JP2016214775A - 行動推定装置、行動推定方法、およびプログラム - Google Patents

行動推定装置、行動推定方法、およびプログラム Download PDF

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孔司 ▲桜▼田
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Abstract

【課題】ユーザが生活習慣を容易に把握することが可能な、新規かつ改良された行動推定装置を提供する。
【解決手段】生体の体重を含む身体データを時系列に記憶する記憶部と、上記記憶部に記憶された上記身体データに基づいて単位周期ごとの上記生体の周期身体データを算出する周期身体データ算出部152と、連続する2つの上記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、上記比較の結果に基づいて上記生体によるエネルギーの消費行動を含む上記生体の生活習慣を推定する推定部153と、を備える、行動推定装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、行動推定装置、行動推定方法、およびプログラムに関する。
近年、高血圧症や糖尿病等の生活習慣病の患者が増加傾向にある。それに応じて、生活習慣病を起因とする死亡者数の増加や医療費負担の増大が問題となっている。そのため、生活習慣病を予防し健康状態を管理することが重要である。
健康状態を管理するため、日常的な生活習慣等を把握することが求められている。その要求に応じて、近年、生活習慣等を把握するための技術の開発が進められている。例えば、下記特許文献1では、ユーザが装着した加速度センサにより取得される生体の運動状態を検出し、検出された運動状態に基づいてエネルギーの消費量を算出する技術が開示されている。また、下記特許文献2では、食事を撮像し、専門家に撮像画像を送信することにより、専門家により算出されたエネルギーの摂取量および生活習慣に関するアドバイスを取得することができる技術が開示されている。
特開平8−131425号公報 特開2003−122853号公報
上記特許文献1に開示されている技術では、「立つ」「座る」等のユーザの運動状態を検出するために、ユーザは加速度センサを所定の位置および方向に装着する必要があった。そのため、正しい位置および方向に加速度センサを装着することがユーザにとって負担となっていた。また、上記特許文献2に開示されている技術では、食事の画像を食事ごとに撮像して、専門家に送信する必要がある。そのため、上記の撮像処理および送信処理が、ユーザにとって負担となっていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザが生活習慣を容易に把握することが可能な、新規かつ改良された行動推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、生体の体重を含む身体データを時系列に記憶する記憶部と、上記記憶部に記憶された上記身体データに基づいて単位周期ごとの上記生体の周期身体データを算出する周期身体データ算出部と、連続する2つの上記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、上記比較の結果に基づいて上記生体によるエネルギーの消費行動を含む上記生体の生活習慣を推定する推定部と、を備える、行動推定装置が提供される。
上記推定部は、上記生体によるエネルギーの摂取行動を含む上記生体の生活習慣を推定してもよい。
上記推定部は、上記データ対に含まれる上記連続する2つの上記周期身体データの差を各データ対について算出し、算出された複数の上記差の関係に基づいて上記生体の上記生活習慣を推定してもよい。
上記推定部は、上記連続する2つの上記周期身体データを変数とする二次元の座標を上記データ対の座標として二次元平面に表現し、複数の上記データ対の座標を表現する点群の近似直線を用いて上記生体の上記生活習慣に関する指標の値を推定してもよい。
上記推定部は、上記近似直線の傾きに基づいて上記生体の上記消費行動によるエネルギー消費量を推定してもよい。
上記推定部は、上記データ対に含まれる上記連続する2つの上記周期身体データの示す値が同一である場合の上記データ対の座標の集合を上記二次元平面において表現する直線と上記近似直線との交点、および、推定された上記エネルギー消費量に基づいて上記生体の上記摂取行動によるエネルギー摂取量を推定してもよい。
上記推定部は、上記各データ対を表現する上記点群の密集度、または上記点群と上記近似直線との乖離の程度のいずれかに基づいて、上記生体の生活習慣安定度を推定してもよい。
上記推定部は、上記点群の密集度が第1の閾値より大きい場合、上記生体の体重、および、上記生体の身長、年齢、または性別の少なくともいずれかを含む上記生体の上記身体データに基づいて上記生体の上記生活習慣を推定してもよい。
上記行動推定装置は、上記推定部による推定結果を含む上記生体の上記生活習慣に関する情報を出力する制御を行う出力制御部をさらに備え、上記乖離の程度が第2の閾値より大きい場合、上記出力制御部は、上記推定部により推定された上記指標の値を含まないで上記生体の上記生活習慣に関する情報の出力する制御を行ってもよい。
上記推定部は、上記生体の上記身体データに含まれる体脂肪率に基づいて上記生体の上記生活習慣を推定してもよい。
上記周期身体データ算出部は、上記記憶部に記憶された上記身体データを補間することにより得られる補間データを用いて上記生体の上記周期身体データを算出してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、生体の体重を含む身体データを時系列に記憶するステップと、記憶された上記身体データに基づいて単位周期ごとの上記生体の周期身体データを算出するステップと、連続する2つの上記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、上記比較の結果に基づいて上記生体によるエネルギーの消費行動を含む上記生体の生活習慣を推定するステップと、を含む、行動推定方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、生体の体重を含む身体データを時系列に記憶する記憶部と、上記記憶部に記憶された上記身体データに基づいて単位周期ごとの上記生体の周期身体データを算出する周期身体データ算出部と、連続する2つの上記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、上記比較の結果に基づいて上記生体によるエネルギーの消費行動を含む上記生体の生活習慣を推定する推定部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、ユーザが生活習慣を容易に把握することが可能である。
本発明の一実施形態に係る行動推定システムの概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る行動推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る行動推定装置の制御部の有する構成を示すブロック図である。 ユーザの体重の時系列変化および周期体重データの算出方法の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る推定部の処理フローを示すフローチャートである。 連続する2つの周期体重データからなるデータ対を二次元平面に表現した図である。 本発明の一実施形態に係る推定部による生活習慣に関する各指標の推定処理の流れを示すフローチャートである。 C=1と判定される場合の差分表示点の分布の一例を示す図である。 複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第1の例を示す。 複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第2の例を示す。 複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第3の例を示す。 複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第4の例を示す。 周期体重データの時間変化および周期体重データを近似する近似曲線のグラフを示す図である。 本発明の一実施形態に係る出力制御部による第1の出力例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る出力制御部による第2の出力例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る出力制御部による第3の出力例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る出力制御部による第4の出力例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る出力制御部による第5の出力例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る行動推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る行動推定装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.行動推定システムの概要>
本発明の一実施形態に係る行動推定システム1は、ユーザの体重データを蓄積し、蓄積された体重データから単位周期ごとの周期体重データを算出し、算出された周期体重データからユーザによるエネルギーの摂取行動および消費行動を推定するものである。これにより、ユーザは体重を計測し記録するだけで日常の生活習慣を把握することができる。ここで、摂取行動とは、例えば、食事などのエネルギーの摂取に関する行動を指し、消費行動とは、例えば、身体活動などのエネルギーの消費に関する行動を指す。例えば、本実施形態に係る行動推定システム1は、ユーザが食事量を抑制し、かつ身体活動を増加させる行動を維持した場合に、ある区間におけるユーザの体重の変化から、どの程度エネルギー摂取量を減らすことができたか、または、どの程度エネルギー消費量を増やすことができたかを把握することができる。これにより、例えば、ユーザが医者や管理栄養士等から生活習慣に関する指導を受けている場合、ユーザは、体重を計測し記録するだけで、指導の効果を確認することができる。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る行動推定システム1の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る行動推定システム1の概要を示す図である。図1を参照すると、行動推定システム1は、体重計2、および行動推定装置10を備える。体重計2は、ユーザPの体重を含む身体データを測定する装置である。体重計2は、例えば、体脂肪率や体組成を測定する機能を有してもよい。なお、身体データには、ユーザPの体脂肪率や、筋肉量や骨量などの体組成等が含まれてもよい。さらに、身体データには、ユーザPの身長、年齢、または性別が含まれてもよい。体重計2は、無線または有線により行動推定装置10と接続されてもよく、体重計2が測定したユーザPの体重を身体データの一部として行動推定装置10に送信してもよい。このとき、体重計2は、ユーザPの体重を測定した時刻を、上述した身体データに付して送信してもよい。これにより、後述する行動推定装置10の記憶部120は、測定した身体データを時刻とひも付けて記憶することが可能である。
行動推定装置10は、ユーザPの身体データを蓄積し、蓄積された身体データから単位周期ごとの周期身体データを算出し、算出された周期身体データからユーザPのエネルギーの摂取行動および消費行動を推定する装置である。周期身体データには、例えば、単位周期ごとの周期体重データが含まれてもよい。行動推定装置10は、ハードウェア端末で構成され、例えば、行動推定装置10は、ディスプレイ端末、ゲーム端末、パーソナルコンピュータ、またはタブレット等であってもよい。行動推定装置10は、処理回路と、通信装置と、入力装置と、出力装置とを含み得る。例えば、行動推定装置10は、通信装置または入力装置により体重計2により計測された体重データを取得し、処理回路により取得した体重データに基づいてユーザPのエネルギーの摂取行動および消費行動を推定し、出力装置により推定結果を出力してもよい。
ここで、特開平8−131425号公報においては、ユーザが装着した加速度センサにより取得される生体の運動状態を検出し、検出された運動状態に基づいてエネルギーの消費量を算出する技術が開示されている。しかし、「立つ」「座る」等のユーザの運動状態を検出するために、ユーザは加速度センサを所定の位置および方向に装着する必要があった。そのため、ユーザにとって正しい位置および方向に加速度センサを装着することが負担となっていた。また、歩行の際の上下方向の動きに対する加速度の変化パタンでは、「歩く」を「立つ」「座る」と誤って検出してしまう可能性が高く、また、斜面や階段などの地形の変化によってエネルギーの消費率が異なるので、正確なエネルギーの消費量の計算が困難であった。
また、特開2003−122853号公報においては、食事を撮像し、専門家に撮像画像を送信することにより、専門家により算出されたエネルギーの摂取量および生活習慣に関するアドバイスを取得することができる技術が開示されている。しかし、ユーザが食事を撮像し、専門家に撮像画像を送信する手間が生じるため、ユーザにとって負担が大きい。また、摂取エネルギーの算出や生活習慣の把握についても専門家による高度な技能が必要となっているので、ユーザにとって、専門家により提供されるサービスにかかるコストが大きな負担となっている。
そこで、上記事情を一着眼点にし、行動推定装置10を創作するに至った。例えば、ユーザが健康の改善のために、エネルギーの摂取量を抑制し、消費量を増加させる行動を続けているとする。このとき、本願の発明者は、上述した生活習慣に係る行動を持続した場合に、連続する所定周期ごとの体重を比較すると、複数の比較結果の間において所定の関係を示すことを見出した。すなわち、本願の発明者は、所定周期ごとの体重の変化を比較することにより、生活習慣の指標となるエネルギーの摂取行動や消費行動を推定することが可能な行動推定装置10を創作した。本発明にかかる行動推定装置10により、ユーザの生活習慣を容易に把握することが可能である。以下、本実施形態の行動推定装置10について説明する。
<2.行動推定装置の構成例>
図2は、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、行動推定装置10は、通信部110、記憶部120、入力部130、出力部140、および制御部150を含む。
通信部110は、行動推定装置10が備える通信手段であり、ネットワークNWを介して(あるいは直接的に)、外部装置と無線または有線により各種通信を行う。例えば、図2を参照すると、通信部110は、体重計2と直接的に通信を行ってもよい。具体的には、通信部110は、体重計2と無線または有線により接続されている場合、体重計2からユーザが計測した体重データを受信し、制御部150に受信した体重データを提供してもよい。また、通信部110は、体重計2以外の外部装置と通信を行ってもよい。例えば、通信部110は、外部装置から受信した情報を制御部150に提供してもよいし、制御部150から取得した情報を外部装置に送信してもよい。
記憶部120は、行動推定装置10が備える記憶手段であり、各種データを記憶する。記憶部120は、制御部150が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、制御部150が行う処理において使用するプログラムや、その処理において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。例えば、記憶部120は、体重計2から取得した体重データを時系列に記憶してもよい。また、記憶部120は、後述する制御部150の有する各機能部により得られたデータ等を記憶してもよい。また、記憶部120に記憶されたデータが制御部150により呼び出されてもよい。
入力部130は、行動推定装置10が備える入力手段であり、ユーザからの入力操作を取得する。また、入力部130は、取得した入力操作を制御部150に出力する。例えば、入力部130は、ユーザの入力により、身体データ、生活習慣の推定区間、および生活習慣の基準値を取得してもよい。なお、推定区間、および基準値については後述する。これにより、制御部150はユーザの生活習慣の推定に必要なデータを取得することができる。入力部130は、行動推定装置10が有するボタンやタッチパネル等の入力装置により実現される。また、図2に示した例では入力部130は行動推定装置10に含まれているが、入力部130は行動推定装置10の外部において実現されてもよい。この場合、通信部110が、ユーザの入力操作を示す情報を当該外部装置から受信する。
出力部140は、行動推定装置10が備える出力手段であり、ユーザに対して情報を出力する。また、出力部140は、制御部150による制御に従って、各種情報の出力を行う。例えば、出力部140は、制御部150によって推定された推定結果を取得してもよい。これにより、出力部140は推定結果をユーザに出力することができる。出力部140は、行動推定装置10が有するディスプレイまたはスピーカ等の出力装置により実現される。また、図2に示した例では出力部140は行動推定装置10に含まれているが、出力部140は行動推定装置10の外部において実現されてもよい。この場合、通信部110が、出力のための制御情報を当該外部装置に送信する。なお、出力部140は、入力部130と一体となって構成されるタッチパネル等により実現されてもよい。
制御部150は、通信部110、記憶部120、入力部130、および出力部140、並びに、行動推定装置10の有するその他の機能部の動作制御等を行う。より具体的には、制御部150は、通信部110、記憶部120、および/または入力部130から得られた各種情報に基づき処理を実行し、処理結果を通信部110、記憶部120、および/または出力部140に出力する。制御部150は、行動推定装置10に含まれるCPU(Central Processing Unit)等の処理回路によって実現される。
<3.推定処理例>
続いて、行動推定装置10による推定処理について説明する。本実施形態においては、行動推定装置10による推定処理は、制御部150に含まれる各機能部により実現される。図3は、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10の制御部150の有する構成を示すブロック図である。図3を参照すると、制御部150は、取得部151、周期身体データ算出部152、推定部153、および出力制御部154を含み得る。
(取得部)
取得部151は、記憶部120に蓄積された体重データを含む身体データを取得する機能を含む。例えば、取得部151は、記憶部120に蓄積された過去および現在の身体データを、時系列にひも付けて取得してもよい。これにより、後述する周期身体データ算出部152において、周期身体データの算出を行うことが可能となる。取得する身体データの対象期間は特に限定されないが、行動推定装置10が後述する推定部153においてユーザの生活習慣を推定するのに必要な期間が好ましく、例えば、単位周期を1週間とすると、5週間〜10週間程度が好ましい。取得部151は、上述した区間を、ユーザの生活習慣を推定するための推定区間として取得してもよい。ここで、本明細書において推定区間とは、ユーザの生活習慣を推定するために用いる身体データの取得範囲を意味する。なお、単位周期および推定区間は、ユーザによる生活習慣に係る行動を持続する期間の大きさに応じて自由に設定されてもよい。例えば、本実施形態においては、単位区間は1週間、および推定区間は5週間〜10週間程度としたが、より短期間における行動による効果を把握したい場合は、単位区間は1日、および推定区間は1週間としてもよい。
図4は、ユーザの体重の時系列変化および周期体重データの算出方法の例を示すグラフである。図4を参照すると、グラフG1は、横軸に時間t(単位:週)、および縦軸に体重w(単位:kg)を取るグラフである。グラフG1において、黒塗りの点はユーザの体重データの実測値を示し、白抜きの点は周期身体データ算出部152により算出された周期体重データである。また、曲線DCは、体重データの実測値に基づいて算出される補間曲線である。なお、各点の近傍に付されたw(n)は、n週目の体重wを意味する。
図4を参照すると、1週目から5週目までと、5週目から10週目までの体重の変化の傾向が異なっていることが示されている。つまり、グラフG1において、ユーザの生活習慣は5週目を境に変化していることが分かる。ここで、1週目から5週目までの生活習慣を生活習慣1、および、5週目から10週目までの生活習慣を生活習慣2とする。ユーザは、生活習慣1においては一定の体重を保っているが、生活習慣2においては体重が減少していることが分かる。つまり、5週目においてユーザの生活習慣が変化したと考えられる。そのため、例えば、取得部151は、ユーザの入力操作により、5週目以前の区間、または5週目以降の区間を推定区間として設定してもよい。これにより、設定した推定区間内における生活習慣の推定結果を得ることができる。また、取得部151は、過去の身体データの履歴に基づいて、推定区間を設定してもよい。これにより、ユーザが入力しなくても、自動的に推定区間を設定することができる。なお、推定区間の大きさは、上述したように特に限定されず、例えば、ユーザの健康状態の改善の効果を確認するのに必要な期間等であってもよい。より具体的には、推定区間の大きさは、数週間から1か月、または半年等、自由に設定されてもよい。
また、取得部151は、上述した推定区間における摂取量および消費量の基準値を設定してもよい。ここで、基準値とは、例えば、推定区間において生活習慣により変化し得るエネルギー摂取量および消費量について基準として比較するために用いられるエネルギー摂取量および消費量の値である。例えば、取得部151は、上記のような推定区間の始点におけるユーザのエネルギーの摂取量および消費量を、基準値として設定してもよい。これにより、推定区間において変化し得る摂取量および消費量を、生活習慣に係る行動の開始時と比較することができる。また、例えば、取得部151は、ユーザの入力操作により、基準値を設定してもよい。これにより、ユーザは、複数の時点における生活習慣の変化を比較することが可能である。また、取得部151は、過去の身体データの履歴に基づいて、基準値を設定してもよい。これにより、ユーザが入力しなくても、自動的に基準値を設定することができる。また、基準値には、ユーザが現在の生活習慣に係る行動の持続を開始しようとする時点における体重が含まれていてもよい。これにより、体重の変化についても比較することが可能である。
なお、上述した推定区間および基準値が、先に行われた推定処理において既に設定されている場合は、取得部151は再度推定区間および基準値を取得しなくてもよい。取得部151が取得した身体データ、推定区間および基準値は、周期身体データ算出部152に出力される。
(周期身体データ算出部)
周期身体データ算出部152は、取得部151が取得した身体データに基づいて、単位周期ごとの周期身体データを算出する機能を含む。例えば、周期身体データ算出部152は、取得部151が取得した体重データに基づいて、単位周期ごとの周期体重データを算出してもよい。より具体的には、周期身体データ算出部152は、身体データを補間することにより得られる補間曲線等の補間データを用いて、周期身体データを算出してもよい。周期身体データ算出部152が単位周期ごとの周期体重データを算出することにより、後述する推定部153は一定周期ごとの体重データの比較が可能となる。
図4を再度参照すると、グラフG1には、体重データの実測値w(1)、w(2)、w(3)、w(4)、w(5)、w(6)、w(6.7)、w(8)、w(9.5)、およびw(10)が黒塗りの点として表現されている。なお、図4に示した例おいて、単位周期は1週間である。図4に示した例においては、周期身体データ算出部152は、w(n)に含まれるnの値が整数の場合、体重データの実測値を単位周期ごとの周期体重データとして決定する。しかし、w(6.7)およびw(9.5)等、単位周期を有する区間の始終点にあたらない時点における実測値を取得部151が取得する場合も存在する。そのため、周期身体データ算出部152は、単位周期の区間の始終点に体重データが存在しない場合、複数の身体データを補間する補間曲線DCを用いて、周期体重データを推定してもよい。より具体的には、周期身体データ算出部152は、7週目および9週目の時点における補間曲線DCの示す体重wの値を、周期体重データw(7)およびw(9)として決定してもよい。これにより、周期ごとの体重データを得ることができる。なお、補間曲線DCの算出方法は、スプライン補間や線形補間など、公知の技術に基づく補間方法であってもよい。図4に示した例では、周期身体データ算出部152により算出された周期体重データw(7)およびw(9)は、白抜きの点として表現されている。
周期身体データ算出部152は、単位周期ごとの周期体重データを決定または算出し、各データを推定部153および出力制御部154に出力する。ここで、周期身体データ算出部152は、取得部151により取得された推定区間に含まれる周期身体データを推定部153および出力制御部154に出力してもよい。これにより、推定区間内での生活習慣の推定、および推定結果の出力が可能である。
(推定部)
推定部153は、周期身体データ算出部152から取得した周期体重データを含む周期身体データに基づいて、ユーザの生活習慣を推定する。例えば、推定部153は、ユーザのエネルギーの摂取行動や消費行動を推定してもよい。より具体的には、推定部153は、連続する2つの周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、それらの比較結果に基づいてユーザのエネルギーの摂取行動や消費行動を推定してもよい。推定部153において行われる処理について、図5に示すフローチャートに従って説明する。
−周期体重データの取得
図5は、本発明の一実施形態に係る推定部153の処理フローを示すフローチャートである。推定部153は、まず、周期体重データを取得する(S100)。ここで、推定部153は、取得した連続する2つの周期体重データを変数とする二次元の座標をデータ対の座標として二次元平面に表現してもよい。
図6は、連続する2つの周期体重データからなるデータ対を二次元平面に表現した図である。図6を参照すると、図6に示されるグラフG2Aは、横軸をw(t)、縦軸をw(t+1)とする二次元座標系のグラフである。このときw(t)は、t週目におけるユーザの体重、w(t+1)は、t+1週目におけるユーザの体重を表す。例えば、(w(5),w(6))を示す白抜きの点は、横軸方向の座標がw(5)、縦軸方向の座標がw(6)である座標を表現する点である。グラフG2Aにおいては、プロットされた点群の一例として、(w(5),w(6))、(w(6),w(7))、(w(7),w(8))、(w(8),w(9))、および(w(9),w(10))が示されている。この(w(t),w(t+1))の点を、本明細書においては差分表示点と呼称する。また、グラフG2Aには、w(t+1)=w(t)で表現される直線BLが破線として示されている。この直線BLは、データ対に含まれる連続する2つの周期体重データの示す値が同一である場合のデータ対の座標の集合を示す。
例えば、体重が減少傾向にある場合、w(t+1)−w(t)<0となるので、差分表示点(w(t),w(t+1))は、直線BLよりも下方に位置し、時間の経過に伴って原点方向にプロットされる。一方で、体重が増加傾向にある場合は、w(t+1)−w(t)>0となるので、差分表示点(w(t),w(t+1))は、直線BLよりも上方に位置し、時間の経過に伴って右上に向かってプロットされる。また、体重が一定である場合は、差分表示点(w(t),w(t+1))は、時間の経過に関わらず、略同一の位置にプロットされる。図6に示したグラフG2Aにおいては、体重が減少傾向にあることが示されている。このように、体重の変化傾向に従って、グラフG2Aにおいて描画される差分表示点の位置の傾向も変化する。推定部153は、このような差分表示点の位置の変化を利用して、ユーザの生活習慣を推定する。
−生活習慣の推定
次に、推定部153は、生活習慣の指標の一例である、生活習慣安定度、エネルギーの摂取行動による摂取量、およびエネルギーの消費行動による消費量の推定を行う(S200)。これらの指標は、ステップS100において二次元平面にプロットした周期体重データの差分表示点の位置の関係により決定される値である。
生活習慣安定度Cは、ユーザの生活習慣が安定しているか、またはどのような傾向であるかを示す値であり、周期体重データの差分表示点の位置に基づいて推定される値である。例えば、生活習慣が維持されている場合は、生活習慣安定度Cは低い値を示し、生活習慣が乱れている場合は、生活習慣安定度Cは高い値を示してもよい。また、生活習慣が維持されている場合においても、生活習慣の傾向に応じて、生活習慣安定度Cの値が変更されてもよい。本実施形態においては、生活習慣安定度Cは1〜5のいずれかの値を示す。例えば、生活習慣安定度Cが1の場合は、体重がほとんど変化していないことを示す。また、生活習慣安定度Cが5の場合は、生活習慣に乱れがあることを示す。また、生活習慣安定度Cが2〜4のいずれかである場合は、摂取行動または消費行動がある一定の状態に持続されていることを示す。この場合、持続されている行動に応じて、生活習慣安定度Cは2〜4のいずれかに設定される。
摂取量Eは、ユーザの食事等の摂取行動により摂取されるエネルギー量であり、単位はキロカロリー(kcal)/日である。つまり、摂取量Eとは、ユーザの摂取する摂取カロリーを示す。一方、消費量Bは、ユーザの身体活動等の消費行動により消費されるエネルギー量であり、単位はエクササイズ(Ex)/日である。また、消費カロリーは、消費量Bにユーザの体重を乗じた値である。摂取量Eに対応する摂取カロリーと消費量Bに対応する消費カロリーとの差は体重の増減に応じて変化するが、単純な差分のみから摂取量Eおよび消費量Bを推定することは困難である。そこで、本発明は、摂取量Eおよび消費量Bを、周期体重データの差分表示点の位置の関係に基づいて推定する。なお、摂取量Eおよび消費量Bの推定については、生活習慣安定度Cの値によって、その推定方法は異なる。
図7は、本発明の一実施形態に係る推定部153による生活習慣に関する各指標の推定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートを参照して、生活習慣安定度C、摂取量Eおよび消費量Bの推定方法について説明する。
まず、推定区間において体重が変化しているか否かを判定するために、推定部153は、推定区間に含まれる周期体重データの示す値が略同一であるか否かを判定する(S201)。例えば、推定部153は、各データ対を示す差分表示点が密集してプロットされているか否かを判定する。差分表示点が集中していると判定された場合(YES)、体重はほとんど変化していないと推定されるので、生活習慣安定度Cの値は1と設定される(S202)。
図8は、C=1と判定される場合の差分表示点の分布の一例を示す図である。なお、図8に示す二次元座標系のグラフG3は、図6に示したグラフG2Aの二次元座標系と同一である。図8を参照すると、グラフG3において、差分表示点(w(1),w(2))、(w(2),w(3))、(w(3),w(4))、および(w(4),w(5))は、直線BL上において、ほぼ一点に集中している。なお、図8に示した例においては、推定区間は1週目〜5週目であり、w(1)〜w(5)の値は、図4のグラフG1に示したw(1)〜w(5)の値に対応している。そのため、w(1)〜w(5)の値はほぼ同一である。したがって、グラフG3の二次元座標系において、全ての差分表示点が直線BL上において集中している。この場合、例えば、プロットされた差分表示点の座標はほぼ同一となっている。そのため、推定部153は、差分表示点の座標に基づいて生活習慣安定度Cの値を1と判定することができる。
差分表示点が集中しているかを判定する手法については特に限定されない。例えば、本実施形態においては、差分表示点の集中の程度を密集度と定義する。密集度とは、例えば、複数の差分表示点のばらつきの程度を示す指標であってもよい。具体的には、密集度は、複数の差分表示点のばらつきの逆数であってもよい。この場合、推定部153は、プロットされた差分表示点の密集度が所定の閾値よりも大きい場合に、生活習慣安定度Cを1と設定してもよい。また、推定区間における周期体重データのばらつきの逆数を密集度としてもよく、この場合、密集度が所定の閾値よりも大きい場合に、推定部153は、生活習慣安定度Cを1と設定してもよい。さらに、差分表示点の密集度は、例えば、複数の差分表示点により構成される中心の位置を示す中心点から所定の半径以内に差分表示点が全て含まれているか否かを示す指標であってもよい。所定の半径以内に差分表示点が全て含まれている場合は、密集度は1としてもよい。この場合、密集度が1のときに、推定部153は、生活習慣安定度Cを1と設定してもよい。
ここで、生活習慣安定度C=1と設定された場合、推定部153は、例えば、Swinburn,et al.“Estimating the changes in energy flux that characterize the rise in obesity prevalence.” Am.J.Clin.Nutr.2009;89:1723-8に開示された技術に基づいて、以下の数式1を用いて摂取量Eを算出してもよい。
Figure 2016214775
ここで、Wはユーザの体重であり、Hはユーザの身長であり、Aはユーザの年齢であり、Sはユーザの性別(男=0、女=1)である。H、A、およびSの値は、例えば、推定部153による生活習慣の推定時に、ユーザの操作により入力部130を介して行動推定装置10に入力されてもよいし、予め記憶部120に記憶されてあってもよい。また、Wの値は、周期体重データw(1)〜w(5)の平均値、中央値、または最頻値等の統計値であってもよい。W、H、AおよびSの値を数式1に代入することにより、摂取量Eを算出することができる。
また、上記の推定区間においては体重の増減がなかったものとみなせるため、消費量Bを、摂取カロリーと消費カロリーの関係から、以下の数式2を用いて算出することができる。
Figure 2016214775
以上より、推定部153は、生活習慣安定度C=1の場合において、摂取量Eおよび消費量Bを、上述した数式1および数式2を用いて算出することができる。なお、本実施形態においては上述した数式1および数式2を用いて摂取量Eおよび消費量Bを算出したが、本発明はかかる例に限定されず、他の公知の技術を用いて、体重や身長等を含む身体データから摂取量Eおよび消費量Bを算出することも可能である。
一方、推定部153はステップS201において周期体重データが集中していないと判定した場合(NO)、推定部153は、周期体重データの複数の差分表示点の近似直線を算出する(S203)。近似直線は、複数の差分表示点の関係を表現する直線である。
図6を再度参照すると、ユーザがエネルギーの摂取量を減少させ、エネルギーの消費量を増加させる行動を持続させた場合、周期体重データの差分表示点は、直線BLの下方において、時間が経過するにつれて、原点方向に向かってプロットされる。このとき、差分表示点の間隔は徐々に短くなる。そこで、推定部153は、複数の差分表示点が直線に近似されると仮定して、近似直線を算出する。近似直線は、例えば線形最小二乗法等の公知の技術を用いて算出されてもよい。
図9は、複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第1の例を示す。なお、図9に示すグラフG2Bにおける各差分表示点は、図6に示したグラフG2Aの各差分表示点と同一である。近似直線TL1は、複数の差分表示点(w(5),w(6))、(w(6),w(7))、(w(7),w(8))、(w(8),w(9))、および(w(9),w(10))を用いて算出される近似直線である。
次に、推定部153は、算出された近似直線と複数の差分表示点との乖離の程度について判定する(S204)。例えば、算出された近似直線と複数の差分表示点との乖離が大きければ、近似直線を算出するために用いた複数の差分表示点の分布のばらつきが大きいと判断できる。そのため、この場合は生活習慣が安定していないと判定することができる。乖離の程度は、例えば、近似直線と差分表示点との残差平方和を求めることにより算出されてもよい。
乖離の程度が所定の閾値より低ければ(YES)、推定部153は、近似直線を用いて摂取量Eおよび消費量Bを算出する(S205)。ここで、図9に示したように、近似直線TL1の傾きをmとし、近似直線TL1と直線BLとの交点における体重の値をwとすると、推定部153は、mとwの値から摂取量Eおよび消費量Eの値を求めることが可能である。
以下、摂取量Eおよび消費量Bの算出方法について説明する。まず、t週目からt+1週目までの7日間のエネルギー収支について考える。ここで、t週目からt+1週目までに消費された消費エネルギーをΔP、摂取された摂取エネルギーをΔPとする。ΔPは、上述したとおり消費量Bと体重wとの積であるから、以下の数式3を用いて近似される。なお、aは単位周期の大きさ(単位は日)であり、例えば、単位周期を1週間とすると、a=7である。
Figure 2016214775
一方、体重の増加(または減少)によるエネルギーの変化量ΔPは、以下の数式4により算出される。
Figure 2016214775
ここで、kは体重1kgあたりの熱量である。kの値は、体脂肪率をfとして、以下の数式5により算出される。
Figure 2016214775
数式5の右辺の第1項における7200とは、体脂肪1kgあたりの熱量である7200kcalであり、第2項における2000とは、筋肉1kgあたりの熱量である2000kcalを意味する。本実施形態においては体脂肪率fの値は20%と仮定され、この場合、kの値は3040(kcal)となる。体脂肪率fの値は、ユーザの体脂肪率に応じて変更されてもよい。例えば、肥満気味であるようなユーザについては、体脂肪率fの値が高く設定されてもよい。また、体重計2が体脂肪率の測定をすることができる場合、体脂肪率fの値は体重計2により取得された値でもよい。ただし、一の推定区間において生活習慣の各指標を推定する場合、fおよびkの値が上記の推定区間内において変動する場合、推定される指標の値の精度が低下するおそれがある。そのため、一の推定区間において、fおよびkは固定値であることが好ましい。
また、摂取エネルギーΔPは、ΔP=aEとなる。そして、摂取エネルギーΔPと消費エネルギーΔPの差は、体重の増減によるエネルギーΔPである。よって、摂取量E(摂取エネルギーと同一)および消費量Bの値について、下記の数式6の関係が成立する。
Figure 2016214775
数式6を変形すると、近似直線TL1を表現する関数、近似直線TL1の傾きm、および近似直線TL1と直線BLとの交点における体重wの値が、下記の数式7〜9により得られる。
Figure 2016214775
Figure 2016214775
Figure 2016214775
以上の数式7〜9から、摂取量Eおよび消費量Bが下記の数式10および11により得られる。
Figure 2016214775
Figure 2016214775
このように、推定部153は、2つの連続する周期身体データの差分を表す差分表示点を近似する近似直線TL1の傾きm、および近似直線TL1と直線BLとの交点における体重wの値を数式10および11に代入することにより、摂取量Eおよび消費量Bを算出することができる。
次に、推定部153は、ステップS205において算出した摂取量Eおよび消費量Bの値に基づいて、生活習慣安定度Cの値を決定する(S206〜S210)。具体的には、推定部153は、生活習慣安定度Cの値が2〜4のいずれかであるかを、摂取量Eまたは消費量Bを、それぞれの基準値(摂取基準値および消費基準値)と比較することにより決定する。基準値と、推定された摂取量Eまたは消費量Bとを比較することにより、生活習慣に係る行動の効果をユーザは把握することができる。
まず、推定部153は、消費量Bが消費基準値を超えているか否かを判定する(S206)。これは、対象の推定区間における消費量Bが、ユーザによるエネルギーの消費行動の促進によって、消費基準値よりも大きくなっている場合に相当する。消費量Bが消費基準値を超えている場合(YES)、推定部153は、生活習慣安定度Cを2に設定する(S207)。例えば、図9に示したグラフG2Bは、生活習慣安定度Cが2である場合の差分表示点の分布、および近似直線TL1の傾向を示している。
一方、ステップS206において消費量Bが消費基準値を超えていない場合(NO)、推定部153は、続いて、摂取量Eが摂取基準値を下回るか否かを判定する(S208)これは、対象の推定区間における摂取量Eが、食事制限等により摂取基準値を下回る場合に相当する。摂取量Eが摂取基準値を下回る場合(YES)、推定部153は、生活習慣安定度Cを3に設定する(S209)。
図10は、複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第2の例を示す。なお、図10に示されたグラフG4においては、差分表示点として用いられている周期体重データを含む推定区間において、ユーザは、エネルギー摂取量を抑制する行動を持続しているものと想定する。グラフG4においては、差分表示点の間隔は、図9に示したグラフG2Bにおける差分表示点の間隔よりも短くなっている。これは、ユーザがエネルギー摂取量の抑制のみの行動を持続しているためであり、単位周期における体重の減少幅が、生活習慣安定度Cが2とされたグラフG2Bにおける体重の減少幅よりも小さいためである。近似直線TL2の傾きmもグラフG2Bにおける近似直線TL1と比較して、直線BLの傾きである1に近くなる。そのため、数式10の右辺の分子の数値が小さくなるため、消費量Bの値も小さくなる。
一方、ステップS208において、摂取量Eが摂取基準値を下回らない場合(NO)、推定部153は、生活習慣安定度Cを4に設定する(S210)。
図11は、複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第3の例を示す。なお、図11に示されたグラフG5においては、差分表示点として用いられている周期体重データを含む推定区間において、ユーザは、エネルギー摂取量を増加させる行動を持続しているものと想定する。グラフG5においては、差分表示点が右上の方向へと順次プロットされる分布となっており、周期体重データが時間の経過につれて増加する傾向を示している。推定部153は、体重の減少のみならず、体重が増加した場合においても、複数の差分表示点の近似直線TL3を算出し、近似直線TL3の傾きおよび直線BLとの交点における体重wの値から摂取量Eおよび消費量Bを算出することが可能である。
さらに、ステップS204において、差分表示点の近似直線と複数の差分表示点との乖離の程度が第2の閾値を超えている場合(NO)、推定部153は、生活習慣安定度Cを5に設定する(S211)。上述したように、生活習慣安定度Cが5である場合は、複数の差分表示点の間における関係性が低い場合である。この場合、推定部153は、複数の差分表示点から正確な近似直線を算出することが困難である。
図12は、複数の差分表示点および近似直線を表現するグラフの第4の例を示す。なお、図12に示されたグラフG6においては、差分表示点として用いられている周期体重データを含む推定区間において、ユーザの生活習慣が乱れていたと想定する。グラフG6においては、差分表示点の位置がランダムであり、特定の傾向を持つ分布ではない。このとき、差分表示点より算出される近似直線TL4と各差分表示点との乖離の程度は、図12に示されるように大きくなる。そのため、近似直線TL4は差分表示点の分布を精度高く表現するものではない。よって、近似直線TL4から推定される摂取量Eおよび消費量Bの精度も高くないと考えられる。そのため、生活習慣安定度Cの値が5である場合、推定部153は、例えば、摂取量Eおよび消費量Bの値に「−1」など、推定処理が実施できなかったことを示す値を代入してもよい。これにより、後述する出力制御部154は、生活習慣が乱れた場合において、精度の低い摂取量Eおよび消費量Bの値をユーザに提示しないようにすることができる。
以上まとめると、推定部153は、まず対象の推定区間において、周期体重データが集中しているか否かを判定する。周期体重データが集中していると判定された場合、推定部153は、生活習慣安定度Cを1と設定し、所定の式を用いて摂取量Eおよび消費量Bを推定する。次に、推定部153は、周期体重データが集中していない場合において、複数の差分表示点の分布により近似直線を算出する。そして、推定部153は、近似直線と差分表示点との乖離の程度を判定する。乖離の程度が所定の閾値より大きいと判定された場合、推定部153は、生活習慣安定度Cを5と設定し、近似直線を用いた摂取量Eおよび消費量Bの推定は実施しない。
一方、乖離の程度が所定の閾値以下であると判定された場合、推定部153は、近似直線を用いて摂取量Eおよび消費量Bを推定する。そして、推定された摂取量Eおよび消費量Bを、摂取基準値および消費基準値と比較することにより、推定部153は、生活習慣安定度Cを2〜4のいずれかに設定する。
なお、本実施形態においては、摂取量Eおよび消費量Bがいずれも増加するケースについては想定されていないが、上述した推定方法によれば、摂取量Eおよび消費量Bがいずれも増加する結果が推定され得る。そのため、例えば、ステップS206のYESの後処理において、さらに摂取量Eが基準値より低いか否かを判定する処理が行われてもよい。これにより、ユーザに対してより細かな判定基準に沿った推定結果を表示することが可能となる。また、消費量Bのみが増減するケース等も想定され得るので、推定部153は、想定されるケースに応じて生活習慣安定度Cの段階数を増減してもよい。これによりユーザに対してより多様な推定結果を提示することができる。
また、摂取量Eおよび消費量Bは基準値の値と同一の値を示す結果とは成り難い。そのため、例えば、推定された摂取量Eまたは消費量Bが、各々の基準値を中心とするある一定の範囲に含まれている場合、推定部153は、摂取量Eまたは消費量Bが各々の基準値と同じ値であるとみなしてもよい。この場合、例えば、ステップS206およびステップS208において、判定結果のバリエーションをさらに増やすことが可能である。これにより、ユーザに対してより多様な情報を提示することが可能である。
以上、推定部153における生活習慣の推定処理について説明した。推定部153は、生活習慣安定度Cの設定、並びに摂取量Eおよび消費量Bの推定を完了した後、各推定結果を出力制御部154に出力する。
・第1の変形例
なお、図7のフローチャートのステップS201において、推定部153は、周期体重データが集中しているか否かを判定していたが、本発明は係る例には限定されない。例えば、推定部153は、まずステップS203における近似直線の算出処理を全てのケースにおいて実施し、ステップS204において、近似直線と差分表示点との乖離の程度を判定してもよい。この場合、例えば図8に示したグラフG3のように各差分表示点が集中している場合において、これらの差分表示点から得られる近似直線は、必ずしも摂取量Eおよび消費量Bを算出するのに有用であるとは限らない。しかし、各差分表示点が集中している場合は、各差分表示点の近似直線との乖離の程度は、近似直線の方向に関わらず小さくなると考えられる。よって、推定部153は、ステップS204において、乖離の程度が第1の閾値よりも小さい場合、生活習慣安定度Cを1と設定し、乖離の程度が第2の閾値よりも大きい場合、生活習慣安定度Cを5と設定し、それ以外の場合、生活習慣安定度Cを2〜4のいずれかに設定してもよい。これにより、周期体重データが集中しているか否かを判定するステップを削減でき、推定部153による処理負荷を低減することができる。
・第2の変形例
また、推定部153は、差分表示点の分布により得られる近似直線を用いて摂取量Eおよび消費量Bを推定したが、周期体重データから直接的に摂取量Eおよび消費量Bを推定することも可能である。この場合、推定部153は、周期体重データを近似する、tを変数とする指数曲線を算出することにより、摂取量Eおよび消費量Bを推定できる。
上述した数式7は、下記の数式12のように表現される。
Figure 2016214775
また、t→t−1とした場合において、数式7は下記の数式13のように表現される。
Figure 2016214775
すると、数式12および数式13から、下記の数式14が得られる。
Figure 2016214775
上記の数式14は、連続する2つの周期体重データの差についての関係を示す数式である。数式14により表現される漸化式を解くと、数式15のような、tを変数とする指数関数が得られる。
Figure 2016214775
このとき、pおよびrは定数である。ここで、t→t+1とすると、次の数式16が得られる。
Figure 2016214775
数式12と数式16とを比較すると、rの値は、下記の数式17のように表現される。
Figure 2016214775
よって、周期体重データは、tを変数とし、p、q、およびrを定数とする指数関数により表現される。具体的には、周期体重データは、下記の数式18のように表現される。
Figure 2016214775
なお、このとき、qの値は数式19により決定される。
Figure 2016214775
以上から、推定部153は、周期体重データの値を数式18にフィッティングさせることにより、p、qおよびrの値を近似的に算出することができる。p、qおよびrの値が確定されれば、摂取量Eおよび消費量Bの値も算出され得る。
図13は、周期体重データの時間変化および周期体重データを近似する近似曲線のグラフを示す図である。図13を参照すると、周期体重データw(5)〜w(10)を近似する近似曲線TL5がグラフG7に描画されている。周期体重データw(5)〜w(10)のデータを利用してフィッティングを行うことにより、近似曲線TL5の各係数を得ることが可能である。なお、数式18においてrの値は、tが無限大に発散した場合の収束値に相当する。図13を参照すると、近似曲線TL5の漸近線ASにおける体重wの値が、rとなる。このrの値は、数式9におけるwに対応する。
推定部153は、例えば、フィッティングの手段として、非線形最小二乗法等の公知技術を用いて、p、qおよびrの値を算出してもよい。具体的には、推定部153は、非線形最小二乗法を用いてp、qおよびrを推定する場合、数式18は下記の数式20に変形される。
Figure 2016214775
推定部153は、数式20のrの値を変化させながら、線形最小二乗法により、pおよびq、並びに、数式20の左辺と右辺の残差平方和を算出する。残差平方和が極小となるとき、推定部153は、p、qおよびrの値を決定する。推定部153は、qおよびrの値から、摂取量Eおよび消費量Bを推定することができる。なお、数式20より得られる残差平方和は、近似曲線TL5と周期体重データw(5)〜w(10)との乖離度に相当するため、上述した生活習慣安定度Cの決定に用いられてもよい。
(出力制御部)
出力制御部154は、周期身体データ算出部152から出力された周期身体データ、および推定部153から出力された推定結果を出力する制御を行う。例えば、出力制御部154は、行動推定装置10の出力部140に、周期身体データのグラフ、および推定結果に関する表示を出力する制御をしてもよい。また、出力制御部154は、推定部153により得られた生活習慣安定度Cの結果に基づいて、推定結果についての出力制御を行ってもよい。以下、出力制御部154による生活習慣安定度Cに応じた出力例について示す。
・C=1の場合
図14は、本発明の一実施形態に係る出力制御部154による第1の出力例を示す図である。図14に示した第1の出力例では、生活習慣安定度Cが1の場合(体重の変動が小さい場合)が示されている。画面D1には、生活習慣に関する要旨を示すテキストTX1、摂取行動に関する情報を示すテキストE1、消費行動に関する情報を示すテキストB1、および周期体重データの変化を示すグラフWH1が表示されている。テキストTX1には、推定結果に基づくユーザの生活習慣に関する内容が表示され、図14に示した例においては、「食事と身体活動のバランスが安定しています。」という文が表示されている。テキストE1には、推定区間における周期体重データから推定された摂取行動によるエネルギーの摂取量に関する内容が表示され、図14に示した例においては、「食事 2500kcal」という数値が表示されている。テキストB1には、推定区間における周期体重データから推定された消費行動によるエネルギーの消費量に関する内容が表示され、図14に示した例においては、「身体活動 36.0Ex」という数値が表示されている。また、グラフWH1には、周期身体データ算出部152から出力されたデータに基づいて描画される推定区間における体重の変動に関するグラフが表示される。図14に示した例においては、3月1日から3月29日までの体重の変動に関するデータが表示されている。このように、出力制御部154は、画面D1を介して、生活習慣に関するコメント、エネルギー摂取量、エネルギー消費量、および体重の変動データをユーザに提示する。これにより、ユーザの現在の生活習慣およびエネルギー収支の状態について把握することができる。
・C=2の場合
図15は、本発明の一実施形態に係る出力制御部154による第2の出力例を示す図である。図15に示した第2の出力例では、生活習慣安定度Cが2の場合(食事量の抑制および身体活動の増加により体重が減少している場合)が示されている。画面D2には、画面D1と同様のテキストおよびグラフが表示されている。テキストTX2には、「食事減少と身体活動増加が習慣化されています。」という文が表示されている。テキストE2には、推定摂取量を示す「食事 2250kcal」いう数値に加えて、「(250kcal減少)」というように、摂取エネルギーの減少量が表示されている。同様に、テキストB2には、推定消費量を示す「身体活動 38.0Ex」いう数値に加えて、「(2.0Ex増加)」というように、消費エネルギーの増加量が表示されている。これらの減少量および増加量は、上述したような各基準値との比較量であってもよい。このように、出力制御部154は、画面D2を介して、摂取行動および消費行動に関するエネルギーの摂取量および消費量の変化をさらに提示してもよい。これにより、ユーザの生活習慣に係る摂取行動および消費行動の変化を容易に把握することができる。
・C=3の場合
図16は、本発明の一実施形態に係る出力制御部154による第3の出力例を示す図である。図16に示した第3の出力例では、生活習慣安定度Cが3の場合(食事量の抑制により体重が減少している場合)が示されている。画面D3には、画面D1と同様のテキストおよびグラフが表示されている。ここでは、消費行動によるエネルギーの消費量は変化していないため、例えば、テキストTX3には「食事減少が習慣化されています。」という文が表示され、また、テキストB3には、消費行動によるエネルギーの消費量が変化していない旨の記載(「増減なし」)等が表示されてもよい。これにより、ユーザは、摂取行動または消費行動の少なくともいずれかの変化が現れているかを把握することができる。
・C=4の場合
図17は、本発明の一実施形態に係る出力制御部154による第4の出力例を示す図である。図17に示した第4の出力例では、生活習慣安定度Cが4の場合(食事量の増加により体重が増加している場合)が示されている。画面D4には、画面D1と同様のテキストおよびグラフが表示されている。ここでは、図16に示した第3の出力例と同様に、摂取行動によるエネルギーの摂取量の変化のみが記載される。これにより、ユーザは、体重の増加およびエネルギーの摂取量の増加について把握することができる。
・C=5の場合
図18は、本発明の一実施形態に係る出力制御部154による第5の出力例を示す図である。図18に示した第5の出力例では、生活習慣安定度Cが5の場合(生活習慣に乱れがある場合)が示されている。この場合、上述したように、推定部153において、エネルギーの摂取量および消費量は算出されない。そのため、画面D5には、生活習慣に関する要旨を示すテキストTX5、および周期体重データの変化を示すグラフWH5のみが表示されている。テキストTX5には、「生活習慣(食事、身体活動)に乱れがあります。」という文が記載されている。このように、出力制御部154は、生活習慣に乱れがある場合は、摂取量および消費量を含まずに生活習慣に関する情報を提示してもよい。これにより、ユーザに信頼性の低い摂取量および消費量の推定量を提示しないようにすることができる。
以上、生活習慣安定度ごとに応じた出力制御部154による出力制御の例について説明した。出力制御部154は、上述したような出力例に限られず、画像や音声など、多様な態様により推定部153により推定された推定結果について出力することが可能である。例えば、出力制御部154は、推定された摂取量や消費量等の推定結果を、グラフを用いて出力することも可能である。これにより、推定結果の推移について直感的に把握することが可能である。また、出力制御部154は、画面D1〜D5に表示された情報のみならず、ユーザの体脂肪率等のデータを併せて表示してもよい。これにより、ユーザは生活習慣による体脂肪率への影響を併せて把握することができる。
<4.行動推定装置の動作例>
以上、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10による推定処理の例について説明した。次に、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10の動作について説明する。
図19は、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10の動作例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する行動推定装置10の動作例においては、既にユーザの体重が測定され、記憶部120に時系列に記憶されているものと想定して説明する。
図19を参照すると、まず行動推定装置10は、ユーザの操作により生活習慣の推定を開始する処理を行う(S501)。例えば、行動推定装置10は、出力部140を介してユーザに対して操作に関する指示を表示し、ユーザが上記表示に従って所定の操作を行うことにより、行動推定装置10は推定処理を開始してもよい。
次に、行動推定装置10は、身体データ等を取得する(S502)。具体的には、取得部151は、生活習慣の推定の対象となる推定区間に含まれる体重データ等の身体データを、記憶部120から取得する。また、取得部151は、推定結果の比較の基準となる基準値を取得してもよい。
そして、行動推定装置10は、周期身体データを算出する(S503)。具体的には、周期身体データ算出部152は、記憶部120から取得された身体データについて、上述した算出処理を行うことにより、単位周期ごとの周期身体データを算出する。
次に、行動推定装置10は、算出した周期身体データを用いて、生活習慣の推定を行う(S504)。具体的には、推定部153は、周期身体データに含まれる周期体重データの変化傾向に基づき、ユーザの生活習慣安定度を決定し、また、ユーザのエネルギーの摂取量および消費量を推定する。
そして、行動推定装置10は、推定結果を出力する(S505)。具体的には、出力制御部154は、推定部153から取得した推定結果について、その推定結果に基づいて、出力部140等に出力する制御を行う。
<5.ハードウェア構成例>
以上、本発明の一実施形態に係る行動推定装置10の動作例について説明した。上述した行動推定装置10の情報処理は、ソフトウェアと、行動推定装置10との協働により実現される。以下では、本発明の実施形態に係る行動推定装置10のハードウェア構成について説明する。
図20は、本発明の実施形態に係る行動推定装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。行動推定装置10は、CPU901、ROM903、およびRAM905、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、および通信装置929を含む。なお、行動推定装置10は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、行動推定装置10内の動作全般またはその一部を制御する。なお、CPU901は、制御部150の機能を実現する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、行動推定装置10の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。また、入力装置915は、マイクロフォンなどの音声入力装置であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、行動推定装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。なお、入力装置915は、入力部130の機能を実現する。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的にまたは聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)などの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置、ならびにプリンタ装置などであり得る。出力装置917は、行動推定装置10の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音声または音響などの音声として出力したりする。なお、出力装置917は、出力部140の機能を実現する。
ストレージ装置919は、行動推定装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDDなどの磁気記憶部デバイス、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。なお、ストレージ装置919は、記憶部120の機能を実現する。
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、行動推定装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
接続ポート925は、機器を行動推定装置10に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどであり得る。また、接続ポート925は、RS−232Cポート、光オーディオ端子などであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、行動推定装置10と外部接続機器927との間で各種のデータが交換され得る。外部接続機器927は、例えば、体重計2であってもよい。
通信装置929は、例えば、通信ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどであり得る。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部110の機能を実現する。
<6.まとめ>
ここまで、図1〜図20を用いて、本発明の一実施形態について説明した。本発明の一実施形態によれば、行動推定装置10は、ユーザの体重を含む身体データについて一定の周期ごとの周期身体データを算出し、周期的な身体データの変化の傾向に基づいて、ユーザの摂取行動および消費行動に関するエネルギーの摂取量および消費量を推定する。特に、行動推定装置10は、連続する2つの周期身体データからなるデータ対について、他のデータ対との比較結果により表現される関係から、エネルギーの摂取量および消費量を推定することができる。これにより、ユーザは、体重等を測定するだけで、ある区間におけるエネルギーの摂取量および消費量を把握することができる。したがって、ユーザは、体重を測るだけで、生活習慣に係る行動による生活習慣への効果について把握することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、推定部153は摂取行動および消費行動について推定したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、推定部153は、上述した数式10のみを用いて、消費行動によるエネルギーの消費量のみを推定してもよい。これにより、近似直線を算出する処理を実施するだけで、消費行動の推定処理を完了することができる。なお、生活習慣安定度C=1の場合には数式1の右辺第1項に含まれる摂取量Eを、消費量Bと体重Wとの積に置き換えることにより、消費量Bを推定することが可能となる。
また、上記実施形態では、出力制御部154が推定結果を出力部140に出力するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、出力制御部154は、推定結果をデータとして、記憶部120に記憶してもよく、または外部サーバに送信してもよい。これにより、例えば、ユーザ以外の人間がユーザの生活習慣に関する推定結果を把握することが可能となる。より具体的には、ユーザの生活習慣に関する推定結果のデータを外部装置が行動推定装置10から取得することにより、生活習慣の指導を行う医師や管理栄養士等が上記データに基づいてユーザに適切なフィードバックを行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、体脂肪率は摂取量および消費量の算出において補助的に用いられていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、単位周期ごとの体脂肪率を用いることにより、体重および体脂肪率ベースでエネルギーの摂取量および消費量を計算することも可能となる。
また、上記実施形態では、生活習慣安定度の値が5段階に設定されたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、推定部153は、近似直線を用いて推定された摂取量および消費量以外に、ユーザの体重や身長、体脂肪率などの身体データを比較対象として用いることにより、生活習慣安定度を設定してもよい。より具体的には、上記実施形態では、食事量が抑制された結果摂取量が減少し、身体活動が増加した結果消費量が増加した場合には、生活習慣安定度は2とされたが、例えば、かかる場合において、ユーザの体重が別に定めた目標値に達したか否かに応じて、さらに生活習慣安定度の値が細分化されて設定されてもよい。これにより、ユーザの生活習慣をより厳密に管理することができる。
また、上記実施形態では、体重計2と行動推定装置10とが行動推定システム1を構成していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、体重計2と行動推定装置10とが一体となった行動推定装置または行動推定システムが提供されてもよい。また、行動推定装置10に含まれる入力部130および出力部140の機能は、スマートフォンやタブレット等の外部端末において実現されてもよい。かかる構成により、外部端末はインタフェースとしてユーザの入力操作を受け付け、または、ユーザに情報を提示することができ、行動推定装置は、摂取行動および消費行動の推定処理のみを行うことが可能である。また、行動推定システム1は、行動推定装置10のみを含む構成であってもよい。つまり体重計2と行動推定装置10とは、直接的に通信を行わなくてもよい。この場合、例えば、体重計2において測定された体重をユーザが行動推定装置10に入力することにより、行動推定装置10は体重データを取得してもよい。これにより、既存の体重計を用いることが可能となる。
また、本明細書の行動推定装置10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、行動推定装置10の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、行動推定装置10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上記の行動推定装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
1 行動推定システム
2 体重計
10 行動推定装置
110 通信部
120 記憶部
130 入力部
140 出力部
150 制御部
151 取得部
152 周期身体データ算出部
153 推定部
154 出力制御部

Claims (13)

  1. 生体の体重を含む身体データを時系列に記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記身体データに基づいて単位周期ごとの前記生体の周期身体データを算出する周期身体データ算出部と、
    連続する2つの前記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、前記比較の結果に基づいて前記生体によるエネルギーの消費行動を含む前記生体の生活習慣を推定する推定部と、
    を備える、行動推定装置。
  2. 前記推定部は、前記生体によるエネルギーの摂取行動を含む前記生体の生活習慣を推定する、請求項1に記載の行動推定装置。
  3. 前記推定部は、前記データ対に含まれる前記連続する2つの前記周期身体データの差を各データ対について算出し、算出された複数の前記差の関係に基づいて前記生体の前記生活習慣を推定する、請求項1または2に記載の行動推定装置。
  4. 前記推定部は、前記連続する2つの前記周期身体データを変数とする二次元の座標を前記データ対の座標として二次元平面に表現し、複数の前記データ対の座標を表現する点群の近似直線を用いて前記生体の前記生活習慣に関する指標の値を推定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の行動推定装置。
  5. 前記推定部は、前記近似直線の傾きに基づいて前記生体の前記消費行動によるエネルギー消費量を推定する、請求項4に記載の行動推定装置。
  6. 前記推定部は、前記データ対に含まれる前記連続する2つの前記周期身体データの示す値が同一である場合の前記データ対の座標の集合を前記二次元平面において表現する直線と前記近似直線との交点、および、推定された前記エネルギー消費量に基づいて前記生体の摂取行動によるエネルギー摂取量を推定する、請求項5に記載の行動推定装置。
  7. 前記推定部は、前記各データ対を表現する前記点群の密集度、または前記点群と前記近似直線との乖離の程度のいずれかに基づいて、前記生体の生活習慣安定度を推定する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の行動推定装置。
  8. 前記推定部は、前記点群の密集度が第1の閾値より大きい場合、前記生体の体重、および、前記生体の身長、年齢、または性別の少なくともいずれかを含む前記生体の前記身体データに基づいて前記生体の前記生活習慣を推定する、請求項7に記載の行動推定装置。
  9. 前記推定部による推定結果を含む前記生体の前記生活習慣に関する情報を出力する制御を行う出力制御部をさらに備え、
    前記乖離の程度が第2の閾値より大きい場合、前記出力制御部は、前記推定部により推定された前記指標の値を含まないで前記生体の前記生活習慣に関する情報の出力する制御を行う、請求項7または8に記載の行動推定装置。
  10. 前記推定部は、前記生体の前記身体データに含まれる体脂肪率に基づいて前記生体の前記生活習慣を推定する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の行動推定装置。
  11. 前記周期身体データ算出部は、前記記憶部に記憶された前記身体データを補間することにより得られる補間データを用いて前記生体の前記周期身体データを算出する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の行動推定装置。
  12. 生体の体重を含む身体データを時系列に記憶するステップと、
    記憶された前記身体データに基づいて単位周期ごとの前記生体の周期身体データを算出するステップと、
    連続する2つの前記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、前記比較の結果に基づいて前記生体によるエネルギーの消費行動を含む前記生体の生活習慣を推定するステップと、
    を含む、行動推定方法。
  13. コンピュータを、
    生体の体重を含む身体データを時系列に記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記身体データに基づいて単位周期ごとの前記生体の周期身体データを算出する周期身体データ算出部と、
    連続する2つの前記周期身体データからなるデータ対の比較を各データ対について行い、前記比較の結果に基づいて前記生体によるエネルギーの消費行動を含む前記生体の生活習慣を推定する推定部と、
    として機能させるための、プログラム。
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