JP2014032247A - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

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春樹 永田
Seiichi Kogure
成一 小暮
Katsuto Haruno
克仁 春野
Hiroki Nakamatsu
弘樹 中松
Kazuki Yogosawa
一樹 與五澤
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Abstract

【課題】複数のプロセス線速それぞれで瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの速度変動を低減させて、ショックジターを低減できる転写装置、及び、その転写装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の張架ローラによって回転可能に張架され、像担持体1上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルト5と、前記複数の張架ローラの1つを回転駆動させる駆動手段と、前記中間転写ベルトの外周面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する転写部材15とを備え、2つ以上のプロセス線速で動作可能であり、前記おもて面に担持したトナー像を転写ニップ内に挟み込んだ記録材へ転写する転写装置32において、各プロセス線速に応じて少なくとも1つの前記ローラ部材のイナーシャを変更するイナーシャ変更手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる転写装置、及び、その転写装置を備えた画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、例えば、高画質と高信頼性を目的として複数の感光体ドラム上に形成した各色トナー像を互いに重なり合うように中間転写ベルトへ一次転写し、その後、中間転写ベルト上のトナー像を記録材上へ二次転写するものが知られている。この画像形成装置では、中間転写ベルトと二次転写ローラとによって形成される転写ニップに進入した記録材が、その転写ニップを通過する間に転写バイアスを与え、これにより中間転写ベルト上のトナー像を記録材へと二次転写する。
また、画像形成装置では、必要に応じて高速モードと低速モードとを切り替えるようにするものが知られている。高速モードは、中間転写ベルトの表面を比較的高い線速で移動させながら、その表面にトナー像を形成するモードである。また、低速モードは、中間転写ベルトの表面を比較的低い線速で移動させながら、その表面にトナー像を形成するモードである。高速モードと低速モードとを切り替えることで、画質よりも高速プリントを優先したり、この逆に高速プリントよりも画質を優先したりといったユーザーの多様な要望に応えることができる。また、普通紙、光沢紙、厚紙などといった用紙の種類に応じてモードを切り替えることで、それぞれ高画質を得るのに適した画像形成速度でトナー像を形成することもできる。
一方、画像形成装置においては、記録材先端が転写ニップに進入する際、または、記録材後端が転写ニップから離脱する際などに、中間転写ベルトに瞬間的な負荷変動が発生し、中間転写ベルトの線速変動が生じる。その結果、所謂ショックジターと呼ばれる画像の位置ずれによる画質劣化が発生する。このような画質劣化は、厚紙のように坪量が大きい記録体ほど発生し易い。
そこで、中間転写ベルトを張架するローラ部材の回転軸と同軸上に、ローラ部材とともに回転する慣性体を設けて、ローラ部材のイナーシャを増加させ、瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの線速変動を低減させることが知られている(特許文献1など)。
しかしながら、ローラ部材のイナーシャを増加させることで、低速モード時の中間転写ベルトの線速が遅い場合に前記線速変動が低減できたとしても、高速モード時に中間転写ベルトの線速を速くすると線速変動が悪化してしまうことがあった。また、その逆で、高速モード時の中間転写ベルトの線速が速い場合に前記線速変動が低減できたとしても、低速モード時に中間転写ベルトの線速を遅くすると前記線速変動が悪化してしまうことがあった。
このように、中間転写ベルトの線速の違いによってローラ部材のイナーシャによる線速変動の低減効果は変化してしまう。そのため、単にローラ部材の回転軸に慣性体を設けてローラ部材のイナーシャを増加させたとしても、複数のプロセス線速それぞれに対してショックジターを低減することができないといった問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、複数のプロセス線速それぞれで瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの速度変動を低減させて、ショックジターを低減できる転写装置、及び、その転写装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の張架ローラによって回転可能に張架され、像担持体上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルトと、前記複数の張架ローラの1つを回転駆動させる駆動手段と、前記中間転写ベルトの外周面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する転写部材とを備え、2つ以上のプロセス線速で動作可能であり、前記おもて面に担持したトナー像を転写ニップ内に挟み込んだ記録材へ転写する転写装置において、各プロセス線速に応じて少なくとも1つの前記ローラ部材のイナーシャを変更するイナーシャ変更手段を有することを特徴とするものである。
本発明においては、イナーシャ変更手段により、各プロセス線速に応じてローラ部材のイナーシャを最適な大きさとなるようにすることができる。これにより、各プロセス線速それぞれで瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの速度変動を低減させることができ、ショックジターを低減させることができる。
以上、本発明によれば、複数のプロセス線速それぞれで瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの速度変動を低減させて、ショックジターを低減できるという優れた効果がある。
構成例1においてベルト線速低速時においてクラッチシューが慣性体と接触した状態を示した図。 本実施形態に係るプリンタのフルカラーモード時における主要部の概略説明図。 本実施形態に係るプリンタのモノクロモード時における主要部の概略説明図。 形状係数SF−1を説明するための模式図。 形状係数SF−2を説明するための模式図。 構成例1においてベルト線速高速時においてクラッチシューが慣性体から離間した状態を示した図。 クラッチ機構の付勢部材としてバネを用いた場合を示した図。 慣性体の表面を弾性体で覆った場合を示した図。 クラッチシューの慣性体との接触面を弾性体とした場合を示した図。 構成例2においてベルト線速低速時においてクラッチシューが慣性体から離間した状態を示した図。 構成例2においてベルト線速高速時においてクラッチシューが慣性体と接触した状態を示した図。 クラッチシューと慣性体と従動ローラとの位置関係について説明する図。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した一実施形態について、複数の構成例を挙げ、図を用いて説明する。まず、各構成例に共通する本実施形態のプリンタの全体概要について説明する。
ここで、図2は本実施形態に係るプリンタのフルカラーモード時における主要部の概略説明図であり、図3は本実施形態に係るプリンタのモノクロモード時における主要部の概略説明図である。
図2に示すように、本実施形態のプリンタには、このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット120Y,120M,120C,120Kを備えている。また、中間転写ユニット32、定着装置50、及び、図示していないレジストローラ対、光書込ユニット、給紙カセット等も備えている。
プロセスユニット120Y,120M,120C,120Kには、像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kがそれぞれ設けられ、中間転写ベルト5に対向配置されている。各感光体ドラム1のまわりには、クリーニングブレードを用いた感光体クリーニング装置6、除電装置(不図示)、帯電装置2、及び、現像装置4等が設けられている。
また、各プロセスユニット120の上方には、光書込ユニット(不図示)が設けられており、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有している。そして、外部のパーソナルコンピュータ等から送られている画像情報に基づいて発した走査光により、プロセスユニット120Y,120M,120C,120Kの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを光走査する。
具体的には、プロセスユニット120Y,120M,120C,120Kの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、図示しない駆動手段によって、それぞれ図中時計回り方向に回転駆動される。光書込ユニットは、回転駆動中の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対して、走査光Ly,Lm,Lc,Lkをそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには、Y,M,C,Kの各色の画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
現像装置4Y,4M,4C,4Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の色のトナーを用いるものであり、それぞれ感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化する。フルカラー画像形成時は各現像装置4が中間転写ベルト5の移動方向における配置の順で、それぞれトナーにより可視像を形成し、各色の可視像が中間転写ベルト5上に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
中間転写ベルト5は、駆動ローラ7や従動ローラ8などの張架ローラにより張架されており、図示していない駆動モータによって駆動ローラ7が駆動されることで回転する。中間転写ベルト5を介して従動ローラ8と対向する位置には、中間転写ベルト5上に形成された画像形成条件調整用のトナーパターンを検知するための光学センサ41が設けられている。
また、本実施形態の画像形成装置では、高速モードと低速モードとの2つのプロセス線速を有している。高速モードは、後述するショックジターの影響が小さい薄紙を用いて印刷を行う場合に選択する。一方、低速モードは、ショックジターの影響が大きい厚紙を印刷する場合に選択する。このモード選択は通常、印刷に用いる転写紙Pの厚さによって自動で切り替わるようになっているが、特にショックジターの影響を小さくしたい場合、装置本体に設けられた操作部で、ユーザーが低速モードを選択することが可能となっている。
高速モードでのプロセス線速は178[mm/sec]であり、低速モードでのプロセス線速は89[mm/sec]である。なお、プロセス線速とは、中間転写ベルト5や各感光体ドラム1などの線速である。
中間転写ベルト5の内側には、一次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kや、ベルトクリーニング対向ローラ14などが配置されている。また、各ローラは中間転写ユニット32中間転写ベルト幅方向両側に設けられた図示していないユニット側板によって、軸受けやアームを介して支持されている。ここで、駆動ローラ7は、二次転写ローラ15の対向ローラとしての役割と、2次転写バイアスローラとしての役割を兼ねている。
一次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kは、各感光体ドラム1と中間転写ベルト5との接触部に配置されており、1次転写時には、所定の1次転写バイアス電圧が印加されることとなる。本実施形態では、+1800[V]が印加されるように設定されている。
中間転写ベルト5は、ポリフッ化ビニルデン、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させている。そして、その体積抵抗率を10〜1012[Ωcm]、かつ、表面抵抗率を10〜1013[Ω/□]の範囲となるよう調整している。
また、必要に応じて、この中間転写ベルト5の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、フッ化ビニルデン(PVDF)、パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂(PEA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
中間転写ベルト5の製造方法は、注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。中間転写ベルト5の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアス電圧が高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト5の帯電電位が高くなり、且つ、自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率及び表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本実施形態における中間転写ベルト5の体積抵抗率及び表面抵抗率は、上記範囲内でなければならない。
なお、体積抵抗率及び表面抵抗率の測定値は、次のように測定した測定値を用いた。すなわち、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタ)にHRSプローブ(内側電極直径5.9[mm]、リング電極内径11[mm])を接続し、中間転写ベルト5の表裏に100[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
また、中間転写ベルト5には、中間転写ベルト5上の残トナーや紙粉等を除去する、ベルトクリーニングブレード10が設けられている。このベルトクリーニングブレード10は、ウレタンゴムからなり、中間転写ベルト5に対してベルトクリーニング対向ローラ14に向けて押し当てられるようにしてトナーを堰き止めて清掃する構成となっている。
また、固形潤滑剤11を中間転写ベルト5に塗布するブラシローラ12が当接配置されている。また、中間転写ベルト5を介してブラシローラ12と対向する位置には、ブラシ対向ローラ13が配置されている。ブラシローラ12によって固形潤滑剤11を中間転写ベルト5に塗布するのは、ベルトクリーニングブレード10によるクリーニングをし易くするためである。
固形潤滑剤11として成型する潤滑剤には、直鎖状の炭化水素構造を持つ脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。とりわけ、その中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産されかつ多方面での使用実績があることから、コストと品質安定性、及び信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、及び遊離脂肪酸を含むものであり、本実施形態で用いる脂肪酸金属塩もその例外ではない。
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で供給されるのであるが、その具体的な方法としては、本実施形態のようにブラシローラ12などのブラシによって、ブロック状に固形成形された潤滑剤を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常に中間転写ベルト表面全面に供給することはできない。このため、簡易な装置構成で、且つ、中間転写ベルト表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態のように固形潤滑剤11をブラシローラ12で削り取って、中間転写ベルト5に塗布する方法が良い。
固形潤滑剤11をブラシローラ12で削り取るために、スプリング等の弾性体である潤滑剤加圧手段により、固形潤滑剤11を1[N]〜4[N]の力でブラシローラ12に圧接する。
固形潤滑剤11の幅は、中間転写ベルト5上に形成される画像幅よりも広く設定する必要があるため、本実施形態では304[mm]以上としている。また、ブラシローラ12の幅は、固形潤滑剤11を均一に削り取るために、固形潤滑剤11の幅よりも大きくとる必要がある。
中間転写ベルト5を介してブラシローラ12と対向する位置には、ブラシ対向ローラ13が設けられている。また、ブラシローラ12よりも中間転写ベルト回転方向下流側で、感光体ドラム1Yよりも中間転写ベルト回転方向上流側に、中間転写ベルト5を付勢するベルト付勢ローラ17を設けている。このようにベルト付勢ローラ17で中間転写ベルト5を付勢することで、ブラシローラ12による中間転写ベルト5の振動を抑えている。なお、本実施形態では、ベルト付勢ローラ17を中間転写ベルト5の外側に設けているが、内側に設けても同様の効果を得ることができる。
また、一次転写ローラ9K,9C,9M,9Yのうちカラー用の一次転写ローラ9C,9M,9Yは、従来から周知な接離機構(不図示)で中間転写ベルト5と接離可能となっている。フルカラーモード時には、図3に示すモノクロモード時では中間転写ベルト5から離間していた一次転写ローラ9C,9M,9Yを、前記接離機構によって図2で示すように中間転写ベルト5に当接させる。これにより、各一次転写ローラ9により中間転写ベルト5を押し伸ばした状態で、それぞれの感光体ドラム1に中間転写ベルト5が当接して巻き付くようになっている。なお、一次転写ローラ9Kは、フルカラーモード時とモノクロモード時とによらず、中間転写ベルト5に当接し巻き付いた状態となっている。
二次転写ローラ15はステンレス鋼等の金属製芯金上に、導電性材料によって10〜1010[Ω]の範囲の抵抗値に調整された、ウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。
ここで、二次転写ローラ15の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得るためにはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こるため、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、二次転写ローラ15の抵抗値が上記範囲を下回ると、同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ15の抵抗値が低いため、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となる。そのため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招く。
なお、二次転写ローラ15の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ15を設置し、芯金両端部に片側4.9[N](両側で合計9.8[N])の荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
二次転写ローラ15の回転駆動は、駆動ギヤ(不図示)によって駆動力が与えられており、その周速は中間転写ベルト5の周速に対して、略同一となるよう調整されている。また、2次転写は定電流で制御され、本実施形態ではその設定値を+30[μA]とした。また、記録媒体である転写紙Pは不図示の給紙ローラ、転写紙搬送ローラ、及び、レジストローラ対によって、中間転写ベルト5上の4色重ね画像の先端部が、2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。そして、転写紙Pに転写された4色重ね画像は、不図示の除電手段によって除電された後に、定着入口ガイドに沿って定着装置50へ搬送され、定着されたあと不図示の排紙ローラ対によって排紙される。
本実施形態に用いたトナーは、重合法によって生成された重合トナーである。図4は形状係数SF−1を説明するための模式図であり、図5は形状係数SF−2を説明するための模式図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記数1で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
Figure 2014032247
この形状係数SF−1の値が100の場合にトナーの形状は真球となり、形状係数SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。本実施形態に用いるトナーの形状係数SF−1は、100〜180の範囲にあることが好ましい。
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記数2で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
Figure 2014032247
この形状係数SF−2の値が100の場合にトナー表面に凹凸が存在しなくなり、形状係数SF−2の値が大きくなるほど、トナー表面の凹凸が顕著になる。本実施形態に用いるトナーの形状係数SF−2は、100〜180の範囲にあることが好ましい。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー、あるいは、トナーと感光体ドラム1との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなる。このため、流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1と形状係数SF−2とのいずれかが180を超えると、転写率が低下するとともに、転写手段に付着した場合のクリーニング性も低下するため好ましくない。
また、トナー粒径は、体積平均粒径で4[μm]〜10[μm]の範囲であることが望ましい。この範囲よりも小粒径の場合には、現像時に地汚れの原因となったり、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなったりする。逆に、前記範囲よりも大粒径の場合には、トナーの飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、トナー粒径が体積平均粒径で6.5[μm]のものを用いた。
ここで、上述したように中間転写ベルト5は、駆動モータが駆動ローラ7を駆動することにより回転する。通常、中間転写ベルト5は一定の線速で回転する。中間転写ベルト5が回転すると、中間転写ベルト5に従動する従動ローラ8にはイナーシャが働き、従動ローラ8を回転させ続けようという力が働く。プリンタは、中間転写ベルト5上のトナー像を転写紙Pに転写するために、中間転写ベルト5を介して駆動ローラ7と二次転写ローラ15との間に形成された転写ニップに転写紙Pを通し、二次転写ローラ15に印加された転写バイアスと圧力とによって転写する。このとき、転写ニップに転写紙Pが突入すると中間転写ベルト5の回転が妨げられ、中間転写ベルト5の速度変動が発生する。
このような中間転写ベルト5の速度変動を低減させるために、従動ローラ8と同軸で従動ローラ8とともに回転する慣性体を設けて、従動ローラ8のイナーシャを増大させることが考えられる。
ところが、単に従動ローラ8のイナーシャを増加させただけでは、中間転写ベルト5の線速が遅い状態では線速変動が低減するが、前記線速を速くすると線速変動が悪化することがある。
従動ローラ8の回転エネルギーは、回転速度が速いほど増加する。そのため、低速モード時に中間転写ベルト5を低速で回転させた場合、従動ローラ8の回転エネルギーは高速モード時に比べて小さくなる。
転写ニップに転写紙Pが突入すると、従動ローラ8の回転エネルギーを妨げる方向にトルクが発生する。すると、中間転写ベルト5には、「駆動モータによるトルク+従動ローラの回転エネルギー−転写ニップへの転写紙突入による負荷トルク」の力が働く。
低速モードでは高速モードに比べて従動ローラの回転エネルギーが小さいため、転写ニップへの転写紙突入による負荷が高速モード時に比べて大きくなる。そのため、低速モード時のほうが高速モード時よりも中間転写ベルト5の線速変動が悪化すると考えられる。
一方、これとは逆に、単に従動ローラ8のイナーシャを増加させただけでは、中間転写ベルト5の線速が速い状態では線速変動が低減するが、前記線速を遅くすると線速変動が悪化することがある。
駆動モータのトルクは、回転速度が速いほど低下する。そのため、高速モードで中間転写ベルト5を回転させる場合、駆動モータのトルクは低速モードで中間転写ベルト5を回転する場合に比べて弱くなる。
転写ニップに転写紙Pが突入すると、駆動モータの回転を妨げる方向にトルクが発生する。すると、中間転写ベルト5には、「駆動モータによるトルク+ローラの回転エネルギー−転写ニップへの転写紙突入による負荷トルク」の力が働く。
高速モードでは低速モードに比べて駆動モータによるトルクが小さいため、転写ニップへの転写紙突入による負荷が低速モードに比べて大きくなる。そのため、高速モードのほうが低速モードよりも中間転写ベルト5の線速変動が悪化すると考えられる。
このように、駆動モータのトルク、回転速度とローラ部材のイナーシャによる回転エネルギーのバランスによって、中間転写ベルト5の線速変動は、低速モードのほうが悪化する場合と、高速モードのほうが悪化する場合とのどちらにもなりうる。
また、上述したどちらの場合においても、転写ニップへの転写紙突入による負荷が大きいほうが、中間転写ベルト5の線速変動に大きな違いが出ると考えられるので、紙厚さが厚く、剛性の強い転写紙Pのほうが、紙厚さが薄く、剛性の弱い転写紙Pよりも中間転写ベルト5の線速変動が悪化すると考えられる。
本実施形態においては、低速モードと高速モードそれぞれでの中間転写ベルト5の線速に応じてローラ全体のイナーシャを最適な大きさとなるように設定し、中間転写ベルト5の線速変動を低減させて、ショックジターを低減するようにしている。
[構成例1]
本構成例においては、高速モードで中間転写ベルト5の線速を速くしたときに、低速モード時よりも従動ローラ8のイナーシャを任意の大きさへと小さくするクラッチ機構の構成について説明する。なお、本構成例では、低速モードと高速モードとで従動ローラ8のイナーシャをクラッチ機構によって変更する例を示すが、駆動ローラ7でも同様の構成にすることで実施することができる。
図1は低速モード時における従動ローラ8のクラッチ機構の状態を示しており、図6は高速モード時における従動ローラ8のクラッチ機構の状態を示したものである。
従動ローラ8は、回転軸であるローラ軸23に玉軸受を介して回転可能に設けられている。また、ローラ軸23には従動ローラ8に取り付けた玉軸受とは別の玉軸受22を介して、従動ローラ8のイナーシャを増加させるための慣性体18が設けられている。このように、本構成例においては、従動ローラ8と慣性体18とが同軸となっている。なお、ローラ軸23は中間転写ユニット側板と固定されているため回転しない。
従動ローラ8と慣性体18との間には、従動ローラ8の回転による駆動力の慣性体18への伝達を入切するクラッチ機構が設けられている。
図7は、本構成例で用いるクラッチ機構である遠心クラッチの拡大図である。このクラッチ機構は、従動ローラ8に設置された回転支点21を中心として回転自在になるように組みつけられたクラッチシュー19と、従動ローラ半径方向外側から内側に向けてクラッチシュー19を付勢する付勢部材である圧縮バネ20とを有している。圧縮バネ20は、従動ローラ8とクラッチシュー19とに対して取り付け位置が変化しないように固定されている。そして、この圧縮バネ20によってクラッチシュー19には、従動ローラ半径方向内側である図中矢印F1方向に力が働く。従動ローラ8が停止している状態では、圧縮バネ20からの付勢力により、クラッチシュー19と慣性体18とが接触した状態を保つ。
中間転写ベルト5が回転し、それに連動して従動ローラ8が回転すると、クラッチシュー19には、従動ローラ半径方向外側である図中矢印F2方向に遠心力が働く。また、このとき、クラッチシュー19は圧縮バネ20によっても付勢されているため、クラッチシュー19には、圧縮バネ20による図中矢印F1方向の付勢力と、図中矢印F2方向の遠心力とが働くことになる。
高速モード時では、図中矢印F2方向に働く遠心力が、圧縮バネ20による図中矢印F1方向に働く付勢力よりも大きくなるように設定されている。そのため、回転支点21を中心としたモーメントにより、慣性体18から離れる方向にクラッチシュー19が移動する。その結果、慣性体18とクラッチシュー19とが非接触となり、クラッチシュー19を介して従動ローラ8の回転による駆動力が慣性体に伝達されなくなり、慣性体18は停止する。
一方、低速モード時では、圧縮バネ20による図中矢印F1方向に働く付勢力が、従動ローラ半径方向外側である図中矢印F2方向に働く遠心力よりも大きくなるように設定されている。そのため、回転支点21を中心としたモーメントの関係により、慣性体18に向かう方向にクラッチシュー19が移動する。その結果、慣性体18とクラッチシュー19とが接触し、慣性体18がローラに従動して回転を始める。
このように、従動ローラ8の回転速度による遠心力と圧縮バネ20の付勢力との力関係によって、慣性体18の移動が定まるため、圧縮バネ20の強さを調整することにより、容易にローラ速度による慣性体18の回転制御を行うことができる。
クラッチシュー19に働く遠心力が、圧縮バネ20により付勢される付勢力よりも小さいとき、図1に示すようにクラッチシュー19は圧縮バネ20の付勢力によって慣性体18と接触した状態となる。このようにクラッチシュー19と慣性体18とが接触している状態では、従動ローラ8の回転をクラッチシュー19が慣性体18に伝達するので、慣性体18は従動ローラ8に従動して回転する。そのため、ローラ全体のイナーシャは「従動ローラ8+慣性体18」となり、従動ローラ8だけが回転する場合よりもイナーシャが大きくなる。
クラッチシュー19に働く遠心力が、圧縮バネ20により付勢される付勢力よりも大きいとき、図6に示すようにクラッチシュー19は圧縮バネ20の付勢力に抗して慣性体18から離れた状態となる。このようにクラッチシュー19が慣性体18から離れた状態では、従動ローラ8の回転による駆動力がクラッチシュー19を介して慣性体18に伝達されないので、慣性体18は回転せず停止した状態となる。そのため、ローラ全体のイナーシャは慣性体18が回転しないので、図1に示したようなクラッチシュー19と慣性体18とが接触している状態に比べて、慣性体18の分だけイナーシャが小さくなる。
画像形成装置ではショックジターの低減やトナーの転写性の向上など印刷品質を向上させる目的で、転写材の厚さや種類に応じてマシンの仕様としてプロセス速度を高速モードと低速モードと複数変化させることができる装置が一般的である。
高速モードでは低速モードと比較して中間転写ベルト5のベルト線速が速くなるため、中間転写ベルト5に従動して回転する従動ローラ8の回転速度も低速モードよりも速くなる。すると、クラッチシュー19に働く遠心力も低速モードに比べて大きくなる。
そこで、圧縮バネ20による力の大きさを、高速モードでクラッチシュー19に働く遠心力よりも小さく、低速モードでクラッチシュー19に働く遠心力よりも大きくなるように調整する。すると、低速モードでは「付勢力>遠心力」となるため、図1に示したようなクラッチシュー19と慣性体18とが接触した状態になる。
逆に、高速モードでは「付勢力<遠心力」となるため、図6に示すようにクラッチシュー19が慣性体18から離れた状態になる。そして、従動ローラ8及び慣性体18それぞれの重量や径の大きさを調整することによって、クラッチシュー19と慣性体18との離間状態及び接触状態それぞれにおけるローラ全体のイナーシャを、任意の大きさに設定することができる。
このような構成とすることで、高速モード時にローラ全体のイナーシャを任意の大きさへと小さくすることができる。そのため、高速モードと低速モードそれぞれでの中間転写ベルト5の線速に応じて、ローラ全体のイナーシャを最適な大きさとなるように設定でき、瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルト5の速度変動を低減させて、ショックジターを低減することができる。
[変形例1]
図8は、慣性体18の表面を弾性体で覆った場合を示した図である。
例えば、慣性体18とクラッチシュー19とが金属のような硬い素材で作られている場合、慣性体18とクラッチシュー19とが接触する際に、接触の衝撃による衝撃音や振動が発生する。
そこで、図8に示すように、慣性体18の表面をゴムやジェル状の弾性体28で覆うことによって、慣性体18とクラッチシュー19とが接触する際に生じる、衝撃音や振動を低減することができる。
[変形例2]
図9はクラッチシュー19の慣性体18との接触面を弾性体とした場合を示した図である。ここでは、クラッチシュー19の慣性体18と接触する面をゴムやジェル状の弾性体29としている。これにより、前述したようなクラッチシュー19と慣性体18とが接触する際に生じる衝撃音や振動を低減することができる。
なお、本構成例では、高速モードと低速モードとの2つのプロセス線速を有する場合について説明したが、低速モードと中速モードと高速モードとの3つのプロセス線速を有する場合でも、本発明を適用することができる。
例えば、図1、図6に示した構成で、低速モードでは慣性体18を回転させ(イナーシャ:大)、中速モード及び高速モードでは慣性体18を停止させる(イナーシャ:小)。
もしくは、図1、図6の構成で、低速モード及び中速モードでは慣性体18を回転させ(イナーシャ:大)、高速モードでは慣性体18を停止させる(イナーシャ:小)。
低速モード、中速モード、及び、高速モードの、どの中間転写ベルト5の線速で慣性体18を回転させるかは、圧縮バネ20による付勢力の強さを調整することによって設計者が決めることができる。
[構成例2]
本構成例においては、高速モードで中間転写ベルト5の線速を速くしたときに、低速モード時よりも従動ローラ8のイナーシャを任意の大きさへと大きくするクラッチ機構の構成について説明する。なお、本構成例では、低速モードと高速モードとで従動ローラ8のイナーシャをクラッチ機構によって変更する例を示すが、駆動ローラ7でも同様の構成にすることで実施することができる。
図10は低速モード時における従動ローラ8のクラッチ機構のクラッチシュー19が慣性体18から離れた状態を示した図である。図11は高速モード時における従動ローラ8のクラッチ機構のクラッチシュー19が慣性体18と接触した状態を示した図である。図12はクラッチシュー19と慣性体18と従動ローラ8との位置関係を示したものである。
構成例1では、図1や図6で示したように慣性体18が従動ローラ8の内側に位置していたが、本構成例では図12に示すように慣性体18が従動ローラ8の外側に位置する。
また、慣性体18は外周部の縁がローラ軸方向内側に飛び出ている形状をしており、遠心力によりクラッチシュー19の位置が従動ローラ半径方向外側へと変化すると、クラッチシュー19と慣性体18とが接触するような構造となっている。
また、構成例1では圧縮バネ20がクラッチシュー19を慣性体18に押し当てる方向に付勢していたが、本構成例では付勢部材である引っ張りバネ24がクラッチシュー19を従動ローラ8に向かって引っ張る方向で付勢する。このような引っ張りバネ24からの付勢によって、従動ローラ8の回転が停止した状態ではクラッチシュー19が慣性体18から離れた状態となる。
また、クラッチシュー19は円筒状のガイド部材25によって、従動ローラ8の回転方向に対してラジアル方向にのみ動けるように移動が制限されている。
クラッチシュー19に働く遠心力が、引っ張りバネ24により付勢される付勢力よりも小さいとき、図10に示すようにクラッチシュー19は、引っ張りバネ24の付勢力によって慣性体18から離れた状態となる。このようにクラッチシュー19が慣性体18から離れている状態では、従動ローラ8の回転をクラッチシュー19が慣性体18に伝達しないので、慣性体18は回転せず停止した状態となる。そのため、ローラ全体のイナーシャは慣性体18が回転しないので、クラッチシュー19と慣性体18とが接触している状態に比べて、慣性体18の分だけイナーシャが小さくなる。
一方、クラッチシュー19に働く遠心力が、引っ張りバネ24により付勢される付勢力よりも大きいとき、図11に示すようにクラッチシュー19は引っ張りバネ24の付勢力に抗して慣性体18と接触した状態となる。このようにクラッチシュー19と慣性体18とが接触している状態では、従動ローラ8の回転をクラッチシュー19が慣性体18に伝達するので、慣性体18は従動ローラ8に従動して回転する。そのため、ローラ全体のイナーシャは「従動ローラ8+慣性体18」となり、従動ローラ8だけが回転する場合よりもイナーシャが大きくなる。
前述した通り、画像形成装置ではプロセス速度を高速モード及び低速モードなど複数設定できることができる装置が一般的である。
ここで、引っ張りバネ24による付勢力の大きさを、高速モードでクラッチシュー19に働く遠心力よりも小さく、低速モードでクラッチシュー19に働く遠心力よりも大きくなるように調整する。すると、低速モードでは「付勢力>遠心力」となるため、図10に示すようにクラッチシュー19が慣性体18から離間した状態になる。逆に、高速モードでは「付勢力<遠心力」となるため、図11に示すようにクラッチシュー19と慣性体18とが接触した状態になる。そして、従動ローラ8及び慣性体18の重量や径の大きさを調整することによって、クラッチシュー19と慣性体18との離間状態及び接触状態それぞれにおけるローラ全体のイナーシャを、任意の大きさに設定することができる。
このような構成とすることで、高速モード時にローラ全体のイナーシャを任意の大きさへと大きくすることができる。そのため、高速モードと低速モードそれぞれでの中間転写ベルト5の線速に応じて、ローラ全体のイナーシャを最適な大きさとなるように設定でき、瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルト5の速度変動を低減させて、ショックジターを低減することができる。
また、本構成例のように、クラッチシュー19を付勢する付勢部材の付勢方向が圧縮ではなく引っ張りの場合も同様に、引っ張りバネ24の強さを変えることにより、容易にローラ速度による慣性体18の回転制御を行うことができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
駆動ローラ7や従動ローラ8などの複数の張架ローラによって回転可能に張架され、感光体ドラム1などの像担持体上のトナー像が転写される中間転写ベルト5などの無端状の中間転写ベルトと、複数の張架ローラの1つを回転駆動させる駆動モータなどの駆動手段と、中間転写ベルトの外周面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する二次転写ローラ15などの転写部材とを備え、2つ以上のプロセス線速で動作可能であり、前記おもて面に担持したトナー像を転写ニップ内に挟み込んだ転写紙Pなどの記録材へ転写する中間転写ユニット32などの転写装置において、各プロセス線速に応じて少なくとも1つの前記ローラ部材のイナーシャを変更するイナーシャ変更手段を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のプロセス線速それぞれで瞬間的な負荷変動に伴う中間転写ベルトの速度変動を低減させて、ショックジターを低減することができる。
(態様B)
(態様A)において、上記イナーシャ変更手段は、従動ローラ8などの少なくとも1つのローラ部材と同軸上に設けられた慣性体18などの慣性体と、慣性体の回転と停止とを制御する回転制御手段とを有しており、前記イナーシャ変更手段による前記プロセス線速に応じたイナーシャの変更は、回転制御手段によるプロセス線速に応じた慣性体の回転制御で行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、中間転写ベルトの線速を変化させると慣性体の回転の有無が変化し、各プロセス線速に応じた最適なイナーシャを設定することができる。
(態様C)
(態様B)において、上記回転制御手段としてクラッチ機構を用いる。これによれば、低コストで慣性体の回転制御を行うことができる。
(態様D)
(態様C)において、上記慣性体は慣性体を同軸上に有する上記ローラ部材よりも小径であって、上記クラッチ機構はローラ部材と慣性体との間に設けられた遠心クラッチであり、前記遠心クラッチは、ローラ部材が回転すると遠心力でローラ部材半径方向外側に付勢され、ローラ部材が停止すると遠心力が無くなりローラ部材半径方向外側への付勢力が解除されるクラッチシュー19などのクラッチシューと、クラッチシューをローラ部材半径方向内側に付勢する圧縮バネ20などの付勢部材とを有しており、ローラ部材の回転速度が所定速度よりも小さいときに、付勢部材の付勢力によりクラッチシューが慣性体と接触し、ローラ部材の回転力が慣性体に伝達されて慣性体が回転し、ローラ部材の回転速度が所定速度以上のときに、付勢部材の付勢力に抗して遠心力によりクラッチシューが慣性体から離れて、慣性体が停止する。これによれば、上記クラッチ機構が遠心クラッチであることで、センサなどの検出器やモータなどの駆動部品を用いることなく、遠心力によって自動で慣性体の回転を制御することができるため、コスト削減を図ることができる。
(態様E)
(態様C)において、上記慣性体を同軸上に有する上記ローラ部材は慣性体よりも小径であって、上記クラッチ機構は慣性体とローラ部材との間に設けられた遠心クラッチであり、前記遠心クラッチは、ローラ部材が回転すると遠心力でローラ部材半径方向外側に付勢され、ローラ部材が停止すると遠心力が無くなりローラ部材半径方向外側への付勢力が解除されるクラッチシュー19などのクラッチシューと、クラッチシューをローラ部材半径方向内側に付勢する引っ張りバネ24などの付勢部材とを有しており、ローラ部材の回転速度が所定速度以上のときに、付勢部材の付勢力に抗して遠心力によりクラッチシューが慣性体と接触し、クラッチシューを介してローラ部材の回転力が慣性体に伝達されて慣性体が回転し、ローラ部材の回転速度が所定速度よりも小さいときに、付勢部材の付勢力によりクラッチシューが慣性体から離れて、慣性体が停止する。これによれば、上記クラッチ機構が遠心クラッチであることで、センサなどの検出器やモータなどの駆動部品を用いることなく、遠心力によって自動で慣性体の回転を制御することができるため、コスト削減を図ることができる。
(態様E)
(態様D)において、上記付勢部材がバネであることで、上記実施形態で説明したように、バネの強さを変えるだけで容易にローラ速度による慣性体の回転制御を行うことができる。
(態様F)
(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)において、上記慣性体の表面もしくは全体を弾性体28などの弾性体としたことで、クラッチシューの接触時に発生する振動や騒音を抑えることが可能となる。また、摩擦力増加によりクラッチシューの保持力が増加する。
(態様G)
(態様C)、(態様D)または(態様E)において、上記クラッチ機構はクラッチシューを有しており、クラッチシューの表面もしくは全体を弾性体29などの弾性体としたことで、クラッチシューの接触時に発生する振動や騒音を抑えることが可能となる。また、摩擦力増加によりクラッチシューの保持力が増加する。
(態様H)
感光体ドラム1などの像担持体上にトナー像を形成するプロセスユニット120などのトナー像形成手段と、像担持体上のトナー像を転写紙Pなどの記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記転写手段として、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)または(態様G)の転写装置を用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、各プロセス線速に応じてローラ全体のイナーシャを最適な大きさに設定できるため、中間転写ベルトの速度変動を低減させてショックジターを抑制し、良好な画像形成を行うことができる。
1 感光体ドラム
2 帯電装置
4 現像装置
5 中間転写ベルト
6 感光体クリーニング装置
7 駆動ローラ
8 従動ローラ
9 一次転写ローラ
10 ベルトクリーニングブレード
11 固形潤滑剤
12 ブラシローラ
13 ブラシ対向ローラ
14 ベルトクリーニング対向ローラ
15 二次転写ローラ
17 ベルト付勢ローラ
18 慣性体
19 クラッチシュー
20 圧縮バネ
21 回転支点
22 玉軸受
23 ローラ軸
24 バネ
25 ガイド部材
28 弾性体
29 弾性体
32 中間転写ユニット
50 定着装置
120 プロセスユニット
特開2009−086021号公報

Claims (9)

  1. 複数の張架ローラによって回転可能に張架され、像担持体上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルトと、
    前記複数の張架ローラの1つを回転駆動させる駆動手段と、
    前記中間転写ベルトの外周面であるおもて面に当接して転写ニップを形成する転写部材とを備え、
    2つ以上のプロセス線速で動作可能であり、
    前記おもて面に担持したトナー像を転写ニップ内に挟み込んだ記録材へ転写する転写装置において、
    各プロセス線速に応じて少なくとも1つの前記ローラ部材のイナーシャを変更するイナーシャ変更手段を有することを特徴とする転写装置。
  2. 請求項1の転写装置において、
    上記イナーシャ変更手段は、少なくとも1つのローラ部材と同軸上に設けられた慣性体と、該慣性体の回転と停止とを制御する回転制御手段とを有しており、
    前記イナーシャ変更手段による前記プロセス線速に応じたイナーシャの変更は、該回転制御手段による該プロセス線速に応じた該慣性体の回転制御で行うことを特徴とする転写装置。
  3. 請求項2の転写装置において、
    上記回転制御手段は、上記ローラ部材の回転による駆動力の上記慣性体への伝達を入切するクラッチ機構を有することを特徴とする転写装置。
  4. 請求項3の転写装置において、
    上記慣性体は該慣性体を同軸上に有する上記ローラ部材よりも小径であって、
    上記クラッチ機構は前記ローラ部材と前記慣性体との間に設けられた遠心クラッチであり、
    前記遠心クラッチは、前記ローラ部材が回転すると遠心力でローラ部材半径方向外側に付勢され、前記ローラ部材が停止すると遠心力が無くなりローラ部材半径方向外側への付勢力が解除されるクラッチシューと、前記クラッチシューをローラ部材半径方向内側に付勢する付勢部材とを有しており、
    前記ローラ部材の回転速度が所定速度よりも小さいときに、前記付勢部材の付勢力により前記クラッチシューが上記慣性体と接触し、前記ローラ部材の回転力が該慣性体に伝達されて該慣性体が回転し、
    前記ローラ部材の回転速度が所定速度以上のときに、前記付勢部材の付勢力に抗して遠心力により前記クラッチシューが前記慣性体から離れて、該慣性体が停止することを特徴とする転写装置。
  5. 請求項3の転写装置において、
    上記慣性体を同軸上に有する上記ローラ部材は該慣性体よりも小径であって、
    上記クラッチ機構は前記慣性体と前記ローラ部材との間に設けられた遠心クラッチであり、
    前記遠心クラッチは、前記ローラ部材が回転すると遠心力でローラ部材半径方向外側に付勢され、前記ローラ部材が停止すると遠心力が無くなりローラ部材半径方向外側への付勢力が解除されるクラッチシューと、前記クラッチシューをローラ部材半径方向内側に付勢する付勢部材とを有しており、
    前記ローラ部材の回転速度が所定速度以上のときに、前記付勢部材の付勢力に抗して遠心力により前記クラッチシューが上記慣性体と接触し、該クラッチシューを介して前記ローラ部材の回転力が該慣性体に伝達されて該慣性体が回転し、
    前記ローラ部材の回転速度が所定速度よりも小さいときに、前記付勢部材の付勢力により前記クラッチシューが前記慣性体から離れて、該慣性体が停止することを特徴とする転写装置。
  6. 請求項4または5の転写装置において、
    上記付勢部材がバネであることを特徴とする転写装置。
  7. 請求項2、3、4、5または6の転写装置において、
    上記慣性体の表面もしくは全体を弾性体としたことを特徴とする転写装置。
  8. 請求項4、5、6または7の転写装置において、
    上記クラッチシューの表面もしくは全体を弾性体としたことを特徴とする転写装置。
  9. 像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    該像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
    前記転写手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の転写装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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