JP2016217218A - 内容物流入用チューブ逆流機構およびこの内容物流入用チューブ逆流機構を備えたポンプ式製品 - Google Patents

内容物流入用チューブ逆流機構およびこの内容物流入用チューブ逆流機構を備えたポンプ式製品 Download PDF

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Abstract

【課題】内容物流入用チューブの先端部に詰まった形の、容器本体内容物中の花びら,金粉などの混在物の容器本体内部への離散化を図る。
【解決手段】シリンダ8は、吐出弁5および吸込用逆止弁となるカップゴム6の間の下流側貯留空間域Aと、カップゴム6の上流側の上流側貯留空間域Bと、上流側貯留空間域Bの上流側にチューブ9を取り付けるための下端側筒状部8cと、を備え、操作ボタン1と連動するピストン(2+3+4)は、上流側貯留空間域Bを構成するシリンダ8の内周面に密接しながら移動する上流側ピストン部材4を備えた。操作ボタン1の押下げ操作により、下流側貯留空間域Aの内容物が開状態の移動弁部材5を介して外部空間域へ放出され、かつ、上流側貯留空間域Bの内容物が上流側ピストン部材4の移動によりチューブ9の方へ逆流して、チューブ9の先端のメッシュブッシュ9bに詰まった金粉10bは容器本体10の内部に戻される。
【選択図】図2

Description

本発明は、操作部と連動するピストンのシリンダ内での移動に基づく弁作用にともない、前記シリンダ内の、下流側貯留空間域の内容物が外部空間域に放出され、かつ上流側貯留空間域の内容物が内容物流入用チューブの方に逆流する機構に関する。
特に、吐出弁および吸込弁の作用を呈するピストンが配設されたシリンダを、吐出弁を持つ通常の大径シリンダと、その上流側でピストン移動域を持つ新設の小径シリンダとで構成し、小径シリンダ流入側に内容物流入用チューブを取り付けたものである。
利用者が操作部の例えば押下げ操作により内容物放出状態の作動状態を設定するとき、ピストンは下動し、吸込弁(逆止弁)が閉じた状態で吐出弁が開いて通常の内容物放出が行われるとともに、小径シリンダに貯留済みの内容物がチューブの方に逆流する。
この小径シリンダ貯留内容物の逆流により、内容物流入用チューブの先端部分やここに取り付けられるメッシュブッシュなどへいわば詰まっていた各種混在物(後述の花びら,金粉,粉末,ゴミ,異物など)がいわば押し出されて、容器本体内容物と撹拌される。
手動ポンプ機構の内容物流入用チューブの先端部分に洗浄用フィルタを設けることなどは古くから提案されている(特許文献1の第3図参照)。
実開昭62−12230号公報
本件出願人は、このような内容物流入用チューブを用いた場合、その先端部に容器本体内容物との各種混在物(花びら,金粉,粉末,ゴミ,異物など)が詰まってしまうことについての幅広い検討をおこなった。
この検討過程で、内容物流入用チューブの先端部分の詰まり物を、容器本体の方へもう一度積極的に押し出してもいいのでは、といういわば逆転の発想をとるにいたった。
この詰まり物が、容器本体内容物に例えば浮遊状態で混在する花びら,金粉などの装飾要素の場合には、内容物流入用チューブの先端部(後述のメッシュブッシュなど)に詰まった分を容器本体内部に戻して再利用可能となる。
本発明では、内容物放出操作時のピストンの移動にともない、大径シリンダの下流側貯留空間域の内容物を通常のポンプ動作の形で外部空間域に放出し、かつ、小径シリンダの上流側貯留空間域の内容物を内容物流入用チューブの方に逆流させている。
本発明は、このように上流側貯留空間域の内容物を内容物放出操作のたびにチューブ側へ逆流させて、内容物流入用チューブの先端部における詰まり物(花びら,金粉,粉末,ゴミ,異物など)の離間動作の簡単化・確実化を図ることを目的とする。
また、吐出弁を介して外部空間域に連通する下流側貯留空間域を略大径シリンダで構成
し、これと逆止弁経由で連通する内容物流入用チューブ側の上流側貯留空間域を小径シリンダにて構成する。
本発明は、この下流側大径シリンダと上流側小径シリンダとの組合せにより、内容物放出操作解除後の静止時へのピストン復帰動作における、上流側貯留空間域から開状態の逆止弁を介した下流側貯留空間域への内容物供給の確実化を図ることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次の内容物流入用チューブ逆流機構により解決する。
(1)操作部(例えば後述の操作ボタン1)と連動するピストン(例えば後述の上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3,下側ピストン逆止弁部材4)のシリンダでの移動に基づく弁作用により、前記シリンダの、下流側貯留空間域(例えば後述の下流側貯留空間域A)の内容物が外部空間域に放出され、かつ上流側貯留空間域(例えば後述の上流側貯留空間域B)の内容物が内容物流入用チューブ(例えば後述のチューブ9)の方に逆流する機構であって、
前記シリンダは、
吐出弁(例えば後述の移動弁部材5)および吸込用逆止弁(例えば後述のカップゴム6)の間の前記下流側貯留空間域と、
前記吸込用逆止弁に流入する内容物が通過し、かつ静止時には内容物が貯留される前記上流側貯留空間域と、
前記上流側貯留空間域の上流側で、前記内容物流入用チューブが取り付けられる筒状空間域(例えば後述の下端側筒状部8c)と、を備え、
前記ピストンは、
前記上流側貯留空間域を構成するシリンダ内周面に密接しながら移動する上流側ピストン部材(例えば後述の下側ピストン逆止弁部材4)を備え、
操作部への内容物放出操作にともない、
前記下流側貯留空間域の内容物が開状態の前記吐出弁を介して外部空間域へ放出され、
かつ、前記上流側貯留空間域の内容物が前記上流側ピストン部材の移動により前記チューブの方へ逆流する、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記シリンダは、
前記下流側貯留空間域を構成する大径シリンダ(例えば後述の大径シリンダ8a)と、
前記上流側貯留空間域を構成する小径シリンダ(例えば後述の小径シリンダ8b)と、を備えた、
構成態様のものを用いる。
(3)上記(1),(2)において、
前記チューブは、
その通路部分に隙間通過部材(例えば後述のメッシュブッシュ9a)を設けた、
構成態様のものを用いる。
本発明は、以上の構成からなる内容物流入用チューブ逆流機構およびこれを備えたポンプ式製品を対象としている。
本発明は、以上の課題解決手段により、
(11)内容物流入用チューブの先端部における詰まり物(花びら,金粉,粉末,ゴミ,異物など)の離間動作の簡単化・確実化を図ることができる、
(12)利用者の内容物放出操作解除後の静止時へのピストン復帰動作における、上流側貯留空間域から開状態の逆止弁を介した下流側貯留空間域への内容物供給の確実化を図ることができる、
といった効果を奏している。
内容物流入用チューブ逆流機構を備えたポンプ式製品の静止時を示す説明図である。 図1のポンプ式製品の押下げ操作をした作動時を示す説明図である。 図2のポンプ式製品の押下げ操作解除後の復帰動作時を示す説明図である。
図1乃至図3を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば内容物の放出口1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば操作ボタン1)の一部であることを示している。
図1〜図3において、
1は操作部としての上下動可能な操作ボタン,
1aは内容物の放出口,
1bは前記放出口にいたるL字状の内部通路,
2はその下端側内周面に後述の内側筒状部5aの環状上端部分が密接し、かつ、操作ボタン1と嵌合保持された筒状の上側ピストン通路部材,
2aは上側ピストン通路部材2の上下方向中間部分の内周面における周方向飛び飛びの位置に形成された、それぞれ内容物通過用で計3個の内周面縦溝状部,
2bは内周面縦溝状部2aより下方の内周面周方向に形成されて、図2のポンプ機構作動時に、後述の内側筒状部5aの上端面部分を当接保持する内環状下向き段部,
2cは内環状下向き段部2bの直上外周面に形成されて、図1のポンプ機構静止時に、後述の下広がり環テーパ状内周面8hと当接する下広がり環テーパ状外周面2c,
をそれぞれ示している。
また、
3は内周面縦溝状部2aの山部分に嵌合保持された下開口鞘状の中側ピストン弁部材,
3aは中側ピストン弁部材3の外周面に形成されて、ポンプ機構の静止時(図1)および作動時(図2)それぞれに対応した弁作用を呈する吐出弁としての外環状段部,
3bは外環状段部3aの内端直上方外周面に連続形成されて同じく弁作用を呈する吐出弁としての環状起立面,
3cは環状起立面3bの直上方における周方向飛び飛びの位置に形成された、それぞれ内容物通過用で計8個の外周面縦溝状部,
3dは外環状段部3aの下方に形成されて、後述の小径シリンダ8bの内周面に当接しながら上下方向に案内される環状鍔部,
3eは環状鍔部3dのいわば外周端面における周方向飛び飛びの位置に形成された、それぞれ内容物通過用で計4個の縦方向凹状部,
をそれぞれ示している。
また、
4は中側ピストン弁部材3の下端側内周面に嵌合保持されて、後述のカップゴム6との間でその下流側(後述の下流側貯留空間域A)のみへ内容物が流入する下開口鞘状で、上流側ピストン部材としての下側ピストン逆止弁部材,
4aは下開口態様で上下方向に形成された鞘状の内部通路,
4bは内部通路4aと後述の下流側貯留空間域Aとを連通させる計2個の横孔部,
4cは横孔部4bより上方の外周面に形成され、後述のカップゴム6の上端内向き環凸状部6aを保持して下方にずれないようにする外環状段部,
4dは下側ピストン逆止弁部材4の下側外周面に形成されて、後述の小径シリンダ8bの内周面に密接する環状上開口の小径逆スカート状部,
4eは小径逆スカート状部4dの基部側であって後述のコイルスプリング7の上端部分を受ける外環状下向き段部,
をそれぞれ示している。
また、
5は中側ピストン弁部材3の外環状段部3aおよび環状起立面3bとの間で、後述の下流側貯留空間域Aから外部空間域への内容物流出についての弁作用を呈する移動弁部材,
5aはその上端面が、図2のポンプ機構作動時に上側ピストン通路部材2の内環状下向き段部2bに当接保持される内側筒状部,
5bは内側筒状部5aの下端側であって、図1のポンプ機構静止時には、外環状段部3aおよび環状起立面3bとの密接作用により後述の下流側貯留空間域Aを外部空間域から遮断し、図2のポンプ機構作動時には、この密接状態が解除される吐出弁としての下端環状弁作用部,
5cは内側筒状部5aの外上側に形成されて後述の大径シリンダ8aの内周面と密接する環状の大径逆スカート状部,
5dは内側筒状部5aと大径逆スカート状部5cとの間に形成されて、図1のポンプ機構静止時から下動する上側ピストン通路部材2のシール作用下端側部分がいわば相対的に進入して当接する、底部分からなる環凹状部,
5eは内側筒状部5aの外下側に形成されて後述の大径シリンダ8aの内周面と密接する環状の大径スカート状部,
をそれぞれ示している。
また、
6は下側ピストン逆止弁部材4に取り付けられて、後述の上流側貯留空間域Bから下流側貯留空間域Aへ向かう内容物移動を許容する、逆止弁としての筒状のカップゴム,
6aはこの逆止弁部材4の外環状段部4cに係合保持される上端内向き環凸状部,
6bは後述の上流側貯留空間域Bの内容物圧力が下流側貯留空間域Aのそれよりも大きくなった場合(例えば操作ボタン1の押下げ操作解除にともない下側ピストン逆止弁部材4が後述のコイルスプリング7の弾性作用により上動する場合)に、横孔部4bの外側に膨らんで横孔部・上流側貯留空間域Bと下流側貯留空間域Aとを連通させる、筒状の吸込弁としての逆止弁作用部,
7は下側ピストン逆止弁部材4の外環状下向き段部4eと、後述のシリンダ8の内環状段部8fとの間に配設されて、操作ボタン1から下側ピストン逆止弁部材4までの一体化したポンプ作動用部材を上方に付勢するコイルスプリング,
をそれぞれ示している。
また、
8は上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3および下側ピストン逆止弁部材4からなる上下動一体部材や、移動弁部材5,カップゴム6およびコイルスプリング7などを収容し、内容物の貯留域・通過域として作用するシリンダ(大径シリンダ8a+小径シリンダ8b+下端側筒状部8c),
8aはその内周面で中側ピストン弁部材3および移動弁部材5を上下方向に案内するシリンダ上側の大径シリンダ,
8bは大径シリンダ8aの下端側から下方に連続形成されて、下側ピストン逆止弁部材4を上下方向に案内する小径シリンダ,
8cは小径シリンダ8bの下端側から下方に連続形成されて、後述の内容物取込み用のチューブ9が取り付けられる下端側筒状部,
8dは大径シリンダ8aの上端側から外方に連続形成されて、後述のキャップ11に係合固定される環鍔状部,
8eは大径シリンダ8aの上側周面部に形成されて、内容物放出にともなう後述の容器本体10の内部圧力低下を防止するための減圧防止用孔部,
8fは小径シリンダ8bの下端側内面に形成されて、コイルスプリング7の下端部分を受ける内環状段部,
8gは大径シリンダ8aの上端側内周面に嵌合固定されて、中側ピストン弁部材3および移動弁部材5などの最上位置を画定する筒状カラー部,
8hは筒状カラー部8gの上端内周面であって、図1のポンプ機構静止時に、上側ピストン通路部材2の下広がり環テーパ状外周面2cと当接・係合し、その上動ストッパとして作用する下広がり環テーパ状内周面,
8jは筒状カラー部8gの下端面であって、図1のポンプ機構静止時に、移動弁部材5の大径逆スカート状部5cの上端内周面部分と当接・係合し、その上動ストッパとして作用する上広がり環テーパ状外周面,
をそれぞれ示している。
また、
9はシリンダ8の下端側筒状部8cに取り付けられた内容物流入用のチューブ,
9aはチューブ9の先端部分に取り付けられて、放出対象内容物中の花びら,金粉といった装飾要素や粉末,異物,ゴミなどをいわば捕獲する隙間通過部材としてのメッシュブッシュ,
10は各種内容物が収容された容器本体,
10aは容器本体首部の外周面に形成されて後述の雌ネジ部11bを螺合保持する雄ネジ部,
10bは容器本体10の内部に内容物として混合されたいわば観賞用の金粉,
11はシリンダ8の環鍔状部8dを嵌合保持して容器本体10の首部に着脱可能な形で取り付けられるキャップ,
11aはキャップ大径内周面の上端部分に形成されて環鍔状部8dの外端部分と嵌合する環凹状部,
11bはキャップ大径内周面に形成されて容器本体首部の雄ネジ部10aに螺合保持される雌ネジ部,
12はシリンダ8の環鍔状部8dと容器本体10の上端面との間に挟持されて内容物シール作用を呈する環状のパッキン,
をそれぞれ示している。
また、
Aは概略、シリンダ8における移動弁部材5とカップゴム6との間の下流側貯留空間域,
Bは概略、小径シリンダ8bにおける横孔部4bと後述のチューブ流出部との間の上流側貯留空間域,
f1はポンプ作動時の外部空間域への内容物流出経路,
f2はポンプ作動時のチューブへの内容物逆流経路,
f3はポンプ作動後の静止時(図1)への復帰動作における下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bへの内容物流入経路,
をそれぞれ示している。
ここで、操作ボタン1,上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3,下側ピストン逆止弁部材4,移動弁部材5,シリンダ8,チューブ9およびキャップ11はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のものである。
また、カップゴム6はゴム製のものであり、コイルスプリング7は金属製や合成樹脂製のものであり、容器本体10は合成樹脂製や硝子製のものであり、パッキン12はゴム製や合成樹脂製のものである。
図示の内容物流入チューブ逆流機構の基本的特徴は、
(21)内容物貯留・通過用のシリンダ8を、
チューブ9からの内容物流入部である上流側貯留空間域Bを画定し、その内部空間域を、吸込弁としての下側ピストン逆止弁部材4およびカップゴム6が上下動する新設の小径シリンダ8bと、
この小径シリンダの下流側の放出内容物貯留部である下流側貯留空間域Aを画定し、その内部空間域を、吐出弁としての中側ピストン弁部材3および移動弁部材5が上下動する大径シリンダ8aと、
で構成し、
(22)操作ボタン1の作動時設定押下げ操作(図2参照)にともない、
下流側貯留空間域Aの容積減少に基づく内容物圧力増加により吐出弁が開いて、当該空間域の内容物が外部空間域に放出され、
かつ、操作ボタン1と一体化した形の下側ピストン逆止弁部材4が小径シリンダ8bの内周面に密接しながら下動して、この小径シリンダ(上流側貯留空間域B)の貯留内容物をチューブ9の方にいわば押下げる、すなわち上流側貯留空間域Bから容器本体10へのチューブ9を介した内容物の逆流が生じる、
ことである。
このチューブ9への逆流により、メッシュブッシュ9aおよびその近傍に詰まっていた花びら,金粉,粉末,ゴミ,異物などを容器本体10の方に流出させて、メッシュ詰まりなどが解消される。
ここで、容器本体10に内容物として積極的に収容済みの花びら,金粉などの場合にはそれが繰り返して有効利用される。
また、この小径シリンダ(上流側貯留空間域B)の貯留内容物は前回の内容物放出操作の終了の際に容器本体10からチューブ9を介して流入済みの内容物である。
このとき上流側貯留空間域Bに流入した内容物は、その圧力でカップゴム6の逆止弁作用部6bを開状態にして大径シリンダ8aの下流側貯留空間域Aにも流入する。この下流側貯留空間域Aへの流入内容物が次回の内容物放出操作時の放出対象となる。
図1の静止時には、
(31) 操作ボタン1,上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3,下側ピストン逆止弁部材4の一体物と、
中側ピストン弁部材3の外環状段部3aなどで押し上げられた形の移動弁部材5が、
それぞれコイルスプリング7の弾性作用により最も上動した位置にあり、
(32)この最上動位置は、移動弁部材5の大径逆スカート状部5cの上端内面部分と、筒状カラー部8gの上広がり環テーパ状外周面8jとの係合作用により保持され、
(33)下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bには、それぞれ上述したように前回の内容物放出操作の終了の際に内容物が流入済みであり、
(34)下側ピストン逆止弁部材4の小径逆スカート状部4dの外周面上端部が小径シリンダ8bの上端側内周面に密接し、
(35)吸込弁としての横孔部4bおよびカップゴム6、ならびに吐出弁としての外環状段部3a,環状起立面3bおよび下端環状弁作用部5bは、ともに閉状態に設定され、下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bそれぞれの貯留内容物は弁別されている。
図2は作動時、すなわち図1の静止時の操作ボタン1を利用者が押し下げることにより、下流側貯留空間域Aの収容内容物が放出口1aから放出され、かつ、上流側貯留空間域Bの収容内容物がチューブ9および容器本体10の方に逆流する状態を示している。
図2の作動時には、先ず、
(41)吐出弁を構成する中側ピストン弁部材3および移動弁部材5が、吸込弁(横孔部4bおよび逆止弁作用部6b)の閉状態で、コイルスプリング7の上方への弾性力に抗しながらともに下動し、
(42)この下動にともない、移動弁部材5からカップゴム6までの閉空間域としての下流側貯留空間域Aの容積が減少してそこでの内容物圧力が大きくなり、その結果、当該移動弁部材が中側ピストン弁部材3に対して相対的に上動し、
(43)この移動弁部材5の相対的上動にともない上記吐出弁が開き、
(44)この吐出弁が開くことにより、すでに中側ピストン弁部材3の下動にともない加圧済みの下流側貯留空間域Aの内容物は、内容物流出経路f1の「開状態の吐出弁−外周面縦溝状部3c−中側ピストン弁部材3の上側外周面と内側筒状部5aの上側内周面との間の環状空間域−内周面縦溝状部2a−上側ピストン通路部材2の内部通路−操作ボタン1の内部通路1b」により、放出口1aから外部空間域に放出される。
また、この(41)〜(44)の内容物放出動作とともに、
(51)下側ピストン逆止弁部材4が、上記吸込弁を閉じたまま下動し、
(52)この下動にともない、上流側貯留空間域Bに収容済みの内容物がチューブ9の方へ逆流する。
上記(42)の「下流側貯留空間域Aの容積が減少」するのは、その空間域が大径シリンダ8aと小径シリンダ8bとにまたがり、操作ボタン1の下動ストロークに応じて大径シリンダ8aでの高さが減り、その分だけ小径シリンダ8bでの高さが増えるからである。
上記(52)のように、上流側貯留空間域Bの収容内容物が逆流することにより、チューブ下端のメッシュブッシュ9aにおける詰まり物も下方に押し出され、容器本体10の方に戻っていく。
もともと容器本体10の内容物といわば混合されて、の中に収容されてメッシュブッシュ9aに詰まった状態の装飾用の花びら,金粉なども、この逆流撹拌作用により容器本体内部に移動する。
図3の、押下げ操作解除後の静止状態(図1)への復帰動作時には、
(61)先ず、操作ボタン1,上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3および下側ピストン逆止弁部材4のピストン一体物が、移動弁部材5をいわば残した形で、コイルスプリング7の弾性作用により上方へ初期移動し、
(62)この初期移動により、中側ピストン弁部材3と移動弁部材5との間の吐出弁がそれまでの開状態から閉状態にシフトし、
(63)その後のピストン一体物のさらなる上動にともない、下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bそれぞれの容積が増大して、これら各空間域での内圧低下を生じ、
(64)この下流側貯留空間域Aにおける上流側貯留空間域Bよりも大きな内圧低下により、上記吸込弁が開き、
(65)この吸込弁開状態で、容器本体10の内部空間域からチューブ9を介して内圧低下状態の下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bのそれぞれに内容物が流入する。
この下流側貯留空間域Aへの流入内容物は次回の操作ボタン1の押下げ操作における放出対象内容物となる。
また、上流側貯留空間域Bへの流入内容物は次回の操作ボタン1の押下げ操作における逆流対象内容物となる。
図3の復帰動作時に、横孔部4bおよびカップゴム6の上記吸込弁が開くのは、中側ピストン弁部材3および下側ピストン逆止弁部材4などが上動する際の単位長あたりの上流側貯留空間域Bの容積増加量が下流側貯留空間域Aのそれよりも大きいからである。
すなわち、カップゴム6は、容積増加量が大きい下流側貯留空間域Aからの大吸引圧力と、容積増加量が小さい上流側貯留空間域Bからの小吸引圧力とを受け、このときの圧力差が、カップゴム自体の弾性復帰力より勝るからである。
上述したように、操作ボタン1,上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3,下側ピストン逆止弁部材4の一体物、および移動弁部材5が上方に移動するとき、先ずコイルスプリング7の弾性作用によりこの一体物の全体が移動弁部材に対して上動する。
この一体物の上動にともない、中側ピストン弁部材3の外環状段部3aおよび環状起立面3bが移動弁部材5の下端環状弁作用部5bと密接して、上記吐出弁が閉じる。
吐出弁が閉じた後、操作ボタン1,上側ピストン通路部材2,中側ピストン弁部材3,下側ピストン逆止弁部材4および移動弁部材5の全体は、一体となってコイルスプリング7の弾性作用で上方に移動し、図1の静止時の状態に復帰する。
この全体が上方へ移動するとき、上述したように下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bには容器本体10からの内容物が連続流入し、それぞれの貯留空間域の内容物圧力も大きくなる。
そして、逆止弁作用部6bは、これに対する下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域B(横孔部4b)それぞれの内容物圧力が例えば略バランスした段階で、自弾性力によって横孔部4bの閉塞状態へ復帰する。
すなわち横孔部4bと逆止弁作用部6bとの吸込弁は図1の静止時と同じ閉状態に設定される。
図示の内容物流入用チューブ逆流機構の組立て手順は、例えば、
(71)下側ピストン逆止弁部材4に、カップゴム6を取り付ける、
(72)中側ピストン弁部材3の上方から移動弁部材5を通して、上側ピストン通路部材2を篏合する、
(73)中側ピストン弁部材3の下端部に、下側ピストン逆止弁部材4を篏合する、
(74)筒状カラー部8gを付けない状態のシリンダ8の上方から、コイルスプリング7および上記(73)で組み立てたピストン(2+3+4+5+6)を順に挿入し、筒状カラー部8gを取り付ける、
(75)上記(74)で組み立てたシリンダ8の環鍔状部8dの下側に、パッキン12を取り付ける、
(76)上記(75)で組み立てたシリンダ8の環鍔状部8dに、キャップ11を取り付け、上方より突出する上側ピストン通路部材2に、操作ボタン1を取り付ける、
(77)上記(76)で組み立てたシリンダ8の下端側筒状部8cに、あらかじめメッシュブッシュ9aを下端に取り付けた内容物流入用のチューブ9を差し込む、
などとなる。
なお、本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり、
(81)押下げタイプの操作ボタン1に代えて、トリガータイプの回動操作レバーやチルトタイプの傾斜ボタンを用いる、
(82)カップゴム6に代えて、ボール弁などの移動弁およびこれを横孔部4bの方に付勢する弾性部材を設ける、
(83)メッシュブッシュ9aなどの隙間通過部材を、チューブ9の先端ではなく、内容物通路域の任意の部分に設ける、
(84)内周面縦溝状部2a,外周面縦溝状部3c,縦方向凹状部3eおよび横孔部4bの各個数を増減する、
ようにしてもよい。
本発明が適用されるポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,潤滑剤などの各種用途のものがある。
容器本体に収納する内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料などを用いる。
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
1:操作ボタン(操作部)
1a:放出口
1b:L字状の内部通路
2:上側ピストン通路部材
2a:内周面縦溝状部
2b:内環状下向き段部
2c:下広がり環テーパ状外周面
3:中側ピストン弁部材
3a:外環状段部
3b:環状起立面
3c:外周面縦溝状部
3d:環状鍔部
3e:縦方向凹状部
4:下側ピストン逆止弁部材
4a:鞘状の内部通路
4b:横孔部
4c:外環状段部
4d:小径逆スカート状部
4e:外環状下向き段部
5:移動弁部材
5a:内側筒状部
5b:下端環状弁作用部
5c:大径逆スカート状部
5d:環凹状部
5e:大径スカート状部
6:カップゴム
6a:上端内向き環凸状部
6b:逆止弁作用部
7:コイルスプリング
8:シリンダ(8a+8b+8c)
8a:大径シリンダ
8b:小径シリンダ
8c:下端側筒状部
8d:環鍔状部
8e:減圧防止用孔部
8f:内環状段部
8g:筒状カラー部
8h:下広がり環テーパ状内周面
8j:上広がり環テーパ状外周面
9:内容物流入用のチューブ
9a:メッシュブッシュ
10:容器本体
10a:雄ネジ部
10b:金粉
11:キャップ
11a:環凹状部
11b:雌ネジ部
12:パッキン
A:下流側貯留空間域
B:上流側貯留空間域
f1:ポンプ作動時の外部空間域への内容物流出経路
f2:ポンプ作動時のチューブへの内容物逆流経路
f3:下流側貯留空間域Aおよび上流側貯留空間域Bへの内容物流入経路

Claims (4)

  1. 操作部と連動するピストンのシリンダでの移動に基づく弁作用により、前記シリンダの、下流側貯留空間域の内容物が外部空間域に放出され、かつ上流側貯留空間域の内容物が内容物流入用チューブの方に逆流する機構であって、
    前記シリンダは、
    吐出弁および吸込用逆止弁の間の前記下流側貯留空間域と、
    前記吸込用逆止弁に流入する内容物が通過し、かつ静止時には内容物が貯留される前記上流側貯留空間域と、
    前記上流側貯留空間域の上流側で、前記内容物流入用チューブが取り付けられる筒状空間域と、を備え、
    前記ピストンは、
    前記上流側貯留空間域を構成するシリンダ内周面に密接しながら移動する上流側ピストン部材を備え、
    操作部への内容物放出操作にともない、
    前記下流側貯留空間域の内容物が開状態の前記吐出弁を介して外部空間域へ放出され、
    かつ、前記上流側貯留空間域の内容物が前記上流側ピストン部材の移動により前記チューブの方へ逆流する、
    ことを特徴とする内容物流入用チューブ逆流機構。
  2. 前記シリンダは、
    前記下流側貯留空間域を構成する大径シリンダと、
    前記上流側貯留空間域を構成する小径シリンダと、
    を備えている、
    ことを特徴とする請求項1記載の内容物流入用チューブ逆流機構。
  3. 前記チューブは、
    その通路部分に隙間通過部材を設けている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の内容物流入用チューブ逆流機構。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の内容物流入用チューブ逆流機構を備え、かつ、内容物を収容した、
    ことを特徴とするポンプ式製品。
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