JP2016504033A - ミエリン形成をアッセイするためのマイクロピラーアレイ - Google Patents

ミエリン形成をアッセイするためのマイクロピラーアレイ Download PDF

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Abstract

乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きをアッセイするためのマイクロピラーアレイが提供される。乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きを促進する候補薬剤のスクリーニングのためのマイクロピラーアレイを使用する方法もまた、本明細書において提供される。マイクロピラーアレイおよび乏突起膠細胞の前駆細胞を含むシステムもまた、提供される。

Description

相互参照
本出願は、2012年12月19日に出願された米国仮特許出願第61/739,446号の利益を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
連邦政府支援の研究に関する声明
本発明は、米国国立衛生研究所/国立神経疾患研究所によって授与された助成金番号NS062796の下で、政府の支援によってなされた。アメリカ政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
ミエリンは、中枢および末梢神経系の重要な構成要素である。ミエリン鞘を絶縁することによる軸索の組織的な巻き付きは、脊椎動物の中枢神経系の発達における顕著な事象である。70%の脂質および30%のタンパク質からなるミエリンは、中枢神経系(CNS)中の乏突起膠細胞(OL)、および末梢神経系(PNS)中のシュワン細胞の両方によって形成される。絶縁材として機能するミエリンは、神経軸索を下る神経信号の伝播の速度および完全性を向上し、信号が脳と末梢神経との間の長距離を前後に通過することを可能にする。ミエリン鞘の損傷は、しばしば壊滅的な結果を有する様々な神経疾患につながり得る。
多発性硬化症(MS)などの疾患におけるミエリンの損傷は、神経信号の破壊、軸索への損傷、および最終的には神経変性につながる。これらの壊滅的な状態を効果的に治療するために、修復を促進するための新規な方法論およびアプローチを開発することが必須である。
現在まで、MSにおける修復またはミエリン再形成のための治療法はなく、この事実だけでも、MS患者にとっての甚大な期待および満たされない必要性があることを示す。ミエリン再形成を促進する小分子または生物学的製剤のための機能的スクリーニングが、MSのための合理的な治療薬の特定および開発に対する主要な障害である。
したがって、ミエリン再形成のための細胞の自律的機序への洞察を提供するであろう、ハイスループットスクリーニングのプラットフォームの開発における、技術的進歩をなすことを継続することが不可欠である。
ミエリン形成をアッセイするためのマイクロピラーアレイが提供される。マイクロピラーアレイは、乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、および/または鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きをアッセイするために使用される場合があり、それが提供される。乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、および/または鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きを促進する候補薬剤のスクリーニングのためのマイクロピラーアレイを使用する方法もまた、本明細書において提供される。マイクロピラーアレイおよび乏突起膠細胞の前駆細胞を含むシステムもまた、提供される。
ミエリン形成を観察するための、異なる直径のナノファイバーの使用を図示する。 候補小分子の存在下でのミエリン形成を観察するための、ナノファイバーの使用を描写する。 ナノファイバーのミエリン形成に対するフマル酸クエチアピンの影響を図示する。 マイクロピラーアレイを用いるミエリン形成の二元指示物の概略図を提供する。 マイクロピラーおよびミエリン形成の作製を描写する。 ミエリン形成をアッセイするための、マイクロピラーの使用を図示する。 本発明の一実施形態に係る、96ウェルプレート内のマイクロピラーおよびマイクロピラーアレイを図示する。 乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)および乏突起膠細胞の二重蛍光標識の使用を図示する。
本発明を詳細に記載する前に、言うまでもなく、本発明が、記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして変化する場合があることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのみのものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定的であることが意図されないこともまた理解されたい。
値の範囲が提供される際、その範囲の上限と下限との間の各介在値、ならびにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、文脈が別段明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1まで、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、表示範囲内のあらゆる具体的に除外された制限値に従って本発明内にもまた包含される。表示範囲がそれらの上限および下限のうちの1つまたは両方を含む際、それらの含まれる上限および下限のうちのいずれかまたは両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと同様もしくは等価の任意の方法および材料を、本発明の実践または試験において使用することもできるものの、ここでは好ましい方法および材料が記載される。本明細書で言及される全ての出版物は、その出版物が引用されるものに関連する方法および/または材料を開示および記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されなくてはならない。したがって、例えば、「1つのマイクロピラー」への言及は、複数のそのようなマイクロピラーを含み、「前記室」への言及は、1つ以上の室および当業者に既知のそれらの等価物への言及を含む、等々となる。特許請求の範囲が、いかなる任意選択的な要素も除外するように起草される場合があることが更に留意される。そのようなものとして、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単に」、「のみ」、および同様物などの排他的な専門用語の使用のため、または「否定的な」制限の使用のための先行詞の基盤として機能することが意図される。
本明細書で論じられる出版物は、単に本出願の出願日前のそれらの開示のために提供される。本明細書におけるいずれのものも、先行発明のために、本発明がそのような出版物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきでない。更に、提供される出版物の日付は、実際の出版日とは異なる場合があり、別々に確認する必要があり得る。
ミエリン形成のレベルをアッセイするためのマイクロピラーアレイが提供される。マイクロピラーアレイは、乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、および/または鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きをアッセイするために使用される場合があり、それが提供される。乏突起膠細胞の前駆細胞の乏突起膠細胞への分化、および/または鞘形成、および/または乏突起膠細胞によるマイクロピラーの巻き付きを促進する候補薬剤のスクリーニングのためのマイクロピラーアレイを使用する方法もまた、本明細書において提供される。マイクロピラーアレイおよび乏突起膠細胞の前駆細胞を含むシステムもまた、提供される。
ミエリン形成をアッセイするためのマイクロピラーアレイ
上述するように、ミエリン形成を促進する候補薬剤をスクリーニングする方法における使用に好適なマイクロピラーアレイが提供される。
マイクロピラーアレイは、複数のマイクロピラーを含む基板を含む。複数のマイクロピラーは、基板から垂直に突出するマイクロピラーを含む。特定の実施形態において、マイクロピラーは、基板に付着したマイクロピラーの基部から、基板から突出するマイクロピラーの先端部へと直径が先細になる形状を有してもよい。
一般に、マイクロピラーアレイのマイクロピラーは、均一なサイズを有する。特定の実施形態において、マイクロピラーは、10μm〜150μmの範囲の直径の基部、および0.1μm〜8μmの範囲の直径の先端部を有する。特定の場合、基部は25μm〜50μmの範囲の直径であり、先端部は1μm〜5μmの範囲の直径である。特定の場合、基部は、例えば、約25μm、30μm、35μm、または40μmなどの、25μm〜40μmの範囲の直径である。特定の場合、先端部は2μm〜4μmの範囲の直径である。特定の場合、先端部の直径は約1μm、2μm、3μm、4μm、または5μmである。
特定の実施形態において、マイクロピラーは、15μm〜50μmの範囲の先端部と基部との間の高さを有する。特定の場合、先端部と基部との間の高さは、25μm〜50μmの範囲である。特定の場合、先端部と基部との間の高さは、25μm、30μm、35μm、または40μmである。
一般に、マイクロピラーアレイの複数のマイクロピラーは、均一な形状を有する。側面から(すなわち、平面がxおよびy軸によって定義される場合、z軸に沿って)見ると、マイクロピラーの形状は、円錐形、円錐台形、双円錐形、または放物線形であってもよい。
特定の実施形態において、基板上の複数のマイクロピラーは、均一な距離で互いに離れていてもよい。したがって、特定の場合、マイクロピラーは、互いから約1mm、例えば、800μm、600μm、400μm、200μm、150μm、100μm、50μm、または25μmのマイクロピラー間の介在間隙の距離で、位置付けられていてもよい。マイクロピラー間の距離は、マイクロピラーの基部間の距離であってもよい。マイクロピラー間の距離は、マイクロピラーの基部の表面間の距離であってもよい。
特定の実施形態において、マイクロピラーアレイはアドレス可能である。「アドレス可能アレイ」は、基板上の特定の位置(「アドレス」)に位置付けられる複数のマイクロピラーの任意の一次元または二次元配列を含む。
特定の実施形態において、基板は複数の室を含んでもよく、複数の室はそれぞれ、複数のマイクロピラーを含んでいてもよい。そのような実施形態において、マイクロピラーアレイは、それぞれの室の基板上の位置が既知であるため、アドレス可能である。
特定の場合、基板は、複数のマイクロピラーが垂直に突出する、実質的に平坦な基板であってもよい。特定の場合、平坦な基板は、正方形または長方形を含む二次元形状を有していてもよい。しかしながら、平坦な基板は、円形、三角形などの他の形状であってもよい。「実質的に」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも70%、80%、90%、99%、または100%を指す。例えば、「実質的に平坦な基板」という語句は、少なくとも70%、80%、90%、99%、または100%平坦である基板を指す。
特定の実施形態において、基板は、複数の室を含んでいてもよく、複数の室は2〜1536室の範囲であってもよい。特定の場合、基板は、約6、24、96、384、または1536室を含んでいてもよい。室の容積は、約1ml〜50μl、例えば、約500μl〜50μl、例えば、約400μl、約350μl、約300μl、約200μl、約100μl、または約50μlの範囲であってもよい。「約」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の値から、0.1%以下、0.5%以下、1%以下、2%以上以下、5%以下、または10%以下の差を指す。特定の場合、複数の室はウェルまたはマイクロウェルであってもよい。
特定の実施形態において、マイクロピラーを含む基板の寸法は、標準的な細胞培養皿の寸法であってもよい。そのような基板の使用は、例えば、顕微鏡を使用する、マイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在の判定を容易にする場合がある。
一般に、室は、試薬、細胞、候補薬剤等の室への添加を提供するために、頂部で開いていてもよい。室は、取り外し可能な蓋によって覆われていてもよい。
特定の実施形態において、複数の室はそれぞれ、複数のマイクロピラーを含んでもよく、室内に存在するマイクロピラーの数は、20〜200、30〜150、40〜120、50〜100などの、10〜200の範囲であってもよく、例えば、20、30、40、50、60、80、100、120、140、180、または200であってもよい。
一般に、マイクロピラーは、乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)または乏突起膠細胞などの、細胞の培養を助長する材料から作製される。細胞の培養をサポートするのに適した任意の材料を、マイクロピラーを製造するために使用してよい。一般に、ポリスチレン、ポリプロピレン、またはシリカなどの細胞培養基板を使用してよい。特定の場合、マイクロピラーは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンブタジエンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、およびシリカからなる群から選択される材料から作製される場合がある。
マイクロピラーアレイは、任意の都合のよい方法によって作製される場合がある。例示的な方法は、マイクロピラー形成のための基板表面のエッチング、マイクロピラーを作製するための基板上へのポリマーの堆積、射出成形等を含む。マイクロピラーを含む複数の室を含む基板は、様々な方法によって作製される場合がある。例えば、マルチウェル細胞培養プレートなどの、複数の室を有して予め作成された基板が、マイクロピラーを室に導入するために使用される場合がある。別の例示的な方法では、基板上に均一に位置付けられる複数のマイクロピラーを含む基板が、複数の室を提供する格子に結合され得る。
マイクロピラーを含む基板は、透明または半透明で、基板上に存在するマイクロピラーおよび細胞の可視化を可能にし得る。この文脈において、「透明」という用語は、任意の試験放射が、実質的な減衰なくそれを通して通過することを可能にすること、および特徴からの信号が、実質的な減衰または歪みなくそれを通して通過することを可能にすることを指す。「実質的な減衰なく」とは、例えば、40%を超える、30%を超える、20%を超える、または10%を超える損失がないことを含む場合がある。試験放射および信号は、例えば、可視光、紫外線、または赤外光であってもよい。
スクリーニング方法
ミエリン形成を促進する候補薬剤をスクリーニングする方法もまた、本明細書に開示される。特定の実施形態において、方法は、候補薬剤を、複数のマイクロピラーを含む基板および乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)を用いてインキュベートすることと、複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在を判定することと、を含んでもよく、複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在は、候補薬剤がミエリン形成を促進することを示す。
特定の実施形態において、複数のマイクロピラーを含む基板は、前述の節に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、基板は複数の室を含む場合があり、複数の室はそれぞれ、複数のマイクロピラーおよびOPCを含む場合がある。
特定の実施形態において、方法は、複数の候補薬剤を、複数の室およびOPCを含む基板を用いてインキュベートすることを含んでもよく、複数の室はそれぞれ、異なる候補薬剤を含む。
無数の方法が、マイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在を判定するために使用されてもよい。
特定の実施形態において、ミエリン形成の存在もしくは不在の判定は、乏突起膠細胞などのミエリン生成グリア細胞への、OPCの分化をアッセイすることを含む場合があり、アッセイは乏突起膠細胞による複数のマイクロピラーの鞘形成の検出を含む場合がある。
特定の実施形態において、ミエリン形成の存在もしくは不在の判定は、OPCから発生した乏突起膠細胞による複数のマイクロピラー上の同心巻き付きをアッセイすることを含む場合がある。
特定の実施形態において、ミエリン形成の存在もしくは不在の判定は、ミエリン形成のレベルを判定することを含む場合がある。
本明細書で使用される場合、ミエリン形成は、乏突起膠細胞によるマイクロピラーの鞘形成を指す。鞘形成は、マイクロピラーの周りに少なくとも1回巻き付くミエリン鞘の層を含む場合がある。鞘形成は、マイクロピラーの領域の周りの完全または部分的な巻き付きを包含する場合があり、領域は、マイクロピラーの先端部もしくは基部に、またはマイクロピラーの先端部と基部との間にある。部分的な巻き付きは、マイクロピラーの先端部または基部での、またはマイクロピラーの先端部と基部との間の領域での、マイクロピラーの周囲の少なくとも60%、または70%、または80%、または90%の巻き付きを含む場合がある。完全な巻き付きは、巻き付きが、マイクロピラーの先端部もしくは基部での、またはマイクロピラーの先端部と基部との間の領域での、マイクロピラーの周囲の少なくとも約95%、または99%、または100%である、マイクロピラーの周囲の周りの巻き付きを指す。したがって、完全な巻き付きは、マイクロピラーの周囲の周りのミエリン環の存在を指す。
マイクロピラーの周りのミエリン鞘の同心巻き付きとは、基部もしくは先端部、または先端部と基部との間の領域での、例えば、2、3、4、5回、またはそれ以上などの複数回の、マイクロピラーの周囲の巻き付きを指す。したがって、マイクロピラーの周りのミエリン鞘の同心巻き付きは、マイクロピラーの周囲の周りの2つ以上のミエリン環の存在を指す。
ミエリン形成のレベルという語句は、本明細書で使用される場合、マイクロピラー上に存在するミエリン鞘の量を指す。特定の実施形態において、バックグラウンド閾値を超えるが、同心巻き付き閾値未満のミエリン形成のレベルは、マイクロピラーが鞘形成されるが、同心巻き付きが発生していないことを示す場合がある。特定の実施形態において、バックグラウンド閾値を超え、同心巻き付き閾値以上のミエリン形成のレベルは、マイクロピラーが鞘形成され、同心巻き付きが発生していることを示す場合がある。同心巻き付き閾値を超えるミエリン形成のレベルは、マイクロピラー上の同心巻き付きの程度を示す場合がある。
閾値は、陰性および陽性対照に基づいて設定され得る。例えば、閾値は、ミエリン形成をアッセイするための方法、OPCの数、および/またはマイクロピラーの数に基づいて設定される場合がある。バックグラウンド閾値は、乏突起膠細胞に分化しない細胞を含むマイクロピラーアレイから取得される信号、非特異的抗体に接触した乏突起膠細胞を含むマイクロピラーアレイから取得される信号に基づいて選択される場合がある。陰性対照はまた、バックグラウンド閾値を提供する場合があり、例えば、スクリーニングの文脈において、陰性対照は、候補薬剤と接触していないマイクロピラーおよびOPCであってもよい。
同心巻き付き閾値は、陽性対照から決定される場合がある。特定の実施形態において、ミエリン形成を促進することが既知である分子は、同心巻き付き閾値を決定するために使用される場合がある。甲状腺ホルモンまたはフマル酸クエチアピンなどの分子を、同心巻き付き閾値を決定するために使用することができる。
特定の実施形態において、ミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルの判定は、プロセッサと、プロセッサによって実行される際、プロセッサに複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルを判定させる命令を含むメモリとを使用することによって実行される場合がある。特定の実施形態において、ミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルの判定は、自動化されてもよい。
特定の実施形態において、マイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルの判定は、乏突起膠細胞(OL)特異的マーカーを検出することによって行われる場合がある。
任意の既知のOL特異的マーカーが使用される場合がある。特定の場合、マーカーは、例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLPまたはリポフィリン)、または乏突起膠細胞(OL)における発現を駆動するOL特異的プロモーターによってその発現が駆動される、レポーター遺伝子によってコード化されたマーカーであってもよい。OL特異的マーカーの発現を提供するために利用される場合がある例示的なプロモーターは、MBP、PLP等のプロモーターを含む。特定の実施形態において、本明細書で開示される方法およびシステムにおいて使用されるOLは、OL特異的プロモーターに操作可能に連結した遺伝子からの蛍光タンパク質または生物発光タンパク質をコード化する、遺伝子修飾されたOLであってもよい。「操作可能に連結された」とは、一方の機能が他方によって影響されるような、単一の核酸断片上の核酸配列の関連を指す。例えば、プロモーターがコード配列または機能的RNAの発現に影響する能力を有する(すなわち、コード配列または機能的RNAがプロモーターの転写制御下にある)場合に、プロモーターは、コード配列または機能的RNAと操作可能に連結される。MBPプロモーターを含み、プロモーターに操作可能に連結した遺伝子の発現を駆動し、OLのマーカーを提供する発現カセットは、国際公開第2011084281A1号に記載され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の場合、候補薬剤のスクリーニングは、複数のマイクロピラーを含む複数の室を含む基板を含むマイクロピラーアレイを利用するハイスループット方法で実行される場合がある。対象の候補薬剤は、異なる室に添加されたOPCでインキュベートされる場合がある。OPCおよび候補薬剤の添加は、特定の場合、ロボット制御で実行される場合がある。マイクロピラーアレイは、顕微鏡を使用して監視される場合があり、室から取得される信号は、プロセッサと、プロセッサによって実行される際、プロセッサに複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルを判定させる命令を含むメモリとを使用して分析してもよい。命令は、バックグラウンド閾値レベル、同心巻き付き閾値レベル等を含んでもよい。
特定の場合、マイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルの判定を検出することは、候補薬剤の、複数のマイクロピラーおよびOPCを含む基板を用いたインキュベート中の異なる時点で行われる場合がある。そのようなものとして、初期判定が、候補薬剤が、OPCのOLへの変換を促進するかどうかを明らかにする場合がある。より後の段階で実行される判定は、OLがマイクロピラーを鞘形成する能力を有するかどうかを明らかにする場合がある。更により後の時点で実行される判定は、OLがマイクロピラーに同心的に巻き付く能力を有するかどうかを明らかにする場合がある。
1つ以上の候補薬剤を、複数のマイクロピラーおよびOPCを含む基板を用いてインキュベートすることが、1日〜30日の範囲の期間で行われる場合がある。特定の場合、インキュベートは、例えば、少なくとも約1日間、2日間、4日間、6日間、1週間、10日間、2週間、18日間、3週間、25日間、4週間、またはそれ以上行われる場合がある。ミエリン形成の存在もしくは不在の判定は、インキュベート段階が開始された後、任意の日数(複数可)で実行される場合がある。特定の場合、ミエリン形成の存在もしくは不在および/またはミエリン形成のレベルは、蛍光経時的顕微鏡などの経時的顕微鏡を使用して監視される場合がある。
インキュベートは、OPC、OL、グリア細胞、シュワン細胞等の培養に好適な条件下で行われる場合がある。好適な細胞培養条件は、当業者にとって既知である。好適な細胞培養条件は、OPC、OL等の型に基づいて最適化される場合がある。細胞の生存性を支持する成長因子および他の補充剤で補充されてよい、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)、ダルベッコ燐酸緩衝生理食塩水(DPBS)、RPMI、Iscove’s mediumを含む、様々な培地が市販されており、細胞の特性に従って使用される場合がある。
様々なOPCが、本明細書に開示される方法およびシステムにおいて使用できる。本明細書で使用される場合、乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)は、分化して、乏突起膠細胞(OLまたはオリゴデンドログリアもしくはオリゴデンドログリア細胞)などのミエリン生成グリア細胞を生じさせることに特化する細胞である場合がある。例えば、OPCは、マウス、ウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ヒツジ、または他の種などの、任意の種の被験体から取得される場合がある。特定の場合、OPCは、ヒトから取得される場合がある。特定の場合、OPCは、人工多分化能細胞、ならびに胚性幹細胞および間葉幹細胞(MSC)などの胚性多分化能細胞などの多分化能細胞から発生する場合がある。特定の場合、OPCは、多能性細胞から発生する場合がある。特定の場合、OPCは、OLおよび/またはシュワン細胞に分化する場合がある。
特定の実施形態において、マイクロピラーアレイは、倒立顕微鏡を使用して、下から読み取られる場合がある。特定の場合、マイクロピラーアレイは、上から読み取られる場合がある。マイクロピラーアレイの下は、基板のマイクロピラーが存在しない側である。したがって、マイクロピラーアレイの上側は、基板のマイクロピラーが存在する側である。
特定の実施形態において、方法は、ミエリン形成の二元指示物を使用することによる候補薬剤のスクリーニング、すなわち、乏突起膠細胞に特異的なマーカーの存在もしくは不在に基づく、ミエリン形成が存在するかどうかのスクリーニングを含む場合がある。
特定の実施形態において、方法は、候補薬剤の、複数のマイクロピラーを含む基板および乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)を用いてインキュベートすることを含む場合があり、OPCの数は、20,000〜100,000の範囲である。本方法において使用されるOPCの数を、アッセイの型、マイクロピラーの数、基板のサイズ、室のサイズ等に基づいて確定することができる。
特定の場合、方法は、候補薬剤を、複数の室を含む基板を含むマイクロピラーアレイを用いてインキュベートすることを含んでもよく、室のうちのそれぞれは、複数のマイクロピラーおよび複数のOPCを含む。マイクロピラーアレイはまた、マイクロピラーおよび/またはOPCを欠如する複数の室を含んでもよく、この室は、ミエリン形成の存在もしくは不在および/またはレベルの判定の対照としての機能を果たす場合がある。特定の実施形態において、室内に含まれるOPCの数は、室のサイズおよび/または室内のマイクロピラーの数に基づく場合がある。特定の場合、室のうちのそれぞれは、約100,000、80,000、60,000、40,000、20,000、10,000、5,000、3000、1000、300、200、100、80、60、50、30、20、10、またはより少ないOPCを含む場合がある。
特定の場合、スクリーニングのための対象の候補薬剤は、ある場合には無機分子、有機金属分子、免疫グロブリンなどを含むものの、主として有機分子である、多数の化学分類の生物学的活性薬剤を含む。対象のものはまた、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、典型的に、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、しばしば化学官能基のうちの少なくとも2つを含む小有機分子である。候補薬剤は、しばしば環状炭素または複素環構造、および/または以上の官能基のうちの1つ以上で置換された芳香族または多環芳香族構造を含む。候補薬剤はまた、ペプチド、ポリヌクレオチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的類似体またはこれらの組み合わせを含む、生体分子に見られる。
化合物は、合成または天然化合物のライブラリを含む、広範な供給源から取得される場合がある。例えば、生体分子を含む広範な有機化合物のランダムおよび指向性合成のために、ランダム化オリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現を含む多数の手段が利用可能である。あるいは、細菌性、真菌性、植物性および動物性抽出物の形態の天然化合物のライブラリが、利用可能または容易に生成される。更に、天然、または合成的に生成されるライブラリおよび化合物は、従来の化学的、物理的、および生化学的手段を通して容易に修飾され、組み合わせライブラリを生成するために使用される場合がある。既知の薬理的薬剤は、構造的類似体を生成するために、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの指向性のまたはランダムな化学修飾に供される場合がある。
複数のアッセイが、様々な濃度に対する異なる反応を取得するために、異なる濃度で並行して実行される場合がある。当該技術分野において既知であるように、薬剤の効果的濃度の決定には、1:10、または他の対数尺度の希釈から生じる様々な濃度を典型的に使用する。濃度は、必要な場合、2度目の希釈で更に精密化される場合がある。典型的に、これらの濃度の一つ、すなわち、ゼロ濃度、または薬剤の検出のレベル未満、またはミエリン形成の検出可能な存在を生じさせない薬剤の濃度以下が、陰性対照としての機能を果たす。
一般に、本明細書に記載される方法およびシステムは、ニューロンを必要としない。そのようなものとして、本明細書に提供される方法およびシステムは、実質的な数のニューロンを含まない。特定の実施形態において、OPCは、少数の混入ニューロンを有する場合がある。一般に、本明細書に開示される方法およびシステムにおいて存在するOPC集団内に存在し得るニューロンのパーセントは、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、または0.5%未満であってもよい。特定の実施形態において、本明細書に開示される方法およびシステムにおいて存在するOPC集団内に存在し得るニューロンのパーセントは、0%である場合がある。
ミエリン形成を促進するとして特定される候補薬剤は、マイクロピラーアレイおよびOPCを用いた薬剤のインキュベート時に、マイクロピラーの周りに巻き付くミエリン鞘の密度を分析することによって、更に特徴付けされる場合がある。候補薬剤(複数可)は、ミエリン形成のための標準インビトロアッセイを更に使用して検証される場合がある。インビトロで検証される候補薬剤は、ミエリン形成の損失(脱髄)に関連する疾患の動物モデル内で更に試験され得る。その後、ミエリン形成のプロモーターとしてインビボで検証される候補薬剤は、軸索ミエリン形成の損失または欠如に関連する状態を有する被験体内で試験される場合がある。いくつかの実施形態において、軸索は、CNS軸索である。そのような状態は、外傷、毒素暴露、窒息または低酸素虚血、周産期低酸素虚血性損傷、中枢神経系の白質の損傷またはその疾患、急性脳損傷、クロイツフェルト−ヤコブ病、慢性神経変性疾患、および脱髄疾患を含む場合がある。多発性硬化症が、特に対象である。脱髄疾患および障害は、急性散在性脳脊髄炎、視神経炎、横断性脊髄炎、デビック病、白色変性症、進行性多巣性白質脳症、および橋中心ミエリン溶解を含む場合がある。
慢性脱髄状態は、慢性免疫脱髄性多発神経障害(CIDP)、多巣性CIDP、多発限局性運動性末梢神経炎(MMN)、抗MAG症候群、ギャロップ(galop)症候群、(血清M−タンパク質を有する)抗スルファチド抗体症候群、抗GM2抗体症候群、POEMS症候群、神経周囲炎等を含む場合がある。
ミエリン形成をアッセイするためのシステム
ミエリン形成をアッセイするためのシステムもまた、本明細書に提供される。これらのシステムは、対象の分子がミエリン形成に影響するかどうかを評価するために使用される場合がある。特定の実施形態において、本システムは、ミエリン形成を増加させる、または減少させる候補薬剤を特定するために使用される場合がある。
システムは、複数のマイクロピラーを含む基板および乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)を含む場合があり、複数のマイクロピラーは、基板から垂直に突出し、かつ基板に付着したマイクロピラーの基部から、基板から離れるように突出するマイクロピラーの先端部へと直径が先細になる形状を含むマイクロピラーを含む。
複数のマイクロピラーを含む基板は、先行する節に記載されている。
したがって、特定の実施形態において、基板は複数の室を含む場合があり、複数の室は複数のマイクロピラーおよびOPCを含む。
システム内に含まれてもよいOPCは、先行する節に記載されている。
特定の場合、システムは、プロセッサ、ならびにプロセッサによって実行される際、プロセッサに複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在、および/またはレベルを判定させる命令を含むメモリを更に含んでもよい。
命令は、ミエリン形成の存在もしくは不在を判定するための閾値(複数可)、ミエリン形成のレベルを判定するための閾値(複数可)等に関する情報を含んでもよい。
以下の実施例は、当業者に、本発明をどのように作製および使用するかについての完全な開示および説明を提供するように提示され、本発明者が自身の発明とみなすものの範囲を限定するようには意図されず、以下の実験が実行される全てまたは唯一の実験であると示すようにも意図されない。使用される数値(例えば、量、温度など)に対する正確さを確保する試みがなされているが、いくつかの実験的誤差および偏差が説明されるはずである。別段に示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセルシウス温度であり、圧力は大気圧であるか、またはそれに近い。例えば、bp、塩基対(複数可);kb、キロベース(複数可);pl、ピコリットル(複数可);sまたはsec、秒(複数可);min、分(複数可);hまたはhr、時(複数可);aa、アミノ酸(複数可);kb、キロベース(複数可);bp、塩基対(複数可);nt、ヌクレオチド(複数可);i.m.、筋肉内(に);i.p.、腹腔内(に);s.c.、皮下(に)などの標準的な略語が使用される場合がある。
実施例1:ナノファイバーが支持するミエリン形成
ミエリン形成は、乏突起膠細胞に対する軸索信号伝達の結果であると長らく考えられてきた(Colello and Pott,Mol.Neurobiol.15,83−100,1997)。したがって、これらの信号の特性を特定することは、修復を促進するために最も重要であり、実際にほとんどのミエリン形成研究の目標である。ミエリン形成の誘導が、何らかの形で軸索直径に密接に関係すること、すなわち、より大きい軸索はミエリン化される一方で、より小さい軸索はミエリン化されないことが、一般的に受け入れられる。軸索標的サイズの増加は、軸索直径の増加およびミエリンの発達の両方と相関する(Voyvodic,Nature342,430−433,1989)。しかしながら、この発見のみでは、軸索直径の増加がミエリン形成を開始するために十分であることを確立せず、代わりに軸索信号がミエリン発達を促進し、外性因子によって調整されることを実証する。我々の最近の発見は、乏突起膠細胞ミエリン形成の開始についての軸索直径の役割に異議を唱える、興味深い、代替の仮説を提供する。我々は、ナノファイバーが、潜在的に乏突起膠細胞ミエリン形成のための好適な足場としての役割を果たし得るかどうかについての調査を可能にする基板として軸索に取って代わる、電子紡糸ポリスチレンナノファイバーを開発した(図1)。
図1(a)直径0.2〜0.4μm、および(b)2〜4μmの範囲のポリスチレンナノファイバーを製造し、撮像した。精製したオリゴデントログリアを、ファイバー上にプレート培養し、鞘形成し、より大きいファイバーに巻き付くことを観察した。培養を、ミエリンについて免疫染色(赤色)し、ファイバーの位相対比画像と合成した。(e〜g)ミエリン形成を示す膜の小さな巻き付きを、電子顕微鏡検査によって観察した。
我々の発見は、ファイバー直径が、確かに乏突起膠細胞による巻き付きを開始するために十分であること、および軸索の不在におけるミエリン形成が、ミエリン形成に必要かつ十分な細胞自律的機序の分析に理想的に適した、最小許容環境を示すことを実証する(Lee et al.,Nature Methods,9(9):917−922,2012)。この最近の発見は、小規模のスクリーニングの試みを開始することを可能にした。我々のナノファイバーの設計における優れた柔軟性は、実験的設計におけるファイバーの一定の均一性および密度を保証し、試験される化合物からのあらゆる影響は、ニューロンからの混同作用がなく、単にオリゴデンドログリア上への直接的な影響に起因し得る(図2)。
図2。ナノファイバーをパターン化し、24ウェル形式内に堆積し、インキュベート室を有する自動化蛍光顕微鏡下に定置した。オリゴノデンドログリアおよび小分子の添加時、ナノファイバーで培養された細胞を、実時間で、増殖、生存、分化、およびミエリン形成に対する影響について分析することができる。軸索の不在におけるミエリン形成は、ミエリン形成に先行し、それにつながる工程に必要かつ十分である、細胞の自律的機序を分析するのに理想的に適したものである、最小許容環境を示す。下のパネルは、乏突起膠細胞の前駆細胞(緑色)および乏突起膠細胞(赤色)を、ナノファイバー上で培養することができ、ミエリン形成を特定することができる(赤色)という原理の証拠を図示する。
スクリーニングを開始するために、乏突起膠細胞分化およびミエリン形成を促進する上で役割を果たすと考えられる、既知の分子および化学阻害剤の候補リストを蓄積し、精神疾患の治療における様々なFDA承認化合物を適用した。複数の研究が、ミエリン超微細構造における異常および統合失調症などの精神疾患における程度を相関させているため、非定型抗精神病薬およびドーパミン受容体拮抗薬をスクリーニングした(Hakak et al.,PNAS,98(8):4746−4751,2001、McDonald et al.,2005)。我々は化合物フマル酸クエチアピン(Seroquel)が、乏突起膠細胞の分化およびナノファイバーのミエリン形成を大いに向上させることを発見した(図3a)。これらの発見を検証するために、精製ニューロンで共培養した精製オリゴノデンドログリアに対するクエチアピンの影響を分析した。フマル酸クエチアピンは、ニューロン軸索の分化およびミエリン形成を有意に向上させる(図3b)。共培養において、ミエリン結節間は、乏突起膠細胞によって形成される「管状」構造(ミエリン特異的タンパク質について免疫染色される)によってルーチン的に特定することができる。同心および小さい膜巻き付きもまた、電子顕微鏡検査によって検出することができる(Chan et al.,Neuron43,183−191,2004)。全体として、共培養システムは、インビボでの乏突起膠細胞の発達およびミエリン形成のタイミングを総括し、乏突起膠細胞の発達を促進および阻害の両方をし得る化合物および要因を検証するための強力な手段を示す。興味深いことに、クエチアピンが当初ドーパミン−2(D2)受容体拮抗薬として発達すると、他のD2拮抗薬は乏突起膠細胞に対して同一の影響を引き起こさなかった。この発見の有意性は、多発性硬化症における修復を促進する潜在性を有する候補分子の特定である。更に、乏突起膠細胞による分化およびミエリン形成の機能的な読み取りを定量化する能力は、ミエリン形成への軸索の寄与を解くための独特の機会を提供する。
図3。乏突起膠細胞分化およびミエリン形成を、ナノファイバープラットフォーム上で試験した(a)。フマル酸クエチアピンは、本ファイバーの分化およびミエリン形成を大きく向上させた。(b)乏突起膠細胞−DRGニューロン共培養を確立して、フマル酸クエチアピン(100nM)の影響を検証した。7日後、培養物をインビトロで免疫染色し、ミエリン塩基性タンパク質(赤色)について分析した。図によって示されるように、乏突起膠細胞分化およびミエリン形成は著しく加速された。
本発見は、本アプローチのための理論的根拠を提供し、発達、安定性、および修復を促進する場合がある、追加の化合物および生物学的製剤の特定への貴重な洞察を与えるであろう。しかしながら、ナノファイバーは、大きな困難なくマイクロウェルにパターン化することができないため、小分子および化合物のハイスループット分析は、達成不可能なままである。更に、自動化撮像システムは、迅速かつ再現可能な方法で「ミエリン分節」を特定することができず、ハイスループット分析が不可能となる。これらの制限を克服するために、我々は、小分子および化合物のハイスループット分析を可能にする、乏突起膠細胞ミエリン形成を特定するための、マイクロウェルプラットフォームにおける二元システムの開発を模索した。
実施例2:ミエリン形成をアッセイするためのマイクロピラーアレイ
機能的スクリーニングを開発することは、迅速に、堅固、再現可能、かつ定量的な方法で、実験を行う能力を必要とする。ナノファイバー足場が、化合物をスクリーニングする上での前進を示すことを明確に実証している一方で、ファイバーはハイスループットスクリーニングに好適でない。ナノファイバーを小さいウェルにスピニングおよびパターン化することは、大きな困難を伴ってのみ達成することができ、非常に時間がかかる。更に、ミエリン結節間を特定し、定量化するための自動化ソフトウェアは、現在利用可能でない。
マイクロピラーアレイを圧縮シリカ(Trianja Technologiesにより作製された)から作製した。アレイを、より効率的かつ迅速な実験的設計を可能にする、96ウェル形式に好適なチップ上で設計した。マイクロピラーは、ミエリンの「環」(図4)の検出を可能にする特徴である、断面におけるミエリン形成の可視化を可能にする。マイクロピラーを任意のサイズおよび配向で作製することができるため、我々は、高さ約50μm(Leeら、上掲)、かつ150μmの基部を有するピラーの頂部で直径2μm(ミエリン形成を許容、Leeら、上掲)のマイクロピラーのためのテンプレートを設計した。この形式は、最適なピラーの仕様の分析を可能にするであろう。マイクロピラーを、ピラー間に接着する合理的な数のオリゴデンドログリアを可能にするために、120μm間隔で離間配置する。ZeissによるAxiovisionソフトウェアを使用して、ナノファイバーに関連するいかなる混同の問題(すなわち、結節間の長さ、干渉する細胞工程、細胞体など)もなく、ミエリン環の数の検出および定量化を自動化することができる。本質的に、乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)は緑色の環として可視化される一方で、乏突起膠細胞は赤色の環として示される(図4C)。
図4。マイクロピラーアレイを使用するミエリン形成のための二元指示物。(a)ナノファイバーの乏突起膠細胞巻き付きを、側面からミエリンの「環」として可視化することができる(赤色、MBP陽性染色)。(b)マイクロピラーを、任意のサイズおよび配向に作製することができる。我々は、2μmの直径を有する約50μmの高さであるマイクロピラーのためのテンプレートを作製した。マイクロピラーを、細胞が表面に接着することを可能にするために、100μm間隔で離間配置する。(c)倒立蛍光顕微鏡を使用してピラーを下から撮像し、ミエリンの「環」の特定を機能的ミエリン形成の二元指示物として使用する。
本アプローチにおける原理の証拠を実証するために、我々はマイクロピラーを作成し、寸法を分析し、一次OPCをアレイ内で培養した(図5)。OPCは、全長に沿って、マイクロピラーに鞘形成した(図5C、D)。更に、乏突起膠細胞への分化時、MBP陽性細胞は、ピラーに同心的に巻き付く(図5E、F)。巻き付きの定量化は、乏突起膠細胞がピラーの基部(150μm)に巻き付くことができなかったが、より直径が小さいピラーの頂部部分をより好んだことを図示する。これらの結果は、ピラーの直径を減少させることが、オリゴデンドログリア細胞の巻き付きを最適化することを示唆する。
図5。ミエリン形成のためのマイクロピラーアレイの作製。(A、B)マイクロピラーアレイを、圧縮シリカから作製し、鞘形成および巻き付きを可能にする寸法にエッチングした。マイクロピラーのサイズおよび分布の定量化。(C、D)OPC(緑色)を、マイクロピラーで培養し、その全長に沿ってピラーを鞘形成させた。(E、F)乏突起膠細胞(赤色)は、ミエリン形成を示す、螺旋状の様式でピラーに巻き付いた。
マイクロピラーをスクリーニングプラットフォームとして使用することの可能性および有効性を分析するために、我々は、OPCをアレイ上でプレート培養し、分化および巻き付きを促進することが以前に示されている分子、すなわちフマル酸クエチアピンおよび甲状腺ホルモンを添加した(図3、6)。原理の証明として、フマル酸クエチアピンおよび甲状腺ホルモンは、マイクロピラープラットフォーム上の「ミエリン環」の発生を著しく向上させた。乏突起膠細胞の分化およびミエリン形成の定量化は、ナノファイバーおよび共培養についての我々の以前の所見を検証し、マイクロピラーアレイが、分化および巻き付きを促進する化合物を特定するための、効果的なスクリーニンプラットフォームを示すことを示唆する。
図6。ミエリン形成アッセイの二元指示物(BIMA)が、乏突起膠細胞のミエリン形成の向上を特定することを図示する原理実験の証明。(A〜C)マイクロピラーを取り囲む乏突起膠細胞によるミエリン形成に対する免疫染色(赤色、MBP陽性染色)。乏突起膠細胞を、マイクロピラー上で合計6日間、インビトロ(div)で培養し、分化を向上させることが既知である化合物を4divで2日間受けた。(A)対照と比較して、(B)1μMフマル酸クエチアピン、または(C)30ng/mL甲状腺ホルモンのうちのいずれかの添加は、乏突起膠細胞によって発生した赤色「ミエリン環」の数を増加させる。6divで画像を取得した。スケールバー、50μm。
実施例3:マイクロピラーアレイの最適化
データの更なる分析時、我々は、マイクロピラーアレイの仕様が変更される必要があることを判定した。最初は、ピラーのアスペクト比における設計であった。乏突起膠細胞がピラーのより大きい基部直径に巻き付くことができなかったため、我々は、50μmの直径を用いてピラーの基部を設計することを決定した。2μmの頂部ピラー直径を維持しながら、我々は、ピラーの高さを25μmに減少させて、効率的な鞘形成および巻き付きを確保した。乏突起膠細胞によるミエリン膜の同心巻き付きの特定を確保するために、我々は、図5Eに観察されるように、ピラーが徐々に先細になることを維持した。マイクロピラーの離間配置(120μm)を、50μmに最適化して、オリゴデンドログリア細胞の数がマイクロピラーの密度に一致することを確保した。最後に、我々は、アレイが96マイクロウェルプレートに結合するようにパターン化した(図7)。
図7。オリゴデンドログリア細胞による効率的な鞘形成および巻き付きを取得するためのBIMA設計の最適化。ピラーのアスペクト比を、50μmの基部直径および2μmの頂部直径で修正した。ピラーの高さを、25μmに減少させた。マイクロピラーを、96マイクロウェルプレート内に結合するように作製した。ピラーのうちのそれぞれは、細胞対ピラーの最適な密度が達成されることを確保するために、50μmで離間配置される。
実施例4:ミエリン形成の動力学を観察するためのマイクロピラーアレイの使用
ミエリン形成の程度および動力学は、ほとんどのミエリン形成のためのスクリーニング計画を実時間で可視化することができないため、解決することが従来困難であった。したがって、我々は、マウス遺伝子を活用して、cre媒介組み換えの前にmemTomatoを、その後にmemEGFPを発現するマウス(pCA−tdTomato、−EGFP、Jackson)と組み合わせて、PLP−creERT2駆動マウスを使用する二重蛍光標識計画を用いる。乏突起膠細胞におけるタモキシフェンでの組み換えを誘導することによって、ミエリン形成を、memTomatoの不在でのmemEGFP陽性環の発現によって可視化し、定量化することができる。スクリーニングは、自動化した様式で経時的顕微鏡検査で実行され、完全なインキュベーションシステム内に封入されることになる。二重蛍光標識計画は、ミエリン形成の動力学および程度に対する影響を決定するための、定量化および分解能を可能にすることになる。二重蛍光標識計画を実施することによって、我々は、プロモーター駆動蛍光強度に基づいてこれらの工程を定量化し、経時的顕微鏡検査によって小分子および生物学的スクリーニングを開始することができる(図8)。蛍光強度における変化を試験し、定量化することによって、我々は、分化およびミエリン形成に対する影響を解決することができるはずである。概念の証明として、この目的において提案されるPLP−creERT2/pCA−tdTomato−EGFPレポーターマウスからのオリゴデンドログリアが、既にインビトロで単離、精製、分析されている(図8)。結果は、我々の仮説と一致し、本アプローチの有効性を説明する。
図8。OPCおよび乏突起膠細胞の二重蛍光標識の有用性を図示する概念証明実験。(a、b、およびd)DRGニューロン上で1mMタモキシフェン存在下で10日間培養したPLP/CreERT2XpCA−tdmTomato−mEGFPマウスからのOPC(赤色、Tomato)および乏突起膠細胞(緑色、EGFP)の蛍光顕微鏡画像。遺伝子導入のOPCを、野生型OPCと混合して、オリゴデンドログリアの疎標識を確立した。(cおよびd)ミエリン形成乏突起膠細胞(白色)を、MBPの免疫染色によって特定した。核(青色)を、DAPI染色によって示す。未熟OPC(白色矢印)は、EGFPおよびMBP染色の両方を欠いていることに留意すること。CおよびD上のEGFP陰性白色ミエリン分節は、培養に添加された野生型乏突起膠細胞に由来する。
我々のマイクロピラーの設計における優れた柔軟性および均一性は、一定かつ再現可能な実験的設計を保証する。96ウェル形式におけるスクリーニングを、定量化し、かつ単にオリゴデンドログリア上への直接的な影響に起因するとすることができる。二重蛍光標識計画を実施することによって、我々は、プロモーター駆動蛍光強度に基づいてミエリン形成の程度および動力学を定量化し、経時的顕微鏡検査によって小分子および生物学的製剤スクリーニングを開始することができる。本アプローチは、脱髄状態におけるミエリン再形成のための治療用分子および計画の特定への貴重な洞察を与えるであろう。
本発明を、その特定の実施形態に関して記載してきたが、当業者は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行う場合があり、等価物を置き換える場合があることを理解されたい。加えて、特定の状況、材料、物質の組成物、工程、工程段階、または複数の工程段階を、本発明の目的、精神、および範囲に適応させるために、多くの修正が行われる場合がある。全てのそのような修正は、本明細書に添付される特許請求の範囲内であることが意図される。

Claims (20)

  1. ミエリン形成を促進する候補薬剤をスクリーニングするための方法であって、
    候補薬剤を、複数のマイクロピラーを含む基板および乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)を用いてインキュベートすることと、
    前記複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在を判定することと、を含み、
    前記複数のマイクロピラーのミエリン形成の前記存在が、前記候補薬剤がミエリン形成を促進することを示し、
    前記複数のマイクロピラーが、前記基板から垂直に突出し、かつ前記基板に付着した前記マイクロピラーの基部から、前記基板から突出する前記マイクロピラーの先端部へと直径が先細になる形状を含むマイクロピラーを含む、方法。
  2. 前記基板が複数の室を含み、前記複数の室がそれぞれ複数のマイクロピラーおよび前記OPCを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記インキュベートすることが、複数の候補薬剤を、前記複数の室を含む前記基板および前記OPCを用いてインキュベートすることを含み、前記複数の室がそれぞれ異なる候補薬剤を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ミエリン形成の存在または不在を判定することが、OPCの乏突起膠細胞への分化をアッセイすることを含み、前記アッセイが、前記乏突起膠細胞による前記複数のマイクロピラーの鞘形成を検出することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ミエリン形成の存在もしくは不在を判定することが、前記OPCから発生した乏突起膠細胞による前記複数のマイクロピラーの同心巻き付きをアッセイすることを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ミエリン形成の存在もしくは不在を判定することが、ミエリン形成のレベルを判定することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記マイクロピラーが、10μm〜150μmの範囲の直径の基部、および0.1μm〜10μmの範囲の直径の先端部を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記マイクロピラーが、15μm〜50μmの範囲の前記先端部と前記基部との間の高さを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記形状が、円錐形状、円錐台形状、双円錐形状、または放物線形状を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記基部が25μm〜50μmの範囲の直径であり、前記先端部が1μm〜5μmの範囲の直径であり、前記先端部と前記基部との間の前記高さが25μm〜50μmの範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記複数の室がそれぞれ約10〜約200の前記マイクロピラーを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ミエリン形成を促進する候補薬剤をスクリーニングするためのシステムであって、
    複数のマイクロピラーを含む基板と、
    乏突起膠細胞の前駆細胞(OPC)と、を含み、
    前記複数のマイクロピラーが、前記基板から垂直に突出し、かつ前記基板に付着した前記マイクロピラーの基部から、前記基板から突出する前記マイクロピラーの先端部へと直径が先細になる形状を含むマイクロピラーを含む、システム。
  13. 前記マイクロピラーが、10μm〜150μmの範囲の直径の基部、および0.1μm〜10μmの範囲の直径の先端部を含む、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記マイクロピラーが、15μm〜50μmの範囲の前記先端部と前記基部との間の高さを含む、請求項12又は13に記載のシステム。
  15. 前記基板が複数の室を含み、前記複数の室が前記複数のマイクロピラーおよび前記OPCを含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. プロセッサと、
    前記プロセッサによって実行される際、前記プロセッサに、前記複数のマイクロピラー上のミエリン形成の存在もしくは不在、および/またはレベルを判定させる命令を含むメモリと、を更に含む、請求項12〜15のいずれか一項に記載のシステム。
  17. 前記基部が、25μm〜50μmの範囲の直径であり、前記先端部が1μm〜5μmの範囲の直径であり、頂部と前記基部との間の前記高さが25μm〜50μmの範囲である、請求項12〜16のいずれか一項に記載のシステム。
  18. 前記マイクロピラーが、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびシリカからなる群から選択される材料を含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載のシステム。
  19. 前記複数の室が約10〜約200の前記マイクロピラーをそれぞれ含む、請求項13〜18のいずれか一項に記載のシステム。
  20. 前記形状が、円錐形状、円錐台形状、双円錐形状、または放物線形状を含む、請求項12〜19のいずれか一項に記載のシステム。
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