本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり;
Yは、OまたはNHであり;
R
1、R
2、およびR
3は、それぞれ独立に、水素、(C
1−C
4)アルコキシ、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−、ハロ(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヒドロキシ(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、R
aO(O)CNH(C
1−C
4)アルキル−、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C
1-C
4)アルキル−、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、ハロゲン、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−C(O)NR
aNR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−NR
aNR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)R
b、−NR
aNR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)OR
a、−OR
a、-OC(O)R
a、および−OC(O)NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、各(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、(C
1−C
4)アルキル、シアノ、(C
1−C
4)アルコキシ、−NR
aR
bまたは−CO
2R
aによって、1、2、または3回置換されていてもよく;
R
4は、水素、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−NR
aR
b、ハロ(C
1−C
3)アルキル、およびヒドロキシ(C
1−C
3)アルキルからなる群から選択され;
R
5は、(C
4−C
8)アルキル、(C
3−C
8)アルコキシ、(C
4−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、および−NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、前記(C
4−C
8)アルキル、(C
3−C
8)アルコキシ、(C
4−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、−OR
a、−NR
aR
b、−NHCO
2R
a、ニトロ、(C
1−C
3)アルキル、R
aR
bN(C
1−C
3)アルキル−、R
aO(C
1−C
3)アルキル−、(C
3−C
8)シクロアルキル、シアノ、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−SO
2NR
aR
b、アリール、またはヘテロアリールによって、1、2、または3回置換されていてもよく;
R
6は、水素、ハロゲン、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、−B(OH)
2、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−C(O)NR
aNR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、R
aR
bN(C
1−C
4)アルキル−、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−NR
aNR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)R
b、−NR
aNR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)OR
a、−OR
a、−OC(O)R
a、および−OC(O)NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基は、独立に、R
c−(C
1−C
6)アルキル−O−、R
c−(C
1−C
6)アルキル−S−、R
c−(C
1−C
6)アルキル−、(C
1−C
4)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、ハロ(C
1−C
6)アルキル、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−OR
a、−OC(O)R
a、−OC(O)NR
aR
b、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、またはヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−によって、1、2、または3回置換されていてもよく;
各R
cは独立に、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、または−CO
2R
aであり;かつ
R
aおよびR
bは、それぞれ独立に、水素、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−、(C
3−C
10)シクロアルキル、(C
5−C
8)シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C
1−C
4)アルコキシ、アミノ、−NH(C
1−C
4)アルキル、−N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)アルキル、ハロ(C
1−C
4)アルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO
2H、−CO
2(C
1−C
4)アルキル、−CONH
2、−CONH(C
1−C
4)アルキル、−CON((C
1−C
4)アルキル)
2、−SO
2(C
1−C
4)アルキル、−SO
2NH
2、−SO
2NH(C
1−C
4)アルキル、または−SO
2N((C
1−C
4)アルキル)
2によって、1、2、または3回置換されていてもよく;
またはR
aおよびR
bは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を場合により含有してもよい5〜8員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C
1−C
4)アルキル、ハロ(C
1−C
4)アルキル、アミノ、−NH(C
1−C
4)アルキル、−N((C
1−C
4)アルキル)
2、ヒドロキシル、オキソ、(C
1−C
4)アルコキシ、または(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−によって、1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と場合により縮合されていてもよく;
またはR
aおよびR
bは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と場合により縮合されていてもよい6〜10員の架橋二環式環系を表す]
またはその薬学上許容される塩に関する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍の癌細胞においてアポトーシスを誘導し、固形腫瘍癌を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物と薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬製剤に関する。
別の態様では、癌細胞においてアポトーシスを誘導することによるなど、EZH2により媒介される障害の治療に使用するための薬剤の製造における、式(I)の化合物および/またはその薬学上許容される塩または溶媒和物の使用が提供される。
別の態様において、本発明は、EZH2により媒介される疾患の治療のための式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。本発明はさらに、EZH2により媒介される疾患の治療における有効治療物質としての式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、療法に使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
別の態様では、本発明の式(I)の化合物を他の有効成分とともに共投与する方法が提供される。
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり;
Yは、OまたはNHであり;
R
1、R
2、およびR
3は、それぞれ独立に、水素、(C
1−C
4)アルコキシ、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−、ハロ(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヒドロキシ(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、R
aO(O)CNH(C
1−C
4)アルキル−、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、ハロゲン、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−C(O)NR
aNR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−NR
aNR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)R
b、−NR
aNR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)OR
a、−OR
a、−OC(O)R
a、および−OC(O)NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、各(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、(C
1−C
4)アルキル、シアノ、(C
1−C
4)アルコキシ、−NR
aR
bまたは−CO
2R
aによって、1、2、または3回置換されていてもよく;
R
4は、水素、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−NR
aR
b、ハロ(C
1−C
3)アルキル、およびヒドロキシ(C
1−C
3)アルキルからなる群から選択され;
R
5は、(C
4−C
8)アルキル、(C
3−C
8)アルコキシ、(C
4−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、および−NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、前記(C
4−C
8)アルキル、(C
3−C
8)アルコキシ、(C
4−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、−OR
a、−NR
aR
b、−NHCO
2R
a、ニトロ、(C
1−C
3)アルキル、R
aR
bN(C
1−C
3)アルキル−、R
aO(C
1−C
3)アルキル−、(C
3−C
8)シクロアルキル、シアノ、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−SO
2NR
aR
b、アリール、またはヘテロアリールによって、1、2、または3回置換されていてもよく;
R
6は、水素、ハロゲン、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、−B(OH)
2、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、(C
6−C
10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C
1−C
4)アルキル−、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−C(O)NR
aNR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、R
aR
bN(C
1−C
4)アルキル−、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−NR
aNR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)R
b、−NR
aNR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aNR
aC(O)OR
a、−OR
a、−OC(O)R
a、および−OC(O)NR
aR
bからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基は、独立に、R
c−(C
1−C
6)アルキル−O−、R
c−(C
1−C
6)アルキル−S−、R
c−(C
1−C
6)アルキル−、(C
1−C
4)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、ハロ(C
1−C
6)アルキル、シアノ、−C(O)R
a、−CO
2R
a、−C(O)NR
aR
b、−SR
a、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、ニトロ、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−OR
a、−OC(O)R
a、−OC(O)NR
aR
b、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、またはヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−によって、1、2、または3回置換されていてもよく;
各R
cは独立に、−S(O)R
a、−SO
2R
a、−NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、または−CO
2R
aであり;かつ
R
aおよびR
bは、それぞれ独立に、水素、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−、(C
3−C
10)シクロアルキル、(C
5−C
8)シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリール(C
1−C
4)アルキル−、ヘテロアリール(C
1−C
4)アルキル−、またはヘテロアリールであり、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C
1−C
4)アルコキシ、アミノ、−NH(C
1−C
4)アルキル、−N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)アルキル、ハロ(C
1−C
4)アルキル、−CO
2H、−CO
2(C
1−C
4)アルキル、−CONH
2、−CONH(C
1−C
4)アルキル、−CON((C
1−C
4)アルキル)
2、−SO
2(C
1−C
4)アルキル、−SO
2NH
2、−SO
2NH(C
1−C
4)アルキル、または−SO
2N((C
1-C
4)アルキル)
2によって、1、2、または3回置換されていてもよく;
またはR
aおよびR
bは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を場合により含有してもよい5〜8員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C
1−C
4)アルキル、ハロ(C
1−C
4)アルキル、アミノ、−NH(C
1−C
4)アルキル、−N((C
1−C
4)アルキル)
2、ヒドロキシル、オキソ、(C
1−C
4)アルコキシ、または(C
1−C
4)アルコキシ(C
1−C
4)アルキル−によって、1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と場合により縮合されていてもよく;
またはR
aおよびR
bは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C
3−C
8)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と場合により縮合されていてもよい6〜10員の架橋二環式環系を表す]
またはその薬学上許容される塩に関する。
一実施形態では、本発明は、XがCHである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、XがNである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、YがNHである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、YがOである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、XがCHであり、かつ、YがNHである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、XがCHであり、かつ、YがOである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、XがNであり、かつ、YがNHである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、XがNであり、かつ、YがOである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1、R2、およびR3がそれぞれ独立に、水素、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル−、ハロ(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル(C1−C4)アルキル−、(C1−C4)アルキルO(O)CNH(C1−C4)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C1−C4)アルキル−、アリール、アリール(C1−C4)アルキル−、ヘテロアリール、およびヘテロアリール(C1−C4)アルキル−からなる群から選択され、ここで、各(C3−C8)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)アルキル、シアノ、(C1−C4)アルコキシ、−NH(C1−C4)アルキル、−N((C1−C4)アルキル)2、または−CO2(C1−C4)アルキルによって、1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R1、R2、およびR3がそれぞれ独立に、水素、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル−、ハロ(C1−C4)アルキル、およびヒドロキシ(C1−C4)アルキルからなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1およびR2がそれぞれ独立に(C1−C4)アルキルである式(I)の化合物に関する。
ある特定の実施形態では、本発明は、R1がメチルである式(I)の化合物に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、R2がメチルである式(I)の化合物に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、R1およびR2がそれぞれメチルである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R3が水素、(C1−C4)アルキル、またはアミノである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R3が水素、メチル、またはアミノである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R3が水素またはアミノである式(I)の化合物に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、R3が水素である式(I)の化合物に関する。別の特定の実施形態では、本発明は、R3がアミノである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R4が水素、(C1−C3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、ハロ(C1−C3)アルキル、およびヒドロキシ(C1−C3)アルキルからなる群から選択される式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R4が(C1−C3)アルキルまたはハロゲンである式(I)の化合物に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、R4がメチルまたは塩素である式(I)の化合物に関する。別の特定の実施形態では、本発明は、R4がメチルである式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が(C4−C8)アルキル、(C3−C8)アルコキシ、(C4−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、および−NRaRbからなる群から選択され、ここで、前記(C4−C8)アルキル、(C3−C8)アルコキシ、(C4−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、−ORa、−NRaRb、ニトロ、(C1−C3)アルキル、RaRbN(C1−C3)アルキル−、RaO(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、アリール、またはヘテロアリールによって、1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が(C3−C6)アルコキシ、(C3−C6)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、−NH((C3−C6)シクロアルキル)、−N((C1−C3)アルキル)((C3−C6)シクロアルキル)、−NH(ヘテロシクロアルキル)、および−N((C1−C3)アルキル)(ヘテロシクロアルキル)からなる群から選択され、いずれの前記(C3−C6)アルコキシ、(C3−C6)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、または(C3−C6)シクロアルキルも、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキル−、アミノ(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)NH(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)2N(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、またはヘテロアリールによって、1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が(C3−C6)アルコキシ、(C3−C8)シクロアルキルオキシ−、およびヘテロシクロアルキルオキシ−からなる群から選択され、そのそれぞれはヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、またはヘテロアリールによって置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が、独立にハロゲン、−ORa、−NRaRb、ニトロ、(C1−C3)アルキル、RaRbN(C1−C3)アルキル−、RaO(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、アリール、またはヘテロアリールによって1、2、または3回置換されていてもよい(C3−C6)シクロアルキルオキシ−である、式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R5が、独立にハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキル−、アミノ(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)NH(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)2N(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、またはヘテロアリールによって1または2回置換されていてもよい(C3−C6)シクロアルキルオキシ−である、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が、独立にハロゲン、−ORa、−NRaRb、ニトロ、(C1−C3)アルキル、RaRbN(C1−C3)アルキル−、RaO(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、アリール、またはヘテロアリールによって1、2、または3回置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ−である、式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R5が、独立にハロゲン、ヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキル−、アミノ(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)NH(C1−C3)アルキル−、((C1−C3)アルキル)2N(C1−C3)アルキル−、(C3−C8)シクロアルキル、シアノ、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、またはヘテロアリールによって1または2回置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ−である、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5がシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、およびテトラヒドロピラニルオキシからなる群から選択され、そのそれぞれはヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、またはピリミジニルによって置換されていてもよく、ここで、Raは(C1−C4)アルキルまたはフェニル(C1−C2)アルキルであり、かつ、Rbは水素または(C1−C4)アルキルである、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が−NRaRbである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R5が−NRaRbであり;Raはアゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはテトラヒドロピラニルであり、そのそれぞれは独立に(C1−C4)アルキルによって1または2回置換されていてもよく;かつRbは水素または(C1−C4)アルキルである、式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R5が−NRaRbであり;Raはシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、そのそれぞれはアミノ、−NH(C1−C4)アルキル、または−N((C1−C4)アルキル)2によって置換されていてもよく;かつRbは水素または(C1−C4)アルキルである、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R6が、水素、−SO2(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、フェニル、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は独立に(C1−C4)アルコキシ、−NRaRb、RaRbN(C1−C4)アルキル−、(C1−C4)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルによって1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R6が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルからなる群から選択される、ここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはトリアジニルは(C1−C4)アルコキシ、−NRaRb、RaRbN(C1−C4)アルキル−、(C1−C4)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルによって置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R6が、−NRaRbまたはRaRbN(C1−C4)アルキル−によって置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R6が、ハロゲン、(C1−C4)アルキル、または(C1−C4)アルコキシである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、R6がハロゲンである式(I)の化合物に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、R6がフッ素、塩素、または臭素である式(I)の化合物に関する。さらに具体的な実施形態では、本発明は、R6が塩素である式(I)の化合物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、
XがCHであり;
YがNHであり;
R1およびR2がそれぞれ独立に(C1−C4)アルキルであり;
R3が水素であり;
R4がメチルまたは塩素であり;
R5が(C3−C6)アルコキシ、(C3−C8)シクロアルキルオキシ−、およびヘテロシクロアルキルオキシ−からなる群から選択され、そのそれぞれはヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、またはヘテロアリールによって置換されていてもよく;かつ
R6はハロゲン、(C1−C4)アルキル、または(C1−C4)アルコキシである、
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、
XがCHであり;
YがNHであり;
R1およびR2がそれぞれ独立に(C1−C4)アルキルであり;
R3が水素であり;
R4がメチルまたは塩素であり;
R5がシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、およびテトラヒドロピラニルオキシからなる群から選択され、そのそれぞれはヒドロキシル、(C1−C3)アルコキシ、アミノ、−NH(C1−C3)アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、(C1−C3)アルキル、−CO2Ra、−C(O)NRaRb、−SO2NRaRb、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、またはピリミジニルによって置換されていてもよく;
R6がハロゲン、(C1−C4)アルキル、または(C1−C4)アルコキシであり;
Raが(C1−C4)アルキルまたはフェニル(C1−C2)アルキルであり;かつ
Rbが水素または(C1−C4)アルキルである、
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、
XがCHであり;
YがNHであり;
R1およびR2がそれぞれ独立に(C1−C4)アルキルであり;
R3が水素であり;
R4がメチルまたは塩素であり;
R5が−NRaRbであり;
R6がハロゲン、(C1−C4)アルキル、または(C1−C4)アルコキシであり;
Raがアゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはテトラヒドロピラニルであり、そのそれぞれは独立に(C1−C4)アルキルによって1または2回置換されていてもよく;かつ
Rbが水素または(C1−C4)アルキルである、
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、
XがCHであり;
YがNHであり;
R1およびR2がそれぞれ独立に(C1−C4)アルキルであり;
R3が水素であり;
R4がメチルまたは塩素であり;
R5が−NRaRbであり;
R6がハロゲン、(C1−C4)アルキル、または(C1−C4)アルコキシであり;
Raがシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、そのそれぞれはアミノ、−NH(C1−C4)アルキル、または−N((C1−C4)アルキル)2によって場合により置換されていてもよく;かつ
Rbが水素または(C1−C4)アルキルである、
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
本発明の具体的な化合物としては、
4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド;
3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド;
4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアミド;
((1r,4r)−4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル;
3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)ベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチルベンズアミド;
5−ブロモ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
N−((5−アミノ−2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ブロモ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
5−ブロモ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;および
N−((5−アミノ−2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ブロモ−3−(エチル((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−2−メチルベンズアミド;
またはそれらの薬学上許容される塩が含まれる。
絶対的ではないが一般に、本発明の塩は薬学上許容される塩である。塩基性アミンまたは他の塩基性官能基を含有する開示の化合物の塩は、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸または桂皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸で処理することを含む、当技術分野で公知の任意の好適な方法によって作製することができる。薬学上許容される塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブトレート(phenylbutrates)、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、マンデル酸塩、およびスルホン酸塩(キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩およびナフタレン−2−スルホン酸塩が含まれる。
カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることにより作製することができる。このような薬学上許容される塩は、薬学上許容される陽イオンを与える塩基を伴って形成される得るものであり、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩、ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、ならびにリシンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸といった生理学的に許容される有機塩基から作製される塩が含まれる。
薬学上許容されない他の塩も本発明の化合物の製造に有用である場合があり、これらは本発明のさらなる態様をなすと考えられるべきである。シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などのこれらの塩は、それら自体は薬学上許容されるものではないが、本発明の化合物およびそれらの薬学上許容される塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に有用であり得る。
式(I)の化合物またはその塩は、立体異性形(例えば、それは1以上の不斉炭素原子を含有する)で存在し得る。個々の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、式(I)の化合物または塩は、式で示される以外の互変異性形で存在してもよく、これらも本発明の範囲内に含まれると理解される。本発明は、本明細書の上記で定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、ならびに精製された鏡像異性体または鏡像異性体的/ジアステレオマー的に富化された混合物を含む。本発明は以上に定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。
本発明はまた、1以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換わっているということ以外は、式(I)および下記に挙げられたものと同一である同位体標識化合物も含む。本発明の化合物およびそれらの薬学上許容される塩に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iが挙げられる。
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および前記化合物の薬学上許容される塩は、本発明の範囲内である。同位体で標識された本発明の化合物、例えば、3Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬剤および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、3H同位体および炭素−14、すなわち、14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影)において特に有用であり、総て脳撮像において有用である。さらに、重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体による置換により、より大きい代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増大または用量要求の低減から生じる特定の治療利益を得ることができ、それ故、状況によっては好ましいことがある。本発明の式(I)および下記の同位体標識化合物は一般に、以下のスキームおよび/または実施例で開示された手順を実施することにより、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手し得る同位体標識試薬を用いることによって製造可能である。
本発明はさらに、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩と1以上の賦形剤(薬学分野において担体および/または希釈剤とも呼ばれる)とを含んでなる医薬組成物(医薬処方物とも呼ばれる)を提供する。賦形剤は、その処方物の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエント(すなわち、患者)に有害でないという意味で薬学上許容される。
好適な薬学上許容される賦形剤は、選択される特定の投与形によって異なる。さらに、好適な薬学上許容される賦形剤は、その組成物中で役立ち得る特定の機能に関して選択されてもよい。例えば、ある特定の薬学上許容される賦形剤は、均一な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学上許容される賦形剤は、安定な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学上許容される賦形剤は、ひと度患者に投与された本発明の1または複数の化合物の、ある器官または身体部分から別の器官または身体部分への運搬または輸送を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学上許容される賦形剤は、患者のコンプライアンスを向上させるそれらの能力に関して選択されてよい。
好適な薬学上許容される賦形剤には、下記の種類の賦形剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、湿潤剤(hemectants)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、および緩衝剤が含まれる。当業者ならば、ある種の薬学上許容される賦形剤は2つ以上の機能を果たす場合があり、どれくらいの量の賦形剤がその処方物中に存在するか、他のどんな成分がその処方物中に存在するかによって選択的機能を果たし得ることを認識するであろう。
当業者ならば、本発明において使用するための適当な量の好適な薬学上許容される賦形剤を選択できるだけの当技術分野の知識および技能を持っている。さらに、薬学上許容される賦形剤を記載し、好適な薬学上許容される賦形剤を選択する上で有用となり得る、当業者に利用可能な多くの情報源が存在する。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野で慣用される方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形であり得る。このような単位は、式(I)の化合物もしくはその塩の治療上有効な量、または所望の治療上有効な量を達成するために所与の時点で複数の単位投与形が投与され得るような治療上有効な量の画分を含有してよい。好ましい単位用量処方物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば有効成分を1または複数の賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
経口投与に適合される場合、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションであり得る。本発明の化合物もしくはその塩、または本発明の医薬組成物はまた、「速溶性」医薬として投与するために、キャンディ、ウエハース、および/またはタンテープ(tongue tape)処方物中に配合してもよい。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与の場合、有効薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの経口用非毒性の薬学上許容される不活性担体と組み合わせてもよい。散剤または顆粒剤は、化合物を適切な微細サイズに粉砕し、例えばデンプンまたはマンニトールのような可食炭水化物などの医薬担体を同様に粉砕したものと混合することによって調製される。香味剤、保存剤、分散剤、および着色剤も存在してよい。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチンまたは非ゼラチン系の剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加すすることができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、およびアルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア糊、またはセルロース系もしくはポリマー材料の溶液などの結合剤を湿らせ、スクリーンに通すことによって造粒することができる。造粒の別法として、粉末混合物を打錠機にかけることができるが、その結果、形成の不完全なスラッグが崩壊して顆粒となる。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油の添加により、錠剤成形鋳型への粘着を防ぐように滑沢化することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物または塩は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる半透明の保護コーティングを提供することができる。異なった用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の有効成分を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本発明の化合物またはその塩を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本発明の化合物または塩を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、天然甘味剤、サッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
必要に応じて、経口投与のための単位投与処方物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
本発明においては、錠剤およびカプセル剤が医薬組成物の送達のために好ましい。
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩と少なくとも1種類の賦形剤とを混合(または混入)することを含んでなる、医薬組成物の調製方法が提供される。
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける治療の方法を提供する。本発明の化合物および組成物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用される。本明細書で提供される方法および組成物により治療され得る病的状態には、限定されるものではないが、癌(以下にさらに述べる)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、限定されるものではないが、手術、血管形成術などを含む医療行為後に誘発される増殖などが含まれる。細胞は過増殖状態でも低増殖状態(異常な状態)でないと考えられてもなお治療が必要な場合があると認識される。例えば、創傷治癒中、細胞は「正常に」増殖しているといえるが、増殖の促進が望ましいと考えられる。よって、一実施形態では、本発明は、これらの障害または状態のいずれか1つに罹患したまたは罹患しようとしている細胞または患者への適用を含む。
本明細書で提供される組成物および方法は、特に、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、皮膚癌、子宮頸癌、精巣癌などの腫瘍を含む癌の治療に有用であると思われる。それらは特に転移性または悪性腫瘍の治療に特に有用である。より詳しくは、本発明の組成物および方法により治療可能な癌としては、限定されるものではないが、星状細胞癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、喉頭癌、肺癌、経口癌、卵巣癌、前立腺癌および甲状腺癌および肉腫などの腫瘍種が含まれる。より具体的には、これらの化合物は、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化管:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質性細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞性腺腫、血管腫;胆道:胆嚢癌、乳頭部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫および巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸(子宮頸癌、腫瘍前子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌);血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子(moles)異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽細胞腫を治療するために使用することができる。よって、本明細書に示される「癌性細胞」という用語は、上記で特定された病態のいずれか1つの侵された、または関連する細胞を含む。
本化合物は、他の治療薬、特に、本化合物の活性を増強するまたは消失時間を延長する薬剤と組み合わせるか、または共投与することができる。本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と少なくとも1つの他の治療方法の使用を含んでなる。一実施形態では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と外科的療法を含んでなる。一実施形態では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と放射線療法を含んでなる。一実施形態では、本発明によれば組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの支持療法剤(例えば、少なくとも1つの制吐薬)の投与を含んでなる。一実施形態では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの他の化学療法薬の投与を含んでなる。ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの抗新生物薬の投与を含んでなる。さらに別の実施形態では、本発明は、本開示のEZH2阻害剤はそれら自体、活性または有意に活性はないが、単独療法として活性があってもなくてもよい別の療法と組み合わせた際に、その組合せが有用な治療転帰を与える療法計画を含んでなる。
用語「共投与する」およびその派生語は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載のEZH2阻害化合物と、化学療法および放射線療法を含む癌治療において有用であることが知られているさらなる1または複数の有効成分との同時投与またはいずれかの個別逐次投与様式を意味する。さらなる1または複数の有効成分という用語は、本明細書で使用する場合、癌治療を必要とする患者に投与した際に有利な特性を示すことが知られる、または示す任意の化合物または治療薬を含む。好ましくは、投与が同時でない場合、これらの化合物は互い近接した時間に投与される。さらに、化合物が同じ投与形で投与されるかどうかは問われず、例えば、ある化合物を局所投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
一般に、治療される感受性腫瘍に対して活性を有する抗新生物薬が、本発明において特定の癌の治療に共投与され得る。このような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita and S. Hellman (編), 第6版(2001年2月15日),Lipponcott Williams & Wilkins Publishersに見出せる。関与する薬物および癌の特定の特性に基づいて、薬剤のどの組合せが有用であるかを識別することができる。本発明において有用である典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサアザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、およびトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;プリンおよびピリミジン類似体および抗葉酸化合物などの代謝拮抗剤;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ホルモンおよびホルモン類似体;アザシチジンおよびデシタビンなどのDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療薬;アポトーシス促進剤;ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤が挙げられる。
一般に、治療される感受性新生物に対して活性を有する任意の化学療法薬は、特定の薬剤が本発明の化合物を使用する療法に臨床上適合する限り、本発明の化合物と組み合わせて使用してよい。本発明において有用な典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、細胞分裂抑制薬、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、ホルモンおよびホルモン類似体;レチノイド、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞増殖または増殖因子機能の阻害剤、血管新生阻害剤、およびセリン/トレオニンまたは他のキナーゼ阻害剤を含むシグナル伝達経路阻害剤;サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;モノクローナル、ワクチンまたは他の生物薬剤を含む、アンチセンス療法および免疫治療薬が挙げられる。
ヌクレオシド類似体は、デオキシヌクレオチド三リン酸に変換され、複製中のDNAにシトシンの代わりに組み込まれる化合物である。DNAメチルトランスフェラーゼは、修飾された塩基に共有結合して、不活性な酵素およびDNAメチル化の低下をもたらす。ヌクレオシド類似体の例としては、骨髄異形成障害の治療に使用されるアザシチジンおよびデシタビンが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤としては、皮膚T細胞リンパ腫の治療のためのボリノスタットが含まれる。HDACは、ヒストンの脱アセチル化を介してクロマチンを修飾する。さらに、HDACは、多くの転写因子およびシグナル達分子を含む多様な基質を有する。他のHDAC阻害剤も開発中である。
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学プロセスを遮断または阻害する阻害剤である。本明細書で使用する場合、この変化は細胞増殖または分化または生存である。本発明において有用なシグナル伝達阻害剤としては、限定されるものではないが、受容体チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ、ミオイノシトールシグナル伝達およびRas癌遺伝子の阻害剤が含まれる。シグナル伝達経路阻害剤は、上記の組成物および方法において本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。
受容体キナーゼ血管新生阻害剤はまた、本発明において使用が見出せる。VEGFRおよびTIE−2に関連する血管新生の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤に関して上記で述べられている(療法とも受容体チロシンキナーゼ)。他の阻害剤も本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、そのリガンドと結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(αvβ3)の小分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンジオスタチン(非RTK)も本発明の化合物と組み合わせた場合に有用であるといえる。VEGFR抗体の一例は、ベバシズマブ(アバスチン(AVASTIN)(商標))。
増殖因子受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアプタマーが含まれる。これらの増殖因子受容体阻害剤はいずれも、本明細書に記載の組成物および方法/使用のいずれにおいても本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(商標))は、増殖因子機能の抗erbB2抗体阻害剤の一例である。増殖因子機能の抗erbB1抗体阻害剤の一例は、セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標)、C225)である。ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(商標))は、VEGFRに対するモノクローナル抗体の一例である。上皮細胞増殖因子受容体の小分子阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ラパチニブ(Tykerb(商標))およびエルロチニブ(タルセバ(TARCEVA)(商標))が挙げられる。メシル酸イマチニブ(グリベック(GLEEVEC)(商標))は、PDGFR阻害剤の一例である。VEGFR阻害剤の例としては、パゾパニブ(ボトリエント(Votrient)(商標))、ZD6474、AZD2171、PTK787、スニチニブおよびソラフェニブが挙げられる。
微小管阻害剤または有糸分裂阻害剤は、細胞周期のM期、すなわち有糸分裂期の間に腫瘍細胞の微小管に対して活性である細胞周期特異的薬剤である。微小管阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられる。
ジテルペノイドは、天然源に由来し、細胞周期のG2/M期に作用する細胞周期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管のβ−チューブリンサブユニットと結合することによりこのタンパク質を安定化させると考えられている。その後タンパク質の分解が阻害され、有糸分裂が停止し、細胞死をたどると思われる。ジテルペノイドの例としては、限定されるものではないが、パクリタキセルおよびその類似体であるドセタキセルが挙げられる。
パクリタキセル、5β,20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサ−ヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4,10−ジアセテート2−ベンゾエートの(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンとの13−エステルは、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)から単離された天然ジテルペン生成物であり、注射液タキソール(TAXOL)(商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。パクリタキセルは、1971年にWaniら(J. Am. Chem, Soc., 93:2325. 1971)によって初めて単離され、化学法およびX線結晶学的方法によってその構造が同定された。その活性の1つの機構は、パクリタキセルの、チューブリンと結合し、それにより癌細胞増殖を阻害する能力に関連している。Schiff et al., Proc. Natl, Acad, Sci. USA, 77:1561-1565 (1980); Schiff et al., Nature, 277:665-667 (1979); Kumar, J. Biol, Chem, 256: 10435-10441 (1981)。いくつかのパクリタキセル誘導体の合成および抗癌活性に関する総説としては、D. G. I. Kingston et al., Studies in Organic Chemistry vol. 26, “New trends in Natural Products Chemistry 1986”, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne編(Elsevier, Amsterdam, 1986) pp 219-235を参照。
パクリタキセルは、米国における難治性卵巣癌の治療における臨床使用(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991; McGuire et al., Ann. lnt, Med., 111:273,1989)および乳癌の治療(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)に承認されている。パクリタキセルは、皮膚における新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)および頭頸部癌(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の治療のための潜在的候補である。またこの化合物は、多発性嚢胞腎疾患(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺癌、およびマラリアの治療にも可能性を示している。パクリタキセルで患者を治療すると、閾値濃度(50nM)を超える投与期間に関連して(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)、骨髄抑制が起こる(複数の細胞系譜、Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)。
ドセタキセル、(2R,3S)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステルの5β−20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4−アセテート2−ベンゾエートとの13−エステルの三水和物は、注射液としてタキソテール(TAXOTERE)(商標)として市販されている。ドセタキセルは、乳癌の治療に指示される。ドセタキセルは、ヨーロッパイチイの針葉から抽出した天然の前駆物質10−デアセチル−バッカチンIIIを使用して製造された、パクリタキセル(前項参照)の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量制限毒性は好中球減少である。
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。ビンカアルカロイドは、チューブリンと特異的に結合することによって細胞周期のM期(有糸分裂)に作用する。その結果、結合されたチューブリン分子は、重合して微小管になることができない。有糸分裂は中期で停止し、細胞死をたどると考えられている。ビンカアルカロイドの例としては、限定されるものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられる。
ビンブラスチン、硫酸ビンカロイコブラスチンは、注射液としてベルバン(VELBAN)(商標)として市販されている。ビンブラスチンは、種々の固形腫瘍の第二選択療法として指示される可能性があるが、精巣癌、ならびにホジキン病、リンパ球性および組織球性リンパ腫を含む種々のリンパ腫の治療に主として指示される。骨髄抑制がビンブラスチンの用量制限副作用である。
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチンの22−オキソ−硫酸塩は、注射液としてオンコビン(ONCOVIN)(商標)として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療に指示されており、ホジキンおよび非ホジキン悪性リンパ腫の治療計画の中でも使用されている。脱毛および神経学的作用がビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、程度は低いが、骨髄抑制および胃腸粘膜炎作用が生じる。
酒石酸ビノレルビンの注射液(ナベルビン(NAVELBINE)(商標))として市販されているビノレルビン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R*,R*)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単剤として、またはシスプラチンなどの他の化学療法薬と組み合わせて、種々の固形腫瘍、特に、非小細胞肺癌、進行性乳癌、およびホルモン不応性前立腺癌の治療に指示される。骨髄抑制がビノレルビンの最も一般的な用量制限副作用である。
白金配位錯体は、非細胞周期特異的抗癌剤であり、DNAと相互作用する。白金錯体は、腫瘍細胞に侵入し、アクア化を受け、DNAとの鎖内架橋および鎖間架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的作用を引き起こす。白金配位錯体の例としては、限定されるものではないが、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられる。
シスプラチン、シス−ジアンミンジクロロ白金は、注射液としてプラチノール(PLATINOL)(商標)として市販されている。シスプラチンは、主として転移性の精巣癌および卵巣癌ならびに進行性膀胱癌の治療に指示される。シスプラチンの主な用量制限副作用は、腎毒性(水分補給と利尿により管理可能)、および耳毒性である。
カルボプラチン、ジアンミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシレート(2−)−O,O’]白金は、注射液としてパラプラチン(PARAPLATIN)(商標)として市販されている。カルボプラチンは、主として進行性卵巣癌の第一選択および第二選択治療に指示される。骨髄抑制がカルボプラチンの用量制限毒性である。
アルキル化剤は、非細胞周期特異的抗癌剤(non-phase anti-cancer specific agents)であり、かつ、強力な求電子試薬である。一般に、アルキル化剤は、アルキル化によって、リン酸基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を介してDNAと共有結合を形成する。このようなアルキル化によって核酸機能が破壊され細胞死に至る。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロ尿素;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられる。
シクロホスファミド、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキシアザホスホリン2−オキシド一水和物は、注射液または錠剤としてシトキサン(CYTOXAN)(商標)として市販されている。シクロホスファミドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および白血病の治療に指示される。脱毛、悪心、嘔吐および白血球減少がシクロホスファミドの最も一般的な用量制限副作用である。
メルファラン、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注射液または錠剤としてアルケラン(ALKERAN)(商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫および切除不能な卵巣上皮癌の待期療法に指示される。骨髄抑制がメルファランの最も一般的な用量制限副作用である。
クロラムブシル、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、ロイケラン(LEUKERAN)(商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、ならびにリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ腫、およびホジキン病などの悪性リンパ腫の待期療法に指示される。骨髄抑制がクロラムブシルの最も一般的な用量制限副作用である。
ブスルファン、ジメタンスルホン酸1,4−ブタンジオールは、マイレラン(MYLERAN)(商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の待期療法に指示される。骨髄抑制がブスルファンの最も一般的な用量制限副作用である。
カルムスチン、1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素は、BiCNU(商標)として凍結乾燥物質の単一バイアルとして市販されている。カルムスチンは、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫用に、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、待期療法に指示される。遅発性骨髄抑制がカルムスチンの最も一般的な用量制限副作用である。
ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、材料の単一バイアルとしてDTIC−Dome(商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療、および他の薬剤と組み合わせてホジキン病の第二選択治療に指示される。悪心、嘔吐、および食欲不振がダカルバジンの最も一般的な用量制限副作用である。
抗生物質系抗新生物薬は、非細胞周期特異的薬剤であり、DNAと結合するかまたはDNAにインターカレートする。一般に、このような作用によって安定なDNA複合体かまたは鎖の切断が生じ、それにより核酸の通常機能が乱れ、細胞死に至る。抗生物質系抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントロサイクリン;ならびにブレオマイシンが挙げられる。
ダクチノマイシンは、アクチノマイシンDとしても知られ、注射液の形態でコスメゲン(COSMEGEN)(商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療に指示される。悪心、嘔吐および食欲不振がダクチノマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ダウノルビシン、(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソーム注射形態としてダウノキソーム(DAUNOXOME)(商標)として、または注射液としてセルビジン(CERUBIDINE)(商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病および進行性HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解導入に指示される。骨髄抑制がダウノルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ドキソルビシン、(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル,7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、注射可能な形態としてルベックス(RUBEX)(商標)またはアドリアマイシンRDF(ADRIAMYCIN RDF)(商標)として市販されている。ドキソルビシンは、主として急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病の治療に指示されるが、いくつかの固形腫瘍およびリンパ腫の治療における有用成分でもある。骨髄抑制がドキソルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
ブレオマイシン、ストレプトミセス・ヴェルチシルス(Streptomyces verticillus)の株から単離された細胞傷害性グリコペプチド系抗生物質の混合物は、ベレノキサン(BLENOXANE)(商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮癌、リンパ腫、および精巣癌の待期療法に指示される。肺毒性および皮膚毒性がブレオマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
トポイソメラーゼII阻害剤としては、限定されるものではないが、エピポドフィロトキシンが挙げられる。
エピポドフィロトキシンは、マンドレイク植物由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。エピポドフィロトキシンは、一般に、トポイソメラーゼIIとDNAとの三元複合体を形成してDNA鎖の切断を引き起こすことによって、細胞周期のS期およびG2期において細胞に影響を及ぼす。この鎖切断が蓄積し、細胞死をたどる。エピポドフィロトキシンの例としては、限定されるものではないが、エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。
エトポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液またはカプセル剤としてベプシド(VePESID)(商標)として市販されており、一般にVP−16として知られている。エトポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、精巣癌および非小細胞肺癌の治療に指示される。骨髄抑制がエトポシドの最も一般的な副作用である。白血球減少の発生率の方が、血小板減少(leukopenialeukopenia)よりも重大となる傾向がある。
テニポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−テニリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液としてブモン(VUMON)(商標)として市販されており、一般にVM−26として知られている。テニポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、小児における急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制がテニポシドの最も一般的な用量制限副作用である。テニポシドは、白血球減少(leukopenialeukopenia)および血小板減少の両方を誘発し得る。
代謝拮抗性抗新生物薬は、DNA合成を阻害すること、またはプリンもしくはピリミジン塩基の合成を阻害し、それによりDNA合成を制限することによって細胞周期のS期(DNA合成)に作用する、細胞周期特異的抗新生物薬である。その結果、S期は進行せず、細胞死をたどる。代謝拮抗性抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メカプトプリン(mecaptopurine)、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられる。
5−フルオロウラシル、5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5−フルオロウラシルを投与すると、チミジル酸合成が阻害され、またRNAおよびDNAの両方に組み込まれる。その結果は一般に細胞死である。5−フルオロウラシルは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、乳癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、および膵癌の治療に指示される。骨髄抑制および粘膜炎が5−フルオロウラシルの用量制限副作用である。他のフルオロピリミジン類似体としては、5−フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)および5−フルオロデオキシウリジン一リン酸が挙げられる。
シタラビン、4−アミノ−1−β−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、シトサール−U(CYTOSAR-U)(商標)として市販されており、一般にAra−Cとして知られている。シタラビンは、成長中のDNA鎖へのシタラビンの末端組み込みによってDNA鎖の伸長を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示すと考えられている。シタラビンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。他のシチジン類似体としては、5−アザシチジンおよび2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。シタラビンは、白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および粘膜炎を誘発する。
メルカプトプリン、1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、プリントール(PURINETHOL)(商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。メルカプトプリンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制および胃腸粘膜炎が、高用量のメルカプトプリンの副作用と予想される。有用なメルカプトプリン類似体はアザチオプリンである。
チオグアニン、2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、タブロイド(TABLOID)(商標)として市販されている。チオグアニンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。チオグアニンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制がチオグアニン投与の最も一般的な用量制限副作用である。しかしながら、消化管副作用も起こり、用量制限となり得る。他のプリン類似体としては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビンが挙げられる。
ゲムシタビン、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩(β−異性体)は、ジェムザール(GEMZAR)(商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期にて、またG1/S境界を通る細胞の進行を遮断することによって、細胞期特異性を示す。ゲムシタビンは、シスプラチンと組み合わせて局所進行性非小細胞肺癌の治療に指示され、また単独で局所進行性膵癌の治療に指示される。白血球減少(leukopenialeukopenia)、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制が、ゲムシタビン投与の最も一般的な用量制限副作用である。
メトトレキサート、N−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキサートナトリウムとして市販されている。メトトレキサートは、プリンヌクレオチドおよびチミジル酸の合成に必要とされるジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害を介して、DNAの合成、修復、および/または複製を阻害することによって、特にS期に細胞周期作用を示す。メトトレキサートは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、絨毛癌、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、ならびに乳癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、および膀胱癌の治療に指示される。骨髄抑制(白血球減少、血小板減少、および貧血)および粘膜炎が、メトトレキサート投与の予想される副作用である。
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手可能または開発中である。カンプトテシン細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。カンプトテシンの例としては、限定されるものではないが、イリノテカン、トポテカン、および下記の7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学形態が挙げられる。
イリノテカンHCl、(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン塩酸塩は、注射液カンプトサール(CAMPTOSAR)(商標)として市販されている。
イリノテカンは、その活性代謝物SN−38とともにトポイソメラーゼI−DNA複合体と結合する、カンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリンテカンまたはSN−38の三元複合体と複製酵素との相互作用により引き起こされる回復不能な二本鎖切断の結果として生じると考えられている。イリノテカンは、結腸または直腸の転移性癌の治療に指示される。イリノテカンHClの用量制限副作用は、好中球減少を含む骨髄抑制、および下痢を含むGI作用である。
トポテカンHCl、(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオン一塩酸塩は、注射液ハイカムチン(HYCAMTIN)(商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI−DNA複合体と結合して、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断の再連結を妨げるカンプトテシンの誘導体である。トポテカンは、転移性の卵巣癌および小細胞肺癌の第二選択治療に指示される。トポテカンHClの用量規制副作用は、骨髄抑制、主に好中球減少である。
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供され得る。このような単位は、治療される病態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態によって、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mgの式(I)の化合物を含有してよく、または医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供してもよい。好ましい単位用量組成物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば式(I)(formal (I))の化合物を1または複数の担体または賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
経口投与に適合した医薬組成物は、カプセル剤または錠剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供され得る。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチン剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加すすることができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油の添加により造粒することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明の保護コーティングを提供することができる。異なった単位用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の式(I)の化合物を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本化合物を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本化合物を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、または天然甘味剤、またはサッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
必要に応じて、経口投与のための単位投与医薬組成物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
直腸投与に適合した医薬組成物は、坐剤または浣腸として提供してよい。
膣投与に適合した医薬組成物は、膣坐剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物として提供してよい。
非経口投与に適合した医薬処方物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤および組成物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性無菌注射液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。これらの医薬組成物は単位用量または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供されてよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
本医薬組成物は、特に上述した成分の他、対象とする処方物のタイプに関して当技術分野で慣例の他の薬剤を含んでよく、例えば、経口投与に好適なものは香味剤を含んでよいと理解されるべきである。
本発明の化合物の治療上有効な量は、例えば、意図するレシピエントの年齢および体重、治療を必要とする厳密な病態およびその重篤度、処方物の性質、および投与経路を含むいくつかの因子によって異なり、最終的には投薬を支持する担当者の裁量にある。しかしながら、貧血治療のための有効量の式(I)の化合物は一般に、0.001〜100mg/kgレシピエント体重/日の範囲、好適には0.01〜10mg/kg体重/日の範囲である。70kgの成体哺乳動物では、1日当たりの実際の量は好適には7〜700mgであり、この量は1日当たり単回用量で与えられてよく、合計一日用量が同じとなるように1日当たり数回(例えば、2回、3回、4回、5回または6回)の分割用量で与えられてよい。有効量の塩または溶媒和物などは、式(I)の化合物自体の有効量の割合として決定され得る。上記に挙げられた他の症状の治療にも同様の用量が適当であることが想定される。
定義
用語はそれらの許容される意味の範囲内で使用される。以下の定義は、定義された用語を限定するのではなく、明らかにすることを意味する。
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」は、明示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖または分岐型炭化水素部分を表す。用語「(C1−C6)アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル部分を意味する。例示的アルキルとしては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。
「ハロ(C1−C4)アルキル」、「ヒドロキシ(C1−C4)アルキル」または「アリール(C1−C4)アルキル−」など、用語「アルキル」が、他の置換基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキル」は、二価の直鎖または分岐鎖炭化水素基を包含することが意図され、その結合点はアルキル部分を介する。用語「ハロ(C1−C4)アルキル」は、直鎖または分岐鎖炭素基である1〜4個の炭素原子を含有するアルキル部分の1以上の炭素原子において、同じであっても異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を有する基を有する基を意味することを意図する。本発明において有用な「ハロ(C1−C4)アルキル」基の例は、限定されるものではないが、−CF3(トリフルオロメチル)、−CCl3(トリクロロメチル)、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、およびヘキサフルオロイソプロピルが含まれる。本発明において有用な「アリール(C1−C4)アルキル−」基の例としては、限定されるものではないが、ベンジル(フェニルメチル)、1−メチルベンジル(1−フェニルエチル)、1,1−ジメチルベンジル(1−フェニルイソプロピル)、およびフェネチル(2−フェニルエチル)が含まれる。本発明において有用な「ヒドロキシ(C1−C4)アルキル」基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、およびヒドロキシイソプロピルが含まれる。
「アルコキシ」は、酸素架橋原子を介して結合された、上記で定義されるアルキル基を含有する基を意味する。用語「(C1−C4)アルコキシ」は、酸素架橋原子を介して結合された、少なくとも1個および最大4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。本発明において有用な「(C1−C4)アルコキシ」基の例は、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。
用語「アルケニル」(または「アルケニレン」)が使用される場合、それは明示された数の炭素原子と少なくとも1個および最大5個の炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または分岐型炭化水素鎖を意味する。例としては、エテニル(またはエテニレン)およびプロペニル(またはプロペニレン)が含まれる。
用語「アルキニル」(または「アルキニレン」)が使用される場合、それは明示された数の炭素原子と少なくとも1個および最大5個の炭素−炭素三重結合を含有する直鎖または分岐型炭化水素鎖を表す。例としては、エチニル(またはエチニレン)およびプロピニル(またはプロピニレン)が含まれる。
「シクロアルキル」が使用される場合、それは明示された数の炭素原子を含有する非芳香族、飽和、環式炭化水素環を表す。従って、例えば、用語「(C3−C8)シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する非芳香族環式炭化水素環を意味する。本発明において有用な「(C3−C8)シクロアルキル」基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。
本明細書において使用する場合、用語「シクロアルケニル」は、明示された数の炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する非芳香族、環式炭化水素環を意味する。用語「(C5−C8)シクロアルケニル」は、5〜8個の環炭素原子を有する非芳香族環式炭化水素環を意味する。本発明において有用な「(C5−C8)シクロアルケニル」基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが含まれる。
本明細書おいて使用する場合、用語「シクロアルキルオキシ−」は、酸素架橋原子を介して結合された、上記で定義されるシクロアルキル基を含有する基を意味する。本発明において有用な「(C3−C8)シクロアルキルオキシ−」基の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、およびシクロオクチルオキシが含まれる。
本明細書において使用する場合、用語「ビシクロアルキル」は、明示された数の炭素原子を含有する飽和、架橋、縮合、またはスピロ、二環式炭化水素環系を意味する。「(C6−C10)ビシクロアルキル」の例としては、限定されるものではないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、およびスピロ[4.5]デシルが含まれる。
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨード置換基を表す。「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を意味することを意図する。
「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素および硫黄(N−オキシド、硫黄オキシド、およびジオキシドを含む)から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含む3〜10個の環原子を含有する飽和または部分不飽和の非芳香族、一価単環式または二環式基を含んでなる基または部分を表す。本発明において有用なヘテロシクロアルキルの具体例としては、限定されるものではないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−オキサチオラニル、1,3−オキサチアニル、1,3−ジチアニル、1,4−ジチアニル、ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピニル、アザビシロ(azabicylo)[3.2.1]オクチル、アザビシロ(azabicylo)[3.3.1]ノニル、アザビシロ(azabicylo)[4.3.0]ノニル、オキサビシロ(oxabicylo)[2.2.1]ヘプチル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラニル、および1,5,9−トリアザシクロドデシルが含まれる。
本明細書において使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキルオキシ−」は、酸素架橋原子を介して結合された、上記で定義されるヘテロシクロアルキル基を含有する基を意味する。本発明において有用なヘテロシクロアルキルオキシ基の具体例としては、限定されるものではないが、アジリジニルオキシ、アゼチジニルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピラゾリジニルオキシ、ピラゾリニルオキシ、イミダゾリジニルオキシ、イミダゾリニルオキシ、オキサゾリニルオキシ、チアゾリニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、ジヒドロフラニルオキシ、1,3−ジオキソラニルオキシ、ピペリジニルオキシ、ピペラジニルオキシ、モルホリニルオキシ、チオモルホリニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、ジヒドロピラニルオキシ、1,3−ジオキサニルオキシ、1,4−ジオキサニルオキシ、1,3−オキサチオラニルオキシ、1,3−オキサチアニルオキシ、1,3−ジチアニルオキシ、ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピニルオキシ、アザビシロ(azabicylo)[3.2.1]オクチルオキシ、アザビシロ(azabicylo)[3.3.1]ノニルオキシ、アザビシロ(azabicylo)[4.3.0]ノニルオキシ、オキサビシロ(oxabicylo)[2.2.1]ヘプチルオキシ、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラニルオキシ、および1,5,9−トリアザシクロドデシルオキシが含まれる。
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子とヒュッケル則に従う少なくとも1つの芳香環を有する単環式または縮合二環式基を意味する。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナントリジニルなどが含まれる。特に断りのない限り、用語「アリール」はまた、1−ナフチル、2−ナフチル、5−テトラヒドロナフチル、6−テトラヒドロナフチル、1−フェナントリジニル、2−フェナントリジニル、3−フェナントリジニル、4−フェナントリジニル、7−フェナントリジニル、8−フェナントリジニル、9−フェナントリジニルおよび10−フェナントリジニルなどの芳香族炭化水素基の、存在し得る位置異性体のそれぞれも含む。
本明細書において使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、1または複数の炭素と窒素、酸素および硫黄(N−オキシドを含む)から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香環系を意味する。ヘテロアリールは、単環式または多環式、置換または非置換型であり得る。単環式ヘテロアリール基は、環内に1〜4個のヘテロ原子を有し得るが、多環式ヘテロアリールは1〜8個のヘテロ原子を含み得る。二環式ヘテロアリール環は、8〜10員の原子を含み得る。単環式ヘテロアリール環は、5〜6員原子(炭素およびヘテロ原子)を含み得る。5〜6員ヘテロアリールの例としては、限定されるものではないが、フラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルが含まれる。他の例示的ヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、およびプテリジニルが含まれる。
本明細書において使用する場合、用語「シアノ」は、−CN基を意味する。
本明細書において使用する場合、用語「場合により」は、次に記載される1または複数の事象が、発生しても、または発生しなくてもよいことを意味し、発生する1または複数の事象、および発生しない1または複数の事象の両方を含む。
本明細書において使用する場合、特に断りのない限り、「置換されていてもよい」という語句、またはその変形は、多置換度を含む1以上の置換基による任意選択による置換を示す。この語句は、本明細書に記載および描写される置換の重複として解釈されるべきではない。
本明細書において使用する場合、用語「治療」は、特定の病態を緩和すること、病態の1以上の症状を排除または軽減すること、病態の進行を緩徐化また排除すること、および過去に罹患したまたは診断された患者または対象者における病態の再発を予防または遅延させることを意味する。
本明細書において使用する場合、用語「有効量」は、例えば、研究者または臨床医により求められる、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する薬物また医薬剤の量を意味する。
を意味する。
用語「治療的有効な量」は、そのような量を受容していない対応する対象者と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療の改善、治癒、予防、もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行速度の減少をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能を増進するのに有効な量もその範囲内に含む。療法において使用するために、治療上有効な量の式(I)の化合物ならびにその塩は、粗化学物質として投与してもよい。加えて、前記有効成分は医薬組成物として提供してもよい。
化合物の製造
略号
Boc2O 二炭酸ジ−tert−ブチル
CaCl2 塩化カルシウム
Cbz カルボキシベンジル
CHCl3 クロロホルム
CH2Cl2 ジクロロメタン
CH3CN アセトニトリル
Cs2CO3 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
ES エレクトロスプレー
Et3N トリエチルアミン
Et2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
h 時間
HCl 塩酸
H2O 水
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
ヒューニッヒ塩基 N,N−ジイソプロピルエチルアミン
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
MeOH メタノール
MgCl2 塩化マグネシウム
MgSO4 硫酸マグネシウム
min 分
MS 質量分析
Na2CO3 炭酸ナトリウム
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
Na2SO4 硫酸ナトリウム
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
一般合成スキーム
本発明の化合物は、周知の標準的な合成法を含む様々な方法によって作製することができる。例示的な一般合成法を以下に示し、その後、本発明の具体的化合物を実施例において製造する。当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成法に適合しなければ、その置換基は反応条件に適した好適な保護基で保護されてもよい。保護基は、所望の中間体または目的化合物を提供するために、一連の反応の適切な時点で除去することができる。下記のスキームの総てにおいて、有機合成の一般原則に従い、要すれば、感受性または反応性の基に対する保護基が使用される。保護基は有機合成の標準的方法(T.W. Green and P.G.M. Wuts, (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons,保護基に関して引用することより本明細書の一部とされる)に従って操作される。これらの基は、化合物合成の都合のよい段階で、当業者に容易に明らかとなる方法を用いて除去される。方法の選択、ならびに反応条件およびそれらの実行順序は、本発明の化合物の製法と一致するものとする。標準的な材料は市販されているか、または市販の出発材料から、当業者に公知の方法を用いて製造される。
Y=NHである式(I)の化合物は、スキーム1または類似の方法に従って製造することができる。適宜置換された3−アミノアクリロニトリルを、加熱しながら、適宜置換された1,3−ジオキシン−4−オンと縮合させると、1,4−ジヒドロピリジン−4−オンが得られる。このニトリルを水素雰囲気中でラネーニッケル触媒を用いるなどの適当な条件下で還元した後、得られたアミンを適宜置換された安息香酸とカップリングさせると、式(I)の化合物が得られる。
Y=Oである式(I)の化合物は、スキーム2または類似の方法に従って製造することができる。適宜置換された2−(3−オキソプロピル)イソインドリン−1,3−ジオンを、Eaton試薬の存在下で加熱しながら、適宜置換された無水カルボン酸と縮合させると、ピラン−4−オンが得られる。このアミンをエタノールなどの適当な溶媒中、ヒドラジン一水和物などの適当な試薬を用いて遊離させた後、このアミンを二炭酸ジ−tert−ブチルなどの適当な試薬で捕捉し、最後に、1,4−ジオキサンなどの適当な溶媒中、塩酸などの適当な試薬で脱保護する。得られたアミンを適宜置換された安息香酸とカップリングさせると、式(I)の化合物が得られる。
実験
以下の指針は、本明細書に記載の総ての実験手順に当てはまる。反応は総て、特に断りのない限り、炉で乾燥させたガラス器具を用い、陽圧窒素下で行った。示されている温度は外部温度(すなわち、槽温)であり、およその数値である。空気および水分感受性の液体は、シリンジを介して移した。試薬は受け取ったものをそのまま使用した。使用溶媒は、販売者により「無水」として挙げられているものである。溶液中の試薬に関して挙げられているモル濃度はおよその数値であり、対応する標品に対して事前に滴定を行うことなく用いた。反応は総て、特に断りのない限り撹拌子により撹拌した。加熱は、特に断りのない限り、シリコーン油を含有する加熱浴を用いて行った。マイクロ波照射(2.45GHzで0〜400W)により行う反応は、Biotageイニシエーター(商標)2.0装置をBiotageマイクロ波EXPバイアル(0.2〜20mL)およびセプタムおよびキャップとともに用いて行った。溶媒およびイオン電荷に基づいて使用した照射レベル(すなわち、高、通常、低)は、販売者の仕様書に基づいた。−70℃より低い温度への冷却は、ドライアイス/アセトンまたはドライアイス/2−プロパノールを用いて行った。乾燥剤として用いた硫酸マグネシウムおよび硫酸ナトリウムは無水級であり、互換的に使用された。「真空」または「減圧下」で除去されると記載されている溶媒は、回転蒸発によりこれを行った。
分取順相シリカゲルクロマトグラフィーは、RediSepもしくはISCO Goldシリカゲルカートリッジ(4g〜330g)を備えたTeledyne ISCO CombiFlash Companion装置、またはSF25シリカゲルカートリッジ(4g〜300g)を備えたAnalogix IF280装置、またはHPシリカゲルカートリッジ(10g〜100g)を備えたBiotage SP1装置を使用して行った。逆相HPLCによる精製は、特に断りのない限り、固相としてYMC−packカラム(ODS−A 75×30mm)を用いて行った。特に断りのない限り、25mL/分A(アセトニトリル−0.1%TFA):B(水−0.1%TFA)、10〜80%勾配A(10分)の移動相を、214nMでのUV検出とともに用いた。
PE Sciex API 150シングル四重極質量分析計(PE Sciex、ソーンヒル、オンタリオ州、カナダ)を、エレクトロスプレーイオン化法を陽イオン検出モードで用いて作動させた。ゼロエア発生器(Balston Inc.、へーバリル、MA、USA)から霧化ガスを生成し、65psiで送達し、カーテンガスは、Dewar液体窒素容器から50psiで送達される高純度窒素であった。エレクトロスプレーニードルにかけられる電圧は4.8kVであった。オリフィスは25Vに設定し、質量分析計は、0.2amuのステップマスを用い、プロファイルデータを回収しながら、0.5スキャン/秒の速度でスキャンを行った。
方法A LCMS。サンプルを、ハミルトン10μLシリンジを備えたCTC PALオートサンプラー(LEAP Technologies、キャルボロ、NC)を用いて質量分析計に導入し、Valco 10ポートインジェクションバルブに注入を行った。HPLCポンプはShimadzu LC−10ADvp(Shimadzu Scientific Instruments、コロンビア、MD)であり、0.3mL/分、および3.2分で4.5%Aから90%Bへの直線勾配、0.4分の保持で作動させた。移動相は容器Aの100%(H2O 0.02%TFA)および容器Bの100%(CH3CN 0.018%TFA)から構成された。固定相はAquasil(C18)であり、カラム寸法は1mm×40mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
方法B、LCMS。あるいは、LC/MSを備えたAgilent 1100分析HPLCシステムを用い、1mL/分、および2.2分で5%Aから100%Bへの直線勾配、0.4分保持で作動させた。移動相は、容器Aの100%(H2O 0.02%TFA)および容器Bの100%(CH3CN 0.018% TFA)から構成された。固定相は粒径3.5μmのZobax(C8)であり、カラム寸法は2.1mm×50mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
方法C、LCMS。あるいは、キャピラリーカラム(50×4.6mm、5μm)を備えたMDSSCIEX API 2000を用いた。HPLCは、CH3CN:酢酸アンモニウムバッファーで溶出するZorbax SB−C18(50×4.6mm、1.8μm)カラムを備えたAgilent−1200シリーズUPLCシステムにて行った。反応はマイクロ波(CEM、Discover)中で行った。
1H−NMRスペクトルは、Bruker AVANCE 400MHz装置を、再処理のために使用されるACD Spect manager v.10とともに用いて、400MHzで記録した。示されている多重度は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、quint=五重線、sxt=六重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線などであり、brは幅広のシグナルを示す。そうではないことが示されない限り、NMRはDMSO−d6中のものである。
分析的HPLC:生成物は、Agilent 1100 Analyticalクロマトグラフィーシステムにより、4.5×75mm Zorbax XDB−C18カラム(3.5μm)を、2mL/分、H2O(0.1%ギ酸)中、5%CH3CN(0.1%ギ酸)から95%CH3CN(0.1%ギ酸)への4分勾配、1分保持で用いて分析した。
中間体の製造 中間体1
3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド
a)2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル
250mLの丸底フラスコに、3−アミノブト−2−エンニトリル(10.00g、122mmol)、2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン(32.4mL、244mmol)、および磁気撹拌子を装填した。このフラスコに還流冷却器およびCaCl
2管を取り付け、この反応混合物を130℃で1時間加熱した。この反応物を室温まで放冷し、EtOAc(100mL)で希釈た。生じた固体を回収し、EtOAc(20mL)で洗浄し、乾燥させ、2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(3.5g、23.62mmol、収率19.4%)をベージュ色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.94 (br. s., 1H), 6.04 (s, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.21 (s, 3H)。MS(ES) [M+H]
+ 148.9。
b)3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オンヒドロクロリド
250mLのエルレンマイヤーフラスコに、2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(360mg、2.430mmol)およびEtOH中、冷2Mアンモニア(39.5mL、79mmol)を装填した。エタノール(40mL)を加えて、残留している反応物を溶かした。この溶液を連続流水素化反応器(40psi、40℃、1mL/分)上のラネーNiカートリッジに16時間通した。反応溶媒を真空除去し、残渣をEtOH(1mL)およびCHCl
3(15mL)に溶かした後、真空濃縮した。残渣をCHCl
3(2×15mL)およびDCM(15mL)に溶かし、濃縮した。粘稠な残渣をジエチルエーテル(30mL)に懸濁させ、1,4−ジオキサン中4MのHCl(10.63mL、42.5mmol)で処理した。懸濁液を室温で一晩撹拌し、この時点で白色固体を真空濾過により回収し、ジエチルエーテル(10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させ、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オンヒドロクロリド(200mg、0.975mmol、収率80%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.26 (br. s., 1H), 3.90 (br. s., 2H), 2.64 (s, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 1.22 - 1.30 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 152.9。
中間体2
5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル
a)5−クロロ−3−ヨード−2−メチル安息香酸
硫酸(75mL、1407mmol)中、5−クロロ−2−メチル安息香酸(10.0g、58.6mmol)の溶液に、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(12.0g、31.6mmol)を少量ずつ加えた。反応物は極暗色となり、すぐに粘稠な懸濁液が生じた。この反応物を2時間撹拌し、その時点でそれを氷水(約500mL)に注ぎ、30分間撹拌し、固体を崩壊させた。沈殿を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、5−クロロ−3−ヨード−2−メチル安息香酸(17.3g、50.2mmol、収率86%)を薄いベージュ色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.48 (br. s., 1H), 8.11 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 2.54 (s, 3H)。
b)5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸
5−クロロ−3−ヨード−2−メチル安息香酸(10.0g、33.7mmol)、ヨウ化銅(I)(0.70g、3.68mmol)、8−ヒドロキシキノリン(1.0g、6.89mmol)、および水酸化カリウム(9.5g、169mmol)に、tert−ブタノール(30.0mL)、ジメチルスルホキシド(30mL)および水(3.0mL)を加えた。この反応物を窒素でパージした後、100℃に加熱し、24時間撹拌した。この反応物を室温まで放冷し、1N HCl(200mL)およびEtOAc(250mL)に注いだ。このフラスコを水ですすいだ。この混合物を30分間撹拌し、セライト(商標)パッドで濾過し、EtOAcですすいだ。EtOAc層を除去し、重硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空下で蒸発させ、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(6.5g、27.9mmol、収率83%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.07 (br. s., 1H), 10.18 (s, 1H), 7.17 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 2.26 (s, 3H)。MS(ES) [M+H]
+ 186.9。
c)5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル
冷(0℃氷浴)メタノール(200mL)に、撹拌しながら、塩化チオニル(12mL、164mmol)を滴下した。この反応物を15分間維持し、この時点で5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(6.5g、34.8mmol)を加えた。この反応物を室温まで温め、一晩維持した。この反応物を真空下で蒸発乾固し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF40−150g、ヘキサン中50〜100%CH
2Cl
2)により精製した。近接して早く流れる不純物を含有する重複画分を合わせ、再精製してより純粋な生成物を得た。合わせた純粋画分を蒸発乾固し、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(4.52g、22.53mmol、収率64.7%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.29 (s, 1H), 7.18 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.25 (s, 3H)。MS(ES) [M+H]
+ 201.0。
中間体3
3−アミノ−5−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン
a)2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4(1H)−オン
硫酸の冷却(0℃)溶液(4.0mL、16.24mmol)に、発煙硝酸(4.0mL、16.24mmol)をピペットで5分かけて加えた。この反応物を0℃で30分間維持し、この温度で2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン(2.0g、16.24mmol)を固体として5分かけて加えた。この混合物を周囲温度まで温め、3日間撹拌した。次に、この反応混合物を100℃で2時間加熱し、この時点でそれを周囲温度まで放冷した。赤い煙を窒素を含む塩基トラップに吹き入れ、この反応混合物を約33gの氷上に注いだ。この混合物を氷浴内で冷却し、撹拌した(少量の沈殿が生じた)。この反応物を8M NaOHで処理し、pHをギ酸およびアンモニアでさらに約5.3に調整した。この混合物を5分間撹拌し、冷蔵庫で15分間冷却した。これらの固体を濾過し、水で洗浄し、5分間風乾し、さらに真空炉にて37℃で一晩乾燥させ、2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4(1H)−オン(440mg、2.56mmol、収率15.79%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.22 (s, 3 H) 2.28 (s, 3 H) 6.18 (s, 1 H) 11.84 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 168.9。
b)3−ヨード−2,6−ジメチル−5−ニトロピリジン−4(1H)−オン
酢酸(13mL)中、2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4(1H)−オン(0.44g、2.62mmol)の懸濁液に、NIS(0.765g、3.40mmol)を加えた。この混合物を105℃で2時間加熱し、この時点で、それを氷水(100mL)に注いだ。この混合物を15分間撹拌し、冷蔵庫で15分間冷却した。この冷却混合物に0.1M Na
2S
2O
3(1〜2mL)を撹拌しながら加えた。これらの固体を濾過し、水で洗浄し、5分間風乾し、さらに真空炉で4時間乾燥させ、3−ヨード−2,6−ジメチル−5−ニトロピリジン−4(1H)−オン(596mg、1.824mmol、収率69.7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.28 - 2.31 (m, 3 H) 12.32 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 294.9。
c)2,6−ジメチル−5−ニトロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(10mL)中、3−ヨード−2,6−ジメチル−5−ニトロピリジン−4(1H)−オン(0.59g、2.006mmol)およびシアン化銅(I)(0.359g、4.01mmol)の混合物を125℃で2時間加熱し、この時点でそれを周囲温度まで放冷し、氷/水/飽和NH
4Cl(100mL)に注いだ。この混合物を15分間撹拌し(pH約6〜7)、その後、氷浴中で1時間静置した。固体を濾過し、少量の水で洗浄し、10分間風乾し、さらに真空炉にて37℃で18時間乾燥させ、2,6−ジメチル−5−ニトロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(176mg、0.820mmol、収率40.9%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.30 - 2.38 (m, 3 H) 2.44 - 2.48 (m, 3 H) 12.78 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 193.9。
d)3−アミノ−5−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン
メタノール(10mL)中、2,6−ジメチル−5−ニトロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(175mg、0.91mmol)の溶液に、シリンジを介してヒューニッヒ塩基(0.796mL、4.56mmol)および無水Boc(0.635mL、2.73mmol)を加えた。この反応混合物を撹拌し、加熱し、音波処理を施して極めて微細な濁りのある溶液を得、これを濾過して透明/褐色溶液を得た。得られた溶液をHキューブ(1mL/分、50℃、50psi、ラネーニッケルカートリッジ)上で4時間水素化た。LCMSは、モノおよびビスBoc化合物を示した(出発材料無し)。このシステムをMeOH(10mL)でフラッシュし、シリカゲルを加えた。この混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーカラムにロードした。精製(4g Iscoシリカカラム;勾配B:10〜100%、A:95/5 DCM/MeOH、B:80/20 DCM/MeOH)し、粗モノBoc中間体とビスBoc中間体の混合物を得た(合計210mg)。
EtOAc(8mL)およびCHCl3(2mL)中、上記残渣の溶液に、ジオキサン中4MのHCl(5mL)を加えた。この混合物を45℃で2時間加熱し、この時点でそれを冷却し(氷浴)、エーテル(40mL)で希釈した。この混合物を1時間撹拌し、この時点で固体を濾過し、手早くエーテルで洗浄し、真空下で70時間乾燥させ、3−アミノ−5−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(176mg、0.864mmol、収率95%)を加えた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.43 (s, 3 H) 2.49 (s, 3 H) 3.57 (s, 2 H) 3.80 - 3.94 (m, 2 H) 8.12 (br. s., 3 H) 12.84 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]+ 168.0。
実施例1
4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
a)4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
DMF(25mL)中、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(1.25g、6.23mmol)、4−((メチルスルホニル)オキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.66g、13.08mmol)および炭酸セシウム(5.08g、15.58mmol)の混合物を75℃で18時間加熱した。この反応物を周囲温度まで放冷し、撹拌しながらに氷/水(200mL)注いだ。この混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。この淡黄色残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製し、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.95g、5.08mmol、収率82%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 7.37 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.71 (dt, J = 7.4, 3.8 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.54 - 3.63 (m, 2H), 3.22 - 3.31 (m, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.83 - 1.93 (m, 2H), 1.51 - 1.63 (m, 2H), 1.41 (s, 9H)。
b)4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
ジクロロメタン(20mL)中、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.76g、1.980mmol)の溶液に、シリンジを介してトリフルオロ酢酸(3.81mL、49.5mmol)を加えた。この反応物を1時間維持し、この時点で揮発性物質を真空除去した。残渣をアセトニトリルに溶かし、濃縮した後、DCM/TBMEに溶かし、濃縮して粗アミンを得た。
この粗残渣の、ジクロロメタン(20mL)中の冷却(氷浴)溶液に、ヒューニッヒ塩基(1.037mL、5.94mmol)、次いでCbz−Cl(0.283mL、1.980mmol)を加えた。氷浴を外し、この反応物を2時間維持した。この反応に追加のヒューニッヒ塩基(0.5mL)およびCbz−Cl(0.1mL)を装填し、30分間維持した。揮発性物質を真空除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3〜30%EtOAc/ヘキサン)により精製し、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.68g、1.627mmol、収率82%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 7.28 - 7.42 (m, 7H), 5.09 (s, 2H), 4.74 (dt, J = 7.2, 3.7 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.64 (br. s., 2H), 3.35 (br. s., 2H), 2.28 (s, 3H), 1.86 - 1.97 (m, 2H), 1.56 - 1.67 (m, 2H)。
c)3−((1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸
テトラヒドロフラン(5mL)およびメタノール(15mL)中、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.68g、1.627mmol)の溶液に、3N NaOH(2.71mL、8.14mmol)を加えた。この反応混合物を1時間撹拌し、次いで、45℃で3時間加熱した。揮発性物質を真空除去して水性残渣を得、これを水(25mL)で希釈し、冷却した(氷浴)。この混合物を1M HClでpH約3〜4に酸性化し、15分間撹拌した。これらの固体を濾過し、水で洗浄し、高真空下で一晩乾燥させ、3−((1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(0.52g、1.223mmol、収率75%)を得た。
1H NMR δ 1.54 - 1.72 (m, 2H), 1.83 - 1.98 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 3.38 (br. s., 2H), 3.58 - 3.70 (m, 2H), 4.72 (tt, 1H), 5.09 (s, 2H), 7.24 - 7.46 (m, 7H), 13.28 (br. s., 1H)。MS(ES) [M+H]
+ 404.1。
d)4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
3−((1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(35.0mg、0.087mmol)を含有する20mLのバイアルに、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン ヒドロクロリド(17.98mg、0.095mmol)、EDC(24.92mg、0.130mmol)、HOAt(20.04mg、0.130mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)、N−メチルモルホリン(0.143mL、1.300mmol)および磁気撹拌子を装填した。このバイアルに蓋をし、反応物を室温で3日間撹拌し、この時点でそれを飽和NaHCO
3(20mL)および水(5mL)の撹拌溶液に滴下した。この懸濁液を室温で20分間撹拌し、固体を真空濾過により回収し、高真空下で乾燥させた。この固体を逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini−NX axia、30×100、5μ,C18 溶出剤:10〜80%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸、7分勾配)により精製し、4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(30mg、0.056mmol、収率64.3%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.00 (s, 1H), 8.21 (t, J = 5.05 Hz, 1H), 7.26 - 7.44 (m, 5H), 7.15 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.70 (br. s., 1H), 4.19 (d, J = 5.05 Hz, 2H), 3.63 (br. s., 2H), 3.36 - 3.45 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.90 (d, J = 12.88 Hz, 2H), 1.49 - 1.67 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 538.3。
実施例2
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
a)5−クロロ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)安息香酸
100mLの丸底フラスコに、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(500mg、2.492mmol)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(318mg、3.12mmol)、トリフェニルホスフィン(1307mg、4.98mmol)およびテトラヒドロフラン(20mL)を装填した。この反応物を15分間維持し、この時点でDIAD(1.454mL、7.48mmol)を一度に加えた。得られた溶液を55℃で24時間加熱した後、真空濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(10〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製し、5−クロロ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)安息香酸メチルを橙色の油状物として得、これをそのまま次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.42 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 4.51 (tt, J = 3.73, 7.39 Hz, 1H), 3.99 (ddd, J = 3.66, 7.01, 11.31 Hz, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.64 (ddd, J = 3.28, 7.77, 11.43 Hz, 2H), 2.38 - 2.45 (m, 3H), 1.99 - 2.10 (m, 2H), 1.74 - 1.92 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 285.0。
5−クロロ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル(従前の工程から)をMeOH(5.04mL、125mmol)に溶かし、8M NaOH(1.869mL、14.95mmol)で処理した。この反応物を室温で16時間撹拌し、この時点で、溶媒を真空除去し、残留している残渣を水(6mL)で希釈した。この混合物を、6M HCl(2.91mL、17.45mmol)を滴下することにより酸性化し、得られた懸濁液を室温で30分間撹拌した。これらの固体を濾過し、水(2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、5−クロロ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)安息香酸(422mg、1.557mmol、収率62.5%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.23 (br. s., 1H), 7.33 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 4.70 (tt, J = 3.85, 8.02 Hz, 1H), 3.76 - 3.88 (m, 2H), 3.51 (ddd, J = 3.03, 8.59, 11.62 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.90 - 2.03 (m, 2H), 1.53 - 1.67 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]+ 271.0。
b)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
20mLのバイアルに、5−クロロ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)安息香酸(72.0mg、0.266mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン ヒドロクロリド(60.2mg、0.319mmol)、EDC(76mg、0.399mmol)、HOAt(61.5mg、0.399mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)およびN−メチルモルホリン(0.351mL、3.19mmol)を装填した。この反応物を16時間撹拌し、この時点でそれを、飽和NaHCO
3(25mL)と水(10mL)の急速撹拌溶液に滴下し、室温で1時間撹拌した。この固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させた。この残渣を逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini−NX axia、30×100、5μ、C18;溶出剤:20〜55%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸、5分勾配)により精製し、粘稠なガラス質固体を得た。この残渣をDCM(20mL)で溶かし、飽和NaHCO
3(6mL)および水(3mL)で洗浄した。この水溶液をDCM(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSO
4およびNa
2SO
4で濾過し、濃縮し、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンズアミド(49mg、0.121mmol、収率45.5%)を白色粉末として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.00 (s, 1H), 8.21 (t, J = 4.93 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.66 (tt, J = 4.04, 7.96 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 5.05 Hz, 2H), 3.73 - 3.89 (m, 2H), 3.51 (ddd, J = 3.03, 8.59, 11.62 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.86 - 2.00 (m, 2H), 1.49 - 1.66 (m, 2H)
。MS(ES) [M+H]
+ 405.1。
実施例3
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
a)メタンスルホン酸1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル
50mLの丸底フラスコに、ピペリジン−4−オール(500mg、4.94mmol)、4−クロロピリミジン(1415mg、12.36mmol)、2−メチルブタン−2−オール(16.000mL、148mmol)、ヒューニッヒ塩基(3.02mL、17.30mmol)および磁気撹拌子を装填した。このフラスコに還流冷却器を取り付け、反応混合物を撹拌しながら一晩、110℃に加熱し、この時点でこの反応物を室温まで放冷した。反応溶媒を真空除去し、残留している残渣(粘稠な暗褐色の糖蜜状物質)をEtOAcと0.1M HCl/水とで分液した。残渣をMeOH(60mL)に溶かし、濃縮した(2倍)。残留している残渣をジエチルエーテルで摩砕したが、この生成物は固化しなかった。エーテルを真空除去した。
この残渣の、CHCl3(40mL)中溶液に、Et3N(1.722mL、12.36mmol)、塩酸トリエチルアミン(170mg、1.236mmol)、および塩化メタンスルホニル(0.770mL、9.89mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、この時点で反応溶媒を真空除去し、残留している残渣をジエチルエーテルで希釈し、一晩静置した。この粘稠な残渣をカラムクロマトグラフィー(1〜4%MeOH/CHCl3)により精製し、メタンスルホン酸1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル(668mg、2.59mmol、収率52.5%)を赤褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.55 (s, 1H), 8.17 (d, J = 6.32 Hz, 1H), 6.51 (dd, J = 1.01, 6.32 Hz, 1H), 4.96 (tt, J = 3.60, 7.39 Hz, 1H), 3.77 - 3.96 (m, 2H), 3.56 (ddd, J = 3.79, 7.77, 13.71 Hz, 2H), 3.03 (s, 3H), 1.95 - 2.10 (m, 2H), 1.78 - 1.95 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]+ 258.0。
b)5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル
250mLの丸底フラスコに、メタンスルホン酸1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル(713mg、2.77mmol)、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(0.301mL、2.218mmol)、Cs
2CO
3(867mg、2.66mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)を装填した。このフラスコに還流冷却器を取り付け、60℃で3日間加熱し、この時点で溶媒を真空除去した。残渣をEtOAc(120mL)で希釈し、この混合物を濾過した。LCMSは、少量の出発クロロフェノールが残留していることを示したので、EtOAcを真空除去し、残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)に溶かした。Cs
2CO
3(867mg、2.66mmol)を加え、この反応物を一晩80℃に加熱し、この時点で溶媒を真空除去した。残渣をEtOAc(120mL)で希釈し、混合物を濾過した。EtOAcを真空除去し、粗残渣を逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini−NX、30×100、5μ、C18 勾配:7分、30〜60%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸)により精製した。同じカラムを用いた2回の追加HPLC精製(勾配:7分、10〜90%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸;および勾配:7分、10〜90%アセトニトリル/水中0.1%TFA)を行い、5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル(335mg、0.926mmol、収率41.7%)を黄色の粘稠な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.82 (s, 1H), 8.34 (dd, J = 1.52, 7.58 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 7.58 Hz, 1H), 4.85 - 4.96 (m, 1H), 4.05 (br. s., 2H), 3.91 (br. s., 2H), 3.83 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.01 - 2.13 (m, 2H), 1.71 - 1.87 (m, J = 3.92, 7.03, 7.03, 13.61 Hz, 2H)。MS(ES) [
M+H]
+ 362.1。
c)5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸
メタノール(10mL)中、5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル(335mg、0.926mmol)の溶液に、8M水酸化ナトリウム(0.926mL、7.41mmol)を加えた。得られた溶液を室温で3日間撹拌し、この時点でメタノールを真空除去し、残渣を水(2mL)で希釈した。この混合物を6M HCl(1.157mL、6.94mmol)で酸性化し、得られた懸濁液を室温で20分間撹拌した。白色固体を真空濾過により回収し、真空下で風乾し、5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸(172mg、0.494mmol、収率53.4%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.22 (br. s., 1H), 8.50 (s, 1H), 8.18 (d, J = 6.32 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 1.26, 6.32 Hz, 1H), 4.82 (tt, J = 3.60, 7.26 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 4.55 Hz, 2H), 3.51 - 3.72 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.89 - 2.04 (m, 2H), 1.54 - 1.74 (m, 2H)。 MS(ES) [M+H]
+ 348.1。
d)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
20mLのバイアルに、5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸(72.0mg、0.207mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン ヒドロクロリド(46.9mg、0.248mmol)、EDC(59.5mg、0.311mmol)、HOAt(47.9mg、0.311mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)およびN−メチルモルホリン(0.341mL、3.11mmol)を装填した。この反応混合物を2日間撹拌し、この時点でそれを飽和NaHCO
3(25mL)および水(10mL)の急速撹拌溶液に滴下した。得られた濁りのある混合物を室温で4時間撹拌した後、濾過した。回収した固体を高真空下で乾燥させ、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini−NX axia、30×100、5μ、C18 溶出剤:5〜25%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸、7分勾配)により精製した。得られた粘稠なガラス質の固体をMeOH(6mL)およびDCM(2mL)に溶かした後、真空濃縮した。次に、得られた残渣をDCM(1mL)で溶かし、真空濃縮した。この残渣をDCM(20mL)と飽和NaHCO
3(6mL)と水(3mL)とで分液した。水層を濾過し、固体を真空下で20分間乾燥させ、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド(30mg、0.062mmol、収率30.1%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.02 (br. s., 1H), 8.49 (s, 2H), 8.18 (d, J = 6.32 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 1.01, 6.32 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 1.77 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.78 (tt, J = 3.82, 7.17 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 3.80 - 3.97 (m, 2H), 3.52 - 3.69 (m, 2H
), 2.29 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.87 - 2.01 (m, 2H), 1.54 - 1.71 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 482.2。
実施例4
3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド
a)(シス)−N−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキサミド
ジクロロメタン(50mL)中、シス−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(1.0g、6.94mmol)、ベンジルアミン(0.82mL、7.51mmol)およびHOAt(1.0g、7.35mmol)の撹拌懸濁液に、EDC遊離塩基(1.2g、7.73mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌し、この時点でそれを1N HCl、1N Na
2CO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−80g、CH
2Cl
2中0〜4%MeOH)により精製し、(シス)−N−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキサミド(1.0g、4.29mmol、収率61.8%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.20 (t, J = 5.81 Hz, 1H), 7.26 - 7.38 (m, 2H), 7.11 - 7.27 (m, 3H), 4.31 (d, J = 3.28 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 6.06 Hz, 2H), 3.76 (d, J = 2.53 Hz, 1H), 2.08 - 2.22 (m, 1H), 1.73 - 1.89 (m, 2H), 1.56 - 1.69 (m, 2H), 1.33 - 1.49 (m, 4H)。MS(ES) [M+H]
+ 234.0。
b)3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル
THF(10mL)中、トリフェニルホスフィン(392mg、1.495mmol)の冷却(0℃氷浴)溶液に、DIAD(0.291mL、1.495mmol)を加えた。この反応物を15分間撹拌した(懸濁液となった)。この懸濁液に撹拌しながら、THF(5mL)中、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(250mg、1.246mmol)および(シス)−N−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキサミド(350mg、1.500mmol)の溶液を一度に加えた。この反応物を室温まで温め、一晩撹拌し、この時点でこの反応物を真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−60g、ヘキサン中10〜60%EtOAc)により精製した。得られた固体を水中10%メタノールで摩砕し、濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(180mg、0.433mmol、収率34.7%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.33 (t, J = 5.94 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.27 - 7.35 (m, 3H), 7.16 - 7.27 (m, 3H), 4.37 - 4.49 (m, 1H), 4.27 (d, J = 5.81 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 1.97 - 2.16 (m, 3H), 1.75 - 1.89 (m, 2H), 1.53 - 1.69 (m, 2H), 1.30 - 1.47 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 259.0 (弱)。
c)3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド
20mLのバイアルに、3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(100mg、0.249mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン ヒドロクロリド(56.3mg、0.299mmol)、EDC(71.6mg、0.373mmol)、HOAt(57.5mg、0.373mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)、およびN−メチルモルホリン(0.274mL、2.488mmol)を装填した。この反応物を室温で16時間撹拌し、この時点でそれを飽和NaHCO
3(25mL)および水(10mL)の撹拌溶液に加えた。生じた沈殿を室温で1時間撹拌した後、真空濾過により回収した。濾過ケーキを高真空下で一晩乾燥させ、DMSO(1mL)、1滴の6N HCl、およびMeOH中1.25NのHCl(2mL)で希釈した。大部分の試料は音波処理の後に溶けたが、さらなるDMSO(0.5mL)を追加して完全な溶解を達成した。得られた溶液を逆相HPLC(カラム:Phenomenex−NX axia、30×100、5μ、C18 溶出剤:25〜45%アセトニトリル/水中0.1%TFA)により精製し、3−(((トランス)−4−(ベンジルカルバモイル)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド(77mg、0.144mmol、収率57.7%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.91 (br. s., 1H), 8.68 (t, J = 5.05 Hz, 1H), 8.33 (t, J = 5.94 Hz, 1H), 7.28 - 7.37 (m, 2H), 7.16 - 7.27 (m, 4H), 6.97 (s, 1H), 6.84 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 4.80 Hz, 3H), 4.26 (d, J = 6.06 Hz, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.53 - 2.55 (m, 3H), 2.23 (tt, J = 3.73, 11.56 Hz, 1H), 2.08 (dd, J = 3.03, 12.
38 Hz, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.83 (d, J = 11.12 Hz, 2H), 1.50 - 1.68 (m, 2H), 1.26 - 1.43 (m, 2H)。MS(ES) [M+H]
+ 536.3。
実施例5
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
a)2−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
無水酢酸(5.0mL、53.0mmol)およびメタンスルホン酸中7.7重量%の五酸化リン(Eaton試薬)(5.0mL、4.60mmol)の撹拌溶液に、2−(3−オキソブチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.0g、4.60mmol)を加えた。この反応物を70℃で8時間加熱した。この反応物を室温まで放冷し、一晩維持した。この反応物をEtOAcで希釈し、氷冷水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF40−115g、ヘキサン中20〜100%EtOAc)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固し、ヘキサン中10%のEtOAcで摩砕し、濾過し、蒸発乾固し、2−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(290mg、1.024mmol、収率22.24%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.91 - 7.74 (m, 4 H), 6.06 (s, 1 H), 4.54 (s, 2 H), 2.43 (s, 3 H), 2.22 (s, 3 H)。MS(ES) [M+H]
+ 284.0。
b)((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
エタノール(5mL)中、2−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(280mg、0.988mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン一水和物(170μl、3.50mmol)を加えた。この反応物を室温で1.5時間撹拌した(約1時間後に粘稠な懸濁液が生じた)。この反応物をCH
2Cl
2(約25mL)で希釈し、約15分間撹拌し、セライト(商標)パッドで濾過して不溶性物質を除去し、少量のCH
2Cl
2ですすいだ。この透明な濾液をBoc
2O(900mg、4.12mmol)で処理し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル(Analogx、SF25−60g、ヘキサン中10〜80%EtOAc)により精製し、((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(200mg、0.790mmol、収率80%)を透明油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.10 (s, 1 H), 5.47 (br. s., 1 H), 4.09 (d, J = 6.6 Hz, 2 H), 2.48 (s, 3 H), 2.25 (s, 3 H), 1.42 (s, 9 H)。MS(ES) [M+H]
+ 254.0, [M+H]
+ -Boc 153.9, [M+H]
+ -イソブチレン197.9。
c)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(200mg、0.790mmol)に、ジオキサン中4NのHCl(10mL、40.0mmol)を加えた。この反応物を室温で1時間撹拌した(濁りのある懸濁液となった)。この反応物を真空下で蒸発乾固し、TBMEで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、塩酸アミンを白色固体として得た。
ジクロロメタン(20mL)中、上記のものの撹拌懸濁液に、5−クロロ−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸(280mg、0.805mmol)、HOAt(110mg、0.808mmol)、N−メチルモルホリン(90μL、0.819mmol)およびEDC遊離塩基(140mg、0.902mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物を約45分後に均質となった。シリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−60g、CH2Cl2中2〜6%(5%NH4OH/MeOH))により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した。残渣をヘキサン中10%のCH2Cl2で摩砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させ、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−(ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド(255mg、0.528mmol、収率66.9%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (s, 1 H), 8.40 (br. s., 1 H), 8.18 (d, J = 6.1 Hz, 1 H), 7.21 (s, 1 H), 6.88 (d, J = 6.1 Hz, 1 H), 6.84 (s, 1 H), 6.14 (s, 1 H), 4.79 (br. s., 1 H), 4.15 (d, J = 4.8 Hz, 2 H), 3.89 (m, 2 H), 3.66 - 3.54 (m, 2 H), 2.39 (s, 3 H), 2.23 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H), 2.00 - 1.89 (m, 2 H), 1.72 - 1.58 (m, 2 H)。MS(ES) [M+H]+ 483.2。
実施例6
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
a)3−(((シスおよびトランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル
メタノール(20mL)中、3−アミノ−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(500mg、2.505mmol)および4−N−Boc−アミノシクロヘキサノン(2.0g、9.38mmol)の撹拌溶液に、塩化亜鉛(1.0g、7.34mmol)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(700mg、11.14mmol)を2時間かけて少量ずつ加えた次に、この反応物を40℃に加熱し、24時間撹拌した。LCMSは反応がほとんど完了していたことを示した(11%の出発アミンが残留しており、2つの生成物ピーク40%および49%はトランスおよびシス生成物に対応していた)。この反応物を蒸発乾固し、EtOAcに取り、NH
4Cl水溶液、1N Na
2CO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−80g、ヘキサン中10〜30%EtOAc)により精製した。シス−ジアステレオマーには、27%の出発材料3−アミノ−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチルが混入していた。少量の、ヘキサン中10%EtOAcから摩砕および濾過を行い、純粋なシス−ジアステレオマー 3−(((シス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(305mg、0.730mmol、収率29.1%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz ,DMSO-d
6) δ= 6.85 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.74 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.62 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 4.66 (d, J = 6.8 Hz, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.47 (br. s., 2 H), 2.19 (s, 3 H), 1.75 - 1.51 (m, 8 H), 1.39 (s, 9 H)。MS(ES) [M+H]
+ 397.2。
より極性の大きいトランス−ジアステレオマーは、ヘキサン中10%EtOAcからの摩砕および濾過の後に純粋な状態で単離され、3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(340mg、0.814mmol、収率32.5%)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz ,DMSO-d6) δ= 6.83 (br. s., 0 H), 6.82 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.73 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 4.94 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 3.80 (s, 3 H), 3.23 (br. s., 2 H), 2.13 (s, 3 H), 1.99 - 1.86 (m, 2 H), 1.81 (br. s., 2 H), 1.39 (s, 9 H), 1.36 - 1.23 (m, 4 H)。MS(ES) [M+H]+ 397.2。
b)3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル
1,2−ジクロロエタン(DCE)(5mL)中、3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(330mg、0.831mmol)およびアセトアルデヒド(200μL、3.56mmol)の溶液に、酢酸(400μL)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を氷浴中で0℃に冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(700mg、3.30mmol)を加えた(溶解の遅い極めて粘稠な懸濁液)。この反応物を室温まであたため、一晩撹拌した。LCMSは、反応がほとんど完了していたことを示した。この反応物を飽和NaHCO
3で中和し、CH
2Cl
2で抽出し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、ヘキサン中5〜20%EtOAc)により精製し、純粋な画分を合わせ、蒸発乾固し、生成物3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(250mg、0.588mmol、収率70.8%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz ,DMSO-d
6) δ= 7.44 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 7.38 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.68 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 3.83 (s, 3 H), 3.16 (br. s., 1 H), 3.05 (q, J = 6.9 Hz, 2 H), 2.59 (t, J = 11.1 Hz, 1 H), 2.34 (s, 3 H), 1.82 - 1.64 (m, 4 H), 1.47 - 1.38 (m, 2 H), 1.36 (s, 9 H), 1.16 - 1.04 (m, 2 H), 0.78 (t, J = 6.9 Hz, 3 H)。MS(ES) [M+H]
+ 425.2。
c)((トランス)−4−((5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
メタノール(15mL)中、3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(255mg、0.600mmol)の溶液に、1N水酸化ナトリウム(2.0mL、2.000mmol)を加えた。この反応物を70℃に加熱し、8時間撹拌し、この時点でそれを真空濃縮し、1N HCl(2mL)で酸性化した。分離した固体をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発乾固し、カルボン酸中間体を得た。
上記のカルボン酸に、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチル−4H−ピラン−4−オン、ヒドロクロリド(120mg、0.633mmol)、HOAt(82mg、0.600mmol)およびジクロロメタン(DCM)(15.00mL)を加えた。撹拌棒の補助でこれらの固体を崩壊させた。上記の撹拌混合物にN−メチルモルホリン(70μL、0.637mmol)、次いでEDC遊離塩基(112mg、0.720mmol)を加えた。この反応物を少量のCH2Cl2ですすぎ、室温で一晩撹拌した。この反応物を約1時間後に明澄化した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−60g、CH2Cl2中0〜4%MeOH)により精製し、純粋な画分を合わせ、蒸発乾固し、生成物((トランス)−4−((5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(350mg、0.564mmol、収率94%)を淡黄色固体として得た。LCMSは、この材料が88%の純度に過ぎないことを示した(出発カルボン酸の12%のHOAt活性化エステルが混入していた)。これをそのまま次の工程に用いた。1H NMR (400MHz ,DMSO-d6) δ= 8.40 (t, J = 5.1 Hz, 1 H), 7.16 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.93 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.68 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 6.15 (s, 1 H), 4.16 (d, J = 5.1 Hz, 2 H), 3.16 (br. s., 1 H), 3.02 (q, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.63 - 2.54 (m, 1 H), 2.40 (s, 3 H), 2.24 (s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 1.82 - 1.64 (m, 4 H), 1.47 - 1.38 (m, 2 H), 1.36 (s, 9 H), 1.17 - 1.02 (m, 2 H), 0.78 (t, J = 6.9 Hz, 3 H)。MS(ES) [M+H]+ 546.3。
d)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
((トランス)−4−((5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(350mg、0.641mmol)に、ジオキサン中4NのHCl(15mL、60.0mmol)を加えた。反応の均質性を保持するためにMeOH(1mL)を加えた。この反応物を室温で1時間撹拌し、この時点でそれを真空下で蒸発乾固した。残留している残渣を1:1 Et
2O/石油エーテルで摩砕し、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させ、出発材料のdes−Boc、ジ−HCl塩を灰白色固体として得た。
メタノール(15mL)中、上記の残渣に、水中37重量%のホルムアルデヒド(0.5mL、6.72mmol)および酢酸ナトリウム(105mg、1.282mmol)を加えた。15分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(90mg、1.432mmol)を加えた。4時間撹拌した後、この反応物を蒸発乾固し、CH2Cl2に取り、1N Na2CO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Analogx、SF25−60g、CH2Cl2中4〜14%(5%NH4OH/MeOH))により精製し、純粋な画分を合わせ、真空下で蒸発乾固し、生成物5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド(155mg、0.327mmol、収率51.0%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz ,DMSO-d6) δ8.39 (t, J = 5.1 Hz, 1 H), 7.16 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.93 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.15 (s, 1 H), 4.16 (d, J = 5.3 Hz, 2 H), 3.02 (q, J = 6.7 Hz, 2 H), 2.66 - 2.55 (m, 1 H), 2.40 (s, 3 H), 2.24 (s, 3 H), 2.13 (s, 6 H), 2.12 (s, 3 H), 2.10 - 2.05 (m, 1 H), 1.82 - 1.70 (m, 4 H), 1.37 (q, J = 11.6 Hz, 2 H), 1.19 - 1.08 (m, 2 H), 0.78 (t, J = 6.9 Hz, 3 H)。MS(ES) [M+H]+ 474.2。
実施例7
N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
a)5−ブロモ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
1Lの丸底フラスコに、1,2−ジクロロエタン(DCE)(250mL)中、3−アミノ−5−ブロモ−2−メチル安息香酸メチル(15.26g、62.5mmol)およびジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(9.39g、94mmol)を装填し、窒素下、室温で黄色溶液を得た。この反応混合物に酢酸(21.47mL、375mmol)を加えた。30分後、反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(39.8g、188mmol)を加えた。3時間後、反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(39.8g、188mmol)を加えた。この反応物を一晩撹拌し、この時点でそれを水で希釈し、NaHCO
3でpH7に中和した。この反応混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせたEtOAc層をNa
2SO
4および活性炭darcoとともに30分間撹拌した後、SiO
2パッド(2”×1”)で濾過し、濃縮した。これらの固体をエーテルとともに撹拌し、濾過し、5−ブロモ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(15.4g、46.9mmol、収率75%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.98 (d, J=2.02 Hz, 1 H), 6.94 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 5.03 (d, J=8.08 Hz, 1 H), 3.94 - 3.84 (m, 2 H), 3.80 (s, 3 H), 3.64 - 3.51 (m, 1 H), 3.44 (td, J=11.68, 1.89 Hz, 2 H) 2.15 (s, 3 H), 1.84 (dd, J=12.63, 2.02 Hz, 2 H), 1.43 - 1.69 (m, 2 H)。MS(ES) [M+H]
+ 328, 330。
b)5−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチル安息香酸
窒素下、1,2−ジクロロエタン(DCE)(150mL)中、5−ブロモ−2−メチル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(15.3g、46.6mmol)およびアセトアルデヒド(7.90mL、140mmol)の機械的撹拌溶液に、酢酸(16.01mL、280mmol)を加えた。30分後、この反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(29.6g、140mmol)をくわえた。この反応物を一晩撹拌し、この時点で、窒素を除去し、アセトアルデヒド(7.90mL、140mmol)を加えた。2時間後、この反応混合物を水およびNa
2CO
3(飽和)で希釈し、EtOAc(3回)で抽出した。酢酸エチル層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチル安息香酸メチル(17.8g、50.0mmol、収率107%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.61 (d, J=2.02 Hz, 1 H), 7.54 (d, J=2.27 Hz, 1 H), 3.89 - 3.73 (m, 5 H), 3.26 (td, J=11.56, 1.89 Hz, 2 H), 3.15 - 2.86 (m, 3 H), 3.36 (s, 3 H). 1.66 - 1.55 (m, 2 H), 1.55 - 1.36 (m, 2 H), 0.79 (t, J=6.95 Hz, 3 H)。MS(ES) [M+H]
+ 358, 356。
c)5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸
ジオキサン/水(3mL:1mL)中、5−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチル安息香酸エチル(200mg、0.56mmol)、4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル)モルホリン(255mg、0.84mmol)およびPdCl2(dppf)−CH2Cl2付加物(22.9mg、0.028mmol)の混合物を、窒素下で10分間撹拌した。重炭酸ナトリウム(141mg、1.68mmol)を加え、不溶性混合物をマイクロ波中、110℃で20分間加熱し、この時点でそれを濃縮した。DCM/MeOH(1:1)を加え、この混合物をシリカゲルに予め吸着させ、順相クロマトグラフィー(3:1 ヘプタン/EtOAc:EtOH 1%ギ酸含有、12g goldカラム、勾配0〜100%)を用いて精製した。生成物含有画分を蒸発させた。残渣をEtOAcおよびヘプタンで処理し、得られた固体を濾過し、風乾し、真空炉で一晩乾燥させた。
前記工程からの残渣を2−MeTHF:MeOH(3mL:1mL)に溶かし、5N NaOH(2mL)を加えた。この反応物を室温で3日間撹拌し、この時点でそれを6N HClでpH4に酸性化した。EtOAcおよび水を加え、層を分離した。水相をEtOAc、DCMおよび7:3 DCM:iprOHで順次抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、定量的収量の5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸を得た。MS(ES) [M+H]+ 439.2。
d)N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド
DMF(3mL)中、5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(90mg、0.21mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン.HCl(58.1mg、0.31mmol)および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(47.5mg、0.35mmol)の混合物を窒素下で10分間撹拌した。この黄色溶液にN−メチルモルホリン(0.93mL、8.41mmol)およびEDC(66.9mg、0.35mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌し、この時点でそれを氷水に注ぎ、5分間撹拌した。この反応物を濃K
2CO
3溶液でpH約9に塩基性化し、室温で30分間撹拌し、濃縮した。DCM/MeOH(1:1)を加え、その溶液をシリカゲルに予め吸着させ、順相クロマトグラフィー(3:1 ヘプタン/EtOAc:EtOH 1%ギ酸含有、12g goldカラム、勾配0〜100%)を用いて精製した。生成物含有画分を蒸発させ、MeOHに溶かし、Gilson逆相HPLC(30x100 Varian Poraris C18、12分かけて、0.1%TFAを含む水中、3〜60%のMeCN勾配)を用いて再精製した。無色の油状物をエーテル、次いで、EtOAcおよびヘプタンで摩砕した。この固体沈殿を濾過し、10分間風乾し、真空炉で一晩乾燥させ、N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−メチル−4’−(モルホリノメチル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミドをTFA塩(88.7mg、61%)としての灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 0.83 (t, J=6.95 Hz, 3 H) 1.55 (br. s., 2 H) 1.65 (br. s., 2 H) 2.23 (s, 3 H) 2.54 (s, 3 H) 2.71 (s, 3 H) 3.03 (br.s., 1H) 3.12 (br. s., 4 H) 3.22 - 3.28 (m, 3 H) 3.65 (br. s., 2 H) 3.81 - 3.84 (m, 1 H) 3.86 (br. s., 1 H) 4.01 (d, J=7.33 Hz, 2 H) 4.39 (br. s., 2 H) 4.43 (d, J=5.05 Hz, 2 H) 6.99 (s, 1 H) 7.30 (br. s., 1 H) 7.47 (s, 1H) 7.57 (s, 1 H) 7.59 (s, 1 H) 7.75 (s, 1 H) 7.77 (s, 1 H) 8.65 - 8.75 (m, 1 H) 10.30 (br. s., 1 H) 13.95 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 573.4。
実施例8
4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
a)4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
THF(10mL)中で完全に溶解するまで撹拌した、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(500mg、2.492mmol)、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(752mg、3.74mmol)およびトリフェニルホスフィン(1307mg、4.98mmol)の混合物に、次に、DIAD(1.530mL、7.48mmol)を、シリンジを介し、5分かけてゆっくり滴下した。この反応物を窒素下、55℃で4時間加熱した。この反応物を室温まで冷却し、真空濃縮した。この橙色の油状残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製した。所望の画分を合わせ、濃縮した後、EtOAcで摩砕し、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.765g、1.99mmol、収率80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ1.10 - 1.26 (m, 1 H) 1.41 (s, 9 H) 1.49 - 1.63 (m, 2 H) 1.79 - 1.92 (m, 2 H) 2.28 (s, 3 H) 3.15 - 3.30 (m, 2 H) 3.51 - 3.66 (m, 2 H) 3.83 (s, 3 H) 4.63 - 4.81 (m, 1 H) 7.31 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.37 (d, J=2.02 Hz, 1 H) MS (ES) [M+H]
+ 384.1。
b)3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸
メタノール(1.0mL)中、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(250mg、0.651mmol)の溶液に、6N NaOH(2.1mL、13.03mmol)を加えた。この反応物を55℃で18時間加熱した。この反応物を室温まで冷却し、真空濃縮した。次いで、残渣を水に懸濁させ、1N HCl溶液で酸性化し、濾過し、乾燥させ、3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(0.180g、0.487mmol、収率75%)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d
6) δ1.41 (s, 9 H) 1.56 (m, J=12.47, 8.31, 4.14, 4.14 Hz, 2 H) 1.76 - 1.97 (m, 2 H) 2.23 - 2.35 (m, 3 H) 3.19 - 3.31 (m, 2 H) 3.48 - 3.63 (m, 2 H) 4.70 (dt, J=7.26, 3.82 Hz, 1 H) 7.31 (dd, J=11.37, 2.02 Hz, 2 H) 13.22 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 370.2。
c)4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(140mg、0.379mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(71.4mg、0.379mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)(77mg、0.568mmol)、EDC(109mg、0.568mmol)およびN−メチルモルホリン(166μl、1.514mmol)の溶液を、窒素下、室温、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3619μl)中で18時間撹拌した。完了したところで、この反応物を撹拌している氷水中に注いだ。白色固体が溶液から析出し、これを濾過し、高真空下で乾燥させ、4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.095g、0.189mmol、収率50%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.41 (s, 9 H) 1.50 - 1.60 (m, 2 H) 1.79 - 1.90 (m, 2 H) 2.06 (s, 3 H) 2.16 (s, 3 H) 2.31 (s, 3 H) 3.20 - 3.31 (m, 2 H) 3.49 - 3.63 (m, 2 H) 4.19 (d, J=4.80 Hz, 2 H) 4.59 - 4.78 (m, 1 H) 5.87 (s, 1 H) 6.81 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.15 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.22 (t, J=5.05 Hz, 1 H) 11.01 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 504.4。
実施例9
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアミド
DCM(2mL)中、4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(80mg、158mmol)の溶液を、4M HCl/ジオキサン(2mL)で処理した。この反応物を室温で2時間撹拌した後、真空濃縮し、EtOAcで摩砕し、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアミドを塩化水素塩として得た(0.050g、113mmol、収率72%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.74 - 1.90 (m, 2 H) 2.07 (s, 3 H) 2.11 (d, J=4.80 Hz, 2 H) 2.57 (s, 3 H) 2.72 (s, 3 H) 3.09 (br. s., 2 H) 3.17 (s, 2 H) 4.38 (d, J=4.80 Hz, 2 H) 4.60 - 4.87 (m, 1 H) 6.89 (s, 1 H) 7.12 (s, 1 H) 7.23 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.69 (t, J=5.05 Hz, 1 H) 8.98 (br. s., 2 H) 14.42 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 404.3。
実施例10
((1r,4r)−4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
a)3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸
5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(500mg、2.492mmol)、((1s,4s)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(805mg、3.74mmol)、およびトリフェニルホスフィン(1307mg、4.98mmol)の混合物を密閉マイクロ波管に加え、窒素下でパージしつつ「乾燥」テトラヒドロフラン(THF)(10.900mL)中に完全に溶かした。DIAD(1.530mL、7.48mmol)を、シリンジを介し、5分かけてゆっくり加えた。窒素ラインを取り外し、この反応物を55℃で1時間撹拌した。この反応物を室温まで放冷し、真空濃縮し、DCMに再溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜30%EtOAc/ヘキサン)により精製し、3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(0.700g、1.759mmol、収率70%)を得た。
MeOH(1mL)中、3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(300mg、0.753mmol)の溶液を6N NaOH(3mL)で処理し、2時間、還流下で加熱した。この反応物を室温まで冷却し、真空濃縮した。白色残渣を水に懸濁させ、1N HClで酸性化し、濾過し、乾燥させ、3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(230mg、0.599mmol、収率79%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.33 (d, J=10.86 Hz, 2 H) 1.39 (s, 9 H) 1.40 - 1.47 (m, 2 H) 1.80 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 2.02 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 2.25 (d, J=1.52 Hz, 3 H) 3.22 - 3.34 (m, 1 H) 4.36 (td, J=9.03, 4.17 Hz, 1 H) 6.79 - 6.91 (m, 1 H) 7.22 (dd, J=11.62, 1.77 Hz, 1 H) 7.27 - 7.38 (m, 1 H) 13.48 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]+ 284.1。
b)((1r,4r)−4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(6226μl)中、3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸(250mg、0.651mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(123mg、0.651mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)(133mg、0.977mmol)、EDC(187mg、0.977mmol)およびN−メチルモルホリン(286μl、2.61mmol)の溶液を窒素下、室温で18時間撹拌した。この反応物を撹拌している氷水中にゆっくり注いだところ、沈殿が生じた。この混合物を10分間撹拌し、濾過した。残渣をDCM(2mL)に再溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40〜100%CHCl
3:MeOH:NH
4OH(90:9:1)/CHCl
3)により精製し、((1r,4r)−4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(100mg、0.193mmol、収率30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.25 - 1.35 (m, 3 H) 1.37 - 1.42 (m, 9 H) 1.42 (br. s., 2 H) 1.80 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 1.99 (s, 1 H) 2.03 (s, 3 H) 2.15 (s, 3 H) 2.31 (s, 3 H) 3.30 (d, J=12.63 Hz, 1 H) 4.18 (d, J=5.05 Hz, 2 H) 4.32 (t, J=9.35 Hz, 1 H) 5.87 (s, 1 H) 6.78 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 6.85 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 7.13 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.20 (t, J=5.05 Hz, 1 H) 11.00 (s, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 518.4。
実施例11
3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド
DCM(2mL)中、((1r,4r)−4−(5−クロロ−3−(((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)−2−メチルフェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(50mg、0.097mmol)の溶液を4M HCl/ジオキサン(2mL)で処理した。この反応物を2時間撹拌し、この時点でそれを濾過し、乾燥させ、3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミドを塩酸塩として得た(0.040g、0.095mmol、収率91%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.33 - 1.58 (m, 4 H) 1.97 (d, J=10.86 Hz, 2 H) 2.03 (s, 3 H) 2.07 (d, J=9.35 Hz, 2 H) 2.55 (s, 3 H) 2.69 (s, 3 H) 3.07 (d, J=6.32 Hz, 1 H) 2.95 - 3.18 (m, 1 H) 3.47 (br. s., 1 H) 4.36 (d, J=5.31 Hz, 2 H) 6.86 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.05 (br. s., 1 H) 7.23 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.06 (br. s., 2 H) 8.67 (s, 1 H) 14.19 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 418.3。
実施例12
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)ベンズアミド
a)5−クロロ−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)安息香酸メチル
DCM(1mL)中、1,4−ジブロモブタン(53.6μl、0.452mmol)の溶液を4M HCl/ジオキサン(1mL)で処理し、室温で2時間撹拌した。次に、この混合物を真空濃縮し、アセトニトリル(3.7mL)に再溶解させ、1,4−ジブロモブタン(53.6μl、0.452mmol)および炭酸カリウム(104mg、0.754mmol)で処理した。この反応物を窒素下、18時間、還流下で加熱し、この時点で室温まで放冷した。次に、この混合物をセライトプラグで濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させ、5−クロロ−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)安息香酸メチル(120mg、0.341mmol、収率90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.03 - 1.30 (m, 1 H) 1.34 - 1.46 (m, 4 H) 1.67 (br. s., 3 H) 1.72 - 1.85 (m, 1 H) 1.91 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 2.02 (d, J=10.86 Hz, 3 H) 2.26 (s, 3 H) 3.43 - 3.69 (m, 1 H) 3.83 (s, 3 H) 4.34 - 4.55 (m, 1 H) 7.29 (s, 1 H) 7.29 - 7.36 (m, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 352.2。
b)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)ベンズアミド
MeOH(2mL)中、5−クロロ−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)安息香酸メチル(120mg、0.341mmol)の溶液を6N NaOH(2mL)で処理した。この反応物を室温で2時間撹拌した。この反応物を真空濃縮した。残渣を水に懸濁させ、1N HClで酸性化し、濾過し、乾燥させ、5−クロロ−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)安息香酸を得た。
次に、この生成物をDMF(3mL)に溶かし、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(64.3mg、0.341mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)(69.6mg、0.512mmol)、EDC(98mg、0.512mmol)およびN−メチルモルホリン(150μl、1.364mmol)で処理した。この反応物を室温で1時間撹拌し、この時点でそれを撹拌している水中に注ぎ、真空濃縮した。得られた残渣をDMSOに懸濁させ、濾過し、逆相HPLC(0.1%TFA)で精製し、SPEカーボネートカラムで濾過し、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−(((1r,4r)−4−(ピロリジン−1−イル)シクロヘキシル)オキシ)ベンズアミド(10mg、0.021mmol、収率6%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (q, J=9.68 Hz, 4 H) 1.67 (br. s., 4 H) 1.90 (d, J=7.58 Hz, 2 H) 1.95 - 2.03 (m, 3 H) 2.05 (s, 3 H) 2.10 (s, 3 H) 2.25 (s, 3 H) 2.44 (br. s., 1 H) 3.08 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 4.21 (d, J=4.29 Hz, 2 H) 4.31 - 4.50 (m, 1 H) 5.82 (s, 1 H) 6.79 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.09 (d, J=2.02 Hz, 1 H)。MS(ES) [M+H]+ 472.4。
実施例13
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
a)5−クロロ−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)安息香酸メチル、ヒドロクロリド
DCM(3mL)中、4−(5−クロロ−3−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(300mg、0.782mmol)の溶液を4M HCl/ジオキサン(3908μl、15.63mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。このスラリーを濾過し、乾燥させ、5−クロロ−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)安息香酸メチル、ヒドロクロリド(0.185g、0.578mmol、収率74%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.76 - 1.94 (m, 2 H) 2.02 - 2.16 (m, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 2.99 - 3.13 (m, 2 H) 3.16 - 3.26 (m, 2 H) 3.83 (s, 3 H) 4.78 (dt, J=6.95, 3.60 Hz, 1 H) 7.34 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.40 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.83 (br. s., 2 H)。MS(ES) [M+H]
+ 284.1。
b)5−クロロ−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル
メタノール(3580μl)および酢酸(597μl)中、5−クロロ−2−メチル−3−(ピペリジン−4−イルオキシ)安息香酸メチル、ヒドロクロリド(140mg、0.437mmol)およびホルムアルデヒド(195μl、2.62mmol)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(278mg、1.312mmol)を少量ずつ加えた。この反応物を室温で18時間撹拌し、この時点でそれを濃縮した。残渣を水に溶かし、飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させ、5−クロロ−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル(0.130g、0.437mmol、収率99%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.61 - 1.73 (m, 2 H) 1.84 - 1.94 (m, 2 H) 2.18 (s, 3 H) 2.21 - 2.27 (m, 2 H) 2.28 (s, 3 H) 3.83 (s, 3 H) 4.54 (dt, J=7.14, 3.63 Hz, 1 H) 7.29 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=2.02 Hz, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 298.1。
c)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド
MeOH(2mL)中、5−クロロ−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)安息香酸メチル(120mg、0.403mmol)の溶液を6N NaOH(2mL)で処理した。この反応物を室温で2時間撹拌し、この時点でそれを真空濃縮した。残渣を水に懸濁させ、6N HClで酸性化し、濾過し、乾燥させた。得られた生成物をDMF(4.0mL)に溶かし、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(76mg、0.403mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)(82mg、0.604mmol)、EDC(116mg、0.604mmol)およびN−メチルモルホリン(177μl、1.612mmol)で処理した。この反応物を室温で3時間撹拌し、この時点でそれを飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、DCM(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミド(0.050g、0.120mmol、収率30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.54 - 1.74 (m, 2 H) 1.80 - 1.94 (m, 2 H) 2.06 (s, 3 H) 2.12 - 2.22 (m, 6 H) 2.25 (d, J=9.60 Hz, 2 H) 2.31 (s, 3 H) 4.19 (d, J=5.05 Hz, 2 H) 4.48 (br. s., 1 H) 5.87 (s, 1 H) 6.79 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.10 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.21 (t, J=4.93 Hz, 1 H) 11.00 (s, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 418.3。
実施例14
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチルベンズアミド
a)3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル
メタンスルホン酸(シス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(5.36mL、22.93mmol)、5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(4.0g、19.94mmol)、および炭酸セシウム(9.74g、29.9mmol)の混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)を加えた。この懸濁液を室温で15分間撹拌した後、窒素セプタム下、65℃で3日間加熱した。この反応物を室温まで放冷し、氷/飽和NH
4Cl(500mL)に注いだ。この混合物を1M HClで中和し、1:1 EtOAc/エーテル(2回)で抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。得られた液体を高真空下で2時間乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(200グラムIscoシリカカラム、4〜50%エーテル/ヘプタン)により精製し、3−(((トランス)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(1.87g、4.70mmol、収率23.57%)を白固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 1.27 - 1.48 (m, 13 H) 1.80 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 1.98 - 2.07 (m, 2 H) 2.25 (s, 3 H) 3.23 - 3.33 (m, 1 H) 3.82 (s, 3 H) 4.30 - 4.45 (m, 1 H) 6.86 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 7.28 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=2.02 Hz, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 420.1 (Na付加物)。
b)3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル
ジクロロメタン(40mL)中、3−(((1r,4r)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル(1.87g、4.70mmol)の溶液に、TFA(10.86mL、141mmol)を、シリンジを用いて2分かけて加えた。この反応物を1時間撹拌し、この時点で揮発性物質を真空除去し、得られた残渣を高真空下で30分間乾燥させた。残渣を水(50mL)で希釈し、この混合物を撹拌し、音波処理を施した。この混合物は乳白色の懸濁液となるとともに沈殿が生じた。この混合物を氷浴で冷却し、NaHCO3で中和した。15分間撹拌した後、固体を濾過し、水で洗浄し、10分間風乾し、高真空下で2時間乾燥させ、3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチルをTFA塩として得た(1.83g、4.36mmol、収率93%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ7.88 (br. s., 3H), 7.41 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 4.33 - 4.50 (m, J = 4.29 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.01 - 3.19 (m, J = 3.79 Hz, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.02 - 2.18 (m, 2H), 1.97 (br. s., 2H), 1.37 - 1.58 (m, J = 9.60, 9.60 Hz, 4H)。MS(ES) [M+H]
+ 298.0。
c)5−クロロ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸メチル
1,2−ジクロロエタン(25mL)中、3−(((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−5−クロロ−2−メチル安息香酸メチル、トリフルオロ酢酸塩(1.83g、4.44mmol)の懸濁液に、ホルムアルデヒド(1.654mL、22.22mmol)およびAcOH(1.018mL、17.78mmol)を加えた。この反応物を5分間撹拌し、この時点でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.83g、13.33mmol)を加えた。この反応物を1時間撹拌した後、DCM(100mL)で希釈し、水に注いだ。この反応物を飽和NaHCO
3および2M Na
2CO
3でpH9〜10に塩基性化し、5分間撹拌した。層を分離し、水層をDCM(1回)で抽出した。合わせた有機液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を高真空下で一晩乾燥させ、5−クロロ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸メチル(1.35g、4.06mmol、収率91%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 1.32 - 1.45 (m, 4 H) 1.79 (br. s., 2 H) 2.00 - 2.09 (m, 2 H) 2.13 - 2.21 (m, 7 H) 2.25 (s, 3 H) 3.82 (s, 3 H) 4.30 - 4.45 (m, 1 H) 7.28 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=2.02 Hz, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 326.6。
d)5−クロロ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸
メタノール(30mL)およびテトラヒドロフラン(7.5mL)中、5−クロロ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸メチル(1.35g、4.14mmol)の溶液に、3N NaOH(8.29mL、24.86mmol)を加えた。この反応物を室温で5分間維持した後、45℃で2時間加熱した。この反応物を濃縮し、残渣を水(100mL)で希釈し、氷浴で冷却した。この混合物をギ酸および濃NH
4OHで注意深くpH6.7に調整した。この混合物を15分間撹拌し、冷蔵庫に15分間置いた。これらの固体を濾過し、少量の水で洗浄し、真空下、室温で4時間、および40℃の真空炉で1時間乾燥させ、5−クロロ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸(0.974g、3.06mmol、収率73.9%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 1.32 - 1.52 (m, 4 H) 1.85 (br. s., 2 H) 2.09 (br. s., 2 H) 2.22 (s, 3 H) 2.34 (br. s., 6 H) 4.33 (d, J=3.54 Hz, 1 H) 7.15 (s, 2 H)。MS(ES) [M+H]
+ 312.1。
e)5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチルベンズアミド
20mLのバイアルに、5−クロロ−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチル安息香酸(120mg、0.385mmol)、3−(アミノメチル)−2,6−ジメチルピリジン−4(1H)−オン、ヒドロクロリド(80mg、0.423mmol)、EDC(111mg、0.577mmol)、HOAT(89mg、0.577mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3mL)、およびNMM(1.015mL、9.24mmol)を装填した。この反応物を16時間撹拌し、この時点でそれを水(5mL)および飽和Na
2CO
3(20mL)の撹拌溶液に注いだ。この混合物を室温で1時間撹拌したが、沈殿は生じなかった。EtOAcを加え、層を分離した。水層で白色沈殿が生じた。沈殿を濾過し、標題の生成物ではないことを確認した。LCMSは両層に生成物を示したので、これらの層を再び合わせ、真空濃縮した。固体残渣をMeOH(3mL)およびDMSO(1mL)で希釈し、不溶性物質を濾去した。この溶液を逆相HPLC(Phenomenex Gemini−NX axia 30×100mm、5μ、C18;15〜45%アセトニトリル/水中0.1%ギ酸)により精製した。生成物は溶媒前線近くに泳動していたことから、勾配を5〜5%水中0.1%ギ酸/アセトニトリルに変更し、残りの試料をこの方法によって精製した。所望の画分を濃縮し、ガラス質固体とした。この残渣をMeOH(3mL)に溶かし、ISOLUTE(商標)Si−カーボネート(2g)で濾過してギ酸を除去した。このISOLUTE(商標)Si−カーボネートをMeOH(3mL)で洗浄し、合わせたメタノール層を真空濃縮した。このISOLUTE(商標)Si−カーボネート濾過工程を繰り返し、MeOH洗液を真空濃縮し、5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−2−メチルベンズアミド(45mg、0.100mmol、収率26.0%)を灰白色粉末として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ11.08 (br. s., 1H), 8.22 (br. s., 1H), 7.11 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 1.77 Hz, 1H), 5.87 (br. s., 1H), 4.27 - 4.41 (m, J = 4.52, 4.52, 8.40 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 5.05 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.17 - 2.21 (m, 1H), 2.17 (s, 6H), 2.16 (s, 3H), 2.03 (s, 5H), 1.78 (br. s., 2H), 1.37 (t, J = 9.98 Hz, 4H)。MS(ES) [M+H]
+ 446.1。
以下の例を上記の一般手順を用いて製造した。
実施例15
5−ブロモ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.31 (t, J = 5.94 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 1.77 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.48 (d, J = 5.81 Hz, 2H), 3.89 - 4.03 (m, 2H), 3.27 - 3.38 (m, 2H), 3.03 (q, J = 6.91 Hz, 2H), 2.94 (tt, J = 4.93, 9.85 Hz, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.24 (d, J = 2.02 Hz, 6H), 1.61 - 1.74 (m, 4H), 0.86 (t, J = 7.07 Hz, 3H)。MS(ES) [M+H]
+ 476.1。
実施例16
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((トランス)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ14.40 (br. s., 1H), 10.43 (br. s., 1H), 8.71 (br. s., 1H), 7.19 - 7.28 (m, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.00 (br. s., 1H), 4.39 (d, J = 5.05 Hz, 1H), 4.04 (br. s., 3H), 3.05 (br. s., 3H), 2.73 (s, 3H), 2.64 (d, J = 5.05 Hz, 6H), 2.57 (s, 3H), 2.14 (br. s., 2H), 2.02 (br. s., 2H), 1.82 (br. s., 2H), 1.44 (br. s., 4H), 0.79 (t, J = 6.82 Hz, 3H)。MS(ES) [M+H]
+ 473.2。
実施例17
5−クロロ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.78 (t, J=7.07 Hz, 3 H) 1.40 - 1.65 (m, 4 H) 2.10 - 2.21 (m, 6 H) 2.30 (s, 3 H) 2.88 - 3.09 (m, 3 H) 3.17 - 3.29 (m, 2 H) 3.82 (d, J=11.37 Hz, 2 H) 4.16 - 4.46 (m, 4 H) 6.95 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.19 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.23 (t, J=4.67 Hz, 1 H) 10.83 (br. s., 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 447.1。
実施例18
N−((5−アミノ−2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ブロモ−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.77 (t, J=7.07 Hz, 3 H) 1.13 (q, J=11.20 Hz, 2 H) 1.35 (q, J=11.54 Hz, 2 H) 1.76 (br. s., 4 H) 2.09 - 2.18 (m, 13 H) 2.30 (s, 3 H) 2.55 - 2.66 (m, 1 H) 3.01 (q, J=7.07 Hz, 2 H) 4.13 - 4.38 (m, 4 H) 7.03 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.25 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.21 (t, J=4.80 Hz, 1 H) 10.80 (s, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 532.2。
実施例19
5−ブロモ−N−((2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−(((1r,4r)−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.77 (t, J=6.95 Hz, 3 H) 1.04 - 1.20 (m, 2 H) 1.27 - 1.44 (m, 2 H) 1.69 - 1.84 (m, 4 H) 2.04 - 2.22 (m, 13 H) 2.32 (s, 3 H) 2.60 (t, J=11.24 Hz, 1 H) 3.01 (q, J=6.82 Hz, 2 H) 4.19 (d, J=5.05 Hz, 2 H) 5.86 (s, 1 H) 7.03 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 7.25 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.19 (t, J=4.93 Hz, 1 H) 11.02 (s, 1 H)。 MS(ES) [M+H]
+ 517.2。
実施例20
N−((5−アミノ−2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ブロモ−3−(エチル((1r,4r)−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−2−メチルベンズアミド
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.77 (t, J=6.95 Hz, 3 H) 0.94 (t, J=7.07 Hz, 2 H) 1.11 - 1.21 (m, 2 H) 1.29 - 1.43 (m, 2 H) 1.77 (t, J=13.14 Hz, 4 H) 2.12 (d, J=8.84 Hz, 6 H) 2.26 - 2.32 (m, 3 H) 2.37 - 2.46 (m, 5 H) 2.60 (t, J=11.37 Hz, 1 H) 3.01 (q, J=6.82 Hz, 2 H) 3.46 - 3.57 (m, 4 H) 4.15 - 4.34 (m, 4 H) 7.03 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.25 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.21 (t, J=4.80 Hz, 1 H) 10.80 (s, 1 H)。MS(ES) [M+H]
+ 574.4。
アッセイプロトコール
本明細書に含まれる化合物を、PRC2複合体内のEZH2のメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するそれらの能力に関して評価した。ヒトPRC2複合体は、Sf9細胞で5メンバーのタンパク質(FLAG−EZH2、EED、SUZ12、RbAp48、AEBP2)のそれぞれを共発現させた後、共精製することにより作製した。酵素活性を、トリチウム化メチル基が3H−SAMから、HeLa細胞から精製されたモノヌクレオソームのヒストンH3上のリシン残基へ転移される、シンチレーション近接アッセイ(SPA)で測定した。モノヌクレオソームはSPAビーズに捕捉され、得られたシグナルはViewLuxプレートリーダーで読まれる。
パートA 化合物の調製
1.100%DMSO中に、固体からの化合物の10mM原液を調製する。
2.384ウェルプレートに、DMSO対照用の第6列と第18列を残し、各試験化合物に関して100%DMSOで11点連続希釈系(1:3希釈、最高濃度10mM)を設定した。
3.希釈系プレートから反応プレート(Grenier Bio−One、384ウェル、カタログ番号784075)に100nLの化合物を分注する。
パートB 試薬の調製
以下の溶液を調製する。
1.50mM Tris−HCl、pH8:基本バッファー1L当たり、1M Tris−HCl、pH8(50mL)および蒸留水(950mL)を合わせる。
2.1×アッセイバッファー:1×アッセイバッファー10mL当たり、50mM Tris−HCl、pH8(9958μL)、1M MgCl2(20μL)、2M DTT(20μL)、および10%Tween−20(2μL)を合わせ、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl2、4mM DTT、0.002%Tween−20の終濃度とする。
3.2×酵素溶液:2×酵素溶液10mL当たり、1×アッセイバッファーおよびPRC2複合体を合わせ、10nMの最終酵素濃度とする。
4.SPAビーズ懸濁液:SPAビーズ懸濁液1mL当たり、コームine PS−PEIコーティングLEADSeekerビーズ(40mg)およびddH2O(1mL)を合わせ、終濃度40mg/mLとする。
5.2×基質溶液:2×基質溶液10mL当たり、1×アッセイバッファー(9728.55μL)、800μg/mLモノヌクレオソーム(125μL)、1mM冷SAM(4μL)、および7.02μM 3H−SAM(142.45μL;0.55mCi/mL)を合わせ、5μg/mLヌクレオソーム、0.2μM冷SAM、および0.05μM 3H−SAMの終濃度とする。
6.2.67×クエンチ/ビーズ混合物:2.67×クエンチ/ビーズ混合物10mL当たり、ddH2O(9358μL)、10mM冷SAM(267μL)、40mg/mLビーズ懸濁液(375μL)を合わせ、100μM冷SAMおよび0.5mg/mL SPAビーズの終濃度とする。
パートC 384ウェルGrenier Bio−Oneプレートでのアッセイ反応
化合物の添加
1.100nL/ウェルの100×化合物を試験ウェル(上記の通り)に分注する。
2.それぞれ高対照および低対照用の第6列および第8列には100nL/ウェルの100%DMSOを分注する。
アッセイ
1.第18列に5μL/ウェルの1×アッセイバッファーを分注する(低対照反応)。
2.第1〜17列、第19〜24列に、5μL/ウェルの2×酵素溶液を分注する。
3.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
4.アッセイプレートを積み重ね、一番上のプレートに蓋をする。
5.化合物/DMSOを酵素とともに室温で30分間インキュベートする。
6.第1〜24列に5μL/ウェルの2×基質溶液を分注する。
7.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
8.アッセイプレートを積み重ね、一番上のプレートに蓋をする。
9.アッセイプレートを室温で1時間インキュベートする。
クエンチ/ビーズの添加
1.第1〜24列に5μL/ウェルの3×クエンチ/ビーズ混合物を分注する。
2.各アッセイプレートの上面を接着性TopSealで封止する。
3.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
4.これらのプレートを20分より長い時間平衡化する。
プレートの読み取り
1.Viewluxプレートリーダーにて、613nmの発光用フィルターを用い、読み取り時間300秒でアッセイプレートを読み取る。
試薬の添加は手作業で行うこともできるし、または自動液体ハンドラーで行うこともできる。
*本アッセイの最終DMSO濃度は1%である。
*陽性対照は第6列であり、陰性対照は第18列である。
*化合物の最終出発濃度は100μMである。
結果
阻害パーセントは、各化合物濃度についてDMSO対照に対して計算し、得られた値は、ABASEデータフィッティングソフトウエアパッケージ内の標準的なIC50フィッティングパラメーターを用いて当てはめを行った。
本発明の例示的化合物は一般に、上記または類似のアッセイに従って試験し、EZH2の阻害剤であることが判明した。IC50値は、約3nM〜約6.3μMの範囲であった。本明細書に記載のアッセイに従って試験された特定の生物活性を下表にまとめる。アッセイの実行を繰り返すと、若干異なるIC50値となる場合がある。