JP2016220147A - アンテナ - Google Patents
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Abstract
Description
この板金アンテナには、電子機器との信号送受信のために同軸ケーブルが接続されるが、板金アンテナを電子機器の筐体に取り付ける際、あるいは、コネクタの嵌合時などの作業時に、同軸ケーブルが引っ張られることがある。そうすると、同軸ケーブルと板金アンテナを接続するはんだ付け部において、はんだが外れたり、同軸ケーブルがはんだ付け部で断線したりして、はんだ付け部の健全性が保てなくなる。慎重に作業を進めれば、不具合は生じないが、生産効率を落とすことになる。
また、車載機器は、振動や温度変化が継続的に加わる搭載環境にある。同軸ケーブルが振動することではんだ付け部にストレスが生ずることになると共に、温度の上昇や下降が繰り返されることで、はんだにクラックが容易に発生する。
はんだ付け部への引張り荷重を避けるには、同軸ケーブルが十分な余長を有することが必要である。しかし、車載機器では、ケーブルが長すぎると共振してはんだ付け部にストレスを与えたり、他の部品と接触して異音を発生させたりするという問題がある。同軸ケーブルが短い場合と長い場合の異なる課題を従来の構造で解決することは困難であった。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、同軸ケーブル等の電気ケーブルが引っ張られてもはんだ付け部の健全性が維持されるアンテナを低コストで提供することを目的とする。
本発明におけるアンテナ本体は、金属板を板金加工することにより一体的に形成され、電気ケーブルが電気的に接続される電線接続部を有するエレメント部と、エレメント部に一体的に連なるグランド部と、を有するアンテナ本体と、を備える。
本発明におけるアンテナホルダは、アンテナ本体を保持するアンテナ保持部と、電気ケーブルに生じた引張力や振動が電線接続部へ伝わるのを抑えつつ電気ケーブルを保持するケーブル保持部と、を一体的に備えている。
一方で、本発明のように、アンテナホルダがアンテナ保持部とケーブル保持部の両者を備えているので、電気ケーブルが引っ張られたときに生ずる引張力を、アンテナ保持部を介してアンテナホルダだけで受けることになる。これにより、電気ケーブルが引っ張られたときに、アンテナ本体、更にははんだ付け部に力が加わるのを避けることができる。
また、組み付け時に限らず、車輌搭載時の振動や製品輸送時の衝撃が生じた場合も同様に、アンテナ本体のはんだ付け部へのストレスを避けることができる。
電線接続部から引き出される向きとは異なる向きに電気ケーブルが引き回されると、電気ケーブルが折り曲げられることになるが、この折り曲げ部分があることにより、電気ケーブルに生じた引張り力が電線接続部に伝わるのを阻止することができる。
これにより、電線接続部から引き出される電気ケーブルを、不必要に折り曲げることなく、ケーブル保持部まで引き回すことができる。
アンテナ本体をアンテナホルダに保持するのに、このボスを加熱溶融して加圧すれば足りるので、保持のための作業が簡便ですむ。
この本発明のアンテナによれば、受容溝にアンテナ保持部が入り込んでエレメント部を保持することで、アンテナ本体の剛性を確保するとともに、ケーブル保持部に設けたタブを用いてグランド部をも保持するので、アンテナ本体の全体の剛性を保って保持することができる。
本実施形態の車載用アンテナ1は、図1及び図2に示すように、アンテナ本体10とアンテナホルダ20を備える。車載用アンテナ1は、アンテナ本体10がアンテナホルダ20に保持されるとともに、アンテナ本体10にはんだ付けされる同軸ケーブル40がアンテナホルダ20に保持されることで、同軸ケーブル40が引っ張られたとしても、はんだ付け部の健全性(integrity)を確保する。なお、車載用アンテナ1において、図1に示されている側をおもて側とし、図2に示されている側をうら側と定義するものとする。
以下、車載用アンテナ1の構成を説明し、次いで車載用アンテナ1による作用及び効果を説明する。
車載用アンテナ1は、金属板を板金加工して作製されたアンテナ本体10を備える。
アンテナ本体10は、図3に示すように、エレメント部11と、エレメント部11に対するグランド部17とを備え、エレメント部11とグランド部17は板金加工により一体的に成形されたものであり、並列に配列されている。車載用アンテナ1は、安価な金属材料、例えば鉄又は鉄基合金により構成される。
本実施形態のエレメント部11は、二種類の周波数帯に対応するために、それぞれにスリット18,19が形成されている二つのアンテナ素子12,13を備える。ただし、これはあくまで一例であり、本発明を限定する要素にはならない。
また、エレメント部11は、同軸ケーブル40の芯線41がはんだ付けされる第1はんだ付け部15と、同軸ケーブル40の編組45がはんだ付けされる第2はんだ付け部16と、を備えている。本実施形態の車載用アンテナ1は、同軸ケーブル40がはんだ付けされた第1はんだ付け部15と第2はんだ付け部16に応力が加わって、はんだがはがれたり、同軸ケーブル40の芯線41が断線したりするのを防止する構造をアンテナホルダ20が備えている。
図3に示すように、グランド部17にも、アンテナホルダ20との熱かしめに供されるかしめ孔H4が、表裏を貫通して形成されている。
アンテナホルダ20は、アンテナ本体10と一体的に組み付けられることで、アンテナ本体10の剛性を確保する機能と、同軸ケーブル40が引っ張られたとしてもアンテナ本体10と同軸ケーブル40のはんだ付け部分に応力を生じさせない機能(ストレインリリーフ:strain relief)と、を備えている。この機能を発揮するために、アンテナホルダ20は以下の構成を備えている。
アンテナ保持部21には、ケーブル保持部25との接続部分の近傍に、他の部分よりも幅が狭くされた括れ22が形成されており、同軸ケーブル40はここを通ってケーブル保持部25に引き回される。なお、アンテナ保持部21において、括れ22が形成されている側を内側、その反対側を外側とし、ケーブル保持部25においても同様に内側、外側を定義する。
ここで、本実施形態の車載用アンテナ1は、エレメント部11の電線接続部である第1はんだ付け部15、第2はんだ付け部16は、アンテナホルダ20のアンテナ保持部21及びケーブル保持部25と重ならずに配置されている。したがって、第2はんだ付け部16から引き出される同軸ケーブル40を、不必要に折り曲げることなく、括れ22、通路23を通して保持壁27と保持爪28,28の間まで引き回すことができる。
はじめに、図5に示すように、アンテナ本体10に同軸ケーブル40をはんだ付けする。
はんだ付けは、同軸ケーブル40の芯線41とアンテナ本体10の第1はんだ付け部15を、かつ、同軸ケーブル40の編組45とアンテナ本体10の第2はんだ付け部16とを位置合わせして、この2か所で行われる。なお、図5及び図6において、はんだ自体の記載を省略している。
この際、アンテナ本体10の受容溝14とアンテナホルダ20のアンテナ保持部21とが対応するように位置決めしてから、アンテナ保持部21に受容溝14が嵌り込むようにアンテナホルダ20を押し込む。この時、かしめ孔H1,H2,H3,H4のそれぞれに対応するかしめボスE1,E2,E3,E4が嵌め入れられることで、アンテナ本体10とアンテナホルダ20の位置決めがなされる。
アンテナ本体10とアンテナホルダ20が所定の位置関係まで嵌合されたなら、かしめ孔H1,H2,H3,H4のそれぞれから突出するボスE1,E2,E3,E4を熱融着して熱かしめを行う。この熱かしめにより、アンテナ本体10とアンテナホルダ20は互いに固定される。同軸ケーブル40は、未だ真っ直ぐのままであるから、次に、同軸ケーブル40をケーブル保持部25に保持させる作業を行う。
以上のようにして、アンテナ本体10がアンテナホルダ20に保持されるとともに、アンテナ本体10にはんだ付けされた同軸ケーブル40がアンテナホルダ20に保持された、車載用アンテナ1が作製される。
車載用アンテナ1は、アンテナ本体10の剛性を確保するためのアンテナホルダ20が、同軸ケーブル40を保持するケーブル保持部25を一体的に備えている。したがって、ケーブル保持部25に相当する部材を個別に作製して組み付けるのに比べて、部品コストを低減できるとともに、組み付け作業に関するコストも低減できる。特に、アンテナホルダ20は、エレメント部11を保持するアンテナ保持部21をも一体で形成されているので、より低コストで車載用アンテナを提供することができる。
本実施形態の車載用アンテナ1は、同軸ケーブル40を、保持壁27と保持爪28,28等により保持する要素とともに、第2はんだ付け部16から引き出される向きとは異なる向きに同軸ケーブル40を引き回す要素により、引張力が第2はんだ付け部16まで伝わるのを抑えている。しかし、これは好ましい実施形態であって、本発明は、いずれかの要素だけで、引張力が第2はんだ付け部16まで伝わるのを抑えてもよい。
また、同軸ケーブル40を異なる向きに同軸ケーブル40を引き回す場合、折り曲げる回数は一度でもよい。
また、本実施形態では車載用アンテナ1を例にして説明したが、本発明は車載用アンテナ以外のアンテナに広く適用することができる。
10 アンテナ本体
11 エレメント部
12,13 アンテナ素子
14 受容溝
15 第1はんだ付け部
16 第2はんだ付け部
17 グランド部
18 スリット
20 アンテナホルダ
21 アンテナ保持部
22 括れ
23 通路
25 ケーブル保持部
26 保持床
27 保持壁
28 保持爪
29 保持スロット
30 保持爪
31 タブ
40 同軸ケーブル
41 芯線
43 絶縁被覆
45 編組
47 外皮
E1,E2,E3,E4 かしめボス
H1,H2,H3,H4 かしめ孔
C1,C2,C3,C4 熱かしめ
Claims (5)
- 金属板を板金加工することにより一体的に形成され、電気ケーブルが電気的に接続される電線接続部を有するエレメント部と、前記エレメント部に一体的に連なるグランド部と、を有するアンテナ本体と、
前記アンテナ本体を保持する樹脂製のアンテナホルダと、を備え、
前記アンテナホルダは、
前記アンテナ本体を保持するアンテナ保持部と、前記電気ケーブルに生じた引張力や振動が前記電線接続部へ伝わるのを抑えつつ前記電気ケーブルを保持するケーブル保持部と、
を備えることを特徴とするアンテナ。 - 前記ケーブル保持部は、
前記電線接続部から引き出される向きとは異なる向きに引き回される前記電気ケーブルを保持する、
請求項1に記載のアンテナ。 - 前記エレメント部の前記電線接続部は、
前記アンテナホルダの前記アンテナ保持部及び前記ケーブル保持部と重ならない位置に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載のアンテナ。 - 前記アンテナホルダの前記アンテナ保持部は、
熱かしめにより前記アンテナ本体を固定するかしめボスを備える、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ。 - 前記アンテナ本体は、
前記横断面が門型の形状をなすことで受容溝を備える前記エレメント部と、
前記エレメント部に連なる前記グランド部と、が並列に配列され、
前記アンテナホルダは、
前記アンテナ保持部が、前記受容溝に嵌め込まれて前記エレメント部を保持し、
前記ケーブル保持部が、前記グランド部に沿って配置され、かつ、前記グランド部と部分的に重なるタブを介して前記グランド部を保持する、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアンテナ。
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