JP2016221480A - 水処理システム、pH調整システム及びpH調整装置 - Google Patents

水処理システム、pH調整システム及びpH調整装置 Download PDF

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Abstract


【課題】生物学的要因の影響を抑制し、安定した水処理を行うことが可能な水処理システムを提供する。
【解決手段】 水処理システムは、膜分離によって原水から処理水を生成する膜モジュールと、前記原水にpH調整物質を注入して前記原水のpHを8.5以上に調整するpH調整装置とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、海水、汽水、地下水及び下水等を処理する水処理システム、並びに水処理システムで用いられるpH調整システム及びpH調整装置に関する。
従来、水処理分野において、イオン又は塩類等の溶質を含む海水、汽水、地下水及び下水等をろ過し、生活用水、工業用水及び農業用水を得る方法として膜モジュールによる膜ろ過が用いられている。
膜ろ過法では、ろ過の過程において、膜面上や膜内に浮遊物質等が付着又は堆積することで膜を詰まらせるファウリングが発生する。ファウリングは、膜の抵抗及び圧力の上昇を引き起こし、膜の薬品洗浄頻度の増加及び膜の交換コストを押し上げる要因となる。ファウリングの主な要因物質としては、付着性細菌及び細菌の代謝物である粘着性物質等が挙げられる。付着性細菌及び粘着性物質等からはバイオフィルムが形成される。バイオフィルムに由来するファウリングは、バイオファウリングと称される。
この代謝物が産生されるメカニズムとしてクオラム・センシングが知られている。クオラム・センシングとは、微生物同士が伝達物質を用いて周囲の仲間の密度を認識し、例えばバイオフィルム等の産生を活性化する機構であり、特定の遺伝子の転写活性を制御する。細菌がクオラム・センシングにより仲間の存在を認識すると、すなわち、伝達物質濃度がある一定以上になると、バイオフィルム形成が生じる。クオラム・センシングにおける伝達物質の合成機構と、代謝物の放出機構とを、グラム陰性細菌を例に説明する。
グラム陰性細菌は、主にアシル化ホモセリンラクトン(以下、AHLと表記する。)を伝達物質として使用する。グラム陰性細菌では、伝達物質であるAHLを合成し、その合成されたAHLは外部へ放出され、他のグラム陰性細菌が放出したAHLを取り込む。代謝物の放出機構では、外部から取り込んだAHLと結合タンパク質とが合体する。合体した物質は、スイッチの役割をしているグラム陰性細菌の目的となる遺伝子をたたくことで、代謝物を放出するスイッチをONとする。代謝物を放出するスイッチがONになることにより、グラム陰性細菌は、ファウリングの要因物質の一つである多糖類から成る代謝物を放出する。
上記のことから、ファウリングを発生させる要因としては、生物学的要因の影響力が大きいことが分かってきている。そこで、膜ろ過法を用いた水処理システムでは、バイオファウリング対策として、微生物の餌となり得る有機成分の除去を行う方法が提案されている。しかしながら、微生物の餌となり得る有機成分を膜で除去することで微生物が飢餓状態となり、ファウリングの要因となる代謝物をより産生する場合がある。
WO2008/038575号 特開2011−177604号公報
上記に示すように、従来の水処理システムでは、生物学的要因の影響力が大きく、原水の水質が日変動または季節変動した場合、安定した処理水質を得ることが難しくなり、稼働率の低下を招く恐れがある。
そこで、目的は、生物学的要因の影響を抑制し、安定した水処理を行うことが可能な水処理システム、並びに水処理システムで用いられるpH調整システム及びpH調整装置を提供することにある。
実施形態によれば、水処理システムは、膜分離によって原水から処理水を生成する膜モジュールと、前記原水にpH調整物質を注入して前記原水のpHを8.5以上に調整するpH調整装置とを具備する。
第1の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る水処理システムの構成の変形例を示すブロック図。 図2に示されるpH調整装置の構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係る水処理システムの構成の変形例を示すブロック図。 第3の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図。 第4の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図。 TEP量に対する水酸化ナトリウムの添加効果を示す図。 TOC濃度に対する水酸化ナトリウムの添加効果を示す図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
以下の実施形態において、原水から処理水を生成する膜モジュールとして逆浸透膜(RO膜:reverse osmosis membrane)を使用する場合を例に説明するが、当該技術分野で使用可能な任意の膜を使用することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の水処理システムは、RO膜モジュール1及びpH調整装置2を備える。
RO膜モジュール1は、原水に対して膜ろ過処理を行う。膜ろ過処理により、処理水が生成され、濃縮水が排出される。
pH調整装置2は、原水にpH調整物質を注入して原水のpHを8.5以上に調整する。pH調整装置2は、原水のpHを、好ましくは、8.5以上10以下、より好ましくは8.5以上9.5以下、更に好ましくは8.5以上9以下に調整する。pH調整物質は、例えば、アルカリ性物質又は酸性物質である。
pH調整装置2は、pH調整物質を注入する注入部21を有する。注入部21は、例えば、予め設定された時刻に、予め決められた量のアルカリ性物質を原水に注入する。また、注入部21は、予め設定された時間間隔で、アルカリ性物質を原水に注入するようにしてもよいし、操作者からの指示に応じてアルカリ性物質を原水に注入するようにしてもよい。
アルカリ性物質の注入量は、予め測定された原水のpH及びRO膜モジュール1の透過流束などの初期条件に基づいて、注入後の原水のpHが8.5以上となるように予め設定される。アルカリ性物質の注入量は、注入後の原水のpHが、好ましくは、8.5以上10以下、より好ましくは8.5以上9.5以下、更に好ましくは8.5以上9以下となるように予め設定される。なお、予め決められた量のアルカリ性物質の注入は、1回で行っても、複数回に分けて行ってもよい。
アルカリ性物質として、水酸化ナトリウムなどを使用することができる。アルカリ性物質は、固体で注入されてもよいし、液体で注入されてもよい。
本実施形態に従って原水のpHを8.5以上に調整すると、RO膜モジュール1の膜抵抗の上昇を抑えることができる(後述の実施例1)。この効果は、原水のpHが8.5以上になると、原水中のグラム陰性細菌により放出された伝達物質AHLのラクトン環が開裂し、開裂後の物質を細菌が認識できなくなり、バイオフィルム形成が抑制されることによるものと考えられる。
このように、第1の実施形態に係る水処理システムによれば、原水のpHを8.5以上に調整することで、生物学的要因の影響を抑制し、膜モジュールの膜抵抗の上昇を抑え、安定した水処理を行うことが可能である。
上記第1の実施形態では、pH調整装置2が所定のタイミングで、所定量のアルカリ性物質を原水に注入する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。pH調整装置2は、pHセンサ4の測定結果に基づいてpH調整物質の注入を制御するようにしてもよい。図2は、第1の実施形態に係る水処理システムの構成の変形例を示すブロック図である。図1に示すように、水処理システムは、RO膜モジュール1、pH調整装置2及びpHセンサ4を備える。
pHセンサ4は、pH調整装置2がpH調整物質を注入する位置よりも下流側に配置され、原水を取得して原水のpHを測定する。pHセンサ4は、測定結果をpH調整装置2へ送信する。
図3は、図2に示されるpH調整装置2の構成を示すブロック図である。図3に示されるpH調整装置2は、注入部21、入力部22、メモリ23及び制御部24を備える。
注入部21は、制御部24からの制御に従い、タンク(図示せず)に蓄えられているアルカリ性物質又は酸性物質を原水に注入する。
入力部22は、pHセンサ4から送信される測定結果を受信する。入力部22は、受信した測定結果を制御部24へ出力する。
メモリ23は、例えば、pHについての閾値を予め記憶する。閾値は、例えば、pH8.5及びpH10である。なお、閾値は、pH10の代わりに、9.5又は9が設定されていてもよい。メモリ23は、制御部24からの要求に応じ、記憶している閾値を制御部24へ出力する。
制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、及び、CPUからの制御に従って所定の処理を実行するFPGA(Field Programmable Gate Array)等を備える。制御部24は、CPUがFPGAに設計される機能を実行することで、図3に示される判定部241及び注入制御部242の機能を実現する。なお、制御部24は、FPGAの代わりにLSIを備えることで、図3に示される機能を実現するようにしても構わない。また、制御部24は、CPUによるソフトウェア処理により、図3に示される機能を実現しても構わない。
判定部241は、入力部22から測定結果を受け取ると、測定結果に含まれるpHが、メモリ23に記憶されている閾値以上となるか否か、又は、閾値を超えるか否かを判定する。具体的には、判定部241は、測定結果に含まれるpHが8.5以上となるか否か、及び、測定結果に含まれるpHが10を超えるか否かを判定する。判定部241は、判定結果を表す信号を注入制御部242へ出力する。
注入制御部242は、判定部241から出力される判定結果に応じ、注入部21を制御する。具体的には、判定部241から出力される信号により、測定結果に含まれるpHが8.5未満であることが表される場合、注入制御部242は、測定結果に含まれるpHが10を超えると判定されるまでアルカリ性物質を原水に注入するように注入部21を制御する。
また、判定部241から出力される信号により、測定結果に含まれるpHが10を超えることが表される場合、注入制御部242は、アルカリ性物質の原水への注入を停止するように注入部21を制御する。
なお、判定部241から出力される信号により、測定結果に含まれるpHが10を超えることが表される場合、注入制御部242は、測定結果に含まれるpHが8.5以上10以下の所定の値に達したと判定されるまで酸性物質を原水に注入するように注入部21を制御してもよい。また、注入制御部242は、pHが8.5以上10以下の所定の値に達したと判定されるまで酸性物質を原水に注入するのではなく、予め設定された量の酸性物質を注入するようにしても構わない。このとき、酸性物質の注入量は、予め測定された原水のpHやRO膜モジュール1の透過流束などの初期条件に基づいて、予め設定されていても構わない。予め決められた量の酸性物質の注入は、1回で行っても、複数回に分けて行ってもよい。
酸性物質として、塩酸などを使用することができる。酸性物質は、固体で注入されてもよいし、液体で注入されてもよい。
このように、pHの閾値を10に設定して原水のpHを調整すると、無機物質(例えばカルシウム)の析出が抑制され、RO膜モジュール1の膜抵抗の上昇を抑えることができる。また、pHの閾値を10に設定して原水のpHを調整すると、アルカリ性物質の過剰注入を防止してコストを削減することができる。
なお、上記変形例では、pHセンサ4が、pH調整装置2がpH調整物質を原水に注入する位置よりも下流側に配置される場合を例に説明したが、これに限定されない。
また、上記変形例では、メモリ23が、pHについての閾値を予め記憶する場合を例に説明したが、これに限定されない。メモリ23は、例えば、pH8.5未満、pH8.5以上10以下、及び、pH10を超えることを表すpHの範囲と、注入されるべきアルカリ性物質又は酸性物質の量とが関係付けられたテーブルを記憶するようにしても構わない。このとき、判定部241は、pHセンサ4により測定されるpHが、pH8.5未満、pH8.5以上10以下、及び、pH10を超える、のいずれの範囲に属するかを判定する。注入制御部242は、判定結果を、メモリ23に記憶されるテーブルを照合し、アルカリ性物質又は酸性物質の注入量を決定する。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とが重複する部分の説明については、省略する。
図4に示すように、本実施形態の水処理システムは、RO膜モジュール1とpH調整装置2と分析装置3とを備える。
図4に示す分析装置3は、pH調整装置2の上流側に配置され、原水を取得して原水中の微生物量を分析する。
分析装置3は、微生物量を直接分析するか、または微生物量の指標となる量、例えば有機物量を微生物量として分析する。分析される微生物量は、単位体積当たりの微生物量である。同様に、分析される有機物量は、単位体積当たりの有機物量である。分析装置3は、例えば、有機物センサ及び分析部を有し、有機物センサにより測定された値に基づいて、分析部で有機物量を分析する。より具体的には、分析装置3は、例えば、TOC(Total Organic Carbon:全有機炭素)の量、TEP(Transparent Exopolymer Particles:光透過性細胞外ポリマー粒子)の量、EPS(Extracellular Polymeric Substances:細胞外ポリマー)の量、及びクロロフィルaの量から選択される少なくとも1つを分析する。分析装置3は、分析結果をpH調整装置2へ送信する。
pH調整装置2は、図3に示されるように、注入部21、入力部22、メモリ23及び制御部24を備える。pH調整装置2は、分析装置3の分析結果に基づいて、原水にpH調整物質を注入して原水のpHを調整する。
具体的には、注入部21は、制御部24からの制御に従い、タンク(図示せず)に蓄えられているアルカリ性物質を原水に注入する。
入力部22は、分析装置3から送信される分析結果を受信する。入力部22は、受信した分析結果を制御部24へ出力する。
メモリ23は、例えば、微生物量についての閾値を予め記憶する。メモリ23は、制御部24からの要求に応じ、記憶している閾値を制御部24へ出力する。
制御部24に含まれる判定部241は、入力部22から分析結果を受け取ると、分析結果により表される微生物量が、メモリ23に記憶されている閾値以上となるか否かを判定する。判定部241は、判定結果を表す信号を注入制御部242へ出力する。
注入制御部242は、判定部241により、分析結果により表される微生物量が閾値以上であることが表される場合、原水に予め決められた量のアルカリ性物質を注入するように注入部21を制御する。アルカリ性物質の注入量は、予め測定された原水のpH及びRO膜モジュール1の透過流束などの初期条件に基づいて、注入後の原水のpHが8.5以上となるように予め設定される。
また、注入制御部242は、判定部241により、分析結果により表される微生物量が閾値未満であることが表される場合、アルカリ性物質を注入しないように注入部21を制御する。
第2の実施形態によれば、原水中の微生物量に応じて、pH調整物質の注入を制御し、効果的にバイオフィルムの形成を抑制することができる。これにより、膜モジュールの膜抵抗の上昇を抑え、安定した水処理を行うことが可能である。
また、第2の実施形態では、メモリ23が、微生物量についての閾値を予め記憶する場合を例に説明したが、これに限定されない。メモリ23は、例えば、微生物量に関する所定の幅を有する測定値の範囲と、注入されるべきアルカリ性物質の量とが関係付けられたテーブルを記憶するようにしても構わない。このとき、判定部241は、分析結果により表される微生物量が、いずれの測定範囲に属するかを判定する。注入制御部242は、判定結果を、メモリ23に記憶されるテーブルを照合し、アルカリ性物質の注入量を決定する。
また、第2の実施形態では、水処理システムがRO膜モジュール1とpH調整装置2と分析装置3とを備える場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されない。水処理システムは、さらにpHセンサ4を備えていても構わない。図5は、第2の実施形態に係る水処理システムの構成の変形例を示すブロック図である。図5に示される水処理システムは、RO膜モジュール1とpH調整装置2と分析装置3とpHセンサ4とを備える。
図5に示すpHセンサ4は、pH調整装置2がpH調整物質を注入する位置よりも下流側に配置され、原水を取得して原水のpHを測定する。pHセンサ4は、測定結果をpH調整装置2へ送信する。
pH調整装置2は、図3に示されるように、注入部21、入力部22、メモリ23及び制御部24を備える。pH調整装置2は、分析装置3の分析結果及びpHセンサ4の測定結果に基づいてpH調整物質の注入を制御する。
具体的には、注入部21は、制御部24からの制御に従い、タンク(図示せず)に蓄えられているアルカリ性物質又は酸性物質を原水に注入する。
入力部22は、pHセンサ4から送信される測定結果をさらに受信する。入力部22は、受信した測定結果を制御部24へ出力する。
メモリ23は、例えば、pHについての閾値をさらに予め記憶する。閾値は、例えば、pH10である。なお、閾値は、pH10の代わりに、9.5又は9が設定されていてもよい。メモリ23は、制御部24からの要求に応じ、記憶しているpHの閾値を制御部24へ出力する。
制御部24の判定部241は、入力部22から測定結果を受け取ると、測定結果に含まれるpHが、メモリ23に記憶されている閾値以上となるか否か、又は、閾値を超えるか否かを判定する。具体的には、判定部241は、測定結果に含まれるpHが10を超えるか否かを判定する。判定部241は、pHについての判定結果を表す信号を注入制御部242へ出力する。
注入制御部242は、判定部241から出力される、pHについての判定結果と、微生物量についての判定結果とに基づき、注入部21を制御する。具体的には、判定部241から出力される信号により、測定結果に含まれるpHが10を超えることが表される場合、注入制御部242は、微生物量が閾値以上であってもアルカリ性物質の原水への注入を停止するように注入部21を制御する。
なお、判定部241から出力される信号により、測定結果に含まれるpHが10を超えることが表される場合、注入制御部242は、測定結果に含まれるpHが8.5以上10以下の所定の値に達したと判定されるまで、酸性物質を原水に注入するように注入部21を制御してもよい。また、注入制御部242は、pHが8.5以上10以下の所定の値に達したと判定されるまで酸性物質を原水に注入するのではなく、予め設定された量の酸性物質を注入するようにしても構わない。
このように、第2の実施形態に係る変形例では、水処理システムがpHセンサ4を更に備えているため、pH調整装置2は、原水のpHをモニタリングしながら原水のpHを調整することが可能である。したがって、pH調整装置は、分析装置3により分析された微生物量に応じて、効果的にバイオフィルムの形成を抑制することができることに加えて、pHセンサ4により測定されたpHがアルカリ側に偏りすぎた場合に、無機物質(例えば、カルシウム)の析出を抑制することができる。バイオフィルムの形成の抑制及び無機物質の析出の抑制により、膜モジュールの膜抵抗の上昇を効果的に抑え、安定した水処理を行うことができる。また、アルカリ性物質の過剰注入を防止してコストを削減することができる。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。
上記第2の実施形態は、pH調整装置2によりpH調整が行われる前の原水の微生物量を分析装置3により分析するのに対し、第3の実施形態は、pH調整装置2によりpH調整が行われた後の原水の微生物量を分析装置3により分析する。なお、第3の実施形態と上記第2の実施形態とが重複する部分の説明ついては、省略する。
pH調整装置2は、図3に示されるように、注入部21、入力部22、メモリ23及び制御部24を備える。pH調整装置2は、分析装置3の分析結果に基づいて、原水にpH調整物質を注入して原水のpHを調整する。
具体的には、制御部24に含まれる注入制御部242は、判定部241により、分析結果により表される微生物量が閾値以上であることが表される場合、微生物量が閾値未満となるまでアルカリ性物質を原水に注入するように注入部21を制御する。
また、注入制御部242は、判定部241により、分析結果により表される微生物量が閾値未満であることが表される場合、アルカリ性物質の注入を停止するように注入部21を制御する。
第3の実施形態に従えば、分析装置3は、pH調整装置2によりpH調整が行われた後の原水を取得し、原水中の微生物量を分析する。pH調整装置2は、分析結果に基づいてpH調整を行う。このように、第3の実施形態は、微生物量の分析と、分析結果に基づくpH調整とを繰り返すことが可能であるため、原水中の微生物量に応じて、より高精度にpH調整物質の注入を制御することができるという利点を有する。
また、第3の実施形態においても、水処理システムは、RO膜モジュール1とpH調整装置2と分析装置3とに加え、pHセンサ4をさらに備えていても構わない。pHセンサ4は、図5に示されるように、pH調整装置2がpH調整物質を注入する位置よりも下流側に配置されてもよい。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。
上記第2の実施形態は、原水の微生物量を分析装置3により分析するのに対し、第4の実施形態は、濃縮水の微生物量を分析装置3により分析する。なお、第4の実施形態と上記第2及び3の実施形態とが重複する部分の説明ついては、省略する。
本実施形態では、分析装置3はRO膜モジュール1から濃縮水が排出される側に配置されるため、pH調整装置2のメモリ23に予め記憶される微生物量についての閾値は、実施形態2及び3においてメモリ23に記憶される閾値よりも高い。
濃縮水は、原水の水(H2O)以外の全成分が水中に濃縮されているため、濃縮水の微生物量は、原水の微生物量より多いが、原水の微生物量とおおよそ相関する。したがって、pH調整装置2は、分析装置3が測定する濃縮水の微生物量を受信することで、原水の微生物量をモニタリングすることができる。
第4の実施形態に従えば、分析装置3は、RO膜モジュール1で膜ろ過処理を行った後の濃縮水を取得し、濃縮水中の微生物量を分析する。pH調整装置2は、分析結果に基づいてpH調整を行う。このように、第4の実施形態は、微生物量の分析と、分析結果に基づくpH調整とを繰り返すことが可能であるため、原水中の微生物量に応じて、より高精度にpH調整物質の注入を制御することができるという利点を有する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
実施例1:膜抵抗の上昇に対する水酸化ナトリウムの添加効果
原水に水酸化ナトリウムを添加し、原水のpHを8.5〜9.0に制御しながら、連続膜ろ過処理により水処理を実施した。コントロールとして、原水をpH制御することなく、同様に水処理を実施した。140時間経過後の膜抵抗を以下の通り測定した。
ポンプを用いて原水槽から原水を設定圧力でRO膜へ通水し、連続でRO膜の抵抗変化を計測した。RO膜抵抗は、計測した透過流速及び膜差圧を、膜ろ過の流束と圧力差の関係を表す基礎式である式(1)に当てはめて算出した。
R=ΔP/μ・J (1)
J:Flux(流束のことで、透過流速/膜面積から算出)(m/s)
ΔP:膜差圧(mPa)
μ:粘度(mPa・s)
R:膜抵抗(1/m)
水処理を開始した時点での膜抵抗は、2.3×1013であった。pH制御しながら水処理を行った場合、140時間後の膜抵抗は、2.6×1013であった。一方、pH制御することなく水処理を行った場合、140時間後の膜抵抗は、5.3×1013であり、RO膜は閉塞した。
また、伝達物質AHLを産生するAeromonas hydrophila R2について、pH8.5の培養条件、pH9.0の培養条件におけるバイオフィルムの形成を、吸光度(A595)の測定により調べた。その結果、いずれの培養条件の場合も、pH7.0の培養条件の場合と比較してバイオフィルムの形成を抑制することができた。
これらの結果から、原水のpHを8.5以上に調整すると、バイオフィルムの形成を抑制し、これによりRO膜抵抗の上昇を抑えることができることがわかる。
実施例2:膜付着物の量に対する水酸化ナトリウムの添加効果
実施例1と同様、原水に水酸化ナトリウムを添加し、原水のpHを8.5〜9.0に制御しながら、連続膜ろ過処理により水処理を実施した。コントロールとして、原水をpH制御することなく、同様に水処理を実施した。連続膜ろ過処理の開始から520時間後のRO膜を解体し、切り出したRO膜の平膜(10cm×10cm)表面のTEP(Transparent Exopolymer Particles:光透過性細胞外ポリマー)量及びTOC(Total Organic Carbon:全有機炭素)濃度を分析した。
TEP量の結果を図8に示し、TOC濃度の結果を図9に示す。図8は、コントロールのTEP量を100として、pH制御しながら水処理を行った場合のTEP量を相対値で表す。同様に、図9は、コントロールのTOC濃度を100として、pH制御しながら水処理を行った場合のTOC濃度を相対値で表す。
図8は、pH制御によりTEP量が低減することを示し、図9は、pH制御によりTOC濃度が低減することを示す。これらの結果も、原水のpHを8.5以上に調整すると、膜付着物の量を低減し、RO膜抵抗の上昇を抑えることができることを示す。
1…RO膜モジュール、2…pH調整装置、21…注入部、22…入力部、23…メモリ、24…制御部、241…判定部、242…注入制御部、3…分析装置、4…pHセンサ

Claims (11)

  1. 膜分離によって原水から処理水を生成する膜モジュールと、
    前記原水にpH調整物質を注入して前記原水のpHを8.5以上に調整するpH調整装置と
    を具備する水処理システム。
  2. 膜分離によって原水から処理水を生成する膜モジュールと、
    前記原水中の微生物量又は前記膜モジュールから排出される排出水中の微生物量を分析する分析装置と、
    前記分析装置の分析結果に基づいて、前記原水にpH調整物質を注入して前記原水のpHを調整するpH調整装置と
    を具備する水処理システム。
  3. 前記pH調整装置は、前記原水のpHを8.5以上に調整する請求項2記載の水処理システム。
  4. 前記pH調整装置が前記pH調整物質を注入する位置よりも下流側で前記原水のpHを測定するpHセンサをさらに具備し、
    前記pH調整装置は、前記分析装置の分析結果及び前記pHセンサの測定結果に基づいて前記pH調整物質の注入を制御する
    請求項2又は3記載の水処理システム。
  5. 前記膜モジュールは、逆浸透膜モジュールである請求項1乃至4の何れかに記載の水処理システム。
  6. 膜分離によって原水から処理水を生成する膜モジュールを備えた水処理システムで用いられるpH調整システムであって、
    前記原水中の微生物量又は前記膜モジュールから排出される排出水中の微生物量を分析する分析装置と、
    前記分析装置の分析結果に基づいて、前記原水にpH調整物質を注入して前記原水のpHを調整するpH調整装置と
    を具備するpH調整システム。
  7. 前記pH調整装置は、前記原水のpHを8.5以上に調整する請求項6記載のpH調整システム。
  8. 前記pH調整装置が前記pH調整物質を注入する位置よりも下流側で前記原水のpHを測定するpHセンサをさらに具備し、
    前記pH調整装置は、前記分析装置の分析結果及び前記pHセンサの測定結果に基づいて前記pH調整物質の注入を制御する
    請求項6又は7記載のpH調整システム。
  9. 原水中の微生物量又は膜モジュールから排出される排出水中の微生物量に基づいて、pH調整物質の注入量を決定する制御部と、
    前記原水に、前記決定された注入量の前記pH調整物質を注入する注入部と
    を具備するpH調整装置。
  10. 前記原水のpHを8.5以上に調整する請求項9記載のpH調整装置。
  11. 前記制御部は、前記pH調整物質を注入する位置よりも下流側で測定した前記原水のpHと、前記微生物量とに基づいて、pH調整物質の注入量を決定する請求項9又は10記載のpH調整装置。
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