以下、本発明の一実施形態に係る遊技機の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態では、遊技機としてパチスロ遊技機を例に挙げ説明する。
<パチスロの構造>
[外観構造]
まず、図1及び図2を参照してパチスロ1の外観構造について説明する。図1は、パチスロ1の外観構造を示す斜視図であり、図2は、パチスロ1の外観正面図である。
パチスロ1は、図1に示すように、外装体2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有する。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図1では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに運搬者の手がかけられる凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられる(後述の図3参照)。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リールは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定間隔、離れて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、液晶表示装置11とを備える。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられる。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられる。
フロントパネル10は、図1及び図2に示すように、ドア本体9の上部に取り付けられており、そのサイズは、液晶表示装置11を覆う大きさに設定される。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるための2つのパネル開口300a,300bが形成された装飾枠300と、2つのパネル開口300a,300bを塞ぐ透明の保護カバー(不図示)とを有する。
また、装飾枠300は、パネル開口300aとパネル開口300bとの境界に設けられた仕切り片312を有する。すなわち、2つのパネル開口300a,300bは、仕切り片312によって上下方向に並ぶように区画される。装飾枠300のパネル開口300aは、液晶表示装置11の表示部11aの上部を露出させるための開口である。また、装飾枠300のパネル開口300bは、液晶表示装置11の表示部11aの下部及び3つのリール3L,3C,3Rを露出させるための開口である。
装飾枠300には、複数のLED(Light Emitting Diode)と、可動装飾ユニット311とが設けられる。なお、図1には示さないが、本実施形態では、複数のLEDが、装飾枠300の上辺部、右辺部、左辺部及び下辺部に設けられる。装飾枠300に設けられた各LEDは、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。可動装飾ユニット311は、遊技者側から見てパネル開口300aの左側部に配置されており、LED(不図示)を有する。可動装飾ユニット311は、特別の演出が行われる場合に、演出内容に対応して回転駆動される。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄をそれぞれ表示する3つの表示窓4L(左表示窓),4C(中表示窓),4R(右表示窓)からなる表示窓部4を含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施形態では、表示窓部4を含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。なお、液晶表示装置11は、本発明に係る表示装置の一具体例を示す。
各表示窓は、例えばアクリル板等の透明な部材で形成される。3つの表示窓4L,4C,4Rはそれぞれ、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L,3C,3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、3つの表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓部4の背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rをそれぞれ視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rのそれぞれは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、該リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定される。すなわち、各表示窓の枠内には、対応するリールの図柄が表示される上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、例えば、左リール3L(左表示窓4L)の中段領域、中リール3C(中表示窓4C)の中段領域、及び、右リール3R(右表示窓4R)の中段領域を結ぶ仮想ラインを、入賞か否かの判定を行う有効ラインとして定義する。
表示部11aにおける右表示窓4Rの一方の側部(中表示窓4C側と反対側の側部)には、図2に示すように、タッチセンサモジュール31を用いたタッチ入力部31aが設けられる。すなわち、タッチセンサモジュール31は、表示部11aの長方形状の面内の右下角部付近に配置される。なお、フロントパネル10が表示部11aを覆う透明或いは半透明のカバーを有する場合には、タッチセンサモジュール31は、透明或いは半透明のカバーの表示部11aと対向する面上において、表示部11aの右下角部付近と対向する領域に配置されていてもよい。
ドア本体9の中央付近には、図1に示すように、台座部12が形成される。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられる。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1ベットボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図1には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。3つのストップボタン17L,17C,17R(左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17R)は、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。
また、台座部12には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器23が設けられる。この7セグ表示器23は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口18、メダル受皿19、スピーカ20L,20R等が設けられる。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L,20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。図3は、パチスロ1の内部構造を示す図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状の形状を有する。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路90を構成する主制御基板51が設けられる。主制御回路90は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路90の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部付近には、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rを含むリールユニット3が設けられる。なお、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応するステッピングモータ(不図示)に接続される。なお、3つのリール3L,3C,3R及び各リールのステッピングモータは、本発明に係る変動表示手段の一具体例を示す。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(以下、ホッパー装置43という)が設けられる。キャビネット2a内における、ホッパー装置43の左側方(キャビネット2a内部を正面から見て左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置44が設けられる。
また、キャビネット2a内における、ホッパー装置43の右側方(キャビネット2a内部を正面から見て右側)には、メダル補助収納庫45が設けられる。このメダル補助収納庫45は、ホッパー装置43から溢れ出たメダルを収納する。メダル補助収納庫45は、キャビネット2aの底面に係合されており、キャビネット2aに対して着脱可能に取り付けられている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)の上部には、後述の副制御回路200を構成する副制御基板61が設けられる。副制御回路200は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路200の具体的な内部構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ46が設けられる。セレクタ46は、メダル投入口13を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー装置43に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ46内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサが設けられる。なお、このメダルセンサは、本発明に係る投入操作検出手段の一具体例を示す。
<パチスロが備える各種回路基板(制御系)>
次に、パチスロ1が備える各種回路基板(制御系)を、図4を参照して説明する。図4は、パチスロ1が備える各種回路基板及び各種周辺装置の構成を示すブロック図である。なお、図4中の各構成ブロック間を接続する実線は電気ケーブルやボードトゥボードコネクタ(BtoBコネクタ)等による接続形態を示し、破線は光ファイバーケーブルによる接続形態を示す。
パチスロ1は、図4に示すように、主制御基板51と、ドア中継基板52と、リールドライブ基板53と、副制御基板61と、副中継基板64とを備える。
[回路基板間の接続関係]
主制御基板51は、光ファイバーケーブルを介してドア中継基板52及び副中継基板64のそれぞれに接続される。また、主制御基板51は、電気ケーブル等を介してリールドライブ基板53に接続される。さらに、ドア中継基板52は、光ファイバーケーブルを介してリールドライブ基板53に接続される。
なお、主制御基板51と副中継基板64との間の情報通信は、主制御基板51から副中継基板64への一方向通信である。主制御基板51とドア中継基板52との間の情報通信は、ドア中継基板52から主制御基板51への一方向通信である。ドア中継基板52とリールドライブ基板53との間の情報通信は、リールドライブ基板53からドア中継基板52への一方向通信である。また、主制御基板51とリールドライブ基板53との間のデータ(信号)の入出力方向は、主制御基板51からリールドライブ基板53への一方向である。
副制御基板61は、副中継基板64に電気的に接続される。この際、副制御基板61及び副中継基板64間は、ボードトゥボードコネクタにより接続される。なお、副制御基板61及び副中継基板64間では、データは相互に入出力可能である。
[周辺装置の構成、並びに、回路基板及び周辺装置間の接続関係]
主制御基板51には、図4に示すように、電源装置44、7セグ表示器23、設定用鍵型スイッチ55及び外部集中端子板56が電気的に接続される。
電源装置44は、主制御基板51に電気的に接続された電源基板44aと、電源基板44aに電気的に接続された電源スイッチ44bとを有する。なお、電源基板44aは、主制御基板51だけでなく、副中継基板64にも電気的に接続される。そして、本実施形態では、パチスロ1に必要な電源を供給する際に電源スイッチ44bがオンされ、これにより、電源装置44から主制御基板51及び副中継基板64にそれぞれ電源が供給される。
設定用鍵型スイッチ55は、パチスロ1の設定を変更する際又はパチスロ1の設定を確認する際に使用される。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられる。なお、外部集中端子板56は、本実施形態のように、パチスロ1内に設けられていてもよいが、例えば、ホールコンピュータに設けられていてもよいし、パチスロ1及びホールコンピュータ間の中継器等に設けられていてもよい。
ドア中継基板52には、図4に示すように、セレクタ46、ドア開閉監視スイッチ71、精算スイッチ72、スタートスイッチ73、BETスイッチ74及びストップスイッチ基板75が電気的に接続される。すなわち、セレクタ46、ドア開閉監視スイッチ71、精算スイッチ72、スタートスイッチ73、BETスイッチ74及びストップスイッチ基板75はそれぞれ、ドア中継基板52を介して主制御基板51に接続される。
ドア開閉監視スイッチ71は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ1の外部へ出力する。精算スイッチ72は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果をドア中継基板52を介して主制御基板51に出力する。スタートスイッチ73は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果をドア中継基板52を介して主制御基板51に出力する。このスタートスイッチ73は、本発明に係る開始操作検出手段の一具体例を示す。
BETスイッチ74は、MAXベットボタン14及び1ベットボタン15(図1参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果をドア中継基板52を介して主制御基板51に出力する。また、ストップスイッチ基板75は、回転しているリールを停止させるためにストップボタン17L,17C,17Rのそれぞれのボタンの押下を検出するための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを含む。それゆえ、このストップスイッチ基板75には、ストップボタン17L,17C,17Rに対応したストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、本発明に係る停止操作検出手段の一具体例であり、ストップボタン17L,17C,17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出して、その検出結果をドア中継基板52を介して主制御基板51に出力する。
リールドライブ基板53には、図4に示すように、リールユニット3、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57が電気的に接続される。すなわち、リールユニット3、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57はそれぞれ、リールドライブ基板53を介して主制御基板51に接続される。
なお、リールドライブ基板53は、各リールのステッピングモータ(不図示)に対してそれぞれ別個に電気的に接続されており、主制御基板51からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45を貫通して設けられる。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
副中継基板64には、図4に示すように、24hドア監視ユニット76、役物駆動ユニット78、タッチセンサ中継基板79、LED群81及びスピーカ群82が電気的に接続される。すなわち、24hドア監視ユニット76、役物駆動ユニット78、タッチセンサ中継基板79、LED群81及びスピーカ群82はそれぞれ、副中継基板64を介して副制御基板61に接続される。
24hドア監視ユニット76は、フロントドア2bに設けられたドア監視スイッチ77に電気的に接続され、フロントドア2bを開放したときのドア監視スイッチ77のオン/オフを検知して、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を、副中継基板64を介して副制御基板61に出力する。また、24hドア監視ユニット76は、フロントドア2bの開閉の履歴情報を保存する。
タッチセンサ中継基板79は、副中継基板64及びタッチセンサモジュール31間の接続配線を中継する基板であり、タッチセンサモジュール31に電気的に接続される。そして、タッチセンサ中継基板79は、タッチセンサモジュール31から出力されたタッチ操作に関する入力情報を、副中継基板64を介して副制御基板61に出力する。
LED群81は、図示しないが、フロントパネル10の装飾枠300の上辺部、右辺部、左辺部及び下辺部にそれぞれ設けられたLED、MAXベットボタン14に設けられたLED(BETスイッチLED)、ストップボタン毎に設けられたLED(ストップスイッチLED)、各リールのリール本体の背面に設けられたLED(リールバックライト)等の各種LEDを含む。それゆえ、図4には示さないが、副中継基板64は、リールバックライトの動作を制御するため、リールユニット3にも電気的に接続される。また、副中継基板64は、BETスイッチ74及びストップスイッチ基板75にも電気的に接続される。
スピーカ群82は、図示しないが、フロントドア2bの上辺部付近に設けられた上部スピーカ(L・R)、フロントドア2bの下辺部付近に設けられたスピーカ20L,20R、キャビネット2aの中央付近(ホッパー装置43の上部)に設けられた中央スピーカ(エンクロージャ)等の各種スピーカを含む。
副制御基板61は、液晶中継基板62に電気的に接続される。なお、液晶中継基板62は、副制御基板61及び液晶表示装置11間の接続配線を中継する基板であり、液晶表示装置11に電気的に接続される。
また、副制御基板61は、ストレージ基板63に電気的に接続される。この際、副制御基板61及びストレージ基板63間は、mSATA(mini Serial ATA)インターフェース(mSATAコネクタ)を介して接続される。なお、副制御基板61とストレージ基板63との間のデータ(信号)の入出力方向は双方向である。
ストレージ基板63には、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、フラッシュメモリ(NAND型、NOR型)、ROMなどの不揮発性メモリ装置が搭載され、これらの不揮発性メモリ装置には、副制御基板61で制御する各種演出動作の副制御プログラムやアプリケーションデータ(演出用の画像(映像)、音声、光(LED群81)、役物(可動装飾ユニット311)動作及び通信のデータ(コンテンツデータ))などが記憶されている。なお、副制御基板61は、本発明に係る副基板の一具体例を示し、ストレージ基板63は、本発明に係るメモリ基板の一具体例を示す。
<主制御回路の構成>
次に、主制御基板51に実装される主制御回路90の内部構成を、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ1の主制御回路90の内部構成例を示すブロック図である。
[主制御回路の全体構成]
主制御回路90は、図5に示すように、主に、主制御基板51に実装された、マイクロコンピュータ91、クロック発振器92、I/O(Input/Output)通信LSI(Large Scale Integration)93、セキュリティIC(Integrated Circuit)94及び外部端子板用LSI95により構成される。なお、主制御回路90は、本発明に係る主制御手段の一具体例を示す。
マイクロコンピュータ91は、メインCPU100と、メインROM101と、メインRAM(Random Access Memory)102と、タイマー回路103と、乱数発生器104と、第1UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)105と、第2UART106とを有する。なお、図示しないが、マイクロコンピュータ91内には、クロック発振器92から入力されたCPU作動用のクロック信号を分周するための分周器も設けられている。
メインCPU100には、図5に示すように、メインROM101、メインRAM102、タイマー回路103、乱数発生器104、第1UART105、第2UART106、クロック発振器92及びI/O通信LSI93がそれぞれ電気的に接続される。また、第1UART105には、セキュリティIC94が電気的に接続され、第2UART106には、外部端子板用LSI95が電気的に接続される。すなわち、セキュリティIC94及び外部端子板用LSI95は、それぞれ第1UART105及び第2UART106を介して、メインCPU100に接続される。
なお、メインCPU100とI/O通信LSI93との間では、データ(信号)は相互に入出力可能である。メインCPU100と、第1UART105及び第2UART106のそれぞれとの間のデータ(信号)の入出力方向は、メインCPU100から各UARTへの一方向である。第1UART105とセキュリティIC94との間のデータ(信号)の入出力方向は、第1UART105からセキュリティIC94への一方向である。また、第2UART106と外部端子板用LSI95との間のデータ(信号)の入出力方向は、第2UART106から外部端子板用LSI95への一方向である。
また、図5には示さないが、I/O通信LSI93は、リールドライブ基板53内の後述のI/O通信LSI120(図7参照)に電気ケーブル等を介して電気的に接続される。さらに、I/O通信LSI93は、光ファイバーケーブルによりドア中継基板52内の後述のI/O通信LSI110(図6参照)に接続される。なお、I/O通信LSI93は、PIO(Parallel Input/Output)回路及び光ファイバーケーブルに接続可能な通信回路(本実施形態では、I2C通信を採用)が内蔵されたICで構成される。
本実施形態では、主制御基板51内のI/O通信LSI93と、リールドライブ基板53内の後述のI/O通信LSI120及びドア中継基板52内の後述のI/O通信LSI110のそれぞれとの間では、主制御基板51内のI/O通信LSI93がマスターとして作動し、リールドライブ基板53内の後述のI/O通信LSI120及びドア中継基板52内の後述のI/O通信LSI110のそれぞれがスレーブとして作動する。また、I/O通信LSI93とリールドライブ基板53内の後述のI/O通信LSI120との間におけるデータの入出力方向は、I/O通信LSI93から後述のI/O通信LSI120への一方向となり、I/O通信LSI93とドア中継基板52内の後述のI/O通信LSI110との間におけるデータの通信方向は、後述のI/O通信LSI110からI/O通信LSI93への一方向となる。
また、セキュリティIC94は、光ファイバーケーブルを介して、副中継基板64内の図示しないセキュリティIC(復号化LSI)に接続される。なお、セキュリティIC94と副中継基板64内のセキュリティICとの間におけるデータの通信方向は、セキュリティIC94(暗号化LSI)からセキュリティIC(復号化LSI)への一方向となる。
さらに、図5には示さないが、外部端子板用LSI95は、外部集中端子板56(外部端子用リレー基板)に電気ケーブル等を介して電気的に接続される。外部端子板用LSI95と外部集中端子板56との間におけるデータの入出力方向は、外部端子板用LSI95から外部集中端子板56への一方向となる(図4参照)。
[各部構成]
メインROM101には、メインCPU100により実行される主制御プログラム、データテーブル、副制御基板61(後述の副制御回路200)に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM102には、主制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。なお、本実施形態では、メインRAM102は、全領域がSRAM(Static RAM)で構成され、電断中も所定のデータをバックアップする機能を備える。
タイマー回路103は、CPU作動用のクロック信号を分周器(不図示)で分周された周波数の信号で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマー回路103は、1.1172msecの周期で割込信号をメインCPU100に出力する。メインCPU100は、このタイマー回路103から入力される割込信号に基づいて、1.1172msec周期で、ポート入力処理、ポート出力処理、通信データ送信処理等の各種処理を行う。
乱数発生器104は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生させる。メインCPU100は、乱数発生器104で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。
第1UART105は、シリアル転送方式のデータと、パラレル転送方式のデータとを相互に変換可能な回路である。第1UART105は、メインCPU100から出力されたデータを平文データ(シリアルデータ)に変換し、該平文データをセキュリティIC94に出力する。
第2UART106は、第1UART105と同様の回路で構成される。そして、第2UART106は、メインCPU100から出力されたデータを平文データ(シリアルデータ)に変換し、該平文データを外部端子板用LSI95に出力する。なお、UARTは、例えば、データの送受信のタイミングを計るための同期クロック信号線が不要となる、送受信時のエラー(物理層エラー)を検出することができるなどの特徴を備える。
クロック発振器92は、CPU作動用のクロック信号を発信し、該クロック信号をメインCPU100に出力する。なお、メインCPU100は、クロック発振器92により発生されたクロックパルスに基づいて、主制御プログラムを実行し、遊技の進行に関する各種制御処理を行う。例えば、次のようなリール制御もメインCPU100により実行される。
メインCPU100は、リールインデックスを検出してから各リールのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU100は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各リールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片とを備えたリール位置検出部(不図示)により検出される。
ここで、各リールの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM102に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される度に、メインRAM102に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。また、本実施形態では、基本的に、リール図柄の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときには、左表示窓4Lの中段領域に表示された左リール3Lの図柄、及び、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段領域に停止可能な図柄となる。
I/O通信LSI93は、リールドライブ基板53を介して、リールユニット3内の各リールのモータに励磁信号を出力する。また、I/O通信LSI93は、リールドライブ基板53を介して、ホッパー装置43にホッパー払出信号を出力する。さらに、I/O通信LSI93は、リールドライブ基板53及びそれに光ファイバーケーブルで接続されたドア中継基板52を介して、セレクタ46内のセレクタ投入許可ソレノイドに制御(励磁)信号を出力する。なお、I/O通信LSI93とリールドライブ基板53との間におけるデータの入出力方向は、I/O通信LSI93からリールドライブ基板53への一方向となる。
また、I/O通信LSI93は、セレクタ46(メダルセンサ)、ドア開閉監視スイッチ71、精算スイッチ72、スタートスイッチ73、BETスイッチ74、ストップスイッチ基板75のそれぞれで検出された信号を、I2C通信により、ドア中継基板52を介して受信する。そして、I/O通信LSI93は、受信した検出信号をメインCPU100に出力する(メインCPU100の対応するポートに出力する)。これにより、各センサ、各スイッチの状態に関する情報が、通常の入力ポートの情報として、メインCPU100に入力される。
セキュリティIC94(暗号化LSI)は、AES(Advanced Encryption Standard)128暗号方式の暗号化機能を備えた集積回路で構成される。セキュリティIC94は、第1UART105から入力された平文(シリアル)データを、AES128暗号方式により暗号化する。そして、セキュリティIC94は、暗号化されたデータ(暗号データ)を、光ファイバーケーブルを介して、副中継基板64内の図示しないセキュリティIC(復号化LSI)に送信する。
すなわち、本実施形態における、セキュリティIC94を介した主制御基板51及び副中継基板64間における各種データ(コマンドデータ等)の通信動作では、まず、メインCPU100から出力された所定の送信データは、第1UART105により平文(シリアル)データに変換される。次いで、平文データは、セキュリティIC94によりAES128暗号方式により暗号化される。そして、暗号化されたデータは、光ファイバーケーブルを介して、副中継基板64内のセキュリティIC(復号化LSI)に送信され、復号される。
なお、AES暗号化アルゴリズムは、共通鍵暗号方式の代表的な暗号化アルゴリズムである。このAES暗号化アルゴリズムでは、鍵長が128ビット、192ビット、256ビットから選択可能であり、ブロック長が例えば128ビットのSPN(Substitution Permutation Network)構造のブロック暗号が暗号データとして生成される。本実施形態では、鍵長及びブロック長がともに128ビットであるAES暗号化アルゴリズム(AES128暗号方式)を用いる。
外部端子板用LSI95は、セキュリティIC94と同様の回路で構成される。外部端子板用LSI95は、第2UART106から出力された平文(シリアル)データを、AES128暗号方式により暗号化する。そして、外部端子板用LSI95は、暗号化されたデータ(暗号データ)を外部集中端子板56(外部端子用リレー基板)に出力する。
なお、上述した主制御基板51内の各構成部間のデータの入出力動作は、メインCPU100により制御される。
<ドア中継基板の構成>
次に、ドア中継基板52の内部構成を、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ1のドア中継基板52の内部構成例を示すブロック図である。
ドア中継基板52には、図6に示すように、I/O通信LSI110及び外部入出力ドライバ111が搭載される。
I/O通信LSI110は、外部入出力ドライバ111に対して、相互にデータを入出力可能に接続される。また、I/O通信LSI110は、主制御回路90内のI/O通信LSI93及びリールドライブ基板53内の後述のI/O通信LSI120のそれぞれに光ファイバーケーブルを介して接続される。
さらに、外部入出力ドライバ111は、セレクタ46(メダルセンサ)、ドア開閉監視スイッチ71、精算スイッチ72、スタートスイッチ73、BETスイッチ74及びストップスイッチ基板75にそれぞれ電気的に接続される。なお、外部入出力ドライバ111とセレクタ46との間におけるデータの入出力方向は双方向となるが、外部入出力ドライバ111と、ドア開閉監視スイッチ71、精算スイッチ72、スタートスイッチ73、BETスイッチ74及びストップスイッチ基板75のそれぞれとの間におけるデータの入出力方向は、各スイッチ(スイッチ基板)から外部入出力ドライバ111への一方向となる。
I/O通信LSI110は、外部入出力ドライバ111に接続されたセンサ、スイッチ等の検出データを、外部入出力ドライバ111を介して取得する。さらに、I/O通信LSI110は、リールドライブ基板53に接続された周辺装置(例えばリールユニット3等)で検出された各種データをリールドライブ基板53からI2C通信方式により受信する。そして、I/O通信LSI110は、取得した各種検出データをI2C通信方式により、主制御回路90内のI/O通信LSI93に送信する。これにより、メインCPU100は、主制御回路90に間接的に接続された各種周辺装置の状態を把握することができる。
外部入出力ドライバ111は、主制御回路90(主制御基板51)の周辺機器のポート入出力用ドライバICであり、PIOのICで構成される。
なお、主制御回路90内のI/O通信LSI93からリールドライブ基板53を介してドア中継基板52内のI/O通信LSI110に送信されたセレクタ投入許可ソレノイドの制御(励磁)信号(メダル投入可/不可の制御信号)は、外部入出力ドライバ111を介してセレクタ46に出力される。これにより、セレクタ46を駆動するソレノイド(メダル投入可/不可)が制御される。
<リールドライブ基板の構成>
次に、リールドライブ基板53の内部構成を、図7を参照して説明する。図7は、パチスロ1のリールドライブ基板53の内部構成例を示すブロック図である。
リールドライブ基板53には、図7に示すように、I/O通信LSI120、リールモータドライバ121及びホッパーモータドライバ122が搭載される。
I/O通信LSI120は、リールモータドライバ121及びホッパーモータドライバ122にそれぞれ電気的に接続される。なお、I/O通信LSI120とリールモータドライバ121との間におけるデータの入出力方向は、I/O通信LSI120からリールモータドライバ121への一方向となり、I/O通信LSI120とホッパーモータドライバ122との間におけるデータの入出力方向は、I/O通信LSI120からホッパーモータドライバ122への一方向となる。
また、I/O通信LSI120は、リールユニット3、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57にそれぞれ電気的に接続される。なお、I/O通信LSI120と、リールユニット3、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57のそれぞれとの間におけるデータの入出力方向は、リールユニット3、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57のそれぞれからI/O通信LSI120への一方向となる。
また、リールモータドライバ121はリールユニット3に電気的に接続され、ホッパーモータドライバ122はホッパー装置43に電気的に接続される。なお、リールモータドライバ121とリールユニット3との間におけるデータの入出力方向は、リールモータドライバ121からリールユニット3への一方向となり、ホッパーモータドライバ122とホッパー装置43との間におけるデータの入出力方向は、ホッパーモータドライバ122からホッパー装置43への一方向となる。
リールモータドライバ121は、3つのリール駆動用モータを励磁制御するためのドライバICである。ホッパーモータドライバ122は、ホッパー装置43によるメダルの払出動作を駆動するモータを制御するためのドライバICである。
I/O通信LSI120は、主制御回路90内のI/O通信LSI93から入力された各リール(リールユニット3)の制御データをリールモータドライバ121に出力する。そして、リールモータドライバ121は、入力された制御データに基づいて、3つのリール駆動用モータを励磁制御する。
また、I/O通信LSI120は、主制御回路90内のI/O通信LSI93から入力されたホッパー装置43の制御データをホッパーモータドライバ122に出力する。そして、ホッパーモータドライバ122は、入力された制御データに基づいて、ホッパー装置43によるメダルの払出動作を制御する。
さらに、主制御回路90内のI/O通信LSI93からI/O通信LSI120にセレクタ投入許可ソレノイドの制御(励磁)信号(メダル投入可/不可の制御信号)が入力されたときには、I/O通信LSI120は、入力された制御(励磁)信号を、光ファイバーケーブルを介してI2C通信により、ドア中継基板52内のI/O通信LSI110に送信する。
<副制御回路の構成>
次に、副制御基板61に実装される副制御回路200の構成を、図8を参照して説明する。図8は、パチスロ1の副制御回路200の構成例を示すブロック図である。
副制御回路200は、副中継基板64を介して主制御回路90(主制御基板51)に接続されており、主制御回路90から副中継基板64を介して受信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。なお、副制御回路200は、本発明に係る副制御手段の一具体例を示す。
副制御回路200は、基本的に、図8に示すように、サブCPU201、サブRAM202、GPU(Graphics Processing Unit)203、VRAM(Video RAM)204、SRAM205及びSATA−I/F206を含んで構成される。
なお、サブCPU201は、サブRAM202、GPU203、SRAM205及びSATA−I/F206のそれぞれと電気的に接続され、サブCPU201と、サブRAM202、GPU203、SRAM205及びSATA−I/F206のそれぞれとの間におけるデータの入出力方向は、双方向となる。また、GPU203は、VRAM204と電気的に接続され、両者間におけるデータの入出力方向は、双方向となる。さらに、GPU203は、液晶中継基板62と電気的に接続され、両者間におけるデータの入出力方向は、GPU203から液晶中継基板62への一方向となる。
サブCPU201は、主制御回路90から送信されたコマンドに応じて、演出内容を決定し、映像、音、光、可動部(可動役物等)の出力制御を行う。
具体的には、サブCPU201は、図8には示さないが、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM(background music)などの音声信号を副中継基板64を介してスピーカ群82に出力する。これにより、音声信号が入力されたスピーカ群82内のスピーカから所定の演出音声が出力される。また、サブCPU201は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群81を点灯及び消灯させるランプ信号を副中継基板64を介して出力する。これにより、ランプ信号が入力されたLED群81内のLEDが所定のパターンで点消灯する。また、サブCPU201は、演出内容により指定された可動データに従って可動装飾ユニット311等を駆動させるモータ駆動用励磁信号を副中継基板64を介して役物駆動ユニット78に出力する。この結果、励磁信号が入力された役物駆動ユニット78の制御により可動装飾ユニット311の所定動作が実行される。
なお、これらの演出制御は、サブCPU201がストレージ基板63に記憶されている副制御プログラムを実行することにより行われる。なお、ストレージ基板63の内部構成については、後で詳述する。
サブRAM202には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路90から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU201、GPU203及びVRAM204は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像信号を作成し、作成した映像信号を液晶中継基板62を介して液晶表示装置11に出力する。液晶表示装置11は、入力された映像信号に基づいて、所定の演出映像を表示する。
SRAM205は、電断中も所定のデータをバックアップする機能を備える。また、SATA−I/F206は、サブCPU201とストレージ基板63との間を電気的に接続するためのインターフェイス回路である。SATA−I/F206は、バス(不図示)を介してサブCPU201に接続されるとともに、後述のmSATAコネクタ211を介してストレージ基板63に接続される。
<ストレージ基板の構成>
次に、ストレージ基板63の内部構成を、図9を参照して説明する。図9は、パチスロ1が備えるストレージ基板63の内部構成例を示すブロック図である。
ストレージ基板63には、図9に示すように、SATAブリッジASIC(Application Specific Integrated Circuit)210、mSATAコネクタ211、ストレージ212及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)213が搭載される。なお、SATAブリッジASIC210は、本発明に係る識別情報照合手段の一具体例を示し、ストレージ212は、本発明に係る第1記憶手段の一具体例を示し、EEPROM213は、本発明に係る第3記憶手段の一具体例を示す。
SATAブリッジASIC210は、ストレージ212にSATA接続されるとともに、mSATAコネクタ211を介してサブCPU201にSATA接続される。すなわち、SATAブリッジASIC210は、ストレージ212とサブCPU201との間におけるデータの橋渡し役となる回路である。また、SATAブリッジASIC210は、SPIバスを介してEEPROM213に接続される。
なお、SATAブリッジASIC210とストレージ212との間、及び、SATAブリッジASIC210とmSATAコネクタ211との間におけるデータの入出力方向は、双方向となる。また、SATAブリッジASIC210とEEPROM213との間におけるデータの入出力方向もまた、双方向となる。
SATAブリッジASIC210は、図9に示すように、コントローラ214と、内蔵SDRAM215と、内蔵ROM216(マスクROM)と、SATA−I/F217と、SPI−I/F218とを有する。なお、本実施形態では、内蔵ROM216は、特殊制御により、1度だけデータを書き換えることが可能な構成を有し、本発明に係る第2記憶手段の一具体例を示す。
なお、図9には示さないが、内蔵SDRAM215、内蔵ROM216、SATA−I/F217及びSPI−I/F218は、バス(不図示)を介してコントローラ214に接続される。また、SATAブリッジASIC210は、SATA−I/F217を介してストレージ212及びmSATAコネクタ211のそれぞれに接続され、SPI−I/F218を介してEEPROM213に接続される。
SATAブリッジASIC210の各種動作は、コントローラ214が内蔵ROM216に記憶されたプログラムを実行することにより制御される。
ストレージ212は、例えばSSD、HDD、BD、フラッシュメモリ(NAND型、NOR型)、ROM等で構成することができる。ストレージ212には、上述のように、副制御プログラムやアプリケーションデータ(コンテンツデータ)などが格納される。
EEPROM213には、後述のように、ストレージ212のシリアル番号を照合する際に用いるパスワードのデータが格納される。なお、パスワードは、ストレージ212の正しいシリアル番号(照合用シリアル番号)と、暗号化されたシリアル番号を復号するための後述の復号化キー(変更)とを関連づける情報(データ)であり、後述の復号化キー(変更)とこのパスワードとを用いて所定の演算等を行うことにより、ストレージ212の正しいシリアル番号(照合用シリアル番号)を導出することが可能な情報(データ)である。
なお、本実施形態では、SATAブリッジASIC210がROMを内蔵する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ROMを、バスを介して、SATAブリッジASIC210に外付けするような構成にしてもよい。
<セキュリティ機能>
次に、本実施形態のパチスロ1が備える、ストレージ212へのゴト等の不正行為に対するセキュリティ機能について説明する。
本実施形態のパチスロ1は、電源投入時に、SATAブリッジASIC210により、ストレージ212のシリアル番号と、EEPROM213に格納されたパスワード及び内蔵ROM216に格納された復号化キーにより生成される照合用シリアル番号(ペアリングシリアル生成)とを照合(ペアリング)する機能を有する。そして、このストレージ212のシリアル番号の照合結果が不一致(NG)である場合には、SATAブリッジASIC210は、サブCPU201及びストレージ212間のアクセスを禁止する。
また、本実施形態では、セキュリティ性をさらに向上させるため、製品プログラムを書き込む段階(製造段階)において、内蔵ROM216に予め格納された復号化キー(以下、復号化キー(初期)と記す)、及び、ストレージ212に予め格納されたシリアル番号の暗号化データ(以下、暗号化シリアル番号(初期)と記す)を、専用装置(ROMライター)を使用して変更する。なお、このシリアル番号は、本発明に係るメモリ識別情報の一具体例を示す。
以下、図10及び図11を参照しながら、ストレージ212へのゴト等の不正行為に対するセキュリティ機能の内容を具体的に説明する。なお、図10は、製造段階において実行されるストレージ212の暗号化シリアル番号及び復号化キーの変更処理の概要を示す図である。また、図11は、SATAブリッジASIC210により実行される、ストレージ212のシリアル番号の照合(ペアリング)機能の概要を示す図である。
[ストレージの暗号化シリアル番号及び復号化キーの変更処理]
製造段階に実行されるストレージ212の暗号化シリアル番号及び復号化キーの変更処理では、まず、専用装置500(ROMライター)から専用コマンドがSATAブリッジASIC210に入力される(図10中の矢印A11の動作)。なお、この専用コマンドの入力により、セキュリティ機能の初期設定等の処理が行われる。そして、SATAブリッジASIC210のコントローラ214は、この入力された専用コマンドに基づいて、ストレージ212の暗号化シリアル番号(初期)及び復号化キー(初期)の変更処理を開始する。
次いで、コントローラ214は、内蔵ROM216に予め格納された復号化キー(初期)を内蔵SDRAM215に読み出す(図10中の矢印A12の動作)。次いで、コントローラ214は、ストレージ212に予め格納された暗号化シリアル番号(初期)を内蔵SDRAM215に読み出す(図10中の矢印A13の動作)。そして、コントローラ214は、復号化キー(初期)を使用して読み出された暗号化シリアル番号(初期)を復号する(図10中の矢印A14の動作)。これにより、復号化されたストレージ212のシリアル番号(以下、復号化シリアル番号と記す)が内蔵SDRAM215に格納される。
次いで、専用装置500(ROMライター)からSATAブリッジASIC210に変更用の復号化キー(以下、復号化キー(変更)と記す)が入力される(図10中の矢印A15の動作)。なお、この復号化キー(変更)は、本発明に係る復号情報の一具体例を示す。
次いで、コントローラ214は、復号化キー(変更)を用いて復号化シリアル番号からパスワードを生成する(図10中の矢印A16及びA17の動作)。なお、このパスワードの生成手法(演算手法)は、共通鍵暗号方式(AES、DES(ブロック暗号)、RC4(ストリーム暗号)等)を使用し、復号化キー(変更)を用いて復号化シリアル番号からパスワードを導出しているが、同様にしてパスワードを導出することができれば、例えば、公開鍵暗号方式や他の暗号方式などを採用することができる。また、このパスワードは、本発明に係る照合情報の一具体例を示す。
次いで、コントローラ214は、復号化キー(変更)を内蔵ROM216に保存する(図10中の矢印A18の動作)。この際、復号化キー(変更)は、復号化キー(初期)上に上書きされる。なお、本発明はこれに限定されず、復号化キー(変更)を復号化キー(初期)とは異なる格納領域に保存する構成にしてもよい。
また、コントローラ214は、生成されたパスワードをEEPROM213に保存する(図10中の矢印A19の動作)。
次いで、コントローラ214は、復号化キー(変更)を使用して復号化シリアル番号を暗号化し、変更されたストレージ212の暗号化シリアル番号(以下、暗号化シリアル番号(変更)と記す)を生成する(図10中の矢印A20及びA21の動作)。そして、コントローラ214は、生成されたストレージ212の暗号化シリアル番号(変更)をストレージ212に出力する。これにより、暗号化シリアル番号(変更)がストレージ212内の所定の格納領域に保存される。この際、暗号化シリアル番号(変更)は、ストレージ212内の暗号化シリアル番号(初期)の格納領域とは異なる格納領域に保存される。なお、暗号化シリアル番号(変更)も前述のパスワード生成手法(演算手法)で使用した暗号方式により演算されて生成される。また、後述のストレージのシリアル番号の照合(ペアリング)機能で詳述されるシリアル番号の暗号化及び復号化の処理も同様に、パスワード生成手法(演算手法)で使用した暗号方式に従って処理が行われる。
本実施形態では、上述のようにして、製造段階において、ストレージ212の暗号化シリアル番号及び復号化キーの変更処理を行う。なお、本実施形態では、専用コマンドを出力するための専用装置500としてROMライターを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。専用コマンドが送信可能であれば、任意の装置を使用することができ、例えばパソコン等を専用装置500として用いてもよい。
[ストレージのシリアル番号の照合(ペアリング)機能]
次に、図11を参照して、パチスロ1の電源投入時(起動時)に、SATAブリッジASIC210により実行されるストレージ212のシリアル番号の照合(ペアリング)機能の動作について説明する。
まず、SATAブリッジASIC210のコントローラ214は、電源投入時に、ストレージ212から暗号化シリアル番号(変更)を、内蔵SDRAM215に読み込む(図11中の矢印A31の動作)。また、コントローラ214は、内蔵ROM216から復号化キー(変更)を読み出す(図11中の矢印A32の動作)。そして、コントローラ214は、復号化キー(変更)を用いて、暗号化シリアル番号(変更)を復号する。これにより、復号化シリアル番号(ストレージ212のシリアル番号)が生成される。
次いで、コントローラ214は、EEPROM213からパスワードを読み出すとともに、内蔵ROM216から復号化キー(変更)を読み出す(図11中の矢印A33及びA34の動作)。そして、コントローラ214は、復号化キー(変更)を用いてパスワードからペアリングシリアル番号(照合用シリアル番号)を生成する。この際、コントローラ214は、復号化キー(変更)を用いて復号化シリアル番号からパスワードを生成した際の演算手法とは逆の演算手法により、復号化キー(変更)を用いてパスワードからペアリングシリアル番号(照合用シリアル番号)を生成する。
次いで、コントローラ214は、復号化シリアル番号がペアリングシリアル番号(照合用シリアル番号)と一致するか否かの照合処理(ペアリング処理)を行う(図11中の矢印A35の動作)。そして、この照合処理により、コントローラ214が、復号化シリアル番号がペアリングシリアル番号(照合用シリアル番号)と一致しないと判別した場合には、コントローラ214は、サブCPU201及びストレージ212間のアクセス動作を禁止する。
上述ようなセキュリティ機能を設けることにより、次のような効果が得られる。
ストレージ212のシリアル番号(復号化シリアル番号)は、機器(遊技機)毎に異なるとともに、復号化キー(変更)も機器毎に変更することができる。それゆえ、同一機種の遊技機(パチスロ1)であっても、機器毎に互いに異なるパスワードを生成することができ、遊技機のセキュリティ性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述したストレージ212のシリアル番号の照合処理(ペアリング処理)により、ストレージ212がゴト等により交換(着脱)されたか否かを検知することができる。すなわち、SATAブリッジASIC210のコントローラ214は、ストレージ交換(着脱)検知機能(電源OFF監視可能)を有する。それゆえ、本実施形態では、副制御プログラムやコンテンツデータなどが保存されているストレージ212(SSD、HDD、BD、フラッシュメモリ、ROMなど)が取り外されたか否かを確認することができ、ゴトが行われたか否かを判別することができる。すなわち、本実施形態のセキュリティ機能では、ストレージ基板63へのゴト等の不正行為に対するセキュリティ性を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機の構成及び動作について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形例が含まれる。
上記実施形態では、上記セキュリティ機能(ストレージ212のシリアル番号のペアリング処理機能)をストレージ基板63内のSATAブリッジASIC210で実行する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、副制御回路200で上記セキュリティ機能を実行してもよい。
また、上記実施形態では、上記セキュリティ機能(ストレージ212のシリアル番号のペアリング処理機能)を遊技機の電源投入時(起動時)に実行する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。電源投入時(起動時)だけでなく、例えば、遊技機の稼働中に上記セキュリティ機能を定期的に実行してもよいし、遊技機の稼働中に何らかの不正行為が検知された際に上記セキュリティ機能を実行してもよい。
また、上記実施形態のセキュリティ機能では、ストレージ212のシリアル番号をメモリ識別情報として用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ストレージ212を製品毎に識別可能な情報であれば任意の情報をメモリ識別情報として上記セキュリティ機能で用いることができる。
また、上記実施形態では、副制御基板61(副制御回路200)とストレージ基板63との間をmSATA接続する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、端子の配置が規格化された(規格で決定された)他の接続方式で、副制御基板61(副制御回路200)とストレージ基板63との間が接続されていてもよい。例えば、SATA標準コネクタ、その他のSATA規格に対応したコネクタ、USB規格に対応したコネクタ等により、副制御基板61(副制御回路200)とストレージ基板63との間が接続されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、「パチンコ」と呼ばれる遊技機やスロットマシンにも本発明は適用可能である。