JP2016222659A - ペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】インビボで十分なプロテアソーム阻害活性を示す化合物の提供。
【解決手段】式(A)で示されるタモキシフェン化合物に19S調節因子に認識される、4個〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドを結合させた化合物。

(R1及びR2は夫々独立にH又はC1−6アルキル基、或いは、R1及びR2は、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成;R8はカルボキシ基又はアミノメチル基)
【選択図】なし

Description

本発明はペプチドに関する。
人の体は数十兆個の細胞から構成されており、これらの細胞は恒常性の維持、細胞増殖、代謝回転などの様々な細胞内プロセスを制御する手段として細胞内タンパク質分解系を利用している。細胞内で役目を終えたタンパク質、ミスフォールドタンパク質などの大半は、分解の目印としてユビキチンが付加され、プロテアソームと呼ばれる巨大なタンパク質複合体により分解される。
プロテアソームとは全ての真核生物から一部の古細菌にまで高度に保存されたタンパク質分解酵素複合体である。細胞内において構成的に発現する一般的なプロテアソームは26Sプロテアソームと呼ばれている。これは、分解対象となる基質タンパク質の認識を担う19S調節因子とプロテアーゼ活性を担う20Sコア(20Sプロテアソームとも呼ばれる。)とからなる、分子量2.5MDa、長さ44nm、そして最大直径が20nmにも及ぶ巨大な粒子である。
プロテアソームとは細胞周期、シグナル伝達、免疫応答、アポトーシス、新生タンパク質の品質管理などの主要な生命現象の制御に関与しており、プロテアソームのプロテアーゼ様の活性を阻害することにより増殖性細胞内でアポトーシスが誘導される。よって、現在までに天然物および合成物を含め、多くのプロテアソーム阻害剤が、主に癌の治療を目的に開発されている。
癌の治療のために開発された最初のプロテアソーム阻害剤の成功例は、多発性骨髄腫治療薬のボルテゾミブ(商品名:ベルケード;治験コード:PS−341)である。多発性骨髄腫とは血液の悪性腫瘍の一つであり、悪性リンパ腫と同じく血液悪性腫瘍のなかでも比較的多くみられる難治性の癌である。
しかしながら、ボルテゾミブは2003年に承認されて以降、薬剤耐性の症例、不応例などが臨床の分野で顕在化し、その耐性メカニズムは良くわかっておらず治療の選択肢が大きく制限されていた。
このような経緯の中で2012年に、プロテアソーム阻害剤であるカーフィルゾミブが新たに多発性骨髄腫の治療薬として認可された。カーフィルゾミブは、第二世代型プロテアソーム阻害剤に分類され、非拮抗阻害の作用様式で阻害効果を発揮する。カーフィルゾミブはエポキシケトンをファーマコフォアにもつペプチド骨格を有する阻害剤であり、ボルテゾミブに不応性を示す患者にも持続的奏効がある。
特開2006−117648号公報 特開2008−094836号公報
多発性骨髄腫に対する化学治療は、2003年のボルテゾミブの承認を機に大きく前進した。ところが薬剤耐性、不応性などの問題が顕在化し、次世代のプロテアソーム阻害剤が求められた。そして、2012年にカーフィルゾミブの登場によってボルデゾミブ耐性の問題は改善された。
しかしながら、ボルデゾミブの不応性問題が現れたように、カーフィルゾミブに対して薬剤耐性問題が現れないとは限らない。
そこで、本発明者が抗がん剤のシードとなるような分子標的阻害物質の探索を行った。ここで抗エストロゲン剤であるタモキシフェンの誘導体の中から強いプロテソーム阻害活性のある化合物が見出された(特許文献1、2)。
タモキシフェン誘導体のなかでも、分子量500程度の非ペプチド性の芳香族化合物であるRID−Fは、安定な低分子有機化合物である。またRID−Fは、既存のプロテアソーム阻害剤と比較して例を見ない非ペプチド構造の対称分子であるというユニークな新規構造を持っている。そこで、本発明者が精製20Sプロテアソームに対する阻害実験をインビトロで行ったところ、優れた阻害効果を発揮することが明らかとなった(特許文献2)。
ところが本発明者らの研究によると、RID−Fによる精製26Sプロテアソームに対するインビトロでの阻害活性は、精製20Sプロテアソームに対するインビトロでの阻害活性よりもIC50値として比較した場合、大きくなることを確認されている。したがって、RID−Fをそのままインビボで用いたとしても、RID−Fがプロテアソーム阻害剤として有用であるとは言えない。
本発明の課題は、インビボで十分なプロテアソーム阻害活性を示す化合物を提供することである。
本発明者らは、斯かる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、上記RID−Fが、β1サブユニット(PGPH様)には拮抗阻害様式で、β5サブユニット(CT−L様)には非拮抗阻害様式で阻害効果を発揮することを確認した。さらに、上記RID−Fの特定の部位に改変を加え、これを特定のアミノ酸配列を有するペプチドを用いて修飾したところ、精製26Sプロテアソームに対しても顕著に優れた阻害活性を発揮することを見出した。
本発明は、これらの知見を基に完成されたものであり、以下に示す態様の発明を包含する。
I.ペプチド
本発明に係るペプチド(I)は、以下の(I-1)〜(I-13)に示す態様を包含する。
(I-1) 19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなる、ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-2) 上記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、(I-1)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-3) 上記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、(I-1)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-4) 上記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、(I-1)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-5) β1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列が、少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含む、(I-2)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-6) β2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列が、少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含む、(I-3)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-7) β5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列が、少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含む、(I-4)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-8) 配列番号1〜51のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、上記(I-1)〜(I-7)のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-9) 配列番号1〜5のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、上記(I-1)〜(I-8)のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-10) プロテアソーム阻害剤の作用を増強させるために用いられる、上記(I-1)〜(I-9)のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-11) プロテアソーム阻害剤が非ペプチド性化合物である、上記(I-10)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-12) 非ペプチド性化合物が、下記一般式(1)
[式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基を示す。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
nは0以上の整数を示す。
zは2または3を示す。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩である、上記(I-11)に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
(I-13) プロテアソーム阻害剤が20Sプロテアソームに特異的な阻害剤である、上記(I-10)〜(I-12)のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
II.ペプチド結合化合物
本発明に係るペプチド結合化合物(II)は下記一般式(2)で表される化合物またはその塩である。
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
は上記ペプチド(I)の残基である。
当該ペプチド残基のアミド末端はカルボニル基とペプチド結合している。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
III.製造方法
本発明に係る製造方法(III)は、上記ペプチド結合化合物(II)またはその塩の製造方法であって、下記一般式(3)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物と、上記ペプチド(I)とを、脱水縮合剤の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
IV.化合物
本発明の化合物(IV)は、下記一般式(3)で表される化合物(またはその塩)である。
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
V.製造方法
本発明に係る製造方法(V)は、上記化合物(IV)またはその塩の製造方法であって、下記一般式(4)
[式中、Rはカルボキシル基の保護基である。
zは、上記一般式(1)において定義されるzと同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩と、下記一般式(5)
[式中、R、R、およびnは、上記に同じである。
はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
VI.プロテアソーム阻害剤
本発明に係るプロテアソーム阻害剤(VI)は、上記ペプチド結合化合物(II)を含む、以下の(VI-1)または(VI-2)に示す態様を包含する。
(VI-1) 上記ペプチド結合化合物(II)に記載の化合物またはその塩を含む、プロテアソーム阻害剤。
(VI-2) プロテアソームが26Sプロテアソームである、上記(VI-1)に記載のプロテアソーム阻害剤。
VII.医薬組成物
本発明に係る医薬組成物は、上記ペプチド結合化合物(II)またはその塩を含む、以下の(VII-1)または(VII-2)に示す態様を包含する。
(VII-1) 上記ペプチド結合化合物(II)またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
(VII-2) 癌、アミロイドーシス、または自己免疫疾患の治療または予防に使用される、(VII-1)に記載の医薬組成物。
また、本発明は下記の項1〜項15に示す態様の発明を包含する。
〔項1〕 19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなる、
ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項2〕 前記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、項1に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項3〕 前記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、項1に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項4〕 前記ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、項1に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項5〕 配列番号1〜51のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、項1〜項4のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項6〕 配列番号1〜5のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、項1〜項5のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項7〕 プロテアソーム阻害剤の作用を増強させるために用いられる、項1〜項6のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項8〕 プロテアソーム阻害剤が非ペプチド性化合物である、項7に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項9〕 非ペプチド性化合物が、下記一般式(1)

[式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基を示す。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
nは0以上の整数を示す。
zは2または3を示す。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩である、項8に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔項10〕 下記一般式(2)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
は項1〜項9のいずれかに示すペプチドの残基である。
当該ペプチド残基のアミド末端がカルボニル基とペプチド結合している。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるペプチド結合化合物またはその塩。
〔項11〕 項10に記載のペプチド結合化合物またはその塩の製造方法であって、
下記一般式(3)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩と、項1〜項9のいずれかに示すペプチドとを、脱水縮合剤の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
〔項12〕 下記一般式(3)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物又はその塩。
〔項13〕 項12に記載のタモキシフェン化合物またはその塩の製造方法であって、
下記一般式(4)
[式中、Rはカルボキシル基の保護基である。
zは上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩と、下記一般式(5)
[式中、R、R、およびnは、上記に同じである。
はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
〔項14〕 項10に記載のペプチド結合化合物を含む、プロテアソーム阻害剤。
〔項15〕 項10に記載のペプチド結合化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
また、本発明には以下の〔A1〕〜〔A15〕に示す態様の発明も包含される。
〔A1〕 下記一般式(A)
[式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基を示す。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
はカルボキシ基またはアミノメチル基を示す。
nは0以上の整数を示す。
zは2または3を示す。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩。
〔A2〕 Rがカルボキシ基である、A1に記載のタモキシフェン化合物またはその塩。
〔A3〕 Rがアミノメチル基である、A1に記載のタモキシフェン化合またはその塩。
〔A4〕 A2に記載のタモキシフェン化合物またはその塩の製造方法であって、下記一般式(B)

[式中、Rはカルボキシル基の保護基である。
zは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩と、下記一般式(5)

[式中、R、R、およびnは、それぞれ上記に同じである。
はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
〔A5〕 A3に記載のタモキシフェン化合物またはその塩の製造方法であって、下記一般式(c)
[式中、R、R、n、およびzは、ぞれぞれ上記に同じである。
は水酸基の保護基である。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩を、還元する工程を含む、製造方法。
〔A6〕 A1〜A3の何れかに記載のタモキシフェン化合物またはその塩と、
19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドとがアミド結合した、
複合体。
〔A7〕 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、A6に記載の複合体。
〔A8〕 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、A6に記載の複合体。
〔A9〕 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、A6に記載の複合体。
〔A10〕 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、配列番号1〜102のいずれかに示すアミノ酸配列を含むものである、A6〜A9の何れかに記載の複合体。
〔A11〕 請求項2に記載のタモキシフェン化合物と、配列番号1〜51に記載のペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドとがアミド結合した、A6〜A10の何れかに記載の複合体。
〔A12〕 請求項3に記載のタモキシフェン化合物と、配列番号52〜104に記載のペプチド、またはその末端が修飾されるペプチドとがアミド結合した、A6〜A10の何れかに記載の複合体。
〔A13〕 A6〜A12の何れかに記載する複合体を製造する方法であって、下記一般式(A)
[式中、R、R、R、n、およびzは、それぞれ上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩と、19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド、またはその末端が修飾されるペプチドとを、脱水縮合剤の存在下で反応させることを特徴とする、製造方法。
〔A14〕 A6〜A12の何れかに記載する複合体を含むプロテアソーム阻害剤。
〔A15〕 A14に記載のプロテアソーム阻害剤と、薬学的に許容される塩とを含む医薬組成物。
なお、上記の〔A1〕〜〔A15〕に記載する、「末端が修飾されるペプチド」とは、
ペプチドのN末端がアセチル化されるか、またはペプチドのC末端がアミド化されることを意味する。
さらに、本発明には、以下の〔B1〕〜〔B15〕に示す態様の発明も包含される。
〔B1〕 19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなる、
ペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B2〕 前記ペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、B1に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B3〕 前記ペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、B1に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B4〕 前記ペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチドのアミノ酸配列が、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、B1に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B5〕 配列番号52〜104のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、B1〜B4のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B6〕 配列番号54のいずれかに示すアミノ酸配列からなる、B1〜B5のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチド。
〔B7〕 プロテアソーム阻害剤の作用を増強させるために用いられる、項1〜項6のいずれか1項に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B8〕 プロテアソーム阻害剤が非ペプチド性化合物である、B7に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B9〕 非ペプチド性化合物が、下記一般式(1)
[式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基を示す。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
nは0以上の整数を示す。
zは2または3を示す。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩である、B8に記載のペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチド。
〔B11〕 下記一般式(A−1)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩のアミノメチル基と、B1〜B9に示すペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチドのカルボキシル基とが、ペプチド結合してなる複合体。
〔B11〕 B10に記載の複合体の製造方法であって、
下記一般式(A−1)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩と、B1〜B9のいずれかに示すペプチドとを、脱水縮合剤の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
〔B12〕 下記一般式(3)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩。
〔B13〕 項12に記載のタモキシフェン化合物またはその塩の製造方法であって、
下記一般式(c)
[式中、R、R、n、およびzは、それぞれ上記に同じである。
は水酸基の保護基である。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩を、還元する工程を含む、製造方法。
〔B14〕 B10に記載のペプチド結合化合物を含む、プロテアソーム阻害剤。
〔B15〕 B10に記載のペプチド結合化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
本発明のペプチド(I)またはペプチド(C)は、これと共に用いる物質を19S調節因子に認識されることにより、26Sプロテアソームを構成する20Sプロテアソーム内部への侵入を積極的に許す現象を生じさせる効果を発揮する。
たとえば、本発明のペプチド(I)またはペプチド(C)は、これらと結合させた化合物(それぞれペプチド結合化合物(II)または複合体(B))を、20Sプロテアソーム内部への侵入を積極的に許す現象を生じさせる効果を発揮する。すなわち、本発明のペプチド結合化合物(II)または複合体(B)は、26Sプロテアソームに対して顕著に優れた阻害活性を発揮する。
また、本発明の化合物(VI)またはタモキシフェン化合物(A)は、それぞれペプチド結合化合物(II)または複合体(B)を製造する上で有用である。
RID−F−CO−GLLE−NH(RID−F−GLLEともいう)を示す図。 RID−F−CO−GLLVY−NH(RID−F−GLLVYともいう。)を示す図。 RID−F−CO−GRRRRRRRR−NH(RID−F−GRRRRRRRR;GRRRRRRRRはGR8ともいう。)を示す図。 RID−F−CO−GRRRRRR−NH(RID−F−GRRRRRR;GRRRRRRはGR6ともいう。)を示す図。 RID−F−CO−GRRRR−NH(RID−F−GRRRR;GRRRRはGR4ともいう)を示す図。 各種ペプチドで修飾されたRID−F−COOHによる、プロテアソーム阻害活性実験の結果を示す図。(A)は20Sプロテアソームを用いた実験結果を示し、(B)は26Sプロテアソームを用いた実験結果を示す。なお、図中のグラフの縦軸はIC50値を示す。 (A)Ac−LLEG−NHCH−RID−F(LLEG−RID−Fともいう。)の化学構造式と、その製造方法を示す図。(B)Ac−LLVYG−NHCH−RID−F(LLVYG−RID−Fともいう。)の化学構造式と、その製造方法を示す図。(C)Ac−R8G−NHCH−RID−F(R8G−RID−Fともいう。)の化学構造式と、その製造方法を示す図。 MTTアッセイの結果を示す図。図中の縦軸は、DMSOを加えたコントロールの数値を100%としたときの相対値を示す。 (A)Hela細胞を用いた、Proteasome GloTM アッセイの実験結果を示す図。(B)RPMI8226細胞を用いたProteasome GloTM アッセイの実験結果を示す図。(A)および(B)共に、図中の縦軸は、Cell Onlyとしたコントロールにて得たれた蛍光値を100%としたときの相対値を表す。
I. ペプチド
本発明のペプチド(I)は、ペプチドまたはそのカルボキシ末端がアミド化されてなるペプチドであり、これらのペプチドは19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなる。ペプチド(I)を構成するアミノ酸残基の個数は、たとえば4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の中から適宜決定することができる。好ましくは5個〜9個のいずれかである。
なお、ペプチド(I)を構成するアミノ酸残基は、広義のアミノ酸残基とすることができる。用語「広義のアミノ酸残基」とは、コドンに支配された20種類のアミノ酸に限らず、アミノ基およびカルボキシル基を少なくとも1つずつ有する、オルニチン、チロキシンなどの広義のアミノ酸から、アミノ基の水素原子および/またはカルボキシル基の水酸基のいずれかが取り除かれた構造をいう。なお、コドンに支配されるアミノ酸であるプロリンのようなイミノ酸も、広義のアミノ酸に含めることができ、この場合、上述のアミノ基に代えてイミノ酸のイミノ基から水素原子が取り除かれた構造を上述の広義のアミノ酸残基に含めるものとする。
また、用語「19S調節因子に認識される」とは、生体内で26Sプロテアソームの構成サブユニットである19S調節因子に認識されることである。より詳細には、同じく26Sプロテアソームを構成する20Sプロテアソーム内部への侵入を積極的に許す現象を生じさせることを意味する。
よって、あるペプチドが19S調節因子に認識されるかどうかを判断するには、下記の実施例で示すように、26Sプロテアソームによるプロテアーゼ活性は阻害せず、逆に20Sプロテアソームによるプロテアーゼ活性を阻害する化合物と、あるペプチドとを結合させた複合体を準備し、斯かる複合体をインビトロで26Sプロテアソームに対して作用させることにより、26Sプロテアソームによるプロテアーゼ活性を阻害することを確認する手段によって、当業者であれば容易に実施することができる。
なお、上述のような手段に代えて、インビボにおいて上記複合体が26Sプロテアソームを阻害することを確認することによっても当業者であれば容易に実施することもできる。また、当業者であれば斯かる複合体を細胞に作用させることによって、斯かる細胞内でのアポトーシスが誘起されることを確認することによっても、容易にこれを実施することもできる。
ペプチド(I)は20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニット、β2サブユニット、β5サブユニットの活性に対する基質として認識されることを特徴とする。
すなわち、ペプチド(I)のアミノ酸配列は特に限定されず、たとえば、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列などを含むアミノ酸配列を挙げることができる。
これらのアミノ酸配列の1番目のアミノ酸残基は特に限定はされない。たとえば、アミノ酸残基の側鎖の分子的な大きさが小さいアミノ酸残基が好ましく、たとえばグリシン残基、アラニン残基などを挙げることができる。なお、1番目のアミノ酸残基とはアミノ酸配列のN末端に位置するアミノ酸残基を意味し、2番目、3番目との表記は順にC末端に向かって隣のアミノ酸残基であることを意味する。
上記の各サブユニットの活性に対する「基質」とは、各サブユニットがそれぞれプロテアーゼ様の活性を有していることから、これらによって分解される対象となるペプチドまたはペプチド断片を意味する。また、「基質として認識されるアミノ酸配列」とは、斯かるペプチドまたはペプチド断片のアミノ酸配列を意味する。
たとえば、β1サブユニットはPGPH様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として酸性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(I)のアミノ酸配列として、少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「酸性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、アスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、カルボキシル基、スルホニル基などの酸性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは上述の通りとすることができる。
このような、少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の2番目および3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばロイシン残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第1の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号6に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の2番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばグリシン残基、ロイシン残基、またはチロシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の3番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばフェニルアラニン残基またはロイシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の4番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばアラニン残基、バリン残基、またはロイシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の5番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第2の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号7、27、または28に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の2番目〜6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば、2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とし、且つその6番目のアミノ酸残基をグリシン残基またはアラニン残基とすることもできる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号8または29に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の2番目〜7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とし、且つその6番目および7番目の両アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号9または30に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号10または31に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とし、且つその6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号11または32に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号12または33に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
上述する少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の1例として、C末端から順に連続してリジン残基、リジン残基、バリン残基、およびアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。
これらの少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列として、配列番号1に示すアミノ酸配列が好ましい。
他方、β2サブユニットはトリプシン様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として塩基性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(I)のアミノ酸配列の他の態様として、少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「塩基性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、リジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、アミド基、グアニジル基、イミダゾイル基などの塩基性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは、上述の通りである。
このような、少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号13または34に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号14または35に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の2番目〜6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその6番目のアミノ酸残基をグリシン残基またはアラニン残基とすることができる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号15または36に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の2番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、プロリン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばセリン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばスレオニン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、またはイソロイシン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、またはバリン残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号16、37、または38に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号17または39に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号18、40、または41に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号19または42に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
これらの少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列として、配列番号3〜5のいずれかに示すアミノ酸配列が好ましい。
他方、β5サブユニットはキモトリプシン様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として疎水性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(I)のアミノ酸配列の他の態様として、少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「疎水性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、アラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、C1−6低級アルキル基、インドリル基、フェニル基などの疎水性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは、上述の通りである。
このような、少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の2番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばロイシン残基、スレオニン残基、またはプロリン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばアスパラギン残基、メチオニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばチロシン残基、ロイシン残基、またはフェニルアラニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号20、43、44、または45に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば、2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の5番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばグリシン残基、アラニン残基、またはチロシン残基とすることができる。
この他に、第2の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号21または46に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の5番目および6番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえば両アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号22または47に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の2〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の5〜7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号23または48に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号24または49に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号25または50に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号26または51に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
上述する少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の1例として、C末端から順に連続して、リジン残基、リジン残基、バリン残基、およびアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。
これらの少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列として、配列番号2に示すアミノ酸配列が好ましい。
上記ペプチド(I)のアミノ酸配列は、繰り返し配列を有するものとすることができる。たとえば、3アミノ酸の繰り返しまたは4アミノ酸の繰り返しを挙げることができる。
上述のペプチド(I)のアミノ酸配列として、配列番号1〜5のいずれかに示すアミノ酸配列が好ましい。
上記ペプチド(I)は、上述のアミノ酸配列情報を基に、たとえば固相合成法などの慣用の方法を採用することにより、当業者であれば容易に製造することができる。また、ペプチドのカルボキシ末端のアミド化も、慣用の方法を用いることによって、当業者であれば容易に製造することができる。
上記ペプチド(I)は、プロテアソーム阻害剤の作用を増強させるために好適に用いられる。
このようなプロテアソーム阻害剤とは、プロテアソームに含まれる各サブユニットのいずれかによるプロテアーゼ様活性を阻害する範囲に限って特に限定はされない。たとえば、Bortezomib、Carfilzomib、Epoxomicinなどのペプチド性化合物、またはMarizomib、ラクタシスチン、サリノスポラミドA、下記一般式(1)で表される化合物などの非ペプチド性化合物を含むプロテアソーム阻害剤などを挙げることができる。なかでも、非ペプチド性化合物が好ましく、下記一般式(1)で表されるタモキシフェン化合物がより好ましい。
一般式(1)において、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基である。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
1−6アルキル基として、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル基などの炭素数が1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基を挙げることができる。
飽和の5〜8員単環とは特に限定はされない。このような単環として、たとえばピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、(イソ)チアゾリジン環、(イソ)オキサゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、アゼパン環、チオアゼパン環、オキサゼパン環などを挙げることができる。これらのなかでもアゼパン環がより好ましい。
nは0以上の整数である。nの上限値は、たとえば10とすることができ、好ましくは順に9、8、7、6、5、4、3、または2であり、1が最も好ましい。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。このような結合の違いに基づいて、式中のzは、2または3である。
すなわち、上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1−1)または(1−2)のいずれかで表される態様の化合物を包含する。好ましくは下記一般式(1−1)で表される態様の化合物である。
上記一般式(1)で示される化合物は、公知の方法を用いて製造することができる。具体的には上記特許文献1または2に記載の方法を参照することにより製造することができる。
これらのプロテアソーム阻害剤は、20Sプロテアソームの阻害剤または26Sプロテアソームの阻害剤とすることができるが、20Sプロテアソームに特異的な阻害剤とすることが好ましい。
用語「特異的」とは、2以上の対象に対してある対象に影響を及ぼす可能性が高いことを意味し、何れかの対象に選択的であることを意味するものではない。上述のプロテアソーム阻害剤にこれを当てはめると、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソームの何れに対しても阻害効果を発揮するものの、20Sプロテアソームに対して阻害効果を発揮しやすいことを意味する。
II. ペプチド結合化合物
本発明のペプチド結合化合物(II)は、下記一般式(2)で表される。
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
は上記ペプチド(I)の残基である。
当該ペプチド残基のアミド末端がカルボニル基とペプチド結合している。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
上記一般式(2)で表されるペプチド結合化合物(II)は、下記一般式(2−1)または(2−2)のいずれかで表される態様のペプチド結合化合物を包含する。好ましくは一般式(2−1)で表される態様のペプチド結合化合物である。
ペプチド結合化合物(II)はプロテアソームに対して特異的に阻害効果を発揮する一般式(1)で表される化合物の構造をその分子内に有していることから、プロテアソーム阻害剤として有用に用いることができる。また、ペプチド化合物(II)は、19S調節因子に認識されるペプチド(I)も兼ね備えることから、26Sプロテアソームに対する阻害剤としても有用である。
III. 製造方法
本発明のペプチド結合化合物(II)の製造方法(III)は、下記一般式(3)に表されるタモキシフェン化合物と、上記ペプチド(I)とを、脱水縮合剤の存在下で反応させる工程を含む。
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
上記一般式(3)で表されるタモキシフェン化合物は、下記一般式(3−1)または(3−2)のいずれかで表される態様の化合物を包含する。好ましくは下記一般式(3−1)で表される態様の化合物である。
脱水縮合剤とは特に限定はされない。たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミド系化合物;N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などのイミダゾール系化合物;トリアジン系化合物;ホスホニウム系化合物;ウロニウム系化合物などが挙げられる。好ましくはカルボジイミド系化合物であり、なかでもEDCが特に好ましい。
脱水縮合剤と共に、触媒を用いることもできる。具体的な触媒は限定されない。たとえば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、Nーヒドロキシスクシンイミド(HOSu)1−ヒドロキシー7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)などを挙げることができる。好ましくはHOBtである。
具体的な反応条件は、上記脱水縮合剤(要すれば触媒と共に)用いて、アミド結合またはペプチド結合を形成せしめる公知の条件であれば特に限定はされない。たとえばDMFなどの溶媒中で、通常−61℃〜153℃程度の反応温度を採用することができ、0℃〜90℃とすることが好ましい。
なお、反応物を慣用の精製工程に供して純度の高いペプチド結合化合物(II)を得ることもできる。
IV. 化合物
本発明の化合物(IV)は、上記一般式(3)で表される。すなわち、上記のペプチド結合化合物(II)とは異なるタモキシフェン化合物である。化合物(IV)は、上記ペプチド結合化合物(II)の中間体であり、たとえば一般式(1)で表される化合物が有するプロテアソーム阻害効果を損なうことなく、これにペプチドを結合させることができる点で有用である。
V. 製造方法
本発明の製造方法(V)は上記化合物(IV)の製造方法である。すなわち、一般式(3)で表されるタモキシフェン化合物の製造方法である。一般式(3)で表される化合物の製造方法は、たとえば、下記(反応式−1)に示す方法により製造できる。
上記反応式−1に従った一般式(3)にて表されるタモキシフェン化合物の製造方法を以下に詳述する。
一般式(3)で表されるタモキシフェン化合物の製造方法は、下記一般式(4)
[式中、Rはカルボキシル基の保護基である。
zは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物と、下記一般式(5)
[式中、R、R、およびnは、上記に同じである。
はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む。
で定義されるカルボキシル基の保護基は特に限定はされず、公知のカルボキシル基の保護基を広く使用できる。たとえば、
などで表される、アルキル基、ベンジルオキシアルキル基、アリールアルキル基などを挙げることができ、これらのなかでも
で表される、ベンジル基が好ましい。
で定義するハロゲン原子とは特に限定はされない。たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができ、これらのなかでも塩素原子が好ましい。
一般式(5)で表される化合物の塩とは特に限定はされない。たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、炭酸塩、酢酸塩などを挙げることができ、これらのなかでも塩酸塩が好ましい。
上記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(4−1)または(4−2)のいずれかで表される態様の化合物を包含する。好ましくは一般式(4−1)で表される態様の化合物である。
塩基とは特に限定はされない。たとえば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)などを挙げることができ、これらのなかでも、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(4)で表される化合物に対して、通常は1当量〜10当量程度、好ましくは3当量〜8当量程度、更に好ましくは5当量〜7当量程度である。
一般式(4)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物との使用割合は特に限定はされない。たとえば、一般式(4)で表される化合物に対して、一般式(5)で表される化合物の使用量は、通常は2当量〜10当量程度、好ましくは2当量〜5当量程度、更に好ましくは2当量〜4当量程度である。
一般式(4)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物との反応条件は特に限定はされず、この種の反応の反応条件を適宜採用することができる。たとえば、DMFなどの溶媒中で一般式(4)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物と、30℃〜70℃程度、好ましくは40℃〜60℃程度に加温することにより、化学式(3)で表される化合物が製造される。
一般式(3)で表されるタモキシフェン化合物のなかでも、たとえば上記一般式(3−4)で表される化合物を製造するには、上記一般式(3−1)〜(3−3)の何れかで表される化合物に対して、水素を付加する反応に供することで容易に実施できる。具体的な方法として、たとえば上記一般式(3−1)〜(3−3)の何れかで表される化合物と、水素分子とを触媒の存在下で混合し、通常0℃〜100℃程度で反応させることにより実施できる。
一般式(4)で表される化合物および一般式(5)で表される化合物は、何れも公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、一般式(3)で表される化合物のなかでも、一般式(3−1)で表される化合物を製造するために用いる上記化合物(4−1)であれば、下記一般式(6)
[式中、Rは一般式(4)で定義したものと同じである。
は水酸基の保護基を示す。]
で表される化合物と、脱保護剤とを反応させる方法を挙げることができる。
式中、水酸基の保護基とは特に限定はされない。たとえば、
などのシリル系保護基を挙げることができ、これらのなかでも
で表されるtert−ブチルジメチルシリル基が好ましい。
脱保護剤とは、Rにて定義されるカルボキシル基の保護基に影響を与えない範囲に限り特に限定はされない。たとえば、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、フッ化水素酸、塩酸、過塩素酸などを挙げることができ、これらのなかでもTBAFが好ましい。
脱保護剤の使用量は特に限定はされない。たとえば、一般式(6)で表される化合物に対して、通常は1当量〜7当量程度、好ましくは2当量〜6当量程度、更に好ましくは3当量〜5当量程度である。
一般式(6)で表される化合物を製造する反応条件は、この種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、THFなどの溶媒中で、0℃から室温程度に加温することによって製造される。室温とは10℃〜40℃程度である。
一般式(6)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(7)
[式中、Rは一般式(6)で定義したものと同じである。]
で表される化合物を酸化させ、次いで生成する酸化物とそのカルボキシル基に保護基を付与するための剤(以下、カルボキシル基保護剤とする。)とを、塩基の存在下で反応させる方法を挙げることができる。
一般式(7)で表される化合物を酸化する方法は、一般式(7)で表される化合物中の水酸基がカルボキシル基にまで酸化される範囲に限り特に限定はされない(たとえば、下記一般式(7−1)で表される化合物とすることができる)。
[式中、Rは一般式(6)で定義したものと同じである。]。
具体的には、三酸化硫黄およびピリジン錯体;ジメチルスルホオキシド(DMSO)および(COCl);DMSOおよびDCC;次亜塩素酸、デス・マーチン・ペルヨージナン(DMP)などの酸化剤を用いることを挙げることができる。好ましくは次亜塩素酸、DMPなどである。
このような酸化は水酸基がカルボキシル基にまで酸化される範囲において、たとえば2段階の酸化反応とすることができる。たとえば、下記一般式(7−2)で表される化合物を単離して、更に上述の酸化剤を用いて酸化反応に供する方法を挙げることができる。
[式中、Rは一般式(6)で定義したものと同じである。]。
酸化剤の使用量は特に限定はされず、たとえば一般式(7)で表される化合物に対して、通常は1当量〜3当量程度、好ましくは1.5〜2.5当量である。
酸化反応の条件は、この種の反応の反応条件を適宜採用することができ特に限定されない。たとえば、ジクロロメタン、THF、ブタノール、水などの溶媒を用いて室温(10℃〜40℃)程度に加温することで、酸化反応が実施できる。また、必要に応じて上記例示する溶媒を適宜混合したものを溶媒として用いることもできる。
カルボキシル基保護剤は特に限定はされず、たとえば、一般式(4)で表される化合物のRで定義する、カルボキシル基の保護基を付与するものとすることができる。好ましくは臭化ベンジルである。
塩基は特に限定はされない。たとえば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、LDAなどを挙げることができ、これらのなかでも、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(7)で表される化合物に対して、通常は1当量〜4当量程度、好ましくは2当量〜3当量程度である。
カルボキシル基保護剤の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(7)で表される化合物に対して、通常は0.5当量〜1.5当量程度、好ましくは0.8当量〜1.4当量程度である。
酸化物とカルボキシル基保護剤との反応条件はこの種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、DMFなどの溶媒中で、室温(10℃〜40℃。)程度に加温することで、一般式(6)で表される化合物が製造される。
一般式(7)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(8)
[式中、Rは一般式(6)で定義したものと同じである。
は、Rと異なる水酸基の保護基である。]
で表される化合物と、脱保護剤とを反応させる方法を挙げることができる。
にて定義される水酸基の保護基は、Rよりも脱保護され易い保護基である限り特に限定はされない。たとえば
などの基を挙げることができ、これらのなかでも
で表されるp−メトキシベンジル基が好ましい。
脱保護剤は、Rにて定義される水酸基の保護基に影響を与えない範囲に限り、特に限定はされない。たとえば、水素分子およびパラジウム炭素;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、セリウムアンモニウムナイトレート(CAN)などを挙げることができ、これらのなかでもDDQが好ましい。
脱保護剤の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(8)で表される化合物に対して、通常は1当量〜3当量程度、好ましくは1.5当量〜2.5当量程度である。
一般式(7)で表される化合物を製造する反応条件はこの種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、ジクロロメタンを含む水などの溶媒中で室温(10℃〜40℃)程度に加温することにより、一般式(7)で表される化合物が製造される。
一般式(8)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(9)
[式中、Rは一般式(8)で定義したものと同じである。]
で表される化合物と、水酸基に保護基を付与するための剤(以下、水酸基保護剤という。)とを反応させる方法を挙げることができる。
水酸基保護剤とは、一般式(6)で表される化合物のRにて定義される、水酸基に対して保護基を付与するものとすることができる。好ましくはtert−ブチルジメチルシラン(TBS)である。
水酸基保護剤の使用量は特に限定されない。たとえば、一般式(9)で表される化合物に対して、通常は1当量〜6当量程度、好ましくは2当量〜5当量である。
なお、一般式(8)で表される化合物を得るための反応には、触媒を用いることもできる。このような触媒は特に限定はされない。具体的には、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン N−オキシド(DMAPO)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、フッ化セシウムなどが挙げられ、これらのなかでもDMAPが好ましい。
触媒の使用量は特に限定はされず、一般式(9)で表される化合物に対して、通常は0.005当量〜1当量程度、好ましくは0.01当量〜0.1当量程度である。
一般式(8)で表される化合物を製造するための反応条件はこの種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、DMFなどの溶媒中で、0℃〜室温(10℃〜40℃)に加温することにより、一般式(8)で表される化合物が製造される。
一般式(9)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(10)
[式中、Rは一般式(8)で定義したものと同じである。]
で表される化合物と、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンとを、ピナコールカップリング反応させる方法を挙げることができる。このようなカップリング反応のなかでも、亜鉛および四塩化チタンの存在下で反応させるマクマリー反応を採用することが好ましい。
一般式(10)で表される化合物と、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンの使用割合は特に限定はされない。たとえば、一般式(10)で表される化合物に対して、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが通常は1当量〜5当量程度、好ましくは2当量〜4当量程度、更に好ましくは2.5当量〜3.5当量程度である。
亜鉛の使用量も、四塩化チタンの使用量も特に限定はされない。たとえば、亜鉛の使用量は、一般式(10)で表される化合物に対して、通常は10当量〜20当量程度、好ましくは11当量〜18当量程度、更に好ましくは13当量〜15当量程度である。
四塩化チタンの使用量は、一般式(10)で表される化合物に対して、通常は2当量〜10当量程度、好ましくは4当量〜9当量程度、更に好ましくは5当量〜7当量程度である。
一般式(9)で表される化合物を製造する反応条件はこの種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、THFなどの溶媒中で、還流しながら反応する方法を挙げることができる。
一般式(10)で表される化合物および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンは、何れも公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
一般式(10)で表される化合物の具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(11)
[式中、Rは一般式(8)で定義したものと同じである。]
で表される化合物を酸化反応に供する方法を挙げることができる。酸化反応のなかでもDMSOを酸化剤とし、これと塩化オキサリル〔(COCl)〕とを併せて用いるSwern酸化を採用することが好ましい。
より具体的には、たとえばジクロロメタン溶媒で一般式(11)で表される化合物とDMSOおよび(COCl)と共にトリエチルアミンとを混合し、−80℃〜0℃程度の反応温度にて酸化反応に供することが挙げられる。
DMSO、(COCl)、およびトリエチルアミンの何れの使用量も特に限定はされない。たとえば、DMSOの使用量は一般式(11)で表される化合物に対して、通常は1当量〜4当量、好ましくは1.5当量〜3.5当量程度、更に好ましくは1.8当量〜3.0当量程度である。
(COCl)の使用量は一般式(11)で表される化合物に対して、通常は1〜2当量、好ましくは1.2〜1.9当量程度、更に好ましくは1.4当量〜1.7当量程度である。
トリエチルアミンの使用量は一般式(11)で表される化合物に対して、通常は1〜5当量、好ましくは2〜4当量程度、更に好ましくは2.5当量〜3.5当量程度である。
一般式(11)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(12)
[式中、Rは一般式(8)で定義したものと同じである。]
で表される化合物を酸化反応に供し、続いてエチル基を有する試薬を用いて、酸化反応物にエチル基を付与するエチル化反応に供する方法を挙げることができる。
酸化反応とは、上述の一般式(10)を製造する方法で詳述したSwern酸化と同様の方法にするか、適宜改変を加えた方法を採用することができる。
ここで、一般式(12)で表される化合物を酸化反応に供した後の反応物として、たとえば下記式(13)で表される化合物を挙げることができる。
[式中、Rは一般式(8)で定義したものと同じである。]。
エチル化反応に用いる試薬はエチル基を有する化合物である範囲にかぎり、たとえばグリニャール試薬などの特定の試薬には限定されない。たとえば、リチウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属原子を含む有機金属化合物またはそのハロゲン化物などを挙げることができる。これらの金属原子のなかでもマグネシウムが好ましい。
また、ハロゲン化物も特に限定はされない。たとえば、フッ素化物、塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物などを挙げることができる。これらのなかでも臭素化物が好ましい。
エチル化反応に用いる試薬の使用量は特に限定はされず、たとえば、上記一般式(12)で表される化合物に対して、通常は1〜2当量程度とすることができる。
エチル化反応の条件は特に限定はされず、たとえば、THFなどの溶媒中で、一般式(12)で表される化合物の酸化反応物として例示される一般式(13)で表される化合物と、エチル化反応に用いる試薬とを室温(10℃〜40℃程度)で反応させる方法を挙げることができる。
一般式(12)で表される化合物の入手方法は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、1,3−フェニレンジメタノールに対して、塩基の存在下で水酸基保護剤を反応させる方法を挙げることができる。
塩基とは特に限定はされない。たとえば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、LDAなどを挙げることができ、これらのなかでも、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は、特に限定はされない。たとえば、1,3−フェニレンジメタノールに対して、通常は0.5当量〜1.5当量程度、好ましくは0.8当量〜1.2当量程度である。
水酸基保護剤とは、一般式(7)にて表される化合物のRで定義する、水酸基の保護基を付与するものとすることができる。好ましくはPMBである。
1,3−フェニレンジメタノールに対する水酸基保護剤の使用量は特に限定されない。たとえば、たとえば、1,3−フェニレンジメタノールに対して、通常は0.5当量〜1.5当量程度、好ましくは0.8当量〜1.2当量である。
なお、一般式(12)で表される化合物を得るための反応には、触媒を用いることもできる。このような触媒は特に限定はされない。具体的には、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、クラウンエーテルなどが挙げられ、これらのなかでもTBAIが好ましい。
触媒の使用量は特に限定はされず、1,3−フェニレンジメタノールの1当量に対して、通常は0.05〜0.2当量程度、好ましくは0.08当量〜0.12当量程度である。
一般式(12)で表される化合物を製造する反応条件は、この種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、THFなど溶媒中で、0℃〜60℃程度に加温して反応させることによって、一般式(12)にて表される化合物が製造される。なお、1,3−フェニレンジメタノールは2つの水酸基を有するものであるが、一般式(13)で表される化合物はそのうち一方の水酸基のみが保護された構造を有する。
これを単離するには、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法に供するすることによって実施することができる。
なお、上述の各工程において、反応終了後に目的の生成化合物を純度よく得るために、慣用の単離および/または精製工程を適宜組み合わせながら採用することができる。具体的な単離または精製工程として、たとえばクロマトグラフィー、再結晶、抽出、蒸留などを挙げることができる。
VI. プロテアソーム阻害剤
本発明のプロテアソーム阻害剤(VI)はペプチド結合化合物(II)を含む。よって、上記ペプチド(I)で詳述したプロテアソーム阻害剤とは異なる。
プロテアソームとは特に限定はされず、26Sプロテアソームとすることもできるし20Sプロテアソームとすることもできる。好ましくは20Sプロテアソームである。
プロテアソーム阻害剤(VI)中のペプチド結合化合物(II)の含有量は、特に限定はされない。たとえば、100重量部のプロテアソーム阻害剤(VI)あたり、ペプチド結合化合物(II)を、通常は0.001重量部〜100重量部程度の含有量とすることができる。すなわち、ペプチド結合化合物(II)そのものをプロテアソーム阻害剤(VI)とすることもできる。
プロテアソーム阻害剤(VI)はインビボであっても、インビトロであっても、プロテアソームに含まれる各サブユニットのいずれかによるプロテアーゼ様活性を阻害する効果を発揮する。よって、プロテアソーム阻害剤(VI)は実験試薬として有用に用いることがきる。また、プロテアソーム阻害剤(VI)またはこれに含まれるペプチド結合化合物(II)は、プロテアソームに含まれる各サブユニットのいずれかによるプロテアーゼ様活性の阻害を発症機序とする疾患の医薬組成物の有効成分として有用である。
VII. 医薬組成物
本発明の医薬組成物(VII)は、ペプチド結合化合物(II)またはその薬学的に許容される塩を含む。
医薬組成物(VII)はペプチド結合化合物(II)またはその薬学的に許容される塩だけからなるものすることもでき、あるいは薬学的に許容可能な任意の担体、添加剤などと組み合わせて、公知の投与方法といった所望の用途に適した形態に調製したものとすることもできる。
医薬組成物(VII)の投与方法は、特に限定はされない。たとえば、経口投与、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、くも膜下腔内投与、皮内投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、肺内投与、眼内投与、腟内投与、頸部内投与、直腸内投与、皮下投与などを挙げることができる。
医薬組成物(VII)の剤形は、上述の投与方法に応じて薬学的に許容される慣用の担体と共に調製することができ、具体的に限定されるものではない。たとえば錠剤、散剤、シロップ剤、ハップ剤、注射剤、点滴剤などを挙げることができ、注射剤または点滴剤とすることが好ましい。このような注射剤や点滴剤は、水性、非水性、または懸濁性のいずれかとすることができる。また、用時調製型の剤型とすることもできる。
医薬組成物中(VII)に配合されるペプチド結合化合物(II)またはその薬学的に許容される塩の量は特に限定はされない。たとえば、ペプチド結合化合物(II)およびその薬学的に許容される塩を合計した量が、100重量部の医薬組成物(VII)に対して、通常は0.001重量部〜99重量部程度、好ましくは0.01重量部〜50重量部程度、より好ましくは0.05重量部〜10重量部程度の範囲で適宜調製することができる。
医薬組成物(VII)の投与対象は、疾患に罹患した患者であっても、罹患する可能性があるヒトであってもよい。すなわち、医薬組成物(VII)は疾患の治療または予防のために用いることができる。
医薬組成物(VII)の治療対象となる疾患は特に限定はされない。たとえば癌、アミロイドーシス、自己免疫疾患などが挙げられる。癌のなかでも、胃癌、大腸癌、肝臓癌、食道癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、子宮体癌、子宮頸癌、前立腺癌、脳腫瘍、悪性リンパ腫、胆道癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、甲状腺癌、頭頸部癌、骨肉腫、多発性骨髄腫などが挙げられ、これらのなかでも骨髄腫が好ましい。
医薬組成物(VII)の投与量は、投与対象の、疾患の程度、投与による所望効果の程度、体重、性別、年齢、動物種などの各条件によって区々であり一概に決定することができない。但し、薬学的に有効な量のペプチド結合化合物(II)またはその薬学的に許容される塩が投与されることが好ましい。
具体的な投与量として、たとえば、ペプチド結合化合物(II)およびその薬学的に許容される塩を合計した量に換算して、1日当たり、通常は5mg〜500mg程度とすることができ、好ましくは5mg〜250mg程度、好ましくは5mg〜100mg程度、好ましくは5mg〜50mg程度、更に好ましくは1日当たり50mg未満程度である。
医薬組成物(VII)の投与スケジュールもその投与量と同様に、投与対象の疾患の程度などの各条件によって区々であり一概に決定することができない。たとえば、上記の1日当たりの投与量で、1日〜1月ごとに1回投与されることが好ましい。
(C). ペプチド
本発明に係るペプチド(C)は、19S調節因子に認識されるペプチドまたはそのアミド末端がアセチル化されてなるペプチドであり、4個〜10個のアミノ酸残基からなるものである。ペプチド(C)を構成するアミノ酸残基の個数は、たとえば4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の中から適宜決定することができる。好ましくは5個〜9個のいずれかである。
ペプチド(C)を構成するアミノ酸残基は、上記のペプチド(I)と同様にすることができる。
なお、用語「19S調節因子に認識される」とは、上記のペプチド(I)の説明と同様にすることができる。
ペプチド(C)は、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニット、β2サブユニット、β5サブユニットの活性に対する基質として認識されることを特徴とする。
すなわち、ペプチド(C)のアミノ酸配列は特に限定されず、たとえば、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列などを含むアミノ酸配列を挙げることができる。
これらのアミノ酸配列の最後のアミノ酸残基は特に限定はされない。たとえば、アミノ酸残基の側鎖の分子的な大きさが小さいアミノ酸残基が好ましく、たとえばグリシン残基、アラニン残基などを挙げることができる。なお、最後のアミノ酸残基とはアミノ酸配列のC末端に位置するアミノ酸残基を意味し、最後から2番目、最後から3番目との表記はC末端のアミノ酸残基からN末端に向かって順に、隣のアミノ酸残基であることを意味する。
上記の各サブユニットの活性に対する「基質」とは、上記のペプチド(I)と同様とすることができる。
たとえば、β1サブユニットはPGPH様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として酸性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(C)のアミノ酸配列として、少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「酸性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、アスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、カルボキシル基、スルホニル基などの酸性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは上述の通りとすることができる。
このような、少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から2番目および3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばロイシン残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第1の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号57に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から2番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばグリシン残基、ロイシン残基、またはチロシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から3番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばフェニルアラニン残基またはロイシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から4番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばアラニン残基、バリン残基、またはロイシン残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から5番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第2の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号58、78、または79に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば、最後から2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とし、且つその6番目のアミノ酸残基をグリシン残基またはアラニン残基とすることもできる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号59または80に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とし、且つその最後から6番目および7番目の両アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号60または81に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号61または82に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸
残基またはグルタミン酸残基とし、且つその最後から6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号62または83に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、および5番目アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号63または84に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
上述する少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の1例として、N末端から順に連続してリジン残基、リジン残基、バリン残基、およびアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。
これらの少なくとも1つの酸性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列として、配列番号52に示すアミノ酸配列が好ましい。
他方、β2サブユニットはトリプシン様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として塩基性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(C)のアミノ酸配列の他の態様として、少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「塩基性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、リジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、アミド基、グアニジル基、イミダゾイル基などの塩基性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは、上述の通りである。
このような、少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号64または85に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号65または86に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその最後から6番目のアミノ酸残基をグリシン残基またはアラニン残基とすることができる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号66または87に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から2番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、プロリン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばセリン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばスレオニン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から6番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、またはイソロイシン残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばリジン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、またはバリン残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号67、88、または89に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号68または90に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその最後から6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号69、91、または92に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの塩基性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれリジン残基、アルギニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号70または94に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
他方、β5サブユニットはキモトリプシン様のエンドプロテアーゼ活性を有し、主として疎水性側鎖を有するアミノ残基近傍のペプチド結合の切断を触媒する。
したがって、ペプチド(C)のアミノ酸配列の他の態様として、少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。ここで、用語「疎水性側鎖を有するアミノ酸残基」とは、アラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基に限らず、これら以外の広義のアミノ酸残基の側鎖に対して、C1−6低級アルキル基、インドリル基、フェニル基などの疎水性基が付与されるように修飾されてなるアミノ酸残基が広く包含される。なお、用語「広義のアミノ酸残基」とは、上述の通りである。
このような、少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第1の態様として、4個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から2番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばロイシン残基、スレオニン残基、またはプロリン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から3番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばアスパラギン残基、メチオニン残基、またはヒスチジン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第1の態様のアミノ酸配列の最後から4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえばチロシン残基、ロイシン残基、またはフェニルアラニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第1の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号71、94、95、または96に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第2の態様として、5個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば、2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第2の態様のアミノ酸配列の最後から5番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえばグリシン残基、アラニン残基、またはチロシン残基とすることができる。
この他に、第2の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第2の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号71または97に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第3の態様として、6個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第3の態様のアミノ酸配列の最後から5番目および6番目のアミノ酸残基は特に限定されず、たとえば両アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第3の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、および6番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第3の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号73または98に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第4の態様として、7個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から2〜4番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、および4番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第4の態様のアミノ酸配列の最後から5〜7番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第4の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、および7番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第4の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号74または99に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第5の態様として、8個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の最後から2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば2番目、3番目、4番目、および5番目アミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第5の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜8番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることができる。
この他に、第5の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、および8番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
このような第5の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号75または100に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第6の態様として、9個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第6の態様のアミノ酸配列の2番目〜9番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第6の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とし、且つその最後から6番目、7番目、8番目、および9番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基とすることもできる。
このような第6の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号76または101に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の第7の態様として、10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を挙げることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の2番目〜5番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から2番目、3番目、4番目、および5番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
第7の態様のアミノ酸配列の最後から6番目〜10番目のアミノ酸残基は特に限定はされず、たとえば最後から6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基またはグリシン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることができる。
この他に、第7の態様のアミノ酸配列の最後から2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、および10番目のアミノ酸残基を、同一または異なって、それぞれアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基とすることもできる。
このような第7の態様のアミノ酸配列として、たとえば配列番号77または102に示すアミノ酸配列を挙げることができる。
上述する少なくとも1つの疎水性側鎖を有するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列の1例として、N末端から順に連続して、リジン残基、リジン残基、バリン残基、およびアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、またはメチオニン残基のいずれかのアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を挙げることができる。
上記ペプチド(C)のアミノ酸配列は、繰り返し配列を有するものとすることができる。たとえば、3アミノ酸の繰り返しまたは4アミノ酸の繰り返しを挙げることができる。
上記ペプチド(C)は、上述のアミノ酸配列情報を基に、たとえば固相合成法などの慣用の方法を採用することにより、当業者であれば容易に製造することができる。また、ペプチドのアミド末端のアセチル化も、慣用の方法を用いることによって、当業者であれば容易に製造することができる。
上記ペプチド(C)は、プロテアソーム阻害剤の作用を増強させるために好適に用いられる。
(A). タモキシフェン化合物またはその塩
本発明のタモキシフェン化合物またはその塩は、下記一般式(A-1)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される。
タモキシフェン化合物(A-1)の製造方法
上記タモキシフェン化合物またはその塩(化合物(A-1))は、例えば、下記のスキーム(反応式1−2)に従って製造することができる。
上記反応式1−2に従って、化合物(A-1)にて表されるタモキシフェン化合物またはその塩の製造方法を以下に詳述する。
化合物(A-1)の製造方法は、下記式(c)
[式中、R、R、n、およびzは、それぞれ上記に同じである。
は水酸基の保護基である。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩を、還元する工程を含む。
で定義される水酸基の保護基は特に限定はされず、公知の水酸基の保護基を広く使用できる。たとえば、メチル基、ベンジル基、アセチル基、メタンスルホニル基、パラトルエンスルホニル基などを挙げることができ、これらのなかでも、ベンジル基が好ましい。
上記反応に用いる還元剤は特に限定はされない。たとえば、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、リチウムアルミニウムヒドリド、トリブチルスズヒドリドなどを挙げることができ、これらのなかでも、リチウムアルミニウムヒドリドが好ましい。
還元剤の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(c)で表される化合物に対して、通常は1当量〜10当量程度、好ましくは2当量〜5当量程度、更に好ましくは3当量〜4当量程度である。
一般式(c)で表される化合物を還元する反応条件は特に限定はされず、この種の反応の反応条件を適宜採用することができる。たとえば、テトラヒドロフランなどの溶媒中で一般式(c)で表される化合物と還元剤とを混合し、次いで0℃〜80℃程度、好ましくは室温〜50℃程度に加温することにより、化学式(A-1)で表されるタモキシフェン化合物またはその塩が製造される。なお、室温とは10℃〜40℃程度である。
一般式(c)で表される化合物は、公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、例えば、一般式(b)
[式中、Rは一般式(c)で定義したものと同じである。]
で表される化合物と、下記一般式(5)
[式中、R、R、およびnは、上記に同じである。
はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む。
一般式(5)については、上記と同様とすることができる。
塩基とは特に限定はされない。たとえば、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、ターシャルブトキシカリウムなどを挙げることができ、これらのなかでも、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は特に限定はされず、たとえば、一般式(b)で表される化合物に対して、通常は1当量〜50当量程度、好ましくは2当量〜20当量程度、更に好ましくは5当量〜10当量程度である。
一般式(b)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物との使用割合は特に限定はされない。たとえば、一般式(b)で表される化合物に対して、一般式(5)で表される化合物の使用量は、通常は2当量〜10当量程度、好ましくは2.5当量〜5当量程度、更に好ましくは3当量〜4当量程度である。
一般式(b)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物との反応条件は特に限定はされず、この種の反応の反応条件を適宜採用することができる。たとえば、DMFなどの溶媒中で一般式(b)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物とを混合して、室温〜100℃程度、好ましくは40℃〜80℃程度に加温することにより、化学式(c)で表される化合物が製造される。なお、室温とは10℃〜40℃程度である。
一般式(b)にて表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(a)
[式中、Rは一般式(6)で定義したものと同じである。
は、一般式(c)で定義したものと同じである。]
で表される化合物と、脱保護剤とを反応させる方法を挙げることができる。
脱保護剤とは、R9にて定義される水酸基の保護基に影響を与えない範囲に限り特に限定はされない。たとえば、フッ化水素酸、テトラブチルアンモニウムフルオリド、塩化水素などを挙げることができ、これらのなかでも、テトラブチルアンモニウムフルオリドが好ましい。
脱保護剤の使用量は特に限定はされない。たとえば、一般式(a)で表される化合物に対して、通常は2当量〜10当量程度、好ましくは2.5当量〜5当量程度、更に好ましくは3当量〜4当量程度である。
一般式(b)で表される化合物を製造する反応条件は、この種の反応の反応条件を適宜採用することができ、特に限定はされない。たとえば、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、0℃から50℃程度に加温することによって製造される。
一般式(a)で表される化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて容易に製造される化合物である。
具体的な製造方法として、たとえば、下記一般式(7−2)
と、ホルミル基保護剤とを反応させる工程を含む。
ホルミル基保護剤とは、特に限定されない。例えば、O−メチルヒドロキシルアミン、O−ベンジルヒドロキシルアミン、アニリンなどを挙げることができ、これらのなかでも、O−ベンジルヒドロキシルアミンが好ましい。
ホルミル基保護剤の使用量は、特に限定はされず、たとえば、一般式(7−2)で表される化合物に対して、通常は1当量〜5当量程度、好ましくは1.05当量〜3当量程度、更に好ましくは1.1当量〜2当量程度である。
一般式(a)で表される化合物を合成する反応条件は特に限定はされず、この種の反応の反応条件を適宜採用することができる。たとえば、メタノールなどの溶媒中で一般式(7−2)で表される化合物とホルミル基保護剤とを混合し、次いで0℃〜80℃程度、好ましくは室温〜50℃程度に加温することにより、一般式(a)の化合物が製造される。なお、室温とは10℃〜40℃程度である。
なお、上述の各工程において、反応終了後に目的の生成化合物を純度よく得るために、慣用の単離および/または精製工程を適宜組み合わせながら採用することができる。具体的な単離または精製工程として、たとえばクロマトグラフィー、再結晶、抽出、蒸留などを挙げることができる。
(B). 複合体
本発明の複合体(B)は、下記一般式(A−1)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表されるタモキシフェン化合物またはその塩のアミノメチル基と、本発明のペプチド(C)のカルボキシル末端とが、ペプチド結合してなる複合体(B)である。
上記のタモキシフェン化合物はプロテアソーム阻害活性を有しているため、本発明の複合体もプロテアソーム阻害剤として有用である。
(D). プロテアソーム阻害剤
よって、本発明のプロテアソーム阻害剤(D)は、上記の本発明の複合体(B)を含む。プロテアソームとは特に限定はされず、26Sプロテアソームとすることもできるし20Sプロテアソームとすることもできる。好ましくは20Sプロテアソームである。
プロテアソーム阻害剤(D)中の複合体(B)の含有量は、特に限定はされない。たとえば、100重量部のプロテアソーム阻害剤(D)あたり、通常は0.001重量部〜100重量部程度のペプチド(C)を含有させることができる。すなわち、本発明の複合体(B)そのものを、本発明のプロテアソーム阻害剤(D)とすることもできる。
本発明のプロテアソーム阻害剤(D)とはインビボであっても、インビトロであっても、プロテアソームに含まれる各サブユニットのいずれかによるプロテアーゼ様活性を阻害する効果を発揮する。よって、本発明のプロテアソーム阻害剤(D)は実験試薬として有用に用いることがきる。また、本発明のプロテアソーム阻害剤(D)は、プロテアソームに含まれる各サブユニットのいずれかによるプロテアーゼ様活性の阻害を発症機序とする疾患の医薬組成物の有効成分として有用である。
複合体(B)の製造方法は、下記一般式(A−1)
[式中、R、R、n、およびzは、上記に同じである。
で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
で表される化合物またはその塩と、上記ペプチド(C)とを、脱水縮合剤の存在下で反応させる工程を含む。
上記一般式(A−1)で表されるタモキシフェン化合物は、下記一般式(A−1a)または(A−1b)のいずれかで表される態様の化合物を包含する。好ましくは下記一般式(A−1a)で表される態様の化合物である。
脱水縮合剤とは特に限定はされない。たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)などのカルボジイミド系化合物;N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などのイミダゾール系化合物;トリアジン系化合物;ホスホニウム系化合物;ウロニウム系化合物などが挙げられる。好ましくはカルボジイミド系化合物であり、なかでもEDCが特に好ましい。
脱水縮合剤と共に、触媒を用いることもできる。具体的な触媒は限定されない。たとえば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、Nーヒドロキシスクシンイミド(HOSu)1−ヒドロキシー7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)などを挙げることができる。好ましくはHOBtである。
具体的な反応条件は、上記脱水縮合剤(要すれば触媒と共に)用いて、アミド結合またはペプチド結合を形成せしめる公知の条件であれば特に限定はされない。たとえばDMFなどの溶媒中で、通常−61℃〜153℃程度の反応温度を採用することができ、0℃〜90℃とすることが好ましい。
なお、反応物を慣用の精製工程に供して純度の高い複合体(C)を得ることもできる。
(E). 医薬組成物
本発明の医薬組成物(E)は、複合体(C)またはその薬学的に許容される塩を含む。
医薬組成物(E)は複合体(C)またはその薬学的に許容される塩だけからなるものすることもでき、あるいは薬学的に許容可能な任意の担体、添加剤などと組み合わせて、公知の投与方法といった所望の用途に適した形態に調製したものとすることもできる。
医薬組成物(E)の投与方法、剤形、有効成分の含有量、投与対象、投与スケジュールなどは特に限定はされない。具体的には上記の医薬組成物(VII)と同様にすることができる。
なお、本明細書に記載の「その塩」とは、特に限定はされない。例えば、薬学的に許容される塩とすることができる。
以下に、本発明をより詳細に説明するための実施例を示す。なお、本発明が以下に示す実施例に限定されないのは言うまでもない。
<製造例1>
RID−F−COOHの合成
RID−F−COOHは、出発原料として1,3−フェニレンジメタノールを使用し、下記の反応スキームに従って製造した。
上記反応スキームにおいて略号は以下のものを意味する。
PMB:保護基であるp−メトキシベンジル基、
TBAI:触媒であるヨウ化テトラブチルアンモニウム、
TBS:保護基であるtert−ブチルジメチルシラ二ル基、
DMAP:触媒であるN,N−ジメチル−4−アミノピリジン、
DDQ:脱保護剤であるジクロロジシアノベンゾキノン、
DMP:酸化剤であるデス・マーチン・ペルヨージナン、
TBAF:脱保護剤であるフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム。
上記反応スキーム中で表される各化合物の製造方法を以下に詳述する。
化合物1
1,3-ベンゼンジメタノール(3.51 g, 25.4 mmol)をTHF(84.4 mL)に懸濁し、0 ℃で撹拌した後、55%水素化ナトリウム(1.11 g, 25.4 mmol)を加えた。さらに4-メトキシベンジルクロリド(3.43 mL, 25.4 mmol)を滴下した後、テトラブチルアンモニウムヨージド(1.00 g, 2.71 mmol)を加え室温で1時間、60 ℃に加熱してさらに3時間撹拌した。冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集合して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製すると目的の化合物が得られた(2.15 g, 33%)。
化合物3
DMSO (1.16 mL, 17.7 mmol)を塩化メチレン(78.0 mL)に溶解させ、−78 ℃に冷却した後塩化オキサリル(1.15 mL, 13.2 mmol)を加えて20分撹拌した。ここに化合物1 (2.15 g, 8.32 mmol)/塩化メチレン溶液(10.0 mL)を加えて15分撹拌した。さらにトリエチルアミン(3.68 mL, 26.4 mmol)を加えて室温で3時間撹拌した。冷却後、水を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮すると目的の化合物2を含む粗生成物が得られた。これをTHF (17.6 mL)に溶解させ、0 ℃に冷却した後別途調製したエチルマグネシウムブロミド(1.0 M, 13.2 mL, 13.2 mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集合して飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製すると目的の化合物が得られた(2.38 g, 86%)。
化合物4
DMSO (0.45 mL, 6.88 mmol)を塩化メチレン(29.4 mL)に溶解させ、−78 ℃に冷却した後塩化オキサリル(0.45 mL, 5.16 mmol)を加えて15分撹拌した。ここに化合物3 (937 mg, 3.27 mmol)/塩化メチレン溶液(5.0 mL)を加えて15分撹拌した。さらにトリエチルアミン(1.44 mL, 10.3 mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。冷却後、水を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製すると目的の化合物が得られた(930 mg, 96%)。
化合物5
−10 ℃に冷却した反応容器に亜鉛粉末(2.76 g, 42.2 mmol)、THF(21.1 mL)を入れ撹拌し、続いて四塩化チタン(2.1 mL, 19.1 mmol)をゆっくり滴下した。THF(5.0 mL)を加え室温に戻した後、加熱還流を2時間行った。その後反応溶液を室温まで放冷し、さらに0 ℃に冷却した。次に4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(2.15 g, 10.0 mmol)と化合物4 (890 mg, 3.13 mmol)のTHF溶液(54.0 mL)を添加し、遮光下で2時間加熱還流を行った。反応後、室温に放冷し氷冷下で10%炭酸カリウム水溶液を加えて反応を停止した。セライトろ過を行い金属塩を除去した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製すると目的の化合物が得られた(756 mg, 52%)。
化合物6
化合物5 (38.1 mg, 0.0817 mmol)をDMF (2.04 mL)に溶解させ、0 ℃に冷却した後、イミダゾール(44.5 mg, 0.654 mmol)、tert-ブチルジメチルクロロシラン(49.2 mg, 0.326 mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.20 mg, 1.64 μmol)を加えて室温で14時間半撹拌した。冷却後、水を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を集合して、1 N水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 9/1)で精製すると目的物が得られた(46.6 mg, 82%)。
化合物7
化合物6 (182 mg, 0.262 mmol)を塩化メチレン/バッファーpH 7溶液=9/1 (6.55 mL)に溶解させ、0 ℃に冷却した後DDQ (119 mg, 0.524 mmol)を加えて室温下で1時間半撹拌した。冷却後、反応混合物にバッファーpH 7を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 3/1)で精製すると目的物が得られた(109 mg, 72%)。
化合物8
化合物7 (99.4 mg, 0.173 mmol)を塩化メチレン(3.46 mL)に溶解させ、デス-マーチンペルヨージナン(117 mg, 0.277 mmol)を加えて室温下で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物にジエチルエーテルを加えて希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の体積比が1/1の混合液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を集合して飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10/1)で精製すると目的物が得られた(93.1 mg, 94%)。
化合物10
化合物8 (16.0 mg, 0.0279 mmol)をTHF (0.47 mL)に溶解させ、2-メチル-2-ブテン(0.030 mL, 0.279 mmol)、tert-ブチルアルコール(0.47 mL)および亜塩素酸ナトリウム(6.3 mg, 0.0559 mmol)とリン酸二水素ナトリウム(16.6 mg, 0.140 mmol)の水溶液(0.47 mL)を加えて室温で3時間半撹拌した。冷却後、飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を集合して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮すると目的の化合物9を含む粗生成物が得られた。これをDMF (1.00 mL)に溶解させ、55%水素化ナトリウム(2.9 mg, 0.0670 mmol)およびベンジルブロミド(3.98 μL, 0.0335 mmol)を加えて室温で11時間半撹拌した。冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集合して水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4/1)で精製すると目的物が得られた(15.2 mg, 80%)。
化合物11
化合物10 (52.1 mg, 0.0767 mmol)をTHF (2.5 mL)に溶解させ、0 ℃に冷却した後、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム/ THF溶液(1.0 M, 0.30 mL, 0.300 mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集合して無水硫酸ナトリウムで乾燥させてこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 1/2)で精製すると目的物が得られた(21.0 mg, 61%)。
RID-F-COOH
化合物11 (21.0 mg, 0.0466 mmol)をDMF (1.2 mL)に懸濁し、55%水素化ナトリウム (12.2 mg, 0.280 mmol)を加えて50 ℃で15分撹拌した。これにN-(2-クロロエチル)ヘキサヒドロ-1H-アゼピン塩酸塩(30.5 mg, 0.154 mmol)を加えて50 ℃で3時間撹拌した。冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して無水硫酸ナトリウムで乾燥してこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア= 90/10/2)で精製し、RID-F-COOHを含む混合物(96.4 mg)を得た。混合物から析出した結晶(57.6 mg)を除いた後に残渣をトルエン共沸すると目的の化合物が得られた(22.1 mg, 77%)。
上記スキーム中で表される各化合物のH−NMRスペクトルデータを以下に示す。
化合物1:
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ7.37-7.28 (6H, m, Ar), 6.92-6.87 (2H, m, Ar), 4.71 (2H, s, 1-H), 4.53 (2H, s, Bn), 4.51 (2H, s, Bn), 3.81 (3H, s, OCH3).
化合物3:
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ7.35-7.28 (6H, m, Ar), 6.91-6.88 (2H, m, Ar), 4.61 (1H, td, J = 6.25, 3.50 Hz, 1-H), 4.53 (2H, s, Bn), 4.50 (2H, s, Bn), 3.81 (3H, s, OCH3), 1.87-1.71 (3H, m, 2-H and OH), 0.92 (3H, t, J = 7.25 Hz, 3-H).
化合物4:
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 7.94 (1H, s, Ar), 7.90-7.88 (1H, m, Ar), 7.57-7.55 (1H, m, Ar), 7.46-7.42 (1H, m, Ar), 7.32-7.28 (2H, m, Ar), 6.92-6.88 (2H, m, Ar), 4.57 (2H, s, Bn), 4.52 (2H, s, Bn), 3.82 (3H, s, OCH3), 3.01 (2H, q, J = 7.20 Hz, 2-H), 1.23 (3H, t,J = 7.20 Hz, 3-H).
化合物5:
1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ7.20-7.15 (3H, m, Ar), 7.10-7.06 (3H, m, Ar), 7.04-7.00 (2H, m, Ar) 6.90-6.84 (2H, m, Ar), 6.78-6.74 (2H, m, Ar), 6.68-6.64 (2H, m, Ar), 6.42-6.37 (2H, m, Ar), 4.37 (2H, s, Bn), 4.23 (2H, s, Bn), 3.77 (3H, s, OCH3), 2.48 (2H, q, J = 7.50 Hz, 3-H), 0.90 (3H, t, J = 7.50 Hz, 4-H).
化合物6:
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ7.24-7.21 (2H, m, Ar), 7.15-7.12 (1H, m, Ar), 7.10-7.07 (4H, m, Ar), 7.03-7.01 (1H, m, Ar), 6.89-6.86 (2H, m, Ar), 6.82-6.79 (2H, m, Ar), 6.72-6.69 (2H, m, Ar), 6.47-6.44 (2H, m, Ar), 4.40 (2H, s, Bn), 4.31 (2H, s, Bn), 3.81 (3H, s, OCH3), 2.48 (2H, q, J = 7.50 Hz, 3-H), 1.00 (9H, s, TBS), 0.92 (3H, t, J = 7.50 Hz, 4-H), 0.89 (9H, s, TBS), 0.22 (6H, s, TBS), 0.06 (6H, s, TBS).
化合物7:
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ7.16-7.00 (6H, m, Ar), 6.82-6.80 (2H, m, Ar), 6.71-6.67 (2H, m, Ar), 6.48-6.45 (2H, m, Ar), 4.53 (2H, d, J = 5.6 Hz, CH2O), 2.49 (2H, q, J = 7.3 Hz, 3-H), 0.99 (9H, s, TBS), 0.94-0.91 (12H, 4-H and TBS), 0.22 (6H, s, TBS), 0.09 (6H, s, TBS).
化合物8:
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 9.87 (1H, s, CHO), 7.62-7.60 (2H, m, Ar), 7.35-7.29 (2H, m, Ar), 7.11-7.08 (2H, m, Ar), 6.83-6.80 (2H, m, Ar), 6.71-6.68 (2H, m, Ar), 6.49-6.46 (2H, m, Ar), 2.54 (2H, q, J = 7.5 Hz, 3-H), 1.00 (9H, s, TBS), 0.93 (3H, t, J = 7.5 Hz, 4-H), 0.90 (9H, s, TBS), 0.23 (6H, s, TBS), 0.08 (6H, s, TBS).
化合物10:
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ7.87-7.87 (1H, m, Ar), 7.81-7.79 (1H, m, Ar), 7.44-7.33 (6H, m, Ar), 7.24-7.22 (1H, m, Ar), 7.18-7.15 (1H, m, Ar), 7.10-7.07 (2H, m, Ar), 6.82-6.79 (2H, m, Ar), 6.70-6.67 (2H, m, Ar), 6.48-6.45 (2H, m, Ar), 5.32 (2H, s, Bn), 2.52 (2H, q, J = 7.5 Hz, 3-H), 1.00 (9H, s, TBS), 0.93-0.90 (12H, m, 4-H and TBS), 0.22 (6H, s, TBS), 0.07 (6H, s, TBS).
化合物11:
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ7.88-7.87 (1H, m, Ar), 7.82-7.80 (1H, m, Ar), 7.43-7.33 (5H, m, Ar), 7.26-7.24 (1H, m, Ar), 7.21-7.18 (1H, m, Ar), 7.10-7.08 (2H, m, Ar), 6.81-6.79 (2H, m, Ar), 6.70-6.68 (2H, m, Ar), 6.46-6.43 (2H, m, Ar), 5.32 (2H, s, Bn), 2.51 (2H, q, J = 7.5 Hz, 3-H), 0.90 (3H, t, J = 7.5 Hz, 4-H).
RID−F−COOH:
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 11.59 (1H, br s, COOH), 7.90 (1H, s, Ar), 7.79 (1H, d, J = 7.5 Hz, Ar), 7.17-7.10 (3H, m, Ar), 7.06-7.04 (1H, m, Ar), 6.86-6.83 (2H, m, Ar), 6.76-6.74 (2H, m, Ar), 6.48-6.46 (2H, m, Ar), 4.31 (2H, t, J = 4.5 Hz, OCH2), 4.16 (2H, t, J = 4.5 Hz, OCH2), 3.37-3.33 (4H, m, NCH2), 3.23-3.21 (8H, m, azepinyl), 2.48 (2H, q, J = 7.2 Hz, 3-H), 1.88-1.83 (8H, m, azepinyl), 1.69-1.65 (8H, m, azepinyl), 0.89 (3H, t, J = 7.2 Hz, 4-H).
また、RID−F−COOH(C3950)のESI MSによって測定した質量ピーク値は、理論値[M+H]が611.3849(C3951)であり、測定値[M+H]が611.3856であった。
<製造例2>
RID−F−ペプチドの合成
配列番号1〜5に示すアミノ酸配列からなり、そのC末端がアミド化されたペプチドで修飾された、各種RID−F−COOH(RID−F−CONH−GLLE〔配列番号1〕−NH、RID−F−CONH−GLLVY〔配列番号2〕−NH、RID−F−CONH−GRRRRRRRR〔配列番号3〕−NH、RID−F−CONH−GRRRRRR〔配列番号4〕−NH、およびRID−F−CONH−GRRRR〔配列番号5〕−NH)を製造した(図1〜5)。
配列番号1〜5に示すアミノ酸配列からなり、そのC末端アミド化されたペプチドは、シグマアルドリッチ社の受託合成を利用して得た。
100nmolの上記RID−F−COOHをDMFに十分に溶解させ、これに200nmolの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)および200nmolの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を加え、40℃で3時間インキュベートした。
次いで、200nmolの上記各種ペプチドをインキュベート後の溶液に添加し、40℃で3時間で脱縮合反応に供した。その後、不純物を除去するために逆相HPLCにODSカラム(Cosmosil 5C18−AR−II;4.6×150mm;ナカライテスク社製)を装着したHPLCシステム(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を用い、280nm波長の紫外吸収を測定することにより溶出ピークを検出し精製を行った。
溶媒には、0.05%のTFA/HOおよび0.05%のTFA/アセトニトリルを用いた。初期条件20%のアセトニトリル濃度から流速1ml/minで50分間、終濃度80%まで直線濃度勾配をかけて溶出した。上記の各種ペプチドを用いたRID−F−COOHのペプチド修飾物の生成の確認は、MALDI−TOF MSにより質量ピーク値を測定することで行った。結果を下記表1に示す。
<実施例1>
プロテアソーム阻害活性実験
96wellマイクロプレートに測定用の緩衝液(50mMのTris−HCl〔pH7.5〕、40mMのKCl、5mMのMgCl、0.5mMのATP、0.05mg/mlのBSA、および1mMのDTTを含む)を添加した。
ここに、それぞれ濃度を振ってDMSOに溶解させた上記の各種ペプチド修飾RID−Fを1μl(DMSO終濃度0.2%)になるように加え、更に精製ヒト20Sproteasome(Enzo社)または精製ヒト26Sproteasome(Enzo社)を終濃度100ng/wellになるように加えた。これらを混合した後、蛍光基質ペプチドを終濃度50μMになるように添加し、特定の波長(励起波長380nm、蛍光波長460nm)で1時間の測定時間の間10分おきに蛍光強度測定を記録した。結果を図6に示す。
なお、用いた蛍光基質は以下のとおりである。全て株式会社ペプチド研究所から入手した。
・β1サブユニット(PGPH様活性)に対して
Z−Leu−Leu−Glu−MCA
・β2サブユニット(トリプシン様〔T−L〕活性)に対して
Boc−Leu−Arg−Arg−MCA
・β5サブユニット(キモトリプシン様〔CT−L〕活性)に対して
Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−MCA
図6に示すように、RID−FおよびRID−FーCOOHは、20SプロテアソームのCT−LおよびPGPH様活性に対して優位に阻害効果を発揮するものの、26Sプロテアソームに対しては阻害効果を発揮しなかった。ところが、RID−FーCOOHにGRRRRRRR(配列番号3)を結合させたペプチド修飾RID−F(図中のRID−FーGR8)は26SプロテアソームのT−L活性を顕著に阻害することが明らかとなった。
同様に、RID−FーCOOHにGLLVY(配列番号2)を結合させたペプチド修飾RID−F(図中のRID−FーGLLVY)は26SプロテアソームのCT−L活性およびPGPH様活性を阻害することも明らかとなった。
また、RID−FーCOOHにGLLE(配列番号1)を結合させたペプチド修飾RID−F(図中のRID−FーGLLE)は26SプロテアソームのCT−L活性を阻害することも明らかとなった。
よって、これらのペプチドは26Sプロテアソーム内でのプロテアーゼ活性を阻害できるように、19S調節因子に認識されることが強く示唆される。
<製造例3>
RID−F−CH NH の合成
RID−F−CHNHは、上記化合物8を出発原料とし、下記の反応スキームに従って製造した。
上記反応スキームにおいて略号は以下のものを意味する。
TBS:保護基であるtert−ブチルジメチルシラ二ル基、
TBAF:脱保護剤であるフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム。
上記反応スキーム中で表される各化合物の製造方法を以下に詳述する。
化合物a
化合物8(56.0 mg, 97.7 μmol)をメタノール(0.98 mL)に溶解し、O-ベンジルヒドロキシルアミン(13.2 mg, 0.107 mmol)を加え室温で18時間撹拌した。冷却後、反応混合物にブラインを加えて反応を停止し、反応混合溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を集合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、これを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製すると化合物а(51.5 mg, 77.8 %)が得られた。
化合物b
化合物а(16.3 mg, 24.0 μmol)をTHF(0.6 mL)に溶解させ、0 ℃に降温し、テトラブチルアンモニウムフロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0 M)(72.1 μL, 72.1 μmol)を加えた後、室温で30分撹拌した。冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してこれを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製すると無色油状の化合物bが得られた(9.5 mg, 87.8%)。
化合物c
化合物b(8.5 mg, 18.9 μmol)をDMF (0.4 mL)に溶解し、55%水素化ナトリウム(8.3 mg, 0.189 mmol)を加えて50 ℃で15分撹拌した。これにN-(2-クロロエチル)ヘキサヒドロ-1H-アゼピン塩酸塩(18.7 mg, 94.5 μmol)を加えて50 ℃で12時間撹拌した。冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、これを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=90/3/2)で精製すると化合物cが得られた(10.2 mg, 75%)。
RID−F−CH NH
化合物c(67.7 mg, 0.25 mmol)のTHF溶液(1.2 mL)を0 °Cに降温した後、水素化アルミニウムリチウムのTHF溶液(1 M)(40.6 μL)を加えて、室温で3時間撹拌した。冷却後、反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出した。有機層を集合して無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、これを濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=90/3/2)で精製すると目的の化合物であるRID−F−CHNHが得られた(6.4 mg, 80.0%)。
上記スキームで表される各化合物のH−NMRスペクトルデータを以下に示す。
化合物а:
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.00 (s, 1H, 5-H), 7.44-7.31 (m, 7H, Ar), 7.14-7.04 (m, 4H, Ar), 6.83-6.80 (m, 2H, Ar), 6.72-6.69 (m, 2H, Ar), 6.50-6.47 (m, 2H, Ar), 5.19 (s, 2H, Bn), 2.51 (q, J = 7.6 Hz, 2H, 3-H), 1.01 (s, 9H, TBS), 0.95-0.92 (m, 12H, TBS and 4-H), 0.23 (s, 6H, TBS), 0.10 (s, 6H, TBS); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 154.4, 153.7, 149.2, 143.2, 140.1, 138.8, 137.5, 136.5, 136.1, 131.9, 131.7, 131.6, 130.5, 128.5, 128.4, 128.1, 127.9, 124.4, 119.5, 119.0, 76.3, 28.7, 25.7, 18.2, 14.6; HR MS: calcd for C42H56NO3SiNa (M + Na+) 678.3793, found 678.3815.
化合物b:
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.03 (s, 1H, 5-H), 7.43-7.30 (m, 7H, Ar), 7.15-7.05 (m, 4H, Ar), 6.82-6.78 (m, 2H, Ar), 6.73-6.70 (m, 2H, Ar), 6.47-6.44 (m, 2H, Ar), 5.19 (s, 2H, Bn), 2.48 (q, J = 7.6 Hz, 2H, 3-H), 0.92 (t, J = 7.6 Hz, 3H, 4-H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 154.4, 153.5, 149.4, 143.1, 140.3, 138.3, 137.5, 136.1, 135.6, 132.1, 131.72, 131.67, 130.7, 128.42, 128.38, 128.2, 128.0, 124.6, 115.0, 114.4, 76.3, 28.8, 13.6.
化合物c:
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.42-7.24 (m, 9H, Ar), 7.12-6.87 (m, 2H, Ar), 6.73-6.73 (m, 2H, Ar), 6.57-6.55 (m, 2H, Ar), 4.54 (s, 2H, Bn), 4.08 (t, J = 6.4 Hz, 2H, OCH2), 3.94 (t, J = 6.4 Hz, 2H, OCH2), 2.97 (t, J = 6.2 Hz, 2H, NCH2), 2.88 (t, J = 6.4 Hz, 2H, NCH2), 2.80-2.69 (m, 8H, azepinyl 2-H), 2.49 (q, J = 7.2 Hz, 2H, 3-H), 1.67-1.59 (m, 16H, azepinyl 3-H and 4-H), 0.92 (t, J = 7.4 Hz, 3H, 4-H).
RID−F−CH NH
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.23-7.05 (m, 8H, Ar), 6.89-6.75 (m, 6H, Ar), 6.52 (m, 2H, Ar), 4.09 (t, J = 6.0 Hz, 2H, OCH2), 3.93 (t, J = 6.0 Hz, 2H, OCH2), 3.70 (s, 2H, 5-H), 2.98 (t, J = 6.0 Hz, 2H, NCH2), 2.87 (t, J = 6.0 Hz, 2H, NCH2), 2.80 (q, azepinyl 2-H), 2.73 (q, azepinyl 2-H), 2.49 (q, J = 7.2 Hz, 2H, 3-H), 1.68-1.56 (m, 16H, azepinyl 3-H and 4-H), 0.93 (t, J = 7.4 Hz, 3H, 4-H); HR MS: calcd for C39H54N3O2 (M + H+) 596.4211, found 596.4207.
<製造例4>
ペプチドーRID−Fの合成
配列番号54、103、および104に示すアミノ酸配列からなり、そのC末端がアセチル化されたペプチドで修飾された、各種RID−F(Ac−LLEG〔配列番号103〕−CONHCH−RID−F、Ac−LLVYG〔配列番号104〕−CONHCH−RID−F、およびAc−RRRRRRRRG〔配列番号54〕−CONHCH−RID−F;RRRRRRRRGはR8Gともいう。)を製造した(図7)。
配列番号54、103、および104に示すアミノ酸配列からなり、そのC末端がアセチル化されたペプチドは、シグマアルドリッチ社の受託合成を利用して得た。
100nmolの上記RID−F−COOHをDMFに十分に溶解させ、これに200nmolの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)および200nmolの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を加え、40℃で3時間インキュベートした。
次いで、200nmolの上記各種ペプチドをインキュベート後の溶液に添加し、40℃で3時間で脱縮合反応に供した。その後、不純物を除去するために逆相HPLCにODSカラム(Cosmosil 5C18−AR−II;4.6×150mm;ナカライテスク社製)を装着したHPLCシステム(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を用い、280nm波長の紫外吸収を測定することにより溶出ピークを検出し精製を行った。
溶媒には、0.05%のTFA/HOおよび0.05%のTFA/アセトニトリルを用いた。初期条件20%のアセトニトリル濃度から流速1ml/minで50分間、終濃度80%まで直線濃度勾配をかけて溶出した。上記の各種ペプチドを用いたRID−F−COOHのペプチド修飾物の生成の確認は、MALDI−TOF MSにより質量ピーク値を測定することで行った。結果を下記表2に示す。
<実施例2>
MTTアッセイ
RID−Fペプチド付加体の細胞作用を測定するためにHeLa細胞を用いてMTTアッセイを行った。HeLa細胞は、10%fetal bovine serum、ペニシリンーストレプトマイシン混合溶液(100unit/ml)(ナカライテスク(株))入りのRPMI1640培地にて培養した。最初に、96WellプレートへHeLa細胞を5000cells/well播種し、24時間インキュベートしプレート底面に定着させた。
その後、化合物をDMSO終濃度0.5%となるように添加し24時間インキュベートする。培養後、5mg/mlのMTT/PBS(−)(シグマアルドリッチ)を10μl/well加え、3時間インキュベートし、ホルマザンを生成させた。反応後、培地をすべて捨て、ウェル中に細胞可溶化液として0.04mol/lの塩酸イソプロパノールを100μl加え強く撹拌し細胞を溶かした。
プレートリーダーFusionTMα−FP(パーキンエルマージャパン(株))により560nmと750nmの吸光度を測定した560nmがホルマザン精製量の比色量であり750nmがbackの値となるので、OD560−OD750の値を活性値として、DMSOのみの活性値を分母に各化合物添加時の%細胞生存率を算出した。結果を図8に示す。
図8に示すように、CT−L活性様基質を持つと考えられるRID−F−GLLVYとLLVYG−RID−Fを終濃度2.5、7.5、および20μMの3点で検証した所、細胞生存率への影響は確認されなかった。
次に、細胞膜透過配列を含むRID−F−GR8とR8G−RID−Fとを比較したところ、RID−Fの付加方向がペプチドのC末端の時、すなわちR8G−RID−Fの時に、より強い生育阻害を示した。よってペプチドの付加方向は、細胞レベルでの作用に影響することが明らかとなった。
<実施例3>
Proteasome Glo TM アッセイ
上記のMTTアッセイによって細胞に対して作用を示すことが明らかとなった、細胞膜透過配列を含むペプチド付加RID−F化合物(R8G−RID−F)の細胞内プロテアソームの活性部位別の阻害活性を、Proteasome−GloTMCell−based assay(プロメガ(株))を用いて評価した。
血清を含まないペニシリンーストレプトマイシン混合液(100unit/ml)を含むRPMI1640培地を用いて、96wellプレートに5000cells/wellのHeLa細胞を播種した。プレート底面に定着させるために3時間培養し、その後、終濃度10μMとなるように、各種化合物(RID−F、RID−F−GR8、R8G−RID−F、およびEpoxomicin)を添加し、2時間または24時間インキュベートした(DMSO終濃度0.5%)。
インキュベート後、測定する活性サイトに対応した基質(Suc−LLVY−GloTM〔CT−L〕、Z−nLPnLD−GloTM〔PGPH〕、およびZ−LRR−GloTM〔T−L〕)を添加し15分反応させ、Luciferinの発光をプレートリーダーFusionTMα−FPを用いて測定した。結果を図9(A)に示す。
同様に、骨髄腫細胞RPMI8226の実験には、1%ペニシリンストレプトマイシン混合液(100unit/ml)を含むRPMI1640培地を用いた。まず、透明96wellプレートに5000cells/wellになるように細胞を播種する。その後3時間培養し、顕微鏡観察によって細胞がプレート底面に定着したのを確認した。次に、終濃度10μMとなるように各化合物を添加し、添加から2h,6h,10h,24hインキュベートする(DMSO終濃度0.5%)。反応後、測定する活性サイトに対応した基質(Suc−LLVY−GloTM,Z−nLPnLD−GloTM,Z−LRR−GloTM:CT−L,PGPH,T−L)を添加しプレートミキサーで混合し、15分反応させる。測定のために白色の96wellプレートに反応溶液を100μl移し、Luciferinの発光をプレートリーダーFusionTM α−FP((株)パーキンルマージャパン)を用いて測定した。結果を図9(B)に示す。
薬剤添加を行い後の時間経過による阻害度を確認した。図9(A)に示すHela細胞の結果からは、R8G−RID−Fの添加から2時間では阻害が確認されなかった。一方で、R8G−RID−Fの添加から24時間では、コントロールのRID−Fと比較して阻害が確認された。このようなGloアッセイの結果より、R8Gペプチドに対するRID−Fの付加方向は阻害活性に差を与え、ペプチドのC末端にRID−Fを付加したR8G−RID−Fの阻害活性の方が優れていることが明らかとなった。またR8G−RID−Fの阻害活性は、3種のプロテアソームの活性のすべてに阻害効果を示した。
また、図9(B)に示すRPMI8226細胞の結果からは、RID−F−GR8、R8G−RID−Fのいずれの添加においても、2時間で阻害効果が確認されたが、R8G−RID−Fのほうが、RID−F−GR8と比較して、より高く阻害した。また、添加から24時間において、これらの阻害効果はより強まった。
図9(A)と図9(B)を比較すると、HeLa細胞よりも、RPMI8226細胞のほうが、阻害の程度が大きいことが明らかとなった。
以下に、本明細書で表示するアミノ酸配列を示す。

Claims (15)

  1. 下記一般式(A)
    [式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基を示す。或いは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ヘテロ原子を介してまたは介することなく、互いに結合して飽和の5〜8員単環を形成する。
    はカルボキシ基またはアミノメチル基を示す。
    nは0以上の整数を示す。
    zは2または3を示す。
    で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
    で表されるタモキシフェン化合物。
  2. がカルボキシ基である、請求項1に記載のタモキシフェン化合物。
  3. がアミノメチル基である、請求項1に記載のタモキシフェン化合物。
  4. 請求項2に記載のタモキシフェン化合物の製造方法であって、下記一般式(B)

    [式中、Rはカルボキシル基の保護基である。
    zは、請求項1において定義されるzと同じである。
    で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
    で表される化合物と、下記一般式(5)

    [式中、R、R、およびnは、請求項1において定義されるR、R、およびnとそれぞれ同じである。
    はハロゲン原子を示す。]
    で表される化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む、製造方法。
  5. 請求項3に記載のタモキシフェン化合物の製造方法であって、下記一般式(C)
    [式中、R、R、n、およびzは、請求項1において定義されるR、R、n、およびzとそれぞれ同じである。
    は水酸基の保護基である。
    で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
    で表される化合物またはその塩を、還元する工程を含む、製造方法。
  6. 請求項1〜3の何れかに記載のタモキシフェン化合物と、
    19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドとがアミド結合した、
    複合体。
  7. 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ1サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、請求項6に記載の複合体。
  8. 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ2サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、請求項6に記載の複合体。
  9. 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、20Sプロテアソームを構成するβ5サブユニットの活性に対する基質として認識されるアミノ酸配列を含むものである、請求項6に記載の複合体。
  10. 前記ペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドが、配列番号1〜102のいずれかに示すアミノ酸配列を含むものである、請求項6〜9の何れかに記載の複合体。
  11. 請求項2に記載のタモキシフェン化合物と、
    配列番号1〜51に記載のペプチド、またはその末端が修飾されたペプチドとがアミド結合した、請求項6〜10の何れかに記載の複合体。
  12. 請求項3に記載のタモキシフェン化合物と、
    配列番号52〜102に記載のペプチド、またはその末端が修飾されるペプチドとがアミド結合した、請求項6〜10の何れかに記載の複合体。
  13. 請求項6〜12の何れかに記載する複合体を製造する方法であって、下記一般式(A)
    [式中、R、R、R、n、およびzは、請求項1にて定義される。R、R、R、n、およびzとそれぞれ同じである。
    で構成される2箇所の二重線は、何れかの片方が単結合を示し、その他方は2重結合を示す。]
    で表されるタモキシフェン化合物またはその塩と、19S調節因子に認識され、且つ、4個〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド、またはその末端が修飾されるペプチドとを、脱水縮合剤の存在下で反応させることを特徴とする、製造方法。
  14. 請求項6〜12の何れかに記載する複合体を含むプロテアソーム阻害剤。
  15. 請求項14に記載のプロテアソーム阻害剤と、薬学的に許容される塩とを含む医薬組成物。
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