JP2016215816A - 車両用シート、車両用シート組立体、及び車両 - Google Patents

車両用シート、車両用シート組立体、及び車両 Download PDF

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Toru Kanemori
亨 兼森
正久 増川
Masahisa Masukawa
正久 増川
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Abstract

【課題】快適性の向上を図るとともに、使用性の向上が可能な車両用シート、車両用シート組立体、及び、この車両用シートを備える車両を提供する。
【解決手段】車両の側壁10に沿って立設された背もたれ部17と、背もたれ部17の下端部から側壁10から離間する方向に突出し、離間する方向に向かうにつれて車両の床面4に対して上方に傾斜する上面と有するフレーム12と、弾性材料からなり、フレーム12の上面16aに設けられてこの上面16aに沿う座面21を形成するクッション部20と、を備え、クッション部20では、離間する方向及び高さ方向に直交するシート幅方向の中央位置のシート幅方向に直交する断面上での最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点P同士を結ぶ直線L1が、クッション部20に着座した状態で、フレーム12の上面16aに沿って床面4に対して上方に8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に設けられる車両用シート、車両用シート組立体、及び、車両用シートを備える車両に関する。
バスや鉄道以外の新たな交通手段として、ゴムタイヤ等からなる走行輪によって軌道上を走行する軌道系交通システムが知られている。このような軌道系交通システムは、一般に新交通システムやAGT(Automated Guideway Transit)、APM(Automated People Mover)と呼ばれている。
この種の軌道系交通システムでは、車両に設けられた案内輪が軌道に沿って設けられた案内レールに接触して転動することで、軌道上を車両が案内される。
ところで、車両の車内にはシートが設けられている。シートは例えば特許文献1に記載されているように、一般的に背もたれ部分と着座部分とから構成されており、着座部分にはクッション体が設けられている。
特開2010−280234号公報
ここで、軌道系交通システムは、例えば通勤、通学等の比較的短距離の移動手段として用いられることが多い。このためシートは、着座時に乗客が快適性を得ることができるだけでなく、乗り降りのし易さも重要となる。特許文献1に記載された従来のシートは、短時間での乗り降りを想定した形状とはなっていないため、そのまま軌道系交通システムの車両に採用した場合、通勤車両のシートとしての機能は不十分である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、快適性の向上を図るとともに、使用性の向上が可能な車両用シート、車両用シート組立体、及び、車両用シートを備える車両を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る車両用シートは、車両の内壁部に沿って立設された背もたれ部と、前記背もたれ部の下端部から前記内壁部から離間する方向に突出し、前記離間する方向に向かうにつれて前記車両の床面に対して上方に傾斜する上面と有するフレームと、弾性材料からなり、前記フレームの上面に設けられて該上面に沿う座面を形成するクッション部と、を備え、前記クッション部では、前記離間する方向及び高さ方向に直交する幅方向の中央位置の前記幅方向に直交する断面上での最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点同士を結ぶ直線が、前記クッション部に着座した状態で、前記上面に沿って前記床面に対して上方に8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる。
このような車両用シートによれば、乗客が着座した際には、クッション部が床面に対して8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となることで、背もたれ部に体をあずけやすくなり、車両の揺れ等に対しても身体を安定させることができる。また、着座時にクッション部の座面に8.5度以上、9.5度以下という小さな傾斜角度が付くことで、傾斜角度の無いクッション部に比べ、着座時には膝がより上方に位置することになる。従って、仮に脚を車両用シートの前方へ投げ出すと足が床面から離れてしまい、この結果、着座時の不安定性が増してしまう。よって、乗客がより安定した姿勢を保とうとして、自動的に脚が背もたれ部側に引きつけられ、即ち、脚が前方へ投げ出された状態となりにくく、立ち上がり易さが向上する。
さらに、脚が前方に投げ出されなくなることで、車両用シートの前方に通路が有る場合、例えば車両用シートがロングシートであるような場合には、乗客の通行の邪魔になってしまうことを回避することができる。
また、上述のように、背もたれ部に身体をあずけ易くなって身体を安定させることができるため、乗客は身体を安定させようとして座面に浅く座る必要が無くなり、脚の投げ出しの抑制につながる。
また、本発明の第二の態様に係る車両用シートは、上記第一の態様における前記クッション部では、前記座面における前記内壁部から離間する側の先端部から前記離間する方向の中途位置までの150mm以上、330mm以下の範囲での着座時の最大の沈み込み量が10mm以上、15mm以下となることで、前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となってもよい。
このように、乗客の着座時に、座面における先端部から150mm以上、330mm以下の範囲で、着座時に座面が、最大の沈み込み量が10mm以上、15mm以下となるように沈み込むことで、着座時には座面は8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる。このため、クッション部の座面の沈み込み量が程良く、また、着座時にはクッション部に身体がしっかりと保持されて、着座時の安定性の向上による快適性の向上につながる。
また、本発明の第三の態様に係る車両用シートでは、上記第一の態様における前記クッション部では、前記クッション部に着座する前の状態で、前記幅方向の中央位置の該幅方向に直交する断面上での最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点同士を結ぶ直線が、前記上面に沿って前記床面に対して上方に5.5度以上、6.5度以下傾斜した状態となっていてもよい。
このように、乗客が着座する前の状態では、床面に対して上方に5.5度以上、6.5度以下傾斜した状態となっており、着座時には座面は8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる。このため、クッション部の座面の沈み込み量が程良く、着座時の安定性の向上による快適性の向上につながる。
また、本発明の第四の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第三のいずれかの態様における前記クッション部は、着座時に前記内壁部から離間する側の先端部を中心として該先端部とは反対側の基端部が回動することで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となってもよい。
このように、クッション部を回動させることで、着座時にクッション部の座面に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を容易に付けることができ、着座時の快適性の向上や、立ち上がり易さの向上につながる。
また、本発明の第五の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第三のいずれかの態様における前記クッション部は、前記離間する方向に弾性率が異なることで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となってもよい。
このように、クッション部の弾性率を車両の内壁部から離間する方向に変化させることで、着座時にクッション部の座面に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を容易に付けることができ、着座時の快適性の向上や、立ち上がり易さの向上につながる。
また、本発明の第六の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第三のいずれかの態様における前記クッション部は、前記離間する方向に高さ方向の厚みが異なることで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となってもよい。
このように、クッション部の厚みを車両の内壁部から離間する方向に変化させることで、着座時にクッション部の座面に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を容易に付けることができ、着座時の快適性の向上や、立ち上がり易さの向上につながる。
また、本発明の第七の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第六のいずれかの態様における前記クッション部は、前記座面における前記内壁部から離間する側の先端部から前記離間する方向の中途位置まで150mm以上、330mm以下の範囲で、着座時の接触面圧が均一となる弾性率を有していてもよい。
このように、着座時に乗客がクッション部の座面から受ける反力が均一となるため、座り心地がよくなり、着座時の快適性が向上する。
また、本発明の第八の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第七のいずれかの態様における前記クッション部では、前記座面に下方に凹む凹部が形成されていてもよい。
このように凹部が形成されていることで、着座時に臀部が凹部に入り込み、ホールド性が向上する。従って、車両に揺動や左右動などが生じたとしても、身体がズレにくく、安定性を保つことができる。
また、本発明の第九の態様に係る車両用シートでは、上記第一から第八のいずれかの態様における前記背もたれ部では、前記離間する方向及び高さ方向に直交する幅方向の中央位置で凹部が形成されたバケット形状をなしていてもよい。
このように、背もたれ部がバケット形状をなしていることで、背中の部分が凹部に入り込み、ホールド性が向上する。従って、車両に揺動や左右動などが生じたとしても、身体がズレにくく、安定性を保つことができる。
また、本発明の第十の態様に係る車両用シート組立体は、上記の車両用シートにおける前記クッション部及び前記背もたれ部が、前記幅方向に複数並んで形成されている。
このように、例えば一人分のクッション部、背もたれ部を複数並べて車両用シート組立体を形成すれば、乗客一人ずつ一つのクッション部、背もたれ部を使用し、乗客一人が複数のクッション部、背もたれ部を占拠してしまうことが無くなり、乗客の使用性の向上につながる。また、並べるクッション部、背もたれ部の数量を適宜変更することで、車両の仕様の違いに応じて容易に着座可能人数を変更、調整可能である。
また、本発明の第十一の態様に係る車両は、上記の車両用シートと、前記車両用シートが設けられる内壁部が車内に形成された車両本体と、を備えている。
このような車両によれば、上記の車両用シートを備えていることで、着座時にクッション部の座面に8.5度以上、9.5度以下の傾斜角度が付き、着座時に背もたれ部に身体をあずけ易くなり、着座時の安定性の向上につながる。また、上述のように脚の投げ出しを抑制でき、立ち上がり易さの向上につながる。
上記の車両用シート、車両用シート組立体、及び車両によれば、車両用シートのクッション部の座面が傾斜することで、快適性の向上を図るとともに、使用性の向上が可能である。
本発明の実施形態における車両を示す全体概要図である。 本発明の実施形態における車両に設けられる車両用シートを示す図であって、(a)は側面図を示し、(b)は(a)のA矢視図であって上面図を示し、(c)は(b)のB矢視図であって正面図を示す。 本発明の実施形態における車両に設けられる車両用シートを示す図であって、着座時の状態を示す側面図である。 本発明の実施形態における車両に設けられる車両用シートにおける着座前と着座後の座面の傾きの変化を示す模式図である。 座面が床面に平行な場合の車両用シートを示す図であって、着座時の状態を示す側面図である。 本発明の実施形態の第一変形例における車両に設けられる車両用シートを示す図である。 本発明の実施形態の第二変形例における車両に設けられる車両用シートを示す図である。 本発明の実施形態の第三変形例における車両に設けられる車両用シートを示す図である。
以下、本発明の第一実施形態における車両1について説明する。
車両1は、例えば鉄道車両や、新交通システムの車両1、バス車両等であって、不図示の走行輪によって軌道、又は道路上を走行可能となっている。本実施形態では、通勤、通学等で比較的短時間で乗り降りが行われる場合を想定した車両となっている。
図1に示すように、車両1は、乗客PAを収容する車両本体2と、内部空間に設けられた車両用シート3(以下、単にシート3とする)を備えている。
本実施形態では、複数個のシート3のおける後述するクッション部20と背もたれ部17とが隣り合うようにして並んで設けられることで、ロングシート(車両用シート組立体)3A及び、クロスシート(車両用シート組立体)3Bが形成されている。なお、シート3は単体で車両本体2の車内に設けられてもよい。
ロングシート3Aは、車両1の側壁(内壁部)10から車両幅方向内側を向いて設けられている。またクロスシート3Bは、車両1の側壁10から車両幅方向内側に向かって突出する仕切壁(内壁部)11から、車両1の進行方向前方を向いて設けられている。
以下、ロングシート3Aを構成するシート3について説明する。
図2(a)に示すように各々のシート3は、車両1の床面4の上方で側壁10から離間する方向となる車両幅方向内側に突出するフレーム12と、フレーム12の上面16aに設けられて座面21を形成するクッション部20と、クッション部20の座面21における側壁10側の端部となる基端部21aから側壁10に沿って上方に延びるように設けられた背もたれ部17とを備えている。
図2(a)に示すようにフレーム12は、側壁10に固定される固定部13と、固定部13と一体に形成され、固定部13の下端部で車両幅方向内側に突出する突出部14とを有している。
ここで本実施形態では、フレーム12は、一つのロングシート3A全体にわたって一体に形成されて一つのフレームとなっていてもよいし、クッション部20及び背もたれ部17毎に別体となっていてもよい。そして本実施形態では、フレーム12は一つのロングシート3A全体で一体である場合、一つのロングシート3Aに別体で複数設けられている場合に関わらず、各シート3を説明する際のフレーム12は、一つ一つのクッション部20及び背もたれ部17に対応するフレーム12の部分を示すものとして説明する。
固定部13は、上部で側壁10に沿って配置され、側壁10に不図示のボルト等によって固定されている。
突出部14は、固定部13の下端部から側壁10から離れるように、車両幅方向内側に向かうにつれて下方に向かうように延びる接続部15と、接続部15の下端部から車両幅方向内側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜し、床面4に対して上方に傾斜する支持部16とを有している。これにより支持部16には、床面4に対して上方に傾斜する上面16aが形成されている。
図2(a)に示すように、背もたれ部17は、乗客PA一人分ずつ別体となっており、フレーム12の固定部13、及び接続部15の一部を車両幅方向内側から覆うようにして固定部13の上方で、側壁10に不図示のボルト等によって固定されている。
さらに背もたれ部17は、発砲ウレタン等の弾性材料からなり、図2(a)及び図2(b)に示すように、車両幅方向及び高さ方向に直交するシート幅方向、即ち車両1の進行方向に一致するシート幅方向の中央位置で、側壁10に向かって凹む凹部17aが形成されたバケット形状をなしている。換言すると、シート幅方向の両端の位置で、背もたれ部17の高さ方向の全域にわたって車両幅方向内側に向かって突出する凸部17bが形成されている。
そして図3に示すように、乗客PAが背もたれ部17に寄りかかった際には、凹部17a内に入り込むようにして乗客PAの背中の部分が保持される。またこの凹部17aの底面は、側壁10に沿って平面上に形成され、この底面は、上方に向かうに従って壁面に近接するように車両幅方向外側に向かって傾斜している。
そして背もたれ部17は、車両1の高さ方向に対して15度傾斜しているとよい。即ち、トルソー角が15度となっているとよい。
クッション部20は、乗客PA一人分ずつ別体となっており、発砲ウレタン等の弾性材料からなり、図2(a)に示すように、フレーム12の支持部16における上面16aを上方から覆うように、支持部16にボルト25等によって固定されている。これによりクッション部20における上方を向く面は、支持部16の上面16aに沿って傾斜する座面21となっている。
さらにクッション部20の座面21の車両幅方向内側の端部となる先端部21bの方が、支持部16の先端部よりも車両幅方向内側に位置するように、支持部16から突出して設けられている。クッション部20の前後方向(車両幅方向に一致する方向)の長さ寸法は、例えば500mm程度の寸法とされる。また、クッション部20は背もたれ部17の下部に50mm程度入り込んだ状態で設けられている。
また、クッション部20の座面21には、図2(a)及び図2(c)に示すように、シート幅方向の略中央の位置で下方に凹む凹部21cが形成さており、座面21がすり鉢状になっている。
そして図3に示すように、乗客PAが着座した際には、凹部21c内に入り込むようにして乗客PAの臀部が保持される。
さらにクッション部20の座面21は、図3及び図4に示すように、着座時にクッション幅方向に直交する断面上での座面21上の最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点P同士を結ぶ直線L1が、座面21の先端部21b(クッション部20の先端部側の端部)に向かうにつれて上方に傾斜することで、床面4に対して8.5度以上、9.5度以下の角度θ1で傾斜しており、特に角度θ1は9度であるとよい。
また、クッション部20の座面21は、着座前の状態でクッション幅方向の中央位置のクッション幅方向に直交する断面上での座面21上の最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点P同士を結ぶ直線L2が、座面21の先端部21bに向かうにつれて上方に傾斜することで、床面4に対して5.5度以上、6.5度以下の角度θ2で傾斜しており、特に角度θ2は6度であるとよい。
さらに、クッション部20では着座前の状態から着座した状態となる際に、クッション幅方向の中央位置のクッション幅方向に直交する断面上で、座面21の先端部21bからクッション部20の前後方向の中途位置までの150mm以上、330mm以下の範囲xでの着座時の最大の沈み込み量hが10mm以上、15mm以下となってもよい。
以上説明した本実施形態の車両1によると、シート3に乗客PAが着座した際には、クッション部20が床面4に対して8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となることで、背もたれ部17に体をあずけやすくなり、車両1の揺れ等に対しても身体を安定させることができる。
また、クッション部20の座面21に8.5度以上、9.5度以下という小さな傾斜角度が付くことで、仮にクッション部120の座面121に角度が無く、座面121が床面4に平行に近い場合(図5参照)に比べ、着座時に乗客PAの膝がより上方に位置することになる。従って、本実施形態では図3の二点鎖線に示すように、仮に脚を前方へ投げ出すと足が床面4から離れてしまい、この結果、着座時の不安定性が増してしまう。一方で図5に示すクッション部120を採用すると、乗客PAは疲労時、睡眠時に肩の部分を背もたれ部117に固定しようとして座面121に浅く着座する場合であっても足が床面4から離れることが無いため、脚を前方に投げ出した姿勢を取り易い状態となってしまう。
従って、本実施形態のクッション部20を採用することで、乗客PAがより安定した姿勢を保つために、脚が背もたれ部17側に自動的に引きつけられ、即ち、脚が前方へ投げ出された状態となりにくく、立ち上がり易さが向上する。
さらに、このように脚が前方に投げ出されなくなることで、特にシート3の前方の通路Wに面して設けられているロングシート3Aでは、通路Wを通行する他の乗客の通行の邪魔になってしまうことを回避することができる。
また、上述のように乗客PAは背もたれ部17に身体をあずけ易くなって、身体を安定させることができるため、身体を安定させようとして浅く座る必要が無くなり、脚の投げ出しの抑制につながる。
このように、シート3を車両1に設けることで、乗客PAの快適性の向上を図るとともに、使用性の向上が可能である。
また、乗客PAの着座時に、座面21における先端部21bから150mm以上、330mm以下の範囲で、最大の沈み込み量が10mm以上、15mm以下となるように座面21が沈み込むことで、着座時に座面21は8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる。このため、クッション部20の座面21の沈み込み量が程良く、着座時の安定性の向上による快適性の向上につながる。
同様に、乗客PAが着座する前の状態では、座面21は床面4に対して上方に5.5度以上、6.5度以下傾斜した状態となっており、着座時に座面21は8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となることで、着座時の安定性の向上による快適性の向上につながる。
さらに、クッション部20に凹部21cが形成されていることで、着座時に臀部が凹部21cに入り込み、ホールド性が向上する。従って、車両1に揺動や左右動などの揺れが生じたとしても、身体がズレにくく、安定性を保つことができる。
また、背もたれ部17に凹部17a及び凸部17bが形成されてバケット形状をなしていることで、乗客PAの背中の部分が凹部17aに入り込んで、凸部17bに幅方向から挟み込まれることで、着座時のホールド性が向上する。従って、車両1に揺動、左右動などの揺れが生じたとしても、身体がズレにくく、安定性を保つことができる。
さらに、クッション部20に凹部21c、背もたれ部17の凹部17a及び凸部17bによって、乗客PAの身体がシート幅方向にシート3外に飛び出すことがなく、ロングシート3A及びクロスシート3Bを構成するシート3のうち二つ以上のシート3を、一人の乗客PAが占拠してしまうことを抑制できる。
さらに、背もたれ部17のトルソー角が15度に設定されている。従って、背もたれ部17に十分に荷重がかかり、背もたれ部17と背中との密着性が向上する。よって、着座時の上体の揺れを抑えることができ、安定性を増大できる。さらに、乗客PAが自らの筋肉を使って車両1の揺れに耐える必要が無くなるため、快適性の向上につながる。
また、独立したクッション部20及び背もたれ部17が複数並んでロングシート3A及びクロスシート3Bとなっているため、車両1の仕様の違いに応じて並べるクッション部20及び背もたれ部17の数量を適宜変更することで、容易に着座可能人数を変更、調整可能である。また、隣接するシート3の着座状況に影響されることなく各々のシート部3のクッション部20が変形するので、着座時の快適性を確実に得ることができる。
ここで、本実施形態では、図6に示すように、クッション部20の基端部側でフレーム12における支持部16の上面16aとクッション部20との間に弾性部材30が介在されて設けられていてもよい。
このような構造を採用することで、着座前(実線)の状態から着座後(二点鎖線)の状態となった際に、弾性部材30が下方に向かって圧縮されて弾性変形し、クッション部20を、先端部を基準として下方に回動させ、座面21における上記直線L1(図3、図4参照)の傾斜角度が8.5度以上9.5以下の範囲となるようにしてもよい。ここで、弾性部材30には、例えば樹脂部材や、コイルバネ等を用いることができる。
このようにクッション部20を回動させることで、着座時に容易に座面21に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を付けることができ、着座時のホールド性の向上による快適性の向上と、立ち上がり易さの向上につながる。
また、本実施形態では、図7に示すように、クッション部20が前後方向に異なる弾性率を有する領域AR1に分けられて構成されていてもよい。例えば、クッション部20の材質を領域AR1毎に代えるか、若しくは、発泡ウレタンの発泡率を領域AR1毎に異なるようにする。そして、クッション部20の先端部側の領域AR11で弾性率を大きく、基端部側の領域AR12の弾性率を小さくするように材料を選択する。
このように、クッション部20の弾性率を側壁10から離間する方向に変化させることで、容易に着座時にクッション部20の座面21に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を付けることができ、着座時の快適性の向上と、立ち上がり易さの向上につながる。
さらに、本実施形態では、図8に示すように、クッション部20における車両1の高さ方向の寸法となる厚み寸法が前後方向に異なるように複数の領域AR2に分けられて構成されていてもよい。例えば、クッション部20の先端部側の領域AR21での最大厚みを大きくし、クッション部20の基端部側の領域AR22での最大厚みを小さくすることで、容易に着座時にクッション部20の座面21に8.5度以上9.5度以下の傾斜角度を付けることができ、着座時の快適性の向上や、立ち上がり易さの向上につながる。
さらに、本実施形態では、クッション部20における座面21の先端部21bからクッション部20の前後方向の中途位置までの150mm以上、330mm以下の範囲で、着座時に乗客PAの身体との接触面圧が均一となるような弾性率を有するような材料で形成されていてもよい。即ち、臀部の全体が座面に接触可能に変形するように弾性率を決定する。
このように接触面圧が均一となるようにすることで、着座時に乗客PAが座面21から受ける反力が均一となるため、座り心地が向上し、さらに快適性が向上する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、着座前での座面21の傾斜角度は上述の場合に限定されず、少なくとも着座時に、座面21の傾斜角度が8.5度以上9.5度以下となっていればよい。即ち、着座前では、座面21は床面4に平行となるように、クッション部20が設けられていてもよいし、座面21の先端部21bが基端部21aよりも下方に位置するように床面4に対して下方に傾いていてもよい。
また、上述の実施形態では、ロングシート3Aを構成するシート3について説明したが、クロスシート3Bを構成するシート3や、非常用シートを構成するシート3であってもよい。
1…車両
2…車両本体
3…シート(車両用シート)
4…床面
3A…ロングシート(車両用シート組立体)
3B…クロスシート(車両用シート組立体)
10…側壁(内壁部)
11…仕切壁(内壁部)
12…フレーム
13…固定部
14…突出部
15…接続部
16…支持部
16a…上面
17…背もたれ部
17a…凹部
17b…凸部
20…クッション部
21…座面
21a…基端部
21b…先端部
21c…凹部
25…ボルト
30…弾性部材
117…背もたれ部
120…クッション部
121…座面
AR1、AR11、AR12、AR2、AR21、AR22…領域
PA…乗客

Claims (11)

  1. 車両の内壁部に沿って立設された背もたれ部と、
    前記背もたれ部の下端部から前記内壁部から離間する方向に突出し、前記離間する方向に向かうにつれて前記車両の床面に対して上方に傾斜する上面と有するフレームと、
    弾性材料からなり、前記フレームの上面に設けられて該上面に沿う座面を形成するクッション部と、
    を備え、
    前記クッション部では、前記離間する方向及び高さ方向に直交する幅方向の中央位置の前記幅方向に直交する断面上での最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点同士を結ぶ直線が、前記クッション部に着座した状態で、前記上面に沿って前記床面に対して上方に8.5度以上、9.5度以下傾斜した状態となる車両用シート。
  2. 前記クッション部では、前記座面における前記内壁部から離間する側の先端部から前記離間する方向の中途位置までの150mm以上、330mm以下の範囲で、の着座時の最大の沈み込み量が10mm以上、15mm以下となることで、前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となる請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記クッション部では、前記クッション部に着座する前の状態で、前記幅方向の中央位置の該幅方向に直交する断面上での最下部と最上部とに位置する二箇所の部分の頂点同士を結ぶ直線が、前記上面に沿って前記床面に対して上方に5.5度以上、6.5度以下傾斜した状態となる請求項1に記載の車両用シート。
  4. 前記クッション部は、着座時に前記内壁部から離間する側の先端部を中心として該先端部とは反対側の基端部が回動することで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となる請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用シート。
  5. 前記クッション部は、前記離間する方向に弾性率が異なることで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となる請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用シート。
  6. 前記クッション部は、前記離間する方向に高さ方向の厚みが異なることで、着座時に前記座面が前記床面に対して傾斜した状態となる請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用シート。
  7. 前記クッション部は、前記座面における前記内壁部から離間する側の先端部から前記離間する方向の中途位置まで150mm以上、330mm以下の範囲で、着座時の接触面圧が均一となる弾性率を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用シート。
  8. 前記クッション部では、前記座面に下方に凹む凹部が形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用シート。
  9. 前記背もたれ部では、前記離間する方向及び高さ方向に直交する幅方向の中央位置で凹部が形成されたバケット形状をなしている請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用シート。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用シートにおける前記クッション部及び前記背もたれ部が、前記幅方向に複数並んで形成された車両用シート組立体。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用シートと、
    前記車両用シートが設けられる内壁部が車内に形成された車両本体と、
    を備える車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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