JP2016501550A - Crm197に関する方法及び組成物 - Google Patents

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コワリク,ミヒャエル
クリスティアーネ テーニー−マイアー,リンダ
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グリコヴァキシン アーゲー
グリコヴァキシン アーゲー
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Abstract

本発明は、ジフテリア毒素を産生する新規の方法を提供する。特に本発明は、無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197を産生する新規の方法を提供する。本発明は、ジフテリア毒素又は無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197を含む新規の組成物も提供する。【選択図】図1

Description

1. 序論
本発明は、ジフテリア毒素を産生する新規の方法を提供する。特に本発明は、無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197を産生する新規の方法を提供する。本発明は、ジフテリア毒素又は無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197を含む新規の組成物も提供する。
2. 背景
CRM197タンパク質は、糖類に対する安全で有効なT細胞依存性担体であり、コンジュゲートワクチンと呼ばれる多くの様々なワクチン製剤において現在使用されている。ジフテリア毒素は、ファージβ197による感染時に細菌ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)によって産生されるタンパク質外毒素である。ジフテリア毒素(「DT」)とCRM197の両方が、例えば百日咳菌(Bordatella pertussis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ジフテリア菌(C. diphtheriae)、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus)、及びインフルエンザ菌B型(Haemophilus influenza type B)に対するものなどの多くのワクチンの構成要素である(WO9324148、WO9700697、WO02055105)。さらに、可溶型のHB-EGFと結合するその能力と関連したその潜在的抗腫瘍活性のため、CRM197に対する関心が増大している(US2006/0270600A1)。
CRM197は非毒素産生ファージβ197toxに感染したジフテリア菌によって産生される。β197toxは毒素産生コリネファージβのニトロソグアニジン突然変異誘発により作製された(Uchida, T.ら。1971、Nature New Biology 233:8〜11)。CRM197タンパク質は無毒型のジフテリア毒素であるが、免疫学的にはジフテリア毒素と区別がつかない。DTは58.350kDaの質量を有し(CRM197=58.415kDa)、Cys186とCys201を結びつけるジスルフィド結合によって連結したN末端AドメインとC末端Bドメイン(21kDaと37kDa)からなる。そのジスルフィド結合パートナーであるB断片から放出された後、A断片は毒性である。191〜193位での結合ペプチドにおける適度なタンパク質分解によるホロトキシンのニッキングは、A断片活性化に必要不可欠である。B断片に明らかな酵素活性はないが、おそらく標的細胞膜へのホロトキシンの標的化のため毒性に必要とされる(Broker M、Costantino P、De Tora L、Mclntosh ED、Rappuoli R:Biochemical and biological characteristics of cross-reacting material 197(CRM197), a non-toxic mutant of diphtheria toxin:use as a conjugation protein in vaccines and other potential clinical applications. Biologicals、2011、39(4):195〜204)。
感染ジフテリア菌培養物は、細胞質膜を横切って細胞外へと培養培地にCRM197タンパク質を分泌する。CRM197タンパク質はジフテリア毒素とほぼ同じ分子量を有するが、構造遺伝子における一塩基変化(グアニンからアデニン)によりそれと異なる。この一塩基変化は成熟タンパク質におけるアミノ酸置換(グリシンのグルタミン酸への置換、G52E)を引き起こし、ジフテリア毒素の毒性を排除する(Giannini G、Rappuoli R、Ratti G:The amino-acid sequence of two non-toxic mutants of diphtheria toxin:CRM45 and CRM197. Nucleic Acids Res 1984、12(10):4063〜4069)。
DT及びCRM197を調製する方法は、US4,709,017、US5,843,711、US5,601,827、及びUS5,917,017中に記載されている。CRM197の工業生産的調製に使用される3つの異なるシステムが現在存在する。2つのシステムはファージ感染ジフテリア菌細胞の使用に基づく。最も近年の開発はシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)における組換え発現系となる。この方法は、ペリプラズムへの分泌用シグナルペプチドを備えるCRM197遺伝子を使用した、遺伝子操作により最適化したシュードモナス・フルオレッセンス株におけるペリプラズムへの分泌手法を利用する(US2011/0287443)。
例えばジフテリア毒素は、好気的条件下においてカザミノ酸及び酵母エキスベース培地中で増殖した、ジフテリア菌株C7(B197)及び/又はジフテリア菌株C7(B197)pPx350の培養物から単離される。培地成分の調整により収量が改善することが示された(US4,925,792、WO2006100108)。CRM197又はDTは培養物の上清から採取し、限外濾過により濃縮する。硫安沈殿法が第一の精製ステップであり、陰イオン交換クロマトグラフィーが第二の精製ステップである。
しかしながら、ワクチンに使用するための相当量のCRM197タンパク質の産生は、少ないタンパク質量が原因で妨げられている(WO2006100108)。
非毒素産生コリネファージβ197の二重溶原を使用してCRMタンパク質の産生を増強するための技法が開発されている(Isolation and characterization of C. diphtheriae nontandem double lysogens hyperproducing CRM197。R Rappuoli、Appl. Environ. Microbiol. September 1983 46:560〜564; R.Rappuoliに対して発行された米国特許第4,925,792号; 及びIntegration of corynebacteriophages beta tox+, omega tox+, and gamma tox- into two attachment sites on the C. diphtheriae chromosome。R Rappuoli、J L Michel、及びJ R Murphy; J. Bacteriol. March 1983 153:1202〜1210)。Rappuoliは、一種溶原からの収量の最大三倍を超える、二重溶原及び三重溶原からのCRM197の収量を報告している。一種溶原によるCRM197の産生レベルは、CRM197タンパク質を利用するワクチンの生産には充分であるが経済的に満足のいくものではない。ジフテリア菌における発現効率を増大させるための二重溶原及び三重溶原株の構築は、面倒なスクリーニング期を必要とする長期のプロセスであることを記すことは重要である。
ジフテリア菌におけるCRM197の組換え発現用のプラスミドが開発された(米国特許第5,614,382号、1995/米国特許第5,614,382号_1997)。これによって、多重溶原菌株の選択を必要とせずに(細胞当たり最大5〜10コピーに)遺伝子のコピー数を増大させることができる。
ファージβ197toxに感染したコリネバクテリウム株(Corynebacterium strains)の場合と同様に、鉄含有量が少ない特殊培養培地中でCRM197が発現される。細菌の菌株の遺伝子操作に必要な時間量が減るにもかかわらず、二重溶原の使用と比較してCRM197の産生量が劇的に増大するわけではない。
DTの代替発現宿主細胞には腸チフス菌(Salmonella typhi)ワクチン株cvd908-htraがあった(Orr N、Galen JE、Levine MM:Expression and immunogenicity of a mutant diphtheria toxin molecule, CRM197, and its fragments in S. typhi vaccine strain CVD 908-htrA. Infect Immun 1999、67(8):4290〜4294)。サルモネラはグラム陰性菌であり大腸菌(E. coli)と同様の発現宿主である。cvd908-htraにおける様々な構築物(シグナルペプチドを含む、含まない)からの発現レベルは低く、可溶性及び免疫原性は乏しかった。ヘモリシンオペロンの代替の非Sec依存性転移系の利用によって可溶性DTの発現は改善したが、レベルは依然として低かった。
大腸菌におけるCRM197の産生に関する報告は、可溶性CRM197の低い収量及び封入体における不溶性産物の形成を示す。より高いレベルに発現を増強するための試みにおいて切断手法が使用されている(Bishai WR、Miyanohara A、Murphy JR:Cloning and expression in E. coli of three fragments of diphtheria toxin truncated within fragment B. Journal of Bacteriology 1987、169(4):1554〜1563)。
CRM197をコードする突然変異ジフテリア毒素遺伝子を含有するCRM197用の一本鎖発現プラスミドを大腸菌における発現用に使用した(Bishai WR、Rappuoli R、Murphy JR:High-level expression of proteolytically sensitive diphtheria toxin fragment in Escherichia coli. Journal of Bacteriology 1987、169(11):5140〜5151;Bishai1987)。この刊行物において、CRM197の転写は内在性及び構成性Ptoxプロモーターによって制御された。さらに、アルファメラニン細胞刺激ホルモンとC末端融合したDT(「ABM508」)は、熱誘導性PLambdaプロモーター又は発現用Ptacプロモーターによって発現させた。
Bishai(1987)は、高レベルのタンパク質誘導による分泌装置の不調が、ペリプラズムDT/CRM197変異体の発現の誘導後に増殖停止を引き起こしたと推測した。これは観察済みのペリプラズムタンパク質発現における一般的問題点である可能性があり、以前にタンパク質の低体積収量をもたらした(Benson SA、Hall MN、Silhavy TJ:Genetic analysis of protein export in E. coli K12. Annual Review of Biochemistry 1985、54:101〜134)。分泌装置の不調及び不溶性タンパク質の形成は、大腸菌細胞がCRM197生合成に関して生産上の転移及びフォールディング環境をもたらすことができないことを示唆した。
結果としてBishai(1987)は、細胞質発現がトランスロコンの不調を回避すると推論した。したがってBishai(1987)は、細胞質に発現を誘導するためシグナルペプチドを除去した。低温で且つ細胞質プロテアーゼを欠失させたときのみ、細胞質発現構築物は可溶性産物を生成した。高温で且つプロテアーゼが存在したとき、産生は不十分であり凝集体が生じた。
Bishai(1987)は、高レベルの可溶性タンパク質CRM197融合タンパク質(即ちペリプラズム標的化用のシグナルペプチドとの)の産生を示すことができなかった。クーマシー染色SDSポリアクリルアミドゲル中では、ABM508発現構築物を含有する抽出物はABM508に相当する濃いタンパク質バンドを示し、一方野生型シグナルペプチドを有する天然プロモーターから発現されるCRM197を発現した細胞は、58kDaの予想サイズでCRM197に関する明らかなバンドを示さない。
したがって、ペリプラズム発現は有効な産生戦略とは考えられていなかった。また今日まで、可溶性で正しくフォールディングされたCRM197又はDTの産生用の確立した有効な大腸菌ペリプラズム発現系は存在していない。
封入体における不溶性CRM197の細胞質発現、続くタンパク質の可溶化、精製及びリフォールディングに基づく産生系は、CRM197に関する大腸菌ベースの最初の発現系によってもたらされた(WO2010 150230)。追加的タンパク質分解ステップを施すとき、追加的アミノ酸を含まない野生型CRM197はこの系でのみ得ることができる。
シグナルペプチドはペリプラズムへのタンパク質分泌を誘導し、タンパク質生合成に対して様々な影響を及ぼす。(Powers T、Walter P:Co-translational protein targeting catalyzed by the E. coli signal recognition particle and its receptor. The EMBO Journal 1997、16(16):4880〜4886。)(Schierle CF、Berkmen M、Huber D、Kumamoto C、Boyd D、Beckwith J:The DsbA signal sequence directs efficient, cotranslational export of passenger proteins to the E. coli periplasm via the signal recognition particle pathway. Journal of Bacteriology 2003、185(19):5706〜5713)。
3. 要旨
大腸菌発現株において高い収量(例えば、少なくとも0.5mg/l)で可溶性でありフォールディング状態の完全長のCRM197を産生するための方法を本明細書で提供する。特に、シグナルペプチドを使用してペリプラズム空間へのタンパク質の分泌を誘導する。
CRM197を産生するための方法であって、CRM197をコードする核酸を含む大腸菌細胞を培養するステップを含み、CRM197を大腸菌細胞のペリプラズムに標的化する異種シグナルペプチドにCRM197が融合されている方法を本明細書で提供する。より具体的な実施形態では、CRM197の野生型シグナルペプチドは欠失している。さらにより具体的な実施形態では、CRM197の野生型シグナルペプチドは異種シグナルペプチドに置換されている。異種シグナルペプチドは、大腸菌易熱性エンテロトキシン、大腸菌外膜ポーリン(OmpA)、大腸菌マルトース結合タンパク質(MalE)、イー・カロトボランス(E. carotovorans)ペクテートリアーゼ(PelB)、及びバシラス種(Bacillus sp.)エンドキシラナーゼ(XynA)由来のシグナルペプチドからなる群から選択することができる。培養培地1リットル当たり少なくとも5、10、25、50、75、100、125、125、150、175、200、225、250、300、400、500、600、700、800、900、又は少なくとも1000mgのタンパク質の濃度でCRM197を産生することができる。円偏光二色性による測定で産生タンパク質の少なくとも50%が正しくフォールディングしている。産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%が正しくフォールディングしている。産生タンパク質の少なくとも50%は凝集体中に存在しない。産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%は凝集体中に存在しない。産生タンパク質の少なくとも50%は可溶性である。産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%は可溶性である。
特定の実施形態では、異種ヌクレオチド配列がペリプラズムにCRM197を標的化するシグナルペプチドとCRM197タンパク質の間に切断部位をコードし、
前記切断部位がアミノ酸配列aa1-aa2-aa3-(切断部位)-aa4-aa5-aa6-aa7-aa8を含み、式中、
aa1がAla、Ser、Gly、Cys、Thr、及びGlnから選択され、
aa2が任意の天然アミノ酸から選択され、
aa3がPhe、His、Tyr、Trp、Asp、Glu、Lys、Arg Asn、及びGln以外の任意の天然アミノ酸から選択され、
aa4〜8がala-asp-asp-val及びgly-ala-asp-asp及びmet-gly-ala-aspから選択されるか、又は
前記切断部位がアミノ酸配列aa1-aa2-aa3-(切断部位)-aa4-aa5-aa6-aa7-aa8を含み、式中、
aa4〜8がala-asp-asp-val及びgly-ala-asp-asp及びmet-gly-ala-aspから選択され、且つ
SignalP4.0サーバーによる分析時にオープンリーディングフレームの最初の70アミノ酸(aa)が0.72を超えるYスコアをもたらす。
特定の具体的な実施形態では、異種ヌクレオチド配列は配列番号1又は2のタンパク質をコードする。異種ヌクレオチド配列は、l-アラビノース誘導性araBADプロモーター(PBAD)、lacプロモーター、l-ラムノース誘導性rhaP BADプロモーター、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、trc及びtacプロモーター、ラムダファージプロモーターpL、及びアンヒドロテトラサイクリン誘導性tetAプロモーター/オペレーターからなる群から選択されるプロモーターと作動可能に連結し得る。
特定の実施形態では、CRM197をコードする核酸が高コピー発現プラスミドに挿入されている。高コピー発現プラスミドはpEC415、pBR322、pBAD、pETシリーズ、pUCシリーズ、pACT3、pEXT22、pEXT20、pBLUESCRIPTシリーズ、pGEMシリーズであってよい。
特定の実施形態では、OD600 >0.3の培養密度でCRM197の発現を誘導することができる。具体的には、OD600 >0.5、>1、又は>1.5の培養密度でCRM197の発現を誘導することができる。
CRM197は37℃の温度で発現させることが可能である。CRM197は20、25、30、32、又は35℃の温度で発現させることが可能である。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法に従い産生したCRM197タンパク質の少なくとも50%がADDV、GADDV、又はMGADDVのN末端を有する。より具体的には、発現したCRM197の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、少なくとも99.5%又は100%がADDV、GADDV、又はMGADDVのN末端を有する。特定の実施形態では、発現したCRM197の少なくとも50%がCys186とCys201の間にジスルフィド結合を有する。発現したCRM197の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、少なくとも99.5%又は100%がCys186とCys201の間にジスルフィド結合を有する。
3.1 用語
DT -ジフテリア毒素
CRM197 -交差反応物質197、グリシン52からグルタメートへの突然変異G52Eを有するDT
AMB508 -CRM197配列と融合したアルファメラニン細胞刺激ホルモン配列からなる融合タンパク質
β197tox -非毒素産生コリネファージ197
プレタンパク質 -シグナルペプチドを含むタンパク質
成熟タンパク質、プロセシングされたタンパク質 -シグナルペプチド切断後のタンパク質
IPTG -誘導時に増殖培地に加えるイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド、lac、trc、及び関連プロモーター用のインデューサー
ParaBAD -増殖培地へのL-アラビノースの添加によって誘導可能なaraBADオペロンのプロモーター
4. 図面の簡単な説明
大腸菌におけるCRM197の発現の図である。異なる発現プラスミド(1、2、3、4、5はp932、p934、p722、細胞質CRM197変異体、及びp150を示す(表2参照))を、大腸菌BL21細胞(Aによって示すレーン)又はW3110(B)におけるCRM197発現に関して試験した。誘導の2時間後にOD600に標準化した全細胞抽出物を調製し分析した。上図は抗DT抗血清を使用したウエスタンブロットを示し、下図は抗ヒスタグ抗血清を使用して検出した。 大腸菌由来の可溶性CRM197の精製の図である。BL21において発現プラスミドを含有する2つの異なる菌株を本文中に記載したように増殖させた(1、2はp932、p933を示す)。溶出分画はSDS PAGEによって分離し、クーマシーブルーによって染色し(左図)、抗DT抗血清を使用しニトロセルロース膜への電気転写後に免疫検出した。 充分分泌されたリファレンスタンパク質EPA-6H、組換えの遺伝子操作で解毒した緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(EPA)と比較した、異なるN末端シグナルペプチドに融合したCRM197のペリプラズム発現レベルの図である(Ihssen J、Kowarik M、Dilettoso S、Tanner C、Wacker M、Thony-Meyer L:Production of glycoprotein vaccines in E. coli. Microbial cell fractories 2010、9:61)。表2中に記載したようにプラスミド1〜16を有し大腸菌株のペリプラズム抽出物を含むクーマシー染色SDS-PAGEゲル。TB培地中の最適発現温度で振とうフラスコにおいて細胞を増殖させ、4g/lのL-アラビノースの添加により0.4〜0.6のOD600で誘導した。誘導前に採取したサンプル13*以外は、可溶性ペリプラズムタンパク質の抽出(スクロース-リゾチーム法)用のOD同等サンプルを誘導後4時間で採取した。M:タンパク質マーカー混合物、Thermo-Scientificの事前染色タンパク質ラダー#26616、3μL(個々のタンパク質の濃度0.1〜0.2mg/ml)。
5. 詳細な記載
ジフテリア毒素及び無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197の発現のための方法を本明細書において提供する。より詳細には、可溶型且つ正しくフォールディングされた形態での、CRM197の発現及び大腸菌細胞のペリプラズム空間へのCRM197の分泌のための方法を本明細書において提供する。
特定の実施形態では、宿主細胞のペリプラズム空間にCRM197を標的化する異種シグナルペプチドを使用してCRM197を発現させる。特定のより具体的な実施形態では、宿主細胞は大腸菌である。CRM197遺伝子と異種シグナルペプチドを含有する発現カセットは、標準的な分子生物学の技法を使用して構築することができる。具体的には、CRM197の野生型シグナルペプチドを欠失させ異種シグナルペプチドを代わりに導入する。核酸レベルでは、シグナルペプチドをコードする配列が、CRM197の残り部分をコードする核酸と同じフレームでクローニングされるように注意しなければならない。特定の具体的な実施形態では、異種シグナルペプチドが野生型シグナルペプチドを置換する。他の実施形態では、野生型シグナルペプチドは欠失しているか又は機能的に不活性化されており、異種シグナルペプチドはタンパク質の異なる位置に導入されている。特定の実施形態では、シグナルペプチドと分子の残り部分の間にタンパク質分解切断部位が導入されている。タンパク質分解切断部位は、宿主細胞のペリプラズムにおいて認識され切断され得る。特定のより具体的な実施形態では、シグナルペプチドを宿主細胞中で組換えにより発現させる。
特定の実施形態では、以下のパラメーターが対象のタンパク質の発現に影響を与える可能性がある。これらの様々な態様に関するさらに詳細な情報は以下のセクションにおいて与える。
核酸は成熟し分泌されるCRM197(配列番号6)をコードし得る。
i)大腸菌コドン使用のために最適化した形式。
ii)異種シグナル配列は大腸菌におけるペリプラズム空間へのCRM197の標的化に使用することができる。標準的なクローニング手順によって、異種シグナルペプチドをコードする合成DNA配列を、成熟CRM197遺伝子のN末端に融合することができる。大腸菌易熱性エンテロトキシン、大腸菌外膜ポーリンA(OmpA)、大腸菌マルトース結合タンパク質(MalE)、大腸菌DsbA、エルビニアカロトボランス(Erwinia carotovorans)ペクテートリアーゼ(PelB)、又はバシラス種(Bacillus sp.)エンドキシラナーゼ(XynA)に由来するものなどの異なるN末端シグナルペプチドを、本明細書で提供する方法と共に使用することができる。特定の実施形態では、特定の異種シグナルペプチドが、大腸菌のペリプラズム空間への組換えタンパク質の分泌をもたらすことが実証されている。
iii)シグナルペプチド切断部位(即ち、シグナルペプチドと分泌タンパク質の間の配列)。例えば、SignalP4.0サーバープログラム(the Center for Biological Sequence Analysis of the Technical University of Denmarkのウエブサイトがホスト)などのシグナルペプチド切断予測プログラムを使用して、代替シグナルペプチド切断部位を設計することができる。このプログラムは、i)切断部位の確率、及びii)切断部位の位置、即ちどの間のアミノ酸切断が起こる可能性が最も高いかを予測する。具体的な実施形態では、天然N末端と可能な限り類似したCRM197のN末端を生成するように、シグナルペプチド切断部位を設計する。
iv)適切な高コピー数発現プラスミドを、本明細書で提供する方法と共に使用することができる。
v) CRM197の発現を、高レベルの誘導性アラビノースプロモーターの制御下におくことができる。
vi)増殖培地。
vii)発現時間、即ち、増殖中の誘導時点及び誘導と細胞採取の間の時間。
viii)インデューサーの量。
ix)発現温度。
一般に、本明細書で提供する方法は以下のように実施する。最初に、本明細書で記載する発現プラスミドを宿主細胞(例えば、大腸菌又はサルモネラ種発現株)に導入する。発現プラスミドが耐性マーカーを有する抗生物質を補充した富栄養培地に、形質転換混合物を播くことができる。単一コロニーを使用して、炭素源としてグリセロールを含有し適切な抗生物質を欠くか又は補充した、例えばTB培地、又は同様の富栄養培地からなる小体積培養物(例えば5ml)を接種することができる。次いで培養物を定常期まで20〜35℃でインキュベートし、次いで1:50〜1:100の割合で20〜35℃に予め温めた同一又は類似組成の新たな培地に希釈することができる。次いで新たな培養物は指数的増殖期(0.6〜1.2のOD600)まで増殖させることが可能であり、発現は適切なインデューサーの添加によって誘導し、これは発現プラスミドにおいて使用するプロモーターに依存する。インデューサーの例にはアラビノース、又は高レベルタンパク質誘導に関する物理的条件の異なる化学物質がある。次いで発現が継続される。特定の実施形態では、採取前に少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、又は少なくとも30時間発現が継続される。
サンプルは任意の時間で採取することができる。全ての時点で、形成された可溶性CRM197の量を、SDS-PAGE及びペリプラズム抽出物のクーマシー染色を介した分析によって評価する。既知の濃度の市販のCRM197との比較によって収量を見積もることができる。
特定の実施形態では、以下の対照を使用して、発現したCRM197タンパク質が可溶性であるか決定する。理論によって縛られずに、このような可溶性タンパク質は正しくフォールディングされている。スクロース-リゾチーム法(Kowarik M、Young NM、Numao S、Schulz BL、Hug I、Callewaert N、Mills DC、Watson DC、Hernandez M、Kelly JFら:Definition of the bacterial N-glycosylation site consensus sequence. The EMBO journal 2006、25(9):1957〜1966)により調製したペリプラズム抽出物において約58kDaで検出したCRM197は、可溶性タンパク質の標準として使用することができる。
特定の実施形態では、正しくフォールディングされたCRM197を少なくとも1mg/l、2mg/l、3mg/l、4mg/l、5mg/l、6mg/l、7mg/l、8mg/l、9mg/l、10mg/l、11mg/l、12mg/l、13mg/l、14mg/l、15mg/l、20mg/l、25mg/l、50mg/l、75mg/l、又は少なくとも100mg/lの濃度でもたらす方法を本明細書で提供する。
特定の実施形態では、シグナルペプチド切断部位の配列に応じて、CRM197のN末端はADDV、又はGADDV、又はMGADDVであってよい。
特定の実施形態では、生成するCRM197タンパク質の少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、又は100%がA断片とB断片を結びつけるCys186とCys201の間のジスルフィド結合を有する。このジスルフィド結合の存在はチオールアッセイを使用して実証することができる(Hansen RE、Ostergaard H、Norgaard P、Winther JR:Quantification of protein thiols and dithiols in the picomolar range using sodium borohydride and 4,4'-dithiodipyridine. Anal Biochem 2007、363(1):77〜82)。
特定の実施形態では、生成するCRM197タンパク質の少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、又は100%が可溶性であり凝集体中に存在しない。
5.1 対象のタンパク質
本発明はDTとCRM197に関する産生法を記載する。CRM197に関する例示的なタンパク質配列は配列番号3及び4として提供し、対応する完全長発現プラスミドDNA配列は配列番号1及び2である。
5.2 ペリプラズム標的化
細胞質からペリプラズムへの様々な分泌経路が大腸菌において存在する。これらの経路には、Sec経路、SRP依存的経路、及び2つのアルギニン分泌経路(twin arginine pathway for secretion)がある。TatABC孔はフォールディングタンパク質の分泌を担うと考えられる。理論によって縛られずに、シグナルペプチドは、どの分泌経路が細胞によって選択されるか決めることができる(Driessen AJ、Nouwen N:Protein translocation across the bacterial cytoplasmic membrane. Annual review of biochemistry 2008、77:643〜667。)。
特定の実施形態では、本発明の方法と共に使用するための異種シグナルペプチドは、転移プロセス中に切断されるアミノ末端疎水性シグナル配列である。特定の実施形態では、タンパク質が宿主細胞の細胞質中でその安定した三次元構造にフォールディングしないように、本明細書で提供する方法に関する条件を選択する。理論によって縛られずに、細胞質中のフォールディングはエクスポートを妨げる可能性がある。他の特定の実施形態では、異種シグナルペプチドは、2つのアルギニン分泌経路にタンパク質を標的化するアルギニンシグネチャーをコードする。
特定の実施形態では、アンフォールディングタンパク質を以下の幾つかの異なる方式でエクスポート可能な状態に保つことができる:(i)タンパク質の翻訳と同時にタンパク質が膜を横切って転移することができ、したがってアミノ酸ポリマーの不在が原因でその二次構造でさえ細胞質中で形成されないことが確実なように、異種シグナルペプチドを選択することができる、(ii)細胞質中でのフォールディングを妨げるシャペロン又はアンチフォールディング因子(Randall LL、Topping TB、Smith VF、Diamond DL、Hardy SJ:SecB:a chaperone from E. coli. Methods Enzymol 1998、290:444〜459。)を提供することができる、(iii)それがポリペプチド内シャペロンとして作用し急速なフォールディングを妨げるように、異種シグナル配列を選択及び/又は挿入する、及び/又は(iv)それが細胞質環境中で形成されないその最終構造における特徴(例えばジスルフィド結合)を含有し、したがってタンパク質が細胞質においてそれらの最終フォールディング立体構造に到達できないように、DT又はCRM197を改変する。
5.2.1 シグナルペプチド
本明細書で提供する方法と共に使用することができる例示的な異種シグナルペプチドは、大腸菌DsbAシグナル配列、MalE、OmpA、及びPelBシグナルペプチドである。理論によって縛られずに、シグナルペプチドの選択は分泌ルート、例えばトランスロコンへのSRP依存的ルート対SecB依存的ルート、を決定することができる。最適発現条件は、異なる標的経路に関して変わり得る。標的分泌経路を確認することができる技術を主張する、幾つかの報告が存在する(Marrichi M、Camacho L、Russell DG、DeLisa MP:Genetic toggling of alkaline phosphatase folding reveals signal peptides for all major modes of transport across the inner membrane of bacteria. J Biol Chem 2008、283(50):35223〜35235)。
好ましいシグナルペプチドは、共翻訳経路を介して大腸菌のペリプラズムに効率よくエクスポートされる、既知及び推定上の分泌タンパク質から選択される。特に、大腸菌易熱性エンテロトキシン、大腸菌外膜ポーリンA(OmpA)、大腸菌マルトース結合タンパク質(MalE)、イー・カロトボランス(E. carotovorans)ペクテートリアーゼ(PelB)、又はバシラス種(Bacillus sp.)エンドキシラナーゼ(XynA)のシグナルペプチドを使用することができる。
5.2.2 切断部位
理論によって縛られずに、シグナルペプチドはシグナルペプチダーゼにより切断されるプレタンパク質であり、大腸菌ではSPaseI及びIIが存在する。SPaseIは大部分の可溶性及び幾つかの膜タンパク質シグナルペプチドを切断し、一方SPaseIIはリポタンパク質からシグナルペプチドを切断する。SPaseIは本発明において重要となり得るシグナルペプチダーゼである。SPaseIの用途は決定可能であった(Paetzel M、Karla A、Strynadka NC、Dalbey RE:Signal peptidases. Chemical reviews 2002、102(12):4549〜4580)。
理論によって縛られずに、切断部位の位置はi)疎水性コア、帯電したN末端と親水性C末端を有する特徴的シグナルペプチド編成の構造によって、及びii)切断位置周辺の一次配列(しばしばA-X-A)によって定義される(Heijne G:The distribution of positively charged residues in bacterial inner membrane proteins correlates with the trans-membrane topology. The EMBO journal 1986、5(11):3021〜3027。)。両方のパラメーターは充分理解されており、予測プログラムは高い精度を有する(Petersen TN、Brunak S、von Heijne G、Nielsen H:SignalP4.0:discriminating signal peptides from transmembrane regions. Nat Methods 2011、8(10):785〜786)。プログラムSignalP4.0サーバーは、プレタンパク質の最初の70アミノ酸の配列に基づいた切断確率を与える。特定の実施形態では、本明細書で提供する方法と共に使用するために操作した切断部位は、少なくとも0.4、0.5、0.6、0.7、0.72、0.75、0.8、0.85、0.9、又は少なくとも0.95のYスコアを有する。
特定の実施形態では、予測N末端が天然に存在するタンパク質のN末端であるように、シグナルペプチド切断部位を設計する。他の実施形態では、N末端が天然で見られるN末端に可能な限り類似するように、CRM197のシグナルペプチドとN末端を設計する。
CRM197タンパク質のシグナルペプチド切断後の天然N末端はGADDV…である(Bell CE、Eisenberg D:Crystal structure of nucleotide-free diphtheria toxin. Biochemistry 1997、36(3):481〜488)。特定の具体的な実施形態では、DsbAシグナルペプチドを使用して大腸菌で発現されるCRM197のN末端は、
である可能性があり、PelBシグナルペプチドを使用すると
である可能性がある。第二のAの後に切断が生じる、切断部位におけるAXAモチーフを記す。
他の切断配列とシグナルペプチド切断部位の組合せは以下の表2中に述べる。
5.3 発現プラスミド
大腸菌細胞における組換え発現用の広く様々な発現ベクターが知られている。原則として、任意のベクター骨格を使用することができる。例示的なベクターは、pEC415(Schulz H、Hennecke H、Thony-Meyer L:Prototype of a heme chaperone essential for cytochrome c maturation. Science 1998、281(5380):1197〜1200)、pBR322(Bolivar F、Rodriguez RL、Greene PJ、Betlach MC、Heyneker HL、Boyer HW、Crosa JH、Falkow S:Construction and characterization of new cloning vehicles. II. A multipurpose cloning system. Gene 1977、2(2):95〜113)、pBAD(Invitrogen corporation、Carlsbad、CA)、pETシリーズ(Invitrogen)、pUCシリーズ(Lin-Chao S、Chen WT、Wong TT:High copy number of the pUC plasmid results from a Rom/Rop-suppressible point mutation in RNA II. Mol Microbiol 1992、6(22):3385〜3393)、pACT3、pEXT22、pEXT20(Dykxhoorn DM、St Pierre R、Linn T:A set of compatible tac promoter expression vectors. Gene 1996、177(1-2):133〜136)、pBLUESCRIPTシリーズ(Stratagene、Agilent Technologies、Santa Clara、CA)、pGEMシリーズ(Promega Corp.、Madison、WI)である。これら全てのベクターは、誘導性プロモーターの制御下において、プレタンパク質の発現カセットのクローニングに使用することができた。
例示的プラスミドは配列番号1及び2として与える。ベクター骨格は、中〜高コピーのpMB1複製起点、カナマイシンカセットと交換可能であるアンピシリン耐性カセット、AraCリプレッサーをコードするaraBADオペロンのレギュロン、及び高レベルのタンパク質発現誘導用のaraBADプロモーターを含有するpBR322に基づく。
特定の実施形態では、標的タンパク質、例えばCRM197又はDTを染色体に組み込んだ構築物から発現させる。この戦略は、当業者によく知られており、発現プラスミドと同じであるが選択カセットを必要としない(ゲノム組み込み時の選択のみに必要とする)エレメント及び複製起点からなるゲノム組み込み型発現構築物をもたらしたであろう、さらなる技術を必要とする。
5.4 プロモーター
よく知られている高発現誘導性プロモーターの中で、対象のタンパク質の発現に関する温度において機能的である任意のプロモーターを使用することができる。特定の実施形態では、本明細書で提供する方法と共に使用するプロモーターは、37℃未満の温度、36℃、35℃、34℃、33℃、32℃、31℃未満、又は30℃未満の温度で活性がある。以下の一覧は本明細書で提供する方法と共に使用することができる例示的な細菌発現プロモーターを含有する(表1)。
5.5 培養培地
タンパク質産生用の培養培地は、大腸菌における組換えタンパク質の過剰発現に適した任意の規定培地、半規定培地又は複合培地であってよい。テリフィックブロス(TB)のような富栄養複合培地が好ましいが、規定ミネラル塩培地を使用することもできる。テリフィックブロスは、24g/lの酵母エキス、12g/lのトリプトン又はペプトン(即ち、タンパク質分解消化されたカゼイン、ダイズタンパク質又は他のタンパク質)、及び4%(v/v)グリセロールで構成される。さらに、培地は緩衝化されている。
特定の具体的な実施形態では、マグネシウムイオンの濃度は最大10nM、50nM、100nM、250nM、500nM、750nM、又は最大1mMである。特定の具体的な実施形態では、マグネシウムは加えない。特定の具体的な実施形態では、培養培地にMgCl2を加えない。
特定の具体的な実施形態では、培養培地のpHは6と9の間である。特定の具体的な状態では、酵母エキスが10〜30g/lの濃度で培養培地中に存在し得る。特定の具体的な実施形態では、培養培地は2.5%〜10%のグリセロールを含む。特定の他の実施形態では、培養培地は少なくとも5%、10%、15%、又は少なくとも20%のグリセロールを含む。
5.6 誘導及び発現
誘導前の発現培養物は様々な温度、例えば4〜35℃又は18〜37℃の範囲の温度で増殖させることが可能である。特定の実施形態では、誘導前の発現培養物は18〜20℃、20〜22℃、22〜24℃、24〜26℃、26〜28℃、28〜30℃、30〜32℃、32〜34℃、又は34〜36℃の範囲内の温度で増殖させる。特定の実施形態では、誘導前の発現培養物は約18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、又は37℃の温度で増殖させる。
誘導後の培養温度は特定範囲内、例えば4〜35℃又は18〜37℃の範囲の温度であってよく、誘導前の条件と異なってよい。例えば、誘導前培養物はより高温、例えば前に記載した温度で増殖させ、次いで産生のためにより低温、例えば15〜30℃の範囲内の温度に移行することが可能である。特定の実施形態では、誘導後の培養物は18〜20℃、20〜22℃、22〜24℃、24〜26℃、26〜28℃、28〜30℃、30〜32℃、32〜34℃、又は34〜36℃の範囲内の温度で増殖させる。具体的な実施形態では、前記温度は、誘導前培養物を増殖させる範囲より低い範囲内にある。特定の実施形態では、誘導後の培養物は約18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、又は37℃の温度で増殖させる。具体的な実施形態では、前記温度は、誘導前培養物を増殖させる範囲より低い範囲内にある。
構築物に応じて、発現時間は2〜20時間であり得る。インデューサー濃度は、プロモーターに応じて0.01〜1%(w/v)のアラビノース(ParaBAD)、又は10〜1000μMのIPTGである。振とうフラスコ培養において発酵中に得る0.3から1.5の間のOD600値、及びバイオリアクターでの発酵における5から200の間のOD600値で誘導を行うことができる。特定の具体的な実施形態では、5から50、25から75、50から100、75から125、100から150、125から175、150から200、又は175から200の間のOD600値で誘導を行う。特定の実施形態では、振とうフラスコにおいて対数期の初期に誘導を行う。バイオリアクターでの発酵は0%〜40%の範囲の一定pO2値で行うことができる。pO2の制御は撹拌速度又は通気率の制御により行うことができる。
特定の実施形態では、プロモーターはアラビノースで誘導可能であり、アラビノース濃度は少なくとも0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は少なくとも1%(w/v)アラビノースであってよい。特定の実施形態では、インデューサーアラビノースの濃度は最大0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は最大1%(w/v)アラビノースである。
特定の実施形態では、プロモーターはIPTGで誘導可能であり、IPTG濃度は少なくとも10、25、50、75、100、200、250、300、400、500、600、700、750、800、900又は少なくとも1000μMのIPTGであってよい。特定の実施形態では、インデューサーIPTGの濃度は最大10、25、50、75、100、200、250、300、400、500、600、700、750、800、900又は最大1000μMのIPTGである。
特定の実施形態では、振とうフラスコ培養において発現を実施させる。誘導時のOD600値は振とうフラスコ培養において少なくとも0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、又は少なくとも1.5である。特定の実施形態では、誘導時のOD600値は振とうフラスコ培養において最大0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、又は最大1.5である。
特定の実施形態では、バイオリアクターでの発酵において発現を実施させる。誘導時のOD600値はバイオリアクターでの発酵において少なくとも5、10、15、20、25、50、75、又は少なくとも100である。特定の実施形態では、誘導時のOD600値はバイオリアクターでの発酵において最大5、10、15、20、25、50、75、又は最大100である。
バイオリアクターでの発酵は少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は少なくとも40%の一定pO2値で実施することができる。特定の実施形態では、バイオリアクターでの発酵は最大1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は最大40%の一定pO2値で実施することができる。
5.7 宿主細胞
標的タンパク質の組換え産生用の発現菌株は、大腸菌K12及びB菌株、W3110、DB1、DH5a、BL21、BL21(DE3)、C43、JM109、JM101、JM110、及びそれらの派生菌株などであってよいが、これらだけには限られない(Huang CJ、Lin H、Yang X:Industrial production of recombinant therapeutics in E. coli and its recent advancements. Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology 2012、39(3):383〜399)。宿主細胞は、染色体を改変してCRM197タンパク質の最適な発現に適応させることが可能である。例えば、DepP、Prc、Spr、及び/又はプロテアーゼIIIのようなペリプラズムプロテアーゼは産生菌株において欠失していてもよい。欠失は単独で、又は他のプロテアーゼと組合さって有用であり得る。さらに、例えばsprW148Rのようなサプレッサー突然変異(Chen C、Snedecor B、Nishihara JC、Joly JC、McFarland N、Andersen DC、Battersby JE、Champion KM:High-level accumulation of a recombinant antibody fragment in the periplasm of E. coli requires a triple-mutant(degP prc spr)host strain. Biotechnology and bioengineering 2004、85(5):463〜474。)によって、CRM197タンパク質収量が増大する可能性がある。
5.8 アッセイ
収量、純度、安定性、ニッキング率、毒性、内毒素含有量を特徴付けるための方法は充分確立しており、ワクチンにおけるCRM197の使用のための品質を定める。CRM197の分析は、例えば高性能サイズ排除クロマトグラフィー、等電点電気泳動、SDS-PAGE及びウエスタンブロッティング、MSによる分子量決定、N末端配列決定、アミノ酸分析、逆相液体クロマトグラフィー、エレクトロスプレー質量分析、及びトリプシン消化後の質量分析によるペプチドマッピングによって行われる。
医薬品において使用する上で分析法は記載されており、許容可能な品質を定めるパラメーターは充分確立されている。詳細な情報及び枠組みとなるパラメーターは、例えば欧州医薬品庁、EMEAにより発表されたガイドライン中に与えられ、例えばCRM197含有ワクチンPrevenarに関してEMEAのウエブサイトで見ることができる。
5.8.1 発現産物の濃縮
ローリーアッセイ、BCAアッセイ、及びブラッドフォードアッセイのような標準的なタンパク質濃縮技術を、280nmにおけるUV吸収率の決定、及び濃度測定によるクーマシー染色SDS-PAGEゲルからの定量化、又は蛍光色素強度測定によるキャピラリーゲル電気泳動と同様に、使用することが可能である。
5.8.2 発現産物のフォールディング
産物のフォールディングは、円偏光二色性分光法、タンパク質NMR分光法、及びHPSECによって直接分析することができる。間接的な方法には、可溶性測定、プロテアーゼ耐性、及びDT A断片の場合の毒性に関する活性アッセイ、及びCRM197とDT B断片に関する結合アッセイがある。
5.8.3 発現産物の封入体
封入体の形成は、発酵後に採取した細胞の最初の均質化、不溶性物質を沈降させるための低速遠心分離、及び等しい光学濃度様式でペレットと上清を並べて比較することによって容易に定量化される。タンパク質バンドの強度によって、上清(可溶性タンパク質)とペレット(不溶性凝集体及び封入体)におけるタンパク質比率を推測することができる。
5.8.4 発現産物の可溶性
タンパク質を含有する上清溶液を遠心分離し滅菌濾過することができる。タンパク質が溶液中に残存し濾過物及び上清から枯渇しない場合、タンパク質は可溶性である。より高度な方法は動的光散乱法である。それによって、オリゴマー又はミクロ凝集状態の精製タンパク質を示す粒径を決定することができる。
高い可溶性の発見が凝集体形成のないこと又は低レベルの凝集体形成を示すように、可溶性は凝集体形成と反比例する。
5.8.5 発現産物のペリプラズム局在化
ペリプラズム局在化は、細胞の分画化、及びペリプラズム分画とスフェロプラスト分画で観察される特異的タンパク質収量の比較によって測定される。分画化はスクロース-リゾチーム法(Kowarik M、Young NM、Numao S、Schulz BL、Hug I、Callewaert N、Mills DC、Watson DC、Hernandez M、Kelly JFら:Definition of the bacterial N-glycosylation site consensus sequence. The EMBO journal 2006、25(9):1957〜1966)、浸透圧ショック(Johansson HJ、Jagersten C、Shiloach J:Large scale recovery and purification of periplasmic recombinant protein from E. coli using expanded bed adsorption chromatography followed by new ion exchange media. J Biotechnol 1996、48(1-2):9〜14。)、又はポリミキシン(Schulz H、Hennecke H、Thony-Meyer L:Prototype of a heme chaperone essential for cytochrome c maturation. Science 1998、281(5380):1197〜1200)を使用することにより行われる。分画アリコートはサンプル体積と培養物OD600に基づいて標準化し、SDS PAGEとウエスタンブロッティングにより分析する。
5.8.6 シグナル配列の切断
シグナルペプチドの切断は、5.8.5中に記載したようなi)分画化細胞のゲルシフト分析によりアッセイする。この分析中、プロセシングされていないプレタンパク質は細胞質凝集体又は膜に蓄積する可能性があり、プロセシングされたタンパク質は可溶性のペリプラズム分画中に存在するであろう。異なる電気泳動移動度は、SDS-PAGE(及び必要な場合はウエスタンブロット)によるプロセシングされたタンパク質とプロセシングされていないプレタンパク質の間のシフトを構成するであろう。最後に、N末端アミノ酸配列決定を使用しプロセシングされたN末端を決定することができ、それにより実験によって切断部位を定めることができる。
5.8.7 CRM197の潜在毒性
ADP-リボシルトランスフェラーゼ活性を測定することにより、活性毒素の存在に関してCRM197を試験することができる。さらに、他の試験(in vitroでのHeLa細胞又はVero細胞における細胞毒性、in vivoでのモルモットにおける致死率、異常毒性試験)を使用してCRM197の無毒を実証することができる。
5.9 組成物
本明細書で提供する方法に従って産生されるジフテリア毒素、無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197は、免疫原性組成物又はワクチンへさらに加工することができる。例えば、タンパク質をオリゴ糖又は多糖と結合させて、免疫原性組成物又はワクチンを生成することが可能である。特定の具体的な実施形態では、このような免疫原性組成物又はワクチンは、従来技術の組成物に優る改善された免疫原性を有する。理論によって縛られずに、本明細書で提供する方法は、より均質な可溶性CRM197タンパク質の集団をもたらす。このように、任意の免疫原性組成物又はワクチンが従来技術の組成物より有効である。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法に従って産生されたジフテリア毒素、無毒型のジフテリア毒素、例えばCRM197を含む組成物を本明細書において提供する。特定のより具体的な実施形態では、このような組成物は医薬組成物である。さらにより具体的には、このような医薬組成物は薬学的に許容される担体をさらに含む。
6. 実施例
6.1 実施例1
異なる実験設定を試験し、CRM197収量は、CRM197検出用の抗ジフテリア毒素抗血清を使用したウエスタンブロッティングにより決定した。
CRM197発現用のDNAオープンリーディングフレームは、天然シグナルペプチドの代わりに大腸菌のDsbAタンパク質のN末端シグナルペプチド、及びC末端ヘキサ-ヒスチジンタグを含有するコドン最適化形式で、市場の供給業者(Genescript、Piscataway、NJ)により合成された。生成するタンパク質配列は配列番号5である。ssDsbA-CRM197-his6用のオープンリーディングフレームは、pEC415のNdeI部位とXbaI部位に挿入した(Schulz H、Hennecke H、Thony-Meyer L:Prototype of a heme chaperone essential for cytochrome c maturation. Science 1998、281(5380):1197〜1200)。
このプラスミドから様々な突然変異体を作製して、CRM197収量の違いを分析した。製造者(Stratagene、Agilent Technologies、Santa Clara、CA)により記載された迅速突然変異誘発によって、予測シグナルペプチド切断部位に突然変異を導入した。生成した構築物を表1中にまとめる。
言及したプラスミドをBL21及びW3110細胞中に形質転換して、タンパク質発現実験を実施した。形質転換コロニーをLBプレートから採取し、それらを使用してLB液体培地培養物に接種し、それらを37℃で一晩増殖させた。高密度培養物は新たなLB培地に0.05のOD600まで希釈し、ODがOD600値=0.5に達するまでさらに増殖させた。次いでアラビノースを、組換えタンパク質発現の誘導のために加えた。言及する構築物の数個を使用した初期実験を、様々な条件下で実施した。
しかしながら、タンパク質無発現又はEPA発現対照細胞と比較したとき、細胞抽出物においてCRM197タンパク質は検出されなかった(Ihssen J、Kowarik M、Dilettoso S、Tanner C、Wacker M、Thony-Meyer L:Production of glycoprotein vaccines in E. coli. Microbial cell factories 2010、9:61)。30℃又は37℃のいずれにおいても、一晩誘導時間及びプラスミド維持用のアンピシリン補充LB培地は使用しなかった。
その後、発現を以下のように実施した。発現用に、一晩インキュベーション由来の高密度培養物を、より良い細胞生存率のためテリフィックブロスに希釈した。指数期まで培養物を増殖させ、2時間及び終夜誘導し、次いで細胞を採取し、OD当量のバイオマスをLammliサンプルバッファーに溶かすことにより細胞抽出物を調製した。抽出物はSDS PAGEによって分離し、抗DT及び抗ヒスタグ抗血清を使用するその後の免疫検出のためにニトロセルロース膜に電気転写した。驚くことに、約60kDaにおけるCRM197の予想電気泳動移動度において、タンパク質シグナルを誘導の2時間後に検出した。発現構築物p932、p934、及びp722は、抗DT及び抗ヒスタグ抗血清イムノブロットにおいて検出可能なシグナルをもたらした。p932は大部分の、p934は少量の、及びp722はさらに少量のCRM197シグナルを産生したようである。シグナルペプチド配列を欠く発現プラスミドを含有する細胞由来の対照抽出物は正しい分子量範囲でCRM197を示し、他のレーンにおいて物質の同一性を確認した。
これらの実験はCRM197が発現された可能性があることは示したが、それが可溶性又はフォールディング状態であったかどうかは示さなかった。図1中に示すように、シグナルペプチドを欠くCRM197を検出し、それは細胞質内封入体内と予想された。予想収量は未知であり、EPAの発現との比較によってのみ推測することができる。この比較において、図1中に示す抗ヒスタグ抗血清のウエスタンブロッティングを使用して観察したシグナル強度に基づくと、CRM197はEPAと同等の収量に達する(レーン4A及び4Bと5A及び5Bを比較)。制御されたバイオリアクターでの発酵におけるEPAは最大0.5g/lタンパク質をもたらす。
CRM197産生に関する効率の順序はp932>p934>p722であった。p722から発現されたCRM197由来の切断部位中にコードされるメチオニン残基は生産性に干渉する可能性があり、グリシン残基もある程度の影響を有する。しかしながら、切断部位に対して-2の位置のセリン残基と組み合わせた、天然N末端より一アミノ酸少ない(ADDV…;p932)CRM197のN末端の形成は、DsbAシグナルペプチドを使用すると最適発現状態をもたらすようである。
しかしながら、異なる発現構築物とTB培地を使用した発現実験において、CRM197シグナルを検出することができた。
6.2 実施例2
振とうフラスコにおける可溶性と全体収量を分析するため、2つの異なる発現構築物を使用した細胞培養物からCRM197を精製した。発現株はBL21、発現プラスミドはp932又はp933であった。アンピシリンを補充した1リットルTBを含有する5リットル振とうフラスコに、アンピシリンを補充したLBにおいて増殖させた前培養物を接種し、30℃で培養した。0.5のOD600において、アラビノースを0.2%(w/v)まで加え、2時間(p932)又は4時間(p933)発現させた。次いで細胞を遠心分離によって採取し、ペリプラズム抽出用のバッファー(20%w/vのスクロース、30mMのトリス-HCl、pH8.0、1mMのEDTA、1mg/mlのリゾチーム、1錠剤/80mLの完全プロテアーゼ阻害剤混合物(Roche、Basel、スイス))中に20 OD/mlの割合で再懸濁し、氷上で30分間インキュベートし、8000rpm及び4℃で15分間遠心分離した。上清はDNase(Fluka、Balgach、スイス)でさらに処理し、4℃で遠心分離し、上清を滅菌濾過した。Ni2+アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製のために濾過物を調製した。充填、洗浄及び溶出は特定イミダゾール濃度(10、20、500mM)で実施した。溶出分画はSDS PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した(図2)。
CRM197に相当する主要バンドを精製からの溶出分画において検出した。タンパク質の測定によって、発酵ブロス1リットル当たり、構築物p932から約2mgのタンパク質及び構築物p933から約4mgのタンパク質の値を得た。このSDS PAGEゲルから切除したタンパク質バンドのN末端配列決定及びMALDI MSMSによって、両方の場合のCRM197のN末端(表1参照)、及びタンパク質が実際CRM197であることを確認した。
p932とp933から発現したタンパク質間の差は、シグナルペプチド配列と生成するCRM197の成熟N末端である。p933は正確な野生型N末端を生成したが、切断効率に関するYスコアはp932に関するYスコアより低い。図1中、p934媒介発現はさらに効率が悪いようであり、したがってYスコアは低い。したがって、天然N末端GADDVをもたらす高いYスコアとシグナルペプチド切断位置の組合せは、大腸菌での高収量CRM197発現に最適な構成であると思われる。発現時間、温度、培地及びインデューサー濃度は、シグナルペプチド切断収量、速度、及び効率、並びにしたがってCRM197収量に影響を与える可能性がある。
6.3 実施例3
異なる構築物の生産性を並行して分析するため、小規模な振とうフラスコでの発現実験を実施し、ペリプラズム抽出物を調製し、クーマシー染色(図3)によりCRM197バンド強度に関してSDS PAGEによって分析し定量化した(表2)。詳細な発現条件は図3及び表2中の凡例において与える。
DsbA、MalE、及びPelBシグナルペプチドは、最適化発現条件と組合せて最大収量をもたらした。発現条件は、シグナルペプチド切断部位の構成よりも収量に対して強い影響があった。しかしながら、シグナルペプチド切断部位の配列の重要性は、例えば(25℃において)p722発現プラスミドで得られた少ない収量によって示される。p722はDsbAシグナルをコードしているが、(例えばp932、p933、p934、又はp936においてコードされる)他の配列と比較してその収量は少ない。シグナルペプチド切断部位の形態はそれらの収量効率に従い分類することができる。ASA-ADD及びAMA-GADDはASA-GADDより効率が良いようであり、AMG-ADDは最も効率が悪い部位である。Yスコアは発現レベルと相関関係はない。
PelBシグナルを含有する試験した全ての構築物は、30℃の発現温度で高収量をもたらした。シグナルペプチド切断部位の配列の違いが収量に劇的に影響を与えることはなかった。しかしながら、シグナルペプチド切断部位の配列の違いは、この組の構築物ではわずかであった。
7 配列
配列番号1:p932
配列番号2:p933
配列番号3:p932から発現されたCrm197アミノ酸配列を含有するシグナルペプチド
配列番号4:p933から発現されたCrm197アミノ酸配列を含有するシグナルペプチド
配列番号5:p722の翻訳されたタンパク質配列
配列番号6:成熟分泌型CRM197

Claims (24)

  1. CRM197を産生する方法であって、CRM197をコードする核酸を含む大腸菌細胞を培養するステップを含み、CRM197を大腸菌細胞のペリプラズムに標的化する異種シグナルペプチドにCRM197が融合されている、方法。
  2. CRM197の野生型シグナルペプチドが欠失している、請求項1に記載の方法。
  3. CRM197の野生型シグナルペプチドが異種シグナルペプチドに置換されている、請求項1に記載の方法。
  4. 異種シグナルペプチドが大腸菌易熱性エンテロトキシン、大腸菌外膜ポーリン(OmpA)、大腸菌マルトース結合タンパク質(MalE)、イー・カロトボランス(E. carotovorans)ペクテートリアーゼ(PelB)、及びバシラス種(Bacillus sp.)エンドキシラナーゼ(XynA)由来のシグナルペプチドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 培養培地1リットル当たり少なくとも5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、300、400、500、600、700、800、900、又は少なくとも1000mgのタンパク質の濃度でCRM197が産生される、請求項1に記載の方法。
  6. 円偏光二色性による測定で産生タンパク質の少なくとも50%が正しくフォールディングしている、請求項1又は5に記載の方法。
  7. 産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%が正しくフォールディングしている、請求項1又は5に記載の方法。
  8. 産生タンパク質の少なくとも50%が凝集体中に存在しない、請求項1又は5に記載の方法。
  9. 産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%が凝集体中に存在しない、請求項1又は5に記載の方法。
  10. 産生タンパク質の少なくとも50%が可溶性である、請求項1又は5に記載の方法。
  11. 産生タンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は少なくとも99.9%が可溶性である、請求項1又は5に記載の方法。
  12. 異種ヌクレオチド配列がペリプラズムにCRM197を標的化するシグナルペプチドとCRM197タンパク質の間に切断部位をコードし、
    前記切断部位がアミノ酸配列aa1-aa2-aa3-(切断部位)-aa4-aa5-aa6-aa7-aa8を含み、式中、
    aa1がAla、Ser、Gly、Cys、Thr、及びGlnから選択され、
    aa2が任意の天然アミノ酸から選択され、
    aa3がPhe、His、Tyr、Trp、Asp、Glu、Lys、Arg Asn、及びGln以外の任意の天然アミノ酸から選択され、
    aa4〜8がala-asp-asp-val及びgly-ala-asp-asp及びmet-gly-ala-aspから選択されるか、又は
    前記切断部位がアミノ酸配列aa1-aa2-aa3-(切断部位)-aa4-aa5-aa6-aa7-aa8を含み、式中、
    aa4〜8がala-asp-asp-val及びgly-ala-asp-asp及びmet-gly-ala-aspから選択され、且つ
    SignalP4.0サーバーによる分析時にオープンリーディングフレームの最初の70アミノ酸が0.72を超えるYスコアをもたらす、
    請求項1又は5に記載の方法。
  13. 異種ヌクレオチド配列が配列番号1又は2のタンパク質をコードする、請求項1又は5に記載の方法。
  14. 異種ヌクレオチド配列がl-アラビノース誘導性araBADプロモーター(PBAD)、lacプロモーター、l-ラムノース誘導性rhaP BADプロモーター、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、trc及びtacプロモーター、ラムダファージプロモーターpL、及びアンヒドロテトラサイクリン誘導性tetAプロモーター/オペレーターからなる群から選択されるプロモーターに作動可能に連結している、請求項1又は5に記載の方法。
  15. CRM197をコードする核酸が高コピー発現プラスミドに挿入されている、請求項1又は5に記載の方法。
  16. 高コピー発現プラスミドがpEC415、pBR322、pBAD、pETシリーズ、pUCシリーズ、pACT3、pEXT22、pEXT20、pBLUESCRIPTシリーズ、pGEMシリーズである、請求項15に記載の方法。
  17. OD600 >0.3の培養密度でCRM197の発現を誘導する、請求項1又は5に記載の方法。
  18. OD600 >0.5、>1、又は>1.5の培養密度でCRM197の発現を誘導する、請求項17に記載の方法。
  19. 37℃の温度でCRM197を発現させる、請求項1又は5に記載の方法。
  20. 20、25、30、32、又は35℃の温度でCRM197を発現させる、請求項1又は5に記載の方法。
  21. 発現したCRM197の少なくとも50%がADDV、GADDV、又はMGADDVのN末端を有する、請求項1又は5に記載の方法。
  22. 発現したCRM197の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、少なくとも99.5%又は100%がADDV、GADDV、又はMGADDVのN末端を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 発現したCRM197の少なくとも50%がCys186とCys201の間にジスルフィド結合を有する、請求項1又は5に記載の方法。
  24. 発現したCRM197の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、少なくとも99.5%又は100%がCys186とCys201の間にジスルフィド結合を有する、請求項23に記載の方法。
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