JP2016213034A - 蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生可能エネルギー由来の電力の大規模貯蔵に適したコンパクトでかつポンプ消費電力を抑えた大容量の蓄電装置を提供する。【解決手段】本発明の蓄電装置は、負極電解液貯蔵部と、正極電解液貯蔵部と、隔壁と、負極と、正極と、を備え、負極電解液貯蔵部は、負極活物質である亜鉛の化合物を含む負極電解液を収容し、正極電解液貯蔵部は、正極活物質であるヨウ素又は臭素の化合物を含む正極電解液を収容し、負極電解液に含まれる負極活物質の濃度は、2〜35mol/Lである。【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電装置に関するものである。
近年、地球において資源の枯渇と環境破壊は大きな問題とされており、再生可能エネルギーによるゼロエミッション型社会の構築が求められている。しかしながら、再生可能エネルギーは、出力が不安定であり、電力需要に応じた供給が出来ない点が問題として挙げられている。そこで、大規模に電力を貯蔵できる蓄電池が注目されている。
電力貯蔵用の蓄電池に関しては、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、NAS電池、レドックス・フロー電池(以下、単に「フロー電池」ともいう。)など、構成部材や運転方法の異なる様々な種類が開発されている。
例えば、NAS電池は、大容量で長寿命とされており、ウインドファームやメガソーラーなどの大規模な再生可能エネルギー発電所にメガワット単位で導入され、系統連携用の平準化用途に利用するシステムが提案されている。リチウムイオン二次電池は、重量当たりの蓄電容量に優れ、充放電効率が高く、高出力化が可能であることから、家庭用のバックアップ用システムとして、特に東日本大震災を契機に各社から様々な容量の装置が市販化されている。鉛蓄電池は、信頼性が高く、蓄電容量あたりのコストが低いことから、家庭用や事業所用のロードレベリングや再生可能エネルギー発電所用の平準化など幅広い用途に提案されている。
これに対して、レドックス・フロー電池は、上記の蓄電池とは装置構成が異なる。レドックス・フロー電池は、活物質に溶液中に溶解した金属イオンを用いており、金属イオンの酸化還元(レドックス)反応で充放電を行う。活物質は液体としてタンクに貯蔵することから、大容量化が容易であるため、事業所用のロードレベリング用途や再生可能エネルギー発電所における平準化用途に適している。
レドックス・フロー電池の負極活物質として亜鉛(Zn)とした場合、正極活物質としてはハロゲンを用いるものが検討されている。
特許文献1には、負極活物質として亜鉛を用い、正極活物質としてハロゲンである臭素、ヨウ素等を用い、負極用及び正極用の電解液の貯蔵タンクを有するレドックスフロー電池の構成を有する蓄電装置が開示されている。
上述したように、今後見込まれる再生可能エネルギー電力の大量導入には、大規模な電力貯蔵に適したNAS電池やレドックス・フロー電池の利用が好ましい。
しかしながら、NAS電池やLi塩を利用した有機溶媒レドックス・フロー電池は、燃焼の危険があるため、外気を完全に遮断する必要がある。
また、従来の金属イオンを用いたレドックス・フロー電池は、単位当たりの電気容量が低い。このため、広大な設置面積が必要となり、電池システムの組み立てに必要な施工費の割合が高くなる。また、レドックス・フロー電池の場合、タンクから充放電を行う充放電セルに活物質を送り込むポンプが必要となり、ポンプの消費電力がかかる。これらは、装置コストの上昇要因となり、電力貯蔵の大容量化を妨げとなる。
一方、風力発電設備や太陽光発電設備は、大規模化が進んでいる。また、世界的に再生可能エネルギー由来の電力導入割合を増やす傾向にあり、電力の需給ギャップを調整するための蓄電設備の大容量化に対する需要は、今後、急増すると考えられる。
このように、再生可能エネルギー由来の電力を大規模に貯蔵する蓄電システムのニーズは高まる一方、従来のレドックス・フロー電池ではサイズや大容量化コストの問題を有している。
本発明の目的は、再生可能エネルギー由来の電力の大規模貯蔵に適したコンパクトでかつポンプ消費電力を抑えた大容量の蓄電装置を提供することにある。
本発明の蓄電装置は、負極電解液貯蔵部と、正極電解液貯蔵部と、隔壁と、負極と、正極と、を備え、負極電解液貯蔵部は、負極活物質である亜鉛の化合物を含む負極電解液を収容し、正極電解液貯蔵部は、正極活物質であるヨウ素又は臭素の化合物を含む正極電解液を収容し、負極電解液に含まれる負極活物質の濃度は、2〜35mol/Lである。
本発明によれば、再生可能エネルギー由来の電力の大規模貯蔵に適したコンパクトでかつポンプ消費電力を抑えた大容量の蓄電装置を提供することができる。
本発明は、大容量蓄電向けフロー電池に関するものである。
本発明のフロー電池(フロー型蓄電装置)は、亜鉛を活物質に用いた負極電解質水溶液と、ハロゲン(ヨウ素又は臭素)を活物質に用いた正極電解質水溶液を用いる。そして、活物質の濃度が高い電解液を利用し、充放電セルに電解液貯蔵槽を設けることにより、静止状態の電解質水溶液でも規定の時間の充放電を可能とすることを特徴とする。特に、負極電解質の亜鉛化合物を正極電解質より高濃度化することにより、正極側外部タンクを必要としないフロー電池が実現できる。このため、コンパクトで大容量の電力が貯蔵できるため、大規模貯蔵に適した蓄電装置となる。
負極電解液貯蔵部は、1〜8時間の充放電が可能な量の負極電解液を収容することが望ましい。
なお、負極側及び正極側の電解質水溶液の活物質濃度が高いため、正極側のポンプを運転せず、負極側及び正極側の電解質水溶液を両方とも静止状態に保った場合でも、充放電の繰り返しが可能であることがわかっている。
例として、正極に亜鉛板を用い、負極にカーボンペーパーを用い、隔壁(隔膜)にナフィオン(登録商標)を用い、負極側の電解質水溶液を3mol/LのZnCl2水溶液とし、正極側の電解質水溶液を6mol/LのNaI水溶液とした場合に、充放電の繰り返し(7〜10日間隔)を行っても充放電特性の変化は見られないことを確認している。
本発明の特徴は、電解質水溶液の活物質として溶解度の高いものを用いることにある。フロー電池では、電解質(活物質)の溶解度が高いほど体積エネルギー密度が高くなるため、コンパクトに大容量電力を貯蔵できるようになる。亜鉛を含む化合物は、溶解度が高く、塩化亜鉛は35mol/Lを超える溶解度を有する。亜鉛の溶解析出反応は、充放電に利用することが可能であり、標準酸化還元電位が−0.72Vと負極活物質として好適である。一般に、溶液中のイオン量が増えるにつれて、酸化還元反応で反応種の溶液中における拡散速度が表面反応速度を上回るようになる。これは、溶液を撹拌する必要がなくなることを意味する。
一般的なレドックス・フロー電池は、活物質の溶解度が低いため、充放電を行う場合は溶液をポンプでフローすることで電極に供給し、電解質イオンが拡散律速にならないようにしている。一方、亜鉛を負極活物質に適用した場合、拡散律速にならない高濃度化での稼働が可能となるため、ポンプを常時駆動とする必要がなくなる。
レドックス・フロー電池では、ポンプの駆動消費電力が充放電効率低下の一因となっている。また、ポンプが何らかの要因で故障した場合、電池としての機能が発揮できなくなる。さらに、レドックス・フロー電池において、ポンプは最も故障頻度の高い部材であるため、ポンプの数を減らすことはフロー電池の性能向上及び信頼性向上に有効である。
また、従来のレドックス・フロー電池は、活物質の溶解度が低い。このため、十分な容量を確保するための外部タンクを備え、この外部タンクに活物質イオンを含む電解質水溶液を大量に保存している。外部タンク保存は、タンク体積で蓄電容量を設計できるため、大規模電力貯蔵に適している。しかしながら、タンクの設置面積が増加すると、蓄電システムとしての施工費用が増加する。また、配管距離が長くなると、電解質水溶液の漏えいなどのリスクが増す。ポンプを駆動しなければ、短時間の充放電しかできないなどの問題が生じる。
本発明においては、高濃度の亜鉛イオンを含む水溶液を用いるため、電解質水溶液の容量を低減できる。よって、外部タンクでなく、電解セル部に貯蔵部を設けることにより、必要十分な充放電時間を実現できる。
亜鉛イオンの濃度は、高ければ高いほど好ましく、拡散律速にならない2mol/L以上であることが必要である。また、上述のとおり、塩化亜鉛を用いた場合、亜鉛イオンの濃度は、35mol/Lに達する。よって、亜鉛イオンの濃度は、2〜35mol/Lであることが望ましい。ただし、亜鉛イオンの濃度が高くなると電解液の導電度が低下する。また、拡散の面から、亜鉛イオンの濃度は3mol/L以上が更に望ましい。このため、電池として更に望ましい亜鉛イオンの濃度は3〜15mol/L程度である。ここで、濃度の単位である「mol/L」は、溶液1L(1リットル=1dm3)当たりのモル数を表す。なお、塩化亜鉛以外のハロゲン化亜鉛も、溶解度が高いため、活物質として使用可能である。
正極活物質も、溶解度が高いことが好ましい。ヨウ化ナトリウムに代表されるヨウ化物イオンは、水溶液への溶解度が12mol/Lであり、標準酸化還元電位が0.57Vであるため、正極活物質として好適である。その濃度は、拡散律速にならない2〜12mol/Lであることが好ましい。また、臭素化合物は、溶解度が2mol/L程度であるが、標準酸化還元電位が1.1V程度であるため、正極活物質として利用してもよい。臭素化合物を用いる場合、その濃度は1〜2mol/Lが望ましい。この濃度範囲では臭素を含む錯体が形成されにくいため、沈殿が生じにくい。
正極活物質に用いるハロゲンは、負極の亜鉛に比べ溶解度が低いため、充放電セルにおける電解液貯蔵部以外に外部タンクに保存する必要がある。それでも従来のレドックス・フロー電池に比べ高濃度であるため、ポンプを常に駆動する必要はなく、多くの反応イオン量が必要となる高電流密度領域、もしくは反応イオン濃度が減少する領域、例えば放電時は低SOC領域、充電時は高SOC領域でのみポンプ駆動することにより、ポンプの消費電力を最小限にすることが可能である。ここで、SOCは、State Of Chargeの略であり、充電量を示す指標である。本明細書においては「充電率」と呼ぶことにする。
負極側の亜鉛イオン(Zn2+)は、高濃度であるため、拡散律速になる領域が少ない。このため、ポンプによるフローを必要としない。ただし、撹拌しない場合、濃度分布が生じるため、負極側についても電解質水溶液を撹拌できる撹拌機構を付設することが望ましい。具体的な例としては、正極の電解質水溶液のフローで駆動するプロペラや弁などが挙げられる。
電極材料に関しては、負極側は、亜鉛の溶解及び析出が円滑に進めばよい。金属ではZnが好適であるが、Ti、Fe、Cuなどの金属材料でもよい。また、化学的に安定な炭素材料を用いてもよい。一方、正極側は、ヨウ化物イオンや臭化物イオンによる腐食が問題となるため、化学的に安定な炭素材料であることが好ましい。さらに、反応速度を上げるため、白金族を担持してもよい。
電極部材の構造に関しては、高電流密度化を図るため、比表面積が高い多孔体、メッシュ、エキスパンドメタル、繊維、フェルト及び不織布のいずれかであることが好ましい。負極は、Znの溶解及び析出を利用するため、析出の均一性と比表面積の高さとのバランスを考慮し、メッシュ、エキスパンドメタル、不織布などを選択する必要がある。
隔壁は、充放電反応に寄与するイオンの移動を妨げず、充電した電解液が混合しない、すなわち自然放電しないように、ナフィオン(登録商標)で形成されたイオン交換膜等を用いることが望ましい。
貯蔵タンク、筐体及び配管の素材は、化学的に安定で、絶縁性を有し、強度があればよく、樹脂で形成することが好ましい。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
図1は、高濃度の亜鉛イオンを負極活物質としたレドックス・フロー電池の構成の例を示したものである。
本図において、レドックス・フロー電池100(蓄電装置)は、負極電解液貯蔵部1と、正極電解液貯蔵部2と、隔壁3と、負極4と、正極5と、正極電解液タンク6と、正極電解液ポンプ7と、を含むものである。隔壁3は、ナフィオン(登録商標)で形成されたイオン交換膜である。負極4は、亜鉛を析出させる多孔体であり、亜鉛めっきした鉄で形成されている。正極5は、炭素質の多孔体(カーボンペーパー)である。正極電解液ポンプ7により、正極電解液貯蔵部2と正極電解液タンク6との間で正極電解液が循環するようになっている。ここで、正極電解液は、正極活物質の溶液であり、通常、水溶液である。また、負極電解液は、正極活物質の溶液であり、通常、水溶液である。よって、これらはそれぞれ、正極電解質水溶液、負極電解質水溶液とも呼ぶ。なお、図示していないが、レドックス・フロー電池100(蓄電装置)は、所定の条件で正極電解液ポンプ7のオン・オフの指令を発する制御回路を有する。
隔壁3は、正極5と負極4との間に配置され、正極5及び負極4と密着するように配置されている。このように配置することにより、正極電解液及び負極電解液に淀みが生じないようにすることができる。
レドックス・フロー電池100は、電源8から電力の供給を受け、充電される。そして、外部負荷9に電力を供給し、放電する。
本図に示すように、負極側には、外部タンクを設ける必要がなく、本実施例においては設けていない。これは、塩化亜鉛の溶解度が非常に高いためである。すなわち、レドックス・フロー電池100は、1タンク1ポンプのフロー電池である。
負極4側は亜鉛の溶解及び析出、正極5側はヨウ素の酸化及び還元を用いて、充放電を行う。充放電配線には、電圧センサ10を設置し、電圧の変化量によってSOC状態及び電流密度の高低を計測し、正極電解液ポンプ7の駆動を制御する。負極電解液には、3mol/Lの塩化亜鉛水溶液を用いた。正極電解液には、9mol/Lのヨウ化ナトリウム水溶液を用いた。
なお、正極電解液には、ハロゲン化合物を用いることができ、ヨウ素化合物以外に臭素化合物も用いることができる。
負極側は、最小限のポンプ流量で電極反応を均一にするため、整流板を電解液貯蔵槽に設置してもよい。
図2は、整流板を設置した例を示したものである。
本図においては、正極電解液貯蔵部2の内部に整流板11を設けている。正極電解液ポンプ7により正極電解液を正極電解液タンク6から正極電解液貯蔵部2に供給すると、正極電解液は、整流板11を通過し、正極5側に流入する。整流板11は、正極電解液ポンプ7の正極電解液貯蔵部2における正極電解液の流入口と正極5との間に配置されている。整流板11は、正極5の平面部(正極5の整流板11と向き合う面)に平行に配置されている。このため、正極電解液貯蔵部2において正極電解液の淀みが生じにくくなっている。これにより、正極電解液が正極5側に一様に供給され、正極5における電極反応が均一になる。
負極電解液貯蔵部の電解液を撹拌する構成としてもよい。
図3は、正極電解液ポンプ7により生じる流れを負極電解液貯蔵部1の電解液の撹拌に利用した例を示したものである。
本図においては、正極電解液ポンプ7から正極電解液貯蔵部2に送られる正極電解液の配管の途中に撹拌機構12を設けている。この撹拌機構12は、プロペラ13を有し、正極電解液の流れのエネルギーを利用して、負極電解液貯蔵部1の内部にある負極電解液を撹拌するように構成されている。なお、プロペラ13の代わりに、液に振動を与える弁体などを用いてもよい。言い換えると、負極電解液に振動を与え、負極電解液を撹拌する機能を有するものであればよい。
また、本実施例においては、プロペラ13を流れのエネルギーにより駆動する構成としたが、これに限定されるものではなく、正極電解液ポンプ7の回転軸を延長して軸を共有するプロペラ13を付設し、このプロペラ13を負極電解液貯蔵部1の内部に配置し、正極電解液ポンプ7の回転に連動してプロペラ13を回転させて負極電解液を撹拌する構成としてもよい。
まとめると、撹拌機構12は、正極電解液ポンプ7の運転に伴う正極電解液ポンプ7の回転のエネルギー又はその運転に伴い流動する正極電解液のエネルギーを用いて負極電解液貯蔵部1の負極電解液を撹拌する。
これにより、負極電解液の撹拌を効率的に行うことができ、電池全体の体積を小さくすることができる。
図4は、電池としての電気化学反応の例を示したものである。3mol/Lの塩化亜鉛を負極の電解質水溶液とし、9mol/Lのヨウ化ナトリウムを正極の電解質水溶液にした場合である。電極は、負極側(図中左側)が亜鉛板、正極側(図中右側)がカーボンペーパーである。横軸に電位、縦軸に電流密度をとっている。
本図から、正極反応及び負極反応ともに、酸化還元電流が直線状であり、ピークを形成しない。よって、正極反応及び負極反応においては、拡散が律速となっていないことが確認できた。
図5は、電池の負荷の大小によるポンプ(正極電解液ポンプ)の制御の違いを示すグラフである。横軸に放電時間、縦軸に電池の電圧をとっている。
本図に示すように、電池の負荷が小さい場合は、電圧の低下は緩やかである。電池の負荷が大きい場合は、電圧の低下は急峻である。電池の負荷が小さい場合も大きい場合も、電圧がしきい値未満となったとき、ポンプの運転を開始する。
電池の負荷が小さい場合にポンプの運転をする目的は、正極電解液の交換である。電池の負荷が小さい場合は、正極電解液貯蔵部における正極活物質の消費が遅いため、正極電解液の濃度分布が生じても正極活物質の拡散律速になるわけではないからである。この場合、正極電解液の交換は短時間が望ましいため、ポンプを高回転数で運転する。一方、電池の負荷が大きい場合は、正極電解液貯蔵部において正極電解液の濃度分布が生じ、正極活物質の拡散律速の問題が生じるため、正極電解液貯蔵部の正極電解液の交換だけでなく、撹拌を行うことがポンプの運転をする目的となる。この場合、正極電解液の濃度分布を解消できれば電池の電圧は高くなるため、ポンプを低回転数で運転してもよく、その方が電池の電圧を維持するための消費電力を少なくすることができる。
まとめると、ポンプの運転は、間欠的に行うように制御することが望ましい。
なお、正極電解液ポンプの運転は、電池電圧を検出する電圧センサの計測値に基いて制御する。充電率(SOC)が必要な場合は、電圧センサの計測値に基いて算出する。
本図に示すように、充電率が20%未満に低下した場合、正極側の送液ポンプが駆動する。また、図示していないが、充放電時の電圧の時間変化の傾きが定格の場合の傾きに比べ30%以上大きくなっている場合にも、正極側の送液ポンプが駆動する。
本実施例のフロー電池(フロー型蓄電装置)は、正極側の溶液を撹拌するだけで済むため、従来のレドックス・フロー電池の2ポンプ構成より消費電力を低減できる。
1:負極電解液貯蔵部、2:正極電解液貯蔵部、3:隔壁、4:負極、5:正極、6:正極電解液タンク、7:正極電解液ポンプ、8:電源、9:外部負荷、10:電圧センサ、11:整流板、12:撹拌機構、13:プロペラ、100:レドックス・フロー電池。
Claims (16)
- 負極電解液貯蔵部と、正極電解液貯蔵部と、隔壁と、負極と、正極と、を備え、
前記負極電解液貯蔵部は、負極活物質である亜鉛の化合物を含む負極電解液を収容し、
前記正極電解液貯蔵部は、正極活物質であるヨウ素又は臭素の化合物を含む正極電解液を収容し、
前記負極電解液に含まれる前記負極活物質の濃度は、2〜35mol/Lである、蓄電装置。 - 前記負極電解液に含まれる前記負極活物質の濃度は、3〜15mol/Lである、請求項1記載の蓄電装置。
- 前記正極活物質は、ヨウ素の化合物であり、その濃度が2〜12mol/Lである、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
- 前記正極活物質は、臭素の化合物であり、その濃度が1〜2mol/Lである、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
- 前記負極電解液に含まれる前記負極活物質の濃度は、前記正極電解液に含まれる前記正極活物質の濃度より高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 前記正極及び前記負極は、多孔体で形成され、
前記隔壁は、前記正極と前記負極との間に配置され、前記正極及び前記負極に接している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 負極電解液ポンプ及び正極電解液ポンプのいずれも有しない構成である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- さらに、正極電解液タンクと、正極電解液ポンプと、を備え、
前記正極電解液ポンプは、前記正極電解液タンクと前記正極電解液貯蔵部との間で前記正極電解液を循環することができるように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 負極電解液タンク及び負極電解液ポンプを有しない構成であり、電解液ポンプを1つだけ有する構成である、請求項8記載の蓄電装置。
- 前記正極電解液貯蔵部は、整流板を有し、
前記整流板は、前記正極電解液ポンプの前記正極電解液貯蔵部における前記正極電解液の流入口と前記正極との間に配置されている、請求項8又は9に記載の蓄電装置。 - 前記整流板は、前記正極の平面部に平行に配置され、前記正極電解液貯蔵部における前記正極電解液の淀みを防止する、請求項10記載の蓄電装置。
- 前記正極電解液ポンプの運転に伴う前記正極電解液ポンプの回転のエネルギー又はその運転に伴い流動する前記正極電解液のエネルギーを用いて前記負極電解液貯蔵部の前記負極電解液を撹拌する撹拌機構を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 前記正極電解液ポンプの運転は、間欠的に行うように制御する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- さらに、電池電圧を検出する電圧センサを備え、
前記電圧センサの計測値に基いて前記正極電解液ポンプの運転を制御する、請求項8〜13のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 充電率が20%未満に低下したときは、前記正極電解液ポンプの運転を開始するように制御する、請求項14記載の蓄電装置。
- 前記充電率は、前記電圧センサの計測値に基いて算出する、請求項15記載の蓄電装置。
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