JP2016220556A - 網体およびこれを用いた生簀 - Google Patents

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Abstract

【課題】水生生物等の異物の付着を抑制することが可能な網体およびこれを用いた生簀を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の網体10は、複数の金属線材が編み込まれ、海水中または淡水中で使用される網体10であって、金属芯材24と、金属芯材24を被覆し、亜鉛を含む被覆層25とを備える第1金属線材21と、アルミニウム合金からなる第2金属線材22とを有し、第1金属線材21と第2金属線材22とが隣り合って配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、網体およびこれを用いた生簀に関する。
下記特許文献1には、海水中に敷設された構造体への、海藻類や貝類等の海水生物の付着防止方法が記載されている。特許文献1に記載されている海水生物の付着防止方法は、構造体の壁面に金属体を設け、この金属体に通電させつつ、機械的および/または圧縮空気によるバブリングの付与を行う。また、特許文献2には、養殖用の生簀に使用される金網の交差部に結束具を取り付けて、金網の金属線材と結束具とに異なる金属を用い、そこで生じる電位差を利用した海水生物付着防止方法が記載されている。
特開平9−88033号公報 特開2003−134959号公報
しかし、特許文献1に記載の海水生物の付着防止方法は、機械的および/または圧縮空気によるバブリングの付与を行うためのコンプレッサーや電源等の設備が必要である。また、特許文献2に記載の養殖用生簀の金網は、金網の交差部に、多数の結束具を締め付けボルトにより取り付ける必要があり、製造に係るコストや時間が増大する可能性がある。
本発明は、水生生物等の異物の付着を抑制することができる網体およびこれを用いた生簀を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る網体は、複数の金属線材が編み込まれ、海水中または淡水中で使用される網体であって、金属芯材と、前記金属芯材を被覆し、亜鉛を含む被覆層とを備える第1金属線材と、アルミニウム合金からなる第2金属線材とを有し、前記第1金属線材と前記第2金属線材とが隣り合って配置される。
これによれば、第1金属線材の被覆層により金属芯材の腐食が抑制されるとともに、被覆層の亜鉛が海水中または淡水中に溶出することで、水生生物等の異物の付着が抑制される。したがって、簡便な構造で水生生物等の異物の付着を抑制することができる。
本発明の望ましい態様に係る網体において、前記被覆層は、亜鉛めっき処理、亜鉛蒸着、亜鉛溶射のいずれかにより被覆される。これによれば、容易に金属芯材の表面を亜鉛で被覆することができる。
本発明の望ましい態様に係る網体において、前記金属芯材は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料を含む。これによれば、被覆層の亜鉛が溶出して金属芯材が露出した後に、アルミニウム合金からなる第2金属線材と、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属芯材とが接触することで電位差が生じ、この電位差により水生生物等の異物の付着が抑制される。
本発明の望ましい態様に係る網体において、前記金属芯材は、鋼材である。これによれば、被覆層が溶出した後に露出する鋼材と、アルミニウム合金からなる第2金属線材との接触により電位差が生じ、水生生物等の異物の付着を抑制することができる。また、網体の強度を向上させることができる。
本発明の望ましい態様に係る網体において、前記第1金属線材と前記第2金属線材とが交互に隣り合って編み込まれる。これによれば、網体の全体にわたって、水生生物等の異物の付着を抑制することができる。
本発明の望ましい態様に係る生簀は、上記のいずれかの網体と、前記網体が取り付けられる枠体とを有する。これによれば、第1金属線材の被覆層により金属芯材の腐食が抑制されるとともに、被覆層の亜鉛が海水中または淡水中に溶出することで水生生物等の異物の付着が抑制される。
本発明の網体およびこれを用いた生簀によれば、水生生物等の異物の付着を抑制することが可能である。
図1は、実施形態に係る網体の平面図である。 図2は、図1のA−A線で切断して矢印方向から見たときの部分拡大断面図である。 図3は、被覆層が溶出した後の網体の部分拡大断面図である。 図4は、第1変形例に係る網体を模式的に示す模式平面図である。 図5は、第2変形例に係る網体を模式的に示す模式平面図である。 図6は、実施形態に係る生簀を示す斜視図である。
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、図面は説明をより明確にするため、各部の寸法を適宜変更して示している。
図1は、実施形態に係る網体の平面図である。図2は、図1のA−A線で切断して矢印方向から見たときの部分拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の網体10は、互いに隣り合って配置された第1金属線材21および第2金属線材22を有する。第1金属線材21は、+X方向に突出する屈曲部21aと、−X方向に突出する屈曲部21bと、屈曲部21aと屈曲部21bとを繋ぐ直線部21cとを有する。第1金属線材21は、Y方向において、屈曲部21aと屈曲部21bとが交互に設けられた波形の形状を有する。第2金属線材22は、+X方向に突出する屈曲部22aと、−X方向に突出する屈曲部22bと、屈曲部22aと屈曲部22bとを繋ぐ直線部22cとを有する。第2金属線材22は、Y方向において、屈曲部22aと屈曲部22bとが交互に設けられた波形の形状を有する。第1金属線材21および第2金属線材22は、それぞれ波状にY方向に延びており、複数の第1金属線材21と複数の第2金属線材22とが、X方向において交互に隣り合って配置される。
第1金属線材21と、第1金属線材21の+X方向に隣り合う第2金属線材22とは、屈曲部21aと屈曲部22bとが交差する。また、第1金属線材21と、第1金属線材21の−X方向に隣り合う第2金属線材22とは、屈曲部21bと屈曲部22aとが交差する。このようにして、第1金属線材21と第2金属線材22とが隣り合って編み込まれている。網体10は、第1金属線材21の直線部21c、21cおよび第2金属線材22の直線部22c、22cで囲まれた部分が開口する。なお、直線部21c、22cで囲まれた開口の大きさや、第1金属線材21および第2金属線材22の直径は、網体10の用途、使用環境に応じて適宜変更することができる。また、第1金属線材21と第2金属線材22とが交差する箇所で、屈曲部21a、21bと屈曲部22a、22bとが接触していてもよく、また屈曲部21a、21bと屈曲部22a、22bとが接触せず間隔Lを設けて離間していてもよい。若しくは直線部21cと直線部22cとが接触してもよい。
第1金属線材21と、第1金属線材21の+X方向に隣り合う第2金属線材22とは、+Y方向および−Y方向の端部が折り曲げられて接続されている。端部で接続された第1金属線材21と第2金属線材22とを一組の金属線材10aとしたとき、X方向に隣り合う一組の金属線材10aと一組の金属線材10aの間隔は変位可能となっている。このため、網体10の収納時や運搬時において、図1に示す間隔Lが大きくなるように網体10を変形させて、網体10のX方向の寸法を小さくすることが可能となっている。
図2に示すように、第1金属線材21は、金属芯材24と、金属芯材24を被覆する被覆層25とを有する。被覆層25は亜鉛(Zn)を含む金属材料である。被覆層25は、金属芯材24の周方向においてほぼ一定の厚さを有しており、かつ、金属芯材24の延在方向においてほぼ一定の厚さを有している。
被覆層25に用いられる亜鉛(Zn)は、亜鉛めっき処理、亜鉛蒸着、亜鉛溶射のいずれかの方法により設けられてもよい。亜鉛めっき処理は、金属芯材24を、洗浄工程、フラックス被膜形成工程を経たのち、溶融した亜鉛浴の中に浸漬して亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっきであってもよい。又は、アノードとして亜鉛を含む金属材料を用い、カソードとして金属芯材24を用いて、金属芯材24の表面に亜鉛をめっきする電解めっきや、無電解めっきであってもよい。亜鉛蒸着は、真空装置内で、蒸着源としての亜鉛を加熱して気化させることで、金属芯材24の表面に亜鉛を付着させることができる。亜鉛溶射は、電気または燃焼エネルギーにより亜鉛を溶融し、溶融された亜鉛を圧縮空気等で微粒子化して金属芯材24に吹き付けることで、金属芯材24の表面に被膜が形成される。網体10の大きさや用途により、被覆層25の形成方法は適宜選択することができ、従来の手法を用いることで、容易に亜鉛を被覆した第1金属線材21を製造することができる。本実施形態において、亜鉛を含む被覆層25は、例えば亜鉛めっき処理で形成された場合、40μm以上、100μm以下の厚さである。
本実施形態において、第2金属線材22は、例えば、A1070(純アルミニウム系)、A5052(アルミマグネシウム系合金)、A6063(アルミマグネシウムシリコン系合金)等のアルミニウム合金が用いられる。また、アルミニウム合金は鉄(Fe)や銅(Cu)等の金属材料に比べ軽量であり、網体10を構成する金属線材のうち、約半分の線材が第2金属線材22であるため、網体10の軽量化を図ることができる。
第1金属線材21の金属芯材24は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料が用いられる。海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料として、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、マンガン(Mn)またはこれらの合金材料が挙げられる。本実施形態において、第1金属線材21は、鉄(Fe)を主成分として炭素(C)等を含有する鋼材が用いられる。鋼材は、耐久性が高いとされている耐候性鋼材を用いることができ、例えばオーステナイト系鋼材、二相系ステンレス鋼等であってもよい。第1金属線材21に鋼材を用いることにより、網体10の強度が向上する。
網体10が、例えば魚類等の養殖用の生簀に用いられ、海水中で使用される場合、貝類、藻類等の水生生物が付着する。水生生物の付着が多くなった場合、網体10の開口が塞がれて、網体10の海水の流れが阻害される可能性が生じ、また、付着した水生生物が、生簀の魚類等に悪影響を及ぼす可能性がある。また、網体10が、淡水中で使用される場合も、淡水中の生物やゴミなどの異物が付着する可能性がある。
本実施形態の網体10によれば、第1金属線材21の金属芯材24を被覆する被覆層25が設けられており、被覆層25は、亜鉛を含む。このため、網体10を海水中または淡水中で使用した場合、亜鉛が徐々に水中に溶出することにより、水生生物等の異物が網体10に付着することを抑制できる。また、被覆層25を設けることにより金属芯材24の腐食が抑制される。
図2に示すように、亜鉛を含む被膜層25と、アルミニウム合金からなる第2金属線材22とが接触する。海水中または淡水中で亜鉛はアルミニウムに対して卑であり、被膜層25と第2金属線材22とが接触することにより電位差が生じる。これにより、被膜層25の亜鉛が溶出して水生生物等の異物の網体10への付着が抑制されるとともに、第2金属線材22はカソード(陰極)となり第2金属線材22の腐食が抑制される。
なお、図2では、図1に示す屈曲部21bと屈曲部22aとが接触する箇所を示したが、第1金属線材21と第2金属線材22とが接触せず、近づいて配置された箇所においても、被膜層25の亜鉛が溶出し水生生物等の異物の付着が抑制される。また、屈曲部21a、21bと屈曲部22a、22bとが交差する箇所に限定されず、直線部21cと直線部22cとが、接触、若しくは接触せずに近づいて配置された箇所においても、同様の効果が得られる。
図3は、被覆層が溶出した後の網体の部分拡大断面図である。網体10が海水中または淡水中で継続して使用されると、被覆層25の亜鉛が溶出することにより、被覆層25の厚さが徐々に薄くなる。網体10が所定の期間使用されることで、第1金属線材21の金属芯材24が露出し、金属芯材24と第2金属線材22とが接触する。なお、図3においても金属芯材24と第2金属線材22とが接触する場合に限らず、接触せずに近づいて配置された場合であってもよい。
本実施形態において、第2金属線材22としてアルミニウム合金が用いられ、金属芯材24として、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属である鋼材が用いられている。したがって、海水中または淡水中での電位が異なる金属芯材24と第2金属線材22とが、接触または接触せずに近づいて配置されることで、金属芯材24と第2金属線材22との間に電位差が生じる。この場合、金属芯材24の鋼材がカソード(陰極)となり、第2金属線材22のアルミニウムがアノード(陽極)となる。金属芯材24と第2金属線材22との間の電位差により、第2金属線材22が溶出し水生生物等の異物の付着が抑制される。また、金属芯材24の鋼材の腐食が抑制される。
以上のように、本実施形態の網体10は、まず、図2に示すように、第1金属線材21の被覆層25として用いられる亜鉛が海水中または淡水中に溶出することで、水生生物等の異物の付着が抑制される。被覆層25が溶出した後は、図3に示すように、第1金属線材21の金属芯材24と、第2金属線材22とが接触する。第2金属線材22はアルミニウム合金が用いられ、金属芯材24は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料である。したがって、第1金属線材21の金属芯材24と第2金属線材22とが接触することで電位差が生じ、この電位差により第2金属線材22が溶出して、水生生物等の異物の付着が抑制される。このように、本実施形態の網体10によれば、水生生物等の異物の付着を抑制する効果が、2段階にわたって長期間持続する。
図1に示すように、第1金属線材21と第2金属線材22とは、交互に隣り合って編み込まれており、屈曲部21a、21bと屈曲部22a、22bとが交差する箇所の近傍で接触し、または、直線部21cと直線部21cとが接触する。この接触により、第1金属線材21と第2金属線材22との電位差が生じる。このため、第1金属線材21と第2金属線材22とが接触する箇所に、異なる金属材料からなる結束具を設ける必要がなく、第1金属線材21および第2金属線材22に電圧を印加するための電源等の外部の設備も不要である。よって、簡便な構成で水生生物等の異物の付着を抑制することができる。
以上のように、本実施形態の網体10は、複数の金属線材が編み込まれ、海水中または淡水中で使用される網体であって、金属芯材24と、金属芯材24を被覆し、亜鉛を含む被覆層25とを備える第1金属線材21と、アルミニウム合金からなる第2金属線材22とを有し、第1金属線材21と第2金属線材22とが隣り合って配置される。
これによれば、第1金属線材21の被覆層25により金属芯材24の腐食が抑制されるとともに、被覆層25の亜鉛が海水中または淡水中に溶出することで、第1金属線材21および第2金属線材22への水生生物等の異物の付着が抑制される。したがって、簡便な構造で水生生物等の異物の付着を抑制することができる。
本実施形態の網体10において、被覆層25は、亜鉛めっき処理、亜鉛蒸着、亜鉛溶射のいずれかにより被覆される。これによれば、被覆層25の亜鉛は、従来の手法を用いて被覆することができるため、金属芯材24の表面が亜鉛で被覆された第1金属線材21を容易に製造することができる。
本実施形態の網体10において、金属芯材24は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料を含む。これによれば、被覆層25の亜鉛が溶出して金属芯材24が露出した後、アルミニウム合金からなる第2金属線材22と、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属芯材24とが接触することで電位差が生じ、この電位差を利用して水生生物等の異物の付着が抑制される。すなわち、水生生物等の異物の付着を抑制する効果が、2段階にわたって長期間持続する。
本実施形態の網体10において、金属芯材24は、鋼材である。これによれば、被覆層25が溶出した後に露出する鋼材と、アルミニウム合金からなる第2金属線材22との接触により電位差が生じ、水生生物等の異物の付着を抑制することができる。また、金属芯材24に鋼材を用いることで、強度的に優れた網体10とすることができる。
本実施形態の網体10において、第1金属線材21と第2金属線材22とが交互に隣り合って編み込まれる。これによれば、第1金属線材21と第2金属線材22との接触箇所を多くすることができるため、網体10の全体にわたって、効果的に水生生物等の異物の付着を抑制することができる。
(第1変形例)
図4は、第1変形例に係る網体を模式的に示す模式平面図である。図1に示した網体10は、第1金属線材21と第2金属線材22とが、X方向において交互に隣り合って配置されているが、これに限定されない。図4に示す第1変形例の網体11は、1本の第1金属線材21と2本の第2金属線材22からなる一組の金属線材11aを有し、一組の金属線材11aがX方向に複数配置されている。すなわち、網体11は、第1金属線材21の本数と、第2金属線材22の本数との比が、1:2となっている。なお、一組の金属線材11aの第1金属線材21と第2金属線材22との配置の順番は特に限定されない。
アルミニウム合金からなる第2金属線材22の本数を多くすることにより、網体11がさらに軽量化される。また、上述のように、被覆層25の亜鉛と第2金属線材22とが接触することにより、第2金属線材22のアルミニウム合金の腐食が抑制されるため、第2金属線材22の本数を多くすることにより、被覆層25が溶出するまでの期間における、網体11の腐食が抑制される。
(第2変形例)
図5は、第2変形例に係る網体を模式的に示す模式平面図である。図1または図4の網体10、11は、第1金属線材21の本数と、第2金属線材22の本数との比が、それぞれ1:1、1:2となっている。これに限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば図5に示すように、網体12は、1本の第1金属線材21と3本の第2金属線材22が隣り合って配置された4本の金属線材を一組の金属線材12aとして、一組の金属線材12aをX方向に複数配置してもよい。この場合、網体12は、第1金属線材21の本数と、第2金属線材22の本数との比が、1:3となっている。アルミニウム合金からなる第2金属線材22の比率が多くなるため、網体12をさらに軽量化することができる。
網体10、11、12の構造や材料は、上述した実施形態、各変形例の内容に限定されるものではない。例えば、第1金属線材21の本数と、第2金属線材22の本数との比は、2:1、3:1、2:3等であってもよい。この場合、金属芯材24に鋼材を用いた第1金属線材21の本数を多くすることで、網体の強度が向上する。また、第1の金属線材21の金属芯材24および第2金属線材22の両方が、アルミニウム合金を用いた金属線材であってもよい。この場合、被覆層25が溶出した後に、第1の金属線材21と第2金属線材22との接触による電位差は生じないが、少なくとも被覆層25の亜鉛が溶出することにより水生生物等の異物の付着が抑制される。また、網体10の軽量化が可能である。本実施形態の網体10、11、12は、第1金属線材21と第2金属線材22とが、屈曲部21a、21b、22a、22bで交差して互いに編み込まれているが、このような構成に限定されるものではなく、第1金属線材21と第2金属線材22とが、互いに隣り合って配置されて、接触、または接触せずに近づいて配置される箇所が設けられていればよい。
図6は、実施形態に係る生簀を示す斜視図である。図6に示すように、生簀15は、上述の網体10と、網体10が取り付けられる枠体30とを有する。網体10は、上述したものと同様の構造であり、第1金属線材21および第2金属線材22も同様の金属材料が用いられる。枠体30は、平面視において、正方形状または矩形状であり、正方形状または矩形状の枠体30の各頂点に、下方に延びる複数の支柱31が設けられている。枠体30および支柱31に網体10が取り付けられる。生簀15は、枠体30に囲まれた上面側が開口し、各側面および底面に網体10が設けられる。生簀15は海水中または淡水中で魚の養殖などに用いられるものであり、枠体30に浮子を設けて使用することができる。なお、生簀15の構造は特に限定されず、平面視において円形であってもよい。また、生簀15は、支柱31を設けずに、枠体30に網体10が吊下げられるように取り付けたものであってもよい。
生簀15は、網体10が用いられているため、第1金属線材21の被覆層25により金属芯材24の腐食が抑制されるとともに、被覆層25の亜鉛が海水中または淡水中に溶出することで、第1金属線材21および第2金属線材22への水生生物等の異物の付着が抑制される。
被覆層25が溶出した後は、露出した金属芯材24と、第2金属線材22とが接触する。第2金属線材22はアルミニウム合金であり、金属芯材24は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料である。したがって、金属芯材24と第2金属線材22とが接触することで電位差が生じ、第2金属線材22が溶出して、水生生物等の異物の付着が抑制される。このように、本実施形態の生簀15は、網体10を用いることにより、水生生物等の異物の付着を抑制する効果が2段階にわたって長期間持続する。したがって、生簀15の長寿命化が可能である。また、生簀15に付着する水生生物等の異物を除去する作業が軽減され、作業コストが低減する。
なお、図6では、網体10を用いた生簀15を示したが、これに限定されず、網体10は、海水または淡水に浸漬または接触する状態で使用される網状構造物に使用してもよい。例えば発電設備等の海水取水口や、船舶等の網状構造物として用いることができる。
10、11、12 網体
10a、11a、12a 一組の金属線材
15 生簀
21 第1金属線材
21a、21b 屈曲部
22 第2金属線材
22a、22b 屈曲部
24 金属芯材
25 被覆層

Claims (6)

  1. 複数の金属線材が編み込まれ、海水中または淡水中で使用される網体であって、
    金属芯材と、前記金属芯材を被覆し、亜鉛を含む被覆層とを備える第1金属線材と、
    アルミニウム合金からなる第2金属線材とを有し、
    前記第1金属線材と前記第2金属線材とが隣り合って配置される網体。
  2. 前記被覆層は、亜鉛めっき処理、亜鉛蒸着、亜鉛溶射のいずれかにより被覆される請求項1に記載の網体。
  3. 前記金属芯材は、海水中または淡水中での電位がアルミニウムよりも貴な金属材料を含む請求項1または請求項2に記載の網体。
  4. 前記金属芯材は、鋼材である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の網体。
  5. 前記第1金属線材と前記第2金属線材とが交互に隣り合って編み込まれる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の網体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の網体と、
    前記網体が取り付けられる枠体とを有する生簀。
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JP2019126322A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 日本軽金属株式会社 金属部材、網体及び生簀
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