JP2016211050A - 粉末床溶融結合装置 - Google Patents

粉末床溶融結合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016211050A
JP2016211050A JP2015097091A JP2015097091A JP2016211050A JP 2016211050 A JP2016211050 A JP 2016211050A JP 2015097091 A JP2015097091 A JP 2015097091A JP 2015097091 A JP2015097091 A JP 2015097091A JP 2016211050 A JP2016211050 A JP 2016211050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin layer
powder material
laser beam
transmission window
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015097091A
Other languages
English (en)
Inventor
正 萩原
Tadashi Hagiwara
正 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aspect Inc
Original Assignee
Aspect Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aspect Inc filed Critical Aspect Inc
Priority to JP2015097091A priority Critical patent/JP2016211050A/ja
Publication of JP2016211050A publication Critical patent/JP2016211050A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】昇華し、或いは蒸発した金属の蒸着によるレーザ光の反射を抑制し、粉末材料に十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる粉末床溶融結合装置を提供するものである。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ光出射部201と、レーザ光の透過窓12が設けられた減圧可能なチャンバ11と、チャンバ11内に設けられ、レーザ光を照射する粉末材料の薄層が形成される薄層形成部202と、レーザ光を透過するフィルム18を保持し、透過窓12と薄層形成部202の間で透過窓12と対面するように移動させるフィルム保持手段15, 16, 17とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉末床溶融結合装置に関する。
粉末床溶融結合装置は、図15に示すように、レーザ光出射部101と、造形が行われる薄層形成部102と、薄層形成部102の表面上を移動するリコータ3と、造形を制御する制御部103とを備えている。
この粉末床溶融結合装置を用いて、図16に示すように、粉末材料の薄層5aを形成し、その特定領域をレーザ光4により加熱することで、焼結して、或いは溶融し、固化して、図17に示す焼結薄層又は固化層5bを数百層或いは数千層にわたって積層して3次元造形物を作製する。
下記特許文献にはこのような粉末床溶融結合装置が記載されている。
特開2008−155538号公報
ところで、粉末床溶融結合では、粉末材料として樹脂粉末を用いた技術が一般的であるが、近年、金属粉末を用いて試作品や製品を作製する技術が実用化されつつある。
金属粉末を用いた場合、金属粉末の酸化などを防ぐため、減圧したチャンバ1内で造形が行われることがある。
レーザ光出射部は、粉末材料の蒸着を避けるためチャンバ1の外に配置される。したがって、レーザ光4はチャンバ1の外からチャンバ壁1aに形成された透過窓2を通して薄層形成部102の金属粉末の薄層5aに照射される。
レーザ光4の照射により金属粉末を焼結し、或いは溶融すると、金属が昇華し、或いは蒸発して周りに飛散する。透過窓2にも蒸着してしまう。
図17に示すように、蒸着物5cが厚くなると透過窓2でレーザ光が遮られて十分なエネルギーが粉末材料に供給されなくなるととともに、鏡のようになった透過窓2でレーザ光4が反射してレーザ光出射部101の方に戻り、悪いときには、レーザ光源を損傷してしまうという問題がある。
本発明は、上述の問題点に鑑みて創作されたものであり、昇華し、或いは蒸発した金属の透過窓への蒸着によるレーザ光の反射を抑制し、粉末材料に十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる粉末床溶融結合装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の一観点によれば、レーザ光を出射するレーザ光出射部と、前記レーザ光の透過窓が設けられた減圧可能なチャンバと、前記チャンバ内に設けられ、前記レーザ光を照射する粉末材料の薄層が形成される薄層形成部と、前記レーザ光を透過するフィルムを保持し、前記透過窓と前記薄層形成部の間で前記透過窓と対面するように移動させるフィルム保持手段とを有する粉末床溶融結合装置が提供される。
本発明によれば、レーザ光を透過するフィルムを保持し、透過窓と薄層形成部の間で透過窓と対面するように移動させるフィルム保持手段を有する。
したがって、透過窓とフィルムを通して薄層形成部の粉末材料にレーザ光を照射したとき、蒸発などした金属を透過窓に蒸着させずにフィルムに蒸着させ、しかも、フィルムを移動させることで透過窓の前方に常に反射率が低く透過率の高いフィルムを配置することができる。
これにより、透過窓での蒸着金属によるレーザ光の反射を抑制し、薄層形成部の粉末材料に十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合装置を示す図であり、(b)は、レーザ光の透過窓の周辺を下側から見た平面図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合装置を示す上面図であり、(b)は、(a)のI−I線に沿う断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る、静止した及び移動するフィルムを通してレーザ光の照射を行う粉末床溶融結合方法を説明する断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係るフィルムの移動方法の6例を示す模式図(その1)である。 本発明の第1実施形態に係るフィルムの移動方法の6例を示す模式図(その2)である。 (a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係るフィルムの移動方法の6例を示す模式図(その3)である。 本発明の第1実施形態に係るフィルムの移動方法の6例を示す模式図(その4)である。 本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図(その3)である。 本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図(その4)である。 本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図(その5)である。 本発明の第2実施形態に係る粉末積層造装置を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図である。 従来例に係る粉末床溶融結合装置を示す側面図である。 従来例に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図である。 従来例に係る問題点を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
(1)粉末床溶融結合装置について
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る粉末床溶融結合装置の構成を示す図である。
図1(b)は、レーザ光の透過窓の周辺を下側から見た平面図である。
本実施形態に係る粉末床溶融結合装置は、図1(a)に示すように、レーザ光出射部201と、造形が行われる薄層形成部202と、フィルム保持手段15, 16, 17と、造形を制御する制御部203とを備えている。
薄層形成部202は、金属粉末への水分の蒸着や金属粉末の酸化・窒化を防止するため、減圧可能なチャンバ(容器)11内に設置されている。
レーザ光出射部201は、チャンバ11の外に設けられ、透過窓12を介してチャンバ11内にレーザ光を入射できるようになっている。
フィルム保持手段15, 16, 17は、造形中、レーザ光の照射により金属粉末を溶融したときに、蒸発した金属が透過窓12に蒸着するのを防止するためのフィルム18を保持する。
制御部203は、レーザ光出射部201と、薄層形成部202と、フィルム保持手段15, 16, 17とに接続され、各部201, 202や手段16と電気信号をやり取りして、各部201, 202や手段16を制御し、それに基づいて造形を制御する。これにより、自動的に造形を制御することが可能である。
以下に、本粉末床溶融結合装置における各部201, 202, 203及び手段15, 16, 17の詳細について説明する。
図2(a)、(b)は、レーザ光出射部201と薄層形成部202の構成を示す図である。図2(a)は上面図であり、図2(b)は、図2(a)のI−I線に沿う断面図である。なお、図2(a)では、レーザ光出射部201は省いている。
(i)レーザ光出射部201の構成
図2(b)に示すレーザ光出射部201は、レーザ光源と、光学系と、XYZドライバとを備えている。
レーザ光源は、主に、波長1,070nm付近のレーザ光を出射するYAGレーザ光源、あるいは、ファイバレーザ光源や、波長10.6μmのレーザ光を出射する高出力のCO2レーザ光源などが用いられる。粉末材料20の波長吸収率だけでなくコストパフォーマンスなどを考慮して、使用波長を適宜使い分ける。
なお、波長700nmから900nm程度の半導体レーザ(LD)は、現在、まだ金属を溶融するのに十分な出力が得られないため、あまり用いられることがないが、将来的に高出力の半導体レーザが得られれば、それを使用することが好ましい。波長が短い方が金属のレーザ光の吸収率が高くなるためである。
光学系は、ガルバノメータミラー(XミラーとYミラーで構成される)と、レンズとを有する。
XYZドライバは、制御部203からの制御信号により、レーザ光源とともに、Xミラーと、Yミラーと、レンズとを動作させる制御信号を送出し、次のような動作を行わせる。
即ち、作製すべき3次元造形物のスライスデータ(描画パターン)に基づき、XミラーとYミラーの角度を変化させてレーザ光19を走査するとともにレーザ光源を適宜ON/OFFさせる。
この間、レーザ光19の動きに合わせて、レーザ光19が粉末材料の薄層20aの表面に焦点を結ぶように絶えずレンズを動かす。
このようにして、粉末材料の薄層20aにレーザ光19を選択的に照射して特定の領域を加熱する。レーザ光源に加える電力を制御することで粉末材料の薄層20aを焼結させ、或いは、溶融させる。
(ii)薄層形成部202の構成
薄層形成部202は、図2(a)、(b)に示すように、造形が行われる薄層形成容器21と、その両側に設置された第1粉末材料収納容器22a及び第2粉末材料収納容器22bと、粉末材料20を運び、粉末材料の薄層20aを形成するリコータ(粉末材料運搬手段)13とを備えている。
また、薄層形成容器21と第1粉末材料収納容器22aの間に左側フランジ23aが設けられるとともに、薄層形成容器21と第2粉末材料収納容器22bの間に右側フランジ23bが設けられている。
第1粉末材料収納容器22aと、左側フランジ23aと、薄層形成容器21と、右側フランジ23bと、第2粉末材料収納容器22bとは、上面が面一となるように接合されている。これにより、リコータ13は、すべての容器22a, 21, 22bの上面上を全領域にわたってスムーズに移動することができる。
薄層形成容器21では、図2(b)に示すように、容器21の底を兼ねたパートテーブル(第1昇降台)24上に粉末材料の薄層20aが形成され、粉末材料の薄層20aにレーザ光19が照射されて固化層20bが形成される。
そして、パートテーブル24を順次下方に移動させて固化層20bを積層し、3次元造形物が作製される。
なお、ここでは、粉末材料の薄層20aを溶融し、固化させて固化層20bを形成しているが、粉末材料の薄層20aを焼結させて焼結薄層を形成してもよい。以下の説明でも同じである。
第1粉末材料収納容器22aでは、容器22aの底を兼ねた第1フィードテーブル(第2昇降台)25a上に粉末材料20が収納され、第2粉末材料収納容器22bでは、容器22bの底を兼ねた第2フィードテーブル(第3昇降台)25b上に粉末材料20が収納される。
第1粉末材料収納容器22a及び第2粉末材料収納容器22bのうち、いずれか一方を粉末材料20の供給側とした場合、他方が、粉末材料の薄層20aを形成した後に残った粉末材料20の収納側となる。
パートテーブル24と、第1フィードテーブル25aと、第2フィードテーブル25bの各下面には、それぞれ、支持軸26、27a及び27bが取り付けられている。支持軸26、27a及び27bは、支持軸26、27a及び27bを上下に移動させる図示しない駆動装置に接続されている。
駆動装置は、制御部203からの制御信号により制御されて、供給側のフィードテーブル25a又は25bを上昇させて粉末材料20を供給するとともに、収納側のフィードテーブル25b又は25aを下降させて残った粉末材料20を収納する。
リコータ13は、制御部203からの制御信号により制御されて、第1粉末材料収納容器22a、薄層形成容器21及び第2粉末材料収納容器22bの上面上を全領域にわたって移動する。
リコータ13は移動しながら、供給側の粉末材料収納容器22a又は22b上で粉末材料20を押し取り、薄層形成容器21に粉末材料20を運び入れながら表面を均してパートテーブル24上に薄層20aを形成する。さらに、余った粉末材料20を収納側の粉末材料収納容器22b又は22aまで運び、フィードテーブル25b又は25a上に収納する。
また、容器22a及び22b内に収納された粉末材料20や、容器21内の粉末材料の薄層20aを加熱し、昇温するため、図示しないヒータや加熱用光源など他の加熱手段を有する。加熱手段は各容器21、22a及び22bに内蔵されてもよいし、各容器21、22a及び22bの周辺に設けられてもよい。
(粉末材料)
使用可能な粉末材料20として、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン或いはその他の金属粉末が挙げられる。
なお、場合により、樹脂粉末やセラミック粉末が用いられてもよい。
(iii)フィルム保持手段の構成
フィルム保持手段は、図1(a)に示すように、未使用のフィルム18を収納し送出する第1ロール15と、フィルム18を巻き取る第2ロール16と、第2ロール16を回転させる図示しない駆動手段と、フィルム経由手段17, 17とで構成される。
駆動手段としてモータが用いられ、チャンバ11内に設置される。或いは、モータがチャンバ11の外に設置されて、リンク機構を用いて第2ロール16に回転が伝えられる。
フィルム保持手段は、制御部203に接続され、制御部203からの制御信号により、レーザ光源のON/OFFに応じて第2ロール16の回転の開始/停止が自動的に制御される。また、制御部203からの制御信号により、第2ロール16の回転速度、すなわちフィルム18の移動速度が自動的に制御される。
第1ロール15と第2ロール16は、それぞれ透過窓12の左右に設置されている。そして、蒸発した金属が第1ロール15と第2ロール16に蒸着するのを抑制するため、第1ロール15と第2ロール16はそれぞれ収納部14, 14に収納されている。
また、第1ロール15の収納部14からチャンバ11内へのフィルム18の移動路に当たるところに送出側の開口部14aを設け、チャンバ11内から第2ロール16の収納部14へのフィルム18の移動路に当たるところに収納側の開口部14bを設けている。
フィルム経由手段17, 17は、第1ロール15と第2ロール16が収納部14, 14内に設置されるため、フィルム18をチャンバ11内に引き出し、フィルム18が透過窓12と薄層形成部202の間を透過窓12に対面して移動することができるように、フィルム18の移動経路を調整するものである。
フィルム経由手段17, 17は、各収納部14, 14内にそれぞれ設けられており、一例として、軸と、フィルム18の移動にしたがって軸の周りを回転する円筒状のフィルム接触面とで構成される。なお、フィルム18は、必ずしも透過窓12の近くに配置されなくてもよいので、収納部14, 14やフィルム経由手段17, 17の設置場所も適宜変更することができる。
フィルム18は、図1(b)に示すように、薄層形成部202から見て透過窓12がフィルム18からはみ出さず、フィルム18で隠れるような幅を有する。図1(b)は、フィルム18の下から上側を見た平面図であり、フィルム18と透過窓12とレーザ光出射部201との相互の配置関係を示している。このようなフィルム18の配置により、薄層形成部202の金属粉末が溶融したとき蒸発した金属が透過窓12に蒸着するのを抑制することができる。
用いられるフィルム18は、レーザ光19が透過し得る透明なフィルムであり、フィルム18の材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどが用いられる。フィルム18は、できるだけ、安価でレーザ光の吸収率が小さいものを用いることが望ましい。レーザ光の吸収率が大きいと、以下で説明するレーザ光の透過率の低下を招き、さらに、レーザ光の吸収による熱でフィルム18が溶けたり変質したりする恐れがあるためである。
このようなフィルム保持手段においては、未使用のフィルム18を第1ロール15から引き出してその先端を第2ロール16に固定し、透過窓12の前方に透過窓12と対面させて張り渡す。
第2ロール16を回転させることによって、第2ロール16でフィルム18を巻取って第1ロール15から次々に未使用のフィルム18を引き出し、レーザ光19と交差するように移動させる。図面上、左側から右側にフィルム18を移動させる。
次に、フィルム18の移動の種々の態様を説明しながら、フィルム18の移動に関わる基準について説明する。
なお、以下で用いる「レーザ光のエネルギー」は、レーザ光の1パルス当たりのエネルギー(ピークパワー×1パルス幅)であり、「レーザ光の照射時間」は、粉末材料の薄層にレーザ光を照射した累積の時間(パルス数×1パルス幅)である。
第1の態様は、図3(a)に示すように、フィルム18を静止した状態でレーザ光19の照射を行い、フィルム18への蒸着金属による反射光がレーザ光源を傷めるほど強くなる前で、かつ、蒸着金属を通して透過したレーザ光19のエネルギーが金属粉末を溶融するのに不十分になる前に、開口部14aから透過窓12の右端までに存在していたフィルム18の部分が少なくとも透過窓12を超えるようにフィルム18を移動させるような態様である。以下では、このような移動を断続移動と呼ぶことにする。
なお、図3(a)において、符号20cはフィルム18に蒸着した金属の膜を示す。レーザ光19の照射中フィルム18が静止しているため、金属の膜の厚さが同じであることを示している。
第2の態様は、図3(b)に示すように、少なくとも金属粉末20にレーザ光19を照射している間は、フィルム18を絶え間なく連続して移動させるような態様である。レーザ光19を照射していないときはフィルム18の移動を停止させるようにしてもよいし、レーザ光19を照射しているときと同じように移動させてもよい。以下では、このような移動を連続移動と呼ぶことにする。
なお、図3(b)において、符号20dはフィルム18に蒸着した金属の膜を示す。レーザ光19の照射中フィルム18が右側に移動しているため、左側に行くほど金属の膜の厚さが薄くなっていることを示している。
第2の態様において、フィルム18の移動速度は、フィルム18への蒸着金属による反射光がレーザ光源を傷めるほど強くなる前で、かつ、蒸着金属を通して透過したレーザ光19のエネルギーが金属粉末を溶融するのに不十分になる前に、チャンバ11内に新たに引き出されたフィルム18の部分が少なくとも透過窓12を超えるような速度とする。
ここで、レーザ光源を傷めるほど強い反射を生じるフィルム18での反射率の最小値をR1critとする。このとき、透過率(T1crit)は、T1crit=1−R1critから算出できる。
また、蒸着金属を通してフィルム18を透過したレーザ光19のエネルギーが粉末材料を溶融するのに不十分となるフィルム18での透過率の最大値をT2critとする。このとき、反射率(R2crit)は、R2crit=1−T2critから算出できる。
フィルム18の蒸着金属による反射がレーザ光源を傷めるほど強くなる前で、かつ、蒸着金属を通して透過したレーザ光19のエネルギーが金属粉末を溶融するのに不十分になる前である条件を満たす反射率の範囲は、反射率R1critとR2critのうちいずれか小さいほうの反射率R1crit又はR2critより小さい範囲であることが必要である。反射率R1critとR2critのうち小さいほうの反射率を規定反射率(Rcrit)とする。
一方、透過率の場合、上述の条件を満たす範囲は、T1crit及びT2critのうちいずれか大きいほうの透過率T1crit又はT2critより大きい範囲であることが必要である。透過率T1critとT2critのうち大きいほうの透過率を規定透過率(Tcrit)とする。
ここで、反射率R1critとR2crit、及び透過率T1critとT2critは、フィルム18に蒸着した金属の厚さにより決まり、蒸着金属の厚さは、蒸着速度に影響を与える粉末材料の蒸気圧と、粉末材料の蒸気圧に影響を与えるレーザ光のエネルギーと、レーザ光19の照射時間に依存する。
よって、予め、粉末材料の蒸気圧や、フィルム18を透過する前のレーザ光のエネルギーをパラメータとして、レーザ光の照射時間と、蒸着金属の厚さによるレーザ光の反射率(又は透過率)との関係を調査しておいて、粉末材料の蒸気圧と、レーザ光のエネルギーと、レーザ光の照射時間とによって、規定反射率(Rcrit)(又は規定透過率(Tcrit))を判断する。
例えば、金属粉末材料の蒸気圧の大きさやレーザ光のエネルギーの大きさに依存する蒸着速度の変化を考慮しつつ、規定反射率(Rcrit)(又は規定透過率(Tcrit))に対応するレーザ光の照射時間を判断すればよい。
判断の対象となるレーザ光の照射時間は、フィルム18が収納部14から出てチャンバ11内に入り透過窓12を超えるまでの間にレーザ光の照射が行われた累積の時間に相当する。
次に、上述の基準に適合する具体的な移動方法について説明する。
第1の態様では、1回以上、n回のレーザ光19の照射で規定反射率(又は規定透過率)に達するとした場合、フィルム18の移動を停止させてn回のレーザ光19の照射を行った後に、少なくとも収納部14の開口部14aから透過窓12の右端までに存在していたフィルム18の部分が一気に透過窓12を超えるようにフィルム18を移動させる。
図4(a)は、1回のレーザ光の照射で規定反射率(又は規定透過率)に達する例を示す。フィルム18が右に断続的に移動する様子をレーザ光19の照射に対応させながら時間経過に従って上から下に3つ並べて示したものである。
図4(a)において、フィルム18に表示された数字(0), (1), (2)は、フィルム18の連続する別々の部分を示す。
また、図中、左側の文字表示は、フィルム18を静止させているときにレーザ光の照射を行うことを示している。また、点線の矢印の表示は、フィルム18を上の位置から下の位置に移動させたことを示す。
図4(a)において、レーザ光19の照射が始まる前に、フィルム18の部分(0)が透過窓12に対面している。
レーザ光19の照射が始まる前の位置からフィルム18を移動させ、フィルム18の特定領域(1)を収納部14の開口部14aから透過窓12の右端までに配置したところで、フィルム18の移動を停止させる。
次いで、フィルム18を通して1回目のレーザ光19の照射を行う。
1回目のレーザ光19の照射後、フィルム18の特定領域(1)が一気に透過窓12を超えるようにフィルム18を移動させる。
次いで、フィルム18の移動を停止させ、フィルム18の特定領域(1)に続く特定領域(2)を収納部14の開口部14aから透過窓12の右端までに配置する。
以降、2回目のレーザ光19の照射から、順次、1回のレーザ光19の照射ごとにフィルム18の移動を繰り返す。
図4(b)は、複数回(ここでは2回)のレーザ光の照射で規定反射率(又は規定透過率)に達する例を示す。なお、説明を省いた表示については、図4(a)の説明に従う。
この例では、図4(b)に示すように、複数回(ここでは2回)のレーザ光19の照射ごとにフィルム18の移動を繰り返す。
次に、第2の態様について説明する。
第2の態様は、第1の態様において静止状態で1回のレーザ光の照射を続けると、レーザ光の照射が終わる前に規定反射率(又は規定透過率)に達する場合に有用である。
図5は、1回のレーザ光の照射が終わる前に規定反射率(又は規定透過率)に達する場合のフィルム18の移動を例示する。時間経過に従って上から下に2つ並べて示したものである。
図5において、左側の文字表示と付随する実線の矢印の表示は、フィルム18が上の位置から下の位置に至るまでの間にレーザ光の照射が行われることを示している。なお、説明を省いた表示については、図4(a)、(b)の説明に従う。
2つのフィルム18の位置は、第1回目のレーザ光の照射が始まる前の位置と、第1回目のレーザ光の照射を伴う連続移動によりフィルム18の特定領域(1と1A)がチャンバ内に引き出され、レーザ光の照射が終わったときの位置を示す。
図5に示すように、レーザ光の照射を伴うフィルム18の連続移動を1回行うことで、レーザ光19の照射のときにチャンバ11内に新たに引き出され、規定反射率(又は規定透過率)に達したフィルム18の部分(1A)が透過窓12を超えるようにする。
第2の態様は、ほかに、1回以上、n回のレーザ光の照射で、1回目の照射時にチャンバ11内に新たに引き出されたフィルム18の部分が規定反射率(又は規定透過率)に達する場合にも用いてよい。この場合は、n+1回のレーザ光の照射を伴うフィルム18の連続移動を行うことで、1回目にチャンバ11内に引き出されたフィルム18の部分が、少なくとも、透過窓12を超えるようにする。
図6(a)は、1回のレーザ光の照射で規定反射率(又は規定透過率)に達する例で、第1の態様の図4(a)に対応する第2の態様である。フィルム18が右に連続移動する様子をレーザ光19の照射に対応させながら時間経過に従って上から下に3つ並べて示したものである。
なお、説明を省いた表示については、図4乃至図5の説明に従う。
3つのフィルム18の位置は、上から、第1回目のレーザ光の照射が始まる前の位置と、2回のレーザ光の照射を伴う連続移動に従って順次フィルムが動いた位置に対応する。
図6(a)に示すように、レーザ光の照射を伴うフィルム18の連続移動を2回行うことで、1回目のレーザ光19の照射のときにチャンバ11内に新たに引き出されたフィルム18の部分(1)が透過窓12を超えるようにしている。
図6(a)では、フィルム18の特定領域(1)が開口部14aからチャンバ11内に引き出されてから透過窓12を超えるまで、2回のレーザ光19の照射による金属の蒸発に曝されるが、レーザ光19の照射中フィルム18が連続的に移動しているので、透過窓12を超えたときの蒸着金属の厚さは、フィルム18が静止状態のときに1回のレーザ光19の照射により生成する厚さに相当する。
図6(b)は、複数回(ここでは2回)のレーザ光の照射で規定反射率(又は規定透過率)に達する例で、第1の態様の図4(b)に対応する第2の態様である。フィルム18が右に連続移動する様子をレーザ光19の照射に対応させながら時間経過に従って上から下に4つ並べて示したものである。
なお、説明を省いた表示については、図4乃至図5、及び図6(a)の説明に従う。
この例では、図6(b)に示すように、レーザ光の照射を伴うフィルム18の連続移動を3回行うことで、1回目のレーザ光19の照射のときにチャンバ11内に新たに引き出されたフィルム18の部分(1)が透過窓12を超えるようにする。
この場合、透過窓12を超えたときの蒸着金属の厚さは、フィルム18が静止状態のときに2回のレーザ光19の照射により生成する厚さに相当する。
次に、第1の態様と第2の態様を併用する場合の例を示す。
この例は、特に、後述する第2実施形態のように、反射率の測定器を備え、全自動で溶融結合造形を行う場合に起こり得る。
図7は、フィルム18が静止状態でレーザ光の照射を行っているその途中で、フィルム18を移動させる例を示す。レーザ光19の照射中に時間経過に従って上から下に2つ並べて示したものである。
なお、説明を省いた表示については、図4乃至図6の説明に従う。
2つのフィルム18の位置のうち、上の位置はレーザ光19の照射に合わせてフィルム18を静止させているときの位置である。
また、下の位置は、レーザ光19の照射の途中で規定反射率(又は規定透過率)に近づいたため、規定反射率(又は規定透過率)に達する前にフィルム18を静止した状態から金属が蒸着した領域(1)が透過窓12を超えるように移動させ終えたときの位置である。
図7に示すように、収納部14からフィルム18を引き出し、少なくとも特定領域(1)の先端が透過窓12の右端に位置したところでフィルム18の移動を停止させ、静止状態でレーザ光19の照射を行う。
このとき、レーザ光19の照射により、金属粉末材料が溶融し、金属が蒸発してフィルム18に蒸着し、次第にレーザ光19に対する反射率が増大してくる。
そのままレーザ光19の照射を続けるとレーザ光19の照射が終わる前に規定反射率(又は規定透過率)に達することが予想される場合、規定反射率(又は規定透過率)に達する前に、フィルム18を静止した状態から金属が蒸着した領域(1)が透過窓12を超えるように移動させる。これによって、新たに引き出されたフィルム18の領域 (2)を収納部14の開口部14aから少なくとも透過窓12の右端まで張り渡す。
なお、フィルム18の領域(1)が透過窓12を超えてもまだレーザ光19の照射が続いている場合は、フィルム18を静止した状態で、或いは、フィルム18の移動を続けてレーザ光19の照射が終わるのを待つ。
以上のように、第1実施形態の粉末床溶融結合装置によれば、透過窓12と対面するようにフィルム18を移動して、透過窓12と薄層形成部202の間に順次新たな透明なフィルム18を配置するフィルム保持手段15, 16, 17を有する。
したがって、蒸発金属を透過窓12に蒸着させずにフィルム18に蒸着させ、しかも、フィルム18を移動させることで透過窓12の前方に常に反射率が低く透過率の高いフィルム18を配置することができる。
これにより、蒸発金属の蒸着によるレーザ光の反射を抑制し、かつ、粉末材料に十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる。
特に、フィルム18に蒸着した金属による反射率(又は透過率)が規定反射率(又は規定透過率)に達する前に、或いは達したときすぐに新しいフィルム18に入れ換えることで、蒸着金属による反射光に起因するレーザ光源の損傷を防止するとともに、金属粉末を溶融するのに十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる。
また、レーザ光照射手段201と、薄層形成部202と、フィルム保持手段15, 16, 17とが制御部203に接続され、制御部203により制御されるので、蒸発金属の蒸着によるレーザ光19の反射を抑制し、薄層形成部202の粉末材料に十分なレーザ光19のエネルギーを供給しつつ、造形を自動的にかつ中断することなく行うことが可能である。
(2)粉末床溶融結合方法について
図4(a)、図8乃至図12を参照して、粉末床溶融結合方法について説明する。
粉末床溶融結合造形を始める前に、減圧雰囲気中で金属の粉末材料20から酸素、窒素及び水分を除くことが望ましい。
この場合、粉末床溶融結合造形は、引き続き減圧雰囲気中で行う。
まず、図8(a)の状態で、第1粉末材料収納容器22a内の粉末材料20と第2粉末材料収納容器22b内の粉末材料20を、溶融温度よりも少し低い温度に予備加熱し、薄層形成容器21でもパートテーブル24及び容器壁を粉末材料の溶融温度よりも少し低い温度に予備加熱する。レーザ光の照射により短時間にかつ均一に粉末材料の溶融温度に昇温させることができるようにするためである。
次に、リコータ13を第1粉末材料収納容器22aの外側の縁部に配置する。
次いで、図8(b)に示すように、粉末材料20を載せた第1フィードテーブル25aを上昇させるとともに、パートテーブル24を薄層一層分だけ下降させる。
また、第2フィードテーブル25bを、薄層の形成後に残る粉末材料が十分に収納される程度に下降させる。
次いで、図9(a)に示すように、リコータ13を右側に移動させて第1粉末材料収納容器22aから押し取って薄層形成容器21に粉末材料20を運搬し、表面を均しながら収納してパートテーブル24上に粉末材料の薄層20aを形成する。
残った粉末材料20は、リコータ13をさらに右側に移動させて第2粉末材料収納容器22bまで運搬し、第2のフィードテーブル25b上に収納する。
リコータ13の移動に前後して、収納部14からフィルム18の新たな部分を引き出し、静止させる。図4(a)に示すように、新たに引き出されたフィルム18の部分(1)の先端を少なくとも透過窓12の右端に位置させる。
次いで、図9(b)に示すように、スライスデータ(描画パターン)に基づきレーザ光19の照射を行う。このようにして、粉末材料の薄層20aを選択的に加熱して溶融し、固化して固化層20bを形成する。なお、図9(b)では、固化層20bの形成途中の状態を示しているが、固化層20bの形成を終えた状態は図10(a)に示される。
レーザ光19の照射が終わったら、そのままフィルム18を静止状態で保持する。
レーザ光の照射によりフィルム18の蒸着金属の厚さが増してくるため、フィルム18の反射率(又は透過率)が規定反射率(又は規定透過率)に近づいてくる。
そして、次にレーザ光の照射を行うとレーザ光の照射が終わる前に規定反射率(又は規定透過率)に達してしまう場合、図10(a)に示すように、フィルム18を移動させて、図4(a)に示すように、新たに引き出されたフィルム18の部分(2)の先端を少なくとも透過窓12の右端に位置させる。
次いで、図10(b)に示すように、粉末材料20を載せた第2フィードテーブル25bを上昇させるとともに、パートテーブル24を薄層一層分だけ下降させ、第1フィードテーブル25aを下降させる。
次に、図11(a)に示すように、リコータ13を左側に移動させ、第2粉末材料収納容器22bから薄層形成容器21に粉末材料20を運搬し、パートテーブル24上に粉末材料の薄層20aを形成する。残った粉末材料20は、第1粉末材料収納容器22aに収納する。
その後に、図11(b)に示すように、スライスデータに基づきレーザ光の照射を行い、固化層20b上に新たな固化層20bを形成させる。なお、図11(b)では、固化層20bの形成途中の状態を示しているが、固化層20bの形成を終えた状態は図12に示される。
レーザ光19の照射が終わったら、図12に示すように、フィルム18を移動させて、新たに引き出されたフィルム18の部分の先端を少なくとも透過窓12の右端に位置させる。
引き続き、粉末材料の薄層20aの形成→固化層20bの形成→粉末材料の薄層20aの形成→固化層20bの形成→・・・を繰り返す。
この間、1回のレーザ光19の照射ごとに、フィルム18を移動させて、順次新たなフィルム18の部分をチャンバ11内に引き出す。これにしたがって、レーザ光の照射の際に開口部14aから透過窓12の右端までに存在していたフィルム18の部分が、順次、透過窓12を超えるようにする。
このようにして、複数の固化層20bを積層し、3次元造形物を作製する。
以上説明した第1実施形態に係る粉末床溶融結合方法によれば、蒸発金属を透過窓12に蒸着させずにフィルム18に蒸着させ、しかも、蒸着金属が厚くなると、フィルム18を移動させている。
したがって、透過窓12の前方に常に反射率が低く透過率の高いフィルム18を配置することができ、これにより、蒸発金属の蒸着によるレーザ光の反射を抑制し、かつ、粉末材料に十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる。
特に、フィルム18への蒸着金属による反射光がレーザ光源を傷めるほど大きくなる前で、かつ、蒸着金属を通して透過したレーザ光19のエネルギーが金属粉末を溶融するのに不十分になる前に、新しいフィルム18に入れ換えるようにすることで、蒸着金属による反射光に起因するレーザ光源の損傷を防止するとともに、金属粉末を溶融するのに十分なレーザ光のエネルギーを供給することができる。
また、第1実施形態の粉末床溶融結合装置を用いて、レーザ光照射手段201と、薄層形成部202と、フィルム保持手段15, 16, 17とを制御部203により制御し、上述の造形方法を行うことで、蒸発金属の蒸着によるレーザ光19の反射を抑制し、薄層形成部202の粉末材料に十分なレーザ光19のエネルギーを供給しつつ、造形を自動的にかつ中断することなく行うことが可能である。
なお、上記実施形態の粉末床溶融結合方法では、図4(a)に示すように、フィルム18を静止状態で1回のレーザ光19の照射を行った後に、収納部14の開口部14aから透過窓12の右端までに存在していたフィルム18の部分が一気に透過窓12を超えるようにフィルム18を移動させているが、フィルム18への蒸発金属の蒸着速度に応じて、以下のような種々の方法が可能である。
すなわち、図4(b)に示すように、フィルム18を静止して複数回のレーザ光19の照射を行った後に、収納部14の開口部14aから透過窓12の右端までに存在していたフィルム18の部分が一気に透過窓12を超えるようにフィルム18を移動させてもよい。
また、図6に示すように、1回のレーザ光の照射時間よりも短い時間で、レーザ光の照射が始まってからチャンバ11内に新たに引き出されたフィルム18の部分が透過窓12を超えるようにフィルム18を連続移動させてもよい。
また、図7(a)、(b)に示すように、チャンバ11内に新たに引き出されるフィルム18の部分が、2回以上のレーザ光の照射を伴うフィルム18の連続移動によって透過窓12を超えるようにしてもよい。
(比較例との対比)
不活性ガスをチャンバ内に導入し金属粉末材料の周囲の圧力を高くして、金属粉末材料の溶融時に溶融した金属の蒸発を抑制することも考えられるが、上記実施形態のように、不活性ガスをチャンバ内に導入せずに減圧状態を保ったままで金属粉末材料を溶融する場合には、次の利点がある。
すなわち、不活性ガスをチャンバ内に導入した場合、不活性ガスに混入した酸素による金属粉末材料の酸化が生じる恐れがあるが、減圧状態を保っているため、金属粉末材料の酸化を防止することができる。このため、溶融されずに残った粉末材料を再利用することができる。また、粉末材料の品質が安定しているため、造形物の品質も安定させることができる。
また、大気解放時に不活性ガスを少量消費するだけなので、ランニングコストが少なくて済む。
また、チャンバ内に不活性ガスを導入した場合、粉末材料の周囲で不活性ガスの対流による熱の逃げが生じる恐れがあるが、本実施形態ではチャンバ11内に不活性ガスを導入せず減圧状態を保っているため、対流による粉末材料周囲の熱の逃げを防止することができる。このため、予備加熱による粉末材料の温度を均一に保つことができるので、レーザ光の照射による粉末材料の溶融を均一に行うことができるとともに、作製した造形物の反りを抑制することができる。
また、減圧状態で作製した造形物では内部に生じた空隙の多くは表面に連通しない低圧の閉塞空隙となるので、熱間等方圧加圧法(HIP処理:Hot Isostatic Pressing)を行うことで、粉末材料内部の空隙を容易にかつ確実につぶすことができるようになる。これにより、作製した造形物の応力集中を減らすとともに密度を向上させ、結果的に機械的強度を向上させることができる。
このように、溶融結合造形を減圧状態で行う利点を述べたが、本願のフィルム18を備えた粉末床溶融結合装置において、減圧雰囲気をアルゴンなどの不活性ガスで置換し、不活性ガス雰囲気中で溶融結合造形を行うことを除外するものではない。
すなわち、不活性ガスの圧力により溶融した金属からの蒸発は減るが、完全に抑制できるわけではない。ヒュームがレーザ光の透過窓などを汚すことが知られている。このヒュームに対しても、本願のフィルム18を備えた粉末床溶融結合装置は有効である。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係る粉末床溶融結合装置の構成を示す図である。
本実施形態に係る粉末床溶融結合装置は、図13に示すように、第1実施形態と異なり、レーザ光出射部201の周囲にフィルム18でのレーザ光19の反射率(R)を測定する測定器28を備えている。また、測定器28は制御部203に接続されている。
他の構成は、第1実施形態と同様である。図13中、第1実施形態と同じ要素には、第1実施形態と同じ符号を付している。
図14は、本発明の第2実施形態に係る粉末床溶融結合方法を示す断面図である。
図14は、金属粉末20aにレーザ光19を照射し、金属粉末20aを溶融させたことにより金属が蒸発し、フィルム18に金属膜20eが蒸着した状態を示す。
さらに、図14では、引き続きレーザ光19が照射され、フィルム18に蒸着した金属膜20eにより、レーザ光源から出射したレーザ光19の一部がフィルム18を透過し、残りの一部が反射して測定器28に入る様子を示している。
図14において、他の符号19aは、レーザ光源から出射したレーザ光19のうち、フィルム18を透過した透過光であり、19bは、フィルム18で反射した反射光である。また、符号20bは、金属粉末20aを焼結させ、又は溶融し、固化させて生成した焼結薄層又は固化層である。
測定器28により、金属膜20eが蒸着したフィルム18におけるレーザ光の反射率(R)が実測される。なお、反射率(R)から、透過率(T)=1−Rの関係により、金属膜20eが蒸着したフィルム18でのレーザ光の透過率(T)が算出される。
そして、実測された反射率(R)又は透過率(T)と上述した規定反射率(Rcrit)又は規定透過率(Tcrit)とを比較することによって、フィルム18への蒸着金属による反射光19bがレーザ光源を傷めるほど大きくなっていないかどうか判断され、また、透過光19aのエネルギーが金属粉末20aを溶融するのに十分かどうか判断される。これによって、フィルム18を移動させて透過窓12の下にフィルム18の新たな部分をセットする時期を正確に判断することができる。
反射率又は透過率を測定器で測定する方法をフィルム18の連続移動と断続移動に適用すると、例えば、次のようになる。
フィルム18の断続移動を行わせる場合、フィルム18を静止させてレーザ光19を照射させているときにフィルム18でのレーザ光19の反射率又は透過率を測定し、フィルム18への金属の蒸着速度に応じて、フィルム18を静止させているときのレーザ光19の照射回数を適度に調節し、基準に適合するようにする。これによって、所定のレーザ光19の照射が終わってからフィルム18を移動させることができるようにする。
また、レーザ光19の照射を伴うフィルム18の連続移動を行わせる場合、フィルム18を移動させながらフィルム18でのレーザ光19の反射率又は透過率を測定し、フィルム18への金属の蒸着速度に応じてフィルム19の移動速度を適度に調節し、基準に適合するようにする。
又は、フィルム18を静止させてレーザ光19を照射させているときにフィルム18でのレーザ光19の反射率又は透過率を測定し、測定した反射率又は透過率が規定反射率又は規定透過率に達したら、或いは、達する直前に、レーザ光19を照射させたままフィルム18を移動させて基準に適合するようにする。すなわち、断続移動と連続移動を併用するような移動方法となる。
以上説明した第2実施形態によれば、測定器28により、金属膜20cが蒸着したフィルム18におけるレーザ光の反射率(R)と透過率(T)を実測できるので、予め、レーザ光の照射時間とレーザ光の反射率又は透過率の関係を調査する手間を省くことができる。このため、第2実施形態の装置構成は、粉末材料の種類やレーザ光の生成条件をたびたび変更するような場合に特に有用である。
しかも、より正確にフィルム18の移動時期を判断することができるため、フィルム18の無駄使いをなくすことができる。
また、測定器28と第2ロール16が制御部203に接続され、制御部203からの制御信号で制御されるので、測定器28で反射率又は透過率を取得して規定反射率(Rcrit)又は規定透過率(Tcrit)とを比較する動作と、規定反射率(Rcrit)又は規定透過率(Tcrit)に達したら、或いは、達する直前に、第2ロール16を回転させてフィルム18を移動させ、フィルム18の新たな部分を透過窓12の下にセットする動作とを自動的に行うことができる。
以上、実施の形態によりこの発明を詳細に説明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲に含まれる。
1, 11…チャンバ、1a, 11a…チャンバ壁、2, 12…透過窓、3, 13…リコータ(粉末材料運搬手段)、4, 19…レーザ光、5a, 20a…金属粉末の薄層、5b, 20b…焼結薄層又は固化層、 5c…透過窓に蒸着した金属膜、14…収納部、14a, 14b…開口部、15…第1ロール、16…第2ロール、17…フィルム経由手段、18…フィルム、20…金属粉末、20c, 20d, 20e…フィルムに蒸着した金属膜、21…薄層形成容器、22a…第1粉末材料収納容器、22b…第2粉末材料収納容器、23a…左側フランジ、23b…右側フランジ、24…パートテーブル(第1昇降台)、25a…第1フィードテーブル(第2昇降台)、25b…第2フィードテーブル(第3昇降台)、26, 27a, 27b…支持軸、28…反射率の測定器、101, 201…レーザ光出射部、102, 202…薄層形成部、103, 203…制御部。

Claims (11)

  1. レーザ光を出射するレーザ光出射部と、
    前記レーザ光の透過窓が設けられた減圧可能なチャンバと、
    前記チャンバ内に設けられ、前記レーザ光を照射する粉末材料の薄層が形成される薄層形成部と、
    前記レーザ光を透過するフィルムを保持し、前記透過窓と前記薄層形成部の間で前記透過窓と対面するように移動させるフィルム保持手段と、
    を有することを特徴とする粉末床溶融結合装置。
  2. 前記フィルム保持手段は、前記フィルムが巻かれた第1ロールと、前記フィルムを巻き取る第2ロールとを有し、
    前記第1ロールと前記第2ロールはそれぞれ前記透過窓の両側の前記チャンバ内に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  3. 前記フィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンのいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉末床溶融結合装置。
  4. 前記フィルムでの前記レーザ光の反射率又は透過率を測定する測定器を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の粉末床溶融結合装置。
  5. 前記レーザ光出射部と、前記薄層形成部と、前記フィルム保持手段とを制御する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記薄層形成部に前記粉末材料の薄層を形成させ、
    前記透過窓と前記薄層形成部の間に前記フィルムを配置させ、
    前記フィルムを静止させた状態で、前記透過窓と前記フィルムを通して前記粉末材料の薄層に前記レーザ光を照射させて前記粉末材料の薄層を加熱させ、
    前記レーザ光を照射させた後、前記フィルムを移動させることを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  6. 前記レーザ光出射部と、前記薄層形成部と、前記フィルム保持手段とを制御する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記薄層形成部に前記粉末材料の薄層を形成させ、
    前記透過窓と前記薄層形成部の間に前記フィルムを配置させ、
    前記フィルムを移動させながら、前記透過窓と前記フィルムを通して前記粉末材料の薄層に前記レーザ光を照射させて前記粉末材料の薄層を加熱させることを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  7. 前記レーザ光出射部と、前記薄層形成部と、前記フィルム保持手段と、前記測定器とを制御する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記薄層形成部に前記粉末材料の薄層を形成させ、
    前記透過窓と前記薄層形成部の間に前記フィルムを配置させ、
    前記フィルムを静止させた状態で、前記透過窓と前記フィルムを通して前記粉末材料の薄層に前記レーザ光を照射させて前記粉末材料の薄層を加熱させ、
    前記フィルムでの前記レーザ光の反射率又は透過率を測定させ、
    測定させた前記反射率又は透過率を、規定反射率又は規定透過率と比較し、
    前記測定させた反射率又は透過率が前記規定反射率又は規定透過率に達するたびに、前記フィルムを移動させることを特徴とする請求項4に記載の粉末床溶融結合装置。
  8. 前記規定反射率は、前記フィルムでの反射光が前記レーザ照射手段に戻って損傷させるとみなされる反射率と、前記フィルムの透過光が前記粉末材料を溶融するのに不十分になるとみなされる反射率のうち、小さいほうの反射率であり、
    前記規定透過率は、前記フィルムでの反射光が前記レーザ照射手段に戻って損傷させるとみなされる透過率と、前記フィルムの透過光が前記粉末材料を溶融するのに不十分になるとみなされる透過率のうち、大きいほうの透過率であることを特徴とする請求項7に記載の粉末床溶融結合装置。
  9. 前記薄層形成部の側部に前記粉末材料を収納する粉末材料収納部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の粉末床溶融結合装置。
  10. 前記薄層形成部は底部が上下する第1容器を有し、前記粉末材料収納部は底部が上下する第2容器を有することを特徴とする請求項9に記載の粉末床溶融結合装置。
  11. 前記薄層形成部と前記粉末材料収納部の上面を移動して前記粉末材料を運ぶ粉末材料運搬手段を有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の粉末床溶融結合装置。
JP2015097091A 2015-05-12 2015-05-12 粉末床溶融結合装置 Pending JP2016211050A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015097091A JP2016211050A (ja) 2015-05-12 2015-05-12 粉末床溶融結合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015097091A JP2016211050A (ja) 2015-05-12 2015-05-12 粉末床溶融結合装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016211050A true JP2016211050A (ja) 2016-12-15

Family

ID=57549441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015097091A Pending JP2016211050A (ja) 2015-05-12 2015-05-12 粉末床溶融結合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016211050A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107186214A (zh) * 2017-04-25 2017-09-22 江苏大学 一种激光热力逐层交互增材制造的组合装置
WO2019088101A1 (ja) * 2017-10-31 2019-05-09 株式会社Ihi 三次元積層造形物製造装置及び三次元積層造形物製造方法
CN110315078A (zh) * 2019-07-30 2019-10-11 华中科技大学 一种多功能的激光选区熔化成形设备
CN111230124A (zh) * 2019-12-31 2020-06-05 南京晨光集团有限责任公司 用于大尺寸轻量化3d打印金属结构的连接方法及装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531034A (ja) * 2000-04-27 2003-10-21 アルカム アーベー 三次元製品を製造する装置及び方法
JP2009007669A (ja) * 2007-05-30 2009-01-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 積層造形装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531034A (ja) * 2000-04-27 2003-10-21 アルカム アーベー 三次元製品を製造する装置及び方法
JP2009007669A (ja) * 2007-05-30 2009-01-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 積層造形装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10792766B2 (en) 2017-04-25 2020-10-06 Jiangsu University Combined apparatus for layer-by-layer interactive additive manufacturing with laser thermal/mechanical effects
CN107186214B (zh) * 2017-04-25 2018-06-26 江苏大学 一种激光热力逐层交互增材制造的方法和组合装置
WO2018196106A1 (zh) * 2017-04-25 2018-11-01 江苏大学 一种激光热力逐层交互增材制造的组合装置
CN107186214A (zh) * 2017-04-25 2017-09-22 江苏大学 一种激光热力逐层交互增材制造的组合装置
WO2019088101A1 (ja) * 2017-10-31 2019-05-09 株式会社Ihi 三次元積層造形物製造装置及び三次元積層造形物製造方法
CN111201101A (zh) * 2017-10-31 2020-05-26 株式会社Ihi 三维层叠造形物制造装置以及三维层叠造形物制造方法
JPWO2019088101A1 (ja) * 2017-10-31 2020-07-27 株式会社Ihi 三次元積層造形物製造装置及び三次元積層造形物製造方法
EP3705214A4 (en) * 2017-10-31 2020-09-09 IHI Corporation DEVICE FOR MANUFACTURING GENERATIVELY MANUFACTURED THREE-DIMENSIONAL PRODUCTS AND METHOD FOR MANUFACTURING GENERATIVELY MANUFACTURED THREE-DIMENSIONAL PRODUCTS
US20210197284A1 (en) * 2017-10-31 2021-07-01 Ihi Corporation Additive manufacturing and additive manufacturing method
CN111201101B (zh) * 2017-10-31 2022-04-01 株式会社Ihi 三维层叠造形物制造装置以及三维层叠造形物制造方法
US11684979B2 (en) 2017-10-31 2023-06-27 Ihi Corporation Additive manufacturing and additive manufacturing method
CN110315078A (zh) * 2019-07-30 2019-10-11 华中科技大学 一种多功能的激光选区熔化成形设备
CN110315078B (zh) * 2019-07-30 2024-03-26 华中科技大学 一种多功能的激光选区熔化成形设备
CN111230124A (zh) * 2019-12-31 2020-06-05 南京晨光集团有限责任公司 用于大尺寸轻量化3d打印金属结构的连接方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101682087B1 (ko) 레이저와 분말을 이용한 3차원 형상 제조장치 및 제조방법
JP5995202B2 (ja) 粉末積層造形装置及び粉末積層造形方法
JP6498922B2 (ja) 粉末積層造形装置及び粉末積層造形方法
US10682807B2 (en) Additive manufacturing system and process with precision substractive technique
US9221100B2 (en) Optical irradiation unit for a plant for producing workpieces by irradiation of powder layers with laser radiation
JP2016211050A (ja) 粉末床溶融結合装置
JP5981474B2 (ja) ノズル装置、積層造形装置及び積層造形物の製造方法
JP6840581B2 (ja) 積層造形装置、処理装置、及び積層造形方法
US20190160539A1 (en) Additive Manufacturing with Overlapping Light Beams
WO2014010144A1 (ja) 三次元形状造形物の製造方法
CN114160813A (zh) 可见光激光增材制造
US20150202826A1 (en) Apparatus and method for manufacturing a three-dimensional object layer by layer
JP2020519491A (ja) 付加製造最適化のためのパターン化された光の固体ルーティング
JP2015104837A (ja) 積層造形装置、積層造形方法及び移動部
WO2019188914A1 (ja) 照射装置、金属造形装置、金属造形システム、照射方法、及び金属造形物の製造方法
JP2017144691A (ja) 粉末床溶融結合装置
JP6560775B1 (ja) 積層造形装置および積層造形物の製造方法
US20220305725A1 (en) Three-dimensional printing method enabling three-dimensional printing on one area of bed, and three-dimensional printer used therein
TWI751733B (zh) 層疊造形裝置
KR20210147194A (ko) 등가적층 체적높이 제어방법
US11518100B2 (en) Additive manufacturing with a polygon scanner
JP2017007221A (ja) 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法
JP7388067B2 (ja) 金属付加製造装置及び金属付加製造方法
US20180311735A1 (en) Manufacturing method and manufacturing apparatus for additively shaped article
JP7067134B2 (ja) 積層造形装置の造形方法及び積層造形装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190402