以下に、本発明を具体化した実施形態について、作業車両であるトラクタを例に挙げて、図面に基づいて説明する。
まず始めに、図1及び図2を参照しながら、トラクタの概要について説明する。トラクタ1の走行機体2は、左右一対の前車輪3と後車輪4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載したディーゼルエンジン5(以下、単にエンジンという)にて後車輪4(前車輪3)を駆動することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、前車輪3を操向操作する操縦ハンドル9とが配置されている。キャビン7の底部下側に、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース(図示省略)を設けるエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部に固定する左右の機体胴部フレーム16とにより構成されている。機体胴部フレーム16の後部には、エンジン5からの回転動力を適宜変速して後車輪4(前車輪3)に伝達するためのミッションケース(図示省略)が搭載されている。後車輪4は、ミッションケースの外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース(図示省略)を介して、ミッションケースに取り付けられている。左右の後車輪4の上方は、機体胴部フレーム16に固定されたフェンダ19にて覆われている。
図示は省略するが、ミッションケースの後部上面には、作業部としてのロータリ耕耘機を昇降動させるための油圧式昇降機構が着脱可能に取り付けられている。ロータリ耕耘機は、ミッションケースの後部に、二点リンク機構を介して連結される。ミッションケースの後側面には、ロータリ耕耘機にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸が後ろ向きに突設されている。
図3〜図10を参照しながら、上記作業車両に搭載されるコモンレール式のディーゼルエンジン5の概略構造について説明する。なお、以下の説明では、出力軸53に沿う両側部(出力軸53を挟んだ両側部)を左右、冷却ファン59配置側を前側、フライホイル61配置側を後側、排気マニホールド57配置側を左側、吸気マニホールド56配置側を右側と称し、これらを便宜的に、ディーゼルエンジン5における四方及び上下の位置関係の基準としている。
図3〜図10に示すように、トラクタ等の作業車両に搭載される原動機としてのディーゼルエンジン5は、連続再生式の排気ガス浄化装置(DPF)52を備えている。排気ガス浄化装置52によって、ディーゼルエンジン5から排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)が除去されると共に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が低減される。
ディーゼルエンジン5は、出力軸53(クランク軸)とピストン(図示省略)とを内蔵するシリンダブロック54を備える。シリンダブロック54上にシリンダヘッド55を搭載している。シリンダヘッド55の右側面に吸気マニホールド56を配置する。シリンダヘッド55の左側面に排気マニホールド57を配置する。すなわち、ディーゼルエンジン5において出力軸53に沿う両側面に、吸気マニホールド56と排気マニホールド57とを振り分けて配置する。シリンダヘッド55の上面にヘッドカバー58を配置する。ディーゼルエンジン5において出力軸53と交差する一側面、具体的にはシリンダブロック54の前面に、冷却ファン59を設ける。出力軸53の前端側から冷却ファン用Vベルト72を介して、冷却ファン59に回転動力を伝達する。
シリンダブロック54の後面にフライホイルハウジング60を設ける。フライホイルハウジング60内にフライホイル61を配置する。出力軸53の後端側にフライホイル61を軸支する。作業車両の作動部に出力軸53を介してディーゼルエンジン5の動力を取り出すように構成している。また、シリンダブロック54の下面にはオイルパン62を配置する。オイルパン62内の潤滑油は、シリンダブロック54の右側面に配置されたオイルフィルタ63を介して、ディーゼルエンジン5の各潤滑部に供給される。
シリンダブロック54の右側面のうちオイルフィルタ63の上方(吸気マニホールド56の下方)には、燃料を供給するための燃料供給ポンプ64を取付ける。電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ付きの4気筒分のインジェクタ65をディーゼルエンジン5に設ける。各インジェクタ65に、燃料供給ポンプ64及び円筒状のコモンレール66及び燃料フィルタ67を介して、作業車両に搭載される燃料タンク11(図1参照)を接続する。
燃料タンク11の燃料が燃料フィルタ67を介して燃料供給ポンプ64からコモンレール66に圧送され、高圧の燃料がコモンレール66に蓄えられる。各インジェクタ65の燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール66内の高圧の燃料が各インジェクタ65からディーゼルエンジン5の各気筒に噴射される。なお、フライホイルハウジング60にエンジン始動用スタータ68を設けている。エンジン始動用スタータ68のピニオンギヤはフライホイル61のリングギヤに噛み合っている。ディーゼルエンジン5を始動させる際は、スタータ68の回転力にてフライホイル61のリングギヤを回転させることによって、出力軸53が回転開始する(いわゆるクランキングが実行される)。
シリンダヘッド55の前面側(冷却ファン59側)には、冷却水潤滑用の冷却水ポンプ71が冷却ファン59のファン軸と同軸状に配置されている。冷却水ポンプ71は、エンジン出力軸53の回転にて冷却ファン59と共に駆動するように構成されている。作業車両に搭載されたラジエータ内の冷却水が、冷却水ポンプ71の上部に設けられたサーモスタットケース70を介して、冷却水ポンプ71に供給される。そして、冷却水ポンプ71の駆動にて、冷却水がシリンダヘッド55及びシリンダブロック54に形成された水冷ジャケット(図示省略)に供給され、ディーゼルエンジン5を冷却する。ディーゼルエンジン5の冷却に寄与した冷却水はラジエータに戻される。また、位置関係上、冷却水ポンプ71は冷却ファン59に対峙していて、冷却ファン59からの冷却風が冷却水ポンプ71に当たることになる。
図4に示すように、冷却ファン59とシリンダヘッド55との間に冷却水ポンプ71を配置する。このように配置することにより、走行機体2に対して冷却ファン59を上側に配置できるとともに、冷却ファン59と冷却水ポンプ71とを同軸に配置させることで、エンジン部品をコンパクトにまとめて配置でき、エンジン5の小型化を図れる。したがって、本実施形態のトラクタ1のように、エンジンルーム形状が限定される走行車両であっても搭載可能となる。
冷却水ポンプ71及び冷却ファン59を、エンジン5の上側(具体的には、シリンダヘッド55と同じ高さ)に配置することによって、冷却水ポンプ71への配管作業や、冷却水ポンプ71及び冷却ファン59に対するメンテナンス作業が容易となる。また、エンジン5に対する冷却水ポンプ71及び冷却ファン59の位置を高くすることによって、走行機体2に対する冷却ファン59の高さを維持したまま、走行機体2に対するエンジン5の底面の位置を低くすることができる。よって、エンジンルームの上部空間に余裕を持たせるために走行機体2に対するエンジン5の底面の位置を低くしたい場合などにおいても、冷却ファン59の位置を適切な高さに維持することができる。
ディーゼルエンジン5の左側、具体的には冷却水ポンプ71の左側方に、ディーゼルエンジン5の動力にて発電する発電機としてのオルタネータ73が設けられている。出力軸53の前端側から冷却ファン用Vベルト72を介して、冷却ファン59と冷却水ポンプ71とオルタネータ73とに回転動力を伝達する。作業車両に搭載されるラジエータ内の冷却水が、冷却水ポンプ71の駆動によって、シリンダブロック54及びシリンダヘッド55に供給され、ディーゼルエンジン5を冷却する。
シリンダブロック54の左右側面には機関脚取付け部74をそれぞれ設けている。各機関脚取付け部74には、防振ゴムを有する前部機関脚体(エンジンマウント)をそれぞれボルト締結可能である。実施形態では、作業車両における左右一対のエンジンフレーム14(図1参照)にシリンダブロック54を挟持させるよう、シリンダブロック54側の機関脚取付け部74を各エンジンフレーム14に機関脚体を介してボルト締結する。これにより、作業車両の両エンジンフレーム14がディーゼルエンジン5前側を支持する。
吸気マニホールド56の後面入口部に、新気(外部空気)が供給される吸気連絡管76を連結させており、吸気連絡管76の吸気入口側(上流側)に、吸気スロットル部材77を設けている。また、吸気マニホールド56の上面入口部に、EGRバルブ部材79を介して、ディーゼルエンジン5の排気ガスの一部(EGRガス)が供給される再循環排気ガス管78を連結させている。そして、吸気マニホールド56は、吸気連絡管76の吸気出口側(下流側)及びEGRバルブ部材79との連結部分(後方部分)をEGR装置(排気ガス再循環装置)75の本体ケースとして構成している。すなわち、吸気マニホールド56の吸気取込側がEGR本体ケースを構成している。
EGR装置75は、主としてディーゼルエンジン5の右側、具体的にはシリンダヘッド55の右側方に位置しており、ディーゼルエンジン5の排気ガスの一部(EGRガス)と新気とを混合させて吸気マニホールド56に供給する。EGR装置75は、吸気マニホールド56の一部で構成したEGR本体ケースと、吸気マニホールド56と連通する吸気連絡管76と、吸気連絡管76に設けた吸気スロットル部材77と、排気マニホールド57にEGRクーラ80を介して接続される再循環排気ガス管78と、再循環排気ガス管78に吸気マニホールド56を連通させるEGRバルブ部材79とを備えている。
吸気マニホールド56の吸気取込側には、吸気連絡管76を介して吸気スロットル部材77を連結している。吸気スロットル部材77には中継管を介してエアクリーナが接続されている。すなわち、エアクリーナによって除塵された新気(外部空気)は、吸気スロットル部材77を通じて、吸気マニホールド56の吸気取込側に供給される。また、吸気マニホールド56の吸気取込側には、EGRバルブ部材79を介して再循環排気ガス管78の出口側も接続している。再循環排気ガス管78の入口側は、EGRクーラ80を介して排気マニホールド57に接続している。EGRバルブ部材79内にあるEGR弁の開度を調節することによって、吸気マニホールド56の吸気取込側へのEGRガスの供給量が調節される。
上記の構成において、吸気連絡管76及び吸気スロットル部材77を介して吸気マニホールド56の吸気取込側に新気を供給する一方、排気マニホールド57から吸気マニホールド56の吸気取込側にEGRガスを供給する。外部からの新気と排気マニホールド57からのEGRガスとが吸気マニホールド56の吸気取込側で混合される。ディーゼルエンジン5から排気マニホールド57に排出された排気ガスの一部を吸気マニホールド56からディーゼルエンジン5に還流することによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、ディーゼルエンジン5からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減する。
ディーゼルエンジン5の上面側のうち排気マニホールド57の上方、すなわちシリンダヘッド55の左側方で排気マニホールド57の上方には、排気ガス浄化装置52を配置している。この場合、排気ガス浄化装置52の長手方向をディーゼルエンジン5の出力軸53と平行に延びるように、排気ガス浄化装置52の姿勢を設定している。排気マニホールド57の出口部は、排気ガス浄化装置52の排気取込側と連結している。すなわち、ディーゼルエンジン5の各気筒から排気マニホールド57に排出した排気ガスは、排気ガス浄化装置52等を経由して外部に放出される。
排気ガス浄化装置(DPF)52は、排気ガス中の粒子状物質(PM)等を捕集するためのものである。ディーゼルエンジン5の出力軸(クランク軸)53と平行に、前後方向に長く延びた略円筒形状にDPF52を構成している。ディーゼルエンジン5のシリンダヘッド55上方にDPF52を配置する。DPF52の両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガス入口管161(排気ガス取入れ側)と、排気ガス出口管162(排気ガス排出側)とを、ディーゼルエンジン5の前後に振分けて設ける。
DPF52は、例えば白金等のディーゼル酸化触媒とハニカム構造のスートフィルタを直列に並べて内部に収容した構造を有している。上記の構成において、ディーゼル酸化触媒の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)がスートフィルタ内に取り込まれる。ディーゼルエンジン5の排気ガス中に含まれる粒子状物質はスートフィルタに捕集され、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。従って、ディーゼルエンジン5の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、エンジン5の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
DPF52は、排気ガス入口管161を外周面に備えた上流側ケース165と、上流側ケース165と連結する中間ケース166と、排気ガス出口管162が外周面から挿入される下流側ケース167とを備える。上流側ケース165と中間ケース166とを直列に並べて連結して、耐熱金属材料製のガス浄化ハウジング168を構成している。このガス浄化ハウジング168に、円筒の内側ケース(図示省略)を介して、ディーゼル酸化触媒とスートフィルタを収容している。また、下流側ケース167は、多数の消音孔が開設された内側ケース(図示省略)を内装するとともに、内側ケースとの間にセラミックファイバー製消音材が充填されることで、消音器を構成している。
上流側ケース165は、排気ガス移動方向上流側となる一方の端部を上流側蓋体169で覆うとともに、排気ガス移動方向下流側となる他方の端部を開口させており、排気ガス移動方向下流側を開口させた円筒形状で構成している。中間ケース166は、両端を開口させた円筒形状で構成している。下流側ケース167は、排気ガス移動方向上流側となる一方の端部を開口させるとともに、排気ガス移動方向下流側となる他方の端部を下流側蓋体174で覆い、排気ガス移動方向上流側を開口させた円筒形状で構成している。また、下流側ケース167の外周面に設けられた排気ガス出口管162には、排気管を連結し、排気ガス出口管162から排気管を介して排気ガスを外部に排出する。
図10に示すように、排気ガス出口管162には出口フランジ体162aが設けられており、出口フランジ体162aと、排気管(図示省略)の入口フランジ体とをボルト締結することによって、排気ガス出口管162と排気管が連結される。出口フランジ体162aは、図9等に示すように、出口側ブラケット体177と近接している。よって、排気ガス浄化装置52を出口側ブラケット体177に固定した状態でも、排気ガス浄化装置52に排気管を容易に着脱できるようにするために、出口フランジ体162aを楕円形または小判形にして、2本のボルトで締結できるようにしている。これにより、正方形のフランジの四隅をボルト締結する場合と比較して、排気ガス出口管162への排気管の着脱作業等が容易となる。
図10に示すように、上流側ケース165の排気取込側(排気入口側)の外周部に排気ガス入口管161を設けており、排気ガス入口管161の排気取込側は、排気マニホールド57の第1排気ガス出口部57aに連結している。排気マニホールド57は、シリンダヘッド55の左側面にボルト締結されており、エンジン5の各気筒から排出された排気ガスを、排気ガス浄化装置52及びEGRクーラ80に供給する。排気マニホールド57の第1排気ガス出口部57aは、排気マニホールド57の前後方向の中央部付近から後方上向きに延びた排気連絡部57bの上端部に、略上向きに開口している。すなわち、エンジン5の各気筒から排出された排気ガスの一部は、排気マニホールド57の排気連絡部57b及び第1排気ガス出口部57aを通じて、排気ガス浄化装置52に供給される。なお、エンジン5の各気筒から排出された排気ガスの他の一部は、排気マニホールド57の第2排気ガス出口部57cを通じて、EGRクーラ80に供給される。
次に、ディーゼルエンジン5に排気ガス浄化装置52を組み付ける構造について説明する。ディーゼルエンジン5には、排気ガス浄化装置52(ガス浄化ハウジング168)を支持固定するハウジング支持体としての入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177を備えている。入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177は、ディーゼルエンジン5の出力軸53と交差する方向に幅広に形成されている。入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177は、ディーゼルエンジン5のシリンダヘッド55に着脱可能に連結している。入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177は、シリンダヘッド55において出力軸53と交差する前面側及び後面側に振り分けて立設している。入口側ブラケット体176は、シリンダヘッド55の後面側に位置していて、ガス浄化ハウジング168の排気取込側を支持している。出口側ブラケット体177は、シリンダヘッド55の前面側に位置していて、ガス浄化ハウジング168の排気排出側を支持している。
入口側ブラケット体176は、シリンダヘッド55の後面側(フライホイルハウジング60の上方)に位置している。入口側ブラケット体176は、固定ブラケット178の下端側をシリンダヘッド55の後面にボルト締結している。固定ブラケット178の上端側には延長ブラケット179をボルト締結している。延長ブラケット179の左端側は、ボルト及びナットを介してガス浄化ハウジング168の上流側蓋体169に締結している。
出口側ブラケット体177は、シリンダヘッド55の前面側(冷却ファン59側)に位置している。出口側ブラケット体177は、シリンダヘッド55左側から上方に延設させた部材で構成している。
出口側ブラケット体177の下端側右側面(基端側)を、シリンダヘッド55の左側面前部にボルト締結している。出口側ブラケット体177の上端側(先端側)を、排気ガス浄化装置52の中間ケース166と下流側ケース167の連結部分のフランジの下部側にボルト締結している。
上記の説明から明らかなように、排気ガス浄化装置52は、ディーゼルエンジン5の上方において、入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177を介してエンジン5のシリンダヘッド55に着脱可能に連結するとともに、排気マニホールド57に着脱可能に連結している。これにより、排気ガス浄化装置52を三点支持している。
なお、EGRクーラ80と接続している再循環排気ガス管78は、図8に示すように、シリンダヘッド55(またはヘッドカバー58)と排気ガス浄化装置52の隙間を通って、EGRバルブ部材79と連結している。すなわち、再循環排気ガス管78は、入口側ブラケット体176よりも前方で且つ出口側ブラケット体177よりも後方の空間における、シリンダヘッド55と排気ガス浄化装置52の隙間を通って、EGRクーラ80とEGRバルブ部材79とを連通させている。再循環排気ガス管78をこのように配管することにより、再循環排気ガス管78が、シリンダヘッド55、排気ガス浄化装置52、入口側ブラケット体176及び出口側ブラケット体177によって保護されるため、障害物の衝突による再循環排気ガス管78の破損を防止することができる。また、エンジン5の後方や前方に再循環排気ガス管78が張り出すのを防止することができるので、エンジン5の後方や前方のスペースを有効利用したり、エンジンルームの前後方向の長さを短くしたりすることができる。
また、図10に示すように、ガス浄化ハウジング168の入口側は、上述したように、排気ガス入口管161を排気マニホールド57にボルト締結している。すなわち、排気マニホールド57は、入口側ブラケット体176とともにガス浄化ハウジング168の入口側を支持している。従って、排気ガス浄化装置52の排気ガス入口側は、シリンダヘッド55後面及び上流側蓋体169のそれぞれと連結した入口側ブラケット体176と、排気マニホールド57とにより、高剛性に支持される。
また、図10に示すように、排気マニホールド57には、排気マニホールド57の前後方向の中央部付近から後方上向きに延びた排気連絡部57bが形成されており、排気連絡部57bの上端部に設けられた第1排気ガス出口部57aに、排気ガス浄化装置52の排気ガス入口管161が連結される。よって、排気マニホールド57と排気ガス浄化装置52の連結位置をエンジン5の後端寄りにすることができる。その結果、排気ガス入口管161が排気ガス浄化装置52の端部に設けられている場合においても、排気ガス浄化装置52を、エンジン5の前方に大きく張り出させることなく、バランスよく搭載することができる。すなわち、前後方向における排気ガス浄化装置52の重心位置を、前後方向におけるエンジン5の中央部付近にすることができるので、排気ガス浄化装置52を安定して支持することができる。また、エンジンルームの空間を有効に利用したり、エンジンルームを省スペース化したりすることができる。なお、本実施形態のように、排気ガス浄化装置52に消音器が設けられていて、排気ガス浄化装置52の軸方向の長さが長い場合には、特に効果的である。
また、図10に示すように、排気マニホールド57には、第1排気ガス出口部57aと排気マニホールド57の端部(後端部)とを連結する補強支持部57dが形成されている。よって、排気マニホールド57の第1排気ガス出口部57aに対して、排気ガス浄化装置52から鉛直下向きの大きな力が作用しても、排気連絡部57bの変形や破損を防止することができる。さらに、排気連絡部57bと補強支持部57dとによってトラスが形成されるので、排気ガス浄化装置52を高剛性に支持することができる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。