JP2007140647A - 臨床研究支援システム - Google Patents

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博 石田
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Abstract

【課題】複数の研究機関において臨床研究のための臨床・分析データを共用する臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースであって、必要に応じた態様で個人情報の保護を確保することができる臨床研究支援システムを提供する。
【解決手段】複数の研究機関により患者の臨床・分析データを共有する臨床研究支援システムであって、自機関に属する患者の個人IDを保持する複数の研究機関と、各研究機関から受信した患者の臨床・分析データを保持するセンターサーバとを含んでおり、センターサーバは、各研究機関からの要求に応じて、当該研究機関に属する患者の個人IDに関連付けるための匿名化IDを発行し、各研究機関は、自機関に属する患者の臨床・分析データを、当該患者の個人IDに関連付けられた匿名化IDとともに、センターサーバに送信することを特徴とするシステム。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の研究機関において臨床・分析データを共用しながら臨床研究を行うのを支援するシステムに関し、特に、必要に応じた態様で個人情報の保護を確保することができる臨床研究支援システムに関する。
近年、複数の病院や大学等の研究機関において、臨床研究の目的で、電子化された患者情報(患者の臨床・分析データや個人情報)を相互提供したり共有したりすることが行われている。このように複数の機関で患者情報を共有すれば、より多くの患者情報のサンプル取得が可能となり、臨床研究の進展が促されることとなる。
従来、研究機関間で患者情報の相互提供、共有を行うにあたって、特に確立された方法やルールは存在しておらず、主に表計算ソフトや簡易データベースシステム等により作製された患者情報ファイルが授受されている場合が多い。
特開2003−297780号公報
近年、個人情報保護法の施行などに伴い、患者の臨床・分析データや属性情報などの個人情報に対する保護の必要性が増してきている。ところが、上記したように、複数研究機関間での患者データの相互提供や共有の場面においては、患者の個人情報の保護について全く対策がなされていないのが現状である。特に、以下の4つの問題点がある。
1)個人情報保護とデータ共有との両立ができない
各研究機関において表計算ファイルや簡易データベースとして作成される患者の臨床・分析データには、当該研究機関における患者ID等の患者個人を特定できる情報(以下「個人識別情報」という)、臨床の場で取得された患者のデータ(以下「臨床データ」という)、患者の血液、組織、等の生体サンプルを分析して得られる患者のデータ(分析結果を解析して得られるデータも含む。以下「分析データ」という)などが含まれているのが一般的である。これらのデータのうち、臨床研究におけるサンプル数確保の目的に必要なのは、臨床データ及び分析データ(以下「臨床・分析データ」という)のみであり、個人識別情報までを他の研究機関に提供する必要はない。しかしながら、現状のデータ共有方式では、必要のない個人識別情報までもが他の研究機関に流出してしまうことになる。この問題に対して、各研究機関がデータを外部に提供する都度に、データから個人識別情報に該当する項目の削除等を行うのは手間がかかり過ぎて現実的な対処法ではない。
2)必要に応じた個人識別情報へのアクセス許可ができない
研究機関間で患者情報を共有するようなシステムにおいても、臨床・分析データのみならず、個人識別情報をも参照する必要が生じる場合がある。例えば、ある研究機関が医療機関である場合に、機関内の研究者が臨床医・主治医として当該機関に属する患者について個人識別情報を参照し、患者個人に連結した臨床・分析データを用いて臨床判断に資する場合などである。一律に個人識別情報を削除したファイルを共有する方式を採用した場合には、患者が属する研究機関の内外を問わず、患者の個人識別情報が参照できなくなってしまい、研究者にとっての利便性が悪いし、患者の不利益にもつながる。
3)作業者のアクセス権限に応じた個人識別情報へのアクセス許可ができない
例えば、データの登録作業を行う者、臨床研究を行う者、分析を行う者、患者の診療を行う者など作業者の属性に応じて、臨床・分析データや個人識別情報へのアクセス拒否を設定すれば、作業効率を損なうことなく適切な個人情報保護を実現することができるが、現状のデータ相互提供方式、データ共有方式ではこのような柔軟なアクセス制御は実現できない。
4)データの一元管理ができない
現状のデータ相互提供方式、データ共有方式では、各研究機関が外部にファイルを提供する際にデータの複製が作成されるため、それ以降の同データの修正を一元的に行うことができない。複製されたデータ間で整合性を取るのは手間がかかり、データの修正作業漏れも発生してしまう。個人情報保護の観点からすると、中央サーバにおいて患者情報を一括管理するという方式で対処する方法は適当ではない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の研究機関において臨床研究のための臨床・分析データを共用する臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースであって、必要に応じた態様で個人情報の保護を確保することができる臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースを提供しようとするものである。
上記解決課題を解決すべく、本発明者は、複数の研究機関により患者の臨床・分析データを共有する臨床研究支援システムであって、自機関に属する患者の個人IDを保持する複数の研究機関と、各研究機関から受信した患者の臨床・分析データを保持するセンターサーバとを含んでおり、センターサーバは、各研究機関からの要求に応じて、当該研究機関に属する患者の個人IDに関連付けるための匿名化IDを発行し、各研究機関は、自機関に属する患者の臨床・分析データを、当該患者の個人IDに関連付けられた匿名化IDとともに、センターサーバに送信することを特徴とする臨床研究支援システムを提供するものである。
以上、説明したように、本発明の臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースによれば、必要に応じた態様で個人情報保護が確保された状態で、複数の研究機関において臨床研究のための臨床・分析データを共用することができる。また、データにアクセスする作業者毎に役割を設定し、これに基づき各データ項目へのアクセス制御を行うことができるため、作業者による不要なデータアクセスを制限することができ、高レベルのセキュリティを確保することができる。また、共有データがサーバにおいて一元管理されるため、データのコピーが複数バージョン発生することはなく、データの変更時に変更漏れが発生しないという利点もある。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースを実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1〜図8は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
システム構成
図1は、本発明の臨床研究支援システムの構成を概略的に示す図である。このシステムは、研究機関A,Bとセンターサーバとから構成されている。研究機関A,Bとセンターサーバとの間の通信は、ファイアウォールやSSHの機能によりセキュリティが確保されているものとする。
センターサーバは、臨床・分析データベース101において、各研究機関が共有する臨床・分析データを保持している。臨床・分析データベース101には、各研究機関から患者の臨床・分析データが登録されるようになっている。
研究機関A,Bは、それぞれ、自機関に属する患者の個人識別情報を保持する個人識別情報データベース102A,102Bと、PC等のクライアント104A,104Bと、クライアント104A,104Bから自機関内及びセンターサーバ内の各データベースに対するアクセスを制御するDBアクセスプログラム103A,103Bとを有している。
図2は、個人識別情報データベース102A,102Bのデータ構成例を示す図である。図2に示すように、個人情報データベース102A,102Bは、(a)の匿名化連結テーブルと(b)の個人情報テーブルとから構成されている。(a)の匿名化連結テーブルにおいて、患者IDと研究IDとが多対多で関係付けられている。ここで、患者IDとは、患者が所属する研究機関で一般的に使用されている患者を一意に識別するIDのことを指す。そして、研究IDとは、本システムにおいて個々の研究プロジェクトの対象となる患者を一意に識別するIDであり、各研究プロジェクトの対象となった患者の患者IDは全て、研究IDと関連付けられるようになっている。患者ID自体はサーバーセンタや他機関に流出されるべきではない個人情報であるが、匿名化のために患者IDに連結された研究IDは、当該患者の臨床・分析データとともにサーバーセンタや他機関に提供されてもよい情報である。
図3A及び図3Bは、センターサーバの臨床・分析データベース101のデータ構成例を示す図である。図3A及び図3Bに示すように、臨床・分析データベース101は、(a)臨床データテーブル、(b)分析データテーブル、(c)アカウント権限テーブル、(d)研究プロジェクトテーブル、(e)システムアカウントテーブル、(f)研究プロジェクトアカウントテーブル、(g)研究プロジェクト対象者テーブルを有している。
(a)臨床データテーブルは各患者の臨床データ、(b)分析データテーブルは各患者の分析データ、(c)アカウント権限テーブルは本システムにアクセスする研究者等の役割別のアクセス権限の設定、(d)研究プロジェクトテーブルは各研究機関が行っている研究プロジェクトに関する情報、(e)システムアカウントテーブルは本システムにアクセスする各個人のアカウント情報、(f)研究プロジェクトアカウントテーブルは各研究プロジェクトに参加している研究者等とその役割に関する情報、(g)研究プロジェクト対象者テーブルは、各研究プロジェクトにおいて研究対象となっている患者に関する情報を含んでいる。各テーブル(a)〜(g)において、患者は研究IDにより一意に識別されるようになっている。
システム利用形態
図4は、本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究プロジェクト対象者の追加を行う際の処理の流れを示す図である。図4において、研究機関の研究者等が研究プロジェクトにおいて研究対象とする患者の追加要求を行うと、研究機関のDBアクセスプログラムは、センターサーバにアクセスして当該患者に対する研究IDの発番を受け、これを個人識別情報データベースの匿名化連結テーブルに格納する。センターサーバ側では、臨床・分析データベースの研究プロジェクト対象者テーブルにおいて、発番した研究IDを管理している。このような仕組みにより、本システムでは、患者が属する研究機関の外部からは患者IDを知ることができないが、研究IDにより個々の患者を識別し、それら患者の臨床・分析データを利用することができるようになっており、患者の個人識別情報の保護が実現されている。
図5は、本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究者等が所属する研究機関外の患者情報を参照する際の処理の流れを示す図である。図5において、研究機関の研究者等が対象とする患者の研究IDを指定して患者情報の取得を要求すると、研究機関のDBアクセスプログラムは、センターサーバにアクセスして、センターサーバの臨床・分析データベースから当該研究IDの臨床・分析データを取得する。続いて、DBアクセスプログラムは、この研究機関の個人識別情報データベースにアクセスし、匿名化連結テーブルから当該研究IDのエントリを検索する。ここで、当該患者はこの研究機関に属しないため匿名化連結テーブルにはエントリがなく、DBアクセスプログラムが当該患者の個人識別情報を取得することはない。こうして、DBアクセスプログラムは、センターサーバから取得された当該患者の臨床・分析データのみを研究者等のクライアントPCに表示させることになる。
図6は、本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究者等が所属する研究機関の患者情報を参照する際の処理の流れを示す図である。図6において、研究機関の研究者等が対象とする患者の研究IDを指定して患者情報の取得を要求すると、研究機関のDBアクセスプログラムは、センターサーバにアクセスして、センターサーバの臨床・分析データベースから当該研究IDの臨床・分析データを取得する。続いて、DBアクセスプログラムは、この研究機関の個人識別情報データベースにアクセスし、匿名化連結テーブルから当該研究IDのエントリを検索する。ここで、当該患者はこの研究機関に属しているため匿名化連結テーブルには当該患者の研究IDと患者IDとを関連付けたエントリが存在する。そこで、DBアクセスプログラムは、当該患者の患者IDから個人情報テーブルに格納されている当該患者の個人情報を取得することができる。こうして、DBアクセスプログラムは、センターサーバから取得された当該患者の臨床・分析データと、当該患者の個人情報とを合わせて、研究者等のクライアントPCに表示させることができる。
図7は、本発明の臨床研究支援システムにおける作業者の役割に基づくアクセス制限の例を示す図である。ここでは、図3Aのアカウント権限テーブルにおける設定に従ったアクセス制限を例示する。このアカウント権限テーブルでは、アカウント種別毎に、各アクセス対象項目に対して、アクセス権限があるかないか(アクセス権限ありは○、なしは×)が設定されている。図7において、作業者から各データ項目へのアクセス要求を受けたDBアクセスプログラムは、研究プロジェクトアカウントテーブルにおいて当該作業者の役割を確認し、アカウント権限テーブルにおいて当該作業者の役割に設定されたアクセス権限を参照することにより、当該作業者に予め許可されているアクセス対象項目に対してのみ、アクセスを行い、その結果データをクライアントPCに表示させる。このように、本発明の臨床研究支援システムでは、作業者の役割毎、アクセス対象項目毎に、きめ細かにアクセス制限を行うことにより、適切な個人情報保護を実施することができるようになっている。
以上、本発明の臨床研究支援システム及び臨床研究用データベースについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明の臨床研究支援システムの構成を概略的に示す図である。 図1に示す個人識別情報データベースのデータ構成例を示す図である。 図1に示すセンターサーバの臨床・分析データベースのデータ構成例を示す図である。 図1に示すセンターサーバの臨床・分析データベースのデータ構成例を示す図である。 本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究プロジェクト対象者の追加を行う際の処理の流れを示す図である。 本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究者等が所属する研究機関外の患者情報を参照する際の処理の流れを示す図である。 本発明の臨床研究支援システムにおいて、研究者等が所属する研究機関の患者情報を参照する際の処理の流れを示す図である。 本発明の臨床研究支援システムにおける作業者の役割に基づくアクセス制限の例を示す図である。

Claims (1)

  1. 複数の研究機関により患者の臨床・分析データを共有する臨床研究支援システムであって、
    自機関に属する患者の個人IDを保持する複数の研究機関と、各研究機関から受信した患者の臨床・分析データを保持するセンターサーバとを含んでおり、
    センターサーバは、各研究機関からの要求に応じて、当該研究機関に属する患者の個人IDに関連付けるための匿名化IDを発行し、
    各研究機関は、自機関に属する患者の臨床・分析データを、当該患者の個人IDに関連付けられた匿名化IDとともに、センターサーバに送信することを特徴とする臨床研究支援システム。
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