JP2016221784A - Cfrpパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法 - Google Patents

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Naoki Ando
直樹 安藤
典考 小川
Noritaka Ogawa
典考 小川
高橋 正雄
Masao Takahashi
正雄 高橋
嘉寛 山口
Yoshinori Yamaguchi
嘉寛 山口
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Abstract

【課題】
1液性エポキシ接着剤により、CFRPパイプと金属部品の接着を強固に行う構造と接着方法を提供する。
【解決手段】
図1に示したように、CFRPパイプ2の接着面と金属部品10の接着面の双方の接着面をテーパー面7とする。この両テーパー面間に、1液性エポキシ接着剤を埋めるように充填して、加圧した状態で加熱して硬化させる。接着剤硬化物層の層厚を薄くするために、加圧状態にて熱風乾燥機等で加熱し、硬化させる。この結果、接着剤硬化層内に生じるボイドは減少し、接着強度も強くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法に関する。更に詳しくは、軽量化等の理由から、例えば、自動車、自転車等の移動機械の構造部材に用いられるCFRPパイプと金属部品を強固に接着するためのCFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法に関する。
端部に金属部品が固着されたFRP(Fiber reinforced plastics)製のパイプ材は、自動車用のプロペラシャフト等が知られている(特許文献1)。また、CFRP(Carbon fiber reinforced plastics)製のパイプ材は、例えば、F1レーシングマシン等の超軽量が要求される自動車のボディの素材として、一部使用されている。また、CFRP製の翼を有する新型航空機は、CFRPとチタン合金製リベット、ボルト等の金属部品と機械的に固着した後、金属部品同士を相互に連結する構造である。CFRPと金属部品との接着の信頼性が高まれば、これらの技術分野での連結構造を機械的に固着した構造ではなく、簡素化、作業の簡素化等のために、金属製のリベット等の締結具とCFRPとを、直接的に接着剤により接着する接着構造が求められている。
一方、CFRPは、その軽量で高強度の物性のみで採用されているわけではなく、錆びないことが近年では注目されており、その意味の自動車等の移動機械だけではなく、屋外で使用する各種機械や長期のメンテナンスフリーを求められる種々の設備、一般機械等にもその用途が広がっている。それ故に、CFRPと金属の複合体は、今後、、防錆が要求される部品、構造部材として、あらゆる産業分野のものに適用可能である。
(NAT理論)
金属材同士、及び金属材とCFRPを接着剤により、接着する技術に関し、本発明者等が提唱するNAT(Nano adhesion technologyの略)理論の概略を説明する。このNAT理論の基本は、金属材同士を強く接着剤で接合させる技術に関するものであり、以下の必要条件を金属材、接着剤、接着操作工程等に求めている。即ち、
(1)金属材には0.8〜10μm周期の凹凸ある粗面があり(ミクロンオーダー周期の粗面があり)、
(2)更に上記粗面上に10〜300nm周期の微細凹凸面があり、
(3)且つ、前記粗面及び微細凹凸面である2重凹凸面表面を成す表面層は金属酸化物や金属リン酸化物その他のセラミック質の硬質薄層で成っていること、
(4)接着剤には1液性エポキシ接着剤を使用すること、及び
(5)接着操作中に「染み込まし処理」という金属材表面の微細凹凸面形状の微細凹部の奥底まで接着剤が入り込むようにする操作工程があること、
の5条件である。
NAT理論は、当初は仮説として提唱した。この仮説に基づいて、本発明者等は各種金属種毎に、上記(1)〜(5)を試験した。この仮説に従って、可能な限り表面処理を上記の条件に合致するように形成して各種の試験をした。この結果、接着力(剪断破断応力)がNAT理論を提唱した以前のデータより、常に2倍程度を示したので、この仮説は間違っていない理論だと認識するようになった。即ち、Al合金に関しては特許文献2、Mg合金に関しては特許文献3、ステンレス鋼に関しては特許文献4、銅に関しては特許文献5、チタン合金に関しては特許文献6、7、一般鋼材に関しては特許文献8、アルミ鍍金鋼板に関しては特許文献9、亜鉛鍍金鋼板に関しては特許文献10に記載した。既にこれらの多くが電子機器や移動機械の一部で、商業化、又は商業化前の量産品を試作している状況にある。
図5は、上記条件(1)、(2)、及び(3)を含んだ金属材の表面を示す断面模式図である。このNAT理論が、昨今、実際の各種機器に適用で注目を浴び出した理由は、NAT理論の根本は、金属材と1液性エポキシ接着剤の硬化物の間に、強い接着力を生む技術であることからきている。それ故に、双方の被着材が金属材である場合だけでなく、一方がエポキシ樹脂硬化物からなる形状物、例えば、CFRP、ガラスエポキシ板片等でも適用できることである。即ち、A7075Al合金(超々ジュラルミン)、チタン合金等の金属と、CFRPとを、1液性エポキシ接着剤を使用して接着による一体化にも、NAT理論が適用できることが認識され出した。
(新NAT理論(仮説))
本発明者等は、NAT理論を深化させた認識で、新NAT理論を新たに提唱した(特許文献11)。この新NAT理論は、仮説であり実証不足の部分もあるが、その概要は以下の通りである。即ち、NAT理論で要求している金属側の2条件に、上述の(1)と(2)の条件に、必ずしも縛られるのではない(ただし、この新仮説は、この条件と矛盾するものではない。)。その金属側の表面微細形状の概略の断面構造を、図6(a)〜(f)にそれぞれ示す。厳密には金属の種類によって異なるが、化成処理でこの何れかの断面形状と同一又は類似の形状に形成することが出来れば、1液性エポキシ接着剤を使用して、高強度の金属片同士の接着一体化物、及び、金属片とCFRP片とを接着により一体化した複合体が得られる。なお、NAT理論で要求しているその他の必要条件((3)〜(5))は、新NAT理論でも同一条件である。
そして、そのように接着一体化したものにおける「せん断接着強さ」及び「引っ張り接着強さ」は、理想的には接着剤を加熱して硬化させた硬化物自身のせん断強度、引っ張り強度とほぼ同一になる。要するに、NAT理論、新NAT理論は、金属とエポキシ接着剤の間の接着力を、本発明者等の認識では、これ以上はないレベルに到達させることに成功し、その本質は金属側の特徴的な表面微細形状が重要なことを示したものである。
特開2003−1717 WO2008/114669 WO2008/133096 WO2008/133296 WO2008/126812 WO2008/133030 特開2010−064397 WO2008/146833 WO2009/084648 WO2009/116484 特願2015−97750 特開2011−26457 特開2011−148937
自転車等のフレームにCFRP製のパイプを用いる場合、特許文献1に示されているように、このパイプの端部に金属部品が一体に接着された構造用フレーム部品が必要となる。既に、パイプ状のCFRP(CFRP製パイプ)の製造技術は、釣竿、ゴルフ用シャフト等の分野で完成されており市販されている。一方、本発明者等は、提唱したNAT理論、新NAT理論により、それに従って金属材を機械加工して金属部品とし、これにNAT処理や新NAT処理をして、これと市販のCFRP製パイプとを接着すれば、パイプ状のCFRPと金属部品を強固に固着することができる。
実際の作業に当たっての問題は、強固な接着強度を得るために、金属部品とCFRPパイプの接着構造、即ち接着剤層が入る両者間の隙間形状をどうするかである。このために、本発明者等は、最適な接着構造を探るために、簡易的な実験を行った。図3は、CFRPパイプ2の端部の内周孔に、金属部品1の一部が挿入された断面図である。本発明者等は、CFRPパイプ2と金属部品1の接着において、最適な接着方法と接着剤の層厚を探るために、次のような簡易的な実験をした。接着剤の塗布厚が1mm程度となるように、円筒型の金属部品1の隙間寸法を設計して実行した。即ち、CFRPパイプ2の端部に、その一部が挿入された金属部品1を準備し、金属部品1の小径部である凹部(隙間は約1mm)3を満たすように、1液性エポキシ接着剤を塗り付け、この山盛りとなった接着剤を塗布したまま金属部品1の挿入部4を、CFRPパイプ2の開口部にゆっくり挿入して押し込んだ。
CFRPパイプ2と金属部品1の継目から外部に押し出された接着剤は、拭き取り、継目に接着剤が流れ出さないようにするために、テフロンシールテープ(図示せず)を巻き付け固定した。そして、CFRPパイプ2を上部にし、金属部品1を下にして立てた状態で、これを熱風乾燥機に入れて、接着剤を加熱硬化させた。しかし、この接着方法では、全て適正な接着剤の分布が得られなかった。即ち、X線による非破壊検査で観察すると、接着剤が意図した凹部3に留まって硬化している硬化物は、約50%程度であることが判明した。原因は、金属部品1の凸部であるシール部4が、凹部3内に充填された接着剤の封印機能が充分でないということである。この接着剤の硬化工程時に、1液性エポキシ接着剤が昇温する過程で微量の不純物、例えば水分等が気化して内圧が上がり、溶融している接着剤諸共、シール部を通過したことによる。
そこで、金属部品1のシール部4の外径を、CFRPパイプ2の内径と同一寸法に加工し、CFRPパイプ2への嵌め合いを「締まり嵌め」構造にした。なおかつ、図4に示すように、パイプ部に貫通孔5を開けて、この貫通孔5から接着剤を注射器等で注入し、凹部3内に隙間、空洞が生じないように充填した。更に、貫通孔5の外周に、接着剤を封入するためにテフロンシールテープ(図示せず)を巻き付け固定した後、これを加熱して硬化させた。この接着方法で、接着剤が意図した凹部3に留まって硬化した率は、X線透視で80〜90%と確認されたが、切断して凹部3を見ると接着剤の硬化層にボイドが確認された。それ故、接着剤のシールを厳密にして、加熱硬化させて接着剤の充填を完全にすることよりも、接着剤相のボイド発生の原因物質である不純物、水分等を減らす方が重要であると判断した。
以上のように、接着剤硬化層の接着剤の充填率(接着層の接着剤の割合)は、接着力向上に重要な条件であるが、硬化した接着剤層中にボイド(泡、気泡)があれば意味がない。しかしながら、一般に接着剤から低沸点の不純物、水分等の完全除去は難しい。又、ボイドレスにするには、一般的な方法としては、オートクレーブで、昇温しつつ減圧/加圧操作することが必要とみられるが、前述したNAT理論等による高い接着力のデータは、常圧下の作業で得られたものである。製造コストを考慮すると、オートクレーブ等を用いることなく、常圧の接着操作が好ましい。結局、上記実験で得られた結論は、結果としては簡単な結論であるが、ボイド等をなくし、かつ接着剤層の厚さを可能な限り薄くし、かつ接着力を確保すれば解決する。言い換えると、高い接着力を確保するには、接着剤層の厚さではなく、接着剤層にボイド等の欠陥部を減らすことである。
本発明は、これらを全て勘案してCFRPと金属を接着剤接合する上で、CFRPがパイプ材で、金属部品が円筒形である場合、最善とみられる固着方法を開発したものであり、次の目的を達成するものである。
本発明の目的は、CFRPパイプと金属部品の間の接着剤層に、必ずしも減圧/加圧操作することなく、ボイド等の欠陥が少なく接着を強固にするためのCFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法を提供するものである。
本発明の他の目的は、接着剤の使用量が少ない、かつ組立作業が容易なCFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法を提供するものである。
本発明の更に他の目的は、接着剤を硬化させるための熱風乾燥装置等が使えない大型の一体組立品の組立もできる、CFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法を提供するものである。
本発明は、記課題を解決するために以下の手段を採る。
本発明1のCFRPパイプと金属部品の一体組立品は、
CFRPパイプの端部に、金属部品を接合したCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
前記CFRPパイプの端部の内周面又は外周面に形成されたテーパー面であるCFRP接着面が形成され、
前記金属部品の円筒部の内周面又は外周面に、前記CFRP接着面と実質的に同一テーパー角度のテーパー面である金属部品接着面が形成されており、
前記CFRP接着面と前記金属部品接着面とが隙間を置いて対向し、
前記隙間に1液性エポキシ接着剤を充填して、前記CFRP材接着面と前記金属部品接着面とが一体に接着されていることを特徴とする。
本発明2のCFRPパイプと金属部品の一体組立品は、本発明1のCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
前記金属部品は、前記金属部品の前記内周面が前記金属部品接着面であり、
中心部が前記CFRPパイプの内周孔に挿入される挿入部を備えていることを特徴とする
本発明1のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法は、本発明1又は2のCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
前記金属部品接着面に化学的表面処理を加えて、前記外周面テーパーに微細凹凸を形成する微細凹凸形成工程と、
前記CFRP接着面、及び/又は、前記金属部品接着面に1液性エポキシ接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記CFRP接着面に前記金属部品接着面を押圧し固定した状態で、150〜180℃の温度で加熱し前記1液性エポキシ接着剤を硬化する接着硬化工程とからなる。
本発明2のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法は、本発明1又は2のCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
前記加熱は、熱風乾燥機内で行うことを特徴とする。
本発明3のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法は、本発明3のCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
前記金属部品は、前記加熱のために通電して発熱するヒーターを収納するためのヒーター収納穴と、前記加熱時の温度を測定する温度測定素子を配置するための測定素子収納穴が形成されていることを特徴とする。
[本発明の接着方法の技術思想]
本発明の接着方法の技術思想は、接着剤層にボイドなどの欠陥を減少させるために、接着剤層を必要最小限の層厚に近づけることである。即ち、接着剤は接着面に十分に塗布するが、接着剤を加熱硬化させるときに、CFRPパイプの接着面と金属部品の接着面を互いに押し付けて(加圧)、両者の間の隙間(層厚)を可能な限り薄くして、その隙間を保ったまま硬化させる。接着剤層を必要最小限の層厚に近づけることであり、接着に関与しない余分な接着剤を接着面から押し出し(排出)、接着に事実上関与する接着剤量を減らす。接着剤量を減らせば当然ボイドが発生する確率が減少する。
多くの接着作業現場において、接着剤層の肉厚は薄ければ薄い方がよいとの考え方は一般的ではない。これはそれなりの理由があるからであるが、本発明に関しては、接着剤層の層厚が小さければ、当然ながらボイドの発生率は下がり、その接着力は前述したNAT理論、新NAT理論で得たデータそのものになるはずである。本発明は、例えば、直径10mm〜100mm程度の中空菅であるCFRPパイプの端部に、金属部品を一体に強固に接着するために、CFRPパイプと金属部品の双方の接着面に、テーパーを付けて密着し易くし、それを利用して接着剤の層厚を薄くし、その層厚を保持したまま加熱硬化する手法である。
従来、接着の実務、接着学において、接着剤層の厚さに関する各論は以下の理由によるものと本発明者等は認識している。即ち、接着剤による接着は、通常は異種材料間を相互に固着するための接着である。この両者間に線膨張率の差異がある場合、接着剤層の層厚が薄いと、温度変化による温度衝撃で接着剤層が破壊され易い。1液性エポキシ接着剤を接着のために硬化させる場合、一般的には150〜180℃に昇温させる。処がエポキシ接着剤の接着力
は、高温ほど弱く、接着硬化操作後の150℃付近から室温まで放冷される過程で破壊することさえある。この理由は、例えば、CFRPの線膨張率は、(0.4〜0.6)×10−5−1であり、金属部品にアルミ合金を使った場合、その線膨張率は、2.3×10−5−1であるから両者間の線膨張率の差は更に大きい。
それ故に、この両者を汎用の(耐熱性のない)1液性エポキシ接着剤で接着したとき、加熱硬化の操作後の放冷時に、線膨張率の違いによる収縮で接着剤層が破壊されることがある。このような場合、接着剤に高分子、軟質金属粉等のフィラーを多く含ませて自身を変形可能として破壊を逃れている。また、接着剤の層厚をある程度以上の厚さにして、接着面に生じる内部歪応力を、接着剤でより多く吸収させる対策が取られてきた。それ故、接着剤の層厚をできるだけ薄くする本発明では、線膨張率の違いによる温度変化から生じる接着剤層の破壊が生じないように、対策も考えておく必要がある。一つは前述したNAT理論、新NAT理論を適用することである。これらは接着力自体を本質的に強くするので、多少の問題点をカバーすることが出来る。そして接着剤には、耐熱性のある1液性エポキシ接着剤を使用することも同じ理由で好ましい。そして、最も本質的なことは、金属材としてその線膨張率がCFRPに近い物、例えば、最も近いのは純チタン、チタン合金等の金属を選ぶべきということである。
しかしながら、金属材としてアルミ合金を使用するときは、線膨張率差が大きい。それ故に、小型の接着対(試験片)を作り予備実験をしてみた。どの程度に小型のもので可能かは、大きさの異なる接着対を多数作り、温度衝撃試験機に1000〜3000サイクルかけ接着力が低下しない物は、どの大きさかを探し出さねばならない。これはCFRP、金属材の材質の違いによる剛性によっても決まる。即ち、CFRPパイプの肉厚が厚い場合、又は、接合すべき2枚のCFRP板状物の厚さが厚い場合は、CFRP側の剛性は高く、他方の金属材も材質、又は肉厚が厚い等の形状、肉厚等の違いによる剛性が高いとなれば、接着面において温度変化が起こす内部歪応力が大きくなるから、安定的に接着力を保つ接着面は、ごく小さいものにならざるを得ない。
逆に、金属材と、これに接合されるCFRPパイプの肉厚が薄い、又、接合すべきCFRP板が薄い物であるときは、金属材が線膨張率の高いアルミ合金材であっても、又、直径10mm以上の比較的大きな金属材でも、ある程度の接着面積は、恒久的な接着力を保てるということになる。要するに、双方の剛性が高ければ、温度変化で接合力が下がり、一方若しくは双方が、剛性が低いものであれば温度変化に耐え易い。当然だが、接着対が受ける温度変化(温度衝撃サイクル試験での高低温差)が大きいと、恒常的に高強度が保てる接着面は小さくなり、その温度変化が小さければこの接着面積は大きくなる。
本発明のCFRPパイプと金属部品の一体組立品とその接着方法は、テーパーに形成されたCFRP接着面と金属部品接着面で接着するので、接着剤層にボイド等の欠陥が少ない接着強度を得ることができた。また、使用する接着剤の使用量も少なくて済み、接着作業は容易である。大型のCFRPパイプと金属部品の一体組立品は、金属部品にヒーターを配置して、接着剤を加熱硬化させることもできる。その結果、作業性よく経済的で且つ、その接着力に再現性ある接着一体化物を得ることが出来る。
図1は、CFRPパイプの端部に金属部品を接着したときの断面図であり、図1(a)はCFRPパイプの端部の内周面を切削してテーパーにした例、図1(b)はCFRPパイプの端部を変形させてテーパーにした例である。 図2は、CFRPパイプの端部に金属部品を接着したときの断面図であり、CFRPパイプの外周面を接着面にした例である。 図3は、CFRPパイプ端部に金属部品を接着したときの試験片であり、接着剤層の層厚を1mmにした場合の例である。 図4は、CFRPパイプ端部に金属部品を接着したときの試験片であり、接着剤層の層厚を1mm程度にした場合の例で、接着剤を密封して加熱硬化させた例である。 図5は、NAT処理をしたときの金属表面の断面模式図である。 図6(a)〜(f)は、新NAT処理をした金属表面の断面の形状の模式図である。 図7は、CFRPパイプと金属部品(鋼材)を固着した構造例であり、図7(a)はCFRPパイプの端部のテーパーを示す断面図、図7(b)はCFRPパイプの端部に固着する金属部品の断面図である。 図8は、図7(a)のCFRPパイプと図7(b)の金属部品を接着して得た一体化物の断面形状である。 図9は、鋼材「SS400」片をNAT処理した物の電顕写真であり、図9(a)は1万倍、図9(b)は10万倍の写真である。 図10は、金属片同士の接着対(試験片)の形であり、せん断接着強さが測定できる接着対の形を示した立体外観図である。 図11は、接着強度測定試験に使用したCFRP片の形状を示した立体外観図である。 図12は、CFRP片と鋼材片の接着対(試験片)の形であり、引張り接着強さが測定できる接着対の立体外観図である。
[1.金属材]
本発明で使用できる金属材の材質は、公知のあらゆる実用的な金属、金属合金材が使用できる。但し、前述したNAT処理法、新NAT処理法が開発されていない金属合金種もある。それらについては、新たに表面処理法の開発が必要である。本発明者等が本発明に有効用いることを確認していない金属種は、純ニッケル、錫、鉛、金、銀、純鉄等である。これ以外のNAT処理法で確認したAl合金、Mg合金、ステンレス鋼、銅、チタン合金、一般鋼材、アルミ鍍金鋼板、亜鉛鍍金鋼板等は、少なくとも本発明の金属材として使用することができる。
[1−1.CFRPパイプと金属材の接着構造]
本発明の技術思想に沿って、市販されているCFRPパイプに、連結部品のような一般的な金属部品を接着した一体組立品の接着構造を完成した。即ち、CFRPパイプは、例えば、肉厚2mmで、外径16mmの細いパイプである。本実施の形態では、CFRPパイプとして、グライダー、ボート、車等のように、軽量化が求められている本体の骨格として用いられている、汎用の外径25mmのものを用いた。なお、CFRPパイプによる構造物の設計は、一般に曲げ荷重に対する耐潰れ性(断面係数)等を考慮すると、大径のものではなく、複数本を束ねたパイプ構造が好ましい。例えば、FFRPパイプの直径32mmの大径のものではなく、直径16mmのFFRPパイプを、4本並列に束ねて使用する構造である。以上のように、CFRPパイプと金属部品とを強固に接着できると、軽量化が要求される自動車等の移動機械用のフレーム等に適用可能である。このフレーム構造を、例えば、直径16mmのFFRPパイプを標準パイプ(標準要素)とし、これに締結部品である各種の金属部品を接着すれば、これを組み合わせれば、所望の各種構造の大型の構造物でも構築が可能となる。多種類の直径のFFRPパイプを用意することなく、自由なフレーム設計が可能となる。
図1(a)、図1(b)、及び図2は、CFRPパイプの端部に金属部品を接着したときの断面図である。図1(a)に示す連結構造の例では、CFRPパイプ2の端部の内周はテーパー孔7に形成されている。このテーパー孔7は、テーパーリーマ等で切削加工により形成される。また、このテーパー孔7に挿入される金属部品10の形状は、外周がテーパーに形成された挿入部11を有している。CFRPパイプ2のテーパー孔7は、挿入部11と同一のテーパーに形成されている。テーパー孔7に金属部品10の挿入部11が挿入されると、その挿入圧による分力で、接着剤層が加圧されるので層厚を薄くすることができる。図1(b)に示す連結構造の例では、CFRPパイプ2の端部のテーパー孔8は、CFRPパイプ2の製造時に、この端部の内孔を拡径させて形成したものである。図1(a)に示した連結構造と同様に、図1(b)の連結構造は、金属部品10の挿入部11の挿入圧の分力で、接着剤層が加圧されるので層厚を薄く、かつ均一にすることができる。
図2に示す連結構造は、CFRPパイプ2の端部の外周面がテーパー面9に形成されており、これと連結される金属部品15にはスリット状のテーパー溝16が形成されている。CFRPパイプ2と金属部品15は、金属部品15の挿入部11をCFRPパイプ2の内周面に挿入すると、CFRPパイプ2の外周面のテーパー面(接着面)9と、金属部品15のテーパー溝16が接着剤で固着される。図2に示す連結構造は、図1(a)及び図1(b)に示した連結構造と同様に、金属部品15のテーパー溝16とCFRPパイプ2の外周のテーパー面9との間の接着剤層が、加圧されるのでこの層厚を薄くすることができる。また、テーパー溝(接着面)16内に接着剤が閉じ込められるので、ボイドが生じ難い。なお、接着剤の加熱硬化時の接着剤の加圧は、CFRPパイプ2若しくは金属部品15、又は固定治具、錘等によって行う。
図7及び図8に示す連結構造は、図1(a)に示す接着構造のものと実質的に同一構造である。しかしながら、この接着構造は、この例では直径16mmのパイプであるが、大型構造物に使うことを想定したものである。図7(b)は、その金属部品20の断面図である。金属部品20は、CFRPパイプ2の外径が大きくて熱風乾燥機が加熱硬化のときに使用できないとき、接着剤を硬化させるとき、加熱を棒ヒーターで行うときに使用するものである。金属部品20の中心部に、棒ヒーター挿入用のヒーター穴21を開け、その近くに加熱時の温度を計測するための、熱電対(図示せず)挿入用の計測穴22が配置されている。ヒーター穴21は、金属部品20が150〜180℃まで棒ヒーター(図示せず)で昇温できる能力のものを用いる。ヒーター穴21は、短い時間と適性温度で加熱できる能力のものを、かつ最小径の棒ヒーターが挿入できる穴径である。ネジ穴23は、CFRPパイプ2と金属部品20を接着後、棒ヒーター及び熱電対を取り出し後、ビス(図示せず)で塞ぐためのネジ穴である。計測穴22は、その加熱温度を計測するために、極細の熱電対を挿入するための細穴である。接着部を棒ヒーターで加熱し、この加熱温度を計測穴22に挿入した熱電対で計測し、最適な加熱温度になるように棒ヒーターの発熱を制御する。
[1−2.各種金属とその化学的表面処理]
各種金属の表面処理は、接着力を大きくする意味で、NAT理論、新NAT理論に沿ったものが好ましい。仮に、NAT理論でいう2条件(前述の(1)及び(2))から外れた断面形状であっても、新NAT理論ではその表面の断面形状が、図6(a)〜(f)に示す形状であれば良い。その他に必要な金属側の条件は、前述したNAT理論の条件(3)となる。これらの具体例は、前述した特許文献2〜11に記載されているので、その詳細な説明は省略する。その化学的表面処理の標準的手順は、以下である。即ち、(i)脱脂、(ii)化学エッチング、(iii)微細エッチング、(iv)表面硬化、の4工程に依っている。基本的な考え方は、(ii)の化学エッチングで表面を整える(汚れや錆を除く)のと同時に、前述したNAT理論で要求する(1)のミクロンオーダー周期の粗面を先ず作成することであり、次に、(iii)の微細エッチングは、化学手法を駆使して、(2)の10〜300nm周期の微細凹凸面を作成することである。
これらの処理により、ミクロンオーダー粗面と数十nm周期の微細凹凸が成す2重凹凸面形状になり、その表面組成物も、NAT理論の条件(3)の金属酸化物、金属リン酸化物、又は鋼材中のセメンタイトのように、硬質でセラミック質と言える薄い表面硬化膜構造が自然に出来上がっている場合もある。その表面層が極めて薄い場合、又は湿気で早々に金属水酸化物(錆)になり易い場合には、その対応で(iv)の表面硬化工程を追加することがある。
[2.CFRP]
本発明で使用するCFRPは、特殊なものではなく市場で市販されている一般的なものである。このCFRPの製造は、この成形冶具内に、シート状のCFRPプリプレグの裁断品を積層して詰め込み固定し、そのままオートクレーブに入れて真空加熱して、マトリックス樹脂を溶融させ、更には加圧し昇温して、ボイドのない硬化物とするのが標準的な作成法である。この成形物の基本的な物性は、プリプレグに使用される炭素繊維(以下、「CF」という。)の種類、及び、プリプレグに使用されるマトリックス樹脂(熱硬化型エポキシ樹脂組成物)の種類によって異なる。
CFの種類、マトリックス樹脂の種類の双方は、本発明に使用する1液性エポキシ接着剤との関係で重要である。即ち、NAT処理済み金属片、新NAT処理済み金属片と、CFRP成形物とを1液性エポキシ接着剤で接着一体化した場合、その接着面ではなく、最も接着力の弱い部分は通常はCFRP成形物内にあり、具体的にはCFとマトリックス樹脂間の接着力が約40MPaで最も弱い。即ち、得られた金属CFRP一体化物に外力を、強引に加えて破断した場合、応力集中がCF繊維束部分にかかる場合には、金属部と接着剤硬化物層の間、又は接着剤硬化物層とマトリックス樹脂との間で破断しない。破断は、CFRP成形物内のCF繊維束群とそれに接着していたマトリックス樹脂の間で、最初の破断が生じ、これが連鎖して全破断に至る。
要するに、このような場合、CFとマトリックス樹脂間の接着強度を上げるしかなく、CFが最新型の引っ張り強度が6GPaレベルの物の場合には、繊維断面が真円に近く、且つその側面も非常に円滑なので、繊維容積当たりの表面積は最小であり、前述した40MPaが、複合体の破断強度そのものになってしまう。それ故に、マトリックス樹脂とCF間の接着力を上げるには、旧型のCF、即ち、引っ張り強度が3GPaレベルのCFを使うことで、CF表面積を増加させる手法をとることが可能である。旧型CFは繊維断面形状が、楕円形や瓢箪型等で真円形から外れている上に、側面に小突起や凹部や縦筋のあることが多くマトリックス樹脂との接着力を見かけで60MPaレベルに上げることが出来る。
これらのことは次の2点を示唆している。即ち、CF束やCFクロスの作る面、具体的にはプリプレグシートの積層面に応力集中がかかる場合は、前述した40MPa、60MPaの強度が、そのまま金属部とCFRP部間の接着力に現れる。しかしながら、それと異なって積層面に対して直角な面に応力集中がかかる場合は、金属部品と接着剤硬化物との間の接着力か、又は、接着剤硬化物層とマトリックス樹脂相間、の接着力の何れか弱い方で最初の破断が生じることになり、CFの種類は直接的には関係しない。そして、このようなCFRP側の設計方針の場合、金属側は、好ましくは本発明で推奨する図6(a)〜(f)に示したような、接着強を最高にするために最善の表面微細凹凸形状とする処理法で処理した物を使用する意味がある。
[2−1.CFRPのマトリックス樹脂]
一方、本発明のCFRPのマトリックス樹脂は、熱硬化型エポキシ樹脂である。この熱硬化型エポキシ樹脂は、大別して2種類あり、通常のCFRPでは本発明で使用する1液性エポキシ接着剤とほぼ同じ組成物が使用する。その多くはジシアンジアミド硬化型のエポキシ樹脂組成物であり、低温ではジシアンジアミドがエポキシ樹脂群に溶解せぬこともあって殆ど反応せず、150℃程度に昇温することで溶け込み、重合開始剤のように働いて硬化反応が進むタイプである。使用されるエポキシ樹脂の主成分が分子量の低い物、即ち室温環境下では、やや粘度ある液状物にて作成された樹脂組成物は粘性ある液状物となり、CF束、CFクロスを含ませたプリプレグもべた付いたシート状物となる。このタイプのプリプレグから作成したCFRPは、その耐熱物性が100℃、改良された物でも150℃までとされる。即ち、エポキシ樹脂分内の組成を色々変化させることで耐熱性を上げることもできるがそれも150℃が限界という意味である。
これは1液性エポキシ接着剤の耐熱性能と全く同じであって、硬化物における重合架橋度をかなり上昇させて、引っ張り強度、せん断強度を上げる方向に改良したとしても樹脂としての限界がある。これら以上に耐熱性ある熱硬化型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と芳香族ジアミン化合物の交互重合物である。即ち、エポキシ樹脂と芳香族ジアミンのほぼ等モル比の混合組成物を使用する。硬化温度は、前者と似たようなものだが、この硬化物の耐熱性は200℃程度になる。航空機組立で言えば、エンジン周辺のCFRPはこのタイプのマトリックス樹脂使用のプリプレグから作成するとされる。このマトリックス樹脂の製造に当たっては、大量の芳香族ジアミンを使用することと、芳香族ジアミンは常温下で固体である物が殆どであることから、その混合作業は加熱ロール等で芳香族ジアミンを溶融しつつエポキシ樹脂と混ぜ合わせることとなり、且つ、冷えると混合組成物は固体化する。それ故にCFRPプリプレグシートも、べた付きのない固体シートとなる。逆に言えば、プリプレグを入手した時点でそのべた付き加減を見て通常型か耐熱型かが確認出来る。
要するに、本発明において最終品の使用温度域をまず予想し、常温域での使用だけを条件としてよい場合、使用するCFRPやCFRPプリプレグは前記の通常型(汎用型)でよいし、使用する1液性エポキシ接着剤も市販の汎用型品を使用することで十分である。一方、最高150℃付近になる可能性のある製品に用いるものの場合、汎用性のものは使用できないが、このCFRPに使用するマトリックス樹脂は、プリプレグの当業者であれば製造方法を変更して所望の仕様のものを作成できる。一方、その場合の1液性エポキシ接着剤としては、後述するような僅かな種類だが硬化物の引っ張り強度(150℃下)が35MPa程度ある耐熱型接着剤も存在する。ただし、環境温度が200℃下においても、十分な強度保持が出来る金属樹脂複合体を作成したいとの場合は、残念ながら本発明は有効でない。即ち、1液性エポキシ接着剤にそのような耐熱仕様のある物は現在のところ、本発明者等は知らない。
[2−2.CFRP製パイプ材]
本発明で使用するCFRP製パイプは、特殊なものではなく市販されているものを用いる。CFRP製パイプは、例えば、日本国内でも数社の専門メーカーがあり、種々の径(外径、内径)のCFRP製パイプが市販されており、これらのものを好ましく使用できる。CFRPパイプのマトリックス樹脂は、前述した熱硬化型エポキシ樹脂を本発明では支障なく使用できる。
[3.液性エポキシ接着剤]
日本国及び日本国外において、1液性エポキシ接着剤が多数市販されている。本発明に用いる1液性エポキシ接着剤は、これらのほぼ全てが使用できる。NAT処理された金属片、新NAT処理された金属片を、後述する接着手法を用いて接着(これを「NAT接着法」と称する。)した接着対(試験片、図10参照)を引っ張り破断させて、その接着対のせん断接着強度を測定した。この試験により、常温下での接着力は、市販されている大半の接着剤で、60〜90MPaの範囲内に分布し、多くは70〜80MPaだった。要するに、常温下での接着力は、市販の1液性エポキシ接着剤の中で大差がなく、同一の接着剤を使用したとき、金属種、金属合金等のように金属の種類によらないことが判明した。なお、本発明者らが多用している1液加熱硬化形エポキシ系接着剤は、「EP106NL」(セメダイン株式会社(本社:日本国東京都)製)、「スコッチ・ウエルド『EW2040』」(スリーエムジャパン株式会社(本社:日本国東京都)製)であり、双方共にジシアンジアミド硬化型の物である。
なお、常温下の接着力のみならず、高温下、例えば環境温度が150℃下での接着力が重要な場合、前記「スコッチ・ウエルド『EW2040』」の使用が好ましい。即ち、NAT処理したA7075Al合金同士のNAT接着では、この接着剤を使うことで、環境温度が150℃下のせん断接着強さが35MPaを記録した。環境温度が150℃下の接合力が最高の接着剤は、市販していないが、本発明者等が調整し提案した1液性エポキシ接着剤(特許文献12、13参照)であり、45MPa程度を示した。
[4.接着剤の塗布操作]
過去提案したNAT接着法では、「染み込まし処理」という操作が必要だが、これは本発明でも同様である。「染み込まし処理」は、常温で粘度がある1液性エポキシ接着剤の粘度を意図的に下げ、金属表面上の超微細凹部にも接着剤が効果的に侵入するようにするための操作である。以下、この「染み込まし処理」の実験例を具体的に以下の2方法で示す。
[4−1.密閉容器を使用する方法]
金属片の必要個所に接着剤を塗り、この金属片を予め50〜70℃に加熱したデシケータに入れ、デシケータ内部を真空ポンプで減圧する。数分間減圧したら空気を入れて常圧に戻す。そして再び減圧にする、という減圧/常圧戻し操作を数回繰り返し、その後にデシケータから金属片を出す。元々糊状の接着剤は、一旦液状になったことを示す外観形状になっており、この接着剤付き金属片同士を接合してクリップ等で固定し、そのまま熱風乾燥機に入れて硬化工程とする。
[4−2.ケトン溶剤を使用する]
上記方法は、金属片が大型だと超大型バッグやオートクレーブが必要となり商業化が困難である。ケトン溶剤を使用する方法は、それ故に発案した方法である。ただし、使用する1液性エポキシ接着剤が、ジシアンジアミド硬化型の1液性エポキシ接着剤の場合しか使用できないものの非常に有効である。ただ、好都合なことに、市販の1液性エポキシ接着剤の殆どがジシアンジアミド硬化型であるから実際にはほぼ全使用できる(特許文献12、13)。具体的用法は以下の通りである。
先ず、1液性エポキシ接着剤に、少量のMIBK(メチルイソブチルケトン)を加えよく混合して低粘度懸濁液とする。金属片の必要個所に、前述した懸濁液を塗り、これを50〜60℃にした温風乾燥機に、約20分間入れて溶剤を完全に揮発させる。これがNAT理論でいう「(5)染み込まし処理」工程となる。本発明はこのMIBK使用の「染み込まし処理」を重視しているが、その理由は実用的である上に、染み込み具合は上述した「密閉容器を使用する方法」より確実なことによる。温風乾燥機から出した後、金属上の接着剤量が薄い少ないと感じたら元の接着剤を追加し厚塗りする。そして、接着剤付き金属片同士を接合しクリップ、錘等の固定治具で固定し、かつ加圧した状態で接着剤の層厚を可能な限り薄くし、そのまま熱風乾燥機に入れて硬化される、又は前述した棒ヒーターに通電して加熱して硬化させる。
[5.接着剤の硬化操作(棒ヒーター使用時)]
使用する棒ヒーターは、可能な限り細く、且つ、発熱部が短く発熱量も大きいものを用いた。具体的には、本試験では、シーズ径2.3mmφ、発熱部長さ20mm、最大発熱量10Wのものを用いた。それ故に、金属部に開ける穴径は最小で2.5mmφ、その穴深さは20mm以上とするのが好ましい。なお、実際の製品は、金属部の最小の大きさは、この穴を設けた上で強度的に支障ない設計にすべきである。更に言えば金属部の温度調節をする上で熱電対の挿入口を設けるべきであり、市販のシーズ型熱電対は、最も細い物で0.15mmφであり直径0.3mmφの穴を設ければ温度測定が可能である。
[6.本発明が更に出来ること、又、本発明の弱点とその克服方法]
[6.1 接着したリベット状物は再び抜くことが出来る]
1液性エポキシ接着剤は前述したように、常温下での最高接着力はせん断接着強さ、引っ張り接着強さ共に、約70〜100MPaと非常に高い。しかしながら、150℃の環境下で測定された最高接着力とみられる測定値は、発明者等が提案し作成した接着剤で(特許文献12、13)45MPa、市販品では35MPaに留まった。この熱物性を利用することを考えれば、本発明で得られた接着対のリベット状物を、約200℃まで昇温すれば、接着されたものであっても、僅かな衝撃力でリベット状物を穴から抜くことが可能ということである。この利点は本発明の接着面であるテーパー面に接着された金属部品が故に可能なことであり、再利用等のことを考慮すれば、分解性が高いことは利点とも言える。
[6.2 接着剤層厚の薄ことが来たす弱点、及びその対処案]
従来、接着剤の層厚を厚く設計して、金属とCFRPを接着する理由は前述した。本発明は接着剤の層厚を可能な限り薄くすることで、絶対的な接着力の確保に努めることを目指している。前述したように、本発明の技術思想が最も生かされるのが、熱膨張率の差が少ないCFRPとチタン合金の接着である。しかしながら、CFRPと接着したい金属片として、一般鋼材(線膨張率は、1.1×10−1−1付近)、ステンレス鋼(線膨張率は、(1.1〜1.6)×10−1−1)等もあるし、軽量なAl合金(線膨張率は、2.3×10−1−1)もある。
そこで、線膨張率差が大きく、且つ、受ける温度変化も大きい場合、そのような状況の中で、接着状態を長期に保つには一般に3つの方法がある。一つは弾性ある接着剤を使い、且つ適切な接着剤の層厚を想定して接着すること、二つは、一方の材料が厚く丈夫な物(剛性が大きい)ものであればもう一方の材料は薄く丈夫でない形状(剛性が低い)にすること、そして最後の一つは接着面を必要最小限の面積にすることである。本発明は、最初から接着剤の層厚を可能な限り薄くすべきとしているから、上述した3つの内の後の2点でカバーするしかない。
例えば、図1及び2に示した実施の形態では、CFRPパイプに金属製であるテーバーを有する金属部品を接着しているが、この想定の金属材は一般鋼材である。接着面はテーバーを有する円筒型であり、円筒径、円筒長さに関してはCFRPと鋼材間の線膨張率差が直接影響する。その意味で、本例では、平均円筒径13mm、円筒長さ15mmのCFRPパイプと、鋼材とを接着した一体化物が、規定した環境温度変化に耐えられるか否かということになる。即ち、金属側は明らかに剛性体であり、CFRPパイプの肉厚は、本例では1.25〜2mmであり、薄いとも厚いとも言えない中途半端なものである。結局、同様の試験片である接着対を多数作成し、数本を引っ張り破断して接着力を数値化し、他の接着対は温度衝撃サイクル試験機に数千サイクルかけた後に引っ張り破断してその変化をみるしかないと判断される。
本発明者が主張したいのは、純チタン、チタン合金以外の金属材料を使用して、前述したようなCFRPパイプと金属部品を接着し、その温度衝撃に関する耐久性を見て実用化する必要がある。このために、先ずは図7(a)に示した接着構造を有する細いパイプから試験を開始した。温度衝撃試験機に、インプットする最低温度と最高温度によっては、Al合金の種類を図7(b)に示した断面形状に形成した場合でも十分使用可能になる。そして要求される使用分野によっては、CFRP/金属材の一体化物の引っ張り強度が非常に高くて一体化物が1本では足りないという場合、太いCFRPパイプを使用するのではなく、この一体化物を2本、3本等と複数のものを並列にして、一体化した物を使用すべきである。これはCFRP材と接合すべき金属材が変われば、その温度衝撃レベルに応じた標準の形があり、この標準化されたものを機械設計技術により対応すると良い。要するに、大型構造物のフレームであっても、本例のような細いパイプを組み合わせて使用すれば実現できる。
以下、本発明を実施例によって説明する。
(a)SEM型の電子顕微鏡「S−4800」(株式会社日立製作所(本社:日本国東京都)製)、及び「JSM−6700F」(日本電子株式会社(本社:日本国東京都)製)を使用し、1〜2KVにて観察した。
(b)走査型プローブ顕微鏡観察
「SPM−9600」(株式会社島津製作所(本社:日本国東京都)製)を使用した。
[作成例1]
CFRPパイプの端部に、金属部品が接着され、CFRP製パイプと一体化した複合体(又は積層体)を想定した。この接着構造は、高強度の耐引っ張り強度、耐変形強度とする目的の構造に使えるような構造要素として想定した。本発明に沿ったテーパー付き金属部品を金属材とした、CFRPと金属材の複合体である。これを図7、図8に示した。
その製造法は、先ず外径16mmφ、内径12mmφのCFRPパイプを市場から入手した。その一方で、1/20のテーパー持つリーマーを機械加工で作成した。そして作成したリーマーを使用して、図7(a)に示すように、テーパー付き開口部を有するCFRPパイプ2とした。リーマー加工後は、削り面を#1000サンドペーパーで研磨し、これを超音波振動付きの脱脂槽(アルミ用脱脂材を10%含む60℃温水槽)に、5分間浸漬した後、これを水道水でよく洗浄した後、室内放置して乾燥した。
一方、一般構造用圧延鋼材(SS400)ブロックから、機械加工して図7(b)に示した金属部品20を得た。この金属部品20の作成と同時に、同一素材で45mm×15mm×3mmの鋼材小片を数個作成した(図10、12参照)。そして金属部品20と前記小片の双方を後述する作成例2に示した表面処理を行った。作成例2に示した表面処理法は、前述したNAT処理法に含まれたものである。
一方、市場から前述の1液性エポキシ接着剤である「スコッチ・ウエルド『EW2040』」を入手した。紙コップに、その数gを取り、同重量のMIBK(メチルイソブチルケトン)を加えて、これをよく混合攪拌して、低粘度の懸濁液を得た。この懸濁液を筆先に取り、前述のCFRPパイプ2の内周面であるテーパー部分と金属部品20のテーパー面に塗った。CFRPパイプ2の塗布部は送風機で風を送って溶剤MIBKを揮発させ、金属部品20側は55℃とした温風乾燥機に20分ほど入れて溶剤を揮発させた。双方が揃った後に、金属部品20の方だけはそのテーパー部に、上記の「EW2040」である接着剤を箸先で重ね塗りした。
そして、金属部品20のテーパーを、CFRPパイプ2のテーパーに押し込み、溢れ出る接着剤には構わず奥まで入れ、その状態のままテフロンテープを何重にも巻いて固定した。更に、金属部品20が上部になるように、CFRPパイプ2を治具使って垂直に立て、かつ錘を金属部品20に引っかけて、金属部品20がCFRPパイプ2に押し付けられる形にした。即ち、この押し付けは、両接着層を互いに加圧した状態で加熱硬化させるためである。そして、棒ヒーター(直径2.3mm、加熱部長さ20mm(図示せず))、及び熱電対(シーズ部外径0.7mm以下(図示せず))を各穴に差し込み、通電して加熱した。この加熱は、160℃で30分間行った。これを放冷後、ヒーター、熱電対、及び錘を取り除いて、テフロンテープを剥がして、図8に示す形状の物を得た。はみ出した接着剤硬化物25は、回転砥石で切除した。CFRPパイプ2の内部にも、はみ出した接着剤硬化物26が観察された。
[作成例2]
作成例1で使用した鋼材の表面処理法について記す。先ず、脱脂槽に、アルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」10%を含む水溶液を60℃の脱脂液を入れた。この脱脂槽に、鋼材片を5分間浸漬した後、これを水道水(群馬県太田市)で水洗した。次いで別の槽に、40℃とした1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液を用意し、これに鋼材片を1分間浸漬した後、これを水洗した。次いで別の槽に、65℃とした1%濃度の1水素2弗化アンモンと5%濃度の硫酸を含む水溶液を用意し、これに鋼材片を1分間浸漬した後、これを水洗した。次いで別の槽に、1%濃度のアンモニア水を用意し、これに鋼材片を1分浸漬した後、これを水洗した。次いで、45℃とした2%濃度の過マンガン酸カリと1%濃度の酢酸と、0.5%濃度の水和酢酸ソーダを含む水溶液を用意し、これに1分間浸漬した後、これを水洗した。これらを80℃に設定した温風乾燥機に15分間入れて乾燥した。
作成例1で作成した45mm×15mm×3mmの功罪の小片を、上記の方法で液処理し乾燥したものを電子顕微鏡で観察した。この電子顕微鏡による表面写真を、図9(a)に1万倍、図9(b)に10万倍の写真を示す。
[参考実験例1]
作成例1で得たSS400片の表面処理物同士を、図10に示す接着試験片を用いて、前述した1液性エポキシ接着剤「EW2040」で、記述したNAT接着法により接着した(接着操作は作成例1に準じて作成した。)。この鋼材片同士のせん断接着強さを、図10に示す試験片を引っ張り試験機にかけることで測定した。この結果、4つの接着対の平均で、75MPaだった。
[参考実験例2]
CF含量が、40〜50%とみられる45mm×15mm×3mm(厚)のCFRP片多数を、東レ株式会社(本社:日本国東京都)より入手した(2010〜2011年頃)。その半分は、前述した同社旧型CFを使用して作成されたものであり、CFの正確なグレード名は不明であるが、引張り強度3.5GPaの「トレカT300(東レ株式会社)」だと推定される。これらCFRP片のマトリックス樹脂に使われたエポキシ樹脂は、東レ株式会社のカタログの樹脂No.「2500」か「2580」と推定される。何れも耐熱グレードではなく、プリプレグのマトリックス樹脂組成は、1液性エポキシ接着剤に近いものとみられた。要するに、CFRP自体が100〜120℃を、使用温度域の最高温度とされる常用型のCFRP片だった。
又、このCFRP片の外観形状は、45mm×15mmの平面状に集束した繊維束含むプリプレグ層が11枚重なった形状(図11参照)をしており、厚い層が中央にあり薄い層5層がその上下にある形だった。このグレード名の45mm×15mm面の端面4mmの部分を、#600サンドペーパーで強く研磨し、炭素繊維の一部が露出するまで削り込んだ。これらを超音波洗浄できる脱脂槽に、アルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社製)」10%を含む水溶液を60℃に保って入れた、この脱脂槽に、上記CFRP片を5分間浸漬した後、これを更に水道水(群馬県太田市)にてよく水洗した。その後は、作成例1と同様に、このCFRP片と参考実験例1と同様に処理されたSS400鋼片を、一液性エポキシ接着剤「EW2040」(スリーエム ジャパン株式会社(本社:日本国東京都))で接着して、既述したNAT接着法により、図10に示す接着対を得た。
このCFRP片と鋼材片の接着対の引っ張り試験機によって測定したせん断接着強さは、4つの接着対の平均で41MPaだった。その破断面跡を観察すると、金属片側にCF屑が付着しており、破断はCFRP片内で生じたことが分かった。
[参考実験例3]
前記と同じCFRP片(図11)と、前述の鋼材片の接着対における「引張り接着強さの測定を図12に示す形の接着対で行った。但し、接着前にCFRP片も、鋼材片もその端面を、フライス盤で、正確な平面に削り取った後で処理した(即ち、CFRP片は脱脂水洗と乾燥、鋼材片は作成例2に記載の液処理を行った)。前述した「EW2040」を使用してのNAT接着を行って、図12に示す接着対のものを得て、この5つ接着対を引っ張り破断した。得られた引張り接着強さの平均値は、62MPaであり、その金属側の破断面跡にCF屑の付着はなかった。この接着力は接着剤硬化物と(炭素繊維端が混ざった)マトリックス樹脂の間の接着力が現れたものとみられる。
ここで得た引張り接着強さ62MPaと、前述の試験で得たせん断接着強さ41MPaの違いについてだが、引張り接着強さもせん断接着強さも同レベルの接着力だと決めつけてみれば、マトリックス樹脂とCF間の接着力は40MPa付近であり、マトリックス樹脂と接着剤間の接着力は60MPa台であり、接着剤とNAT処理金属間の接着力が70MPa台であると推定される。これらの接着力は、全て接着剤層の層厚が、0.1mm台のごく薄い物で得られており、図8に示したCFRPパイプ2と金属部品20間の接着力は全てCFRPパイプ2側の特性(マトリックス樹脂内のCFクロスの編み方(繊維束の並び方向)が、リーマー削りでどのように露出しているか等)だけで決まることが分かる。
何れにしても、接着力は、40〜60MPaの間の数値であり、図8に示したCFRPパイプ2と金属部品20の接着の場合、CFRPパイプ2から金属部品20を引き抜く力を算出しようとすれば、この引き抜き抵抗力は、厳密にはテーパーの角度によって異なるが、角度が緩いテーパーであるから、ほぼ接着面のせん断接着強さに依存する。CFRPパイプ2の端面の接着部は、引張り接着強さに寄与することが推定され、これらの合力が引き抜き抵抗力となる。なお、CFRPパイプ2の内部にはみ出した接着剤硬化物26は、引き抜き抵抗力に寄与する。

Claims (5)

  1. CFRPパイプの端部に、金属部品を接合したCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
    前記CFRPパイプの端部の内周面又は外周面に形成されたテーパー面であるCFRP接着面が形成され、
    前記金属部品の円筒部の内周面又は外周面に、前記CFRP接着面と実質的に同一テーパー角度のテーパー面である金属部品接着面が形成されており、
    前記CFRP接着面と前記金属部品接着面とが隙間を置いて対向し、
    前記隙間に1液性エポキシ接着剤を充填して、前記CFRP材接着面と前記金属部品接着面とが一体に接着されている
    ことを特徴とするCFRPパイプと金属部品の一体組立品。
  2. 請求項1に記載のCFRPパイプと金属部品の一体組立品において、
    前記金属部品は、前記金属部品の前記内周面が前記金属部品接着面であり、
    中心部が前記CFRPパイプの内周孔に挿入される挿入部を備えている
    ことを特徴とするCFRPパイプと金属部品の一体組立品
  3. 請求項1又は2に記載のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法であって、
    前記金属部品接着面に化学的表面処理を加えて、前記外周面テーパーに微細凹凸を形成する微細凹凸形成工程と、
    前記CFRP接着面、及び/又は、前記金属部品接着面に1液性エポキシ接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記CFRP接着面に前記金属部品接着面を押圧し固定した状態で、150〜180℃の温度で加熱し前記1液性エポキシ接着剤を硬化する接着硬化工程と
    からなるCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法。
  4. 請求項1又は2に記載のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法において、
    前記加熱は、熱風乾燥機内で行う
    ことを特徴とするCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法。
  5. 請求項3に記載のCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法において、
    前記金属部品は、前記加熱のために通電して発熱するヒーターを収納するためのヒーター収納穴と、前記加熱時の温度を測定する温度測定素子を配置するための測定素子収納穴が形成されている
    ことを特徴とするCFRPパイプと金属部品の一体組立品の接着方法。
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