JP2016213301A - 磁気粘性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたり磁性粒子の沈降を抑制できる安定性に優れた磁気粘性剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)40℃における動粘度が2〜5000mm/sである基油と、(B)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上の金属を含む金属粒子、並びに、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を含み、強磁性を示す金属化合物粒子からなる群より選ばれ、平均粒子径が0.05〜50μm、組成物全量に対する含有量が50〜90質量%である磁性粒子と、(C)式(1)で表される構造を有し、組成物全量に対する含有量が0.2〜10.0質量%である沈降抑制剤と、を含有する磁気粘性剤組成物。Rはベンゼンから4個の水素原子を除いた基を表し、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下の脂肪族炭化水素基を表す。
(R−HNOC)−R−(CONH−R (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気粘性剤組成物に関する。
合成油などに磁性粒子を混合したものとして、磁性流体と言われるものがすでに販売されている。磁性流体に含まれる磁性粒子は、粒子径が数ナノメートルと極めて小さいので安定性に優れていて、通常、数年間静置していても磁性粒子は沈降しない。
しかし、磁性粒子の粒子径の小ささから磁界を印加しても鎖状構造にならず、粘度や降伏応力の増加幅は小さいためクラッチやダンパーなどへの適用は困難で、磁気シール等の用途で使用されているに過ぎない。
そこで、自動車のダンパーへの適用を目的として、磁性流体に使用されている磁性粒子に比べ格段にサイズの大きい磁性粒子を基油に配合した、磁気粘性流体(Magneto‐Rheological Fluid:MR流体)が開発されている。磁気粘性流体は、外部から印加される磁界強度に応じて、流動性の高い状態から大きな降伏応力を有するゲル状態に、急速かつ連続的、可逆的に変化する機能性流体である。
磁気粘性流体が充填された自動車用ダンパーは一般にMRダンパーと呼ばれている。MRダンパーは、磁界強度を変化させることにより降伏応力の大きさを制御できることから、減衰力の調整が幅広い範囲で可能なため、自動車の車体安定性を向上させると同時に卓越した乗り心地を実現できるとされている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
磁気粘性流体の降伏応力が磁界強度に応じて大きく変化するのは、磁界を加えると磁性粒子が磁化されて磁界方向に配列し、磁界を印加する電極間に鎖状構造(クラスター)を形成すること、そして磁界強度が高いほど強固で密なクラスターを形成する作用のためである。すなわち、印加する磁界の強さに応じて粘度や降伏応力を高精度で制御することができる。そして、クラスター形成速度、すなわち応答性は数マイクロ秒と極めて瞬時である。磁気粘性流体はこのような優れた特徴を有することから、近年では、自動車用のMRダンパーのみならず、各種クラッチ、アクチェーター、ブレーキ等への応用が種々検討されている。
また、最近では建造物の免震・制振構造分野においても注目され、ダンパーなどのエネルギー吸収部材に応用されつつある。これはMRダンパーを制振装置として、振動に対する構造物の応答加速度と応答変位の両面を低減させることを目的としている。建造物としては、例えば高層ビルあるいは一般の戸建住宅などである。この用途にMRダンパーを適用すると、降伏応力の制御範囲が広いため建造物の揺れ度合いに応じた減衰力を発生することができ、地震発生時に、建造物の揺れを抑制する。
磁気粘性流体に外部から磁界を加えることで力学特性を変化させることを、一般にはMR効果という。MR効果は流体に配合する磁性粒子のサイズと量にほぼ支配され、磁性粒子が大きいほど、また、配合量が多いほど大きなMR効果を得ることができる。自動車や各種産業機械のMRダンパーやクラッチ、ブレーキ並びに建造物のMRダンパーに必要なMR効果を得るには、通常1μm〜100μmサイズの磁性粒子が必要といわれている。
前述のように、磁気粘性流体は、基油に磁性粒子を配合したものであるが、基油と磁性粒子の2成分のみでは、基油に比べ格段に密度の大きい磁性粒子は早期に沈降してしまうことになる。
例えば、建造物に設置されたMRダンパーは静置状態で長年置かれるので、磁性粒子が沈降すると必要時に設定値に見合う出力(降伏応力)が得られないことになり、その場合には地震時に磁界オン(磁気粘性粒体に磁界を印加した状態)になっても実際の降伏応力は小さく、結果として初期設定値に比べ十分な制震効果が得られないおそれがある。この課題を解決する手段として、磁性粒子の沈降を長期にわたり抑制する技術の構築が期待されているが、基油に比べてはるかに高密度の磁性粒子の沈降を抑制することは難しい。
磁性粒子の沈降の課題を解決するために、各種添加剤を配合して沈降を抑制しようとする試みがなされてきた。
例えば、粒径が0.05〜100μmの磁性粒子(例えば、鉄等の金属粒子、カルボニル鉄、マグネタイト等の強磁性を示す金属化合物粒子等)と、鉱油、ポリアルファオレフィンあるいはエステル、シリコーン油などの基油と、磁性粒子の沈降抑制・安定分散を目的に界面活性剤や各種チキソトロープ剤などの添加剤とを含む磁気粘性流体が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、特許文献3ではキャリヤ流体(基油)として50質量%のグリコール類にヒュームドシリカを配合した系で、24時間のあいだ鉄粒子の沈降を抑えることが記載されている。しかし、このような短時間の沈降抑制では性能的に不十分なため、長期にわたり磁性粒子の沈降を抑制することができる磁気粘性剤が望まれている。
精密工学会誌,P813−816,Vol.72,No.7(2006年) HONDA R&D Technical Review,Vol.19,No.1(April 2007)
特開2006−286890号公報 特表平8−502783号公報 特表2010−535432号公報
本発明は、長期にわたり磁性粒子の沈降を抑制できる安定性に優れた磁気粘性剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成することを意図して研究を重ねた結果、基油に、磁性粒子及び特定の沈降抑制剤を特定量配合することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明の磁気粘性剤組成物を完成するに至った。すなわち、以下の本発明が提供される。
<1>(A)40℃における動粘度が2〜5000mm/sである基油と、
(B)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上の金属を含む金属粒子、並びに、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を含み、強磁性を示す金属化合物粒子からなる群より選ばれる1種以上の磁性粒子であって、平均粒子径が0.05〜50μmであり、組成物全量に対する含有量が50〜90質量%である磁性粒子と、
(C)下記式(1)で表される構造を有し、組成物全量に対する含有量が0.2〜10.0質量%である沈降抑制剤と、
を含有する磁気粘性剤組成物。
(R−HNOC)−R−(CONH−R (1)
[式(1)中、Rはベンゼンから4個の水素原子を除いた基を表し、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下の脂肪族炭化水素基を表す。]
本発明によれば、長期にわたり磁性粒子の沈降が抑制される磁気粘性剤組成物が提供される。
以下、本発明の磁気粘性剤組成物について詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲を表す「〜」は、その上限値及び下限値としてそれぞれ記載されている数値を含む範囲を表す。また、数値範囲において上限値のみ単位が記載されている場合は、下限値も上限値と同じ単位であることを意味する。
本発明の磁気粘性剤組成物は、(A)40℃における動粘度が2〜5000mm/sである基油と、
(B)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上の金属を含む金属粒子、並びに、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を含み、強磁性を示す金属化合物粒子からなる群より選ばれる1種以上の磁性粒子であって、平均粒子径が0.05〜50μmであり、組成物全量に対する含有量が50〜90質量%である磁性粒子と、
(C)下記式(1)で表される構造を有し、組成物全量に対する含有量が0.2〜10.0質量%である沈降抑制剤と、
を含有する。
(R−HNOC)−R−(CONH−R (1)
[式(1)中、Rはベンゼンから4個の水素原子を除いた基を表し、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下の脂肪族炭化水素基を表す。]
(A)基油
本発明の磁気粘性剤組成物に用いられる基油は、米国石油協会(API)規定の基油分類グループI、II、III、IV及びVであって、具体的には鉱物系、合成系、又は植物油系の基油が単独で又はこれらの混合物が用いられる。本発明で用いる基油は、日本規格協会JIS K2283動粘度試験方法による40℃における動粘度が、2〜5000mm/s、好ましくは5〜2000mm/s、特に好ましくは5〜1000mm/sである。また、本発明の磁気粘性剤組成物に用いられる基油の粘度指数は、50以上が好ましく、80〜200が特に好ましい。
基油の40℃における動粘度が2mm/s未満では、引火点が低くなるとともに蒸発しやすくなるためMR流体として好ましくない。また、基油の40℃における動粘度が5000mm/sを超えると、粘稠性が高まり、磁気粘性剤組成物の製造時に基油中への磁性粒子の安定分散が困難になる。
鉱油系基油としては、様々な製造法により得られたものが使用できる。例えば、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋または水素化脱蝋などの処理を施した、高度に精製されたパラフィン系鉱油等が好ましく使用される。また、上記以外にも様々な製造法により得られた鉱物系基油が使用でき、例えば、潤滑油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油などが挙げられる。
また、天然ガスを原料として化学的に分子量の大きい炭化水素油に変換した後、ワックス分を除去する等の精製処理を行うことにより得られるGTL系基油も挙げることができる。特に、水素化分解工程や異性化工程によって得られる高粘度指数鉱油が好適なものとして挙げることができる。
合成油系基油としては、例えば、メタン等のガスを原料としてフィッシャー・トロプシュ反応により合成される基油、ポリ−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、ポリエチレンプロピレン類、ヒンダードエステル類、二塩基酸エステル、リン酸エステル、シリコーン油などを挙げることができる。
植物油としては、大豆油、菜種油、パーム油などである。
これらの基油は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。鉱油系基油、合成系基油、及び植物油から選ばれる2種以上の基油を混合して使用してもよい。
基油は、本発明の磁気粘性剤組成物において(B)磁性粒子と(C)沈降抑制剤の分散媒の役割を担い、基油の含有割合は組成物全量に対して最大で49.9質量%、最少で5質量%であるが、好ましくは7〜35質量%、更に好ましくは12〜30質量%である。
(B)磁性粒子
本発明の磁気粘性剤組成物は、磁性粒子として、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上を含む金属粒子、並びに窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を含み、強磁性を示す金属化合物粒子から選ばれる1種以上の磁性粒子を含有する。
ここで、金属粒子は、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上を含む金属成分からなる粒子を意味し、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる金属単体からなる粒子又は鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上の金属成分を含む合金粒子である。合金粒子は、鉄、コバルト又はニッケル以外の金属成分を含んでもよいが、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上を主成分とすることが好ましい。また、金属化合物粒子としては、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を主成分とすることが好ましい。ここで、「主成分」とは、磁性粒子を構成する成分のうち質量割合が最も多い成分を意味する。
上記磁性粒子の中でも、比較的球形状のカルボニル鉄が好ましい。カルボニル鉄は鉄ペンタカルボニルの熱分解により製造される。なお、本発明の磁気粘性剤組成物に用いる磁性粒子は、シランカップリング剤などで表面コーティングをした磁性粒子でもよいし、表面コーティングをしていない磁性粒子でもよい。
本発明で用いる磁性粒子の平均粒子径は0.05〜50μmであり、好ましくは0.05〜40μm、さらに好ましくは0.1〜30μmである。なお、磁性粒子の平均粒子径はレーザー回折散乱式法で測定される平均粒子径である。平均粒子径が0.05μmより小さいと降伏応力が低くなり、逆に50μmより大きいと磁性粒子の沈降は早くなり、安定性に欠け、摺動時のフリクション増加につながるので好ましくない。
磁性粒子の含有割合は組成物全量に対して50〜90質量%、好ましくは55〜88質量%、更に好ましくは60〜87質量%である。磁性粒子の配合割合が50質量%未満であると、磁界印加時に必要な降伏応力が得られず、90質量%を超えると凝集が強くなり磁気粘性剤として機能しない。
(C)沈降抑制剤
本発明の磁気粘性剤組成物は、磁性粒子の沈降を抑制するために、下記式(1)で表される構造を有する化合物を含有する。
(R−HNOC)−R−(CONH−R (1)
式(1)中、Rはベンゼンから4個の水素原子を除いた基であり、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下の脂肪族炭化水素基である。
本発明の磁気粘性剤組成物における式(1)で表される沈降抑制剤の含有量は、組成物全量に対して0.2〜10.0質量%、好ましくは0.2〜6.0質量%、更に好ましくは1.0〜6.0質量%である。式(1)で表される沈降抑制剤の含有量が0.2質量%未満であると磁性粒子の沈降抑制効果が得られず、10.0質量%を超えると基油に溶解するのが難しくなる。
式(1)において、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下であって、直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基であればよく、炭素数.6〜18のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などを挙げることができる。磁性粒子の沈降を抑制する観点から、R及びRの一方は、炭素数8〜18の脂肪族炭化水素であり、他方は炭素数12〜18の脂肪族炭化水素であることが好ましい。
(D)その他の成分
本発明の磁気粘性剤組成物は、上記の(A)基油、(B)磁性粒子、及び(C)式(1)で表される化合物の他に、必要に応じて、界面活性剤、式(1)で表される化合物以外の沈降抑制剤等を添加することができる。
界面活性剤としては、磁性粒子と親和性のある官能基を備えたものが好ましく、具体的には、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸や、脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどのエステル類が挙げられる。また、脂肪酸アミド、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン誘導体、ひまし油誘導体、アンモニウム塩等が用いられる。
式(1)で表される化合物以外の沈降抑制剤としては、各種のチクソトロピー性を示す物質、例えばヒュームドシリカ、脂肪酸アマイドワックス、ベントナイト等である。
また、磁気粘性剤組成物の長期安定性を確保するために、潤滑剤に一般に用いられている公知の添加剤、例えば金属型清浄分散剤、無灰型清浄分散剤、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、消泡剤、着色剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤などを添加することもできる。
金属型清浄分散剤としては、金属成分がカルシウムやマグネシウムである、スルホネート、フィネート、サリシレート等が挙げられる。これらの添加剤は特に内部が高温になる環境で使用される磁気粘性剤組成物として好適であり、組成物全量に対する含有量としては0.1〜5.0質量%の範囲が好ましい。
無灰型分散剤としては、コハク酸イミド系無灰分散剤、コハク酸アミド系無灰分散剤、又はこれらのホウ素化誘導体などが挙げられる。コハク酸イミド系無灰分散剤としては、ビスポリプロペニルコハク酸イミド、モノプロペニルコハク酸イミド、ビスポリブテニルコハク酸イミド、モノブテニルコハク酸イミド、ビスポリペンテニルコハク酸イミド、モノペンテニルコハク酸イミドなどのポリアルケニルコハク酸イミドなどが挙げられる。コハク酸アミド系無灰分散剤としては、ポリプロペニルコハク酸アミド、ポリブテニルコハク酸アミド、ポリペンテニルコハク酸アミドなどのポリアルケニルコハク酸アミド等が挙げられる。通常、これらの無灰分散剤におけるポリアルケニル基の分子量は、70〜50000程度である。また、これらのホウ素化誘導体としては、ポリアルケニルコハク酸無水物を、ホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩などのホウ素化合物及びポリアミンなどと反応させることにより得られる無灰型分散剤が挙げられる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、高級アルコール、アミン、エステル、硫化油脂、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルなどが挙げられる。
摩耗防止剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、各種のリン酸エステル、チオリン酸エステル、各種リン酸エステルのアミン塩などが挙げられる。
極圧剤としては、炭化水素硫化物、硫化油脂、硫黄、リン酸エステル、亜リン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。
さび止め剤としては、カルボン酸やそのアミン塩、エステル、スルホン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。
摩擦調整剤としては、有機モリブテン化合物、多価アルコール部分エステル系、アミン系、アミド系、硫化エステル、リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩、ジオール類などが挙げられる。
酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、ジルコニウム系、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、アルケニルコハク酸エステルなどが挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン化合物、フルオロシリコーン化合物、エステル系などが挙げられる。
粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体系、ポリイソブチレン系などが挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどが挙げられる。
本発明の磁気粘性剤組成物の調製方法は、上記必須成分(A)〜(C)、並びに必要に応じて(D)その他の添加剤を適宜混合すればよい。各成分の混合順序は特に制限されるものではないが、プロペラタイプの高速撹拌機やプラネタリミキサー型の撹拌装置が好ましく用いられ、撹拌時の磁気粘性剤組成物の温度は20℃〜120℃程度が好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例および比較例では、表1〜表3に示す割合で基油並びに磁性粒子と沈降抑制剤を配合して、プロペラタイプの高速撹拌機を用い約80℃で混合し、磁気粘性剤組成物を調製し、それぞれの性能を評価した。結果は表1〜表3に示す。
実施例及び比較例の組成物の調製に用いた成分は次の通りである。
(基油)
・基油A;合成系基油PAO(ポリアルファオレフィン)で、40℃動粘度は5.2mm/s
・基油B;合成系基油DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバケート)で、40℃動粘度は11.57mm/s、粘度指数は152である。
・基油C;鉱油系基油で、40℃動粘度は504.0mm/s、粘度指数は97である。
(磁性粒子)
ほぼ球状のカルボニル鉄で、平均粒子径が8.5μm(レーザー回折散乱式法で測定される平均粒子径)のもの。
(沈降抑制剤)
・(1)−1;式(1)においてRは炭素数6の飽和の脂肪族炭化水素基(ヘキシル基)であり、Rは炭素数18の不飽和の脂肪族炭化水素基(オレイル基)である化合物。
・(1)−2;式(1)においてRは炭素数8の飽和の脂肪族炭化水素基(2−エチルヘキシル基)であり、Rは炭素数18の不飽和の脂肪族炭化水素基(オレイル基)である化合物。
・(1)−3;式(1)においてRは炭素数8の飽和の脂肪族炭化水素基(2−エチルヘキシル基)であり、Rは炭素数12の飽和の脂肪族炭化水素基(ドデシル基)である化合物。
・RC−A1;日本アエロジル株式会社製ヒュームドシリカで表面を疎水性にするためにジメチルジクロロシランで処理したもの。BETによる比表面積は110±20m/g、1次粒子の平均粒子径が約16nmのもの。
(その他の添加剤)
・オレイン酸(界面活性剤)。
[評価]
実施例及び比較例の組成物は、次の方法で評価した。
−沈降特性試験−
10mLのガラス製メスシリンダーに組成物を10mL入れ、室温(約25℃)で静置し、504時間後にメスシリンダー上部に分離してきた分離油量を目視で読み取り、この数値から油分分離率を求めた。油分分離率は下記式(2)から求めた。
油分分離率(%)=(分離油量/組成物10mL中の油分量)×100 (2)
(組成物10mLの油分量=基油量+沈降抑制剤量+オレイン酸量)
油分分離率は少ないほど沈降抑制性に優れ、実用的なものは30%以下であり、20%以下が好ましく、10%以下が最も好ましい。
本発明の磁気粘性剤組成物は、実施例で示した通り、磁性粒子の沈降抑制性に優れており、各種ダンパー、トルク伝達装置、クラッチ、各種ブレーキ、振動吸収装置などに極めて有用である。

Claims (1)

  1. (A)40℃における動粘度が2〜5000mm/sである基油と、
    (B)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種以上の金属を含む金属粒子、並びに、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる1種以上を含み、強磁性を示す金属化合物粒子からなる群より選ばれる1種以上の磁性粒子であって、平均粒子径が0.05〜50μmであり、組成物全量に対する含有量が50〜90質量%である磁性粒子と、
    (C)下記式(1)で表される構造を有し、組成物全量に対する含有量が0.2〜10.0質量%である沈降抑制剤と、
    を含有する磁気粘性剤組成物。
    (R−HNOC)−R−(CONH−R (1)
    [式(1)中、Rはベンゼンから4個の水素原子を除いた基を表し、R及びRは互いに異なり、それぞれ炭素数6以上18以下の脂肪族炭化水素基を表す。]
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