JP2016500704A - 細胞シグナル伝達を変調するための組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
る。
本発明は、細胞シグナル伝達の変調、特に成長因子シグナル伝達の制御及び調節のうち少なくともいずれかのための、化合物、組成物、方法並びにキット及びアッセイを提供する。
PCからの成長因子放出の阻害がもたらされうる。さらに提供されるのは、細胞ニッチにおける遊離の成長因子のレベルを上昇させる方法であって、前記GPCを、GPCを標的とするモノクローナル抗体に接触させることを含んでなる方法である。
ステップと、該哺乳動物から抗体を産生する細胞を収集するステップと、得られた細胞を不死化することによってモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマを作出するステップとを含んでなる方法によって得られたモノクローナル抗体を提供する。
詳細な説明
本発明は、特にTGF‐β及び関係する細胞外マトリックスのシグナル伝達経路において、細胞シグナル伝達のアンタゴニスト又はアゴニストのいずれかの役割を果たす成長因子指向性作用薬(GDA)を提供する。
〔成長因子指向性作用薬(GDA)〕
ある実施形態では、本発明は少なくとも1つの成長因子指向性作用薬すなわちGDAを含んでなる化合物及び組成物を提供する。本明細書中で使用されるように、用語「成長因子」は、細胞の挙動の変化、例えば、限定するものではないが細胞成長、細胞増殖及び細胞分化の変化を刺激する1以上の生体分子を指す。成長因子はペプチド又はポリペプチドであってよく、他の種類の生体分子に関連していてもよい。通常の成長因子としては、限定するものではないが、骨形態形成タンパク質(BMP)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、上皮成長因子(EGF)、エリトロポエチン(EPO)、線維芽細胞成長因子(FGF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM‐CSF)、成長分化因子‐9(GDF9)、肝細胞成長因子(HGF)、肝細胞がん由来成長因子(HDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、遊走刺激因子、神経成長因子(NGF)、胎盤成長因子(PGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トロンボポエチン(TPO)、形質転換成長因子アルファ(TGF‐α)ファミリーのメンバー、形質転換成長因子ベータ(TGF‐β)ファミリーのメンバー、腫瘍壊死因子アルファ(TNF‐α)、血管内皮成長因子(VEGF)、並びにWnt(ウィント)及びNotch(ノッチ)シグナル伝達経路のメンバーが挙げられる。本明細書中で使用されるように、用語「成長因子指向性作用薬」又
は「GDA」とは、成長因子に関連した細胞シグナル伝達を、変更、変調、アンタゴナイズ、アゴナイズ、又は何らかの方法で混乱させるように機能する、外因的に供給された化合物、組成物又は実体を指す。一般に、GDAは任意の化学物質であってよい。いくつかの実施形態では、GDAはポリマー体を含んでなるものでもよいし、非ポリマー体を含んでなるものでもよい。いくつかの実施形態では、GDAは、1以上の抗体、融合タンパク質、新規なポリペプチド、核酸、多糖類、脂質及び小分子組成物のうち少なくともいずれか、並びに/又はこれらのコンジュゲート及び組み合わせのうち少なくともいずれかを含んでなることができる。いくつかの実施形態では、GDAは1以上の調節要素に対して指向性である。いくつかの実施形態では、GDAはTGF‐β又はTGF‐βファミリーメンバーの成長因子に関連する細胞シグナル伝達を変調する。いくつかの実施形態では、GDAは、少なくとも1つの成長因子プロドメイン複合体(GPC)との接触により、成長因子に関連する細胞シグナル伝達を変調する。いくつかの実施形態では、GDAは、1以上の細胞外(extacellular)マトリックス及び細胞マトリックスのうち少なくともいずれか(ECCM)の構成要素と接触することにより、成長因子に関連する細胞シグナル伝達を変調する。
いくつかの実施形態では、GDAは少なくとも1つの標的部位に対して指向性である。本明細書中で使用されるように、用語「標的部位」とは、GDA化合物又は組成物と、細胞、組織、器官又は生物体の中の生体分子又は生体構造物との間の相互作用の1以上の領域を指す。いくつかの実施形態では、標的部位は1つのタンパク質上のみに存在してもよいし、2以上のタンパク質によって形成されてもよい。
、調節要素及びGPC若しくは関連構造物のうち少なくともいずれかの上の、又は該調節要素及びGPC若しくは関連構造物のうち少なくともいずれかに沿った、任意の数の標的部位と結合又は相互作用することができる。
いくつかの実施形態では、調節要素はGPCの少なくとも1つのプロドメインを含んでなる。本明細書中で使用されるように、用語「プロドメイン」は、機能タンパク質と連続して合成されるが典型的には成熟型タンパク質から開裂されるN末端タンパク質ドメインを指す。プロドメインは長さが数個(10)〜数百アミノ酸であってよい。いくつかの実施形態では、プロドメインは翻訳後修飾を受ける。そのような翻訳後修飾には、限定するものではないが、リン酸化、ユビキチン化、グリコシル化及びピロリル化(pyrolization)が挙げられる。
本明細書中で使用されるように、用語「細胞外及び細胞マトリックス」すなわちECCMは、細胞外マトリックス及び細胞マトリックスの両方、並びに細胞外及び細胞表面の環境の構成要素に直接的又は間接的に関連しうるさらなるタンパク質又は分子(例えば、限定するものではないがタンパク質、核酸、膜、脂質及び糖など)を指す。いくつかの実施形態では、ECCM構成要素には、例えば、限定するものではないが、潜在型TGF‐β結合タンパク質(LTBP)、フィブリリン、エラスチン、コラーゲンなどのような分子が挙げられる。いくつかの実施形態では、ECCM構成要素には細胞及び血小板が含まれる。いくつかの実施形態では、ECCM構成要素には、細胞及び血小板表面に関連するタンパク質及び分子、例えば、限定するものではないがGARP(glycoprotein−A repetitions predominant protein)、受容体、プロテオグリカン、糖質分子、内在性膜タンパク質、糖脂質などが挙げられる。いくつかの実施形態では、ECCM構成要素にはGPC変調因子が含まれる。いくつかの実施形態では、成長因子シグナル伝達経路の変調は、特定の細胞ニッチ内において生じうる。したがって、GDAは、特定の細胞ニッチ内において作動、標的化、及び機能のうち少なくともいずれかを為すように設計されうる。本明細書中で使用されるように、用語「細胞ニッチ」とは、哺乳類の生物体内における、又は該生物体に由来する、組織、器官又は器官系内の細胞系の独自の一組の生理学的条件を指す。細胞ニッチは、in vivo、in
vitro、ex vivo、又はin situで生じうる。成長因子シグナル伝達に関与する複雑な性質及び動態プロセスを考えると、細胞ニッチは機能的、空間的又は時間的に位置付けられてもよいし、1以上の細胞を包含する任意の環境を指すために使用されてもよい。そのため、いくつかの実施形態では、細胞ニッチには、例えば栄養細胞のような支援を提供する別の細胞に隣接している任意の細胞の環境が含まれる。
1つの実施形態では、検出方法は、リン酸SMADに対する抗体の使用とその後の免疫ペルオキシダーゼに基づいた結合抗体の視覚化を含みうる。別例として、遺伝子発現の誘導が、GFP又はルシフェラーゼの発現を駆動するTGF‐β誘導型プロモータを使用して単層細胞培養物又は組織切片において検出されてもよい。上記に開示された方法は過去の出版物に記載されており、該出版物には、ワング(Wang)、R.ら、「GARPはTGFβの生物学的利用能及び活性化を調節する(GARP regulates the bioavailability and activation of TGFβ)」、モレキュラー・バイオロジー・オブ・ザ・セル(Mol Biol Cell)、2012年3月、第23巻、第6号、p.1129−39;アベ(Abe)、M.ら、「プラスミノーゲンアクチベータインヒビター1プロモータ‐ルシフェラーゼ構築物でトラ
ンスフェクトされた細胞を用いる形質転換成長因子‐βのアッセイ」、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal Biochem)、1994年2月1日、第216巻、第2号、p.276−84;米国特許第7015906号;同第5967979号;同第7863569号;同第7297961号;同第7738107号;同第6784999号及び同第7358056号明細書が含まれ、これらはいずれも全体が参照によって本願に組込まれる。
GDAは抗体又はそのフラグメントを含んでなることができる。本明細書中で使用されるように、用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、かつ具体的には様々な実施形態、例えば、限定するものではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば少なくとも2つの完全な抗体から形成された二重特異性抗体)、及び所望の生物活性を示す限りはダイアボディのような抗体フラグメントに及ぶ。抗体は元来アミノ酸に基づいた分子であるが、糖部分などを用いた1以上の修飾をさらに含んでなることもできる。
けられることもある。「一本鎖Fv」又は「scFv」は、本明細書中で使用されるように、VH及びVL抗体領域の融合タンパク質であって、これらの領域がともに連結されて一本のポリペプチド鎖となっているものを指す。いくつかの実施形態では、Fvポリペプチドリンカーが、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。
、抗体ミメティックは、当分野で既知のもの、例えば、限定するものではないがアフィボディ分子、アフィリン(affilin)、アフィチン(affitin)、アンチカリン(anticalin)、アビマー(avimer)、ダルピン(DARPin)、フィノマー(Fynomer)及びクニッツ(Kunitz)並びにドメインペプチドであってよい。他の実施形態では、抗体ミメティックは1以上の非ペプチド領域を備えてもよい。
〔成長因子指向性作用薬(GDA):抗体、特性解析〕
本発明の抗体は、該抗体の標的分子、該抗体を生成するために使用される抗原、該抗体の(アゴニスト又はアンタゴニストのいずれとしてであれ)機能、及び該抗体が機能する細胞ニッチ、によって特性解析がなされうる。
体の特性を放出抗体であるとするのに十分である。当然ながら、GDA抗体の投与後の成長因子の放出は局所的な場合があり、かつ長期間にわたって生じる場合もあり、かつ放出のピーク又は急増を含む場合もある。本発明のGDA抗体は、数分間、数時間、数日又はそれ以上にわたって成長因子を放出するように作用しうる。
約4時間〜約7日以内、又はin vitroにおいてはより短期間に、初期のトラフを有しうる。例えば、阻害又は安定化の初期のトラフは、約4時間〜約5時間、又は約4時間〜約6時間、又は約4時間〜約7時間、又は約4時間〜約8時間、又は約4時間〜約9時間、又は約4時間〜約10時間、又は約4時間〜約11時間、又は約4時間〜約12時間、又は約4時間〜約24時間、又は約4時間〜約36時間、又は約4時間〜約48時間、又は約1日〜約7日、又は約1日〜約2日、又は約1日〜約3日、又は約1日〜約4日、又は約4日〜約5日、又は約4日〜約6日、又は約4日〜約7日に生じうる。GDAの導入は、存在する成長因子のうち5%〜100%の阻害又は安定化をもたらしうる。例えば、成長因子の阻害又は安定化の割合(%)は、約5%〜約10%、又は約5%〜約15%、又は約5%〜約20%、又は約5%〜約25%、又は約10%〜約30%、又は約10%〜約40%、又は約10%〜約50%、又は約10%〜約60%、又は約20%〜約70%、又は約20%〜約80%、又は約40%〜約90%、又は約40%〜約100%であってよい。
変異が過度のTGF‐β活性化を引き起こしているカムラチ・エンゲルマン病の治療に有用であろう。そのような抗体はさらに、フィブリリン又はLTBP中の突然変異がTGF‐β及びBMPの活性化を変化させるマルファン症候群においても有用であろう。
本発明の抗体はその標的に結合する前に細胞内へと内在化せしめられる場合もある。内在化すると、該抗体は、シグナル伝達事象の増大若しくは減少、1以上のGPCの放出若しくは安定化、成長因子放出の阻止若しくは促進、又は1以上の細胞ニッチの変更を為すように作用しうる。
TGF‐βファミリーのメンバーは全て共通の三次元構造を備えたプロドメインを有することが最近理解されたが、プロドメインの配列及び従って構造は、極めて相違している(シャイ(Shi)、M.ら、「潜在型TGF‐βの構造及び活性化(Latent TGF−β structure and activation.)」、ネイチャー(Nature)、2011年6月15日;第474巻、第7351号、p.343−9)。この相違は、細胞外環境での成長因子の標的化及び放出の調節におけるプロドメインの卓越した特殊性をコードしている。
抗原の構成要素として使用されうる隣接配列には相同又は非相同な配列が含まれうる。これらは他のプロドメイン又は非プロドメインタンパク質配列から選択されうる。
(Met:M)、アスパラギン(Asn:N)、のいずれかによって識別され、ここではそれぞれアミノ酸が最初に、続いて括弧で囲んで3文字及び1文字の記号が、列挙されている。
本発明のGDAは、ポリペプチド全体、複数のポリペプチド又はポリペプチドのフラグメントであって、独立に1以上の核酸、複数の核酸、核酸のフラグメント又は前述のうちいずれかのバリアントによってコードされうるものとして存在しうる。本明細書中で使用されるように、「ポリペプチド」は、ほとんどの場合はペプチド結合によってともに連結された、アミノ酸残基(天然又は非天然)のポリマーを意味する。該用語は、本明細書中で使用されるように、任意の大きさ、構造、又は機能のタンパク質、ポリペプチド、及びペプチドを指す。いくつかの実例では、コードされるポリペプチドは約50アミノ酸より小さく、よって該ポリペプチドはペプチドと呼ばれる。ポリペプチドがペプチドである場合、少なくとも約2、3、4個、又は少なくとも5個のアミノ酸残基の長さとなるであろう。よって、ポリペプチドには、遺伝子産物、天然に存在するポリペプチド、合成ポリペプチド、ホモログ、オーソログ、パラログ、フラグメント並びにその他先述のものの等価物、バリアント及びアナログが含まれる。ポリペプチドは単一の分子であってもよいし、二量体、三量体又は四量体のような多分子複合体であってもよい。それらはさらに単鎖又は多重鎖のポリペプチドを含んでなることも可能であり、関連付け又は連結されていてもよい。ポリペプチドという用語はさらに、1以上のアミノ酸残基が対応する自然界のアミノ酸の人工的化学類似物であるアミノ酸ポリマーにも適用されうる。
なり、好ましくは、バリアントは未変性の配列に対して少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%相同となろう。
本発明は、バリアント及び誘導体を含む、アミノ酸に基づいたいくつかの種類のGDAについて企図する。これらには、置換、挿入、欠失及び共有結合のバリアント及び誘導体が含まれる。このように、本発明の範囲内に含まれるのは、置換、挿入及び付加のうち少なくともいずれか、欠失並びに共有結合性の修飾を含有しているGDA分子である。例を挙げると、配列タグ又はアミノ酸、例えば1以上のリジンなどが、本発明のペプチド配列に(例えばN末端又はC末端に)付加されることが可能である。配列タグはペプチドの精製又は局在化のために使用することが可能である。リジンは、ペプチド溶解度を上昇させるため、又はビオチン化を可能にするために使用可能である。別例として、ペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ末端及びアミノ末端の領域にあるアミノ酸残基は、任意選択で欠失せしめられて短縮型配列が提供されてもよい。ある種のアミノ酸(例えばC末端又はN末端の残基)は、例えば、可溶性であるか又は固体支持体に連結したより大きな配列の一部としての配列の発現のような、配列の使用法に応じて選択的に欠失せしめられてもよい。
イシン、アラニン、メチオニンのような非極性(疎水性)アミノ酸残基の、システイン、グルタミン、グルタミン酸又はリジンのような極性(親水性)残基との置換、及び極性残基の非極性残基との置換が挙げられる。
成要素として定義される。本発明のタンパク質の特徴には、表面的徴候、局所的な立体配座形状、折り畳み構造、ループ、半ループ、ドメイン、半ドメイン、部位、末端又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
半ドメインは、該ドメインの整数の部分又はその次の整数の部分(ドメイン/2±0.5アミノ酸というアミノ酸の数)を含んでなることになる。例えば、7アミノ酸のドメインであると同定されたドメインは、3アミノ酸又は4アミノ酸(7/2=3.5±0.5で3又は4となる)の半ドメインを生じると考えられる。さらに当然のことながら、サブドメインがドメイン内又は半ドメイン内で同定される場合もあり、これらのサブドメインは、由来元のドメイン又は半ドメインにおいて同定された構造的又は機能的性質の全ては所有していない。さらに当然のことながら、本明細書中のドメインの種類のうちいずれかを構成するアミノ酸は、ポリペプチドの主鎖に沿って連続している必要はない(すなわち、隣接していないアミノ酸が構造的に折り畳まれてドメイン、半ドメイン又はサブドメインを生じる場合もある)。
vitro若しくはin vivoのアッセイ、又は当分野で既知の任意の他の適当なスクリーニングアッセイを使用して、活性に関して試験されうる。
本発明のGDAは、同位体である1以上の原子を含有しうる。本明細書中で使用されるように、用語「同位体」は1以上の追加の中性子を有する化学元素を指す。1つの実施形態では、本発明の化合物は重水素化されていてもよい。本明細書中で使用されるように、用語「重水素化」は、1以上の水素原子が重水素同位体に置き替えられた物質を指す。重水素同位体は水素の同位体である。水素の核は1つの陽子を含有するが、重水素核は陽子及び中性子の両方を含有している。GDAは、安定性のような化合物の物性を変化させるために、又は化合物が診断的及び実験的適用に使用されることを可能にするために、重水素化される場合がある。
本発明では、本発明のGDA、抗原及び抗体のうち少なくともいずれかが、1以上の相同又は非相同な分子とともに複合体、コンジュゲート、又は組み合わせと為されうることが企図されている。本明細書中で使用されるように、「相同な(homologous)分子」は出発分子に対して構造又は機能のうち少なくとも一方において類似していることを意味し、「非相同な(heterologous)分子」とは、出発分子に対して構造又は機能のうち少なくとも一方において異なっている分子である。したがって、構造的ホモログは構造的にほぼ同様な分子である。それらは同一である可能性もある。機能的ホモログは機能的にほぼ同様な分子である。それらは同一である可能性もある。
可能である。
本発明の抗体は、当分野で既知又は本願に記載された方法によって生産される、ポリクローナル若しくはモノクローナル又は組換えの抗体であってよい。
ウマ、又はニワトリを起源とする。本発明の抗体は、単特異性であっても多重特異性(例えば二重特異性、三重特異性、若しくはより大きな多重特異性)であってもよい。多重特異性抗体は、本発明のペプチドの異なるエピトープについて特異的であってもよいし、本発明のペプチドと、異種のエピトープ、例えば異種のペプチド又は固体支持体材料との両方に特異的であってもよい。(例えば、国際公開第93/17715号;同第92/08802号;同第91/00360号;同第92/05793号;タット(Tutt)、A.ら、「静止期の細胞毒性T細胞を活性化及びリダイレクトするためにTCR/CD3複合体及びCD2を介した協調的シグナル伝達を使用する三重特異性F(ab’)3誘導体(Trispecific F(ab’) 3 derivatives that use cooperative signaling via the TCR/CD3
complex and CD2 to activate and redirect resting cytotoxic T cells.)」、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J Immunol.)、1991年7月1日、第147巻、第1号、p.60−9;米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、同第5,601,819号明細書、及びコステルニー(Kostelny)、S.A.ら、「ロイシンジッパーの使用による二重特異性抗体の形成(Formation of a bispecific antibody by the use of leucine zippers.)」、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J Immunol.)、1992年3月1日、第148巻、第5号、p.1547−53を参照のこと)。例えば、抗体は、本発明のペプチド配列の単位の繰り返しを含有するペプチドに対して生産されてもよいし、本発明の2つ以上のペプチド配列を含有するペプチドに対して生産されてもよいし、又はこれらの組み合わせであってもよい。
ing antibody of predefined specificity)」、ネイチャー(Nature)、1975年8月7日;第256巻、第5517号、p.495−7)を使用して調製される。ハイブリドーマ法においては、マウス、ハムスター、又はその他の適切な宿主動物が、典型的には、免疫剤(例えば本発明のペプチド)を用いて、該免疫剤に特異的に結合する抗体を産生するか又は産生能力を有するリンパ球を誘発するために免疫化される。別例として、リンパ球はin vitroで免疫化されてもよい。リンパ球はその後、ハイブリドーマ細胞を形成するためにポリエチレングリコールのような適当な融合剤を使用して不死化細胞株と融合せしめられる(ゴーディング(Goding)、J.W.、「モノクローナル抗体:原理と実践(Monoclonal Antibodies: Principles and Practice)」、アカデミック・プレス(Academic Press)、1986年、p.59−1031)。不死化細胞株は、通常は形質転換された哺乳動物細胞、特にげっ歯動物、ラビット、ウシ及びヒトを起源とする骨髄腫(ミエローマ)細胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫細胞株が使用される。ハイブリドーマ細胞は、融合していない不死化細胞の増殖又は生存を阻害する1以上の物質を好ましくは含有する適当な培地において培養されうる。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いている場合、ハイブリドーマのための培地は典型的には、HGPRT欠損細胞の成長を防止する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含むことになろう(「HAT培地」)。
for production of human monoclonal antibodies)」、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J Immunol.)、1984年12月、第133巻、第6号、p.3001−5;ブロジャー(Brodeur)、B.ら、「モノクローナル抗体生産の技法及び応用(Antibody Production Techniques and Applications)」、米国ニューヨークのマルセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)、1987年、第33巻、p.51−63)。
versatile computerized approach for characterization of ligand−binding systems)」、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal Biochem)、1980年9月1日、第107巻、第1号、p.220−39)。
ントにコーティングされた酵母細胞である。これらの抗体フラグメントをコードしているcDNAのディスプレイライブラリが最初に利用されるが、該抗体フラグメントは各々独自の配列を有している。これらの融合タンパク質は何百万もの酵母細胞の細胞表面上で発現され、該細胞表面上において該タンパク質は、該細胞とともにインキュベートされた所望の抗原標的ペプチドと相互作用することができる。標的ペプチドは、適当な抗体フラグメントとの結合に成功した後の効率的な細胞選別を可能にするために、化学基又は磁性基(magnetic group)を用いて共有結合又は他の方法で修飾されてもよい。回収は、磁気細胞分離法(MACS)、蛍光細胞分離法(FACS)又は当分野で既知の他の細胞選別方法によるものであってよい。酵母細胞の部分集団が選択されれば、CDR配列を決定するために対応するプラスミドが分析されればよい。
from phage display libraries)」、ジーン(Gene
)、1997年3月10日、第187巻、第1号、p.9−18);PCT出願番号第PCT/GB91/01134号;PCT国際公開第90/02809号;同第91/10737号;同第92/01047号;同第92/18619号;同第93/11236号;同第95/15982号;同第95/20401号;並びに米国特許第5,698,426号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,733,743号及び同第5,969,108号明細書に開示されたものが含まれ、前記文献は参照によりその全体が本願に組み込まれる。バクテリオファージ上での抗体フラグメントの発現は、該フラグメントをコードするcDNAを、ウイルスコートタンパク質を発現する遺伝子に挿入することにより実行されうる。繊維状バクテリオファージのウイルスコートは、一本鎖のゲノムによってコードされた5個のコートタンパク質から構成される。コートタンパク質pIIIは、典型的にはN末端における抗体フラグメントの発現に好適なタンパク質である。抗体フラグメントの発現がpIIIの機能を損なう場合、ウイルスの機能は野生型pIIIの共発現によって回復されうるが、そのような発現はウイルスコート上に発現される抗体フラグメントの数を低減し、とはいえ標的抗原による抗体フラグメントへのアクセスを増強する場合がある。ウイルスタンパク質及び抗体フラグメントタンパク質の発現は、別例として複数のプラスミド上にコードされてもよい。この方法は、感染性プラスミドの全体的な大きさを縮小し、かつ形質転換効率を高めるために使用されうる。
ために使用可能である。突然変異及び選択を数回継続することにより、さらにより高い親和性を備えたクローンの合成が促進される(チャオ(Chao)、G.ら、「酵母表面ディスプレイを用いたヒト抗体の単離及びエンジニアリング(Isolating and
engineering human antibodies using yeast surface display)」、ネイチャー・プロトコール(Nat Protoc)、2006年、第1巻、第2号、p.755−68)。
of a single−gene−encoded immunoglobulin
from myeloma cells)」、米国科学アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci U S A)、1993年9月1日、第90巻、第17号、p.7995−9)及びスケラ(Skerra)ら(スケラ(Skerra)、A.ら、「大腸菌における機能的免疫グロブリンFvフラグメントのアセンブリ(Assembly of a functional immunoglobulin Fv fragment in Escherichia coli)」、サイエンス(Science)、1988年5月20日、第240巻、第4855号、p.1038−41)に記載された技法が含まれ、前記文献はそれぞれ全体が参照により本願に組込まれる。
Immunol Methods)、1989年12月20日、第125巻、第1−2号、p.191−202;並びに米国特許第5,807,715号;同第4,816,567号;及び同第4,816,397号明細書、これらは参照により全体が本願に組み込
まれる)。ヒト化抗体とは、ヒト以外の生物種由来の抗体分子であって、所望の抗原に結合し、かつヒト以外の生物種由来の1以上の相補性決定領域(CDR)とヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域とを有するものである。多くの場合、ヒトのフレームワーク領域のフレームワーク残基は、抗原との結合を変更、好ましくは改善するために、ドナー抗体のCDR及びフレームワーク領域由来の対応する残基で置換される。上記のフレームワーク置換は、当分野において良く知られた方法により、例えば抗原との結合にとって重要なフレームワーク残基を同定するためにCDRとフレームワーク残基との相互作用をモデル化することにより、また特定部位における他と異なるフレームワーク残基を同定するための配列比較により、同定される。(米国特許第5,693,762号及び同第5,585,089号明細書;リーヒマン(Riechmann)、L.ら、「治療のためのヒト抗体の再形成(Reshaping human antibodies for therapy)」、ネイチャー(Nature)、1988年3月24日、第332巻、第6162号、p.323−7、これらの文献は参照により全体が本願に組み込まれる)。抗体は、当分野において既知の様々な技法、例えば、CDR移植(欧州特許第239,400号明細書;PCT国際公開第91/09967号;米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号;及び同第5,585,089号明細書);ベニアリング(veneering)又は表面再装(resurfacing)(欧州特許第592,106号明細書;欧州特許第519,596号明細書;パドラン(Padlan)、E.A.、「抗体可変領域のリガンド結合性を保存しつつ免疫原性を低減するための可能な手法(A possible procedure for reducing the immunogenicity of antibody variable domains while preserving their ligand−binding properties)」、モレキュラー・イムノロジー(Mol Immunol.)、1991年4月−5月、第28巻、第4−5号、p.489−98;ストゥドニチカ(Studnicka)、G.M.ら、「人為操作型モノクローナル抗体はCDR以外の相補性変調残基の保存により完全な特異結合活性を保持する(Human−engineered monoclonal antibodies retain full specific binding activity by preserving non−CDR complementarity−modulating residues)」、プロテイン・エンジニアリング(Protein Eng.)、1994年6月、第7巻、第6号、p.805−14;ログスカ(Roguska)、M.A.ら、「可変領域の表面再装によるネズミ科動物モノクローナル抗体のヒト化(Humanization of murine monoclonal antibodies
through variable domain resurfacing)」、米国アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci U S A)、1994年2月1日、第91巻、第3号、p.969−73);並びにチェーン・シャフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号明細書);を使用してヒト化されることが可能であり、前記文献はそれぞれ参照により全体が本願に組込まれる。
ロブリンポリヌクレオチドを発現することは可能であるトランスジェニックマウスを使用して、生産されることも可能である。例えば、ヒトの重鎖及び軽鎖免疫グロブリンポリヌクレオチド複合体は、マウスの胚性幹細胞へ、無作為に、又は相同組換えにより、導入されることが可能である。別例として、ヒトの可変領域、定常領域、及びダイバーシティ領域(diversity region)がヒトの重鎖及び軽鎖のポリヌクレオチドに加えてマウスの胚性幹細胞に導入されてもよい。マウスの重鎖及び軽鎖免疫グロブリンポリヌクレオチドは、相同組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入を用いて別個又は同時に機能しないようになされうる。特に、JH領域のホモ接合性の欠失は内因性の抗体産生を妨げる。改変された胚性幹細胞は増殖せしめられて、キメラマウスを生産するために胚盤胞に顕微鏡下注入される。このキメラマウスは次に、ヒト抗体を発現するホモ接合体の子孫を生じるために繁殖せしめられる。該トランスジェニックマウスは、選択された抗原、例えば本発明のポリペプチドのうち全て又は一部を用いて通常の方法で免疫化される。
本発明は核酸分子を包含する。いくつかの実施形態では、核酸はGDAをコードする。そのような核酸分子には、限定するものではないが、DNA分子、RNA分子、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、mRNA分子、ベクター、プラスミドなどが含まれる。いくつかの実施形態では、核酸はそれ自身がGDAである。そのようなGDAは核酸アプ
タマーを含んでなることができる。さらに含まれるのは、上記に開示された核酸分子を発現するようにプログラム又は生成された細胞である。
概して、本発明のGDA組成物によって結合、隔離、接触又は変更されうる任意の生体分子、細胞構造、細胞シグナル伝達経路又は細胞ニッチは、本発明の「標的」と考えられる。本発明の標的としては、抗体のようなGDAとの結合又は相互作用を指す場合、ECCMシグナル伝達分子、具体的にはTGF‐β及びインテグリンファミリーのECCMシグナル伝達分子が挙げられる。
TGF‐βファミリーは広く重要である。胚発生においては、該ファミリーの33個のメンバーが主要な発生プロセス全てについて、かつほとんど全ての器官の形成の詳細について調節する。このファミリーによって調節される重要な働きの多くは出生時までに遂行されるが、その後該ファミリーは、免疫応答、創傷治癒、骨成長、内分泌機能、及び筋肉量を含む数多くのプロセスを調節し続ける。
。さらなる実施形態では、GDA抗体は、BMP1/トロイドプロテアーゼファミリーのメンバーによって認識されるプロテアーゼ開裂部位を封鎖する。潜在型TGF‐β又は潜在型ミオスタチンに対するそのような抗体は、細胞による分泌後及び細胞外マトリックス中での沈積前に、潜在型TGF‐β‐LTBP複合体、又はプロテオグリカンとの潜在型ミオスタチン複合体の分解を誘発するために使用される可能性も考えられる。ミオスタチン活性を阻害するようなGDAは、筋組織の修復及び増強のうち少なくともいずれかに使用されてもよい。
インテグリンはαサブユニット及びβサブユニットによって形成された細胞表面のヘテロ二量体であり、該サブユニットはそれぞれ膜貫通ドメインを有し、細胞外ドメインのN末端部分において集合してリガンド結合部位を形成する。よって、αV及びβ6の両方のサブユニットがαVβ6インテグリンのリガンド結合部位を形成する。
結合しない。代わりに、該抗体はヒト/げっ歯動物アミノ酸置換を含有するエピトープに結合し、該エピトープは抗体のFabフラグメントがリガンドのドメインのうちの1つを立体的に障害するのには十分にリガンド結合部位に近接している。このドメインは多くの場合、インテグリンに結合するドメイン1ではなく近隣のドメイン2である。同様に、乾癬の治療用に数年間クリニックにあった(was in the clinic)LFA1のIドメインに対する抗体は、結合を直接的には阻止しなかった。代わりに該抗体は、ICAM‐1のドメイン2がICAM‐1のドメイン1の結合を可能にするのに十分なだけLFA‐1に接近するのを立体的に防止した。インテグリンに対する抗体治療薬の開発の歴史はこのように、抗体が誘発されるのを可能にした特定のヒト/げっ歯動物アミノ酸置換に、また第二にはリガンド結合を阻止する性質をも有していた抗体の機能的選択に、限定されている。
インテグリンは、TGF‐βファミリーのメンバーほどは保存されていない。コラーゲン結合性のインテグリンαサブユニットの中では、α1は、α2、α10、及びα11にそれぞれ38、34、及び37%同一である。しかしながら、リガンド結合性のαIドメインの保存はより高く、54〜56%である。ヒトとマウスとの間では、完全なα1エクトドメイン及びリガンド結合性のαIドメインはそれぞれ88%及び94%同一である。αVサブユニットは他のRGD結合性のインテグリンαサブユニットと36〜46%同一であり、他のインテグリンサブファミリーのαサブユニットと19〜25%同一である。ヒトとマウスとの間では、αV及びβ6エクトドメインはそれぞれ93及び90%同一である。
タイプI、II及びIII受容体も本発明の標的として企図される。細胞の外側では、TGF‐βはタイプIIIのTGF‐β受容体(RIII)又はタイプIIのTGF‐β受容体(RII)のいずれかに結合することができる。RIIIは単にRII受容体へのTGF‐βの呈示において機能する。RIIIタンパク質は最も豊富であり、TGF‐βシグナル伝達活性全体を決定するのに重要な因子である。それらは高い親和性をもってTGF‐βに結合し、異なる種類の細胞で発現される異なる種類が存在する。βグリカンとしても知られるTGF‐β受容体3(TGFBR3)は遍在的に発現される一方、別のRIIIであるエンドグリンは主として血管内皮細胞で発現されている。いずれも、小さな細胞内ドメインと大きな細胞外ドメインとを備えたタイプIの膜貫通型タンパク質である。これらはさらに、いずれもその細胞外ドメインの開裂を生じやすく、該ドメインは可溶性のアンタゴニストとなって、TGF‐βが細胞と相互作用することができる前にTGF‐βに結合して中和する。
酸化及び活性化をもたらす。
its role in physiological and pathological conditions)」、クリニカル・サイエンス(Clin Sci)(英国ロンドン)、2011年9月、第121巻、第6号、p.233−51;ブローブ(Blobe)、G.C.ら、「ヒトの疾患における形質転換成長因子βの役割(Role of transforming growth factor beta in human disease)」、ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N Engl J Med)、2000年5月4日、第342巻、第18号、p.1350−8)。
Notch及びWntシグナル経路のタンパク質はマウスとヒトとの間で90%以上同一である。Notch1は急性リンパ性白血病の50%において突然変異しており、該突然変異は活性化している。古典的なNotchシグナル伝達は、Notch膜貫通型受容体へのリガンドタンパク質の結合を伴う。結合によりタンパク質分解性の開裂が始まり、細胞内ドメインが放出されるが、該ドメインは核へ移行してNotch依存性の遺伝子調節に参加することが可能な部位である(アンデション(Andersson)、E.R.ら、「Notchシグナル伝達:設計の簡潔性、機能の万能性(Notch signaling: simplicity in design, versatility in function)」、ディベロプメント(Development)、2011年9月、第138巻、第17号、p.3593−612)。いくつかの実施形態では、Notch膜貫通型受容体は、該受容体のタンパク質分解性の開裂を変調する調節要素を含んでなる。Notch抗体の開発においてはすでにいくらかの進歩がなされてきた。「Wnt」タンパク質は、本明細書中で言及されるように、細胞の極性、可塑性、成長および増殖を方向付けることが知られた細胞シグナル伝達タンパク質群である。いくつかの実施形態では、Wntタンパク質は成長因子であってよい。該タンパク質は、ハエで同定された遺伝子Wingless(ウィングレス)と、ウイルス誘導性の乳房腫瘍におけるアップレギュレーションにより同定されたInt‐1遺伝子との組み合わせによって命名されている。古典的なWntシグナル伝達は、対応するFrizzled(Fz)受容体及び共受容体である低密度リポタンパク質受容体様タンパク質(LRP)5又は6へのWntタンパク質の結合を伴う。細胞内での効果は、β‐カテニンを分解から救済してβ‐カテニンが核に移動して遺伝調節に参加するのを可能にすることである。Wntシグナル伝達は、いくつかの疾患において混乱を来していることが示されている。そのような疾患の例には、限定するものではないが、がん、糖尿病及び冠動脈疾患が挙げられる(クレバーズ(Clevers)、H.ら、「Wnt/β‐カテニンシグナル伝達と疾患(Wnt/β−catenin signaling and disease)」、セル(Cell)、2012年6月8日、第149巻、第6号、p.1192−205)。いくつかの実施形態では、Wntタンパク質は調節要素を含んでなる。そのような要素はWntの他の因子との関連付けに必要とされる場合がある。1つの実施形態では、Wnt調節要素は、Wntの、ECCM構成要素、例えば、限定するものではないが糖部分及びプロテオグリカンのうち少なくともいずれかとの相互作用を変調する。いくつかの実施形態では、GDAは、Notch及びWntのうち少なくともいずれかの調節要素を標的として、Notch及びWntのうち少なくともいずれかの活性の刺激、増強、阻害及び阻止のうち少なくともいずれかをもたらしうる。いくつかの実施形態では、GDAは、Wnt及びNotch依存的な細胞シグナル伝達に関与するタンパク質を標的とすることにより、Notch又はWntの活性を変調するように作用することができる。そのような標的は表6に列挙されている。
いくつかの天然のアンタゴニスト、例えば骨形態形成タンパク質(BMP)アンタゴニストであるコーディン(chordin)、ノギン(noggin)、グレムリン(gremlin)、スクレロスチン(sclerostin)、及びツイステッドガスツラレイション(twisted gastrulation)はin vivoにおいて発生を調節するために機能する。システインノットモチーフはこれらのアンタゴニストの多くに存在し、該アンタゴニストは主にリガンドが受容体と相互作用するのを妨げる。一部の
アンタゴニストは成熟型リガンドのプロセシングを妨げる。また、強力なWnt経路阻害剤でもあるスクレロスチンに対する、あるモノクローナル抗体は、骨粗鬆症において骨量を増加させるための新たなアプローチとして臨床試験中であるが、その他の天然アンタゴニストに対する抗体も依然として必要とされている。
〔治療薬〕
本発明の組成物及び方法は種々様々の障害及び状態を治療するために使用されうる。これらには、限定するものではないが、線維症、高齢者の貧血、がん、化学療法後の迅速な造血の促進、骨治癒、血管内膜増殖症候群及び希少適応のマルファン症候群、カムラチ・エンゲルマン病が挙げられる。疾患の治療又は軽快という有効性は、例えば、疾患の進行、疾患の緩解、症状の重症度、疼痛の低減、生活の質、治療効果を保持するために必要な薬物の用量、疾患マーカーのレベル、又は治療対象若しくは予防対象である所与の疾患に関して適切な任意の他の測定可能なパラメータ、を測定することによって評価可能である。そのようなパラメータのうち任意のもの又はパラメータの任意の組み合わせを測定することによる、治療又は予防の有効性のモニタリングは、十分に当業者の能力の範囲内にある。GDA又はGDAの医薬組成物の投与に関して、例えばがんに「対して有効である」とは、臨床的に適切な方法での投与が、少なくとも統計的に有意な割合の患者について有益な効果を、例えば症状の好転、治癒、疾病負荷(disease load)の低減、腫瘍の重量若しくは細胞数の低減、寿命の延長、生活の質の改善、又は、特定のタイプのがんの治療に精通している医師が肯定的であるとして概ね認識するその他の効果をもたらすということを示している。
TGF‐βのアンタゴニストの主な適用は線維症の治療である。TGF‐βは線維化反応の中心的な首謀者であると認識されている。
動物モデルはさらに、線維症の治療におけるGDAの有効性の分析にも利用可能である。そのようなモデルにおいては(On such model is)、ホーラン(Horan)らによって記載されるようなブレオマイシン誘導肺損傷モデルがある(ホーラン(Horan)G.S.ら、「インテグリンα(v)β6の部分阻害は炎症を悪化させることなく肺線維症を防止する(Partial inhibition of integrin alpha(v)beta6 prevents pulmonary fibrosis without exacerbating inflammation)」、アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピラトリー・アンド・クリティカル・ケア・メディシン(Am J Respir Crit Care Med)、2008年1月1日、第177巻、第1号、p.56−65、電子出版2007年10月4日)。このモデルでは、SV129マウスは、肺線維症の発症をもたらすブレオマイシンに経気管的に
曝露される。このモデルを用いて、治療薬候補が腹腔内注射によって投与され、一方で死後肺組織又は気管支肺胞洗浄収集物が線維化活性の指標としてヒドロキシプロリンのレベルについてアッセイされることが可能である。同じ技法を使用して、コラーゲンIα2遺伝子プロモータによって駆動されるルシフェラーゼレポーター遺伝子を担持するマウスが該モデルに使用されて、線維化活性がコラーゲン遺伝子誘導に応じたルシフェラーゼ活性のアッセイによって判定されてもよい。
1つの実施形態では、GDAは、貧血(赤血球の減少)、血小板減少症(血小板数の減少)及び好中球減少症(好中性数の減少)のうち少なくともいずれかに罹患している患者を治療するために設計されうる。
fracture healing)」、インターナショナル・オルソペディクス(Int Orthop)、2011年9月、第35巻、第9号、p.1271−80)。本発明のGDAは、BMP(好ましくはBMP2及びBMP7のうち少なくともいずれか)アゴニストとして機能することによって、化学療法後の骨髄細胞の回復、ひいては好中性及び血小板の機能の産生の、速度を上げることができる。そのようなGDAは、化学療法を受けているか又は化学療法の影響から回復しつつある個体のための重要な治療薬であるかもしれない。
utr)、2010年11月、第1巻、第1号、p.38−45、電子出版2010年11月16日)。ヘモジュベリンは、ごく最近同定され、かつ抗体についての記述がほとんどない、高度に保存されたタンパク質である。その発現は肝臓及び骨格筋に限定されており、肝臓及び骨格筋のいずれにおいても鉄の調節における役割を果たしているが、肝臓が最も重要な部位である。
is a key endogenous regulator of hepcidin expression and iron metabolism.)」、ネイチャー・ジェネティクス(Nat Genet.)、2009年4月、第41巻、第4号、p.482−7、電子出版2009年3月1日)並びにヘモジュベリン機能喪失(Hjv
−/−)マウス(ホアン(Huang)、F.W.ら、「若年性血色素症のマウスモデル(A mouse model of juvenile hemochromato
sis.)」、ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J Clin Invest.)、2005年8月、第115巻、第8号、p.2187−91)が挙げられる。野生型マウスと比較すると、若いBmp6機能喪失マウスは肝臓のヘプシジンmRNAのレベルの著しい減少(10倍)及び血清中の鉄レベルの増加を示す。ヘモジュベリン機能喪失マウスは鉄の急速かつ全身性の蓄積を患う。加えて、肝臓のヘプシジンレベルはダウンレギュレートされる。
様々ながんが本発明のGDAを用いて治療される可能性がある。例えば、GDAを含有する組成物ががんの治療に使用される。本明細書中で使用されるように、がんとは、周囲の組織に侵入して新たな身体部位へと転移する傾向を有する未分化細胞の増殖という特性を有する様々な悪性新生物のうち任意のものを指し、かつそのような悪性新生物の成長という特性を有する病理学的状態をも指している。がんは腫瘍である場合もあれば悪性血液疾患である場合もあり、限定されるものではないが、すべての種類のリンパ腫/白血病、癌腫及び肉腫、例えばがん又は腫瘍であって肛門、膀胱、胆管、硬骨、脳、乳房、頚部、結腸/直腸、子宮内膜、食道、目、胆嚢、頭頚部、肝臓、腎臓、喉頭、肺、縦隔(胸部)、口腔、卵巣、膵臓、陰茎、前立腺、皮膚、小腸、胃、脊髄、尾骨、睾丸、甲状腺及び子宮に見出されるものが挙げられる。
肉腫(angiosarcoma)、皮膚線維肉腫、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管周皮細胞腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、及びアスキン腫瘍、ユーイング肉腫(原始神経上皮腫瘍)、悪性血管内皮腫、悪性シュワン腫、骨肉腫、並びに軟骨肉腫が挙げられる。
ビシン、DX8951f、E7070、EGFR、エピルビシン、エリトロポイエチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16‐213)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FK317、フラボピリドール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5‐FU)、フルタミド、フラギリン(Fragyline)、ゲムシタビン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、インターフェロン・アルファ‐2a、インターフェロン・アルファ‐2b、インターロイキン‐2、イリノテカン、ISI641、クレスチン、レモナール(Lemonal)DP2202、リュープロリド酢酸塩(LHRH放出因子アナログ)、レバミソール、LiGLA(リチウム‐γリノレン酸)、ロディンシード(Lodine Seed)、ロメテキソール(Lometexol)、ロムスチン(CCNU)、マリミスタット(Marimistat)、メクロレタミン塩酸塩(ナイトロジェンマスタード)、酢酸メゲストロール、メグラミン(Meglamine)GLA、メルカプトプリン、メスナ、ミトグアゾン(メチル‐GAG;)メチルグリオキサールビス‐グアニルヒドラゾン;MGBG)、ミトタン(o.p’‐DDD)、ミトキサントロン、ミトキサントロン塩酸塩、MMI270、MMP、MTA/LY231514、オクトレオチド、ODN698、OK‐432、経口プラチナ製剤、経口タキソイド、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、PARP阻害剤、PD183805、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、PKC412、プリカマイシン、プロカルバジン塩酸塩、PSC833、ラリトレキセド(Ralitrexed)、RASファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、RAS腫瘍誘発遺伝子阻害剤、セムスチン(メチル‐CCNU)、ストレプトゾシン、スラミン、クエン酸タモキシフェン、タキサンアナログ、テモゾロミド、テニポシド(VM‐26)、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、チロシンキナーゼ、UFT(テガフール/ウラシル)、バルルビシン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、VX‐710、VX‐853、YM116、ZD0101、ZD0473/アノルメド(Anormed)、ZD1839、ZD9331が挙げられる。
対する膀胱内BCG免疫療法、悪性黒色腫及び腎細胞癌などに対する特異的な免疫応答を生成するワクチン剤、並びに、前立腺由来の細胞に対する特異的免疫応答を誘導するために患者由来の樹状細胞に前立腺性酸性ホスファターゼペプチドが装荷される、前立腺がんについてのシプリューセル‐Tの使用が挙げられる。
本発明のGDA組成物は、硬骨の障害の治療及び硬骨の治癒又は修復の改善のうち少なくともいずれかを行うために使用されてもよい。硬骨の細胞リモデリングは、骨格の完全性の維持を支援する生涯続くプロセスである。このプロセスは、硬骨の欠損部及び脆弱な領域を修復するために機能する、破骨細胞の骨吸収と骨新形成とのサイクルを伴っている。TGF‐βファミリーのメンバー、好ましくはBMPは、破骨細胞による吸収及び形成のプロセスのカップリングにおける重要な因子であると考えられている。TGF‐βファミリーのメンバーは骨基質に広く見られ、骨の損傷によってアップレギュレートされる。TGF‐βファミリーのメンバーはさらに、完全に形成された骨基質に強度を与えて骨折に対する抵抗を付与しているとも考えられている。骨リモデリングにおけるTGF‐βファミリーメンバーの役割から、TGF‐βファミリーメンバーは硬骨の障害及び疾患を治療するための潜在的な治療薬の魅力的な標的となっている。
One)、2009年、第4巻、第4号、p.e5275、電子出版2008年4月16日)において、TGF‐βタイプI受容体の阻害は、C57Bl/6マウスにおいて強力な阻害剤SD‐208の1日2回の強制経口投与により実行された。続いて、骨ミネラル密度(BMD)がPIXImusマウス用デンシトメータ(GE Lunar II、米国イリノイ州ホイーリングのファキシトロン・コーポレイション(Faxitron Corp.))を使用して分析された。BMDの変化は走査されたエリアにおける変化率(%)として表される。本研究は、治療処置の6週間後にオスのマウスが4.12%の硬骨増加の上昇を示し、メスのマウスが5.2%の増加を示すことが分かった。
部位へ、又は移植デバイス及びコーティング済み生体マトリックスへの組み込みによって、導入されうる。加えて、GDAがそのGPCと一緒に治療域に供給されてGPCからの成長因子の緩徐な放出を促す治療が企図される。
本発明のGDA組成物は血管新生性かつ血管内膜増殖性の症候群、疾患又は障害を治療するために使用されうる。用語「血管新生」は、本明細書中で使用されるように、新たな血管の形成及び再組織のうち少なくともいずれかを指す。血管新生性の疾患は、体内の血管新生に対する制御不能を伴う。そのような場合、血管の成長、形成又は再組織は、健康な組織を保持するには過度に活動的である場合(腫瘍の成長時、及び制御不能な細胞の成長が血液供給の増大を要求する(requires increases blood supply)場であるがんなど)もあれば不十分な場合もある。そのような状態には、限定するものではないが血管腫、血管肉腫、毛細血管拡張症、リンパ管腫、先天性血管異常、腫瘍血管新生及び手術後の血管構造が挙げられる。過度の血管新生は、がん、黄斑変性、糖尿病性失明、慢性関節リウマチ、乾癬及びその他数多くの状態においてみられる。過度の血管新生は、過度の血管新生性成長因子の発現によって促進されることが多い。本発明のGDAは過度の血管新生に関与する成長因子を阻止するために作用しうる。別例として、本発明のGDAは、血管新生が阻害されている状態において血管新生を増強するべく成長因子シグナル伝達を促進するために利用される場合もある。そのような状態には、限定するものではないが、冠動脈疾患、卒中、糖尿病及び慢性創傷が挙げられる。
本発明のGDA組成物は希少な適応及び疾患のうち少なくともいずれかを治療するために使用されてもよい。そのような疾患にはマルファン症候群が含まれる。この症候群は、身体の成長及び発達をもたらす(effecting)結合組織障害である。最も激しく損なわれる組織及び器官には、心臓、血管、硬骨、目、肺、及び脊髄周囲の結合組織が含まれる。不運にも、その影響は生命に関わる可能性がある。マルファン症候群は、身体の結合組織の主成分であるフィブリリンを産生する遺伝子の遺伝子突然変異を原因とする。潜在型TGF‐β結合タンパク質(LTBP)は、フィブリリンタンパク質ファミリーのメンバーに高い同一性を示す、TGF‐βシグナル伝達の重要な調節因子である。機能的LTBPは、活性TGF‐βの放出の制御に必要である(オクル(Oklu)、R.ら、「潜在型形質転換成長因子β結合タンパク質(LTBP)ファミリー(The latent transforming growth factor beta binding protein (LTBP) family)」、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem J.)、2000年12月15日、第352巻、第3号、p.601−10)。この実施形態では、GDA組成物は、TGF‐βの放出プロファイルを変更するように設計される。そのような場合、GDA抗体は阻害抗体となるであろう。
secretion of the mutant protein)」、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Biol Chem.)、2003年2月28日、第278巻、第9号、p.7718−24、電子出版2002年12月18日)。シャイ(Shi)らにより述べられているように(シャイ(Shi)、M.ら、「潜在型TGF‐βの構造及び活性化(Latent TGF−beta structure and activation)」、ネイチャー(Nature)、2011年6月15日、第474巻、第7351号、p.343−9、doi:10.1038/nature10152)、CED突然変異の中でもY52HはTGF‐βフィンガーを包み込むα2‐ヘリックス残基を破壊する。電荷が逆転するE140K及びH193D突然変異は、プロドメインの二量体化接触面のGlu140とHis193との間のpHで調節された塩橋を破壊する。残基Arg189はほぼ埋没しているが:これはTyr142とのカチオンπ結合及び成長因子プロドメイン複合体(GPC)の「ボウタイ」領域の残基Asp197との二量体接触面を横切る塩橋を形成する。さらに、Cys194及びCys196におけるCED突然変異は、TGF‐βを不活性型に保持するためのボウタイ領域のジスルフィド結合の重要性を実証している。この実施形態では、阻害性のGDA抗体は症状を緩和する役割を果たすことになろう。さらにこの実施形態では、投与は新生児の対象者に対するものとなろう。
本発明のGDA組成物は免疫性及び自己免疫性の疾患を治療するために使用されてもよい。そのような障害には、限定するものではないが、急性散在性脳脊髄膜炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経異常症、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索及びニューロンの神経障害、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性再発性多発性オストマイエライティス(Chronic recurrent multifocal ostomyelitis)(CRMO)、チャーグ‐ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心伝導障害、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、1型糖尿
病、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)ウェゲナーを参照(see Wegener’s)、グレーブス病、ギラン‐バレー症候群、橋本脳炎(Hashimoto’s encephalitis)、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ‐シェーンライン紫斑病、妊娠疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質(Immunoregulatory lipoproteins)、封入体筋炎、インスリン依存型糖尿病(1型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年型糖尿病、川崎病、ランバート‐イートン症候群、大型血管炎(Large vessel vasculopathy)、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、狼瘡(SLE)、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ‐ハーベルマン病、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性硬化症、筋炎、重症筋無力症、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(小児自己免疫性溶連菌関連性神経精神障害)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリー・ロンベルグ症候群、パーソネージ‐ターナー症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型及びIII型多腺性自己免疫症候群、多内分泌症、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変症、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球ろう、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、不隠下肢症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、小血管性血管症、精子及び精巣の自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ‐ハント症候群、横断脊髄炎、尿細管自己免疫障害(Tubular autoimmune disorder)、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、水疱性皮膚病、脈管炎、白斑並びにウェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症(GPA)としても知られる)が挙げられる。
Biol Cell)、2012年3月、第23巻、第6号、p.1129−39、電子出版2012年1月25日)。1つの実施形態では、GDAは免疫性又は自己免疫性の疾患の治療に使用されうる。別の実施形態では、GDAは、特にGARPに結合したGPC、GARP又はGARPとGPCとの間の相互作用部位を標的としてもよい。1つの実施形態では、GDA抗体は、GARPに結合したGPCからの成長因子(TGF‐βを含むがこれに限定はされない)の放出を促進するがLTBPに結合したGPCからの成長因子の放出には影響しないように設計される。GDA組成物を用いた免疫性及び自己免疫性の疾患の治療は、標準的治療(SOC)との組み合わせ又は相乗的な組み合わせであってもよいし、コンパニオン診断を伴ってもよい。
本発明はさらに、例えば感染症に罹患している対象者における、感染性の疾患又は障害の治療のためのGDAの使用に関する。いくつかの好ましい実施形態では、対象者は感染症に罹患しているか、又は感染症に罹患するリスクを有している。「感染症」は、本明細書中で使用されるように、宿主体内で複製する外来の生物体又は病原体が宿主に存在することに起因する疾患又は状態を指す。感染症は、典型的には感染性の生物体又は病原体による正常な粘膜又は他の組織の障壁の突破を伴う。感染症に罹患している対象者とは、対象者の体内に存在する客観的に測定可能な感染性の生物体又は病原体を有している対象者である。感染症に罹患するリスクを有している対象者とは、感染症を発症しやすい素因を有している対象者である。そのような対象者には、例えば、感染性の生物体又は病原体への曝露が既知であるか又は疑わしい対象者が含まれうる。感染症に罹患するリスクを有している対象者にはさらに、感染性の生物体又は病原体に対する免疫応答を開始する能力の低下を伴う状態を備えた対象者、例えば先天性又は後天性の免疫不全症の対象者、放射線照射療法又は化学療法を受けている対象者、熱傷の対象者、外傷を負った対象者、手術若しくは他の侵襲的な医療処置若しくは歯科処置を受けている対象者も含まれうる。
例えばエボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えばパラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス);アデノウイルス;オルソミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);ブンガウイルス科(Bungaviridae)(例えばハンターンウイルス、ブンガウイルス(bunga virus)、フレボウイルス及びナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルス(orbiviurses)及びロタウイルスすなわちロタウイルスA、ロタウイルスB.ロタウイルスC);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(A型及びB型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(ほとんどのアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1及び2、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス;エプスタイン‐バーウイルス ;ラウス肉腫ウイルス;西ナイルウイルス;日本馬脳炎、ノーウォーク、乳頭腫ウイルス、パルボウイルスB19;ポキシイリダエ(Poxyiridae)(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);及びイリドウイルス科(例えばアフリカ豚コレラウイルス);D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、並びに分類不能ウイルス(例えば、海綿状脳症の原因病原体、デルタ肝炎の病原体(B型肝炎ウイルスの不完全サテライトであると考えられる)、非A非B型肝炎の病原体(クラス1=経腸感染型;クラス2=非経口感染型(すなわちC型肝炎);ノーウォークウイルス及び近縁のウイルス、及びアストロウイルス)が挙げられる。
agalactiae)(B群連鎖球菌)、連鎖球菌(ビリダンス群)、糞便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボヴィス(Streptococcus bovis)、連鎖球菌(嫌気性菌の一種)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属細菌、エンテロコッカス属細菌、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(インフルエンザB型菌、及び無莢膜型インフルエンザ菌)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム属細菌、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasturella multocida)、バクテロイデス属細菌、フソバクテリウ
ム・ヌクレアトゥム(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバシラス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フランベジアトレポネーマ(Treponema pertenue)、レプトスピラ、リケッチア、アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomyces israelii)、髄膜炎菌、百日咳菌、肺炎球菌、シゲラ菌、破傷風菌、コレラ菌(Vibrio cholerae)、エルシニア、シュードモナス属細菌、クロストリジウム属細菌、チフス菌(Salmonella typhi)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、ペスト菌(Yersinia pestis)、ブルセラ属細菌、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リケッチア属、クラミジア、ウェルチ菌(Clostridium perfringens)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、並びに百日咳菌(Bordetella pertussis)が挙げられる。
・ドノバニ(Leishmania donovani))、トキソプラズマ(トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii))、ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)、ローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma rhodesiense)(アフリカ睡眠病)、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)(シャーガス病)、蠕虫(扁虫、回虫)、バベシア・ミクロチ(Babesia microti)、多型バベシア(Babesia divergens)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
タキシムナトリウム;セフォテタン;セフォテタンジナトリウム;塩酸セフォチアム;セフォキシチン;セフォキシチンナトリウム;セフピミゾール;セフピミゾールナトリウム;セフピラミド;セフピラミドナトリウム;硫酸セフピロム;セフポドキシムプロキセチル;セフプロジル;セフロキサジン;セフスロジンナトリウム;セフタジジム;セフチブテン;セフチゾキシムナトリウム;セフトリアキソンナトリウム;セフロキシム;セフロキシムアキセチル;セフロキシムピボキセチル;セフロキシムナトリウム;セファセトリルナトリウム;セファレキシン;セファレキシン塩酸塩;セファグリシン;セファロリジン;セファロチンナトリウム;セファピリンナトリウム;セフラジン;セトシクリン塩酸塩;セトフェニコール;クロラムフェニコール;パルミチン酸クロラムフェニコール;パントテン酸クロラムフェニコール複合体;コハク酸クロラムフェニコールナトリウム;クロルヘキシジンホスファニル酸塩;クロロキシレノール;重硫酸クロルテトラサイクリン;塩酸クロルテトラサイクリン;シノキサシン;シプロフロキサシン;塩酸シプロフロキサシン;シロレマイシン;クラリスロマイシン;クリナフロキサシン塩酸塩;クリンダマイシン;塩酸クリンダマイシン;塩酸パルミチン酸クリンダマイシン;リン酸クリンダマイシン;クロファジミン;クロキサシリンベンザチン;クロキサシリンナトリウム;クロキシキン;コリスチンメタナトリウム;硫酸コリスチン;クメルマイシン;クメルマイシンナトリウム;シクラシリン;サイクロセリン;ダルホプリスチン;ダプソン;ダプトマイシン;デメクロサイクリン;デメクロサイクリン塩酸塩;デメサイクリン;デノフンギン;ジアベリジン;ジクロキサシリン;ジクロキサシリンナトリウム;ジヒドロストレプトマイシン硫酸塩;ジピリチオン;ジリスロマイシン;ドキシサイクリン;ドキシサイクリンカルシウム;ドキシサイクリンフォスファテックス;ドキシサイクリン塩酸塩水和物;ドロキサシンナトリウム;エノキサシン;エピシリン;エピテトラサイクリン塩酸塩;エリスロマイシン;エリスロマイシンアシストラート;エリスロマイシンエストレート;エチルコハク酸エリスロマイシン;グルコヘプトン酸エリスロマイシン;ラクトビオン酸エリスロマイシン;エリスロマイシンプロピオナート;ステアリン酸エリスロマイシン;塩酸エタンブトール;エチオナミド;フレロキサシン;フロキサシリン;フルダラニン;フルメキン;ホスホマイシン;ホスホマイシントロメタミン;フモキシシリン;塩化フラゾリウム;酒石酸フラゾリウム;フシジン酸ナトリウム;フシジン酸;硫酸ゲンタマイシン;グロキシモナム;グラミシジン;ハロプロジン;ヘタシリン;ヘタシリンカリウム;ヘキセジン;イバフロキサシン;イニペネム(Inipenem);イソコナゾール;イセパマイシン;イソニアジド;ジョサマイシン;硫酸カナマイシン;キタサマイシン;レボフラルタドン;レボプロピルシリンカリウム;レキシスロマイシン;リンコマイシン;塩酸リンコマイシン;ロメフロキサシン;塩酸ロメフロキサシン;メシル酸ロメフロキサシン;ロラカルベフ;マフェナイド;メクロサイクリン;メクロサイクリンスルホサリチラート;メガロマイシンカリウムホスファート;メキドクス;メロペネム;メタサイクリン;塩酸メタサイクリン;メテナミン;馬尿酸メテナミン;マンデル酸メテナミン;メチシリンナトリウム;メチオプリム;メトロニダゾール塩酸塩;リン酸メトロニダゾール;メズロシリン;メズロシリンナトリウム;ミノサイクリン;塩酸ミノサイクリン;ミリンカマイシン塩酸塩;モネンシン;モネンシンナトリウム;ナフシリンナトリウム;ナリジクス酸ナトリウム;ナリジキシン酸;ナタマイシン;ネブラマイシン;パルミチン酸ネオマイシン;硫酸ネオマイシン;ウンデシレン酸ネオマイシン;硫酸ネチルマイシン;ノイトラマイシン;ニフラデン;ニフラルデゾン;ニフラテル;ニフラトロン;ニフルダジル;ニフリミド;ニフルピリノール;ニフルキナゾール;ニフルチアゾール;ニトロシクリン;ニトロフラントイン;ニトロミド;ノルフロキサシン;ノボビオシンナトリウム;オフロキサシン;オルメトプリム;オキサシリンナトリウム;オキシモナム;オキシモナムナトリウム;オキソリン酸;オキシテトラサイクリン;オキシテトラサイクリンカルシウム;塩酸オキシテトラサイクリン;パルジマイシン;パラクロロフェノール;パウロマイシン;ペフロキサシン;メシル酸ペフロキサシン;ペナメシリン;ペニシリンGベンザチン;ペニシリンGカリウム;ペニシリンGプロカイン;ペニシリンGナトリウム;ペニシリンV;ペニシリンVベンザチン;ペニシリンVヒドラバミン;ペニシリンVカリウム;
ペンチジドンナトリウム;アミノサリチル酸フェニル;ピペラシリンナトリウム;ピルベニシリンナトリウム;ピリジシリンナトリウム;ピルリマイシン塩酸塩;ピバンピシリン塩酸塩;ピバンピシリンパモ酸塩;ピバンピシリンプロベナート;ポリミキシンB硫酸塩;ポルフィロマイシン;プロピカシン;ピラジナミド;ピリチオン亜鉛;酢酸キンデカミン;キヌプリスチン;ラセフェニコール;ラモプラニン;ラニマイシン;レロマイシン;レプロマイシン;リファブチン;リファメタン;リファメキシル;リファミド;リファンピン;リファペンチン;リファキシミン;ロリテトラサイクリン;硝酸ロリテトラサイクリン;ロサラミシン;ロサラミシンブチラート;ロサラミシンプロピオナート;ロサラミシンリン酸ナトリウム塩;ロサラミシンステアラート;ロソキサシン;ロキサルソン;ロキシスロマイシン;サンサイクリン;サンフェトリネムナトリウム;サルモキシシリン;サルピシリン;スコパフンギン;シソマイシン;硫酸シソマイシン;スパルフロキサシン;塩酸スペクチノマイシン;スピラマイシン;スタリマイシン塩酸塩;ステフィマイシン;硫酸ストレプトマイシン;ストレプトニコジド(Streptonicozid);スルファベンズ;スルファベンザミド;スルファセタミド;スルファセタミドナトリウム;スルファシチン;スルファジアジン;スルファジアジンナトリウム;スルファドキシン;スルファレン;スルファメラジン;スルファメータ;スルファメタジン;スルファメチゾール;スルファメトキサゾール;スルファモノメトキシン;スルファモキソール;スルファニラート亜鉛;スルファニトラン;スルファサラジン;スルファソミゾール;スルファチアゾール;スルファザメト;スルフイソキサゾール;アセチルスルフイソキサゾール;スルフイソキサゾールジオラミン;スルホミキシン;スロペネム;スルタミシリン;サンシリンナトリウム;塩酸タランピシリン;テイコプラニン;テマフロキサシン塩酸塩;テモシリン;テトラサイクリン;塩酸テトラサイクリン;テトラサイクリンリン酸塩複合体;テトロキソプリム;チアンフェニコール;チフェンシリンカリウム;チカルシリンクレシルナトリウム;チカルシリン二ナトリウム;チカルシリン一ナトリウム;チクラトン;塩化チオドニウム;トブラマイシン;トブラマイシン硫酸塩;トスフロキサシン;トリメトプリム;トリメトプリム硫酸塩;トリスルファピリミジン;トロレアンドマイシン;トロスペクトマイシン硫酸塩;チロトリシン;バンコマイシン;塩酸バンコマイシン;バージニアマイシン;及びゾルバマイシン、が挙げられる。
他の抗真菌剤は細胞膜の完全性を不安定にすることにより機能し、また他の抗真菌剤はキチンの破壊(例えばキチナーゼ)又は免疫抑制(501クリーム(501 cream))により機能する。よって、本明細書中に記載の方法に有用な典型的な抗真菌性の薬剤には、限定するものではないが、イミダゾール、501クリーム、及びアクリゾルシン、アンブルチシン、アモロルフィン、アムホテリシンB、アザコナゾール、アザセリン、バシフンギン(Basifungin)、BAY38−9502、ビホナゾール、塩酸ビフェナミン、ビスピリチオンマグスルフェクス、ブテナフィン、硝酸ブトコナゾール、ウンデシレン酸カルシウム、カンジシジン、カルボールフクシン、キチナーゼ、クロルダントイン、シクロピロックス、シクロピロクスオラミン、シロフンギン、シスコナゾール、クロトリマゾール、クプリミキシン、デノフンギン、ジピリチオン、ドコナゾール、エコナゾール、硝酸エコナゾール、エニルコナゾール、エトナム硝酸塩、フェンチコナゾール硝酸塩、フィリピン、FK463、フルコナゾール、フルシトシン、フンギマイシン、グリセオフルビン、ハマイシン、イソコナゾール、イトラコナゾール、カラフンギン、ケトコナゾール、ロモフンギン、リジマイシン、メパルトリシン、ミコナゾール、硝酸ミコナゾース、MK991、モネンシン、モネンシンナトリウム、塩酸ナフチフィン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ニフラテル、ニフルメロン、ニトララミン塩酸塩、ナイスタチン、オクタン酸、硝酸オルコナゾール、硝酸オキシコナゾール、オキシフンギン塩酸塩、パルコナゾール塩酸塩、パルトリシン、ヨウ化カリウム、プラディマイシン、プロクロノール、ピリチオン亜鉛、ピロルニトリン、ルタマイシン、塩化サングイナリウム、サペルコナゾール、スコパフンギン、硫化セレン、セルタコナゾール、シネフンギン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チラム、チクラトン、チオコナゾール、トルシクラート、トリンダート、トルナフテート、トリアセチン、トリアフンギン、UK292、ウンデシレン酸、ビリドフルビン、ボリコナゾール、ウンデシレン酸亜鉛、及びジノコナゾール塩酸塩が挙げられる。
キナクリンHC1、硫酸キニーネ、グルコン酸キニジン、スピラマイシン、スチボグルコン酸ナトリウム(グルコン酸アンチモンナトリウム)、スラミン、テトラサイクリン、チアベンダゾール、チミダゾール(timidazole)、トリメトロプリム(trimethroprim)‐スルファメトキサゾール、及びトリパルサミドが含まれ、これらのうちいくつかは単独で使用されてもよいし他のものと組み合わせて使用されてもよい。
本発明の組成物及び方法は、ヒト以外の脊椎動物の介護及び治療を含む獣医医療の領域における有用性を見出すことになろうことも企図されている。本明細書中に記載されるように、用語「ヒト以外の脊椎動物」には、ヒトを除く全ての脊椎動物、例えば野生生物、並びにコンパニオンアニマル及び家畜のような飼育生物が含まれる。ヒト以外の脊椎動物には、哺乳動物、例えばアルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、畜牛、シカ、イヌ、ロバ、ガヤール、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ラビット、トナカイ、ヒツジ 水牛、及びヤクが挙げられる。家畜には、食物のような物資、労働、並びに繊維及び化学製品のような派生製品を生産するために農業環境において育てられた飼育動物が含まれる。一般に、家畜には潜在的な農業的意義を有している全ての哺乳動物、鳥、及び魚が含まれる。特に、4本足の食肉処理用動物には去勢牛、若雌牛、雌牛、子牛、雄牛、畜牛、ブタ及びヒツジが含まれる。
本発明の1つの実施形態には、宿主細胞内で生物学的製品を生産する方法であって、該細胞を、標的遺伝子の発現を変調すること又は成長因子シグナル伝達分子のレベルを変更することが可能なGDA(抗体又は融合タンパク質など)と接触せしめることにより、そのような変調又は変更が生物学的製品の生産を増強する方法がある。本発明によれば、バイオプロセシング方法は、1以上の本発明のGDAの使用により改善されうる。バイオプロセシング方法はさらに、1以上のGDAの補足、交換、又は追加によっても改善されうる。
本明細書中に記載された医薬組成物は、生物学的利用能、治療濃度域及び分布容積のうち1以上の特性を有することができる。
1つの実施形態では、医薬組成物はGPCを伴ったGDA複合体で構成されている。そのような実施形態では、GDA:GPC複合体は、GDAからのGPC及び成長因子の安定した解離が所望の期間にわたって生じる場である所望の治療部位に移植されうる。別の実施形態では、GDA:GPC複合体の移植は海綿マトリックス又は硬骨状マトリックスと関連付けられていてもよい。そのような移植部位には、限定するものではないが歯科インプラント部位及び骨修復部位が挙げられる。
)、「現代の薬剤学、薬物及び薬学(Modern Pharmaceutics, Drugs and the Pharmaceutical Sciences)」、第72巻、マルセル・デッカー、ニューヨーク、インコーポレイテッド(Marcel Dekker, New York, Inc.)、1996年(参照により本願に組み込まれる)に記載されるような方法を使用して計算可能である。
GDAは、本明細書中に記載されるような送達作用薬とともに組成物へと調合された時、投与されたGDA組成物の治療濃度域において、本明細書中に記載されるような送達作用薬を欠いて投与されたGDA組成物の治療濃度域と比較して増大を示すことができる。本明細書中で使用されるように「治療濃度域」とは、治療効果を誘発する可能性の高い、血漿中濃度の範囲、又は作用部位における治療効果のある成分のレベルの範囲を指す。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるような送達作用薬と同時投与された時のGDAの治療濃度域は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は約100%増大する可能性がある。
GDAは、本明細書中に記載されるような送達作用薬とともに組成物へと調合された時、本明細書中に記載されるような送達作用薬を欠く組成物に比べて、改善された分布容積(Vdist)、例えば低い分布容積又は目標の分布容積、を示す可能性がある。分布容積(Vdist)は、体内の薬物の量を血液又は血漿中の薬物の濃度に関係付けている。本明細書中で使用されるように、用語「分布容積」は、体内の薬物の総量を血液又は血漿中と同じ濃度で含有するのに必要とされる流体の体積を指し:Vdistは、体内の薬物量/血液又は血漿中の薬物濃度に等しい。例えば、10mgの投与量で10mg/Lの血漿中濃度については、分布容積は1リットルとなる。分布容積は、薬物が血管外の組織中に存在する程度を反映する。大きな分布容積は、化合物が血漿タンパク質との結合と比較して組織の構成成分に結合する傾向があることを反映する。臨床状況においては、Vdistは定常状態の濃度を達成するための負荷用量を決定するために使用可能である。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるような送達作用薬と同時投与された時のGDAの分布容積は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なく
とも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%低下する可能性がある。
いくつかの実施形態では、GDAは1以上の薬学的に許容可能な添加剤との組み合わせで組成物及び複合体のうち少なくともいずれかを構成する。医薬組成物は、1以上の追加の活性物質、例えば治療的に活性及び予防的に活性のうち少なくともいずれかである物質を任意選択で含んでなることができる。医薬品の調合及び製造のうち少なくともいずれかにおける一般的な考察は、例えば、「レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンズ(Lippincott Williams and Wilkins)、2005年(参照により本願に組込まれる)に見出すことができる。
ことができる。1つの実施形態では、有効成分は調節要素及びGPCのうち少なくともいずれかに対する抗体である。
本発明のGDAは、以下すなわち:(1)安定性の増大;(2)細胞透過性の増大;(3)(例えばGDAの調合物からの)持続放出又は遅延放出を可能にすること;及び(4)生体内分布の変更(例えば、特定の組織又は細胞種をGDAの標的とすること)、のうち少なくともいずれかのための1以上の添加剤を使用して調合可能である。従来の添加剤、例えばあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、又はその他の液体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、保存剤などに加えて、本発明の調合物は、限定するものではないが、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コア‐シェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、GDAがトランスフェクションされた細胞(例えば対象者への移植用)及びこれらの組み合わせを含みうる。
医薬組成物を調合するための様々な添加剤及び該組成物を調製するための技法は当分野において周知である(A.R.ジェンナーロ(Gennaro)、「レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、米国メリーランド州バルチモアのリッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンズ(Lippincott Williams and Wilkins)、2006年を参照のこと)。
本開示による医薬組成物中の有効成分、薬学的に許容可能な添加剤、及び任意の追加成分のうち少なくともいずれかの相対量は、治療されている対象者が誰であるか、該対象者の体格及び状態のうち少なくともいずれかに応じて、またさらに組成物が投与される経路に応じて、変化しうる。
本発明のGDAは、1以上のリポソーム、リポプレックス又は脂質ナノ粒子を使用して調合可能である。1つの実施形態では、GDAの医薬組成物はリポソームを含む。リポソームは、主として脂質二分子膜で構成されかつ栄養素及び医薬調合物の投与のための送達手段として使用されうる人為的に調製された小胞である。リポソームは、様々なサイズのもの、例えば、限定するものではないが、直径数百ナノメートルであり狭い水性コンパートメントによって分離された同心性二分子層の重なりを含んでいる多層ベシクル(MLV)、直径50nm未満の小さな単細胞の(unicellular)小胞(SUV)、及び直径50〜500nmである大きな単層の小胞(LUV)であってよい。リポソームの設計には、限定するものではないが、病変組織へのリポソームの付着を改善するための、
又は限定するものではないがエンドサイトーシスのような事象を活性化するための、オプソニン又はリガンドが含まれうる。リポソームは医薬調合物の送達を改善するために低いpH又は高いpHを含むことができる。
調合物は、その表面上での様々なリガンドの発現を通じて、例えば、限定するものではないが、葉酸、トランスフェリン、N‐アセチルガラクトサミン(GalNAc)、及び抗体を標的とした手法で例証されるようにして、選択的に標的化されることが可能である。
unilamellar sphingomyelin/ cholesterol liposomes: a kinetic study)」、米国アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci USA)、1980年7月、第77巻、第7号、p.4030−4);米国特許第4,485,045号明細書及び米国特許第4,544,545号明細書に記載されるような、当分野で既知の技法によって調製される。循環時間の長いリポソームの生産は米国特許第5,013,556号明細書にも記載されている。
formed vesicles. An improved method for liposome targeting)」、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Biol Chem.)、1982年1月10日、第257巻、第1号、p.286−8)。
本発明のGDAは天然ポリマー及び合成ポリマーのうち少なくともいずれかを使用して調合可能である。送達に使用されうるポリマーの非限定的な例には、限定するものではないが、DMRI/DOPE、ポロキサマー、キトサン、シクロデキストリン及びポリ(乳酸‐グリコール酸)共重合体(PLGA)が挙げられる。これらは生物分解性となりうる。
きる。
本発明の抗体GDAは静脈内投与又は血管外投与のために調合されうる(ドーアティ(Daugherty)ら、「モノクローナル抗体治療薬に関する調合及び送達の問題(Formulation and delivery issues for monoclonal antibody therapeutics)」、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Adv Drug Deliv Rev)、2006年8月7日、第58巻、第5−6号、p.686−706、米国特許出願公開第2011/0135570号明細書、これらはすべて全体が本願に組込まれる)。血管外投与経路には、限定するものではないが、皮下投与、腹腔内投与、脳内投与、眼内投与、病巣内投与、局所投与及び筋内投与が挙げられる。
よい。そのようなゲルは、例えば、カルボキシメチルセルロースを含んでなることができる。水性ゲルはさらにヒアルロン酸ヒドロゲルを含んでなることもできる。抗体は、そのようなゲルに、限定するものではないが中枢神経系の組織などの組織内での持続送達を可能にするヒドラゾン結合によって共有結合されてもよい。
本発明のGDAはペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれかとともに調合可能である。1つの実施形態では、ペプチド、例えば、限定するものではないが、細胞膜透過性のペプチド並びに細胞内送達を可能にするタンパク質及びペプチドが、医薬調合物を送達するために使用されうる。本発明の医薬調合物と共に使用されうる細胞膜透過性ペプチドの非限定的な例には、細胞内空間への送達を容易にする、ポリカチオンに取り付けられた細胞膜透過性ペプチド配列、例えばHIV由来TATペプチド、ペネトラチン、トランスポータン、又はhCT由来の細胞膜透過性ペプチドが挙げられる(例えば、キャロン(Caron)ら、モレキュラー・セラピー(Mol. Ther.)、2001年、第3巻、第3号、p.310−8;ランゲル(Langel)、「細胞膜透過性ペプチド:プロセス及び適用(Cell−Penetrating Peptides: Processes and Applications)」、米国フロリダ州ボカラトンのCRCプレス(CRC Press)、2002年;エル‐アンダロッシ(El−Andaloussi)ら、カレント・ファーマシューティカル・デザイン(Curr. Pharm. Des.)、2003年、第11巻、第28号、p.3597−611;及びデシャイエ(Deshayes)ら、セルラー・アンド・モレキュラー・ライフ・サイエンシズ(Cell. Mol. Life Sci.)、2005年、第62巻、第16号、p.1839−49(これらはすべて参照により本願に組込まれる)を参照されたい)。組成物は、細胞内空間への該組成物の送達を増強する細胞膜透過性の作用物質(例えばリポソーム)を含めるために調合されることも可能である。本発明のGDAは、細胞内送達を可能にするために、ペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれか、例えば、限定するものではないが、エルロン・セラピューティクス(Aileron Therapeutics)(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)及びパーメオン・バイオロジクス(Permeon Biologies)(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)由来のペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれかに複合体化されてもよい(クロニカン(Cronican)ら、ACSケミカル・バイオロジー(ACS Chem. Biol.)、2010年、第5巻、p.747−752;マクノートン(McNaughton)ら、米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、2009年、第106巻、p.6111−6116;ソーヤー(Sawyer)、ケミカル・バイオロジー・アンド・ドラッグ・デザイン(Chem Biol Drug Des)、2009年、第73巻、p.3−6;バーダイン(Verdine)及びハイリンスキー(Hilinski)、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods Enzymol.)、2012年、第503巻、p.3−33;これらはすべて全体が参照により本願に組込まれる)。
ンを高めるため、又はGDAの生体内分布を(例えば特定の組織又は細胞種を標的とすることにより)変更するために、使用されうる。
本発明のGDA組成物の細胞ベースの調合物は、細胞トランスフェクションを(例えば細胞内輸送体に含めて)確実にするために、又は該組成物の生体内分布を(例えば細胞内輸送体を特定の組織若しくは細胞種に対して標的化することにより)変更するために、使用されうる。
核酸又はタンパク質を細胞内に導入するための、例えばウイルス及び非ウイルスを仲介する技法などの様々な方法が、当分野で既知かつ適切である。典型的な非ウイルスを仲介する技法の例には、限定するものではないが、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム仲介型の移入、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、熱ショック、マグネトフェクション、リポソーム仲介型の移入、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクティル(microprojectile)仲介型の移入(ナノ粒子)、カチオン性ポリマー仲介型の移入(DEAEデキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)など)又は細胞融合が挙げられる。
本発明の組成物は、当分野で既知の標準的な方法又は経路のうちのいずれによっても投与されうる。
皮内、(皮膚自体への)、皮下(皮膚の下への)鼻腔投与(経鼻)、静脈内(静脈の中への)、動脈内(動脈の中への)、筋肉内(筋肉の中への)、心臓内の(心臓の中への)、骨内注入(骨髄の中への)、鞘内(脊椎管の中への)、腹腔内、(腹膜の中への注入又は注射)、膀胱内注入、硝子体内、(経眼)、陰茎海綿体注射、(陰茎の基部の中への)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身的分布のための無傷の皮膚を通じた拡散)、経粘膜(粘膜を通じた拡散)、吸入(鼻からの吸引)、舌下、口唇下、浣腸、点眼液(結膜上への)、又は点耳液によるもの、が挙げられる。特定の実施形態では、組成物は該組成物が血液脳関門、血管関門、又はその他の上皮性関門を横切ることが可能となる方法で投与されうる。本発明のGDAのための非限定的な投与経路は以下に記載されている。
経口及び非経口投与のための液体投与形態には、限定するものではないが、薬学的に許容可能な乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤のうち少なくともいずれかが含まれる。有効成分に加えて、液体投与形態は、当分野において一般に使用される不活性の希釈剤、例えば水又はその他の溶剤、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、麦芽、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタン脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含んでなることができる。不活性の希釈剤に加えて、経口組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、甘味料、香味料、並びに賦香剤などを含むことができる。非経口投与のためのある実施形態では、組成物は、可溶化剤、例えばCREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、及びこれらの組み合わせと混合される。他の実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤が含められる。
れる。注射可能なデポー調合物は、体内組織との適合性を有するリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を封入することにより調製される。
直腸投与又は膣内投与のための組成物は、典型的には、組成物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸又は膣腔の中で融解して有効成分を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤用ワックスのような適切な無刺激性添加剤と混合することにより調製可能な坐剤である。
経口投与用の固体投薬形態には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び果粒剤が挙げられる。そのような固体投薬形態では、有効成分は、少なくとも1つの不活性で薬学的に許容可能な添加剤、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸カルシウム、及び/又は充填剤若しくは増量剤(例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸)、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアラビアゴム)、湿潤剤(例えばグリセロール)、崩壊剤(例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム)、溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば第四アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール)、吸収剤(例えばカオリン及びベントナイト粘土)、並びに滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、並びにこれらの混合物、と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、その投与形態は緩衝剤を含んでなる場合もある。
本明細書中に記載されるように、本発明のGDAを含有する組成物は局所投与用に調合されてもよい。皮膚は、容易にアクセス可能であるので送達の理想的な標的部位となりうる。遺伝子発現は、皮膚に限定されて非特異的な毒性を潜在的に回避するだけでなく、皮膚内の特定の層及び細胞種に限定される場合もある。
組成物の局所的及び経皮的のうち少なくともいずれかの投与のための投薬形態には、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液、スプレー、吸入薬及びパッチ剤のうち少なくともいずれかが挙げられる。一般に、有効成分は、必要に応じて、薬学的に許容可能な添加剤、並びに任意の必要とされる保存剤及び/又は緩衝剤のうち
少なくともいずれかと、無菌条件下において混合される。加えて、本発明は、身体への化合物の制御された送達を提供するというさらなる長所を有することの多い経皮的パッチ剤の使用を企図している。そのような投薬形態は、例えば、適切な媒体における化合物の溶解及び調剤(dispensing)のうち少なくともいずれかにより調製されうる。別例として、又は追加として、速度は、律速メンブレンの提供、並びに、ポリマーマトリクス及びゲルのうち少なくともいずれかにおける化合物の分散、のうち少なくともいずれかによって制御されうる。
本明細書中に記載されるように、いくつかの実施形態では、組成物は持続放出のためのデポー剤に調合される。一般に、特定の器官又は組織(「標的組織」)が投与の標的とされる。
〔経肺投与〕
医薬組成物は、口腔を介した経肺投与に適した調合物として調製、包装、及び販売のうち少なくともいずれかがなされてもよい。そのような調合物は、有効成分を含んでなり、かつ約0.5nm〜約7nm又は約1nm〜約6nmの範囲の直径を有する乾燥粒子を含んでなることができる。そのような組成物は、適切には、乾燥散剤を散布するために推進薬が流れ込むように方向付けられた乾燥散剤リザーバを含んでなるデバイスを使用して、かつ/又は、自己推進性溶媒/散剤調剤コンテナ、例えば密閉容器中で低沸点推進薬に溶解及び/若しくは懸濁された有効成分を含んでなるデバイスを使用して、投与するための乾燥散剤の形態である。そのような散剤は粒子を含んでなり、該粒子の重量比で少なくとも98%が0.5nmより大きい直径を有し、かつ該粒子の数の少なくとも95%が7nm未満の直径を有している。別例として、粒子の重量比で少なくとも95%は1nmより大きい直径を有し、かつ該粒子の数の少なくとも90%は6nm未満の直径を有している。乾燥散剤組成物は、糖のような固形微細粉末希釈剤を含む場合があり、好都合には単位用量の形態で提供される。
経肺送達に有用であるとして本明細書中に記載された調合物は、医薬組成物の鼻内送達に有用である。鼻内投与に適した別の調合物は、有効成分を含んでなり、約0.2μm〜500μmの平均粒子を有している粗粉である。そのような調合物は、鼻吸入がなされる方式で、すなわち鼻の近くに置かれた散剤のコンテナからの鼻通路を通した迅速な吸入によって、投与される。
医薬組成物は、点眼又は経耳投与に適した調合物として調製、包装、及び販売のうち少なくともいずれかがなされてもよい。そのような調合物は、例えば、点眼剤又は点耳剤の形態、例えば、水性又は油性の液体添加剤中における有効成分の0.1/1.0%(w/w)の溶液及び懸濁液のうち少なくともいずれかであってよい。そのような滴剤は、緩衝剤、塩類、及び他の本明細書中に記載された任意の追加成分のうち1以上、のうち少なくともいずれかをさらに含んでなることができる。有用なその他の点眼投与可能な調合物には、微晶質形態及びリポソーム調製物のうち少なくともいずれかの有効成分を含んでなるものが挙げられる。網膜下挿入物も投与の形態として使用されうる。
本明細書中に記載されたGDAは、生物学的標的への物質(「積載物」)の送達、例えば標的を検出するための検出可能な物質の送達、又は治療薬若しくは診断薬の送達が望まれるいくつかの異なる状況において使用可能である。検出方法には、限定するものではないが、in vitroでの画像化及びin vivo画像化の両方法、例えば免疫組織化学法、生物発光画像化法(BLI)、磁気共鳴画像化法(MRI)、陽電子射出断層撮影法(PET)、電子顕微鏡法、X線断層撮影法、ラマン撮像法、光干渉断層撮影法、吸収画像化法、熱感知画像化法、蛍光反射画像化法、蛍光顕微鏡法、蛍光分子断層撮影法、核磁気共鳴像法、X線画像化法、超音波画像化法、光音響イメージング、研究室アッセイ(lab assay)、又はタグ付け/染色/画像化が必要とされるあらゆる状況のもの、が挙げられる。
本明細書中に記載されたGDAは、特定の細胞小器官に対する、積載物、例えば検出薬又は治療薬の細胞内標的化に使用可能である。加えて、本明細書中に記載されたGDAは、例えば生きた動物において、細胞又は組織に治療薬を送達するために使用可能である。例えば、本明細書中に記載されたGDAは、がん細胞を殺す化学療法剤を送達するために
使用可能である。リンカーによって治療薬に取り付けられたGDAは、該治療薬が細胞内の標的に到達するために細胞の中へと移動するのを可能にするメンバーの透過を促進することが可能である。
ラシェルマイシン(CC‐1065)、メルファラン、カルマスティン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びシス‐ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチンI、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、並びに抗有系分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール及びメイタンシノイド)が挙げられる。
1));シアニン色素;シアノシン;4’,6‐ジアミニジノ(diaminidino)‐2‐フェニルインドール(DAPI);5’5”‐ジブロモピロガロール‐スルホナフタレイン(sulfonaphthalein)(ジブロモピロガロールレッド);7‐ジエチルアミノ‐3‐(4’‐イソチオシアナトフェニル)‐4‐メチルクマリン);ジエチレントリアミンペンタアセタート;4,4’‐ジイソチオシアナトジヒドロ‐スチルベン‐2,2’‐ジスルホン酸;4,4’‐ジイソチオシアナトスチルベン‐2,2’‐ジスルホン酸;5‐[ジメチルアミノ]‐ナフタレン‐1‐スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4‐ジメチルアミノフェニルアゾフェニル‐4’‐イソチオシアナート(DABITC);エオシン及び誘導体(例えば、エオシン及びエオシンイソチオシアナート);エリトロシン及び誘導体(例えば、エリトロシンB及びエリトロシンイソチオシアナート);エチジウム;フルオレセイン及び誘導体(例えば、5‐カルボキシフルオレセイン(FAM)、5‐(4,6‐ジクロロトリアジン‐2‐イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’‐ジメトキシ4’5’‐ジクロロ‐6‐カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、X‐ローダミン‐5‐(及び‐6)‐イソチオシアナート(QFITC又はXRITC)、及びフルオレサミン);2‐[2‐[3‐[[1,3‐ジヒドロ‐1,1‐ジメチル‐3‐(3‐スルホプロピル)‐2H‐ベンゾ[e]インドール‐2‐イリデン]エチリデン]‐2‐[4‐(エトキシカルボニル)‐1‐ピペラジニル]‐1‐シクロペンテン‐1‐イル]エテニル]‐1,1‐ジメチル‐3‐(3‐スルホプロピル)‐1H‐ベンゾ[e]インドリウムヒドロキシド、分子内塩、n,n‐ジエチルエタンアミンとの化合物(1:1)(IR144);5‐クロロ‐2‐[2‐[3‐[(5‐クロロ‐3‐エチル‐2(3H)‐ベンゾチアゾール‐イリデン)エチリデン]‐2‐(ジフェニルアミノ)‐1‐シクロペンテン‐1‐イル]エテニル]‐3‐エチルベンゾチアゾリウム過塩素酸塩(IR140);マラカイトグリーンイソチオシアン酸塩;4‐メチルウンベリフェロンオルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;フェノールレッド;B‐フィコエリトリン;o‐フタルジアルデヒド;ピレン及び誘導体(例えば、ピレン、ピレン酪酸、及びスクシンイミジル1‐ピレン);酪酸 量子ドット;リアクティブレッド4(CIBACRON(商標)ブリリアントレッド3B‐A);ローダミン及び誘導体(例えば6‐カルボキシ‐X‐ローダミン(ROX)、6‐カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド ロダルニン(rhodarnine)(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアナート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロライド誘導体(テキサスレッド)、Ν,Ν,Ν’Ν’テトラメチル‐6‐カルボキシローダミン(TAMRA) テトラメチルローダミン、及びイソチオシアン酸テトラメチルローダミン(TRITC));リボフラビン;ロゾール酸;テルビウムキレート誘導体;シアニン‐3(Cy3);シアニン‐5(Cy5);シアニン‐5.5(Cy5.5)、シアニン‐7(Cy7);IRD700;IRD800;アレクサ647;La Joltaブルー;フタロシアニン;並びにナフタロシアニンが挙げられる。
GDAは1以上の他の治療薬、予防薬、診断薬、又は造影剤と組み合わせて使用されてもよい。「組み合わせて」という場合、その作用薬が同時に投与されなければならないこと、及び/又は共に送達するために調合されなければならないことを示唆するようには意図されないが、これらの送達方法は本開示の範囲内にある。組成物は、1以上の他の所望の治療薬又は医療手技と同時に、その前に、又はその後に、投与可能である。一般に、作用薬はそれぞれ、その作用薬について決定された用量及び予定時間のうち少なくともいずれかのとおりに投与されることになろう。いくつかの実施形態では、本開示は、医薬組成物、予防薬組成物、診断薬組成物、又は造影剤組成物を、該組成物の生物学的利用能の改善、該組成物の代謝の低減及び/又は改変、該組成物の排出の阻害、並びに、該組成物の体内分布の改変、のうち少なくともいずれかをなしうる作用薬と組み合わせて送達することを包含する。
本開示は、薬物送達の科学の有望な進歩を考慮に入れた任意の適切な経路による治療薬、医薬、診断薬、造影剤のうちいずれかのためのGDAの送達を包含する。送達物はそのまま(裸)でもよいし調合されてもよい。
本発明のGDAは、裸の形態で細胞、組織、器官又は生物体に送達されうる。本明細書中で使用されるように、用語「裸の(naked)」は、トランスフェクション又は透過性を促進する作用薬又は修飾を伴わずに送達されるGDAを指す。裸のGDAは、当分野で既知であり本明細書中に記載された投与経路を使用して、細胞、組織、器官又は生物体に送達されうる。裸の送達物には生理食塩水又はPBSのような単純なバッファー中の調合物が挙げられる。
本発明のGDAは本明細書中に記載された方法を使用して調合されうる。調合物は、修飾及び/又は未修飾のGDAを含有することができる。調合物はさらに、限定するものではないが、細胞膜透過作用薬、薬学的に許容可能な担体、送達作用薬、生体内分解性又は生体適合性のポリマー、溶媒、並びに徐放送達デポーを含みうる。調合されたGDAは、当分野で既知であり本明細書中に記載された投与経路を使用して細胞に送達されうる。
本発明は、本発明による1以上のGDAを、該GDAを必要とする対象者に投与することを含んでなる方法を提供する。GDAをコードする核酸、GDAを含んでなるタンパク質若しくは複合体、又はこれらの医薬、撮像用、診断用、若しくは予防用組成物は、疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかの予防、治療、診断、又は撮像に有効な任意の投与量及び任意の投与経路を使用して対象者に投与されうる。正確な必要量は、対象者の生物種、年齢、及び全体的な状態、その疾患の重症度、その特定の組成物、その投与様式、その活性の様式などによって、対象者ごとに変わることになろう。本発明による組成物は、典型的には投与のしやすさ及び投薬の画一性のために投薬単位形態に調合される。しかしながら、本発明の組成物の1日当たりの合計使用量は理にかなった医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうことは理解されよう。任意の特定の患者について特に治療上有効であるか、予防上有効であるか、又は適切に画像化する用量レベルは、
様々な要因、例えば治療される障害及び該障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、健康状態、性別及び食事;使用される具体的な化合物の投与時間、投与経路、及び排出速度;治療期間;使用される具体的な化合物と組み合わせて、又は該化合物と同時に使用される薬物;並びに医学分野において良く知られた同様の要因に応じて変化しうる。
錠剤、ドラジェ、カプセル剤、丸剤、及び果粒剤という固形の投与形態は、コーティング及びシェル、例えば腸溶コーティング及び医薬製剤化の分野において良く知られたその他のコーティングを備えて調製可能である。該コーティングは任意選択で乳白剤を含んでなることが可能であり、かつ該コーティングは有効成分のみ又は有効成分を優先的に、腸管のある特定の部分で、任意選択で遅延方式で、放出する組成のものであってよい。使用可能な包埋組成物の例にはポリマー性の物質及びワックスが挙げられる。同様の種類の固形組成物は、ラクトース又は乳糖のほかに高分子量ポリエチレングリコールなどのような添加剤を使用して、軟ゼラチンカプセル及び硬ゼラチンカプセル中の充填剤として使用されうる。
〔キット〕
本明細書中に記載された組成物はいずれもキットに含まれることができる。非限定的な例において、抗原分子などのGDAを生成するための試薬はキットに含まれる。キットは、GDAを作出又は合成するための試薬又は説明書をさらに含むことができる。キットは
さらに1以上のバッファーを含みうる。本発明の他のキットは、GDAタンパク質又は核酸のアレイ又はライブラリを作製するための構成要素を含んでもよく、よって例えば固体支持体を含んでもよい。
本明細書中に記載された組成物のうち任意のものは、デバイスと組み合わされてもよいし、デバイス上にコーティングされてもよいし、デバイス中に埋め込まれてもよい。デバイスには、限定するものではないが、歯科インプラント、ステント、骨置換物、人工関節、弁膜、ペースメーカー又はその他の移植式治療用デバイスが挙げられる。
本明細書中の様々な場所において、本開示の化合物の置換基が群として、又は範囲で開示されている。本開示がそのような群及び範囲に属するメンバーのあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことは明確に意図されている。下記は用語定義の非限定的なリストである。
的事象には、成長因子と受容体との相互作用に関連した細胞シグナル伝達事象が挙げられる。いくつかの実施形態では、生物学的事象には、TGF‐β又はTGF‐βファミリーのメンバーと1以上の対応する受容体との相互作用に関連した細胞シグナル伝達事象が挙げられる。
結合の化学結合によるものである必要はない。「関連」はさらに、イオン結合若しくは水素結合、又は「関連した」実体が物理的に関連し続けるのに十分に安定なハイブリダイゼーションに基づいた接続も示唆しうる。
「完全に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2以上の配列は、それらが互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、又は少なくとも95%同一である場合に「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2以上の配列は、それらが互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%、約98%、又は約99%同一である場合に「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2以上の配列は、それらが互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、又は少なくとも95%同一である場合に「保存された」と言われる。いくつかの実施形態では、2以上の配列は、それらが互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、又は約99%同一である場合に「保存された」と言われる。配列の保存はオリゴヌクレオチド又はポリペプチドの全長に当てはまる場合もあれば、その一部分、領域又はその主要部に当てはまる場合もある。
送達作用薬:本明細書中で使用されるように、「送達作用薬」は、標的細胞への作用薬(例えばGDAが挙げられるがこれに限定はされない)のin vivo送達を少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。
レプトアビジン及びハプテン、量子ドットなどが挙げられる。検出可能な標識は、該標識が取り付けられ、組み込まれ、又は関連付けられる実体の任意の部位に位置することができる。例えば、ペプチド又はタンパク質に取り付けられ、組み込まれ、又は関連付けられるとき、標識はアミノ酸、ペプチド、又はタンパク質の内部にあってもよいし、N末端又はC末端にあってもよい。
人為操作された:本明細書中で使用されるように、本発明の実施形態は、該実施形態が、出発時点、野生型又は未変性の分子とは異なった、構造的であれ化学的であれ特徴又は性質を有するように設計される場合、「(人為)操作されている」。よって、人為操作された作用薬又は実体は、その設計及び生産のうち少なくともいずれかが人の手による行為を含むものである。
調合物:本明細書中で使用されるように、「調合物」は少なくともGDA及び送達作用薬を含んでいる。
又は実に99%である場合、相同であるとみなされる。いくつかの実施形態では、相同なポリヌクレオチド配列は、一続きの少なくとも4〜5個の他にはない特定のアミノ酸をコードすることができるという特性を有している。長さ60ヌクレオチド未満のポリヌクレオチド配列については、相同性は、典型的には一続きの少なくとも4〜5個の他にはない特定のアミノ酸をコードする能力によって決定される。本発明によれば、2つのタンパク質配列は、該タンパク質が少なくとも1個の一続きの少なくとも約20アミノ酸について少なくとも約50%、60%、70%、80%、又は90%同一である場合、相同であるとみなされる。多くの実施形態において、相同タンパク質は、かなりの全体的相同性及び少なくとも1個の短い一続きの少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50アミノ酸又はそれ以上にわたる高度の相同性を示しうる。多くの実施形態において、相同タンパク質は1以上の特有の配列要素を共有する。本明細書中で使用されるように、用語「特有の配列要素」は類似タンパク質中に存在するモチーフを指す。いくつかの実施形態では、そのようなモチーフの存在は特定の活性(例えば生物活性)と相関する。
and Genome Projects)」、米国ニューヨークのアカデミック・プレス(Academic Press)、1993年;フォン・ハインイェ(von Heinje)、G.編、「分子生物学における配列分析(Sequence Analysis in Molecular Biology)」、アカデミック・プレス、1987年;グリフィン(Griffin)、A.M.及びグリフィン(Griffin)、H.G.編、「配列データのコンピュータ分析、パートI(Computer Analysis of Sequence Data, Part I)」、米国ニュージャージーのヒューマナ・プレス(Humana Press)、1994年;並びにグリブスコフ(Gribskov)、M.及びデヴェルー(Devereux)、J.編、「配列分析プライマー(Sequence Analysis Primer)」、米国ニューヨークのエム・ストックトン・プレス(M Stockton Press)、1991年;に記載される方法のような方法を使用して決定可能であり、前記文献はそれぞれ参照により本願に組込まれる。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性(%)は、例えばマイヤーズ(Meyers)及びミラー(Miller)のアルゴリズム(コンピュータ
・アプリケーションズ・イン・ザ・バイオサイエンシズ(CABIOS)、1989年、第4巻、p.11−17)を使用して決定可能であり、前記アルゴリズムはPAM120の重み残基テーブル(PAM120 weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。2つのヌクレオチド配列間の同一性(%)は、別例として、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用して、GCGソフトウェア・パッケージ中のギャップ・プログラムを使用して決定可能である。配列間の同一性(%)を決定するために一般に使用される方法には、限定するものではないが、カリロ(Carillo)、FL及びリプマン(Lipman)、D.、SIAMジャーナル・オン・アプライド・マスマティックス(SIAM J Applied Math.)、1988年、第48巻、p.1073(参照により本願に組み込まれる)に開示されたものが挙げられる。同一性を決定するための技法は公的に利用可能なコンピュータ・プログラムに盛り込まれている。2つの配列の間の相同性を決定する典型的なコンピュータ・ソフトウェアには、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ、デヴェルー(Devereux)、J.ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1984年、第12巻、第1号、p.387)、BLASTP、BLASTN、及びFASTA アルトシュル(Altschul)、S.F.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオテクノロジー(J. Molec. Biol.)、1990年、第215巻、p.403)が挙げられる。
えば、本開示の化合物が豊化された組成物が含まれうる。ほぼ分離することとは、本開示の化合物又はその塩を重量比で少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%含有している組成物を含みうる。化合物及びその塩を単離する方法は当分野において日常的作業である。いくつかの実施形態では、物質又は実体の単離には、化学的な関連及び結合の分断が含まれる。いくつかの実施形態では、単離には、単離される物質又は実体がかつて組み合わさっていた構成要素からの分離のみを含み、そのような分断は含まない。
ヒト以外の脊椎動物:本明細書中で使用されるように、「ヒト以外の脊椎動物」には、野生の生物種及び飼育された生物種を含む、ホモ・サピエンス(Homo sapiens)以外の全ての脊椎動物が含まれる。ヒト以外の脊椎動物の例には、限定するものではないが、哺乳動物、例えばアルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、
イヌ、ロバ、ガヤール、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ラビット、トナカイ、ヒツジ 水牛、及びヤクが挙げられる。
作動可能なように連結された:本明細書中で使用されるように、「作動可能なように連結された」という言葉は、2以上の分子、構築物、転写物、実体、構成部分又はその他同種のものの間の機能的な接続を指す。
患者:本明細書中で使用されるように、「患者」とは、治療を探しているか若しくは治療の必要がある可能性があるか、治療を必要としているか、治療を受けているか、治療を必要とすることになろう対象者、又は特定の疾患若しくは状態の熟練した(例えば、有資格の)専門家によるケアを受けている対象者を指す。
許容可能な塩の例には、限定するものではないが、アミンのような塩基性残基の無機塩又は有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;及び同種のものが挙げられる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2‐ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3‐フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのほかに、無毒なアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンのカチオン、例えば、限定するものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられる。薬学的に許容可能な塩には、例えば無毒の無機酸又は有機酸に由来する、従来の無毒の塩類が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、従来の化学的手法によって塩基性又は酸性の構成部分を含む親化合物から調製される。一般に、そのような塩は、遊離の酸又は塩基の形態のこれらの化合物を、化学量論量の適当な塩基又は酸と、水中若しくは有機溶媒中、又はその2つの混合物中で反応させることにより調製可能であり;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性の媒体が好ましい。適切な塩の一覧は、「レミントンの薬剤科学(Remington
’s Pharmaceutical Sciences)」、第17版、米国ペンシルバニア州イーストンのマック・パブリシング・カンパニー(Mack Publishing Company)、1985年、p.1418、P.H.シュタール(Stahl)及びC.G.ヴェルムス(Wermuth)編、「製剤塩:性質、選択、及び用途(Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use)」、ワイリー‐VCH(Wiley−VCH)、2008年、及びバージ(Berge)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンス(Journal of Pharmaceutical Science)、1977年、第66巻、p.1−19に見られ、前記文献はそれぞれ全体が参照により本願に組込まれる。薬学的に許容可能な溶媒和物:用語「薬学的に許容可能な溶媒和物」は、本明細書中で使用されるように、化合物の結晶形態であって適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれているものを指す。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水、又はこれらの混合物を含む溶液からの結晶化、再結晶化、又は沈澱反応によって調製されうる。適切な溶媒の例は、エタノール、水(例えばモノ‐、ジ‐、及びトリ水和物)、N‐メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’‐ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’‐ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン(DMEU)、1,3‐ジメチル‐3,4,5,6‐テトラヒドロ‐2‐(1H)‐ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2‐ピロリドン、安息香酸ベンジルなどである。水が溶媒である場合、溶媒和物は「水和物」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、溶媒和物に組み込まれる溶媒は、その溶媒和物が(例えば医薬組成物の単位投薬形態で)投与される生物体に生理的に耐容可能な種類又はレベルのものである。
収、分布、代謝及び排泄の程度及び速度を含むいくつかの領域に分割される。これは一般にADMEと呼ばれ:(A)吸収(Absorption)は血液循環に入る物質のプロセスであり;(D)分布(Distribution)は身体の流体及び組織全体にわたる分散又は伝播であり;(M)代謝(Metabolism)(又は生体内変化)は親化合物の娘代謝産物への不可逆的変換であり;(E)排泄(Excretion)(又は排除)は身体からの物質の排除を指す。まれな事例においては、体組織中に不可逆的に蓄積する薬物もある。
予防:本明細書中で使用されるように、用語「予防」は、感染、疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかの発症を部分的又は完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかの1以上の症状、特徴、又は臨床徴候の発症を部分的又は完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかの1以上の症状、特徴、又は徴候の発症を部分的又は完全に遅延させること;感染、特定の疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかからの進行を部分的又は完全に遅延させること;並びに、感染、疾患、障害、及び状態のうち少なくともいずれかに関連した病変の発生のリスクを減少させること、のうち少なくともいずれかを指す。
Novel Delivery Systems)」、A.C.S.シンポジウム・シリーズ第14巻(Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series)、並びにエドワード B.ロッシュ(Edward B. Roche)編、「薬物設計における体内可逆性担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」、アメリカン・ファーマシューティカル・アソシエーション・アンド・ペルガモン・プレス(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press)、1987年において議論されており、前記文献はいずれも参照により全体が本願に組み込まれる。
精製された:本明細書中で使用されるように、「精製する」は、ほぼ純粋にすること、又は望ましくない構成要素、物質汚染、混合物若しくは不完全状態から清浄化することを意味する。「精製された」とは純粋である状態を指す。「精製」は、純粋にするプロセスを指す。
単回単位用量:本明細書中で使用されるように、「単回単位用量」は、1用量/1回/単一経路/単一接点、すなわち単回の投与事象において投与される任意の治療薬の用量である。いくつかの実施形態では、単回単位用量は、個別の投薬形態(例えば錠剤、カプセル剤、パッチ剤、装填済みシリンジ、バイアルなど)として提供される。
安定な:本明細書中で使用されるように、「安定な」は、反応混合物からの有用な程度の純度への単離を経ても残存するのに十分に強健であり、かつ好ましくは効果的な治療薬への調合が可能な化合物又は実体を指す。
る組成物が例えば実験、診断、予防、又は治療を目的として投与される可能性のある任意の生物体を指す。典型的な対象者には、動物(例えばマウス、ラット、ラビット、ヒト以外の霊長類、及びヒトのような哺乳動物)並びに植物のうち少なくともいずれかが挙げられる。
ほぼ同時に:本明細書中で使用されるように、かつ複数回の投薬に関するとき、該用語は典型的には約2秒以内を意味する。
物学的及び薬理学的のうち少なくともいずれかの効果を誘発する、作用薬を指す。
転写因子:本明細書中で使用されるように、用語「転写因子」は、例えば転写の活性化又は抑制によってDNAのRNAへの転写を調節する、DNA結合タンパク質を指す。いくつかの転写因子は単独で転写の調節を行うが、他の転写因子は他のタンパク質と協力して作用する。転写因子によっては、ある一定の条件下で転写の活性化及び抑制の両方を行うことができる。一般に、転写因子は、標的遺伝子の調節領域内の特定の共通配列に極めて類似している特定の1又は複数の標的配列に結合する。転写因子は、標的遺伝子の転写を単独で調節する場合もあれば他の分子との複合体として調節する場合もある。
当業者であれば、本明細書中に記載された本発明による特定の実施形態の多数の等価物を、認識するであろうし、又は日常的な実験作業程度を用いれば確認することができるであろう。本発明の範囲は、上述の説明に限定されるようには意図されず、添付の特許請求の範囲に述べられた通りである。
実施例
実施例1.抗原の同定及び選択
本発明のGDA抗体の調製において使用される抗原を同定及び選択するために、TGF‐βファミリーの構造活性相関の調査がなされた。使用された方法はシャイ(Shi)、M.ら、「潜在型TGF‐β構造及び活性化(Latent TGF−β structure and activation)」、ネイチャー(Nature)、2011年6月15日、第474巻、第7351号、p.343−9に記載された方法である。
プロTGF‐β1の構造はリング様の形状を有している。2つのプロドメインアームド
メインが肘部において、2つの成長因子モノマーによって、かつそれぞれの成長因子モノマーを囲むプロドメイン「ストレイトジャケット(拘束衣)」要素によって形成された、交差した「前腕」に接続する。リングの中心は溶媒を包含している。両アームはネック部において集合し、ネック部でボウタイ型にジスルフィド結合され、かつRGDモチーフが各肩部に位置する。拘束された前腕が交差しているリングの反対側には、LTBPがα1ヘリックスの拘束残基Cys4に連結する部位がある。
TGF‐β1の結晶構造分析及び抗体開発のための標的部位の同定から得られた構造上の洞察を前提とすると、対応する標的を同定するためにTGF‐βファミリーの他のメンバーとともに配列アラインメントを行うことは興味深いものであった。TGF‐βファミリーは33個のメンバーで構成されている。成長因子ドメインは高度に保存されているが、プロドメインは長さが様々で169〜433残基であり、配列において関連性がない、又は相同性が低いものとして種々に記載されている。しかしながら、アラインメントは全てのプロドメインが類似の折りたたみ構造を有することを示している。アームドメインのコア二次構造要素、すなわちα2ヘリックス及びβストランド1〜3、6、7及び10の、深く埋没した疎水性残基は、全メンバーにおいて保存されている。
くのTGF‐βファミリーのメンバーが、分泌後もそのプロドメインに関連し続けていることが認識されている。更に、これらのプロドメインの多くはフィブリリン‐1およびフィブリリン‐2に高い親和性で結合する。該細胞外マトリックスへのプロドメインによる標的化は、TGF‐βファミリーの生物活性を調節する際に広く重要であるかもしれない。さらに、LTBP又はフィブリリンへの結合は、プロドメイン‐成長因子複合体を強化するように思われる。よって、わずかに限られた数のTGF‐βファミリーメンバーはプロドメイン‐成長因子複合体として潜在するが、潜在期の概念は、他のメンバーの、LTBP及びフィブリリンとの生理学的に関連性のある複合体が考慮される場合にはそのメンバーにも及ぶ場合もある。
〔標準的なモノクローナル抗体生成により生産される抗体GDA〕
本発明のGDAは、TGF‐βファミリーのメンバー、そのGPC又は他の標的を特異的標的とする抗体であってよい。1つの実施形態では、そのような抗体は所望の標的抗原をコードする遺伝子を欠いているノックアウトマウスにおいて生成される。そのようなマウスは該標的抗原に対して寛容が成立しないことになり、したがって該抗原のヒト型及びマウス型と交差反応する可能性のある、該抗原に対する抗体を生成することになる。モノクローナル抗体の生産については、宿主マウスは、標的ペプチドに特異的に結合するリンパ球を誘発するためにその標的ペプチドで免疫化される。リンパ球は収集されて不死化細胞株と融合せしめられる。得られたハイブリドーマ細胞は、融合細胞だけが成長するのを支援する選択剤を伴った適切な培地において培養される。
組換え抗体GDAは上記で生産されたハイブリドーマ細胞を使用して生産される。抗体GDAの重鎖及び軽鎖可変領域のcDNA配列は標準的な生化学的技法を使用して決定される。全RNAは抗体GDAを産生するハイブリドーマ細胞から抽出されて、逆転写酵素(RT)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってcDNAに変換される。PCR増幅は、得られたcDNAについて、重鎖及び軽鎖の配列の増幅用の特異的プライマーを使用して行なわれることになる。PCR産物は次に、配列分析用のプラスミドにサブクローニングされる。配列決定がなされたら、抗体GDAをコードする配列は発現ベクターに組み込
まれる。生産される抗体のヒト化については、ヒトの重鎖及び軽鎖不変領域のコード配列が相同なネズミ科動物の配列と置き換えるために使用される。得られる構築物は、抗体GDAの大規模翻訳を為すことができる哺乳動物細胞にトランスフェクトされる。
本発明のGDAは、ハイスループットな発見方法を使用して生産されてもよい。1つの実施形態では、合成抗体を含んでなるGDAは、ファージディスプレイライブラリを使用して標的抗原をスクリーニングすることにより設計される。ファージディスプレイライブラリは、それぞれがそのウイルスコート上に独自のFab抗体フラグメントを発現している何百万〜何十億ものファージ粒子で構成されている。各FabをコードするcDNAは、相補性決定領域(CDR)の可変ループをコードする独自配列を除いて同一の配列を含んでいる。CDRのVH鎖は、ウイルスのpIIIコートタンパク質のN末端に連結された、融合タンパク質として発現される。VL鎖は別個に発現されて、ペリプラズム中でVH鎖とアセンブリした後に該複合体がウイルスコートに取り込まれる。標的抗原はファージディスプレイライブラリのメンバーと共にin vitroでインキュベートされ、結合したファージ粒子は沈殿せしめられる。結合したFabサブユニットのCDRをコードするcDNAは、結合したファージから配列決定される。これらの配列は、組換え抗体の生産のため抗体配列に直接組み込まれてもよいし、in vitroでの親和性成熟によってさらに最適化するために変異せしめられて利用されてもよい。
標的抗原に結合する能力を有するFabは上述のライブラリを使用して同定され、これらから親和性成熟のプロセスを通じて高親和性の突然変異体が誘導される。親和性成熟技術は、標的抗原に対して最も高い親和性を有するCDRをコードする配列を同定するために使用される。この技術を使用して、上述のファージディスプレイライブラリ選択プロセスを使用して単離されたCDR配列は全体的又は特定残基について無作為に突然変異せしめられて、何百万〜何十億ものバリアントが作出される。これらのバリアントは、ファージディスプレイライブラリにおいてFab抗体フラグメント融合タンパク質の中で発現され、標的抗原に結合する能力についてスクリーニングされる。選択、突然変異及び発現は数回にわたって行なわれて、標的抗原に対する最も高い親和性を備えた抗体フラグメント配列が同定される。これらの配列は、組換え抗体の生産及びGDA中への組み込みのための抗体配列中に直接組み込まれることが可能である。
〔肺線維症の治療におけるGDAの有効性の判定〕
本発明のGDAはマウスの疾患モデルと併せて利用されて、該疾患の治療におけるその有効性が評価される。1つのそのような事例では、肺線維症を治療するために生産されたGDAは、ブレオマイシン誘発性の肺損傷を受けたマウスを治療するために使用される。被損傷マウス及び偽損傷がなされたマウスに、TGF‐β指向性のGDAが週1回腹膜腔内注射される。30日後、死後肺組織が収集され、繊維症の活性の指標としてヒドロキシプロリンのレベルについてアッセイがなされる。次いでヒドロキシプロリンのレベルは有効性を判定するためにGDA用量との関係付けがなされる。
本発明のGDAは、注射によってC57B1/6マウスに毎日投与される。その後、骨ミネラル密度が他文献により記載されるようなデンシトメータ(モハマド(Mohammad)、K.S.ら、「TGF‐βタイプI受容体キナーゼの薬理学的阻害は硬骨に対する同化作用及び抗異化作用を有する(Pharmacologic inhibition of the TGF−beta type I receptor kinase
has anabolic and anti−catabolic effects
on bone.)」、プロス・ワン(PLoS One)、2009年、第4巻、第4号、e5275)を使用して分析され、骨ミネラル密度の変化が走査エリアにおける変化率(%)として評価される。
本発明のGDAはヒトの疾患の治療において使用されてもよい。1つのそのような疾患はカムラチ・エンゲルマン病(CED)である。CEDに罹患している患者は、過度に活動的なTGF‐βシグナル伝達に関係する症状を経験する。これらの患者を治療することを目指したGDAは、TGF‐βシグナル伝達を減少させるためにTGF‐βのGPCを安定化するように設計される。そのようなGDAは、CEDの患者におけるY52H突然変異を含有するGPC領域に対して指向性であってよく、この場合GDAは具体的にはα2‐ヘリックスとTGF‐βフィンガーとの間の関連を安定化するように設計される。GDAは、CED患者ではH193D及びE140K突然変異が原因で崩壊しているGPCのGlu140とHis193との間のpH調節性の塩橋を、標的とするように設計されてもよい。そのようなGDAは、その領域を安定化してGPCからのTGF‐βの放出を低減するように設計されることになろう。
本発明は、GPCのフューリン依存性の開裂について検査するために開発されたアッセイを含む。このアッセイはポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)技術を使用して実行される。該アッセイはGPCプロセシングのレベルを決定するのに有用である。TGF‐βの場合、GPCは前駆体ポリペプチドとして合成される。二量体化すると、フューリン依存性の開裂が生じて、該二量体をプロドメイン二量体と成長因子二量体とを含む4つのポリペプチドの緊密に関連付けられた複合体へと変換する。アッセイされる試料は可溶化され、還元条件又は非還元条件(複合体がジスルフィド結合したままでいることを可能にするため)においてPAGEによって分離される。フューリン依存性の開裂を経ていないGPCは、2つの開裂された構成要素よりもゆっくりと移動する。得られるタンパク質のバンドは、標準的な抗体ブロット法又は総タンパク質染色を使用して視覚化可能であり、またゲル上の該バンドの位置がタンパク質標準物の移動と相関せしめられて各バンドに含まれるGPC画分が決定されることが可能である。バンドの密度はデンシトメトリー分析を通じて決定されてもよく、値はGPCプロセシング又は全体的なフューリン開裂活性のレベルを決定するために使用可能である。
形質転換されたミンク肺TGF‐βリポーター細胞(TMLC)株は、白色の不透明なアッセイプレートの各ウェル中で培養される。TMLC細胞はルシフェラーゼレポータープラスミドを含んでなり、該プラスミドはプラスミノゲン活性化因子インヒビター‐1(PAI‐1)遺伝子プロモータによって制御されたルシフェラーゼ遺伝子をさらに含んでなる(アベ(Abe)、M.ら、「プラスミノゲン活性化因子インヒビター‐1プロモータ‐ルシフェラーゼ構築物でトランスフェクトされた細胞を用いた形質転換成長因子‐βのアッセイ(An assay for transforming growth factor−beta using cells transfected with a plasminogen activator inhibitor−1 promoter−luciferase construct.)」、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal Biochem)、1994年2月1日、第216巻、第2号、p.276−84)。PAI‐1遺伝子プロモータはTGF‐β誘導性の細胞シグナル伝達に応答性であり、TGF‐βリガンドに応答してTMLC細胞によるルシフェラーゼの産生をもたらす。
Claims (39)
- 成長因子の機能に関連した細胞シグナル伝達事象を変調する方法であって、細胞を1以上の成長因子指向性作用薬(GDA)と接触させることを含んでなる方法。
- 前記1以上のGDAは、抗体、融合タンパク質、タンパク質、核酸、小分子及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記GDAはモノクローナル抗体であり、前記モノクローナル抗体は、成長因子、成長因子プロドメイン複合体(GPC)、GPC変調因子、及び、前述のうち任意のものの組み合わせによって形成されたエピトープからなる群から選択されたメンバーに結合する、請求項2に記載の方法。
- GPCを安定化する方法であって、前記GPCを、GPCを標的とするモノクローナル抗体に接触させることを含んでなる方法。
- 安定化により前記GPCからの成長因子の放出の阻害がもたらされる、請求項4に記載の方法。
- 細胞ニッチにおける遊離の成長因子のレベルを上昇させる方法であって、GPCを、GPCを標的とするモノクローナル抗体に接触させることを含んでなる方法。
- 抗体はGPCを標的とするモノクローナル抗体である、請求項3に記載の方法。
- 変調はアップレギュレーション又は細胞シグナル伝達分子のレベルの上昇を含んでなる、請求項7に記載の方法。
- 変調はダウンレギュレーション又は細胞シグナル伝達分子のレベルの低下を含んでなる、請求項7に記載の方法。
- 細胞シグナル伝達分子は配列番号74〜316からなる群から選択される、請求項8又は9に記載の方法。
- 細胞シグナル伝達分子は、配列番号74〜111からなる群から選択された標的のTGF‐βスーパーファミリーからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
- 細胞又は細胞ニッチにおけるTGF‐βポリペプチドの分布を変更する方法であって、前記細胞又は細胞ニッチのGPCをGDAと接触させることを含んでなる方法。
- GDAはモノクローナル抗体を含んでなる、請求項12に記載の方法。
- 前記TGF‐βポリペプチドは、配列番号74〜111及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
- 単離モノクローナル抗体であって、配列番号1〜73からなる群から選択された配列のうちいずれかの、少なくとも連続10個のアミノ酸を有しているポリペプチドと特異的に免疫反応性であるという特性を有する単離モノクローナル抗体。
- ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項15に記載の単離モノクローナル抗体。
- 前記抗体は細胞外の環境において免疫反応性である、請求項15に記載の単離モノクローナル抗体。
- 前記抗体はフューリン開裂を経ていないGPCと免疫反応性である、請求項15に記載の単離モノクローナル抗体。
- 前記単離モノクローナル抗体は安定化抗体である、請求項15に記載の単離モノクローナル抗体。
- GPCと接触しているときに前記GPCからの成長因子の放出を阻害する、請求項19に記載の安定化抗体。
- 接触により成長因子のシグナル伝達経路が阻害される、請求項20に記載の安定化抗体。
- 前記成長因子シグナル伝達経路は、配列番号74〜111からなる群から選択されたTGF‐βスーパーファミリーのメンバーを伴う経路である、請求項21に記載の安定化抗体。
- 請求項15に記載の単離モノクローナル抗体を含んでなる組成物。
- 前記組成物は、細胞若しくは細胞ニッチにおける、又は細胞若しくは細胞ニッチの内側における成長因子の濃度を減少させる機能を果たす、請求項23に記載の組成物。
- 前記組成物は、前記細胞又は細胞ニッチの内側における前記成長因子の滞留時間を縮小する、請求項24に記載の組成物。
- 前記組成物は、前記細胞又は細胞ニッチの内側におけるネオモルフィックな変化を誘発する、請求項23に記載の組成物。
- 前記単離モノクローナル抗体は放出抗体である、請求項15に記載の単離モノクローナル抗体。
- GPCと接触しているときに前記GPCからの成長因子の放出を促進する、請求項27に記載の放出抗体。
- 前記成長因子は、配列番号74〜111からなる群から選択されたTGF‐βスーパーファミリーのメンバーである、請求項28に記載の放出抗体。
- 接触により成長因子シグナル伝達経路が促進される、請求項28に記載の放出抗体。
- 接触により細胞又は細胞ニッチの内側における前記成長因子の濃度が上昇する、請求項28に記載の放出抗体。
- 接触により前記細胞又は細胞ニッチの内側における前記成長因子の滞留時間が増大する、請求項28に記載の放出抗体。
- 前記接触により前記細胞又は細胞ニッチの内側におけるネオモルフィックな変化が誘発される、請求項28に記載の放出抗体。
- 前記組成物は食作用又は飲作用によるGPCのクリアランスを促進する、請求項23に記載の組成物。
- モノクローナル抗体であって、
a.哺乳動物を、配列番号1〜73からなる群から選択された配列に少なくとも70%同一である少なくとも1つのペプチドと接触させるステップと、
b.哺乳動物から抗体を産生する細胞を収集するステップと、
c.ステップ(b)で得られた細胞を不死化することによってモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマを作出するステップと
を含んでなる方法によって得られるモノクローナル抗体。 - GPCを標的とする抗体をコードするポリペプチドを調製する方法であって、
a.宿主細胞を得るステップと、
b.GPCを標的とする抗体をコードするポリペプチドの発現を促進する条件下で培養液中にて宿主細胞をインキュベートするステップと、
c.発現された抗体を宿主細胞から精製するステップと
を含んでなる方法。 - 医薬組成物であって、有効成分としてGPC若しくは構成要素に特異的なモノクローナル抗体又はその抗体の少なくとも抗原結合部分を含んでなる抗体フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含んでなり、前記抗体は配列番号1〜73からなる群から選択された抗原決定基エピトープを認識する、医薬組成物。
- 異常なGPCシグナル伝達に関連した障害又は疾患に罹患している対象者の治療方法であって、
a.治療を必要とする前記対象者に、GPCに特異的な抗体を投与することを含んでなり、
前記抗体は抗原結合部分を含むとともに、前記抗体は配列番号1〜73からなる群から選択された抗原決定基エピトープを認識する、方法。 - 請求項15に記載のモノクローナル抗体及びその使用のための説明書を含んでなるキット又はアッセイ。
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