JP2016224228A - 部材位置制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

部材位置制御装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016224228A
JP2016224228A JP2015109950A JP2015109950A JP2016224228A JP 2016224228 A JP2016224228 A JP 2016224228A JP 2015109950 A JP2015109950 A JP 2015109950A JP 2015109950 A JP2015109950 A JP 2015109950A JP 2016224228 A JP2016224228 A JP 2016224228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary transfer
guide plate
cam
rotation
displacement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015109950A
Other languages
English (en)
Inventor
春樹 永田
Haruki Nagata
春樹 永田
長谷川 亮
Akira Hasegawa
亮 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015109950A priority Critical patent/JP2016224228A/ja
Publication of JP2016224228A publication Critical patent/JP2016224228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】二つの変位部材を一つの駆動源で変位させる構成で、一方の変位部材の位置のみを変化させ、他方の変位部材の位置は変化させない制御を行うことができる部材位置制御装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】複数部材位置制御機構50は、回転位置に応じて二次転写ローラ15を変位させる二次転写部接離カム21と、回転位置に応じて二次転写入口ガイド板40を変位させるガイド板押圧カム31と、これらのカム部材の駆動源であるステッピングモータ26とを備え、ガイド板押圧カム31の押し下げ量小領域311の外周面が二次転写入口ガイド板40に接触する範囲の始点から終点までガイド板押圧カム31が回転する間では、二次転写入口ガイド板40は変位せず、このガイド板押圧カム31が回転する間の二次転写部接離カム21の回転によって、二次転写ローラ15が変位する。【選択図】図1

Description

本発明は、部材位置制御装置及び画像形成装置に関するものである。
画像形成装置においては、用紙にトナー像を転写する紙転写部に用紙を案内する転写前ガイド部材の位置を、用紙の厚みや剛性等に応じて変化させるものがある。
特許文献1には、二つの転写前ガイド部材を備え、それぞれの転写前ガイド部材の位置を制御するモータを二つ備え、二つの転写前ガイド部材を独立して変位させることができる画像形成装置が記載されている。
特許文献1に記載の画像形成装置では、二つの転写前ガイド部材という二つの変位部材を独立して変位させることができる。
画像形成装置では、二つの変位可能な変位部材を備える構成で、一方の変位部材の位置のみを変化させ、他方の変位部材の位置は変化させない制御を行う場合がある。
例えば、二つの変位部材の組み合わせが、像担持体と接触して転写ニップを形成する転写ローラと、転写ニップに用紙を案内する転写前ガイド部材との組み合わせである場合には次のような構成が考えられる。転写ローラは、用紙の先端が転写ニップに進入するときには像担持体から離間させ、用紙が転写ニップに進入した後に像担持体に接触させるように変位させる。一方、転写前ガイド部材は、用紙の種類に応じて、像担持体との距離を異ならせるように変位させる。
このような構成では、一枚の用紙を通紙するときに、転写前ガイド部材の位置は変化させず、転写ローラの位置のみを変化させる制御を行う。
特許文献1のように、二つの変位部材を独立して変位させる構成であれば、一方の駆動源のみを駆動させ、他方の駆動源を駆動させないことによって、一方の変位部材の位置のみを変化させ、他方の変位部材の位置は変化させない制御を行うことができる。
しかしながら、二つの変位部材に対して、二つの駆動源を設けることによってコストの増大や装置の大型化につながるおそれがある。
このような問題は、装置本体に対して変位する変位部材を複数備える構成であれば、生じ得る問題である。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、装置本体に対して変位可能な第一部材及び第二部材を有する部材位置制御装置において、回転位置に応じて前記第一部材を変位させる第一部材変位回転体と、回転位置に応じて前記第二部材を変位させる第二部材変位回転体と、前記第一部材変位回転体及び前記第二部材変位回転体の回転駆動の駆動源である共通駆動源と、を備え、前記第二部材変位回転体は、所定の角度範囲で回転しても前記第二部材の位置を一定に保つ部材位置固定回転範囲があり、前記共通駆動源を駆動させたときに、前記第二部材変位回転体の回転位置が一つの部材位置固定回転範囲の始点から終点まで変位するように、前記第二部材変位回転体が回転している間の前記第一部材変位回転体の回転によって、前期第一部材が変位することを特徴とするものである。
本発明によれば、二つの変位部材を一つの駆動源で変位させる構成で、変位部材を変位させる駆動の開始時と終了時とで、一方の変位部材の位置のみを変化させ、他方の変位部材の位置は変化させない制御を行うことが可能となる、という優れた効果がある。
二次転写部の近傍の拡大側面図。 実施形態に係るプリンタの概略構成図。 二次転写接離機構の説明図。 二次転写部接離カムの近傍の拡大側面図。 ガイド板押圧カムの近傍の拡大側面図。 各プーリーの外周面の歯型を模式的に示した二次転写部の近傍の拡大側面図。 二次転写入口ガイド板が位置「A」で二次転写部が離間量小の状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「A」で二次転写部が離間無しの状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「A」で二次転写部が離間量大の状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「B」で二次転写部が離間量小の状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「B」で二次転写部が離間無しの状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「B」で二次転写部が離間量大の状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「C」で二次転写部が離間量小の状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「C」で二次転写部が離間無しの状態の説明図。 二次転写入口ガイド板が位置「C」で二次転写部が離間量大の状態の説明図。 用紙剛性センサの概略説明図。 変形例1の複数部材位置制御機構の一つ目の構成例の説明図。 変形例1の複数部材位置制御機構の二つ目の構成例の説明図。 変形例2のガイド板押圧カムの近傍の拡大側面図。 変形例3のガイド板変位機構の概略説明図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、同プリンタ(プリンタ100)の概略構成図である。
プリンタ100は、記録媒体である用紙Pに転写するトナー像を担持するトナー像担持体が中間転写体としての中間転写ベルト7となっているカラー画像形成装置である。
プリンタ100は、中間転写ベルト7の走行方向に沿って四個の画像形成ユニット1(Y,M,C,K)が配置された四連タンデム型のカラー画像形成装置である。図中及び説明において、各符号の添え字Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)の構成は使用するトナーの色が異なる点以外はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字(Y,C,M,K)を適宜省略して説明する。
画像形成ユニット1は、像担持体としての感光体2を備え、この感光体2の周りには、感光体クリーニングブレード6、帯電器3、露光装置4、現像器5等が配置されている。フルカラー画像形成時は、イエロー用画像形成ユニット1Y、マゼンタ用画像形成ユニット1M、シアン用画像形成ユニット1C、ブラック用画像形成ユニット1Kの順で可視像を形成する。そして、各色の可視像が中間転写ベルト7に順次重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。
中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、テンションローラ9及び二次転写対向ローラ16等の複数の張架ローラにより張架されており、ベルト駆動モータによって駆動ローラ8が回転駆動することによって図2中の矢印で示すように時計回り方向に表面移動する。プリンタ100では、中間転写ベルト7のプロセス速度は、415[mm/sec]に調整されている。
中間転写ベルト7の内側には、従動ローラである四つの一次転写ローラ10(Y,M,C,K)及びブラシ対向ローラ14を備えている。
中間転写ベルト7の幅方向(図2中の紙面手間奥方向)の両端には中間転写ベルトユニット側板を備え、中間転写ベルト7の内側の各ローラは、中間転写ベルトユニット側板によって各軸受やアームを介して中間転写ベルト7の両側より支持されている。
一次転写ローラ10は感光体2と中間転写ベルト7との接触部に配置されており,一次転写ローラ10には所定の転写バイアスが印加される。本実施形態では+1800[V]の転写バイアスが印加されるように設定されている。
中間転写ベルト7は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成したものである。そして、この単層または複数層に構成したものに対して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10〜1012[Ωcm]、且つ、表面抵抗率を10〜1013[Ωcm]の範囲となるよう調整されている。
必要に応じて中間転写ベルト7の表面に離型層をコーティングしても良い。このコーティングに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できる。しかし、これに限定されるものではない。
中間転写ベルト7の製造方法としては注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
中間転写ベルト7の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなり、電源コストの増大を招くため好ましくない。さらに、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト7の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため中間転写ベルト7を除電する除電手段を設ける必要が生じる。
一方、中間転写ベルト7の体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。
したがって、本実施形態における中間転写ベルト7の体積抵抗率および表面抵抗率は上述した範囲内に設定している。
中間転写ベルト7の体積抵抗率および表面抵抗率の測定には、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタ)にHRSプローブ(内側電極直径:5.9[mm]、リング電極内径:11[mm])を接続したものを用いた。そして、中間転写ベルト7の表裏に100[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
ウレタンゴムよりなる、ベルトクリーニングブレード11は中間転写ベルト7に押し当てられ、トナーを堰き止めて清掃する構成となっている。プリンタ100では、クリーニングし易くするために、固形潤滑剤12を潤滑剤塗布部材であるブラシローラ13によって削り、中間転写ベルト7の表面に潤滑剤を塗布する。潤滑剤には、直鎖状の炭化水素構造を持つ、脂肪酸金属塩を用いる。
この脂肪酸金属塩としては、次のようなものが挙げられる。すなわち、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも一種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも一種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩である。とりわけその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産されかつ多方面での使用実績があることから、コストと品質安定性とおよび信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、および遊離脂肪酸を含むものであり、本実施形態での脂肪酸金属塩もその例外ではない。
潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で中間転写ベルト7に供給されるのであるが、その具体的な方法としては、ブラシローラ13等の潤滑剤塗布部材によりブロック状に固形成形された固形潤滑剤を削り取って塗布する方法がある。また、この方法の他に、トナーに潤滑剤を外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常にベルト表面全面に供給することはできない。このため、簡易な装置構成で、かつ、中間転写ベルト7の表面全面に安定的に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態のプリンタ100のように固形潤滑剤12をブラシローラ13で削り取って塗布する方法が良い。
本実施形態では、固形潤滑剤12をブラシローラ13で削り取るために、スプリングのような弾性体である潤滑剤加圧手段により、固形潤滑剤12を1.0[N]〜4.0[N]の力でブラシローラ13に圧接する。固形潤滑剤12の幅は、画像幅よりも広く設定する必要があるため、304[mm]以上とする。ブラシローラ13の幅は、固形潤滑剤12を均一に削り取るために、固形潤滑剤12の幅よりも大きくとる必要がある。また、ブラシローラ13が接触する位置における中間転写ベルト7の内側には、ブラシ対向ローラ14を配置している。
プリンタ100では、回転するブラシローラ13によって中間転写ベルト7が振動することを抑制するために、中間転写ベルト7におけるブラシローラ13が接触する位置よりも表面移動方向下流側をベルト加圧ローラ19で加圧している。本実施形態ではベルト加圧ローラ19を中間転写ベルト7の外側に設けているが、内側でも同様の効果を得ることができる。
四つの一次転写ローラ10(Y,M,C,K)のうちカラー用の三つの一次転写ローラ10(Y,M,C)は、公知の接離機構で中間転写ベルト7と接離可能となっている。ブラックトナーのみで画像形成を行うモノクロモード時には、カラー用の三つの一次転写ローラ10(Y,M,C)は、中間転写ベルト7から離間した状態となっている。フルカラーモード時には、カラー用の三つの一次転写ローラ10(Y,M,C)がモノクロモード時の状態から図2で示すように中間転写ベルト7に当接する。そして、中間転写ベルト7を押し伸ばした状態でそれぞれの感光体2(Y,M,C)に中間転写ベルト7が当接して巻き付くようになっている。モノクロモード時にも使用するブラック用一次転写ローラ10Kは、上述した接離機構に寄らずして中間転写ベルト7が巻き付いている。
図2に示すように、中間転写ベルト7の下方には、二次転写対向ローラ16と中間転写ベルト7を挟んで対向する二次転写ローラ15を備えた二次転写ユニット300を備える。中間転写ベルト7を挟んで二次転写対向ローラ16と二次転写ローラ15とが対向する二次転写部では、二次転写ローラ15が電気的に接地され、二次転写対向ローラ16に二次転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。これにより、中間転写ベルト7上のトナーを二次転写対向ローラ16側から二次転写ローラ15側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
二次転写ユニット300の下方には、用紙Pを収容する用紙収容部121を備える。用紙収容部121の上部には、給紙ピックアップローラ122が設けられており、この給紙ピックアップローラ122は、用紙収容部121に収容されている用紙Pのうち最上段にある用紙Pを一枚ずつ取り出し、給紙搬送路123に送り出す。
このように、給紙ピックアップローラ122によって給紙搬送路123に送り出された用紙Pは、搬送ローラ対125によって二次転写部に向けて搬送されるが、この途中のレジストローラ対124で用紙先端を挟み込んで、用紙Pの搬送が一旦停止される。レジストローラ対124は、中間転写ベルト7上のトナー像が形成されている部分が、二次転写部に到達されるタイミングで、用紙Pを二次転写部に向けて送り出すものである。
レジストローラ対124によって送り出された用紙Pは、二次転写部で中間転写ベルト7上のトナー像が転写され、定着装置200に向けて搬送される。そして、定着装置200において熱や圧力によってトナー像が定着された用紙Pは、排紙トレイ150に排紙される。
図3は、中間転写ベルト7と二次転写ローラ15とを接離させる二次転写接離機構20の説明図である。二次転写ローラ15と二次転写対向ローラ16とは、中間転写ベルト7を挟んで二次転写ローラ15が下側で二次転写対向ローラ16が上側に位置するように対向配置されている。二次転写ローラ15には、付勢手段である二次転写加圧バネ18によって二次転写対向ローラ16に向かうような付勢力が加わっている。二次転写加圧バネ18は、二次転写ローラ15の回転軸を回転可能に支持する二次転写回転軸支持部材17を二次転写対向ローラ16に向けて押し上げることで付勢力を作用させる。
付勢手段としては、例えば、圧縮バネや引っ張りバネなどが挙げることができ、本実施形態の二次転写加圧バネ18では圧縮バネを用いている。この二次転写加圧バネ18によって二次転写ローラ15から用紙Pや中間転写ベルト7に対して所定の転写圧を付加することができる。
次に、二次転写接離機構20について説明する。
二次転写接離機構20は、ステッピングモータ26や二次転写部接離カム21などで構成され、この二次転写接離機構20によって二次転写ローラ15を、中間転写ベルト7に対して一定範囲内で自由に接離させることができる構成となっている。二次転写対向ローラ16の軸方向両端部には、二次転写対向ローラ16と同軸上に二次転写部接離カム21が設置されている。
二次転写ローラ15の軸方向両端部には、二次転写ローラ15の回転を妨げないように玉軸受22が取り付けられており、この玉軸受22に二次転写部接離カム21を突き当てるような構成となっている。二次転写部接離カム21が取り付けられている二次転写部接離カム回転軸21aがステッピングモータ26からの回転駆動力により回転すると、二次転写部接離カム21も同じタイミング、且つ、同じ角度で回転する構成となっている。具体的には、二次転写部接離カム21と二次転写部接離カム回転軸21aとがDカット型や小判型等の形状が一致する穴形状と軸形状とで嵌め合わされて取り付けられている。
二次転写部接離カム21の形状は、二次転写部接離カム21の回転中心と外形部とを結んだ距離の最も短い部分が、二次転写対向ローラ16の直径よりも短くなるような形状である。また、二次転写部接離カム21の回転中心と外形部とを結んだ距離の最も長い部分が、二次転写対向ローラ16の直径よりも長くなるような形状である。
二次転写部接離カム回転軸21aは、ステッピングモータ26により自由に回転を制御できるような構成となっている。図3に示す本実施形態のプリンタ100では、ステッピングモータ26の回転軸に固定された出力プーリー23及び二次転写部接離カム回転軸21aに固定された二次転写接離入力プーリー24は、その周面に歯車のような歯が付いたプーリーである。これらのプーリーの周面は歯付ベルトからなる二次転写接離ベルト25の内周面と噛み合う構成である。そして、出力プーリー23及び二次転写接離入力プーリー24と二次転写接離ベルト25とを介することによって、ステッピングモータ26の回転駆動力が二次転写部接離カム回転軸21aに伝達される。
ステッピングモータ26は、ステップ角1.8[°]で回転の制御が可能であり、用紙Pが二次転写部に突入する前にステッピングモータ26から回転駆動力を入力することによって二次転写部接離カム21を回転させる。
ここで、「二次転写部接離カム21の回転中心から二次転写部接離カム21の玉軸受22との接触部を結んだ距離+玉軸受22の半径」を「距離L1」とする。また、「二次転写対向ローラ16の半径+中間転写ベルト7の厚さ+二次転写ローラ15の半径」を「距離L2」とする。
二次転写部接離カム21は玉軸受22に突き当てられている。そして、二次転写部接離カム21を回転させることによって、「距離L1」>「距離L2」の関係を満たすと、二次転写ローラ15は二次転写加圧バネ18による付勢に抗して中間転写ベルト7から離間する方向に押し下げられる。
そして、用紙Pの先端が中間転写ベルト7と二次転写ローラ15との間を通過し始めたら、再びステッピングモータ26を回転駆動し、二次転写部接離カム21の回転を開始する。そして、「距離L1」<「距離L2」の関係を満たすと、中間転写ベルト7と二次転写ローラ15とが用紙Pを挟んで接触し、用紙Pに対して所定の転写圧が付加され始める。
このような構成により、二次転写部への用紙Pの突入時には中間転写ベルト7と二次転写ローラ15とを離間させ、用紙Pの突入時の衝撃や、中間転写ベルト7のプロセス線速変動(速度変動)を抑制することができる。
また、二次転写部で中間転写ベルト7と二次転写ローラ15とが接触する二次転写ニップを用紙Pが通過し終わるときも同様にステッピングモータ26から回転駆動を入力し、二次転写部接離カム21を回転させる。そして、用紙Pの後端が二次転写ニップを通過する前に、中間転写ベルト7から二次転写ローラ15を離間させて、二次転写ニップの形成を解除することによって用紙離脱時の衝撃を減少させることができる。
図1は、二次転写部の近傍の拡大側面図である。
図3に示した二次転写回転軸支持部材17は、本実施形態のプリンタ100では、二次転写ユニット300を構成する各部材の幅方向両端部を支持する側板である二次転写フレーム301である。二次転写フレーム301はプリンタ100本体の筐体に対して図1で示す範囲よりも下方に位置する回動軸を中心に回動可能に支持されている。そして、二次転写加圧バネ18が、二次転写フレーム301を二次転写対向ローラ16に向けて加圧することで二次転写フレーム301が図1中の矢印αで示す方向に回動する力が作用する。これにより、二次転写フレーム301に支持された二次転写ローラ15を二次転写対向ローラ16に向けて付勢する付勢力が作用する。
二次転写部接離カム21が回転することで、その外周面における玉軸受22が突き当たる位置が変化し、二次転写部接離カム21の回転中心から玉軸受22が突き当たる位置までの距離が変化する。この突き当たる位置の変化によって、二次転写ユニット300が回動し、二次転写対向ローラ16に対する二次転写ローラ15の位置が変動し、二次転写対向ローラ16と二次転写ローラ15とを接離することができる。
プリンタ100は、図1に示すように、二次転写部に対して用紙Pの搬送方向上流側に用紙Pを二次転写部に向けて案内する二次転写入口ガイド板40を備える。二次転写入口ガイド板40は、プリンタ100本体の筐体に対してガイド回動軸40bを中心に回動可能に支持されている。二次転写入口ガイド板40の下方の幅方向における、用紙Pが通過し得る範囲の外側には、二次転写入口ガイド板40を上方に向けて付勢するガイド加圧バネ41を備える。ガイド加圧バネ41が、二次転写入口ガイド板40を上方に向けて加圧することで二次転写入口ガイド板40が図1中の矢印βで示す方向に回動する力が作用する。
二次転写入口ガイド板40の上方には、ガイド加圧バネ41によって付勢された二次転写入口ガイド板40の上面が突き当たるガイド板押圧カム31を備える。ガイド板押圧カム31が回転することで、その外周面における二次転写入口ガイド板40が突き当たる位置が変化し、ガイド板押圧カム31の回転中心から二次転写入口ガイド板40が突き当たる位置までの距離が変化する。この突き当たる位置の変化によって、二次転写入口ガイド板40における用紙Pの搬送方向下流側端部であるガイド先端部40aの中間転写ベルト7に対する位置が変動する。また、ガイド板押圧カム31に対して回転方向の位置が固定されたガイド板変位入力プーリー34を備え、ガイド板変位入力プーリー34を回転させることで二次転写入口ガイド板40を変位させるガイド板変位機構30を構成している。
図3を用いて説明した二次転写接離機構20の駆動源であるステッピングモータ26の駆動軸26aに固定され、回転駆動を出力する出力プーリー23には、図1に示すように、動力伝達用ベルトである歯付ベルトが二本張架されている。二本の歯付ベルトのうちの一方は、二次転写接離入力プーリー24に張架された二次転写接離ベルト25である。また、二本の歯付ベルトのうちの他方は、ガイド板押圧カム31の回転軸であるガイド板押圧カム回転軸31aに固定されたガイド板変位入力プーリー34に張架されたガイド板変位ベルト35である。これにより、ステッピングモータ26を駆動することによって、二次転写接離入力プーリー24とガイド板変位入力プーリー34との両方に同時に駆動を伝達できるような構成となっている。すなわち、ステッピングモータ26は、ガイド板変位機構30の駆動源としての機能も有し、プリンタ100は、二次転写接離機構20とガイド板変位機構30とによって複数部材位置制御機構50を構成する。
二次転写部接離カム21は、外周面の位置によって回転中心からの距離であるカム半径が異なり、その外周面が、二次転写ユニット300の二次転写ローラ15の同軸に取り付けた玉軸受22に突き当たるような構成となっている。そして、玉軸受22に突き当たった外周面の位置におけるカム半径に応じて、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とのギャップ量を制御できるような構成となっている。
図4は、図1中の二次転写部接離カム21の近傍の拡大側面図であり、二次転写接離入力プーリー24を取り外した状態の説明図である。図4に示すように、二次転写部接離カム21は、そのカム半径によって複数の領域に分割することができる。
図4中の斜線を施した領域は、離間無領域211であり、そのカム半径は10.5[mm]となっており、この離間無領域211の外周面に玉軸受22が突き当たる状態では、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に当接した状態となる。
図4中の多数の点を施した領域は、離間量小領域212であり、そのカム半径は11.7[mm]となっており、この離間量小領域212の外周面に玉軸受22が突き当たる状態では、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは微小接触した状態となる。本実施形態では、二次転写ローラ15を中間転写ベルト7に対して0.1[mm]だけ押し込んだ状態となり、微小接触した状態とすることで、完全に当接した状態に比べて二次転写ニップにおける圧力を減圧した状態とすることができる。
図4中の斜線の格子を施した領域は、離間量大領域213であり、そのカム半径は12.3[mm]となっており、この離間量大領域213の外周面に玉軸受22が突き当たる状態では、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に離間した状態となる。本実施形態では、二次転写ローラ15を中間転写ベルト7に対して0.51[mm]のギャップを挟んで離間させた状態となる。このように離間した状態で、用紙Pを二次転写部に進入させると、進入時の衝撃を抑制して、用紙Pを円滑に二次転写部に進入させることができる。
離間無領域211と離間量小領域212、及び、離間無領域211と離間量大領域213は、それぞれ90[°]ずつずれており、それぞれの領域の外周面は滑らかな曲線状の外周面で結ばれている。これにより、玉軸受22が当接する玉軸受当接位置を、ある領域の外周面から、他の領域の外周面へと円滑に移行できる。
また、離間無領域211に対して180[°]ずれた領域は、未使用領域215となっている。この領域は、後述するガイド板押圧カム31の遷移領域である板遷移領域314の移動で使用するため、この領域は二次転写部における二次転写ローラ15と中間転写ベルト7との接離、または、ギャップ量の制御には使用しない領域となっている。
図5は、図1中のガイド板押圧カム31の近傍の拡大側面図であり、ガイド板変位入力プーリー34を取り外した状態の説明図である。図5を用いて二次転写入口ガイド板40の位置の制御について説明する。
ガイド板押圧カム31は、外周面の位置によって回転中心からの距離であるカム半径が異なり、その外周面が、二次転写入口ガイド板40に突き当たるような構成となっている。そして、二次転写入口ガイド板40に突き当たった外周面の位置におけるカム半径に応じて、ガイド先端部40aと中間転写ベルト7との距離を制御できるような構成となっている。
二次転写入口ガイド板40は、付勢部材としてのガイド加圧バネ41によって二次転写部接離カム21の押し下げ方向に逆らうように付勢されている。二次転写部接離カム21によって二次転写入口ガイド板40を押し下げることによって、二次転写部接離カム21と接触する位置で、二次転写入口ガイド板40が安定して静止するような構成となっている。
図5に示すように、ガイド板押圧カム31は、そのカム半径によって複数の領域に分割することができる。
図5中の斜線の格子を施した領域は、押し下げ量小領域311であり、そのカム半径は他の領域よりも小さく、押し下げ量は最も小さい。この押し下げ量小領域311の外周面に二次転写入口ガイド板40が突き当たる状態では、ガイド先端部40aと中間転写ベルト7との距離は、5[mm]となる。このときの二次転写入口ガイド板40の位置を位置「A」とする。
図5中の斜線を施した領域は、押し下げ量中領域312であり、そのカム半径は他の二つの領域の間の値である。この押し下げ量中領域312の外周面に二次転写入口ガイド板40が突き当たる状態では、ガイド先端部40aと中間転写ベルト7との距離は、10[mm]となる。このときの二次転写入口ガイド板40の位置を位置「B」とする。
図5中の多数の点を施した領域は、押し下げ量大領域313であり、そのカム半径は他の領域よりも大きく、押し下げ量も最も大きい。この押し下げ量大領域313の外周面に二次転写入口ガイド板40が突き当たる状態では、ガイド先端部40aと中間転写ベルト7との距離は、15[mm]となる。このときの二次転写入口ガイド板40の位置を位置「C」とする。
押し下げ量小領域311、押し下げ量中領域312及び押し下げ量大領域313は、それぞれ120[°]ずつずれており、それぞれの領域の外周面は滑らかな曲線状の外周面で結ばれている。これにより、二次転写入口ガイド板40が当接するガイド板当接位置を、ある領域の外周面から、他の領域の外周面へと円滑に移行できる。
ガイド板押圧カム31の各領域(311〜313)同士の間には、カム半径が連続的に変化する板遷移領域314があり、各領域においてはどの部分でもカム半径が均等となるようなカム形状となっている。そのため、ガイド板押圧カム31の各領域内では、各領域内におけるどの場所の位置で二次転写入口ガイド板40が接触しても、二次転写入口ガイド板40の位置は同じとなる。
図6は、出力プーリー23、二次転写接離入力プーリー24及びガイド板変位入力プーリー34の外周面の歯型を模式的に示した二次転写部の近傍の拡大側面図である。プリンタ100では、二次転写接離入力プーリー24の歯数を「Z1」とし、ガイド板変位入力プーリー34の歯数を「Z2」としたときに、「Z2=N×Z1(Nは整数)」の関係が成り立つ構成となっている。
二次転写接離入力プーリー24は、二次転写部接離カム21と同軸の二次転写部接離カム回転軸21aに取り付けられている。二次転写接離入力プーリー24及び二次転写部接離カム21の回転中心には、小判型の穴が設けられている。この小判型の穴が二次転写部接離カム回転軸21aにおける断面が小判型の部分に嵌ることにより、二次転写接離入力プーリー24及び二次転写部接離カム21と二次転写部接離カム回転軸21aとの回転方向の位置関係がずれない関係となる。これにより、二次転写接離入力プーリー24と二次転写部接離カム21とは、お互いの回転方向の位置関係がずれない関係となる。
二次転写接離入力プーリー24の外周面には、二次転写接離ベルト25からの駆動が入力されるためのギヤ歯が切られており、その歯数を「Z1」とする。本実施形態では、この歯数が「Z1=16」となっている。
ガイド板変位入力プーリー34は、ガイド板押圧カム31と同軸のガイド板押圧カム回転軸31aに取り付けられている。ガイド板変位入力プーリー34及びガイド板押圧カム31の回転中心には、小判型の穴が設けられている。この小判型の穴がガイド板押圧カム回転軸31aにおける断面が小判型の部分に嵌ることにより、ガイド板変位入力プーリー34及びガイド板押圧カム31とガイド板押圧カム回転軸31aとの回転方向の位置関係がずれない関係となる。これにより、ガイド板変位入力プーリー34とガイド板押圧カム31とは、お互いの回転方向の位置関係がずれない関係となる。
ガイド板変位入力プーリー34の外周面には、ガイド板変位ベルト35からの駆動が入力されるためのギヤ歯が切られており、その歯数を「Z2」とする。
本実施形態のプリンタ100では、図6について上述したように、ガイド板変位入力プーリー34の歯数「Z2」は、二次転写接離入力プーリー24の歯数「Z1」の整数倍とする。
さらに、その整数「N」は、ガイド板押圧カム31におけるカム半径によって分割することができる領域の数と同じ値にする。本実施形態のプリンタ100では、ガイド板押圧カム31の領域の数は三つであるため、上記整数は「N=3」となる。上述したように、「Z2=N×Z1(Nは整数)」の関係が成り立つ構成となっているため、「Z1=16」及び「N=3」より、ガイド板変位入力プーリー34の歯数は、「Z2=16×3=48」とする。
このような関係とすることで、二次転写部接離カム21が一回転(「360[°]」回転)したときに、ガイド板押圧カム31は、二次転写接離入力プーリー24とガイド板変位入力プーリー34との歯数の比に応じた角度だけ回転する。本実施形態では、歯数の比が「1:3」であるため、「360[°]/3=120[°]」だけ回転する。
逆に、ガイド板押圧カム31が「120[°]」回転したときに、二次転写部接離カム21は「360[°]」回転するため、二次転写部接離カム21は元の位置に戻ることとなる。
このうような関係により、ガイド板押圧カム31を「120[°]」回転させて、二次転写入口ガイド板40の位置を、位置「A」から位置「B」に移動させても、二次転写部接離カム21の回転方向の位置は同じとなる。このため、二次転写部接離カム21の位置とガイド板押圧カム31の位置とを一つのモータ(ステッピングモータ26)で独立して制御することができる。
本実施形態のプリンタ100におけるステッピングモータ26を回転駆動させたときの二次転写部接離カム21の回転位置とガイド板押圧カム31の回転角度との関係を表1に示す。
Figure 2016224228
表1に示す二次転写部接離カム21の回転角度は、未使用領域215の外周面の中央部に玉軸受22が当接する状態を回転位置の初期位置(0[°])とし、図1及び図4中の反時計回り方向に二次転写部接離カム21が回転したときの回転角度である。
また、表1に示すガイド板押圧カム31の回転角度は、次のような角度である。すなわち、外周面の押し下げ量小領域311と押し下げ量大領域313との間の板遷移領域314の外周面の中央部に二次転写入口ガイド板40が当接する状態を回転位置の初期位置(0[°])とする。上記角度は、この初期位置から、図1及び図5中の反時計回り方向にガイド板押圧カム31が回転したときの回転角度である。
表1に示すように、ガイド板押圧カム31及び二次転写部接離カム21の回転角度がいくつであるかによって、二次転写入口ガイド板40の位置と、二次転写部の接離状態とが決定される。それぞれの動作状態は、図7乃至図15に示したような状態となる。
図7乃至15では、二次転写部接離カム21、二次転写接離入力プーリー24及び二次転写接離ベルト25について、ガイド板押圧カム31に対して図中奥側に位置する部分を便宜的に実線で示している。また、ガイド板押圧カム31、二次転写入口ガイド板40及び中間転写ベルト7についても、同様に、ガイド板押圧カム31に対して図中奥側に位置する部分を便宜的に実線で示している。
図7は、二次転写部接離カム21の回転角度が45[°]〜100[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が15[°]〜100/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図7に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量小領域311の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「A」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量小領域212の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは微小接触した状態(「離間量小」の状態)となる。
図8は、二次転写部接離カム21の回転角度が170[°]〜190[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が170/3[°]〜190/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図8に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量小領域311の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「A」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間無領域211の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に当接した状態(「離間無し」の状態)となる。
図9は、二次転写部接離カム21の回転角度が260[°]〜315[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が260/3[°]〜105[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図9に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量小領域311の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「A」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量大領域213の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に離間した状態(「離間量大」の状態)となる。
図10は、二次転写部接離カム21の回転角度が一回転(360[°])+45[°]〜100[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が135[°]〜460/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図10に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量中領域312の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「B」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量小領域212の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは微小接触した状態(「離間量小」の状態)となる。
図11は、二次転写部接離カム21の回転角度が一回転(360[°])+170[°]〜190[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が530/3[°]〜550/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図10に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量中領域312の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「B」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間無領域211の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に当接した状態(「離間無し」の状態)となる。
図12は、二次転写部接離カム21の回転角度が一回転(360[°])+260[°]〜315[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が620/3[°]〜225[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図12に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量中領域312の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「B」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量大領域213の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に離間した状態(「離間量大」の状態)となる。
図13は、二次転写部接離カム21の回転角度が二回転(720[°])+45[°]〜100[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が255[°]〜820/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図13に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量大領域313の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「C」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量小領域212の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは微小接触した状態(「離間量小」の状態)となる。
図14は、二次転写部接離カム21の回転角度が二回転(720[°])+170[°]〜190[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が890/3[°]〜910/3[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図14に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量大領域313の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「C」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間無領域211の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に当接した状態(「離間無し」の状態)となる。
図15は、二次転写部接離カム21の回転角度が二回転(720[°])+260[°]〜315[°]の範囲で、ガイド板押圧カム31の回転角度が980/3[°]〜345[°]の範囲のときの二次転写部の近傍の拡大側面図である。図15に示す状態では、二次転写入口ガイド板40はガイド板押圧カム31の押し下げ量大領域313の外周面に突き当たり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「C」となる。また、玉軸受22は二次転写部接離カム21の離間量大領域213の外周面に突き当たり、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7とは完全に離間した状態(「離間量大」の状態)となる。
表6に示すように、ガイド板押圧カム31の回転角度が15[°]〜105[°]の範囲であるとき、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「A」となる。一方、二次転写部接離カム21の回転角度は、二次転写接離入力プーリー24とガイド板変位入力プーリー34との歯数の比分の角度となり、本実施形態では「1:3」であるため、45[°]〜315[°]の範囲となる。
この回転角度の範囲を、二次転写部接離カム21は90[°]ずつ三分割し、さらに、離間量を規制領域同士の間に、回転中心から外周面までの距離が変化する二次転写部接離カム21の遷移領域である接離遷移領域214を設けている。これにより、二次転写部接離カム21の回転角度が、45[°]〜100[°]の間は離間量小領域212、100[°]〜170[°]の間は接離遷移領域214、170[°]〜190[°]の間は離間無領域211となる。さらに、190[°]〜260[°]の間は接離遷移領域214となり、260[°]〜315[°]の間は離間量大領域213となる。二次転写部接離カム21の回転角度が、離間量小領域212、離間無領域211または離間量大領域213の何れかの範囲となるようにステッピングモータ26の回転数を制御することにより、二次転写部の接離状態を制御することができる。
ガイド板押圧カム31の回転角度が、0[°]〜120[°]の範囲のうち、0[°]〜15[°]の範囲は、押し下げ量大領域313と押し下げ量小領域311との間の板遷移領域314の一部である。この板遷移領域314は、二次転写入口ガイド板40の位置が位置「C」から位置「A」に遷移するための領域である。また、ガイド板押圧カム31の回転角度が、105[°]〜120[°]の範囲は、押し下げ量小領域311と押し下げ量中領域312との間の板遷移領域314の一部である。この板遷移領域314は、二次転写入口ガイド板40の位置が位置「A」から位置「B」に遷移するための領域である。これらの板遷移領域314は、ガイド板押圧カム31の回転中心から外周面までの距離が連続的に変化する。
このため、板遷移領域314の外周面が二次転写入口ガイド板40に接触している間は、二次転写入口ガイド板40の位置が無段階に変化する制御不安定な状態となっている。この間では、二次転写入口ガイド板40を狙った位置に制御することができない。このため、ガイド板押圧カム31の回転角度が、0[°]〜15[°]及び105[°]〜120[°]の範囲の板遷移領域314は、二次転写入口ガイド板40の位置決めをする領域間の遷移以外には使用しない。
ガイド板押圧カム31の回転角度が、上述した遷移以外にはしない領域(板遷移領域314)にあるときには、用紙Pの搬送は行われず、二次転写部接離カム21によって二次転写部の接離状態を制御する必要がない。このため、二次転写部接離カム21にも遷移以外に使用できない領域が存在する。二次転写接離入力プーリー24とガイド板変位入力プーリー34との歯数の比分の角度として、「15[°]×2×3=90[°]」分は、二次転写部の接離制御に使用しない領域が発生する。この領域を未使用領域215とし、二次転写入口ガイド板40の位置を変更するとき以外には使用しない領域としている。
そのため、二次転写部の接離状態の制御は、玉軸受22との接触位置が、離間量小領域212と離間無領域211との間、または、離間量大領域213と離間無領域211との間の往復運動となるように制御する。よって、玉軸受22との接触位置が、離間量小領域212から離間無領域211に移動した後に、さらに、離間量大領域213を通過して離間量小領域212となるような、二次転写部接離カム21を一回転させるような制御は行わない。
上述した往復運動を行う範囲でステッピングモータ26が回転駆動すると、ガイド板押圧カム31の回転角度は、15[°]〜105[°]の範囲となり、二次転写入口ガイド板40の位置は位置「A」のまま固定となる。これにより、二次転写入口ガイド板40の位置を特定の位置に固定しつつ、二次転写部の接離状態の制御を、一つのステッピングモータ26で行うことができる。
二次転写入口ガイド板40の位置が位置「B」や位置「C」となる場合も、ガイド板押圧カム31の回転角度が、押し下げ量中領域312の範囲や押し下げ量大領域313の範囲となるだけで、同様の関係となっている。
厚みや剛性が異なる複数の種類の用紙Pを連続通紙する場合は、それぞれの用紙Pに応じた、二次転写入口ガイド板40の位置、及び、二次転写部の接離状態、となるように、紙間で、ガイド板押圧カム31及び二次転写部接離カム21を回転させる。これにより、種類の異なる複数の用紙Pを連続通紙する場合であっても、それぞれの用紙Pについて最適な条件で、二次転写部への案内、及び、二次転写部への進入を実現することができる。
プリンタ100のような電子写真方式の画像形成装置においては、印刷する用紙が一種類であることは極めて稀である。現実には多岐にわたる種類の用紙に対して良好に転写することが求められている。用紙の種類としては、例えば、坪量が52.3[gsm]のような薄紙から、坪量が360[gsm]のような超厚紙まで、紙のコシがほとんどない薄紙コート紙やプラスチックのような堅さの超厚紙など、に対応できることが求められる。
用紙の種類に起因する異常画像が最も発生し易い部分は、ニップを形成する二次転写部で中間転写ベルト上のトナー像を用紙に転写する、二次転写プロセスの場面である。以上画像を抑制するためには、用紙を安定して二次転写部まで搬送し、二次転写部に用紙を円滑に進入させることが求められる。二次転写部に用紙を安定して搬送させる際に重要となるのが、二次転写入口ガイド板の中間転写ベルトに対する角度や距離のパラメータである。また、二次転写部に用紙を安定して進入させる際に重要となるのが、二次転写部でニップを形成する中間転写ベルトの内側の二次転写対向ローラと二次転写ローラとの間の距離を制御することにより、中間転写ベルトと二次転写ローラとの接離状態の制御である。
二次転写入口ガイド板のパラメータの設定と、二次転写部での接離状態の制御とは、いずれも用紙の紙厚やクラーク剛度に大きく関係する。
用紙を二次転写部に安定して搬送させるために、例えば、用紙の坪量に応じて、二次転写入口ガイド板の先端部と中間転写ベルトと間の距離を変化させることが有効である。用紙が二次転写入口ガイド板に接触すると、二次転写入口ガイド板がたわみ、中間転写ベルトと二次転写入口ガイド板の先端との距離が近づく。用紙の剛度や厚さが大きくなるほど、二次転写入口ガイド板のたわみ量が大きくなり、その先端と中間転写ベルトとの距離は近づく傾向にある。
中間転写ベルトと二次転写入口ガイド板の先端との距離が離れ過ぎると、用紙が二次転写入口ガイド板から離れ、中間転写ベルトに接触する際の衝撃が大きくなり、用紙の後端側に転写する中間転写ベルト上のトナー像を乱して黒スジの異常画像となる。一方、中間転写ベルトと二次転写入口ガイド板の先端との距離が近過ぎると、二次転写入口ガイド板がたわむことで中間転写ベルトに接触する。これにより、中間転写ベルト上のトナーをかきとってしまうことで白抜けの異常画像と、ガイド板汚れとを引き起こしてしまう。
用紙を二次転写部に円滑に進入させないと、次のような不具合が生じる。すなわち、電子写真方式の画像形成装置では、中間転写ベルトの速度が一定であることが要求されるが、用紙が二次転写部のニップに対して突入または離脱する際の衝撃によって中間転写ベルトにトルク負荷が発生することがある。このトルク負荷により、感光体と中間転写ベルトとの間に速度差が発生し、印刷画像に横すじ状の濃度ムラが生じる異常画像を引き起こしてしまうことがある。このような異常画像はショックジターと呼ばれている。
このショックジターを低減させるために、用紙が二次転写部に突入・離脱する際に、予め二次転写対向ローラと二次転写ローラとをトナー像を転写させるときよりも離間させておく。これにより、用紙の突入・離脱時の衝撃を抑え、ショックジターを低減させることができる。
ショックジターを低減させる構成の一例としては、次のような構成をあげることができる。外周面の位置によって回転中心から外周面までの距離が異なるカムと、モータとを備え、用紙が二次転写部に対して突入する際は、モータによってカムを指定の第一の角度まで回転させる。これにより、カムの外周面を二次転写ユニットに突き当て、二次転写ローラを二次転写ユニットごと押し下げることで、二次転写ローラを二次転写対向ローラから離間させる。これにより、二次転写対向ローラと二次転写ローラとの間のニップ圧を減少させ、用紙が二次転写部のニップに突入する際の衝撃を低減させる。
その後、中間転写ベルト上のトナー像を用紙上に転写するのに必要な所定のニップ圧を付与するために、用紙の先端余白部分が二次転写部を通過する間に、モータによりカムを指定の第二の角度まで回転させ、二次転写ユニットの押し下げ量を少なくする。これにより、二次転写部の接離状態を、トナー像を転写するのに必要なニップ圧を得ることが出来る状態とし、トナー像を用紙へと転写する。
その後、用紙が二次転写部のニップを抜ける際の衝撃を低減させるため、用紙の後端余白部分が二次転写部を通過する間に、再び二次転写ローラを二次転写対向ローラから離間させる。
このような構成により、用紙が二次転写部のニップに突入する際、及び、抜ける際の衝撃を減少させることができるため、ショックジターを低減させ、良好な画像を得ることができる。この用紙が二次転写部のニップに突入する際の衝撃は、二次転写部におけるニップ圧が弱ければ弱いほど小さくなる。このため、中間転写ベルトと二次転写ローラとを完全に離間させ、転写圧が「0[N](ゼロニュートン)」の状態で用紙を二次転写部へ突入、及び、二次転写部から抜けさせることができれば、ショックジターを最も低減させることができる。
このように中間転写ベルトと二次転写ローラとを完全に離間させることで、用紙がニップに突入する際、及び、ニップ間から抜ける際の衝撃によるショックジターは低減させることができる。しかし、離間したローラ同士が中間転写ベルトを挟んで再び接触する際の衝撃が新たなショックジターの原因となり、逆にショックジターを悪化させる問題が生じることがある。
特に坪量が80[gsm]未満のような厚みの薄い用紙では、用紙が突入する際の衝撃に比較して、ローラ同士が接触する際の衝撃の方が大きい。このため、用紙がニップに突入する際にローラ同士を離間させる構成を用いると、薄紙では二次転写部で発生するショックジターが悪化する傾向があった。この離間したローラ同士が接触する際の衝撃は、ローラ同士のギャップ量が広ければ広いほど大きくなるため、ローラ間が完全に接触した状態で用紙を突入することができれば、ローラ同士が接触することによるショックジターを低減させることができる。
このような、相反する二つのショックジター源の問題を解決するために、印刷する用紙の厚さを何らかの手段で検知し、その検知結果に基づいて次の(1)〜(3)のいずれかの制御を実行する構成が考えられる。
(1)閾値I以下の厚さ(厚さX)である場合は,ローラ同士を離間させずに印刷し、閾値以上の厚さであった場合は用紙がニップ部に突入・抜ける際にローラ同士を離間させるような制御とする。
(2)閾値I以上、閾値II以下の厚さ(厚さY)である場合は、ローラ同士を離間させるが、離間量が大きすぎると、用紙が突入する衝撃よりもローラの接触する衝撃が大きくなるため、用紙突入時は、下記(3)の場合よりも離間量を小さくする。これにより、ローラ同士が接触する衝撃を低減する。また、用紙が抜ける際もローラ同士の離間量が大きすぎると、ローラ同士が離間する衝撃よりも用紙が抜ける衝撃の方が大きくなるため、用紙が抜ける際も下記(3)の場合よりも離間量を小さくする。
(3)閾値II以上の厚さ(厚さC)である場合は、ローラの接触する衝撃よりも用紙が突入する衝撃が大きくなるため、用紙突入時は、離間量を大きくして用紙の突入する衝撃を低減する。また、ローラの離間する衝撃よりも用紙が抜ける衝撃の方が大きくなるため、用紙抜け時も離間量を大きくする。
このように、用紙の厚さを何らかの手段で検知し、用紙の突入時及び抜け時のそれぞれにおいて、その用紙の厚さに応じた最適な離間量となるように、押し下げカムなどによって制御する構成が考えられる。
画像形成装置では、用紙の対応種類が広がれば広がるほど、用紙の二次転写ニップ分への搬送性および二次転写ニップ分に安定させて進入させるための成立するパラメータが狭くなる。そして、紙厚が52.3[gsm]〜360[gsm]の用紙対応としようとすると、位置が固定された二次転写入口ガイド板や二次転写部のローラ間の間隔が固定の構成では、対応できない。
そのため、用紙の種類に応じて機能の異なる複数の二次転写入口ガイド板を使い分けたり、二次転写入口ガイド板の位置をガイド板制御モータによって変位させたりすることで、中間転写ベルトに対する二次転写入口ガイド板の位置を変化させる構成が考えられる。また、二次転写接離制御モータによって二次転写ローラを押し下げ量を制御することで、二次転写ニップ部でのギャップ量を用紙ごとに変化させるような制御を行う構成が考えられる。
しかしながら、用紙厚に応じて、複数の二次転写入口ガイド板を交換して運用すると、ユーザーが紙を変更するたびに、機械を停止させてガイド板を交換しないといけない。このため、マシンのダウンタイムが増え、生産性低下、ユーザーの交換工数の増大、メンテミスによって部品が破損してしまう問題が生じるおそれがある。
また、二次転写接離制御モータとは別に二次転写入口ガイド板の位置制御モータを搭載することで、紙厚に応じて二次転写入口ガイド板の位置を変更する制御を搭載することで問題を解決しようとすると、次のような問題が生じる。すなわち、二次転写入口ガイド板の位置制御モータの増加によるコスト増、モータ搭載によるスペース増によるマシンサイズの増加などの問題が生じる。
二次転写接離制御モータは、二次転写ローラの変形を防止するために機能上必ず必要となるモータである。このため、コスト増加およびスペースの増大を防ぐためには二次転写部の接離動作の制御と二次転写入口ガイド板の位置制御とを一つのモータで制御することが望ましい。
また、二つの部材の位置を制御する構成の部材の組み合わせとしては、二次転写ローラと二次転写入口ガイド板の組み合わせに限るものではない。
特許文献1には、使用する記録媒体に関わらず、二次転写部へ安定して突入させる構成として、二つのガイド部材の位置をそれぞれの制御する駆動手段を二つ備え、二つのガイド部材を独立して変位させる構成が記載されている。
しかし、変位する二つの部材に対してそれぞれ個別に駆動手段を配置しているため、コストの増加やマシンサイズの増加という問題が生じる。
本実施形態のプリンタ100は、一つの制御モータとしてのステッピングモータ26と、二次転写部の接離状態を制御する二次転写部接離カム21及び二次転写接離入力プーリー24と、を備える。また、二次転写入口ガイド板40の位置を制御するガイド板押圧カム31及びガイド板変位入力プーリー34を備える。さらに、ステッピングモータ26からの駆動を二次転写接離入力プーリー24と、ガイド板変位入力プーリー34とに伝達する歯付ベルトからなる駆動伝達手段を一つずつ備える。ガイド板変位入力プーリー34の周面に設けられた歯型の歯数は、二次転写接離入力プーリー24の周面に設けられた歯型の歯数の整数倍となっている。
上述したように、ガイド板押圧カム31では回転中心から外周面までの距離が異なる各領域(311〜313)は、それぞれ一定の角度(120[°])ずつずれている。そして、ガイド板押圧カム31と回転方向についての位置が固定されたガイド板変位入力プーリー34の外周面における中心角が上記一定の角度(120[°])となる弧の範囲の歯数は、二次転写接離入力プーリー24の歯数と同数である。また、ガイド板押圧カム31の各領域(311〜313)内においては、回転中心から外周面までの距離が一定となっている。
二次転写部接離カム21も回転中心から外周面までの距離が異なり、且つ、その外周面が玉軸受22と接触また対向することで、二次転写ローラ15の位置決めを行う領域を複数備える(211〜213)。また、ガイド板変位入力プーリー34は、二次転写接離入力プーリー24の整数倍(三倍)の歯数を持つ。このため、二次転写部接離カム21が一回転する間に、ガイド板変位入力プーリー34は整数分の一(三分の一)だけ回転する機構となっている。二次転写部接離カム21とガイド板押圧カム31とのカムの姿勢の関係は、次にような位置関係としている。すなわち、二次転写部接離カム21が一周する間のガイド板押圧カム31の回転角度が、上述した各領域と、その両隣にある二つの板遷移領域314のそれぞれの15[°]ずつ分の領域と、を合わせた領域内に収まるような位置関係としている。
本実施形態のプリンタ100は、上述のような構成を備え、用紙Pの種類に応じて、次の(1)〜(4)ように二次転写入口ガイド板40の位置と、二次転写部の接離状態とを制御する。
(1)用紙Pに応じて二次転写入口ガイド板40が最適な位置となるように、制御用モータであるステッピングモータ26を回転駆動させる。これにより、ガイド板押圧カム31の所定の領域の外周面が二次転写入口ガイド板40に接触する状態となるように、ガイド板押圧カム31の回転方向の位置を変化させる。
(2)二次転写入口ガイド板40の位置を決定したら、用紙Pに応じて、二次転写部接離カム21の所定の領域の外周面が玉軸受22に当接また対向する状態となるように、二次転写部接離カム21の回転方向の位置を変化させる。
(3)用紙Pの突入・抜けのタイミングに応じて二次転写部接離カム21を往復回動運動させることで、用紙Pの突入・抜けのタイミングに応じて二次転写部の接離状態を制御することができる。
(4)用紙Pの突入・抜けのタイミングに応じて二次転写部接離カム21を動作させる際は、二次転写部接離カム21の一周内で完結するように往復回動運動で動作させる。これにより、ガイド板変位入力プーリー34が回転しても、ガイド板押圧カム31の外周面の二次転写入口ガイド板40に接触する部分の回転中心からの距離が変化しない所定の領域内で動作が完結する。このため、二次転写部の接離状態を変化させても二次転写入口ガイド板40の位置は変化しない。
上述のような制御を行うことで、一つのモータで二次転写部の接離状態と二次転写入口ガイド板40の位置とを独立して制御することができる。このため、コストの増加およびマシンサイズの増加を最低限に抑えながら、使用する記録媒体に応じて安定した二次転写ニップ部への用紙搬送および二次転写ニップ部への用紙進入を実現し、異常画像の発生を防止することができる。
上述したように、本実施形態のプリンタ100では、ガイド板押圧カム31を、その回転中心から外周面までの距離の違いによって複数の領域に分割している。また、二次転写入口ガイド板40の位置及び姿勢を制御するためのガイド板変位入力プーリー34の歯数を二次転写部の接離状態を制御するための二次転写接離入力プーリー24の歯数の整数倍(N倍)としている。また、この整数(N)は、上述の分割した複数の領域の数と同数である。このような構成とすることにより、プリンタ100は、一つのステッピングモータ26で二次転写入口ガイド板40の位置及び姿勢と、二次転写部の接離状態とを制御することができる。一つの駆動源でこれらを制御することにより、駆動源を複数設けることなく、用紙Pの種類に関わらず、二次転写部への安定した用紙搬送及び二次転写部への円滑な進入を実現することができる。よって、駆動源を複数設けることに起因するコストの増加を抑制しつつ、異常画像の発生を防止できる構成を実現できる。
上述した用紙の種類によって、用紙の厚みや剛性がことなる。本実施形態のプリンタ100では、これらを検出する検出手段を備え、その検出結果に基づいて、ステッピングモータ26の駆動を制御し、二次転写入口ガイド板40の位置、及び、二次転写部の接離状態を制御する。
用紙Pの厚みを検出する用紙厚検出手段の一例について説明する。
図2に示すように、プリンタ100は、搬送ローラ対125のローラ同士のギャップを検出するローラギャップ検出装置501を備える。ローラギャップ検出装置501によって、ローラ同士のギャップを検出することで、この搬送ローラ対125のローラ同士の間を通過する用紙Pの厚みを求めることができる。用紙厚検出手段としては、用紙Pの厚みを検出することができる構成であれば、ローラ同士のギャップを検出する構成に限るものではない。
次に、用紙Pの剛性を検出する用紙剛性検出手段の一例について説明する。
図16は、用紙剛性センサ510の概略説明図である。
図2に示す給紙搬送路123における搬送ローラ対125に対して用紙Pの搬送方向下流側のように、用紙Pの搬送方向が大きく変わるような箇所のガイド部材にひずみゲージを設けることにより、ガイド部材に衝突する用紙Pの剛性を検知することができる。
搬送ガイド板510aは繰り返し用紙Pが衝突しても脆性変形しないものを用いる。搬送ガイド板510aは上部を固定してあり、下部は自由端となっている。そして、搬送ガイド板510aの外側にひずみゲージ510bを設けている。
給紙搬送路123を搬送される用紙Pは、用紙剛性センサ510の搬送ガイド板510aに衝突し、給紙搬送路123に沿った方向にガイドされる。用紙Pの衝突を受け搬送ガイド板510aは、外側へ曲がるようにわずかに変形する。搬送ガイド板510aが外側に曲がるように変形すると、ひずみゲージ510bの抵抗体の長さが微少に短くなる。抵抗体の長さ短くなると、その部分の抵抗値が下がり、電流が流れやすくなる。ひずみゲージ510bはこのわずかな電流の変化によりし、搬送ガイド板510aの変形を検出する。
そして、あらかじめ用紙Pの剛性に対して搬送ガイド板510aのひずみのデータを記憶部に入力しておき、ひずみゲージ510bで検出した電流の変化量とこのデータによって、用紙Pの剛性を検知する。用紙剛性検出手段としては、用紙Pの剛性を検出することができる構成であれば、ひずみゲージを用いる構成に限るものではない。
次に、用紙Pの厚みの検出結果に基づいた二次転写入口ガイド板40の位置の制御例、及び、二次転写部の接離状態の制御例、について説明する。
二次転写入口ガイド板40によって用紙Pをできる限り中間転写ベルト7に近づけて進入させることで、用紙Pが二次転写入口ガイド板40を通過して、中間転写ベルト7に接触する際の衝撃を低減させ、転写チリの黒スジを抑制することができる。しかし、厚い用紙Pはコシが強いため、二次転写入口ガイド板40に接触したときに、ガイド先端部40aが中間転写ベルト7に近づくように、二次転写入口ガイド板40を撓ませる。よって、二次転写入口ガイド板40を中間転写ベルト7に近づけ過ぎると、二次転写入口ガイド板40が中間転写ベルト7に接触してトナーを掻き取ることによる白抜けや、中間転写ベルト7の損傷を引き起こすおそれがある。このため、例えば、用紙Pが厚くなるほど、ガイド先端部40aが中間転写ベルト7から離れるように、二次転写入口ガイド板40の位置を調整する。
表2に、用紙Pの厚み(紙厚)に対する二次転写入口ガイド板40の位置の制御例を示す。
Figure 2016224228
二次転写部では、通過する用紙Pの厚みが薄いほど、用紙Pの進入時の二次転写対向ローラ16と二次転写ローラ15との軸間距離を狭くし、用紙Pの厚みが厚いほど上記軸間距離を広げる制御を行う。用紙Pが薄いほど、用紙Pが二次転写部に進入する際の衝撃よりも離間したローラ同士が接触する際の衝撃の方が大きくなる傾向にある。一方、用紙Pが厚いほど、用紙Pが二次転写部に進入する際の衝撃の方が、離間したローラ同士が接触する際の衝撃よりも大きくなる傾向にある。
このため、用紙Pの厚みによって、用紙Pの進入時の二次転写対向ローラ16と二次転写ローラ15との軸間距離を変更する。
表3に、用紙Pの厚み(紙厚)に対する二次転写部の接離状態の制御例を示す。
Figure 2016224228
次に、用紙Pの剛性の検出結果に基づいた二次転写入口ガイド板40の位置の制御例、及び、二次転写部の接離状態の制御例、について説明する。
用紙Pの剛性と厚みは、大概比例するため、剛性が高い場合と厚みが厚い場合とは同様の制御を行うことが考えらる。すなわち、用紙Pの剛性が高くなるほど、ガイド先端部40aが中間転写ベルト7から離れるように、二次転写入口ガイド板40の位置を調整する。
表4に、用紙Pの剛性に対する二次転写入口ガイド板40の位置の制御例を示す。
Figure 2016224228
また、二次転写部の接離状態についても同様である。
表5に、用紙Pの剛性に対する二次転写部の接離状態の制御例を示す。
Figure 2016224228
実施形態のプリンタ100では、用紙Pの厚みや剛性を検出し、その検出結果に基づいて、二次転写入口ガイド板40の位置や二次転写部の接離状態を自動で制御する構成である。これらを制御する構成としては、検出結果に基づいて制御するものに限らず、使用者がパーソナルコンピューターや入力パネル等の情報入力手段によって、用紙Pの種類の情報を入力し、その入力情報に基づいて制御する構成としてもよい。
用紙Pの厚みや剛性に対する制御例は表2〜表5を用いて上述した通りである。しかし、用紙Pの種類によっては、表2〜表5で示した制御例の組み合わせとならない場合がある。以下、その場合の一例について説明する。
コート紙などでは、二次転写部におけるニップがトナーのラインを踏み越える際の空気圧によって、後方にあるトナー像が乱れるライン散りと呼ばれる現象が発生することがある。この現象は、二次転写部のニップでの用紙Pと中間転写ベルト7との角度を大きく開いて用紙Pを進入させることによって、空気の逃げ道を作ることで解消されることがある。
また、表面の平滑性が非常に高く、用紙Pが中間転写ベルト7に張り付いてしまうようなキャストコート紙などでは、先端部の転写圧が高いと用紙先端部が中間転写ベルト7に張り付いて分離不良を起こしてしまうことがある。この場合には、二次転写ローラ15と中間転写ベルト7との離間量を大きく開けることによって、用紙Pの先端部を中間転写ベルト7に張り付かないようにすることができる。
このような用紙Pの種類による特性を鑑みた、用紙Pの種類と二次転写入口ガイド板40の位置及び二次転写部の接離状態との組み合わせの一例を表6に示す。
Figure 2016224228
表6に示した用紙Pの種類と二次転写入口ガイド板40の位置及び二次転写部の接離状態との組み合わせは、用紙Pの種類による特性に基づいて理論上で考えた一例である。実際の装置においては、用紙Pを通紙しながら、それぞれの用紙Pに応じた最適の組み合わせを実験で求めることが考えられる。
〔変形例1〕
ステッピングモータ26の回転駆動を二次転写部接離カム21及びガイド板押圧カム31に駆動伝達する構成として、上述した実施形態の複数部材位置制御機構50のように、歯付プーリーと歯付ベルトとを用いるものに限らない。
変形例1として、ステッピングモータ26の回転駆動を歯車の連結によって伝達する構成について説明する。
図17は、変形例1の複数部材位置制御機構50の一つ目の構成例の説明図である。
変形例1の複数部材位置制御機構50は、出力プーリー23、二次転写接離入力プーリー24及びガイド板変位入力プーリー34の代わりに、出力ギヤ23a、二次転写接離入力ギヤ24a及びガイド板変位入力ギヤ34aを備える。そして、図17に示す構成例では、出力ギヤ23aと二次転写接離入力ギヤ24aとを二次転写接離ギヤ25aという一つの歯車で連結している。また、図17に示す構成例では、出力ギヤ23aとガイド板変位入力ギヤ34aとをガイド板変位ギヤ35aという一つの歯車で連結している。
図18は、変形例1の複数部材位置制御機構50の二つ目の構成例の説明図である。
図18に示す構成例では、出力ギヤ23aと二次転写接離入力ギヤ24aとを三つの歯車からなる二次転写接離ギヤ列25bで連結している。また、図18に示す構成例では、出力ギヤ23aとガイド板変位入力ギヤ34aとを二つの歯車からなるガイド板変位ギヤ列35bで連結している。
図17及び図18に示す変形例1の構成であっても、ガイド板変位入力ギヤ34aの歯数が二次転写接離入力ギヤ24aの歯数の整数倍であれば、上述した実施形態と同様の制御を行うことができる。
しかし、図17の構成例のように、一つの歯車によって駆動を伝達する構成では、二次転写部接離カム21やガイド板押圧カム31の回転軸が、駆動源から離れている場合に、二次転写接離ギヤ25aのような大きな歯車を追加する必要がある。この場合、歯車を追加するために大きなスペースが必要となり、装置の大型化につながるおそれがある。
また、図18の構成例のように、複数の歯車からなるギヤ列によって駆動を伝達する構成では、歯付ベルトを用いる構成に比べて製造コストが高くなるという問題が生じる。
これに対して、図1等に示す実施形態の複数部材位置制御機構50では、歯付ベルトを用いることにより、駆動源と駆動対象とが離れている場合に、省スペース且つ低コストで駆動伝達手段を実現することができる。
上述した実施形態では、ガイド板変位入力プーリー34の歯数は、二次転写接離入力プーリー24の歯数の整数倍となっている。上述した実施形態の制御を実現するには、ガイド板押圧カム31が一回転すると、二次転写部接離カム21が整数回転する構成であればよい。このため、駆動源からガイド板押圧カム31に回転駆動を伝達する伝達経路に減速ギヤを配置することにより、ガイド板押圧カム31に対して回転方向の位置が固定されたプーリーまたは歯車の歯数を少なくすることができ、これらの部材の小径化が可能となる。
〔変形例2〕
上述した実施形態及び変形例1では、ガイド板押圧カム31が一回転すると、二次転写部接離カム21が整数回転する構成である。
変形例2として、ガイド板押圧カム31を一回転させるような制御をおこなったときに、二次転写部接離カム21の回転数が整数回とならない構成であって、上述した実施形態と同様の部材の位置の制御を行うことができる構成について説明する。
図19は、変形例2に係る複数部材位置制御機構50が備えるガイド板押圧カム31の近傍の拡大側面図である。ガイド板押圧カム31の回転中心から外周面までの距離が一定となる複数の領域(311〜313)の中心角の大きさが異なる点は上述した実施形態の複数部材位置制御機構50と共通するため、共通点については説明を省略する。
図5及び図19に示すそれぞれのガイド板押圧カム31が、反時計回り方向に回転したときの各領域の下流側端部をそれぞれ押し下げ量小領域端部311a、押し下げ量中領域端部312a及び押し下げ量大領域端部313aとする。
上述したように、実施形態の複数部材位置制御機構50が備えるガイド板押圧カム31は、押し下げ量小領域311、押し下げ量中領域312及び押し下げ量大領域313は、それぞれ120[°]ずつずれている。
実施形態の複数部材位置制御機構50では、ガイド板押圧カム31が回転し、二次転写入口ガイド板40に当接する位置が、押し下げ量小領域端部311aから押し下げ量中領域端部312aに移動する間に二次転写部接離カム21が一回転する。同様に、当接する位置が、押し下げ量中領域端部312aから押し下げ量大領域端部313aに移動する間に二次転写部接離カム21が一回転する。さらに、当接する位置が、押し下げ量大領域端部313aから押し下げ量小領域端部311aに移動する間に二次転写部接離カム21が一回転する。すなわち、ガイド板押圧カム31が一回転する間に二次転写部接離カム21が整数回転(三回転)する。
一方、図19に示す変形例2の複数部材位置制御機構50が備えるガイド板押圧カム31は、押し下げ量小領域311、押し下げ量中領域312及び押し下げ量大領域313は、それぞれ100[°]ずつずれた構成となっている。
変形例2の複数部材位置制御機構50では、ガイド板押圧カム31が回転し、二次転写入口ガイド板40に当接する位置が、押し下げ量小領域端部311aから押し下げ量中領域端部312aに移動する間に二次転写部接離カム21が一回転する構成としている。すなわち、ガイド板押圧カム31が100[°]回転すると、二次転写部接離カム21が一回転する構成となるように、二次転写接離入力プーリー24とガイド板変位入力プーリー34との歯数を設定している。
変形例2では、当接する位置が、押し下げ量中領域端部312aから押し下げ量大領域端部313aに移動する間にガイド板押圧カム31が100[°]回転し、二次転写部接離カム21が一回転する。しかし、当接する位置を、押し下げ量大領域端部313aから押し下げ量小領域端部311aに移動させるようにガイド板押圧カム31を図19中の反時計回り方向に回転したとすると、ガイド板押圧カム31の回転角度は160[°]となり100[°]を超える。このとき、二次転写部接離カム21の回転角度は一回転を超え、押し下げ量小領域端部311aが二次転写入口ガイド板40に当接した状態での二次転写部接離カム21の回転方向の位置がずれてしまうおそれがある。
そこで、変形例2では、ガイド板押圧カム31が二次転写入口ガイド板40に当接する位置を押し下げ量大領域313から押し下げ量小領域311まで移動させる際に、ガイド板押圧カム31を時計回り方向に回転させるようにステッピングモータ26を制御する。すなわち、ガイド板押圧カム31を一回転させる制御は行わず、ガイド板押圧カム31を逆回転させる制御を行う。このような制御を行うことにより、上述した実施形態の複数部材位置制御機構50と同様に、二次転写部接離カム21の位置とガイド板押圧カム31の位置とを一つのモータ(ステッピングモータ26)で独立して制御する構成を実現できる。
なお、実施形態の複数部材位置制御機構50では、ガイド板押圧カム31が一回転すると、二次転写部接離カム21が整数回転(三回転)する。このため、ガイド板押圧カム31を一方向(反時計回り方向)に一回転以上させても、押し下げ量小領域端部311aが二次転写入口ガイド板40に当接した状態での二次転写部接離カム21の回転方向の位置がずれることがない。すなわち、ガイド板押圧カム31を整数回転させたときのガイド板押圧カム31の回転方向の位置と、二次転写部接離カム21の回転方向の位置とが一定となる。よって、回転方向の制限が無くなり、上記当接する位置を変更するために必要な回転角度が、より小さくなる回転方向に回転させればよいため、変形例2の構成よりも、二次転写入口ガイド板40の位置の制御に要する時間を短縮することが可能となる。
〔変形例3〕
上述した実施形態、変形例1及び変形例2では、二次転写入口ガイド板40の位置を制御する回転体がカムからなるガイド板押圧カム31である。
変形例3として、二次転写入口ガイド板40の位置を制御する回転体がカムでない構成について説明する。
図20は、変形例3に係る複数部材位置制御機構50が備えるガイド板変位機構30の概略説明図である。図20(a)は、出力プーリー23が回転しても二次転写入口ガイド板40が変位しない状態の説明図であり、図20(b)は、出力プーリー23が回転することにより二次転写入口ガイド板40が変位する状態の説明図である。
図20に示すように、変形例3に係る複数部材位置制御機構50は、二次転写入口ガイド板40の位置を制御する回転体として、円周上の一部にのみ歯型を有する欠歯ギヤ36を備える。欠歯ギヤ36は、上述した実施形態のガイド板押圧カム31における板遷移領域314に対応する部分の円周上は、歯型が形成された板遷移ギヤ部36bとなっている。実施形態のガイド板押圧カム31におけるカム半径が変化しない領域(311〜313)に対応する部分の円周上は、表面が円滑な周面円滑部36aとなっている。
さらに、変形例3に係る複数部材位置制御機構50は、欠歯ギヤ36の板遷移ギヤ部36bと噛み合い、欠歯ギヤ36が回転することで共に回転する板スライドギヤ401を備える。さらに、板スライドギヤ401と噛み合い、板スライドギヤ401の回転力を二次転写入口ガイド板40の直線方向の動きに変換するガイド板ラック402を二次転写入口ガイド板40に備える。
また、二次転写入口ガイド板40には、移動方向に延在する長穴404を備え、この長穴404にはプリンタ100本体に固定されたガイド板支持ピン403が嵌り、移動方向に直交する方向の移動を規制する構成となっている。
図20(a)に示すように、欠歯ギヤ36の周面円滑部36aが板スライドギヤ401と対向する範囲内で、図20(a)中の矢印Dで示すようように、欠歯ギヤ36が揺動しても板スライドギヤ401には回転駆動は伝達しない。よって、欠歯ギヤ36の周面円滑部36aが板スライドギヤ401と対向する範囲内で揺動するように、ステッピングモータ26を駆動すると、二次転写入口ガイド板40は変位せず、二次転写ローラ15のみを変位させることができる。
一方、図20(a)に示す状態から欠歯ギヤ36を回転させ、欠歯ギヤ36の板遷移ギヤ部36bが板スライドギヤ401と対向する状態とすると、板遷移ギヤ部36bと板スライドギヤ401とが噛み合う。そして、さらに欠歯ギヤ36が回転することで図20(b)に示すように板スライドギヤ401に回転力が伝達される状態となる。図20(b)に示す状態では、欠歯ギヤ36が図中の矢印E方向に回転すると、板スライドギヤ401が図20(b)中の矢印F方向に回転する。この回転力が、板スライドギヤ401と噛み合うガイド板ラック402によって二次転写入口ガイド板40の直線状の移動に変換され、二次転写入口ガイド板40が図20(b)中の矢印G方向に直線状に移動する。
変形例3に係る複数部材位置制御機構50では、欠歯ギヤ36が回転して、板遷移ギヤ部36bが板スライドギヤ401に噛み合い、さらに回転すると、板遷移ギヤ部36bの歯数分だけ板スライドギヤ401が回転し、二次転写入口ガイド板40がスライドする。
板遷移ギヤ部36bの歯数分だけ板スライドギヤ401が回転すると、周面円滑部36aが板スライドギヤ401と対向し、板スライドギヤ401への回転駆動の伝達が停止され、二次転写入口ガイド板40の変位も停止する。
図20では、ガイド板変位入力プーリー34の径を便宜的に小さく描いているが、ガイド板変位入力プーリー34の径は実施形態と同様に出力プーリー23の三倍となっている。
上述した実施形態及び変形例1〜3では、共通の駆動源の回転駆動を制御することによって、二次転写ローラ15と二次転写入口ガイド板40との位置を制御する構成について説明した。位置を制御する二つの変位部材としては、二次転写ローラ15と二次転写入口ガイド板40との組み合わせに限るものではない。例えば、特許文献1のように、ガイド板を二つ備える構成では、一つの駆動源の回転駆動を制御することで二つのガイド板の位置を制御する構成としてもよい。また、二つの変位部材の一方を、中間転写ベルト7の張架ローラの一つとしてもよい。
さらに、二次転写部の接離状態と、一次転写部の接離状態とを、一つの駆動源の駆動を制御することによって制御する構成としてもよい。この場合、二次転写部では接触状態と離間状態とを切り替えることができ、一次転写部でも接触状態と離間状態とを切り替えることができる構成とすると、表7に示す四つの組み合わせを一つの駆動源によって制御することができる。
Figure 2016224228
また、上述した実施形態及び各変形例では、変位部材が二つの場合について説明したが、三つ以上であってもよい。二つ目の変位部材のカムが一回転する間に一つ目の変位部材のカムが整数回転し、三つ目の変位部材のカムが一回転する間に二つ目の変位部材のカムが整数回転する構成とする。これにより、変位部材を三つ以上備える構成であっても、一つの駆動源によってそれぞれの変位部材の位置を独立して制御することが可能となる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
プリンタ100等の装置本体に対して変位可能な二次転写ローラ15等の第一部材及び二次転写入口ガイド板40等の第二部材を有する複数部材位置制御機構50等の部材位置制御装置において、回転位置に応じて第一部材を変位させる二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体と、回転位置に応じて第二部材を変位させるガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体と、第一部材変位回転体及び第二部材変位回転体との回転駆動の駆動源であるステッピングモータ26等の共通駆動源とを備え、第二部材変位回転体は、所定の角度範囲で回転しても第二部材の位置を位置「A」、位置「B」及び位置「C」等の一定に保つ、15[°]〜105[°]、135[°]〜225[°]または255[°]〜345[°]等の部材位置固定回転範囲(押し下げ量小領域311、押し下げ量中領域312または押し下げ量大領域313の何れかの外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲等)があり、共通駆動源を駆動させたときに、第二部材変位回転体の回転角度が15[°]〜105[°](押し下げ量小領域311の外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲)等の一つの部材位置固定回転範囲の始点(15[°])から、終点(105[°])まで変位するように、第二部材変位回転体が回転している間の第一部材変位回転体の回転によって、第一部材が変位する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第二部材は、第二部材変位回転体の回転角度が一つの部材位置固定回転範囲の始点から終点まで変位する間の第二部材変位回転体の回転によっては変位しない。一方、第一部材は、第二部材変位回転体の回転角度が一つの部材位置固定回転範囲の始点から終点まで変位するように、第二部材変位回転体が回転している間の第一部材変位回転体の回転によって、複数の位置に変位する。このため、第一部材を複数の位置に変位させるように第一部材変位回転体を回転しても、そのときの第二部材変位回転体の回転角度が一つの部材位置固定回転範囲の始点から終点の間で収まる範囲であれば、第二部材は変位しない。よって、本態様では、二つの変位部材を一つの駆動源で変位させる構成で、変位部材を変位させる駆動の開始時と終了時とで、一方の変位部材の位置のみを変化させ、他方の変位部材の位置は変化させない制御を行うことが可能となる。
(態様B)
態様Aにおいて、ガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体は、15[°]〜105[°]、135[°]〜225[°]または255[°]〜345[°]等の部材位置固定回転範囲(押し下げ量小領域311、押し下げ量中領域312または押し下げ量大領域313の何れかの外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲等)が複数あり、ステッピングモータ26等の共通駆動源を駆動させたときに、第二部材変位回転体の回転角度が、15[°]〜105[°](押し下げ量小領域311の外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲)等の一つの部材位置固定回転範囲の始点(15[°]等)から、135[°]〜225[°](押し下げ量中領域312の外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲)等の次の部材位置固定回転範囲の始点(135[°]等)となるように、ガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体を回転させると、二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体が一回転等の整数回転する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第二部材変位回転体の回転角度が一つの部材位置固定回転範囲の始点から次の部材位置固定回転範囲の始点となるように、共通駆動源を駆動させると、次のようになる。すなわち、第二部材は一つの部材位置固定回転範囲のときに第二部材変位回転体によって一定に保たれていた位置から、次の部材位置固定回転範囲のときに第二部材変位回転体によって一定に保たれる位置へと変位する。一方、第一部材は、第一部材変位回転体が整数回転し、共通駆動源を駆動する前と後とで第一部材変位回転体の回転位置は同じになるため変位しない。よって、本態様では、二つの変位部材を一つの駆動源で変位させる構成で、変位部材を変位させる駆動の開始時と終了時とで、二つの変位部材のうちの第二部材の位置のみを変化させる駆動を行うことが可能となる。
(態様C)
態様AまたBの何れかの態様において、二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体が、二次転写ローラ15等の第一部材の位置の変化に寄与し得る範囲(45[°]〜315[°]等)で回転したときのガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体の回転角度は、15[°]〜105[°](押し下げ量小領域311の外周面が二次転写入口ガイド板40に当接する範囲)等の一つの部材位置固定回転範囲の始点(15[°])から終点(105[°])の範囲内で変異する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、二次転写入口ガイド板40等の第二部材を変位させることなく、第一部材が取り得るすべての位置に第一部材を変位させることが可能となる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、第二部材変位回転体は、回転中心から円周までの距離が一定でない形状で、その円周面で二次転写入口ガイド板40等の第二部材を押圧することで第二部材を変位させるガイド板押圧カム31等の第二部材変位カムであり、第二部材変位カムの回転角度が、15[°]〜105[°]等の一つの部材位置固定回転範囲の場合は、回転中心から円周上の押圧対象に接触する位置までの距離が一定であり、第二部材変位カムの回転角度が、一つの前記部材位置固定回転範囲の場合と他の前記部材位置固定回転範囲の場合とでは、回転中心から円周上の押圧対象と接触する位置までの距離(カム半径等)が異なる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第二部材変位カムの回転位置によって第二部材またはこれと連動する部材である押圧対象を押圧する量を異ならせることができる。よって、ステッピングモータ26等の共通駆動源によって第二部材変位カムを回転させることで、第二部材の位置を変化させる構成を実現できる。さらに、第二部材変位カムの回転角度が、一つの部材位置固定回転範囲の場合は、回転中心から円周上の押圧対象に接触する位置までの距離を一定とすることで、第二部材変位カムが所定の角度範囲で回転しても第二部材の位置を一定に保つ構成を実現できる。
(態様E)
態様A乃至Cの何れかの態様において、第二部材変位回転体は、外周面の一部に第二部材の駆動入力部(板スライドギヤ401等)に向けて駆動を伝達する板遷移ギヤ部36b等の歯型形状を有する欠歯ギヤ36等の欠歯歯車であり、欠歯歯車の回転位置が、部材位置固定回転範囲である状態では、外周面における歯型形状を備えない領域(周面円滑部36a)が前記第二部材の駆動入力部に対向し、欠歯歯車の回転位置が、一つの部材位置固定回転範囲から次の部材位置固定回転範囲まで変位する状態では、外周面における歯型形状を備える領域が前記第二部材の駆動入力部に対向して、駆動を伝達し、二次転写入口ガイド板40等の第二部材を変位させる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、欠歯歯車の回転によって第二部材の位置を変化させ、且つ、欠歯歯車の回転角度が所定の範囲内出あれば、第二部材の位置を一定に保つ構成を実現できる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、第一部材変位回転体は、回転中心から円周までの距離が一定でない形状で、その円周面で二次転写部接離カム21等の第一部材と連動する玉軸受22等の部材を押圧することで第一部材を変位させる二次転写部接離カム21等の第一部材変位カムである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第一部材接離カムの回転位置によって第一部材またはこれと連動する部材である玉軸受22等の押圧対象を押圧する量を異ならせることができる。よって、ステッピングモータ26等の共通駆動源によって第一部材変位カムを回転させることで、第一部材の位置を変化させる構成を実現できる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、ステッピングモータ26等の共通駆動源の駆動時の二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体の回転数が、ガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体の回転数の整数倍となる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、一方の回転方向に第二部材変位回転体を整数回転させたときの、第一部材変位回転体の回転位置と第二部材変位回転体の回転位置とが一定となる。このため、第二部材変位回転体を一回転以上させる制御が可能となり、回転方向の制限が無くなり、第二部材変位回転体の回転位置を変更するために必要な回転角度が、より小さくなる回転方向に回転させればよくなる。よって、変形例2等の第二部材変位回転体を一回転以上させる制御ができない構成に比べて、二次転写入口ガイド板40等の第二部材の位置の制御に要する時間を短縮することが可能となる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体に対して回転角度が固定された二次転写接離入力プーリー24等の第一入力プーリーと、ガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体に対して回転角度が固定されたガイド板変位入力プーリー34等の第二入力プーリーと、ステッピングモータ26等の共通駆動源の回転駆動を第一入力プーリー及び第二入力プーリーに伝達する二次転写接離ベルト25及びガイド板変位ベルト35等の駆動伝達手段とを備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、プーリーを介して回転駆動を伝達する構成とすることにより、歯車によって駆動を伝達する構成に比べて、省スペース且つ低コストで駆動伝達手段を実現することができる。
(態様I)
態様Hにおいて、ステッピングモータ26等の共通駆動源は、回転駆動を出力する駆動軸26a等の回転軸と、回転軸に固定された出力プーリー23等の駆動出力プーリーとを備え、二次転写接離入力プーリー24等の第一入力プーリー、ガイド板変位入力プーリー34等の第二入力プーリー及び駆動出力プーリーは周面に駆動伝達用の歯型を有する歯付プーリーであり、第一入力プーリー、及び駆動出力プーリーに張架され、内周面に駆動伝達用の歯型を有する二次転写接離ベルト25等の第一歯付ベルトと、第二入力プーリー及び駆動出力プーリーに張架され、内周面に駆動伝達用の歯型を有するガイド板変位ベルト35等の第二歯付ベルトと、を備え、第二入力プーリーの周面の歯数は、第一入力プーリーの周面の歯数の整数倍である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、二次転写部接離カム21等の第一部材変位回転体の回転数が、ガイド板押圧カム31等の第二部材変位回転体の回転数の整数倍となる構成を実現することができる。
上述した実施形態では、二次転写接離ベルト25及びガイド板変位ベルト35を張架する駆動源側のプーリーが出力プーリー23で共通であるため、駆動源側のプーリーの歯数は同一である。このため、第二入力プーリーの周面の歯数を、第一入力プーリーの周面の歯数の整数倍とすることで、第一部材変位回転体の回転数を、第二部材変位回転体の回転数の整数倍とすることができる。二次転写接離ベルト25及びガイド板変位ベルト35を張架する駆動源側のプーリーとして、それぞれに対応したプーリーを設け、これらのプーリーの歯数を異ならせてもよい。この場合、駆動源側の二つのプーリーの歯数の比に応じて、第一入力プーリーの周面の歯数と、第二入力プーリーの周面の歯数とを適宜設定することで、第一部材変位回転体の回転数を、第二部材変位回転体の回転数の整数倍とすることができる。
(態様J)
用紙P等の記録媒体上に画像を形成するプリンタ100等の画像形成装置において、態様A乃至Iの何れかの態様に係る複数部材位置制御機構50等の部材位置制御装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、二次転写入口ガイド板40等の変位部材の位置制御モータ等の駆動源の増加によるコスト増、駆動源搭載によるスペース増によるマシンサイズの増加などの問題を防止できる。
(態様K)
態様Jにおいて、中間転写ベルト7等の像担持体上の画像を用紙P等の記録媒体に転写する二次転写部等の記録媒体転写部で記録媒体を挟んで像担持体と対向する二次転写ローラ15等の記録媒体転写部材と、記録媒体の搬送姿勢を規制する二次転写入口ガイド板等の搬送姿勢規制部材とを備え、第一部材は記録媒体転写部材であり、第二部材は搬送姿勢規制部材である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、変位可能な搬送姿勢規制部材を変位させずに、記録媒体転写部材のみを変位させる制御を一つの駆動源によって実現することができる。このため、記録媒体転写部材の位置を制御する二次転写接離制御用の駆動源とは別に搬送姿勢規制部材の位置を制御する駆動源を搭載する必要がなくなり、コスト増やマシンサイズの増加などの問題を防止できる。
(態様L)
態様J乃至Kの何れかの態様において、用紙P等の記録媒体の厚みを検出するローラギャップ検出装置501等の記録媒体厚検出手段を備え、記録媒体厚検出手段の検出結果に基づいて、ステッピングモータ26等の共通駆動源の駆動を制御する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、記録媒体の厚みに応じて、二次転写ローラ15等の第一部材の位置と、二次転写入口ガイド板40等の第二部材の位置とを自動で最適に調整することができる。上述した実施形態では、中間転写ベルト7に対する二次転写入口ガイド板40の位置と、二次転写部の接離状態とを最適に調整することができる。
(態様M)
態様J乃至Lの何れかの態様において、用紙P等の記録媒体の剛性を検出する用紙剛性センサ510等の記録媒体剛性検出手段を備え、記録媒体剛性検出手段の検出結果に基づいて、ステッピングモータ26等の共通駆動源の駆動を制御する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、記録媒体の剛性に応じて、二次転写ローラ15等の第一部材の位置と、二次転写入口ガイド板40等の第二部材の位置とを自動で最適に調整することができる。上述した実施形態では、中間転写ベルト7に対する二次転写入口ガイド板40の位置と、二次転写部の接離状態とを最適に調整することができる。
1 画像形成ユニット
1Y イエロー用画像形成ユニット
1C シアン用画像形成ユニット
1K ブラック用画像形成ユニット
1M マゼンタ用画像形成ユニット
2 感光体
3 帯電器
4 露光装置
5 現像器
6 感光体クリーニングブレード
7 中間転写ベルト
8 駆動ローラ
9 テンションローラ
10 一次転写ローラ
10K ブラック用一次転写ローラ
11 ベルトクリーニングブレード
12 固形潤滑剤
13 ブラシローラ
14 ブラシ対向ローラ
15 二次転写ローラ
16 二次転写対向ローラ
17 二次転写回転軸支持部材
18 二次転写加圧バネ
19 ベルト加圧ローラ
20 二次転写接離機構
21 二次転写部接離カム
21a 二次転写部接離カム回転軸
22 玉軸受
23 出力プーリー
23a 出力ギヤ
24 二次転写接離入力プーリー
24a 二次転写接離入力ギヤ
25 二次転写接離ベルト
25a 二次転写接離ギヤ
25b 二次転写接離ギヤ列
26 ステッピングモータ
26a 駆動軸
30 ガイド板変位機構
31 ガイド板押圧カム
31a ガイド板押圧カム回転軸
34 ガイド板変位入力プーリー
34a ガイド板変位入力ギヤ
35 ガイド板変位ベルト
35a ガイド板変位ギヤ
35b ガイド板変位ギヤ列
36 欠歯ギヤ
36a 周面円滑部
36b 板遷移ギヤ部
40 二次転写入口ガイド板
40a ガイド先端部
40b ガイド回動軸
41 ガイド加圧バネ
50 複数部材位置制御機構
100 プリンタ
121 用紙収容部
122 給紙ピックアップローラ
123 給紙搬送路
124 レジストローラ対
125 搬送ローラ対
150 排紙トレイ
200 定着装置
211 離間無領域
212 離間量小領域
213 離間量大領域
214 接離遷移領域
215 未使用領域
300 二次転写ユニット
301 二次転写フレーム
311 押し下げ量小領域
311a 押し下げ量小領域端部
312 押し下げ量中領域
312a 押し下げ量中領域端部
313 押し下げ量大領域
313a 押し下げ量大領域端部
314 板遷移領域
401 板スライドギヤ
402 ガイド板ラック
403 ガイド板支持ピン
404 長穴
501 ローラギャップ検出装置
510 用紙剛性センサ
510a 搬送ガイド板
510b ひずみゲージ
P 用紙
特開2015‐031897号公報

Claims (13)

  1. 装置本体に対して変位可能な第一部材及び第二部材を有する部材位置制御装置において、
    回転位置に応じて前記第一部材を変位させる第一部材変位回転体と、
    回転位置に応じて前記第二部材を変位させる第二部材変位回転体と、
    前記第一部材変位回転体及び前記第二部材変位回転体の回転駆動の駆動源である共通駆動源と、を備え、
    前記第二部材変位回転体は、所定の角度範囲で回転しても前記第二部材の位置を一定に保つ部材位置固定回転範囲があり、
    前記共通駆動源を駆動させたときに、前記第二部材変位回転体の回転位置が一つの部材位置固定回転範囲の始点から終点まで変位するように、前記第二部材変位回転体が回転している間の前記第一部材変位回転体の回転によって、前記第一部材が変位することを特徴とする部材位置制御装置。
  2. 請求項1の部材位置制御装置において、
    前記第二部材変位回転体は、前記部材位置固定回転範囲が複数あり、
    前記共通駆動源を駆動させたときに、前記第二部材変位回転体の回転位置が、一つの部材位置固定回転範囲の始点から、次の部材位置固定回転範囲の始点となるように、前記第二部材変位回転体を回転させると、前記第一部材変位回転体が整数回転することを特徴とする部材位置制御装置。
  3. 請求項1乃至2の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記第一部材変位回転体が、前記第一部材の位置の変化に寄与し得る範囲で回転したときの前記第二部材変位回転体の回転位置は、一つの前記部材位置固定回転範囲の始点から終点の範囲内で変位することを特徴とする部材位置制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記第二部材変位回転体は、回転中心から円周までの距離が一定でない形状で、その円周面で前記第二部材または前記第二部材と連動する部材を押圧することで前記第二部材を変位させる第二部材変位カムであり、
    前記第二部材変位カムの回転位置が、一つの前記部材位置固定回転範囲の場合は、回転中心から円周上の押圧対象に接触する位置までの距離が一定であり、
    前記第二部材変位カムの回転位置が、一つの前記部材位置固定回転範囲の場合と他の前記部材位置固定回転範囲の場合とでは、回転中心から円周上の押圧対象と接触する位置までの距離が異なることを特徴とする部材位置制御装置。
  5. 請求項1乃至3の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記第二部材変位回転体は、外周面の一部に前記第二部材の駆動入力部に向けて駆動を伝達する歯型形状を有する欠歯歯車であり、
    前記欠歯歯車の回転位置が、前記部材位置固定回転範囲である状態では、前記外周面における前記歯型形状を備えない領域が前記前記第二部材の駆動入力部に対向し、
    前記欠歯歯車の回転位置が、一つの前記部材位置固定回転範囲から次の前記部材位置固定回転範囲まで変位する状態では、前記外周面における前記歯型形状を備える領域が前記前記第二部材の駆動入力部に対向して、駆動を伝達し、前記第二部材を変位させることを特徴とする部材位置制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記第一部材変位回転体は、回転中心から円周までの距離が一定でない形状で、その円周面で前記第一部材または前記第一部材と連動する部材を押圧することで前記第一部材を変位させる第一部材変位カムであることを特徴とする部材位置制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記共通駆動源の駆動時の前記第一部材変位回転体の回転数が、前記第二部材変位回転体の回転数の整数倍となることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の部材位置制御装置において、
    前記第一部材変位回転体に対して回転方向について固定された第一入力プーリーと、
    前記第二部材変位回転体に対して回転方向について固定された第二入力プーリーと、
    前記共通駆動源の回転駆動を前記第一入力プーリー及び前記第二入力プーリーに伝達する駆動伝達手段とを備えることを特徴とする部材位置制御装置。
  9. 請求項8の部材位置制御装置において、
    前記共通駆動源は、回転駆動を出力する回転軸と、前記回転軸に固定された駆動出力プーリーとを備え、
    前記第一入力プーリー、前期第二入力プーリー及び前記駆動出力プーリーは周面に駆動伝達用の歯型を有する歯付プーリーであり、
    前記第一入力プーリー及び前記駆動出力プーリーに張架され、内周面に駆動伝達用の歯型を有する第一歯付ベルトと、
    前記第二入力プーリー及び前記駆動出力プーリーに張架され、内周面に駆動伝達用の歯型を有する第二歯付ベルトと、を備え、
    前記第二入力プーリーの周面の歯数は、前記第一入力プーリーの周面の歯数の整数倍であることを特徴とする部材位置制御装置。
  10. 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    請求項1乃至9の何れかに記載の部材位置制御装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、
    像担持体上の画像を記録媒体に転写する記録媒体転写部で記録媒体を挟んで前記像担持体と対向する記録媒体転写部材と、
    記録媒体の搬送姿勢を規制する搬送姿勢規制部材とを備え、
    前記第一部材は前記記録媒体転写部材であり、前記第二部材は前記搬送姿勢規制部材であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10乃至11の何れかに記載の画像形成装置において、
    記録媒体の厚みを検出する記録媒体厚検出手段を備え、
    前記記録媒体厚検出手段の検出結果に基づいて、前記共通駆動源の駆動を制御することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項10乃至12の何れかに記載の画像形成装置において、
    記録媒体の剛性を検出する記録媒体剛性検出手段を備え、
    前記記録媒体剛性検出手段の検出結果に基づいて、前記共通駆動源の駆動を制御することを特徴とする画像形成装置。
JP2015109950A 2015-05-29 2015-05-29 部材位置制御装置及び画像形成装置 Pending JP2016224228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015109950A JP2016224228A (ja) 2015-05-29 2015-05-29 部材位置制御装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015109950A JP2016224228A (ja) 2015-05-29 2015-05-29 部材位置制御装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016224228A true JP2016224228A (ja) 2016-12-28

Family

ID=57747847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015109950A Pending JP2016224228A (ja) 2015-05-29 2015-05-29 部材位置制御装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016224228A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020016795A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 株式会社リコー 画像形成装置
JP2021009192A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020016795A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 株式会社リコー 画像形成装置
JP7174344B2 (ja) 2018-07-26 2022-11-17 株式会社リコー 画像形成装置
JP2021009192A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP7358803B2 (ja) 2019-06-28 2023-10-11 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5505759B2 (ja) 画像形成装置
JP5935699B2 (ja) 画像形成装置
US8818249B2 (en) Image forming apparatus
JP2007140085A (ja) 潤滑剤供給装置及び画像形成装置
US20140219692A1 (en) Image forming apparatus
US10073385B2 (en) Image forming apparatus having deviation suppression mechanism for intermediate transfer belt
JP6872160B2 (ja) カム駆動装置及び画像形成装置
US8583025B2 (en) Image forming apparatus which decreases a sheet transportation speed difference between a registration device and a transfer device
JP2016050976A (ja) 画像形成装置
JP2014071330A (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP2016224228A (ja) 部材位置制御装置及び画像形成装置
JP5915260B2 (ja) 画像形成装置
US10558160B2 (en) Cleaning device and image forming apparatus
JP2015135394A (ja) 転写装置、及びこれを備えた画像形成装置
JP5532396B2 (ja) 画像形成装置
JP2011164523A (ja) 画像形成装置
JP2015031897A (ja) 画像形成装置
JP5849533B2 (ja) 画像形成装置
JP6066215B2 (ja) 画像形成装置
JP2014032247A (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP2006106465A (ja) クリーニング装置とこれを備える画像形成装置
JP6784949B2 (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP5112565B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2015209320A (ja) 排紙装置及び画像形成装置
JP2017161558A (ja) 画像形成装置