JP2016502579A - エチレンベースポリマーとプロピレンベースポリマーの接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2012年12月28に出願された米国仮出願第61/746,850号及び2013年4月2日に出願された欧州出願第13161991.8号に対する優先権及びその利益を主張する。その開示内容全体を参照することによってここに援用する。
本出願は、2012年9月19日に出願された、発明の名称「プロピレンベースポリマーとエチレンベースポリマーの接着剤組成物」の米国仮出願第61/702,788号に関連している。
本発明は、エチレンベース(以後、「C2ベース」)ポリマーとプロピレンベースポリマーのブレンドに基づく接着剤組成物及びそれらの用途に関する。特に、本発明は、とりわけ、少なくとも250mPa・秒のブルックフィールド粘度及び約250J/g未満の融解熱を有するC2ベースポリマーと、100mPa・秒から1500mPa・秒までの範囲のブルックフィールド粘度及び少なくとも45J/gの融解熱を有するプロピレンベースポリマーとを含んでなる接着剤組成物に関する。ここで、ブルックフィールド粘度はASTM D-3236で測定され、融解熱はASTM D-3418-03で測定される。
ホットメルト接着剤は、加熱して融成物にしてから種々の基材に適用できる熱可塑性物質である。融成物の冷却と再凝固によって結合が形成される。これらのホットメルト接着剤は、多くの場合ガラス転移温度未満で脆くなるという欠点を有する。歴史的に、ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)のようなエチレンベースの半結晶性ポリマーが種々の接着剤用途で使用されてきたが、該ポリマーはそれらの最終用途で多くの問題を有する。例えば、半結晶性直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、冷却すると生じる結晶ネットワークが粘着度のない良い接着剤をもたらすホットメルト接着剤用途に使用できるが、高レベルの結晶化度は該物質を脆くさせる。このため酢酸ビニル(VA)又はαオレフィン等の他のモノマーをエチレンと共重合させて結晶化度のいくらかを破壊し、接着剤を軟化させることが多い。このように、エチレンベースホットメルト接着剤と酢酸ビニルコモノマーの使用は、低温使用条件が望ましいときは制限される。
PCT公開第WO1997/33921号及びWO98/03603号は、ホットメルト接着剤におけるエチレンベースコポリマーの使用及びこれらのコポリマーがいくつかの用途に有用であることを教示しているが、それらはプロピレンベースコポリマーより高い鎖の絡み合い密度に起因する高い溶融粘度、ひいては加工の悪さ、不適合の面エネルギーに起因する低エネルギー面への不十分な接着力、及びより低いガラス転移温度(Tg)に起因する不十分な粘着を有するという弱点がある。ポリエチレン及びポリプロピレンのTg値はそれぞれ約-128℃及び-10℃である。一般的に、観測強度又は粘着は、ポリマー鎖部分の粘度によって支配される。従って、2種のポリマーの粘着を比較するため、試験温度とポリマーTgを規準化して粘弾性の差からの寄与を最小限にする。
米国特許第5,397,843号は、(a)エチレン及びαオレフィンのコポリマーと、(b)非晶質ポリプロピレン、及び/又は非晶質ポリオレフィン、又はその混合物(20重量%未満の結晶化度を有する)との混合剤を含んでなるブレンドポリマー組成物を開示している。
米国特許第5,548,014号は、粘着付与剤と、第IV族の担持又は非担持シクロペンタジエニル誘導体を用いて調製された高い重量平均分子量(Mw)、狭い分子量分布(MWD)、狭いCD(組成分布)のエチレン/αオレフィンコポリマー及び低いMw、狭いMWDのエチレン/αオレフィンコポリマーとを含んでなるホットメルト接着剤、並びに特に自動車部品の組立、包装及び食品包装におけるホットメルト接着剤用途の触媒を開示している。
米国特許第5,530,054号及び第6,207,748号は、自動車部品の組立、包装及び食品包装におけるホットメルト接着剤用途の担持又は非担持メタロセン-アルモキサン触媒を用いて調製されたエチレン/αオレフィンコポリマーを含んでなるホットメルト接着剤を開示している。ここでは、これらのエチレンコポリマーは、約20,000から約100,000に及ぶMw及び約6から約30に及ぶコモノマー重量パーセントを有する。
PCT公開第WO97/33921号は、少なくとも1種の第1均一エチレン/αオレフィンインターポリマーと、任意に少なくとも1種の粘着付与剤と、任意に少なくとも1種の可塑剤とを含んでなる接着剤及びその調製プロセスを開示している。
PCT公開第WO98/03603号は、350°F(177℃)で特定の密度と溶融粘度を有する少なくとも1種の第1均一直鎖状又は実質的に直鎖状のエチレンポリマーと、任意的なワックス及び粘着付与剤とを含んでなるホットメルト接着剤を開示している。特に、下記:a)エチレンと、0.850g/cm3〜0.895g/cm3の密度を有する少なくとも1種のC3〜C20αオレフィンインターポリマーとの少なくとも1種の第1均一直鎖状又は実質的に直鎖状のインターポリマー;b)任意的な少なくとも1種の粘着付与樹脂;及びc)任意的な少なくとも1種のワックスを特徴とするホットメルト接着剤であって、150℃で約5000cPs(50グラム/(cm.秒)又は5000mPa・秒)の粘度を有するホットメルト接着剤が開示されている。
本発明は、接着剤組成物及びホットメルト接着剤並びにそれらの商業的用途に関する。1つ以上の実施形態では、本接着剤組成物は、50重量%超のエチレン誘導単位と、少なくとも1種の第1コモノマーとを含んでなるC2ベースポリマー成分を含み、前記C2ベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された少なくとも250mPa・秒のブルックフィールド粘度及びASTM D-3418-03で測定された約250J/g未満の融解熱を有し、重量パーセント測定はC2ベースポリマーの重量に基づいている。本組成物は、50重量%超のプロピレン誘導単位と、少なくとも1種の第2コモノマーとを含んでなるプロピレンベースポリマーをさらに含み、前記プロピレンベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された100mPa・秒〜1500mPa・秒の範囲のブルックフィールド粘度及びASTM D-3418-03で測定された少なくとも45J/gの融解熱を有し、重量パーセント測定はプロピレンベースポリマーに基づいている。前記C2ベースポリマー及び前記プロピレンベースポリマーはそれぞれ少なくとも0.1ナノ秒という、式1で以下に定義する特性時間(tc)を有する。少なくとも1種の第1コモノマー及び少なくとも1種の第2コモノマーは同一又は異なる。結果として生じる接着剤組成物及びホットメルト接着剤は、ある範囲の温度にわたって合理的に低いブルックフィールド粘度、良いセットタイム値、及び良い繊維引裂き性能を示す。
定義
本明細書で使用する場合、「tc」と略されるナノ秒単位の用語「特性時間」は、下記式1によって定義される:
tc= BV (式1)
密度×融解熱
式中、前記BVは、ASTM D-3236で190℃にて測定された前記C2ベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーのmPa・秒単位のブルックフィールド粘度であり、前記密度は、23℃での前記C2ベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーのg/cm3単位の密度であり、前記融解熱は、前記C2ベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーのJ/g単位の融解熱である。
本明細書で使用する場合、用語「コポリマー」は、2種以上のモノマーを、任意に他のモノマーと共に有するポリマーを包含することを意味し、インターポリマー、ターポリマーマー等を指すことがある。本明細書で使用する用語「ポリマー」には、ホモポリマー及びコポリマーが含まれる。
本発明の1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物はC2ベースポリマー成分を含み、これは1種以上のエチレンベースポリマーを含み得る。一実施形態では、C2ベースポリマー成分は、50重量%超のエチレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の少なくとも1種の第1コモノマーから誘導された単体とを含む。第1コモノマーはαオレフィンであり、好ましくは、プロピレン、1-ブテン又は1-オクテン、さらに好ましくはオクテンである。第1コモノマーは、プロピレン、C4〜C20αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択され得る。いくつかの実施形態では、C2ベースポリマー成分はランダムコポリマーであり、他の実施形態では、C2ベースポリマー成分はエラストマーランダムコポリマーである。
いくつかの実施形態では、C2ベースポリマーはエチレン誘導単位と、約1重量%〜約49重量%、又は約5重量%〜約40重量%のC3〜C10αオレフィン誘導単位とを含む。別の実施形態では、第1コモノマーは少なくとも1種のC3〜C8αオレフィンを含み得る。1つ以上の実施形態では、第1コモノマー単位は、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン, 4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、及び/又は1-デセン、好ましくは、1-ヘキセン又は1-オクテンから誘導され得る。下記実施形態では、第1コモノマーとしてプロピレン、ブテン又はオクテンに関して論じるが、これらの実施形態は、他のαオレフィンコモノマーを有する他のポリマーに同様に適用可能である。この点で、該ポリマーを簡単にコモノマーとしてオクテンに関するC2ベースポリマーと称し得る。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーのTm(DSCで測定したところ)は約110℃未満、又は約100℃未満、又は約90℃未満、又は約80℃未満、又は約70℃未満、又は約60℃未満、又は約50℃未満、又は約40℃未満、又は約30℃未満である。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは、ASTM D-3418-03に従って示差走査熱量測定法で決定される融解熱(Hf)によって特徴づけ得る。1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーの融解熱は、約250J/g未満、又は約200J/g未満、又は約150J/g未満、又は約100J/g未満である。他の実施形態では、融解熱は、約1J/g、又は10J/g、又は20J/g、又は30J/g、又は40J/g、又は50J/g、又は60J/gのいずれかの下限から、約250J/g、又は225J/g、又は200J/g、又は175J/g、又は150J/g、又は125J/g、又は100J/gのいずれかの上限までの範囲にある。好ましくは、C2ベースポリマーの融解熱は約1J/g〜約100J/g、又は約1J/g〜約150J/g、又は約1J/g〜約200J/g、又は約1J/g〜約250J/gである。さらに好ましくは、C2ベースポリマーの融解熱は、約60J/g〜約250J/gの範囲にある。追加コモノマーを使用すること、より高い重合温度で操作すること、及び/又は立体障害レベルを低減させ、モノマー挿入のより多くの伝搬エラーに有利に働く異なった触媒を使用することによって融解熱を減少させることができる。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは約0.3%〜約40%、約0.5%〜約30%、又は約1%〜約25%、又は約5%〜約20%の結晶化度パーセントを有し得る。サンプルの融解熱を100%結晶性ポリマーの融解熱で割ることによって結晶化度パーセントを決定することができ、Wunderlich, B. Macromolecular Physics, Volume 1, p. 388, Academic Press, 1973によれば、ポリエチレンでは293J/g(ジュール/グラム)である。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは、ASTM D-792試験法によって測定したところ23℃で約0.85g/cm3〜約0.92g/cm3、又は約0.87g/cm3〜約0.90g/cm3、又は約0.88g/cm3〜約0.89g/cm3の密度を有し得る。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは、ASTM D-1238に従って2.16kg荷重230℃で測定したところ、約0.3dg/分以上、又は少なくとも約0.5dg/分、又は少なくとも約0.8dg/分、又は少なくとも約1.0dg/分のメルトフローレート(MFR)を有し得る。これら又は他の実施形態では、メルトフローレートは約7000dg/分以下、又は約6000dg/分未満、又は約5000dg/分未満、又は約4000dg/分未満、又は約3000dg/分未満、又は約2000dg/分未満、又は約1000dg/分未満、又は約900dg/分未満、又は約700dg/分未満、又は約500dg/分未満、又は約350dg/分未満、又は約250dg/分未満、又は約100dg/分未満であり得る。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは、ASTM D-1238に従って2.16kg荷重230℃で測定したところ、約250dg/分以上、又は約500dg/分以上、又は約1,000dg/分以上、又は約1,500dg/分以上、又は約2,000dg/分以上、又は約2,500dg/分以上、又は約3,000dg/分以上、又は約4,000dg/分以上、又は約5,000dg/分以上、又は約6,000dg/分以上、又は約7,000dg/分以上のメルトフローレート(MFR)を有し得る。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーは、約2,500〜約25,000g/モル、又は約2,500〜約20,000g/モル、又は約2,500〜約15,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有し得る。
1つ以上の実施形態では、C2ベースポリマーの分子量分布(MWD)、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、約1〜約20、又は約1〜約10、又は約1.8〜約6、又は約1.8〜約5であり得る。1〜10、又は1〜8、又は1〜6、又は1〜4の範囲の重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比が好ましい。
別の実施形態では、上記C2ベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定したところ、190℃で250mPa・秒より大きい、又は500mPa・秒より大きい、又は1,000mPa・秒より大きい、又は2,000mPa・秒より大きい、又は3,000mPa・秒より大きい、又は4,000mPa・秒より大きい、又は5,000mPa・秒より大きい粘度(ブルックフィールド粘度又は溶融粘度とも称する)をも有する。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、約50重量%〜約99重量%、又は約60重量%〜約99重量%、又は約70重量%〜約99重量%、又は約80重量%〜約99重量%のC2ベースポリマー成分を含み得る。
本発明の1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物はプロピレンベースポリマー成分を含み、このプロピレンベースポリマー成分は1種以上のプロピレンベースポリマーを含む。一実施形態では、プロピレンベースポリマー成分は、50重量%超のプロピレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の少なくとも1種の第2コモノマーから誘導された単位とを含む。第2コモノマーはαオレフィンであり、好ましくはエチレンである。第2コモノマーは、エチレン、C4〜C20αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択される。いくつかの実施形態では、プロピレンベースポリマー成分はランダムコポリマーであり、他の実施形態ではプロピレンベースポリマー成分はエラストマーランダムコポリマーである。いくつかの実施形態では、プロピレンベースポリマーはプロピレン誘導単位と、約1〜約49重量%、又は約5〜約40重量%のC4〜C10αオレフィン誘導単位とを含む。別の実施形態では、第2コモノマーは少なくとも1種のC4〜C8αオレフィンを含む。1つ以上の実施形態では、第2コモノマー単位は、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、及び/又は1-デセン、好ましくは、1-ヘキセン又は1-オクテンから誘導され得る。下記実施形態では、第2コモノマーとしてエチレンに関して論じるが、これらの実施形態は、他のαオレフィンコモノマーを有する他のポリマーにも同様に適用可能である。この点で、該ポリマーは、簡単に、コモノマーとしてエチレンに関するプロピレンベースポリマーと称し得る。
1つ以上の実施形態のプロピレンベースポリマーは、示差走査熱量測定法(DSC)で決定したところ単一融点を有することを特徴とする。融点は、サンプルの融解の範囲内における最大熱吸収の温度と定義される。プロピレンベースポリマーは、主ピークに隣接する二次融解ピークを示し得るが、本明細書の目的では、これらの二次融解ピークは一緒に単一融点とみなされ、これらのピークの最高がプロピレンベースポリマーの融点(Tm)とみなされる。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーのTm(DSCで測定)は、約130℃未満、又は約120℃未満、又は約115℃未満、又は約110℃未満、又は約100℃未満である。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーは約22%〜約60%、約22%〜約50%、又は約25%〜約40%の結晶化度パーセントを有し得る。結晶化度パーセントは、サンプルの融解熱を100%結晶性ポリマーの融解熱で割ることによって決定可能であり、Bu, H.-S.; Cheng, S. Z. D.; Wunderlich, B., Makromol. Chem. Rapid Commun., 1988, 9, p. 75によれば、アイソタクチックポリプロピレンでは207ジュール/グラムである。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーは、ASTM D-792試験法によって測定したところ、23℃で約0.85g/cm3〜約0.92g/cm3、又は約0.87g/cm3〜約0.90g/cm3、又は約0.88g/cm3〜約0.89g/cm3の密度を有し得る。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーは、約50,000g/モル以下、例えば、約5,000〜約50,000g/モル、又は約5,000〜約40,000g/モル、又は約5,000〜約30,000g/モル、又は約10,000〜約30,000g/モル、又は約20,000〜約30,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有し得る。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーは、約2,500〜約25,000g/モル、又は約2,500〜約20,000g/モル、又は約2,500〜約15,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有し得る。
1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーの分子量分布(MWD)、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、約1〜約20、又は約1〜約10、又は約2〜約5、又は約1〜約3であり得る。1〜10、又は1〜8、又は1〜6、又は1〜4の範囲の重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比が好ましい。
別の実施形態では、プロピレンベースポリマーは、少なくとも0.1ナノ秒、又は少なくとも0.5ナノ秒、又は少なくとも1ナノ秒、又は少なくとも3ナノ秒の、上記式1で定義される特性時間(tc)を有する。1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーの特性時間(tc)は、0.05〜100ナノ秒、又は0.1〜100ナノ秒、又は0.1〜75ナノ秒、又は0.1〜50ナノ秒、又は0.1〜25ナノ秒、又は0.1〜20ナノ秒、又は0.1〜15ナノ秒、又は0.1〜10ナノ秒である。1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーの特性時間(tc)は、1〜100ナノ秒、又は1〜75ナノ秒、又は1〜50ナノ秒、又は1〜25ナノ秒の範囲にある。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、約1重量%〜約99重量%、又は約5重量%〜約90重量%、又は約5重量%〜約80重量%、又は約10重量%〜約60重量%のプロピレンベースポリマー成分を含み得る。
本発明の接着剤組成物の1つ以上の実施形態では、前記エチレンベースポリマーの特性時間(tc)対前記プロピレンベースポリマーの前記特性時間(tc)の比は、1〜1000、又は1〜800、又は1〜600、又は1〜400、又は1〜200である。
本発明の1つ以上の実施形態では、プロピレンベースポリマーの第2コモノマーとエチレンベースポリマーの第1コモノマーは異なる。好ましくは、第2コモノマーはエチレンであり、第1コモノマーはオクテンである。
本発明の1つ以上の実施形態では、接着剤組成物は、ASTM D-3236で177℃にて測定された250〜30,000mPa・秒、又は1,000〜4,500mPa・秒、又は700〜8,000mPa・秒、又は900〜6,000mPa・秒、又は1,100〜4,000mPa・秒、又は1,300〜3,000mPa・秒、又は1,500〜2,000mPa・秒のブルックフィールド粘度を有する。
本発明の1つ以上の実施形態では、接着剤組成物は、示差走査熱量測定法で10℃/分の加熱速度を用いて第2融解で測定された融点が130℃以下、又は125℃以下、又は120℃以下、又は115℃以下である。
1つ以上の実施形態では、本発明の接着剤組成物は、さらに1種以上の添加剤を含んでホットメルト接着剤(HMA)を形成する。添加剤は、官能化成分、粘着付与剤成分、プロセス油成分、ワックス成分、酸化防止剤成分、又はその混合物から成る群より選択される。
本発明の1つ以上の実施形態では、接着剤組成物は、ASTM D-3236で177℃にて測定された約250mPa・秒、又は約500mPa・秒、又は約1,000mPa・秒、又は約2,000mPa・秒、又は約5,000mPa・秒の下限から、約10,000mPa・秒、又は約20,000mPa・秒、又は約30,000mPa・秒、又は約40,000mPa・秒、又は約50,000mPa・秒の上限までのブルックフィールド粘度を有する。
本発明の1つ以上の実施形態では、ホットメルト接着剤組成物は、下記特性:
(i) ASTM D-3236で177℃にて測定された250〜10,000mPa・秒のブルックフィールド粘度;
(ii) 99%より大きい平均繊維引裂きパーセント(平均繊維引裂きパーセントは、下記式:平均繊維引裂き%=(25℃での繊維引裂き% + 2℃での繊維引裂き% + -18℃での繊維引裂き%)/3によって定義される);
(iii) 5秒未満の接着セットタイム;
(iv) 示差走査熱量測定法で10℃/分の加熱速度を用いて第2融解にて測定された130℃以下の融点(Tm);
(v) 前記接着剤組成物の23℃で約0.91000g/cm3以下の計算密度(前記計算密度は、前記接着剤組成物の各成分の重量パーセントと密度から決定される);
(vi) 約19J/g〜約45J/gの前記接着剤組成物の融解熱(Hf);及び
(vii) 約15〜約100ナノ秒のホットメルト接着剤特性時間(HMA tc)(前記前記HMA特性時間(HMA tc)は下記式:
HMA tc= 177℃でのBV
密度×融解熱
(式中、前記BVは、ASTM D-3236で177℃にて測定されたmPa・秒単位の前記接着剤組成物のブルックフィールド粘度であり、前記密度は、g/cm3単位の23℃での前記接着剤組成物の計算密度であり、前記融解熱は、ASTM D-3418-03で測定されたJ/g単位の前記接着剤組成物の融解熱である)によって定義される)
の1つ以上を有する。
「官能化成分」とは、成分(例えば、ポリマー)を、官能基と、必要に応じて、触媒、熱、開始剤、又はフリーラジカル源と接触させて、官能基の全て又は一部をポリマーに組み入れ、グラフトし、結合し、物理的に付着させ、及び/又は化学的に付着させた成分を意味する。
接着剤組成物は、官能成分を含め、1種以上の添加剤を含み得る。このセクションでは、我々は、これらの官能成分についてさらに詳細に論じる。典型的に、官能化すべき成分をフリーラジカル開始剤及びグラフトモノマー又は他の官能基(例えばマレイン酸又は無水マレイン酸)と混ぜ合わせ、加熱してモノマーをポリマー、コポリマー、オリゴマー等と反応させて官能化成分を形成する。ポリマーを官能化するための技術分野には、ここに記載のポリマーで利用し得る複数の方法が存在する。これには、選択的酸化、フリーラジカルグラフト、オゾン分解、エポキシ化等がある。
本発明で用いるのに適した官能化成分の例としては、限定するものではないが、官能化オレフィンポリマー、(例えば官能化C2〜C40ホモポリマー、官能化C2〜C40コポリマー、官能化高Mwワックス)、官能化オリゴマー、(例えば官能化低Mwワックス、官能化粘着付与剤)、β核形成剤、及びその組み合わせが挙げられる。
本発明に有用な官能化オレフィンポリマー及びコポリマーとしては、マレイン酸化ポリエチレン、マレイン酸化メタロセンポリエチレン、マレイン酸化メタロセンポリプロピレン、マレイン酸化エチレンプロピレンゴム、マレイン酸化ポリプロピレン、マレイン酸化エチレンコポリマー、官能化ポリイソブチレン(典型的に無水マレイン酸で官能化して無水コハク酸を形成)等が挙げられる。
本明細書で官能化成分として有用な好ましい官能化ワックスには、アルコール、酸、ケトン、無水物等で変性したものがある。好ましい例として、メチルケトン、無水マレイン酸又はマレイン酸で変性したワックスが挙げられる。本明細書で有用な好ましい官能化ワックスとしては、マレイン酸化ポリプロピレン(Chuseiから商標名MAPP 40で入手可能);マレイン酸化メタロセンワックス(例えばClariant in Augsburg, Germanyから入手可能なTP LICOCENE PP1602);マレイン酸化ポリエチレンワックス及びマレイン酸化ポリプロピレンワックス(Eastman Chemical in Kingsport, Tennesseeから商標名EPOLENE C-16、EPOLENE C-18、EPOLENE E43、及びEPOLENE G-3003で入手可能);マレイン酸化ポリプロピレンワックスLICOMONT AR 504(Clariantから入手可能);グラフト化官能性ポリマー(Dow Chemical Co.から商標名AMPLIFY EA 100、AMPLIFY EA 102、AMPLIFY 103、AMPLIFY GR 202、AMPLIFY GR 205、AMPLIFYGR 207、AMPLIFY GR 208、AMPLIFY GR 209、及びAMPLIFY VA 200で入手可能);マレイン酸化エチレンポリマー(Baker Hughesから商標名CERAMER 1608、CERAMER 1251、CERAMER 67、及びCERAMER 24で入手可能);及びエチレン酢酸メチルコポリマー及びターポリマーが挙げられる。
有用なワックスには、15,000未満、好ましくは3,000〜10,000のMw及び5重量%以上、好ましくは10重量%以上の結晶化度を有し、10重量%までの官能基含量(好ましくは無水マレイン酸)を有するポリプロピレンワックスがある。
本明細書で可能性成分として使用するためのさらなる好ましい官能化ポリマーとしては、Honeywellから入手可能なA-C X596A、A-C X596P、A-C X597A、A-C X597P、A-C X950P、A-C X1221、A-C 395A、A-C 395A、A-C 1302P、A-C 540、A-C 54A、A-C 629、A-C 629A、A-C 307、及びA-C 307Aが挙げられる。
Baker Hughesから入手可能なUNILIN長鎖アルコール、特にUNILIN 350、UNILIN 425、UNILIN 550、及びUNILIN 700も本明細書で官能化成分として有用である。
Baker Hughesから入手可能なUNICID直鎖状一級カルボン酸、特にUNICID 350、UNICID 425、UNICID 550、及びUNICID 700も本明細書で官能化成分として有用である。
本発明で官能化成分として使用し得る好ましい官能化炭化水素樹脂には、PCT公開第WO 03/025084号;第WO 03/025037号;第WO 03/025036号;及び欧州公開第EP 1 295 926 A1号(参照することによってここに援用する)に記載されているものがある。
好ましい実施形態では、炭化水素樹脂を少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つのカルボニル基とを含有する不飽和酸又は無水物で官能化して、本発明の官能化成分として使用する。官能化できる好ましい炭化水素樹脂を粘着付与剤として以下に列挙する。代表的な酸には、カルボン酸、無水物、エステル及びそれらの金属と非金属の両方の塩が含まれる。好ましくは、有機化合物は、カルボニル基(-C=O)と共役したエチレン性不飽和を含有する。例として、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、α-メチルクロトン酸、及びケイ皮酸並びにそれらの無水物、エステル及び塩誘導体が挙げられる。特に好ましい官能基としては、マレイン酸及び無水マレイン酸が挙げられる。無水マレイン酸が特に好ましい。不飽和酸又は無水物は、炭化水素樹脂及び不飽和酸又は無水物の重量に基づいて、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約7重量%、なおさらに好ましくは約1重量%〜約4重量%で存在する。好ましい実施形態では、不飽和酸又は無水物は、不飽和カルボン酸、エステル、イミド、アミド、無水物及び環状酸無水物から選択される不飽和カルボン酸誘導体、又はその混合物から成る群より選択されるカルボン酸又はその誘導体を含む。
好ましい実施形態では、官能化成分は、ブレンドの重量に基づいて、0.005重量%〜99重量%、好ましくは0.01重量%〜99重量%、好ましくは0.05重量%〜90重量%、好ましくは0.1重量%〜75重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜60重量%、さらに好ましくは1重量%〜50重量%、さらに好ましくは1.5重量%〜40重量%、さらに好ましくは2重量%〜30重量%、さらに好ましくは2重量%〜20重量%、さらに好ましくは2重量%〜15重量%、さらに好ましくは2重量%〜10重量%、さらに好ましくは2重量%〜5重量%で存在する。好ましくは、官能化成分は、ブレンドの重量に基づいて、0.005重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜10重量%で存在する。
他の実施形態では、官能化成分は、接着剤組成物の重量に基づいて、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜4重量%、好ましくは0.01重量%〜3重量%、好ましくは0.01重量%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.01重量%〜0.5重量%以下、好ましくは0.01重量%〜0.1重量%で存在する。いくつかの好ましい実施形態では、官能化成分は、1重量%〜5重量%、1重量%〜4重量%、又は2.0重量%〜4.0重量%の量で存在する。いくつかの好ましい実施形態では、接着剤に官能化成分が存在しない。
本発明の1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、粘着付与剤樹脂成分を含み、この粘着付与剤樹脂成分は、本明細書に記載の1種以上の炭化水素粘着付与剤樹脂を含み得る。
一般に、粘着付与剤樹脂成分には、接着剤組成物に添加して接着剤特性の改変を達成できる非晶質材料が含まれる。粘着付与剤樹脂成分は、ポリオレフィンと相溶性であり、かつフィルム特性の所望の向上をもたらす低分子量の天然又は合成樹脂であり得る。天然樹脂は、植物又は動物起源の樹脂と定義され、限定するものではないが、ロジン、例えばゴム、ウッド、又はトール油ロジンが挙げられる。合成樹脂は、制御した化学反応から生じる樹脂、例えば炭化水素樹脂と定義される。炭化水素樹脂の例としては、コールタール樹脂、石油樹脂、及びターペンタイン樹脂が挙げられる。
適切な粘着付与剤樹脂成分の例としては、限定するものではないが、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族炭化水素樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ゴムロジン、ゴミロジンエステル、ウッドロジン、ウッドロジンエステル、トール油ロジン、トール油ロジンエステル、ポリテルペン、芳香族変性ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化脂肪族樹脂、水素化脂肪族芳香族樹脂、フェノール樹脂、水素化テルペン、変性テルペン、水素化ロジン酸、及び水素化ロジンエステルが挙げられる。いくつかの実施形態では、粘着付与剤は水素化されている。
他の実施形態では、粘着付与剤は無極性である。無極性とは、粘着付与剤が、極性基を有するモノマーを実質的に含まないことを意味する。好ましくは、極性基は存在しないが、存在する場合、それらは5重量%以下、好ましくは2重量%以下、なおさらに好ましくは0.5重量%以下の粘着付与剤を含む。いくつかの実施形態では、粘着付与剤は、80℃〜150℃、好ましくは100℃〜130℃の軟化点(環球法、ASTM E-28で測定)を有する。別の実施形態では、樹脂は液体であり、10℃〜70℃の環球法軟化点を有する。
存在する場合、粘着付与剤は典型的に少なくとも約1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%の量で存在する。
(a)C5/C6テルペン樹脂、スチレンテルペン、α-メチルスチレンテルペン樹脂、C9テルペン樹脂、芳香族変性C5/C6、芳香族変性環状樹脂、芳香族変性ジシクロペンタジエンベース樹脂、又はその混合物等の樹脂(さらなる好ましい樹脂には、PCT公開第WO 91/07472号;及び米国特許第5,571,867号;第5,171,793号;及び第4,078,132号に記載のものがある。典型的に、これらの樹脂は、下記モノマー:C5ジオレフィン(例えば1,3-ペンタジエン、イソプレン等);C5オレフィン(例えば2-メチルブテン、シクロペンテン等);C6オレフィン(例えばヘキセン);C9ビニル芳香族(例えばスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等);環状モノマー(例えばジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン等);及び/又はテルペン(例えばリモネン、カレン等)の1種以上を含有する組成物のカチオン重合から得られる);及び
(b)ジシクロペンタジエンの熱重合、並びに/或いはシクロペンタジエン及び/又はメチルシクロペンタジエンのダイマー又はオリゴマーの、任意にビニル芳香族(例えばスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン)との熱重合によって得られる樹脂。
別の実施形態では、粘着付与剤樹脂成分は、直鎖状ジエンの触媒(カチオン)重合によって生成される炭化水素樹脂を含み得る。該モノマーは主に蒸気分解ナフサ(Steam Cracked Naphtha)(SCN)から誘導され、C5ジエン、例えばピペリレン(1,3-ペンタジエンとしても知られる)が挙げられる。重合可能芳香族モノマーを用いて樹脂を生成することもでき、それらは相対的に純粋な、例えばスチレン、メチルスチレンであるか、又はC9芳香族SCN流由来であり得る。該芳香族モノマーを単独で又は前述した直鎖状ジエンと組み合わせて使用することができる。「天然」モノマーを用いて樹脂、例えば、α-ピネン又はβ-カレン等のテルペンを生成することもでき、単独又は高濃度若しくは低濃度で他の重合可能モノマーと共に使用する。これらの樹脂を作るために用いる典型的な触媒は、単独又は複合化したAlCl3及びBF3である。2-メチル-2-ブテン等のモノオレフィンモディファイヤーを用いて最終樹脂の分子量分布(MWD)を制御してもよい。最終樹脂は、さらに詳細に後述するように、部分的又は全体的に水素化され得る。
1つ以上の実施形態では、粘着付与剤樹脂成分は、少なくとも部分的に水素化又は実質的に水素化されていてよい。本明細書では、「少なくとも部分的に水素化されている」とは、該物質が90%未満のオレフィン性プロトン、又は75%未満のオレフィン性プロトン、又は50%未満のオレフィン性プロトン、又は40%未満のオレフィン性プロトン、又は25%未満のオレフィン性プロトンを含有することを意味する。本明細書では、「実質的に水素化されている」とは、該物質が5%未満のオレフィン性プロトン、又は4%未満のオレフィン性プロトン、又は3%未満のオレフィン性プロトン、又は2%未満のオレフィン性プロトンを含有することを意味する。水素化の度合いは、典型的に芳香族結合の水素化を最小限にし、好ましくは回避するように行なわれる。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の粘着付与剤樹脂成分は、事実上全体的又は実質的に非晶質として一意的に特徴づけ得る。これは、ガラス転移温度(Tg)が、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)で検出可能であるが、それらは融点(Tm)を持たないことを意味する。これらの樹脂を特徴づけるため、Tgと大まかに相関がある試験、例えば、近似するが、正確でない値を与える軟化点(SP)を利用することが一般的に認められる。樹脂の軟化点(SP)は、ASTM E-28に従って環球軟化点試験により測定される。
いくつかの実施形態では、粘着付与剤は、約50℃〜約140℃、又は約60℃〜約130℃、又は約70℃〜約120℃、又は約80℃〜約110℃の軟化点を有し得る。
典型的に、本発明の1つ以上の実施形態では、粘着付与剤樹脂成分は、約400〜約3000の数平均分子量(Mn)、約500〜約6000の重量平均分子量(Mw)、約700〜約15,000のz平均分子量(Mz)、約1.5〜約4の、Mw/Mnと定義される多分散性(PD)を有する。本明細書では、示差屈折計を備え、ポリスチレン標準物質を用いて較正したWaters 150ゲル浸透クロマトグラフを用いてサイズ排除クロマトグラフィーにより分子量(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びz平均分子量(Mz))を測定する。テトラヒドロフラン(THF)(45℃)にサンプルを流す。分子量をポリスチレン当量分子量として記録し、一般的にg/モルで測定する。
一実施形態では、水素化前にオリゴマーを樹脂から放散させてよい。オリゴマーを樹脂と共に水素化してから、樹脂からオリゴマーを放散させて、水素化樹脂と水素化オリゴマーを得てもよい。別の実施形態では、水素化前に少なくとも一部のオリゴマーを放散させ、水素化後に少なくとも一部の水素化オリゴマーを放散させる。さらに別の実施形態では、後述するように水素化樹脂/オリゴマー生成物を単一混合物として一緒にさらに加工することができる。さらに別の実施形態では、いずれの適切な起源からもオリゴマーを誘導することができ、グラフト前のオリゴマーが典型的に少なくとも部分的に水素化、好ましくは実質的に水素化されるように、グラフト前に(必要に応じて)水素化する。
市販粘着付与剤の例として、限定するものではないが、ExxonMobil Chemical Company製のEscorez 2203、Escorez 1310LC、Escorez 1304、Escorez 5380、Escorez 5400、及びEscorez 5600;Eastman Chemicals製のPiccotac 1905及びEastotac H-100;Nippon Zeon製のQuintone D及びQuintone U 185;Maruzen製のMarukares R100;及びCray Valley製のWingtack Extra及びWingtack Plus;ExxonMobil Chemical Company製のEscorez 2101、Escorez 5690、及びEscorez 2173;Eastman Chemicals製のRegalrez 5095、Regalrez 3102、Staybelite Ester 3、及びPentalyn H;Nippon Zeon製のQuintone U 190;Cray Valley製のWingtack 86;及びArizona Chemicalから入手可能なSylvalite RE 885及びSylvatac RE 85が挙げられる。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、約5重量%〜約50重量%、又は約10重量%〜約40重量%、又は約15重量%〜約35重量%の粘着付与剤樹脂成分を含み得る。
本発明の1つ以上の実施形態では、1種以上のプロセス油を本明細書に記載の接着剤組成物に添加し得る。本明細書では、用語「プロセス油」は、石油誘導プロセス油と合成可塑剤の両方を意味する。
本発明で用いるのに適したプロセス油の例としては、限定するものではないが、パラフィン油又はナフテン油、例えばExxonMobil Chemical France製のPrimol 352又はSentinel PO 876;及びNynas ABから入手可能なNyflex 222Bが挙げられる。
本発明で用いるのに適したさらなるプロセス油には、脂肪族ナフテン油、ホワイト油等がある。典型的な可塑剤及び/又はアジュバントとしては、鉱油、ポリブテン、フタラート等が挙げられる。1つ以上の実施形態では、可塑剤として、ジ-イソ-ウンデシルフタラート(DIUP)、ジ-イソ-ノニルフタラート(DINP)、ジオクチルフタラート(DOP)等のフタラート、及びポリブテン、例えばExxonMobil Chemical Company in Houston, Texasから入手可能なParapol 950及びParapol 1300を包含し得る。さらなる有用な可塑剤として、PCT公開第WO 01/18109A1号及び米国特許出願公開第2004/0106723号(参照することによってその内容をここに援用する)に記載のものが挙げられる。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、約1重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約40重量%、又は約10重量%〜約35重量%、又は約15重量%〜約30重量%の任意的なプロセス油成分を含んでよい。
本発明の1つ以上の実施形態では、1種以上のワックスを本明細書に記載の接着剤組成物に添加し得る。利用可能なワックスの非限定例として、石油ベースワックス及び合成ワックスが挙げられる。本発明で用いるのに適したワックスとしては、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、副生物ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、酸化フィッシャー・トロプシュワックス、官能化ワックス、例えばヒドロキシステアロアミドワックス及び脂肪アミドワックス、並びにその組み合わせが挙げられる。実施形態では、複数のワックス成分は、同一又は異なるタイプのワックスであってよく、混和性又は非混和性であってよい。本明細書で有用な高密度低分子量ポリエチレンワックス、副生物ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックスを含めるために当技術分野では合成高融点ワックスという専門用語を用いるのが一般的である。
前述したように、酢酸ビニル変性、無水マレイン酸変性、酸化ワックス、及び他の極性ワックス等の変性ワックスを実施形態で使用してしてもよい。一実施形態では、官能化ワックス成分は単一成分であるが、官能化ポリオレフィン成分と1種以上のワックス成分の両方として二つの機能を果たす。別の実施形態では、接着剤は本質的に変性ワックスを含まない。すなわち、変性ワックスが計画的に添加されないか又は1重量%未満の変性ワックスを含有する。一実施形態では、ワックス成分は、総ワックス成分の2重量%未満又は1重量%未満の変性ワックスを含む。
好ましくは、ワックス成分はパラフィンワックス、微結晶性ワックス、フィッシャー・トロプシュ合成ワックス、及びポリエチレンワックスであり、その全てが直鎖状及び分岐炭化水素のブレンドである。パラフィンワックスは多くの物質の複雑な混合物である。それらは主に飽和炭化水素から成る。
ポリオレフィンワックスは、典型的に500〜20,000g/モルの重量平均分子量を有し、高分子量の分岐ポリオレフィンポリマーの熱分解又はオレフィンの直接重合によって生成可能である。
一実施形態では、接着剤組成物は2種のワックス成分を含むことができ、第1ワックス成分(すなわち、低分子量ワックス成分)は、500〜10,000、1,000〜10,000、2,000〜10,000、3,000〜10,000、4,000〜10,000、5,000〜10,000、6,000〜10,000、7,000〜10,000、8,000〜10,000、及び9,000〜10,000の重量平均分子量(g/モル)を有し;第2ワックス成分(すなわち、高分子量ワックス成分)は、1,000〜20,000、2,000〜20,000、3,000〜20,000、4,000〜20,000、5,000〜20,000、6,000〜20,000、7,000〜20,000、8,000〜20,000、9,000〜20,000、10,000〜20,000、及び15,000〜20,000の重量平均分子量を有する。適切な重合プロセスには、例えば、オレフィン、通常はエチレンを高温高圧下でフリーラジカル反応させて分岐ワックスを形成する高圧技術、並びに有機金属触媒を用いてエチレン及び/又はより高級な1-オレフィンを重合させる低圧又はチーグラープロセスがある。メタロセン触媒を用いて生成されるポリエチレンワックスは、チーグラー・ナッタ技術に比べて、狭い分子量分布、コモノマーのより均一な組み入れ、及び低い融点を有する。一実施形態では、高分子量の第2ワックス成分はメタロセンポリエチレンワックスを含む。
別の実施形態では、第1ワックス成分の分子量は、セットタイムを短縮するのに十分低く、第2ワックス成分は、接着を改善するのに十分高い分子量を有する。一実施形態では、第1ワックス成分の重量平均分子量(Mwワックス1)と第2ワックス成分の重量平均分子量(Mwワックス2)の差は、少なくとも約1000g/モル((Mwワックス2−Mwワックス1)≧1000g/モル)又は少なくとも約2000g/モル((Mwワックス2−Mwワックス1)≧2000g/モル)又は少なくとも約3000g/モル((Mwワックス2−Mwワックス1)≧3000g/モル)又は少なくとも約4000g/モル((Mwワックス2−Mwワックス1)≧4000g/モル)又は少なくとも約5000g/モル((Mwワックス2−Mwワックス1)≧5000g/モル)である。一実施形態では、Mwワックス1は約4000未満、例えば、約450〜4000g/モル又は約500〜4000g/モルであり、Mwワックス2は約5000より大きく、例えば約5000〜20,000g/モルである。
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の接着剤組成物は、約1重量%〜約50重量%、又は約1重量%〜約40重量%、又は約1重量%〜約30重量%、又は約1重量%〜約20重量%の任意的なワックス成分を含み得る。
いくつかの実施形態では、1種以上のさらなるフィラー又は添加剤を利用して、最終接着剤製剤に望ましい特性及び特徴を達成することができる。該添加剤及びフィラーは技術上周知であり、限定するものではないが、フィラー、空洞形成剤、酸化防止剤、界面活性剤、アジュバント、可塑剤、ブロック、アンチブロック、着色剤、カラー・マスターバッチ、顔料、染料、加工助剤、UV安定剤、中和剤、潤滑剤、ワックス、ナノクレイ、及び/又は核形成剤が挙げられる。添加剤は、当業者が有効であると判断するいずれの量でも、例えば、約0.001重量%〜約10重量%の量で存在し得る。
本発明で用いるのに適したフィラー(レギュラーサイズ又はナノサイズ)、空洞形成剤、及び/又は核形成剤は、粒状、繊維状、及び粉末状物質を含んでよく、限定するものではないが、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、二酸化ケイ素、カーボンブラック、砂、ガラスビーズ、鉱物凝集物、タルク、天然及び合成粘土、珪藻土等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物に利用し得る加工錠剤、潤滑剤、ワックス、及び/又は油としては、低分子量製品、例えばワックス、油、又は低Mnポリマー(低とは、5,000未満、好ましくは4,000未満、又は3,000未満、又は2,500未満のMnを有することを意味する)が挙げられる。ワックスとしては、極性又は無極性ワックス、官能化ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、及びワックスモディファイヤーが挙げられる。
ワックスに加えて、添加剤には、フィラー、酸化防止剤、アジュバント、接着促進剤、可塑剤、油、低分子量ポリマー、ブロック、アンチブロック、顔料、加工助剤、UV安定剤、中和剤、潤滑剤、界面活性剤、核形成剤、酸化ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、及び/又は無水物変性ポリオレフィンを含めた技術上周知の通常の添加剤も含まれる。個々の成分として、マスターバッチで、又はその組み合わせで、添加剤をポリマー組成物と混ぜ合わせる。
酸化防止剤には、両方ともCiba-Geigyから入手可能なIrganox 1010及びIrganox 1076等のフェノール系酸化防止剤を含めた当業者に既知の通常の酸化防止剤がある。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は約3重量%未満の酸化防止剤を含む。
油には、ExxonMobil Chemical France, S.A. in Paris, Franceから入手可能なPrimol 352又はPrimol 876等のパラフィン系又はナフテン系油を含めた当業者に既知の通常の油がある。好ましい油としては、脂肪族ナフテン系油が挙げられる。
可塑剤には、鉱油、フタラート又はポリブテン、例えばExxonMobil Chemical Company in Houston, Texasから入手可能なParapol 950及びParapol 1300等を含めた当業者に既知の通常の可塑剤がある。好ましい可塑剤としては、フタラート、例えばジ-イソ-ウンデシルフタラート(DIUP)、ジ-イソ-ノニルフタラート(DINP)、及びジオクチルフタラート(DOP)が挙げられる。
接着促進剤には、当業者に既知の通常の接着促進剤がある。接着促進剤としは、極性酸;ポリアミノアミド、例えばHenkelから入手可能なVersamid 115、125、140;ウレタン、例えばイソシアナート/ヒドロキシ末端ポリエステル系、例えば結合剤TN/Mondur Cb-75(Miles, Inc.);カップリング剤、例えばシランエステル(Dow CorningからのZ-6020);チタン酸エステル、例えばKenrichから入手可能なKr-44;反応性アクリル酸モノマー、例えばSartomerからのsarbox SB-600;金属酸塩、例えばSartomerからのSaret 633;及びポリフェニレンオキシドが挙げられる。
低数平均分子量(Mn)ポリマーには、当業者に既知の通常の低Mnポリマーがある。好ましい低Mnポリマーとして、プロピレン、ブテン、ペンテン、及びヘキセン等の低αオレフィンのポリマーが挙げられる。特に好ましいポリマーとしては、1,000未満のMnを有するポリブテンが挙げられる。該ポリマーの例は、商標名PARAPOLTM 950でExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。PARAPOLTM 950は、950のMn及びASTM D-445で測定したところ100℃で220cSt(220mPa・秒)の動粘度をを有する液体ポリブテンポリマーである。いくつかの実施形態では、極性及び無極性ワックスを同一組成物で一緒に使用する。
接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて約30重量%未満の添加剤を含む。好ましくは、接着剤組成物は、約25重量%未満の添加剤、又は約20重量%未満の添加剤、又は約15重量%未満の添加剤、又は約10重量%未満の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、接着剤組成物の重量に基づいて、約5重量%未満、又は約3重量%未満、又は約1重量%未満で存在する。
本明細書に記載の添加剤を純粋形又はマスターバッチのブレンドに添加することができる。
1つ以上の実施形態では、いずれの適切な混合装置を用いても、成分の融点より高い温度、例えば、130℃〜180℃で、混合装置のタイプに応じて均一混合物を形成するのに十分な時間、通常は約1〜約20分混合することによって、本明細書に記載の接着剤組成物の成分をブレンドすることができる。
ほとんどの商業的製造業者が行なう連続混合の場合、二軸押出機を用いて接着剤成分を混合することができる。最初にエチレンベース及び/又はプロピレンベースポリマー成分及び追加成分、例えば官能化成分を押出機に導入し、ポリマーが融解してよく混ざるまで混合する。次に粘着付与剤を添加した後、所望により任意のプロセス油を添加する。顔料、酸化防止剤、フィラー、又は他の添加剤を使用する限りにおいて、通常それらをエチレンベース及び/又はプロピレンベースポリマー成分と混ぜ合わせる。総混合時間は典型的に約1〜5分程度である。
バッチ混合の場合、エチレンベース及び/又はプロピレンベースポリマー成分並びに追加成分を粘着付与剤樹脂成分と共に添加する。全ての粘着付与剤樹脂成分を添加し、均一混合物が達成されたら、残余のプロセス油、酸化防止剤、フィラー、及び任意の他の添加剤を加える。総混合時間は20分まで続くことがある。
理論によって拘束されるものではないが、接着剤組成物の成分としてエチレンベースポリマーもプロピレンベースポリマーも接着剤組成物の表面に移行しないであろうと考えられる。なぜならば、それらの分子量はそれほど低くなく、かつこれらの成分間の結晶化度の差は、式1の特性時間(tc)によって定義されるようにそれほど大きくないからである。エチレンベースポリマーとプロピレンベースポリマーはいずれの所望比で物理的にブレンドしても上記接着剤組成物を形成することができる。また、一方のポリマー成分を1つの反応器で調製し、他方のポリマー成分を直列反応器配置の別の反応器で調製するか又は並行反応器配置で同時にコポリマーを調製することができる。任意の所定比の2種のポリマー成分の重合物を引き続き一緒に混合してから最終工程に供して、本明細書に記載の本発明の接着剤組成物のベースポリマー(二重反応器ブレンド)を形成することができる。
本明細書に記載の接着剤組成物又はHMAはいずれの基材にも適用可能である。適切な基材として、限定するものではないが、木材、紙、ボール紙、プラスチック、プラスチックフィルム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性加硫物(TPV)、ゴム、金属、金属膜、金属箔(例えばアルミニウム箔及びスズ箔)、金属化面、布、不織布(特にポリプロピレンスパンボンデッド繊維又は不織布)、スパンボンデッド繊維、ボール紙、石、プラスター、ガラス(酸化ケイ素(SiOx)を膜面上に蒸着させることによって適用される酸化ケイ素コーティングを含めて)、発泡体、岩、セラミック、フィルム、ポリマーフォーム(例えばポリウレタンフォーム)、インク、染料、顔料、PVDC等でコーティングされた基材、又はその組み合わせが挙げられる。さらなる基材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリラート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート、又はそのブレンドが挙げられる。コロナ処理、電子ビーム照射、γ線照射、マイクロ波又はシラン処理は、上記基材のいずれをも改変することができる。
本発明の接着剤組成物を融成物として基材に適用してから冷却することができる。ローラーコーター、ダイコーター、及びブレードコーター等の通常のコーティング技術を用いて、一般的に約150℃〜約200℃の温度で接着剤組成物を基材に適用することができる。1つ以上の実施形態では、スロットダイを用いて接着剤組成物を基材に適用する。
スロットダイは閉鎖システムであり、該システムを介して容積移送式ポンプによって接着剤組成物を汲み出す。スロットダイは通常、滑面を維持するため接着剤の出口点に回転棒を含む。
約10〜約100、又は約10〜約50、又は約15〜約25グラム/平方メートル(gsm)の乾燥コーティング量を与えるのに十分な接着剤組成物で基材をコーティングすべきである。
コーティング後、コーティングされた基材を所要寸法にカットする。テープの製造では、基材をストリップに切断し、巻いて完成品にする。基材をカットして成形品にしてラベル又は医療テーパー(taper)を与えることもできる。1つ以上の実施形態では、必要に応じて剥離ライナーを利用してもよい。
本発明の1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の1種以上の接着剤組成物でコーティングされた基材を含む粘着テープを形成することができる。本明細書では、用語「テープ」は、一般的にいずれの様式の接着剤用途をも包含し、限定するものではないが、テープ、ラベル、ステッカー、デカール、包装用途等が挙げられる。
セットタイムを測定するため、基材を約0.3グラムの溶融接着剤のドットと一緒に結合し、この結合を500グラム重で圧縮することによって基材繊維引裂き接着試験片を作製する。生じる圧縮円盤が基材寸法のちょうど内側に均等な円を与えるように接着剤体積でドットサイズを調節する。
セットタイム(接着セットタイム又はドットセットタイムとも称する)は、圧縮された接着剤基材構成物が引き離されたときに基材繊維引裂きを与えるのに十分に互いに固定され、ひいては圧縮を取り除くのに十分に結合が強くなるのにかかる時間と定義される。これらのセットタイムは、平テーブルにテープで留めたファイルフォルダー基材(Smead Paper, ストック番号153L, UPC番号10330によって提供された最少でも10%の再生紙含量を有する典型的なマニラレターサイズ(1/3カット)ストック)上に接着剤の溶融ドットを置くことによって試行錯誤により測定する。3秒後、ファイルフォルダータブ(2.5cm×7.6cm(1インチ×3インチ))をドット上に置き、500グラム重で圧縮する。この重量が約0.5〜約10秒の所定時間動かないようにする。このようにして形成された構成物を引き離して、結合レベルが基材繊維引裂きを引き起こすのに十分に良いことをチェックする。さまざまな時間圧縮を保持しながらこの手順を数回繰り返して、この良い結合が生じるのに必要とされる最小時間としてセットタイムを記録する。標準物質を用いてプロセスを較正する。
一旦構成物を作製すれば、それを種々の攻撃(insult)にさらして結合の有効性を評価することができる。一旦基材への結合が損なわれたら、接着性の有効性を定量化するための簡単な方法は、構成物として保持された基材繊維が結合ラインに沿って機能しなくなった接着剤ドットの面積を推定することである。この推定値を基材繊維引裂きパーセントと呼ぶ。サンプルを15時間18℃で調整し、結合を破壊しようと試みた後の良い接着力の例は、80%〜100%の基材繊維引裂きという推定値であろう。当該条件下での0%の基材繊維引裂きは、接着力の消失の前兆となる可能性がある。
ブルックフィールドデジタル粘度計及び27番スピンドルを用いて、ASTM D-3236に従って177℃又は190℃(どちらかの温度を特定する)でブルックフィールド粘度を測定する。
融点とも称するピーク融点(Tm)、結晶化温度とも称するピーク結晶化温度(Tc)、ガラス転移温度(Tg)、融解熱(ΔHf又はHf)、及び結晶化度パーセントは、下記示差走査熱量測定(DSC)手順(二次融解で)を用いてASTM D3418-03に従って決定した。TA InstrumentsモデルQ100機を用いてDSCデータを得た。約5〜10mgの重さのサンプルをアルミニウム気密性サンプルパンに入れて密封した。最初に10℃/分の速度で200℃まで徐々にサンプルを加熱することによってDSCデータを記録した。サンプルを200℃で2分間維持してから、10℃/分の速度で-90℃に冷却した後、2分間等温及び10℃/分で200℃に加熱した。第1と第2の両サイクルの熱イベントを記録した。第2サイクルの吸熱ピーク下面積を測定し、これを用いてTc、Tm、及びHfを決定した。式[融解ピーク下面積(ジュール/グラム)/B(ジュール/グラム)]*100(式中、Bは主モノマー成分の100%結晶性ホモポリマーの融解熱である)を用いて結晶化度パーセンを計算する。Bのこれらの値は、100%結晶性ポリプロピレンの融解熱として207J/g(B)という値を用いるBu, H.S.; Cheng, S. Z. D.; Wunderlich, B. Makromol. Chem. Rapid Commun. 1988, 9, p. 75及び100%結晶性ポリエチレンの融解熱に293J/gという値を用いるWunderlich, B. Macromolecular Physics, Volume 1, p. 388, Academic Press, 1973から得られる。ここで記録した融解及び結晶化温度並びにガラス転移温度は、特に指定のない限り、第2加熱/冷却サイクル中に得た。
重量平均分子量Mw、分子量分布(MWD)、又はMw/Mn(Mnは数平均分子量である)、及び分枝指数(branching index)g'(vis)は、示差屈折計(DRI)、オンライン光散乱検出器(LS)、及び粘度計を備えた高温サイズ排除クロマトグラフ(SEC)を用いて特徴づける。検出器の較正方法を含め、以下に示さない実験の詳細は、T. Sun, P. Brant, R. R. Chance, and W. W. Graessley, Macromolecules, Volume 34, Number 19, pp. 6812-6820, 2001に記載されている。
クロマトグラムの各点における濃度cは、下記式を用いてベースライン減算DRIシグナル、IDRIから計算する。
c=KDRIIDRI/(dn/dc)
式中、KDRIは、DRIの較正によって決まる定数であり、dn/dcは、LS分析について後述するとおりである。SEC法のこの説明全体を通してパラメーターに関する単位は、濃度をg/cm3で表し、分子量をkg/モルで表し、固有粘度をdL/gで表すような単位である。
用いた光散乱検出器は、Wyatt Technology High Temperature mini-DAWNである。静的光散乱についてのZimmモデルを用いてLS出力を分析することによって、クロマトグラムの各点におけるポリマー分子量Mを決定する(M.B. Huglin, LIGHT SCATTERING FROM POLYMER SOLUTIONS, Academic Press, 1971):
[Koc/ΔR(θ,c)]=[1/MP(θ)]+2A2c
式中、ΔR(θ)は、散乱角θで測定された過剰のレイリー散乱強度であり、cは、DRI分析から決定されたポリマー濃度であり、A2は、第2ビリアル係数であり、P(θ)は、単分散ランダムコイルの形状因子であり(上記文献に記載されている)、Koはシステムの光学定数である。
分子量の平均は通常、分子量Miの分子をNi個含有する個別フラクションiに巨大分子が存在する分布の不連続性を考慮することによって定義される。重量平均分子量Mwは、各フラクションの分子量Miとその重量分率wiとの積の合計と定義される。
Mw≡ΣwiMi=(ΣNiMi 2/ΣNiMi)
重量分率wiは、分子量Miの分子の重量を存在する全ての分子の総重量で割った値と定義されるので、以下のとおりである。
wi=NiMi/ΣNiMi
数平均分子量Mnは、各フラクションの分子量Miとそのモル分率xiの積の合計と定義される。
Mn≡ΣxiMi=ΣNiMi/ΣNi
モル分率xiは、Niを分子の総数で割った値と定義されるので、以下のとおりである。
xi=Ni/ΣNi
ηs=c[η]+0.3(c[η])2
式中、DRI出力からcを決定した。
分岐指数(g'、g'(vis)とも称する)は、SEC-DRI-LS-VIS法の出力を用いて以下のように計算する。下記式によってサンプルの平均固有粘度[η]avgを計算する。
分岐指数g'は、下記式と定義される。
Mvは、LS分析で決定された分子量に基づいた粘度平均分子量である。
Mv≡(ΣciMi α/Σci)1/α
各プロピレン-エチレンランダムコポリマー(PEC)のエチレン誘導単位の重量パーセント(重量% C2)はFTIRで決定した。エチレン-オクテンランダムコポリマー(「EOC」)、エチレン-ブテンコポリマー(「EBC」)、及びエチレン-プロピレンコポリマー(「EPC」)のオクテン誘導単位(C8)、ブテン誘導単位(C4)、及びプロピレン誘導単位(C3)の重量パーセントは、13C NMRで決定した。重量平均分子量(Mw)は、光散乱(LS)検出器を用いてGPC-3Dで得た。Mw/Mnと規定される数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比は示差屈折率(DRI)検出器を用いて決定した。g-プライム(g')データは粘度計検出器を用いて決定した。BVは、ASTM D-3236で決定されるブルックフィールド粘度を表す。ガラス転移温度(Tg)、ピーク結晶化温度(Tc)、ピーク融点(Tm)、及び融解熱(Hf)は、上述したように決定した。23℃でのポリマー密度は、ASTM D-1505-10に従って密度カラム法で決定した。
実施例で特定する接着剤組成物の調製に用いた材料は以下のとおりである。
「EBC」は、表1に示す特性を有するエチレン-ブテンコポリマー(エチレンベースポリマー)である。
「EPC」は、表1に示す特性を有するエチレン-プロピレンコポリマー(エチレンベースポリマー)である。
「EOC-1」は、表1に示す特性を有するエチレン-オクテンランダムコポリマー(エチレンベースポリマー)である。EOC-1はDow Chemical Companyから入手可能なAffinity GA 1900である。
「PEC-4」、及び「PEC-5」は、表2に示す特性を有するプロピレン-エチレンランダムコポリマー(プロピレンベースポリマー)である。
ベースポリマーに加えて、開示したホットメルト接着剤(「HMA」)製剤は、下記成分の1種以上を含有する:Escorez 5400、Polywax 3000、A-C 596P、及びIrganox 1010。
ExxonMobil Chemical Companyから入手可能な「Escorez 5400」は、約100℃〜約106℃の環球法軟化点及び23℃で約1.00g/cm3の密度を有する脂環式炭化水素粘着付与剤樹脂である。
Baker Petroliteから入手可能な「Polywax 3000」は、高い結晶化度及び狭い分子量分布を有する、エチレンの完全飽和ホモポリマーである合成ワックスである。その密度は約0.98g/cm3である。この合成ワックスは、狭い分子量分布(3300g/モルのMw、1.10のMw/Mn)、149℃の温度で130mPa・秒の粘度、190℃の温度で55mPa・秒の粘度、115℃の結晶化温度及び127℃の融点を有する。Polywax 3000のこれら及び他の特性を表3に示す。
「A-C 596P」は、Honeywellからのポリプロピレン-無水マレイン酸コポリマーであり、12,000g/モルのMw、2.18のMw/Mn、190℃で128mPa・秒の粘度、102℃の結晶化温度、133℃の融点、及び143℃のメトラー滴点(Mettler drop point)を有する。A-C 596PはHoneywellから入手可能である。A-C 596Pのこれら及び他の特性を表3に示す。
Irganox 1010は、約110℃〜約125℃の融点及び約1.15g/cm3の密度(20℃で)を有するフェノール系酸化防止剤(安定剤)である。Irganox 1010は、Ciba Specialty Chemicals, Switzerlandから入手可能である。
プロピレンベースポリマーPEC-4のホットメルト接着剤製剤(HMA)を調製した。この調製では、80重量%のPEC-4を、8/8/3/1の重量百分率でEscorez 5400、Polywax 3000、A-C 596P、及びIrganox 1010を含む添加剤パッケージと混ぜ合わせて調製した(サンプル1)。比較のため、PEC-4をより高い粘度のEOC-1と混ぜ合わせるさらなるHMAを上記添加剤パッケージを用いて調製した(サンプル2〜6)。エチレンベースポリマーEOC-1(80重量%)と添加剤パッケージ(20重量%)に基づくHMAをも調製した(サンプル7)。表4は、これらのPEC-4とより高い粘度のEOC-1に基づくHMAの組成及び性能を、PEC-4のみの比較HMA(サンプル1)とEOC-1のみの比較HMA(サンプル7)の組成及び性能と共に示す。23℃でのHMA密度は、HMA組成物の各成分又は原料の重量%と密度に基づいて計算した。J/cm3で表される単位体積当たりの融解熱Hfは、J/gで表されるHfに23℃でのHMA密度を掛けることによって計算した。HMA特性時間(tc)は、23℃でのHMA密度とHMAのHf(J/g)の積で除した177℃でのHMAブルックフィールド粘度(mPa・秒)として計算した。明らかなように、実施例2〜5は、さまざまな試験温度で合理的に短いセットタイム、低いブルックフィールド粘度及び高い繊維引裂き又は接着特性を有するので、良い包装HMAである。しかしながら、実施例1、6及び7は、良い包装HMAでない。実施例1は、さまざまな試験温度で低い繊維引裂き又は接着力を有する。実施例7は、良い包装HMAに求められる3.5秒より長いセットタイムを有する。実施例6では、PEC-4のEOC-1への組み入れがHMA粘度を下げたが、この粘度は包装HMA用途にとっては十分低くないことが分かる。実施例6のHMAは、不織布を用いる用途、及び木工その他の用途で用いるには適する可能性がある。これらのタイプの用途では、HMAセットタイムが長すぎることはあり得ないが、低粘度は重要な特性でないからである。良い包装HMAは、短いセットタイム及び低いHMA粘度、又はその両方を必要とする。用語「平均繊維引裂き%」を下記式:平均繊維引裂き%=(25℃での繊維引裂き% + 2℃での繊維引裂き% + -18℃での繊維引裂き%)/3で定義すると、実施例2〜6は、99%より大きい平均繊維引裂き%を有し、それらのセットタイムは5.0秒未満である。表4から分かるように、実施例2〜6は、23℃で約0.9100g/cm3未満のHMA密度、約15ナノ秒〜100ナノ秒のHMA tc、及び約19〜約45のHMA Hf(J/cm3)を特徴とする。
プロピレンベースポリマーPEC-5とエチレンベースポリマーEOC-1のHMAを調製した(実施例9〜13)。比較のため、上記添加剤パッケージ(20重量%)と組み合わせたPEC-5(80重量%)に基づくHMAを実施例8として調製した。表5は、これらのPEC-5とより高い粘度EOC-1に基づくHMAの組成及び性能を、PEC-5のみの比較HMA(実施例8)とEOC-1のみの比較HMA(実施例7)の組成及び性能と共に示す。明らかなように、実施例9〜11は、5秒未満のセットタイム及びさまざまな試験温度で良い繊維引裂きデータ又は接着力を示し、平均繊維引裂き%が99%より高い、良いHMAである。また、PEC-5のEOC-1への組み入れはその粘度を下げた。実施例9は、その低いブルックフィールド粘度のため良い包装HMAであるが、実施例10〜11は、それらの高い粘度のため良い包装HMAでない。しかしながら、それらは、低粘度が重要でない場合の不織布を用いる用途、及び木工用途で用いるのに適している。表5から分かるように、実施例9〜11は、23℃で約0.9100g/cm3未満のHMA密度、約15ナノ秒〜100ナノ秒のHMA tc、及び約19〜約45のHMA Hf(J/cm3)を特徴とする。
プロピレンベースポリマーPEC-4と、エチレンベースポリマーEBCのHMAを調製した(実施例14〜18)。比較のため、上記添加剤パッケージ(20重量%)と組み合わせたEBC(80重量%)に基づくHMAを実施例19として調製した。表6は、PEC-4とEBCに基づくこれらのHMAの組成及び性能を、PEC-4のみの比較HMA(実施例1)とEBCのみの比較HMA(実施例19)の組成及び性能と共に示す。明らかなように、PEC-4のEBCへの組み入れはHMAの粘度を下げた。しかしながら、これらの実施例は5秒に等しいセットタイム、99%未満の平均繊維引裂き%、又は両方を示した。これらのHMAは、23℃で約0.9100g/cm3より高い密度を示す。それらは包装HMA用途又は不織布、木工等の他の用途で使うのに適さない。
プロピレンベースポリマーPEC-5と、エチレンベースポリマーEBCのHMAを調製した(実施例20〜24)。表7は、これらのPEC-5とEBCに基づくHMAの組成及び性能を、PEC-5のみの比較HMA(実施例8)とEBCのみの比較HMA(実施例19)の組成及び性能と共に示す。明らかなように、PEC-5のEBCへの組み入れはHMAの粘度を下げた。実施例20〜24は、さまざまな試験温度で良い繊維引裂き又は接着力を示したが、それらの高いHMA粘度と長いセットタイムのため、それらは包装HMA用途に適さない。しかしながら、不織布、木工等の他の用途では短いセットタイムと低粘度は重要な特性でないので、これらのHMAの1つである実施例20は適している。実施例20は良いHMAであり、5秒未満のセットタイム及びさまざまな試験温度で良い繊維引裂きデータ又は接着力を示し、平均繊維引裂き%は99%より高かった。表7から分かるように、それは23℃で約0.9100g/cm3未満のHMA密度、約15ナノ秒〜100ナノ秒のHMA tc、及び約19〜約45のHMA Hf(J/cm3)を特徴とする。実施例21〜24は、さまざまな試験温度で優れた繊維引裂きデータ又は接着力を有し、平均繊維引裂き%は100%に等しいが、6.0秒に等しいセットタイムを示し、良いHMAではない。これは、それらのHMA Hf値(J/cm3)が45より大きいか、それらのHMA tc値が100ナノ秒より長いか、又は両方であるという理由のためである。
プロピレンベースポリマーPEC-4とエチレンベースポリマーEPCのHMAを調製した(実施例25〜27)。表8は、これらのPEC-4とEPCに基づくHMAの組成及び性能を、EPCのみの比較HMA(実施例28)の組成及び性能と共に示す。
プロピレンベースポリマーPEC-5と、エチレンベースポリマーEPCとのHMAを調製した(実施例29〜31)。表9は、これらのPEC-5とEPCに基づくHMAの組成及び性能を、EPCのみの比較HMA(実施例28)の組成及び性能と共に示す。表8及び9のデータから分かるように、超低粘度EPCのPEC-4及びPEC-5への組み入れは、低いHMA粘度をもたらした。しかしながら、これらのHMAは種々の試験温度で繊維引裂き又は接着力を示さなかったので、これらのHMAは包装、不織布又は木工用途にとって良くない。これは、表1に示すようにこのエチレンベースポリマーの0.0259ナノ秒という超短特性時間tcをもたらす超低粘度及び超高融解熱(Hf)を有するEPCに起因し得る。理論によって拘束されるものではないが、EPCはPECと比べて超低分子量及び超高結晶化度を有するのでEPCはHMAの表面に移動すると考えられる。言い換えれば、EPCはPEC-4又はPEC-5と適合しない。また、表8及び9中の全ての実施例は、23℃で0.9100g/cm3より大きいHMA密度、15ナノ秒未満のHMA tc、及び45より大きいHMA Hf(J/cm3)を有する。
一連の数値上限及び一連の数値下限を用いて特定の実施形態及び特徴を記載した。特に指定のない限り、いずれの下限からいずれの上限までの範囲をも企図されるものと理解すべきである。全ての数値は、「約」又は「近似的」指定値であり、当業者は予期するであろう実験上の誤差及び変動を考慮する。
特許請求の範囲で使用する用語が上記に定義されていない限りにおいて、少なくとも1つの印刷された出版物又は発行された特許に反映されているように、当業者が当該用語に与えた最も広範な定義を該用語に与えるものとする。さらに、この出願で引用した全ての特許、試験手順、及び他の文書は、該開示がこの出願と矛盾しない限りにおいて参照することにより完全に援用され、かつ該援用が許容される全ての管轄権のために援用される。
前記は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の基本的範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決まる。
一連の数値上限及び一連の数値下限を用いて特定の実施形態及び特徴を記載した。特に指定のない限り、いずれの下限からいずれの上限までの範囲をも企図されるものと理解すべきである。全ての数値は、「約」又は「近似的」指定値であり、当業者は予期するであろう実験上の誤差及び変動を考慮する。
特許請求の範囲で使用する用語が上記に定義されていない限りにおいて、少なくとも1つの印刷された出版物又は発行された特許に反映されているように、当業者が当該用語に与えた最も広範な定義を該用語に与えるものとする。さらに、この出願で引用した全ての特許、試験手順、及び他の文書は、該開示がこの出願と矛盾しない限りにおいて参照することにより完全に援用され、かつ該援用が許容される全ての管轄権のために援用される。
前記は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の基本的範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決まる。
また、本発明は、以下の態様であり得る。
〔1〕下記成分:
(a) 50重量%超のエチレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の範囲の第1コモノマーから誘導された単位とを含むエチレンベースポリマー、ここで、前記エチレンベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された少なくとも250mPa・秒のブルックフィールド粘度、ASTM D-3418-03で測定された約250J/g未満の融解熱を有し、前記重量パーセント測定は前記エチレンベースポリマーの重量に基づいている;
(b) 50重量%超のプロピレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の範囲の第2コモノマーから誘導された単位とを含むプロピレンベースポリマー、ここで、前記プロピレンベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された100mPa・秒〜1500mPa・秒の範囲のブルックフィールド粘度、ASTM D-3418-03で測定された少なくとも45J/gの融解熱を有し、前記重量パーセント測定は前記プロピレンベースポリマーの重量に基づいている
を含んでなる接着剤組成物であって、
前記エチレンベースポリマー及び前記プロピレンベースポリマーは、それぞれ少なくとも0.1ナノ秒の特性時間(t c )を有し、前記ナノ秒単位の特性時間(t c )は、下記式1:
tc= BV (式1)
密度×融解熱
(式中、前記BVは、ASTM D-3236で190℃にて測定されたmPa・秒単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーのブルックフィールド粘度であり、前記密度は、ASTM D-1505-10で23℃にて測定されたg/cm 3 単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーの密度であり、前記融解熱は、ASTM D-3418-03で測定されたJ/g単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーの融解熱である)によって定義される、前記接着剤組成物。
〔2〕前記第1コモノマーが、プロピレン、C 4 〜C 20 αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔3〕前記第1コモノマーがプロピレン、ブテン又はオクテンを含む、前記〔1〕〜〔2〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔4〕ASTM D-3236で190℃にて測定された前記エチレンベースポリマーの前記ブルックフィールド粘度が250〜50,000mPa・秒である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔5〕ASTM D-3418-03で測定された前記エチレンベースポリマーの前記融解熱が20〜250J/gである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔6〕前記エチレンベースポリマーの前記特性時間(t c )が1〜1000ナノ秒である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔7〕前記エチレンベースポリマーが1〜10の範囲の重量平均分子量(M w )対数平均分子量(M n )の比を有する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔8〕前記第2コモノマーが、エチレン、C 4 〜C 20 αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔9〕前記第2コモノマーがエチレンを含む、前記〔8〕に記載の接着剤組成物。
〔10〕ASTM D-3236で190℃にて測定された前記プロピレンベースポリマーの前記ブルックフィールド粘度が100〜1500mPa・秒である、前記〔8〕又は〔9〕に記載の接着剤組成物。
〔11〕示差走査熱量測定法で測定された前記プロピレンベースポリマーの前記融解熱が45〜75J/gである、前記〔8〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔12〕前記プロピレンベースポリマーの前記特性時間(t c )が1〜100ナノ秒である、前記〔8〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔13〕前記第1コモノマーと前記第2コモノマーが同一又は異なる、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔14〕1種以上の添加剤をさらに含み、前記添加剤は、官能化成分、粘着付与剤成分、プロセス油成分、ワックス成分、酸化防止剤成分、又はその混合物から成る群より選択される、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
〔15〕前記接着剤組成物が下記特性:
(i) ASTM D-3236で177℃にて測定された250〜10,000mPa・秒のブルックフィールド粘度;
(ii) 99%より大きい平均繊維引裂きパーセント、ここで、平均繊維引裂きパーセントは、下記:平均繊維引裂きパーセント=(25℃での繊維引裂きパーセント + 2℃での繊維引裂きパーセント + -18℃での繊維引裂きパーセント)/3によって定義される;
(iii) 5秒未満の接着セットタイム;
(iv) 示差走査熱量測定法で10℃/分の加熱速度を用いて第2融解にて測定された130℃以下の融点(T m );
(v) 23℃で約0.9100g/cm 3 未満の前記接着剤組成物の計算密度、ここで、前記計算密度は、前記接着剤組成物の各成分の重量パーセントと密度から決定される;
(vi) 約19J/g〜約45J/gの前記接着剤組成物の融解熱(H f );及び/又は
(vii) 約15ナノ秒〜約100ナノ秒のホットメルト接着剤特性時間(HMA t c )(前記HMA特性時間(HMA t c )は、下記式:
HMA tc= 177℃でのBV
密度×融解熱
(式中、前記BVは、ASTM D-3236で177℃にて測定されたmPa・秒単位の前記接着剤組成物のブルックフィールド粘度であり、前記密度は、g/cm 3 単位の23℃での前記接着剤組成物の計算密度であり、前記融解熱は、ASTM D-3418-03で測定されたJ/g単位の前記接着剤組成物の融解熱である)によって定義される)
の1つ以上を有する、前記〔14〕に記載の接着剤組成物。
Claims (15)
- 下記成分:
(a) 50重量%超のエチレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の範囲の第1コモノマーから誘導された単位とを含むエチレンベースポリマー、ここで、前記エチレンベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された少なくとも250mPa・秒のブルックフィールド粘度、ASTM D-3418-03で測定された約250J/g未満の融解熱を有し、前記重量パーセント測定は前記エチレンベースポリマーの重量に基づいている;
(b) 50重量%超のプロピレン誘導単位と、1重量%〜49重量%の範囲の第2コモノマーから誘導された単位とを含むプロピレンベースポリマー、ここで、前記プロピレンベースポリマーは、ASTM D-3236で190℃にて測定された100mPa・秒〜1500mPa・秒の範囲のブルックフィールド粘度、ASTM D-3418-03で測定された少なくとも45J/gの融解熱を有し、前記重量パーセント測定は前記プロピレンベースポリマーの重量に基づいている
を含んでなる接着剤組成物であって、
前記エチレンベースポリマー及び前記プロピレンベースポリマーは、それぞれ少なくとも0.1ナノ秒の特性時間(tc)を有し、前記ナノ秒単位の特性時間(tc)は、下記式1:
tc= BV (式1)
密度×融解熱
(式中、前記BVは、ASTM D-3236で190℃にて測定されたmPa・秒単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーのブルックフィールド粘度であり、前記密度は、ASTM D-1505-10で23℃にて測定されたg/cm3単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーの密度であり、前記融解熱は、ASTM D-3418-03で測定されたJ/g単位の前記エチレンベースポリマー又は前記プロピレンベースポリマーの融解熱である)によって定義される、前記接着剤組成物。 - 前記第1コモノマーが、プロピレン、C4〜C20αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記第1コモノマーがプロピレン、ブテン又はオクテンを含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- ASTM D-3236で190℃にて測定された前記エチレンベースポリマーの前記ブルックフィールド粘度が250〜50,000mPa・秒である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- ASTM D-3418-03で測定された前記エチレンベースポリマーの前記融解熱が20〜250J/gである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記エチレンベースポリマーの前記特性時間(tc)が1〜1000ナノ秒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記エチレンベースポリマーが1〜10の範囲の重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記第2コモノマーが、エチレン、C4〜C20αオレフィン、及びその組み合わせから成る群より選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記第2コモノマーがエチレンを含む、請求項8に記載の接着剤組成物。
- ASTM D-3236で190℃にて測定された前記プロピレンベースポリマーの前記ブルックフィールド粘度が100〜1500mPa・秒である、請求項8又は9に記載の接着剤組成物。
- 示差走査熱量測定法で測定された前記プロピレンベースポリマーの前記融解熱が45〜75J/gである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記プロピレンベースポリマーの前記特性時間(tc)が1〜100ナノ秒である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記第1コモノマーと前記第2コモノマーが同一又は異なる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 1種以上の添加剤をさらに含み、前記添加剤は、官能化成分、粘着付与剤成分、プロセス油成分、ワックス成分、酸化防止剤成分、又はその混合物から成る群より選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記接着剤組成物が下記特性:
(i) ASTM D-3236で177℃にて測定された250〜10,000mPa・秒のブルックフィールド粘度;
(ii) 99%より大きい平均繊維引裂きパーセント、ここで、平均繊維引裂きパーセントは、下記:平均繊維引裂きパーセント=(25℃での繊維引裂きパーセント + 2℃での繊維引裂きパーセント + -18℃での繊維引裂きパーセント)/3によって定義される;
(iii) 5秒未満の接着セットタイム;
(iv) 示差走査熱量測定法で10℃/分の加熱速度を用いて第2融解にて測定された130℃以下の融点(Tm);
(v) 23℃で約0.9100g/cm3未満の前記接着剤組成物の計算密度、ここで、前記計算密度は、前記接着剤組成物の各成分の重量パーセントと密度から決定される;
(vi) 約19J/g〜約45J/gの前記接着剤組成物の融解熱(Hf);及び/又は
(vii) 約15ナノ秒〜約100ナノ秒のホットメルト接着剤特性時間(HMA tc)(前記HMA特性時間(HMA tc)は、下記式:
HMA tc= 177℃でのBV
密度×融解熱
(式中、前記BVは、ASTM D-3236で177℃にて測定されたmPa・秒単位の前記接着剤組成物のブルックフィールド粘度であり、前記密度は、g/cm3単位の23℃での前記接着剤組成物の計算密度であり、前記融解熱は、ASTM D-3418-03で測定されたJ/g単位の前記接着剤組成物の融解熱である)によって定義される)
の1つ以上を有する、請求項14に記載の接着剤組成物。
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