JP2016219586A - 光伝導アンテナ、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置 - Google Patents

光伝導アンテナ、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テラヘルツ波の利用効率を高めることができる光伝導アンテナを提供する。【解決手段】本発明に係る光伝導アンテナ100は、光伝導層10と、光伝導層10の第1面12の上方に位置し、光伝導層10に電圧を印加する第1電極20および第2電極30と、を含み、光伝導層10の第1面12と反対側の第2面14は、凸面である。【選択図】図1

Description

本発明は、光伝導アンテナ、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置に関する。
近年、100GHz以上30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、例えば、イメージング、分光計測等の各種計測、非破壊検査等に用いることができる。
このテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置は、例えば、サブピコ秒(数百フェムト秒)程度のパルス幅をもつ光パルスを発生させる光パルス発生装置と、光パルス発生装置で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生させる光伝導アンテナ(Photo Conductive Antenna:PCA)と、を有している。
例えば特許文献1には、テラヘルツ波発生部となる光伝導膜が、テラヘルツ波に対してレンズ作用をなす基材上に形成されていることが記載されている。
特開2002−223017号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光伝導アンテナでは、光伝導膜とレンズ基材との間に界面が生じるため、光の損失が発生し、テラヘルツ波の利用効率が低下する場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる光伝導アンテナを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記の光伝導アンテナを含むテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置を提供することにある。
本発明に係る光伝導アンテナは、
光伝導層と、
前記光伝導層の第1面の上方に位置し、前記光伝導層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
を含み、
前記光伝導層の前記第1面と反対側の第2面は、凸面である。
このような光伝導アンテナでは、光伝導層の第2面は、レンズとして機能することができ、テラヘルツ波を集光させることができる。そのため、このような光伝導アンテナでは、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材との間に界面が存在せず、界面において光の損失が発生しない。したがって、このような光伝導アンテナでは、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記凸面は、球面の一部であってもよい。
このような光伝導アンテナでは、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記凸面は、半球面であってもよい。
このような光伝導アンテナでは、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第1電極および前記第2電極の間に、前記第1面の面内方向に沿って所定の間隔を有するギャップ部が設けられ、
前記凸面の中心は、前記第1面上、かつ、前記ギャップ部において前記第1電極および前記第2電極に対して等距離となる位置に設けられていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、半球面である第2面の中心を含む領域に光パルスを照射することにより、第2面においてテラヘルツ波を平行光にすることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第1面と、前記第1電極および前記第2電極と、の間に、絶縁層が設けられていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、耐圧を向上させることができる。
本発明に係るテラヘルツ波発生装置は、
光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
を含む。
このようなテラヘルツ波発生装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
本発明に係るカメラは、
光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、
を含む。
このようなカメラでは、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本発明に係るイメージング装置は、
光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、
を含む。
このようなイメージング装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本発明に係る計測装置は、
光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、
を含む。
このような計測装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本発明に係る計測装置において、
前記テラヘルツ波検出部は、本発明に係る光伝導アンテナを含んで構成されていてもよい。
このような計測装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本実施形態に係る光伝導アンテナを模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る光伝導アンテナを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る光伝導アンテナを模式的に示す平面図。 本実施形態の変形例に係る光伝導アンテナを模式的に示す断面図。 本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置の構成を模式的に示す図。 本実施形態に係るイメージング装置を示すブロック図。 本実施形態に係るイメージング装置のテラヘルツ波検出部を模式的に示す平面図。 テラヘルツ波検出装置を模式的に示す平面図。 テラヘルツ波検出装置のテラヘルツ波検出素子を模式的に示す断面図。 テラヘルツ波検出装置のテラヘルツ波検出素子を模式的に示す平面図。 対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフ。 対象物の物質A、BおよびCの分布を示す画像の図。 本実施形態に係る計測装置を示すブロック図。 本実施形態の変形例に係る計測装置を模式的に示す図。 本実施形態の変形例に係る計測装置のテラヘルツ波検出部の構成を模式的に示す図。 本実施形態に係るカメラを示すブロック図。 本実施形態に係るカメラを模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 光伝導アンテナ
まず、本実施形態に係る光伝導アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100を模式的に示す断面図である。図3は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100を模式的に示す平面図である。なお、図2は、図3のII−II線断面図である。
光伝導アンテナ100は、図1〜図3に示すように、光伝導層10と、第1電極20と、第2電極30と、を含む。以下では、一例として、テラヘルツ波発生装置を構成する光伝導アンテナ100について説明する。光伝導アンテナ100は、光パルスPが照射されてテラヘルツ波Tを発生する。
なお、光パルスとは、短時間に急峻に強度が変化する光をいう。光パルスのパルス幅(半値全幅FWHM)は、特に限定されないが、例えば、1fs(フェムト秒)以上800fs以下である。また、テラヘルツ波とは、周波数が、100GHz以上30THz以下の電磁波、特に、300GHz以上3THz以下の電磁波をいう。
光伝導層10は、光パルスPが照射されてテラヘルツ波Tを発生する。光伝導層10の材質は、例えば、半絶縁性GaAsである。光伝導層10は、第1面12と、第2面14と、を有している。
光伝導層10の第1面12は、平坦な面である。図3に示す例では、第1面12の形状は、平面視において(光伝導層10と電極20,30との積層方向からみて)、円形である。第1面12の直径は、例えば、1cm以上5cm以下である。図示の例では、第1面12は、電極20,30と接している。
光伝導層10の第2面14は、第1面12と反対側の面である。第2面14は、第1面12に接続されている。第2面14は、凸面である。具体的には、第2面14は、球面の一部であり、図示の例では半球面である。ここで、「半球面」とは、球面を有する球体を、その中心を通る平面によって2つの部分に分けたときに、一方の部分を構成する球面の一部である。第2面14の中心Cは、第1面12上に設けられている。ここで、「第2面14の中心C」とは、第2面14までの距離が等しい点であり、図示の例では、第2面14の中心Cの位置は、第1面12の中心の位置と同じである。第2面14の中心Cは、第2面14の焦点となることができる。第2面14は、レンズとして機能することができ、テラヘルツ波Tを集光させることができる。図2に示す例では、第2面14は、テラヘルツ波Tを平行光として射出している。
第1電極20および第2電極30は、第1面12の上方に(図示の例では第1面12上に)位置している。電極20,30は、光伝導層10に電圧を印加する電極である。電極20,30は、光伝導層10とオーミックコンタクトしていてもよい。
第1電極20は、図3に示すように、第1電圧印加部22と、第1パッド部24と、第1ライン部26と、を有している。第2電極30は、第2電圧印加部32と、第2パッド部34と、第2ライン部36と、を有している。
第1電圧印加部22および第2電圧印加部32は、光伝導層10に電圧を印加する部分である。電圧印加部22,32の間に、第1面12の面内方向に沿って所定の間隔Dを有するギャップ部2が設けられている。間隔Dの大きさは、例えば、1μm以上100μm以下であり、具体的には、5μm程度である。第2面14の中心Cは、平面視において、ギャップ部2において(ギャップ部2に設けられ)電極20,30に対して等距離となる位置に設けられている。電圧印加部22,32の形状は、平面視において、矩形である。すなわち、光伝導アンテナ100は、ダイポール型のPCAである。
第1パッド部24および第2パッド部34は、外部配線(図示せず)と接続される部分である。図示の例では、パッド部24,34の平面形状は、矩形である。パッド部24,34の各々は、例えば、2つ設けられている。
第1ライン部26は、第1電圧印加部22と第1パッド部24とを接続している。第2ライン部36は、第2電圧印加部32と第2パッド部34とを接続している。ライン部26,36は、平面視において、帯状の形状を有している。第1電圧印加部22は、第1ライン部26から、第1ライン部26の長手方向と直交する方向であって、第2電極30側に突出している。第2電圧印加部32は、第2ライン部36から、第2ライン部36の長手方向と直交する方向であって、第1電極20側に突出している。
次に、光伝導アンテナ100の動作について説明する。電極20,30により光伝導層10に電圧を印加した状態で、電極20,30間に(電圧印加部22,32間に)光パルスPを照射する。光パルスPは、例えば、第2面14の中心Cを含む領域に照射される。
光パルスPの照射によって、光伝導層10中にキャリア(例えば電子)が瞬時に生成する。生成したキャリアは、電極20,30により印加された電圧によって加速されて光伝導層中を移動し(走行し)、光伝導層10中に瞬間的に電流(光電流)が流れる。そして、光電流の時間変化に比例した強度を有するテラヘルツ波Tが発生する。光電流の時間変化は、光伝導層10のキャリア移動度に比例する。したがって、光伝導アンテナ100には、光伝導層10のキャリア移動度に比例した強度を有するテラヘルツ波Tが発生する。
発生したテラヘルツ波Tは、光伝導層10内を進行し、第2面14において集光されて、外部に射出される。図2に示す例では、テラヘルツ波Tは、第2面14において平行光となって射出されている。
光伝導アンテナ100は、例えば、以下の特徴を有する。
光伝導アンテナ100では、光伝導層10の第2面14は、凸面である。第2面14は、レンズとして機能することができ、テラヘルツ波Tを集光させることができる。そのため、光伝導アンテナ100では、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材との間に界面が存在せず、界面において光の損失が発生しない。したがって、光伝導アンテナ100では、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。その結果、光伝導アンテナ100では、例えば、テラヘルツ波の高出力化を図ることできる。
例えば、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材とを別々の部材で形成する場合は、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材との間に空気層が形成されやすい。この場合、発生したテラヘルツ波は、テラヘルツ波が発生する層と空気層との境界、および空気層とレンズ基材との境界を通過するので、2つの境界において屈折率の違いからテラヘルツ波の損失が生じる。
さらに、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材とを別々の部材で形成する場合は、例えば、テラヘルツ波が発生する層を薄く形成するため、機械的強度が低下することがあるが、光伝導アンテナ100では、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材とが一体に形成されているため、機械的強度を大きくすることができ、信頼性を向上させることができる。
光伝導アンテナ100では、第2面14は、半球面であり、第2面14の中心Cは、第1面12上、かつ、ギャップ部2において電極20,30に対して等距離となる位置に設けられている。そのため、光伝導アンテナ100では、第2面14の中心Cを含む領域に光パルスPを照射することにより、第2面14においてテラヘルツ波Tを平行光にすることができる。
なお、上記では、第2面14が球面の一部である例について説明したが、テラヘルツ波Tを集光させることができれば、第2面14は、非球面であってよい。
また、上記では、ダイポール型の光伝導アンテナ100について説明したが、本発明に係る光伝導アンテナは、いわゆるボウタイ型であってもよい。
2. 光伝導アンテナの製造方法
次に、本実施形態に係る光伝導アンテナ100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、第1面12および第2面14を有する光伝導層10を形成する。光伝導層10は、例えば、半絶縁性基板を研削して形成する。次に、光伝導層10の第1面12に電極20,30を形成する。電極20,30は、例えば、インクジェット法やメタルマスク印刷法によって形成される。これにより、電極20,30を、例えば真空蒸着法およびリフトオフ法の組合せにより形成する場合に比べて、工程の簡略化を図ることができる。
以上の工程により、光伝導アンテナ100を製造することができる。
光伝導アンテナ100の製造方法では、テラヘルツ波が発生する層とレンズ基材との位置合わせを行う工程を含んでいないので、工程を簡素化することができ、歩留まりを向上させることができる。
3. 光伝導アンテナの変形例
次に、本実施形態の変形例に係る光伝導アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の変形例に係る光伝導アンテナ200を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態の変形例に係る光伝導アンテナ200において、本実施形態に係る光伝導アンテナ100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した光伝導アンテナ100では、図2に示すように、電極20,30は、光伝導層10の第1面12に接していた。これに対し、光伝導アンテナ200では、図4に示すように、電極20,30は、第1面12と離間しており、第1面12と電極20,30との間には、絶縁層40が設けられている。図示の例では、絶縁層40は、第1面12および電極20,30に接している。
絶縁層40は、例えば、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、またはこれらの積層体である。絶縁層40は、光パルスPの少なくとも一部を透過させることができる。電極20,30は、絶縁層40を介して、光伝導層10に電圧を印加することができる。平面視において、絶縁層40の形状は、第1面12の形状と同じであってもよい。絶縁層40は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法によって形成される。
光伝導アンテナ200では、第1面12と電極20,30との間に、絶縁層40が設けられている。そのため、光伝導アンテナ200では、例えば光伝導アンテナ100に比べて、耐圧を向上させ、リーク電流を低減させることができる。その結果、光伝導アンテナ200では、消費電力を低減させることができる。さらに、信頼性を向上させることができる。
4. テラヘルツ波発生装置
次に、本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置1000の構成を模式的に示す図である。
テラヘルツ波発生装置1000は、図5に示すように、光パルス発生装置1010と、本発明に係る光伝導アンテナと、を含む。以下では、本発明に係る光伝導アンテナとして、光伝導アンテナ100を用いた例について説明する。
光パルス発生装置1010は、励起光である光パルス(例えば図1および図2に示す光パルスP)を発生する。光パルス発生装置1010は、発生した光パルスを光伝導アンテナ100に照射する。光パルス発生装置1010が発生させる光パルスの幅は、例えば、1fs以上800fs以下である。光パルス発生装置1010としては、例えば、フェムト秒ファイバーレーザー、チタンサファイヤレーザー、半導体レーザー等を用いる。
光伝導アンテナ100は、上記のとおり、光パルスが照射されて、テラヘルツ波を発生することができる。
テラヘルツ波発生装置1000では、光伝導アンテナ100を含むため、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
5. イメージング装置
次に、本実施形態に係るイメージング装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るイメージング装置1100を示すブロック図である。図7は、本実施形態に係るイメージング装置1100のテラヘルツ波検出部1120を模式的に示す平面図である。
イメージング装置1100は、図6に示すように、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から出射され、対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、テラヘルツ波検出部1120の検出結果に基づいて、対象物Oの画像、すなわち、画像データを生成する画像形成部1130と、を含む。
テラヘルツ波発生部1110としては、本発明に係るテラヘルツ波発生装置を用いることができる。ここでは、本発明に係るテラヘルツ波発生装置として、テラヘルツ波発生装置1000を用いた場合について説明する。
テラヘルツ波検出部1120は、図7に示すように、複数の画素1122を含む。図示の例では、画素1122の形状は、正方形である。画素1122は、マトリックス状に配置されている。画素1122の数は、特に限定されない。画素1122は、複数のテラヘルツ波検出装置900(テラヘルツ波検出装置900a,900b,900c,900d)により構成されている。
図8は、テラヘルツ波検出部1120の画素1122を構成するテラヘルツ波検出装置900を模式的に示す平面図である。図9は、テラヘルツ波検出装置900のテラヘルツ波検出素子902を模式的に示す断面図である。図10は、テラヘルツ波検出装置900のテラヘルツ波検出素子902を模式的に示す平面図である。なお、図9は、図10のIX−IX線断面図である。また、便宜上、図8では、テラヘルツ波検出素子902を簡略化して図示している。
テラヘルツ波検出装置900は、図8〜図10に示すように、基板910と、テラヘルツ波検出素子902と、を含む。テラヘルツ波検出素子902は、変換部930と、吸収部960と、を含む。さらに、テラヘルツ波検出素子902は、柱部916,918と、メンブレン920と、配線層940,942と、コンタクト部944,946と、絶縁層950と、を含むことができる。
基板910は、支持基板903と、層間絶縁層904と、第1保護層906と、を有している。
テラヘルツ波検出素子902は、基板910上に設けられている。テラヘルツ波検出素子902は、複数設けられることができるが、その数は特に限定されない。テラヘルツ波検出素子902は、例えば、マトリックス状に配列される。
柱部916,918は、メンブレン920を支持している。なお、基板910上であって、複数のテラヘルツ波検出素子902の周囲には、枠部919が設けられていてもよい。
メンブレン920は、柱部916,918によって、基板910の上方に支持されている。図示の例では、メンブレン920の下には、第2保護層908が設けられている。メンブレン920は、支持部922と、腕部924a,924bと、固定部926a,926bと、を有している。支持部922は、変換部930および吸収部960を支持することができる。第1腕部924aは、支持部922と第1固定部926aとを連結している。第2腕部924bは、支持部922と第2固定部926bとを連結している。腕部924a,924bおよび支持部922は、基板910と離間して設けられている。固定部926a,926bは、柱部916,918上に設けられている。
変換部930は、吸収部960にて発生した熱を電気信号に変換することができる。変換部930は、金属層932と、焦電体層934と、金属層936と、を有している。焦電体層934の材質は、焦電効果を発揮することができる誘電体(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))である。
変換部930では、焦電体層934の焦電効果に応じて、金属層932,936に電流が流れる。すなわち、焦電体層934の温度変化に応じて、焦電体層934の電気分極量の変化分が、焦電流として金属層932,936に流れる。つまり、変換部930は、焦電センサーである。このように、変換部930は、温度変化を、電気信号に変換することができる。
第1配線層940は、金属層932および第1コンタクト部944に接続されている。第1コンタクト部944は、第1コンタクトホール912に設けられている。第2配線層942は、金属層936および第2コンタクト部946に接続されている。第2コンタクト部946は、第2コンタクトホール914に設けられている。
コンタクト部944,946は、例えば支持基板903上に設けられた図示しない回路部と電気的に接続されている。そのため、焦電体層934の焦電効果に応じて金属層932,936に流れる電流(電気信号)は、回路部に至ることできる。回路部では、該電気信号からテラヘルツ波を検出することができる。絶縁層950によって、金属層932と第2配線層942とを電気的に分離することができる。
吸収部960は、変換部930上に設けられている。吸収部960は、金属層936と、誘電体層962と、金属構造体964と、を有している。金属構造体964および金属層936は、誘電体層962を挟んでいる。金属構造体964は、メタマテリアルである。ここで、「メタマテリアル」とは、電磁波(テラヘルツ波)の波長に比べて十分に小さい単位構造(具体的には金属構造体964)が周期的に配列されていて、電磁波に対して均質な媒質として振舞うように構成された人工物質のことである。メタマテリアルは、単位構造の構造・配置によって、自由にその物性値(誘電率・透磁率)を調整することができる。
吸収部960では、テラヘルツ波を吸収して熱を発生させることができる。具体的には、吸収部960にテラヘルツ波が照射されると、例えば電界の振動方向が所定の方向(図15に示すX方向)であるテラヘルツ波の偏波は、金属構造体964と金属層936との間の誘電体層962に侵入し、金属構造体964と金属層936との間で多重反射する。これにより、誘電体層962に誘電損失が生じ、熱が発生する。吸収部960において発生した熱は、変換部930に伝わり、変換部930にて電気信号に変換される。このようにして、テラヘルツ波検出装置900では、テラヘルツ波を電気信号として検出することができる。
図7に示すテラヘルツ波検出装置900a,900b,900c,900dは、互いに異なる波長のテラヘルツ波を選択的に検出することができる。具体的には、テラヘルツ波検出装置900a,900b,900c,900dにおいて、図9および図10に示す金属構造体964の形状および大きさの少なくとも一方は、異なっており、これにより、テラヘルツ波検出装置900a,900b,900c,900dは、互いに異なる波長のテラヘルツ波を吸収することができる。すなわち、各画素1122において、4つの波長のテラヘルツ波を検出することができる。
なお、ここでは、テラヘルツ波検出部1120の画素1122を構成するテラヘルツ波検出装置として、テラヘルツ波検出装置900を用いた例について説明したが、テラヘルツ波検出装置の構成は、これに限定されない。例えば、テラヘルツ波検出装置として、目的の波長のテラヘルツ波を通過させるフィルターと、当該フィルターを通過した目的の波長のテラヘルツ波を検出する検出部と、を備えたものを用いてもよい。
次に、イメージング装置1100の使用例について説明する。図11は、対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。図12は、対象物の物質A、BおよびCの分布を示す画像の図である。
まず、分光イメージングの対象となる対象物Oが、3つの物質A、B、およびCで構成されているとする。イメージング装置1100は、この対象物Oの分光イメージングを行う。また、ここでは、一例として、テラヘルツ波検出部1120は、対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出することとする。
また、テラヘルツ波検出部1120の各画素1122においては、テラヘルツ波検出装置900aおよびテラヘルツ波検出装置900bを使用する。テラヘルツ波検出装置900aにおいて検出される波長(吸収される波長)をλ1、テラヘルツ波検出装置900bにおいて検出される波長(吸収される波長)をλ2とし、対象物Oで反射されたテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度をα1、波長λ2の成分の強度をα2とする。このとき、その強度α2と強度α1の差分(α2−α1)が、物質Aと物質Bと物質Cとで、互いに顕著に区別できるように、テラヘルツ波検出装置900aにおいて検出される波長λ1、およびテラヘルツ波検出装置900bで検出される波長λ2が設定されている。
図11に示すように、物質Aにおいては、対象物Oで反射したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と波長λ1の成分の強度α1との差分(α2−α1)は、正値となる。また、物質Bにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、零となる。また、物質Cにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、負値となる。
イメージング装置1100により、対象物Oの分光イメージングを行う際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oで反射されたテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120で、α1およびα2として検出する。この検出結果は、画像形成部1130に送出される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oで反射したテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。
画像形成部1130においては、前記検出結果に基づいて、テラヘルツ波検出装置900bにおいて検出されたテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と、テラヘルツ波検出装置900aにおいて検出されたテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度α1と、の差分(α2−α1)を求める。そして、対象物Oのうち、前記差分が正値となる部位を物質A、前記差分が零となる部位を物質B、前記差分が負値となる部位を物質Cと判断し、特定する。
また、画像形成部1130では、図12に示すように、対象物Oの物質A、B、およびCの分布を示す画像の画像データを作成する。この画像データは、画像形成部1130から図示しないモニターに送出され、そのモニターにおいて、対象物Oの物質A、B、およびCの分布を示す画像が表示される。この場合、例えば、対象物Oの物質Aの分布する領域は黒色、物質Bの分布する領域は灰色、物質Cの分布する領域は白色に色分けして表示される。このイメージング装置1100では、以上のように、対象物Oを構成する各物質の同定と、その各部質の分布測定とを同時に行うことができる。
なお、イメージング装置1100の用途は、上記のものに限らず、例えば、人物に対してテラヘルツ波を照射し、その人物を透過または反射したテラヘルツ波を検出し、画像形成部1130において処理を行うことにより、その人物が、拳銃、ナイフ、違法な薬物等を所持しているか否かを判別することもできる。
イメージング装置1100では、テラヘルツ波の利用効率を高めることができ、テラヘルツ波の高出力化を図ることできる光伝導アンテナ100を含む。そのため、イメージング装置1100は、高い検出感度を有することができる。
6. 計測装置
次に、本実施形態に係る計測装置について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係る計測装置1200を示すブロック図である。以下、本実施形態に係る計測装置1200において、本実施形態に係るイメージング装置1100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
計測装置1200は、図13に示すように、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から出射され、対象物Oを透過するテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、テラヘルツ波検出部1120の検出結果に基づいて、対象物Oを計測する計測部1210と、を含む。
次に、計測装置1200の使用例について説明する。計測装置1200により、対象物Oの分光計測を行う際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生させ、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120で検出する。この検出結果は、計測部1210に送出される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。
計測部1210においては、前記検出結果から、各画素1122を構成するテラヘルツ波検出装置900a,900b,900c,900dにおいて検出されたテラヘルツ波のそれぞれの強度を把握し、対象物Oの成分およびその分布の分析等を行う。
計測装置1200では、テラヘルツ波の利用効率を高めることができ、テラヘルツ波の高出力化を図ることできる光伝導アンテナ100を含む。そのため、計測装置1200は、高い検出感度を有することができる。
7. 計測装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る計測装置について、図面を参照しながら説明する。図14は、本実施形態の変形例に係る計測装置1250を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態の変形例に係る計測装置1250において、本実施形態に係る計測装置1200の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した計測装置1200では、図7〜図10および図13に示すように、テラヘルツ波検出部1120は、メタマテリアルである金属構造体964を有するテラヘルツ波検出装置900を含んでいた。これに対し、計測装置1250では、図14に示すように、本発明に係る光伝導アンテナを有しているテラヘルツ波検出部1121を含む。以下では、本発明に係る光伝導アンテナとして、光伝導アンテナ100を用いた例について説明する。
計測装置1250は、図14に示すように、光伝導アンテナ100および光パルス発生装置1010を有しているテラヘルツ波発生装置1000(テラヘルツ波発生部)と、光伝導アンテナ100を有しているテラヘルツ波検出部1121と、ビームスプリッター1260と、光路長変更部1270と、ミラー1280,1281,1282,1283,1284,1285,1286,1287,1288と、を含む。計測装置1250では、テラヘルツ時間領域分光法(time−domain spectroscopy)を用いて、テラヘルツ波の発生および検出を行う。
ビームスプリッター1260は、光パルス発生装置1010で発生した光パルスを、ポンプ光L1とプローブ光L2とに分割する。図14に示す例では、ビームスプリッター1260は、光パルス発生装置1010から射出された光パルスの一部を反射させてポンプ光L1とし、光パルス発生装置1010から射出された光パルスの一部を透過させてプローブ光L2とする。
ミラー1280は、ビームスプリッター1260で反射されたポンプ光L1を、テラヘルツ波発生装置1000の光伝導アンテナ100に導く。
テラヘルツ波発生装置1000の光伝導アンテナ100(光伝導アンテナ100a)は、ポンプ光L1が照射されることによりテラヘルツ波を発生する。ポンプ光L1が第2面14の中心Cを含む領域を照射することにより、光伝導アンテナ100aは、テラヘルツ波を平行光として射出することができる。
ミラー1281,1282は、光伝導アンテナ100aから射出されたテラヘルツ波を、対象物Oに導く。ミラー1282は、ミラー1281で反射した平行光であるテラヘルツ波を、集光させて対象物Oに導くことができる。ミラー1282は、例えば、楕円面ミラー、放物面ミラー等である。
ミラー1285は、ビームスプリッター1260を透過したプローブ光L2を、光路長変更部1270に導く。
光路長変更部1270は、プローブ光L2の光路長を変化させて、プローブ光L2がテラヘルツ波検出部1121の光伝導アンテナ100に入射するタイミングを制御する。光路長変更部1270は、可動ミラー1272,1274と、ミラー駆動部1276と、を有している。光路長変更部1270は、ミラー駆動部1276によって、可動ミラー1272,1274を移動させることにより、プローブ光L2の光路長を変化させることができる。これにより、プローブ光L2に光学的な時間遅延を生じさせ、プローブ光L2が光伝導アンテナ100bを照射するタイミングを制御することができる。
ミラー1286,1287,1288は、可動ミラー1274で反射したプローブ光L2を、テラヘルツ波検出部1121に導く。
テラヘルツ波検出部1121の光伝導アンテナ100(光伝導アンテナ100b)は、対象物Oを透過したテラヘルツ波を検出する。光伝導アンテナ100bは、プローブ光L2が照射されたときに、テラヘルツ波を検出する。すなわち、光伝導アンテナ100bは、プローブ光L2によって、テラヘルツ波を検出するタイミングが制御される。図15は、テラヘルツ波検出部1121の構成を模式的に示す図である。光伝導アンテナ100bでは、電極20,30間に、テラヘルツ波が照射され、同時に、プローブ光L2が照射されると、テラヘルツ波の強度(振動電場)に応じた電流が流れる。
ここで、計測装置1250の動作原理について説明する。計測装置1250では、図14に示すように、光パルス発生装置1010が光パルスを射出すると、ビームスプリッター1260によって、ポンプ光L1とプローブ光L2とに分割される。ポンプ光L1は、光伝導アンテナ100aを照射し、光伝導アンテナ100aからテラヘルツ波が発生する。このテラヘルツ波は、ミラー1281,1282を介して、対象物Oを照射し、対象物Oを透過する。対象物Oを透過したテラヘルツ波は、ミラー1283において平行光となり、1284を介して、光伝導アンテナ100bを照射する。図示の例では、テラヘルツ波は、光伝導アンテナ100bの第2面14の中心Cを照射している。ミラー1283は、例えば、楕円面ミラー、放物面ミラー等である。
一方、プローブ光L2は、ミラー1285を介して、光路長変更部1270に入射する。光路長変更部1270からのプローブ光L2は、ミラー1286,1287,1288を介して、光伝導アンテナ100bを照射する。
ここで、光路長変更部1270は、ミラー駆動部1276によって可動ミラー1272,1274を連続的に移動させることで、プローブ光L2の光路長を変化させ、ポンプ光L1とプローブ光L2との光路差を連続的に変化させる。これにより、ポンプ光L1とプローブ光L2との間に光学的な時間遅延が生じる。光伝導アンテナ100bが、ポンプ光L1とプローブ光L2との光路差に応じた遅延時間でテラヘルツ波を検出することにより、テラヘルツ波の異なる位置(位相)において、テラヘルツ波の強度(振動電場)に応じた信号(電流)を取得することができる。この信号をプロットすることで、テラヘルツ波の時間経過が記録され、横軸がプローブ光L2の遅延時間、縦軸が信号強度(電流値)で示されるテラヘルツ波の時間波形を得ることができる。該テラヘルツ波の時間波形に基づいて、例えば、図示せぬ計測部は、対象物Oの成分の分析等を行う。
計測装置1250では、テラヘルツ波を平行光として射出することができる光伝導アンテナ100aを含んで構成されている。そのため、ミラー1281の設計を容易にすることができる。さらに、計測装置1250では、平行光であるテラヘルツ波を光伝導アンテナ100bの第2面14に照射することにより、テラヘルツ波を第2面14の中心Cに集中させることができる。そのため、テラヘルツ波の利用効率を高めることができる。
なお、対象物Oを支持するステージ(図示せず)を移動させることで、対象物Oにおけるテラヘルツ波の照射領域を変更し、当該領域ごとにテラヘルツ波の時間波形を取得することにより、対象物Oのイメージングを行うことができる。
8. カメラ
次に、本実施形態に係るカメラについて、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施形態に係るカメラ1300を示すブロック図である。図17は、本実施形態に係るカメラ1300を模式的に示す斜視図である。以下、本実施形態に係るカメラ1300において、本実施形態に係るイメージング装置1100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
カメラ1300は、図16および図17に示すように、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から出射され、対象物Oで反射されたテラヘルツ波または対象物Oを透過したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、テラヘルツ波検出部1120の検出結果を記憶する記憶部1301と、を含む。そして、これらの各部1110,1120,1301は、カメラ1300の筐体1310に収められている。また、カメラ1300は、対象物Oで反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120に収束(結像)させるレンズ(光学系)1320と、テラヘルツ波発生部1110で発生したテラヘルツ波を筐体1310の外部へ出射させるための窓部1330と、を備える。レンズ1320や窓部1330は、テラヘルツ波を透過・屈折させるシリコン、石英、ポリエチレンなどの部材によって構成されている。なお、窓部1330は、スリットのように単に開口が設けられている構成としてもよい。
次に、カメラ1300の使用例について説明する。カメラ1300により、対象物Oを撮像する際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生させ、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oで反射されたテラヘルツ波をレンズ1320によってテラヘルツ波検出部1120に収束(結像させて)検出する。この検出結果は、記憶部1301に送出され、記憶される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oで反射されたテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。また、前記検出結果は、例えば、パーソナルコンピューター等の外部装置に送信することもできる。パーソナルコンピューターでは、前記検出結果に基づいて、各処理を行うことができる。
カメラ1300では、テラヘルツ波の利用効率を高めることができ、テラヘルツ波の高出力化を図ることできる光伝導アンテナ100を含む。そのため、カメラ1300は、高い検出感度を有することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…ギャップ部、10…光伝導層、12…第1面、14…第2面、20…第1電極、22…第1電圧印加部、24…第1パッド部、26…第1ライン部、30…第2電極、32…第2電圧印加部、34…第2パッド部、36…第2ライン部、40…絶縁層、100,100a,100b,200…光伝導アンテナ、900,900a,900b,900c,900d…テラヘルツ波検出装置、902…テラヘルツ波検出素子、903…支持基板、904…層間絶縁層、906…第1保護層、908…第2保護層、910…基板、912…第1コンタクトホール、914…第2コンタクトホール、916,918…柱部、919…枠部、920…メンブレン、922…支持部、924a…第1腕部、924b…第2腕部、926a…第1固定部、926b…第2固定部、930…変換部、932…金属層、934…焦電体層、936…金属層、940…第1配線層、942…第2配線層、944…第1コンタクト部、946…第2コンタクト部、950…絶縁層、960…吸収部、962…誘電体層、964…金属構造体、1000…テラヘルツ波発生装置、1010…光パルス発生装置、1100…イメージング装置、1110…テラヘルツ波発生部、1120,1121…テラヘルツ波検出部、1122…画素、1130…画像形成部、1200…計測装置、1210…計測部、1250…計測装置、1260…ビームスプリッター、1270…光路長変更部、1272,1274…可動ミラー、1276…ミラー駆動部、1280,1281,1282,1283,1284,1285,1286,1287,1288…ミラー、1300…カメラ、1301…記憶部、1310…筐体、1320…レンズ、1330…窓部

Claims (10)

  1. 光伝導層と、
    前記光伝導層の第1面の上方に位置し、前記光伝導層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
    を含み、
    前記光伝導層の前記第1面と反対側の第2面は、凸面である、ことを特徴とする光伝導アンテナ。
  2. 前記凸面は、球面の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載の光伝導アンテナ。
  3. 前記凸面は、半球面である、ことを特徴とする請求項2に記載の光伝導アンテナ。
  4. 前記第1電極および前記第2電極の間に、前記第1面の面内方向に沿って所定の間隔を有するギャップ部が設けられ、
    前記凸面の中心は、前記第1面上、かつ、前記ギャップ部において前記第1電極および前記第2電極に対して等距離となる位置に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の光伝導アンテナ。
  5. 前記第1面と、前記第1電極および前記第2電極と、の間に、絶縁層が設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光伝導アンテナ。
  6. 光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    を含む、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  7. 光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、
    を含む、ことを特徴とするカメラ。
  8. 光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、
    を含む、ことを特徴とするイメージング装置。
  9. 光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、
    を含む、ことを特徴とする計測装置。
  10. 前記テラヘルツ波検出部は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光伝導アンテナを含んで構成される、ことを特徴とする請求項9に記載の計測装置。
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