JP2016221730A - 成形用金型、押出成形装置、押出成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した品質の成形品を製造できる、成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を提供する。【解決手段】成形用金型4は、熱で粘度が変化する材料1を練り上げた第一中間成形品1aを押出成形して第二中間成形品1bを製造するために使用する成形用金型であって、成形用金型4は、気体又は液体を、第二中間成形品1bと成形用金型4の成形品通過穴41の内壁面との間に噴出する流体噴出口45を備え、押出成形装置100は、押出器2と、成形用金型4によって成形された第二中間成形品1bを冷却する冷却器81と、冷却器81の下流側に備えられ、第二中間成形品1bを冷却した成形品1cを引き取る引き取り器82とを備える。【選択図】図1
Description
この発明は、成形用金型、押出成形装置、押出成形方法に関するものである。
成形形状が複雑な物を製造する押出成形においては、成形物の形状を安定させるため、押出用金型と成形用金型の2つの金型を利用している。まず、押出器により押し出された材料は、押出用金型により概ねの形状を成形され、さらに、下流にある成形用金型により所望の形状に成形される。
押出成形において利用する材料としては、材料の温度が高い場合に軟化し、材料の温度が低い場合に硬化する性質があるものを利用する。押出成形装置として、例えば、特許文献1に示すような装置が提案されている。当該装置では、外観が良好な成形体を成形するために、成形品から発生する揮発成分を吸引する吸引機構を備えている。
特許文献1に記載の押出成形装置では、成形用金型の温度が低いような場合に材料が成形用金型内で硬化し、成形用金型内部において成形品が詰まって、押出成形装置が途中で停止したり、あるいは、押出成形装置が故障もしくは破損する場合がある。また、そのような状態に至らなくても成形品が所望の形状とならない場合があった。そこで、これを防止するため成形用金型の温度を上げると、反対に、成形品が軟化し過ぎて所望の形状とならず、やはり成形品の品質が安定しないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、安定した品質の成形品を製造できる、成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を提供することを目的とする。
この発明に係る成形用金型は、
熱で粘度が変化する材料を練り上げた第一中間成形品を押出成形して第二中間成形品を製造するために使用する成形用金型であって、
前記成形用金型は、気体又は液体を、前記第二中間成形品と前記成形用金型の成形品通過穴の内壁面との間に噴出する流体噴出口を備えたものである。
熱で粘度が変化する材料を練り上げた第一中間成形品を押出成形して第二中間成形品を製造するために使用する成形用金型であって、
前記成形用金型は、気体又は液体を、前記第二中間成形品と前記成形用金型の成形品通過穴の内壁面との間に噴出する流体噴出口を備えたものである。
また、この発明に係る押出成形装置は、
上記成形用金型と、
前記材料を練り上げて前記第一中間成形品を下流側に押し出す押出器と、
前記成形用金型によって成形された前記第二中間成形品を冷却する冷却器と、
前記冷却器の前記下流側に備えられ、前記第二中間成形品を冷却した成形品を引き取る引き取り器とを備えたものである。
上記成形用金型と、
前記材料を練り上げて前記第一中間成形品を下流側に押し出す押出器と、
前記成形用金型によって成形された前記第二中間成形品を冷却する冷却器と、
前記冷却器の前記下流側に備えられ、前記第二中間成形品を冷却した成形品を引き取る引き取り器とを備えたものである。
また、この発明に係る押出成形方法は、
上記押出成形装置に前記成形用金型に供給する前記気体又は前記液体の温度を調整する温度調整器を備え、
前記材料を用いた押出成形開始時に前記気体又は前記液体の温度を定常運転時よりも高温に設定し、押出成形開始後に前記温度を下降させるものである。
上記押出成形装置に前記成形用金型に供給する前記気体又は前記液体の温度を調整する温度調整器を備え、
前記材料を用いた押出成形開始時に前記気体又は前記液体の温度を定常運転時よりも高温に設定し、押出成形開始後に前記温度を下降させるものである。
この発明に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法によれば、
成形用金型の成形品通過穴の中を通過する第二中間成形品の全周に渡って、第二中間成形品と成形用金型の成形品通過穴の内壁面との間に気体の層を形成でき、第二中間成形品と成形用金型との間の摩擦を低減することが可能となる。これにより、第二中間成形品が成形用金型内で詰まることを防止することもできる。
成形用金型の成形品通過穴の中を通過する第二中間成形品の全周に渡って、第二中間成形品と成形用金型の成形品通過穴の内壁面との間に気体の層を形成でき、第二中間成形品と成形用金型との間の摩擦を低減することが可能となる。これにより、第二中間成形品が成形用金型内で詰まることを防止することもできる。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて説明する。なお、本明細書中で「上流側」というときは、成形品が流れる方向の上手側をいう。また、「下流側」とは成形品が流れる方向の下手側をいう。
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係る押出成形装置100の全体概念図であり、押出成形装置100の上面図である。
図1(b)は、図1(a)の押出成形装置100の側面図である。
材料投入器6より投入された材料1は、押出器2へと導かれる。材料1は、加熱することによって柔らかくなる性質を持つものであれば、その素材や材質を問わない。代表的な物に、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂材料や、アルミニウムなどの金属材料等がある。
以下、本発明の実施の形態1に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて説明する。なお、本明細書中で「上流側」というときは、成形品が流れる方向の上手側をいう。また、「下流側」とは成形品が流れる方向の下手側をいう。
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係る押出成形装置100の全体概念図であり、押出成形装置100の上面図である。
図1(b)は、図1(a)の押出成形装置100の側面図である。
材料投入器6より投入された材料1は、押出器2へと導かれる。材料1は、加熱することによって柔らかくなる性質を持つものであれば、その素材や材質を問わない。代表的な物に、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂材料や、アルミニウムなどの金属材料等がある。
材料1は、押出器2内で加熱しながら練り上げられることで、材質が均一化される。その後、材料1は、押出器2から押出用金型3に導かれる。押出用金型3は、口金と呼ばれこともある。押出用金型3は、完成品である成形品1cの概略形状を有する第一中間成形品1aを形成するために使用される。
次に、押出用金型3で成形された第一中間成形品1aは、成形用金型4(サイジングダイとも言う)に導かれる。成形用金型4は、第一中間成形品1aに対して、さらに形状を安定化させる成形を加えて第二中間成形品1bを形成する。
成形用金型4から出た第二中間成形品1bは、冷却器81で冷却された後、引き取り器82にて引き取り、成形品1cとなる。冷却器81は、材料1や成形品1cの形状に応じて、水冷や空冷などの方法により、第二中間成形品1bを冷却する。
図2(a)は、成形品1cの搬送方向に垂直な断面を示す断面図である。
図2(b)は、成形品1cの側面図である。図2に示す成形品1cは、成形品の一例である。
成形品1cを押出成形する場合を例とし、本発明を説明する。成形品1cは、搬送方向に垂直な断面が、L字形状の多角柱である。
図2(b)は、成形品1cの側面図である。図2に示す成形品1cは、成形品の一例である。
成形品1cを押出成形する場合を例とし、本発明を説明する。成形品1cは、搬送方向に垂直な断面が、L字形状の多角柱である。
図3(a)、(b)は、押出成形装置100の成形用金型4の近傍の詳細を示す図である。
図3(a)は、図1に示す成形用金型4を図1のA−A方向からみた矢視図である。送風器71a、71bとの接続も記載している。
図3(b)は、成形用金型4の側面図である。図3(b)では、送風器71a、71b及び外部配管9は省略している。
図3(a)は、図1に示す成形用金型4を図1のA−A方向からみた矢視図である。送風器71a、71bとの接続も記載している。
図3(b)は、成形用金型4の側面図である。図3(b)では、送風器71a、71b及び外部配管9は省略している。
成形用金型4の気体流入口15a、15bは、外部の送風器71a、71bに、外部配管9を介して接続されている。気体流入口15a、15bは、成形用金型4の上面と下面に備えられている。また、成形用金型4は、気体流入口15a、15bに供給された気体を成形用金型4の内部を通して、成形品通過穴41の内壁面に設けた気体噴出口45(流体噴出口)から噴出させるために使用する金型内配管42を備える。
送風器71a、71bから気体流入口15a、15bを通じて第二中間成形品1bと、成形用金型4の成形品通過穴41の内壁面との間に噴出する気体の圧力は、気体が成形品と一緒に成形用金型4の外へ流出し、かつ成形品の形状が安定する圧力とする。この圧力は成形品1cの形状や材料1の素材によって変化する。気体の圧力がこの圧力よりも低いと、本発明の効果が得られない。一方、気体の圧力が高過ぎる場合も、成形品1cの形状が安定しない。
第二中間成形品1bと、成形用金型4の成形品通過穴41の内壁面との間に気体を噴出させるための気体噴出口45は、成形用金型4の横から見た図の搬送方向中央もしくは、中央よりも第二中間成形品1bが流れる方向(矢印B)の上流側(図3(b)では紙面左側)に構成するのが良い。
この発明の実施の形態1に係る成形用金型4、押出成形装置100、押出成形方法によれば、成形用金型4の成形品通過穴41の中を通過する第二中間成形品1bの全周に渡って、第二中間成形品1bと、成形用金型4の成形品通過穴41の内壁面との間に気体の層を形成でき、第二中間成形品1bと成形用金型4との間の摩擦を低減することが可能となる。これにより、第二中間成形品1bが成形用金型4内で詰まることを防止することができる。
なお、図1においては、成形品1cの材料が1種類の例を示しているが、2種類以上の材料を混合して成形する多色成形においても、本発明は適用可能である。
また、図1で示す押出成形装置100には、図示しない他の構成、例えば材料乾燥器や、材料搬送器、成形品切断器、成形品梱包器などを備えても良い。
また、図1で示す押出成形装置100には、図示しない他の構成、例えば材料乾燥器や、材料搬送器、成形品切断器、成形品梱包器などを備えても良い。
また、送風器71a、71bは、気体を送風する機能を有していれば良く、その方法は問わない。送風器71a、71bの例として、圧縮空気製造器等がある。また、図3では気体流入口15と送風器71をそれぞれ2個ずつ配置した構成としているが、それぞれ1個でも、またそれぞれ3個以上備えても良いし、また気体流入口15と送風器71の数が違う構成としても良い。
また、押出用金型は、更に複数の部品で構成された構成であっても良い。また、成形用金型4も複数の部品で構成された構成であっても良い。
また、押出用金型は、更に複数の部品で構成された構成であっても良い。また、成形用金型4も複数の部品で構成された構成であっても良い。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図4(a)、(b)は、押出成形装置200の成形用金型4近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当する。
図4(a)、(b)に示すように、押出成形装置200は、実施の形態1の構成に加えて、送風器71a、71bと気体流入口15a、15bとの間の外部配管9に、送風器71a、71bから供給される気体の温度を調整する温度調整器72a、72bを備えている。
以下、本発明の実施の形態2に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図4(a)、(b)は、押出成形装置200の成形用金型4近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当する。
図4(a)、(b)に示すように、押出成形装置200は、実施の形態1の構成に加えて、送風器71a、71bと気体流入口15a、15bとの間の外部配管9に、送風器71a、71bから供給される気体の温度を調整する温度調整器72a、72bを備えている。
なお、温度調整器72a、72bの一部もしくは全部の機能が送風器71a、71bに内蔵されていても良い。温度調整器72a、72bは、気体の温度を調整する機能があれば良く、その方法は限定しない。温度調整器72a、72bの例として、加熱ヒーター、ヒートポンプ式冷却器、ペルチェ式冷却器、ペルチェ式加熱器等がある。温度調整器72a、72bには、温度調整コントローラ73a、73bを接続する。温度調整コントローラ73a、73bは、温度調整器72a、72bを操作し、外部配管9の中を通過する気体の温度を一定のアルゴリズムに基づいて自動的に、もしくは手動で調整する機能を有する。
温度調整器72a、72bによって外部配管9を通過する気体の温度を高くし、気体流入口15a、15bから金型内配管42へ流入する気体温度を高くすると、成形品通過穴41を通過する第二中間成形品1bが柔らかくなり、第二中間成形品1bが、成形用金型4内で詰まることを、実施の形態1よりさらに抑制することが可能となる。一方、温度調整器72a、72bによって気体流入口15a、15bに流入する気体温度を低くすると、第二中間成形品1bを冷却することが可能となり、実施の形態1よりさらに第二中間成形品1bを正確な形状に成形することが可能となる。
図5は、押出成形装置200の立ち上げ工程を示すフローチャートである。
図6は、気体流入口15a、15bに流入する気体温度の変化の例を示す図である。
図5中で使用する「気体温度」は、図6における「気体温度」と同一である。図6において、横軸は時間を示し、縦軸は気体温度を示している。なお、図6における縦軸及び横軸の数値は一例である。温度や時間は、材料1の種類や成形品1cの形状、押出成形装置200の仕様によって変化させる必要がある。
図6は、気体流入口15a、15bに流入する気体温度の変化の例を示す図である。
図5中で使用する「気体温度」は、図6における「気体温度」と同一である。図6において、横軸は時間を示し、縦軸は気体温度を示している。なお、図6における縦軸及び横軸の数値は一例である。温度や時間は、材料1の種類や成形品1cの形状、押出成形装置200の仕様によって変化させる必要がある。
次に、押出成形装置200の立ち上げ工程を図5を用いて説明する。
ここで、第二中間成形品1bが柔らかくなる温度を120度、安定して第二中間成形品1bを成形するために必要な温度を30度とする。押出成形装置200の立ち上げ工程を開始すると(S001)、送風器71a、71bから供給される気体の温度が120度になるように(図6参照)、温度調整器72a、72bにより気体温度を上昇させる(S002)。気体温度が適正値か否かを判定(S003)し、適正値となるまで、温度を上昇させる。気体温度が120度となると(S003−はい)、押出器2から第一中間成形品1aを押し出す(S004)。
ここで、第二中間成形品1bが柔らかくなる温度を120度、安定して第二中間成形品1bを成形するために必要な温度を30度とする。押出成形装置200の立ち上げ工程を開始すると(S001)、送風器71a、71bから供給される気体の温度が120度になるように(図6参照)、温度調整器72a、72bにより気体温度を上昇させる(S002)。気体温度が適正値か否かを判定(S003)し、適正値となるまで、温度を上昇させる。気体温度が120度となると(S003−はい)、押出器2から第一中間成形品1aを押し出す(S004)。
このとき、最初は成形用金型4の温度が高いため、第二中間成形品1bの形状は安定しないが、成形用金型4で詰まることなく成形が可能となる。この状態で、形状の安定しない第二中間成形品1bの先端を冷却器81に通し、更に、第二中間成形品1bを引き取り器82に通した後(S005)、成形用金型4の気体温度が30度まで低下するように気体温度を下降させる(図6参照、S006)。この結果、第二中間成形品1bの形状が安定すると(S008)、押出成形立ち上げ作業を終了し(S009)定常運転に移行する。
気体温度を下げる過程(S006)において、第二中間成形品1bが、成形用金型4内において詰まった場合は(S007−はい)、押出成形条件を変更し(S010)、再度、気体温度が高い状態より開始する。ここで述べた押出成形条件とは、押出器2の樹脂押出速度や押出器2から押し出される樹脂の温度、材料1に含有される水分量や環境温度、環境湿度などである。
この発明の実施の形態2に係る成形用金型4、押出成形装置200、押出成形方法によれば、送風器71a、71bから成形用金型4内に噴射する気体の温度を制御して押出成形装置の立ち上げ工程を実行することにより、押出成形装置の立ち上げ直後に発生しやすい成形用金型4内での第二中間成形品1bの詰まりを効果的に防止することができる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図7(a)、(b)は、押出成形装置300の成形用金型4近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当する。
以下、本発明の実施の形態3に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図7(a)、(b)は、押出成形装置300の成形用金型4近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当する。
図に示すように、成形用金型4は、力検出器43を介して成形用金型台44に取り付けられている。力検出器43は、押出成形工程において、成形用金型4に対して第二中間成形品1bの搬送方向にかかる力を測定する。力検出器43は、第二中間成形品1bが、成形用金型4の成形品通過穴41を通過する際に、第二中間成形品1bと成形品通過穴41との間に生じる摩擦もしくは粘着力もしくはそれらの両方により発生する力を検出する機能を有する装置であれば、その測定原理は限定しない。力検出器43の例として、ロードセル型検出器、ばね型検出器、静電容量変化による検出器等がある。
図8は、力検出器の他の例を示す図である。
力検出器43と成形用金型4の位置関係は、図7で示す位置以外でも良く、例えば、図8に示すように、成形用金型台44bと成形用金型4の間に力検出器43bを挟む構成としてもよく、第二中間成形品1bが成形品通過穴41を通過する際に、第二中間成形品1bと成形品通過穴41との間に生じる摩擦もしくは粘着力もしくはそれらの両方により発生する力を検出できれば、測定位置は限定しない。
力検出器43と成形用金型4の位置関係は、図7で示す位置以外でも良く、例えば、図8に示すように、成形用金型台44bと成形用金型4の間に力検出器43bを挟む構成としてもよく、第二中間成形品1bが成形品通過穴41を通過する際に、第二中間成形品1bと成形品通過穴41との間に生じる摩擦もしくは粘着力もしくはそれらの両方により発生する力を検出できれば、測定位置は限定しない。
この発明の実施の形態3に係る成形用金型4、押出成形装置300、押出成形方法によれば、力検出器43で測定した力が、事前に設定した値を超えた場合、もしくは力検出器43で測定した力の時間微分の値が、事前に設定した値を超えた場合、もしくは力検出器43で測定した力の時間のn階微分値が、事前に設定した値を超えた場合、もしくはこれらの組み合わせによる条件に該当する場合に、第二中間成形品1bの成形用金型4内での詰まりを予測し、温度調整コントローラ73a、73bにより外部配管9を通過する気体温度を高くし、これらの事象を解消する。当該事象が完全に解消した場合は、再度温度調整コントローラ73a、73bにより外部配管9を通過する気体温度を低くして、第二中間成形品1bの成形用金型4内での移動を促進し、第二中間成形品1bを正確な形状に成形することが可能となる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9(a)、(b)は、押出成形装置400の成形用金型404近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当するが、図(a)と図(b)の配置は、左右が逆である。また、図9(b)では、気体噴出具415を省略している。
以下、本発明の実施の形態4に係る成形用金型、押出成形装置、押出成形方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9(a)、(b)は、押出成形装置400の成形用金型404近傍の詳細を示す図である。
実施の形態1の図3(a)、(b)に相当するが、図(a)と図(b)の配置は、左右が逆である。また、図9(b)では、気体噴出具415を省略している。
図9に示すように、本実施の形態では、成形用金型404内に第二中間成形品1bの移動方向と同一方向へ気体を噴出させる構成としている。
図10は、図9に示す気体噴出具415の矢印C−Cにおける断面図である。成形用金型404は、搬送方向の上流側端部に気体噴出具415を備える。気体噴出具415は、押出成形用金型404の成形品通過穴441と同形状の開口部Kを有する。そしてこの開口部Kの周りに無数の気体噴出口445を備える。また、成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面に、下流側に向かって成形品通過穴441の内径が小さくなる段部Dを設ける。
この段部D部分を用いて、成形品通過穴441を通過する第二中間成形品1bの流れに沿って、気体を成形用金型404内へ噴出することで、第二中間成形品1bと成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面との摩擦を減らし、第二中間成形品1bの詰まりを防止する。送風器71から送られた気体は、外部配管9を通り、成形品通過穴441の上流側端部Tに取り付けた気体噴出具415(流体噴出具)から第二中間成形品1bと成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面との間に噴出される。
この発明の実施の形態4に係る成形用金型404、押出成形装置400、押出成形方法によれば、外部配管9から気体噴出具415に供給された気体を、気体噴出口445から成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面に沿って噴出させ、第二中間成形品1bと、成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面との間に均等に流入させることが可能となる。これにより、成形用金型404の内部を、上流側から下流側に向かって、第二中間成形品1bをスムーズに移動させることができる。また、成形用金型404及び気体噴出具415をこのような形状とすることで、成形用金型404の内部に配管を設ける必要がなく、成形用金型404の構成が単純になり、金型の製造コストを削減できる。
なお、第二中間成形品1bと成形用金型404の成形品通過穴441の内壁面との間に気体を流入させる機能があれば、穴の数や形状を図10の数及び形状に限定しないことは言うまでもない。
図11は、図10の構造に加えて、送風器71と気体噴出具415の間に温度調整器72をもうけた押出成形装置400aの構成を示す図である。押出成形装置をこのような構成としても良い。さらに、温度調整器72の一部もしくは全部の機能を送風器71に内蔵させても良い。また、温度調整器72の一部もしくは全部の機能を気体噴出具415に内蔵されても良い。
図11は、図10の構造に加えて、送風器71と気体噴出具415の間に温度調整器72をもうけた押出成形装置400aの構成を示す図である。押出成形装置をこのような構成としても良い。さらに、温度調整器72の一部もしくは全部の機能を送風器71に内蔵させても良い。また、温度調整器72の一部もしくは全部の機能を気体噴出具415に内蔵されても良い。
また、実施の形態1〜実施の形態4において、第二中間成形品1bと、成形用金型4、404の成形品通過穴41、441の内壁面との間に噴出する物質を気体ではなく液体としても良い。この場合、各実施の形態において、「送風器」は、「液体送出器」に、「気体流入口」は、「液体流入口」に、「気体噴出口」は、「流体噴出口」に、「気体噴出具」は、「液体噴出具」に読み替える。液体の例として、潤滑油がある。
液体は、気体に比べて外部圧力による体積変化が少ないため、噴出させる物質を液体とすることで、第二中間成形品1bが成形用金型4、404を通過する時に、成形用金型4、404から受ける力を均一にする効果がある。これにより、第二中間成形品1bの形状をより正確に成形することが可能となる。
さらに、一般に液体は気体に比べて熱伝導率が良いため、成形用金型4、404の温度を変化させた場合に、成形用金型4、404全体の温度が安定するまでにかかる時間を短縮することが可能となり、成形品1cの製造に必要なタクトタイムを短縮できる効果がある。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100,200,300,400,400a 押出成形装置、1 材料、
1a 第一中間成形品、1b 第二中間成形品、1c 成形品、
2 押出器、3 押出用金型、15,15a,15b 気体流入口、
415 気体噴出具、4,404 成形用金型、41,441 成形品通過穴、
42 金型内配管、43,43b 力検出器、44,44b 成形用金型台、
45,445 気体噴出口、6 材料投入器、81 冷却器、82 引き取り器、
9 外部配管、71,71a,71b 送風器、72,72a,72b 温度調整器、
73a,73b 温度調整コントローラ、D 段部、K 開口部。
1a 第一中間成形品、1b 第二中間成形品、1c 成形品、
2 押出器、3 押出用金型、15,15a,15b 気体流入口、
415 気体噴出具、4,404 成形用金型、41,441 成形品通過穴、
42 金型内配管、43,43b 力検出器、44,44b 成形用金型台、
45,445 気体噴出口、6 材料投入器、81 冷却器、82 引き取り器、
9 外部配管、71,71a,71b 送風器、72,72a,72b 温度調整器、
73a,73b 温度調整コントローラ、D 段部、K 開口部。
Claims (9)
- 熱で粘度が変化する材料を練り上げた第一中間成形品を押出成形して第二中間成形品を製造するために使用する成形用金型であって、
前記成形用金型は、気体又は液体を、前記第二中間成形品と前記成形用金型の成形品通過穴の内壁面との間に噴出する流体噴出口を備えた成形用金型。 - 前記流体噴出口は、前記内壁面に備えられ、前記成形用金型の内部に配設された金型内配管を通って前記気体又は前記液体が、前記流体噴出口に供給される請求項1に記載の成形用金型。
- 前記流体噴出口は、前記成形用金型の中央部より、前記第二中間成形品の搬送方向の上流側に設けられている請求項1又は請求項2に記載の成形用金型。
- 前記成形用金型の前記成形品通過穴の上流側の端部に、下流側に向かって前記気体又は前記液体を流入させる前記流体噴出口を有する流体噴出具を備えた請求項1に記載の成形用金型。
- 前記成形用金型は、前記内壁面に、前記下流側に向かって前記成形品通過穴の内径が小さくなる段部を備え、
前記流体噴出具の開口部の、前記第二中間成形品の搬送方向に垂直な断面形状は、前記成形品通過穴の前記成形用金型の、前記搬送方向に垂直な断面形状と同じである請求項4に記載の成形用金型。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形用金型と、
前記材料を練り上げて前記第一中間成形品を下流側に押し出す押出器と、
前記成形用金型によって成形された前記第二中間成形品を冷却する冷却器と、
前記冷却器の前記下流側に備えられ、前記第二中間成形品を冷却した成形品を引き取る引き取り器とを備えた押出成形装置。 - 前記成形用金型に対して、前記第二中間成形品の搬送方向にかかる力を計測する力検出器を備えた請求項6に記載の押出成形装置。
- 前記成形用金型に供給する前記気体又は前記液体の温度を調整する温度調整器を備えた請求項6又は請求項7に記載の押出成形装置。
- 請求項8に記載の押出成形装置を用いた押出成形方法において、
押出成形装置の立ち上げ操作において、前記材料を用いた押出成形開始時に前記気体又は前記液体の温度を定常運転時よりも高温に設定し、その後に前記温度を下降させる押出成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015108059A JP2016221730A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 成形用金型、押出成形装置、押出成形方法 |
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JP2015108059A JP2016221730A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 成形用金型、押出成形装置、押出成形方法 |
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JP2016221730A true JP2016221730A (ja) | 2016-12-28 |
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ID=57746858
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JP2015108059A Pending JP2016221730A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 成形用金型、押出成形装置、押出成形方法 |
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JP (1) | JP2016221730A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021074328A3 (de) * | 2019-10-15 | 2021-06-17 | Greiner Extrusion Group Gmbh | Extrusionsvorrichtung und extrusionsverfahren |
-
2015
- 2015-05-28 JP JP2015108059A patent/JP2016221730A/ja active Pending
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WO2021074328A3 (de) * | 2019-10-15 | 2021-06-17 | Greiner Extrusion Group Gmbh | Extrusionsvorrichtung und extrusionsverfahren |
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