツの例では、4つの別々の結果(1つは天然抽出物、1つは各成分について)が得られる。結果を分析するときは、該物質形の1またはそれ以上を組み合わせることができ、例えば、該抗原成分の2またはそれ以上からの結果を合計することができる。これらの結果から、試料中の物質特異的免疫グロブリンレベルを定量することができる。これらの結果の分析システムは、医師が、個体が被験物質と結合する特異的免疫グロブリンを有するかをより正確に評価することを可能にする。該方法中の個々の抗原成分について、結果は抗原成分特異的免疫グロブリンの存在および/またはレベルを証明するだろう。
in vitro診断試験の陽性は、充分な量の物質特異的免疫グロブリンおよび該物質がともにアッセイ中に存在する場合にのみ確定することができることに留意することが重要である。特に、十分でないかまたは低品質の物質がアッセイ中に存在する場合は、物質特異的免疫グロブリンは該物質と十分に結合することができず、アッセイの能力不足(例えば低感受性)を招く。
したがって、本発明の第1の局面は、試料中の物質特異的免疫グロブリンの存在の有無の検出方法であって、該試料と複数の形の該物質を実質的に同時に接触させる、および免疫複合体が形成されるか否かを決定することを含む、少なくとも1の形が天然抽出物である方法を提供する。
少なくとも1の形が抗原成分または抗原成分の組み合わせであることが好ましい。該方法を試料中の物質特異的免疫グロブリンレベルの定量に用いることができることが好ましい。さらに、該方法は、あるいはまたはさらに、抗原成分特異的免疫グロブリンレベルの定量に用いることができることが好ましい。したがって、本発明の方法は、物質および/または抗原成分特異的免疫グロブリンのレベルを定量するための1またはそれ以上の工程を含むことができる。
本発明の別の好ましい局面において、該方法を用いて個体のアレルギーを診断することができる。個体は、該方法に用いる試料を提供する。したがって、本発明の方法は、個体の感作状態を測定するための1またはそれ以上の工程を含むことができる。あるいはまたはさらに、該方法を用いて個体の物質特異的または抗原成分特異的免疫グロブリン状態を測定することができる。
本明細書で用いている感作は、患者が先に物質に暴露しており、免疫グロブリンが該物質に対して生じていることを意味する。さらなる暴露は、先に記載のアレルギー症状をもたらしうる。
第2の局面において、試料中の物質特異的免疫グロブリンレベルを定量する方法であって、該試料と複数の形の該物質を接触させて該物質形に対する該免疫グロブリンの反応レベルを測定することを含む、少なくとも1の形が天然抽出物である方法を提供する。
第3の局面において、物質の結合能を増強する方法であって、1またはそれ以上の成分の選択的除去を含む方法を提供する。該物質は天然抽出物として調製することが好ましい。結合能は、物質特異的結合メンバー、例えば該物質と結合する免疫グロブリンの能力に関する。該物質(本明細書に修飾または除去物質として記載の)は、本発明のあらゆる方法、アレイ、またはキットに用いることができる。
第4の局面において、分離した位置に提供される物質の複数の形を含む、少なくとも1の形が該物質の天然抽出物であるアレイを提供する。該アレイは本発明の方法またはキットのいずれかに用いることができる。
少なくとも1の抗原成分または抗原成分の組み合わせが該物質として提供されることが好ましい。したがって、1またはそれ以上の形が抗原成分または抗原成分混合物でありうる。
第5の局面において、上記の分離した位置で提供される物質の複数の形を含むアレイ、および1またはそれ以上の検出結合剤を含むキットを提供する。
第6の局面において、個体の物質特異的免疫グロブリン状態を測定する方法であって、個体由来の試料を実質的に同時に該物質の複数の形と接触させ、免疫複合体が形成されるか否かを測定することを含む、少なくとも1の形が天然抽出物である方法を提供する。
第7の局面において、個体の物質に対するアレルギーを診断する方法であって、個体由来の試料を実質的に同時に物質の複数の形と接触させ、該形の1またはそれ以上との免疫複合体の存在が該物質に対する感作および/またはアレルギーの存在を示す、少なくとも1の形が天然抽出物である方法を提供する。
実施例1から得られた結果を示す。イエダニ抽出物(天然抽出物)、Der p 1およびDer p 2(両成分)についてのアレルゲン特異的免疫グロブリン(IgE)濃度(反応性(クラススコア))対平均蛍光シグナルを示す棒グラフである。 実施例1から得られた結果を示すさらなる棒グラフであり、陰性または低反応試料(アレルゲン特異的免疫グロブリン濃度<0.35 kU/L)を示す以外は図1と同様である。該棒グラフは、感度(すなわち、高い反応性)と特異性(すなわち、陰性試料が陰性のままである)の両方を、どのように単一抗原/アレルゲン(例えば天然抽出物)またはそれらの組み合わせ(例えば、天然変化抽出物および/または単一抗原)由来の蛍光シグナルを用いて改善することができるかを示す。 IgE濃度対平均蛍光シグナルのグラフにプロットした実施例1の結果を示す。該プロットの理解を助けるために、各条件のトレンドラインを該データに付け加えた(例えば、高い傾斜値は高いアッセイ感度を示す)。 天然抽出物を含む物質の複数の形が試料に存在する本発明の主要部を図示する。天然抽出物を抗原(抗原成分)の天然混合物として示す。2つのマイナー抗原、未知抗原、主要抗原、抗体、および該アレイの表面を示す。実施例Aは、主要抗原2が陽性の患者1のアレイを示す。実施例Bは、マイナー抗原に陽性の患者2のアレイを示す。実施例Cは、主要、およびマイナー/未知抗原の両方に陽性の患者3を示し、実施例Dは、未知抗原に陽性の患者4を示す。 本発明の有用性を強調する実施例1から選択したデータを示す。天然抽出物または個体成分を単離に用いるとイエダニに対する感受性が検出されない5試料を示す。データは試料対蛍光シグナルの棒グラフで示す。
(発明の詳細な説明)
本発明者らは、物質の少なくとも1の天然抽出物を含む複数の分離した形の物質を提供することによりイムノアッセイの感度と質を改善することができることをみいだした。また、該物質の形は、該物質の抗原成分(例えば既知アレルゲン)を単独または1またはそれ以上の他の抗原成分と組み合わせて含みうる。次に、これらの分離した物質形の反応性データを分析し、(試料を得た)個体が物質特異的免疫グロブリンを有するか否かに関する情報を得る。該物質形は、支持体を用いる場合は固体支持体上に別個に固定される。個体成分は一般的に試料に対するアッセイにおいて1タイプの抗原またはアレルゲンを示し、これらの個々の結果を読むか検討することもできるので本発明の方法は、抗原成分特異的免疫グロブリンの検出および/または定量も可能にする。
全体的に抗原成分について述べる場合は、この成分はアレルゲンまたは抗原でありうると理解される。
本発明は、1物質のみを試験するかまたは複数(2またはそれ以上)の物質を試験する場合はアレイまたは他の適切なフォーマットに用いることができる。複数の物質を試験する場合は、これらの物質の1またはそれ以上が複数の形で存在しうる。したがって、被験物質のすべてが複数の形で存在するか、または該物質のいくらか(10、20、30、40、50、60、70、80、または90%)が複数の形で存在しうる。本発明の目的では、イムノアッセイにおいて複数の物質の場合は、これら物質の少なくとも1が複数の形で存在し、これらの形の少なくとも1が該物質の天然抽出物である。複数の物質を試験する場合は、1つのイムノアッセイで試験するのは2〜10,000、より具体的には2〜1000のあらゆる数の物質であり得、より具体的には2〜500、さらにより具体的には2〜250の分離した物質を用いる。
本発明の方法は、該物質形のすべてが単一チップまたはプレート上に位置する単一アレイフォーマットで行うのが好ましい。
したがって、試料中の物質特異的免疫グロブリンの存在の有無を検出する方法であって、該試料を該物質の複数の形と実質的に同時に接触させ、免疫複合体が形成されるか否かを決定する、少なくとも1の形が天然抽出物である方法を提供する。
該方法は、試料中の物質特異的免疫グロブリンレベルの定量を可能にすることが好ましい。定量は、物質特異的免疫グロブリンの量またはレベルの測定または表現に関する。物質特異的免疫グロブリンレベルを該物質の各形について定量することが好ましい。物質特異的免疫グロブリンのレベルまたは量は用いる検出方法に従って測定する。
物質形の1またはそれ以上が該物質の抗原成分であることが好ましい。抗原成分を本発明の方法に用いる場合は、該方法は、試料中の抗原成分特異的免疫グロブリンの検出と定量を可能にする。
第2の局面において、試料中の物質特異的免疫グロブリンレベルを定量する方法であって、該試料と複数の形の該物質を接触させ、該物質形に対する該免疫グロブリンの反応レベルを測定する、1つの形が天然抽出物である方法を提供する。
本発明の方法は、その少なくとも1が天然抽出物である、物質の複数の形の存在を必要とする。本明細書で用いている物質は、エンティティ、物理的成分、またはマテリアルである。該物質は、天然起源であるが、修飾形(すなわちラテックス)で存在するかまたは完全合成(すなわち香水)でありうることが好ましい。本発明の目的では、該物質は抗原性であり、免疫系と相互作用して免疫反応を引き起こすことができる。該物質の抗原性は、該物質内の多くの単一抗原に由来しうる。限定するものではないが、下記は本発明に用いることができるであろう物質の例である:卵、甲殻類、魚、ピーナツ、木の実、ダイズ、セロリ、マスタード、ゴマ、乳、ルーピン、ニンニク、エン麦、小麦、木の花粉(例えば、オーク、トネリコ、カバノキ、ニレ、ハンノキ、ヒマラヤスギ、ヘーゼルナッツ、ヤナギ、オリーブ、シデ)、牧草花粉(例えば、ライグラスおよびチモシー)、雑草花粉(ブタクサ、イラクサ、スイバ、およびアカザ)、羽毛、ネコ、イヌ鱗屑、ゴキブリ、イエダニ、昆虫毒、例えばハチ毒、齧歯動物(特に齧歯動物の尿)、カビ胞子、細菌、ウイルス、寄生虫、ラテックス、香水、および自己タンパク質、例えばミエリン。
本発明者らは、病状、例えばほとんどの場合アレルギーについて試験する際に物質由来の単一成分のみを試験しようとする傾向がアレルギーの検出感度の低下をもたらしていることに気づいた。これは、まだ同定されていないかまたは抽出物中に低量で存在する抗原成分に対する試験の減少による。さらに、これは、物質が既知抗原成分が「添加された」天然抽出物として存在する場合であり、この場合は残りの抗原が該プロセス中に希釈またはマスクされるかもしれないからである。この感度の低下は、特に該物質の特徴付けられていない抗原にアレルギーである場合に個体に偽陰性の結果をもたらしうる。本発明は、物質特異的免疫グロブリンの感度を改善しようとする(例えばよりよい検出限界)。
該物質形が適切な支持体、例えば本発明のための固体表面と結合するのが好ましい。各形は、既知の位置に別々に結合する。これらの位置は、ごく接近しているかまたは離れていてよい。固体表面または支持体の提供はさらに以下に記載する。
本発明の方法を実施する場合は、該物質の各形を試料と実質的に同時に接触させる。これは、該形をそれぞれ試料と実質的に同時にまたは並行して接触させることを意味する。
本明細書で用いている試料は個体から得た標本である。該試料は、好ましくは、限定されるものではないが、血液、血漿、血清、リンパ、尿、または唾液を含む体液である。
個体は、被験物質に対する免疫グロブリンを有すると思われるか否か、例えば、アレルギー疾患を有するか否かに関わらず、対象を意味する。本発明のための個体は、好ましくはヒトであるが、動物、最も好ましくは哺乳動物でありうる。
免疫グロブリンは、抗体として機能する血清、リンパ液、免疫系の細胞中に存在するγグロブリンタンパク質のクラスの1つである。主な種類の抗体(IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM)がこの定義内に含まれる。これらのタンパク質は、抗原物質の存在に応じて産生され、該物質に特異的である。本明細書で用いているイムノアッセイは物質特異的免疫グロブリンを検出するものである。
特異的アレルゲンに対して生じた免疫グロブリンE(IgE)は、通常、個体由来の試料中には検出されず、個体が該アレルゲンに感作された場合にのみ産生される。特定のアレルゲンに対して生じた、該アレルゲンとのみ反応するであろうIgEは、一般的に特異的IgE(sIgE)として知られる。個体は、2以上のアレルゲンに対する特異的IgEを有することがある。この原則は、他の抗体と抗原にも適用され、産生された抗体は該抗原に特異的である。
免疫複合体は、免疫グロブリン(例えば抗体)の抗原との完全な結合により形成される。
反応性は、免疫複合体を形成する特定抗体とそのリガンドとの結合レベルを表すのに用いる。本発明の文脈において、免疫グロブリンは特異抗体であり、リガンドは特異抗原である。アレルギー疾患の場合は、一般的に特異IgEは特異アレルゲンと結合する。反応性のレベルは、IU/mlかまたはクラススコア値を割り当てる範囲について定義することができる。例えば、クラス0は0.35 IU/ml未満;クラス1は0.35〜0.7IU/ml;クラス2は0.71〜3.5IU/ml;クラス3は3.51〜17.5IU/ml;クラス4は17.51〜50IU/ml、およびクラス5は50.01〜100IU/mlである。
あるいはまた、特定抗原と抗体の反応性は、陽性/ありまたは陰性/なしとみなすことができ、例えば、閾値より低いと陰性/なしとみなし、閾値より高いと陽性/ありである。一般的には、>(より大きい)0.35IU/mLのレベルは陽性の結果、すなわち、特異抗体がそのリガンドと結合していることを示す。試料中の特異抗体とそのリガンド(この場合は抗原)の相互作用の結果として形成される抗体-抗原(免疫)複合体は、適切なアッセイにより測定される。
抗原は、免疫反応を引き起こすことができるエンティティである。一般的には、抗原は身体にとって異質なエンティティであるが、時には抗原はその個体に生来備わるものであり、その免疫反応は自己免疫反応である。エピトープは、免疫系が認識する抗原の部分である。エピトープは、長さ数残基のみであることがあり、連続的であるかまたは配列に間隙があることがある。より大きな抗原は2以上のエピトープを含むことができる。本明細書で用いている物質は、本明細書では抗原成分という1またはそれ以上の抗原を含むことができる。
本発明の文脈において、用語アレルゲンは、IgE抗体により仲介されるアレルギー反応を引き起こすことができる特種な抗原を意味する。
本発明の方法および調製物は、「物質の形」または「物質形」を指向する。これは、該物質が天然調製物または抽出物(例えばイエダニ抽出物)および天然調製物/抽出物から単離した抗原成分(同例で、成分 Der p 1およびDer p 2)の形で存在することを意味する。当業者は、抗原成分「形」は天然供給源から単離するか、または組換え遺伝子技術を用いて製造することができると理解するだろう。本発明の好ましい局面において、該方法で試験する物質は、天然抽出物形および1またはそれ以上の抗原成分形で存在する。したがって、物質の複数の形は、天然抽出物、および1またはそれ以上の抗原成分であり得る。所望により2以上の天然抽出物を提供することができる。あらゆる数の物質形を提供することができ、好ましくは2またはそれ以上、しかし3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の物質形を提供することができる。ほとんどの方法は得られる結果を有効なものにするために少なくともデュプリケートで行うと認識すべきであるが、各形は異なる。試料由来の物質特異的免疫グロブリンは、それが特異的なエピトープを含む形のいずれかと結合することができる。
本発明は、それぞれが異なる物質の形の複数を含む。これらの形の少なくとも1は天然抽出物であるが、下記のごとく修飾天然抽出物でありうる。したがって、本発明の物質の両方の形が物質の天然抽出物でありうる。この態様において、該天然抽出物は同じでなく、少なくとも1が修飾天然抽出物でありうる。
さらなる態様において、該物質の少なくとも1の形は該物質の抗原成分である。該抗原成分をさらに以下で説明するが、該物質から単離するかまたは組換え的に産生することができる。したがって、1、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上の形が抗原成分でありうる。該抗原成分は、個々に(各抗原成分が物質形である)、または1またはそれ以上(1、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上)の他の抗原成分と組み合わせて単一物質形として存在することができる。例えば、該物質形の1つは、2抗原成分、例えばDer p 1およびDer p 2の組み合わせでありうる。これらの両抗原成分は既知アレルゲンである。この組み合わせは、該物質の1つの形として存在し、2またはそれ以上の抗原成分を含みうる。
成分を本発明の方法に用いる場合は、試料由来の成分特異的免疫グロブリンは結合することができると理解される。個々または組み合わせた抗原成分の存在は、アレルギープロフィールのより一層の解明を可能にする。該成分は抗原性またはアレルギー性であることが好ましい。
ある局面において、本発明は、試料中の物質特異的免疫グロブリンの存在の有無を検出する方法であって、該試料と複数の形の該物質を実質的に同時に接触させて、免疫複合体が形成されるか否かを決定することを含む、1つの形が天然抽出物であり、少なくとも1の形が該物質の抗原成分である方法である。
本発明の方法を用い、試料中の物質特異的免疫グロブリンの存在および/またはレベルに基づく個体中の物質に対するアレルギーの診断を助けることができる。該診断は、典型的には、個体の病歴、例えば、くしゃみ;喘鳴;呼吸困難;副鼻腔の痛み;鼻水;咳;発疹(蕁麻疹);腫脹;かゆみまたは炎症のある眼、耳、唇、喉、および/または口蓋;および/または吐き気、嘔吐、および/または下痢などを含む症状と組み合わせてなされる。
本発明の方法およびアレイに該物質の1形として用いる抗原成分も天然抽出物形で存在しうることに留意すべきである。この存在は、天然抽出物の正常組成物の部分であり、天然抽出物中に全く添加も混合もしていない。本発明は、抗原成分が混合された天然抽出物では読み取れない。
該天然抽出物は該物質の調製物である。例えば、該天然抽出物はイエダニ、ピーナツ、または動物の鱗屑の調製物でありうる。該天然抽出物は抗原の天然供給源に由来し、免疫反応を生じることができる場合は合成化合物を含む。天然抽出物は、天然供給源から得られる該物質の水性抽出を含むあらゆる適切な方法により製造することができる。該製造方法は、理想的には、個体と接触すると該物質が暴露する生理学的条件と適合性であることを意図する。これは、該物質の非修飾天然抽出物を生じるだろう。
本発明のさらなる局面では、天然抽出物を1またはそれ以上の選択した成分を除去するように処理し、修飾または変化天然抽出物を得ることができる。本明細書で用いている用語天然抽出物は、1またはそれ以上の選択した成分を除去するように処理された天然抽出物に及び、修飾または変化天然抽出物を含む。本発明の好ましい局面では、天然抽出物は、イムノアッセイ/方法にも存在する抗原成分を除去するために処理される。そのような修飾天然物質は、成分が除去されているので「除去」天然抽出物ということもできる。したがって、アッセイ中の物質形の1つが抗原成分Aである場合は、該天然抽出物形を処理して抗原成分Aを除去し、残った成分を完全なままにしておくことができる。これは、天然抽出物中の少ない成分は主要な抗原成分の存在により希釈されないのでより高い感度を達成する助けとなる。例えば、個体がイエダニにアレルギーであるか否かを決定するため、以下の形がイムノアッセイに用いられるかもしれない:
天然イエダニ抽出物マイナスDer p 1およびDer p 2
Der p 1(抗原成分)
Der p 2(抗原成分)
個体は、単離した成分と結合せず、天然抽出物形のマイナー成分と結合する抗原特異的抗体を有すると思われるので、天然抽出物からの既知抗原成分形の除去は該アッセイのより良好な感度を可能にする。該成分の解像度と感度が増加する。
あるいはまたもしくはさらに、該天然抽出物を処理して交差反応性の抗原成分を除去することができる。種々の既知アレルゲンは、共通ポリペプチドまたは多糖配列、または抗体を生じうるペプチドまたは糖構造を共有する。例えば、Ara h 8(ピーナツ)、および主要なアレルゲン Bet v 1(樺の木の花粉)は共通配列を共有する。したがって、免疫グロブリンは1アレルゲンに対して形成され、その他のアレルゲンと結合する可能性がある。より臨床的に適切な結果を得るために、該天然抽出物を処理して交差反応抗原成分を除去しまたは減少させることができる。そのような交差反応抗原成分が除去されまたは減少すると、これらの抗原成分は該方法またはイムノアッセイにおいて別々に存在することが好ましい。該方法において存在する抗原成分は必ずしも天然抽出物から物理的に除去されたものではなく別々に製造することができると理解されるであろう。
交差反応は、しばしばある種の花粉と食品の間でみられる。例として、樺の木の花粉アレルギーの患者は、ピーナツまたは構造的に同様の抗原を含む他の食物源を摂取すると口腔症状に反応することがあり、そのような症状には口腔粘膜のかゆみ、腫脹、および発赤が含まれる(しばしば「口腔アレルギー症候群」という)。しかしながら、これはピーナツに対する致死的または生命を脅かすアレルギーをもたらさないだろうと、現在理解されている。したがって、除去天然抽出物および該抗原成分を同時に用いて区別することなく、ピーナツに対する口腔アレルギー症候群(樺の木の花粉に対するアレルギーよる)とピーナツに対する真のアレルギーを区別することは難しい。
既知の交差反応性抗原成分の例には以下のものが含まれる:
ダニアレルゲン:Der p 1およびDer p 2、食品および花粉アレルゲン:(PR10タンパク質) Bet v 1、Cor a 1、Aln g 1、Mal d 1、Gly m 4、Api g 1、およびタウマチン様タンパク質:Pru p 3(桃)、Zea m 14(トウキビ)(プロフィリン) Bet v 2、およびPhl p 12+Sola t 8(ジャガイモ)、およびApi g 4(セロリ)、毛皮のある動物:(リポカリン) Can f 6、Equ c 1、Fel d 4、(アルブミン) Can f 3(イヌ)、Equ c 2(ウマ)、Fel d 2(ネコ)。
本発明のさらに好ましい局面において、天然抽出物は、他のまたはさらなる成分を除去するために、代わりにまたはさらに処理される。これは、修飾または除去天然抽出物ももたらすだろう。例えば、イヌおよびネコの鱗屑は50〜80%のバルキーなアルブミンを含みうる。この成分を除去すると、残りの天然抽出物は残存し、これは、残存成分(そのいくつかはエピトープを含み、抗原性である)とより大きな結合能を残す。また、これは成分の解像度と感度を増加させる。
好ましい局面において、該天然抽出物は、交差反応抗原成分および/またはさらなる成分を含む既知抗原成分を除去するように処理された修飾天然抽出物である。好ましい態様において、除去された抗原成分の少なくとも1つは、本発明の方法またはアレイにおいて物質形として存在する。先に説明したように、別々に存在する抗原成分は組換え的に製造するか、または天然抽出物から単離することができる。
成分は、あらゆる適切な方法により天然抽出物または調製物から除去することができる。例えば、該抽出物をろ過するか、または他の物理的分離技術(例えば、アフィニティクロマトグラフィ)、あるいは、生物学的分離手段を用いることができ(モノクローナル抗体、抗原、または特異的成分と結合するアプタマー)、残りの成分が影響を受けない場合は成分を除去する化学的手段も適切である。さらに、これらの技術を用いて物質由来の成分を単離することもできる。単離した成分を基質形として用いることができる。
本発明の利点は、既知抗原成分を天然抽出物から除去することができることである。これは、該天然抽出物中の「マイナー」成分の抗原性についてデータを該成分を最初に同定する必要なしに収集することを可能にする。
1またはそれ以上の天然抽出物を本発明のイムノアッセイ、方法、アレイ、またはキットに用いることができる。複数の天然抽出物を用いることができると予想される。例えば、該物質から簡単に単離した非修飾天然抽出物は、1またはそれ以上の成分が除去された、1またはそれ以上の修飾天然抽出物と共に用いられるかもしれない。種々の修飾天然抽出物は、マイナー成分を「豊富化」して感度を増加させるため種々の成分が除去されるかもしれない。除去する成分には既知抗原成分またはバルキーな成分が含まれるかもしれない。この選択的除去はアッセイの感度を増強する。
該物質の抗原成分は、該物質それ自身から(修飾天然抽出物の製造について記載の)当該分野で知られた方法により単離するか、または組換え的に製造することができる。天然または組換え抗原成分を本発明の方法、アレイ、およびキットに用いることができる。先に記載のごとく、抗原成分は、個々に用いるか、または組み合わせて所望の混合単一物質形を形成することができる。抗原成分を個々に用い、より多くのデータの収集を可能にすることが好ましい。
抗原成分は好ましくは既知アレルゲンである。本明細書に記載のすべてのアレルゲン(抗原成分)は、WHO/IUIS Allergen Nomenclature Sub-committee(http://www. Allergen.org/)に記載の基準に従って命名した。
図4は、本発明のある局面の基本原理を示し、あるアッセイフォーマットでの複数の物質形の使用を示す。物質が天然形とすると、該組成物をその成分の1またはそれ以上(例えば、抗原1、抗原2、および抗原3)を選択的に除去することにより変化させ、該物質のいくらかまたはすべての残存抗原成分(例えば未知またはマイナー抗原)の含有量を豊富化することができる。非修飾天然抽出物および/または修飾または除去型を、該物質の単一または混合抗原成分と一緒に固定し、該イムノアッセイまたは方法の結合能を増加させることができる。次に、該結合能の増加をより高いアッセイ感度に変換する。該データはアルゴリズムにより解釈することができる。実際に、アルゴリズムは、単一物質形(例えば、天然抽出物または単一/混合抗原成分)、またはそれらの組み合わせ(例えば、天然抽出物および/または単一/混合抗原成分からの組み合わせデータ)から誘導することができる最も高い蛍光シグナルをみいだすことができる。示したシナリオは、個体が主要抗原、マイナー抗原、および/または未知抗原に特異的な免疫グロブリンを有すると何が起きるかを明らかにする。これらの個体のあるものは単一成分のみまたは天然抽出物のみをアッセイに用いると見落とされるので、該シナリオでは試験の感度を増加させる複数の物質形を使用する。
第3の局面において、本発明は、物質から1またはそれ以上の成分を選択的に除去することを含む物質の結合能を増強する方法に関する。結合能は、物質特異的免疫グロブリンまたは他の特異的結合分子の該物質に結合する能力に関する。
本発明のこの局面において、該物質は、通常、本明細書に記載のごとく製造した天然抽出物である。除去するように選択した成分は、交差反応抗原成分または共通もしくはバルキーな成分を含む既知抗原成分でありうる。方法は、成分を選択的に除去することができる方法について本明細書に記載している。
該修飾天然抽出物を本発明に用いることができる。
本発明が抗原の使用を説明する場合は、これを用語アレルゲンと置換することができる。好ましい局面において該物質はアレルギー性である。
本明細書で用いている用語「複数」は2または2より大きいと定義する。
第4の局面において、分離した位置に複数の物質形を含む、少なくとも1の形が天然抽出物であるアレイを提供する。好ましい態様において、該アレイは分離した位置に該物質の1またはそれ以上の抗原成分も含む。
第5の局面において、分離した位置に複数の物質形を含むアレイを含む、少なくとも1の形が天然抽出物および1またはそれ以上の結合メンバーであるキットを提供する。該アレイは先に記載されたものでありうる。該結合メンバーは検出抗体でありうる。
好ましくは該アレイはミクロアレイである。該アレイは、イムノアッセイとして用いるのに適したあらゆる形をとりうる。該アレイは、実質的に固体表面に結合した物質形の、各形の位置が分かっている配列である。該アレイは複数の異なる物質を含むことができ、複数の検出工程は並行して実施される。したがって、該アレイの最も好ましいフォーマットは多重アッセイである。
本発明の種々の局面によれば、物質形と物質特異的免疫グロブリンの免疫複合体の形成を検出する。この検出には、当業者に知られているかまたは本明細書に記載のあらゆる適切な手段を用いうる。
免疫複合体の形成は、免疫グロブリンが該物質と反応したことを示す。したがって、免疫複合体の形成レベルは、物質特異的免疫グロブリンの反応性レベルを示し、この反応性を定量するのに用いることができる。
したがって、免疫グロブリンの反応性レベルは、試料(特異的免疫グロブリンを含みうる)を複数の抗原形と実質的に並行して(または実質的に同時に)接触させ、各物質形と結合する試料由来の各特異的免疫グロブリンの量を測定することにより測定される。
好ましくは、物質形に対する免疫グロブリンの反応性(または免疫複合体の形成)レベルは抗免疫グロブリン抗体(検出抗体)を用いるイムノアッセイにより測定する。一般的には、イムノアッセイに用いる検出抗体(またはその断面および部分)は免疫グロブリンのあるアイソタイプに特異的であり、例えば、IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEのみを検出することができる。該アイソタイプのそれぞれは種々の臨床的重要性を持ちうるので、これは有用である。
イムノアッセイがアレルギーの診断に関する場合は、イムノアッセイはアレルギーを仲介するIgE免疫グロブリンのみを検出するのに有用である。抗IgE抗体はヒト免疫グロブリンのIgEアイソタイプと反応する。したがって、ある態様において、各抗原と結合したIgEの存在または量は抗IgE抗体を用いて検出または定量される。
検出抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、二特異的、ヒト化、またはキメラ抗体でありうるが、アフィニティ精製抗体、より具体的にはモノクローナル抗体が特に好ましいかもしれない。そのような検出抗体は従来のまたは組換え抗体であり得、1本鎖からなり得るが、好ましくは少なくとも軽鎖または重鎖からなるだろう。しかしながら、少なくとも1の相補性決定領域(CDR)が、標的、例えば抗体が結合特異性を有する抗原と結合するために必要であると認識される。
免疫グロブリンのアイソタイプと結合する検出抗体の製造方法は当該分野で知られている。例えば、ポリクローナル抗体を望む場合は、選んだ哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ラクダ、ヤギ、またはウマを最適な抗原、例えば、ヘテロローガスなIgE、IgA、またはIgGで免疫することができる。次に、免疫した動物から血清を回収し、例えばイムノアフィニティクロマトグラフィにより処理して抗体を得る。
モノクローナル検出抗体は当該分野で知られた方法により製造することができる。ハイブリドーマ技術を用いるモノクローナル抗体を製造するための一般的方法論はよく知られている(例えば、Kohler、G. and Milstein、C、Nature 256:495-497(1975);Kozbor et al、Immunology Today 4:72(1983);Cole et al、77-96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R. Liss、Inc.(1985)参照)。
本明細書に記載の検出抗体は、エピトープ結合領域、例えばCDRからなるべきである。該抗体は、IgE、IgM、IgD、IgA、および特にIgGを含むあらゆる適切なクラスでありうる。これらの抗体の種々のサブクラスも想定される。特定の態様において、検出抗体の結合特異性を保持する検出抗体の断片またはそのような抗体由来のポリペプチドを用いることができる。そのような断片には、限定されるものではないが、抗原と結合することができるFab、Fab'、F(ab')2、およびFvなどの抗体断片が含まれる。
用語「検出抗体」は、例えば、限定されるものではないが以下のものを含む種々の天然および人工抗体、および利用可能な抗体由来タンパク質、およびそれらの誘導体のいずれかに及ぶ:ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、単一ドメイン抗体、全抗体、抗体断片、例えば、F(ab')2、およびF(ab)断片、Fv断片(非共有結合ヘテロダイマー)、1本鎖抗体、例えば、1本鎖Fv分子(scFv)、ミニボディ、オリゴボディ、二量体または三量体抗体断片または構築物、アフィボディ、または他の形の結合分子など。用語「検出抗体」は、いかなる特定の起源も意味せず、非常套的プロセス、例えばファージディスプレイにより得られる抗体を含む。本発明の抗体は、あらゆるアイソタイプ(例えばIgA、IgG、IgM)であり得、κ(カッパ)またはλ(ラムダ)軽鎖を有し得る。
免疫グロブリンの結合メンバーは抗体またはその誘導体であることが好ましいが、あらゆる適切な結合メンバーを用いることも想定される。したがって、該結合メンバーはアプタマーなどであり得る。アプタマーはオリゴ核酸(例えばDNAまたはRNA)、または特異的標的分子と結合するペプチド分子である。適切な結合メンバーは当該分野でよく知られている。したがって、該結合メンバーは免疫グロブリンと結合することができるあらゆる適切な分子であり得る。
したがって、本発明は、本発明に用いるための免疫グロブリンアイソタイプに対する結合特異性を有する結合メンバーまたは分子、検出抗体、および結合断片に及ぶ。
検出抗体は抗IgE抗体であることが好ましい。
用語「特異的に結合する」または「結合特異性」は、非標的エピトープと結合するより高い親和性で標的と結合する結合メンバー、抗体、またはその断片の能力を表す。例えば、抗体と標的エピトープとの結合は、非標的エピトープに対する結合親和性より少なくとも10、50、100、250、500、または1000倍大きい結合親和性をもたらし得る。ある態様において、結合親和性はアフィニティELISAアッセイにより測定される。別の態様において、親和性はBIAcoreアッセイにより測定される。あるいはまた、結合親和性は速度論的方法により測定することができる。
特定の態様において、検出抗体は標識抗体であるか、または結合メンバーが標識される。非限定的例として、標識は、酵素、例えばパーオキシダーゼ、または化学発光または蛍光化合物、例えばAlexa Fluor 555またはマスタグとの結合によるものでありうる。本発明者らはあらゆる適切な標識を想定する。
他の態様において、該検出抗体は非標識であり、記載のごとく標識することができる、通常、二次抗体と呼ぶさらなる抗体を用いて検出される。これは、二次結合メンバーを一次抗体を検出するのに用いることができる結合メンバーにも適用される。
好ましい態様において、該検出抗体は、抗マウスIgGなどの標識二次抗体を用いて検出される、IgEなどの免疫グロブリンに対する非標識マウスモノクローナル抗体である。ある態様において、1またはそれ以上の発光または蛍光部分をアビジン/ストレプトアビジンと結合させ、次いで抗体と化学結合したビオチンと結合させることができる。あるさらなる態様において、レクチン(Protein A/G/L)を、抗体または他のタンパク質コンジュゲートと結合しうる発光または蛍光分子と結合することができる。好ましい態様において、抗体の高密度標識をもたらすホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)の触媒活性を用いるチラミドシグナル増幅系を利用する。適切な標識および標識方法は当該分野で知られており、当業者に明らかであろう。
特定の態様において、標識抗体は蛍光標識を含む。
適切な蛍光標識は当該分野でよく知られており、非限定的例として以下のものを含むことができる:Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555、R-フィコエリスリン、Aqua、Texas-Red、FITC、ローダミン、ローダミン誘導体、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、カスケードブルー、Cy5、またはCy3。
検出方法は、当該分野で知られたあらゆる適切な方法、例えば蛍光測定、比色法、フローサイトメトリー、化学発光などを含む光学検出法によることができる。他の方法には、電気化学的方法、放射能的方法、電圧的方法などが含まれる。さらに他の結合検出法は、表面プラズモン共鳴(SPR)、表面プラズモン顕微鏡検査(SPM)、表面プラズモン蛍光分光法、またはSELDI質量分析法などによることがある。当業者は、検出法の組み合わせを用いて検出を行うことができると認識するだろう。
特に、結合の検出は、発光シグナル、例えば化学発光化合物により生じた化学発光の測定/検出による。
固体支持体は当該分野で知られたあらゆる物質、例えばガラス担体、合成単体、シリコンウエハまたは膜でありうる。適切な物質には、プラスチック、ガラス、セラミクス、または有機ポリマー(ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、およびニトロセルロースを含む)が含まれる。表面それ自身は、スライド、シート、マイクロプレートまたはマイクロタイタープレート、トレイ、膜、繊維、ウェル、ペレット、ロッド、スティック、チューブ、ビーズなどの形または部分でありうる。
用語「結合した」の使用は、物質が分子レベルで(すなわち、共有または非共有結合または相互作用を介して)表面に保持、固定、または実質的に結合していることを意味することを意図する。用いる固定方法は、再生可能であり、種々の特性(大きさ、親水性、疎水性)の抗原に応用可能であり、ハイスループットおよび自動化になじみ、抗体と複合体を形成している抗原の能力を維持すべきである。非限定的例として、当該分野で知られた適切な方法には、受け身吸着、アフィニティベースの結合、化学的活性化表面に対する共有結合、光化学的交差結合などが含まれる。
用語「アドレス」は、特異抗原に対する免疫グロブリンの反応性レベルの測定を可能にし、特異的抗原の同定を可能にする固体支持体の明確な特徴または固体支持体上の明確な位置を表すのに用いる。
ある態様において、固体支持体は、アドレスによりそれぞれ独立して同定することができる複数のビーズである。適切なアドレスには、RFIDタグ、マスタグ、蛍光タグ、光学的エンコーディング、デジタル磁気タグ、分光測定的エンコーディングなどが含まれる。
他の態様において、固体支持体はマイクロアレイである。本明細書で用いている用語「マイクロアレイ」は、免疫グロブリンの結合を示すスポットの正しく並んだアレイを表す。本発明のマイクロアレイは、少なくとも2、少なくとも9、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、または少なくとも1000のスポットを含む。ある態様において、マイクロアレイは、少なくとも10,000、40,000、100,000、または1,000,000の異なる明確なスポットを含みうる。該スポットは、約100/cm2〜約1000/cm2またはそれ以上の密度でありうる。
「スポット」は、アレイ表面上の特定のアドレス、この場合は物理的位置に沈着した試薬(単数または複数)、この場合は特異的物質形を表す。典型的には、スポットは、1またはそれ以上の特異的分子(例えば、特定タンパク質、アレルゲン抽出物、抗原など)の存在により特徴付けられる。スポットは、直径が10〜2000μm、50〜500μm、または200〜400μmでありうる。物質形は、アレイを形成するために0.001〜10mg/ml、好ましくは0.008mg/ml〜3mg/mlのスポット濃度で固体支持体表面に適用することができる。
マイクロアレイからの蛍光の測定または読み取りに適した系が知られている。一般的には、レーザースポット下で二次元でスライドをスキャンして画像を構築する。画像は約1分間得ることができるが、分析は画像解析プロセスが複雑である。これらのプロセスは、生じる大量のデータと、各スポットまたはマイクロスポットからの統合シグナルの明確な測定値を得るのに必要な分析アルゴリズムのため複雑になりうる。
WO2003/091712として公開された先の特許出願において、本発明者らは、アレイ上の各スポット全体に光を当て、スキャンニングではなく1回測定で全スポットの蛍光を測定し、ピクセルごとの各スポットの画像を構築するために各スポットの分画に数回光を当てることにより、蛍光を読み取ることが可能であることに気づいた。このアプローチは、低コスト光源であるLEDを照明光源に用いるのを可能にする。各蛍光分子は、コヒーレント光源を照明光源として用いた場合と同じ光エネルギーを受ける。しかしながら、検出器は、(全測定値を計算するのに複雑な画像処理が必要な1スポット当たり400ピクセルの画像より)さらなるシグナル分析が必要でない1回の測定値をもたらす。コヒーレント光源の使用は、ある環境では、干渉作用から生じるシグナルに導入されるさらなるノイズのため不都合かもしれない。
他の態様において、国際特許出願WO2006/138161に記載のマイクロカンチレバーの使用が予想される。さらに他の態様において、該アッセイは1またはそれ以上のマイクロ流体チップを用いて行われる。
本発明では、試料を天然抽出物(または修飾もしくは除去天然抽出物)を含む物質の複数の形と接触させる。免疫複合体の形成(または実際にその欠如)を該形のそれぞれについて検出する。したがって、該形のそれぞれに対する免疫グロブリンの反応性を決定する。
試料が物質特異的免疫グロブリンを含むか否かを決定するため、試料中に存在する物質特異的免疫グロブリンのレベルを各物質形について試験する。物質特異的免疫グロブリンのレベルは、図1に示すように標識からのシグナルにより表すことができる。ある態様において、各形の免疫グロブリンレベルを特定の物質について組み合わせ、累積結果を得る。これは存在する物質のすべての形について必要ではなく、選択したサブセット(例えば、2、3、4、5、6、7、8、または9物質形)についてであろう。例えば、抗原成分についてのみレベルを組み合わせる。別の態様において、最高レベルの物質特異的免疫グロブリンを有する形を試料が物質特異的免疫グロブリンを含むか否かを示すために選ぶ。さらに別の態様において、該物質形のデータすべてについて統計分析を行う。適切なアルゴリズムをさらに以下に記載する。
物質特異的免疫グロブリンのレベル(データ、シグナル、または結果のレベル)は、数値、例えばクラススコア(例えば0〜6)または抗体濃度(kU/L)で示すことができる。この場合、統計分析を続けることができる。あるいはまた、シグナルが予め決定した閾値を超えると免疫複合体が存在するか存在しないとデータを簡単に分析することができる。免疫グロブリン反応性または免疫複合体形成のあらゆる測定値をイムノアッセイからのデータまたは結果として得ることができる。
該形のすべてからの結果を回収し分析したら、試料が物質特異的免疫グロブリンを含むかを決定することができる。これは、免疫複合体の存在を決定する方法および/または診断と関連する本発明の局面と特に関連がある。
各物質形に対する試料中の免疫グロブリンの反応性を決定することができるが、結果の分析は異なりうる。各物質形のデータを読むことができる。あるいはまた、物質形のすべてを比較し、最も高い結果、例えば、クラススコアまたは抗体/免疫グロブリン濃度を各物質について得ることができる。この最も高い結果は、物質特異的免疫グロブリンの存在を表すために得ることができる。あるいはまた、選択した物質形からのデータを組み合わせることができる。例えば、除去天然抽出物および除去した抗原成分の1またはそれ以上からのデータを組み合わせることができる。
あるいはまた、物質特異的免疫グロブリンの存在を決定するために1またはそれ以上の形からのデータを組み合わせるかまたは合計することができる。さらなる分析を行うこともできる。例えば、2以上の既知交差反応抗原成分が存在する場合は、そのような成分のデータを組み合わせて交差反応状態に関する情報を得ることができる。あるいはまた、重症度の指標を得るために2以上の抗原成分からのデータを組み合わせることができる。
各物質形からのデータはアルゴリズムを用いて自動的に分析されると予想される。あらゆる適切なアルゴリズムを用いることができる。アルゴリズムはデータを分析し、物質特異的免疫グロブリンが試料中に存在するか否かを述べるための1回の読み取りをもたらすことを目的とする。したがって、陽性または陰性の結果が望ましい。そのようなフォーマットは、これを望ましいポイントオブケア法にするが、本発明はそれほど限定されず、個体と離れた場所で行われ得る。
全方法を自動化することができ、これに適した手段は本出願人のマイクロテスト(Microtest)手段(www.microtestdx.com)である。適切なソフトウエアには、複数の結果を分析し、単一の陽性または陰性の結果をもたらすことが含まれうる。
しかしながら、該方法は、詳細な抗原特異的免疫グロブリンに関する情報も提供し、どの抗原成分が含まれるかを知りたい場合はこのデータを別々に抽出することができると理解される。
本発明のある態様は、アレルギーまたは自己免疫疾患の診断のために個体の物質特異的免疫グロブリン状態を試験する。
該イムノアッセイは、1またはそれ以上の特異的物質に対する1またはそれ以上の免疫グロブリンを持つと思われる個体から得た試料について行う。例えば、該個体は、アレルゲンに対する免疫グロブリンの存在を示唆するアレルギー症状を有しうる。あるいはまた、該個体は、自己物質に対する免疫グロブリン(自己抗体としても知られている)を有することがあり、これは本発明の方法を用いて検出することができる。さらに、個体は、免疫グロブリンが生じるウイルス、細菌、寄生虫、または真菌感染(現在または過去に)を有することがあり、本発明のイムノアッセイを用いて該免疫グロブリンの状態、個体のワクチン接種および/または感染歴、または該感染の原因を決定することができる。
第6の局面において、個体の物質特異的免疫グロブリン状態を決定する方法であって、該個体由来の試料を少なくとも1の形が天然抽出物である該物質の複数の形と実質的に同時に接触させ、次いで免疫複合体が形成されるか否かを決定する方法を提供する。
好ましい態様において、抗原成分特異的免疫グロブリン状態も決定する。
本発明の方法またはアッセイのいずれかに記載の免疫グロブリンはあらゆる適切な免疫グロブリンでありうるが、該免疫グロブリンは免疫グロブリンEであることが好ましい。該物質はアレルギー性であることが好ましい。
第7の局面において、個体の物質に対するアレルギーの診断方法であって、該個体由来の試料を少なくとも1の形が天然抽出物である物質の複数の形と実質的に同時に接触させ、該形の1またはそれ以上との免疫複合体の存在が該物質に対するアレルギーの存在を示唆する方法を提供する。
本発明のあらゆる局面で、本発明の各形との免疫複合体の存在を検出する。1またはそれ以上の免疫複合体の存在は、診断するか、または物質特異的免疫グロブリンの存在を決定するのに十分でありうる。しかしながら、これらの方法から得られるデータは先に記載のごとく分析することもできる。したがって、決定または診断するために、最も高いシグナルを陽性結果の指標とすることができるか、またはすべての形の平均読み取り値を得ることができる。各形の読み取り値は、試料を得た個体の特異的アレルギープロフィールに関する情報をもたらす。
本発明を実施例を参照してより詳細に説明する。
40の血漿試料を個体から得た。
これらの試料をイエダニアレルゲンの複数の形に暴露した。これらの形は:天然抽出物(D01)、およびイエダニ主要成分:Der p 1、およびDer p 2であった。
各形を、正しく並べたマットリックス中、前処理したマイクロアレイスライド上に固定した。
イエダニ特異的IgEの存在/非存在を、下記のごとくある範囲の特異的アレルゲンに対するIgE反応を決定するために計画した独自の蛍光定量的酵素イムノアッセイにより決定した。材料はMicrotest Diagnostics(www.microtestdx.com)から入手可能である。
該アッセイの第1工程は、Microtest Biochipの試薬ポートから該チップ上に試料を添加することである。液体をチャンバーに注ぎ、アレルゲン(例えばイエダニ)の各複数の形を試料中に含まれる抗原特異的IgEと反応させる。60分間インキュベーションした後、Microtest機械装置をフラッシュして試料を除去し、アレルゲン-IgE複合体と結合する二次抗体(抗ヒトIgE)を加える。45分間インキュベーションした後、Microtest機械装置をフラッシュして二次抗体を除去し、次いで、アレルゲン抗体複合体を検出する酵素標識抗体である三次抗体を加える。45分間インキュベーションした後、Microtest機械装置をフラッシュして結合していない三次抗体を除去し、蛍光を生じさせるのに用いる増幅緩衝液を加える。最後に、20分間インキュベーションした後、Microtest機械装置をフラッシュして増幅緩衝液を除去する。次に、蛍光シグナルを捕捉および産生するための新規で安価な溶液を用い、該機械装置でアレルゲンIgE免疫複合体の蛍光を測定することにより微小アレイを分析する。
該結果(図1、2、および3、および表1および2)は、本発明が該系の感度を改善することを示す。Der p 1およびDer p 2の蛍光の合計または天然抽出物反応性から得た最も高い測定値は、天然抽出物または単一成分測定値(すなわち、標準的な従来技術の方法)を得た単一蛍光シグナルより高いか等しい。実際に、蛍光分析時に内部アルゴリズムは最も良い結果(最も高い蛍光シグナル)を探し、これは、単一抗原/アレルゲン(例えば天然抽出物、D01)またはそれらの組み合わせ(例えばイエダニ成分:Der p 1+Der p 2)のいずれかから得ることができる。
図3にプロットした高特異的IgEレベル(例えば〜50および〜100 kU/L)の試料のいくつかの低蛍光反応性は、Der p 1およびDer p 2と共にイエダニの主なアレルゲン成分である他のDermatophagoides pteronyssinus 抗原を欠くことで説明することができる。
Figure 2016504587
Figure 2016504587
図5は、分析した40から選択した5試料を示す。試料Aは、天然抽出物 D01の最も高い免疫複合体形成を示す。試料Bは、Der p 1で最も高い免疫複合対形成を示すが、試料CはDer p 2で最も高いレベルを示す。試料Dは、最も高い結果が得られるDer p 1およびDer p 2からの結果の組み合わせを示し、試料Eは、天然抽出物中のマイナー/未知抗原が最も高い免疫複合体形成レベルを生じることを示す。1またはそれ以上の個々の成分または分離した天然抽出物のみを用いるとこれらの試料についての正確な結果をもたらないだろう。この図の特異的データを表3に示す。
Figure 2016504587
ピーナツの除去天然抽出物の製造
天然ピーナツ抽出物を生ピーナツを回収して製造し、これを混合してペーストとし、次いで、例えば、Hefle et al、The Journal of Allergy and Clinical Immunology、Volume 95、Issue 4 、837-842頁、4月1995に記載の標準的技術を用いて可溶化し液体形とした。これはピーナツの天然抽出物をもたらした。
Ara h 8に対するウサギポリクローナル抗体は標準的技術により生じさせることができる(例えば、Wen et al、Anal Bioanal Chem. 2005 Jul;382(5):1217-26に記載のAra h 1に対するウサギポリクローナル抗体に関するもの)。これらの抗体は、クロマトグラフィカラムに用いるマトリックスと共有結合/連結した。この天然ピーナツ抽出物を抗原成分Ara h 8に対する抗体を含むクロマトグラフィカラムに流した。天然ピーナツ抽出物はカラムを通過するので、Ara h 8と選択的に結合した抗体は抽出物中に存在する。残りの抽出物は未利用でカラムを通過し、次いで回収される。
適切な方法は、Sen et al、The Journal of Immunology July 15、2002 vol. 169 no. 2 882-887に記載されているが、この場合、天然抽出物から除去されたタンパク質を検討するのが目的であるので、天然抽出物はカラムを通過した後に捨てられる。カラムから回収され得られた液体抽出物はAra h 8が除去されたピーナツの天然抽出物であった。
天然抽出物を溶出し回収したら該カラムに塩勾配を適用するとイムノアッセイでピーナツの異なる形として用いることができるAra h 8の回収が可能となることに注目すべきである。
Ara h 8は、既知の交差反応抗原成分である。

Claims (19)

  1. 試料中の物質特異的免疫グロブリンの存在の有無を検出する方法であって、
    該試料と複数の形の該物質を実質的に同時に接触させ、免疫複合体が形成されるか否かを決定する、少なくとも1の形が天然抽出物である方法。
  2. さらに物質特異的免疫グロブリンのレベルを定量する工程を含む、請求項1記載の方法。
  3. 物質特異的免疫グロブリンのレベルが物質のそれぞれの形について測定される請求項2記載の方法。
  4. 物質特異的免疫グロブリンのレベルが、クラススコアまたは免疫グロブリン濃度として与えられる請求項2または3に記載の方法。
  5. 物質特異的免疫グロブリンのレベルを該物質の2またはそれ以上の形について組み合わせる請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 個体の物質特異的免疫グロブリンの状態の測定を可能にする、先の請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 個体の物質に対するアレルギーを診断する工程を含む、1またはそれ以上の形との免疫複合体の存在が該物質に対する感受性を示す、先の請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 天然抽出物が修飾天然抽出物である、先の請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 天然抽出物が、1またはそれ以上の成分を除去することにより修飾されている請求項8記載の方法。
  10. 該天然抽出物が、天然抽出物からの成分特異的アフィニティ除去による1またはそれ以上の成分の選択的除去により製造される請求項9記載の方法。
  11. 1またはそれ以上の除去された成分が抗原性である請求項9または10に記載の方法。
  12. 該抗原成分が交差反応成分である請求項11記載の方法。
  13. 1またはそれ以上の除去した成分が該物質の1またはそれ以上の形として別々に存在する請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 物質特異的免疫グロブリンのレベルが修飾天然抽出物および除去した成分の1またはそれ以上について測定され、次いで組み合わされる請求項13記載の方法。
  15. 該物質の少なくとも1の形が抗原成分または抗原成分の組み合わせである先の請求項のいずれかに記載の方法。
  16. 少なくとも1の形が天然抽出物であり、少なくとも1の形が抗原成分または抗原成分の組み合わせである、分離した位置に提供される複数の形の物質を含むアレイ。
  17. 請求項16に記載のアレイおよび1またはそれ以上の検出分子を含むキット。
  18. 該検出分子が抗体またはその誘導体である請求項17記載のキット。
  19. 該免疫グロブリンが免疫グロブリンEまたは免疫グロブリンGである請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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