JP5625910B2 - ペプチド化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[式中の記号は、特許文献1を参照のこと。]
<1>FR901459物質又はその塩をN−O転位させた後に開環させることによる、式(I)の化合物又はその塩の製造。
<2>式(I)の化合物又はその塩のC末端にスレオニンを縮合させることによる、式(A2−2)の化合物又はその塩の製造。
<3>式(A2−2)の化合物又はその塩に対して、Edman分解を3度行うことによる、式(A3)の化合物又はその塩の製造。
<4>式(A3)の化合物又はその塩にN末端に二アミノ酸を縮合させることによる、式(A4−4)の化合物又はその塩の製造。
<5>式(A4−4)の化合物又はその塩を環化させることによる、式(A)の化合物又はその塩の製造。
<6>式(Aa)の化合物又はその塩を還元することによる、式(Ab)の化合物又はその塩の製造。
各工程を以下に詳述する。
[式中、Prot0は保護基を意味する。式中のその他の記号は特許文献1を参照のこと。]
[式中、Prot0は保護基を意味する。その他の記号は特許文献1を参照のこと。]
[式中の記号は、特許文献1を参照のこと。]
[式中、Prot3、Prot4はいずれも保護基を意味する。その他の記号は特許文献1を参照のこと。]
[式中の記号は、特許文献1を参照のこと。]
[式中の記号は、特許文献1を参照のこと。]
[1]式(II)
の化合物又はその塩から、二アミノ酸を一工程で脱離させることを特徴とする、
式(III)
の化合物又はその塩の製造方法。
(式中、RXは−H又は保護基、iBuはイソブチル、iPrはイソプロピル、Meはメチルをそれぞれ意味する。)
[2]
式(I)
の化合物又はその塩を脱保護反応に付し、式(II)の化合物又はその塩を得、さらに請求項1に記載の工程により得られた式(III)の化合物又はその塩に保護基を導入することを特徴とする、
式(VI)
の化合物又はその塩の製造方法。
(式中、RXは−H又は保護基、iBuはイソブチル、iPrはイソプロピル、Meはメチル、Prot0及びProt1は保護基をそれぞれ意味する。)
式(A)
の化合物又はその塩の製造方法。
(式中、
Xは、
又は、
であり、
R1は、−H、又は、低級アルキルであり;
R2は、−H、アリール、又は、低級アルキルであり、
ここで、当該低級アルキルはヒドロキシ、シクロアルキル、低級アルコキシ、アリール、アロアルコキシ、置換されてもよいカルバモイルオキシ、及び、置換されてもよいアミノからなる群から選択される1個の適切な置換基で置換されてもよく、
は、含窒素複素環であり;
Yは、
又は、
であり、
R3は、シクロアルキル、アリール、置換されてもよい複素環、又は、低級アルキルであり、
ここで当該低級アルキルは、ヒドロキシ、シクロアルキル、低級アルコキシ、アリール、アロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルキレン−O−、置換されてもよいアミノ、及び、−OC(O)NR6R7からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されてもよく、
(式中、R6及びR7は、それぞれ独立に−H、又は、低級アルキルであるか、あるいは、R6及びR7がその結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよい含窒素複素環を表す。)
であり;
R4及びR5は、それぞれ独立に−H、又は低級アルキルであり;
−−−−は、単結合または二重結合を表す。
(ただし、R2が−Hである場合、R3はシクロアルキル、アリール、置換されてもよい複素環、低級アルコキシメチル、アロアルキル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロアルキル、又は、エチルであり、
ここで当該エチルは、低級アルキル、またはヒドロキシ、低級アルキル−O−、アリール−低級アルキレン−O−、低級アルキル−O−低級アルキレン−O−、置換されてもよいアミノ、及び、−OC(O)NR6R7からなる群より選択される1個の適切な置換基によって置換されていてもよく、
[4] [2]の製造方法により得られた式(VI)の化合物又はその塩に、カルボン酸末端に保護されたスレオニンを縮合させ、次いで、アミノ末端を脱保護することを特徴とする、
式(VIII)
の化合物又はその塩の製造方法。
[式中、Prot2は保護基を意味する。]
[5] [3]に記載の方法に従い、式(I)の化合物から製造された式(VIII)の化合物又はその塩のアミノ末端に二アミノ酸を縮合させ、脱保護後に環化させることを特徴とする上述の式(A)の化合物又はその塩の製造方法。
(3) 上述の製造方法[1]で得られた式(III)の化合物又はその塩は、一回のEdman分解後、N末端を保護することにより、式(VI)の化合物又はその塩を製造することができ、得られた式(VI)の化合物又はその塩は、上記(1)及び(2)に記載の方法に従い、抗HCV治療用の医薬組成物の有効成分として有用であることが報告されている式(A)の化合物又はその塩を製造することができる為、製造中間体として有用である。
本明細書において、「保護基」とは、続く反応を妨げず、脱保護時にも官能基に影響しない基である。例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)及びグリーン(T.W.Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。
(1) ピロリル、ピロリニル、イミダソリル、ピラゾリル、ピリジル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例:4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、など)、テトラゾリル(例:1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)、アゼピニルなどの1から4個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5または6員)不飽和単環複素環;
(2) アジリジニル、アゼチニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、2,5−メタノピペラジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、などの1から4個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和単環複素環;
(3) インドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロインドリル、ジヒドロインダゾリルなどの1から4個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環;
(4) オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(例:1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)などの1または2個の酸素原子及び1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和単環複素環;
(5) モルホリニル、シドノニルなどの1または2個の酸素原子及び1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和単環複素環;
(6) ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリルなどの1または2個の酸素原子及び1から3個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環;
(7) チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、(例:1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)、ジヒドロチアジニルなどの1または2個のイオウ原子及び1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和単環複素環;
(8) チアゾリジニルなどの1または2個のイオウ原子及び1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和単環複素環;
(9) チエニル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニルなどの1または2個のイオウ原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和単環複素環;
(10) ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾチアジアゾリルなどの1または2個のイオウ原子及び1から3個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環;
(11) フリルなどの1個の酸素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和単環複素環;
(12) オキシラニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルなどの1または2個の酸素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和単環複素環;
(13) ジヒドロオキサチエニルなどの1個の酸素原子及び1または2個の硫黄原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和単環複素環;
(14) ベンゾチエニル、ベンゾジチイニルなどの1または2個の硫黄原子を含む不飽和縮合複素環;
(15) ベンゾオキサチイニルなどの1個の酸素原子及び1または2個の硫黄原子を含む不飽和縮合複素環;及び
(16) テトラヒドロピリドピロリジニルなどの1から3個の窒素原子を含む飽和縮合複素環;等である。
CPME=シクロペンチルメチルエーテル、DIBOC=ジ−tert−ブチルジカルボネート、DME=1,2−ジメトキシエタン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、DMI=1,3−ジメチル−2−イミダゾジリジノン、DMSO=ジメチルスルホキサイド、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、DPPA=ジフェニルリン酸アジド、EtOAc=酢酸エチル、Ex=実施例番号、HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、IPA=イソプロピルアルコール、KH2PO4=リン酸二水素カリウム、NMP=N−メチルピロリドン、Na2CO3=炭酸ナトリウム、Na2HPO4=リン酸水素二ナトリウム、TEA=トリエチルアミン、TFA=トリフルオロ酢酸、WSC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、tBuOH=ターシャリーブタノール、LR−ESIMS=低分解能−ESIMS、HR−ESIMS=高分解能−ESIMS、Me=メチル、iBu=イソブチル、iPr=イソプロピル、Boc=ターシャリーブトキシカルボニル、Ph=フェニル、No.=番号。
また、本発明化合物は不斉炭素原子を有しており、これに基づく光学異性体が存在する。本発明には、本発明化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
Rxが保護基の場合、フェニルに置換されていてもよい低級アルキル又はアリールに置換されていてもよい低級アルキル等が挙げられる。別の態様としては、低級アルキル、ベンジル、tert−ブチルが挙げられる。
Prot0としては、カルバメート、トルエンスルホニル、ニトロベンゼンスルホニル等が挙げられる。別の態様としては、Boc、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルが挙げられる。
脱保護は、例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)及びグリーン(T.W.Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の各々の保護基に対する脱保護の反応を参照することができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。
原料中間体を溶媒中で加温することにより二アミノ酸が脱離する。反応温度として好ましくは、加温から還流条件である。溶媒としては反応を妨げないものであればよく、例えば、CPME、ジオキサン、THF、DMSO、DMF、IPA、tBuOH,NMP、DMI、DME又は水等が用いられ、エーテル系又は水が好ましく、CPME−水系が特に好ましい。反応は均一系でも二層系でもよいが、特に二層系が好ましい。酸又は塩基あるいは塩類の存在下に反応を行うのが有利なことがある。通常、反応液には緩衝液を加えて含水系で反応を行う。緩衝液の例としてはリン酸バッファーやトリスバッファー等が挙げられるが、リン酸バッファーが好ましい。温度は、溶媒によっても異なるが、30℃から溶媒の還流温度、例えば、30℃から180℃までで行われる。50℃から120℃が好ましく、60℃から85℃が特に好ましい。後述の実施例に記載のように、生成物は種晶を加えなくても結晶として得られることがあるが、種晶を加えて結晶を析出させると結晶が析出しやすくなる場合がある。
N末端に、弱塩基性条件下でフェニルイソチオシアネートを反応させた後、酸性条件でアミノ酸を、3−フェニル−2−チオヒダントインとして脱離させる二工程を経る。溶媒としては、通常、アセトニトリル、アセトン、MeOH、EtOH等のアルコール、THF、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、EtOAc、DMF、等、反応に好ましくない影響を与えない有機溶媒またはその混合溶媒などの通常の溶媒中で行われる。反応温度は限定されず、また反応は通常は冷却から加熱下で実施される。本反応は、例えば、M.K.Eberle他、J.Org.Chem.59,7249−7258(1994)等に開示の方法またはこれと同様の方法によって行うことができる。
Prot2としては、フェニルに置換されていてもよい低級アルキル、又はアリールに置換されていてもよい低級アルキル等が挙げられる。別の態様としては、低級アルキル、ベンジル、tert−ブチルが挙げられる。
Prot1としては、カルバメート、トルエンスルホニル、ニトロベンゼンスルホニル等が挙げられる。別の態様としては、Boc、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルが挙げられる。
基質の鎖状ペプチドのC末端に、保護されたスレオニンを縮合させるにはいわゆるアミド化反応と同様にして行うことができる。具体的には式(VII)の化合物又はその塩は、式(VI)の化合物又はその塩と、式(B2)の保護されたスレオニンとの反応により得ることができる。 この反応では、式(VI)の化合物又はその塩と式(B2)の保護されたスレオニンとを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは−20℃〜60℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン若しくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMSO、EtOAc、MeCN又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、WSC、DPPA、オキシ塩化リンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えばHOBt)を用いることが反応に好ましい場合がある。TEA、DIPEA若しくはN−メチルモルホリン等の有機塩基、又はK2CO3、Na2CO3若しくはKOH等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、式(VII)の化合物又はその塩を反応性誘導体へ変換後に、式(B2)の保護されたスレオニンと反応させる方法を用いてもよい。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、HOBt等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と式(B2)の保護されたスレオニンとの反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは−20℃〜60℃で行うことができる。
[文献] S.R.Sandler及びW.Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
式(III)の化合物又はその塩、式(V)の化合物又はその塩、又は、式(VIII)の化合物又はその塩は、適宜保護基を用いて、適切な工程で保護又は脱保護し、アミノ酸又はペプチドを縮合し、式(A)の化合物又はその塩を製造できる。環化反応はアミド化であるので、上述の第3段階と同じ方法によって行うことができ、従って、使用する試薬及び反応条件(例、溶媒、反応温度など)は、上述の第3段階を参照することができる。
上述のように式(I)の化合物又はその塩は、FR901459物質を出発原料として、特許文献1に従って製造できる。
FR901459物質は、スタキボトリス属の微生物(Stachybotrys chartarum No.19292)、特許生物寄託センター(International Patent Organism Depositary)、〒305−8566 茨城県つくば市東1−1−1つくばセンター中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所に受託番号FERM BP−3364として1991年4月16日に国際寄託されている)の培養液から、例えば、特許文献2に記載の方法により得ることができる。
特許文献1に記載の方法に従い、(6S,12S,15S,18S,21S,24R,27S,30S,33S,36S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−36−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,18,27,30−ペンタイソブチル−33−イソプロピル−2,2,8,11,17,21,24,26,32,35−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−オイックアシッドを93.8 g得た。
塩化メチレン 500 mLに実施例化合物1 50.0 gを溶解した後、5℃に冷却し、TFA 213.2 gを滴下して4時間撹拌した。その後、冷市水 500 mLを添加し、10(w/v)%Na2CO3水溶液でpHを6.5に調製した。分液した後、有機層に再度、冷却した市水 500 mLを加え、10(w/v)%Na2CO3水溶液で、pHを6.5〜7に調製した。分液後、有機層を分取し,再々度、冷却した市水500 mLを添加し、10(W/V)%Na2CO3水溶液でpHを6.5〜7に調製した。分液した後、下層を約250 mLまで濃縮後、CPME 500 mLを添加し、再度約250 mLまで濃縮した。CPME 500 mLを加え、約250 mLまで減圧濃縮した。実施例化合物2のCPME溶液約250 mLを得た。
Calcd for C62H114N11O14、1236.8546
実施例化合物2のCPME溶液約250 mLに、CPME 500 mL、pH7.6のリン酸バッファー水溶液500 mL(Na2HPO4水溶液のpHをKH2PO4水溶液にてpH7.6に調製した。Na2HPO4水溶液は、水522 mLにNa2HPO4・12H2O 6.26 gを溶解して調製した。KH2PO4水溶液は、水81 mLにKH2PO4 0.377 gを溶解して調製した。)を添加した後、80〜85℃に昇温し、5時間撹拌した後,25℃に冷却した。分液して得られた有機層を、市水 500 mLで2回洗浄した。有機層を約105 mLまで濃縮後,アセトニトリル 115 mLを滴下した。その後、内温22℃で実施例化合物3の種晶 75 mgを添加し、更にアセトニトリル345 mLを滴下した。晶析液をろ取した後に減圧乾燥し、(2S,3R,4R,6E)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[メチル(N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル)アミノ]オクタ−6−エン酸を白色粉末として得た。収量:22.7 g、収率:56.9 %
HR−ESIMS Found m/z 1064.7697 (M+H)+
Calcd for C55H102N9O11、1064.7698
Column: Waters Atlantis HILIC Silica Column, 2.1 X 50 mm, 3 μm; Gradient:CH3CN−HCOOH=1000−1 → CH3CN−H2O−HCOOH=500−500−1(0 分 → 5 分), CH3CN−H2O−HCOOH=500−500−1 (5分 → 7分), CH3CN−H2O−HCOOH=500−500−1) → CH3CN−HCOOH=1000−1 (7 分 → 7.1 分)、 CH3CN−HCOOH = 1000:1 (7.1分 → 10分)、 flow rate: 0.5 mL/分、 detector: diode Array (210 nm 〜 600 nm)、 Retention Time: 1.51 分。
13C−NMR (100 MHz,DMSO−d6):166.3, 166.2, 68.5, 60.6, 51.2, 32.9, 19.8
1H−NMR (400 MHz,DMSO−d6):1.08(3H,d,J=6.6Hz), 2.82(3H,s), 3.52(1H,brs), 3.66(1H,d,J=16.8Hz),3.96(1H,d,J=16.8Hz), 3.99〜4.04(1H,m), 8.26(1H,brs),
MS:ESI(+)/TOF−MS、Found 173.0922(M+H)+、Calcd for C7H13N2O3、173.0921
(非晶質体の製造方法)
実施例化合物2のCPME溶液(40.0 g相当/800 mL)に、pH7.6リン酸バッファー水溶液 400 mL(Na2HPO4水溶液のpHをKH2PO4水溶液にてpH7.6に調整した。Na2HPO4水溶液は水 522 mLにNa2HPO4・12H2O 6.26 gを溶解して調製した。KH2PO4水溶液は、水 81 mLにKH2PO4 0.377 gを溶解して調製した)を加え、80〜85℃に昇温し、 5時間30分間撹拌した後、室温まで冷却した。分液して得られた有機層を、市水 400 mL、20(w/v)%食塩水 400 mLで、順次洗浄した。有機層を約 280 mLまで濃縮した後、n−ヘプタン 1800 mL中へ滴下した。析出した粉末をろ取した後に減圧乾燥し、(2S,3R,4R,6E)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[メチル(N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル)アミノ]オクタ−6−エン酸を粉末として得た。収量:32.17 g、収率:93.4 %
CPME 40 mL及びアセトニトリル 160 mLの混合溶媒に、実施例化合物3の粉末 25.0 gを25〜45℃で溶解した。その後、1時間かけて20℃まで徐々に冷却し、20℃にて18時間攪拌した。析出した結晶をろ取した後に減圧乾燥し、(2S,3R,4R,6E)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[メチル(N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル)アミノ]オクタ−6−エン酸を結晶として得た。収量:13.02 g、収率:52.1 %
EtOAc 150 mLに、実施例化合物3 10.0 gを溶解した後、pH7.6リン酸バッファー50 mL(Na2HPO4水溶液のpHは、KH2PO4水溶液でpH7.6に調整した。Na2HPO4水溶液は、水 87.5 LにNa2HPO4・12H2O 1.04 gを溶解して調製し、KH2PO4水溶液は、水 12.5 LにKH2PO4 0.568 gを溶解して調製した。)、フェニルイソチオシアネート 2.54 gを添加して、4時間撹拌した。その後、1M 塩酸でpHを2.3に調整した。分液後、有機層を分取し、20(w/v)%食塩水 100 mLで洗浄した後、約40 mLまで濃縮した。実施例化合物4のEtOAc溶液約40 mLを得た。
LR−ESIMS:1222.0(M+Na)+、1198.1(M−H)-
実施例化合物4のEtOAc溶液約40 mLに、さらに、n−ヘプタン 200 mL中に滴下した。析出した粉末をろ取した後、アセトニトリル 100 mLに溶解し、1M 塩酸 94 mLを添加し、20℃にて3時間15分撹拌した。実施例化合物5が得られたことを確認した。
HR−ESIMS Found m/z 937.6712 (M+H)+
Calcd for C48H89N8O10、 937.6701
実施例化合物5の反応液に、さらに、10(w/v)%Na2CO3水溶液を加え、pHを約7に調整し、DIBOC 2.25 gを添加し、25℃で3時間20分撹拌した後、1M 塩酸でpHを2.5に調整した。有機層を分取し、20(w/v)%食塩水 100 mL添加した後、EtOAc 100 mLにて抽出した。有機層を分取した後、約40 mLまで濃縮し、再度EtOAc 150 mLを添加し,約40 mLまで濃縮した。この濃縮液に再々度EtOAc 150 mLを添加し、約40 mLまで濃縮した後、5℃へ冷却し、予め5℃に冷却したn−ヘプタン 40 mL中へ滴下した。析出粉末を濾過した後減圧乾燥し、(2S,3R,4R,6E)−2−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル](メチル)アミノ}−3−ヒドロキシ−4−メチルオクタ−6−エン酸を白色粉末として得た。収量:7.6 g、収率:77.9%
HR−ESIMS Found m/z 1037.7219 (M+H)+
Calcd for C53H97N8O12、 1037.7225
塩化メチレン 75 mLに実施例化合物6 7.5 gを溶解し、L−スレオニンメチルエステル塩酸塩 1.47 g及びHOBt・1水和物 1.47 gを添加し、0〜10℃に冷却した。さらに, WSC 1.12 gを加え,5℃で約20時間撹拌した後、市水 75mLにて有機層を洗浄した。水層は塩化メチレン38 mLにて再抽出し、有機層を合わせた。有機層を0.3M 塩酸 68 mLで洗浄し、水層は再び塩化メチレン 38 mLにて再抽出した。有機層を合わせた後,5(w/v)%NaHCO3水溶液 76 mL,20(w/v)%食塩水 55 mLにて順次洗浄し,約30 mLまで濃縮した。濃縮液をヘプタン 300 mL中に滴下した。析出した粉末をろ取した後に減圧乾燥し、(N−[(2S,3R,4R,6E)−2−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル](メチル)アミノ}−3−ヒドロキシ−4−メチルオクタ−6−エノイル]−L−スレオニンメチルエステルを白色粉末として得た。収量:7.12 g、収率:85.5 %
HR−ESIMS Found m/z 1152.7864 (M+H)+
Calcd for C58H106N9O14、 1152.7859
塩化メチレン 120 mLに実施例化合物7 20.0 gを溶解し、−5℃に冷却した。TFA 98.9 gを滴下し、2時間40分間撹拌した後、冷却した市水 200 mLで洗浄した。分液して得られた有機層をさらに冷却した市水 200 mLで洗浄した。有機層に冷却した市水 200 mLを添加し,さらに10(w/v)%Na2CO3水溶液を用いて、pHを6.5〜7に調製した。分液して得られた有機層に、再び冷市水 200 mLを添加し、10(w/v)% Na2CO3水溶液でpHを6.5〜7に調製した。分液して得られた有機層に再々度冷市水 200 mLを添加し、10(w/v)% Na2CO3水溶液でpHを6.5〜7に調製した。分液して得られた有機層を約50 mLまで減圧濃縮した。濃縮液をヘプタン 1500 mL中に滴下した後に析出した粉末をろ取した後に減圧乾燥し、N−{(2S,3R,4R,6E)−3−ヒドロキシ−2−[(L−ロイシル−N−メチル−L−ロイシル−L−アラニル−D−アラニル−N−メチル−L−ロイシル−L−ロイシル−N−メチル−L−バリル)(メチル)アミノ]−4−メチルオクタ−6−エノイル}−L−スレオニンメチルエステルを白色粉末として得た。収量 :16.82 g、収率:92.1 %。
得られた実施例化合物8は、特許文献1のPrep3の化合物とNMR及びMSデータと比較した結果、同じ構造であることを確認した。
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