JP2016216812A - マルエージング鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】2300MPa以上の引張強度を有し、かつ、靱延性及び疲労特性に優れたマルエージング鋼を提供すること。
【解決手段】マルエージング鋼は、0.20≦C≦0.35mass%、6.0≦Ni≦9.4mass%、9.0≦Co≦20.0mass%、1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%、1.0≦Cr≦4.0mass%、Al≦0.1mass%、Ti≦0.1mass%、S≦0.0010mass%、N≦0.0020mass%、及び、V+Nb≦0.02mass%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。マルエージング鋼は、Ni量が6.0≦Ni≦16.0mass%であり、かつ、V及びNbの総量が0.02<V+Nb≦0.6mass%であるものでも良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、マルエージング鋼に関し、さらに詳しくは、エンジンシャフトなどに用いられる強度及び靱延性に優れたマルエージング鋼に関する。
マルエージング鋼は、無炭素又は低炭素で、かつ、Ni、Co、Mo、Tiなどを多量に含む鋼を固溶化熱処理及び焼入れ+時効処理することにより得られる鋼である。
マルエージング鋼は、
(1)焼入れ状態で柔らかいマルテンサイトが生成するため、加工性が良い、
(2)時効処理によってマルテンサイト地にNi3Mo、Fe2Mo、Ni3Tiなどの金属間化合物が析出するため、極めて高強度である、
(3)高強度であるにもかかわらず、靱延性が高い、
という特徴がある。
そのため、マルエージング鋼は、宇宙・航空機用の構造材料(例えば、エンジンシャフト)、自動車用の構造材料、高圧容器、工具材料などに用いられている。
従来、エンジンシャフトとして、強度、靱延性に優れるマルエージング鋼(例えば、250ksi(1724MPa)級18Niマルエージング鋼/Fe−18Ni−9Co−5Mo−0.5Ti−0.1Al)が使用されている。しかしながら、近年の排出ガス規制強化などの大気汚染への改善志向から、航空機においても高効率化が求められている。エンジン設計上、高出力、小型化、軽量化に耐えうる高強度素材に対する要求が大きい。
上記250ksi級マルエージング鋼より高特性材として、GE開発材のGE1014(引張強度:2200MPa程度)(特許文献1)が存在するが、更なる高強度化(引張強度:2300MPa以上)が必要と考えられる。
また、低サイクル疲労特性が重要であり、疲労破壊の起点が介在物の種類や形状に支配されるため、介在物の制御が重要となる。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献2には、C:0.18〜0.30wt%、Co:5〜7wt%、Cr:2〜5wt%、Al:1〜2wt%、Mo+W/2:1〜4wt%、V:≦0.3wt%、Nb:≦0.1wt%、B:≦50ppm、Ni:10.5〜15wt%、Si:≦0.4wt%、Mn:≦0.4wt%、Ca:≦500ppm、希土類元素:≦500ppm、Ti:≦500ppm、O:≦200ppm、N:≦100ppm、S:≦50ppm、Cu:≦1wt%、及び、P:≦200ppmを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼が開示されている。
同文献に記載の材料は、強度が2300MPa程度と高強度である。しかし、Niが10.5wt%以上と多く、Coが7wt%以下と低いため、さらに強度アップできる余地がある。また、同文献に記載の材料は、Al添加鋼のため、低サイクル疲労特性に影響する介在物としてAlNが想定され、低サイクル疲労特性を悪化させる恐れがある。
特許文献3には、0.10≦C≦0.30mass%、6.0≦Ni≦9.4mass%、11.0≦Co≦20.0mass%、1.0≦Mo≦6.0mass%、2.0≦Cr≦6.0mass%、0.5≦Al≦1.3mass%、及び、Ti≦0.1mass%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、1.0≦A値≦1.08を満たすマルエージング鋼が開示されている。
同文献に記載の材料は、引張強度が2400MPa程度と高強度である。しかし、特許文献2と同様にAl添加鋼のため、低サイクル疲労特性に影響する介在物としてAlNが想定され、低サイクル疲労特性を悪化させる恐れがある。
さらに、特許文献4には、C:0.21〜0.34wt%、Mn:≦0.20wt%、Si:≦0.1wt%、P:≦0.008wt%、S:≦0.003wt%、Cr:1.5〜2.80wt%、Mo:0.90〜1.80wt%、Ni:10〜13wt%、Co:14.0〜22.0wt%、Al:≦0.1wt%、Ti:≦0.05wt%、Ce:≦0.030wt%、及び、La:≦0.010wt%を含み、残部がFeからなる時効硬化型マルテンサイト鋼が開示されている。
同文献に記載の材料は、強度が2300MPa以上と高強度である。しかし、Al未添加であり、NiAl相の析出による強度上昇要素がないため、10%以上のNi添加は、得られる諸特性に見合わない。また、同文献に記載の材料では、硫化物形態抑制のためCeなどを添加しているが、かえってこれらの硫化物が起点となって疲労破壊が起こりやすい懸念がある。
米国特許第5393488号 米国出願公開2008/0193321号 特開2014−012887号公報 米国特許第5866066号
本発明が解決しようとする課題は、2300MPa以上の引張強度を有し、かつ、靱延性及び疲労特性に優れたマルエージング鋼を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る第1のマルエージング鋼は、
0.20≦C≦0.35mass%、
6.0≦Ni≦9.4mass%、
9.0≦Co≦20.0mass%、
1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%、
1.0≦Cr≦4.0mass%、
Al≦0.1mass%、
Ti≦0.1mass%、
S≦0.0010mass%、
N≦0.0020mass%、及び、
V+Nb≦0.02mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを要旨とする。
本発明に係る第2のマルエージング鋼は、
0.20≦C≦0.35mass%、
6.0≦Ni≦16.0mass%、
9.0≦Co≦20.0mass%、
1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%、
1.0≦Cr≦4.0mass%、
Al≦0.1mass%、
Ti≦0.1mass%、
S≦0.0010mass%、
N≦0.0020mass%、及び、
0.02<V+Nb≦0.6mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを要旨とする。
前記第1及び第2のマルエージング鋼は、
室温における引張強度が2300MPa以上であり、
室温における伸びが8%以上である
ものが好ましい。
本発明は、Al及びTiを実質的に含まないので、AlN及び/又はTiNを起点とする低サイクル疲労強度の低下を抑制することができる。一方、本発明は、Alを含まないために、NiAl相の析出による強度上昇はない。しかし、鋼中に適量の炭化物(Mo炭化物、Cr炭化物など)が析出するように成分範囲を最適化しているので、高い疲労特性に加えて、高い引張強度及び高い伸びを備えたマルエージング鋼が得られる。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. マルエージング鋼]
[1.1. 主構成元素]
本発明に係るマルエージング鋼は、以下のような元素を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。添加元素の種類、その成分範囲、及び、その限定理由は、以下の通りである。
(1) 0.20≦C≦0.35mass%:
Cは、炭化物を形成することによる析出強化作用があり、強度特性を大きく支配する。ここで得られる炭化物は、Cr及びMoの化合物である。このような効果を得るためには、C量は、0.20mass%以上である必要がある。C量は、さらに好ましくは、0.30mass%以上である。
一方、C量が過剰になると、強度が上昇しすぎるため、靱延性が大きく損なわれる。従って、C量は、0.35mass%以下である必要がある。C量は、さらに好ましくは、0.33mass%以下である。
(2) Ni:
(2.1)6.0≦Ni≦9.4mass%(V+Nb≦0.02mass%である第1のマルエージング鋼の場合):
Niは、母相に固溶することで靱延性を向上させることができる。V及びNbの総量が0.02mass%以下である場合において、このような効果を得るためには、Ni量は、6.0mass%以上である必要がある。Ni量は、さらに好ましくは、7.0mass%以上である。
一方、Ni量が過剰になると、Ms点の低下により残留オーステナイト量が増加し、十分なマルテンサイト組織が得られない。また、Niが9.4mass%を超えて含有する場合でも、サブゼロ処理を複数回繰り返すことにより十分なマルテンサイト組織を得ることはできるが、製造コスト増加を招く。従って、Ni量は、9.4mass%以下である必要がある。Ni量は、さらに好ましくは、9.0mass%以下である。
(2.2)6.0≦Ni≦16.0mass%(0.02<V+Nb≦0.6mass%である第2のマルエージング鋼の場合):
V及びNbの総量が0.02mass%超である場合において、上記の効果を得るためには、Ni量は、6.0mass%以上である必要がある。Ni量は、さらに好ましくは、7.0mass%以上である。
V及びNbの総量が0.02mass%超である場合は、V炭化物やNb炭化物のピン止め効果により強度が向上するため、Ni含有量は、16.0mass%以下とすることができる。Ni含有量は、さらに好ましくは、14.5mass%以下である。
(3) 9.0≦Co≦20.0mass%:
Coは、母相中に固溶させておくことによって、炭化物形成元素であるCrやMoのマルテンサイトへの固溶量を減少させ、M2Cの析出を促進させる。その結果、引張強度及び疲労強度を高めることができる。このような効果を得るためには、Co量は、9.0mass%以上である必要がある。Co量は、好ましくは、11.5mass%以上であり、さらに好ましくは、13.0mass%以上であり、係る範囲とすることで、V及びNbの総量が0.02mass%以下の場合であっても、強度だけでなく、破壊靱性特性にも優れたものとなる(例えば、35MPa√m以上)。
一方、Co量が過剰になると、強度が過剰となり、延性が著しく低下する。また、Coは高価であるため、コストが増加する。従って、Co量は、20.0mass%以下である必要がある。Co量は、さらに好ましくは、18.0mass%以下である。
(4) Mo及びW:
(4.1)1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%(Mo及びWの1種又は2種を用いる場合):
Wは、W2CなどのWを含む炭化物を形成し、上記したMoを含む炭化物と同様に、母材強度の向上に寄与するため、Moの一部又は全部をWに置換することができる。ただし、mass%で換算すると、Wの添加による強度向上効果はMoの1/2程度である。従って、Mo及びWの含有量は、(Mo+W/2)として1.0mass%以上である必要がある。
一方、MoやW含有量が過剰になると、凝固時に析出するMo2CやW2Cなどの炭化物を固溶させるためにより高い温度での熱処理が必要となる。この結果、γ粒径の粗大化を招く。その結果、γ粒径の粗大化を抑制し、かつ、炭化物を固溶させるための最適温度範囲が狭くなる。このため、γ粒径の粗大化あるいは未固溶炭化物の影響により伸びが低下する。従って、Mo及びWの含有量は、(Mo+W/2)として2.0mass%以下である必要がある。Mo及びWの含有量は、より好ましくは、(Mo+W/2)として1.8mass%以下、さらに好ましくは、1.6mass%以下である。
なお、MoとWを同時に含む場合には、Ni3Moなどの金属間化合物の析出による母材強度分を確保するという理由により、Mo≧0.4mass%とすることが好ましい。
(4.2)1.0≦Mo≦2.0mass%(Moを単独で用いる場合):
Moは、炭化物を形成することにより、強度特性向上に寄与する。Moを単独で用いる場合、このような効果を得るためには、Mo量は、1.0mass%以上である必要がある。
一方、Mo量が過剰になると、固溶化熱処理のための昇温で一時的に生じる炭化物の固溶温度を上昇させ、γ粒の粗大化を防ぎつつ炭化物を固溶させるための最適温度範囲が狭くなり、操業が困難となる。また、Moは、拡散速度が遅いため、偏析残存による著しい脆化を招く。Mo量が2.0mass%を超えると、偏析に起因する脆化を助長する。従って、Mo量は、2.0mass%以下である必要がある。Mo量は、さらに好ましくは、1.8mass%以下である。
(4.3)2.0≦W≦4.0mass%(Wを単独で用いる場合):
Moと同様の理由から、Wを単独で用いる場合、W量は、2.0mass%以上が好ましい。
また、Moと同様の理由から、W量は、4.0mass%以下が好ましい。W量は、好ましくは、3.6mass%以下である。
(5) 1.0≦Cr≦4.0mass%:
Crも、Moと同様に炭化物を形成することにより強度特性向上に寄与する。このような効果を得るためには、Cr量は、1.0mass%以上である必要がある。Cr量は、さらに好ましくは、2.0mass%以上である。
一方、Cr量が過剰になると、延性が向上する一方で、引張強度が低下し、マルエージング鋼の特徴である高強度が得られなくなる。従って、Cr量は、4.0mass%以下である必要がある。Cr量は、さらに好ましくは、3.5mass%以下である。
(6) Al≦0.1mass%:
Alは、金属間化合物であるNiAlを形成し、強度向上に寄与するが、不純物であるNと結合し、AlNも形成する。AlNが存在する場合には、AlN近傍での応力集中により疲労特性が大きく低下する。従って、Al量は、0.1mass%以下である必要がある。Al量は、さらに好ましくは、0.05mass%以下である。
(7) Ti≦0.1mass%:
TiもAlと同様に、金属間化合物を形成し、強度向上に寄与するが、不純物であるNと結合し、TiNを形成する。TiNが存在する場合には、TiN近傍での応力集中により疲労特性が大きく低下する。従って、Ti量は、0.1mass%以下である必要がある。Ti量は、さらに好ましくは、0.01mass%以下である。
(8) S≦0.0010mass%:
Sは不純物であり、S量が多くなると粗大な硫化物を形成する。硫化物が形成されると、疲労特性低下に繋がる他、引張強度の低下を招く。従って、S量は、0.0010mass%以下である必要がある。
(9) N≦0.0020mass%:
Nは不純物であり、N量が多くなるとAl又はTi量を抑制してもAlN及びTiNが形成される。窒化物が形成されると、疲労特性低下を招く。従って、N量は、0.0020mass%以下である必要がある。
[1.2. 副構成元素]
本発明に係るマルエージング鋼は、上述した主構成元素に加えて、以下のような元素をさらに含んでいても良い。添加元素の種類、その成分範囲、及び、その限定理由は、以下の通りである。
(10) V及びNb(0.02<V+Nb≦0.6mass%である第2のマルエージング鋼の場合):
(10.1)0.02<V+Nb≦0.6mass%:
本発明において、V及びNbの総量が0.02mass%以下であっても、引張強度及び疲労強度は十分である。しかしながら、所定量のV及び/又はNbを含有させることでM2C炭化物を形成し、引張強度向上に寄与する他、水素脆化特性も向上する。また、V及び/又はNbを含有させることで、M2C炭化物によるピンニング作用により、結晶粒微細化効果がある。このような効果を得るためには、V及びNbの総量は、0.02mass%超が好ましい。
一方、V及びNbの総量が過剰になると、Mo及びCrの炭化物量が減少し、引張強度が低下する。従って、V及びNbの総量は、0.6mass%以下が好ましい。
(10.2)0.1≦V≦0.6mass%:
本発明において、V量が0.02mass%以下である場合であっても、引張強度及び疲労強度は十分である。しかしながら、所定量以上のVを含有させることでM2C炭化物を形成し、引張強度向上に寄与する他、水素脆化特性も向上する。また、Vを含有させることで、M2C炭化物によるピンニング作用により、結晶粒微細化効果がある。また、Vを含むと、破壊靱性特性に優れたものとなる。このような効果を得るためには、V量は、0.1mass%以上が好ましい。
一方、V量が過剰になると、Mo及びCrの炭化物量が減少し、引張強度が低下する。従って、V量は、0.6mass%以下が好ましい。
(10.3) 0.1≦Nb≦0.6mass%:
NbもVと同様に、Nb量が0.02mass%以下である場合であっても、引張強度及び疲労強度は十分である。しかしながら、所定量以上のNbを含有させることでM2C炭化物を形成し、引張強度向上に寄与する他、水素脆化特性が向上する。また、Nbを含有させることで、M2C炭化物によるピンニング作用により、結晶粒微細化効果がある。また、Nbを含むと、破壊靱性特性に優れたものとなる。このような効果を得るためには、Nb量は、0.1mass%以上が好ましい。
一方、Nb量が過剰になると、Mo及びCrの炭化物量が減少し、引張強度が低下する。従って、Nb量は、0.6mass%以下が好ましい。
(11) 0.001≦B≦0.005mass%:
Bは、鋼の熱間加工性を向上させるのに有効な元素であることから添加しても良い。また、Bを含有させることで、靱延性が向上する。これは、Bが粒界に偏析することにより、Si、Mnの粒界偏析を抑制するためである。このような効果を得るためには、B量は、0.001mass%以上が好ましい。
一方、B量が過剰になると、Nと結合してBNを形成し、靱延性が低下する。従って、B量は、0.005mass%以下が好ましい。
(12) 0.3≦Si≦1.0mass%:
Siは、溶解時の脱酸剤としてはたらき、不純物であるOを低減させる。また、Siは、固溶強化により引張強度向上に寄与する。このような効果を得るためには、Si量は、0.3mass%以上が好ましい。
一方、Si量が過剰になると、熱間加工性の低下による鍛造工程での割れを助長する他、強度が過剰となりすぎ、靱延性が低下する。従って、Si量は、1.0mass%以下が好ましい。
(13) Mg≦0.003mass%:
(14) Ca≦0.003mass%:
Mg及びCaは、いずれも熱間加工性を向上させるのに有効な元素であることから、添加しても良い。また、Mg及びCaは、いずれか一方を添加しても良く、あるいは、双方を添加しても良い。
しかし、これらの元素の過剰な添加は、酸化物を形成することで鋼の清浄度を低め、疲労強度の低下を招く。従って、これらの元素の含有量は、それぞれ、0.003mass%以下が好ましい。
[1.3. 介在物]
成分及び製造条件を最適化すると、介在物として、最大径がφ5μmより大きいAlN及びTiNが存在しないマルエージング鋼が得られる。
ここで、「最大径がφ5μm以上より大きいAlN又はTiNが存在しない」とは、5gの試験片を化学溶解、φ5μmのフィルターでろ過したときに、AlN及びTiNがフィルタ上に残らないことをいう。
[1.4. 特性]
成分及び製造条件を最適化すると、室温における引張強さが2300MPa以上であり、かつ、室温における伸びが8%以上であるマルエージング鋼が得られる。
[1.5. 用途]
本発明に係るマルエージング鋼は、種々の用途に用いることができる。本発明に係るマルエージング鋼は、特に、航空機のエンジンシャフトとして好適である。
[2. マルエージング鋼の製造方法]
本発明に係るマルエージング鋼の製造方法は、溶解工程と、再溶解工程と、均質化工程と、鍛造工程と、固溶化熱処理工程と、サブゼロ処理工程と、時効処理工程とを備えている。
[2.1. 溶解工程]
溶解工程は、所定の成分範囲となるように配合された原料を溶解・鋳造する工程である。使用する原料の履歴や溶解・鋳造条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。強度及び耐疲労性に特に優れたマルエージング鋼を得るためには、鋼の清浄度を高めるのが好ましい。そのためには、原料の溶解は、真空中(例えば、真空誘導炉溶解法)で行うのが好ましい。
[2.2. 再溶解工程]
再溶解工程は、溶解工程で得られた鋳塊を再度、溶解・鋳造する工程である。再溶解工程は、必ずしも必要ではないが、再溶解を行うことにより鋼の清浄度がさらに向上し、鋼の耐疲労性が向上する。そのためには、再溶解は、真空中(例えば、真空アーク再溶解法)で行い、かつ、複数回繰り返すのが好ましい。
[2.3. 均質化工程]
均質化工程は、溶解工程又は再溶解工程で得られた鋳塊を所定の温度で加熱する工程である。均質化熱処理は、鋳造時に生じた偏析を除去するために行われる。均質化熱処理条件は、特に限定されるものではなく、凝固偏析を除去可能な条件であれば良い。均質化熱処理条件は、通常、加熱温度:1150〜1350℃、加熱時間:10時間以上、である。均質化熱処理後の鋳塊は、通常、空冷されるか、あるいは、赤熱状態のまま次工程に送られる。
[2.4. 鍛造工程]
鍛造工程は、均質化熱処理後の鋳塊を鍛造し、所定の形状に加工する工程である。鍛造は、通常、熱間で行われる。また、熱間鍛造条件は、通常、加熱温度:900〜1350℃、加熱時間:1hr以上、終止温度:800℃以上である。熱間鍛造後の冷却方法は、特に限定されない。熱間鍛造は、1回のみ行っても良く、あるいは4〜5工程を連続して行っても良い。
鍛造後、必要に応じて、焼鈍が行われる。焼鈍条件は、通常、加熱温度:550〜950℃、加熱時間:1〜36hr、冷却方法:空冷、である。
[2.5. 固溶化熱処理工程]
固溶化熱処理工程は、所定の形状に加工された鋼を所定の温度で加熱する工程である。固溶化熱処理は、母材をγ相単相とし、かつ、Mo炭化物などの析出物を固溶させるために行われる。固溶化熱処理条件は、鋼の組成に応じて最適な条件を選択する。固溶化熱処理条件は、通常、加熱温度:800〜1200℃、加熱時間:1〜10hr、冷却方法:空冷(AC)、衝風冷却(BC)、水冷(WC)又は油冷(OC)である。
[2.6. サブゼロ処理]
サブゼロ処理は、固溶化熱処理後の鋼を室温以下の温度に冷却する工程である。サブゼロ処理は、残留しているγ相をマルテンサイト相に変態させるために行われる。マルエージング鋼は、Ms点が低いため、室温に冷却した時点では、通常、多量のγ相が残留している。多量のγ相が残ったまま時効処理を行っても、大きな強度の向上は期待できない。そのため、固溶化熱処理後にサブゼロ処理を行い、残留γ相をマルテンサイト相に変態させる必要がある。サブゼロ処理条件は、通常、冷却温度:−197〜−73℃、冷却時間:1〜10hr、である。
[2.7. 時効処理]
時効処理は、マルテンサイト相が生成した鋼を所定の温度で加熱する工程である。時効処理は、Mo2Cなどの炭化物を析出させるために行われる。時効処理条件は、鋼の組成に応じて最適な条件を選択する.時効処理条件は、通常、時効処理温度:400〜600℃、時効処理時間:0.5〜24hr、冷却方法:空冷、である。
[3. 作用]
本発明は、Al及びTiを実質的に含まないので、AlN及び/又はTiNを起点とする低サイクル疲労強度の低下を抑制することができる。一方、本発明は、Alを含まないために、NiAl相の析出による強度上昇はない。しかし、鋼中に適量の炭化物(Mo炭化物、Cr炭化物など)が析出するように成分範囲を最適化しているので、高い疲労特性に加えて、高い引張強度及び高い伸びを備えたマルエージング鋼が得られる。
(実施例1〜28、比較例1〜20)
[1. 試料の作製]
表1及び表2に示す組成の合金を高周波誘導炉(VIF)にて溶解し、50kgの鋼塊を得た。得られたVIF鋼塊を、1200℃×20hrの条件にて均質化処理を行った。その後、破壊靱性試験片用は70mm角棒に、他の試験片用はφ22の丸棒に鍛造した。鍛造後は、軟化のため、650℃×16hrの焼鈍処理を施した。
その後、930℃×1hr/空冷の溶体化処理、−100℃×1hrのサブゼロ処理、及び、450℃×9hrの時効処理を行った。
なお、表1及び表2のB量に関し、「<0.001」は検出限界未満であることを意味する。
Figure 2016216812
Figure 2016216812
[2. 試験方法]
[2.1. 硬さ]
JIS Z 2244に定めるビッカース硬さ試験方法に準じて、硬さ測定を実施した。荷重:4.9Nで、φ22の丸棒の1/4直径位置にて測定を行った。測定は、5点の平均値を採用した。
[2.2. 引張試験]
JIS Z 2241の金属引張試験方法に準じて、引張試験を行った。試験片は、JIS Z 2201 14A号試験片とした。試験温度は、室温とした。
[2.3. 低サイクル疲労試験(LCF)]
試験片の長手方向が鍛伸方向と一致するように試験片素材を採取し、JIS法(JIS Z 2242)に準拠して試験片を作製した。これを用いて試験を実施した。試験温度は、200℃とした。また、歪波形は、三角波とし、周波数=0.1Hz、歪=0.9%とした。
[2.4. 化学抽出試験]
15mm×15mm×0.1mm厚の試験片を複数枚採取し、酸洗にて表層の付着物を除去した。この試験片(合計5g)を臭素メタノールにて化学溶解を行い、φ5μmの抽出フィルタにて介在物の抽出試験を行った。抽出残渣をSEMにて観察し、介在物を調査した。介在物を同定するため、EDX分析を行った。
フィルター上に最大径が5μmを超えるAlN又はTiNが存在する場合は「×」とし、5μmを超えるAlN及びTiNが存在しない場合は「○」と評価した。
[2.5. 破壊靱性試験]
試験片の切欠き方向が鍛伸方向と一致するように試験片素材を採取し、ASTM法(ASTM E399)に準拠してコンパクトテンション(CT)試験片を作製した。これを用いて試験を実施し、破壊靱性値K1Cを測定した。試験温度は、室温とした。
[3. 結果]
表3及び表4に、結果を示す。表3及び表4より、以下のことがわかる。
(1)C含有量が少ない場合には、炭化物による析出強化を十分得ることができないため、十分な強度を得ることができない。また、C含有量が過剰の場合は、強度が過剰となり延性が著しく低下する。
(2)Siについては、含有することで強度上昇に寄与するが、含有量が過剰になると、延性が著しく低下する。
(3)S、Al、Tiの含有量が過剰であると、硫化物及び窒化物が形成され、低サイクル疲労寿命が著しく低下する。そのため、S、Al、Tiについては、それぞれ、0.0010mass%以下、0.1mass%以下、及び0.1mass%以下である必要がある。
(4)Ni含有量が少ない場合には、十分な延性を得ることができない。一方、Ni含有量が過剰になると、十分な強度を得ることができなくなる。
(5)Mo、Crについては炭化物を構成する元素であり、これらの含有量が少ない場合は十分な強度を得ることができない。また、Moについては含有量が過剰になると、炭化物が過剰析出することに加え、偏析も残存していまい、延性(伸び)が著しく低下する。Crについては、含有量が過剰になると、十分な強度が得られなくなる。
(6)Coについては、含有量が少ない場合は、炭化物を十分に析出させることができず、強度不足に繋がる。また、過剰添加は、延性(伸び)が不足することに加え、高価なCo合金を使用することで製造コストが増加する。また、Co量を11.0mass%以上とすることで、高強度、高い伸び及び高耐疲労性に加えて、高い破壊靱性値を得ることができる。
(7)Bは、熱間加工性改善のために添加しても良いが、過剰添加をすることで、延性が低下する。
(8)V及びNbについては、それぞれ、0.3mass%以下の範囲で含有している場合は、含有量が増加するにつれ強度上昇に寄与する。しかし、添加量が過剰になると、強度が著しく低下する。
Figure 2016216812
Figure 2016216812
(実施例51〜80、比較例51〜69)
[1. 試料の作製及び試験方法]
表5及び表6に示す組成の合金を用い、時効処理を下記条件とした以外は、実施例1と同様にして、試料を作製した。得られた試料を用いて、実施例1と同様にして、特性の評価を行った。
(a)450℃×9hr: 実施例58、59及び比較例55
(b)450℃×5hr: 実施例51〜57、60〜80及び比較例51〜54、56〜59
Figure 2016216812
Figure 2016216812
[2. 結果]
表7及び表8に、結果を示す。表7及び表8より、0.02<V+Nb≦0.6mass%の場合において、Co:9.5mass%の実施例66に比べて、Co≧11.5mass%である他の実施例は、優れた引張強さを有するだけでなく、優れた破壊靱性(35以上)となることがわかる。
Figure 2016216812
Figure 2016216812
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るマルエージング鋼は、2300MPa以上の非常に高い引張強度を持つため、高強度が要求される部材、例えば、宇宙・航空機用の構造材料、自動車エンジンの無段変速機用部品、耐圧容器、工具材料、金型等に用いることができる。
具体的には、本発明に係るマルエージング鋼は、航空機のエンジンシャフト、固体燃料ロケット・モーター・ケース、航空機昇降装置、エンジン・バルブ・スプリング(弁バネ)、強力ボルト、伝達軸、石油・化学工業用高圧容器などに用いることができる。

Claims (10)

  1. 0.20≦C≦0.35mass%、
    6.0≦Ni≦9.4mass%、
    9.0≦Co≦20.0mass%、
    1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%、
    1.0≦Cr≦4.0mass%、
    Al≦0.1mass%、
    Ti≦0.1mass%、
    S≦0.0010mass%、
    N≦0.0020mass%、及び、
    V+Nb≦0.02mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなるマルエージング鋼。
  2. 0.20≦C≦0.35mass%、
    6.0≦Ni≦16.0mass%、
    9.0≦Co≦20.0mass%、
    1.0≦(Mo+W/2)≦2.0mass%、
    1.0≦Cr≦4.0mass%、
    Al≦0.1mass%、
    Ti≦0.1mass%、
    S≦0.0010mass%、
    N≦0.0020mass%、及び、
    0.02<V+Nb≦0.6mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなるマルエージング鋼。
  3. 前記Vの含有量は、
    0.1≦V≦0.6mass%
    である請求項2に記載のマルエージング鋼。
  4. 前記Nbの含有量は、
    0.1≦Nb≦0.6mass%
    である請求項2又は3に記載のマルエージング鋼。
  5. 室温における引張強度が2300MPa以上であり、
    室温における伸びが8%以上である請求項1から4までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
  6. 介在物として、最大径がφ5μmより大きいAlN及びTiNが存在しない請求項1から5までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
  7. 0.001≦B≦0.005mass%
    をさらに含む請求項1から6までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
  8. 0.3≦Si≦1.0mass%
    をさらに含む請求項1から7までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
  9. Mg≦0.003mass%、及び/又は、
    Ca≦0.003mass%
    をさらに含む請求項1から8までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
  10. 航空機のエンジンシャフトに使用される請求項1から9までのいずれか1項に記載のマルエージング鋼。
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