JP2016211604A - 液化ガスタンク断熱材用キャッピング材 - Google Patents

液化ガスタンク断熱材用キャッピング材 Download PDF

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Abstract

【課題】泡ガラスの層間に使用した際、該泡ガラスの割裂および座屈の両方の発生を抑制することができる液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を提供する。【解決手段】液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、液化ガスタンク2の底部に積層された泡ガラス3の層間に配置されるキャッピング材であって、セラミック繊維と、有機バインダーと、無機バインダーとを含み、厚さ方向における表面側11の上記有機バインダーの含有量は、厚さ方向における中央部12の上記有機バインダーの含有量よりも大きく、かつ、厚さ方向における中央部12の上記無機バインダーの含有量は、厚さ方向における表面側11の上記無機バインダーの含有量よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、液化ガスタンクに使用される泡ガラスを保護するためのキャッピング材に関する。
従来、液化ガス等を貯蔵する液化ガスタンクの底部には、該液化ガスタンクを低温に保つため、泡ガラスが2〜5段積層されている。泡ガラスの層間には、泡ガラス同士が接触して、該泡ガラスが破壊されることを防ぐため、キャッピング材が使用されている。
このようなキャッピング材として、例えば、特許文献1には、液化ガスタンクの保冷効果をより高めるため、セラミックス繊維等の繊維基材にエアロゲル(例えば、シリカエアロゲル、アルミナエアロゲル等)が充填された繊維体を用いたキャッピング材が開示されている。また、非特許文献1には、繊維基材に少量の有機バインダーを加えた「ファインレックス(登録商標)1300ペーパー」が、キャッピング材として用いられることが開示されている。
特開2011−127624号公報
ニチアス技術時報 2013 No.4
しかしながら、泡ガラスの層間に、従来のキャッピング材が配置された積層体では、液化ガスタンク内に投入される液化ガスの荷重により、泡ガラスが破壊される場合があった。このような泡ガラスの破壊は、主にキャッピング材との界面付近で観察された。すなわち、泡ガラスの破壊には、キャッピング材が影響していると考えられる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、泡ガラスの層間に使用した際、泡ガラスの破壊を防止可能な液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を提供することを目的とする。
本発明者らは、泡ガラスの層間に、従来のキャッピング材を配置した積層体を用いて、液化ガスの荷重により泡ガラスが破壊される原因について、検討を行った。その結果、泡ガラスには、割裂および座屈の2つの形態の破壊が観察された。割裂とは、泡ガラスが、キャッピング材との界面から、泡ガラスの内部に向かって裂ける破壊である。割裂は、キャッピング材を介して隣り合う泡ガラスにおいて、泡ガラス表面の大きな突起同士が、キャッピング材を貫通して接触することにより起きると考えられる。また、座屈とは、泡ガラスが、キャッピング材との界面で潰される破壊である。座屈は、泡ガラス表面の小さな突起が、キャッピング材と接触することにより起きると考えられる。
本発明の一実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、液化ガスタンクの底部に積層された泡ガラスの層間に配置されるキャッピング材であって、セラミック繊維と、有機バインダーと、無機バインダーとを含み、厚さ方向における表面側の上記有機バインダーの含有量は、厚さ方向における中央部の上記有機バインダーの含有量よりも大きく、かつ、厚さ方向における中央部の上記無機バインダーの含有量は、厚さ方向における表面側の上記無機バインダーの含有量よりも大きい(第1の構成)。
上記第1の構成に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材において、厚さ方向における表面側の有機バインダーの含有量が、厚さ方向における中央部の有機バインダーの含有量よりも大きい場合、キャッピング材の上記表面側にやわらかさが発現する。そのため、キャッピング材は、泡ガラスとの接触部分において、上記表面側が泡ガラス表面の小さな突起の形状に追従した形状に変化することで、該小さな突起を潰さずに保護する。その結果、キャッピング材と上記小さな突起とが接触することにより生じる泡ガラスの座屈の発生を抑制することができる。
また、上記第1の構成に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材において、厚さ方向における中央部の無機バインダーの含有量が、厚さ方向における表面側の無機バインダーの含有量よりも大きい場合、キャッピング材の上記中央部の強度および靭性が高くなる。そのため、泡ガラス表面の大きな突起は、キャッピング材の上記中央部を貫通しにくくなる。よって、キャッピング材を挟んで隣り合う泡ガラス表面の大きな突起同士は、接触しにくくなる。その結果、上記大きな突起同士が接触することにより生じる泡ガラスの割裂の発生を抑制することができる。
したがって、上記第1の構成に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、上記表面側がやわらかく、かつ、上記中央部が高い強度および靭性を有する。その結果、泡ガラスの割裂および座屈の両方の発生を抑制することができる。
上記第1の構成において、上記セラミック繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナーシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維およびガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種である(第2の構成)。
セラミック繊維としてこのような繊維を用いることにより、全体的に強度の高いキャッピング材が得られる。また、セラミック繊維としてこのような繊維を用いることにより、有機バインダーおよび無機バインダーを好適に付着させることができる。
上記第1または第2の構成において、上記有機バインダーは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂およびスチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である(第3の構成)。
有機バインダーがこのような樹脂であることにより、キャッピング材の上記表面側は、よりやわらかくなる。そのため、キャッピング材は、泡ガラスとの接触部分において、上記表面側が泡ガラス表面の小さな突起の形状により追従した形状に変化することで、該小さな突起を潰さずに保護する。その結果、該キャッピング材と上記小さな突起とが接触することにより生じる泡ガラスの座屈の発生をより抑制することができる。
上記第1〜第3の構成のうちいずれか一つの構成において、上記無機バインダーは、アルミナゾルおよび/またはシリカゾルである(第4の構成)。
無機バインダーがアルミナゾルおよび/またはシリカゾルであることにより、キャッピング材の上記中央部の強度および靭性が高くなる。そのため、泡ガラス表面の大きな突起は、キャッピング材の上記中央部をより貫通しにくくなる。その結果、上記大きな突起同士が接触することにより生じる泡ガラスの割裂の発生をより抑制することができる。
上記第1〜第4の構成のうちいずれか一つの構成において、上記有機バインダーは、上記セラミック繊維の少なくとも一部を覆い、かつ、上記無機バインダーは、上記セラミック繊維同士の交点の少なくとも一部に存在する(第5の構成)。
有機バインダーがこのような構成を有することにより、外部応力に対して、セラミック繊維がより柔軟になる。よって、キャッピング材は、よりやわらかくなる。また、無機バインダーがこのような構成を有することにより、外部応力に対して、セラミック繊維同士の結合力が向上する。よって、キャッピング材は、より高い強度および靭性を有する。したがって、有機バインダーと無機バインダーとがこのような構成を有することにより、やわらかく、かつ、高い強度および靭性を有するキャッピング材が得られる。
本発明の一実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、有機バインダーおよび無機バインダーを所定の分布で含むことにより、やわらかく、かつ、高い強度および靭性を有する。そのため、このキャッピング材を泡ガラスの層間に使用した際、該泡ガラスの割裂および座屈の両方の発生を抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を、液化ガスタンクの底部に積層された泡ガラスの層間に配置した状態を示す、液化ガスタンク2の断面図である。 図2は、図1に示す液化ガスタンク2の底部の一部を拡大して示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態ともいう)について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
1.液化ガスタンク断熱材用キャッピング材
図1は、本実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1を、液化ガスタンク2の底部に積層された泡ガラス3の層間に配置した状態を示す、液化ガスタンク2の断面図である。また、図2は、図1に示す液化ガスタンク2の底部の一部を拡大して示す拡大断面図である。
液化ガスタンク2の内部には、液化ガス4を貯蔵することができる。液化ガス4としては、例えば、液化天然ガス、液化石油ガス等が挙げられる。
図1に示すように、液化ガスタンク2の底部には、該液化ガスタンク2を低温に保つため、泡ガラス3が積層されている。泡ガラス3としては、例えば、FOAMGLAS(登録商標)(Pittsburgh Corning社製)、Cellular Glass(Zhejiang Zhenshen Insulation Technology社製)等を用いることができる。
図2に示すように、泡ガラス3は、その表面に、厚さ方向の長さが2mm未満の小さな突起31と、厚さ方向の長さが2mm以上の大きな突起32とを有する。小さな突起31とは、泡ガラス3を切断した際に、泡ガラス3の気孔5が切断されることにより、切断された気孔5同士の間に位置する部分をいう。また、大きな突起32とは、泡ガラス3を切断した際に形成されるバリのことをいう。なお、厚さ方向とは、図2中にYで示す方向をいう。
図1および図2に示すように、泡ガラス3の層間には、液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1が配置されている。以下、液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1について、詳しく説明する。
本実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、セラミック繊維と、有機バインダーと、無機バインダーとを含む。
セラミック繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナーシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維およびガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、アルミナ繊維、シリカ繊維、および、アルミナーシリカ繊維であることがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機バインダーとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂およびスチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、アクリル樹脂およびゴム系樹脂であることがより好ましく、アクリル酸エステル、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、および、スチレン−ブタジエンゴムであることがさらに好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機バインダーとしては、アルミナゾルおよび/またはシリカゾルであることが好ましい。これらの中でも、コロイダルアルミナおよびコロイダルシリカであることがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1において、厚さ方向における表面側11の有機バインダーの含有量は、厚さ方向における中央部12の有機バインダーの含有量よりも大きい。そのため、キャッピング材1の表面側11には、やわらかさが発現する。
また、液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1において、厚さ方向における中央部12の無機バインダーの含有量は、厚さ方向における表面側11の無機バインダーの含有量よりも大きい。そのため、キャッピング材1の中央部12は、強度および靭性が高くなる。
なお、厚さ方向における表面側11とは、キャッピング材1を厚さ方向に均等に3分割した際、泡ガラス3側に位置する領域をいう。また、厚さ方向における中央部12とは、キャッピング材1を厚さ方向に均等に3分割した際、中央に位置する領域をいう。以下についても、同様である。
セラミック繊維100重量部に対する有機バインダーの含有量は、2〜15重量部であることが好ましい。有機バインダーの含有量が2重量部未満であると、キャッピング材のやわらかさが充分でないため、キャッピング材と泡ガラス表面の小さな突起とが接触して、泡ガラスの座屈が生じる場合がある。一方、有機バインダーの含有量が15重量部を超えると、キャッピング材の樹脂質性が増加し、断熱特性が低下する場合がある。有機バインダーの含有量は、7重量部以上であることがより好ましく、13重量部以下であることがより好ましい。
また、セラミック繊維100重量部に対する無機バインダーの含有量は、2〜15重量部であることが好ましい。無機バインダーの含有量が2重量部未満であると、キャッピング材の強度および靭性が充分でないため、泡ガラス表面の大きな突起同士がキャッピング材を貫通して接触することにより、泡ガラスの割裂が生じる場合がある。一方、無機バインダーの含有量が15重量部を超えると、キャッピング材はより硬くなり、柔軟性を失うため、曲げ強度が低くなる場合がある。無機バインダーの含有量は、7重量部以上であることがより好ましく、13重量部以下であることがより好ましい。
キャッピング材1に含まれる有機バインダーは、セラミック繊維の少なくとも一部を覆うように存在していることが好ましく、セラミック繊維の全てを覆うように存在していることがより好ましい。また、キャッピング材1に含まれる無機バインダーは、セラミック繊維同士の交点の少なくとも一部に存在することが好ましく、セラミック繊維同士の全ての交点に存在することがより好ましい。このような状態は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等により観察することができる。
2.液化ガスタンク断熱材用キャッピング材の製造方法
次に、本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1の製造方法の一例について説明する。
まず、水8000〜12000重量部を入れた槽に、開繊された無機繊維100重量部を添加し、1〜5分程度攪拌する。次に、この液体に、有機バインダーを2〜15重量部添加し、1〜5分程度攪拌する。さらに、この液体に、無機バインダーを2〜15重量部添加し、1〜5分程度攪拌して、スラリーを調製する。なお、有機バインダーおよび無機バインダーは、同時に添加してもよい。
無機繊維、有機バインダーおよび無機バインダーとしては、上述のものを用いることができる。
次に、得られたスラリーを所望の形状の成型器に投入し、脱水成形を行い、シート状の成形体を作製する。通常の場合、成型器の底部には、ろ過用金網(メッシュ寸法:65メッシュ)が設けられており、成形器内に投入されたスラリー中の水分は、このろ過用金網を通り排出される。したがって、このような成型器を使用することにより、凝集体を含むスラリーの成形および脱水を同時に行うことができる。また、必要に応じて、サクションポンプ、真空ポンプ等を使用して、成型器の下側から、ろ過用メッシュを介して、水分を強制吸引してもよい。
次に、得られた成形体を成型器から取り出し、プレス器等を用いて、厚さが0.3〜0.5倍程度となるように圧縮する。
さらに、上記圧縮と同時に、例えば90〜150℃の熱板を成形体の両面に押し当てることで、成形体を乾燥させる。具体的には、熱板を、片面ずつ交互に、成形体に押し当てる。熱板を成形体の一方の面に押し付けると、有機バインダーおよび無機バインダーは、熱板を押し付けた面とは反対側の面に向かって移動する。その際、有機バインダーは移動しやすいが、無機バインダーは無機繊維に固定されて移動しにくくなる。したがって、熱板を、片面ずつ、交互に成形体に押し当てることにより、移動しやすい有機バインダーは成形体の表面側に多く存在し、移動しにくい無機バインダーは成形体の中央部に多く存在することになる。これにより、表面側11の有機バインダーの含有量が、中央部12の有機バインダーの含有量よりも大きく、かつ、中央部12の無機バインダーの含有量が、表面側11の無機バインダーの含有量よりも大きいキャッピング材1を製造することができる。
以上の工程によって、本実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1を製造することができる。キャッピング材1は、液化ガス等を貯蔵する液化ガスタンクの底部において、泡ガラスを保護するためのキャッピング材として、好適に用いることができる。
3.作用効果
以下、本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1の作用効果について列挙する。
(1)本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、表面側11の有機バインダーの含有量が、中央部12の有機バインダーの含有量よりも大きいため、キャッピング材1の表面側11にやわらかさが発現する。そのため、キャッピング材1は、泡ガラスとの接触部分において、表面側11が泡ガラス3表面の小さな突起31の形状に追従した形状に変化することで、該小さな突起31を潰さずに保護する。その結果、キャッピング材1と上記小さな突起31とが接触することにより生じる泡ガラス3の座屈の発生を抑制することができる。
また、本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、中央部12の無機バインダーの含有量が、表面側11の無機バインダーの含有量よりも大きいため、キャッピング材1の中央部12の強度および靭性が高くなる。そのため、泡ガラス3表面の大きな突起32は、キャッピング材1の中央部12を貫通しにくくなる。よって、キャッピング材1を挟んで隣り合う泡ガラス3表面の大きな突起32同士は、接触しにくくなる。その結果、大きな突起32同士が接触することにより生じる泡ガラス3の割裂の発生を抑制することができる。
したがって、本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、表面側11がやわらかく、かつ、中央部12が高い強度および靭性を有する。その結果、泡ガラス3の割裂および座屈の両方の発生を抑制することができる。
(2)本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、セラミック繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナーシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維およびガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種である。セラミック繊維としてこのような繊維を用いることにより、全体的に強度の高いキャッピング材1が得られる。また、セラミック繊維としてこのような繊維を用いることにより、有機バインダーおよび無機バインダーを好適に付着させることができる。
(3)本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、有機バインダーが、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂およびスチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。有機バインダーがこのような樹脂であることにより、キャッピング材1の表面側11は、よりやわらかくなる。そのため、キャッピング材1は、泡ガラスとの接触部分において、表面側11が泡ガラス3表面の小さな突起31の形状により追従した形状に変化することで、該小さな突起31を潰さずに保護する。その結果、該キャッピング材1と小さな突起31とが接触することにより生じる泡ガラス3の座屈の発生をより抑制することができる。
(4)本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、無機バインダーが、アルミナゾルおよび/またはシリカゾルである。無機バインダーがアルミナゾルおよび/またはシリカゾルであることにより、キャッピング材1の中央部12の強度および靭性が高くなる。そのため、泡ガラス3表面の大きな突起32は、キャッピング材1の中央部12をより貫通しにくくなる。その結果、大きな突起32同士が接触することにより生じる泡ガラス3の割裂の発生をより抑制することができる。
(5)本発明の実施形態に係る液化ガスタンク断熱材用キャッピング材1は、有機バインダーが、セラミック繊維の少なくとも一部を覆い、かつ、無機バインダーは、セラミック繊維同士の交点の少なくとも一部に存在する。有機バインダーがこのような構成を有することにより、外部応力に対して、セラミック繊維がよりに柔軟になる。よって、キャッピング材1は、よりやわらかくなる。また、無機バインダーがこのような構成を有することにより、外部応力に対して、セラミック繊維1同士の結合力が向上する。よって、キャッピング材1は、より高い強度および靭性を有する。したがって、有機バインダーと無機バインダーとがこのような構成を有することにより、やわらかく、かつ、高い強度および靭性を有するキャッピング材1が得られる。
以下、本実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
<液化ガスタンク断熱材用キャッピング材の製造>
まず、水9900重量部を入れた槽に、無機繊維としてイビウールM1−15(アルミナ:シリカ=50:50、イビデン株式会社製)100重量部を添加し、1分間攪拌した。次に、有機バインダーとしてNipol LX852(アクリレート系ラテックス、日本ゼオン株式会社製)を9重量部、無機バインダーとしてスノーテックス30(コロイダルシリカ、日産化学工業株式会社製)を8重量部、および、硫酸アルミニウム(日本軽金属株式会社製)を1重量部添加し、1分間攪拌することにより、凝集体を含むスラリーを調製した。
続いて、得られたスラリーを、底部に65メッシュの金網が設けられた成形器に投入した。そして、成形部の底部から水分を吸引することにより、脱水成形を行い、水分を含む成形体を作製した。
さらに、プレス器を用いて、得られた成形体を2mmの厚さに圧縮した。また、上記圧縮と同時に、110℃の熱板を成形体の両面に押し当てることで、成形体を乾燥させた。具体的には、熱板を、片面ずつ交互に、成形体に計6回押し当てた。すなわち、成形体の一方の面に、熱板を計3回押し当てた。これにより、実施例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を得た。
(比較例1)
アクリレート系ラテックスの添加量を1重量部に変更し、コロイダルシリカを添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法により比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を得た。
<蛍光X線分析(XRF)>
実施例1および比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を、厚さ方向に均等に3分割して、一方の表面側、厚さ方向中央部および他方の表面側のサンプルを得た。そして、それぞれのサンプルから、0.5cm×0.5cmのサンプル片を切り出した。次に、XRF装置(ZSX100e、株式会社リガク製)を用いて、それぞれのサンプル片の炭素およびケイ素の含有率を分析した。分析条件は、X線源が縦型Rh管、分析面積がφ20mm、出力が30kV、120mAであった。結果を表1に示す。なお、表1に示すケイ素の含有率は、無機繊維に含まれるケイ素を差し引いた値である。したがって、表1中の炭素およびケイ素の含有率は、それぞれ、アクリレート系ラテックスおよびコロイダルシリカの濃度分布を示しているといえる。
Figure 2016211604
<保護性能の評価>
泡ガラス(FOAMGLAS(登録商標)、Pittsburgh Corning社製)の上側および下側に実施例1および比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材を配置し、上下方向から力をかけて圧縮した。そして、泡ガラスが破壊された際の強度(以下、破壊強度という)を測定することにより、キャッピング材の保護性能を評価した。結果を表2に示す。なお、表2中、破壊強度が1940kPa以上のキャッピング材を保護性能が「○」、それ以外のキャッピング材を保護性能が「×」と判定した。
Figure 2016211604
表1に示すXRFの結果から明らかなように、実施例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、一方の表面側および他方の表面側の有機バインダーの含有量が、厚さ方向中央部の有機バインダーの含有量よりも大きく、かつ、厚さ方向中央部の無機バインダーの含有量が、一方の表面側および他方の表面側の無機バインダーの含有量よりも大きい。したがって、実施例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、本発明の構成を全て満たす。
表2の結果から明らかなように、実施例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、破壊強度が高いため、保護性能が良好であった。すなわち、実施例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、泡ガラスの割裂および座屈の両方の発生を抑制していることが分かる。
一方、表1に示すXRFの結果から明らかなように、比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、無機バインダーを含有せず、かつ、有機バインダーの含有量が一方の表面側、厚さ方向中央部および他方の表面側のいずれにおいても同程度であった。
表2の結果から明らかなように、比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、破壊強度が低いため、保護性能が充分ではなかった。すなわち、比較例1の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材は、泡ガラスの割裂および座屈を充分に抑制できないことが分かる。
1 液化ガスタンク断熱材用キャッピング材
2 液化ガスタンク
3 泡ガラス
11 表面側
12 中央部

Claims (5)

  1. 液化ガスタンクの底部に積層された泡ガラスの層間に配置されるキャッピング材であって、
    セラミック繊維と、有機バインダーと、無機バインダーとを含み、
    厚さ方向における表面側の前記有機バインダーの含有量は、厚さ方向における中央部の前記有機バインダーの含有量よりも大きく、かつ、
    厚さ方向における中央部の前記無機バインダーの含有量は、厚さ方向における表面側の前記無機バインダーの含有量よりも大きい、液化ガスタンク断熱材用キャッピング材。
  2. 前記セラミック繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナーシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維およびガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材。
  3. 前記有機バインダーは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂およびスチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材。
  4. 前記無機バインダーは、アルミナゾルおよび/またはシリカゾルである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材。
  5. 前記有機バインダーは、前記セラミック繊維の少なくとも一部を覆い、かつ、
    前記無機バインダーは、前記セラミック繊維同士の交点の少なくとも一部に存在する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の液化ガスタンク断熱材用キャッピング材。


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