JP2016218209A - 中間転写ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写ユニット、及び画像形成装置 Download PDF

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知宏 江川
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Abstract

【課題】動吸振器とリニアスケールセンサとを備え、リニアスケールセンサを簡単に取り外せ、リニアスケールセンサの定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる中間転写ユニットを提供する。
【解決手段】中間転写ユニットに、中間転写ベルト11、中間転写ベルト11に設けたリニアスケール、中間転写ベルト11が無端移動するときのリニアスケールの挙動を計測するリニアスケールセンサ110、複数のローラを支持する中間転写フレームを備えると共に、リニアスケールセンサ110をステーの上に乗せて配置し、リニアスケールセンサ110を中間転写フレームの内部から引き出し可能な引き出し機構を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、中間転写ユニット、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
プロダクションプリンティング市場において、年々画質への要望が高くなってきている。その中でも、中間転写方式を用いた画像形成装置において、転写ベルト等のベルト状の中間転写体の速度変動を低減すること、中間転写体の速度を精確に所望の速度に保つ事は、バンディング、横スジや色ズレ等の異常画像を発生させない為にも必要不可欠である。中間転写方式を用いた画像形成装置に用いられる中間転写ユニットは、トナー画像を用紙等の記録材に転写するときに、記録材が中間転写ユニットの二次転写部へ突入すると、衝撃によって生じる横スジという異常画像の問題が生じる。
この横スジの原因の一つとして、記録材が二次転写部へ突入した際の衝撃によって発生するベルト状の中間転写体の速度変動が考えられる。この速度変動は二次転写部から一次転写部へと伝わり、一次転写部においてトナー画像を中間転写体へ転写する感光体との位置ズレを起こし、横スジを発生させる。このような横スジを低減させるためには、中間転写ユニットの一次転写部における中間転写体の速度変動を低減させることが有効である。
例えば、特許文献1には、ベルト状の中間転写体の速度を一定に保つために中間転写体にリニアスケール(スケール)を設け、リニアスケールの挙動をリニアスケールセンサ(スケール検知センサ)で計測し、駆動源をフィードバック制御する構成が記載されている。
しかし、リニアスケールセンサは、中間転写体との密着度が非常に高く、トナーや空気中の塵や埃等の粒子が中間転写体の裏面に付着した状態で駆動されると、リニアスケールセンサの露光部や受光部を汚して、リニアスケールセンサの出力が異常になってしまう。このため、定期的に清掃を行い、リニアスケールセンサの出力に異常が起きないように運用している。
このリニアスケールセンサの清掃周期は、中間転写体の交換周期よりも短く、中間転写体に取り付けられた様々なユニットを取り外して行われるため、サービスマンへの時間的コストが大変大きい作業となっている。
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベルト状の中間転写体と、該中間転写体に設けたリニアスケールと、前記中間転写体が無端移動するときの前記リニアスケールの挙動を計測するリニアスケールセンサと、前記複数の回転体を支持する筐体と、を備えた中間転写ユニットにおいて、前記リニアスケールセンサを前記筐体から引き出し可能な引き出し機構を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、リニアスケールセンサを簡単に取り外せ、リニアスケールセンサの定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる中間転写ユニットを提供できる。
一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 実施例1の中間転写ユニットの概略構成図。 中間転写ユニットに有した中間転写ベルト11の上面図。 従来のリニアスケールセンサの清掃時のリスクについて説明図。 実施例1の引き出し機構の説明図。 中間転写フレームの前側板に引き出し用の切り欠きを設けた構成の説明図。 引き出し機構にスライドレールを設けた構成の説明図。 実施例2に係るリニアスケールセンサが中間転写フレームの前面にある前側板と一体になって引き出される構成についての説明図。 実施例3に係るリニアスケールセンサが中間転写ユニットに着脱可能な板金部材の移動にともなって引き出される構成についての説明図。 実施例4に係る中間転写ユニットに設けたリニアスケールセンサの位置決め部材の説明図。 動吸振器による回転体の回転速度変動を低減する原理の説明図。 実施例5に係る動吸振器の説明図。 実施例5に係る動吸振器に有した回転支持粘性部材の説明図。 実施例5に係る動吸振器のバネ部材の説明図。 比較例の動吸振器の説明図。 特許文献2に記載された動吸振器の説明図。 非特許文献1に記載の動吸振器のダンパの有無による周波数応答特性を示したグラフ。 バネ部材として渦巻きバネを用いた動吸振器の別例の説明図。
以下、本発明を適用した中間転写ユニットを備えた画像形成装置として、電子写真方式のプリンタの一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの構成を示す概略構成図である。
プリンタは、図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y、M、C、Kを備えている。また、プリンタは、4つのプロセスユニット1Y、M、C、Kを、後述するベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト11に対して、その無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
以下、各符号の添字Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒を示す。また、Y、C、M、Kの色順は、図1に示す例に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
プロセスユニット1Y、M、C、Kは、それぞれの駆動手段によって、図中反時計回り方向に回転駆動される像担持体としての感光体2Y、M、C、Kを備えている。これらプロセスユニット1Y、M、C、Kは、その周囲に配設される、後述する各種装置を1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、これらがプリンタ本体に対して着脱可能になっている。
ここで、Y用のプロセスユニット1Yについて説明する。M、C、K用のプロセスユニット1M、C、Kも、Y用のプロセスユニットと、互いに使用するトナーの色が異なる点以外は、同様の構成になっているので説明を省略する。
Y用のプロセスユニット1Yは、感光体2Yの周囲に、感光体2Yの表面に対して一様帯電処理を施す帯電装置3Yや、感光体2Yの表面に形成された静電潜像に現像剤を供給してトナー像を現像する現像装置4Yを備えている。
感光体2Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いてもよい。
プロセスユニット1Y、M、C、Kの上方には、潜像形成手段として、二つの光書込ユニット7YM,CKを備えている。
光書込ユニット7YM,CKは、それぞれレーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有し、外部に設けたスキャナによって読み取られた画像情報や、パーソナルコンピュータから送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードを駆動する。
具体的には、光書込ユニット7YMは、帯電装置2Y,Mにより一様帯電された感光体2Y,Mに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体2Y,Mには、それぞれに対応する画像情報に基づいた静電潜像が形成される。また、光書込ユニット7CKは、一様帯電させられた感光体2C,Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体2C,Kには、それぞれに対応する画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
また、4つのプロセスユニット1Y、M、C、Kの下方には、中間転写ユニット10が配設されている。
中間転写ユニット10は、中間転写ベルト11の内側には架張ローラとしての駆動ローラ13、従動ローラ14、二次転写対向ローラ15等が、外側には架張ローラとしてのテンションローラ18が、後述する筐体である中間転写フレーム12によって支持されている。ベルト部材である中間転写ベルト11は、これら駆動ローラ13、従動ローラ14、二次転写対向ローラ15、及びテンションローラ18に架張され、感光体2Y、M、C、Kに当接しながら図中時計回り方向に無端移動する。
また、中間転写ベルト11のベルトループ内側には、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、M、C、Kが中間転写ベルト11を感光体2Y,M,C,Kに向けて押圧するように配設されている。これにより、感光体2Y,M,C,Kと中間転写ベルト11とが当接するY、M、C、K用の一次転写ニップ6が形成されている。これら一次転写ローラ5Y,M,C,Kには、それぞれ電源から一次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の一次転写ニップ6には、感光体2Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト11に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。
図中時計回り方向の無端移動にともなってY、M、C、K用の一次転写ニップ6を順次通過していく中間転写ベルト11のおもて面には、各一次転写ニップ6でトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト11のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト11の図中下方には、二次転写ローラ16が中間転写ベルト11を挟んで二次転写対向ローラ15に対する掛け回し箇所に対向してベルトおもて面から当接するように配設されている。これにより、中間転写ベルト11のおもて面と二次転写ローラ16とが当接する二次転写ニップ17が形成されている。二次転写ローラ16には電源から二次転写バイアスが印加され、ベルトループ内の二次転写対向ローラ15は接地されている。これにより、二次転写ニップ17内に二次転写電界が形成されている。
一方、プリンタの下部には、給紙ユニット20が配設されている。この給紙ユニット20は、記録材としての用紙Pの束を収容する第一給紙カセット21、第二給紙カセット22を備えている。第一給紙カセット21から第一給紙ローラ21aの回転駆動により、第二給紙カセット22から第二給紙ローラ22aの回転駆動により、送り出された紙束における一番上の用紙Pは、給紙路23を経へて転写前搬送路24に進入する。
プリンタ本体の側面には、手差しトレイ51が開閉可能に配設されており、手差しトレイ51により手差しされた紙束における一番上の用紙Pは、手差しトレイの送出ローラ25によって転写前搬送路24に向けて送り出される。
また、二次転写ニップ17の図中右側方であって、転写前搬送路24の最下流側の位置には、レジストローラ対26が配設されている。レジストローラ対26は、ローラ間に挟み込んだ用紙Pを中間転写ベルト11上の4色トナー像に同期させ得る方法で二次転写ニップ17に送り出す。二次転写ニップ17内では、中間転写ベルト11上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって用紙Pに一括二次転写され、用紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
二次転写ニップ17を通過した用紙Pは、中間転写ベルト11から離間して、搬送ベルト27に受け渡される。この搬送ベルト27は、二次転写ニップ17から受け渡された用紙Pをベルト上部張架面に保持しながら、ベルトの無端移動に伴って搬送して定着装置30に受け渡す。
定着装置30は、加熱手段を内蔵する定着ローラ31と、定着ローラ31に圧接して定着ローラ31との間に定着ニップを形成する加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32との間の定着ニップにトナー像を担持した用紙Pが送り込まれると、トナー像が熱と圧力との作用を受けて用紙Pの表面に定着される。
二次転写ニップ17で第一面にトナー像が転写され、且つ定着装置30でその第一面にトナー像が定着された用紙Pは、搬送切り替え装置40に向けて送り出される。
上記搬送切り替え装置40は、定着装置30から受け取った用紙Pのその後の搬送先を、排紙路41と再送路43とで切り替える。具体的には、用紙Pの第一面だけに対して画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、搬送先を排紙路41に設定する。これにより、第一面だけに画像が形成された用紙Pを、排紙路41経由で排紙ローラ対42に送って、機外の排紙トレイ52上に排紙する。また、用紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された用紙Pを定着装置30から受け取ったときにも、搬送先を排紙路41に設定する。これにより、両面に画像が形成された用紙Pを、機外の排紙トレイ52上に排紙する。
一方、上記搬送切り替え装置40は、両面モードのプリントジョブの実行時において、第一面だけに画像が定着された用紙Pを定着装置30から受け取ったときには、搬送先を再送路43に設定する。再送路43には、スイッチバック路44が繋がっており、再送路43に送られた用紙Pはこのスイッチバック路44に進入する。そして、用紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路44に進入すると、用紙Pの搬送方向が逆転されて、用紙Pがスイッチバックする。スイッチバック路44には、再送路43の他に、スイッチバック後搬送路45が繋がっており、スイッチバックした用紙Pは、このスイッチバック後搬送路45に進入する。このとき、用紙Pの上下が反転する。
上下反転した用紙Pは、スイッチバック後搬送路45と、上述した給紙路23とを経由して、二次転写ニップ17に再送される。そして、二次転写ニップ17で第二面にもトナー像が転写された用紙Pは、定着装置30を経由して第二面にトナー像が定着された後、搬送切り替え装置40と、排紙路41と排紙ローラ対42とを経由して、排紙トレイ52上に排紙される。
次に、本実施形態のプリンタの特徴部である中間転写ユニット10について、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態のプリンタに備えた中間転写ユニット10の実施例1について、図を用いて説明する。
図2は、本実施例の中間転写ユニット10の概略構成図であり、図2(a)が本実施例の中間転写ユニット10の概略構成を示し、図2(b)が中間転写ユニット10の別例を示している。図3は、中間転写ユニット10に有した中間転写ベルト11の上面図であり、リニアスケール111とリニアスケールセンサ110を実線で示している。図4は、従来のリニアスケールセンサ110の清掃時のリスクについて説明図であり、図4(a)が中間転写ユニット10の清掃前を示し、図4(b)が中間転写ユニット10を清掃するときに中間転写ベルト11のベルトテンションを解除した時を示している。
図5は、本実施例の引き出し機構の説明図、図6は、中間転写フレーム12の前側板12aに引き出し用の切り欠き(穴)を設けた構成の説明図、図7は、引き出し機構にスライドレール112を設けた構成の説明図である。
なお、本実施例では、図2(a)に示すように、リニアスケールセンサ110を駆動ローラ13の近傍に設けた構成を例に挙げて説明するが、図2(b)に示すように従動ローラ14の近傍に設けた構成にも適用可能である。
図2(a)に示すように本実施例の中間転写ベルト11は、二次転写ニップ17の無端移動方向上流に設けられた動吸振器を有する駆動ローラ13、二次転写ニップ17の下流に設けられた従動ローラ14、及び、二次転写対向ローラ15にて掛け渡される。
そして、図3に示すように、中間転写ベルト11の裏面には、リニアスケール111が刻まれたシールが取り付けられており、その刻みをリニアスケールセンサ110で読み取って、精確に中間転写ベルト11の走行速度を計測する。これにより、精確な中間転写ベルト11の走行速度のフィードバック制御を行うことができる。
ここで、従来の中間転写ユニットにおける、リニアスケールセンサ110の清掃時のリスクについて、図4(a)、(b)を用いて説明しておく。
リニアスケールセンサ110は、中間転写ベルト11の裏面にあるリニアスケール111を計測している場合が多く、その設置位置は、図4(a)に示すように中間転写ユニット10の内部に設置される。この場合、リニアスケールセンサ110を清掃するには、中間転写ユニット10に取り付けられた様々なユニットを取り外す必要があり、時間と手間がかかる。
通常、中間転写ユニット10には、二次転写ニップ17の無端移動方向上流側に、中間転写ユニット10を外部からの接触から防ぐガイド板101が外側より取り付けられている。一方、二次転写ニップ17の無端移動方向下流側には、中間転写ベルト11を清掃するベルトクリーニング102、中間転写ベルト11にベルトテンションをかけるテンションローラ18、潤滑剤塗布ユニット103が外側から取り付けられている。また、駆動ローラ13には、動吸振器120が同軸に設けられている場合もある。
これらのため、リニアスケールセンサ110を清掃するには、まず、図4(a)に示す状態から、図4(b)に示すように、上述した各ユニットや部品を取り外す必要がある。
さらに、各ユニットや部品を取り外した後、中間転写ベルト11を取り外す、又は位置をずらす必要があり、取扱の難しい中間転写ベルト11の破損のリスクが発生する。また、駆動ローラ13に動吸振器120が同軸に設けられている場合には、更に作業時間がかかってしまう。
そこで、本実施例の中間転写ユニット10では、図5に示すように、中間転写ベルト11のベルトテンションを解除することなく、リニアスケールセンサ110を清掃可能な状態にすることが可能なリニアスケールセンサ110の引き出し機構を設けることとした。つまり、中間転写ベルト11の外側に配置された上記各ユニットや部品を取り外さずに、リニアスケールセンサ110を清掃可能な状態にすることが可能なリニアスケールセンサ110の引き出し機構を設けることとした。
図5に示す例では、リニアスケールセンサ110が、中間転写ユニット10の内部に取り付けられたステーの上に乗せられて配置されている。
このような引き出し機構を備えることで、中間転写ユニット10の中間転写フレーム12から、リニアスケールセンサ110を間単に引き出し可能となる。したがって、リニアスケールセンサ110の定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる。
よって、リニアスケールセンサ110を簡単に取り外せ、リニアスケールセンサ110の定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる中間転写ユニット10を提供できる。
そして、本実施例の中間転写ユニット10では、中間転写ベルト11を架張する複数のローラの内、駆動ローラ13に動吸振器120を設けている。これにより、中間転写ベルト11の速度変動を低減することが可能となる。
なお、動吸振器120を設けるローラは、駆動ローラ13に限られるものではなく、例えば、図2(b)の別例に記載したように、従動ローラ14に設けることもできる。すなわち、中間転写ベルト11を架張する複数のローラの内、少なくともいずれかのローラに動吸振器120を設けることで、中間転写ベルト11の速度変動を低減することが可能となる。
また、中間転写ユニット10に設けた複数のローラ部材を支持する中間転写フレーム12には、複数のローラ部材の両端近傍を前後で支持する前側板12aと後側板12bとを有している。
そこで、本実施例の中間転写ユニット10では、図6に示すように、中間転写フレーム12の内部にあるリニアスケールセンサ110を引き出すために、中間転写フレーム12の前側板12aに引き出し用の切り欠き(穴)を設けた。このように切り欠きを設けることで、中間転写ベルト11のベルトテンションを緩める事無く、リニアスケールセンサ110にアクセスすることができる。
つまり、中間転写ユニット10の中間転写フレーム12に、リニアスケールセンサ110を引き出せる切り欠きがあるので、リニアスケールセンサ110を簡単に引き出すことができる。
なお、図6では、切り欠きを中間転写フレーム12の前面にある前側板12aに設けているが、切り欠きでなくても良く、アクセス出来る穴を前側板12aにあけることでも同様な効果が得られる。また、設ける位置も、前面だけでなく背面に設けても良い。
また、リニアスケールセンサ110をステーの上に乗せているだけではリニアスケールセンサ110を引き出したり、再設置したりするときに、リニアスケールセンサ110の姿勢が変化してしまい、リニアスケールセンサ110が他の部分に接触するおそれがある。つまり、リニアスケールセンサ110を引き出したり、再設置したりするときの操作を、作業者が一定にすることが困難となるとともに、リニアスケールセンサ110が他の部分に接触するおそれがある。
そこで、本実施例の中間転写ユニット10では、図7に示すように引き出し機構にスライドレール112を取り付ける(設ける)こととした。つまり、本実施例の引き出し機構では、中間転写フレーム12の内部に設けられたスライドレール112によって、リニアスケールセンサ110を移動可能に支持することとした。
これにより、リニアスケールセンサ110をスライドレール112に沿って引き出したり、取り付けたりでき、リニアスケールセンサ110を引き出したり、再設置したりする作業を簡単にすることができる。また、リニアスケールセンサ110が中間転写ユニット10の他の部分に接触することも防ぐこともできる。
また、本実施形態のプリンタは、本実施例の中間転写ユニット10を備えることで、本実施例の中間転写ユニット10と同様な効果を奏することができる。
(実施例2)
次に、本実施形態のプリンタに備えた中間転写ユニット10の実施例2について、図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係るリニアスケールセンサ110が中間転写フレーム12の前面にある前側板12aと一体になって引き出される構成についての説明図である。
本実施例の中間転写ユニット10は、実施例1と、本実施例に係るリニアスケールセンサ110が中間転写フレーム12の前面にある前側板12aと一体になって引き出されることに係る点のみ異なる。したがって、上述した実施例1の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い限り、同一の構成部材や同様な構成部材には、同一の符号、及び名称を用いて説明する。
図8に示すように、本実施例の中間転写ユニット10では、リニアスケールセンサ110が中間転写フレーム12の前面にある前側板12aと一体になって引き出されるように機構されている。つまり、中間転写ユニット10の中間転写フレーム12は、複数のローラの両端部近傍を支持する前側板12aと後側板12bを有し、引き出し機構は、前側板12aと一体となって引き出し可能に構成されている。
これにより、中間転写ユニット10の中間転写フレーム12に、穴や切り欠きを設ける必要がないため、中間転写フレーム12の剛性を損なわずに、リニアスケールセンサ110を簡単に引き出して、定期掃除時の作業性を向上させることができる。
(実施例3)
次に、本実施形態のプリンタに備えた中間転写ユニット10の実施例3について、図を用いて説明する。
図9は、本実施例に係るリニアスケールセンサ110が中間転写ユニット10に着脱可能な板金部材113の移動にともなって引き出される構成についての説明図である。
本実施例の中間転写ユニット10は、実施例1と、リニアスケールセンサ110が中間転写ユニット10に着脱可能な板金部材113の移動にともなって引き出されることに係る点のみ異なる。したがって、上述した実施例1の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い限り、同一の構成部材や同様な構成部材には、同一の符号、及び名称を用いて説明する。
本実施例の中間転写ユニット10では、穴や切り欠きが設けられた中間転写フレーム12の前側板12aの、穴や切り欠き部に着脱可能な板金部材113を設けた。つまり、引き出し機構は、前側板12aに設けた穴や切欠きに対して、着脱可能な板金部材113を有しており、板金部材113の着脱にともなって、リニアスケールセンサ110が再設置されたり、引き出されたりするように構成されている。
これにより、リニアスケールセンサ110を引き出すための穴や切り欠きに着脱可能な板金部材113を取り付け、清掃性を向上させつつ、中間転写ユニット10の中間転写フレーム12の前側板12aの補強を行うことができる。また、板金部材113を引き出すときの取っ手としても使用することができるため、作業性が向上する。
(実施例4)
次に、本実施形態のプリンタに備えた中間転写ユニット10の実施例4について、図を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る中間転写ユニット10に設けたリニアスケールセンサ110の位置決め部材の説明図である。
本実施例の中間転写ユニット10は、上述した実施例1〜3と、本実施例の中間転写ユニット10に、リニアスケールセンサ110の位置決め部材を設けたことに係る点のみ異なる。したがって、上述した実施例1〜3の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い限り、同一の構成部材や同様な構成部材には、同一の符号、及び名称を用いて説明する。
本実施例の中間転写ユニット10には、上述したようにリニアスケールセンサ110の位置決め部材を設けている。
具体的には、図10に示すように、リニアスケールセンサ110を固定している引き出し機構に、L字に加工された板金部材である位置決め部材115を2箇所取り付け、互いの面を突き当てることで位置を決めるように構成している。つまり、本実施例の引き出し機構は、中間転写フレーム12の内部に設けた位置決め部材115により、リニアスケールセンサ110を再設置するときの位置決めを行うように構成している。
これにより、リニアスケールセンサ110の清掃後に、中間転写ユニット10の内部に再設置するときに、位置決め用の位置決め部材115があることで、再設置時のばらつきを低減することができる。したがって、リニアスケールセンサ110を引き出して清掃した後、再設置するときのリニアスケールセンサ110の位置決めを簡単に行うことができる。
なお、図10では、リニアスケールセンサ110を固定している引き出し機構に、L字に加工された板金部材である位置決め部材115を2箇所取り付け、互いの面を突き当てることで位置を決める構成を示している。
実際に再設置するときには、2つの位置決め部材115を、ネジ等で締結する構成が考えられる。また、位置決めを行う部材は図10に限らず、ラッチ機構を用いた位置決め等も考えられる。
(実施例5)
次に、本実施形態のプリンタに備えた中間転写ユニット10の実施例5について、図を用いて説明する。
本実施例の中間転写ユニット10は、上述した実施例1〜4と、本実施例の中間転写ユニット10に設けた動吸振器120に係る点のみ異なる。したがって、上述した実施例1〜4の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い限り、同一の構成部材や同様な構成部材には、同一の符号、及び名称を用いて説明する。
まず、動吸振器による回転体の回転速度変動を低減する原理、及び従来の動吸振器の問題点について説明する。
図11は、動吸振器による回転体の回転速度変動を低減する原理の説明図である。
図11に示すように、二次転写部の中間転写ベルト無端移動方向下流側に設けるローラに、バネとダンパを並列の形にして副慣性体と接続する動吸振器を設けて、副慣性体に速度変動を肩代わりさせ、一次転写部の速度変動を低減させることができる。つまり、中間転写ベルトにより、二次転写部から主慣性体に伝達される速度変動を、上述したような動吸振器を設けることで、動吸振器に設けた副慣性体に肩代わりさせ、一次転写部の速度変動を低減させることができる。
また、動吸振器の速度変動低減効果はバネ(バネ定数)とダンパ(粘性係数)と副慣性体(イナーシャ)の3つのパラメータにより決まり、副慣性体のイナーシャが大きいほど速度変動の低減効果が大きいことが知られている。さらに、副慣性体のイナーシャは回転体の場合、物体の厚みに比例し(質量に比例)、半径の4乗に比例することも知られている。
今までの動吸振器では、イナーシャを大きくするために副慣性体の質量増加を狙って厚みを大きくすると、イナーシャを支えるバネとダンパに偏心が発生し、異常画像であるバンディングが懸念される。また、実装できる半径にも限度があり中間転写ユニットのような周りに多くの部品を抱えるレイアウト上の余裕の無いユニットでは速度変動低減効果の大きなものを実装できないという問題があった。
特許文献2に記載の動吸振器では、偏心を防ぐために主慣性体の回転軸に環状の弾性部材を介して取り付けられた環状の回転体を回転軸に対して高剛性部材とベアリングを用いて回転自在に支持する構成が記載されている。
しかし、この動吸振器にはダンパが付けられていない。動吸振器にダンパの要素が抜けている場合は特定周波数帯に対してのみ機能する動吸振器となってしまい、用紙の突入時に発生する衝撃のような周波数帯域の特定が難しい力に対しては速度変動低減効果が機能しないという問題があった。
本出願人が出願した先願1(特願2013−169020)には、動吸振器の副慣性体を保持する目的で、主慣性体の回転軸と副慣性体をスポーク形状のバネ部材で接続及び支持し、ダンパを同心円状で接続した構成が記載されている。
しかし、イナーシャを確保するために副慣性体の厚みを大きくすることで発生する動吸振器の偏心や実装できる半径の限界からレイアウト上の余裕の無いユニットで速度変動低減効果の大きなものを実装できないという問題があった。
また、特許文献3には、動吸振器の偏心を防ぐ目的で、主慣性体の回転軸に径方向に伸びた固定ディスク(剛体)を取り付け、この固定ディスクを介してバネ及びダンパを取り付ける構成が開示されている。
しかし、上記固定ディスクはスペースを圧迫し副慣性体のイナーシャが減少してしまうという問題がある。
そこで、本実施例の動吸振器120では、次の3つの条件を満たすことを目的とした。
1.コンパクト(半径が大きすぎず)でありつつもイナーシャが大きく、速度変動低減効果が大きいことができる。
2.副慣性体の質量増加起因の偏心を防ぐことができる。
3.幅広い周波数帯域で速度変動低減効果が機能することができる。
次に本実施例の動吸振器120について、図を用いて説明する。
ここで、本実施例では、図2(b)に示したように、従動ローラ14に動吸振器120を設けた場合について説明する。なお、動吸振器120は二次転写対向ローラ15、テンションローラ18、駆動ローラ13、感光体ドラム2等の同軸上に配置しても良い。
図12は、本実施例に係る動吸振器120の説明図である。図13は、本実施例に係る動吸振器120に有した回転支持粘性部材130の説明図であり、図12の回転支持粘性部材130の部分を拡大した図である。
図12、及び図13に示した回転支持粘性部材130とは、部材の外側と内側で回転方向の固定がされておらず、ベアリングのような働きを持ちながらも、外側と内側で発生する角速度差に比例した粘性力が働く機構となっている。具体的には、外側がωa、内側がωbの角速度を持つとき、F=c(ωa−ωb)の粘性力が働く。ここで、前記式中のcは粘性係数であり、材料により決定するものである。
また、図13に示す回転支持粘性部材130の外側の部材である剛体ケース131は、副慣性体であるフライホイール121の質量増加起因の負荷増加による変形も起こさない樹脂や金属の剛体である。
主慣性体である従動ローラ14の回転軸14a上には、回転支持粘性部材130を介して副慣性体であるフライホイール121が、ネジ138によりネジ固定されている。そして、従動ローラ14の回転軸14aとで、回転支持粘性部材130の内側の部材である内側部材134は圧入や接着により、従動ローラ14の回転軸14aに固定されている。つまり、回転支持粘性部材130の内側は主慣性体である従動ローラ14と同じ回転速度を持つ。
また、副慣性体であるフライホイール121と、回転支持粘性部材130の外側である剛体ケース131はネジ138によりネジ固定されており、回転支持粘性部材130の外側は副慣性体であるフライホイール121と同じ回転速度を持つ。またネジ止めは圧入や接着でも良い。
また、従動ローラ14の回転軸14aと剛体ケース131との隙間は、キャップ132とベアリング133とで塞がれ、内側部材134には、剛体ケース131の内壁近傍まで伸びる金属や樹脂で構成されたブレード136が4枚、周方向に等間隔で設けられている。
また、回転支持粘性部材130の内部、つまり、剛体ケース131と内側部材134とで形成される空間には、粘性部材としてのシリコンオイル等の粘性流体137が充填されている。
そして、主慣性体である従動ローラ14の回転軸14aと同じ角速度を持つ内部のブレード136が粘性流体137内を動くことで、回転支持粘性部材130の内側と外側の角速度差に応じた粘性力が発生する。また、回転支持粘性部材130はベアリング133、キャップ132、及び剛体ケース131で構成されているため、負荷からの変形を防ぐことができる。
これらにより主慣性体である従動ローラ14と副慣性体であるフライホイール121とがダンパで繋がった構成を実現しており、角速度差に比例した粘性力が働く。市販のロータリダンパなどが同じ機構として該当する。
なお、回転支持粘性部材130の内部に充填させる粘性部材としては、粘性流体だけではなく、粉状の粉体部材(粉体)を用いても良い。
これにより、粉体部材の粘性を用いて、主慣性体である従動ローラ14と副慣性体であるフライホイール121との角速度差に比例した力を働かせることができる。
また、本実施例の動吸振器120では、回転支持粘性部材130の内側に従動ローラ14の回転軸14aを固定し、外側をフライホイール121に固定することで、従動ローラ14とフライホイール121の角速度差に応じた粘性力を働かせることができる。
また、剛体ケース131を使用することで副慣性体であるフライホイール121の質量増加による変形を防ぐことができるため、フライホイール121の質量増加に起因したバネ部材やダンパの機能を果たす回転支持粘性部材130の偏心も発生しない。
図14は、本実施例に係る動吸振器120のバネ部材140の説明図であり、先願1に記載されたバネ部材と同様に、4つのスポーク形状141を有している。
バネ部材140は4つのスポーク形状141を有しており、主慣性体である従動ローラ14の回転軸14aと副慣性体であるフライホイール121を、図12(a)、(b)に示すように、ネジ143でネジ固定している。これにより、従動ローラ14とフライホイール121がバネ部材140で繋がった構成を実現しており、従動ローラ14とフライホイール121との角度差に比例する力をバネ部材140で働かせることができる。
ここで、バネの強さはスポーク形状141の長さや厚みを変えることで調整可能である。また、材質はバネ定数が小さい樹脂やバネ定数の大きい金属材料を用いることで幅広いバネ定数を実現することが可能である。また、棒バネ形状を用いて軸中心を通りかつ副慣性体と固定するようにしてスポーク形状の上に配置することや、渦巻きバネを用いてもバネ部材140のとしての役割を持たせることは可能である。
なお、
副慣性体であるフライホイール121は中空かつ中央部をくり抜いたH型の構造とした。副慣性体のイナーシャは大きいほど速度変動低減効果の高い動吸振器となる。よって、イナーシャに寄与の大きい外周部を残しつつ、中空かつ中央部をくり抜いたH型の構造とし、バネとダンパを内部から固定することで、小さな構成で効果の高い動吸振器となっている。
また、回転支持粘性部材130により副慣性体であるフライホイール121を支持しているため、フライホイール121の質量増加に起因した偏心は無く、厚みを大きくしてイナーシャを大きくしている。なお、H型の構造は図12のような両側から行わなくても良く、片側からのみ中央部をくり抜いたコの字型でも良い。
この構成は主慣性体と副慣性体が並列で繋がっているため動吸振器として機能し、主慣性体の回転速度変動を低減する。これより速度変動低減効果が大きく、かつ幅広い周波数帯域に対して安定する動吸振器をレイアウト上、余裕の無いユニットでも搭載可能とすることができる。
図15は、比較例(先願1)の動吸振器220の説明図である。そして、図15(a)が断面図、図15(b)がダンパ230側を示した斜視図、図15(c)がバネ部材240側を示した斜視図である。
比較例の動吸振器220は、図15に示すように副慣性体であるフライホイール221は中空形状であり、主慣性体の回転軸201a上に設けられたバネ部材240及びダンパ230(ゴム)から両側で挟まれ支持された構成となっている。この比較例の動吸振器220の構成はイナーシャを増加させるためにフライホイール221の厚みを増やすと、質量も増加することでバネ部材240及び粘性部材であるダンパ230の負荷が大きくなり、変形及び動吸振器220全体の偏心が発生すると考えられる。
一方、本実施例の動吸振器120では、この問題(課題)を、上述したように、回転支持粘性部材130で副慣性体であるフライホイール121を支持することで解決している。
図16は、特許文献2に記載された動吸振器320の説明図である。図17は、非特許文献1に記載の動吸振器のダンパの有無による周波数応答特性を示したグラフである。
特許文献2の動吸振器320は、動吸振器320の偏心を防ぐ目的で、回転軸301aに環状の弾性部材350を介して取り付けられた環状の副慣性体であるフライホイール321を回転軸301aに対して高剛性部材360で回転自在に支持する構成である。このため、主慣性体に対してバネを介して副慣性体が取り付けられた構成となっており、ダンパは取り付けられていない。
ダンパの介していない動吸振器を内蔵した場合の周波数応答特性は図17のζ=0.005(ζは減衰比であり、ダンパの粘性係数によって決定)に示すような特定周波数帯に対してのみ効果が現れることが特徴である。このため、主慣性体に対する動吸振器の振動数比が近い範囲(振動数比1付近)では減衰効果が得られるものの、振動数比が違う箇所では減衰効果がほとんど無いことが分かる。
したがって、この動吸振器320では、用紙の突入時に発生する衝撃のような周波数帯域の特定が難しい力に対しては速度変動低減効果が安定しないという問題がある。
一方、バネとダンパの両方を介した動吸振器の周波数応答特性は、図17の粘性部材によりζを調整可能とし、ζ=0.168に示すような幅広い周波数帯域で効果が現れることが特徴である。よって、用紙の突入時に発生する衝撃のような周波数帯域の特定が難しい力に対してはダンパを介した方が良いことが分かる。なお、図17のζ=200は動吸振器質量を固定して得られた周波数応答特性となっている(ダンパもバネも介していない)。
一方、動吸振器120では、特許文献2の動吸振器320の上記問題(課題)を、上述したように、回転支持粘性部材130に粘性要素を加えることでζの調整を可能とすることで解決している。
なお、本実施例の動吸振器120のバネ部材として、渦巻きバネを用いた別例について、図を用いて説明しておく。
図18は、バネ部材145として渦巻きバネを用いた動吸振器120の別例の説明図である。
この別例の動吸振器120では、図18(a)、(b)に示すように、渦巻きバネをバネ部材145として用いている。このバネ部材145では、渦巻きバネの内周部は主慣性体である従動ローラ14の回転軸14aとネジ143で固定され、外周部はフライホイール121と固定されている。
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態の中間転写ユニット10を備えたプリンタの構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
中間転写ベルト11などのベルト状の中間転写体と、該中間転写体に設けたリニアスケール111などのリニアスケールと、前記中間転写体が無端移動するときの前記リニアスケールの挙動を計測するリニアスケールセンサ110などのリニアスケールセンサと、前記複数の回転体を支持する中間転写フレーム12などの筐体と、を備えた中間転写ユニット10などの中間転写ユニットにおいて、リニアスケールセンサ110をステーの上に乗せて配置するなどして前記リニアスケールセンサを前記筐体から引き出し可能な引き出し機構を備えていることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、引き出し機構を備えているので、中間転写ユニットの中間転写フレーム12などの筐体から、リニアスケールセンサを間単に引き出し可能となる。したがって、リニアスケールセンサの定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる。
よって、リニアスケールセンサを簡単に取り外せ、リニアスケールセンサの定期掃除時の作業者の作業負荷を減らすことができる中間転写ユニットを提供できる。
(態様B)
(態様A)において、前記引き出し機構は、前記筐体内部に設けられたスライドレール112などのスライドレールによって、前記リニアスケールセンサを移動可能に支持していることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
リニアスケールセンサをスライドレールに沿って引き出したり、取り付けたりでき、リニアスケールセンサを引き出したり、再設置したりする作業を簡単にすることができる。また、リニアスケールセンサ110が中間転写ユニット10の他の部分に接触することも防ぐことができる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、前記筐体は、前記複数の回転体の両端部近傍を支持する前側板12aや後側板12bなどの2つの側板を有し、前側板12aなどの少なくともいずれか一方の側板に、前記リニアスケールセンサを引き出せる穴や切欠きを有することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、中間転写ユニットの筐体に、リニアスケールセンサを引き出せる穴や切り欠きがあるので、リニアスケールセンサを簡単に引き出すことができる。
(態様D)
(態様A)又は(態様B)において、前記筐体は、前記複数の回転体の両端部近傍を支持する前側板12aや後側板12bなどの2つの側板を有し、前記引き出し機構は、前側板12aなどのいずれか一方の側板と一体となって引き出し可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、中間転写ユニットの筐体に、穴や切り欠きを設ける必要がないため、中間転写ユニットの筐体の剛性を損なわずに、リニアスケールセンサを簡単に引き出して、定期掃除時の作業性を向上させることができる。
(態様E)
(態様C)において、前記引き出し機構は、前記側板に設けた穴や切欠きに対して、着脱可能な板金部材113などの板金部材を有しており、前記板金部材の着脱にともなって、前記リニアスケールセンサが再設置されたり、引き出されたりするように構成されていることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、リニアスケールセンサを引き出すための穴や切り欠きに着脱可能な板金部材を取り付け、清掃性を向上させつつ、中間転写ユニットの筐体の補強を行うことができる。また、板金部材を引き出すときの取っ手としても使用することができるため、作業性が向上する。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記引き出し機構は、前記筐体の内部に設けた位置決め部材115などの位置決め部材により、前記リニアスケールセンサを再設置するときの位置決めを行うことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、リニアスケールセンサを引き出して清掃した後、再設置するときのリニアスケールセンサの位置決めを簡単に行うことができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記中間転写体を架張する複数の回転体の内、駆動ローラ13などの少なくともいずれかに動吸振器120などの動吸振器を設けたことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、ベルト状の中間転写体の速度変動を低減することが可能となる。
(態様H)
(態様G)において、前記動吸振器は、従動ローラ14などの設ける回転体の回転軸14aなどの回転軸と同軸上に配置され、中空形状かつH型やコの字型をしたフライホイール121などの副慣性体と、設ける回転体の回転軸と同軸上に固定され、前記回転軸側から放射状に伸びるスポーク形状141などのスポーク部が配置されており、前記スポーク部の先端が前記副慣性体と固定され、前記回転体と前記副慣性体との角度差に比例した力が働くバネ部材140などのバネ部材と、前記回転体の回転軸に固定された内側部材134などの内側部材と、該内側部材を外側から覆う前記副慣性体と固定された剛体ケース131などのケース部材とが回転可能に設けられ、前記内側部材と前記ケース部材との間に粘性流体137などの粘性部材が充填され、前記内側部材に取り付けられたブレード136などのブレード部材により、前記内側部材と前記ケース部材との間で、前記内側部材と前記ケース部材との角速度差に比例した粘性力が働くとともに、前記副慣性体を支持する回転支持粘性部材130などの回転支持粘性部材と、を備え、前記回転体、前記副慣性体、前記バネ部材、及び前記回転支持粘性部材が同軸に設けられていることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、副慣性体に、設ける回転体の回転軸方向の厚みを持たせることで、イナーシャを大きくすることができる。
また、回転支持粘性部材の、ケース部材が副慣性体に固定され、内側部材が設ける回転体の回転軸に固定されているので、回転支持粘性部材で副慣性体を支持することができる。これにより、副慣性体の質量増加に起因したバネ部材やダンパの機能を果たす回転支持粘性部材の偏心を防ぐことができる。
また、副慣性体を支持する回転支持粘性部材にダンパの機能を持たせているので、幅広い周波数帯域で、回転体の速度変動低減効果を発揮することができる。
したがって、中間転写ユニットに備える動吸振器が、設ける回転体の半径方向がコンパクトでもイナーシャが大きく、速度変動低減効果が大きな、副慣性体の質量増加に起因する偏心が発生しない、幅広い周波数帯域で速度変動低減効果を発揮することができる。
よって、動吸振器をコンパクトにして、定期清掃のときスケールセンサを中間転写ユニットから簡単に取り外せるとともに、ベルト状の中間転写体の速度変動を低減することができる中間転写ユニットを提供できる。
(態様I)
(態様H)において、前記粘性部材が、粉状の粉体部材であることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、粉体部材の粘性を用いて、動吸振器を設ける回転体と副慣性体との角速度差に比例した力を働かせることができる。
(態様J)
中間転写ユニットを備えたプリンタなどの画像形成装置において、前記中間転写ユニットとして、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの中間転写ユニット10などの中間転写ユニットを備えたことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの中間転写ユニットと同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
1 プロセスユニット
2 感光体
2 帯電装置
3 帯電装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6 一次転写ニップ
7(YM,CK) 光書込ユニット
10 中間転写ユニット
11 中間転写ベルト
12 中間転写フレーム
12a 前側板
12b 後側板
13 駆動ローラ
14 従動ローラ
14a 回転軸(従動ローラ)
15 二次転写対向ローラ
16 二次転写ローラ
17 二次転写ニップ
18 テンションローラ
20 給紙ユニット
21 第一給紙カセット
21a 第一給紙ローラ
22 第二給紙カセット
22a 第二給紙ローラ
23 給紙路
24 転写前搬送路
25 送出ローラ
26 レジストローラ対
27 搬送ベルト
30 定着装置
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
40 搬送切り替え装置
41 排紙路
42 排紙ローラ対
43 再送路
44 スイッチバック路
45 スイッチバック後搬送路
51 手差しトレイ
52 排紙トレイ
101 ガイド板
102 ベルトクリーニング
103 潤滑剤塗布ユニット
110 リニアスケールセンサ
111 リニアスケール
112 スライドレール
113 板金部材
115 位置決め部材
120 動吸振器
121 フライホイール
130 回転支持粘性部材
131 剛体ケース
132 キャップ
133 ベアリング
134 内側部材
136 ブレード
137 粘性流体
138 ネジ(回転支持粘性部材)
140 バネ部材(実施例5)
141 スポーク形状
143 ネジ(バネ部材固定)
145 バネ部材(別例、渦巻きバネ)
P 用紙
特開2006−171522号公報 特開2000−240724号公報 特開2014−052058号公報
背戸一登著,「動吸振器とその応用」,コロナ社,2010年8月,p.17

Claims (10)

  1. ベルト状の中間転写体と、該中間転写体に設けたリニアスケールと、前記中間転写体が無端移動するときの前記リニアスケールの挙動を計測するリニアスケールセンサと、前記複数の回転体を支持する筐体と、を備えた中間転写ユニットにおいて、
    前記リニアスケールセンサを前記筐体から引き出し可能な引き出し機構を備えていることを特徴とする中間転写ユニット。
  2. 請求項1に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記引き出し機構は、前記筐体内部に設けられたスライドレールによって、
    前記リニアスケールセンサを移動可能に支持していることを特徴とする中間転写ユニット。
  3. 請求項1又は2に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記筐体は、前記複数の回転体の両端部近傍を支持する2つの側板を有し、
    少なくともいずれか一方の側板に、前記リニアスケールセンサを引き出せる穴や切欠きを有することを特徴とする中間転写ユニット。
  4. 請求項1又は2に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記筐体は、前記複数の回転体の両端部近傍を支持する2つの側板を有し、
    前記引き出し機構は、いずれか一方の側板と一体となって引き出し可能に構成されていることを特徴とする中間転写ユニット。
  5. 請求項3に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記引き出し機構は、前記側板に設けた穴や切欠きに対して、着脱可能な板金部材を有しており、前記板金部材の着脱にともなって、前記リニアスケールセンサが再設置されたり、引き出されたりするように構成されていることを特徴とする中間転写ユニット。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記引き出し機構は、前記筐体の内部に設けた位置決め部材により、前記リニアスケールセンサを再設置するときの位置決めを行うことを特徴とする中間転写ユニット。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記中間転写体を架張する複数の回転体の内、少なくともいずれかに動吸振器を設けたことを特徴とする中間転写ユニット。
  8. 請求項7に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記動吸振器は、設ける回転体の回転軸と同軸上に配置され、中空形状かつH型やコの字型をした副慣性体と、
    設ける回転体の回転軸と同軸上に固定され、前記回転軸側から放射状に伸びるスポーク部が配置されており、前記スポーク部の先端が前記副慣性体と固定され、前記回転体と前記副慣性体との角度差に比例した力が働くバネ部材と、
    前記回転体の回転軸に固定された内側部材と、該内側部材を外側から覆う前記副慣性体と固定されたケース部材とが回転可能に設けられ、前記内側部材と前記ケース部材との間に粘性部材が充填され、前記内側部材に取り付けられたブレード部材により、前記内側部材と前記ケース部材との間で、前記内側部材と前記ケース部材との角速度差に比例した粘性力が働くとともに、前記副慣性体を支持する回転支持粘性部材と、を備え、
    前記回転体、前記副慣性体、前記バネ部材、及び前記回転支持粘性部材が同軸に設けられていることを特徴とする中間転写ユニット。
  9. 請求項8に記載の中間転写ユニットにおいて、
    前記粘性部材が、粉状の粉体部材であることを特徴とする中間転写ユニット。
  10. 中間転写ユニットを備えた画像形成装置において、
    前記中間転写ユニットとして、請求項1乃至9のいずれか一に記載の中間転写ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2019152792A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 株式会社リコー 搬送ユニット及び画像形成装置
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