JP2016502399A - より未分化状態への細胞の誘導方法 - Google Patents

より未分化状態への細胞の誘導方法 Download PDF

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Abstract

本願発明は、MUC1*活性を増加させる細胞を生物学的又は化学的種と接触させることにより、細胞の多分化能を導く又は維持する方法に関する。

Description

本発明は細胞の多分化能を誘導する分野に関係する。
体細胞が、転写調節因子(ロウリーら、2008年;Maheraliら、2007年;中川ら、2008年;Okitaら、2007年;駐車する、ら、2008年;高橋、2006年ら;高橋、2006年および山中;Wernig、2007年ら;Yu、2006年ら)の異所的発現によって、多分化能をえるように、再プログラムされることは、マウスとヒトにおいて、実証された。
疾病或は老化によって誘導された損傷を修復する細胞及び組織を生成するために、患者自身の皮膚細胞に由来した幹細胞を使用することができるので、誘導化多分化能幹(iPS)細胞の作製は、真に個別化された再生医療(山中(2007年); Jaenishおよびヤング、2008年)の実現のための大きな希望となった。
転写調節因子の組合せの強制的な発現(Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc又はOct4、Sox2、NanogおよびLin28)は、成熟した細胞を多分化能の状態に戻らせることが示された。
初期の研究では、転写調節因子は、多数のウイルスベクター(高橋および山中、2006年; Okitaら、2007年; Maheraliら、2007年; Wernigら、2007年; 高橋ら、2006年; Yuら、2006年; 公園ら、2008年)を使用して発現された。
多数のベクターの使用は、多数の複合化した影響のために問題をおこした。それは、腫瘍形成性(高橋および山中、2006年; 葵ら、2008年)の増加した危険に結びつく可能性がある。研究者は、単一のベクター・システム(ソメル、2009年ら)、分離可能なベクター(梶ら、2009年; Soldnerら、2009年; Woltjenら、2009年)、非統合ベクター(Stadtfeldら、2009年; Yuら、2009年)および一時的なトランスフェクション(Okita、2009年ら)の使用により、この問題を克服しようとした。しかしながら、これらの方法は後成的な再プログラムの達成で非常に非能率的であった。
多分化能を導く方法は、癌遺伝子c-Mycのトランスフェクションを含むが、それは、癌を導くその可能性のために不適当である。iPS細胞は、c-Myc(中川ら、2008年; Wernigら、2008年)をトランスフェクトせずに生成することができる。しかしながら、再プログラムする効率は大幅に減少した。同様に、Klf4は組織形成異常(フォスター、2005年ら)を導く場合がある。
多分化能を誘導する遺伝子のうちのいくつかの望ましくない副作用と複合のウイルスベクターの統合に関連した問題ゆえに、いくらかあるいは全ての多分化能を導く遺伝子の使用を、それらの発現を調節している又はその発現が多分化能を導く遺伝子あるいは多分化能を導く遺伝子か蛋白質の発現を調節する低分子によって調節されている、タンパク質遺伝子産物およびタンパク質と取り替える必要がある。この目的のために、遺伝子ではなく遺伝子産物の誘導が、又多分化能を導くことが報告された(チヨウ、2009年ら)。細胞への移行を促進するためにポリ・アルギニンのタグを付けられた組み換えのOct4、Sox2、Klf4およびc-Mycは、マウス体細胞を再プログラムした。他のものは、中核セットの遺伝子の1の要素との交換のために小分子を使用した。Nanogをアップレギュレートした小分子が、Klf4遺伝子の必要性をなくし、それはさらにNanog(Lyssiotis、2009年ら)をアップレギュレートした。別の研究では、小分子であるHDAC抑制剤が、Klf4およびc-Myc(Huangfuら、2008年、a&b)の両方の必要性を排除した。これらの研究は以下を示す。:
1) タンパク質遺伝子産物は、遺伝子の必要性に取って代わることができる;
2) 遺伝子をアップレギュレートする小分子は、遺伝子の必要性を代替えすることができる;
3)そして、同じ制御経路の遺伝子(あるいは遺伝子産物)は互いの代わりになることができる。
これらの業績にもかかわらず、残る大問題は、これらの方法が再プログラムする低い効率に苦しむということである。体細胞中の多分化能を導く現行割合は非常に低いので、それらは、iPS細胞の治療の用途を非実用的にする。したがって、必要なのは、単独であるいは既に同定されていたものに加えて、多分化能を導くか、細胞の多分化能の誘導の効率を改善する、タンパク質および小分子を同定することである、
1つの発明の態様では、本発明は、以下の生物学的又は化学的物質と出発細胞との接触を含む、出発細胞をより少ない成熟細胞に戻すことを導くことを含む、出発細胞からより少ない成熟細胞の生成方法に関する;
(i) 細胞におけるMUC1かNMEタンパク質の量の増加;
(ii) 細胞における発現MUC1かNMEタンパク質の増加;
あるいは、
(iii) MUC1かNMEタンパク質の活性の増加。
本方法は、MUC1かNMEタンパク質の量、発現あるいは活性の増加を、直接あるいは間接的に導く、核酸による出発細胞をトランスフェクトすることを含むことが可能である。NMEタンパク質は、NME7あるいはそれのNME7バリアントであることが可能である。あるいは、NMEタンパク質は、NME1あるいはそれのNME1バリアントであることが可能である。MUC1は、MUC1*であることが可能である。
別の態様では、上記の方法は、MUC1開裂酵素の量、発現あるいは活性の増加を直接あるいは間接的に導く核酸による出発細胞をトランスフェクトすることを含むことが可能である。開裂酵素はMMP-16、MMP-14あるいはADAM-17であることが可能である。
別の態様では、上記の方法は、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28あるいはNanogの量、発現あるいは活性の増加を、直接あるいは間接的に導く核酸による出発細胞をトランスフェクトすることをさらに含むことが可能である。
上記の方法は、出発細胞を、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28あるいはNanogの量、発現あるいは活性の増加を直接あるいは間接的に導くペプチドかタンパク質と接触させることをさらに含むことが可能である。
生物学的種は、ペプチドかタンパク質であることが可能である。ペプチドかタンパク質は、細胞に入るその能力を増強するモエティーか配列で修飾されることが可能である。ペプチドかタンパク質は、NMEタンパク質あるいはそのバリアントであることが可能である。NMEタンパク質は、NME7またはNME1であることが可能である。ペプチドかタンパク質は、さらにMUC1、あるいはMUC1の一部であることが可能である。また、上記の方法は出発細胞を、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28あるいはNanogの量、発現あるいは活性の増加を直接あるいは間接的に導くペプチドかタンパク質と接触させることをさらに含むことが可能である。上記の方法はさらにOct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28あるいはNanogの量、発現あるいは活性の増加を直接あるいは間接的に導く核酸による出発細胞をトランスフェクトすることを含むことが可能である。
上記の方法では、化学種は、直接あるいは間接的にNME7、NME1、MUC1、MUC1*、MMP16、MMP14あるいはADAM17の量、発現あるいは活性の増加を導くことが可能である。また、この方法は、出発細胞をOct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28あるいはNanogの量、発現あるいは活性の増加を直接あるいは間接的に導く化学種と接触させることをさらに含むことが可能である。より少ない成熟状態は、OCT4、SOX2、KLF4、KLF2、NANOG、LIN28、MUC1、NME1あるいはNME7の少なくとも1つの発現の増加によって特徴づけられることが可能である。より少ない成熟状態は多分化能の状態であることが可能である。
上記の方法では、タンパク質は、MUC1*リガンドであることが可能である。リガンドは、二量化MUC1*であることが可能である。リガンドは、NME1、NME6あるいはNME7のようなNMEファミリーであることが可能である。NME1とNME6は、二量体の形式およびモノマーの形式のNME7であることが可能である。
別の態様では、リガンドは、MUC1*のPSMGFR配列を認識する抗体であることが可能である。
上記の方法では、化学物質は、MUC1の転写、MUC1開裂酵素の転写あるいはNMEファミリーの転写を増強する、小分子であることが可能である。開裂酵素は、MMP-16、MMP-14あるいはADAM-17であることが可能である。小分子は、ホルボールエステルのようなMUC1の開裂を増強することが可能である。
上記の方法では、使用される核酸は、MUC1*のようなMUC1をコードすることが可能である。あるいは、核酸は、MUC1*のリガンドをコードすることが可能である。また、リガンドは、MUC1*抗体あるいはNMEタンパク質であることが可能である。
上記の方法では、出発細胞を、多分化能を導く遺伝子産物の発現を増加させる分子と接触させることを含む。そのような遺伝子産物は、Oct4、SOX2、NANOG、KLF4あるいはLIN28を含むことが可能である。特に、Oct4およびSOX2が好適である。
ヒトを含めて、本発明での細胞は哺乳類であることが可能である。
さらに別の態様において、本発明は、出発細胞をより少ない成熟細胞に戻すことを含む、出発細胞からより少ない成熟細胞の生成の方法に関し、それは、細胞において、MUC1またはNMEの量を増加させる、生物学的か化学的物質による出発細胞との接触、そして、それはさらにOCT4、SOX2、NANOG、KLF4またはLIN28の1つ以上の量を増加させる生物学的か化学的種による出発細胞との接触を含む。MUC1またはNMEの量を増加させる生物学的種は、MUC1、MUC1*、NME1あるいはNME7をコードする核酸あるいはそれのバリアントであることが可能である。
出発細胞は、多分化能性幹細胞、多能な(multipotent)幹細胞あるいは最終分化細胞であることが可能である。多分化能性幹細胞は刺激された状態であることが可能である。多能な幹細胞は、造血性細胞、骨髄細胞あるいはニューロンの細胞であることが可能である。最終分化細胞は、繊維芽細胞、皮膚芽細胞デルマブラスト(dermablast)、血球あるいはニューロンの細胞であることが可能である。
その後、生成された細胞は生体外で、生体内で分化されることが可能である。
本発明は生成された細胞を投与する方法に関する。それは生成された細胞を分化しそれの必要のある患者への分化された細胞の投与を含む。本発明は、生成された細胞を投与し、それの必要のある患者への生成された細胞を投与する方法に関する。生成された細胞は患者またはドナー由来であることが可能である。
さらに別の態様では、本発明は、以下の方法を含む、幹細胞を分化する方法に関する;
(i)出発細胞を、より少ない成熟状態に戻るかあるいはより少ない成熟状態に維持するように導くように、上記の方法を実行すること、
(ii)より少ない成熟細胞を分化させること。
細胞は、恐らく外胚葉か、中胚葉か、内胚葉細胞に分化した。
さらに別の態様では、本発明は、傷のサイトで幹細胞の誘導かメンテナンスによって治される疾病か傷を治す方法に関し、有効な量の多分化能誘発剤をそれの必要のある人に投与することを含む。多分化能誘発剤は、MUC1*活性剤であることが可能である。多分化能誘発剤は、NMEであることが可能である。生成された細胞は、注入、移植あるいは局所適用によって対象に投与されることが可能である。
さらに別の態様では、本発明は、細胞をNMEと接触させることを含む退化した幹細胞を救う方法に関する。
さらに別の態様では、本発明は、細胞をNMEと接触させることを含む細胞の多分化能の誘導の効率を増加させる方法に関する。
別の態様では、本発明は、細胞をNMEと接触させることを含む細胞のMUC1かMUC1*の発現を増加させる方法に関する。細胞は幹細胞であることが可能である。
別の態様では、本発明は、出発細胞を、bFGFがない状態でNMEと接触させることを含む、誘導多分化能細胞を含む、より少ない成熟細胞を生成する方法に関する。
これらおよび本発明の他の目的は、参考文献として載せられた図面、およびここに付加された請求項の次の記述からより完全に理解される。
本発明は、以下の詳細な記述、および実施例にもとづき、これらに制限されず、添付図面等からより完全に理解される。
MUC1*が、成長率を増加させることを示す。。A. クローン原性の分析は、MUC1*でネズミ繊維芽細胞(3Y1)をトランスフェクトすることが成長率を増加させるが、MUC1(全長)では増加しないことを示した;B. MUC1*活性は生存を増加させる。TAXOL登録商標に対して獲得耐性を持っている乳癌細胞は、MUC1*発現の増加によりそうなる(生存を増加)。抗MUC1* Fabでの処置は、TAXOL登録商標で誘導される細胞死への獲得した抵抗性を逆転させる。C. MUC1*の細胞外のドメインのリガンド誘導2量化は成長を刺激する。二価の抗MUC1*抗体の付加は、MUC1*陽性の細胞の成長を刺激する。抗MUC1*(mv)Fabによるブロッキングは細胞増殖を阻害する。ベルシェイプの成長曲線は受容体二量化の特性である。コントロールのMUC1陰性HEK 293細胞の成長は影響されなかった;D. 特定のsiRNAを使用するMUC1*の抑制は、MUC1*2量化リガンドの添加による成長刺激効果を無効にする。E.NM23は、天然のMUC1*活性化リガンドである。NM23は、MUC1*陽性の癌細胞の成長を刺激し、受容体2量化を正規曲線で生産する。効力はMUC1のsiRNA抑制によって無効にされる;F .MUC1*ペプチドへのNM23の直接の結合はSPRによって検知される。15nM NM23は、MUC1*細胞外ドメインペプチドに結合する、しかし無関係のペプチドには結合しない。測定はSPR(表面プラズモン共鳴)とNTA-Ni-SAM被覆Auチップを使用して行われた。 MUC1は、未分化hESCsでは開裂するが、分化されたhESCsでは開裂されないことを示す。。免疫細胞化学は、未分化の(多分化能)幹細胞がMUC1*を発現するが、全長蛋白質ではないことを示す。。Oct4は、多分化能のための基本的な標準マーカーである。多分化能性幹細胞はすべてMUC1*陽性である。しかしながら、分化が始まる(OCT4発現の損失)とすぐに、開裂は止まり、全長配列MUC1 (MUC1-FL) だけが検知される。パネルA〜Cは、以下で染色された同じ未分化幹細胞コロニーの写真である;A. PSMGFRペプチドを認識する抗MUC1*抗体; B. 抗- Oct4; C. 抗MUC1の全長VU4H5。パネルD-Fは、次のもので染色された、同じ新しく分化された幹細胞コロニーの写真である; D.PSMGFRペプチドを認識する抗MUC1*抗体; E.抗Oct4; F. 抗MUC1の全長VU4H5。 NM23(MUC1*リガンド)が、MUC1*およびOCT4を、未分化hESCs上で、共局在化することを示す。免疫細胞化学は、未分化の(多分化能)幹細胞がMUC1*およびその活性化するリガンドNM23を発現することを示す。しかしながら、幹細胞が分化し始める場合(OCT4発現の損失)、全長タンパク質およびNM23がもはや分泌されないとともに、MUC1は発現される。点線は、未分化のものと新しく分化した部分の間の境界を示す。パネルA〜Cは、次のもので染色された、同じ未分化幹細胞コロニーの写真である;A. NM23を認識する抗体; B. PSMGFRペプチドを認識する抗MUC1*抗体; C. AとB及び核を染色するためにDAPIで染色された同細胞のオーバーレイ。パネルD-Fは、次のもので染色された、同じ新しく分化された幹細胞コロニーの写真である;D.NM23を認識する抗体; E. Oct4を認識する抗体; F. (D)と(E)、および核を染色するためにDAPIで染色された同細胞のオーバーレイ。 リガンド誘導二量化によるMUC1*の刺激は、bFGFおよび調整済み培地がない状態で、hESCsの成長を促進し、分化を阻害する。MUC1*の細胞外ドメインのリガンド誘導2量化は、二価抗MUC1*抗体を使い、本質的に、bFGF又は調整済み培地の添加なしで、最少培地における5週間成長後100%多分化能コロニーを生産した。コロニーはマトリゲル上で成長した。NM23あるいはNM23 S120G突然変異体がMUC1*を活性化するために使用された時、同じ結果が得られた。パネルA〜Dは、細胞増殖ミディアムが、抗MUC1*あるいはbFGFのいずれかと繊維芽細胞フィーダー細胞からの調整培地で補われた場合のウェルの写真である。パネルE〜Hは、幹細胞が抗MUC1*あるいはbFGFのいずれかを加えた最少培地において培養された場合の、ウェルの写真である。イメージは次のもので染色された細胞である; A. Oct4を認識する抗体; B. Aの細胞を染色するDAPI; C. Oct4を認識する抗体; D. C細胞を染色するDAPI;E. Oct4を認識する抗体; F. E細胞を染色するDAPI;G. Oct4を認識する抗体; H. G細胞を染色するDAPI。 MUC1*活性が多分化能性幹細胞成長に必要であることを示す棒グラフを示す。bFGFと調整済み培地(CM)は存在したが、抗MUC1*FabでMUC1*をブロックすると8-12時間以内に全幹細胞の死を誘導した。二価の抗MUC1*は成長を刺激した。細胞は、25時間培養された;実際の細胞はCalceinの蛍光分析において測定された。 MUC1*が、細胞の核に移動することを証拠づける写真を示す。MUC1*が、蛍光でラベルされ(赤)、そしてMUC1*陽性の細胞とインキュベートされた。写真は、最初に、MUC1*が細胞表面上で一様に分布することを示す。。しかしながら、40分後、MUC1*は核に濃縮される。細胞がまた比較のために、EEA1を認識する蛍光標識抗体(緑)で染色され、それは、実験の全体にわたって細胞質において一様に分布し続ける。A. 時間0で得られた細胞の写真; B. 抗MUC1*のFabの添加40分後に得られた細胞の写真。 繊維芽細胞が、どんな多分化能遺伝子でもトランスフェクトされず、NM23培地(A、B)あるいは繊維芽細胞培地(C、D)を含んでいる血清のいずれかにおいて培養された実験の4日目拡大写真を示した。 細胞が、OSKMでトランスフェクトされ、NM23培地(A、B)か繊維芽細胞培地(C)において培養された実験の4日目拡大写真を示した。 繊維芽細胞が、どんな多分化能遺伝子でもトランスフェクトず、NM23培地において培養され、そして、細胞が5日目に異なる細胞上に移された実験の11日目の拡大写真示した;プラスチック(A)、MEFs(B)、抗MUC1*抗体、C3(C)あるいは抗MUC1*抗体(C3+ロー・キナーゼ抑制剤(ROCi)(D)。 トランスフェクトされていない細胞が、7日目まで繊維芽細胞培地において培養され、次に、標準FGF培地において培養された実験の11日目の拡大写真を示す。細胞は5日目にMEFsに移された。 OSKM(Oct4、SOX2、KLF4およびc-Myc)でトランスフェクトされ、ずっとNM23培地で培養された(A、B)、又は7日目まで繊維芽細胞培地でその後NM23と置換された(C、D)系の11日目の拡大写真を示す。。 ヒトフィーダー細胞(A)あるいはマウス・フィーダー(B)の表面上でFGF培地での、OSKM(Oct4、SOX2、KLF4およびc-Myc)でトランスフェクトされた繊維芽細胞の、培養実験の11日目の拡大写真を示した。 トランスフェクトされていない細胞の実験の14日目の拡大写真を示した。それは、抗MUC1*抗体上でNM23-MM-Aでの(常に) 培養(A、B)、あるいは繊維芽細胞フィーダー細胞上での培養(C、D)を示す。。 トランスフェクトされていない細胞の実験の14日目の拡大写真を示し、培養は、標準FM中で5日目まで、その後フィーダー細胞上のFGF培地でなされ、多分化能の誘導のサインを示していない。 OSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の14日目の拡大写真を示した。それは、抗MUC1*抗体表面上(A)、プラスチック上(B)、あるいはMEFs上(C)で、NM23培地で、常に培養された。 OSKMでトランスフェクトされ、そして繊維芽細胞の実験の14日目の拡大写真を示した。それは、7日後NM23で培養(A,B)或はFGF培地(C、D)で培養された。そこでは、細胞は、マウス・フィーダー(A、C)かヒトフィーダー(B、D)上に蒔かれた。 コントロールであるノントランスフェクト細胞の実験19日目の拡大写真を示した。それはNM23-MM-A(常に)あるいはNM23-MM-R(交換された)のいずれかで培養された。トランスフェクトされた遺伝子がない状態で、NM23-MMは多分化能の細胞形態を誘導した。 コントロールであるノントランスフェクト細胞の実験19日目の拡大写真を示した。それはFMで、次にFGF-MMで培養された。多分化能の誘導は見られなかった。 実験19日目におけるOSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の拡大写真を示した。それはNM23-MM-A(A、B)あるいはNM23-MM-R(C、D)で培養された。イメージは、NM23-MMが多分化能の誘導を常に増強することを示す。。 OSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の実験19日目の拡大写真を示した。細胞は、7日間FMにおいて、その後FGF-MMで培養された。 多分化能遺伝子の3つ以上のポスト・トランスフェクション条件で、多分化能遺伝子の存在を分析した、ポスト・トランスフェクション4日目(A)又は20日目(B)のRT-PCR実験の図を示す。。 多分化能遺伝子の3又は4のポスト・トランスフェクション条件で、ポスト・トランスフェクション4日目(A)又は20日目(B)のRT-PCR実験の図を示し、Oct4の発現を分析した。 ポスト・トランスフェクション10日目における、トランスフェクトされた繊維芽細胞について、多分化能マーカーTra 1-60の存在が分析された免疫細胞化学実験の写真である。 ポスト・トランスフェクション10日目における、多分化能マーカーTra1-60の存在について蛍光染色されたトランスフェクトされた繊維芽細胞の写真であり、そこでは細胞はNM23培地において培養された。 ポスト・トランスフェクション10日目における、多分化能マーカーTra1-60の存在について蛍光染色されたトランスフェクトされた繊維芽細胞の写真であり、そこでは細胞はFGF培地において培養された。 トランスフェクトされていない繊維芽細胞の実験の15日目の写真を示し、培養は、常にNM23で(A)、7日目で繊維芽細胞培地に交換するNM23(B)で、あるいはFGF培地(C)でなされた。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSKM(A)、OSK(B)あるいはOSM(C)で繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、すべてが実験の間NM23培地において培養された。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSKM(A)、OSK(B)あるいはOSM(C)で繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、7日目以降NM23培地において培養された。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSKM(A)、OSK(B)あるいはOSM(C)で繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、7日目以降FGF培地において培養された。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSKMで繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、常にNM23で(A)、7日目で以降NM23で(B)、あるいは7日目以降FGF培地(C)で培養された。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSKで繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、常にNM23で(A)、7日目で以降NM23で(B)、あるいは7日目以降FGF培地(C)で培養された。 ポスト・トランスフェクション15日目における、OSMで繊維芽細胞をトランスフェクションした写真を示し、常にNM23で(A)、7日目で以降NM23で(B)、あるいは7日目以降FGF培地(C)で培養された。 標準マウスLIF培地、あるいはNM23培地において培養後に、多分化能マーカーSSEA4の存在について、マウス胚性幹細胞が分析されたFACS実験のグラフを示す。。 MUC1*特異抗体のパネルを使用し、標準マウスLIF培地においてあるいはNM23培地において培養後に、MUC1*の存在について、マウス胚性幹細胞が分析されたFACS実験のグラフを示す。 分化された繊維芽細胞のマーカーであるCD13、および多分化能の表面のマーカーであるTra 1-60が、細胞に染色された、多分化能になることが誘導された細胞のFACSスキャンの15日目を示す。A)は、標準法によってOct4、Sox2、Klf4およびc-Myc(OSKM)でトランスフェクトされ、7日目に繊維芽細胞培地からFGF培地に切り替えられた細胞のFACSスキャンを示し、B)が、OSKMでトランスフェクとされたが、開始時からNM23ダイマー培地で培養され血清とかFGFで処理されなかった細胞のFACSスキャンを示す。結果をCで表化した。 図35のFACS結果のグラフを示す。。 OSKM、OSKあるいはOSMでトランスフェクトされた細胞の18日目の FACSスキャンを示し、培養は、FGF培地か、常にMN23培地か、7日目後にのみ、繊維芽細胞培地から切り替えられておこなわれた。細胞は、分化された繊維芽細胞のマーカーであるCD13、多分化能の表面のマーカーであるSSEA4、Tra1-60で染色された。 18日目の FACSスキャンの表結果を示し、CD13とTra 1-60をスキャンした。 18日目の FACSスキャンの表結果を示し、CD13とSSEA4をスキャンした。 MEFs層上にFGF培地で(A-C)、又は抗MUC1*抗体の層上にNME7-AB培地で培養された人iPS細胞の写真を示し、MUC1*の存在(A,D)及び多分化能マーカーのRex-1(B,E)とTra 1-60(C,F)の存在について免疫細胞化学分析を行った。 MEFs層上にFGF培地で(A-C)、又は抗MUC1*抗体の層上にNME7-AB培地で培養された人ES細胞の写真を示し、MUC1*の存在(A,D)及び多分化能マーカーのRex-1(B,E)とTra 1-60(C,F)の存在について免疫細胞化学分析を行った。 MEFs層上にFGF培地で(A-C)、又は抗MUC1*抗体の層上にNM23-S120Gダイマー培地で(D-F)培養された人iPS細胞の写真を示し、MUC1*の存在(A,D)及び核染色DAPI(B,E)と融合イメージ(C,F)の存在について免疫細胞化学分析を行った。 MEFs層上にFGF培地で(A-F)、又は抗MUC1*抗体の層上にNM23-S120Gダイマー培地で(G-L)培養された人iPS細胞の写真を示し、MUC1*の存在(A,G)及び多分化能マーカーTra 1-60(D,J)、核染色DAPI(B,E,H,K)と融合イメージ(C,F,I,L)の存在について免疫細胞化学分析を行った。 抗MUC1*抗体の層上にNM23-S120Gダイマー培地で培養された人iPS細胞の写真を示し、NME7の存在(A,B,C)及び核染色DAPI(C)存在について免疫細胞化学分析を行った。
表2は、様々な条件の下のヒト線維芽細胞の多分化能の誘導から19日目の幹様コロニーの数及び誘導効率を示す。。それらは、一つのコロニーの生成に必要とする細胞の数およびその逆関数である誘導割合である。
本願明細書の記述において、英語表記「a」と「an」は、単数と複数主題の両方に関連付けて使われる。
本願明細書の記述において使用されるように、「MUC1*活性の増加」とは直接あるいは間接的にMUC1*シグナリングを増加させることを指し、制限なしでMUC1*受容体の二量化、及びMUC1受容体の開裂によるMUC1*の生産の増加を含む。MUC1*活性は、又、更なる開裂及び二量化である、MUC1受容体のより高い転写発現によって増加される。したがって、1つの発明の態様では、MUC1*活性は、MUC1*を二量化させるエフェクター分子のより高い活性によって、あるいはMUC1*が形成されるように、MUC1を開裂する開裂分子のより高い活性によって増加されることが可能である。したがって、リガンドを二量化させるMUC1*、MUC1*を形成するMUC1開裂酵素、あるいはMUC1の発現を増強するあらゆる転写活性化因子の活性を増加させることができるどんな化学的又は生物学的種も、「MUC1*活性を増加させる」種として包含される。
本願明細書の記述において使用された、「MUC1成長因子受容体」(MGFR)は機能的な定義であり、成長因子のような活性化リガンド又は開裂酵素のような修飾酵素と反応するMUC1受容体のその部分の意味である。MUC1のMGFR領域とは、以下に定義されるように、細胞表面に接近しており、PSMGFRの大部分あるいはすべてによって定義される細胞外の部分である。MGFRとは、未修飾のペプチドおよび酵素修飾をうけた例えば燐酸化、糖鎖形成などの修飾を受けたペプチドの両方を含む意味である。
本願明細書の記述において使用されるように、「MUC1成長因子受容体の一次配列」(PSMGFR)は、ある場合において、MGFRの大部分あるいはすべてを定義するペプチド配列および該ペプチド配列の機能的なバリアント、ならびに該ペプチド配列の断片を指す。PSMGFRとは、SEQ ID NO6として、およびそれの20(つまり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19あるいは20)までのアミノ酸置換の整数値をもつ及び/又はそのN-末端および/またはC末端20個までのアミノ酸の付加又は欠失のなんらかの整数値をもつその機能的バリアント及び断片の全てを意味する。上記の「機能的バリアントあるいは断片」とは、SEQ ID NO 6のペプチドに、特異的に結合するまたは特異的に反応する能力を持っているバリアント又は断片、特異的に結合するまたは特異的に反応するリガンドを意味し、一方、該ペプチド分子は、他の同一分子との凝集(例えば自己凝集)する能力をもつような、自身に同一の他のペプチド分子の同一領域に強力に結合するものではない。SEQ NO 6のPSMGFRペプチドの機能的なバリアントであるPSMGFRの1つの例はSEQ ID NO 8であり、それは−SRY−の代わりに−SPY−配列を含んでいることによってSEQ ID NO 6と異なる。
本願明細書の記述において使用されたように、“MUC1*”とは、細胞外のドメインがPSMGFR(SEQ ID NO: 5)で本質的に構成されるようにトランケートされた、N-末端をもつMUC1タンパク質を意味する。
本願明細書の記述において使用されたように「MUC1*関連因子」とは、MUC1*の活性を修飾する、活性化し、制御する、又はMUC1*の発現を制御する物質を意味する。
MUC1*関連因子とは、制限なしで、MUC1*受容体の二量化、MUC1*の増加した生産、MUC1受容体の開裂を導くことに影響する物質と、さらなる開裂と二量化である、MUC1受容体のより高い転写発現によるMUC1*活性を増加させる物質を意味する。
本願明細書の記述において使用されるように、「有効な量」とは有益な又は所望の臨床的又は生化学的結果に有効な十分な量を意味する。有効な量は、1回以上投与することができる。この発明の目的のために、阻害剤の有効な量とは、細胞の多分化能を導くか維持するかあるいはMUC1*を活性化するのに十分な量である。
本願明細書の記述において使用されるように、「断片」あるいは「機能的な誘導体」とは、本発明のネイティブリガンド又は受容体の生物学的に活性なアミノ酸配列バリアントと断片を意味し、共有結合性修飾と同様に、有機的な誘導物質との反応、翻訳後修飾によって得られる誘導体、非蛋白質のポリマーによる誘導体およびイムノアドヘシンをも意味する。
本願明細書の記述において使用されたように、「未成熟な」細胞とは、分化を少なくとももう1ステップうけることができ、分化を少なくとももう1ステップうけることができると知られている特別な細胞タイプのマーカーを発現する細胞を意味する。
本願明細書の記述において使用されるように、「出発細胞より少ない成熟状態がある細胞」とは、脱分化し、それが出発細胞とは異なる細胞に分化する増加した能力を持つか、出発細胞より多くの細胞タイプに分化する増加した能力を持っている細胞を意味する。より少ない成熟状態の細胞は、多分化能マーカーの発現の増加の測定、多分化能マーカーの発現レベルが多分化能性幹細胞のものに接近しているという決定、あるいは出発細胞よりより少ない成熟状態のマーカーの測定により同定することができる。例えば、任意の血球タイプに分化することができる造血幹細胞はCD34の発現およびCD38の欠如によって特徴づけられる。
これらの細胞が分化するとともに、それらはCD34+/CD38-からCD34-/CD38+に変化する。万一、1つがより少ない成熟状態に戻るためにCD34-/CD38+細胞をもたらしたら、細胞はCD34の発現を回復する。分化形質転換は出発細胞をより少ない成熟状態に戻ることを含み、そこでは細胞が不安定になり、たとえ、出発細胞が結果細胞として同じ相対的なレベルの分化状態にあったとしても、より分化細胞タイプに分化する方向に向く(Iedeら、2010;Efeら、2011)。例えば、心臓繊維芽細胞は、OCT4、SOX2、KLF4およびc-MYCの簡潔な異所性発現によって、より少ない成熟状態にもどり、この不安定状態から心筋細胞へ分化した。
本願明細書の記述において使用されるように、「リガンド」はポリペプチドのような分子に特異的に共有結合であるいは一時的に結合するあらゆる分子か物質、あるいは化合物を意味する。本明細書において使用された時、リガンドは抗体を含むことが可能である。他では、「リガンド」は、高い親和性で別の分子によって結び付けられ分子を意味し、MUC1*のための自然か非自然なリガンドあるいはMUC1あるいはMUC1*に結合する開裂酵素、あるいはMUC1*のための二量化するリガンドに限定されない。
本願明細書の記述において使用されるように、「ナイーブ幹細胞」とは、胚盤胞の内部の細胞群と類似し定量的な特性を共有するものである。ナイーブ幹細胞は、プライム幹細胞に比べある遺伝子の発現において定量的な差異をもち、それは、胚盤胞の外胚葉部分からの細胞の特性および特徴を類似し共有する。顕著に、女性由来のナイーブ幹細胞は、XaXaと呼ばれる、2つの活性なX染色体をもつ。女性由来の後のプライム幹細胞は不活性化されたX染色体の1つをもつ。
本願明細書の記述において使用されたように、「NME」ファミリータンパク質とは、10タンパク質(それらのうちのいくらかは最近発見された)のファミリーである。たとえNMEファミリーの多くがキナーゼ活性をもたなくても、そこでは、ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(NDPK)ドメインに共有される相同配列によってそれらに分類される。NMEタンパク質は以前にNM23-H1およびNM23-H2として、それらの発見とともに、NM23-H3、そしてNM23-10まで知られている。異なるNMEタンパク質は違った風に機能する。ここに、それらが二量体形式である場合、NME1とNME6は、MUC1*受容体(そこではその細胞外ドメインはPSMGFR配列で本質的に構成される)に結合し二量化させる; NME7にはMUC1*受容体細胞外ドメインの2つの結合部位があり、またさらに受容体を二量化させる。NME1二量体、NME6二量体およびNME7は、出発細胞より少ない成熟状態の細胞を導くか維持するMUC1*リガンドとして使用のための好ましいNMEファミリーである。MUC1*受容体に結合することができ、二量化させることができる他のNMEファミリーも、出発細胞より少ない成熟状態の細胞を導くか維持するために、MUC1*リガンドとして使用のために想定される。
本願明細書の記述において使用されるように、「多分化能マーカー」とは、細胞が出発細胞より少ない成熟状態に戻る場合、その発現が増加される遺伝子およびタンパク質である。多分化能マーカーは、他の記述済みのものまた現在発見されているものと同様に、Oct4、SOX2、NANOG、KLF4、KLF2、Tra 1-60、Tra 1-81、SSEA4およびREX-1を含む。例えば、繊維芽細胞は、これらの多分化能マーカーの検知できる又は低レベルを発現しないが、CD13と呼ばれる繊維芽細胞分化マーカーを発現する。ある細胞が出発細胞より少ない成熟状態にあるかどうか判断するために、一つは、出発細胞と結果細胞の間の多分化能マーカーの発現レベルで違いを測ることができた。
本願明細書の記述において使用されるように、「刺激された幹細胞(primed stem cell)」とは、胚盤胞の外胚葉部分からの細胞の特性(trait)および特徴が似ており、これを共有する細胞である。
本願明細書の記述において使用されたように、用語「特異的結合」とは、2つの分子間の非ランダムな結合反応を意味し、例えば、抗原と免疫応答する抗体分子間の、あるいはMUC1*と特異的に結合するNM23、MUC1*に結合する抗体、あるいはMUC1若しくはMUC1*に結合する開裂酵素のような、別のポリペプチドと反応する非抗体リガンド間の結合を意味する。
本願明細書の記述において使用されるように、「多分化能の」(pluripotent)幹細胞とは、身体中の任意の細胞タイプに分化するために3つの生殖細胞系列、内胚葉、外胚葉および中胚葉のすべてに分化することができる幹細胞を意味するが、完全な有機体を生じさせることはできない。全能性(totipotent)幹細胞とは、ヒトような完全な有機体に分化するか成熟することができるものである。胚の多分化能性幹細胞に関して、それらは胚盤胞の内細胞塊に由来した細胞である。多分化能の典型的なマーカーは、Oct4、KLF4、NANOG、Tra 1-60、Tra 1-81およびSSEA4である。
本願明細書の記述において使用されるように、「多能な」(multipotent)幹細胞とは、異なる細胞タイプの数が制限されるが、他の細胞タイプに分化することができる幹細胞を意味する。
本願明細書の記述において使用されたように、「セミ多分化能」あるいは「プレiPS状態」とは、多分化能性幹細胞の形態の特性のうちのいくつかあるいはすべてを持っている細胞を意味し、しかし、多分化能マーカーの発現レベルあるいは3つの生殖細胞系列すべてに分化する能力は、多分化能性幹細胞のそれ未満である。
本願明細書の記述において使用されるように、「幹様」形態とは、幹細胞に似ている形態で、多分化能遺伝子の1つ以上の発現のレベルあるいは多数の細胞タイプに分化する能力が似ていることを意味する。幹様形態とは、該細胞が丸い形態で、核のサイズと比較してやや小さく、それは、しばしば細胞質比率に対して大きな核を持ち、それは多分化能性幹細胞の特性をもつ。対照的に、繊維芽細胞形態は、細胞が長く細長い形を持ち、細胞質比率に対して大きな核を持っていないものである。さらに、多分化能性幹細胞は非付着性であり、一方、繊維芽細胞のような他の細胞タイプは付着性である。
本願明細書の記述において使用されるように、「ベクター」「ポリヌクレオチド・ベクター」「コンストラク」「ポリヌクレオチドコンストラクト」とは、互換的に本願明細書の記述において使用される。
この発明のポリヌクレオチド・ベクターとは、制限なく、いくつかの形式のうちのどれにでもあてはめることが可能である。RNA、DNA、レトロウイルスのコートに包み込まれたRNA、アデノウイルスのコートに包み込まれたDNA、別のウイルスあるいはウイルス様形式(単純疱疹およびアデノ関連性ウイルス(AAV)のような)で包まれたDNA、リポソームに包み込まれたDNA、ポリリシンとの複合体DNA、合成のポリカチオン性分子との複合体DNA、分子を免疫学的にマスクするため及び/または半減期の延長のためにポリエチレングリコール(PEG)のような合成物との複合体DNA、あるいは非ウィルス性蛋白質へ結合したDNAが例示される。好適には、ポリヌクレオチドはDNAである。本願明細書の記述において使用されるように、「DNA」は、塩基A、T、CおよびGだけでなく、これら塩基の類似もしくは修飾形態のものも含み、メチル化されたヌクレオチド、非荷電リンケージとチオエート(thioates)ようなヌクレオチド間修飾、糖類似体の使用、およびポリアミドのような修飾及び/または互換的主鎖構造が例示される。
フリーテキスト配列リスト
a、g、c、t以外のヌクレオチドシンボルの使用については、WIPOの標準ST.25,付録2、表1において規定された協定に基づく; kはt又はgを、nはa、c、t又はgを、mはa又はcを、rはa又はgを、 sは c又はgを、 wは a又はtを、 yは c又はtを意味する。
MTPGTQSPFF LLLLLTVLTV VTGSGHASST PGGEKETSAT QRSSVPSSTE KNAVSMTSSV LSSHSPGSGS STTQGQDVTL APATEPASGS AATWGQDVTS VPVTRPALGS TTPPAHDVTS APDNKPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDTRPAPGS TAPPAHGVTS APDNRPALGS TAPPVHNVTS ASGSASGSAS TLVHNGTSAR ATTTPASKST PFSIPSHHSD TPTTLASHST KTDASSTHHS SVPPLTSSNH STSPQLSTGV SFFFLSFHIS NLQFNSSLED PSTDYYQELQ RDISEMFLQI YKQGGFLGLS NIKFRPGSVV VQLTLAFREG TINVHDVETQ FNQYKTEAAS RYNLTISDVS VSDVPFPFSA QSGAGVPGWG IALLVLVCVL VALAIVYLIA LAVCQCRRKN YGQLDIFPAR DTYHPMSEYP TYHTHGRYVP PSSTDRSPYE KVSAGNGGSS LSYTNPAVAA
ASANL (SEQ ID NO: 1) 全長MUC1受容体(ムチン1前駆体(Genbank登録番号): P15941)。

MTPGTQSPFFLLLLLTVLT (SEQID NO: 2)

MTPGTQSPFFLLLLLTVLTVVTA (SEQID NO: 3)

MTPGTQSPFFLLLLLTVLTVVTG (SEQID NO: 4)
SEQ ID NOS:2、3および4は、MUC1受容体志向性N末端MUC-1シグナリング配列。細胞膜表面にトランケートされたアイソフォーム。3つまでのアミノ酸残基が、SEQ ID NOS:2,3,4のバリアントによって示されるようなC末端で欠失することが可能である。

GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGAGVPGWGIALLVLVCVLVALAIVYLIALAVCQCRRKN(SEQ ID NO:5)
そのN-末端でnat-PSMGFRを持っているトランケートされたMUC1受容体アイソフォームであり、全長MUC1受容体の膜貫通性の細胞質内の配列を含む。

GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 6)
MUC1成長因子受容体(nat-PSMGFR -「PSMGFR」の例)のネイティブ一次配列。

TINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 7)
SEQ ID NO6のN-末端で単一のアミノ酸欠失を持つMUC1成長因子受容体(nat-PSMGFR -「PSMGFR」の例)のネイティブ一次配列。

GTINVHDVETQFNQYKTEAASPYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 8)
増強された安定性を持っているMUC1成長因子受容体のネイティブ一次配列の「SPY」の機能的なバリアント(var-PSMGFR -「PSMGFR」の例)。

TINVHDVETQFNQYKTEAASPYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 9)
SEQ ID NO8のC末端で単一のアミノ酸欠失を持ち、増強された安定を持っているMUC1成長因子受容体のネイティブ一次配列の「SPY」の機能的なバリアント(var-PSMGFR -「PSMGFR」の例)。

tgtcagtgccgccgaaagaactacgggcagctggacatctttccagcccgggatacctaccatcctatgagcgagtaccccacctaccacacccatgggcgctatgtgccccctagcagtaccgatcgtagcccctatgagaaggtttctgcaggtaacggtggcagcagcctctcttacacaaacccagcagtggcagccgcttctgccaacttg(SEQID NO: 10)
MUC1の細胞質のドメインヌクレオチド配列。

CQCRRKNYGQLDIFPARDTYHPMSEYPTYHTHGRYVPPSSTDRSPYEKVSAGNGGSSLSYTNPAVAAASANL(SEQ ID NO: 11)
MUC1の細胞質のドメインアミノ酸配列について記述する。
gagatcctgagacaatgaatcatagtgaaagattcgttttcattgcagagtggtatgatccaaatgcttcacttcttcgacgttatgagcttttattttacccaggggatggatctgttgaaatgcatgatgtaaagaatcatcgcacctttttaaagcggaccaaatatgataacctgcacttggaagatttatttataggcaacaaagtgaatgtcttttctcgacaactggtattaattgactatggggatcaatatacagctcgccagctgggcagtaggaaagaaaaaacgctagccctaattaaac、cagatgcaatatcaaaggctggagaaataattgaaataataaacaaagctggatttactataaccaaactcaaaatgatgatgctttcaaggaaagaagcattggattttcatgtagatcaccagtcaagaccctttttcaatgagctgatccagtttattacaactggtcctattattgccatggagattttaagagatgatgctatatgtgaatggaaaagactgctgggacctgcaaactctggagtggcacgcacagatgcttctgaaagcattagagccctctttggaacagatggcataagaaatg、cagcgcatggccctgattcttttgcttctgcggccagagaaatggagttgttttttccttcaagtggaggttgtgggccggcaaacactgctaaatttactaattgtacctgttgcattgttaaaccccatgctgtcagtgaaggtatgttgaatacactatattcagtacattttgttaataggagagcaatgtttattttcttgatgtactttatgtatagaaaataa(SEQID NO: 12)
NME7ヌクレオチド配列(NME7:GENBANK ACCESSION AB209049)。

DPETMNHSERFVFIAEWYDPNASLLRRYELLFYPGDGSVEMHDVKNHRTFLKRTKYDNLHLEDLFIGNKVNVFSRQLVLIDYGDQYTARQLGSRKEKTLALIKPDAISKAGEIIEIINKAGFTITKLKMMMLSRKEALDFHVDHQSRPFFNELIQFITTGPIIAMEILRDDAICEWKRLLGPANSGVARTDASESIRALFGTDGIRNAAHGPDSFASAAREMELFFPSSGGCGPANTAKFTNCTCCIVKPHAVSEGMLNTLYSVHFVNRRAMFIFLMYFMYRK(SEQID NO: 13)
NME7アミノ酸配列 (NME7: GENBANKACCESSION AB209049)。

atggtgctactgtctactttagggatcgtctttcaaggcgaggggcctcctatctcaagctgtgatacaggaaccatggccaactgtgagcgtaccttcattgcgatcaaaccagatggggtccagcggggtcttgtgggagagattatcaagcgttttgagcagaaaggattccgccttgttggtctgaaattcatgcaagcttccgaagatcttctcaaggaacactacgttgacctgaaggaccgtccattctttgccggcctggtgaaatacatgcactcagggccggtagttgccatggtctgggag、gggctgaatgtggtgaagacgggccgagtcatgctcggggagaccaaccctgcagactccaagcctgggaccatccgtggagacttctgcatacaagttggcaggaacattatacatggcagtgattctgtggagagtgcagagaaggagatcggcttgtggtttcaccctgaggaactggtagattacacgagctgtgctcagaactggatctatgaatga(SEQID NO: 14)
NM23-H1ヌクレオチド配列(NM23-H1: GENBANK ACCESSION AF487339)。

MVLLSTLGIVFQGEGPPISSCDTGTMANCERTFIAIKPDGVQRGLVGEIIKRFEQKGFRLVGLKFMQASEDLLKEHYVDLKDRPFFAGLVKYMHSGPVVAMVWEGLNVVKTGRVMLGETNPADSKPGTIRGDFCIQVGRNIIHGSDSVESAEKEIGLWFHPEELVDYTSCAQNWIYE(SEQ ID NO: 15)
NM23-H1のアミノ酸配列(NM23-H1: GENBANK ACCESSION AF487339)。

atggtgctactgtctactttagggatcgtctttcaaggcgaggggcctcctatctcaagctgtgatacaggaaccatggccaactgtgagcgtaccttcattgcgatcaaaccagatggggtccagcggggtcttgtgggagagattatcaagcgttttgagcagaaaggattccgccttgttggtctgaaattcatgcaagcttccgaagatcttctcaaggaacactacgttgacctgaaggaccgtccattctttgccggcctggtgaaatacatgcactcagggccggtagttgccatggtctgggag、gggctgaatgtggtgaagacgggccgagtcatgctcggggagaccaaccctgcagactccaagcctgggaccatccgtggagacttctgcatacaagttggcaggaacattatacatggcggtgattctgtggagagtgcagagaaggagatcggcttgtggtttcaccctgaggaactggtagattacacgagctgtgctcagaactggatctatgaatga(SEQID NO: 16)
NM23-H1 S120G突然変異体ヌクレオチド配列(NM23-H1: GENBANK ACCESSION AF487339)。

MVLLSTLGIVFQGEGPPISSCDTGTMANCERTFIAIKPDGVQRGLVGEIIKRFEQKGFRLVGLKFMQASEDLLKEHYVDLKDRPFFAGLVKYMHSGPVVAMVWEGLNVVKTGRVMLGETNPADSKPGTIRGDFCIQVGRNIIHGGDSVESAEKEIGLWFHPEELVDYTSCAQNWIYE(SEQID NO: 17)
NM23-H1 S120G突然変異体アミノ酸配列(NM23-H1: GENBANK ACCESSION AF487339)。

atg tacaacatga tggagacgga gctgaagccg ccgggcccgc agcaaacttc
ggggggcggc ggcggcaact ccaccgcggc ggcggccggc ggcaaccaga aaaacagccc ggaccgcgtc aagcggccca tgaatgcctt catggtgtgg tcccgcgggc agcggcgcaa gatggcccag gagaacccca agatgcacaa ctcggagatc agcaagcgcc tgggcgccga gtggaaactt ttgtcggaga cggagaagcg gccgttcatc gacgaggcta agcggctgcg agcgctgcac atgaaggagc acccggatta taaataccgg ccccggcgga aaaccaagac
gctcatgaag aaggataagt acacgctgcc cggcgggctg ctggcccccg gcggcaatag catggcgagc ggggtcgggg tgggcgccgg cctgggcgcg ggcgtgaacc agcgcatgga cagttacgcg cacatgaacg gctggagcaa cggcagctac agcatgatgc aggaccagct gggctacccg cagcacccgg gcctcaatgc gcacggcgca gcgcagatgc agcccatgca ccgctacgac gtgagcgccc tgcagtacaa ctccatgacc agctcgcaga cctacatgaa
cggctcgccc acctacagca tgtcctactc gcagcagggc acccctggca tggctcttgg ctccatgggt tcggtggtca agtccgaggc cagctccagc ccccctgtgg ttacctcttc ctcccactcc agggcgccct gccaggccgg ggacctccgg gacatgatca gcatgtatct ccccggcgcc gaggtgccgg aacccgccgc ccccagcaga cttcacatgt cccagcacta ccagagcggc ccggtgcccg gcacggccat taacggcaca ctgcccctct cacacatgtg
a (SEQ ID NO: 18)
ヒトSOX2ヌクレオチド配列(SOX2:GENBANK ACCESSION NM_003106)。

MYNMMETELKPPGPQQTSGGGGGNSTAAAAGGNQKNSPDRVKRPMNAFMVWSRGQRRKMAQENPKMHNSEISKRLGAEWKLLSETEKRPFIDEAKRLRALHMKEHPDYKYRPRRKTKTLMKKDKYTLPGGLLAPGGNSMASGVGVGAGLGAGVNQRMDSYAHMNGWSNGSYSMMQDQLGYPQHPGLNAHGAAQMQPMHRYDVSALQYNSMTSSQTYMNGSPTYSMSYSQQGTPGMALGSMGSVVKSEASSSPPVVTSSSHSRAPCQAGDLRDMISMYLPGAEVPEPAAPSRLHMSQHYQSGPVPGTAINGTLPLSHM(SEQID NO: 19)
人のSOX2アミノ酸配列(SOX2:GENBANK ACCESSION NM_003106)。

atggcgggacacctggcttcagattttgccttctcgccccctccaggtggtggaggtgatgggccaggggggccggagccgggctgggttgatcctcggacctggctaagcttccaaggccctcctggagggccaggaatcgggccgggggttgggccaggctctgaggtgtgggggattcccccatgccccccgccgtatgagttctgtggggggatggcgtactgtgggccccaggttggagtggggctagtgccccaaggcggcttggagacctctcagcctgagggcgaagcaggagtcggggtggag、agcaactccgatggggcctccccggagccctgcaccgtcacccctggtgccgtgaagctggagaaggagaagctggagcaaaacccggaggagtcccaggacatcaaagctctgcagaaagaactcgagcaatttgccaagctcctgaagcagaagaggatcaccctgggatatacacaggccgatgtggggctcaccctgggggttctatttgggaaggtattcagccaaacgaccatctgccgctttgaggctctgcagcttagcttcaagaacatgtgtaagctgcggcccttgctgcagaagtgggtg、gaggaagctgacaacaatgaaaatcttcaggagatatgcaaagcagaaaccctcgtgcaggcccgaaagagaaagcgaaccagtatcgagaaccgagtgagaggcaacctggagaatttgttcctgcagtgcccgaaacccacactgcagcagatcagccacatcgcccagcagcttgggctcgagaaggatgtggtccgagtgtggttctgtaaccggcgccagaagggcaagcgatcaagcagcgactatgcacaacgagaggattttgaggctgctgggtctcctttctcagggggaccagtgtccttt、cctctggccccagggccccattttggtaccccaggctatgggagccctcacttcactgcactgtactcctcggtccctttccctgagggggaagcctttccccctgtctctgtcaccactctgggctctcccatgcattcaaactga(SEQID NO: 20)
人Oct4のヌクレオチド配列。

MAGHLASDFAFSPPPGGGGDGPGGPEPGWVDPRTWLSFQGPPGGPGIGPGVGPGSEVWGIPPCPPPYEFCGGMAYCGPQVGVGLVPQGGLETSQPEGEAGVGVESNSDGASPEPCTVTPGAVKLEKEKLEQNPEESQDIKALQKELEQFAKLLKQKRITLGYTQADVGLTLGVLFGKVFSQTTICRFEALQLSFKNMCKLRPLLQKWVEEADNNENLQEICKAETLVQARKRKRTSIENRVRGNLENLFLQCPKPTLQQISHIAQQLGLEKDVVRVWFCNRRQKGKRSSSDYAQREDFEAAGSPFSGGPVSFPLAPGPHFGTPGYGSPHFTALYSSVPFPEGEAFPPVSVTTLGSPMHSN(SEQID NO: 21)
人Oct4のアミノ酸配列。

atggccaacctggagcgcaccttcatcgccatcaagccggacggcgtgcagcgcggcctggtgggcgagatcatcaagcgcttcgagcagaagggattccgcctcgtggccatgaagttcctccgggcctctgaagaacacctgaagcagcactacattgacctgaaagaccgaccattcttccctgggctggtgaagtacatgaactcagggccggttgtggccatggtctgggaggggctgaacgtggtgaagacaggccgagtgatgcttggggagaccaatccagcagattcaaagccaggcaccatt、cgtggggacttctgcattcaggttggcaggaacatcattcatggcagtgattcagtaaaaagtgctgaaaaagaaatcagcctatggtttaagcctgaagaactggttgactacaagtcttgtgctcatgactgggtctatgaataa(SEQID NO: 22)
NM23-H2ヌクレオチド配列(NM23-H2: GENBANK ACCESSION AK313448)。

MANLERTFIAIKPDGVQRGLVGEIIKRFEQKGFRLVAMKFLRASEEHLKQHYIDLKDRPFFPGLVKYMNSGPVVAMVWEGLNVVKTGRVMLGETNPADSKPGTIRGDFCIQVGRNIIHGSDSVKSAEKEISLWFKPEELVDYKSCAHDWVYE(SEQID NO: 23)
NM23-H2アミノ酸配列(NM23-H2: GENBANK ACCESSION AK313448)。

atggctgtcagcgacgcgctgctcccatctttctccacgttcgcgtctggcccggcgggaagggagaagacactgcgtcaagcaggtgccccgaataaccgctggcgggaggagctctcccacatgaagcgacttcccccagtgcttcccgccggcccctatgacctggcggcggcgaccgtggccacagacctggagagcgccggagccggtgcggcttgcggcggtagcaacctggcgcccctacctcggagagagaccgaggagttcaacgatctcctggacctggactttattctctccaattcgctg、acccatcctccggagtcagtggccgccaccgtgtcctcgtcagcgtcagcctcctcttcgtcgtcgccgtcgagcagcggccctgccagcgcgccctccacctgcagcttcacctatccgatccgggccgggaacgacccgggcgtggcgccgggcggcacgggcggaggcctcctctatggcagggagtccgctccccctccgacggctcccttcaacctggcggacatcaacgacgtgagcccctcgggcggcttcgtggccgagctcctgcggccagaattggacccggtgtacattccgccgcagcag、ccgcagccgccaggtggcgggctgatgggcaagttcgtgctgaaggcgtcgctgagcgcccctggcagcgagtacggcagcccgtcggtcatcagcgtcacgaaaggcagccctgacggcagccacccggtggtggtggcgccctacaacggcgggccgccgcgcacgtgccccaagatcaagcaggaggcggtctcttcgtgcacccacttgggcgctggaccccctctcagcaatggccaccggccggctgcacacgacttccccctggggcggcagctccccagcaggactaccccgaccctgggtctt、gaggaagtgctgagcagcagggactgtcaccctgccctgccgcttcctcccggcttccatccccacccggggcccaattacccatccttcctgcccgatcagatgcagccgcaagtcccgccgctccattaccaagagctcatgccacccggttcctgcatgccagaggagcccaagccaaagaggggaagacgatcgtggccccggaaaaggaccgccacccacacttgtgattacgcgggctgcggcaaaacctacacaaagagttcccatctcaaggcacacctgcgaacccacacaggtgagaaacct、taccactgtgactgggacggctgtggatggaaattcgcccgctcagatgaactgaccaggcactaccgtaaacacacggggcaccgcccgttccagtgccaaaaatgcgaccgagcattttccaggtcggaccacctcgccttacacatgaagaggcatttt(SEQID NO: 24)
KLF4ヌクレオチド配列(KLF4:GENBANK ACCESSION AF022184)。

MAVSDALLPSFSTFASGPAGREKTLRQAGAPNNRWREELSHMKRLPPVLPAGPYDLAAATVATDLESAGAGAACGGSNLAPLPRRETEEFNDLLDLDFILSNSLTHPPESVAATVSSSASASSSSSPSSSGPASAPSTCSFTYPIRAGNDPGVAPGGTGGGLLYGRESAPPPTAPFNLADINDVSPSGGFVAELLRPELDPVYIPPQQPQPPGGGLMGKFVLKASLSAPGSEYGSPSVISVTKGSPDGSHPVVVAPYNGGPPRTCPKIKQEAVSSCTHLGAGPPLSNGHRPAAHDFPLGRQLPSRTTPTLGLEEVLSSRDCHPALPLPPGFHPHPGPNYPSFLPDQMQPQVPPLHYQELMPPGSCMPEEPKPKRGRRSWPRKRTATHTCDYAGCGKTYTKSSHLKAHLRTHTGEKPYHCDWDGCGWKFARSDELTRHYRKHTGHRPFQCQKCDRAFSRSDHLALHMKRHF(SEQID NO: 25)
KLF4アミノ酸配列(KLF4: GENBANKACCESSION AF022184)。

atggatttttttcgggtagtggaaaaccagcagcctcccgcgacgatgcccctcaacgttagcttcaccaacaggaactatgacctcgactacgactcggtgcagccgtatttctactgcgacgaggaggagaacttctaccagcagcagcagcagagcgagctgcagcccccggcgcccagcgaggatatctggaagaaattcgagctgctgcccaccccgcccctgtcccctagccgccgctccgggctctgctcgccctcctacgttgcggtcacacccttctcccttcggggagacaacgacggcggt、ggcgggagcttctccacggccgaccagctggagatggtgaccgagctgctgggaggagacatggtgaaccagagtttcatctgcgacccggacgacgagaccttcatcaaaaacatcatcatccaggactgtatgtggagcggcttctcggccgccgccaagctcgtctcagagaagctggcctcctaccaggctgcgcgcaaagacagcggcagcccgaaccccgcccgcggccacagcgtctgctccacctccagcttgtacctgcaggatctgagcgccgccgcctcagagtgcatcgacccctcggtg、gtcttcccctaccctctcaacgacagcagctcgcccaagtcctgcgcctcgcaagactccagcgccttctctccgtcctcggattctctgctctcctcgacggagtcctccccgcagggcagccccgagcccctggtgctccatgaggagacaccgcccaccaccagcagcgactctgaggaggaacaagaagatgaggaagaaatcgatgttgtttctgtggaaaagaggcaggctcctggcaaaaggtcagagtctggatcaccttctgctggaggccacagcaaacctcctcacagcccactggtcctc、aagaggtgccacgtctccacacatcagcacaactacgcagcgcctccctccactcggaaggactatcctgctgccaagagggtcaagttggacagtgtcagagtcctgagacagatcagcaacaaccgaaaatgcaccagccccaggtcctcggacaccgaggagaatgtcaagaggcgaacacacaacgtcttggagcgccagaggaggaacgagctaaaacggagcttttttgccctgcgtgaccagatcccggagttggaaaacaatgaaaaggcccccaaggtagttatccttaaaaaagccacagca、tacatcctgtccgtccaagcagaggagcaaaagctcatttctgaagaggacttgttgcggaaacgacgagaacagttgaaacacaaacttgaacagctacggaactcttgtgcg(SEQID NO: 26)
c-Mycヌクレオチド配列(c-Myc:GENBANKACCESSION BC000917)。

MDFFRVVENQQPPATMPLNVSFTNRNYDLDYDSVQPYFYCDEEENFYQQQQQSELQPPAPSEDIWKKFELLPTPPLSPSRRSGLCSPSYVAVTPFSLRGDNDGGGGSFSTADQLEMVTELLGGDMVNQSFICDPDDETFIKNIIIQDCMWSGFSAAAKLVSEKLASYQAARKDSGSPNPARGHSVCSTSSLYLQDLSAAASECIDPSVVFPYPLNDSSSPKSCASQDSSAFSPSSDSLLSSTESSPQGSPEPLVLHEETPPTTSSDSEEEQEDEEEIDVVSVEKRQAPGKRSESGSPSAGGHSKPPHSPLVLKRCHVSTHQHNYAAPPSTRKDYPAAKRVKLDSVRVLRQISNNRKCTSPRSSDTEENVKRRTHNVLERQRRNELKRSFFALRDQIPELENNEKAPKVVILKKATAYILSVQAEEQKLISEEDLLRKRREQLKHKLEQLRNSCA(SEQID NO: 27)
c-Mycアミノ酸配列(c-Myc: GENBANKACCESSION BC000917)。

atgggctccgtgtccaaccagcagtttgcaggtggctgcgccaaggcggcagaagaggcgcccgaggaggcgccggaggacgcggcccgggcggcggacgagcctcagctgctgcacggtgcgggcatctgtaagtggttcaacgtgcgcatggggttcggcttcctgtccatgaccgcccgcgccggggtcgcgctcgaccccccagtggatgtctttgtgcaccagagtaagctgcacatggaagggttccggagcttgaaggagggtgaggcagtggagttcacctttaagaagtcagccaagggtctg、gaatccatccgtgtcaccggacctggtggagtattctgtattgggagtgagaggcggccaaaaggaaagagcatgcagaagcgcagatcaaaaggagacaggtgctacaactgtggaggtctagatcatcatgccaaggaatgcaagctgccaccccagcccaagaagtgccacttctgccagagcatcagccatatggtagcctcatgtccgctgaaggcccagcagggccctagtgcacagggaaagccaacctactttcgagaggaagaagaagaaatccacagccctaccctgctcccggaggcacag、aat(SEQ ID NO: 28)
LIN28ヌクレオチド配列(LIN28:GENBANK ACCESSION AF521099)。

MGSVSNQQFAGGCAKAAEEAPEEAPEDAARAADEPQLLHGAGICKWFNVRMGFGFLSMTARAGVALDPPVDVFVHQSKLHMEGFRSLKEGEAVEFTFKKSAKGLESIRVTGPGGVFCIGSERRPKGKSMQKRRSKGDRCYNCGGLDHHAKECKLPPQPKKCHFCQSISHMVASCPLKAQQGPSAQGKPTYFREEEEEIHSPTLLPEAQN(SEQID NO: 29)
LIN28アミノ酸配列(LIN28: GENBANKACCESSION AF521099)。

atgtctcccgccccaagaccctcccgttgtctcctgctccccctgctcacgctcggcaccgcgctcgcctccctcggctcggcccaaagcagcagcttcagccccgaagcctggctacagcaatatggctacctgcctcccggggacctacgtacccacacacagcgctcaccccagtcactctcagcggccatcgctgccatgcagaagttttacggcttgcaagtaacaggcaaagctgatgcagacaccatgaaggccatgaggcgcccccgatgtggtgttccagacaagtttggggctgagatcaag、gccaatgttcgaaggaagcgctacgccatccagggtctcaaatggcaacataatgaaatcactttctgcatccagaattacacccccaaggtgggcgagtatgccacatacgaggccattcgcaaggcgttccgcgtgtgggagagtgccacaccactgcgcttccgcgaggtgccctatgcctacatccgtgagggccatgagaagcaggccgacatcatgatcttctttgccgagggcttccatggcgacagcacgcccttcgatggtgagggcggcttcctggcccatgcctacttcccaggccccaac、attggaggagacacccactttgactctgccgagccttggactgtcaggaatgaggatctgaatggaaatgacatcttcctggtggctgtgcacgagctgggccatgccctggggctcgagcattccagtgacccctcggccatcatggcacccttttaccagtggatggacacggagaattttgtgctgcccgatgatgaccgccggggcatccagcaactttatgggggtgagtcagggttccccaccaagatgccccctcaacccaggactacctcccggccttctgttcctgataaacccaaaaacccc、acctatgggcccaacatctgtgacgggaactttgacaccgtggccatgctccgaggggagatgtttgtcttcaaggagcgctggttctggcgggtgaggaataaccaagtgatggatggatacccaatgcccattggccagttctggcggggcctgcctgcgtccatcaacactgcctacgagaggaaggatggcaaattcgtcttcttcaaaggagacaagcattgggtgtttgatgaggcgtccctggaacctggctaccccaagcacattaaggagctgggccgagggctgcctaccgacaagattgat、gctgctctcttctggatgcccaatggaaagacctacttcttccgtggaaacaagtactaccgtttcaacgaagagctcagggcagtggatagcgagtaccccaagaacatcaaagtctgggaagggatccctgagtctcccagagggtcattcatgggcagcgatgaagtcttcacttacttctacaaggggaacaaatactggaaattcaacaaccagaagctgaaggtagaaccgggctaccccaagtcagccctgagggactggatgggctgcccatcgggaggccggccggatgaggggactgaggag、gagacggaggtgatcatcattgaggtggacgaggagggcggcggggcggtgagcgcggctgccgtggtgctgcccgtgctgctgctgctcctggtgctggcggtgggccttgcagtcttcttcttcagacgccatgggacccccaggcgactgctctactgccagcgttccctgctggacaaggtc(SEQID NO: 30)
MMP14ヌクレオチド配列(MMP14:GENBANK ACCESSION BC064803)。

MSPAPRPSRCLLLPLLTLGTALASLGSAQSSSFSPEAWLQQYGYLPPGDLRTHTQRSPQSLSAAIAAMQKFYGLQVTGKADADTMKAMRRPRCGVPDKFGAEIKANVRRKRYAIQGLKWQHNEITFCIQNYTPKVGEYATYEAIRKAFRVWESATPLRFREVPYAYIREGHEKQADIMIFFAEGFHGDSTPFDGEGGFLAHAYFPGPNIGGDTHFDSAEPWTVRNEDLNGNDIFLVAVHELGHALGLEHSSDPSAIMAPFYQWMDTENFVLPDDDRRGIQQLYGGESGFPTKMPPQPRTTSRPSVPDKPKNPTYGPNICDGNFDTVAMLRGEMFVFKERWFWRVRNNQVMDGYPMPIGQFWRGLPASINTAYERKDGKFVFFKGDKHWVFDEASLEPGYPKHIKELGRGLPTDKIDAALFWMPNGKTYFFRGNKYYRFNEELRAVDSEYPKNIKVWEGIPESPRGSFMGSDEVFTYFYKGNKYWKFNNQKLKVEPGYPKSALRDWMGCPSGGRPDEGTEEETEVIIIEVDEEGGGAVSAAAVVLPVLLLLLVLAVGLAVFFFRRHGTPRRLLYCQRSLLDKV(SEQID NO: 31)
MMP14アミノ酸配列(MMP14: GENBANKACCESSION BC064803)。

atgatcttactcacattcagcactggaagacggttggatttcgtgcatcattcgggggtgtttttcttgcaaaccttgctttggattttatgtgctacagtctgcggaacggagcagtatttcaatgtggaggtttggttacaaaagtacggctaccttccaccgactgaccccagaatgtcagtgctgcgctctgcagagaccatgcagtctgccctagctgccatgcagcagttctatggcattaacatgacaggaaaagtggacagaaacacaattgactggatgaagaagccccgatgcggtgtacct、gaccagacaagaggtagctccaaatttcatattcgtcgaaagcgatatgcattgacaggacagaaatggcagcacaagcacatcacttacagtataaagaacgtaactccaaaagtaggagaccctgagactcgtaaagctattcgccgtgcctttgatgtgtggcagaatgtaactcctctgacatttgaagaagttccctacagtgaattagaaaatggcaaacgtgatgtggatataaccattatttttgcatctggtttccatggggacagctctccctttgatggagagggaggatttttggcacat、gcctacttccctggaccaggaattggaggagatacccattttgactcagatgagccatggacactaggaaatcctaatcatgatggaaatgacttatttcttgtagcagtccatgaactgggacatgctctgggattggagcattccaatgaccccactgccatcatggctccattttaccagtacatggaaacagacaacttcaaactacctaatgatgatttacagggcatccagaaaatatatggtccacctgacaagattcctccacctacaagacctctaccgacagtgcccccacaccgctctatt、cctccggctgacccaaggaaaaatgacaggccaaaacctcctcggcctccaaccggcagaccctcctatcccggagccaaacccaacatctgtgatgggaactttaacactctagctattcttcgtcgtgagatgtttgttttcaaggaccagtggttttggcgagtgagaaacaacagggtgatggatggatacccaatgcaaattacttacttctggcggggcttgcctcctagtatcgatgcagtttatgaaaatagcgacgggaattttgtgttctttaaaggtaacaaatattgggtgttcaaggat、acaactcttcaacctggttaccctcatgacttgataacccttggaagtggaattccccctcatggtattgattcagccatttggtgggaggacgtcgggaaaacctatttcttcaagggagacagatattggagatatagtgaagaaatgaaaacaatggaccctggctatcccaagccaatcacagtctggaaagggatccctgaatctcctcagggagcatttgtacacaaagaaaatggctttacgtatttctacaaaggaaaggagtattggaaattcaacaaccagatactcaaggtagaacctgga、catccaagatccatcctcaaggattttatgggctgtgatggaccaacagacagagttaaagaaggacacagcccaccagatgatgtagacattgtcatcaaactggacaacacagccagcactgtgaaagccatagctattgtcattccctgcatcttggccttatgcctccttgtattggtttacactgtgttccagttcaagaggaaaggaacaccccgccacatactgtactgtaaacgctctatgcaagagtgggtg(SEQID NO: 32)
MMP16ヌクレオチド配列(MMP16:GENBANKACCESSION AB009303)。

が記述するMILLTFSTGRRLDFVHHSGVFFLQTLLWILCATVCGTEQYFNVEVWLQKYGYLPPTDPRMSVLRSAETMQSALAAMQQFYGINMTGKVDRNTIDWMKKPRCGVPDQTRGSSKFHIRRKRYALTGQKWQHKHITYSIKNVTPKVGDPETRKAIRRAFDVWQNVTPLTFEEVPYSELENGKRDVDITIIFASGFHGDSSPFDGEGGFLAHAYFPGPGIGGDTHFDSDEPWTLGNPNHDGNDLFLVAVHELGHALGLEHSNDPTAIMAPFYQYMETDNFKLPNDDLQGIQKIYGPPDKIPPPTRPLPTVPPHRSIPPADPRKNDRPKPPRPPTGRPSYPGAKPNICDGNFNTLAILRREMFVFKDQWFWRVRNNRVMDGYPMQITYFWRGLPPSIDAVYENSDGNFVFFKGNKYWVFKDTTLQPGYPHDLITLGSGIPPHGIDSAIWWEDVGKTYFFKGDRYWRYSEEMKTMDPGYPKPITVWKGIPESPQGAFVHKENGFTYFYKGKEYWKFNNQILKVEPGHPRSILKDFMGCDGPTDRVKEGHSPPDDVDIVIKLDNTASTVKAIAIVIPCILALCLLVLVYTVFQFKRKGTPRHILYCKRSMQEWV(SEQID NO: 33)
MMP 16アミノ酸配列(MMP16:GENBANKACCESSION AB009303)。
大腸菌発現のために最適化されたヒトNME7-AB配列:
(DNA)
atggaaaaaacgctggccctgattaaaccggatgcaatctccaaagctggcgaaattatcgaaattatcaacaaagcgggtttcaccatcacgaaactgaaaatgatgatgctgagccgtaaagaagccctggattttcatgtcgaccaccagtctcgcccgtttttcaatgaactgattcaattcatcaccacgggtccgattatcgcaatggaaattctgcgtgatgacgctatctgcgaatggaaacgcctgctgggcccggcaaactcaggtgttgcgcgtaccgatgccagtgaatccattcgcgct、ctgtttggcaccgatggtatccgtaatgcagcacatggtccggactcattcgcatcggcagctcgtgaaatggaactgtttttcccgagctctggcggttgcggtccggcaaacaccgccaaatttaccaattgtacgtgctgtattgtcaaaccgcacgcagtgtcagaaggcctgctgggtaaaattctgatggcaatccgtgatgctggctttgaaatctcggccatgcagatgttcaacatggaccgcgttaacgtcgaagaattctacgaagtttacaaaggcgtggttaccgaatatcacgatatg、gttacggaaatgtactccggtccgtgcgtcgcgatggaaattcagcaaaacaatgccaccaaaacgtttcgtgaattctgtggtccggcagatccggaaatcgcacgtcatctgcgtccgggtaccctgcgcgcaatttttggtaaaacgaaaatccagaacgctgtgcactgtaccgatctgccggaagacggtctgctggaagttcaatactttttcaaaattctggataattga(SEQID NO: 34)
NME7-ABヌクレオチド配列。
(アミノ酸)
MEKTLALIKPDAISKAGEIIEIINKAGFTITKLKMMMLSRKEALDFHVDHQSRPFFNELIQFITTGPIIAMEILRDDAICEWKRLLGPANSGVARTDASESIRALFGTDGIRNAAHGPDSFASAAREMELFFPSSGGCGPANTAKFTNCTCCIVKPHAVSEGLLGKILMAIRDAGFEISAMQMFNMDRVNVEEFYEVYKGVVTEYHDMVTEMYSGPCVAMEIQQNNATKTFREFCGPADPEIARHLRPGTLRAIFGKTKIQNAVHCTDLPEDGLLEVQYFFKILDN- (SEQ ID NO:35)
NME7-ABアミノ酸配列。
GGFLGLSNIKFRPGSVVVQLTLAFREGTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGAC(SEQID NO: 36)
人MUC1受容体の膜近位部。
QFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ IDNO: 37)
「N-10」、PSMGFRのN-末端10日目アミノ酸を欠失。
GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDV(SEQ IDNO: 38)
SEQ ID NO37のアミノ酸配列のN-末端の隣接した部分を包むアミノの配列。
GGFLGLSNIKFRPGSVVVQLTLAFRE(SEQ ID NO: 39)
MUC1の自己凝集ドメイン。
HHHHHH-SSSSGSSSSGSSSSGGRGDSGRGDS(SEQ ID NO:40)
無関係のペプチド。
より少ない成熟状態への細胞の誘導
多分化能の状態に戻るために体細胞を再プログラムすることができることは、最近発見された。転写調節因子Oct4、SOX2、KLF4、NANOG、c-MYCおよびLIN28をコードする遺伝子、あるいはそれらのタンパク質は、体細胞へ導入し、多分化能の状態への復帰を導くことができる。これらの多分化能因子の多くは以前に癌遺伝子と見なされた。C-Mycは有名な癌遺伝子である。また、同様に、Klf4は形成障害(フォスター、2005年ら)を導くと報告された。Oct4は、多分化能性幹細胞を同定するためのゴールドスタンダードと以前見なされた。核の中のOCT4の存在は細胞が多分化能であることを示し、また、その欠如は、細胞が分化プロセスに入っており、任意の細胞タイプにもはや分化することができないと思われた。最近、Oct4は多くの癌細胞の核に存在し、正常な成熟した細胞には存在しないと知られるようになった。本発明者は、MUC1膜貫通型タンパク質(SEQ ID NO: 1)の開裂形式(MUC1*)が、固型腫瘍癌のおおよそ75%で発現され(Raina、2009年ら)る強力な成長因子受容体であること、さらに、それが、誘導多分化能幹(iPS)細胞と同様に胚幹(ES)細胞を含む(Hikitaら、2008年; Smaggheら、2013年)、すべての多分化能性幹細胞でもこの腫瘍原性の形態で発現することを見出した。本発明は、MUC1*とMUC1*関連因子に関し、同様に、多分化能の誘導かメンテナンスのために又は多分化能の誘導効果を増強するためにそれらを使用する方法に関する。
MUC1*は、幹細胞と癌細胞の成長および多分化能を仲介する主要な成長因子受容体である。MUC1*に関連する因子の導入は、出発細胞より少ない成熟状態に戻ることに細胞を導く。二価又は二量体の形態のNM23は、MUC1*成長因子受容体のリガンドである。NM23-MUC1*相互作用の妨害は、多分化能性幹細胞に対して多分化能からの退出かつ成熟プロセスの開始を始めるように伝えるmicroRNAであるmicroRNA-145(miR-145)の発現を導く。
二量体のNM23、二価のNM23あるいは多分化能遺伝子の存在下若しくは不存在の状態でのNME7のようなNMEファミリーに属するタンパク質による体細胞の処理は、細胞のスタート状態より少ない成熟状態に成熟した細胞を戻らせた。多分化能遺伝子、Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycの2つ以上でトランスフェクトされた繊維芽細胞は、それらが二量体のNM23を含んでいたミディアムにおいて培養された時、はるかに速い速さで、および誘導の高められた効率で、多分化能性幹細胞になるように誘導された。多分化能遺伝子のどれでもトランスフェクトされなかったが、二量体のNM23中で培養した細胞は、Oct4を発現し、数日内に幹様形態に戻った。さらに、MUC1*のPSMGFR部分を認識する二価抗体で処理された体細胞はまた、出発細胞よりより少ない分化状態に戻った。したがって、二量体のNMEファミリータンパク質のような二価のMUC1*リガンド、特に、MUC1*のための2つの結合部位を持っておりMUC1*を二量体化するNME7、二量体の形態のNMEファミリーメンバーあるいはPSMGFR領域に対する抗体は、より少ない成熟状態に誘導細胞を戻す(そこではより少ない成熟状態に戻されることができる細胞は、全能性幹細胞、多分化能性幹細胞、分化された細胞と同様に多能な幹細胞を含むグループから選ばれる)と同様に、未分化の幹細胞の成長を促進する。
より少ない成熟状態、あるいはさらに多分化能の状態に成熟した細胞を戻らせることに加えて、本発明者たちは、NM23二量体あるいはNME7のようなMUC1リガンドで幹細胞を処理することは、より少ない成熟状態(つまりより多分化能の状態)に幹細胞を戻させることをさらに実証した。
幹細胞レスキュー
適切な分化能の欠如によって証拠づけられるように、幹細胞株はしばしばその機能が悪くなる。心筋細胞への分化へと向かうことができる幹細胞株を研究者は何か月も使用すと、例えば、次に、分化の効率は傾き始め、結局、細胞株は機能をストップする。細胞株が典型的な多分化能マーカーの存在について分析される場合、Tra 1-60、SSEA4あるいはRex-1のような便利な表面マーカーの発現の減少は少しである。しかしながら、その後、これらの細胞がMUC1*の存在に対して分析される場合、本願発明者らは、MUC1*の最小の発現のみがあることを知った。NM23二量体あるいはNME7による、これらの「多分化能の」幹細胞(iPSまたはES)の処置は、多分化能マーカーの増加した発現と一致するMUC1*の発現における、劇的な増加を誘導した。発明のこの面を検討したいくつかの実験は、実施例14の図40-44において詳述される。細胞が、NM23二量体あるいはNME7で処理されると、細胞は出発細胞よりはるかに高い効率で分化した。
幹細胞は、成熟した成人の細胞に段階的に分化するので、それらを成熟した細胞に分化させる前に、多分化能性幹細胞状態に、途中ずっと、細胞をおくことは必要ではない。細胞は、所望の細胞タイプに、仮の状態から分化することができる。したがって、細胞は、所望の細胞か組織タイプに、分化することができる、より少ない成熟状態に戻るように、単に、誘導されうる。いくらかはこの仮の状態を引用して、より少ない成熟状態は、前iPS状態にあるという。該技術は、「分化転換transdifferentiation」と呼ばれ時々「直接の分化」と定義される。例えば、体細胞あるいは繊維芽細胞または皮膚芽球のような成熟した細胞は、多少、多分化能になるように誘導され得、次に、ある所望の細胞タイプへの分化に向けられ、あるいは分化することを許容される(Iedeら、2010;Efeら、2011)。例えば、心臓繊維芽細胞はより少ない成熟状態にもたらされ、次に、鼓動する心筋細胞へ分化することができる。他の場合では、所望の最終の細胞タイプと同じ系統の細胞で始めることは有利である。このように、細胞は、ある決定ポイントより早い、単により少ない成熟状態に戻され、そして、次に、所望の細胞タイプへの分化に向ける。
心筋細胞、ニューロンの細胞、島細胞などに分化をさせる方法は、当業者に知られている。克服される必要のあるハードルは、向けられた分化の非常に低い効率と、多分化能を導く物質を導入するためのプラスミドとウイルスベクターの使用を含む。より少ない成熟状態に戻るように細胞を導き、その誘導の効率を増加させ、かつ/または、向けられた分化の効率を増加させるタンパク質は、ここまで幹細胞治療の臨床応用を妨げた問題を解決する。NM23および/または他のMUC1*に関連する因子は、より少ない成熟か、より幹様になるように、細胞を導きうる。NM23は、幹様になるように細胞を導くために単独であるいは他の因子と共に使用することができる。1つの具体例では、二量体の形式、あるいは二価の形式のNM23は、より少ない成熟になるように細胞を導くために細胞に導入される。他の具体例では、NM23(H1またはH6の二量体かNME7)は、より幹様になるために細胞を導く他の遺伝子、タンパク質あるいは小分子と共に加えられる。この幹様又は半多分化能の状態から、誘導された細胞は、単に、所望の細胞タイプの細胞の環境に、あるいは所望の細胞か組織タイプに分化するように誘導された細胞に影響を及ぼす因子の環境下に、該細胞を置くことにより、所望の細胞タイプに分化することができる。
1つの具体例では、より少ない成熟に誘導される細胞は、ホスト動物かヒトに存在する細胞である。ある場合には、より少ない成熟に細胞を導く因子が体系的に加えられる。他の場合では、より少ない成熟に細胞を導く因子は局在的に加えられる。これらの因子の局在的誘導を促進するために、誘導因子が、植えつけられるか、あるいは例えば、創傷治癒を促進するためにバンデージに貼り付けることができる。あるいは、それらは、局在的に、単独で又はヒドロゲル若しくは他のキャリア材料と共に注入することができる。誘導因子は、又、局所的に適用されるか、外科的に挿入されるか若しくは取り込むことができる生物学的適合材料に誘導因子を付着させることができる。軟骨修復は、関節へ、より少ない成熟に細胞を導く誘導因子の導入で促進することができる。アルツハイマー病またはパーキンソン病のような神経組織変成の疾病に苦しむ人は、局在的脳細胞に、それらが機能的な脳細胞に分化することができる、より少ない成熟状態に戻すことを導く処置をすることが可能である。
本発明は、さらに、無関係な機能を履行する基質に、より少ない成熟になるように細胞を導く因子を付着させることを含み、それは、血管修復のためのステント、空隙において細胞の再生を促進する間共に物質の2ピースを維持するテープ様物資、構造上若しくは構造内で、組織の構成を形作る足場、神経および他の生物学的構造の形成のために例示のためのパターン化される基質等である。本発明は、目を形作るような構造化した細胞及び組織の生成のための基質を半多分化能の状態に導く接着因子を含む。
ある場合には、プレiPS細胞に分化させる因子が、より少ない成熟に誘導された細胞のサイトへ、同時にあるいは後で加えられる。他の場合では、分化をさせる因子は加えられない。代わりに、所望の細胞タイプあるいは組織タイプに誘導された細胞の分化は、局在的環境によって分泌された因子に依存する。
好ましい具体例では、より少ない成熟に細胞を導く因子は、MUC1*に関連する因子であって、それは二価の抗MUC1*抗体、および抗体様のタンパク質、MUC1開裂と同様にMUC1あるいはNM23(H1またはH6の二量体かNME7)の発現を増加する遺伝子の導入を増加させる酵素か物質を含み、これらに限定されない。本発明は、膜近位であるおよそ45のアミノ酸であるPSMGFR配列でその細胞外ドメインが本質的に構成されるMUC1開裂産物をコードする核酸を導入することを含む。特に好ましい具体例では、MUC1*に関連する因子は、NME7が、MUC1*のための2つの結合部位を持っている自然な「二量体」として使われる、及びそれを二量化させることが可能な場合以外は、二価又は二量体の形式のNM23である。より少ない成熟に細胞を導くMUC1*関連因子は、単独で或はOCT4、SOX2、KLF4、NANO G、c-MYCおよび/またはLIN28を含む、これらに限定されない他の多分化能誘導因子と一緒に加えることができる。
哺乳動物中のMUC1の配列相同性
膜近位であるMUC1の部分は、哺乳動物中に高度に保持される。
ヒトMUC1の膜近位部分は、以下の配列である;
N-GGFLGLSNIKFRPGSVVVQLTLAFREGTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGAC。(SEQ ID、No:36)
本願発明者らは、、本願発明者らの前の特許出願で「N-10」(それはPSMGFRのN-末端において10個のアミノ酸を欠失する)と呼ばれて、配列:
QFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 37)
を含んでいるMUC1*の部分に、MUC1*活性化リガンドNM23が結合することを以前に示した。MUC1のこの部分は、58%の同一性を持ち、ヒトとマウスの間で72%相同である。
配列
GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDV(SEQ IDNO: 38)
を含んでいる、N-末端の隣接した部分は、47%の配列同一性を持ち、ヒトとマウスの間で71%相同である。自己会合ドメイン
GGFLGLSNIKFRPGSVVVQLTLAFRE(SEQ ID NO: 39)
であることを以前に本願発明者らが示したMUC1の部分は、69%の同一性を持ち、ヒトとマウスの間で85%相同である。
大きな配列保存のために、ヒトMUC1*受容体を認識するリガンドは、さらにネズミ科のMUC1*受容体を認識する。例えば、二量体二価の形のヒトNM23は、マウス胚性幹細胞上のMUC1に結合し、多分化能を導くと同様に維持する間に、成長を可能にする。最小の幹細胞培地(MM)中でのヒトNM23二量体の添加は、完全に、LIFの必要をなくした。さらに、LIFの中のマウスES細胞の成長は、多分化能マーカーを発現する細胞の割合を増加させ、さらにそれ自体多分化能因子であるMUC1の発現を増加させた。したがって、二量体か二価の形のヒトかマウスNM23は、他の成長因子がない状態で、胚性又は造血性であるマウス幹細胞の成長および多分化能を促進する。さらに、ヒトあるいはマウスNM23は、マウス体細胞中の多分化能を導く。自然なリガンドNM23、に加えて、MUC1の膜近位部分を認識する二価抗体は、マウス細胞の多分化能を導くと同様に促進し維持する。MUC1の膜近位部分の大きな配列保存のゆえに、本発明は、およそ50の膜近位アミノ酸を認識する二価抗体と同様にNM23の、哺乳類細胞および哺乳動物一般の多分化能の成長、メンテナンスおよび誘導ための使用を含む。
本発明は、MUC1*関連ファクターの使用も包含し、それは、蛋白因子、それらをコードする遺伝子を含み、あるいはiPS細胞を生成する効率を導くか改善するために、それらの発現に影響する小分子を含んでいる。本願発明者らは、MUC1膜貫通型タンパク質(MUC1*)の開裂形が、癌と多分化能性幹細胞の両方の成長を仲介する刺激された成長因子受容体であることを証明した。MUC1*細胞外ドメインおよびその活性化リガンド(NM23)の間での相互作用の完全な阻止は、多分化能性幹細胞に致命的であった(Hikita、2008年ら)、一方、これらの抑制剤のより低濃度による処理が分化を誘導した。MUC1*とNM23の間の相互作用は、MUC1*受容体のNM23誘導二量化をブロックする抗MUC1*Fabでの処理により、あるいは、NM23とその標的MUC1*細胞外ドメイン間の相互作用を完全に阻害する、MUC1*細胞外ドメインとして同じ配列をもつ合成ペプチドの添加によって、特異的に阻止された。これらの発見は、MUC1-NM23パスウェイが多分化能には重要であることを示す。NM23は、MUC1*を活性化するリガンドである(Mahantaら、2008年、Hikitaら、2008年; Smaggheら、2013年)(SEQ ID NOS: 12-17、22-23および34-35)。多分化能性幹細胞成長を刺激するその能力に加えて、分化を阻止する一方で、NM23は、既知の多分化能因子であるc-Myc(Dexheimerら、2009)の転写を誘導することが報告された。さらに、NM23あるいは二価の抗MUC1*抗体のいずれかによる、MUC1*の刺激は、細胞生存の増加をもたらす(Mahanta、2008年ら)、MAPキナーゼ増殖パスウェイを活性化する。NANOG発現は多分化能を導き、腫瘍抑制物質p53はNanog発現を抑制する(リン、2007年ら)。したがって、多分化能を導くNANOGの必要性は、p53を抑えることにより減少されるか除去されうる。MUC1の細胞質尾部(MUC1-CT)の異所的に発現された72個のアミノ酸断片は癌細胞の核に存在することが示され、それはp53プロモーターに結合する(ウェイ、2007年ら)。SEQ ID NO:11において示された、MUC1-CDのおよそ72個のアミノ酸断片は、iPS細胞生成を導くか増強するために、他の多分化能を導く因子と組み合わせて使用することができる。しかしながら、このペプチドは、自然に発生するMUC1種には相当せず、したがって、望まれない結果を生むかもしれない。本発明者は、MUC1*が、核に転移することを示し(実施例1および9、ならびに図6)、したがって、iPS細胞生成を導くか増強するために、単独であるいは他の多分化能を導く因子と組み合わせて使用される。このアプローチを支持して、多分化能遺伝子の主要セットのいくつかの遺伝子が、MUC1、その開裂酵素および/またはその活性化リガンドNM23の転写を調節することは報告された(Boyerら、2005年ら)。
Oct4とSOX2は、MUC1プロモーターおよびさらにその開裂酵素MMP-14のプロモーターに結合する。SOX2とNANOGは、NM23プロモーターに結合する。MUC1*が、hESCsのメンテナンスに重要で、重要な多分化能遺伝子の標的であるとすれば、本願発明者らは、次のことを明らかにする。MUC1*、あるいは、活性化リガンドNM23と共に、MUC1*形式へのMUC1の開裂を増加させる物質の導入は、iPS細胞の生成を導くか増強する以前に同定された多分化能を導く因子のうちのいくつかあるいはすべての、代替のために使用することができる。
本発明は、より少ない成熟状態、および多分化能の状態にさえ戻るために細胞を導くための、MUC1*およびそのリガンドを含む、新しい試薬および方法を示す。これらの試薬と方法は、体性か成熟した細胞の多分化能を導くために使用される。あるいは、それらは、出発細胞が、成熟細胞か、先祖細胞かあるいは部分的に分化された細胞である、より少ない成熟状態の細胞を導くために使用することができる。発明の別の態様では、それらは、成熟した細胞の多分化能を導く効率を増加させるために使用される。また発明の別の態様では、それらは未成熟な状態で未成熟な細胞を維持するために使用される。発明の別の態様では、それらは分化を阻害するために使用される。発明の別の態様では、これらの試薬と方法は、多分化能の状態で幹細胞を維持するために使用される。
本発明は、成熟細胞もしくは多少分化された細胞に、MUC1*およびその関連する因子の発現に影響する遺伝子若しくは遺伝子産物を導入し、分化を逆にするか又は幹様特徴を維持させることを含む。MUC1*は膜貫通型タンパク質MUC1の開裂形式である。MUC1*関連因子は、MUC1を開裂する酵素、MUC1*活性化リガンド及びMUC1若しくはMUC1*の発現に影響する転写調節因子を含み、それに制限されない。本発明は、又、MUC1*若しくはMUC1*関連物質の遺伝子か遺伝子産物の、成熟細胞若しくは多少分化した細胞への、導入に関する。それは、それらの細胞にまたはそれらの子孫に、多分化能あるいは幹様化(stem-ness)を導く。本願発明は、幹細胞において多分化能を維持するためのそれらの使用について記述する。MUC1*又はNM23-H1二量体若しくはNM23-H7モノマーのようなMUC1*関連因子の発現に影響する物質は、Oct4、SOX2、KLF4、NANOG、c-MYCおよびLIN28を含む多分化能を導くと知られている遺伝子若しくは遺伝子産物の一若しくはそれ以上との組み合わせで、又は置き換えで添加可能である。
転写調節因子(Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc、又は Oct4、Sox2、NanogおよびLin28)のコンビネーションの強制的な発現は、成熟した細胞を多分化能の状態に戻らせることが示された (高橋および山中、2006年) 。多分化能を導く転写調節因子の各々は、約1ダースの遺伝子の転写を調節する。これらにおいては、MUC1に関連する因子であることを、発明者が同定したいくつかのものがあった。Oct4とSOX2は、MUC1プロモーター自体に結合する。SOX2とNANOGは、NM23(NME7)プロモーターに結合する。NM23(NMEとして知られている)は、本発明者によって、以前にMUC1*の活性化するリガンドであると確認された(Mahanta、2008年ら)。NM23-H1(NME1と呼ばれた)は、MUC1*細胞外ドメインに結合し、NM23-H1が二量体形式である場合、MUC1*の二量化を導く;より高い濃度では、あるいはNM23に二量体形成を好ませる変異なしでは、NM23野生体はhexamerであり、それはMUC1*に結合しないか、それを二量化させない。したがって、細胞の多分化能を導くのは二量体の形式でNM23-H1のみである。NME6とも呼ばれたNM23-H6は、また二量体であることが可能であり、そういうものとして、多分化能を導くMUC1*成長因子受容体に結合すること及び二量化することが可能である。NME7はさらにMUC1*の活性化リガンドである。しかしながら、モノマーとしてのNME7には、MUC1*細胞外ドメインの2つの結合部位を持ち、MUC1*を二量化し、多分化能を誘導し維持する。Oct4およびSOX2は両方とも本願発明者らが見出した。MUC1の開裂酵素であるMMP16のためのプロモーターに結合する。Oct4、SOX2あるいはNANOGも、開裂酵素MMP2、MMP9、MMP10、ADAM TSL-1、ADAM TS-4、ADAM-17(MUC1開裂酵素)、ADAM-TS16、ADAM-19およびADAM-28のためのプロモーターサイトへ結合する。これら開裂酵素のいくらか、あるいはすべては、多分化能を導くかあるいはそれを維持するために、MUC1*形式へのMUC1の開裂を増強するためにアップレギュレートされることが可能である(Boyer et al No、2005年ら)。
胚性幹細胞を使っての本願発明者らの以前の仕事は、単にMUC1の開裂形式(MUC1*)を示し、細胞外のドメインの二量化は、成長を刺激し、分化を阻害することを示した(Hikita、2008年ら)。これらの結果は、二価の抗MUC1*抗体、組み換えNM23、あるいは優先的に二量体を形成する突然変異体NM23(S120G)のいずれかを使い、MUC1*細胞外ドメインを二量化させることにより達成された (キム、2003年ら)。1価の抗MUC1*Fabを使用するMUC1*細胞外ドメインの阻害は、数時間で致死に至った。これらの発見は、MUC1*が幹細胞を維持するか、より少ない成熟状態への細胞の復帰を導く重要な因子であることを示す。さらに、Oct4とSOX2は、MUC1遺伝子プロモーターおよびさらにその開裂酵素のプロモーターに結合する。SOX2とNANOGは、NM23(NME7)プロモーターに結合する。MUC1*の細胞外ドメインのブロックは、hESCsに致死であるので、多分化能遺伝子(Oct4、SOX2およびNANOG)のすべては、MUC1、その開裂酵素およびその活性化リガンドの発現を導く。既に多分化能を導くと示された遺伝子あるいは遺伝子産物の1つ以上は、MUC1*単独で、又は、その開裂酵素及び/若しくは活性化リガンドNME7、NME1、NME2、NME6、あるいはMUC1かMUC1*のPSMGFRエピトープを二量化させる抗体を加えて、遺伝子をトランスフェクトし、又は遺伝子産物を誘導することによって、置き替えることができできる。
当業者が詳しいように、多分化能遺伝子あるいは該タンパク質か、ペプチドそれ自身をコードする核酸は、細胞へのそれらの移行を増強するモエティーあるいは配列で修飾することができる。同様に、シグナル配列は、トランスフェクトされた遺伝子か遺伝子産物の局在性に向けることができる。シグナル配列の例はSEQ ID NOS:2-4として挙げられる。本発明は、遺伝子の使用及びタンパク質あるいはタンパク質それら自身(タンパク質は、MUC1、MUC1*、NME7、NME1、NME6およびバリアントを含んでいる)をコードする核酸の、細胞への移行を増強する、上記多分化能遺伝子のうちのいずれかの遺伝子へのタンパク質修飾への使用を含む。MUC1*は、膜貫通性の受容体MUC1のトランケート形と一般に記述され、そこではほとんどの細胞外ドメインは存在せず、また、残る細胞外ドメインは、PSMGFR配列の大部分あるいはすべてを含む。しかしながら、MUC1は、組織タイプか細胞タイプに依存する異なる酵素によって開裂されることが可能である。例えば、幹細胞では、MUC1は、MMP14、MMP16およびADAM17によってMUC1*に開裂される。乳癌T47D細胞において、MUC1開裂はMMP16によって支配され、また、DU145前立腺癌細胞では、それはMMP14によって開裂される。それゆえ、MUC1*細胞外ドメインは、本質的に、PSMGFR配列から成るが、さらに付加アミノ酸を含むようにN-末端で伸張させうる。本発明は、MUC1*のN-末端ドメインが、本質的にその活性を変更せずに、トランケートされる又は9つのアミノ酸まで伸張されることが可能であることを含む。MUC1*は、SEQ ID NO:5として例証され、およびその細胞外のドメインがSEQ ID NOS:6、7、8および9の配列を本質的に含むバリアントが好適である。
MUC1、MUC1*あるいは上記にリストされたものを含む、関連因子は、多分化能を誘導する遺伝子あるいは遺伝子産物の1つ以上の代わりになることができ、及び多分化能へ若しくはより少ない成熟状態への転移を導くかあるいはその状態を維持するために使用されうる。
本発明は、制限なしで、どんな成熟した細胞、体細胞も使用することを含み、それは、制限なしで、繊維芽細胞、皮膚芽球、血球、造血性の先祖型、神経細胞およびそれらの前駆体、および事実上、多分化能性幹細胞よりもっと分化される任意の細胞を含む。1つのケースでは、繊維芽細胞、皮膚の繊維芽細胞、血球あるいは神経細胞のような体細胞は、MUC1タンパク質をコードする遺伝子でトランスフェクトされ、それは幹細胞状の特徴を導くこと及びある場合に多分化能性幹細胞になるように子孫を導くことに役立つ。本発明の別の態様では、より少ない成熟しているか若しくは幹細胞状の状態への回帰を、およびいくつかの場合で実際の多分化能性幹細胞の生成を導くために、MUC1*の遺伝子が、細胞へトランスフェクトされる。MUC1かMUC1*遺伝子の各々は、細胞へ、単独であるいは多分化能か幹細胞状の特性を導くことを補助する他の遺伝子と組み合わせて、導入されることが可能である。例えば、MUC1あるいは好適にはMUC1*をコードするDNA、Oct4、SOX2、NANOG、LIN28、KLF4および/またはc-MYCをコードする遺伝子の1つ以上と共に細胞へ導入される。MUC1好適にはMUC1*のトランケート型をコードするDNAは、Oct4、SOX2、NANOGおよびLIN28をコードする遺伝子の1つ以上と共に繊維芽細胞へトランスフェクトされる(Yu、2007年ら)。別の具体例において、MUC1好適にはMUC1*のトランケート型をコードするDNAは、Oct4、SOX2、KLF4およびc-Myc(高橋、2007年ら)をコードする遺伝子と共に体細胞、繊維芽細胞あるいは他の細胞へトランスフェクトされる。同様に、MUC1*および/またはその活性化するリガンドNM23をコードするDNAは、より少ない成熟状態への回帰を導くために、細胞へトランスフェクトされる。好ましい具体例では、NM23ファミリーメンバーは、NME1又は二量体構成、二量体形式中のNME6あるいはNME7を好適とするNME1のS120G突然変異体である。好ましい具体例では、NMEファミリーメンバーは、細胞培養ミディアムに加えられる。もっと好ましい具体例では、NMEファミリーメンバーは、サブユニットAおよびB〔「M」リーダー配列が欠けている〕から選択的に成るNME7である:多分化能あるいは幹細胞状の特性を導くために、NME7-AB(SEQ IDNOS: 34-35)MUC1*および/またはNM23が、Oct4、SOX2、NANOG、LIN28、KLF4および/またはc-MYCのような他の遺伝子と共に細胞へ誘導されることが可能である。細胞またはそれらの子孫の幹細胞特性を導くために、MUC1*あるいはMUC1を認識する抗体をコードするDNAも、細胞へ単独であるいは他の遺伝子と共にトランスフェクトされることが可能である。もし分泌されれば、抗MUC1*抗体は、MUC1*受容体を二量化させて活性化する。それは幹様特性を促進するか維持するために機能する。互換的に、抗MUC1*抗体は、より少ない成熟状態への誘導をうける細胞へ外生的に加えられる。好ましい具体例では、MUC1*抗体は、細胞が付着される表面へ付けらる。
同様に、幹細胞の特性を導くかあるいは多分化能へのリターンを導くために、核酸、タンパク質、修飾済のタンパク質、あるいはMUC1、MUC1*あるいはそれらの関連する因子の発現に影響する、小分子の因子が、細胞へ導入される。例えば、MUC1開裂酵素MMP14、MMP16、MMP2、MMP9、MMP10、ADAM TSL-1、ADAM TS-4 ADAM-17(MUC1開裂酵素)、ADAM-TS16、ADAM-19およびADAM-28の遺伝子あるいは遺伝子産物は、多分化能あるいは同様の特性を導くために細胞へ導入される。
別の具体例では、多分化能の誘導を導くか増強するために、非蛋白物質が細胞へ加えられる。例えば、ホルボールエステルホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)は、MUC1のMUC1*への開裂を増加させる小分子である(Thathiah、2003年ら)。本発明の1つの発明の態様では、ホルボールエステルは、iPS生成の効率を導くか増加させるために多分化能への転換をうける細胞へ加えられる。
別の具体例において、幹様特徴あるいは多分化能を導くか維持するために、単独であるいは他の遺伝子と組み合わせて、MUC1かMUC1*と相互作用するリガンドが、体細胞、皮膚の繊維芽細胞、繊維芽細胞あるいは多少分化された細胞に加えられる。例えば、Oct4、SOX2、NANOG、LIN28、KLF4および/またはc-MYCをコードする遺伝子の1つ以上が、繊維芽細胞あるいは他の細胞へトランスフェクトされ、次に、MUC1あるいはMUC1*を活性化するリガンドの存在下で培養される。二量体の、MUC1*のタンパク質リガンドが好適である。好ましい具体例では、二価の抗MUC1*抗体は、細胞またはそれらの子孫に多分化能性幹細胞になるように影響を及ぼす遺伝子でトランスフェクトされた細胞へ加えられる。
好ましい具体例では、NM23(NM23-H1、NM23-H2、NME6又はMUC1*細胞外ドメインのNME7かNME7-ABを二量化させることができるそれらのバリアント)が、多分化能の誘導かメンテナンスをサポートするため、又は細胞への移行を促進するために、それをコードする遺伝子として、タンパク質自体あるいはポリ・アルギニン領域のようなリーダー配列を担持するタンパク質として、細胞へ導入される。本発明者らは、NM23が多分化能性幹細胞(また癌細胞)によって分泌される場合、それがMUC1−MUC1*の開裂型の活性化リガンドであり、MAPキナーゼ増殖パスウェイを引き起こすことを最近見出した。MUC1*のNM23刺激は、多分化能hESCsの成長を促進することが示され、それらの分化を阻害した(Hikita、2008年ら)。NM23は、さらに、c-Mycの転写を誘導し(Dexheimer al、2009)、c-MYCの必要性を肩代わりする。

NM23は、MUC1*成長因子受容体を活性化するネイティブ状態で、あるいはc-MYC発現を導く細胞と核への移行を促進するために、ポリ・アルギニン領域と、外生的に加えられる。

NM23(NME)は、コード化核酸として、あるいは細胞への移行を促進する修飾のある若しくはその修飾のない発現されたタンパク質として、加えられることが可能である。NME-H1あるいはNME-H6は、それらのネイティブ状態で、あるいはS120G変異体のような二量体の状態を好む突然変異体形式で使用することができる。NME7は、単量体の蛋白質として、選択的に、AとBのドメインをコードするが、Mリーダー配列が欠けている構成物から発現されるヒト組換え型タンパク質として、使用される。本願発明者らは、それをNME7-AB(SEQ ID NOS: 34-35)と呼ぶ。
本発明の別の態様において、MUC1*(PSMGFR)あるいはNM23のような二量体化MUC1*リガンドの細胞外ドメインへ結合する二価抗体、あるいはそれらをコードする遺伝子が、多分化能を導くため、多分化能の誘導の効率化の上昇のため、多分化能を維持するため、あるいは分化を阻害するため、MUC1*を発現する細胞へ加えられる。
これらのMUC1かMUC1*の相互作用タンパク質が加えられる細胞は、自然に発生している細胞、あるいは幹細胞状の特性を導くために遺伝子が加えられたようなものか、既に分化プロセスにはいったようなものか、幹細胞であることが可能である。
多分化能を導くための遺伝子は、同じか異なるプラスミド上で導入されることが可能である。 それらは、レンチ(lenti)ウイルスベクター駆動型、アデノウイルス・ベクター、何らかの融合若しくは非融合のウイルス若しくは非ウイルスベクター、これら遺伝子の所望細胞への導入を促進する何らかのたのシステムでありうる。
多くの場合では、それらをコードする核酸あるいは遺伝子ではなくタンパク質自体をd導入することにより、多分化能を導くタンパク質の影響を達成することは優先される。本発明は、それらのネイティブ状態であるいは細胞への移行を許可するためにポリ・アルギニン領域のようなリーダー配列で修飾済の状態で、遺伝子産物、つまりタンパク質と置き替えることができる、幹様特性あるいは多分化能の誘導のためにここに開示された、遺伝子を包含する。これら遺伝子産物(つまりタンパク質)又はトランスフェクトされた遺伝子の産物の1つ以上と相互作用する他の蛋白質が、多分化能あるいは他の幹細胞様特性を導くか維持するために、細胞へ誘導される。
他の場合では、成熟した細胞あるいは分化された細胞に、幹様性を導くために小分子のような合成物質を導入することは有益なことがある(Lyssiotisら、2009)。本発明の1つの発明の態様では、小分子は細胞へ加えられる、直接あるいは間接的に、多分化能を導く遺伝子の転写を導く。他の場合では、直接あるいは間接的にMUC1*の生産を増加させる、小分子が加えられる。1つの実例では、これらの小分子は、幹細胞の特徴であるMUC1を開裂しMUC1*型を増加させる。ホルボールエステルは、例えば、MUC1を開裂しMUC1*を増加させる小分子である。したがって、細胞へ加えられた時、それはMUC1*の生成により多分化能の状態の誘導あるいはメンテナンスを促進する。
P53阻害剤の使用
P53(さらに、それは腫瘍抑制物質として知られている)はアポトーシスを促進する。したがって、幹細胞を培養するときまたは体もしくは他の細胞の多分化能を誘導する場合、p53を阻害することは有利である。本発明は、発明の他の試薬および方法と共に幹様性を維持するかあるいは幹様若しくは多分化能の特性を導くために、他の試薬とともにp53サプレッサーを使用すること及び本発明の方法を使用することを意図する。P53は多くの方法によって抑制することができる。Pifithrin-μのような小分子は、p53のアポトシス促進性の効果を阻害し(ストレムら、9月2006年;コマロフら、1999)、また多分化能の誘導の効率を増加させるかあるいは幹様性を維持するために、細胞へ選択的に加えられる。好ましい具体例では、p53阻害剤は、MUC1またはMUC1*遺伝子か遺伝子産物、それらの活性化リガンドおよびそれらの開裂酵素を非限定的に含む、MUC1またはMUC1*をアップレギュレートする遺伝子あるいは遺伝子産物と共に使用される。
多分化能を導くか、幹様性を維持する効率を増加させるためにp53活性を抑える別の方法は、細胞培養へのMUC1*タンパク質の導入によることができる。MUC1*タンパク質あるいは細胞質のドメインだけのような、MUC1*タンパク質の部分は、ポリ・アルギニン領域に、細胞への移行を促進するために、加えることにより修飾することができる。MUC1(MUC1-CD)の細胞質尾部単独の過剰発現は、p53プロモーターに結合すると見出された、核へのその転置をもたらしたことが報告された。これらの研究は、MUC1-CDが、p53をダウンするかアップレギュレートするかどうか決定できなかった。本発明も、多分化能あるいは他の幹様特性を導く効率を増加させるために、MUC1*の異所的発現によって、p53の抑制に引き付けられる。
MUC1*は、タンパク質自体を外生的に加えることにより、あるいはポリ・アルギニン領域で選択的に修飾されるMUC1*タンパク質を加えることにより、あるいは細胞に該遺伝子を挿入することで導入される。
本発明の1つの発明の態様では、MUC1*リガンドは細胞培養培地へ加えられる;
細胞は、体細胞的、分化されたか多少分化されたかでありえ、細胞が出発細胞より少ない成熟状態である所望の状態に戻るまで、数日から数週間の間、培地で接触を受ける。好ましい具体例では、MUC1*リガンドは二量体の形式でNME1である。もっと好ましい具体例では、MUC1*リガンドは、モノマーのNME7である。それは「M」リーダー配列(NME7-AB)が欠けていることが可能である。細胞をMUC1*リガンドだけと接触させることは、細胞をより少ない成熟状態に戻らせるのに十分である。好ましい具体例では、より少ない成熟状態に戻らせられる細胞は、2つの異なるタイプのMUC1*リガンドと接触を受ける:1つは、抗MUC1*抗体のような表面への、細胞接着を可能にする。他は、二量体のNM23-H1あるいはNME7のような、溶液あるいは培地において、リガンドフリーである。選択的に、ロー・キナーゼ抑制剤も、細胞培養培地に加えることができる。細胞をMUC1*リガンドと接触させることにより、より少ない成熟状態に戻る細胞の証拠は、図7 A、B、図9、図13、図15、図17および図26で確認できる。
NMEは、MUC1およびMUC1*の発現を導く。
NM23-H1二量体あるいはNME7中で細胞を培養すると、MUC1および特にMUC1*の発現は、増加させられる。MUC1若しくはMUC1*の増加した発現あるいは活性は、細胞をより少ない成熟状態に戻らせ、それは多分化能の状態になる。この証拠は、当業者に知られていたOct4、SSEA4、Tra 1-60、REX-1、NANOG、KLF4他のように、多分化能性幹細胞状態のマーカーにおける付随的増加の検出により証明される。RT-PCR測定は、NM23培地において培養された細胞が、MUC1の発現を増加させたことを示す; PCRが、RNA転写を評価するので、タンパク質が、MUC1*を生産するために開裂されるように、翻訳後に、修飾されるかどうかは分からない。しかしながら、免疫細胞化学実験は、明瞭に、細胞を培養するか、細胞をNM23-H1二量体あるいはNME7と接触させると、発現されたMUC1*の量の劇的な増加を導くことを示す。例えば、ヒト線維芽細胞は、多分化能誘導遺伝子の3あるいは4「山中の因子」(Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc)でトランスフェクトされ、FGF培地中あるいはNM23培地(NM23-H1の二量体の形式)において、標準法で、培養され、その後、MUC1およびMUC1*リガンドNME7と同様に多分化能マーカーの発現レベル量をRT-PCRによって分析される時、細胞が多分化能マーカーの発現を増加させたとともに、MUC1およびMUC1*リガンドNME7の発現に関連する増加があった。この結果を示したいくつかのRT-PCR実験の代表的なグラフは、図21で見ることができ、実施例11において詳述される。さらに、免疫細胞化学実験が、多分化能マーカーと同様にMUC1*の存在について分析するために行なわれた。実験は、細胞をNM23-H1二量体あるいはNME7のようなMUC1*リガンドと接触させると、Tra 1-60のような多分化能マーカーのうちのいくつかの発現の増加が伴って、MUC1*の発現の増加を誘導したことを示した。代表的な実験のデータは図44〜40に示される。
本発明の別の態様では、細胞は、多分化能を導く他の生物学的又は化学的物質でさらに接触を受ける間に、細胞を、NM23-H1二量体、NME7、NME7-ABおよび/または抗MUC1*抗体のようなMUC1*リガンドと接触させることにより、より少ない成熟状態に及びさらに多分化能の状態に、戻される。好ましい具体例では、多分化能を導く物質は、それらをコードする核酸若しくは遺伝子であり、あるいはタンパク質それ自体であり、Oct4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOGおよびLIN28を含むグループから選択される。上記グループから選ばれた多分化能遺伝子の2つ以上の異所的発現が、細胞を多分化能の状態に戻らせるであろうことが知られている。より多くの成熟した細胞の多分化能を導くための最先端技術は、bFGFおよびたまにbFGFとTGFベータを含んでいる培地での培養中、細胞に多分化能遺伝子の1つ以上を発現させることである。その多分化能を導く〔誘導多分化能幹(iPS)細胞をつくること〕ことの効率は非常に低い。
本願発明者らは、bFGF培地の代わりにNM23培地を用いることが、多分化能を導く効率を非常に改善することを実証した。さらに、フィーダー細胞の使用は、細胞外マトリックス・タンパク質の層、それの断片、あるいはMUC1*リガンドの層の代わりに用いることができる。好ましい具体例では、より少ない成熟状態への誘導をうける細胞は、幹細胞上でMUC1*を認識する抗MUC1*抗体の層上におかれる。表2(図面セクションを参照)は、培地中のNM23二量体に対するbFGFの代用は、iPS生成の効率において100倍の増加と同じくらいを達成したことを開示し、それは誘導割合と呼ばれる、コロニーのその数を生産するのに必要な細胞の数で割られた幹様形態をもつ生成された数コロニーによって効率が計算される
さらに本発明の別の態様では、細胞を、MUC1かMUC1*の発現を増加させる、生物学的又は化学的物質と接触させることにより、細胞が、より少ない成熟状態か多分化能の状態に戻される。細胞が、多分化能遺伝子Oct4、SOX2、KLF4およびc-MYCでトランスフェクトされ、繊維芽細胞血清添加培地で培養、その後iPS細胞を作るための標準的技法であるようにFGF培地で培養すると、Oct4、Tra 1-60などのような多分化能マーカーの発現の予期された増加と同時に起こるMUC1発現の増加を導く。多分化能遺伝子を発現させ、細胞が培地中で又は表面付着で、MUC1*リガンドと接触を受け場合、MUC1発現のさらに大きな増加が得られる。しかしながら、本発明は、細胞を懸濁状態で、又は細胞外マトリックス・タンパク質、フィブロネクチン断片、ビトロネクチン、フィーダー細胞、癌細胞及びその他のようなECMタンパク質の断片でコートされた表面をもつ他の表面上で、培養することを含む。図21は、繊維芽細胞が、Oct4、SOX2、KLF4およびc-MYCでトランスフェクトされ、iPS細胞を作るための標準法によるFGF培地において培養された時、20日目までに、MUC1発現の4.3倍の増加をした、1つの例を示す。細胞がより少ない成熟状態へ移行すると、MUC1発現が増加することを示す。NM23二量体あるいはNME7のようなMUC1*リガンドを含んでいる培地中での同じ細胞の培養は、20日目までに、MUC1発現においておよそ10-100倍の増加をもたらす(図21)。多分化能遺伝子の発現の最も大きな増加は、NM23二量体培地において培養された細胞でもたらされた。この結果は、細胞をMUC1*リガンドと接触させることは、トランスフェクトされた多分化能遺伝子のアクションをはるかに超えて、より少ない成熟状態に戻るように、細胞を導くことを示す。
ヒト線維芽細胞が、多分化能を導くための標準法で処理された。そこでは、山中の因子Oct4、SOX2、KLF4およびc-MYCをコードする遺伝子の1つ以上が使用された。しかしながら、iPS生成の効率を増加させるかあるいは多分化能を独力で導くそれらの能力に関する本発明の方法を評価するために、本願発明者らは、、標準のbFGFの代わりに、NM23二量体あるいはNME7を含む培地を使用した。実験の1つの状態で、遺伝子はトランスフェクトされなかったが、繊維芽細胞は、外生的に添加された唯一の成長因子として、二量体の形式のNM23-S120GあるいはNME7を有する無血清培地中で培養された。多分化能遺伝子のうちのいくつかあるいはすべては、実験の別の適用においてトランスフェクトされた。実験の別の変更は、標準プロトコルによれば、繊維芽細胞ミディアム(FM)が、4ng/mLのbFGFを含んでいる無血清培地と交換されるのを、実験の最初から、あるいは7日目でNM23培地が導入されたということである。この時点では、標準プロトコルによれば、細胞は、繊維芽細胞フィーダー細胞に移動される。これはなされ、しかし、さらに、NM23培養細胞は、表面にヒト幹細胞を付着させるために、本発明者が開発したMN-C3と呼ばれるマウス単クローン抗MUC1*抗体で覆われたプラスチック培養皿に移された。「MN-C3」(短手「C3」)及び「MN-C8」(短手「C8」)は、それがヒト幹細胞上に現われると、MUC1*に特異的に結合する発明者によって開発されたマウス単クローン抗体である。表面がこれらの抗体のどちらかで覆われる場合、それはヒト幹細胞付着を可能にする。ところが、多分化能のヒト幹細胞は非付着細胞である。
多分化能マーカーの存在を評価するために、得られた細胞は、写真、多分化能遺伝子のRT-PCR量化、免疫細胞化学およびFACSによって特徴づけられた;特徴づけは、4日目と30日目の間で得られた細胞について行なわれた。
トランスフェクトされた遺伝子のない無血清培地でどちらかのNM23(二量体)において培養された繊維芽細胞は、数日内に繊維芽細胞形態から幹細胞状の形態まで行き、それらの形態の劇的な変化によって証拠づけられるような未成熟状態に戻る。20日目まで、模擬のトランスフェクション細胞と実際の多分化能性幹細胞の間の可視の差はなかった。多分化能マーカーの測定は、細胞が多分化能マーカーの増加したレベルを発現することを示した。FGF培地において培養された模擬のトランスフェクタントは、形態、あるいは多分化能マーカーの測定の変化を示さなかった。NM23-S120G二量体において培養された、多分化能遺伝子細胞Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28、あるいはNanogのうちのいくつかあるいはすべてでトランスフェクトされた細胞は、FGF培地において培養された比較可能な細胞に対し、一貫して多分化能マーカーを発現し、標準FGF方法より多分化能誘導のより高い効率もった。いくつかの実験が行なわれ、また、代表的なデータが下記に述べられる。
図7は、トランスフェクトされた遺伝子のない無血清培地中のいずれかのNM23(二量体) 中(A)で、あるいは試薬が加えられたが遺伝子はなしの模擬のトランスフェクション(B)で、培養された繊維芽細胞の4日目写真を示す。;図7のパネルCおよびDは、トランスフェクションなしあるいは模擬のトランスフェクションの繊維芽細胞培地において培養された対応する細胞を示す。4日目までNM23培地において培養された繊維芽細胞が変化し、その結果、それらが繊維芽細胞のように見えず、そしてコロニー状のクラスタに移動している、しかし、NM23のない血清含有繊維芽細胞培地において培養された繊維芽細胞はそうではない、といういうことは注目される。
図8は、さらに4日目における以下を示す。それらがNM23培地(AとB)において培養される場合のみ、4つの山中の遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc(OSKM)のすべてでトランスフェクトされた繊維芽細胞は、クラスタ状の形態およびコロニー状の形態においてより著しい変化を示した。標準プロトコールの繊維芽細胞培地で培養された場合は、変化はみられなかった(C)。
標準手順によれば、細胞は、5日目に、プラスチック板から移され、不活性化されたヒトかマウス・フィーダー細胞上に移され、その後、2日後の7日目に維芽細胞培地から標準のbFGF培地に変えられる。
図9は、11日目の以下の細胞の写真を示す。それらは、いずれの遺伝子でもトランスフェクトされなかったケースで、NM23無血清培地で培養され、そして被覆されていないプラスチック上にのこされた細胞(A)、不活性化されたマウス・フィーダー細胞(MEF)に移動された細胞(B)、抗MUC1* MN-C3抗体(C)で覆われたプラスチックに移された細胞(C)、該抗体で表面を被覆されたものに移されたが、そこではロー・キナーゼ抑制剤が培養培地に加えられた細胞(D)である。写真で見ることができるように、細胞のクラスタおよびコロニーは、プラスチック表面を浮き上がり、繊維芽細胞がプラスチックにとてもよく付着するのに反して、幹細胞が非付着性であるので、それらが幹様になったという考えと一致している。フィーダー細胞に移された細胞は、それらの幹様形態を失った。しかし、いずれの遺伝子でもトランスフェクトされなかったケースで、NM23培地中で培養し、そして抗MUC1*抗体(図9、C、D)で覆われた表面(VitaTM プレート)へ移された細胞は、表面へ付着し、幹様コロニーにみえる。これらの結果は、NM23の存在下で細胞を培養することが、MUC1の開裂形の発現を増加させ、細胞を同系統の抗体で覆われた表面に付着させる、という考えと一致している。遺伝子でトランスフェクトされなかったが、繊維芽細胞培地において培養され、その後、不活性化されたフィーダー細胞に移され、bFGFを含んでいる培地に切り替えられた相応する細胞は、マウス・フィーダー細胞(A)あるいはヒトフィーダー細胞(B)に移されたとしても、幹様形態(図10)のサインを示さない(11日目)。
11日目における、以下の細胞の写真をえた(図11)。多分化能遺伝子の4つすべてでトランスフェクトされ、実験の最初からNM23培地で培養した細胞(MM−Aの“A”は”常時の”の意味)(パネルAおよびB)、又は7日目まで繊維芽細胞培地において培養され、その後NM23培地で培養に移された細胞〔 MM−Rの“R”は、”置き換わり”(replaced)の意味〕(パネルCとD)。図は、NM23において培養され、その後抗MUC1*抗体表面に移された(A)及び当該細胞がヒトフィーダー細胞の表面へ移されるとき(C)における、OSKMトランスフェクト細胞の幹様コロニー形成を示す。
図12は、ヒトフィーダー細胞上に移された細胞のこの同じ有利性を反映する。図12 A は、bFGF培地で培養され、5日目にヒトHS27フィーダー細胞上に移された、OSKMトランスフェクト細胞の幹様形態を示す。Bは、それほど多くの細胞がマウス・フィーダー細胞に移されなかった場合である。
図13は、トランスフェクトされずNM23培地において培養され、その後、MN-C3抗体で覆われたプラスチックに移された細胞は、細胞が低密度(B)より高密度(A)でおかれた時、より展開する幹様コロニーを持っている。細胞が、マウス・フィーダー細胞に移された後、何らコロニーは目視されなかった(C)。しかし、ヒトフィーダー細胞に移された細胞は、小さな幹様コロニーが目視された(D)。
繊維芽細胞培地において培養され、その後7日目にNM23培地に切り替えられ、そして非被覆プラスチック上におかれた、トランスフェクトされていない細胞は、何ら幹様コロニーは現れなかった(図14 A)。あるいは、bFGF培地において培養され、マウス・フィーダー細胞に移された(B)、又はヒトフィーダー細胞に移された(C)、トランスフェクトされていない細胞は、何ら幹様コロニーは現れなかった
図15は、4つの多分化能遺伝子OSKMすべてでトランスフェクトされ、そして最初からNM23中で培養された細胞は、抗MUC1*抗体MN-C3で覆われたプラスチック上におかれた時、大きな幹様コロニーを形成した(A)、ことを示す。しかし非被覆プラスチック上におかれた同じ細胞ではそうではなかった(B)。しかしながら、細胞がフィーダー細胞に移された時、14日目までに、大きな幹様コロニーが現われた(図15C; 図16 A-D)。そこでは細胞は、NM23培地(A、B)であるいはbFGF培地(C、D)において培養された。
図17は、何ら異所的に発現した遺伝子がない状態でさえ、19日目までに、NM23が、体細胞を、幹様状態への回帰を誘導したことを、示す。10倍の拡大は、NM23において連続的に培養された細胞の繊維芽細胞形態の完全な消失を示し、細胞質に対してさらに大きな比率の核を持っている、幹細胞の特徴的な玉石パターンを示す。
細胞が、bFGF培地において培養された模擬のトランスフェクションの場合、より少ない成熟状態へのこのような変化を観察することはできない (図18 A、B)。
NM23培地中の連続培養と7日目でのNM23培地での繊維芽細胞培地の置き換えの場合の比較(図19)は、OSKMでトランスフェクトされた細胞が、NM23培地において連続的に培養された時(A、B)、最も幹様状態に戻ったことを示す。
19日目までに、OSKMでトランスフェクトされ、bFGF培地中で培養され、そして5日目後に、フィーダー細胞上で、培養された細胞は、また、幹様コロニーの形成を示した(図20 A、B)。
RT-PCR(リアルタイムPCR)もまた、Oct4、NANOG、KLF4およびいくつかのケースでSOX2のような重要な多分化能遺伝子の発現レベルの量を計るために、上述された図において描写された細胞の種々の段階で行なわれた。ヒト線維芽細胞が、多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycの3あるいは4のいずれかでトランスフェクトされた。MUC1*細胞外ドメインを二量化させるMUC1*リガンドである、NM23-H1二量体において培養されたトランスフェクションされた細胞は、4日目までに、多分化能マーカーOct4、NANOGおよびKLF4の増加した量を発現していることを示す。一方、同じ細胞を繊維芽細胞培地中で培養した場合は、4日目までに、OCT4の適度の増加のみを示した。したがって、MUC1*リガンドNM23が、多分化能を導くか、多分化能遺伝子のみでのトランスフェクションによるもの以上に、より少ない成熟状態へ細胞を戻らせることは結論付けられる。同時に、より少ない成熟状態に戻るように誘導された細胞は、又、MUC1およびNME7(MUC1*リガンド)の発現を増加させた。MUC1が、翻訳後に、MUC1*を産出するべく開裂されることから、RT-PCRは核酸を検知するので、この分析では、MUC1とMUC1*を区別できない。20日目までに、FGF培地が7日目で、繊維芽細胞培地(含血清)に取って代わる、多分化能誘導のための標準法を受けた細胞は、MUC1とNME7の発現の劇的な増加と同様に、多分化能マーカーOct4、NANOGおよびKLF4の増加した発現を呈した。
これらの結果は、多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycが、MUC1およびMUC1*リガンドの発現を導くことを示す。本願発明者らの初期の仕事(Hikitaら)および本願明細書の図2から、多分化能性幹細胞上で、本質的にMUC1のすべてが、MUC1*形式に開裂される。したがって、山中多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycは、MUC1*の発現を導く。トランスフェクタントが、NM23二量体において培養された条件は、MUC1およびNME7の最も高い量と同様に、最も高い量の多分化能マーカーOct4、NANOG、KLF4を有した。さらに、これらのデータは、MUC1および特にMUC1*が、多分化能マーカーであると証明する。RT-PCR実験は数回行なわれた。各実験のために、各条件あたり、3つの別々のサンプルの各々に、3回の繰り返し測定をした。GAPDHは内在的なコントロールとし、データは、コントロールである、繊維芽細胞培地において培養された非トランスフェクトヒト線維芽細胞に対し、標準化されたフォールドチャンジ(fold-change)(重ね合わせ)として、プロットされる。典型的な実験は実施例12および実施例14-15に記述され、図21、22、および図35-44に示される。
繊維芽細胞培地において培養されたトランスフェクタントは、4日目までに、Oct4、NanogおよびKlf4の発現において、2倍の増加未満を示した。しかし、OSKでトランスフェクトされ、NM23培地において培養された細胞は、重要な多分化能遺伝子の発現の著しい増加を示した。Oct4の発現は、OSKMでトランスフェクトされ、繊維芽細胞培地で培養された細胞より、70倍高く増加された。NANOGは、7倍増加し、また、KLF4は、4つの多分化能遺伝子すべてでトランスフェクトされ、繊維芽細胞培地中で培養した同じ細胞を超えて、4.5倍増加した。重要なことには、本願発明者らは、細胞を、MUC1*リガンド、NM23に接触させると、MUC1の発現において、4.5の増加をもたらしたことに注目する。図21は、Oct4、SOX2、KLF4およびc-MYCの発現をおこす核酸を、細胞に接触させると、さらにMUC1の発現を増加させることを示す。OSKMでトランスフェクトされ、7日目まで繊維芽細胞培地において培養され、次に、bFGF-含有培地に切り替えられた細胞は、20日目までに、4.3倍のMUC1発現を増加した。それは、細胞が、このケースで、MUC1リガンド(二量体のNM23-H1)において培養された場合の7.8倍と比較される。同じ結果は、細胞が、NME7がモノマーの形式において使用された、NME7において培養された時、得られた。
MUC1*リガンドは、多分化能およびMUC1*の発現を導く。
上述された多分化能実験の誘導では、多分化能マーカーの発現に増加があった場合は、常に、MUC1、MUC1*およびMUC1*リガンドNME7の発現に、関連する増加があることが確認された。図21は、4日目(A)又は20日目(B)に行なわれたRT-PCR実験のグラフを示し、このポイントを図示する。ヒト線維芽細胞は、多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycの3あるいは4のいずれかで、トランスフェクトされた。MUC1*細胞外ドメインを二量化させるMUC1*リガンドである、NM23-H1二量体において培養されたトランスフェクトされた細胞は、4日目までに、多分化能マーカーOct4、NANOGおよびKLF4の増加した量を発現し、一方、繊維芽細胞培地中で培養した同じ細胞は、4日目までに、OCT4の適度の増加のみを示した。したがって、MUC1*リガンドNM23は、多分化能遺伝子単独でのトランスフェクションによる場合よりはるかにこえて、多分化能を導くか、より少ない成熟状態への細胞の回帰をさせることを結論付けられた。同時に、注目すべきは、より少ない成熟状態に戻るように誘導された細胞は、MUC1およびNME7(MUC1*リガンド)の発現もまた、増加させた (図21 A)。
MUC1は、翻訳後に開裂し、MUC1*を産出するので、RT-PCRが核酸を検知することから、RT-PCR分析が、MUC1とMUC1*を区別できないことは留意がいる。20日目(図21 B)までに、多分化能誘導のための標準法を受け、7日目にFGF培地が繊維芽細胞培地(含血清)に変えられた細胞は、MUC1の発現の劇的増加、およびNME7発現のおよそ2倍の増加と同様に、多分化能マーカーOct4、NANOGおよびKLF4の増加した発現を示す。これらのデータは、多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycが、MUC1およびMUC1*リガンドの発現を導くことを示す。本願発明者らの初期の仕事(Hikitaら)および本願明細書の図2から、多分化能性幹細胞上で、本質的にMUC1のすべてが、MUC1*形式に開裂される。したがって、多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Mycは、MUC1*の発現を導く。トランスフェクタントが、NM23二量体において培養された条件は、MUC1およびNME7の最も高い量と同様に、最も高い量の多分化能マーカーOct4、NANOG、KLF4を有した。さらに、これらのデータは、MUC1および特にMUC1*が、多分化能マーカーであると証明する。RT-PCR実験は数回行なわれた。各実験のために、各条件あたり、3つの別々のサンプルの各々に、3回の繰り返し測定をした。GAPDHは内在的なコントロールとし、データは、コントロールである、繊維芽細胞培地において培養された非トランスフェクトヒト線維芽細胞に対し、標準化されたフォールドチャンジ(fold-change)(重ね合わせ)として、プロットされる。
MUC1*を、直接測定することができるように、免疫細胞化学実験は行なわれた。従前、マウス・フィーダー細胞(MEF)の層上で、FGFにおいて、培養されたiPSおよびES細胞は、単一の成長因子として(他の成長因子あるいはサイトカイニンは加えられなかった)、NME7あるいはNM23二量体のいずれかを含んでいる無血清培地で培養するように切り替えられた。MUC1*と同様に多分化能マーカーの免疫細胞化学による後の分析は、ヒト胚幹(hES)とFGF培地中で長期間培養された〔それはナイーブ状態から刺激された状態へ、ヒト多分化能性幹細胞を誘導する(ハンナら、a、2010年ハンナら、b、2010年)〕誘導多分化能幹(hiPS)は、NM23二量体培地あるいはNME7のいずれかによって培養後に劇的に増加されるMUC1*の最小の発現を示した(図40-44(例15))。二量体NM23のようなMUC1*リガンド中での幹細胞の培養は、多分化能のヒト幹細胞を、刺激された状態からより少ない成熟ナイーブ状態へ、戻すように誘導した (Smaggheらおよび図6) 。二量体形式の、MUC1*リガンドNME7あるいはNM23中で細胞を培養することは、多分化能性幹細胞が、ナイーブ状態マーカーのより高い発現と、刺激状態マーカーのより低い発現をもたらした。さらに、免疫細胞化学実験は、NM23二量体中で培養された女性のヒト幹細胞が、より少ない成熟状態、実際、より多分化能の状態、それはアクティブ状態にある両方のX染色体によって特徴づけられる状態に戻ったことを示した。FGF培地への、ナイーブ状態幹細胞の後の接触は、それらを、より少ない成熟ナイーブ状態に残し、もっと分化された刺激された状態に入らせた(Smaggheらおよび図7)。したがって、NM23二量体あるいはNME7のようなMUC1*リガンドを含んでいる培地中での細胞培養は、細胞を、より少ない成熟状態に戻す。
本質的に、以下のような一貫した結果が得られた:
1)NM23-H1二量体、あるいはNME7中での細胞の培養は、多分化能遺伝子の2つ以上が異所的に発現されたiPS生成の効率を増加させた;
2)NM23-H1二量体あるいはNME7中で細胞の培養をすると、繊維芽細胞を、多分化能遺伝子の異所的発現のない幹様状態に戻させる;
3)NM23-H1二量体あるいはNME7中の細胞を培養すると、細胞が発現したMUC1かMUC1*の量の増加を誘導した;
そして、
4) 多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4および/またはc-Mycの強制発現は、当該細胞が発現するMUC1かMUC1*の量の増加をもたらした。
使用される山中多分化能遺伝子の数における変化
実験のこのセットでは、ヒト線維芽細胞は、4つのすべての多分化能遺伝子OSKMあるいは3つのOSKかOSMのいずれかでトランスフェクトされ、標準培地、あるいはNM23-MM-AあるいはNM23-MM-R中で培養された。さらに多分化能になるために誘導された細胞の分子の組立てを特徴づけるために、細胞は、5日目に、プラスチックからチャンバースライドへ移され、10日目まで成長させ、次に、DAPIを使用して核のために、及び多分化能マーカーTra 1-60の存在のために染色された。
図23は、OSKMでトランスフェクトされ、NM23-MM-Aにおいて培養された細胞を示す。Tra 1-60のための緑色染色は、多分化能に誘導された細胞を強調する。対照的に、図24は、細胞が単にOSKでトランスフェクトされ、NM23二量体中で培養される場合、多分化能マーカーTra 1-60が、陽性に染色された豊富な細胞があることを示す。単一の観点で、4つ以上の多分化能細胞の検知を可能にした他の条件はありえなかった。図25は、標準培地および4つのすべての多分化能遺伝子OSKMを使用したところ、ほんの少数の細胞のみが、局在していることを示す。
細胞および細胞源
本発明は、細胞のタイプあるいは細胞の源によって制限されるものではない。本願発明者らは、NM23-H1二量体、MUC1の二量化を導くNM23突然変異体あるいはバリアント、あるいはNME7を、細胞と接触させることが、細胞を、より少ない成熟状態に戻るように誘導し、時間の経過で、より少ない成熟状態あるいは完全に多分化能の状態への進行が生じることを示すことを、実証した。細胞をNMEファミリーと接触させることに加えて、細胞を、1つ以上の多分化能遺伝子の発現を導く、生物学的あるいは化学的物質と接触させることが、より少ない成熟状態へ細胞を戻させる効率を増加させることを、本願発明者らは示した。本願発明者らは、完全に多分化能細胞である、胚性幹細胞およびiPS細胞を使用して、これらの効果を実証した。さらに、本願発明者らは、繊維芽細胞を使用して、これらの効果を実証した。したがって、デモンストレーションの複数の細胞タイプのこの選択は、最も原始的な多分化能の細胞から成熟した細胞への、対象細胞の範囲をカバーする。本発明は、任意のタイプの細胞を、より少ない成熟状態あるいは完全に多分化能の状態に、事実上戻らせるために使用することができる。出発対象細胞のタイプは、体細胞、臍帯血からの細胞、骨髄細胞、末梢血細胞、献血された血液細胞、造血幹細胞、皮膚芽球、繊維芽細胞、ニューロンの細胞、神経細胞、毛小胞、間充織の幹細胞および脳脊髄液からの細胞を含み、これらに制限されない。
本発明の方法で使用される細胞は、多くの由来のうちの任意の1つに由来することが可能である。細胞は、自己使用のための患者から、あるいはドナーから得られることが可能である。
好ましい具体例では、細胞はヒトである。しかしながら、本願発明者らは、ヒトNM23-H1二量体、あるいはNME7中で、マウス幹細胞を育てることができ、慣例的に、必要とされたLIFの使用なしで、その単独使用が、多分化能の状態でマウス幹細胞を維持するのに必要十分であることを証明した。逆に、NM23タンパク質は、種の中での、保存の大きな程度ゆえに、ヒトである必要がない。しかしながら、ヒトNM23-H1、NME6およびNME7は好まれる。二量化を進める、NM23-H1におけるS120G変化のような突然変異体NM23タンパク質が好まれる。
幹細胞の使用
本発明の方法は、多くの、生体外の適用、生体内の適用およびエキソビボの適用において使用されることを予定する。1つの本発明の態様では、本発明の方法は、誘導された多分化能幹(iPS)細胞を、生体外で作るために使用され、それは、研究、薬物検査、毒物学あるいは治療用途を含む適用の任意の数のために多様化することができる。
分化転換
別の本発明の態様では、本発明の方法は、細胞をより少ない成熟状態に戻らせるために使用され、次に、それらが所望の細胞タイプへ展開するように分化した。したがって、本発明の方法は、分化転換技術において使用することができる。それは、又、命令的分化技術(direct differentiation)(細胞は多分化能の状態に単に部分的に回帰させられる)と呼ばれる。分化転換の現在の技術は、細胞を完全に多分化能にするために必要とされるより、より短い期間のために、多分化能遺伝子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28およびNanog)の2つ以上の発現を誘導し、その後、特別の細胞株か細胞タイプに分化をさせる、生物学的か化学的物質の導入を含む。例えば、本発明の方法は、より少ない成熟状態に戻るために細胞を導くために使用することができ、細胞は所望の状態に分化される。これは生体内で、生体外で、エキソビボで実行することができる。本発明の1つの発明の態様では、当該細胞は、患者において例えば、生体内(インビボ)である。ここで、それらはより少ない成熟状態に戻され、次に、所望の状態に分化するように誘導される。例えば、心臓細胞のおよそ半分は繊維芽細胞である。したがって、健康な心筋細胞の数を増加させることにより改善することができる、心臓病の治療法は、本発明の方法を使い、心臓繊維芽細胞を、その場所で、より少ない成熟状態に戻らせ、次に、心筋細胞に分化するようにそれらを導くために、他の物質との接触をさせる。
本発明の技術を完全に生体外で実行する必要がないし生体内である必要がない。別の本発明の態様中で、細胞は、脳脊髄液からあるいは別の部位から獲得することができ、本発明の方法を使いより少ない成熟状態に戻し、次に、ニューロン細胞のような、他の所望の細胞タイプあるいは分化系列へ分化され、さらに、患者へ、例えば、脳へのアクセスをもつ、脳脊髄液へ導入された。出発細胞は、患者から得られ、次に、分化されたか、半分化された状態に、再誘導されることが可能である。あるいは、所望の分化系列に由来し、より少ない成熟状態に戻ることができる、患者かドナーから細胞を獲得することができ、次に、所望の細胞タイプになるように影響を受けるサイトに導入される。このように、細胞は、患者かドナーから獲得することができ、より少ない成熟状態に戻り、そして、その後、治療の細胞を必要とする患者の部分に導入された。そこでは、局在的環境あるいは外生の物質の付加が、細胞を所望の細胞タイプに分化させる。
創傷治癒
さらに別の本発明の態様では、本発明の方法は創傷治癒の促進にふさわしいセッティングにおいて使用することができる。この本発明の態様では、本発明の物質は、ミディアム中にあるか、又は支持体上に固定した。それは、バンデージ、ステント、足場、組織再生足場あるいは脊髄再生の支持体用の足場およびその他同種のものであることが可能である。1例において、NM23-H1二量体あるいはNME7のようなMUC1*リガンドで覆われたバンデージは、傷の近くの細胞を、治癒を促進する、幹様状態に戻らせる。
本発明は、ここに記述された特定の具体例によって、その範囲を制限されるものではない。確かに、ここに記述されたものに加えて本発明の様々な修飾は、上記記述と図面から当業者には明白である。そのような修飾は、本請求項の範囲以内にあることが意図される。
以下の実施例は、本願発明を制限するものではなく、本発明の例証として記述される。
実施例は、以下を示す。:
1) MUC1に関連する因子は、多分化能でない細胞の多分化能化を導く;
2) MUC1に関連する因子は、iPS生成の効率を増加させる;
3) MUC1に関連する因子は、現在多分化能を導くことに必要であると思われる1つ以上の遺伝子の要素の代替をする。NM23は、MUC1*のリガンドであり、MUC1*に関連する因子である。
実施例1
MUC1*は成長および細胞死抵抗を促進する。
MUC1*は、繊維芽細胞のクローン原性の成長(コロニー拡張)を促進する。全長MUC1(SEQ ID NO: 1)、MUC1*1110(SEQ ID NO: 5)あるいは空のベクターで、トランスフェクトされた3Y1細胞の単細胞クローンが、10%のウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシンおよびG418(600μg/ml)を含むDMEM培地中に60mmの皿当たり1000個の細胞を植え付けた。細胞は9日間成長させ、次に、室温で15分間4%のパラホルムアルデヒドに固定された。皿は水で洗われ、次に、室温で20分間70%のメタノール中の1%のクリスタルバイオレットで染色された。皿は、水で3回洗われ、室温で夜通し乾わかし、写真をとった。図1Aは、MUC1*単細胞クローン#3および#44が、成長しているところで、吸収されるクリスタルバイオレットの量(細胞数の指標)が、はるかに高いことを示す。対照的に、全長MUC1(単細胞クローン#8および#17)でトランスフェクトした細胞は、空のベクターでトランスフェクトされた細胞に対し、成長率の増加を示さなかった。これは、全長タンパク質ではなく、開裂形式(MUC1*)が、成長および/または生存の有利性を与えていることを示す。
実施例2
抗MUC1*Fabは、trastuzumab(HERCEPTIN登録商標)-耐性細胞(1μg/ml HERCEPTINにおける培養によって抵抗性がもたらされた)において、TAXOL登録商標による細胞死に対する抵抗性を阻止した。Fesslerら、2009は、HERCEPTIN登録商標抵抗性細胞は、TAXOL登録商標、ドクソルビシン、及びシクロフォスファミドへの抵抗性をもつことを報告した。報告されるように、これらの耐薬性の癌細胞は、MUC1*を過剰発現することによって、抵抗性を達成する。次の実験は、MUC1*細胞外ドメインのPSMGFR部分のブロックは、癌細胞の獲得した薬物耐性を元に戻すことを示した。親 (BT474)或いは抵抗性(BTRes1)細胞が、96ウェルプレートに、10,000細胞/ウェルの密度で植えられた(4ウェル/条件)。翌日、抗MUC1*Fab、コントロールFab、或いはFabなしが、TAXOL登録商標の存在又は不存在状態で、細胞へ加えられた (パクリタクセル・シグマT7191)。2日後に、細胞は50μlトリプシン中で再懸濁され、トリパンブルーの存在によってカウントされられた。細胞死パーセントは、トリパンブルー取得パーセントとして計算された。BT474細胞は、各条件で、TAXOL登録商標に応じて細胞死をうけ、そして、BTRes1細胞のみが、MUC1*抗体の存在下で細胞死をうけた(図1B)。
実施例3
MUC1*は成長因子受容体として働き、人工的な(抗MUC1*抗体)あるいはその天然リガンドNM23(NME)を使い、その細胞外のドメインの二量化によって活性化される。MUC1*陽性のZR-75-30細胞6000/ウェル、あるいはコントロール(MUC1陰性)HEK293細胞4000/ウェルが、96ウェルプレートに植え付けられた。翌日、ゼロ時刻細胞計数がされ、そして、抗MUC1*抗体あるいはFabの異なる濃度が、24時間あるいは48時間ごとに、低い(0.1%)血清含有ミディアムに加えられた。インキュベーションの数日後に、細胞はトリプシン中で再懸濁されカウントされ、標準化された成長パーセントが計算された。ベルシェープ曲線として示された、ZR-75-30細胞の刺激が、リガンド誘導成長刺激を実証するが、HEK293細胞ではなかった(図1C)。 同様の実験で、MUC1をターゲットとするsiRNA、或いはコントロールsiRNAで、安定してトランスフェクトされたMUC1*陽性T47D乳癌細胞を使用すると、成長の刺激が、単にコントロール−トランスフェクト細胞でおこり、さらに抗体の特異性を示した(図1D)。同一の結果は、MUC1*の天然リガンドNM23において実証された(図1E)。
実施例4
NM23は、MUC1*細胞外ドメインを本質的に含むPSMGFRペプチドに特異的に結合する。結合は、Biacore3000装置およびBiaEvaluationソフトウェアを使用して、表面プラズモン共鳴によって測定された。ヒスチジンタグを付けられたMUC1*1110-ecd(SEQID NO: 5)あるいは無関係のペプチド(HHHHHH-SSSSGSSSSGSSSSGGRGDSGRGDS- SEQ ID NO: 40)が、Mahantaら2008に記述されるように本願発明者らの研究所で準備された、5.7%のNTA-Ni++ SAM被覆SPRチップの分離されたフロー・チャンネル上に固定された。精製牛又は組み替えヒトのNM23の35μLプラグが、5μL/分の一定の流れ中に注入され、センサーグラムが記録された。牛の肝臓から精製されたNM23 (シグマN-2635)が、PBSだけで薄められた。親和性は、1:1ラングミュア・モデルを使用して、広範囲の濃度に関して測定された。実際の親和性は、第1のオーダー動力学が、適当にこのシステムを記述できないように、変わることが可能である(図1F)。
実施例5
MUC1*成長因子受容体およびそのリガンドNM23は、分化されたhESCではなく、未分化のhESC上にある。未分化の(多分化能)状態、あるいは新しく分化する状態のヒト胚性幹細胞が、免疫細胞化学(ICC)によって分析された。ヒト胚性幹細胞(hESCs)が、手で切り離され、マトリゲルであらかじめ覆われた、8ウェルのチャンバースライド(Nunc)に、植え付けられた。未分化細胞については、細胞は、植え付け5-7日後に固定した。分化した細胞については、bFGFが、植え付け後培養培地から除去され、そして細胞は固定前14日間分化させられた。細胞は、4℃15分の0.1Mカコジル酸塩バッファー中の4%のパラホルムアルデヒドによる定着前に、PBSで洗われた。 細胞は、1%のBSA及びPBS中の1%のロバあるいはヤギ血清で、1時間ブロックされた。0.1%のNP-40が、細胞内の抗原に対する抗体と共に使用された。一次抗体はブロック内で希釈され、4℃1時間細胞とインキュベートされた。
次のタンパク質用の一次抗体が使用された:
OCT4 (Santa Cruz,Clone Clones H-134 and C-10, 1:100 dilution),
全長 MUC1 (VU4H5, Santa Cruz Biotechnology,1:50 dilution),
MUC1* (Minerva, 1:250 dilution),又は
NM23 (Santa Cruz, Clone NM301, 1:100dilution)
細胞は、次の二次抗体との30分のインキュベーションに先立って、5分間PBSで3回洗われた:
AlexaFluor 488 Goat anti-rabbit IgG,
AlexaFluor 555 Goat anti-mouse IgG,
AlexaFluor 350 Goat anti-rabbit IgG(Invitrogen, 1:200);
Goat anti-mouse IgM-TR (Santa Cruz, 1:100)
細胞は、抗Fade MountingMedium(Biomedia)を使い、overslip mounting前5分間、PBSで3回洗われた。核は5分間、DAPI染色(1μg/ml)によって視覚化された。免疫染色された細胞は、オリンパスBX-51上級蛍光顕微鏡上で視覚化された。これらの実験の結果は、MUC1*が、未分化細胞(多分化能性幹細胞)の表面上にある(図2A、3B、3C)が、分化したhESCs上にはない(図2 D)ことを示す。図3は、MUC1*のリガンド(NM23)が、MUC1*と共局在することを示す(図3A-D)。MUC1*およびそのリガンドNM23は、多分化能性幹細胞(Oct4 -陽性の細胞)上でのみ発現され、分化したものにはなかった(図3Cおよび3F(OCT4-陰性細胞のDAPI染色核)。
実施例6
MUC1*は、多分化能性幹細胞の成長を仲介する。
次の実験が、多分化能性幹細胞上で、二価の抗MUC1*を使用し、MUC1*を刺激する結果を決定するために行なわれた。結果は、MUC1*二量化リガンドの添加が、多分化能性(Oct4 -陽性)の幹細胞成長を刺激し、さらにフィーダー細胞、それらの抽出物あるいはbFGFの欠如下で、細胞成長を可能にすることを示した。
多分化能 (Oct4 -陽性)のhESCの長期成長は、MUC1*刺激によって仲介された。hESCsは、トリプシン解離がなされ、4×104細胞/ウェルで、マトリゲル(matrigel)で事前被覆された8−ウェル チェンバースライドに植え付けられた。培地は変更され、また、抗体を、分離したコロニーが目に見えるまで、二価の抗MUC1*の1μg/mlの終末濃度で、一日おきに加えた。培養条件は、「最小幹細胞培地」(フィーダー調整培地のないhESC培地)およびbFGF補充の添加及び不添加でHs27調整培地を含む。各条件について、細胞は、4回繰り返しで、成長させた。細胞は、PBSで洗われ固定した。また、Oct4免疫染色が上記のようにおこなわれた。図4のパネルA-Dは、matrigel及び添加された繊維芽細胞フィーダー細胞からの調整培地上で成長した細胞の写真である。パネルE-Hは、繊維芽細胞フィーダー細胞からの調整培地が加えられなかった、matrigel上で成長する細胞の写真である。細胞培養への抗MUC1*抗体の添加(図4C、D)は、bFGFで補われた成長より、多くの多分化能性幹細胞にもたらした(図4 A、B)。繊維芽細胞フィーダー細胞からの調整培地がない状態で培養された細胞への抗MUC1*抗体の付加(図4G、H)は、多分化能性細胞のない状態(OCT4の欠如)での結果である、bFGFを加えることにより育てられた細胞(図4E、F)に対して、際立って対照的に、豊富な多分化能性幹細胞もたらした。
実施例7
多分化能性幹細胞の成長を増強するために、MUC1*を刺激する結果は、量的Calcein分析において直接測定された。ヒト胚性幹細胞(hESCs)が、手で解離され、1.9x 104細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートのmatrigel被覆ウェル上で成長させた。培養培地は、30%のHs27調整培地および4ng/mlのbFGFで補われたhESC培地を含んだ。抗体は、二価の抗MUC1*について1μg/mlおよび1価の抗MUC1*について100μg/mlの終濃度で加えられた。実験は3回繰り返して行なわれた。抗体処理後41時間で、メーカー指示書に従い、生存および死細胞の量が、LIVE/DEAD/viability細胞毒性キット(MolecularProbes)で計られた。蛍光は、Victor3Vプレート・リーダ(パーキン・エルマー)を使用して測定された。図5の棒グラフは、二量化するリガンド(抗MUC1*)をつかってのMUC1*の刺激は、幹細胞成長を促進することを示し、一方、Fab抗MUC1*と共に、MUC1*の細胞外のドメインをブロックすることは、全幹細胞死に帰着する。
実施例8
長期的な幹細胞成長実験が、二価の抗MUC1*抗体、NM23、NM23突然変異体あるいはbFGFを使用して、幹細胞の成長を刺激する結果を比較するためになされた。hESCsは、トリプシンで解離され、8.2x104細胞/ウェルの細胞密度でMatrigelであらかじめ被覆された8−ウェルチャンバーに植え付けられた。培地は変更され、また、抗体あるいは野生タイプまたは突然変異NM23タンパク質が、以下の終濃度で、一日おきに加えられた;抗MUC1*抗体の80ng/ml、野生型組み換え体NM23か突然変異体(S120G)NM23の1nM、あるいは「最小の幹細胞ミディアム」(フィーダー調整培地のないhESC培地)中に4ng/mlの終濃度の組み換えbFGF。細胞は、又、Hs27繊維芽細胞からの30%調整培地および4ng/mlの組み換えbFGF(Peprotech#100-18B)をもつ最小幹細胞ミディアム中で、コントロールとして育てられた。この実験の結果は、MUC1*リガンドは、マトリゲル上でこれらの細胞の通常の成長培地である、bFGF含有調整培地の結果より、多分化能のコロニーの最少培地中での成長の刺激についてよりよい仕事をもたらすことを示した。表1は結果を詳述する。
表1 hESCsが、4週間最小培地中で培養された。
実施例9
MUC1*は、細胞の核へ、転位置させる(MUC1* translocates to nucleus of cells)。
抗MUC1*の単クローンAbは、アレクサ555染料で生体外でラベルされ、4℃の冷たいPBSで洗われた、MUC1*でトランスフェクトされたHCT-116細胞(MUC1陰性)に4℃で結合された。20分後、細胞は、冷たいPBSで2度洗われ、そして、細胞は、4%のパラホルムアルデヒドに固定されるか、或いは、あらかじめ暖められた成長ミディアムで培養された。細胞は、40分の後に洗われ、5分間、4%パラホルムアルデヒドで固定し、その後、PBS中2.5%BSA、2.5%FBSおよび0.1%NP-40でブロックされ透過処理された。核内体が、抗EEA1抗体(Cell Signaling Technologies, 2411S)およびアレクサ488(Invitrogen 1:200)を使用して染色された(図6)。
下記に述べられた実施例において、細胞は、いずれかの標準繊維芽細胞培地(FM)か、 bFGFに基づく培地(FGF-MM)あるいは最小の幹細胞培地中にNM23-S120G二量体(NM23-MM)あるいは単にそのAとBのドメインを含む、Mリーダー配列が欠けているNME7(単にNME7、あるいはNME7-ABとして引用)で培養される。
繊維芽細胞培地、「FM」:
500mLsあたり:
435mL DMEM(ATCC#30-2002 Manassas VA)、50mLウシ胎児血清(FBS、#35-011-cv、Mediatech、Manassas VA)、100XストックGlutamax(#35050061、LifeTechnologies、Carlsbad CA)の5mL、5mLの100Xの非必須アミノ酸(#11140050、LifeTechnologies)、5mL 100Xペニシリン/ストレプトマイシン(#17-602E、Lonza、Allendale、NJ)。
bFGF培地、「FGF-MM」:
500 mLsあたり:
400mL DMEM/F12(#10565-042)、100mLノックアウト血清代替「KOSR」(#10828-028)、5mLの100Xの非必須アミノ酸(#11140050)、0.9mL 100Xストック2-メルカプトエタノール(#21985-023)、LifeTechnologiesからのすべて、および2ug bFGF(#100-18B、Peprotech、Rocky Hill NJ)。
NM23培地、「NM23-MM」
500 mLsあたり:
400mL DMEM/F12(#10565-042)、100mLノックアウト血清代替「KOSR」(#10828-028)、5mLの100Xの非必須アミノ酸(#11140050)、0.9mL 100Xストック2-メルカプトエタノール(#21985-023)、LifeTechnologiesからのすべて、および8nM NM23dimer(Minerva Waltham MA)。
略語:
OSKM: Oct4、Sox2、Klf4、c-Mycは多分化能遺伝子である。多分化能を導くために、これらの実験においてそれらはコンビネーションで使用された。いくつかの実験は、すべての実験を通じて一貫している結果を持って行なわれた。ある場合には、レンチ(lenti)ウイルスのシステムが、多分化能遺伝子の異所的発現を導くために使用された。他の場合では、核酸が使用された。さらに別の場合では、タンパク質それ自体、それらをコードする遺伝子よりむしろ使用された。
NM23-MM-RあるいはNM23-R: NM23-MMが、bFGFに基づいた培地(bFGF-M)で、繊維芽細胞培地(FM)を置き換える標準法の代わりに、7日目で繊維芽細胞培地(FM)を交換(R)する。
NM23MM-AあるいはNM23-A: NM23-MMが、実験の最初から常に(A)存在する。
TC-MUC1* Ab:繊維芽細胞が、プラスチックの代わりに、抗MUC1*抗体(特にここで好ましいのは12.5ug/mLのmAb MN-C3およびMN-C8)で覆われている細胞培養プレート(しばしば、処理された、しかし必須でない組織培養)におかれ、次に、5日目で繊維芽細胞フィーダー細胞の層に移す。
VitaTM-MUC1* Ab:繊維芽細胞は、プラスチックの代わりに、抗MUC1*抗体(特にここで好ましいのは12.5ug/mLのmAb MN-C3およびMN-C8)で覆われている細胞培養プレート(VitaTM: ThermoFisher)におかれ、次に、5日目で繊維芽細胞フィーダー細胞の層に移す。
HS27:不活性化されたヒト包皮繊維芽細胞フィーダー細胞。
MEF:不活性化されたマウスの胚の繊維芽細胞フィーダー細胞。
実施例10
より少ない成熟しているか多分化能の状態に戻るために細胞を導くことについて、NM23またはNME7を使用する結果
4つの遺伝子(OSKM)が、すべてレンチ(lenti)ウィルス・システムを使用してトランスフェクトされた系で、iPS生成の方法は行なわれた。この実験では、ヒト線維芽細胞は、4つの多分化能遺伝子(Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc、以下OSKMと呼ぶ)(引用、山中)でトランスフェクトされた。標準プロトコルは、プラスチック上に、まず、皮膚芽球あるいは繊維芽細胞(ヒト線維芽細胞「hFFn」: #PC501A-hFF、System Biosciences, Mountain View, CA)を置き、そして、繊維芽細胞培地(FM)においてそれらを培養し、24時間ごとに変更した。5日後に、細胞は、不活性化された繊維芽細胞フィーダー細胞〔それはマウス(MEF)かヒト(HS27)〕で覆われた表面へ移される。次の2日の間、細胞はFMに維持される。7日目において、培地が、上記、bFGF-Mに変更される。また、培地は24時間ごとに変更される。最初の植え付け後2-4週は、胚幹(ES)細胞様形態をもつコロニー(クローン)が、選択され、そして、不活化フィーダー細胞(MEF、マウスあるいはHS27ヒト線維芽細胞)で覆われた新しいウェルに個々に置かれ、そして連続的に3〜4日毎に継代接種された。ES様の細胞として成長し続けるウェルは、増殖され、多分化能マーカーの存在に関してテストされた。
標準プロトコルに反して、本願発明者らは、細胞が、繊維芽細胞フィーダー細胞の層の上に移された後、繊維芽細胞培地(FM)を交換するために、“常に(NM23-MM-A)”あるいは“7日目で(NM23-MM-R)”で加えられたNM23培地の効果をテストした。コントロールとしては、トランスフェクション試薬は加えられたが、遺伝子は省略された「模擬のトランスフェクション」あるいは遺伝子もトランスフェクション試薬も加えられなかった「untransfected」、あるいは細胞が上記標準プロトコルによって処理されたものが使われた。
図7A-Dは、実験の4日目のコントロール細胞の拡大された写真である。A、Bは、NM23-MMのみが、4日後に、繊維芽細胞に、ES様のコロニーを形成し始めることを示す。対照的に標準繊維芽細胞培地(FM)が使われたC、Dは、細胞形態に変化を示さず、繊維芽細胞のように残る。これらの対照実験では、遺伝子は繊維芽細胞へトランスフェクトされなかった。
図8A-Cは、実験の4日目の、OSKMでトランスフェクトされた細胞の拡大写真を示した。パネルA、Bは、NM23-MM-Aにおいて培養されたトランスフェクタントが、ES様のコロニーを形成しはじめたことを示した。細胞がFMにおいて培養される標準法によパネルCは、繊維芽細胞形態の変化を示さない。
図9A-Dは、実験の11日目のコントロール細胞の拡大写真を示した。これらのイメージは、トランスフェクトされていない細胞が、プラスチック(A)、MEF(B)、抗MUC1*抗体C3(C)あるいは抗MUC1*抗体C3+ローキナーゼ抑制剤(ROCi)の上で、NM23-MM-Aで培養されたときの該表面がおこす差異をしめす。何ら異所的に発現した遺伝子がない状態で、NM23-MMがES様のコロニーの成長を単独で導くことが見いだされた。これらの得られた細胞は、非付着性になり、通常のプラスチック表面を浮かびあがり(A)、MEFの存在下で生じず、抗MUC1*抗体表面(C)上でROCiの欠如下で、最良に生ずる(CをDと比較する)。
図10A-Bは、コントロールの拡大写真であり、実験の11日目のuntransfect細胞である。それは、7日間、標準FMにおいて、ついで、MEF上のFGF-MMにおいて培養された。FGF-MMにおいて培養された時、典型的な繊維芽細胞形態からの変化はない。
図11A-Dは、実験の11日目のOSKMで多分化能になるように誘導された繊維芽細胞の拡大写真を示した。この実験は、NM23-MM-A(常に)で培養された細胞(パネルA、B)を、最初、繊維芽細胞培地(FM)において7日間培養され、その後NM23-MM-R(交換された)に変更された細胞(パネルC、D)を比較した。さらに、抗MUC1*抗体(A)、MEF(B、D)、HS27s(C)で覆われた表面に関する成長が比較される。イメージは、NM23-MMがFMにおいて、繊維芽細胞の開始よりよいこと、およびヒト線維芽細胞フィーダー(HS27)が、ES様のコロニーを導くためにマウス・フィーダー(MEF)よりよく働くことを示す。
図12A-Bは、FGF-MMにおいて培養され、実験の11日目のOSKMで多分化能になるように誘導された繊維芽細胞の拡大写真を示した。この実験は、ヒトフィーダー(A)とマウス・フィーダー(B)の層上に、接種された細胞の形態を比較する。
図13A-Dは、実験14日目におけるアントランスフェクト細胞である、コントロールの拡大写真を示し、それは抗MUC1*抗体上で(A、B)あるいは繊維芽細胞フィーダー細胞上で(C、D)、NM23-MM-A(常に) で培養された。パネルA、Cは、高密度で植えられた細胞を示し、一方、B、Dは、低密度で植えられた。実験は、抗MUC1*抗体表面およびNM23-MMが、ES様コロニーの形成をサポートすることを再び開示し、つまり、多分化能遺伝子によるトランスフェクションがない状態で、多分化能の誘導をするということ、およびNM23-MMによるヒトフィーダー細胞の表面はまた、より少ない程度であっても、多分化能を導くことを示す。
図14A-Cは、実験14日目におけるアントランスフェクト細胞である、コントロールの拡大写真を示し、それは標準FMその後FGF-MMにおいて培養され、そして、多分化能の誘導のサインを示さない。
図15A-Cは、実験14日目におけるOSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の拡大写真を示し、それは、抗MUC1*抗体表面上 (A)、プラスチック上(B)、あるいはMEF上(C)で、NM23-MM-Aにおいて培養された。パネルAおよびBは、良く形成されたES様のコロニーを示す。
図16A-Dは、実験14日目におけるOSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の拡大写真を示し、それは、NM23-MM-R(7日目までFM、次にNM23-MM))において培養された。パネルAおよびCは、MEF上で形成されたコロニーを示し、BおよびDは、HS27s上で形成されたコロニーを示す。
図17A-Dは、実験19日目におけるアントランスフェクト細胞である、コントロールの拡大写真を示し、それは、NM23-MM-A(常に)あるいはNM23-MM-R(交換された)で培養された。トランスフェクトされた遺伝子がない状態で、NM23-MMは、多分化能の細胞形態を導く。
図18 A-Bは、実験19日目におけるアントランスフェクト細胞である、コントロールの拡大写真を示し、それは、FMで、次にFGF-MMで培養された。多分化能の誘導は見ることができなかった。
図19A-Dは、実験19日目におけるOSKMでトランスフェクトされた繊維芽細胞の拡大写真を示し、それは、NM23-MM-A(A、B)あるいはNM23-MM-R(C、D)で、培養された。図は、NM23-MMが、多分化能の誘導を常に増強することを示す。
図20A-Bは、19日目におけるOSKMでトランスフェクトされた細胞を示し、細胞は、7日間FMにおいて、その後FGF-MMにおいて培養された。
実験結果およびiPS誘導の割合は、表2に示される。
表2から確認できるように、どんな遺伝子ででもトランスフェクトされず、血清あるいは他の成長因子あるいはサイトカインを欠く培地で、二量体形態のNM23-S120Gにおいて、培養された繊維芽細胞は、Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc(OSKM)でトランスフェクトされ、そして標準法(それは7日目後にFGF培地での培養を含む)によって、培養された細胞の少なくとも2倍の割合で、幹様形態のコロニーを生産した。多分化能遺伝子の3あるいは4でトランスフェクトされ、血清あるいは他の成長因子あるいはサイトカインを欠く培地で、二量体形態のNM23-S120Gにおいて、培養された繊維芽細胞は、FGF培地を使用する標準法の100倍までの割合で、幹様形態のコロニーを生産した。したがって、細胞がMUC1*リガンドとの接触を受ける場合、誘導化多分化能性幹細胞あるいは出発細胞より少ない成熟状態である細胞を、生成する効率は、はるかに大きい。そこでは、二量体の形態のNM23-H1あるいはNME7が好適である。誘導割合は、出発細胞の数で割られた幹様形態をもつコロニーの数として計算される。
実施例11
多分化能遺伝子の3つのみが、レンチウィルス・システムを使ってトランスフェクトされた、iPS生成に対するNM23の効果。
この実験では、本願発明者らは、、多分化能遺伝子のうちの1つを省く結果をテストした。ヒト線維芽細胞(hFFn)は、4つの多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc、「OSKM」あるいは3つ(OSKまたはOSM)でトランスフェクトされた。多分化能を示す、遺伝子の遺伝子発現レベルが、RT-PCR技術および免疫細胞化学を使用して、4日目、および20日目に評価された。これらの実験において使用されるプライマーは、それらが異所的に発現している遺伝子を増幅しないように、設計されていることに注目する。RT-PCRは、多分化能の指標である、Oct4、Nanog、Klf4遺伝子の発現レベルの量を計るために使用された。
MUC1の発現もまた測定された。
RT-PCR実験の結果は、図21および22のグラフ中で要約される。
実験は、MUC1*リガンド(二量体型のNM23-S120G)中で、培養されたトランスフェクタントが、細胞がFGF培地において培養された標準法より、多分化能マーカーの発現において、早くより明白な増加を示した。さらに、実験は、多分化能遺伝子の3つが、トランスフェクタントがNM23培地において培養された場合、多分化能を導くことに必要十分だったことを示した(図22)。しかし、FGF培地中で培養された場合はそうではなかった。免疫細胞化学実験は、さらに実験の10日目に行なわれた。そこでは細胞は、多分化能マーカーTra 1-60の発現について分析された。4つの多分化能遺伝子(OSKM)あるいは3つのみのOSKすべてでトランスフェクトされ、NM23培地中で培養された細胞の場合は、FGF培地中で培養された同じ細胞の場合(図25)をこえて、Tra 1-60の発現において、おおきな増加を示した(図23および図24)。OSKでトランスフェクトされ、FGF培地中で培養された細胞の条件で、10日目に、なんらTra1-60陽性細胞は見出されなかった。
実施例12
NM23培地の使用は、少なくとも4つの多分化能遺伝子の1つの不使用を可能にした。
実験のこのセットでは、ヒト線維芽細胞が、4つのすべての多分化能遺伝子OSKMあるいは3つのOSKかOSMのいずれかでトランスフェクトされ、標準培地、あるいはNM23-MM-AあるいはNM23-MM-R中で培養された。さらに多分化能になるために誘導された細胞の分子的な組立てを特徴づけるために、細胞はプラスチックからチャンバースライドに5日目で移され、10日目まで成長させ、次に、DAPIを使用して核を、多分化能マーカーTra 1-60の存在のために染色された。図23は、OSKMでトランスフェクトされ、導入の最初から最小培地中で NM23二量体中で培養された細胞を示す (常に: NM23-MM-A)。Tra 1-60のための緑色染色物は、多分化能に誘導された細胞を強調して示す。対照的に、図24は、細胞がOSKのみでトランスフェクトされ、NM23-MM-Aにおいて培養される場合、多分化能マーカーTra 1-60陽性に染色する沢山の細胞があることを示す。単一の視界中に、4つ以上の多分化能性細胞の検知を可能にした他の条件はなかった。図25は、標準培地および4つのすべての多分化能遺伝子OSKMを使用したところ、ほんの少数の細胞のみが、存在するかもしれないことを示す。本願発明者らは、、他の実験で、OSKMのトランスフェクションおよびNM23において培養することで、よい効率で多分化能性幹細胞を生産した。しかしながら、いくつかの実験において、OSKのトランスフェクションおよびc-Mycの省略は、多分化能を導く最も高い効率を与えるように見えた。
FACSは、4つあるいは3つの遺伝子でトランスフェクトされたすべての細胞の群でなされた。ソートが、多分化能マーカーTra 1-60およびSSEA4には陽性だが、繊維芽細胞マーカーCD13に陰性の細胞を同定するためになされた。結果は、下記の表3に示され、OSKで、c-Mycなしで、トランスフェクトされ、NM23-MM-Aにおいて培養された細胞は、多分化能性幹細胞の最大数を有した。
表3
図26-32は、実験15日目における、細胞の明るいフィールド・イメージを示す。
NM23-MMあるいはbFGF-MMにおいて培養された時の、遺伝子OSKM、OSKあるいはOSMをトランスフェクトすることにより多分化能に誘導された細胞について、4日目で、その後再度20日目で、発現した多分化能マーカーOct4の量を定量化するために、RT-PCRによって分析された。図21および22のグラフが示すように、NM23-MMにおいて培養された細胞は、早くも4日目で、多分化能遺伝子Oct4の明白な増額量を発現した。多分化能誘導20日後にさえ、NM23-MM中の細胞は、より高いレベルのOCT4を発現し、及び/又は、Oct4陽性である、より多くの細胞を持っていた。OCT4発現によって測定されるような多分化能の誘導の最も高い効率を生成した条件は、c-Mycでのトランスフェクションなしで、遺伝子Oct4、SOX2およびKLF4でのトランスフェクション後に、NM23-MM中での培養の場合であった。
実施例13
哺乳動物中のMUC1近辺領域の大きな保存性のために、本願発明者らは、成長因子としてNM23の使用に対して、成長因子LIFを含む標準培地でのマウス幹細胞の成長を比較した。
マウスES細胞は、成長因子としてLIFを含んでいる標準培地中で培養されたマウス万能細胞より、NM23-MMにおいて、同等以上に良く成長した。図34は、多分化能の基準としてSSEA4を使用して、NM23において培養された細胞が、LIFにおいて培養された細胞より、よりSSEA4陽性細胞(つまり、多分化能性細胞)を生産したことを示す。さらに、これらの細胞が、ヒトMUC1*配列(PSMGFR)に対する抗体で染色された時、本願発明者らは、NM23中での成長が、細胞が発現するMUC1*の量を増加させることを見出した(図25)。これら得られた結果は、マウス幹細胞を含む他の哺乳類細胞が、従来のマウスES成長因子LIFではなく、NM23において培養しうることを示した。さらに、それらの細胞のより多くの物が、MUC1*抗体を認識したという事実は、NM23中での幹細胞の培養が、MUC1*発現を増加させることを証明する。
実施例14
4度繰り返された、上記実施例10-12で得られた細胞は、多分化能の表面マーカーを発現した多分化能誘導方法で処理された細胞のパーセンテージを決定するために、FACS分析で処理された。FACS分析は、より少ない成熟状態、および多分化能の状態に戻るように、誘導されたヒト線維芽細胞を示す。iPS細胞を生成するための標準法は、当業者によく知られている多分化能マーカーの発現によって証拠づけられるように、多分化能であるクローンを分化させるために約3-4週間処理した。例えば、これらの実験において出発細胞は、繊維芽細胞であった。CD13は、繊維芽細胞マーカーであって、有効に多分化能の状態に戻り始めた細胞は、CD13陰性である。多分化能の細胞が、多分化能マーカーOct4、KLF4、NANOG、REX-1他に、陽性であることは当該技術分野で知られている。細胞質のマーカーあるいは核マーカーは、上述されるようにRT-PCRによってしばしば検知される。一方、他の表面のマーカーは、蛍光活性化細胞分類(FACS)によって生細胞を検出するかソートするのに便利である。18日目および19日目で、繊維芽細胞が4つの「山中」多分化能遺伝子のうちのいくつかあるいはすべてでトランスフェクトされた後、得られた細胞は、多分化能表面蛋白SSEA4およびTra 1-60の存在についてFACSによって分析された; 細胞は、CD13について染色され、その結果、繊維芽細胞マーカーに陽性なままだったあらゆる細胞を除外するために、ゲートを、選ぶことができる。結果は図33-39に示される。図35および36は、その細胞を示す。4つの多分化能遺伝子Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc(OSKM)のすべてで、同時に、トランスフェクトされ、しかし標準FGF培地の代わりにNM23二量体培地中で培養された、細胞は、多分化能マーカーTra 1-60に陽性である細胞の数を、3倍を超えて生産された、ことを示した。図37は、NM23二量体培地又は標準FGF培地を使用して、18日間培養された、多分化能遺伝子の、3つあるいは4のいずれかで、トランスフェクトされた細胞のFACSスキャンを示す。この場合、細胞は、CD13、SSEA4およびTra 1-60について染色された。図38の表は、3つの多分化能遺伝子OSKだけでトランスフェクトされ、NM23二量体培地中で培養した細胞は、4つの遺伝子すべてでトランスフェクトされたFGF培養細胞より、多分化能マーカーTra 1-60について陽性に染色された15倍以上の細胞を生産した、ことを示す。FGF培養細胞は、単にOSKまたはOSMでトランスフェクトされた時、多分化能を導くことができなかった。図39の表は、OSKでトランスフェクトされ、NM23二量体培地中で培養された細胞が、4つの遺伝子すべてでトランスフェクトされ、FGF培地中で培養された細胞より、多分化能マーカーTra 1-60に陽性に染色された細胞を、20〜30倍生産したことを、示す。
実施例15
MUC1*リガンドは、MUC1*の発現を増加させる。
実験は、ヒト胚幹(ES)細胞と同様に市販のヒト誘導多分化能幹(iPS)細胞でおこなわれ、そこで、より少ない成熟(より多分化能)状態に戻るために細胞の誘導能と同様に、MUC1*リガンドのMUC1*の発現か活性を増加させる能力もテストした。システムズBiosciences社からえたSC101A-iPSCのヒトiPS細胞は、MEF上でFGF(4-8ng/mL)培地で、あるいは抗MUC1*抗体MN-C3でコートされた表面にNME7(MUC1*リガンド-8-16nM)培地において(又、VitaTMプレート上にコートされたMUC1*リガンド-12.5 μg/mLでも)、培養された。成長因子FGFあるいはNME7を除いて、基礎培地は同一で、「最少培地」と上記される。得られた細胞は、多分化能マーカー陽性を染色した細胞の程度を決定するために、免疫細胞化学によって分析された。結果は、細胞をMUC1*リガンドNME7と接触させると、MUC1*の発現の増加をおこし、それは多分化能マーカー陽性を染色した細胞のパーセンテージの増加と一致した。
核染色法(DAPI)は、細胞がFGFにおいて培養された場合、多分化能マーカーによって染色されない多くの核を示した。図40は、MEFs(A-C)の層上でいずれかのFGF培地中で培養されたか、抗MUC1*抗体の層上でNME7培地中で培養された、ヒト誘導多分化能幹(iPS)細胞株の写真を示し、そして、MUC1*(A、D)および多分化能マーカーRex-1(B、E)およびTra 1-60(C、F)の存在のために免疫細胞化学によって分析された。同じ実験はBiotime社からのHES-3ヒト胚性幹細胞で行なわれ、同じ結果が得られた。図41は、MEFs(A-C)の層上でいずれかのFGF培地中で培養されたか、抗MUC1*抗体の層上でNME7培地中で培養された、ヒト胚幹(ES)細胞株の写真を示し、そして、MUC1*(A、D)および多分化能マーカーRex-1(B、E)およびTra 1-60(C、F)の存在のために免疫細胞化学によって分析された。同様の実験は行なわれた。しかし、成長因子としてNME7を使用する代わりに、突然変異体NM23-H1 S120G(16nM)が使用され、そこでは、NM23がリフォールドされFPLCで精製され、二量体の純粋の群であった。ここで、このNM23は、NM23培地、NM23二量体培地あるいはNM23-S120Gと略して呼ばれる。結果は、NM23培地中の単一パッセージの後、発現されたMUC1*の量に、膨大な増加があったということであった。本願発明者らは、単クローン抗体MN-C3のみが、開裂MUC1*を認識し、全長MUC1に結合しないことを指摘する。図42は、MEFs(A-C)の層上で、いずれかのFGF培地中で培養されたか、あるいは、抗MUC1*抗体(D-F)の層上でNM23-S120G二量体培地中で培養された、ヒトiPS細胞株の写真を示し、そして、MUC1*(A、D)、核染色DAPI(B、E)およびマージされたイメージ(C、F)の存在のために、免疫細胞化学によって分析された。細胞は、又、多分化能マーカーTra 1-60および核染色DAPIについて染色された。各場合では、MUC1*リガンド(二量体のNM23)中で培養された細胞は、細胞をより少ない成熟状態に戻らせるMUC1*の増加した発現を導いた。細胞が、多分化能マーカーの発現を失う場合、それらは多分化能の状態からはずれて分化した。図43の合併されたイメージ(C、F、I、L)の検討は、MUC1*リガンドによる処理の後、すべての核が、多分化能マーカーおよびMUC1*の染色に関係していることを示す。図43は、MEFs(A−F)の層上でいずれかのFGF培地中で培養されたか、あるいは、抗MUC1*抗体(G-L)の層上で、NM23-S120G二量体培地中で培養された、ヒトiPS細胞株の写真を示し、MUC1*(A、G)、多分化能マーカーTra 1-60(D、J)、核染色DAPI(B、E、H、K)およびマージされたイメージ(C、F、I、L)の存在について、免疫細胞化学法によって分析された。細胞は、付加的に、別のMUC1リガンド、NME7の存在について染色された。図44は、抗MUC1*抗体の層上で、NM23-S120G二量体培地中で培養され、NME7(A、B、C)および核染色DAPI(C)の存在について、免疫細胞化学法によって分析されたヒトiPS細胞株の写真を示す。。
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ここに引用された参照文献のすべて内容は、参照によって本願に取り込まれる。
当業者は、本発明を、ルーチン実験にすぎぬもの、本発明で特異的に記述の具体的実施例を使い、認識するかあるいは確認することができる。
そのような等価物は、本願請求項の範囲で包含されることが意図される。

Claims (69)

  1. 出発細胞をより少ない成熟状態に戻ることを導くことを含む、出発細胞から、より少ない成熟細胞の生成の方法であって、以下から選ばれる生物学的物質か化学物質と出発細胞との接触を含む方法;
    (i)細胞において、MUC1あるいはNMEタンパク質の量を増加させる物質;
    (ii)細胞において、MUC1あるいはNMEタンパク質の発現を増加させる物質;
    あるいは、
    (iii)MUC1あるいはNMEタンパク質の活性を増加させる物質。
  2. 直接又は間接的に、MUC1あるいはNMEタンパク質の、量、発現又は活性における増加を起こす核酸で出発細胞をトランスフェクトすることを含む請求項1に記載の方法。
  3. NMEタンパク質が、NME7あるいはNME7バリアントである請求項2に記載の方法。
  4. NMEタンパク質が、NME1あるいはNME1バリアントである請求項2に記載の方法。
  5. MUC1が、MUC1*である請求項2に記載の方法。
  6. 直接又は間接的に、MUC1開裂酵素の、量、発現又は活性における増加を起こす核酸で出発細胞をトランスフェクトすることを含む請求項1に記載の方法。
  7. 開裂酵素が、MMP-16、MMP-14あるいはADAM-17である請求項6に記載の方法。
  8. 直接又は間接的に、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28、あるいはNanogの、量、発現又は活性における増加を起こす核酸で出発細胞をトランスフェクトすることを含む請求項1に記載の方法。
  9. 直接又は間接的に、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28、あるいはNanogの、量、発現又は活性における増加を起こすペプチド又は蛋白質と出発細胞を接触することを含む請求項1に記載の方法。
  10. 生物学的種が、ペプチドかタンパク質である請求項1に記載の方法。
  11. 該ペプチド又は該タンパク質が、NMEタンパク質又はそのバリアントである、請求項10に記載の方法。
  12. NMEタンパク質が、NME7である請求項11に記載の方法。
  13. 該NMEタンパク質が、NME1である請求項11に記載の方法。
  14. 該ペプチド又は該タンパク質が、MUC1あるいはMUC1の一部である請求項11に記載の方法。
  15. 直接又は間接的に、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28、あるいはNanogの、量、発現又は活性における増加を起こすペプチド又は蛋白質と出発細胞を接触することをさらに含む請求項11に記載の方法。
  16. 直接又は間接的に、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28、あるいはNanogの、量、発現又は活性における増加を起こす核酸で出発細胞をトランスフェクトすることをさらに含む請求項11に記載の方法。
  17. 該ペプチド又は該タンパク質が、細胞に入る能力を増強するモエティーあるいは配列で修飾される請求項10に記載の方法。
  18. 化学的種が、直接又は間接的に、NME7、NME1、MUC1、MUC1*、MMP16、MMP14またはADAM17の、量、発現又は活性における増加を、起こす請求項1に記載の方法。
  19. 直接又は間接的に、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc、Lin28またはNanogの、量、発現又は活性における増加を起こす化学的種と出発細胞を接触させることをさらに含む請求項1に記載の方法。
  20. より少ない成熟状態が、OCT4、SOX2、KLF4、KLF2、NANOG、LIN28、MUC1、NME1あるいはNME7の少なくとも1つの発現の増加によって特徴づけられる請求項1に記載の方法。
  21. より少ない成熟状態が、多分化能の状態である請求項20に記載の方法。
  22. タンパク質が、MUC1*リガンドである請求項1に記載の方法。
  23. 該リガンドが、MUC1*を二量化させる請求項22に記載の方法。
  24. 該リガンドが、NMEファミリーである請求項22に記載の方法。
  25. 該NMEファミリーが、NME1、NME6あるいはNME7である請求項24に記載の方法。
  26. 該NME1と該NME6が、二量体の形式であり、該NME7が、モノマーの形式である請求項25に記載の方法。
  27. 該タンパク質が、MUC1*のPSMGFR配列を認識する抗体である請求項22に記載の方法。
  28. 該化学的種が、低分子物質である請求項1に記載の方法。
  29. 該低分子物質が、MUC1の転写、MUC1開裂酵素の転写あるいはNMEファミリーメンバーの転写を増強する請求項28に記載の方法。
  30. 該開裂酵素が、MMP-16、MMP-14あるいはADAM-17である請求項29に記載の方法。
  31. 該小分子物質が、MUC1の開裂を増強する請求項29に記載の方法。
  32. 該小分子物質が、ホルボールエステルである請求項31に記載の方法。
  33. 核酸が、MUC1をコードする請求項2に記載の方法。
  34. 核酸が、MUC1*をコードする請求項2に記載の方法。
  35. 核酸が、MUC1*のリガンドをコードする請求項2に記載の方法。
  36. リガンドが、MUC1*抗体あるいはNMEタンパク質である請求項35に記載の方法。
  37. 出発細胞を、多分化能を導く遺伝子産物の発現を増加させる分子と接触させることをさらに含む請求項1に記載の方法。
  38. 該分子は、OCT4、SOX2、NANOG、KLF4あるいはLIN28の発現を増加する請求項37に記載の方法。
  39. 該分子は、OCT4およびSOX2の発現を増加させる請求項38に記載の方法。
  40. 細胞が、哺乳類由来である請求項1に記載の方法。
  41. 細胞が、ヒト由来である請求項40に記載の方法。
  42. 以下の工程を含む、出発細胞をより少ない成熟細胞への戻りを導くことを含む出発細胞からより少ない成熟細胞の生成方法;
    出発細胞を、細胞においてMUC1またはNMEの量を増加させる生物学的又は化学的物質と、接触させること、
    そして、さらに、出発細胞を、CT4、SOX2、NANOG、KLF4またはLIN28の1つ以上の量を増加させる生物学的又は化学的種と接触させること。
  43. MUC1またはNMEの量を増加させる生物学的種が、MUC1、MUC1*、NME1あるいはNME7をコードする核酸あるいはそれのバリアントである請求項1または42に記載の方法。
  44. 出発細胞が、哺乳類である請求項1または42に記載の方法。
  45. 出発細胞が、ヒトである請求項1、42、43あるいは44に記載の方法。
  46. 出発細胞が、多分化能性幹細胞、多能な幹細胞および最終分化細胞を含むグループから選ばれる請求項1または42に記載の方法。
  47. 多分化能性幹細胞が、刺激された状態である請求項46に記載の方法。
  48. 多能な幹細胞が、造血性細胞、骨髄細胞あるいはニューロンの細胞である請求項46に記載の方法。
  49. 最終分化細胞が、繊維芽細胞、皮膚芽細胞、血球あるいはニューロン細胞である請求項46に記載の方法。
  50. 生成された細胞が、その後分化される請求項1または42に記載の方法。
  51. 生成された細胞が、生体外で分化される請求項50に記載の方法。
  52. 生成された細胞が、生体内で分化される請求項50に記載の方法。
  53. 生成された細胞を分化することを含み、それの必要のある患者への分化された細胞を投与する請求項1または42によって生成された細胞を投与する方法。
  54. それの必要のある患者への生成された細胞を投与することを含む請求項1または42によって生成された細胞を投与する方法。
  55. 生成された細胞が、患者由来である請求項54に記載の方法。
  56. 生成された細胞が、ドナー由来である請求項54に記載の方法。
  57. 以下を含む幹細胞を分化する方法;
    (i) 請求項1あるいは請求項42による方法を実行することを含む、出発細胞を、より少ない成熟状態へ戻すこと又はより少ない成熟状態に維持することを誘導すること、及び
    (ii) より少ない成熟状態を、分化をさせること。
  58. 細胞が、外胚葉、中胚葉、又は内胚葉細胞へ分化される請求項57に記載の方法。
  59. 誘導が、生体外で実行される請求項1あるいは請求項42に記載の方法。
  60. 請求項1または42の方法によって作られた誘導多分化能細胞の、対象への注入方法。
  61. 有効量の多分化能誘発剤をそれの必要のある人に投与することを含む、傷のサイトで、幹細胞の誘導又は維持によって治される、疾病または傷を治す方法。
  62. 多分化能誘発剤が、MUC1*活性剤である請求項61に記載の方法。
  63. 多分化能誘発剤が、NMEである請求項62に記載の方法。
  64. 誘導された多分化能性細胞が、注入、移植あるいは局所適用によって対象に投与される請求項61に記載の方法。
  65. 細胞をNMEと接触させることを含む退化した幹細胞を救う方法。
  66. 細胞をNMEと接触させることを含む細胞の多分化能の誘導の効率を増加させる方法。
  67. 細胞をNMEと接触させることを含む細胞においてMUC1又はMUC1*の発現を増加させる方法。
  68. 細胞が、幹細胞である請求項67に記載の方法。
  69. 出発細胞を、bFGFがない状態で、NMEと接触させることを含む、誘導多分化能性幹細胞を生成する方法。
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PLOS ONE, 2008, VOL.3, NO.10, E3312, PP.1-13, JPN6017027649, ISSN: 0003826771 *

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