JP2016215474A - 凸版印刷装置及び有機機能性素子 - Google Patents

凸版印刷装置及び有機機能性素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2016215474A
JP2016215474A JP2015102118A JP2015102118A JP2016215474A JP 2016215474 A JP2016215474 A JP 2016215474A JP 2015102118 A JP2015102118 A JP 2015102118A JP 2015102118 A JP2015102118 A JP 2015102118A JP 2016215474 A JP2016215474 A JP 2016215474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anilox roll
ink
liquid
doctoring
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015102118A
Other languages
English (en)
Inventor
誠 西澤
Makoto Nishizawa
誠 西澤
裕猛 伊藤
Hirotake Ito
裕猛 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2015102118A priority Critical patent/JP2016215474A/ja
Publication of JP2016215474A publication Critical patent/JP2016215474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

【課題】ドクタリング起因の液厚ムラを抑制し、それにより膜厚ムラの少ない印刷を、安定的に印刷可能な凸版印刷装置を提供する。
【解決手段】凸版印刷装置は、インキチャンバーからインキが供給されるアニロックスロールと、アニロックスロール表面から余剰インキを掻き落とすドクタリングユニットと、アニロックスロールからインキが転写される版胴と、を備える。アニロックスロールへのインキの供給箇所から、ドクタリングユニットによる余剰インキの掻き落とし位置までの間に、アニロックスロールに近接配置されて、ドクタリングユニットによる掻き落としで発生するインキ垂れによる液ムラを抑制する1又は2以上の液ムラ防止部を備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、凸版印刷装置及びそれぞれを用いて製造された有機機能性素子に関する。有機機能性素子とは、基板上に有機機能性材料からなる有機機能層が形成された素子である。
近年、電子部材の薄層軽量化やフレキシブル化を目指した、有機機能性材料を用いた有機機能性素子の開発が盛んに行われている。有機機能性材料とは、有機材料を素子に形成することによって、電気的、もしくは化学的に機能を発揮する有機材料である。例えば、有機機能性材料として有機発光材料などを用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子や、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタなど様々な有機機能性材料を用いることで、様々な機能性を持った有機機能性素子を作製することができる。これらの有機機能性素子は、一般に数nmから数μm程度の膜厚を有する有機機能層を基板上にパターン形成する必要がある。
有機機能層の形成方法は、用いる材料や基材などによって異なるが、大きくはドライコーティング法とウェットコーティング法に分類することが出来る。従来は、真空蒸着法等を代表としたドライコーティング法によって成膜を行うことが一般的であったが、大面積化やコスト低減の観点からウェットコーティング法による成膜方法の研究が盛んになっている。
ウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等が比較的簡易な方法ではあるが、機能性素子に求められることが多いパターニング性や材料の塗り分けを行うことは困難である。そのため、装置やプロセスが若干複雑になるが種々の印刷法等を用いた方法が注目されている。
有機機能性材料の印刷であっても、一般的な印刷手法を用いることが出来る。例えば、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷、インキジェット印刷、オフセット印刷など、それぞれの印刷の特徴と要求される特性値をマッチングさせることで有機機能性素子の作成方法として用いることができる。
それらの中でも、基材としてガラスや傷つき易いようなものを用いる場合では、ゴム製の印刷用ブランケットを用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いるフレキソ印刷法等が扱いやすい印刷法と考えられる。
フレキソ印刷では、版へのインキ供給にアニロックスが用いられる。アニロックスには板状の平板アニロックスやロール状のアニロックスロールがあるが、連続での印刷を考えた場合、アニロックスロールを用いる方が、工程を簡便にしやすい。アニロックスロールを用いた一般的なフレキソ印刷装置の一例を図1に示す。アニロックスは、一般に金属の板、もしくはロールの表面に微細な彫刻がなされており、その彫刻の凹部をインキが充填されるセル、凹部容積をセル容積と呼ぶ。セル容積は、版へのインキ供給量の調整を行うパラメータの一つとして用いることが出来る。
アニロックスロールでは、アニロックスロールへのインキング方法として、インキの入ったインキチャンバーにアニロックスロールの一部を浸して、余剰のインキをドクターブレードやドクターロールなどからなるドクタリングユニットで掻き取るといった工程を用いることが一般的である。その他にも、ディスペンサーやダイコーター、リップコーターなどを用いて直接アニロックスロールにインキを塗布する手法もあるが、これらの手法では毎回アニロックスロールを洗浄する必要があることが多く、連続での印刷を考えた場合、アニロックスロールを浸す方式の方が簡便である。
インキチャンバーへのアニロックスロールの浸すのには、特許文献1に記載のように、インキチャンバー3の上からアニロックスロール6下部を浸す方式(図2(a)参照)や、特許文献2に記載のように、インキチャンバー3とアニロックスロール6を密封系にしてアニロックスロール6側面をインキチャンバー3に浸す方式(図2(b)参照)など様々なものが研究されている。しかし、アニロックスロール6下部を浸す方式が最も簡易である。
またドクタリングユニット4によって、アニロックスロール6のセルから溢れた余剰インキが掻き取られる。掻き取られた余剰インキがドクタリングユニット9とアニロックスロール6との間に溜まる場合がある。このとき、アニロックスロールの回転速度が速い場合、十分にインキが溜まってから垂れ始めるため、スジを作って垂れる。このとき、ドクタリング後のアニロックス表面にも液ダレと同じ形で、スジ状のインキ量ムラが発生することがある。このことは、印刷精度を悪くすることに繋がる。
特許第4793688号公報 特表2014−534098号公報
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、ドクタリング起因の液厚ムラを抑制し、それにより膜厚ムラの少ない印刷を、安定的に印刷可能な凸版印刷装置を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様である凸版印刷装置は、インキチャンバーからインキが供給されるアニロックスロールと、前記アニロックスロールに接触して前記アニロックスロール表面から余剰インキを掻き落とすドクタリングユニットと、前記ドクタリングユニットで余剰インキを掻き落とし後の前記アニロックスロールからインキが転写される版胴と、を備え、前記アニロックスロールへの前記インキの供給箇所から、前記ドクタリングユニットによる余剰インキの掻き落とし位置までの間に、前記アニロックスロールに近接配置されて、前記ドクタリングユニットによる掻き落としで発生するインキ垂れによる液ムラを抑制する1又は2以上の液ムラ防止部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、本発明の一態様である凸版印刷装置によって、基板に積層する層のいずれか1層を形成した有機機能性素子である。
本発明によれば、本発明を用いない一般的な凸版印刷装置に比べて、インキ種類や条件、装置部材、動作条件によらずドクタリング後のインキ垂れによるスジ状ムラを抑制でき、膜厚ムラの無い有機機能性素子を印刷法によって製造することができる。
アニロックスロールを用いた凸版印刷装置の一例を示す概略図である。 アニロックスロールとインキチャンバーの設置状態を示す概略図である。 ドクターロールと一般的なインキチャンバーを用いたインキングとドクタリングの工程を示す概略図である。 ドクタリング時のインキの流れを示す概略図である。 アニロックスとドクターロールによるドクタリングの様子、またその際のインキ液厚を起因とするドクタリングムラを示す概略図である。 一般的なアニロックスロールとインキチャンバー、ドクターロールの設置状態を示す概略図である。 本発明に基づく実施形態に係る液ムラ防止部を説明する概略図である。 本発明に基づく実施形態に係る液ムラ防止部を説明する概略図である。 本発明に基づく実施形態に係る液ムラ防止部の配置を説明する概略図である。 本発明に基づく実施形態に係る有機薄膜トランジスタ素子の概略図である。
以下、本発明の実施形態を、一般的な凸版印刷工程を一例として、図面に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限るものではなく、本発明に要求される条件を満たすものであれば、いずれも展開が可能である。
凸版印刷装置は、インキチャンバーからインキが供給されるアニロックスロールと、アニロックスロールに接触してアニロックスロール表面から余剰インキを掻き落とすドクタリングユニットと、ドクタリングユニットで余剰インキを掻き落とし後のアニロックスロールからインキが転写される版胴と、を備える。
図1に示す凸版印刷装置の一例を用いて、インキング工程について説明する。
インキチャンバー3にインキ5が満たされている。
まず、アニロックスロール6の一部がインキチャンバー3のインキ5に浸漬することで、アニロックスロール6のセル内にインキ5が充填されて、インキ5がアニロックスロール6に供給される。アニロックスロール6に供給されたインキ5のうち余剰なインキ5は、ドクタリングユニット4により除去されることで、アニロックスロール6には形成されたセル構造により均一にインキ5が保持される。余剰なインキ5の除去が適切に行われるのであれば、ドクタリングユニット4にはドクターブレード、ドクターロール等どのようなものを選択してもよい。図1は、1枚毎に被印刷基板にインキパターンを形成する枚葉式の凸版印刷装置であるが、被印刷基板が対応する場合には、ロール・トゥー・ロール方式など、その他の方式にも用いることもできる。
本実施形態では、本発明の一例として、ドクタリングユニット4としてドクターロール9を用いたもので説明を行うが、ドクタリングユニットの形態としてはこれに限るものではなく、本発明に要求される条件を満たすものであれば、いずれも展開が可能である。
ここで、ブレードによってドクタリング(液の掻き取り)を行うドクターブレード(ドクタリングユニット)は、ロールをドクターとして用いるドクターロール(ドクタリングユニット)に比べて、アニロックスロールに対して掛けることができる圧力が強く、ドクタリング性に大変優れている。しかしながら、一方で強く圧力をかけることによってアニロックスロールとドクターブレードの接触によってアニロックスロールもしくはドクターブレードの削りかすが発生するおそれがある。削りかすが発生した場合、材質が金属の場合はインキ中に金属異物が混入することになる。
金属異物は有機機能性素子において素子特性や寿命を劣化させる原因の一つであり、回避すべきものであるため、有機機能性素子を製造するための印刷においては、削れても金属カスが発生しない樹脂製ドクターブレードや、比較的低圧でもある程度のドクタリング性を確保可能なドクターロールが適している。
ドクターロール9は、一般的には鉄やカーボンなどで出来た芯に、弾力性を有したゴムや樹脂などを巻きつけ、そのまま、もしくは更に表面濡れの調整や傷防止などの目的に適した材質のものを巻きつけて形成される。そのため、硬度や濡れなどを様々に調整することが可能であり、種々の材料に適正化することが出来る。
これらを組み合わせた一例として、ドクター機構としてドクターロール9を使用し、下浸漬方式のインキチャンバー3を採用して、アニロックスロール6を用いたドクタリング及びインキング工程を、図3を用いて説明する。
まず、インキチャンバー3にアニロックスロール6を浸した状態にする(図3(a))。アニロックスロール6を回転させると、インキ5がアニロックスロール6に付着したままの状態で回転する(図3(b))。ドクターロール9によって、アニロックスロール6のセルから溢れた余剰インキ5が掻き取られる。そのままでは、余剰インキ5は重力によってドクターロール9の下方に垂れるはずだが、アニロックスロール6の回転速度がインキ5の垂れる速度を上回っている場合、ドクターロール9とアニロックスロール6間に垂れたインキが溜まる(図3(c))。そのままドクタリングし続けると、溜まったインキ5は増加しつづける。そして、アニロックスロール6の回転速度がインキ5の垂れる速度が逆転すると、ドクターロール9の表面、もしくはアニロックスロール6の表面をつたって、液ダレ11になって、インキチャンバー3内に戻る(図3(d))。
また、図3(d)に示すように、溜まったインキ5がアニロックスロール6の表面をつたって垂れる場合、インキ5のつたい方はアニロックスロール6の回転速度によって変化する。図3(d)の点線枠をドクターロール9側から見た図4を用いて説明する。ドクタリング後の液ダレ11は、例えば、アニロックスロール6の回転速度が遅い場合は、インキがそれほど溜まらずに垂れることができるため、図4(a)のように幅方向全面で均一にインキ5が垂れる。一方で、アニロックスロール6の回転速度が速い場合は、十分にインキが溜まってから垂れ始めるため、図4(b)のようにスジを作ってインキ5が垂れる。
上述の通り、ドクターロール9によるドクタリングではドクターブレードに比べてドクタリング性が悪いため、掻き取る対象であるアニロックス表面のインキ量(液膜の厚さ)によっては、ドクタリング性が影響を受けることがある。例えば、インキ量が多く、液膜が厚い場合では、インキの液圧にドクターロール9が押されるなどして、セル内のインキ量がアニロックス表面ぎりぎり、もしくはアニロックス表面よりも低い位置である場合に比べて、僅かではあるがドクタリング後の液膜の厚さが厚くなる(図5(a),(b)参照)。つまり、図4(b)のような状態のままドクタリングを行うと、ドクタリング後のアニロックス表面にも液ダレ11と同じ形で、スジ状のインキ量ムラが発生することがある(図5(c)参照)。符号14がスジ状のインキ量ムラを表す。
同様に、図3(d)に示すように、溜まったインキ5がドクターロール9表面側をつたって垂れる場合もある。この場合も、インキ5のつたい方や垂れ方、インキ量ムラの発生はアニロックスロール6の場合と同様である。
このような問題を解決するために、アニロックスロール6を低速回転させることも考えられるが、実際にはタクトタイムや乾燥性などで回転速度に制限がかかってしまうため、調整は難しい。もう一つの対策としては、アニロックスロールとドクターロール間に溜まるインキの増加速度を遅くすることである。
例えばドクタリングに似た治具をアニロックスロールに非接触で接近させ、アニロックスロールに供給されるインキの厚さを抑えることで、なにもしていない状態に比べ、溜まる余剰インキ5はかなり減らすことができる。しかしながら、ドクタリングを続ける間はずっと余剰インキ5が増え続けるため、完全にインキ垂れを防ぐことは難しい。
また、インキチャンバー3からドクターロール9までの間に、特に液量を制限するような機構を設けない場合、アニロックスロール6とドクターロール9と間に供給されるインキ量は、アニロックスロール6の表面がインキチャンバー3から付着してくるインキ量で決まる。また、アニロックスロール6の表面がインキチャンバー3から付着してくるインキ量は、アニロックスロール6の回転速度、アニロックスロール6の表面、もしくはドクターロール9の表面とインキの濡れ、インキの粘度などから決定される。例えば、アニロックスロール6の回転速度を下げ、アニロックスロール6の表面を撥液性にすればインキ量は減る。
アニロックスロール6への供給インキ量が多くても、アニロックスロール6の表面、ドクターロール9の表面が十分に親液性であったり、インキが低粘度であったりすれば、インキはアニロックスロール6とドクターロール9との間で溜まらずに流れ落ちるため、インキ垂れによるスジは発生しづらい。
しかしながら、実際にはそれぞれのパラメータについてはその他の条件によって制限があるため、自由に調整することは難しい。例えば、アニロックスロールの回転速度については上述の通りであるし、アニロックスロール6の表面の濡れについても耐溶剤性や耐摩耗性などの観点から材質が決定されやすい上に、そもそも上述のように親液性、撥液性のいずれが適切であるか判断は難しい。インキの粘度については、インキ濃度やインキ溶媒によるところが強く、それらは目的とする被印刷物の目標膜厚や目標線幅、目標形状などによって制限されることが多く、容易に調整することは難しい。
また、インキ垂れは重力によるものであるため、図6に示すようにドクターロール9の位置を版胴側に変えることも考えられる。この場合、ドクタリングされた余剰インキは、アニロックスロール6の周面に沿って流れ落ちることを防ぐことが出来る。この場合には、ドクタリング後のインキは全てドクターロール9とアニロックスロール6の間に流れ込み、ドクターロール9の軸方向両端からチャンバー3側にあふれ出ることになる。しかしながら、このような設計ではインキ垂れによるスジ状ムラは防ぐことは可能であるが、ドクターロール9とアニロックスロール6と間のインキ量が大きく変動しやすく、それによる印刷ムラが発生する。ちなみに、スジ状ムラが印刷方向に対して並行であるのに対して、このようなムラは垂直に段々ムラとして見られる。
本実施形態では、アニロックスロール6とドクターロール9とが接するドクタリング位置の下部に、インキ流動を調整する液ムラ防止部を設けた。液ムラ防止部の数は一つである必要は無く、アニロックスロール用、ドクターロール用と分けることも可能である。
ドクタリング位置(アニロックスロールに対するドクタリングユニットの接触部)は、図9に示すように、アニロックスロール6の中心の鉛直下方の位置から、アニロックスロール6の回転方向(図9では半時計回り)に90度以内の位置であることが望ましい。
これは本発明で想定しているアニロックスロール6をインキに浸す方式における問題点である、ドクターロール9の回転速度と印刷速度が異なる場合に、実質的に印刷可能な距離が短くなってしまうことに対して、出来る限り印刷距離を延ばすことを目的としているからである。
次に、本実施形態における、液ムラ防止部に期待する効果について説明する。
上述したようなアニロックスロール6とドクターロール9、版胴の位置関係では、図4に示すようにドクタリングされた余剰インキは、アニロックスロール6とドクターロール9間に溜まり、垂れようとするが、ある程度までアニロックスロール6の回転による力とインキの表面張力などでその形を保つ。しかしながら、アニロックスロール6が回転し続ける限り、余剰インキは発生し続けるため、表面張力などで保てる量を超えてインキが溜まると、スジ状にインキが垂れ、液ムラになる。つまり、ドクターロール9とアニロックスロール6間に溜まるインキ量を、表面張力などで安定的に保てる量に押さえられれば、インキ垂れを防ぐことが出来ることになるが、上述の通り基本的には余剰インキは垂れない限り溜まり続けるため、量を一定に保つことは難しい。
余剰インキが垂れることを防ぐことは原理的に難しく、液ムラをコントロールすることでスジ状ムラを防ぐことを考えた。そもそもスジ状ムラとは、ドクタリング時にインキが垂れる部分と垂れない部分による液ムラがあるために発生しているのであり、インキをアニロックスロール表面上に均一に垂らすことで防ぐことが出来る。
例えば、本実施形態の一例では、図7に示すように、図5.cのような状況に、例えば一本のワイヤー状、棒状の治具を液ムラ防止部10として、インキ溜まりのインキと一定距離で接触可能な位置に設定する。すなわち、液ムラ防止部10は、インキのドクタリング位置(アニロックスロール6とドクターロール9の接触位置)に近接配置(非接触状態で近づけて配置)される。このようにすると、アニロックスロール6、ドクターロール9、液ムラ防止部10間で表面張力によってインキ液面が形成され、その間においてはインキ垂れがスジ状になることを防ぐことができる。液ムラ防止部10のアニロックスロール6と対向する面は、その対向面と平行にアニロックスロール6の軸方向に延在している。
ここで、液ムラ防止部10がワイヤーやブレードのように、アニロックスロール6の面との対向面積が少ないものでは、液ムラ防止部10よりも上流側(図3では下側)、つまりインキチャンバー3側で再度液ムラが発生する可能性がある。例えば、図8(a)、(b)のように、ブレードのようなものを、側面視で一点もしくは上下方向に短距離で接触させるのであっても良いが、上述のように液ムラの再発生の可能性が残る。
このため、液ムラ防止部10は、アニロックスロール6の回転方向に沿って、出来るだけ長い距離で液面形成をさせる方が良い。例えば、図8(c)のようにインキチャンバー3内まで続くような、アニロックスロール6の面に回転方向に沿った方向の距離で接触させる方がスジ状ムラの予防にはより効果的である。どの程度の距離で接触させるのが良いかは材料や部材、条件によって変化する。スジ状ムラが予防できるのであればどのような距離で液ムラ防止部を形成しても良い。
例えば、液ムラ防止部10としてワイヤーやブレードのようなものを用いる場合でも、図8(d)に示すように、狭い間隔で、アニロックスロール6の回転方向に沿って複数個形成することで、図8(c)に示したような大きな液ムラ防止部と同様の効果が得られる。しかしながら、複数個の液ムラ防止部を使用する場合は、液ムラ防止部間においてスジ状にインキ垂れが発生してしまうと意味がなくなるため、液ムラ防止部間で液ムラが発生しないようにそれぞれの液ムラ防止部の間隔については調整を十分に行う必要がある。
液ムラ防止部10の間隔だけでなく、それぞれの位置関係についても十分に調整する必要がある。例えば、液ムラ防止部10の個数に関わらず、最もドクターロール9の位置に近い液ムラ防止部10とドクタリング位置の間隔は、いずれの条件のインキであっても10mm以内に収めた方が良い。近ければ近いほど防止効果は増加するが、装置に触れることがあるとドクタリング性が変化してしまう可能性がある。したがって、2mm以上から10mm以下の範囲の位置に配置することが好ましい。10mmを超えると、通常は液ムラを防止出来ていても、アニロックスロール6の動作を一時停止したりした場合に、液を保持しておくことが難しい。同様に、複数個の液ムラ防止部がある場合、その間隔は10mm以内にしておく方が良い。
ここで、側面視において、アニロックスロール6にドクターロール9が接している位置と、前記アニロックスロール6が前記インキチャンバー3内のインキ表面に接している位置のうち前記ドクターロール9に近い位置とを前記アニロックスロール6表面に沿ってつないだ曲線の距離をaとし、液ムラ防止部が一番近接するアニロックスロール6位置と前記アニロックスロール6に前記ドクターロール9が接している点との距離をbとした場合に、(b/a)>0.5の関係性であることが好ましい。
また、液ムラ防止部10が複数個設置され、最も前記ドクターロール9側の液ムラ防止部の前記アニロックスロール6に一番接近している位置と、最も前記インキチャンバー3側の液ムラ防止部のアニロックスロール6に一番接近している位置とを、アニロックスロール6表面に沿ってつないだ曲線の距離をb′とした場合に、(b′/a)>0.5の関係性であることが好ましい。
すなわち、実質的に液ムラ防止効果が期待できる距離b、b′、つまり液ムラ防止部が一つだけであればその液ムラ防止部のアニロックスロール面側にあたる面のドクタリング方向に対する距離、複数であれば最もドクターロール9位置に近い液ムラ防止部10から最も遠い液ムラ防止部10までの距離、がドクターロール9位置からインキチャンバー3のインキ液面までの距離aに対してどの程度であるかが重要である。長い場合には問題がないが、短すぎる場合には上述したように、液ムラ防止部の上流側で液ムラが再発生してしまう。
関係性では、上記の関係性である方が良い。アニロックスロール径が十分に小さい場合についてはこの限りではないが、その場合はそもそも本発明で解決しようとするような液ムラの問題は発生しづらい。
以上説明した凸版印刷装置を使用して、図10に示すような有機機能性素子としての、有機薄膜トランジスタ21を印刷によって製造すると良い。符号16はガラス基板を、符号17は、ゲート電極及びキャパシタ電極を、符号18はゲート絶縁層を、符号19はソース電極及びドレイン電極を、符号20は半導体層を、それぞれ示す。
以上の各層のいずれか1層を以上説明した凸版印刷装置を使用して形成する。
適用する有機機能性素子は、有機薄膜トランジスタに限らず、他の有機機能性素子であっても良い。
<実施例1〜5、比較例1〜6>
評価に当たって、図1に示す形の凸版印刷装置の一部を使用した。アニロックスロール6として、φ200mm×400mmのクロムメッキロールを用いた。形成されるパターンは1辺65μmの正方形セルが、72.5μmピッチで形成されるスクエアパターンであり、これらのパターンはロール水平線より60°傾いて形成されている。アニロックスロール6とドクタリングユニットの位置関係はθ=90°になるようにセッティングした。
アニロックスロール6をセッティングしたインキチャンバー3に、粘度30mPa・sの高分子有機半導体材料インキ5を満たした。投入したインキ量は、アニロックスロール6下部を十分に浸漬する分であった。インキング工程及びドクタリング工程時のアニロックスロール6の周速は100mm/sで行った。
実施例1〜5、比較例1〜6として表1に示す。
各項目については以下の通りである。
・A:液ムラ防止部の個数
・B:アニロックスロールと液ムラ防止部の距離(mm)
・C:液ムラ防止部とドクタリング位置との最小距離(mm)
・D:液ムラ防止部同士の内における最大距離(mm)
・E:ドクタリングユニットのタイプ
・F:x値(x=b/a)
・G:液ムラ防止部とドクタリング位置間の液ムラ発生状況
・H:液ムラ防止部とインキチャンバー間の液ムラ発生状況
・I:スジ状ドクタリングムラ発生状況
Figure 2016215474
<比較結果>
実施例1から3の結果から、本発明に基づく場合には、液ムラ防止部が複数個であっても本発明の効果を得られることが分かる。
実施例1と比較例1、2の比較によって、アニロックスロールと液ムラ防止部の距離は3mmを超えると不具合が発生しやすくなることが分かる。
実施例1と比較例3の比較によって、液ムラ防止部とドクタリング位置との最小距離が10mmを超えると不具合が発生しやすくなることが分かる。
実施例2と比較例4の比較によって、液ムラ防止部同士の内における最大距離が10mmを超えると不具合が発生しやすくなることが分かる。
実施例1と比較例5、6の比較によって、(b/a)≦0.5で不具合が発生しやすくなることが分かる。
1・・・ステージ
2・・・基板
3・・・インキチャンバー
5・・・インキ
6・・・アニロックスロール
7・・・版胴
8・・・凸版
9・・・ドクターロール(ドクタリングユニット)
10・・・液ムラ防止部
11・・・液ダレ
16・・・ガラス基板
17・・・ゲート電極及びキャパシタ電極
18・・・ゲート絶縁層
19・・・ソース電極及びドレイン電極
20・・・半導体層
21・・・有機薄膜トランジスタ(有機機能性素子)

Claims (12)

  1. インキチャンバーからインキが供給されるアニロックスロールと、
    前記アニロックスロールに接触して前記アニロックスロール表面から余剰インキを掻き落とすドクタリングユニットと、
    前記ドクタリングユニットで余剰インキを掻き落とし後の前記アニロックスロールからインキが転写される版胴と、を備え、
    前記アニロックスロールへの前記インキの供給箇所から、前記ドクタリングユニットによる余剰インキの掻き落とし位置までの間に、前記アニロックスロールに近接配置されて、前記ドクタリングユニットによる掻き落としで発生するインキ垂れによる液ムラを抑制する1又は2以上の液ムラ防止部を備えることを特徴とする凸版印刷装置。
  2. 前記アニロックスロールに対する前記ドクタリングユニットの接触部は、前記アニロックスロールの中心の鉛直下方の位置から、前記アニロックスロールの回転方向に90度以内の位置であることを特徴とする請求項1記載の凸版印刷装置。
  3. 前記ドクタリングユニットがドクターロールからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凸版印刷装置。
  4. 前記液ムラ防止部は、前記アニロックスロールとの距離が3mm以下に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  5. 前記1又は2以上の液ムラ防止部のうちの最も前記ドクタリングユニットに近いものと、前記アニロックスロールと前記ドクタリングユニットが接触している点との距離が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  6. 前記液ムラ防止部の形状が、前記アニロックスロールの面に沿って、前記アニロックスロールの面に沿った曲面形状となっていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  7. 前記液ムラ防止部を複数個有し、隣り合う前記液ムラ防止部における、前記アニロックスロールの面と最も接近する箇所同士の距離間隔が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  8. 側面視において、前記アニロックスロールに前記ドクタリングユニットが接している位置と、前記アニロックスロールが前記インキチャンバー内のインキ表面に接している位置のうち前記ドクタリングユニットに近い位置とを前記アニロックスロール表面に沿ってつないだ曲線の距離をaとし、前記液ムラ防止部が一番近接する前記アニロックスロール位置と前記アニロックスロールに前記ドクタリングユニットが接している点との距離をbとした場合に、(b/a)>0.5の関係性であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  9. 前記液ムラ防止部が複数個設置され、側面視において、前記アニロックスロールに前記ドクタリングユニットが接している位置と、前記アニロックスロールが前記インキチャンバー内のインキ表面に接している位置のうち前記ドクタリングユニットに近い位置とを前記アニロックスロール表面に沿ってつないだ曲線の距離をaとし、最も前記ドクタリングユニット側の前記液ムラ防止部の前記アニロックスロールに一番接近している位置と、最も前記インキチャンバー側の前記液ムラ防止部の前記アニロックスロールに一番接近している位置とを、前記アニロックスロール表面に沿ってつないだ曲線の距離をb′とした場合に、(b′/a)>0.5の関係性であることを特徴とする請求項1〜請求項5、及び請求項7のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  10. 前記ドクタリングユニットによる余剰インキの掻き取りが行われている状態では、前記アニロックスロールと前記ドクタリングユニットが接している箇所から前記液ムラ防止部までインキの液膜が全面につながった状態となるように前記液ムラ防止部が設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の凸版印刷装置。
  11. 前記アニロックスロールと前記液ムラ防止部との間には全てインキが充填されている状態となるように、前記液ムラ防止部が設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の凸版印刷装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の凸版印刷装置によって、基板に積層する有機機能性材料層のいずれか1層を形成した有機機能性素子。
JP2015102118A 2015-05-19 2015-05-19 凸版印刷装置及び有機機能性素子 Pending JP2016215474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015102118A JP2016215474A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 凸版印刷装置及び有機機能性素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015102118A JP2016215474A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 凸版印刷装置及び有機機能性素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016215474A true JP2016215474A (ja) 2016-12-22

Family

ID=57580027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015102118A Pending JP2016215474A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 凸版印刷装置及び有機機能性素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016215474A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344006U (ja) * 1977-09-01 1978-04-15
JPH04224959A (ja) * 1990-04-23 1992-08-14 Koenig & Bauer Ag 輪転印刷機のためのインキ装置
DE10028477A1 (de) * 2000-06-08 2001-12-13 Roland Man Druckmasch Vorrichtung zum Dosieren und zur Vergleichmäßigung einer Farbschicht auf der Oberfläche einer Druckmaschinenwalze
DE102006044985A1 (de) * 2006-09-23 2008-04-03 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Vorrichtung zur Dosierung von Druckfarbe in einer Druckmaschine
JP2009078500A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷装置およびその装置を用いた高分子el素子の製造方法
JP2010260194A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Fuji Tokushu Shigyo Kk グラビア印刷機
US20110067590A1 (en) * 2009-09-24 2011-03-24 Palo Alto Research Center Incorporated Anilox metering system for electrographic printing

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344006U (ja) * 1977-09-01 1978-04-15
JPH04224959A (ja) * 1990-04-23 1992-08-14 Koenig & Bauer Ag 輪転印刷機のためのインキ装置
DE10028477A1 (de) * 2000-06-08 2001-12-13 Roland Man Druckmasch Vorrichtung zum Dosieren und zur Vergleichmäßigung einer Farbschicht auf der Oberfläche einer Druckmaschinenwalze
DE102006044985A1 (de) * 2006-09-23 2008-04-03 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Vorrichtung zur Dosierung von Druckfarbe in einer Druckmaschine
JP2009078500A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷装置およびその装置を用いた高分子el素子の製造方法
JP2010260194A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Fuji Tokushu Shigyo Kk グラビア印刷機
US20110067590A1 (en) * 2009-09-24 2011-03-24 Palo Alto Research Center Incorporated Anilox metering system for electrographic printing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110171198B (zh) 无图案网纹辊上墨系统和方法
JP6241029B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2013123836A (ja) 凸版印刷装置
JP2016215474A (ja) 凸版印刷装置及び有機機能性素子
JP6115018B2 (ja) 薄膜印刷方法および薄膜印刷装置
JP4793688B2 (ja) 有機el用印刷機及び有機el素子の製造方法
JP2015223813A (ja) 印刷版、印刷装置、印刷法、及び電子デバイス
JP2011173266A (ja) 凸版印刷装置およびその製造方法
KR101753803B1 (ko) 와이핑 그라비어 인쇄방법 및 인쇄장치
JP2017001203A (ja) 凸版印刷装置および有機機能性素子
JP2012206309A (ja) 凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法
WO2012161779A1 (en) Apparatus and method for printing electronic ink
JP5391559B2 (ja) 印刷機およびそれを用いた印刷物の製造方法
JP2011056352A (ja) 塗工方法及び塗工装置
JP2009078500A (ja) 凸版印刷装置およびその装置を用いた高分子el素子の製造方法
JP6114486B1 (ja) 印刷装置とその印刷方法
JP2014162128A (ja) 印刷用凸版及びそれを用いた機能性素子の製造方法
JP2008155614A (ja) 凸版印刷装置
JP2015058601A (ja) 凸版印刷装置
JP2013086296A (ja) 印刷装置
KR20140079668A (ko) 진동 인가 접촉식 인쇄 장치
JP2014144575A (ja) 機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法
JP2017071172A (ja) 凸版印刷装置及び印刷物の製造方法
JP2012171334A (ja) ロール上の塗膜の乾燥装置および乾燥方法
JP2009081368A (ja) 高精細印刷用凸版

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190702