JP2016211241A - 弁機構、および水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体の流路中に配置され、操作部材の操作に伴って移動する弁体16と、上記流路中に形成された開口を有する弁座15とを有し、上記弁体16が上記弁座15に隙間なく接触すると上記開口が閉鎖される弁閉状態となり、上記弁体16と上記弁座15との間に隙間が生じると上記開口が開放される弁開状態となる弁機構であって、上記弁閉状態から上記弁開状態に移行する際または上記弁開状態から上記弁閉状態に移行する際の上記弁体16の経路上にリフタ19を配置し、弁閉状態以外の状態のうち少なくとも一状態において、上記リフタ19が上記弁体16と上記弁座15との間に介在することにより、上記弁体16が上記弁座15に全く接触しない状態が維持される。
【選択図】図6
Description
このうち、原水遮断弁は、球形弁体が環状の弁座に嵌まり込むと原水流路が閉鎖され、球形弁体が弁座からずれると原水流路が開放されるものであった。
原水遮断弁では、シール性を高めるため、球形弁体は、コイルスプリングなどによって常に弁座側に付勢されていた。また、シール性を高めるため、弁座は弾性部材で形成されていた。
そのため、原水遮断弁が開放されている原水吐出のときに、球形弁体は、弁座の開口からずれているものの、弁座から大きくずらすことはできず、コイルスプリングの付勢力によって弁座の一部に押しつけられていた。
特に球形弁体は、弁座とほぼ一点で接触することになるため、接触部分に大きな荷重が集中することになる。
これにより、長期間使用されるうちに、弁座が塑性変形して歪んでしまい、破損したりシール性が低下したりすることがあった。また、原水吐出時でも、弁座の開口のすぐ近くに存在する球形弁体によって、流路抵抗が上昇し、吐出量が低下することがあった。
第1の発明は、流体の流路中に配置され、操作部材の操作に伴って移動する弁体と、上記流路中に形成された開口を有する弁座とを有し、上記弁体が上記弁座に隙間なく接触して上記開口が閉鎖される弁閉状態と、上記弁体および上記弁座の間に隙間を設けて上記開口が開放される状態で停止保持される弁開状態とを有する弁機構であって、上記弁閉状態から上記弁開状態に移行する際または上記弁開状態から上記弁閉状態に移行する際の上記弁体の経路上にリフタを配置し、弁閉状態以外の状態のうち少なくとも一状態において、上記リフタが上記弁体と上記弁座との間に介在することにより、上記弁体が上記弁座に全く接触しない状態が維持されることを特徴とする。
本明細書における「かかっている」とは、弁体が自重または付勢部材等によって弁座に向かって付勢されており、もしリフタがなかったと仮定すると、弁体が弁座の一部を押圧してしまうような状態をいうものとする。
また、弁開状態において、上記弁体が上記弁座に全く接触しない状態が維持される場合には、弁座開口と弁体との間の隙間を広げることにより、流路抵抗を低下させ、流量を大きくすることができる。
以下、本発明の第一実施形態に係る水栓装置について説明する。
図1に示すように、この水栓装置1は、台所や洗面所の流し台などに設置される。
水栓装置1は、水栓基部2と、レバーハンドル3と、吐出部4とを有する。
この湯水混合弁は、レバーハンドル3に連動しており、レバーハンドル3の上下回動により吐水量を増減することができ、レバーハンドル3の左右回動により湯水の混合割合を変更して水の温度を調整することができる。
湯水混合弁の下流は、吐出部4に接続されている。
図2に示すように、吐出部4内部の水の流路の一部を構成するカートリッジ収容部6には、交換可能な浄水カートリッジ5が収容される。浄水カートリッジ5を交換する際には、カートリッジ収容部6を軸方向に分解することができる。また、カートリッジ収容部6の下流側には、円筒状のカートリッジ受け9が形成されている。
この浄水カートリッジ5は、円筒形状の活性炭からなる浄化材10を有し、浄化材の外周と内周とをそれぞれ不織布で覆っている。
浄化材10の両端部には、上流側キャップ11と下流側キャップ12とを取り付けている。
上流側キャップ11は浄化材10の一端部を閉鎖している。下流側キャップ12は、吐出部4のカートリッジ受け9に着脱可能に形成されるとともに、浄化材10の中央空間部13とカートリッジ受け9の流路とを連通させる開口を有している。
浄水カートリッジ5の外面とカートリッジ収容部6の内面との間には、水が通過可能な空間が確保されている。
また、水栓装置1には、吐出部4に供給された水が、浄化材10を透過することなく浄水カートリッジ5の外側を通過し、カートリッジ受け9の外側の流路を経て吐出口8から吐出される原水流路も形成される。
流路切換弁の詳細については後述する。
吐出部4は、つまみ14の回動操作に連動して、ストレート吐出口8aからの吐水と、シャワー吐出口8bからの吐水とを選択的に切り換える水形切換弁を有する。
流路切換弁は、浄水流路を開閉する浄水遮断弁と、原水流路を開閉する原水遮断弁とを、押しボタン7の操作に連動させてなる。
図3に示すように、弁座15は、中央に開口を有する環状の部材であり、吐出部4に固定されて、カートリッジ収容部6の下流の原水流路中に配置されている。弁座15は、弾性部材から形成されている。
直径を4.5mm未満にすると、流路が狭くなるため、充分な流量を得ることが難しくなってしまう。好ましくは、直径を5.0mm以上にするのがよい。
また、直径が7.5mmを超えると、水栓装置が大型化してしまう。好ましくは、直径を7.0mm以下にするのがよい。
さらに、球形弁体16の直径は、弁座15の開口の直径の1.5倍以上になるようにするのがよい。このようにすると、球形弁体16が弁座15の開口に落ち込む量が小さくなるため、押しボタン7の操作荷重を小さくすることができる。
特に、球形弁体16の直径を、弁座15の開口の直径の1.8倍以上にすると、球形弁体16が弁座15の開口に落ち込む量をきわめて小さくすることができる。
第一実施形態では、弁座15の開口の直径を6mmとし、球形弁体16の直径を11mmとした。
本実施形態のような球形弁体16にすると、移動する際に回転して、摩擦抵抗を大きく低下させることができるため、原水遮断弁の弁体を球形とするのがよい。
樹脂は、耐食性に優れる点で好ましい。その中でも、ポリカーボネートは高強度で寸法安定性に優れる点で好ましい。
金属は、加工により真円度の高い球体を形成できる点、および高強度で密度が高く自重によるシールも可能となる点で好ましい。その中でも、SUSは耐食性に優れる点で好ましい。
第一実施形態では、SUS製の球形弁体16を用いた。
弁座15の上方には、球形弁体16が図4中左右方向へ移動できるだけの空間が確保されている。
原水遮断弁では、原水吐出時には球形弁体16が弁座15の開口から押しボタン7の側へずれて原水流路を開放し(図4)、浄水吐出時には球形弁体16が弁座15の開口に嵌まり込んで原水流路を閉鎖する(図5)。
リフタ19は、原水吐出から浄水吐出に移行する際に球形弁体16が移動する経路上に配置されている。
リフタ19は、球形弁体16の曲面に合致する保持斜面19aを有している。原水吐出から浄水吐出に移行させると、球形弁体16がリフタ19に乗り上がり、この保持斜面19aに沿って保持される。
保持斜面19aは、リフタ19が設置される平面よりも高い位置に形成されている。以下、この段差を段差19bと呼ぶ。このため、球形弁体16が保持斜面19aに保持されているとき、球形弁体16は、段差19bによって弁座15から浮き上がった位置に保持され、弁座15に全く接触しない状態が維持される。
段差19bを0.3mm未満にすると、球形弁体16が弁閉状態から弁開状態へ移行する際に、段差部19bの上端を基点に回転し持ち上がってから保持斜面19aへ落下する際の感触が大きくなってしまう。好ましくは段差19bを0.4mm以上とするのがよく、特に0.5mm以上とするのがよい。
また、段差19bが0.7mmを超えると、球形弁体16が乗り上げるときの抵抗が大きくなり、操作感が悪化してしまう。好ましくは段差19bを0.6mm以下とするのがよく、特に0.5mm以下とするのがよい。
第一実施形態では段差19bを0.4mmとした。
しかし、段差19bを設けると、弁閉状態から弁開状態に球形弁体16を移行させる際に、球形弁体16が段差19bの上端を中心に回転することにより、回転後に保持斜面19aへ落ちる距離が小さくなり、リフタに乗り上げる際の感触が小さくなるため、段差19bを設けることが好ましい。
もっとも、弁座15に接触する位置にリフタ19を配置した場合でも、球形弁体16から加わる荷重をリフタ19の底面積に分散することができるので、弁座15に加わる荷重を緩和することができる。
保持斜面19aは、必ずしも球形弁体16の曲面に合致する必要はないが、球形弁体16の曲面に合致する曲面にすることにより、球形弁体16を強固に保持することができる。
弁座20は、吐出部の一部として、カートリッジ受け9の下流の浄水流路に形成されている。弁座20では、浄水流路の周壁の内径が、上流から下流へ徐々に小さくなっている。
環状弁体21は、弾性部材からなるOリングであり、弁座20の最小径部分よりも大きな外径を有している。
環状弁体21は、軸部材22の外面に形成された溝に嵌合されている。軸部材22の図4中左端はボール保持体17に固定され、ボール保持体17とともに図4中左右方向へ移動する。軸部材22の図4中右端には、徐々に径が大きくなる略円錐状の保持部22aが形成され、環状弁体21はこの保持部22aに嵌合されている。軸部材22の保持部22a以外の部分は、弁座20の最小径部分よりも細く形成され、弁座20の開口を貫通し、図4中左右方向へ移動可能になっている。
浄水遮断弁では、原水吐出時には環状弁体21が弁座20に密着して浄水流路を閉鎖し(図4)、浄水吐出時には環状弁体21が弁座20からカートリッジ受け9の側へ離間して浄水流路を開放する(図5)。
図3に示すように、このスラストロック機構は、周面に切換用のリブを形成した第一切換こま23と、円筒状の内周面に奥行き方向に浅い溝と深い溝を周方向に交互に形成した切換リング24と、押しボタン7を吐出部4から離間させる方向に付勢するコイルスプリング25と、第一切換こま23が押し付けられるたびに第一切換こま23を周方向に一定角度周回転させる第二切換こま26とを、組み立ててなる。
押しボタン6を押すたびに第一切換こま23のリブが切換リング24の浅い溝と深い溝とに交互に入り込むため、押しボタン6が浅い停止位置と深い停止位置とに交互に停止する。
したがって、押しボタン7、球形弁体16および環状弁体21は、一体的に図4中左右方向に移動する。
このとき、浄水遮断弁では、環状弁体21が弁座20に当接しているため、浄水流路が閉鎖されている。
他方、原水遮断弁では、球形弁体16が弁座15の開口に対して押しボタン7の側にずれているため、原水流路が開放されている。
したがって、吐出部4に流入した水は、浄化材10を透過することなく、原水流路を通過して吐出口8から吐出される。
図6(c)に示すように、球形弁体16は弁座15の一部の真上に位置するため、もしリフタ19がなかったと仮定すると、コイルスプリング25の付勢力と球形弁体16の自重とによって球形弁体16が弁座15の一部を押圧することにより、弁座15が塑性変形して歪んでしまい、シール性が低下したり破損したりするおそれがある。しかし、リフタ19によって球形弁体16が弁座15に全く接触しない状態が維持されることにより、弁座15の塑性変形を防止することができる。
また、リフタ19によって球形弁体16と弁座15の開口との間の隙間が広がっているため、流路抵抗が低下し、原水吐出時の吐水量が大きくなる。
このとき、浄水遮断弁では、環状弁体21が弁座20に対して上流側に離間しているため、浄水流路が開放されている。
他方、原水遮断弁では、コイルスプリング18の付勢力によって球形弁体16が弁座15に嵌まり込んでいるため、原水流路が閉鎖されている。
したがって、吐出部4に流入した水は、水質浄化10を透過し、浄水流路を通過して吐出口8から吐出される。
また、リフタ19によって球形弁体16が弁座15に全く接触しない状態が維持されることにより、球形弁体16と弁座15との摩擦による弁座15の歪みや摩耗を防止することができる。
さらに、リフタ19によって球形弁体16と弁座15の開口との間の隙間が広がることにより、流路抵抗が低下し、原水吐出時の吐水量を増加させることができる。
原水遮断弁が開放されている原水吐出時(浅い停止位置)において、球形弁体16は、原水遮断弁が遮断されている浄水吐出時(深い停止位置)の位置からわずか4mmしか移動していないが、このような原水遮断弁においても、リフタ19を設けたことにより、特に効果的に上記の効果を実現することができる。
第一実施形態の水栓装置1では、原水遮断弁の弁開状態(原水吐出時)において、球形弁体16が位置する箇所にリフタ19を設けていた。
図7に示すように、第二実施形態の水栓装置では、さらに、弁座15から見てリフタ19と逆方向の位置に別のリフタ28を設けたことを特徴とする。
保持斜面28aは、リフタ28が設置される平面よりも高い位置に形成されている。このため、球形弁体16が保持斜面28aに保持されているとき、球形弁体16は、弁座15から浮き上がった位置に保持され、弁座15に全く接触しない状態が維持される。
もっとも、弁座15に接触する位置にリフタ28を配置した場合でも、球形弁体16から加わる荷重をリフタ28の底面積に分散することができるので、弁座15に加わる荷重を緩和することができる。
保持斜面28aは、必ずしも球形弁体16の曲面に合致する必要はないが、球形弁体16の曲面に合致する曲面にすると、球形弁体16を強固に保持することができる。
切り換え押し込み位置では、図7(e)のように球形弁体16が弁座15からカートリッジ受け9の側にずれ、リフタ28に乗り上がり、保持斜面28aに沿って保持される。
これにより、球形弁体16と弁座14との摩擦による弁座15の歪みや摩耗を防止することができる。
第一実施形態および第二実施形態では、水栓装置において、流路切換弁の原水遮断弁にリフタ19,28を設けたが、これには限定されず、特定の流路の開閉を行うあらゆる弁機構に適用することができる。
また、本発明は水栓装置1には限定されず、流体の流路に設けられた他の弁機構にも適用することができる。
4 吐出部
7 押しボタン
8 吐出口
15 弁座
16 球形弁体
17 ボール保持体
18 コイルスプリング
19 リフタ
19a 保持斜面
23 第一切換こま
24 切換リング
25 コイルスプリング
26 第二切換こま
27 プッシュロッド
28 リフタ
28a 保持斜面
Claims (4)
- 流体の流路中に配置され、操作部材の操作に伴って移動する弁体と、
上記流路中に形成された開口を有する弁座とを有し、
上記弁体が上記弁座に隙間なく接触して上記開口が閉鎖される弁閉状態と、上記弁体および上記弁座の間に隙間を設けて上記開口が開放される状態で停止保持される弁開状態とを有する弁機構であって、
上記弁閉状態から上記弁開状態に移行する際または上記弁開状態から上記弁閉状態に移行する際の上記弁体の経路上にリフタを配置し、
弁閉状態以外の状態のうち少なくとも一状態において、上記リフタが上記弁体と上記弁座との間に介在することにより、上記弁体が上記弁座に全く接触しない状態が維持されることを特徴とする弁機構。 - 上記弁開状態において、上記リフタが上記弁体と上記弁座との間に介在することにより、上記弁体が上記弁座に全く接触しない状態が維持されることを特徴とする請求項1記載の弁機構。
- 上記弁開状態において、上記弁体が上記弁座にかかっていることを特徴とする請求項2記載の弁機構。
- 水の流路を有し、
この水の流路中に請求項1から3のいずれか記載の弁機構を設けたことを特徴とする水栓装置。
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