JP2016217517A - 流体管の分岐部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】分岐管部の内周面と更生管の分岐口との間に段差がある条件下においても、所定の被覆処理作業を構造の簡素化と装着作業の容易化を図りながら確実に行う。
【解決手段】流体管1の内周面1aに形成された更生管3に、分岐管部2の内径よりも小径の分岐口5が貫通形成され、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間の段差部6に被覆装着用リング部7が配置され、被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して更生管3の外周面3bと流体管1の内周面1aとの接合面間に流体が流入することを阻止する流入阻止手段13が設けられ、被覆筒状体8における被覆装着用リング部7の分岐下流端部側に突出する管外方側筒部9a及び更生管3の内周面3a側に突出する管内方側筒部9cがそれぞれ抜止め係合状態で分岐口3の口径方向外方側に拡径変形されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、分岐管部を備えた流体管の内周面にライニング処理で形成された更生管の分岐形成箇所に、前記分岐管部の内径よりも小径の分岐口が貫通形成され、前記更生管の外周面と前記流体管の内周面との接合面間への流体の浸入を阻止する状態で前記更生管における前記分岐口の内周面を被覆する被覆筒状体が装着されている流体管の分岐部構造に関する。
流体管に分岐管部が一体形成されている流体管の分岐部構造においては、更生管の分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間に、分岐口の口径と分岐管部の内径との差に相当する比較的大きな段差が生じている。
そのため、被覆筒状体の一例であるブッシュを更生管の分岐口に挿入して、ブッシュにおける更生管の内周面側に突出する管内方側筒部及び更生管の外周面側に突出する管外方側筒部を拡径手段で拡径操作したとき、ブッシュの管内方側筒部においては、少ない拡径変形量でそれの屈曲起点となる更生管の内周面における分岐口の開口周縁部に確実に圧着することができる。
しかしながら、ブッシュの管外方側筒部においては、更生管の分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間の段差分を折り曲げ、且つ、ブッシュの管外方側筒部の先端部を分岐管部の内周面に密封状態で圧着させる必要があるため、ブッシュの管外方側筒部の先端部と分岐管部の内周面との間での密封性が不十分となり、更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間に流体が浸入する虞がある。
そこで、従来では、ブッシュの管外方側筒部が、分岐口の口径よりも大で、且つ、分岐管部の内径よりも小なる外径に膨出成形され、この膨出成形された管外方側筒部の外周面に形成された環状溝には、分岐管部の内周面に圧縮状態で当接して当該分岐管部の内周面との間を密封する弾性シール材が装着されている。
上述のブッシュを更生管の分岐口に挿入配置したのち、更生管の内周面側に突出するブッシュの管内方側端部を、拡径手段で分岐口の口径方向外方側に折り曲げ形成し、この折り曲げ形成された管内方側端部を分岐口の開口周縁部に抜止め係合させている(例えば、特許文献1の図10、実施例3参照)。
特開2012−180889号公報
従来の流体管の分岐部構造では、ブッシュの管外方側筒部を分岐口の口径よりも大なる外径に膨出成形する必要があり、しかも、この膨出成形された管外方側筒部の外周面に形成された環状溝には、ブッシュの大径上端部の外周面と分岐管部の内周面との間を密封する弾性シール材を装着する必要があるため、ブッシュの製造コストが高騰化する。
しかも、ブッシュの環状溝に装着された弾性シール材を圧縮状態で分岐管部の内周面に沿って摺動挿入するため、ブッシュの装着作業に多くの手間を要する。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、分岐管部の内周面と更生管の分岐口との間に段差がある条件下においても、所定の被覆処理作業を構造の簡素化と装着作業の容易化を図りながら確実に行うことのできる流体管の分岐部構造を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、分岐管部を備えた流体管の内周面にライニング処理で形成された更生管の分岐形成箇所に、前記分岐管部の内径よりも小径の分岐口が貫通形成され、前記更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間への流体の浸入を阻止する状態で前記更生管における前記分岐口の内周面を被覆する被覆筒状体が拡径変形によって装着されている流体管の分岐部構造であって、
前記更生管の外周面における前記分岐口の開口周縁部と前記分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部が配置され、
前記被覆装着用リング部の外周面と前記分岐管部の内周面との対向面間を経由して前記接合面間に流体が流入することを阻止する流入阻止手段が設けられ、
前記被覆筒状体における前記被覆装着用リング部の分岐下流端部側に突出する管外方側筒部及び前記更生管の内周面側に突出する管内方側筒部がそれぞれ抜止め係合状態で前記分岐口の口径方向外方側に拡径変形されている点にある。
上記構成によれば、更生管の外周面における分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部を配置し、この被覆装着用リング部及び更生管の分岐口に対して被覆筒状体を所定装着位置に挿入し、この被覆筒状体を拡径手段で拡径変形させる。
被覆筒状体の管内方側筒部は、更生管の内周面における分岐口の開口周縁部側を略屈曲起点として拡径変形される一方、被覆筒状体の管外方側筒部は、被覆装着用リング部の分岐下流端部側を略屈曲起点として拡径変形される。
これにより、被覆筒状体が簡素な筒状形状であっても、分岐口の内周面及び被覆装着用リング部の内周面を確実に被覆することができ、しかも、流入阻止手段によって、分岐管部内の流体が被覆装着用リング部の外周面と分岐管部の内周面との対向面間を経由して更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間に流入することも確実に阻止することができる。
したがって、更生管の外周面における分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部を配置するという上述の合理的な改良により、分岐管部の内周面と更生管の分岐口の開口周縁部との間に段差がある条件下においても、所定の被覆処理作業を構造の簡素化と装着作業の容易化を図りながら確実に行うことができる。
本発明による第2の特徴構成は、前記被覆筒状体には、硬質の被覆筒状本体と、当該被覆筒状本体の外周面における少なくとも前記更生管の分岐口及び前記被覆装着用リング部に対応する部位に形成される弾性層とが備えられている点にある。
上記構成によれば、被覆筒状体を構成する硬質の被覆筒状本体の拡径変形により、被覆筒状体を更生管の分岐口及び被覆装着用リング部に抜止め係合状態で確実に装着することができる。しかも、被覆筒状本体の拡径変形に伴って当該被覆筒状本体の外周面に形成された弾性層が更生管の分岐口の内周面及び被覆装着用リング部の内周面に密着し、被覆筒状体による密封性を高めることができる。
本発明による第3の特徴構成は、前記被覆筒状体の外周面における少なくとも前記更生管の分岐口及び前記被覆装着用リング部に対応する部位には接着層が形成されている点にある。
上記構成によれば、被覆筒状体を拡径変形したとき、被覆筒状体の外周面に形成された接着層が更生管の分岐口の内周面及び被覆装着用リング部の内周面に強く接着され、被覆筒状体による密封性を高めることができる。
本発明による第4の特徴構成は、前記流入阻止手段が、前記被覆装着用リング部の外周面と前記分岐管部の内周面との間を密封するシール材から構成されている点にある。
上記構成によれば、流入阻止手段が、例えば、被覆装着用リング部と分岐管部の内周面とを全周溶接する溶接部から構成されている場合に比して、被覆筒状体の装着作業の容易化を図りながら、被覆装着用リング部の外周面と分岐管部の内周面との間を簡単、確実に密封することができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記被覆装着用リング部が、前記分岐管部の内周面の防錆対象領域を被覆する防錆スリーブの先端部に形成され、前記流入阻止手段が前記防錆スリーブをもって構成されている点にある。
上記構成によれば、分岐管部の内周面の防錆対象領域を防錆処理する防錆スリーブの取付けが完了した時点で、防錆スリーブの先端部に形成されている被覆装着用リング部を更生管の外周面における段差部の所定位置に確実に固定配置することができる。
しかも、防錆スリーブの密封機能を利用して、分岐管部内の流体が被覆装着用リング部の外周面と分岐管部の内周面との対向面間を経由して更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間に流入することを確実に阻止することができ、流入阻止手段の簡素化を図ることができる。
本発明による第6の特徴構成は、前記被覆装着用リング部には、前記流体管の内周面に連続する状態で分岐流路を閉塞し、且つ、前記更生管の分岐口の穿孔形成時に同時に切断分離される薄膜が形成されている点にある。
上記構成によれば、流体管の内周面にライニング材で更生管を形成する際に、更生管の外周面における分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部を配置しておくことにより、被覆装着用リング部に形成された薄膜が流体管の内周面に連続する状態で分岐流路の入口を閉塞することになり、分岐流路でのライニング材や接着剤等の浮き上がりを防止することができる。
それでいて、分岐口の穿孔形成時には、被覆装着用リング部に形成されている薄膜も同時に切断分離することができるので、薄膜に対する特別な撤去作業は不要である。
本発明による第7の特徴構成は、前記被覆筒状体の内周面には補強用コアが位置固定状態で挿入配置されている点にある。
上記構成によれば、流体管と更生管との熱膨張率の相違による外気温変化の伸縮差によって発生する流体管と更生管との相対移動力、特に、地盤変動によって流体管の継手部が屈曲したり伸縮したりすることに起因して発生する流体管と更生管との相対移動力により、更生管の分岐口の内周面と被覆装着用リング部の内周面とに亘って挿入装着されている被覆筒状体に変形力が作用しても、被覆筒状体の内周面に挿入配置された補強用コアによって変形を抑制することができ、更生管の分岐口と分岐管部とを同芯状態に維持することができる。
本発明による第8の特徴構成は、前記被覆装着用リング部には、前記更生管における前記分岐口の内周面に挿入配置される補強筒体が設けられている点にある。
上記構成によれば、更生管の外周面における分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部が配置された状態では、この被覆装着用リング部に設けられた補強筒体が分岐口の内周面に挿入配置されるから、被覆筒状体の管内方側筒部の拡径変形時における更生管の分岐口の変形を抑制することができる。しかも、流体管と更生管との熱膨張率の相違による外気温変化の伸縮差によって発生する流体管と更生管との相対移動力、特に、地盤変動によって流体管の継手部が屈曲したり伸縮したりすることに起因して発生する流体管と更生管との相対移動力による更生管の分岐口と分岐管部との芯ずれを抑制することができる。
本発明による第9の特徴構成は、前記分岐管部を備えた流体管の内周面にライニング処理で形成された更生管の分岐形成箇所に、前記分岐管部の内径よりも小径の分岐口が貫通形成され、前記更生管の外周面と前記流体管の内周面との接合面間への流体の浸入を阻止する状態で前記更生管における前記分岐口の内周面を被覆する被覆筒状体が装着されている流体管の分岐部構造であって、
前記分岐管部の内周面の防錆対象領域を被覆する防錆スリーブが設けられ、この防錆スリーブの先端に前記被覆筒状体が設けられている点にある。
上記構成によれば、更生管の分岐口の開口周縁部と分岐管部の内周面との間に、分岐口の口径と分岐管部の内径との差に相当する比較的大きな段差が生じている場合でも、分岐管部の内周面の防錆対象領域を被覆する防錆スリーブが取付けられた時点で、防錆スリーブの先端部に形成されている被覆筒状体を分岐口の所定装着位置に挿入配置することができる。
そのため、更生管の分岐口に挿入配置されている被覆筒状体を分岐口の内周面に対して被覆装着するだけで、防錆スリーブ及び被覆筒状体を分岐管部に抜止め状態で装着することができる。
しかも、防錆スリーブの密封機能を利用して、分岐管部内の流体が被覆筒状体の外周面と分岐管部の内周面との対向面間を経由して更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間に流入することを確実に阻止することができる。
したがって、防錆スリーブの先端に被覆筒状体を設けるという合理的な改良により、分岐管部の内周面と更生管の分岐口との間に段差がある条件下においても、所定の被覆処理作業を構造の簡素化と装着作業の容易化を図りながら確実に行うことができる。
第1実施形態の分岐部構造の断面図 第1実施形態の更生管形成作業時の断面図 第1実施形態の穿孔作業時の断面図 第1実施形態の拡径作業時の断面図 第1実施形態のバルブ取付け時の断面図 第2実施形態の分岐部構造の断面図 第3実施形態の分岐部構造の断面図 第4実施形態の分岐部構造の断面図 第5実施形態の分岐部構造の断面図 第6実施形態の分岐部構造の断面図 第7実施形態の分岐部構造の断面図 第8実施形態の分岐部構造の断面図 第9実施形態の分岐部構造の断面図 第10実施形態の分岐部構造の断面図 第11実施形態の分岐部構造の断面図 第12実施形態の分岐部構造の拡径前の断面図 第12実施形態の分岐部構造の拡径後の断面図 第13実施形態の分岐部構造の拡径前の断面図 第13実施形態の分岐部構造の拡径後の断面図 第14実施形態の分岐部構造の断面図 第14実施形態の防錆スリーブ挿入時の断面図 第14実施形態の拡径作業時の断面図 第15実施形態の分岐部構造の断面図 第15実施形態の組付け前の断面図 第15実施形態の取付け作業時の断面図 第16実施形態の取付け作業時の断面図 第17実施形態の分岐部構造の断面図 第17実施形態の組付け前の断面図 第17実施形態の締付け操作前の断面図
〔第1実施形態〕
図1〜図5は、流体管の一例である水道管1に、水道管1の管軸芯方向に対して交差(当該実施形態では直交)する分岐軸芯に沿って外方に突出する分岐管部2が一体形成されている分岐部構造を示す。
この分岐部構造では、断水状態にある更生対象領域の水道管1内に、熱硬化性樹脂が含浸又は塗布された筒状のライニング材を反転挿入し、蒸気加熱又は温水加熱、常温養生等でライニング材の熱硬化性樹脂を硬化させるライニング処理(ホースライニング工法)により、水道管1の内周面1aに更生管3が密着状態で一体的に形成されている。
更生管3における分岐管部2の分岐流路4に対応する部位には、分岐管部2の内径よりも小なる口径の分岐口5が貫通形成され、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間には、分岐口5の口径と分岐管部2の内径との差に相当する段差部6が形成されている。
更生管3の外周面3bにおける段差部6には、分岐口5の口径と分岐管部2の内径との差に相当する直径方向の厚みを有し、且つ、更生管3の外周面3bから分岐管部2の内周面2aの直管状部分までの高さ有する金属製の被覆装着用リング部7が配置されている。
この被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7cの外周面7b側は、分岐管部2の内周面2aに全周溶接で水密状態に固着され、この全周溶接部12をもって、分岐流路4内の上水(流体)が被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間に浸入することを阻止する流入阻止手段13(図5参照)が構成されている。
更生管3の分岐口5の口径と被覆装着用リング部7の内径とは同一又は略同一に構成され、分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aとが同芯状態で連続形成されている。
この分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aとに亘って、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間への上水の浸入を阻止する状態で更生管3の分岐口5の内周面5aを被覆する被覆筒状体8の一例で、被覆装着用リング部7と分岐口5との分岐軸芯方向での合計長さよりも大なる分岐軸芯方向長さを有する金属製のブッシュ9が挿入配置されている。
ブッシュ9は、設定挿入位置に挿入配置された状態において、被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7cよりも下流側に突出する管外方側筒部9aと、分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに対面する中間側筒部9bと、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部よりも水道管1の管軸芯側に突出する管内方側筒部9cとから構成されている。
また、ブッシュ9は、硬質の被覆筒状本体である金属(ステンレス鋼、銅合金等)製のブッシュ本体9Aと、当該ブッシュ本体9Aの外周面における少なくとも更生管3の分岐口5及び被覆装着用リング部7に対応する部位(当該実施形態では、ブッシュ本体9Aの外周面の略全域)に形成されるゴム製の弾性層9Bとからなり、ブッシュ9の挿入時には、弾性層9Bの外周面に接着剤を塗布して接着層10が形成されている。
そして、分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aとに亘って挿入配置されたブッシュ9を拡径手段A1で拡径変形させると、ブッシュ9の管内方側筒部9cは、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部側を略屈曲起点として拡径変形(分岐口5の口径方向外方側に屈曲変形)される一方、ブッシュ9の管外方側筒部9aは、被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7c側を略屈曲起点として拡径変形(分岐口5の口径方向外方側に屈曲変形)される。
ブッシュ9のブッシュ本体9Aの拡径変形に伴って当該ブッシュ本体9Aの外周面に形成された弾性層9Bが更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに圧接状態で密着し、且つ、弾性層9Bの外周面に形成された接着層10が更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに強く接着されるため、ブッシュ9による密封性(水密による防錆性、防腐性)を高めることができる。
次に、上述の如く構成された水道管1の分岐部構造の施工方法について説明する。
この分岐部構造に用いられる被覆装着用リング部7には、図2、図3に示すように、水道管1の内周面1aに面一に連続する状態で分岐流路4の入口を閉塞し、且つ、更生管3の分岐口5の穿孔形成時に同時に切断分離される金属製又は樹脂製の薄膜11が形成されている。
そのため、図2に示すように、内断水状態でクリーニングされた水道管1の更生対象領域内に筒状のライニング材に熱硬化性樹脂を含浸又は塗布した状態で反転挿入し、蒸気加熱又は温水加熱、常温養生等で樹脂を硬化させるライニング処理を実行する際、被覆装着用リング部7を分岐管部2の内周面2aに全周溶接で固着するとともに、被覆装着用リング部7の薄膜11の外面側に当接して当該薄膜11をライニング処理時の圧力に抗して所定姿勢に維持する薄膜押え治具15の取付けフランジ15Aを、分岐管部2のフランジ2Aにボルト16A・ナット16B等の締結具16で固定する。
そして、ライニング処理時に、被覆装着用リング部7の薄膜11により、水道管1の分岐流路4の入口での筒状のライニング材や接着剤の浮き上がりを防止することができる。
ライニング処理による更生管3の施工が完了すると、図3に示すように、更生管3に分岐口5を形成する穿孔工程に移行する。
この穿孔工程では、分岐管部2のフランジ2Aに、分岐口5を切削形成する円筒状のホールソー17と、当該ホールソー17内の回転中心位置から前方に突出するセンタードリル18とを備えた穿孔装置Bの連結フランジ19を、ボルト16A・ナット16B等の締結具16で固定連結し、ホールソー17を分岐流路4内に沿って送り込んで更生管3に分岐口5を形成する。
このとき、更生管3の外周面3bに接着固定されている薄膜11もホールソー17で切断分離する。切断分離された更生管3の切片3c及び薄膜11はセンタードリル18の係止機能を利用して抜止め保持される。
穿孔工程が完了すると、図4に示すように、ブッシュ9の装着工程に移行する。
このブッシュ装着工程では、ブッシュ装着装置Aの拡径手段A1に、弾性層9Bの外周面に接着剤を塗布してあるブッシュ9を抜止め状態で外装保持し、ブッシュ装着装置Aの連結フランジ25を、分岐管部2のフランジ2Aにボルト16A・ナット16B等の締結具16で固定する。
拡径手段A1を有するブッシュ装着装置Aとしては従来から種々の形態が開発され、そのいずれの形態でも使用可能である。
当該実施形態においては、弾性体拡張式のブッシュ装着装置Aを使用し、これに装備される拡径手段A1は、分岐軸芯方向に沿って相対移動可能な内外二重軸構造の内側操作軸20の先端と外側操作軸21の先端に、軸方向(分岐軸芯方向)で相対向する押圧面22a、23aを備えた押圧部22、23を設け、この両押圧部22、23間には、これの相対近接移動に伴う径方向外方への拡張によりブッシュ9を拡径変形させる拡径用弾性体24を設けてある。
拡径用弾性体24に対してブッシュ9を軸方向から外装し、ブッシュ9の一端が外側操作軸21側の押圧部23の押圧面23aに当接された設定装着位置において、拡径用弾性体24を少し拡張させてブッシュ9を抜止め保持する。
そして、ブッシュ装着装置Aの拡径手段A1を分岐流路4内に沿って送り込み、ブッシュ9を被覆装着用リング部7及び分岐口5に対する設定装着位置に配置する。
ブッシュ9が設定装着位置に配置された状態では、ブッシュ9の管外方側筒部9aが被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7cよりも分岐下流側に設定長さ突出し、ブッシュ9の管内方側筒部9cは、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部よりも水道管1の管軸芯側に設定長さ突出する。
この状態で両押圧部22、23を相対近接操作して拡径用弾性体24を径方向外方に拡張させると、図5に示すように、ブッシュ9の管内方側筒部9cは、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部側を略屈曲起点として分岐口5の口径方向外方側に屈曲変形される一方、ブッシュ9の管外方側筒部9aは、被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7c側を略屈曲起点として分岐口5の口径方向外方側に屈曲変形される。
これにより、ブッシュ9は、それの弾性層9Bが更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに圧接状態で密着し、且つ、弾性層9Bの外周面に形成された接着層10が更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに強く接着された状態で係合装着される。
ブッシュ9が係合装着された状態では、被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間への上水の浸入は前述の全周溶接部12をもって構成される流入阻止手段13で阻止され、被覆装着用リング部7の内周面7aとブッシュ9の外周面との接合面間への上水の浸入は、前述の弾性層9Bの圧接と接着層10の接着とにより阻止される。さらに、分岐口5の内周面5aとブッシュ9の外周面との接合面間への上水の浸入は、前述の弾性層9Bの圧接と接着層10の接着とにより阻止される。
ブッシュ9が係合装着されると、両押圧部22、23を相対離間操作して拡径用弾性体24を縮径させ、ブッシュ装着装置Aを分岐管部2のフランジ2Aから撤去する。
ブッシュ装着工程が終了すると、図5に示すように、当該実施形態においては、分岐管部2のフランジ2Aに、水道機材(流体機材)の一例であるバルブ(補修弁)26のフランジ26Aをボルト16A・ナット16B等の締結具16で固定する。
〔第2実施形態〕
図6は、水道管1の分岐部構造の別実施形態を示す。この実施形態では、被覆装着用リング部7の外周面7bのリング軸芯方向(分岐軸芯方向でもある)の一箇所又は複数個所(当該実施形態では2箇所)に、径方向外方に向かって開口する環状のシール溝28を形成し、シール溝28には、分岐管部2の内周面2aとの間を水密に密封するシール材の一例であるOリング29が装着されている。
そして、ブッシュ9が係合装着された状態では、被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの間がOリング29で水密に密封された状態にあり、このOリング29をもって、分岐流路4内の上水(流体)が被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間に浸入することを阻止する流入阻止手段13が構成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図7は、水道管1の分岐部構造の別実施形態を示す。この実施形態では、被覆装着用リング部7の外周面7bが、リング軸芯方向中間位置を境にして大径外周面7baと小径外周面7bbとに区画形成されている。
被覆装着用リング部7の小径外周面7bbには雄ネジ部が形成され、この雄ネジ部には、大径外周面7baの端面との間で径方向外方に向かって開口する環状のシール溝30を形成するネジ部材31が螺合されている。
シール溝30には、第2実施形態と同様に、分岐管部2の内周面2aとの間を水密に密封するシール材の一例であるOリング32が装着され、このOリング32をもって流入阻止手段13が構成されている。
また、Oリング32による水密機能が不足している場合には、ネジ部材31をシール溝30の溝幅が減少する側に締め込み操作すると、Oリング32が大径外周面7baの端面とネジ部材31との間で挟圧されて径方向外方への張り出し量が増加し、Oリング32による水密機能が強化される。
当該実施形態においては、上述の第1実施形態で説明したブッシュ装着装置Aの拡径手段A1によるブッシュ9の拡径作用が不足する場合、リンク式のブッシュ装着装置Cが用いられる。
このリンク式のブッシュ装着装置Cは、内外三重軸構造を構成する中軸33と中間軸34と外軸35とのうち、外軸35の先端には、ブッシュ9の管外方側筒部9aを被覆装着用リング部7の分岐下流側端部7c側を略屈曲起点として口径方向外方側に屈曲変形させるための押圧面35aを備えた押圧部35Aが設けられている。
また、中間軸34の先端に設けられたリンク取付け部34Aと中軸33の先端部に回転自在に外装されたリンク取付け筒33Aとに亘って、中軸33の外側ネジ部33aに設けられたリンク操作ナット33Bの回転操作に伴うリンク取付け部34Aとリンク取付け筒33Aとの相対近接移動により、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部よりも拡径外方に屈曲しながら張り出す一対の腰折れリンク36が設けられている。
中間軸34の外側端部に設けられた第1連結部材34Cと外軸35の外側端部に設けられた第2連結部材35Bとを連動する複数のネジ軸37には、第2連結部材35Bを挟持固定する固定ナット38と、第1連結部材34Cにおける第2連結部材35Bと対面する側面を押圧して、外軸35の押圧部35Aと張り出し姿勢にある腰折れリンク36の拡径操作リンク部36Aとを相対近接移動させる拡径操作用ナット39とが螺合されている。
中軸33の内側ネジ部33bには、腰折れリンク36が設定張り出し姿勢に到達したとき、リンク取付け部34Aの凹部に嵌合してそれ以上の腰折れリンク36の屈曲を阻止する姿勢規制ナット40が螺合されている。
そして、一対の腰折れリンク36が張り出し姿勢に変更された状態において、拡径操作用ナット39を操作すると、外軸35の押圧部35Aと張り出し姿勢にある腰折れリンク36の拡径操作リンク部36Aとの相対近接移動によって、ブッシュ9の管外方側筒部9aと管内方側筒部9cとが拡径変形され、ブッシュ9の拡径不足を解消する。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第4実施形態〕
図8は、水道管1の分岐部構造の別実施形態を示す。この実施形態では、ブッシュ9の内周面に、ブッシュ9の変形を抑制する金属製(ステンレス鋼、銅合金等)の補強用コア41が位置固定状態で挿入配置されている。
この補強用コア41の一端部には、ブッシュ9の分岐下流側端部に当接する鍔部41aが形成されている。
補強用コア41の挿入配置にあたっては、補強用コア41の鍔部41aがブッシュ9の分岐下流側端部に当接するまで、ブッシュ9に対して補強用コア41が分岐軸芯方向から圧入されている。
そして、水道管1と更生管3との熱膨張率の相違による外気温変化の伸縮差によって発生する水道管1と更生管3との相対移動力、特に、地盤変動によって水道管1の継手部が屈曲したり伸縮したりすることに起因して発生する水道管1と更生管3との相対移動力により、更生管3の分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aとに亘って装着されているブッシュ9に変形力が作用しても、ブッシュ9の内周面に挿入配置された補強用コア41によってブッシュ9の変形を抑制することができ、更生管3の分岐口5と分岐管部2とを同芯状態に維持することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また上述の第4実施形態では、ブッシュ9に対して補強用コア41を圧入したが、この補強用コア41をねじ込み、溶接等の他の固定手段でブッシュ9内に挿入配置してもよい。
〔第5実施形態〕
図9は、水道管1の分岐部構造の別実施形態を示す。この実施形態では、被覆装着用リング部7が、分岐管部2の内周面全域の防錆対象領域を被覆する金属製(ステンレス鋼、銅合金等)の防錆スリーブ42の内周面42aにおける分岐上流側の先端部に一体形成されている。
さらに、防錆スリーブ42をもって、分岐流路4内の上水(流体)が被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間に浸入することを阻止する流入阻止手段13が構成されている。
防錆スリーブ42の外径は分岐管部2の内径よりも少し小径に構成され、防錆スリーブ42の内径は分岐口5の口径よりも大径に構成されている。
防錆スリーブ42の分岐下流側の他端部には、径方向外方に突出するフランジ部42Aが一体形成され、このフランジ部42Aは、分岐管部2のフランジ2Aと水道機材の一例である板フランジ43又はバルブ(補修弁)26のフランジ26Aとの間においてシール材を介装した水密状態で挾持固定されている。
当該実施形態においては、ボルト16A・ナット16B等の締結具16による締付け固定操作により、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ43との間で防錆スリーブ42のフランジ部42Aが水密状態で挾持固定され、さらに、板フランジ43にバルブ26のフランジ26Aが水密状態で固定連結されている。
また、当該実施形態においては、シール材の一例であるガスケット(パッキン)47を装着するに、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ43との間に、防錆スリーブ42のフランジ部42Aにおける径方向外方側の環状外周縁部との間に環状のシール装着溝を形成する外リング48と、当該外リング48によって形成されたシール装着溝に装着されるガスケット47とを配置し、締結具16による締付け固定操作によりガスケット47を水密状態に圧縮する。
そして、防錆スリーブ42のフランジ部42Aを分岐管部2のフランジ2Aに固定連結するだけで、被覆装着用リング部7が、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁と分岐管部2の内周面2aとの間の段差部6の所定位置に位置固定状態で確実に配置される。
被覆装着用リング部7は、防錆スリーブ42の先端部から径方向内方に突出形成されているとともに、被覆装着用リング部7の内径は、更生管3の分岐口5の口径と同一又は略同一に構成されている。
また、更生管3の分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aには、上述の第1実施形態で説明したブッシュ9が同じ装着手順で係合装着されている。
これにより、ブッシュ9は、それの弾性層9Bが更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに圧接状態で密着し、且つ、弾性層9Bの外周面に形成された接着層10が更生管3の分岐口5の内周面5a及び被覆装着用リング部7の内周面7aに強く接着された状態で係合装着される。
ブッシュ9が係合装着された状態では、被覆装着用リング部7が一体形成されている防錆スリーブ42の外周面42bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間への上水の浸入は、防錆スリーブ42のフランジ部42Aと分岐管部2のフランジ2Aとの連結部におけるシール部で阻止され、被覆装着用リング部7の内周面7aとブッシュ9の外周面との接合面間への上水の浸入は、前述の弾性層9Bの圧接と接着層10の接着とにより阻止される。更に、分岐口5の内周面5aとブッシュ9の外周面との接合面間への上水の浸入は、前述の弾性層9Bの圧接と接着層10の接着とにより阻止される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第6実施形態〕
図10は、上述の第5実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、防錆スリーブ42に一体形成されている被覆装着用リング部7の内周面7aのリング軸芯方向(分岐軸芯方向でもある)の一箇所又は複数個所に、径方向内方に向かって開口する環状のシール溝45を形成し、このシール溝45には、ブッシュ9の外周面との間を水密に密封するシール材の一例であるOリング46が装着されている。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第7実施形態〕
図11は、上述の第5実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、被覆装着用リング部7が一体形成されている防錆スリーブ42の長さが、分岐管部2の内周面2aにおける分岐下流側端部側の一部を除いた防錆対象領域を被覆する長さに構成されているとともに、防錆スリーブ42の分岐下流側端部42cが、分岐管部2の内周面2aに全周溶接で水密状態に固着されている。
この全周溶接されている防錆スリーブ42をもって、分岐流路4内の上水(流体)が被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間に浸入することを阻止する流入阻止手段13が構成されている。
そのため、ブッシュ9が係合装着された状態では、被覆装着用リング部7が一体形成されている防錆スリーブ42の外周面42bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間への上水の浸入は、防錆スリーブ42の分岐下流側端部42cと分岐管部2の内周面2aとの溶接部で阻止される。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第8実施形態〕
図12は、上述の第5実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、防錆スリーブ42に一体形成された被覆装着用リング部7に、更生管3における分岐口5の内周面5aに挿入配置される補強筒体7Aが一体形成されている。
そして、被覆装着用リング部7に設けられた補強筒体7Aが分岐口5の内周面5aに挿入配置されることにより、ブッシュ9の管内方側筒部9cの拡径変形時における更生管3の分岐口5の変形を抑制することができるとともに、水道管1と更生管3との熱膨張率の相違による外気温変化の伸縮差によって発生する水道管1と更生管3との相対移動力、特に、地盤変動によって水道管1の継手部が屈曲したり伸縮したりすることに起因して発生する水道管1と更生管3との相対移動力による更生管3の分岐口5と分岐管部2との芯ずれを抑制することができる。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第9実施形態〕
図13は、上述の第5実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、ブッシュ9の内周面に、ブッシュ9の変形を抑制する金属製(ステンレス鋼、銅合金等)の補強用コア41が位置固定状態で挿入配置されている。
この補強用コア41の一端部には、ブッシュ9の分岐下流側端部に当接する鍔部41aが形成されている。
補強用コア41の挿入配置にあたっては、補強用コア41の鍔部41aがブッシュ9の分岐下流側端部に当接するまで、ブッシュ9に対して補強用コア41が分岐軸芯方向から圧入されている。
そして、水道管1と更生管3との熱膨張率の相違による外気温変化の伸縮差によって発生する水道管1と更生管3との相対移動力、特に、地盤変動によって水道管1の継手部が屈曲したり伸縮したりすることに起因して発生する水道管1と更生管3との相対移動力により、更生管3の分岐口5の内周面5aと被覆装着用リング部7の内周面7aとに亘って装着されているブッシュ9に変形力が作用しても、ブッシュ9の内周面に挿入配置された補強用コア41によってブッシュ9の変形を抑制することができ、更生管3の分岐口5と分岐管部2とを同芯状態に維持することができる。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また上述の実施形態では、ブッシュ9に対して補強用コア41を圧入したが、この補強用コア41をねじ込み、溶接等の他の固定手段でブッシュ9内に挿入配置してもよい。
〔第10実施形態〕
図14は、上述の第9実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、補強用コア41の分岐軸芯方向長さが、分岐管部2の分岐軸芯方向長さよりも大に構成されているとともに、補強用コア41の鍔部41aが、分岐管部2のフランジ2Aと水道機材の一例である板フランジ43又はバルブ(補修弁)26のフランジ26Aとの間においてガスケット等のシール材を介装した水密状態で挾持固定される外径に構成されている。
当該実施形態においては、ボルト16A・ナット16B等の締結具16による締付け固定操作により、分岐管部2のフランジ2Aとバルブ26のフランジ26Aとの間で補強用コア41の鍔部41aが水密状態で挾持固定されている。
また、被覆装着用リング部7が一体形成されている防錆スリーブ42の長さは、分岐管部2の内周面2aにおける分岐下流側端部側の一部を除いた防錆対象領域を被覆する長さに構成されているとともに、防錆スリーブ42の分岐下流側端部42cが、分岐管部2の内周面2aに全周溶接で水密状態に固着されている。
尚、その他の構成は、第9実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第9実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第11実施形態〕
図15は、上述の第5実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、分岐管部2の分岐流路4に対応する部位に、分岐管部2の内径よりもだいぶ小なる口径の分岐口5が貫通形成されているため、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間に大きな段差部6が形成されている。
防錆スリーブ42のスリーブ本体42Bは、分岐管部2の内径よりも小に構成され、防錆スリーブ42に一体形成されている被覆装着用リング部7の内周面7aは、分岐口5の内周面5aに連続配置可能な内径に構成されている。
そのため、防錆スリーブ42のスリーブ本体42Bの外周面42bと分岐管部2の内周面2aとの間、及び、被覆装着用リング部7の外周面7bと分岐管部2の内周面2aとの間には比較的大きな環状空間が形成されるが、被覆装着用リング部7の配設位置は防錆スリーブ42の剛性で固定維持されている。
つまり、この実施形態においても、防錆スリーブ42のフランジ部42Aを分岐管部2のフランジ2Aに固定連結するだけで、被覆装着用リング部7が、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間の段差部6の所定位置に位置固定状態で確実に配置されることになる。
また、防錆スリーブ42のスリーブ本体42Bの中間部又は全体は、長さ調整が可能なベローズ状(蛇腹状)に構成されている。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第12実施形態〕
図16、図17は、上述の第5実施形態において水道管1の分岐部構造の別実施形態を示す。この実施形態では、分岐管部2の内周面全域の防錆対象領域を被覆する金属製(ステンレス鋼、銅合金等)の防錆スリーブ42の分岐下流側端部に、径方向外方に突出するフランジ部42Aが一体形成され、このフランジ部42Aは、分岐管部2のフランジ2Aと水道機材の一例である板フランジ43又はバルブ(補修弁)26のフランジ26Aとの間においてガスケット等のシール材を介装した水密状態で挾持固定されている。
当該実施形態においては、ボルト16A・ナット16B等の締結具16による締付け固定操作により、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ43との間で防錆スリーブ42のフランジ部42Aが水密状態で挾持固定されている。
そして、防錆スリーブ42の内周面42aにおける分岐上流側の先端には、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間への上水の浸入を阻止する状態で更生管3における分岐口5の内周面5aを被覆する被覆筒状体8が、径方向内方側に突出する状態で一体形成されている。
この被覆筒状体8の外周面8bには、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間の段差部6及び分岐口5の内周面5aに対面する断面「L」字状の装着面8cが形成され、この装着面8cには、分岐管部2の内周面2aの分岐上流側端部から段差部6及び分岐口5の内周面5aを経由して更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部分までの範囲を水密に密封可能な筒状の弾性シール材50が固着されている。
この弾性シール材50の分岐上流側端部50aは、更生管3の内周面3aよりも水道管1の管軸芯側に突出形成されている。
被覆筒状体8の内周面8aには、更生管3の内周面3aよりも水道管1の管軸芯側に突出し、且つ、拡径手段A1によって分岐口5の口径方向外方側に拡径変形可能な薄肉状の拡径筒部8Aが一体形成されているとともに、被覆筒状体8の分岐上流側端部には、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部に向かって円錐状に広がる拡径ガイド傾斜面8dが形成されている。
そして、図17に示すように、被覆筒状体8の拡径筒部8Aを拡径手段A1で拡径変形させると、拡径筒部8Aは、被覆筒状体8の分岐上流側端部の拡径ガイド傾斜面8dに密着する状態で口径方向外方側に折り曲げられ、さらに、拡径ガイド傾斜面8dの先端側を略屈曲起点として口径方向外方側に折り曲げられ、弾性シール材50の分岐上流側端部50aが更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部分に水密状態で圧着される。
被覆筒状体8の拡径筒部8Aが拡径変形された状態では、拡径筒部8Aが弾性シール材50の分岐上流側端部50aを介して更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部に係合されているため、被覆筒状体8が一体形成されている防錆スリーブ42は分岐軸芯方向で移動不能に固定保持される。
それ故に、更生管3の分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間に、分岐口5の口径と分岐管部2の内径との差に相当する比較的大きな段差が生じている場合でも、分岐管部2の内周面2aの防錆対象領域を被覆する防錆スリーブ42が取付けられた時点で、防錆スリーブ42の先端部に形成されている被覆筒状体8を分岐口5の所定装着位置に挿入配置することができる。
そのため、更生管3の分岐口5に挿入配置されている被覆筒状体8を分岐口5の内周面5aに対して被覆装着するだけで、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8を分岐管部2に抜止め状態で装着することができる。
しかも、防錆スリーブ42の密封機能を利用して、分岐管部2内の流体が被覆筒状体8の外周面8bと分岐管部2の内周面2aとの対向面間を経由して更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間に流入することも確実に阻止することができる。
尚、その他の構成は、第5実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第5実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第13実施形態〕
図18、図19は、上述の第12実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、防錆スリーブ42と、当該防錆スリーブ42の分岐上流側先端に一体形成される被覆筒状体8とが略直管状に構成されている。
被覆筒状体8は、防錆スリーブ42と同径で一体形成された内側拡径筒部8Bと、この内側拡径筒部8Bの外周面の全域に固着され、且つ、分岐口5の口径よりも僅かに小径の外径に形成された円筒状の外側弾性シール材51とから構成されている。
防錆スリーブ42には、分岐管部2のフランジ2Aと水道機材の一例である板フランジ43又はバルブ(補修弁)26のフランジ26Aとの間においてガスケット等のシール材を介装した水密状態で挾持固定されるスリーブ保持部材42Dと、当該スリーブ保持部材42Dの分岐下流側端部に形成された凹状の環状係止部42dに対して分岐下流側から係合可能なフランジ部42eを有するスリーブ本体42Eとが主要構成部材として備えられている。
当該実施形態においては、ボルト16A・ナット16B等の締結具16による締付け固定操作により、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ43との間でスリーブ保持部材42Dの鍔部42fが水密状態で挾持固定されている。
分岐管部2内に挿入配置されるスリーブ保持部材42Dの内嵌筒部42gにおける内周面の分岐軸芯方向の一箇所又は複数個所には、径方向内方に向かって開口する環状のシール溝42hが形成され、このシール溝42hには、スリーブ本体42Eの外周面42bとの間を水密に密封するシール材の一例であるOリング44が装着されている。
そして、被覆筒状体8の内側拡径筒部8Bを拡径手段A1で拡径変形させると、内側拡径筒部8Bは、図19に示すように、外側弾性シール材51を更生管3の分岐口5の内周面5aに圧着させた状態で、更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部を略屈曲起点として口径方向外方側に折り曲げられる。
被覆筒状体8の内側拡径筒部8Bが拡径変形された状態では、内側拡径筒部8Bが外側弾性シール材51の分岐上流側端部を介して更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部に係合されているため、被覆筒状体8が一体形成されている防錆スリーブ42は分岐軸芯方向で移動不能に固定保持される。
尚、その他の構成は、第12実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第12実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第14実施形態〕
図20〜図22は、上述の第12実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、分岐管部2のフランジ2Aに、水道機材の一例である板フランジ52が水密状態で固定連結され、この板フランジ52には、分岐管部2の内周面全域の防錆対象領域を被覆する金属製の防錆スリーブ42の分岐下流側端部が水密状態で挿通保持されている。
板フランジ52の挿通孔の内周面に形成したシール溝52aには、防錆スリーブ42の外周面42bに圧縮状態で当接して当該防錆スリーブ42を水密状態で位置保持するシール材の一例であるOリング29が装着されている。
防錆スリーブ42の分岐上流側の先端には、図21に示すように、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間への上水の浸入を阻止する状態で更生管3における分岐口5の内周面5aを被覆する被覆筒状体8が一体形成されている。
この被覆筒状体8には、防錆スリーブ42の分岐上流側の先端相当位置において径方向外方に突出する状態で一体形成された環状押え部8Cと、同じく先端相当位置から分岐軸芯方向に沿って延出される状態で一体形成された薄肉の内側拡径筒部8Dと、段差部6における分岐口5の開口周縁部分と分岐口5の内周面5aとに亘る範囲を水密に密封可能な筒状の弾性シール材53とが備えられている。
弾性シール材53は、環状押え部8Cの分岐上流側の押え面と内側拡径筒部8Dの外周面とに亘って固着されている。
そして、図20に示すように、被覆筒状体8の内側拡径筒部8Dのうち、更生管3の内周面3aよりも水道管1の管軸芯側に突出する管内方側部位を拡径手段A1で拡径変形させることにより、内側拡径筒部8Dの管内方側部位は分岐口5の口径方向外方側に折り曲げられ、これに伴って弾性シール材53の管内方側部位が更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部分に水密状態で圧着される。
被覆筒状体8の内側拡径筒部8Dを拡径手段A1で拡径変形させる拡径工程においては、図22に示すように、分岐管部2のフランジ2Aには、拡径手段A1を備えたリンク式のブッシュ装着装置Cが取付けられている。
このリンク式のブッシュ装着装置Cの外軸35の押圧部35Cにより、防錆スリーブ42の分岐下流側端部が押圧され、被覆筒状体8の環状押え部8Cに位置する弾性シール材53の一部が更生管3の外周面3bの段差部6に押し付けられ、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8は所定姿勢に固定保持される。
外軸35の押圧部35Aと張り出し姿勢にある腰折れリンク36の拡径操作リンク部36Aとの相対近接移動によって、被覆筒状体8の管内方側部位が拡径変形される。
尚、その他の構成は、第12実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第12実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第15実施形態〕
図23〜図25は、上述の第12実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、上述の第14実施形態と同様に、分岐管部2のフランジ2Aに水密状態で固定連結される水道機材の一例である板フランジ52に、分岐管部2の内周面全域の防錆対象領域を被覆する金属製の防錆スリーブ42の分岐下流側端部が水密状態で挿通保持されている。
防錆スリーブ42の分岐上流側端部相当部位には、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間への上水の浸入を阻止する状態で更生管3における分岐口5の内周面5aを被覆する被覆筒状体8が設けられている。
この被覆筒状体8には、防錆スリーブ42の分岐上流側端部相当部位に一体的に連続形成されるネジ筒部8Eと、ネジ筒部8Eに一体的に連続形成され、且つ、更生管3の分岐口5内に挿入配置される被覆筒部8Fと、分岐口5の内周面5aと更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部分を水密に密封する状態で被覆筒部8Fに外装される管内側弾性シール材8Gと、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部分を水密に密封する状態で被覆筒部8Fに外装される管外側弾性シール材8Hと、管内側弾性シール材8Gに当接した状態で被覆筒部8Fの分岐下流側端部に形成された鍔部8fに受止め支持される弾性変形可能なシール押圧リング8Jと、管外側弾性シール材8Hに当接した状態で被覆筒部8Fに外装される金属製の押輪8Kと、押輪8Kに当接した状態でネジ筒部8Eに螺合される押圧ナット8Lとが備えられている。
防錆スリーブ42に被覆筒状体8のネジ筒部8Eと被覆筒部8Fとを一体形成してスリーブ体Sが構成されている。
そして、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8を被覆装着する場合には、先ず、図24に示すように、被覆筒状体8の構成要素のうち、防錆スリーブ42にネジ筒部8Eと被覆筒部8Fとを一体形成してなるスリーブ体Sを、分岐管部2の分岐流路4から分岐口5を通して水道管1内に入れるとともに、管内側弾性シール材8G及びシール押圧リング8Jも分岐口5を通過可能な形状に弾性変形操作した状態で水道管1内に入れる。
水道管1内において、スリーブ体Sの被覆筒部8Fにシール押圧リング8Jと管内側弾性シール材8Gとを外装し、スリーブ体Sの防錆スリーブ42とネジ筒部8Eと被覆筒部8Fの一部を分岐口5から分岐流路4内に挿通配置する。
この挿通配置されたスリーブ体Sの被覆筒部8Fとネジ筒部8Eに、図25に示すように、管外側弾性シール材8Hと押輪8Kと押圧ナット8Lとを組付けて、押圧ナット8Lを締め付け操作すると、押輪8Kとシール押圧リング8Jとの間で管外側弾性シール材8H及び管内側弾性シール材8Gが圧縮され、更生管3の分岐口5の開口周縁部分にスリーブ体Sが水密状態で挟持固定され、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8の装着が完了する。
尚、その他の構成は、第12実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第12実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第16実施形態〕
図26は、上述の第15実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、被覆筒部8Fの分岐上流側端部に形成された鍔部8fが、シール押圧リング8J(図23参照)の外径と略同じ外径に構成され、この鍔部8fで管内側弾性シール材8Gを直接押圧するように構成されている。
そのため、この実施形態では、防錆スリーブ42に被覆筒状体8のネジ筒部8Eと被覆筒部8Fとを一体形成して構成されたスリーブ体Sを、カメラを備えた自走式の管内搬送車又は人為力等で分岐口5に対応する位置に搬送し、スリーブ体Sの被覆筒部8Fに管内側弾性シール材8Gを外装し、スリーブ体Sの防錆スリーブ42とネジ筒部8Eと被覆筒部8Fの一部を分岐口5から分岐流路4内に挿通配置する。
この挿通配置されたスリーブ体Sの被覆筒部8Fとネジ筒部8Eに、管外側弾性シール材8Hと押輪8Kと押圧ナット8Lとを組付けて、押圧ナット8Lを締め付け操作すると、押輪8Kと被覆筒部8Fの鍔部8fとの間で管外側弾性シール材8H及び管内側弾性シール材8Gが圧縮され、更生管3の分岐口5の開口周縁部分にスリーブ体Sが水密状態で挟持固定され、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8の装着が完了する。
尚、その他の構成は、第15実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第15実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第17実施形態〕
図27〜図29は、上述の第13実施形態で説明した水道管1の分岐部構造の変形例の実施形態を示す。この実施形態では、分岐管部2のフランジ2Aに、水道機材の一例である板フランジ60が水密状態で締結具16にて固定連結され、この板フランジ60の挿通孔には、分岐管部2の内周面全域の防錆対象領域を被覆する金属製の防錆スリーブ42の分岐下流側端部が水密状態で挿通保持されている。
板フランジ60の挿通孔の内周面に形成したシール溝60aには、防錆スリーブ42の外周面42bに圧縮状態で当接して当該防錆スリーブ42を水密状態で位置保持するシール材の一例であるOリング61が装着されている。
分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ60との間には、防錆スリーブ42のスリーブ軸芯を分岐管部2の分岐軸芯に合致させる芯出しリング62の分岐下流側端部に形成されている鍔部と、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ60との対向面間を水密に密封するシール材の一例であるガスケット(パッキン)63と、芯出しリング62の鍔部における径方向外方側の外周縁部との間に環状のシール装着溝を形成する外リング66とが設けられている。
芯出しリング62には、分岐管部2の内周面2aに当接する外側位置規制面62aと、防錆スリーブ42の外周面42bに当接する内側位置規制面62bとが形成されている。
そして、芯出しリング62の鍔部における外周縁部と外リング66との間のシール装着溝内に配置されたガスケット63は、締結具16による分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ60との締付け固定操作によって水密状態に圧縮される。
防錆スリーブ42の分岐上流側端部相当部位には、更生管3の外周面3bと水道管1の内周面1aとの接合面間への上水の浸入を阻止する状態で更生管3における分岐口5の内周面5aを被覆する被覆筒状体8が設けられている。
この被覆筒状体8には、防錆スリーブ42の分岐上流側端部相当部位に一体的に連続形成され、且つ、更生管3の分岐口5内に挿入配置される被覆筒部8Mと、当該被覆筒部8Mの分岐上流側端部に一体形成された分岐口5の口径よりも大径の押圧部8Nと、当該押圧部8Nの押圧面と更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部との対向面間を水密に密封可能な状態で被覆筒部8Mに外装されるシール材の一例であるOリング64とが備えられている。
さらに、防錆スリーブ42の分岐下流側端部に形成された雄ネジ部42jには、板フランジ60の挿通孔の内周面に形成された環状仕切り壁部60bに当接した状態での締め付け側への螺合操作により、板フランジ60に対して防錆スリーブ42を分岐下流側に引き寄せ移動させて、押圧部8Nの押圧面と更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部との対向面間に介装されているOリング64を水密状態に圧縮する締め付けナット65が螺合されている。
防錆スリーブ42に被覆筒状体8の被覆筒部8Mと押圧部8Nとを一体形成してスリーブ体Sが構成されている。
そして、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8を被覆装着する場合には、先ず、図28に示すように、被覆筒状体8の構成要素のうち、防錆スリーブ42に被覆筒部8Mと押圧部8Nとを一体形成してなるスリーブ体Sを、カメラを備えた自走式の管内搬送車又は人為力等で分岐口5に対応する位置に搬送し、水道管1内においてスリーブ体Sの被覆筒部8MにOリング64を外装し、スリーブ体Sの防錆スリーブ42と被覆筒部8Mの一部を分岐口5から分岐流路4内に挿入配置する。
挿入配置されたスリーブ体Sの分岐下流側部位に芯出しリング62を外装し、当該芯出しリング62の外側位置規制面62aを分岐管部2の内周面2aに当接させ、且つ、内側位置規制面62bを防錆スリーブ42の外周面42bに当接させることにより、防錆スリーブ42のスリーブ軸芯を分岐管部2の分岐軸芯に合致させる。
分岐管部2のフランジ2Aにおける芯出しリング62の径方向外方側部位にガスケット63及び外リング66を配置するとともに、Oリング61を装着してある板フランジ60をスリーブ体Sの分岐下流側部位に外装し、この板フランジ60と分岐管部2のフランジ2Aとをボルト16A・ナット16B等の締結具16にて締付け固定する。
板フランジ60が分岐管部2のフランジ2Aに締付け固定された状態では、板フランジ60の内周面と防錆スリーブ42の外周面42bとの対向面間はOリング61で水密状態に密封され、分岐管部2のフランジ2Aと板フランジ60との対向面間はガスケット63で水密状態に密封されている。
次に、防錆スリーブ42の分岐下流側端部に形成されている雄ネジ部42jに締め付けナット65を螺合し、締め付けナット65を板フランジ60の環状仕切り壁部60bに当接させた状態で締め付け側に螺合操作すると、板フランジ60に対して防錆スリーブ42が分岐下流側に引き寄せ移動され、これに伴って押圧部8Nの押圧面と更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部との対向面間に介装されているOリング64が水密状態に圧縮される。
この状態では、スリーブ体Sの防錆スリーブ42の分岐下流側端部は締め付けナット65で板フランジ60に固定され、スリーブ体Sの被覆筒状体8は更生管3の内周面3aにおける分岐口5の開口周縁部に水密状態で係合され、防錆スリーブ42及び被覆筒状体8の装着が完了する。
尚、その他の構成は、第13実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第13実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、水道管1の内周面1aに更生管3をライニング処理で形成するにあたって、水道管1内に、熱硬化性樹脂が含浸又は塗布された筒状のライニング材を反転挿入し、蒸気過熱又は温水加熱、常温養生等でライニング材の熱硬化性樹脂を硬化させて更生管3を形成するホースライニング工法を採用したが、水道管1内にやや口径の小さいポリエチレン管を挿入し、水道管1の内周面とポリエチレン管の外周面との間にセメントミルクを圧入して更生管3を形成するパイプリバース工法を採用してもよい。
(2)上述の実施形態では、流体管として水道管1を例示したが、工業用水や気体等が流れる他の流体管であってもよい。
(3)上述の実施形態では、分岐管部2が水道管1に一体形成されている分岐構造について説明したが、更生管3の外周面3bにおける分岐口5の開口周縁部と分岐管部2の内周面2aとの間に段差部6が形成されている分岐構造であれば、分岐管部2は水道管1と別体に構成されていてもよい。
1 流体管(水道管)
1a 内周面
2 分岐管部
3 更生管
5 分岐口
5a 内周面
5b 外周面
7 被覆装着用リング部
7A 補強筒体
8 被覆筒状体
9 ブッシュ(被覆筒状体)
9A 被覆筒状本体(ブッシュ本体)
9B 弾性層
10 接着層
11 薄膜
13 流入阻止手段
29 シール材(流入阻止手段)
32 シール材(流入阻止手段)
41 補強用コア
42 防錆スリーブ(流入阻止手段)

Claims (9)

  1. 分岐管部を備えた流体管の内周面にライニング処理で形成された更生管の分岐形成箇所に、前記分岐管部の内径よりも小径の分岐口が貫通形成され、前記更生管の外周面と流体管の内周面との接合面間への流体の浸入を阻止する状態で前記更生管における前記分岐口の内周面を被覆する被覆筒状体が拡径変形によって装着されている流体管の分岐部構造であって、
    前記更生管の外周面における前記分岐口の開口周縁部と前記分岐管部の内周面との間の段差部に被覆装着用リング部が配置され、
    前記被覆装着用リング部の外周面と前記分岐管部の内周面との対向面間を経由して前記接合面間に流体が流入することを阻止する流入阻止手段が設けられ、
    前記被覆筒状体における前記被覆装着用リング部の分岐下流端部側に突出する管外方側筒部及び前記更生管の内周面側に突出する管内方側筒部がそれぞれ抜止め係合状態で前記分岐口の口径方向外方側に拡径変形されている流体管の分岐部構造。
  2. 前記被覆筒状体には、硬質の被覆筒状本体と、当該被覆筒状本体の外周面における少なくとも前記更生管の分岐口及び前記被覆装着用リング部に対応する部位に形成される弾性層とが備えられている請求項1記載の流体管の分岐部構造。
  3. 前記被覆筒状体の外周面における少なくとも前記更生管の分岐口及び前記被覆装着用リング部に対応する部位には接着層が形成されている請求項1又は2記載の流体管の分岐部構造。
  4. 前記流入阻止手段が、前記被覆装着用リング部の外周面と前記分岐管部の内周面との間を密封するシール材から構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体管の分岐部構造。
  5. 前記被覆装着用リング部が、前記分岐管部の内周面の防錆対象領域を被覆する防錆スリーブの先端部に形成され、前記流入阻止手段が前記防錆スリーブをもって構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体管の分岐部構造。
  6. 前記被覆装着用リング部には、前記流体管の内周面に連続する状態で分岐流路を閉塞し、且つ、前記更生管の分岐口の穿孔形成時に同時に切断分離される薄膜が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体管の分岐部構造。
  7. 前記被覆筒状体の内周面には補強用コアが位置固定状態で挿入配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体管の分岐部構造。
  8. 前記被覆装着用リング部には、前記更生管における前記分岐口の内周面に挿入配置される補強筒体が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体管の分岐部構造。
  9. 前記分岐管部を備えた流体管の内周面にライニング処理で形成された更生管の分岐形成箇所に、前記分岐管部の内径よりも小径の分岐口が貫通形成され、前記更生管の外周面と前記流体管の内周面との接合面間への流体の浸入を阻止する状態で前記更生管における前記分岐口の内周面を被覆する被覆筒状体が拡径変形によって装着されている流体管の分岐部構造であって、
    前記分岐管部の内周面の防錆対象領域を被覆する防錆スリーブが設けられ、この防錆スリーブの先端に前記被覆筒状体が設けられている流体管の分岐部構造。
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