JP2016221547A - アルミニウム合金ブレージングシート、フラックス組成物及びフラックス組成物塗布方法 - Google Patents

アルミニウム合金ブレージングシート、フラックス組成物及びフラックス組成物塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストでろう付性を高めることができるブレージングシートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるアルミニウム合金ブレージングシートであって、上記ろう材の一方の面に積層されるフラックス組成物からなるフラックス層を備え、上記フラックス組成物が、[A]KAlFを含むフラックス成分、及び[B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物を含有し、上記フラックス層における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金ブレージングシート、フラックス組成物及びフラックス組成物塗布方法に関する。
近年、環境問題に対する関心が高まっており、例えば自動車業界においても燃費向上等を目的とした軽量化が進んでいる。この軽量化のニーズに対応し、自動車用の熱交換器アルミニウム合金ブレージングシート(以下、ブレージングシートともいう)の薄肉化及び高強度化の検討が盛んに行われている。上記ブレージングシートとしては、犠性材(例えばAl−Zn系)、芯材(例えばAl−Si−Mn−Cu系)及びろう材(例えばAl−Si系)の順からなる三層構造を有するものが一般的であり、高強度化を図るべく上記芯材へマグネシウム(Mg)添加による高強度化の検討が進められている。
また、熱交換器等の組み立ての際のブレージングシートの接合には、フラックスろう付法が広く採用されている。このフラックスとはろう付性を高めるものであり、一般的にはKAlFを主成分として含むもの等が用いられている。
しかし、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材を備えるブレージングシートは、上記従来のフラックスを用いた場合、ろう付性を阻害するという不都合がある。この原因は、ろう付のための加熱時に、芯材中のマグネシウムがろう材表面へ拡散し、このマグネシウムとフラックス成分とが反応して高融点化合物(KMgF及びMgF等)が形成されることで、フラックス成分が消費され、フラックスによる酸化被膜除去作用が低下するためであるといわれている。このため、マグネシウム含有アルミニウム合金用のフラックス組成物の開発が自動車用の熱交換器等の軽量化を進めるために必要とされている。
このような中、マグネシウム含有アルミニウム合金を芯材とするブレージングシートのろう付性を向上させるフラックス組成物として、従来のフラックス成分に(1)CsFを添加したもの(特開昭61−162295号公報参照)や、(2)CaF、NaF又はLiFを添加したもの(特開昭61−99569号公報参照)が検討されている。
しかし、上記(1)のCsFが添加されたフラックス組成物は、Csが非常に高価であるため、大量生産等には不向きであり実用性が低い。一方、上記(2)のCaF等が添加されたフラックス組成物によれば、これらの化合物の添加によりフラックスが低融点化するためフラックスの流動性は向上する。しかし、このフラックス組成物においてもフラックスとマグネシウムとは従来どおり反応するため、ろう付性が十分には向上しない。また一般的には、フラックスの塗布量を増加させることでろう付性が高まることが知られているが、単純な塗布量の増加は高コスト化の要因となることから、低コストで優れたろう付を可能とするフラックスの開発が求められている。
特開昭61−162295号公報 特開昭61−99569号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、低コストでろう付性を高めることができるブレージングシート及びフラックス組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、マグネシウム含有アルミニウム合金のろう付性低下原因が、従来報告されているマグネシウムとフラックス成分(KAlF)とが反応し、マグネシウムを含む高融点化合物が形成されることだけではなく、ろう付性を向上させる低融点共晶組成物であるKAlFのフラックス組成物中の相対量が減少することもろう付性低下の一因であることに着目した。そこで、このKAlFのフラックス成分中の相対量を維持するため、フラックス成分に特定のフッ化物を特定量添加することで、ろう付性が改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるアルミニウム合金ブレージングシートであって、上記ろう材の一方の面に積層されるフラックス組成物からなるフラックス層を備え、上記フラックス組成物が、[A]KAlFを含むフラックス成分、及び[B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物を含有し、上記フラックス層における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下であることを特徴とする。
当該ブレージングシートは、[B]フッ化物を含有することから、この[B]フッ化物がろう付時に[A]フラックス成分のマグネシウムとの反応による組成変化を抑制する役割を果たし、KAlFの量が維持されると考えられる。さらに当該ブレージングシートでは、上記関係を満たすようにフラックス層に[B]フッ化物を添加することで、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持できるため、ろう付性が効果的に改善される。その結果、当該ブレージングシートは、低コストで高いろう付性を発揮することができる。
上記[B]フッ化物がAlFであるとよい。このように上記[B]フッ化物がAlFであることで、さらに効率的にKAlFの量が維持できると考えられる。
上記フラックス組成物が、上記[A]フラックス成分を含む粒子と、上記[B]フッ化物を含む粒子とを含有するとよい。このように[A]フラックス成分と[B]フッ化物とが、それぞれの別の粒子からなることで、[A]フラックス成分と[B]フッ化物との反応を抑えて、フラックス組成物の高融点化による流動性の悪化を抑制し易く、その結果、ろう付性をより向上できる。
上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)としては、5g/m以上が好ましい。上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量を上記範囲とすることで、KAlFのフラックス成分中の相対量の不足を抑えて、ろう付性がさらに向上できる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、表面にろう材が積層されたマグネシウム含有アルミニウム合金芯材のろう付用フラックス組成物であって、[A]KAlFを含むフラックス成分、及び[B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物を含有し、上記フラックス層における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下であることを特徴とする。
当該フラックス組成物は、上記関係を満たすようにフラックス層に[B]フッ化物を添加することで、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持することができ、ろう付性が効果的に改善される。その結果、当該フラックス組成物は、低コストで高いろう付性を発揮することができる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるアルミニウム合金ブレージングシートへのフラックス組成物塗布方法であって、フラックス組成物を上記ろう材の一方の面に塗布する工程を備え、上記フラックス組成物が、[A]KAlFを含むフラックス成分、及び[B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物を含有し、上記フラックス組成物塗布工程で、上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下となるように上記フラックス組成物を塗布することを特徴とする。
当該フラックス組成物塗布方法は、上記関係を満たすように[B]フッ化物フラックスをろう材へ塗布することにより、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持することができ、ろう付性が効果的に改善される。その結果、当該フラックス組成物塗布方法は、低コストで高いろう付性をブレージングシートに付与できる。
なお、「フラックス組成物の塗布量」とは、フラックス組成物の固形分質量(g)を塗布する面の面積(m)で除することで算出される値である。
以上説明したように、本発明のブレージングシート及びフラックス組成物は、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持できるため、低コストでろう付性を高めることができる。従って、本発明のブレージングシート又はフラックス組成物によりろう付された構造体は、高い強度と軽量化とを両立させることができ、例えば自動車の熱交換器等として用いることができる。
本発明の一実施形態のブレージングシートを示す模式的断面図 ブレージングシートのろう付性の評価方法を示す模式図 フッ化物の添加量X及びフラックス組成物の塗布量Yの積をブレージングシートの芯材のマグネシウム含有量Zで除した値(X×Y/Z)とフィレット形成長さLとの関係を示すグラフ 図1のブレージングシートとは異なる実施形態のブレージングシートを示す模式的断面図
以下、本発明のブレージングシート及びフラックス組成物の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
図1のブレージングシート1は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材2と、この芯材2の少なくとも一方の面に積層されるろう材であるろう材3と、このろう材3の一方の面に積層されるフラックス組成物からなるフラックス層4とを備える。
<芯材>
芯材2は、マグネシウムを含有したアルミニウム合金を主成分とする。マグネシウム含有アルミニウム合金は高強度であるため、このように芯材2にマグネシウム含有アルミニウム合金を用いることで、当該ブレージングシート1の軽量化が図れる。また、後述するフラックス組成物によりフラックス層4が形成されているため、このようにマグネシウム含有アルミニウム合金を用いても、優れたろう付性を発揮することができる。
上記芯材2の平均厚さとしては特に限定されない。
上記芯材2のマグネシウム含有量Zとしては、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%超がより好ましく、0.45質量%以上がさらに好ましい。また、上記芯材2のマグネシウム含有量Zの上限としては、1質量%が好ましく、0.8質量%がより好ましい。マグネシウム含有量が上記上限を超える場合、当該ブレージングシート1のろう付性が十分に発揮されないおそれがある。一方、マグネシウム含有量が上記下限未満である場合、当該ブレージングシート1の強度が不足するおそれがある。
なお、上記芯材2としては、マグネシウム以外の成分としてSi、Mn、Cu、Ti等を合計5質量%以下含有したものを用いてもよい。
<ろう材>
ろう材3の材質としては、特に限定されず、公知のろう材を用いることができる。中でも[A]フラックス成分の融点より約10〜100℃高い融点を有するものが好ましく、例えばAl−Si合金を挙げることができる。また、Si含有量が3質量部以上15質量部以下であるAl−Si合金がより好ましい。これらのAl−Si合金(ろう材)には、ZnやCuなどの他の成分が含有されていてもよい。
ろう材3の平均厚さのブレージングシート全厚に対する割合(クラッド率)としては特に限定されず、例えば3%以上40%以下することができる。
<フラックス層>
フラックス層4は、上記フラックス組成物から形成される層である。以下、当該フラックス組成物について詳説する。
フラックス層4を形成する当該フラックス組成物は、[A]KAlFを含むフラックス成分、及び[B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物を含有する。
当該フラックス組成物は、[B]フッ化物を含有することから、この[B]フッ化物がろう付時に[A]フラックス成分とマグネシウムとの反応による組成変化を抑制する役割を果たし、KAlFの量が維持されると考えられる。従って、当該フラックス組成物によればろう付性確保に必要なKAlFの減少を抑えることができ、低コストでろう付性を高めることができる。また、[B]フッ化物は、[A]フラックス成分によるろう付を阻害するものではない。以下、各成分について説明する。
[A]フラックス成分
[A]フラックス成分は、KAlFを含むろう付用フラックス成分であればよく、特に限定されるものではない。この[A]フラックス成分は、ろう付時の加熱昇温過程において、ろう材3の成分より先に溶融し、芯材表面の酸化膜を除去する機能を発揮する。
[A]フラックス成分は、KAlF以外の他の成分を含んでいてもよい。このKAlF以外の成分としては、特に限定されず、公知のフラックス成分に含まれるものを挙げることができる。この任意成分としては、例えばKF、KAlF、KAlF等の他のフッ化物や、K(AlF)(HO)等の水和物などを挙げることができる。上記他の成分の中で、例えばKAlF等は、ろう付加熱中にMgと反応してKAlFを形成し、このKAlFが[B]フッ化物と反応してKAlFを生成し、この結果ろう付性がさらに向上すると考えられる。また、KAlFがはじめから存在する場合も、これが[B]フッ化物と反応することで、KAlFを生成する効果が奏されると考えられる。このように必須成分としてのKAlF以外に他の成分が含まれていても、KAlFが生成又は存在する状態で[B]フッ化物を存在させることで、ろう付性がさらに向上すると考えられる。
[A]フラックス成分におけるKAlFの含有率の下限としては、特に限定されないが、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。
[A]フラックス成分の存在形態としては、特に限定されないが、[A]フラックス成分を含む粒子の状態が好ましく、[B]フッ化物を含まない粒子(例えば[A]フラックス成分のみからなる粒子)の状態がさらに好ましい。この粒子の形状は、特に限定されず、球形、不定形等が採用される。[A]フラックス成分と[B]フッ化物とを含む粒子を用いた場合、[B]フッ化物の存在によって[A]フラックス成分が高融点化する場合がある。そこで、[A]フラックス成分と[B]フッ化物とをそれぞれ別の粒子とすることで、[A]フラックス成分の高融点化を抑制することができ、その結果、ろう付性をさらに高めることができる。また、フラックス組成物が粒子の集合体となるため取り扱いが容易になる。
[A]フラックス成分の融点に対する当該フラックス組成物の融点の上昇の上限としては、15℃が好ましく、10℃がより好ましい。また、当該フラックス組成物の融点の上限としては、580℃が好ましく、570℃がより好ましい。このように当該フラックス組成物の高融点化を抑えることで、より高いろう付性を発揮することができる。なお、当該フラックス組成物の融点の下限としては、特に制限されないが、例えば520℃とすることができ、540℃が好ましい。
[B]フッ化物
[B]フッ化物は、第1族元素(水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウム)及び第2族元素(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウム)以外の元素を含み、K(カリウム)を含まないフッ化物であれば特に限定されない。ただし、[B]フッ化物としては、ろう付時にKAlFがマグネシウムと反応して消費されるAlF量を抑え、KAlFの量が維持できる成分であるとよいと考えられる。
上記[B]フッ化物としては、例えばAlF、CeF、BaF等を挙げることができる。これらの中でも、第13族元素(ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等)を含むフッ化物が好ましく、アルミニウムを含むフッ化物及び第13族元素のフッ化物がより好ましい。
また、上記フッ化物の中でもAlFが特に好ましい。AlFを用いることで、さらに効率的にKAlFの量が維持できる。なお、AlFは、水和物であってもよいが、無水物が好ましい。
[B]フッ化物の存在形態としては、特に限定されないが、[B]フッ化物を含む粒子の状態が好ましく、[A]フラックス成分を含まない粒子(例えば[B]フッ化物のみからなる粒子)の状態がさらに好ましい。この粒子の形状は、特に限定されず、球形、不定形等が採用される。上述したように[A]フラックス成分と[B]フッ化物とをそれぞれ別の粒子とすることで、[A]フラックス成分の高融点化を抑制することができ、ろう付性をさらに高めることができる。
[B]フッ化物の平均粒径dの下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。[B]フッ化物の平均粒径dが上記下限未満であると、当該フラックス組成物における固相率が上昇して流動性が低下するおそれがあるほか、粒子の製造が困難になるおそれがある。
当該ブレージングシート1は、上記フラックス層4における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材2のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値(X×Y/Z)が、50g/m以上800g/m以下である。
上記関係が成り立つメカニズムは十分には解明できていないが、以下のように推察される。ろう付時におけるフラックス組成物中のKAlFとマグネシウムとの反応式は、種々提唱されているが、フラックス成分とマグネシウムとの反応による生成物はMgF及びKMgFであり、KAlFがフラックス成分の組成変化による二次生成物であると仮定すると、下記式(1)で表されると考えられる(軽金属溶接、Vol.35,No.1(1997)、竹本らを参照)。
4KF+14AlF+21Mg→4KMgF+17MgF+14Al・・(1)
上記式(1)より、21molのMgに対し4molのKF及び14molのAlFが消費される。つまり、共にKAlFが分解して生成するKF及びAlFでは、AlFの方がKFに比べて10mol消費量が大きい。この消費量の差分に相当するAlFを補うために、[B]フッ化物を添加することで、上記式(1)で消費されるAlFの量が抑えられ、KAlFの量を維持できると考えられる。
上述の添加すべき[B]フッ化物の添加量Xについて検討する。まず、上記式(1)から消費されるKF及びAlFは、反応に関与するマグネシウム量に比例すると考えられ、このマグネシウム量は、芯材のマグネシウム含有量Zに比例すると考えられる。また、[B]フッ化物の添加量Xを過剰に添加すると、上記式(1)に寄与しないフッ化物が増加し、フラックス組成物におけるKAlFの相対量が低下するため、ろう付性が低下する。一方、フラックス組成物の塗布量Yが多くKAlFが多く存在する場合は、[B]フッ化物の添加量Xは少なくてよい。以上の検討から本発明者は、[B]フッ化物の添加量Xとフラックス組成物の塗布量Yとの積を芯材のマグネシウム含有量Zで除した値に着目した。
実際のろう付時には上記以外のKAlFの分解反応が生じる可能性があり、また添加した[B]フッ化物が全てKAlFの維持に寄与するとは限らない(他の物質と反応する可能性がある)ため、本発明者は上記考察に基づいて、上記X×Y/Zの最適範囲を確認すべく以下の試験を行った。まず、[A]フラックス成分及び[B]フッ化物としてAlFを純水に添加し、懸濁させることでフラックス組成物を得た。なお、[A]フラックス成分としては、KAlFを95質量%含む森田化学工業株式会社の「FL−7」を用いた。[B]AlFとしては、粒子状のものを用いた。
次に、マグネシウムを含有するアルミニウム合金(JIS合金番号3003)にさらにマグネシウムを0.58質量%以上1.02質量%以下添加した芯材用アルミニウム合金、及びSiを含有するアルミニウム合金(JIS合金番号4045)に対し、常法によって溶解と鋳造と均質化処理とを行い、芯材用鋳塊(芯材用部材)、及びろう材用鋳塊を得た。ろう材用鋳塊については、それぞれ所定の厚さに熱間圧延して、犠牲材用部材及びろう材用部材を得た。そして、芯材用部材の一面側にろう材用部材を重ね合わせ、熱間圧延により圧着して板材とした。その後、冷間圧延を行い、0.2mmの平均板厚のブレージングシート基材とした。さらに、ブレージングシート基材の表面(ろう材表面)に、得られた上記フラックス組成物を塗布して乾燥させることでフラックス層を形成し、ブレージングシートを得た。なお、このように懸濁状のフラックス組成物を塗布し、純水を乾燥除去することで、粉末状の各成分が均一に塗布できるようにした。また、フラックス組成物の塗布量Yは、塗布前及び塗布後のブレージングシートの質量の差分を塗布面積(0.0015m)で除し算出した。
上記ブレージングシートのろう付性を軽金属溶接構造協会規格(LWS T8801)に準じた方法で評価した。具体的な評価方法について図2を参照しつつ、以下に示す。まず下板101として、得られた各ブレージングシートをフラックス層を上面にして静置した。この下板101の上面に、上板102として、板厚1.0mmのA3003合金(母材)を立てて配置した。なお、下板101と上板102の一端との間にはSUS製の棒状(φ1mm)のスペーサー103を挟み、下板101と上板102の一端との間に隙間を設けた。また、下板101及び上板102の接触点とスペーサー103との距離は55mmとした。
上述の状態で間隙充填試験を実施した。具体的には露点−40℃、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下において600℃で5分加熱することで、下板101と上板102とのろう付を行った。室温から600℃までの平均昇温速度は50℃/minとした。そしてこのろう付加熱により形成されたフィレット104の長さ(フィレット形成長さL)を測定した。
[B]フッ化物の添加量X及びフラックス組成物の塗布量Yを変化させて上記試験を繰り返すことで、図3のグラフに示す上記X×Y/Zとフィレット形成長さLとの関係を得た。この図3のグラフからわかるように、上記X×Y/Zが50以上800以下の場合は、フィレット形成長さが著しく大きくろう付性がよい。逆に上記X×Y/Zが50未満又は800を超える場合、フィレット形成長さが10mm未満となるため、ろう付性が劣る。従って、上記X×Y/Zの最適範囲が50g/m以上800g/m以下であることが導出される。
なお、上記X×Y/Zの下限としては、100g/mがより好ましく、150g/mが更に好ましい。また、上記X×Y/Zの上限としては、600g/mがより好ましく、400g/mが更に好ましい。上記X×Y/Zが上記下限未満である場合、KAlFのフラックス成分中の相対量が十分に維持されず、ろう付性が低下するおそれがある。一方、上記X×Y/Zが上記上限を超える場合、上記[B]フッ化物の添加量Xが相対的に大きくなり、KAlFの生成に寄与しない[B]フッ化物が増加するため、ろう付性が低下するおそれがある。
上記[B]フッ化物の添加量Xの下限としては、2質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。また、上記[B]フッ化物の添加量Xの上限としては、50質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。上記[B]フッ化物の添加量Xが上記下限未満である場合、上記フラックス組成物の塗布量Yを増やす必要があり、ろう付のコストが上昇するおそれがある。一方、上記[B]フッ化物の添加量Xが上記上限を超える場合、KAlFのフラックス成分中の相対量が不足し、ろう付性が低下するおそれがある。
上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Yの下限としては、5g/mが好ましく、8g/mがより好ましい。上記塗布量Yが上記下限未満である場合、[A]フラックス成分が相対量が不足し、ろう付性が低下するおそれがある。
[C]その他成分
当該フラックス組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で[A]フラックス成分、[B]フッ化物以外の成分が含有されていてもよい。この成分としては、例えばNaF、LiF、CsF、CaF等の低融点化剤を挙げることができる。低融点化剤を含有させることで、[A]フラックス成分の高融点化を抑制し、ろう付性をより高めることができる。
当該ブレージングシート1のサイズは、特に限定されず、公知のサイズを適用することができる。例えば当該ブレージングシート1の厚さとしては、0.1mm以上2mm以下とすることができる。また、当該ブレージングシート1の製造方法も特に限定されず、公知の方法で製造することができる。
(本発明のブレージングシートの使用方法)
当該ブレージングシート1は、公知の方法で使用(ろう付)することができる。当該ブレージングシート1をろう付する際の加熱条件(温度、昇温速度、酸素濃度等)等としては、例えば次のような条件を挙げることができる。
ろう付時の加熱温度としては、芯材2のアルミニウム合金の融点より低くかつフラックスの融点より高い温度(例えば580℃以上615℃以下)とすることで、フラックス成分及びろう材3を溶融させて、ろう付を行うことができる。
また、ろう付時の加熱時間は特に限定はされないが、ろう付性を阻害するマグネシウムの拡散量を低減するためには拡散量が多くなる高温(450℃以上)の保持時間が長くなり過ぎない方が好ましい。このため、加熱時間は例えば20分以下程度である。
また、上記加熱の際は公知の環境条件とすればよく、好ましくは不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。この加熱の際の酸素濃度としては、酸化を抑制する観点から1000ppm以下が好ましく、400ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましい。また、この加熱の際の環境の露点としては、−35℃以下が好ましい。
(構造体)
当該ブレージングシート1から形成される構造体は、ろう付部分が強固に接合されている。従って、上記構造体は、マグネシウム含有アルミニウム合金を用いた構造体として高い強度と軽量化とを両立させることができる。
上記構造体としては具体的には、ラジエータ、エバポレータ、コンデンサ等の自動車用熱交換器等を挙げることができる。このような熱交換器は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金材(芯材)を備える当該ブレージングシート1が用いられていることで高強度化及び薄肉化が図られている。また、このような熱交換器は、当該ブレージングシート1のフラックス組成物によって、ろう付性に優れ、強固にろう付されている。
<利点>
当該ブレージングシート1は、[B]フッ化物を含有することから、この[B]フッ化物がろう付時に[A]フラックス成分のマグネシウムとの反応による組成変化を抑制する役割を果たし、KAlFの量が維持されると考えられる。さらに当該ブレージングシート1では、上記関係を満たすようにフラックス層4に[B]フッ化物を添加することで、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持できるため、ろう付性が効果的に改善される。その結果、当該ブレージングシート1は、低コストで高いろう付性を発揮することができる。
<フラックス組成物塗布方法>
次に本発明のフラックス組成物塗布方法の実施の形態について説明する。
当該フラックス組成物塗布方法は、マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるブレージングシートへのフラックス組成物塗布方法であって、フラックス組成物準備工程、フラックス組成物塗布工程及び分散媒乾燥除去工程を主に備える。
(フラックス組成物準備工程)
フラックス組成物準備工程では、フラックス組成物を製造する。上記フラックス組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば[A]フラックス成分、[B]フッ化物、及び必要に応じて[C]その他成分である低融点化剤等を分散媒に混合する方法が挙げられる。この時、[B]フッ化物は[A]フラックス成分100質量部に対する添加量が所望の値X(質量部)となるように添加する。また、上記分散媒成分としては、アルコール等の有機溶媒や水を用いることができるが、通常水が用いられる。
この混合の方法としては、例えば(1)それぞれ粉末状の成分を均一混合し、粉末状のフラックス組成物として得る方法、(2)それぞれ粉末状の各成分を混合してルツボ等で加熱溶融した後、冷却し固形状又は粉末状のフラックス組成物として得る方法、(3)それぞれ粉末状の各成分を水等の溶媒中に懸濁させペースト状又はスラリー状のフラックス組成物として得る方法などを挙げることができる。上述のように、[A]フラックス成分を含む粒子と[B]フッ化物を含む粒子とを含有させるためには、(1)及び(3)の方法が好ましい。
(フラックス組成物塗布工程)
フラックス組成物塗布工程では、上記フラックス組成物準備工程で得たフラックス組成物をマグネシウム含有アルミニウム合金芯材の少なくとも一方の面に積層されたろう材に塗布する。フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)は、上記芯材のマグネシウム含有量をZ(質量%)とするとき、X×Y/Zが50g/m以上800g/m以下となる塗布量とする。
フラックス組成物の塗布方法としては特に限定されないが、例えばスプレー等を用いて粉末状のフラックスをそのままろう材表面に塗布する方法や、スラリー状又はペースト状のフラックス組成物をろう材表面へ塗布、浸漬する方法等を挙げることができる。
(分散媒乾燥除去工程)
分散媒乾燥除去工程では、上記フラックス組成物塗布工程で塗布したフラックス組成物の分散媒を乾燥除去し、フラックス層を形成する。分散媒の乾燥除去方法としては特に限定されないが、例えば大気中で分散媒を自然乾燥させる方法を挙げることができる。
<利点>
当該フラックス組成物塗布方法は、上記関係を満たすように[B]フッ化物をろう材へ塗布することにより、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持することができ、芯材のろう付性が効果的に改善される。その結果、当該フラックス組成物塗布方法は、低コストで高いろう付性をブレージングシートに付与できる。
[その他の実施形態]
本発明のブレージングシートは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば当該ブレージングシートは、芯材とろう材との層構造として、ろう材/芯材/ろう材(三層両面ろう材)や、ろう材/芯材/中間層/ろう材(四層材)などの三層以上の構造を有していてもよい。
また、図4に示すブレージングシート11のように、芯材2の他方の面に積層され、芯材2より電位が卑な犠牲材5をさらに備えていてもよい。このように犠牲材5を備えることで、当該ブレージングシート11は耐食性に優れる。
上記犠牲材5の材質としては、芯材2より電位が卑であるものであれば特に限定されないが、例えばZn含有量が1質量%以上10質量%以下のAl−Zn系合金や、このAl−Zn合金にSiを0.5質量%以上1.1質量%以下、Mnを2.0質量%以下で添加したAl合金等を挙げることができる。
さらに本発明のフラックス組成物は、犠牲材の表面に積層することも可能である。そのため、ろう材が犠牲材であり、この犠牲材の表面にフラックス層が積層されたブレージングシートも本発明の意図する範囲内である。また、当該フラックス組成物を付着させるろう材としては、アルミニウム合金材であればろう材及び犠牲材に限定されない。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜9及び比較例1〜7]
まず、[A]フラックス成分及び[B]フッ化物としてAlFを純水に添加し、懸濁させることでフラックス組成物を得た。なお、[A]フラックス成分としては、KAlFを95質量%含む森田化学工業株式会社の「FL−7」を用いた。[B]AlFとしては、粒子状のものを用いた。また、[B]AlFは[A]フラックス成分100質量部に対する添加量Xが表1に示す値となるように添加した。
次に、マグネシウムを含有するアルミニウム合金(JIS合金番号3003)にさらにマグネシウムを0.58質量%以上1.02質量%以下添加した芯材用アルミニウム合金、及びSiを含有するアルミニウム合金(JIS合金番号4045)に対し、常法によって溶解と鋳造と均質化処理とを行い、芯材用鋳塊(芯材用部材)、及びろう材用鋳塊を得た。ろう材用鋳塊については、それぞれ所定の厚さに熱間圧延して、犠牲材用部材及びろう材用部材を得た。そして、芯材用部材の一面側にろう材用部材を重ね合わせ、熱間圧延により圧着して板材とした。その後、冷間圧延を行い、0.2mmの平均板厚のブレージングシート基材とした。さらに、ブレージングシート基材の表面(ろう材表面)に、得られた上記フラックス組成物を塗布して乾燥させることでフラックス層を形成し、ブレージングシートを得た。なお、このように懸濁状のフラックス組成物を塗布し、純水を乾燥除去することで、粉末状の各成分が均一に塗布できるようにした。また、フラックス組成物の塗布量Yは、塗布前及び塗布後のブレージングシートの質量の差分を塗布面積(0.0015m)で除し算出した。
[ろう付性の評価]
上記実施例1〜9及び比較例1〜7のブレージングシートのろう付性を軽金属溶接構造協会規格(LWS T8801)に準じた方法で評価した。具体的な評価方法について図2を参照しつつ、以下に示す。まず下板101として、得られた各ブレージングシートをフラックス層を上面にして静置した。この下板101の上面に、上板102として、板厚1.0mmのA3003合金(母材)を立てて配置した。なお、下板101と上板102の一端との間にはSUS製の棒状(φ1mm)のスペーサー103を挟み、下板101と上板102の一端との間に隙間を設けた。また、下板101及び上板102の接触点とスペーサーとの距離は55mmとした。
上述の状態で間隙充填試験を実施した。具体的には露点−40℃、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下において600℃で5分加熱することで、下板101と上板102とのろう付を行った。室温から600℃までの平均昇温速度は50℃/minとした。そしてこのろう付加熱により形成されたフィレット104の長さ(フィレット形成長さL)を測定した。実施例1〜9及び比較例1〜7について測定結果を表1に示す。
(ろう付性の評価基準)
A:フィレット形成長さが20mm以上であり、ろう付性が極めて優れる。
B:フィレット形成長さが14mm以上20mm未満であり、ろう付性が優れる。
C:フィレット形成長さが10mm以上14mm未満であり、ろう付性が良い。
D:フィレット形成長さが10mm未満であり、ろう付性が劣る。
Figure 2016221547
表1に示されるように、実施例1〜9のブレージングシートは、比較例1〜7のブレージングシートに比べフィレット形成長さLが大きい。実施例1〜9は、フッ化物添加量Xとフラックス組成物の塗布量Yとの積をマグネシウム含有量Zで除した値を50g/m以上800g/m以下としたことで、ろう付性に優れることが分かる。一方、比較例1〜7は、X×Y/Zが上記範囲内にないため、ろう付性が劣る。
さらに詳細に見ると、表1においてフラックス組成物の塗布量Yが5g/mである実施例1〜4を塗布量Yが3g/mである実施例8、9と比較すると、実施例1〜4のフィレット形成長さLは、実施例8、9のフィレット形成長さLより大きい。これにより、フラックス組成物の塗布量Yを5g/m以上とすることで、より高いろう付性が得られることが分かる。
また、表1においてフラックス組成物の塗布量Yが10g/mである実施例5〜7をフラックス組成物の塗布量Yが5g/mである実施例1〜4と比較すると、実施例5〜7のフィレット形成長さLは、実施例1〜4のフィレット形成長さLより大きい。特にX×Y/Zの値が等しい実施例4と実施例7とを比較すると、フラックス組成物の塗布量Yが10g/mである実施例7のフィレット形成長さLの方が、フラックス組成物の塗布量Yが5g/mである実施例4のフィレット形成長さLよりも2倍以上大きい。これにより、フラックス組成物の塗布量Yを8g/m以上とすることで、さらに高いろう付性が得られることが分かる。
さらに、表1においてフラックス組成物の塗布量Yが10g/mである実施例5〜7及び比較例5〜7を比較すると、実施例5〜7のフィレット形成長さLは、比較例5〜7のフィレット形成長さLより2倍以上大きい。フラックス組成物の塗布量Yと共にフッ化物添加量Xを調整し、X×Y/Zを上記範囲内とすることで、極めて優れたろう付性が得られることが分かる。
本発明のブレージングシート及びフラックス組成物は、KAlFのフラックス成分中の相対量を的確に維持できるため、低コストでろう付性を高めることができる。従って、本発明のブレージングシート又はフラックス組成物によりろう付された構造体は、高い強度と軽量化とを両立させることができ、例えば自動車の熱交換器等として用いることができる。
1、11 ブレージングシート
2 芯材
3 ろう材
4 フラックス層
5 犠牲材
101 下板
102 上板
103 スペーサー
104 フィレット

Claims (6)

  1. マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、
    この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるアルミニウム合金ブレージングシートであって、
    上記ろう材の一方の面に積層されるフラックス組成物からなるフラックス層を備え、
    上記フラックス組成物が、
    [A]KAlFを含むフラックス成分、及び
    [B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物
    を含有し、
    上記フラックス層における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下であることを特徴とするアルミニウム合金ブレージングシート。
  2. 上記[B]フッ化物がAlFである請求項1に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  3. 上記フラックス組成物が、上記[A]フラックス成分を含む粒子と、上記[B]フッ化物を含む粒子とを含有する請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  4. 上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)が5g/m以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  5. 表面にろう材が積層されたマグネシウム含有アルミニウム合金芯材のろう付用フラックス組成物であって、
    [A]KAlFを含むフラックス成分、及び
    [B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物
    を含有し、
    上記フラックス層における上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下であることを特徴とするフラックス組成物。
  6. マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、この芯材の少なくとも一方の面に積層されるろう材とを備えるアルミニウム合金ブレージングシートへのフラックス組成物塗布方法であって、
    フラックス組成物を上記ろう材の一方の面に塗布する工程を備え、
    上記フラックス組成物が、
    [A]KAlFを含むフラックス成分、及び
    [B]第1族元素及び第2族元素以外の元素を含み、Kを含まないフッ化物
    を含有し、
    上記フラックス組成物塗布工程で、上記[A]フラックス成分100質量部に対する上記[B]フッ化物の添加量X(質量部)と上記フラックス組成物の固形分換算での単位面積当たりの塗布量Y(g/m)との積を上記芯材のマグネシウム含有量Z(質量%)で除した値が、50g/m以上800g/m以下となるように上記フラックス組成物を塗布することを特徴とするフラックス組成物塗布方法。
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