以下に、本願に係る業務管理システム、業務管理方法および業務管理プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る業務管理システム、業務管理方法および業務管理プログラムが限定されるものではない。
[第1の実施形態]
以下の実施形態では、第1の実施形態に係る業務管理システムの構成および処理について説明し、最後に第1の実施形態による効果を説明する。
[第1の実施形態の構成]
まず、図1を用いて、業務管理システムが含まれるネットワークおよびネットワークに接続されているシステム等について説明する。図1は、第1の実施形態に係る業務管理システムを含むネットワークの構成の一例を示す図である。図1に示すように、業務管理システム1は、社員が使用する社員端末、管理者が業務管理等を行う管理者端末および業務システム等とネットワークを介して直接または間接的に接続されている。また、図1に示す構成に限定されず、例えば、管理者端末と業務システムの機能が1つの端末上で実現されるような構成であってもよい。
図2を用いて、業務管理システム1および周辺のシステム等について説明する。図2は、第1の実施形態に係る業務管理システムの概要を示す図である。図2に示すように、各社員が業務システムを使用すると、ログが出力される。出力されたログは業務システム内の記憶手段に記憶されるようにしてもよいし、外部の記憶装置等に記憶されるようにしてもよい。また、出力されたログが業務管理システム1に直接転送されるようにしてもよい。
図2に示すように、業務管理システム1は、ログ収集部10、ログ記憶部20、データ処理部30、管理簿データ記憶部40、監査部50および業務マネジメント部60を有する。
業務管理システム1は、業務システムが出力したログをログ収集部10が収集し、ログ記憶部20に記憶する。ログの収集手段としては、既存の有効な手段を組み合わせて使うことができる。既存の有効な手段としては、例えば、UNIX(登録商標)系で利用されるSyslogプロトコル(RFC3164,RFC5424)や、ファイル転送で利用されるFTP(RFC959)、SCP/SSH(RFC4250,RFC4251,RFC4252,RFC4253,RFC4254,RFC4255,RFC4256)等が挙げられる。なお、収集手段は上記のものに限定されない。
また、ログ記憶部20における収集したログの保存においては、例えば、既存の暗号化アルゴリズム(例えば、Camellia,RFC3713)を用いた暗号化や、タイムスタンププロトコル(RFC3161)や、XML署名(RFC2807,RFC3075)を使った署名を利用することができる。なお、収集したログを保存するための手段は、上記のものに限定されない。
データ処理部30は、ログを業務ごとに集約した管理簿データを作成し、管理簿データ記憶部40への登録、または管理簿データ記憶部40の更新を行う。また、監査部50は、業務規程に基づいて、データ処理部30から受け取った管理簿データ、もしくは管理簿データ記憶部40に記憶されている管理簿データから、不適正な業務を抽出する。また、業務マネジメント部60は、管理簿データ記憶部40に記憶されている管理簿データを検索し、可視化した情報を管理者に提供する。
図3を用いて、業務管理システム1の構成について詳細に説明する。図3は、第1の実施形態に係る業務管理システムの構成の一例を示すブロック図である。前述の通り、業務管理システム1は、ログ記憶部20、データ処理部30、管理簿データ記憶部40、監査部50および業務マネジメント部60を有する。また、データ処理部30は、業務情報作成部31および管理簿データ作成部32を有する。また、業務情報作成部31は、業務単位識別情報取得部311、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313を有する。さらに、管理簿データ作成部32は、ログ分類部321およびデータ出力部322を有する。
業務管理システム1は、業務システムから収集した業務における作業に関する情報を含む複数のログの各ログに含まれる作業に関する情報と、事前に設定された作業を分類する条件とに基づいて、各ログがいずれの業務に属するかを特定し、同一業務に属するログをそれぞれ集約したデータを管理簿データとして作成する。
また、業務管理システム1は、ログに含まれる作業に関する情報が、所定の業務が開始した際に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の開始時に行った作業に関するログと分類し、所定の業務が終了した際に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の終了時に行った作業に関するログと分類し、所定の業務の途中に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の途中に行った作業に関するログと分類し、分類された各ログのうち、作業対象が同一のログを同一業務に属するログとして集約し、集約したデータから管理簿データを作成する。
管理簿データ作成部は、例えば、第1のログに含まれる作業の作業対象の作業前の状態である前状態と第2のログに含まれる作業の作業対象の作業後の状態である後状態とが一致する場合に、第1のログおよび第2のログが同一の業務に属することを特定し、さらに、第1のログに対応する業務の識別情報および業務の業務状態である前業務単位状態と、第2のログに対応する業務の識別情報および業務の業務状態である後業務単位状態と、をログの項目に追加する。前状態、後状態、前業務状態、後業務状態の詳細な説明については後述する。
管理簿データ作成部32は、管理簿データに少なくとも、定型業務を識別する情報、業務単位を識別する情報、業務が完了しているか作業中であるかを示す情報、ログのリスト、を含める。
ログ分類部321は、作業に関する情報に基づいて、ログを、所定の業務に無関係なログ、所定の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時に行った作業に関するログ、所定の業務の途中に行った作業に関するログ、所定の業務の途中かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログ、のいずれかに分類する。そして、管理簿データ作成部32は、分類に対応した作成方法に従って管理簿データを作成する。
監査部50は、管理簿データに含まれるログのうち、業務規程に非適合であることを示す所定の条件を満たすログを、不適正なログとして判別し、管理簿データに不適正なログのリストとして追加する。また、業務マネジメント部60は、管理簿データを検索し可視化したうえでユーザに対して提供する。
図4を用いて、業務システムから出力されログ記憶部20に記憶されるログについて説明する。ここで、ログは、ログ項目として業務における作業に関する情報を含んでいる。図4は、第1の実施形態に係るログの一例を示す図である。図4に示すように、ログの項目には、例えば、各ログを一意に特定するログID、発生日時、ログの発生に係る処理の主体である作業者等、処理種別、処理対象、処理が行われた場所、前状態・後状態等が含まれる。
なお、前状態と後状態の項目は、ログの発生に係る処理の前後で変化する項目であり、業務システムに応じた内容である。例えば、ログがファイル操作ログである場合は、前状態は操作前のファイルパス情報、後状態は操作後のファイルパス情報である。また、ログ記憶部20に記憶されているログは、各項目の値を用いて検索することができる。例えば、期間の開始および終了である日時を指定して、指定した期間の範囲に発生日時が含まれるログを、ある期間に発生したログ群として検索し取得することができる。
例として、図4のログIDが100であるログは、「2015/05/20 13:00:34.082」に「社員A」が「フォルダ1」に「ファイルA」を新規作成したことを表している。また、ログIDが101であるログは、「2015/05/20 13:35:19.147」に「社員A」が「フォルダ1」の「ファイルA」を編集し、「ファイルA2」にファイル名を変更したことを表している。また、ログIDが102であるログは、「2015/05/20 13:48:22.486」に「社員B」が「フォルダ1」の「ファイルA2」を参照したことを表している。また、ログIDが103であるログは、「2015/05/20 13:50:59.896」に「社員B」が「フォルダ1」の「ファイルA2」を削除したことを表している。
ここで、図5を用いて、業務の構成を表す「定型業務」および「業務単位」について説明する。図5は、第1の実施形態に係る業務の構成の一例を示す図である。図5に示すように、「定型業務」とは、業務の種類を表す。これに対して、「業務単位」とは、定型業務のインスタンスであり1つの定型業務に対して複数の業務単位が存在する。
例えば、「提出用資料の準備」という定型業務があり、それに対して「案件番号100の提出用資料の準備」もしくは、「案件番号101の提出用資料の準備」といった業務単位が存在し得る。この場合、例えば、提出用資料は所定の提出用フォルダに作成する等の点が各業務単位に共通しており、作成されるファイルの名前は各業務単位で異なるということが考えられる。以降、特に断りが無い場合は、業務とは業務単位を指すものとする。
また、図6に示すように、ログはある業務の状態から、その処理内容によって、別の状態へ遷移する。図6は、第1の実施形態に係るログの関係の一例を示す図である。前述の通り、処理以前の状態は前状態、処理後の状態は後状態としてログに記録されるようにしてもよい。また、図6に示すように、例えば、ログ1の後状態とログ2の前状態は、いずれもP2であり、一致している。このような場合、ログ間に順序関係が形成され、これによって状態変化を追跡することができる。
さらに、本発明においては、図7に示すように、ログに含まれる状態として前業務単位状態および後業務単位状態が追加される。図7は、第1の実施形態に係るログの一例を示す図である。前業務単位状態および後業務単位状態は、該当する定型業務識別情報と業務単位識別情報に対応する業務単位と、例えば「未開始」「作業中」「完了」といった業務状態を表すものとする。
例えば、前業務状態および後業務状態は下記のように表すことができる。
{前,後}業務単位状態 = 定型業務識別情報+業務単位識別情報+業務状態
業務状態∈{未開始,作業中,完了}
なお、前業務単位状態および後業務単位状態は、ログ記憶部20のログのレコードの前状態および後状態の項目と同じように保存され、これらの値でログを検索することができるものとする。
次に、図8−1から図8−6を用いて、前業務単位状態と後業務単位状態の遷移のパターンについて説明する。図8−1から図8−6は、第1の実施形態に係るログの状態の遷移の一例を示す図である。図8−1に示す例は、前業務単位状態が(A,Null,未開始)であり、後業務単位状態が(A,Null,未開始)であるため、ログに係る業務によって業務単位状態が変化していないことを示している。なお、(A,Null,未開始)は、定型業務識別情報が「A」、業務単位識別情報が「Null」、業務状態が「未開始」であることを表している。この場合は、例えば、ログが定型業務Aに無関係であったため、業務単位が未開始のままであることが考えられる。
図8−2に示す例は、前業務単位状態が(A,Null,未開始)であり、後業務単位状態が(A,Wx,作業中)である。この場合、例えば、ログに係る業務によって未開始であった定型業務Aの業務単位Wxが開始されたことが考えられる。また、図8−3に示す例は、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)であり、後業務単位状態が(A,Wx,完了)である。この場合、例えば、ログに係る業務によって、作業中であった定型業務Aの業務単位Wxが完了されたことが考えられる。
図8−4に示す例は、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)であり、後業務単位状態が(A,Wx,作業中)である。この場合、例えば、ログに係る業務によっては業務状態が変化せず、作業中であった定型業務Aの業務単位Wxの作業が引き続き行われていることが考えられる。また、図8−5の(a)に示す例は、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)であり、後業務単位状態が(A,Wx,作業中)である。そして、図8−5の(b)に示す例は、前業務単位状態が(A,Null,未開始)であり、後業務単位状態が(A,Wy,作業中)である。この場合、例えば、ログに係る業務によって、作業中であった定型業務Aの業務単位Wxは引き続き作業中であり、Wxとは別の業務単位Wyが開始されたことが考えられる。
また、図8−6の(a)に示す例は、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)であり、後業務単位状態が(A,Wx,完了)である。そして、図8−6の(b)に示す例は、前業務単位状態が(A,Null,未開始)であり、後業務単位状態が(A,Wy,作業中)である。この場合、例えば、ログに係る業務によって、作業中であった定型業務Aの業務単位Wxが完了し、Wxとは別の業務単位Wyが開始されたことが考えられる。
以降、データ処理部30の各部における処理について説明する。まず、業務情報作成部31は、あるログについての、定型業務識別情報、業務単位識別情報、前業務単位状態および後業務単位状態を取得し、業務情報を作成する。また、管理簿データ作成部32は、業務情報作成部31で作成された業務情報に基づき、ログを分類し、管理簿データ記憶部40へのデータの登録および更新を行う。
まず、業務情報作成部31の業務単位識別情報取得部311、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313について説明する。業務単位識別情報取得部311は、例えば、ログIDを入力とし、定型業務識別情報および業務単位識別情報を出力とする関数によって実現される。業務単位識別情報取得部311を実現する関数は、業務に応じて適切に用意されるソフトウェアであり、入力となるログIDのログデータをログ記憶部20から取得し、ログ項目や管理簿データ等を参照して、ログを処理する前の業務状態を決定し、定型業務識別情報および業務単位識別情報を出力する。
また、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313は、関数によってある定型業務が開始されたこと、または終了したことを判定する。業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313を実現する関数は、例えばログIDを入力とし、定型業務識別情報や判定結果を出力とする。出力の定型業務識別情報は判定対象となる定型業務を表す識別情報であり、判定結果は、業務開始条件または業務終了条件を満たすか否かを真偽値によって表したものである。業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313を実現する関数は、業務に応じて適切に用意されるソフトウェアであり、入力となるログIDのログデータをログ記憶部20から取得し、ログ項目や管理簿データ等を参照して、定型業務の業務条件を確認しつつ、業務開始条件または業務終了条件の適合性を判定する。
ログ分類部321は、業務単位識別情報取得部311、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313の出力に基づいて、作成される管理簿データのパターンごとにログを分類する。具体的には、管理簿データのパターンとは、例えば図10または図11に示すような(1)〜(6)のパターンである。そして、パターンごとに管理簿データの作成方法が設定されている。なお、パターンの分類および管理簿データの作成の詳細については後述する。ログ分類部321は、図9に示すような関数の出力に基づいて分類を行う。図9に示す関数は、業務に応じて適切に用意されるソフトウェアであり、入力となる業務開始条件、業務終了条件、定型業務識別情報および業務単位識別情報を基に、分類結果、定型業務識別情報および業務単位識別情報を出力する。
図10を用いて、ログと分類の対応関係について説明する。図10は、第1の実施形態に係るログと分類の対応の一例を示す図である。図10に示すように、ログ分類部321は、ログ項目を用いて定型業務Aの業務単位の開始から終了までを形作る業務条件を想定する。
ここで、図10の業務条件とは、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313の出力である判定結果を表す真偽値である。すなわち、業務開始条件Aは、ログのログ項目が定型業務Aの業務単位の開始となる条件である。また、業務終了条件Aは、ログのログ項目が定型業務Aの業務単位の終了となる条件である。また、図10の業務単位状態の遷移は、業務単位識別情報取得部311の出力を基に業務単位の状態の遷移を表したものである。図10における「T」はTrue、「F」はFalse、「−」は対応する業務単位状態の遷移が存在しないこと示している。
ログ分類部321は、ログを、例えば、所定の業務に無関係なログ、所定の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時に行った作業に関するログ、所定の業務の途中に行った作業に関するログ、所定の業務の途中かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログに分類する。
具体的には、図10に示すように、ログ分類部321は、ログ記憶部20に記憶されているログを(1)定型業務Aの業務に無関係なログ、(2)業務単位Wxの開始、(3)業務単位の終了、(4)業務単位Wxの途中、(5)業務単位Wxの途中だが、別の業務単位Wyが開始、または(6)業務単位Wxが終了し別の業務単位Wyが開始、のいずれかに分類する。なお、Wyは定型業務Aに属するWxと異なる業務単位を示す。また、図10においてはWyの状態の遷移は省略する。
業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「F」または「T」、状態の遷移が(A,Null,未開始)から(A,Null,未開始)であるログは(1)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−1に対応する。また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「F」、状態の遷移が(A,Null,未開始)から(A,Wx,作業中)であるログは(2)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−2に対応する。
また、業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「T」、状態の遷移が(A,Wx,作業中)から(A,Wx,完了)であるログは(3)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−3に対応する。また、業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「F」、状態の遷移が(A,Wx,作業中)から(A,Wx,作業中)であるログは(4)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−4に対応する。
また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「F」、状態の遷移が(A,Wx,作業中)から(A,Wx,作業中)である場合、ログは(5)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−5に対応する。また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「T」、状態の遷移が(A,Null,未開始)から(A,Wy,作業中)および(A,Wx,作業中)から(A,Wx,完了)である場合、ログは(6)に対応し、この場合の状態の遷移は図8−6に対応する。
また、図10に示す対応関係より、ログ分類部321によるログの分類方法は、図11のように表すことができる。図11は、第1の実施形態に係るログの分類方法の一例を示す図である。図11に示すように、例えば、業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「F」または「T」、前業務単位状態が(A,Null,未開始)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Null,未開始)、分類を(1)に決定する。また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「F」、前業務単位状態が(A,Null,未開始)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Wx,作業中)、分類を(2)に決定する。
また、業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「T」、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Wx,完了)、分類を(3)に決定する。また、業務開始条件Aが「F」、業務終了条件Aが「F」、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Wx,作業中)、分類を(4)に決定する。
また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「F」、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Wx,作業中)および(A,Wy,作業中)、分類を(5)に決定する。また、業務開始条件Aが「T」、業務終了条件Aが「T」、前業務単位状態が(A,Wx,作業中)である場合、ログ分類部321は、ログの後業務単位状態を(A,Wx,完了)および(A,Wy,作業中)、分類を(6)に決定する。
また、ログ分類部321は、管理簿データの作成に際して、図12に示すように、分類した各ログに業務単位識別情報を割り当てる。図12は、第1の実施形態に係るログに割り当てられる業務単位識別情報の一例を示す図である。図12に示すように、ログ分類部321は、定型業務Aの業務に無関係なログである(1)に分類されたログには業務単位識別情報を割り当てない。また、ログ分類部321は、業務単位Wxの開始である(2)に分類されたログには新規の業務単位Wxを割り当てる。また、ログ分類部321は、業務単位の終了である(3)または業務単位Wxの途中である(4)に分類されたログには、Wxを割り当てる。また、ログ分類部321は、業務単位Wxの途中だが、別の業務単位Wyが開始されたことを示す(5)または業務単位Wxが終了し別の業務単位Wyが開始されたことを示す(6)に分類されたログには、Wxと、新規の業務単位Wyを割り当てる。
図13を用いて、ログ分類部321による分類結果について説明する。図13は、第1の実施形態に係るログの分類結果の一例を示す図である。図13に示すように、ログは、定型業務および業務単位ごとの集合に割り振られる。また、定型業務Bにおいては業務開始条件Bや業務終了条件Bによって判定が行われ、例えば定型業務Aでは(1)に分類されたログが、定型業務Bでは(2)から(6)のいずれかに分類される場合もある。
ログ分類部321による分類が行われた後は、図14に示すように、ログ項目に前業務単位状態および後業務単位状態を持たせることができる。例えば、ログIDが100のログには、前業務単位状態(A,Null,未開始)および後業務単位状態(A,Wx,作業中)が追加されている。
データ出力部322は、ログ分類部321による分類結果に基づいて、管理簿データを作成し、管理簿データ記憶部40へ出力する。図15を用いて、データ出力部322による管理簿データの作成および管理簿データ記憶部40への出力について説明する。図15は、第1の実施形態に係る管理簿データの出力方法の一例を示す図である。図15に示すように、分類によって処理が決定され、データ出力部322は、管理簿データ記憶部への出力の例に示す方法によって管理簿データ記憶部40への出力を行う。なお、ログに割り当てる業務単位識別情報については、図12を用いて説明した通りである。
そして、図15に従ってデータ出力部322によって作成され、管理簿データ記憶部40に出力された管理簿データの例を、図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態に係る管理簿データの一例を示す図である。図16に示すように、管理簿データには、例えば、定型業務識別情報、業務単位識別情報、業務状態の項目が含まれる。また、管理簿データには、管理項目として、業務担当者、業務開始日時、業務終了日時等が含まれる。さらに、管理簿データには、ログリスト、不適正ログリスト、監査状態、関連業務リスト等が含まれる。
また、図15に示すように、データ出力部322は、例えば、(2)に分類されたログについては、処理LP2を実行する。処理LP2では、例えば、定型業務識別情報が「A」、業務単位識別情報が「Wx」、業務状態が「作業中」、管理項目の業務開始日時が例えばログの発生日時、監査状態が「未完了」、不適正ログリストが「Null」、関連業務リストが「Null」である管理簿データが登録される。
監査部50は、管理簿データ記憶部40内の各管理簿データが業務規程のルールを満たしているか否かを検査する。まず、監査部50は、例えば、管理簿データ記憶部40内の管理簿データのうち、監査状態が「未完了」である管理簿データの業務単位識別情報のリストを取得し、各業務単位識別情報の管理簿データに対して以下を行う。次に、管理簿データのログリストの各ログの発生日時、作業者、処理種別、場所等を、業務規程評価ルールに適用することで、適正か不適正かを判定する。そして、不適正なログは不適正ログリストに登録する。さらに、管理簿データの業務状態が「完了」の場合は、監査状態を「完了」にする。
業務規程評価ルールは、例えば、ログIDを入力、検査結果および理由を出力とする関数として与えられる。この時、出力である検査結果は、適正であることを表す「適正」、不適正であることを表す「不適正」のいずれかを特定する値である。また、出力である理由は、検査結果が「不適正」の場合に、不適正となった理由やどの業務規程に違反しているのか等を示す文字列である。なお、業務規程評価ルールの関数は、業務に応じて適切に用意されるソフトウェアであり、入力となるログIDのログデータをログ記憶部20から取得し、ログメッセージの内容や、場合によっては管理簿データ記憶部40を参照して検査結果を出力する。
業務マネジメント部60は、管理者が業務上の問題抽出や改善活動を行うために、管理簿データ記憶部40の管理簿データを検索し可視化する。例えば、各社員の全管理簿データを帳票フォーマットに変換し印刷したり、また、不適正な管理簿データを検索し管理者端末の画面に表示したりすることができる。
[第1の実施形態の処理]
次に、第1の実施形態の処理について説明する。まず、図17−1から図17−3を用いて、業務管理システム1のデータ処理部30の処理について説明する。図17−1は、第1の実施形態に係る業務管理システムのデータ処理部における処理の一例を示すフローチャートである。図17−1に示すように、まず、業務情報作成部31は、ログ記憶部20から未取得のログを取得する(ステップS11)。ここで、業務情報作成部31がログを取得できなかった場合(ステップS12、No)は、処理を終了する。また、業務情報作成部31がログを取得できた場合(ステップS12、Yes)は、業務情報作成部31は、業務情報作成処理(ステップS13)および管理簿データ作成処理(ステップS14)を実行する。さらに、未取得のログを取得し(ステップS11)、各処理を繰り返し行う。
図17−2を用いて、業務情報作成処理について詳細に説明する。図17−2は、第1の実施形態に係る業務管理システムの業務情報作成処理の一例を示すフローチャートである。図17−2に示すように、業務単位識別情報取得部311は、取得したログの定型業務識別情報および業務単位識別情報を取得する(ステップS131)。そして、業務開始条件判定部312は、取得したログの項目が、業務開始条件を満たしているか否かを判定する(ステップS132)。また、業務終了条件判定部313は、取得したログの項目が、業務終了条件を満たしているか否かを判定する(ステップS133)。
図17−3を用いて、管理簿データ作成処理について説明する。図17−3は、第1の実施形態に係る業務管理システムの管理簿データ作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図17−3の(1)から(6)それぞれへの分類方法は、図10および図11で説明した通りである。また、処理LP1からLP6の具体的な処理例については、図15に示す通りである。
まず、ログ分類部321がログを(1)に分類した場合(ステップS141、Yes)は、データ出力部322は処理LP1を実行し(ステップS142)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(1)に分類しなかった場合(ステップS141、No)は、データ出力部322は処理LP1を実行せずに次の処理へ進む。次に、ログ分類部321がログを(2)に分類した場合(ステップS143、Yes)は、データ出力部322は処理LP2を実行し(ステップS144)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(2)に分類しなかった場合(ステップS143、No)は、データ出力部322は処理LP2を実行せずに次の処理へ進む。
そして、ログ分類部321がログを(3)に分類した場合(ステップS145、Yes)は、データ出力部322は処理LP3を実行し(ステップS146)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(3)に分類しなかった場合(ステップS145、No)は、データ出力部322は処理LP3を実行せずに次の処理へ進む。次に、ログ分類部321がログを(4)に分類した場合(ステップS147、Yes)は、データ出力部322は処理LP4を実行し(ステップS148)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(4)に分類しなかった場合(ステップS147、No)は、データ出力部322は処理LP4を実行せずに次の処理へ進む。
そして、ログ分類部321がログを(5)に分類した場合(ステップS149、Yes)は、データ出力部322は処理LP5を実行し(ステップS150)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(5)に分類しなかった場合(ステップS149、No)は、データ出力部322は処理LP5を実行せずに次の処理へ進む。次に、ログ分類部321がログを(6)に分類した場合(ステップS151、Yes)は、データ出力部322は処理LP6を実行し(ステップS152)、処理を終了する。また、ログ分類部321が、ログを(6)に分類しなかった場合(ステップS151、No)は、データ出力部322は処理LP6を実行せずに処理を終了する。
図18を用いて、データ処理部30の処理におけるデータフローについて説明する。図18は、第1の実施形態に係る業務管理システムのデータフローを示す図である。まず、業務情報作成処理S13には、ログIDが入力される。業務情報作成処理S13においては、業務単位識別情報取得部311、業務開始条件判定部312および業務終了条件判定部313によって処理が行われ、定型業務識別情報、業務単位識別情報および判定結果が出力される。
次に、定型業務識別情報、業務単位識別情報および判定結果は管理簿データ作成処理S14に入力される。管理簿データ作成処理S14においては、まず、ログ分類部321によって処理が行われ、定型業務識別情報、業務単位識別情報および分類結果が出力される。そして、データ出力部322は、定型業務識別情報、業務単位識別情報を用いて処理を行う。
図19−1および図19−2を用いて、業務管理システム1の監査部50の処理について説明する。図19−1は、第1の実施形態に係る業務管理システムの監査部における処理の一例を示すフローチャートである。図19−1に示すように、監査部50は、管理簿データ記憶部40から、監査状態が「未完了」である業務単位識別情報のリストを取得する(ステップS21)。次に、監査部50は、取得したリストから未取得の業務単位識別情報を取得する(ステップS22)。ここで、未取得の業務単位識別情報を取得できなかった場合(ステップS23、No)は、処理を終了する。また、未取得の業務単位識別情報を取得できた場合(ステップS23、Yes)は、監査部50は、不適正ログリスト更新処理を行う(ステップS24)。不適正ログリスト更新処理の詳細については後述する。
次に、業務単位識別情報の業務状態が「完了」である場合(ステップS25、Yes)は、監査部50は、業務単位識別情報の監査状態を「完了」に更新する(ステップS26)。さらに、監査部50は、取得したリストから未取得の業務単位識別情報を取得し(ステップS22)、各処理を繰り返し行う。
図19−2を用いて、不適正ログリスト更新処理の詳細について説明する。図19−2は、第1の実施形態に係る業務管理システムの不適正ログリスト更新処理の一例を示すフローチャートである。図19−2に示すように、監査部50は、まず、取得した業務単位識別情報のログリストを取得する(ステップS241)。次に、監査部50は、取得したログリストから未取得のログを取得する(ステップS242)。ここで、未取得のログを取得できなかった場合(ステップS243、No)は、処理を終了する。また、未取得のログを取得できた場合(ステップS243、Yes)は、監査部50は、取得したログのログ項目が、業務規程評価ルールの条件を満たすか否かを判定する(ステップS244)。取得したログのログ項目が、業務規程評価ルールの条件を満たす場合(ステップS245、Yes)は、監査部50は、取得したログのログIDを不適正ログリストに追加する(ステップS246)。さらに、監査部50は、取得したログリストから未取得のログを取得し(ステップS242)、各処理を繰り返し行う。
[第1の実施形態の効果]
業務管理システム1は、業務システムから収集した業務における作業に関する情報を含む複数のログの各ログに含まれる作業に関する情報と、事前に設定された作業を分類する条件とに基づいて、各ログがいずれの業務に属するかを特定し、同一業務に属するログをそれぞれ集約したデータを管理簿データとして作成する。業務管理システム1は、業務システムから出力されるログを用いているため、業務における作業に関する正確な情報を網羅的に入手することができる。また、業務システムは既存のものを利用すれば良いので、業務の見直しを行い、全ての業務フローを改めてシステム化する必要がない。よって、第1の実施形態によれば、業務の見直しをすることなく、確実な漏れのないログの管理および監査を自動的に行うことができる。
また、業務管理システム1は、ログに含まれる作業に関する情報が、所定の業務が開始した際に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の開始時に行った作業に関するログと分類し、所定の業務が終了した際に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の終了時に行った作業に関するログと分類し、所定の業務の途中に行われた作業であることを示す条件を満たす場合には、該ログを所定の業務の途中に行った作業に関するログと分類し、分類された各ログのうち、作業対象が同一のログを同一業務に属するログとして集約し、集約したデータから管理簿データを作成する。これにより、前業務単位状態および後業務単位状態の取得が可能となり、業務状態の遷移を把握することができるようになる。
管理簿データ作成部32は、管理簿データに少なくとも、定型業務を識別する情報、業務単位を識別する情報、業務が完了しているか作業中であるかを示す情報、ログのリスト、を含める。これにより、業務管理を行うために必要な情報がある場合は、さらにログ記憶部20等から取得することが可能となる。
ログ分類部321は、作業に関する情報に基づいて、ログを、所定の業務に無関係なログ、所定の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時に行った作業に関するログ、所定の業務の途中に行った作業に関するログ、所定の業務の途中かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログ、所定の業務の終了時かつ他の業務の開始時に行った作業に関するログ、のいずれかに分類する。そして、管理簿データ作成部32は、分類に対応した作成方法に従って管理簿データを作成する。これにより、業務の流れを明確にすることができ、また、現在の業務の状態を把握することが可能となる。
監査部50は、管理簿データに含まれるログのうち、業務規程に非適合であることを示す所定の条件を満たすログを、不適正なログとして判別し、管理簿データに不適正なログのリストとして追加する。また、業務マネジメント部60は、管理簿データを検索し可視化したうえでユーザに対して提供する。これにより、ユーザによる管理簿データを利用した業務管理を行うことができる。
[実施例]
ここで、実施例として、ファイル管理業務に本発明の業務管理システムを適用した場合の例について説明する。ここで述べるファイル管理業務は、計算機システム上の電子データである「ファイル」を管理の対象とする。また、ファイルの使用開始から使用終了、つまり、そのファイルの削除までを業務単位とし、その間の関連する操作はすべてファイル操作ログとして記録され管理簿データに結び付けられる。
ファイル管理は、従来、帳票を用いた管理簿を作成しファイルの取り扱いを管理してきたが、本発明によれば、ファイル操作ログを用いてファイル管理が自動化されるため、社員による虚偽申告がない。また、管理簿データ記憶部を用いて全社員に関するファイル管理業務の全件監査が可能であり、漏れのない監査が可能である。
本実施例においては、ファイル管理業務の管理対象ファイルの保存場所として規定されているある特定のフォルダを「管理フォルダ」と呼ぶ。管理フォルダは、一般的なオフィス環境においては、複数の社員からアクセスできる共有サーバ上にあり、アクセス権を設定してあることを想定するが、各社員の端末上のフォルダを管理フォルダとする場合もある。
また、あるファイル管理業務に対してどのフォルダを管理フォルダとするかは管理者によって決定される。さらに、管理対象となるファイルについての操作には、業務規程のルールが科せられる。また、本実施例における基本的な構成および処理は、第1の実施形態における構成および処理と同様であるものとする。
まず、図20を用いて、本実施例において使用されるログの例について説明する。図20に示すように、本実施例で使用されるログには、操作を行った日時を示す日時、ファイルの操作を行ったユーザを識別するユーザID、ファイルの操作が検出された端末を識別する端末ID、ファイル操作の種類である操作種別、操作対象となったファイルのパス等である操作対象ファイル、ファイル操作に使用したアプリケーションの名称であるアプリケーション名、操作前のファイルパスおよび操作後のファイルパスを表す前状態および後状態が含まれる。
なお、操作種別には新規作成・削除・コピー・名前変更・編集等が含まれ、操作種別がコピーや名前変更の場合は、操作対象ファイルが複数である場合もある。また、アプリケーション名の例としては、explorer.exe、powerpnt.exe、excel.exe等が挙げられる。さらに、前業務単位状態および後業務単位状態が追加されるようにしてもよい。
ここで、図21を用いて、本実施形態における定型業務識別情報および業務単位識別情報の取得について説明する。図21は、実施例に係る定型業務および業務単位の識別情報の取得条件の一例を示す図である。例えば、あるログの操作種別が「参照」であり、業務状態が「作業中」である管理簿データが存在し、ログの端末IDと管理簿データの使用端末が一致し、ログの操作対象ファイルと管理簿データの使用ファイルが一致する場合は、業務単位識別情報取得部311は、定型業務識別情報と業務単位識別情報を管理簿データから取得する。なお、図21に示す条件に該当しないログであっても、業務開始条件判定部312により定型業務識別情報等が付与される場合がある。
次に、図22を用いて、本実施例における業務開始条件および業務終了条件について説明する。図22は、実施例に係るログの業務開始条件および業務終了条件の一例を示す図である。図22においては、例として、3つの定型業務A、B、Cの業務開始条件および業務終了条件が示されている。例えば、定型業務Aの業務開始条件Aの1つの例として、「管理フォルダで新規ファイルを作成すること」という操作内容が記載されている。この場合、操作種別が「新規作成」、また操作対象ファイルのフォルダが「管理フォルダ」であるログの業務開始条件判定部312における出力に含まれる定型業務識別情報は「A」、判定結果は「T」となる。また、定型業務Cの業務終了条件Cの1つの例として、「特定のアプリケーションでファイルを参照すること」という操作内容が記載されている。この場合、操作種別が「参照」、アプリケーション名が特定のアプリケーションであるログの業務終了条件判定部313における出力に含まれる定型業務識別情報は「C」、判定結果は「T」となる。
そして、第1の実施形態で説明した処理によって、管理簿データ作成部32は管理簿データを作成する。本実施例における管理簿データについて、図23を用いて説明する。図23は、実施例に係る管理簿データの一例を示す図である。図23に示すように、本実施例の管理簿データには、図16に示す項目に加えて、ファイルを使用しはじめた日であるファイル使用開始日、ファイルを使用したユーザであるファイル使用者、使用したファイルを格納する端末IDである使用端末、使用したファイルのパスである使用ファイル、ファイルを削除した日であるファイル削除日、ファイルを削除したユーザであるファイル削除者等が含まれる。
これによって、本実施例においては、図15に示す処理に加えて、例えば、処理LP1においては、データ出力部322は、管理簿データのファイル使用開始日にログの日時を登録し、管理簿データのファイル使用者にログのユーザIDを登録し、管理簿データの使用端末にログの端末IDを登録し、管理簿データの使用ファイルにログの操作対象ファイルのパスを登録する。また、処理LP3においては、データ出力部322は、管理簿データのファイル削除日にログの日時を登録し、管理簿データのファイル削除者にログのユーザIDを登録する。
また、処理LP5においては、データ出力部322は、管理簿データのファイル使用開始日にログの日時を登録し、管理簿データのファイル使用者にログのユーザIDを登録し、管理簿データの使用端末にログの端末IDを登録し、管理簿データの使用ファイルにログの操作対象ファイルのパスを登録する。また、処理LP6においては、データ出力部322は、管理簿データのファイル使用開始日にログの日時を登録し、管理簿データのファイル使用者にログのユーザIDを登録し、管理簿データの使用端末にログの端末IDを登録し、管理簿データの使用ファイルに操作対象ファイルを登録し、さらに、更新の場合は、管理簿データのファイル削除日にログの日時を登録し、管理簿データのファイル削除者にログのユーザIDを登録する。
図24を用いて、本実施例における業務規程評価ルールを適用するための条件の具体例について説明する。図24は、実施例に係る監査における条件の一例を示す図である。図24に示すように、例えば、監査部50において、規程外フォルダ操作という理由で不適正とされるログは、例えば、操作種別が「コピー」または「移動」であり、操作対象ファイルのフォルダが「管理フォルダ」でないという条件を満たす。
なお、本発明において、例えばログ記憶部20にログを記憶する際に行われるログ解析は、従来のデータベース検索技術や、ログのグルーピングやクラスタリングにより関連するログの検索を高速化する手法を組み合わせることが可能である。(参考文献:特開2013−161288 日本電信電話株式会社「ツリー抽出装置、ツリー抽出システム、ツリー抽出方法、及びツリー抽出プログラム」)。また、業務マネジメント部60等における管理簿データの可視化は、既存の有効な手段を組み合わせ、例えば有向グラフや表等用いた表示手段を組み合わせて実施することを想定する。
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
図25は、プログラムが実行されることにより、業務管理システム1が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、業務管理システム1の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、業務管理システム1における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。