JP2015223813A - 印刷版、印刷装置、印刷法、及び電子デバイス - Google Patents

印刷版、印刷装置、印刷法、及び電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】被印刷物に転写可能なインキを増大できると共に、被印刷物に転写するインキ供給量をより調整可能とする。【解決手段】印刷版は、樹脂によって形成された第1凸部303を有し、第1凸部303とインキが接触することでインキが転写され、第1凸部303を基板に接触させることでインキを基板に転写する印刷版である。第1凸部303の周りに形成されてインキを保持可能なインキ溜め部305と、毛細管現象によって第1凸部303からインキ溜め部305にインキを流し込む毛管部と、を備える。インキング工程にて、第1凸部303とインキ溜め部305の両方にインキを供給し、転写工程にて、第1凸部303とインキ溜め部305のインキを第1凸部303と基板の接触を通じて転写する。【選択図】 図5

Description

本発明は、印刷版及び印刷装置とそれらを用いた印刷法及びそれら印刷法を用いた電子デバイスに関する。
近年、金属配線や絶縁体や有機薄膜を印刷法によって形成し、電子デバイスや表示装置などを製造するプリンテッドエレクトロニクスと呼ばれる技術分野が発展してきている。プリンテッドエレクトロニクスは、従来半導体製造工程などで利用されてきたフォトリソグラフィー工程や真空プロセスなどに比べ装置が安価でエネルギー消費が少ないなどの特徴があり、印刷法を利用することで安価に電子デバイスや表示装置を提供することができる技術である。またフレキシブル基板との親和性の高さからフレキシブルデバイスの製造方法としても活用が検討されている。
プリンテッドエレクトロニクスにおいて、印刷法による配線の成膜や有機層の塗り分けと言っても実際には単純なものではなく、印刷プロセスとして考慮するべき要素は多岐にわたる。さらに、プリンテッドエレクトロニクスが対象とする電子デバイスや表示装置ごとに、印刷に用いる印刷インキの各種物性、下地の各種構造や物性、必要とする印刷膜の膜厚や寸法や形状などが異なり、それぞれの求める要求事項や制限の中で印刷法の検討と印刷プロセスの最適化が必要である。
それら印刷性に関する要求の他にも、生産性の高さや、品質の安定性、位置合わせ精度、材料利用効率といった点についても考慮して、印刷法の選択と印刷プロセスの最適化を実施する事となる。
印刷法としてはスクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷、反転印刷、インクジェット印刷など各種印刷法が存在するが、単体の印刷法にて印刷に関する多様な要求に答えることは難しく、それぞれの要求に合わせて印刷法を選択して実施する事となる。しかし、既存の印刷法だけでは要求に答えることが出来ないケースもあり、各印刷法において印刷要求に応じた変化や進展をさせていく必要がある。
プリンテッドエレクトロニクスにおいて生産での活用を考えた場合において、生産性の高さは重要な要素であり、生産性の高い印刷方式が進展し、多くの印刷要求に答えることがより求められる。
生産性の高い印刷方式としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷などがありそれぞれの特徴を活かしてプリンテッドエレクトロニクスの要求に合わせて活用されている。例えば凸版印刷法は弾性を有するゴムや樹脂を主成分とする印刷版を用いるため、取り扱うことのできる基材も豊富であり、薄膜印刷や細線化も可能であり、またパターン形成精度や膜厚均一性にも優れているといったことから、プリンテッドエレクトロニクスとして活用されており、例えば有機EL表示装置の塗り分け法にも検討されている(特許文献1参照)。
凸版印刷法の転写について簡単に説明する。
まず、微細な孔を有するアニロックスロールの表面にインキを塗布する。次に、アニロックスロール表面の余分なインキをドクターで掻き取ることによって、アニロックスロールの単位面積あたりのインキ塗布量を均一にする。その後、パターニングされた印刷版の凸部上にアニロックスロール上のインキを転写する(インキング工程)。最後に、印刷版の凸部の先端部上にあるインキを基板(被印刷物)に転写させることで印刷膜を形成する(転写工程)。
凸版印刷法は、プリンテッドエレクトロニクスを実現する印刷法としての親和性は高いが、実際に各デバイスに取り組むに当たり、細かな要求に対応できることを求められ、従来の凸版印刷法では実現できない課題が多く存在する。
特開2001−155858号公報
従来の凸版印刷法では、例えば以下のような課題がある。
(課題1)
有機EL表示装置の機能層の成膜において、RGBの各有機発光層の下地となる正孔注入層やインターレイヤー層といった機能層は生産性の観点から、同じ機能層を同時に成膜する。各有機発光層に対応した機能層を同時に成膜しながらも、機能層の膜厚はRGBの各有機発光層に最適化することで、より高い特性を持つ有機EL表示装置を効率よく製造することができる。
しかし凸版印刷法では、印刷版の凸部先端部上に転写したインキを基板に転写するため、凸部上に転写したインキ量によって基板上に転写されるインキ量が決まることとなる。また、凸部上に保持できるインキ量は凸部の寸法と関係があるため、同一基板面内に同一の線幅にて複数の膜厚を同時に形成するといったことは出来ないおそれがある。
(課題2)
プリンテッドエレクトロニクスで用いられる材料には溶解性が低いため、固形分濃度が低いインキを印刷する必要が生じることがある。そういったインキを用いて乾燥後の印刷膜の膜厚を十分に得るには、基板に転移させるインキ量を増やす必要がある。しかし、印刷に求められる精細度が高くなるにつれ、凸版印刷法においては、凸部の寸法(横断面積)は小さくする傾向にあり、その結果、凸部上へのインキ保持量の最大値が下がり、膜厚を得るために必要なインキ量を基板に転写できなくなるおそれがあるといった課題がある。
(課題3)
プリンテッドエレクトロニクスでは低分子化合物を溶質としたインキを用いることがある。低分子化合物を溶媒に溶かしてインキ化した場合、インキ粘度は溶媒粘度と大差無いほどの低粘度インキとなる。通常インキ成分の調整を行うことで印刷可能な粘度領域として印刷性を確保することとなるが、例えばそのようなインキ成分調整が有機半導体や有機発光層などの電気特性や発光特性に影響を及ぼすため、粘度調整が出来ないとうことがあり、調整を行わないまま印刷することが求められる。
凸版印刷法は、数十cpといった低粘度インキの印刷は可能であるが、溶媒と大差ないほどの数cpの低粘度インキを印刷しようとすると、インキング工程にて凸部の底にインキがランダムに濡れ上がるといった不具合が生じ、うまく印刷することができないという問題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、被印刷物に転写可能なインキを増大できると共に、被印刷物に転写するインキ供給量をより調整可能とすることを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様である印刷版は、樹脂によって形成された凸部を有し、前記凸部とインキが接触することでインキが転写され、前記凸部を被印刷物に接触させることでインキを前記被印刷物に転写する印刷版であって、前記凸部の周りに形成されてインキを保持可能なインキ溜め部と、毛細管現象によって前記凸部から前記インキ溜め部にインキを流し込む毛管部と、を備えることを特徴とする。
本発明の別の態様は、本発明の一態様である印刷版を用いた印刷装置である。
また、本発明の一態様である印刷方法は、樹脂によって形成された凸部を有する印刷版を用い、前記凸部とインキを接触させることで前記印刷版にインキを転移するインキング工程と、前記凸部と被印刷物を接触させることによりインキを前記被印刷物に転写する転写工程と、を含む印刷法において、前記印刷版には、前記凸部周りにインキを保持することの出来るインキ溜め部が形成され、且つ前記インキング工程にて毛細管現象により前記インキ溜め部にインキを流し込む毛管部が形成されており、前記インキング工程にて、前記凸部と前記インキ溜め部の両方にインキを供給し、前記転写工程にて、前記凸部と前記インキ溜め部のインキを前記凸部と前記被印刷物の接触を通じて前記被印刷物に転写することを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、本発明の一態様である印刷方法を用いて形成したパターニング膜を持つ電子デバイスである。
本発明の態様によれば、凸部の周囲にインキを保持するインキ溜め部を作り、さらに凸部パターン形状に毛細管現象によってインキをインキ溜め部に供給する毛管部を付与することで、凸部とインキ溜め部にインキ供給を行い、凸部とインキ溜め部のインキを凸部と被印刷物(例えば基板)の接触により被印刷物へ転写するという印刷法が可能である。
さらに凸部パターンの毛管部の数や形状や寸法に応じて凸部底に供給するインキ量を可変させることが可能であり、凸部底に供給するインキ量に応じた基板へのインキ転写量の制御が可能である。尚、凸部で形成するパターン形状に毛管部を設ける場合、凸部パターンは欠けた形状となるが、基板へ転写後の印刷ラインは凸部底からのインキ転写を伴うことで直線状の良好なラインを得られる。
このように、本発明の態様によれば、インキング工程におけるインキ供給先を凸部上と凸部底のインキ溜め部とし、インキ溜め部への供給インキ量を毛管部の設計により制御することで、基板に転写するインキ供給量を制御することができる。
例えば、同一線幅で異なる膜厚の印刷を同時に実現すること、凸部の寸法に依存しないインキ量を基板に転移することといった印刷を実現することができ、電子デバイスの製造への活用が可能となる。また、数cpといった低粘度インキの印刷においても、インキ溜め部と毛管部の活用により制御されたインキ溜め部へのインキ供給を得ることで、均一な印刷を実現することができ、電子デバイスの製造への活用が可能となる。
本発明に係る実施形態の印刷装置の一例を示す説明図である。 従来の凸版印刷法に用いる印刷版の概略図である。 従来の凸版印刷法に用いる印刷版の概略図である。 従来の凸版印刷法における転写の説明図である。 本発明に係る実施形態の印刷法に用いる印刷版の一例を示す概略図である。 本発明に係る実施形態の印刷法に用いる印刷版の一例を示す概略図である。 本発明に係る実施形態の印刷法に用いる印刷版の一例における転写の説明図である。 本発明に係る実施形態の印刷法に用いる印刷版の一例を示す上面図である。 本発明に係る実施形態の印刷法の用いる印刷版の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、ここでは、図1に示す凸版印刷装置に本発明を適用した場合に基づいて説明する。ただし、本発明が適応される印刷装置構成はこれに限定されるものではなく、例えば被印刷基板はフィルムなどでも良く、また印刷版へのインク転写工程の装置構成や基板搬送に関わる装置構成は既知の各種方式の採用が可能である。
図1に示す凸版印刷装置100は、インキタンク102、インキチャンバ103、アニロックスロール104、凸版が設けられた印刷版106がマウントされた版胴107を有している。インキタンク102には、塗布インキ105が収容されており、インキチャンバ103には、インキタンク102より塗布インキ105を送り込むことができる。アニロックスロール104は、インキチャンバ103の塗布液供給部に接して回転可能に支持されている。塗布液供給部は、インキを溜まりにアニロックスロールが浸かるインキ壷、又はアニロックスロール上にインキを吐出するダイコーターを用いることが出来る。
そして、アニロックスロール104の回転に伴い、アニロックスロール104の表面に供給された塗布インキ105は、均一なインキ量にて形成される。この塗布インキ105は、アニロックスロール104に近接して回転駆動される版胴107にマウントされた印刷版106の凸部と接触し、印刷版106に転移される。
移動定盤108には、被印刷基板101が印刷版106の凸部による印刷版接触位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、印刷版106に転移された塗布インキ105は、被印刷基板101と印刷版106の凸部との接触により、被印刷物を構成する被印刷基板101に対して転写される。印刷版106について本発明の印刷版を用いることで本発明の印刷法を利用することが出来る。
図2〜図4を用いて従来の印刷版及び印刷法について説明する。その後、図5〜図9を用いて本発明に基づき実施形態の印刷版及び印刷法について説明する。なお、説明に際して、印刷版の被印刷物に転写する転写パターンの形状については、一例として直線状のストライプパターンの転写を想定した図を用いている。
図2は従来の凸版印刷法に用いる印刷版200の模式図の一例である。図2(a)は従来の印刷版200の断面図であり、図2(b)は従来の印刷版200の上面図である。従来の印刷版200は版基材201上に、転写したいパターン形状に合わせて形成された凸部203を持つ構成となっている。版基材201の凸部203側の表面には、インキへの溶出や溶媒による膨張・収縮を防ぐため版上耐溶剤層202を設けるといった構成とすることがより望ましい。
図3に従来の凸版印刷法に用いる印刷版200にインキを転写した場合の概略図を示す。印刷版200に転写された版上インキ204は凸部203の先端部上に保持されることとなる。
図4に従来の凸版印刷法を用いた印刷版200から被印刷基板205へのインキ転写についての説明図を示す。図4(a)は凸部203と被印刷基板205が接触する前の状態である。図4(b)は凸部203と被印刷基板205が接触した状態の説明図である。この時、版上インキ204の一部が凸部203の側面に回りこむという現象が生じる。図4(c)は凸部203と被印刷基板205の接触が終わり、被印刷基板205へ基板上転写インキ206が転写された様子を示した説明図である。版上インキ204の一部が転写されて基板上転写インキ206が形成されることとなる。
次に、本実施形態の印刷版及び印刷法について説明する。図5は本実施形態の印刷法に用いる印刷版300の模式図の一例である。図5(a)は本実施形態の印刷版300の断面図であり、図5(b)は本実施形態の印刷版300の上面図である。本実施形態の印刷版300は、版基材301上に転写したいパターン形状に合わせて形成された第1凸部303を持つ。第1凸部303はパターンの両側面に周期的配置で三角形にパターン抜きされた溝形状から成る毛管部306を持っており、版へのインキ転写時に毛管部306を通じて版底にインキが供給される構造となっている。毛管部306の単位長あたりの数、大きさ、形状などを変えることで、版へのインキ転写時に版底へ供給するインキ量を調整することができる。第1凸部303近郊の底部における第1凸部303の両側に、版底へ供給されたインキを保持するインキ溜め部305が形成されている。インキ溜め部305は、例えば、第1凸部303より低い第2凸部304を形成することで、第1凸部303と第2凸部304の間の溝として成るといった構造をとることができる。版基材301の第1凸部303側の表面には、インキへの溶出や溶媒による膨張・収縮を防ぐため版上耐溶剤層302を設けるといった構成とすることがより望ましい。
ここで、毛管部306及びインキ溜め部305は、第1凸部303の片側側方にだけ形成しても良い。
図6に本実施形態の印刷法に用いる印刷版300の一例として図5に記載の印刷版300に、インキを転写した場合の概略図を示す。印刷版300の第1凸部303とインキの接触により、版上インキ307が第1凸部303上に保持される。またその際、図6には図示していない毛管部306を通じて版底側にインキが供給され、インキ溜め部305に版底インキ308が保持されることとなる。
図7に図5で記載の本実施形態の印刷版の一例に基づいて、本実施形態の印刷法を用いた印刷版300から被印刷基板309へのインキ転写についての概略図を示す。図7(a)は第1凸部303と被印刷基板309が接触する前の状態である。第1凸部303上に保持された版上インキ307とインキ溜め部305に保持された版底インキ308が印刷版に保持された状態となっている。図7(b)は第1凸部303と被印刷基板309が接触した状態の概略図である。この時、版上インキ307の一部が第1凸部303の側面に回りこみ、版底インキ308と版上インキ307が第1凸部303の側面にて接触し、一体化して基板への転写に寄与するようになる。図7(c)は凸部303と被印刷基板309の接触が終わり、被印刷基板309へ基板上転写インキ310が転写された様子を示した概略図である。版上インキ307と版底インキ308の一部が転写されて基板上転写インキ310が形成されることとなる。
なお、ここまで本実施形態の印刷版の一例として図5に基づいて説明を行ったが、毛管部306の形状や、インキ溜め部305の構成や形状についてはこの限りではなく、毛管部306はインキを版底に安定的に供給することが出来ればよく、インキ溜め部305は版底に供給されたインキを基板への転写に活用できる構成となっていればよい。例えば、毛管部306は図8に示したようにパターン抜き形状が三角、四角、丸、台形など任意の溝形状で構わない。
また、基板に転写するパターン形状を分割して各種形状のドットの集まりで形成し、その各ドッドを第1凸部303でそれぞれ形成することで、各第1凸部303が構成されており、凸部303を構成するドットとドットの間部(第1凸部303間の隙間)がインキ溜め部305にインキを供給する役割を持った毛管部306となるような構成でも良い。
インキ溜め部305の構成についても、図9(a)に示したように、例えば版基材301を構成する層に窪み加工することでインキ溜め部305を作成するという方法も可能である。また、図9(b)に示すように、第1凸部303の下に、第1凸部303よりも面積が大きな凸部下段311を設けることで、凸部下段311の表面上に表面張力によりインキが保持され、インキ溜め部305となるといった構成でも構わない。
印刷版300の第1凸部303を転写させたい形状にパターニングするために、第1凸部303は感光性樹脂であることが好ましい。感光性樹脂の凸版は、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがあるが、溶剤現像タイプのものは水系のインキに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインキに耐性を示す。塗布するインキの特性に従い、溶剤現像タイプ、水現像タイプを好適に選ぶことができる。また第2凸部304についても形成する際パターニングが必要であり、感光性樹脂であることが好ましい。
本実施形態の印刷版300の作成方法は、版基材301上に塗布された感光性樹脂をフォトリソグラフィー法により第1凸部303や第2凸部304を形成するといった方法が可能である。また、パターンマスキングとドライエッチングを使用する方法や、パターンを形成した型を押し当てて作成するインプリント法などを利用することもできる。なお、印刷版300の形成法についてはこの限りではない。
「実施例1」
同一基板面内に同一の線幅にて複数の膜厚を同時に形成する場合の実施例について示す。
耐溶剤層を表面に形成した版基材上に感光性樹脂をダイコート法にて均一に塗布した。
まず、フォトリソグラフィー法により感光性樹脂のパターニングを行い、インキ溜め部を構成するために第2凸部を形成する。続いて、再び感光性樹脂をダイコート法にて均一に塗布し、フォトリソグラフィー法により転写パターンとなる第1凸部を形成する。
第1凸部の厚みは45μmであり、第2凸部の膜厚は25μmとして形成した。第1凸部はストライプ形状が周期的に配置されるように形成しており、2種類のストライプを交互に配置した。ストライプの配置周期は180μmで、100mm×200mmの領域に周期的にストライプを配置した。
1種類目のストライプは第1凸部のみで構成され、通常のストライプ形状である。第1凸部の幅は70μmとした。2種類目のストライプは第1凸部と第2凸部からなる構成となっており、第1凸部の幅を62μmとし、第1凸部のストライプ形状中に毛管部として、1辺の長さが15μmの正三角形の切り抜きが両側面に周期的配置した形状とした。毛管部の周期は70μmとした。第一凸部の両側に間隔20μm離した部分に第2凸部を形成しており、その幅は79μmとした。
このように形成した印刷版を印刷装置の版胴に固定した。次に、印刷インキとして有機発光インキをインキングユニット内タンクに供給し、アニロックスロールを回転させることでアニロックスロール全面にインキングした。使用したインキの粘度は45cpであった。
アニロックスロールは600ライン/インチのアニロックスロールを使用した。その後、アニロックスロール上の余剰インキをドクターで掻き取り、印刷版の第1凸部とアニロックスロールのインキとの接触により、印刷版にインキングを行った。
インキングされた印刷版上のインキを、第1凸部と被印刷基板の接触により被印刷基板に転写してストライプラインの印刷膜を形成する。その後、印刷膜の乾燥を行った。
そのようにして作成した印刷膜について、接触膜厚計による膜厚評価と、顕微観察による線幅評価を20mm×100mmの面内で9点について行った。その結果、印刷版の1種類目のストライプパターンに対応する印刷膜は、線幅平均値74.1μm、線幅レンジ1.4μm、標準偏差0.47μmとなり、膜厚平均値44.8nm、膜厚レンジ5.5nm、標準偏差1.9nmとなった。続いて、2種類目のストライプパターンに対応する印刷膜は、線幅平均値73.9μm、線幅レンジ1.2μm、標準偏差0.39μmとなり、膜厚平均値63,7nm、膜厚レンジ6.5nm、標準偏差2.3nmとなった。
ほぼ同一の平均線幅に対して、平均膜厚が40%異なる印刷結果を同時に得ることができている。また、ムラも無く良好な結果となった。
「実施例2」
溶媒と同等粘度の低粘度インキを、本実施形態の印刷法にて印刷した場合の実施例を示す。
耐溶剤層を表面に形成した版基材上に感光性樹脂をダイコート法にて均一に塗布した。
まず、フォトリソグラフィー法により感光性樹脂のパターニングを行い、インキ溜め部を構成するために第2凸部を形成する。続いて、再び感光性樹脂をダイコート法にて均一に塗布し、フォトリソグラフィー法により転写パターンとなる第1凸部を形成する。
第1凸部の厚みは45μmであり、第2凸部の膜厚は25μmとして形成した。第1凸部はストライプ形状が周期的に配置されるように形成した。ストライプの配置周期は180μmで、100mm×200mmの領域に周期的にストライプを配置した。
第1凸部の幅を50μmとし、第1凸部のストライプ形状中に毛管部として、1辺の長さが15μmの正三角形の切り抜きが両側面に周期的配置した形状とした。毛管部の周期は50μmとした。第一凸部の両側に間隔20μm離した部分に第2凸部を形成しており幅90μmとした。
このように形成した印刷版を印刷装置の版胴に固定した。次に、印刷インキとして低分子有機発光材料を溶解させたインキを利用し、インキングユニット内タンクに供給した。使用した印刷インキの粘度は2.4cpであった。
アニロックスロールを回転させることでアニロックスロール全面にインキングした。
アニロックスロールは600ライン/インチのアニロックスロールを使用した。その後、アニロックスロール上の余剰インキをドクターで掻き取り、印刷版の第1凸部とアニロックスロールのインキとの接触により、印刷版にインキングを行った。
インキングされた印刷版上のインキを、第一凸部と被印刷基板の接触により被印刷基板に転写してストライプラインの印刷膜を形成する。その後、印刷膜の乾燥を行った。
そのようにして作成した印刷膜について、接触膜厚計による膜厚評価と、顕微観察による線幅評価を20mm×100mmの面内で9点について行った。その結果、印刷膜は、線幅平均値63.6μm、線幅レンジ2.2μm、標準偏差0.77μmとなり、膜厚平均値75.5nm、膜厚レンジ5.5nm、標準偏差1.9nmとなった。
数cpのインキにおいても面内9点膜厚レンジが5.5nmで、また目視による印刷ムラの無い良好なストライプラインを印刷することができている。
「比較例1」
溶媒と同等粘度の低粘度インキを、従来の印刷法にて印刷した場合について示す。
耐溶剤層を表面に形成した版基材上に感光性樹脂をダイコート法にて均一に塗布した。
フォトリソグラフィー法により感光性樹脂のパターニングを行い、転写パターンとなる凸部を形成する。
凸部の厚みは45μmでありストライプ形状が周期的に配置されるように形成した。ストライプの配置周期は180μmで、100mm×200mmの領域に周期的にストライプを配置した。
凸部の幅を50μmとし、通常のストライプパターンとした。
このように形成した印刷版を印刷装置の版胴に固定した。次に、印刷インキとして低分子有機発光材料を溶解させたインキを利用し、インキングユニット内タンクに供給した。使用した印刷インキの粘度は2.4cpであった。
アニロックスロールを回転させることでアニロックスロール全面にインキングした。
アニロックスロールは600ライン/インチのアニロックスロールを使用した。その後、アニロックスロール上の余剰インキをドクターで掻き取り、印刷版の第1凸部とアニロックスロールのインキとの接触により、印刷版にインキングを行った。
インキングされた印刷版上のインキを、第1凸部と被印刷基板の接触により被印刷基板に転写してストライプラインの印刷膜を形成する。その後、印刷膜の乾燥を行った。
そのようにして作成した印刷膜について、接触膜厚計による膜厚評価と、顕微観察による線幅評価を20mm×100mmの面内で9点について行った。その結果、印刷膜は、線幅平均値51.3μm、線幅レンジ16.2μm、標準偏差6.22μmとなり、膜厚平均値55.5nm、膜厚レンジ35.0nm、標準偏差12.2nmとなった。
数cpのインキにおいても面内9点膜厚レンジが35.0nmと大きなバラツキのある結果となった。また、面内のいたるところで印刷ムラが生じている。原因としては、印刷版側を観察すると、不定期に凸部の底にインキが濡れあがっており、印刷版への転写時に凸部上に保持されるインキ量にバラツキが生じていることが確認された。
Figure 2015223813
Figure 2015223813

100:凸版印刷装置
101:被印刷基板
102:インキタンク
103:インキチャンバ
104:アニロックスロール
105:塗布インキ
106:印刷版
107:版胴
108:移動定盤
200:印刷版
201:版基材
202:版上耐溶剤層
203:凸部
204:版上インキ
205:被印刷基板
206:基板上転写インキ
300:印刷版
301:版基材
302:版上耐溶剤層
303:第1凸部
304:第2凸部
305:インキ溜め部
306:毛管部
307:版上インキ
308:版底インキ
309:被印刷基板
310:基板上転写インキ
311:凸部下部

Claims (14)

  1. 樹脂によって形成された凸部を有し、前記凸部とインキが接触することでインキが転写され、前記凸部を被印刷物に接触させることでインキを前記被印刷物に転写する印刷版であって、
    前記凸部の周りに形成されてインキを保持可能なインキ溜め部と、
    毛細管現象によって前記凸部から前記インキ溜め部にインキを流し込む毛管部と、を備えることを特徴とする印刷版。
  2. 前記凸部を第1凸部と呼んだ場合に、前記第1凸部よりも低い第2凸部を備え、前記第1凸部と前記第2凸部との間の凹部が、前記インキ溜め部を構成することを特徴とする請求項1に記載した印刷版。
  3. 前記インキ溜め部が、前記凸部底の両側の少なくとも1方に窪みとして形成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷版。
  4. 前記凸部は、下側の下段凸部の上に上段凸部が形成された構造となっており、下段凸部の横断面積は、上段凸部の横断面積よりも広く、
    前記インキ溜め部は、上段凸部の底面に当たる下段凸部の上面部で形成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷版。
  5. 前記毛管部は、前記凸部の側面に前記凸部の突出方向に沿った方向に延びる溝からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷版。
  6. 前記被印刷物に転写するパターンの形状を、前記凸部の集まりで形成し、前記凸部間の隙間を前記毛管部とすることを特徴とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷版。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷版を使用した印刷装置。
  8. 樹脂によって形成された凸部を有する印刷版を用い、前記凸部とインキを接触させることで前記印刷版にインキを転移するインキング工程と、前記凸部と被印刷物を接触させることによりインキを前記被印刷物に転写する転写工程と、を含む印刷法において、
    前記印刷版には、前記凸部周りにインキを保持することの出来るインキ溜め部が形成され、且つ前記インキング工程にて毛細管現象により前記インキ溜め部にインキを流し込む毛管部が形成されており、
    前記インキング工程にて、前記凸部と前記インキ溜め部の両方にインキを供給し、
    前記転写工程にて、前記凸部と前記インキ溜め部のインキを前記凸部と前記被印刷物の接触を通じて前記被印刷物に転写することを特徴とする印刷法。
  9. 前記印刷版には、前記インキング工程にてインキと接触し転写工程にて被印刷物と接触する第1凸部と、前記第1凸部よりも高さが低く、前記インキング工程にてインキと接触せず前記転写工程にて被印刷物と接触しない第2凸部とが形成されており、
    前記第2凸部が前記第1凸部と間隔を空けて前記第1凸部の側方に配置され、前記インキ溜め部が、第1凸部と第2凸部との間の溝から構成されることを特徴とする請求項8に記載の印刷法。
  10. 前記インキ溜め部が、前記凸部底の両側に窪みとして形成されることを特徴とする請求項8に記載の印刷法。
  11. 前記印刷版の凸部が、下側の下段凸部の上に上段凸部が形成された二段凸形状となっており、下段凸部の横断面積は上段凸部の横断面積よりも広い面積を持った構成となっており、前記インキ溜め部が、上段凸部の底面に当たる下段凸部の上面部で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の印刷法。
  12. 前記毛管部が、凸部の側面に前記凸部の突出方向に沿った方向に延びる溝からなることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の印刷法。
  13. 前記被印刷物に転写するパターンの形状を、前記凸部の集まりで形成し、前記凸部間の隙間を前記毛管部とすることを特徴とした請求項8〜11のいずれか1項に記載の印刷法。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の印刷法を用いて形成したパターニング膜を持つ電子デバイス。
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