JP2016214093A - キメラ抗原レセプター遺伝子発現システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】tetオペレーター配列、該tetオペレーター配列の制御下にあるプロモーター配列、及び該プロモーター配列の下流に配置された標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子、を含む第1発現カセットと、免疫細胞で機能するプロモーター配列、該プロモーター配列の下流に配置されたリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子をコードする配列、を含む第2発現カセットと、を含む、標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子発現システムが提供される。
【選択図】なし
Description
そこで本発明の課題は、CARによる本来の治療効果を維持しつつ、副作用を低減できる新たな手段の提供にある。
主として以上の成果に基づき、以下の発明が提供される。
[1]tetオペレーター配列、該tetオペレーター配列の制御下にあるプロモーター配列、及び該プロモーター配列の下流に配置された標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子、を含む第1発現カセットと、
免疫細胞で機能するプロモーター配列、該プロモーター配列の下流に配置されたリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子をコードする配列、を含む第2発現カセットと、
を含む、標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子発現システム。
[2]標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子が、CD19キメラ抗原レセプター遺伝子である、[1]に記載のシステム。
[3]CD19キメラ抗原レセプターが、抗CD19モノクローナル抗体のscFv断片を含む細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、免疫細胞のエフェクター機能のための細胞内シグナルドメインと、を含む、[2]に記載のシステム。
[4]第1発現カセットが検出用遺伝子を更に含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のシステム。
[5]検出用遺伝子が、自己開裂ペプチドをコードする配列を介して標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子に連結している、[4]に記載のシステム。
[6]検出用遺伝子が細胞内ドメインを欠く上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子である、[4]又は[5]に記載のシステム。
[7]第1発現カセットが第1ベクターに保持されており、第2発現カセットが第2ベクターに保持されている、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のシステム。
[8]第1発現カセットと第2発現カセットが一つのベクターに保持されている、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のシステム。
[9]ベクターがレトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターである、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のシステム。
[10][1]〜[9]のいずれか一項に記載のシステムが導入された免疫細胞。
[11][1]〜[6]のいずれか一項に記載のシステムがトランスポゾンを利用して導入された免疫細胞。
[12]免疫細胞がT細胞である、[10]又は[11]に記載の免疫細胞。
[13][10]〜[12]のいずれか一項に記載の免疫細胞を治療上有効量含む、細胞製剤。
[14]tetオペレーター配列、該tetオペレーター配列の制御下にあるプロモーター配列、及び該プロモーター配列の下流に配置された標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子、を含む第1発現カセットと、免疫細胞で機能するプロモーター配列、該プロモーター配列の下流に配置されたリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子をコードする配列、を含む第2発現カセットと、を保持するベクター。
[15]レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターである、[14]に記載のベクター。
[16][10]〜[12]のいずれか一項に記載の免疫細胞を、治療上有効量、がん患者に投与するステップを含む、がんの治療法。
本発明の第1の局面は標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子発現システム(以下、「本発明のシステム」とも呼ぶ)に関する。本発明は、標的抗原特異的キメラ抗原レセプターの発現制御を可能にするものであり、テトラサイクリン遺伝子発現誘導システム(以下、「TC遺伝子発現誘導システム」とも呼ぶ)を利用する。TC遺伝子発現誘導システムとは、テトラサイクリン又はその類縁体(以下、これらをまとめて「TC系化合物」と呼ぶ)によって目的遺伝子の発現状態を制御できるシステムである。TC遺伝子発現誘導システムを利用することにより、TC系化合物の存在に応答して目的遺伝子である標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子(以下、「CAR遺伝子」とも呼ぶ)が発現する。TC系化合物の濃度依存的な発現誘導も可能である。本発明で用いるTC遺伝子発現誘導システムでは、リバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子(以下、「rtTA」と呼ぶ)が用いられ、テトラサイクリン系化合物が存在するときに、rtTAがtetオペレーター配列に結合し、CAR遺伝子の発現を誘導する。
細胞外ドメインは標的抗原に特異的な結合性を示す。細胞外ドメインは、抗標的抗原モノクローナル抗体のscFv断片を含む。例えば、齧歯類(マウス、ラット、ウサギなど)の抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体等の抗標的抗原モノクローナル抗体が用いられる。ヒト化モノクローナル抗体は、他の動物種(例えばマウスやラット)のモノクローナル抗体の構造をヒトの抗体の構造に類似させた抗体であり、抗体の定常領域のみをヒト抗体のものに置換したヒト型キメラ抗体、及び定常領域及び可変領域に存在するCDR(相補性決定領域)以外の部分をヒト抗体のものに置換したヒト型CDR移植(CDR-grafted)抗体(P.T.Johons et al., Nature 321,522(1986))を含む。ヒト型CDR移植抗体の抗原結合活性を高めるため、マウス抗体と相同性の高いヒト抗体フレームワーク(FR)を選択する方法、相同性の高いヒト型化抗体を作製する方法、ヒト抗体にマウスCDRを移植した後さらにFR領域のアミノ酸を置換する方法の改良技術もすでに開発され(米国特許第5585089号、米国特許第5693761号、米国特許第5693762号、米国特許第6180370号、欧州特許第451216号、欧州特許第682040号、特許第2828340号などを参照)、ヒト化抗体の作製に利用することもできる。
膜貫通ドメインは、細胞外ドメインと細胞内シグナルドメインの間に介在する。膜貫通ドメインとしては、CD28、CD3ε、CD8α、CD3、CD4又は4-1BBなどの膜貫通ドメインを用いることができる。人工的に構築したポリペプチドからなる膜貫通ドメインを用いることにしてもよい。
細胞内シグナルドメインは、免疫細胞のエフェクター機能の発揮に必要なシグナルを伝達する。即ち、細胞外ドメインが標的の抗原と結合した際、免疫細胞の活性化に必要なシグナルを伝達することが可能な細胞内シグナルドメインが用いられる。細胞内シグナルドメインには、TCR複合体を介したシグナルを伝達するためのドメイン(便宜上、「第1ドメイン」と呼ぶ)と、共刺激シグナルを伝達するためのドメイン(便宜上、「第2ドメイン」と呼ぶ)が含まれる。第1ドメインとして、CD3ζの他、FcεRIγ等の細胞内ドメインを用いることができる。好ましくは、CD3ζが用いられる。また、第2ドメインとしては共刺激分子の細胞内ドメインが用いられる。共刺激分子としてCD28、4-1BB(CD137)、CD2、CD4、CD5、CD134、OX-40又はICOSを例示することができる。好ましくは、CD28又は4-1BBの細胞内ドメインを採用する。
CARの分泌を促すために、リーダー配列(シグナルペプチド)が用いられる。例えば、GM-CSFレセプターのリーダー配列を用いることができる。また、細胞外ドメインと膜貫通ドメインがスペーサードメインを介して連結した構造にするとよい。即ち、好ましい態様のCARは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間にスペーサードメインを含む。スペーサードメインは、CARと標的抗原との結合を促進させるために用いられる。例えば、ヒトIgG(例えばヒトIgG1、ヒトIgG4)のFc断片をスペーサードメインとして用いることがきる。その他、CD28の細胞外ドメインの一部やCD8αの細胞外ドメインの一部等をスペーサードメインとして用いることもできる。尚、膜貫通ドメインと細胞内シグナルドメインの間にもスペーサードメインを設けることもできる。
本発明の第2の局面は、本発明のシステムが導入された免疫細胞(以下、「本発明の細胞」と呼ぶ)を提供する。本発明のシステムが機能することにより、本発明の細胞の表面にはCARが発現する。本発明の細胞は、その細胞表面上に存在するCARが標的抗原を認識・結合することによって細胞内にシグナルが伝達し、活性化される。本発明の細胞は標的細胞に対して本発明のシステムを導入することによって作製される。通常は、本発明のシステムを含む組換え発現ベクター(第1発現カセットを搭載した第1発現ベクターと第2発現カセットを搭載した第2発現ベクターの併用、又は第1発現カセットと第2発現カセットを搭載したベクターの使用)で標的細胞を形質転換する。標的細胞にはT細胞、NK細胞又はその前駆細胞(造血幹細胞、リンパ球前駆細胞等)を用いることができる。ここでのT細胞として、CD4陽性CD8陰性T細胞、CD4陰性CD8陽性T細胞、CD4陰性CD8陰性T細胞、CD4陽性CD8陽性T細胞、iPS細胞から調製されたT細胞、αβ-T細胞、γδ-T細胞を挙げることができる。上記の如きT細胞又は前駆細胞を含むものであれば、様々な細胞集団を用いることができる。末梢血から採取されるPBMC(末梢血単核細胞)は好ましい標的細胞の一つである。生体から採取された細胞集団を継代及び/又は純化することによって得られた細胞集団を標的細胞にすることもできる。
Tet-on 3GタンパクはヒトPGKプロモーターによって転写される。転写されたtet-on 3Gタンパクはドキシサイクリン(Dox)との結合によって3G tet response elementプロモーター(PTRE 3G)に結合し、下流の遺伝子の転写をオン(on)にする。Dox非投与時のバックグラウンドの転写を低減するため、目的遺伝子(CD19-CAR-T2A-tEGFR遺伝子)は通常とは逆向きにベクターに組み込まれている。こうして作成したtet-on-CD19CARプラスミドベクターをレトロウイルスパッケージング用細胞であるPhoenix-Ampho細胞に導入し、その後培養上清を採取してレトロウイルスベクターを得た。CD19-CAR-T2A-tEGFRは、ヒトGM-CSF受容体リーダー配列(配列番号1)、マウスCD19抗体(FMC63)の軽鎖可変領域(VL)(配列番号2)、リンカー(配列番号3)、マウスCD19抗体(FMC63)の重鎖可変領域(VH)(配列番号4)、ヒトIgG4由来のFc(ヒンジ、CH2、CH3)(配列番号5)、CD28膜貫通領域(配列番号6)、CD28細胞内ドメイン(配列番号7)、グリシンリンカー(GGG)、CD3ζ(配列番号8)、T2A配列(配列番号9)、tEGFR(truncated EGFR)(配列番号10)が連なった構造を有する。CD19-CAR-T2A-tEGFRをコードするヌクレオチド配列(CD19-CAR-T2A-tEGFR遺伝子)を配列番号11に示す。
作成したレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入が可能か、また、Dox投与によって発現誘導が可能かなどを検討するため、ヒトT細胞性白血病腫瘍株であるSUPT1に対してTet-CD19CAR遺伝子を遺伝子導入した。遺伝子導入後に遺伝子発現を確認し、陽性分画を分取した結果を示す(図2)。Tet-CD19CAR Dox (-)はDox投与後にCARを発現している部分を分取し、Dox非投与にてCAR発現を検討した結果である。同様にTet-CD19CAR Dox (+)はDox投与後のCAR発現を検討したものである。Dox (+)とDox (-)の間に発現量の差が見られる。
SUPT1-tet-CD19CAR細胞を用いて、CAR発現を誘導するために必要なDox濃度を検討した。EGFR抗体による染色およびFcに対する抗体による染色の双方でDox 100ng/ml以上の投与によってそれ以上の濃度と同等の発現が見られた(図3)。
SUPT1-tet-CD19CAR細胞を用いて、Dox投与開始後および投与中止後のCAR発現動態を検討した。EGFR抗体による染色およびFcに対する抗体による染色の双方で検討し、Dox投与開始後24時間でCAR発現はピークに達した(図4)。またDox投与中止後48時間でCAR発現はバックグラウンドレベルに到達した(図5)。
実験手順は以下の通りとした。CD8陽性細胞を健常ドナーの末梢血から分離し、Tet-CD19CARレトロウイルスを用いて遺伝子導入を行った。培養開始から8日目にCAR発現を検討した。Dox非投与群ではTet-CD19CARではCAR発現は見られなかったが、Dox投与群では発現が見られた(図6)。Dox(-)群でも低い発現を示す分画が6.9%存在する。Dox(+)群では弱い発現を示す分画が3.3%、高い発現を示す分画が5.8%存在した。
CD19CAR-ORおよびTet-CD19CAR Dox (+)細胞をtEGFRを用いて純化した。Tet-CD19CARの遺伝子導入効率は5〜10%程度とCD19CAR-OR細胞に比べて不良であるが、tEGFR純化後には約80%の純度を示した(図7)。
培養開始から8日目にtEGFRを用いて純化を行い、その後CD3/28ビーズを用いて刺激を行った。培養開始から11日目以後Dox (+)群とDox (-)群に分けて、それぞれDox (+)あるいはDox (-)にて培養を継続した。その後培養開始から15日目近辺で細胞機能を測定した。
(5)の様に遺伝子導入を行った後、(6)の純化後のTet-CD19CAR T細胞を用いて、CD19を遺伝子導入したK562 (K562-CD19)および遺伝子導入していないK562細胞を標的として標準的クロム放出試験を行った。恒常的に発現するCD19CAR(CD19CAR-OR)とTet-CD19CAR Dox (+)では、K562-CD19に対して同等の細胞傷害活性が見られた(図9)。K562に対しては有意に細胞傷害活性は減弱していた(図9)。一方でTet-CD19CAR Dox (-)はK562/K562-CD19ともに傷害しなかった(図9)。このことからTet-CD19CAR Dox (-)にフローサイトメトリーで見られる弱いCAR発現は、細胞傷害活性を発揮する範囲よりも弱い発現であることが分かる。
(6)の純化後のTet-CD19CAR T細胞を用いてK562/K562-CD19との4時間の共培養を行い、細胞内IFN-γ染色を行った。遺伝子非導入細胞では反応は見られず、CD19CAR-OR遺伝子導入細胞では従来通りの反応が見られた(図10)。Tet-CD19CAR Dox (-)細胞ではごく低いIFN-γ陽性細胞比率であったが、Tet-CD19CAR Dox (+)細胞ではCD19CAR-ORと同等の反応が見られた(図10)。
(6)の純化後のTet-CD19CAR T細胞を用いてK562/K562-CD19との共培養を行い、16時間後の培養上清においてELISA法にてIL-2を定量した。遺伝子非導入細胞では反応は見られず、CD19CAR-OR遺伝子導入細胞では従来通りの良好な反応が見られた(図11)。Tet-CD19CAR Dox (-) 細胞ではごく低いIL-2放出が見られるのみであったが、Tet-CD19CAR Dox (+)細胞ではCD19CAR-ORと同等のIL-2産生が見られた(図11)。
(6)の純化後のTet-CD19CAR T細胞を用いて、K562-CD19にてそれぞれの細胞を1:1刺激し、刺激後の細胞増殖を検討した。遺伝子非導入細胞およびTet-CD19CAR Dox (-)細胞はK562-CD19刺激後、増殖反応は見られなかった(図12)。一方でCD19CAR-OR遺伝子導入細胞およびTet-CD19CAR Dox (+)細胞では同等の細胞増殖反応が見られた(図12)。
・Tet-CD19CARをコードするレトロウイルスベクターを作成し、これを用いてTet-CD19CAR T細胞を作成することが出来た。
・Tet-CD19CAR T細胞においてCARを発現させるために必要なドキシサイクリンは100ng/mlであった。即ち、低濃度の薬剤でCARの発現が可能であった。この点は臨床応用する上で重要である。
・Tet-CD19CAR T細胞におけるドキシサイクリン投与後のCARの発現は24時間でピークに達し、ドキシサイクリン中止後48時間でバックグラウンドレベルに低下した。即ち、良好な応答性が認められた。特に、発現低下の際の応答性は期待を超えるものであり、本戦略の有効性を裏づける。
・Dox (+) Tet-CD19CAR T細胞は、CD19刺激によってCD19CAR-OR遺伝子導入T細胞と同等のCD19特異的細胞傷害活性、IL-2産生能および刺激後の増殖能を示した。この事実は、今回の戦略が臨床応用に適することを支持する。
・Dox (-) Tet-CD19CAR T細胞は、CD19刺激によって有意に減弱した細胞傷害活性細胞傷害活性を示し、サイトカイン産生および刺激後の細胞増殖をほとんど示さなかった。
以上の通り、標的抗原特異的CARの発現にテトラサイクリン遺伝子発現誘導システムが有効に機能することが示された。当該戦略には以下の利点がある。即ち、CAR遺伝子導入T細胞を死滅させることなくCARの発現をコントロールできる。有害事象の発現時には薬剤投与を中止することによって、免疫反応を収束させうる。Tet-CD19CAR T細胞は体内に残存しているため薬剤の再投与によって再度活性化し、治療を再開できる。
Claims (16)
- tetオペレーター配列、該tetオペレーター配列の制御下にあるプロモーター配列、及び該プロモーター配列の下流に配置された標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子、を含む第1発現カセットと、
免疫細胞で機能するプロモーター配列、該プロモーター配列の下流に配置されたリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子をコードする配列、を含む第2発現カセットと、
を含む、標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子発現システム。 - 標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子が、CD19キメラ抗原レセプター遺伝子である、請求項1に記載のシステム。
- CD19キメラ抗原レセプターが、抗CD19モノクローナル抗体のscFv断片を含む細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、免疫細胞のエフェクター機能のための細胞内シグナルドメインと、を含む、請求項2に記載のシステム。
- 第1発現カセットが検出用遺伝子を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
- 検出用遺伝子が、自己開裂ペプチドをコードする配列を介して標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子に連結している、請求項4に記載のシステム。
- 検出用遺伝子が細胞内ドメインを欠く上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子である、請求項4又は5に記載のシステム。
- 第1発現カセットが第1ベクターに保持されており、第2発現カセットが第2ベクターに保持されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
- 第1発現カセットと第2発現カセットが一つのベクターに保持されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
- ベクターがレトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステムが導入された免疫細胞。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステムがトランスポゾンを利用して導入された免疫細胞。
- 免疫細胞がT細胞である、請求項10又は11に記載の免疫細胞。
- 請求項10〜12のいずれか一項に記載の免疫細胞を治療上有効量含む、細胞製剤。
- tetオペレーター配列、該tetオペレーター配列の制御下にあるプロモーター配列、及び該プロモーター配列の下流に配置された標的抗原特異的キメラ抗原レセプター遺伝子、を含む第1発現カセットと、免疫細胞で機能するプロモーター配列、該プロモーター配列の下流に配置されたリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子をコードする配列、を含む第2発現カセットと、を保持するベクター。
- レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターである、請求項14に記載のベクター。
- 請求項10〜12のいずれか一項に記載の免疫細胞を、治療上有効量、がん患者に投与するステップを含む、がんの治療法。
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