JP2016224995A - サーバ装置、データ連携方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

サーバ装置、データ連携方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電子化された健康データについてセキュリティを向上させるとともに情報の信頼性を向上させることが可能なサーバ装置を提供する。【解決手段】特定の個人を識別することができる情報を保持せず、個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部と、特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから少なくとも該データを取得して前記データ保持部に登録するデータ登録部と、を備え、前記データ登録部は、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、サーバ装置が提供される。【選択図】図1

Description

本開示は、サーバ装置、データ連携方法およびコンピュータプログラムに関する。
現在、医師が発行する処方せんや、薬局で発行されるお薬手帳は、紙媒体で運用されているが、利便性や効率性向上の観点から、EHR(Electric Health Record:電子健康記録)と呼ばれるような、電子的に健康データを共有,管理する仕組みの構築が求められている。現状では、例えば電子カルテの共有、処方せんの電子化、お薬手帳の電子化などの取り組みが進められている。
また、例えばお薬手帳に関連する技術として、薬剤の名称や服用方法などの情報を予め記録しておき、その情報に基づいて薬剤指導書を生成し、印刷する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、患者が所有する手帳等にも薬剤に関する情報を保管できるように、保管用の情報が薬剤指導書の一部に設けられる。
特開平11−28877号公報
上述したような電子化されたお薬手帳(電子お薬手帳)や処方せん等の健康データを共有・管理するシステムでは、各ユーザの個人的な情報が扱われることになるため、セキュリティの向上が望まれている。そのため、お薬手帳や処方せん等の健康データを共有・管理するシステムにおいて、セキュリティを向上させた技術が考え出されてきている。
また電子お薬手帳は、即時性のあるデータを取得し、情報を蓄積することができるが、データ取得のタイミングがユーザによる自発的な呈示のため、情報の網羅性が無かったり、情報が限られたりする側面がある。また、個人情報が誤記されている場合や、一部情報が未分類のままの場合もある。
そこで、本開示では、電子化された健康データについてセキュリティを向上させるとともに情報の信頼性を向上させることが可能な、新規かつ改良されたサーバ装置、データ連携方法およびコンピュータプログラムを提案する。
本開示によれば、特定の個人を識別することができる情報を保持せず、個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部と、特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから少なくとも該データを取得して前記データ保持部に登録するデータ登録部と、を備え、前記データ登録部は、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、サーバ装置が提供される。
また、本開示によれば、特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから、少なくとも該データを取得して、特定の個人を識別することができる情報を保持せず個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部に登録するステップを備え、前記データ保持部に登録するステップは、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、データ連携方法が提供される。
また、本開示によれば、特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから、少なくとも該データを取得して、特定の個人を識別することができる情報を保持せず個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部に登録するステップをコンピュータに実行させ、前記データ保持部に登録するステップは、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、コンピュータプログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、電子化された健康データについてセキュリティを向上させるとともに情報の信頼性を向上させることが可能な、新規かつ改良されたサーバ装置、データ連携方法およびコンピュータプログラムを提供することが出来る。
本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれるデータセンター100の構成例を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれる病院内システム300の構成例を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれる薬局内システム400の構成例を示す説明図である。 薬局内システム400の薬局内データベース410に記録される個人/薬歴情報の例を示す説明図である。 データサーバ110のサーバ内データベース111に記録されるユーザ薬歴情報の具体例を示す説明図である。 薬局内システム400によるユーザ薬歴情報の登録処理例に示す流れ図である。 薬局内システム400によるユーザ薬歴情報の登録処理例に示す流れ図である。 本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。 本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。 本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。 本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
<1.本開示の一実施形態>
[システム構成例]
[データセンター構成例]
[病院内システム構成例]
[薬局内システム構成例]
[薬局内データベースの具体例]
[サーバ内データベースの具体例]
[ユーザ薬歴情報の登録処理例]
<2.まとめ>
<1.本開示の一実施形態>
[システム構成例]
まず、図面を参照しながら本開示の一実施形態にかかる情報処理システムの構成例を説明する。図1は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の構成例について説明する。
図1に示したように、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1は、データセンター100と、健康保険組合システム200と、病院内システム300と、薬局内システム400と、を含んで構成される。図1に示したように、データセンター100と、健康保険組合システム200と、病院内システム300と、薬局内システム400とは、ネットワーク10を介して相互に接続されている。
データセンター100は、健康保険組合システム200、病院内システム300及び薬局内システム400から、ネットワーク10を介して送られてくる情報を格納する。データセンター100が格納する、健康保険組合システム200、病院内システム300及び薬局内システム400から、ネットワーク10を介して送られてくる情報は、例えば、個人ごとの健康に関するデータである。健康に関するデータには、例えば、各個人の診療情報や調剤情報が含まれる。また、データセンター100は、病院内システム300や薬局内システム400からの要求に応じて、記録している情報を提供する。以下の説明では、データセンター100が格納する情報は個人ごとの健康に関するデータであるとして説明する。なお、データセンター100の構成例については後述する。
健康保険組合システム200は、病院内システム300を使用する医療機関や薬局内システム400を使用する薬局から送られてくる診療情報や調剤情報に基づいて生成される、電子レセプトデータを格納する。健康保険組合システム200が保持する電子レセプトデータは、データセンター100からの求めに応じて、または自動的に、データセンター100に提供される。
データセンター100と、健康保険組合システム200との間でやり取りされる情報は、診療情報や調剤情報という非常にデリケートな情報であるので、データセンター100と、健康保険組合システム200との間は、ネットワーク10とは別に専用線やVPN(Virtual Private Network)等のような、セキュアな通信回線2によって接続されることが望ましい。
病院内システム300は、患者(ユーザ)が通院する病院内に設けられるシステムである。病院内システム300は、患者の個人情報や、患者の健康に関するデータである健康データとしての薬歴データ等からなる個人/診察情報を、患者ごとに保持している。例えば、個人/診察情報には、病院等において患者に対して発行された処方箋に関する情報等からなる診察データが含まれる。病院内システム300が保持する個人/診察情報は、ネットワーク10を通じてデータセンター100に送られる。なお、病院内システム300からデータセンター100に情報が送られる際には、ユーザ個人を特定することができる情報は送られない。病院内システム300の構成例については後述する。
薬局内システム400は、患者が処方された薬剤を購入する薬局内に設けられるシステムである。薬局内システム400は、患者の個人情報や、患者の健康に関するデータである健康データとしての薬歴データ等からなる個人/薬歴情報を、患者ごとに保持している。例えば、個人/薬歴情報には、薬局等で患者のために調剤された薬剤に関する情報や、その薬剤に関する情報等からなる調剤データが含まれる。薬局内システム400が保持する個人/診察情報は、ネットワーク10を通じてデータセンター100に送られる。なお、薬局内システム400からデータセンター100に情報が送られる際には、ユーザ個人を特定することができる情報は送られない。薬局内システム400の構成例については後述する。
図1には、病院内システム300及び薬局内システム400で用いられるICカード20も図示されている。ICカード20は、患者固有のIDである個人識別IDが格納されており、後述するリーダライタ330、430との間で、所定の周波数による近接非接触通信を行なって、個人識別IDをリーダライタ330、430に提供する。
ここで、個人識別IDは、一意にユーザを特定することのできる識別情報であるが、他人が個人識別IDを入手しただけでは、一般的にはその個人識別IDにより識別されるユーザ個人を特定することができない(または特定することが困難である)情報とされる。例えば、ユーザの氏名,住所,電話番号などの個人情報は、それらの情報からほぼ直接的にユーザを特定することが可能である。しかし、番号や記号などからなるIDを個人識別IDとしてユーザに付与すれば、個人識別IDとユーザとの対応を知っていない限り、個人識別IDから、その個人識別IDのユーザを特定することは困難である。
なお、個人識別IDを取得する契機となる媒体は、個人識別IDが直接記録されたICカード等に限らず、書き換えや置き換えが不可能な固有の媒体であればよい。例えば生体情報から固有の情報を個人識別IDとして取得する場合、個人識別IDを取得するための媒体は、人体の一部または全部などとされる。
以上、図1を用いて本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の構成例について説明した。次に、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1を構成する各システムの構成例について説明する。
[データセンター構成例]
図2は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれるデータセンター100の構成例を示す説明図である。以下、図2を用いてデータセンター100の構成例について説明する。
図2に示したように、データセンター100は、データサーバ110と、情報処理サーバ120と、を含んで構成される。
データサーバ110は、病院内システム300や薬局内システム400から供給された薬歴データを管理するとともに、病院内システム300や薬局内システム400からの要求に応じて、記録している薬歴データを提供する。データサーバ110は、サーバ内データベース111と、通信部112と、更新部113と、ユーザ検索部114と、薬歴検索部115と、を含んで構成される。
サーバ内データベース111は、患者ごとの薬歴情報を記録している。この患者ごとの薬歴情報には、薬局内システム400を使用する薬局を特定する情報、薬局内システム400において用いられている患者の識別情報、薬局内システム400から供給される患者の薬歴データなどが含まれる。
通信部112は、ネットワーク10を介して、病院内システム300や薬局内システム400と通信し、薬歴データ等のデータを送受信する。また通信部112は、例えばセキュアな通信回線2を介して、健康保険組合システム200との間でデータを送受信する。更新部113は、病院内システム300や薬局内システム400からデータが供給されると、そのデータに基づいてサーバ内データベース111の更新を行う。
また本実施形態では、更新部113は、健康保険組合システム200が保持する電子レセプトデータに基づいてサーバ内データベース111の更新を行う。更新部113が、健康保険組合システム200が保持する電子レセプトデータに基づいてサーバ内データベース111の更新を行うことで、データサーバ110は、サーバ内データベース111に保持される電子化された健康データについて、その情報の信頼性を向上させることができる。
ユーザ検索部114は、サーバ内データベース111に記録されている薬歴情報から、所望の患者を特定する情報、すなわち、薬局内システム400において用いられている患者の識別情報を検索する。薬歴検索部115は、サーバ内データベース111に記録されている薬歴情報から、所望の患者の薬歴データを検索する。
情報処理サーバ120は、必要に応じて、データサーバ110のサーバ内データベース111にアクセスし、薬歴情報の加工や、薬歴情報に基づいた患者への通知処理等を実行する。
以上、図2を用いてデータセンター100の構成例について説明した。次に、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれる病院内システム300の構成例について説明する。
[病院内システム構成例]
図3は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれる病院内システム300の構成例を示す説明図である。以下、図3を用いて病院内システム300の構成例について説明する。
図3に示したように、病院内システム300は、病院内レセプトコンピュータ310と、病院内装置320と、リーダライタ330と、を含んで構成される。病院内レセプトコンピュータ310と、病院内装置320とは、ローカルネットワークを介して相互に接続されている。このローカルネットワークは、ルータ(図示せず)によってネットワーク10に接続されている。
病院内レセプトコンピュータ310は、病院内データベース311と、入力部312と、制御部313と、を含んで構成される。病院内レセプトコンピュータ310は、病院の医師や職員等による入力部312の入力操作に応じて病院内データベース311の情報を更新する。
病院内データベース311は、患者の個人情報、患者の健康に関するデータである健康データとしての薬歴データなどからなる個人/診察情報を、患者ごとにデータベース化して保持する。個人/診察情報に含まれる薬歴データには、病院等において患者に対して発行された処方せんに関する情報等からなる診察データが含まれる。病院内データベース311に記録される薬歴データは、必要に応じてデータセンター100に送信されて記録され、複数の病院内システム300や薬局内システム400で共有される。
入力部312は、例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどからなる入力デバイスであり、ユーザの入力操作に応じた情報を制御部313に供給する。制御部313は、入力部312から供給される情報に応じて、病院内レセプトコンピュータ310の動作を制御する。
病院内装置320は、例えばデスクトップ型コンピュータやノートブック型コンピュータ等からなる。病院内装置320は、リーダライタ330から供給される個人識別IDや、医師・職員等の入力操作に応じた各種処理を実行する。図3に示したように、病院内装置320は、取得部321と、制御部322と、通信部323と、表示部324と、を含んで構成される。
取得部321は、リーダライタ330がICカード20との間の近接非接触通信によって取得した個人識別IDを取得する。制御部322は、ローカルエリアネットワークを介して病院内レセプトコンピュータ310と各種のデータ授受を行なったり、各種データを表示部324に表示させたりする制御を行う。
通信部323は、ローカルエリアネットワークやネットワーク10を介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。表示部324は、各種データ(文字情報、画像情報等)を表示する。
リーダライタ330は、病院内装置320とUSB(Universal Serial Bus)その他のインタフェースによって接続されており、ICカード20との間で所定の周波数(例えば13.56MHz)による近接非接触通信を行う。リーダライタ330は、ICカード20との間で近接非接触通信を行うことでICカード20から取得した個人識別IDを病院内装置320に提供する。
以上、図3を用いて病院内システム300の構成例について説明した。なお、図3に示した病院内レセプトコンピュータ310、病院内システム320、リーダライタ330が1つの装置で構成されていても良い。次に、薬局内システム400の構成例について説明する。
[薬局内システム構成例]
図4は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1に含まれる薬局内システム400の構成例を示す説明図である。以下、図4を用いて薬局内システム400の構成例について説明する。
図4に示したように、薬局内システム400は、薬局内レセプトコンピュータ410と、薬局内装置420と、リーダライタ430と、を含んで構成される。薬局内レセプトコンピュータ410と、薬局装置420とは、ローカルネットワークを介して相互に接続されている。このローカルネットワークは、ルータ(図示せず)によってネットワーク10に接続されている。
薬局内レセプトコンピュータ410は、薬局内データベース411と、入力部412と、制御部413と、を含んで構成される。薬局内レセプトコンピュータ410は、薬局の薬剤師や職員等による入力部412の入力操作に応じて薬局内データベース411の情報を更新する。
薬局内データベース411は、患者の個人情報、患者の健康に関するデータである健康データなどからなる個人/薬歴情報を、患者ごとにデータベース化して保持する。健康データは、患者の薬歴に関するデータ(薬歴データ)等が含まれる。個人/薬歴データに含まれている薬歴データには、薬局等においてユーザのために調剤された薬剤に関する情報や、その薬剤の処方せんに関する情報等からなる調剤データが含まれている。なお、薬局内データベース411で管理される健康データは、薬歴データに限らず、患者の健康に関するものであればどのようなデータであってもよい。薬局内データベース411に記録される薬歴データは、必要に応じてデータセンター100に送信されて記録され、複数の病院内システム300や薬局内システム400で共有される。
入力部412は、例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどからなる入力デバイスであり、ユーザの入力操作に応じた情報を制御部413に供給する。制御部413は、入力部412から供給される情報に応じて、薬局内レセプトコンピュータ410の動作を制御する。
薬局内装置420は、例えばデスクトップ型コンピュータやノートブック型コンピュータ等からなる。薬局内装置420は、リーダライタ430から供給される個人識別IDや、薬剤師・職員等の入力操作に応じた各種処理を実行する。図4に示したように、薬局内装置420は、取得部421と、制御部422と、通信部423と、表示部424と、を含んで構成される。
取得部421は、リーダライタ430がICカード20との間の近接非接触通信によって取得した個人識別IDを取得する。制御部422は、ローカルエリアネットワークを介して薬局内レセプトコンピュータ410と各種のデータ授受を行なったり、各種データを表示部424に表示させたりする制御を行う。
通信部423は、ローカルエリアネットワークやネットワーク10を介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。表示部424は、各種データ(文字情報、画像情報等)を表示する。
リーダライタ430は、薬局内装置420とUSB(Universal Serial Bus)その他のインタフェースによって接続されており、ICカード20との間で所定の周波数(例えば13.56MHz)による近接非接触通信を行う。リーダライタ430は、ICカード20との間で近接非接触通信を行うことでICカード20から取得した個人識別IDを薬局内装置420に提供する。
以上、図4を用いて薬局内システム400の構成例について説明した。なお、図4に示した薬局レセプトコンピュータ410、薬局内装置420、リーダライタ430が1つの装置で構成されていても良い。次に、薬局内システム400の薬局内データベース410に記録される個人/薬歴情報の具体例について説明する。
[薬局内データベースの具体例]
図5は、薬局内システム400の薬局内データベース410に記録される個人/薬歴情報の例を示す説明図である。図5に示した例では、個人/薬歴情報には「調剤薬局ID」、「調剤薬局内ユーザID」、「レセプト連携ID」、「氏名」、「生年月日」、「住所」、「電話番号」、「保険証番号」、および「薬歴データ」が含まれている。
「調剤薬局ID」は、図1に示す情報処理システム1を構成する各装置において識別可能な、薬局内システム400、すなわち薬局を特定するための情報である。例えば、薬局などの各機関が保険者に支払い請求を行なう際に用いられる保険医療機関コードなどが調剤薬局IDとされる。
「調剤薬局内ユーザID」は、薬局内システム400、すなわち薬局内レセプトコンピュータ410、薬局内装置420及びリーダライタ430からなるローカルなシステム内においてのみ用いられている、ユーザを識別するための情報である。例えば、薬局内システム400を構成する薬局内レセプトコンピュータ410に登録されているユーザ番号などが調剤薬局内ユーザIDとされる。
従って、薬局内装置420等の薬局内システム400を構成する各装置だけが、調剤薬局内ユーザIDに基づいて、その調剤薬局内ユーザIDが示す患者を特定することが可能である。このような調剤薬局内ユーザIDは、他人が入手しただけでは、直接的に患者を特定することができない情報である。
「レセプト連携ID」は、患者個人を識別する個人識別IDと、健康保険組合システム200に保持されているデータとを連携するための情報である。
また、個人/薬歴情報に含まれている「氏名」、「生年月日」、「住所」、「電話番号」、および「保険証番号」は、「調剤薬局内ユーザID」により特定されるユーザの氏名、生年月日、住所、電話番号、および保険証番号である。これらの「氏名」から「保険証番号」は、他人が直接的にユーザを特定可能な、いわゆる患者の個人情報である。
個人/薬歴情報に含まれている「薬歴データ」は、「調剤薬局内ユーザID」により特定されるユーザの薬歴データであり、この薬歴データには、薬局内システム400で入力された調剤データなどが含まれている。すなわち、各薬局(薬局内システム400)の薬局内データベース411に記録されている薬歴データには、その薬局で入力された情報のみが含まれており、他の薬局や病院(他の医療機関等)で入力された薬歴に関する情報は含まれていない。
より具体的には、薬歴データには、例えば調剤された薬剤を特定する調剤薬IDや、内服等の調剤された薬剤の種別、調剤日時、薬剤の処方分日数、薬剤の使用頻度、薬剤の1回当たりの服用数量、副作用に関する情報などが調剤データとして含まれている。
このように、個人/薬歴情報には、薬局を特定するための調剤薬局ID、薬局内でユーザを識別するための調剤薬局内ユーザID、氏名等のユーザの個人情報、および薬局において入力された薬歴データが含まれている。
図1の情報処理システム1を構成する病院内システム300や薬局内システム400では、それら各システムで入力された薬歴データを含む個人/薬歴情報や個人/診察情報が、患者ごとに病院内データベース311や薬局内データベース411で管理される。
なお、病院内データベース311で管理される個人/診察情報に含まれる薬歴データには、病院で患者に対して発行された処方せんに関する情報(診察データ)が含まれている。具体的には、例えば薬歴データには、処方せんの発行日時、ジェネリック医薬品への変更の可否、処方薬剤を特定する処方薬ID、内服等の処方薬の種別、薬剤の処方分日数、薬剤の使用頻度、薬剤の1回当たりの服用数量、副作用に関する情報などが含まれている。
また、病院内データベース311で管理される個人/診察情報には、図5の「調剤薬局ID」および「調剤薬局内ユーザID」に代えて、「病院ID」および「病院内ユーザID」が含まれている。「病院ID」は、「調剤薬局ID」に対応する情報であり、情報処理システム内で、病院内システム300を特定する情報である。「病院内ユーザID」は、「調剤薬局内ユーザID」に対応する情報であり、病院内システム300内のみで用いられている、患者の識別情報である。
以上、薬局内システム400の薬局内データベース410に記録される個人/薬歴情報の具体例について説明した。次に、データサーバ110のサーバ内データベース111に記録されるユーザ薬歴情報の具体例について説明する。
[サーバ内データベースの具体例]
図6は、データサーバ110のサーバ内データベース111に記録されるユーザ薬歴情報の具体例を示す説明図である。図6に示した例では、各ユーザ薬歴情報には、「個人識別ID」、「調剤薬局ID」、「調剤薬局内ユーザID」、「レセプト連携ID」、「薬歴データ」、および「最終更新日」が含まれている。
ユーザ薬歴情報に含まれる「個人識別ID」は、図1等に示したICカード20に記録されている個人識別IDである。この個人識別IDは、上述したようにICカード20を所有する患者を特定する情報として用いられる。また、「調剤薬局ID」は、薬局内システム400を特定するための調剤薬局IDである。より詳細には、ユーザ薬歴情報に含まれる「調剤薬局ID」は、調剤薬局IDをハッシュ化することで得られるハッシュ値とされる。
「調剤薬局内ユーザID」は、薬局内システム400内で用いられている、患者を識別する調剤薬局内ユーザIDであり、「レセプト連携ID」は、患者個人を識別する個人識別IDと、健康保険組合システム200に保持されているデータとを連携するための情報である。「薬歴データ」は、調剤薬局IDにより特定される薬局内システム400で入力された薬歴データである。「最終更新日」は、サーバ内データベース111における各個人識別IDのデータを最後に更新した日付である。
なお、より詳細には、病院内システム300に関する薬歴データを含むユーザ薬歴情報では、「調剤薬局ID」および「調剤薬局内ユーザID」に代えて、「病院ID」および「病院内ユーザID」が用いられる。
以上、データサーバ110のサーバ内データベース111に記録されるユーザ薬歴情報の具体例について説明した。次に、ユーザ薬歴情報の登録処理例について説明する。
[ユーザ薬歴情報の登録処理例]
図7は、薬局内システム400によるユーザ薬歴情報の登録処理例に示す流れ図である。以下、図7を用いて薬局内システム400によるユーザ薬歴情報の登録処理例について説明する。
薬局内システム400が設けられた薬局に新規のユーザが来局し、処方せんを提出すると、薬局では薬剤師等が提出された処方せんに基づいて、薬局内レセプトコンピュータ410の入力部412を操作し、ユーザの調剤データの入力を開始する。すると、制御部413は、調剤データの入力を受け付けて、薬剤師等の入力部412への操作に応じた情報を調剤データとして取得する(ステップS101)。
また、薬局内システム400が設けられた薬局にユーザが初めて来局した場合には、薬内データベース411には、個人情報等、そのユーザに関する情報は登録(記録)されていないので、薬剤師等は入力部412を操作して、ユーザの氏名や生年月日等の個人情報を入力する。また薬剤師等は、入力部412を操作して、後述の個人識別IDと、ユーザの保険証番号とを紐付けるためのレセプト連携ID、またはそのレセプト連携IDの基となるパスコードを入力する。
例えば、薬局内データベース411に、図5に示した個人/薬歴情報が記録される場合には、薬剤師等により、ユーザの氏名、生年月日、住所、電話番号、および保険証番号が入力されるとともに、必要に応じてユーザの調剤薬局内ユーザIDが付与される。制御部413は、これらの情報が入力されると、入力部412から取得した調剤データから薬歴データを生成するとともに、入力されたユーザの氏名等の情報や、生成した薬歴データ、ユーザに付与された調剤薬局内ユーザIDから個人/薬歴情報を生成する。
なお、ユーザが以前、薬局に来たことがあり、既に薬局内データベース411にユーザの個人/薬歴情報が記録されている場合には、個人/薬歴情報の生成は行なわれない。
続いて、制御部413は、生成した個人/薬歴情報を薬局内データベース411に供給して記録させるとともに、調剤薬局内ユーザID、ユーザの氏名、およびステップS101の処理で取得された調剤データ(薬歴データ)を、ローカルエリアネットワークを介して薬局内装置420に供給する(ステップS102)。
続いて、薬局内装置420の制御部422は、制御部413から供給された調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID(またはパスコード)、ユーザの氏名、および調剤データを一時的に保持する(ステップS103)。
薬剤師等は、ユーザの調剤データや個人情報などの入力を終えると、必要に応じて処方された薬剤を調剤し、ユーザに対する投薬を行なう。さらに、ユーザが初めて薬局に来局した場合、薬剤師等はユーザに対して電子お薬手帳の新規登録の希望を確認する。すなわち薬剤師等は、データセンター100へのユーザ登録の希望を確認する。
ユーザが電子お薬手帳の新規登録を希望すると、薬剤師等は薬局内装置420を操作し、新規登録のための処理を行なう。薬局内装置420の制御部422は、薬剤師等の操作に応じて、一時的に保持している調剤薬局内ユーザID、ユーザの氏名、および調剤データを、表示部424に供給して表示させる。
薬剤師等およびユーザは、表示部424に表示された氏名などの情報を確認し、その後、ユーザは所持しているICカード20をリーダライタ430にかざす。すると、リーダライタ430はICカード20と近接非接触通信を行なって、ICカード20から個人識別IDを受信する。取得部421は、リーダライタ430からユーザの個人識別IDを取得して、制御部422に供給する(ステップS104)。
続いて、制御部422は、一時的に保持しているユーザの調剤薬局内ユーザIDと、取得部421から供給された個人識別IDとの対応付けを行なう(ステップS105)。そして制御部422は、薬局内システム400の調剤薬局IDを必要に応じて薬局内レセプトコンピュータ410から取得し、調剤薬局IDに対するハッシュ化を行なう。そして制御部422は、ハッシュ化の演算により得られたハッシュ値(調剤薬局ID)と、個人識別ID、調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID、および調剤データを通信部433に供給する。
通信部423は、制御部422から供給された調剤薬局ID(ハッシュ値)、個人識別ID、調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID、および調剤データを、ネットワーク10を介してデータサーバ110に送信し(ステップS106)、登録要求処理は終了する。すなわち、通信部423は、調剤薬局ID、個人識別ID、調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID、および調剤データが含まれた、ユーザの新規登録の要求を送信する。
このようにして薬局内システム400から新規登録の要求が送信されてくると、データサーバ110は、その要求に応じて登録処理を行なう。図8は、データサーバ110による個人/薬歴情報の登録処理を示す流れ図である。以下、図8を用いて、データサーバ110による個人/薬歴情報の登録処理について説明する。
通信部112は、薬局内システム400から送信されてきた調剤薬局ID(ハッシュ値)、個人識別ID、調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID、および調剤データを受信して、更新部113に供給する(ステップS111)。更新部113は、通信部112から供給された調剤薬局ID(ハッシュ値)、個人識別ID、調剤薬局内ユーザID、レセプト連携ID、調剤データ、および最終更新日が含まれるユーザ薬歴情報を生成し、生成したユーザ薬歴情報をサーバ内データベース111に追加する(ステップS112)。すなわち、新たに生成されたユーザ薬歴情報がサーバ内データベース111に記録される。これにより、例えば図6に示したユーザ薬歴情報が新たに記録される。なお、ユーザ薬歴情報の生成時においては、更新部113は、ユーザの調剤データをそのまま薬歴データとする。
新たに生成されたユーザ薬歴情報がサーバ内データベース111に記録されると、ユーザの新規登録が完了し、登録処理は終了する。
以上のようにして、薬局内システム400は、薬局を特定する調剤薬局ID、ユーザを特定する個人識別IDおよび調剤薬局内ユーザID、並びにユーザの調剤データをデータサーバ111に送信して、ユーザの登録を要求する。また、データサーバ110は、薬局内システム400から送信されてきた、これらの情報を受信してユーザ薬歴情報を生成し、登録する。
登録時には、薬局内システム400とデータサーバ110との間で、ネットワーク20を介して個人識別ID、レセプト連携IDおよび調剤薬局内ユーザIDが、ユーザを特定するための情報として授受される。しかしながら、これらの情報が他人に見られたとしても、一般的にはユーザ個人を特定することはほぼ不可能であるから、個人情報が漏洩してしまうことを防止することができ、これによりシステムのセキュリティを向上させることができる。
また、登録時には、薬局内システム400とデータサーバ110との間で、薬局を特定する調剤薬局IDの授受も行われるが、この調剤薬局IDはハッシュ化されたもの、つまりハッシュ値である。したがって、他人がこのハッシュ値から薬局を特定することは困難であるため、これによりセキュリティ向上を図ることができる
このように、電子化された調剤データを、個人を特定せずにデータサーバ110に構築することができる。しかし、従来の紙ベースのお薬手帳と同様に、患者が薬局にICカードを持参するのを忘れると、データサーバ110に構築される調剤データも完全なものではなくなってしまう。また、個人情報に誤記があったり、一部の情報が正しく分類されなかったり、分類そのものがされなかったりする場合もある。さらに、電子お薬手帳が普及しても、データの蓄積には長時間を要する。
一方、健康保険組合システム200に構築されるデータは、途中で審査支払機関や健康保険組合によるチェックがあり、不十分なものがあれば病院や薬局に差し戻されるので、個人の薬歴が網羅されているなど精度が高いデータである。しかし、そのようなチェックや差し戻しの時間の関係上、調剤データが健康保険組合システム200に生成されるまで、薬の処方から2ヶ月程度遅れる。
そこで本実施形態では、データサーバ110に構築されるデータと、健康保険組合システム200に構築されるデータとを、レセプト連携IDを用いて連携させる。これにより、データサーバ110に個人情報そのものを保持させること無く、精度が高い調剤データをデータサーバ110に構築させることができる。
図9は、本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。ユーザが病院内システム300や薬局内システム400に対してICカード20を提示すると、ICカード20に登録されている個人識別IDが病院内システム300や薬局内システム400に提供される。病院内システム300や薬局内システム400は、調剤薬局ID、調剤薬局内ユーザID、個人識別ID、診察データや薬歴データ、レセプト連携IDをデータセンター100に送信する。データセンター100は、送信されたデータからユーザ薬歴情報を構築する。データセンター100は、氏名、生年月日、住所等の、直接個人を特定する情報は保持しない。
ユーザは、また病院内システム300や薬局内システム400は、健康保険組合200の電子レセプトと連携するためのレセプト連携ID、またはレセプト連携IDを生成するための元データ(暗号化の種となるパスコードなど)を作成しておき、予め健康保険組合200に登録しておく。健康保険組合システム200は、レセプト連携IDを生成するための元データが登録された場合には、その元データからレセプト連携IDを生成する。例えば、健康保険組合システム200は、ユーザの保険証番号、ユーザの生年月日、パスコードからなる文字列をSHA−256等のハッシュ関数を用いて一方向ハッシュ化したものをレセプト連携IDとして生成し、内部に保持しておく。
また、病院内システム300や薬局内システム400は、審査支払機関500に対して保険・公費負担分の請求処理を実行する。この際には、氏名、生年月日、保険証番号、診察データや診療データが、病院内システム300や薬局内システム400から審査支払機関500に送られる。審査支払機関500では、データのチェックや、不備があれば病院や薬局に差し戻す。データが確定すると、審査支払機関500は、健康保険組合システム200へ保険・公費負担分の請求処理を実行する。
そして、データセンター100から所定のタイミングで健康保険組合システム200に対して、最終更新日およびレセプト連携IDを用いて薬歴データの問い合わせを送信し、健康保険組合システム200は、問い合わせに応じて、レセプト連携IDおよび薬歴データをデータセンター100に返信する。データセンター100は、健康保険組合システム200から送信された薬歴データを、レセプト連携IDをキーにして更新する。
図10は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。図10に示した流れ図は、薬歴データを薬局内システム400からデータセンター100に登録する際の動作を示したものである。
ユーザが薬局にICカード20を持参して、ICカード20をリーダライタ430に接触させると(ステップS121)、図7及び図8に示したような処理が薬局内システム400及びデータサーバ110で実行されて、個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入される(ステップS122)。
個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入されると、データサーバ110は、保険証番号、レセプト連携ID、最終更新日をセットにして健康保険組合システム200に当該レセプト連携IDを有するユーザの薬歴情報を問い合わせる(ステップS123)。健康保険組合システム200は、レセプト連携IDをキーにして、内部に保持しているデータベース等から薬歴情報を取得し、問い合わせ元のデータサーバ110へ取得した薬歴情報を送信する(ステップS124)。
データサーバ110は、受信した薬歴情報を、レセプト連携IDをキーにして、サーバ内データベース111に統合する(ステップS125)。
図10に示した一連の処理により、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1は、データセンター100には、患者個人を直接特定するような氏名、住所等の情報を保持させずに、健康保険組合システム200に保持されている薬歴情報との連携を可能にする。
図9及び図10に示したものは最も基本的な場合であるが、例えば、健康保険組合側が、パスコードを予め知っていたり、データサーバ110を仲介せず、ユーザや病院・薬局から健康保険組合に対して薬歴情報を直接問い合わせたりすることも出来る。
図11は、本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。図11に示した動作概要は、図9に示したものとは異なり、データサーバ110を仲介せず、ユーザや病院・薬局から健康保険組合に対して薬歴情報を直接問い合わせる場合を示したものである。図11では、ユーザや、病院内システム300、薬局内システム400から健康保険組合システム200に対して薬歴情報を直接問い合わせ、健康保険組合システム200は、その問い合わせに対する結果をデータサーバ110に送信する例が示されている。
図12は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。図12に示した流れ図は、薬歴データを薬局内システム400からデータセンター100に登録する際の動作を示したものである。
ユーザが薬局にICカード20を持参して、ICカード20をリーダライタ430に接触させると(ステップS131)、図7及び図8に示したような処理が薬局内システム400及びデータサーバ110で実行されて、個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入される(ステップS132)。
個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入されると、ユーザや、病院内システム300、薬局内システム400は、保険証番号、最終更新日をセットにして健康保険組合システム200に当該保険証番号からレセプト連携IDを算出し、そのレセプト連携IDを有するユーザの薬歴情報を問い合わせる(ステップS133)。健康保険組合システム200は、レセプト連携IDをキーにして、内部に保持しているデータベース等から薬歴情報を取得し、問い合わせ元のデータサーバ110へ取得した薬歴情報を送信する(ステップS134)。
データサーバ110は、受信した薬歴情報を、レセプト連携IDをキーにして、サーバ内データベース111に統合する(ステップS135)。
図12に示した一連の処理により、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1は、データセンター100には、患者個人を直接特定するような氏名、住所等の情報を保持させずに、健康保険組合システム200に保持されている薬歴情報との連携を可能にする。また、ユーザや病院内システム300、薬局内システム400から問い合わせる際には、レセプト連携IDを用いないので、仮にユーザや病院内システム300、薬局内システム400からのすべての通信が盗聴されたとしても、レセプト連携IDと紐付けることが出来ず、データサーバ110から薬歴情報を取得することは不可能であり、セキュリティの向上が可能となる。
ここまで述べてきた例では、健康保険組合システム200からデータサーバ110への薬歴情報の送信開始のトリガを、データサーバ110や、ユーザ、病院内システム300、薬局内システム400からの問い合わせとするものであったが、本開示は係る例に限定されない。例えば、審査支払機関500から健康保険組合システム200へデータが更新されたタイミングで、自動的に健康保険組合システム200からデータサーバ110へ薬歴情報が送信されるようにしても良い。
図13は、本実施形態にかかる情報処理システム1の動作概要を示す説明図である。図13に示した動作概要は、図9、図11に示したものとは異なり、審査支払機関500から健康保険組合システム200へデータが更新されたタイミングで、自動的に健康保険組合システム200からデータサーバ110へ薬歴情報が送信される場合を示したものである。このように、自動的に健康保険組合システム200からデータサーバ110へ薬歴情報が送信されるような構成とするには、予め、ユーザ、病院内システム300、薬局内システム400から健康保険組合システム200にレセプト連携IDや、レセプト連携IDの基となるデータを登録しておく。
図14は、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1の処理動作の一例を示す流れ図である。図14に示した流れ図は、薬歴データを薬局内システム400からデータセンター100に登録する際の動作を示したものである。
ユーザが薬局にICカード20を持参して、ICカード20をリーダライタ430に接触させると(ステップS141)、図7及び図8に示したような処理が薬局内システム400及びデータサーバ110で実行されて、個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入される(ステップS142)。
個人/薬歴情報がデータサーバ110のサーバ内データベース111に挿入され、その後、薬歴情報が健康保険組合システム200へ更新されると(ステップS143)、健康保険組合システム200は、その更新をトリガとして、レセプト連携IDをキーにして、内部に保持しているデータベース等から薬歴情報を取得し、問い合わせ元のデータサーバ110へ取得した薬歴情報を送信する(ステップS144)。
データサーバ110は、受信した薬歴情報を、レセプト連携IDをキーにして、サーバ内データベース111に統合する(ステップS145)。
図12に示した一連の処理により、本開示の一実施形態にかかる情報処理システム1は、データセンター100には、患者個人を直接特定するような氏名、住所等の情報を保持させずに、健康保険組合システム200に保持されている薬歴情報との連携を可能にする。また、審査支払機関500から健康保険組合システム200へデータが更新されたタイミングで、自動的に健康保険組合システム200からデータサーバ110へ薬歴情報が送信されるので、データの盗聴の心配も無くなり、システムのセキュリティが向上できる。
<2.まとめ>
以上説明したように本実施形態によれば、即時性に優れるが抜けのある可能性のある電子お薬手帳のデータと、時間的な遅れはあるがより網羅的で、精度が高い電子レセプトのデータとを、個人を特定できる情報と薬歴とを双方含んだ通信を行わなくとも連携させることが可能になる。これにより、本実施形態にかかる情報処理システム1は、即時性と網羅性を相互補完した薬歴データを作成できる。
具体的には、電子お薬手帳を作成したその日から、健康保険組合システム200に構築されている所定の期間以前(例えば2ヶ月前より以前)のデータと連携できる。これにより、情報量が多く、所定の期間の間、ユーザは電子お薬手帳を利用していれば、レセプトが電子化されてからの全データがデータサーバ110に揃うことになる。もちろん、電子お薬手帳を使用しなかった場合であっても、所定の期間が経過すると、データサーバ110のデータは電子レセプトから補完される。
データサーバ110と健康保険組合システム200とのデータ連携のタイミングは、ユーザがICカード20をリーダライタにタッチして、新たな薬歴情報がデータサーバ110に登録されたタイミングであってもよく、ユーザ、病院内システム300、薬局内システム400から問い合わせたタイミングであってもよく、審査支払機関500から健康保険組合システム200へデータが更新されたタイミングであってもよい。いずれの場合であっても、データサーバ110と健康保険組合システム200とのデータ連携を、セキュアに、また適切なタイミングで行える。
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
特定の個人を識別することができる情報を保持せず、個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部と、
特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから少なくとも該データを取得して前記データ保持部に登録するデータ登録部と、
を備え、
前記データ登録部は、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、サーバ装置。
(2)
前記個人ごとのデータは、健康に関するデータである、前記(1)に記載のサーバ装置。
(3)
前記データ登録部は、前記個人ごとの健康に関するデータが送信されてきたタイミングで、前記連携IDを用いて該他のシステムから健康に関するデータを取得して前記データ保持部に登録する、前記(2)に記載のサーバ装置。
(4)
前記データ登録部は、前記他のシステムから所定のタイミングで送信されてくる、前記個人ごとの健康に関するデータを取得して、前記連携IDを用いて前記データ保持部に登録する、前記(2)または(3)に記載のサーバ装置。
(5)
前記データ保持部は、最終更新日の情報を有し、前記データ登録部は、前記他のシステムから前記最終更新日以降の前記個人ごとの健康に関するデータを取得して前記データ保持部に登録する、前記(2)〜(4)のいずれかに記載のサーバ装置。
(6)
前記連携IDは、一方向ハッシュ化によって生成される、前記(2)〜(5)のいずれかに記載のサーバ装置。
(7)
前記他のシステムは、電子レセプトを用いたシステムである、前記(2)〜(6)のいずれかに記載のサーバ装置。
(8)
特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから、少なくとも該データを取得して、特定の個人を識別することができる情報を保持せず個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部に登録するステップを備え、
前記データ保持部に登録するステップは、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、データ連携方法。
(9)
特定の個人を識別することができる情報及び個人ごとのデータを少なくとも保持する他のシステムから、少なくとも該データを取得して、特定の個人を識別することができる情報を保持せず個人ごとのデータを少なくとも保持するデータ保持部に登録するステップをコンピュータに実行させ、
前記データ保持部に登録するステップは、前記他のシステムと連携する連携IDを用いて該他のシステムからデータを取得して前記データ保持部に登録する、コンピュータプログラム。
1 情報処理システム
100 データセンター
110 データサーバ
111 サーバ内データベース
112 通信部
113 更新部
114 ユーザ検索部
115 薬歴検索部
120 情報処理サーバ
200 健康保険組合システム
300 病院内システム
400 薬局内システム

Claims (9)

  1. 通信網を介して健康情報管理装置と接続される情報取得端末装置であって、
    ユーザを識別する個人識別情報を取得する取得部と、
    情報を送信および受信する通信部と、
    前記通信部及び前記取得部を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記健康情報管理装置に対して、前記個人識別情報を前記通信部により送信し、前記個人識別情報に対応付けられた連携IDを用いて他のシステムから取得したユーザの第1の健康に関するデータを前記通信部により受信し、前記第1の健康に関するデータを出力するよう制御する、情報取得端末装置。
  2. 前記制御部は、第2の健康に関するデータを前記通信部により受信し、前記第1の健康に関するデータ及び前記第2の健康に関するデータを出力するよう制御する、請求項1に記載の情報取得端末装置。
  3. 前記個人識別情報は、ICカードから前記取得部により取得した情報である、請求項1に記載の情報取得端末装置。
  4. 前記個人識別情報は、生体情報から固有の情報を個人識別情報として前記取得部により取得した情報である、請求項1に記載の情報取得端末装置。
  5. 前記第1の健康に関するデータは、診察情報または調剤情報である、請求項1に記載の情報取得端末装置。
  6. 通信網を介して、情報取得端末装置と接続される健康情報管理装置であって、
    ユーザを識別する個人識別情報に対応づけて、他のシステムと連携する連携IDを記憶する記憶部と、
    情報を送信および受信する通信部と、
    前記記憶部および前記通信部を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記情報取得端末装置から、前記個人識別情報を前記通信部により受信し、
    前記他のシステムに対して、前記個人識別情報に対応付けられている前記連携IDを前記通信部により送信し、
    前記他のシステムから、前記連携IDに対応付けられている第1の健康に関するデータを受信し、
    前記情報取得端末装置に対して、前記第1の健康に関するデータを送信するよう制御する、健康情報管理装置。
  7. 前記記憶部は、さらに前記個人識別情報に対応づけて、第2の健康に関するデータを記憶し、
    前記制御部は、前記情報取得端末装置に対して、前記第1の健康に関するデータ、および前記第2の健康に関するデータを前記通信部より送信するよう制御する、請求項6に記載の健康情報管理装置。
  8. 前記制御部は、前記情報取得端末装置から、第2の健康に関するデータを前記通信部により受信するよう制御する、請求項6に記載の健康情報管理装置。
  9. 前記制御部は、前記情報取得端末装置から、前記第2の健康に関するデータを前記通信部により受信した場合に、前記他のシステムから前記第1の健康に関するデータを受信するよう制御する、請求項8に記載の健康情報管理装置。
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