JP2016209814A - 汚泥脱水乾燥システム - Google Patents

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Abstract

【課題】汚泥を低コストで脱水及び乾燥することができる汚泥脱水乾燥システムを提供する。【解決手段】汚泥脱水乾燥システム10は、薬剤として高分子凝集剤F1及び鉄系の無機凝集剤F2を添加した汚泥をろ過体であるろ布ベルト16で搬送しながら重力ろ過して濃縮する濃縮装置12と、濃縮装置12で濃縮された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で搬送しながら加圧脱水する脱水装置13と、脱水装置13で脱水された汚泥を切断する切断装置14と、切断装置14で切断された汚泥を通気構造23aを有したコンベア23で搬送しながら乾燥させる乾燥装置15とを備え、低コストで汚泥を脱水及び乾燥することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、汚泥を脱水した後に切断して乾燥する汚泥脱水乾燥システムに関する。
一般に、下水や工場廃水等の汚泥をベルトプレス型脱水機等で脱水した場合、汚泥の含水率は82wt%程度となるため、例えばこのような脱水汚泥を焼却する場合には多大な焼却エネルギーが必要となる。そこで従来、脱水汚泥を乾燥システムを用いて乾燥させることで汚泥の含水率をさらに低下させることが行われている。
例えば特許文献1には、脱水汚泥を乾燥させる汚泥乾燥機として、複数段のベルトコンベアと各ベルトコンベア間に設置されて汚泥を解砕する解砕機とを有する乾燥処理部と、この乾燥処理部に乾燥空気を供給する乾燥空気発生部とを備えた構成が開示されている。
特許第5515160号公報
ところで、上記特許文献1の構成では、汚泥乾燥機に導入される汚泥が従来一般的な脱水機によって脱水処理されたものであってその含水率が82wt%程度と高い。このため、この特許文献1の構成では、汚泥乾燥機に導入する汚泥を細かくして乾燥し易くするために多孔板に対して汚泥を押圧して紐状に押出成形する構成を採用しており、装置構造が大型化し易く、汚泥の押出成形に要する電力等のランニングコストも大きなものとなる。しかも、特許文献1の構成では、含水率の高い汚泥を乾燥させるため、汚泥乾燥機内に送風する乾燥空気を生成するためのヒータ及びクーラを用いており、電力等のランニングコストが一層高いものとなっている。
本発明は、上記従来の問題を考慮してなされたものであり、汚泥を低コストで脱水及び乾燥することができる汚泥脱水乾燥システムを提供することを目的とする。
本発明に係る汚泥脱水乾燥システムは、薬剤を添加した汚泥をろ過体で搬送しながら重力ろ過して濃縮する濃縮装置と、前記濃縮装置で濃縮された汚泥を一対のベルト間で搬送しながら加圧脱水する脱水装置と、前記脱水装置で脱水された汚泥を切断する切断装置と、前記切断装置で切断された汚泥を通気構造を有したコンベアで搬送しながら乾燥させる乾燥装置とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、濃縮装置及び脱水装置によって十分に脱水された汚泥を切断装置で細かく切断してから乾燥装置に導入して乾燥させる。従って、切断装置に導入される汚泥の含水率が十分に低下しているため、例えば円板状や板状のカッターで汚泥を容易に切断することができる。このため、例えば汚泥を多孔板に対して押圧する等の大型の設備が不要であり、低コストで脱水汚泥を細かくすることができ、さらに汚泥の含水率が十分に低下していることから切断後の汚泥の形状が保持される。しかも乾燥装置は、このように含水率が低下した状態で細かく切断された汚泥を乾燥させればよいためコンベアで搬送するだけの自然乾燥であっても所望の含水率まで汚泥を乾燥させることができる。この際、汚泥は切断後の形状、つまり多面形状が保持されているため、乾燥装置で空気に触れる表面積が大きくなり、乾燥効率が向上する。このため、汚泥を乾燥させるためのヒータやクーラ等の設備が不要となり、一層低コストで脱水汚泥を乾燥することができる。
前記濃縮装置は、前記ろ過体によって搬送される汚泥に対して鉄系の無機凝集剤を添加する薬注装置を有する構成であってもよい。そうすると、濃縮装置及びその後段の脱水装置での汚泥の脱水率を一層高めることができる。
前記濃縮装置は、前記ろ過体で搬送される汚泥を該ろ過体による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構と、前記移動機構の下流側に設けられ、前記ろ過体の上面で搬送される汚泥を該ろ過体との間で加圧する加圧ローラとを有する構成であってもよい。そうすると、薬剤が添加されてろ過体で搬送される汚泥を移動機構によってその搬送方向と異なる方向に移動させることが圧密することができ、さらにその圧密した汚泥を加圧ローラによって加圧脱水することができるため、脱水装置に導入される前の汚泥の含水率を大きく低下させることができる。
前記切断装置は、汚泥の搬送方向に直交する方向に等間隔で複数並んで設けられ、搬送される汚泥に接触して回転することで、汚泥を搬送方向に沿って切断する円板状の回転カッターと、汚泥の搬送方向に直交する方向に延在するように設けられ、搬送される汚泥に対して上下動しながら接触することで、汚泥を搬送方向に直交する方向に沿って切断する板状の上下カッターとのうち、少なくとも一方のカッターを有する構成であってもよい。このような回転カッターや上下カッターを用いて汚泥を切断することで、乾燥装置に導入される前の汚泥を簡素な装置を用いて低コストで細かく分割し、空気に触れる面積を大きくすることができる。
前記乾燥装置は、前記コンベアを覆うカバー部材を有する構成であってもよい。そうすると、コンベアで搬送・乾燥される汚泥を外気や湿度から保護することができる。
また、本発明に係る汚泥脱水乾燥システムは、薬剤が添加されて脱水された汚泥を切断する切断装置と、前記切断装置で切断された汚泥を通気構造を有したコンベアで搬送しながら乾燥させる乾燥装置とを備え、前記切断装置は、汚泥の搬送方向に直交する方向に等間隔で複数並んで設けられ、搬送される汚泥に接触して回転することで、汚泥を搬送方向に沿って切断する円板状の回転カッターと、汚泥の搬送方向に直交する方向に延在するように設けられ、搬送される汚泥に対して上下動しながら接触することで、汚泥を搬送方向に直交する方向に沿って切断する板状の上下カッターとのうち、少なくとも一方のカッターを有することを特徴とする。
このような構成によっても汚泥を低コストで脱水及び乾燥することができる。
前記切断装置は、前記回転カッター及び前記上下カッターを有し、前記回転カッターの下流側に前記上下カッターを配置しているとよい。そうすると、先に回転カッターで汚泥を搬送方向に沿って長尺な帯状に切断した後、次の上下カッターで円滑に切断してサイコロ状に形成することができる。
本発明によれば、簡素な構造の切断装置を用いて脱水汚泥を切断して細かくして乾燥することができるため、汚泥を低コストで脱水及び乾燥することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る汚泥脱水乾燥システムの全体構成を示す側面図である。 図2は、図1に示す汚泥脱水乾燥システムを構成する濃縮装置の要部拡大平面図である。 図3は、図1に示す汚泥脱水乾燥システムを構成する脱水装置の下流側に設けられた切断装置及び乾燥装置付近での側面図である。 図4は、切断装置を構成する回転カッターで汚泥を切断している状態を模式的に示した説明図であり、図4(A)は、平面図であり、図4(B)は、側面図である。 図5は、切断装置を構成する上下カッターで汚泥を切断している状態を模式的に示した説明図であり、図5(A)は、平面図であり、図5(B)は、側面図である。 図6は、乾燥装置のコンベアの通気構造の一構成例を示す要部拡大側面図である。 図7は、乾燥装置のコンベアの通気構造の別の構成例を示す要部拡大側面図である。
以下、本発明に係る汚泥脱水乾燥システムについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
1.汚泥脱水乾燥システムの全体構成の説明
図1は、本発明の一実施形態に係る汚泥脱水乾燥システム10の全体構成を示す側面図である。図2は、図1に示す汚泥脱水乾燥システム10を構成する濃縮装置12の要部拡大平面図であり、図3は、図1に示す汚泥脱水乾燥システム10を構成する脱水装置13の下流側に設けられた切断装置14及び乾燥装置15付近での側面図である。
本実施形態に係る汚泥脱水乾燥システム10は、上段の濃縮装置12で汚泥を重力ろ過した後、下段の脱水装置13で加圧脱水することで脱水ケーキを生成し、この脱水ケーキを切断装置14で細かく切断した後、乾燥装置15で乾燥しながら外部に搬送する汚泥処理設備である。本実施形態では処理対象として下水の嫌気性消化汚泥を用いるが、本実施形態に係る汚泥脱水乾燥システム10は、下水汚泥以外の汚泥、例えば工場廃水や鉱山での廃水等の汚泥処理にも利用できる。
汚泥脱水乾燥システム10(以下、単に「システム10」ともいう)は、周回軌道上を走行するろ布ベルト16の上面16aで汚泥を重力ろ過(重力濃縮)するろ過部18を備えた濃縮装置12と、濃縮装置12で濃縮された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で挟持しながら搬送し、加圧脱水する脱水装置13と、脱水装置13で脱水された汚泥を搬送しながら切断する切断装置14と、切断装置14で切断された汚泥を通気構造23aを有したコンベア23で搬送しながら乾燥させる乾燥装置15とを備える。濃縮装置12の直前には、当該システム10の前段設備から搬送された汚泥中に薬剤として高分子凝集剤F1を混合するための凝集混和槽24が設けられている。高分子凝集剤F1としては、一般に公知のものを用いればよく、例えばアニオン性高分子凝集剤やカチオン性高分子凝集剤が挙げられる。
1.1 濃縮装置の説明
先ず、濃縮装置12について説明する。
図1及び図2に示すように、濃縮装置12は、凝集混和槽24からろ布ベルト16の上面16aに投入された汚泥を重力ろ過するろ過部18と、ろ過部18で重力ろ過された汚泥をろ布ベルト16との間で加圧脱水して下段の脱水装置13へと排出する予備脱水ローラ(加圧ローラ)25,26とを備える。ろ過部18の途中には、ろ布ベルト16の上面16aとの間で汚泥を押圧して圧密する圧密機構28と、ろ布ベルト16による搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に汚泥を移動させる移動機構30が設けられている。
ろ過部18は、複数のローラ及び予備脱水ローラ25,26に巻き掛けられ、一方向に周回駆動される無端状のろ布ベルト16の上面(外周面)16aで構成されている。ろ過部18は、所定のローラ19a,19b間に張られたろ布ベルト16の上面16aに汚泥が載置されることで、該汚泥に含まれる水分を重力によってろ過分離する手段である。
ろ布ベルト16は、例えば通水性を持った長尺帯状のろ布や微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成され、十分な張力で各ローラ及び予備脱水ローラ25,26に巻き掛けられている。ろ布ベルト16は、図示しない制御装置によって駆動制御されるモータ等の駆動源によって所定のローラが回転駆動されることにより、図1中に示す矢印の方向(図1では反時計方向)に走行可能である。これにより、図1及び図2中で右側(上流側)から左側(下流側)に向かう方向が濃縮装置12での汚泥の搬送方向となる。
従って、ろ過部18の上流位置に凝集混和槽24の出口ポート24aから投入された汚泥は、ろ布ベルト16によって下流側へと搬送されつつ、水分のみが重力によってろ布ベルト16を透過してろ過脱水され、ろ過された水分(分離液、ろ液)は、ろ液受皿31によって回収される(図1参照)。
ろ過部18を構成するろ布ベルト16の上面16aの所定位置(図1では最も上流側の圧密機構28の上流側)には、棒体32が立設されている。棒体32は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥に当接して分散させ、その水切りを促進するための障害物であり、その設置位置や本数、形状等は、適宜変更可能である。
ろ過部18における移動機構30の上流側には、搬送される汚泥に対して薬剤として無機凝集剤F2を添加する薬注装置(薬剤添加装置)36が設けられている。薬注装置36は、無機凝集剤F2を貯留する薬品タンク36aと、薬品タンク36aの出口に接続されたライン36bを備える。無機凝集剤F2としては一般に公知のものを用いればよく、例えば鉄系やアルミ系のものが挙げられる。ライン36bは、ろ布ベルト16の幅方向に亘って配設され、汚泥に対して図示しない添加ノズルから無機凝集剤F2を添加することができる。ライン36bは、凝集混和槽24へと投入される汚泥に無機凝集剤F2を添加可能に配設されてもよい。
一方、上記した高分子凝集剤F1は、薬注装置(薬剤添加装置)38によって凝集混和槽24に投入される直前の汚泥に添加される。薬注装置38は、高分子凝集剤F1を貯留する薬品タンク38aと、薬品タンク38aの出口に接続されたライン38bを備える。ライン38bは、ライン36bと同様にろ過部18を搬送される汚泥に対して高分子凝集剤F1を添加する構成であってもよい。
薬注装置38からの高分子凝集剤F1が添加された汚泥が導入される凝集混和槽24は、汚泥が貯留されるタンク24bと、タンク24b内の汚泥をモータ24cを駆動源として攪拌する攪拌羽根24dとを備える。攪拌羽根24dによってタンク24b内で高分子凝集剤F1が十分に混合された汚泥は、出口ポート24aからろ布ベルト16の上面16aに投入される。
圧密機構28は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥を押し潰すことで、その高さ寸法を縮小して圧密するものである。図1に示すように、圧密機構28は、ろ過部18の途中に3台設けられ、2台の移動機構30の上流側及び下流側となる位置にそれぞれ配置されている。圧密機構28の設置台数は適宜変更可能である。
図1及び図2に示すように、各圧密機構28は、汚泥の搬送方向で下流側に向かって次第に下方へと湾曲した後、ろ布ベルト16と所定間隔を介して平行配置される押圧プレート28aを有する。押圧プレート28aは金属板やゴムシートで形成され、例えばろ布ベルト16の幅方向に亘って設けられている(図2参照)。押圧プレート28aは、その自重と上面の支柱28bに配設されたばね部材28cとにより下方に向かって付勢され、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥を押し潰して圧密することができる。
移動機構30は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥を交差方向に移動させつつ、その幅方向寸法を縮小すると同時に汚泥高さを高くすることで圧密し、薬注装置36によって添加された無機凝集剤F2を十分に混練することで、濃縮装置12及び脱水装置13での汚泥のろ過効率を向上させ、汚泥濃度を高めることを可能とする。図1に示すように、移動機構30は、ろ過部18の途中に2台設けられ、それぞれの上流側及び下流側に圧密機構28が配置されている。移動機構30の設置台数は適宜変更可能である。
図1及び図2に示すように、各移動機構30は、ろ布ベルト16の上面16aの上流側全面に向かって開口して汚泥を受け入れ可能なスクリューコンベアである。各移動機構30は、ろ布ベルト16による搬送方向と直交する方向に汚泥を移動させる一対のスクリュー40a,40bと、スクリュー40a,40bの下流側に近接配置され、ろ布ベルト16の幅方向両端側にそれぞれ起立配置された一対の案内板42a,42bとを備える。一対の案内板42a,42b間の隙間(各スクリュー40a,40b間の隙間と略同一)が、当該移動機構30から下流側へと汚泥を排出するための通路(汚泥通路43)となっている。
スクリュー40a,40bは、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向と直交する方向に延びて該ろ布ベルト16を幅方向に渡るスクリュー軸44と、スクリュー軸44の中央付近を除く両側方の外周面にそれぞれらせん状に設けられたスクリュー羽根41a,41bとを有する。
スクリュー軸44は、図示しない軸受によって両端部がろ布ベルト16の幅方向外側位置で軸支され、例えばろ布ベルト16を巻き掛けた所定のローラに対して図示しないチェーンやベルト等の可撓性動力伝達部材によって連係されることで、ろ布ベルト16の走行に伴って回転可能である。スクリュー軸44を独自に回転駆動するモータ等の駆動源を設けてもよい。
各スクリュー羽根41a,41bは、ろ布ベルト16の幅方向両側方に寄った位置でスクリュー軸44の外周面にそれぞれ設けられ、互いの先端同士が案内板42a,42b間の隙間と同程度の隙間を介して対向している。各スクリュー羽根41a,41bのらせんの方向は、ろ布ベルト16の中心線で対照形状(逆向き)となっており、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向はそれぞれ反対方向に設定されている。このため、各スクリュー40a,40bは、互いにろ布ベルト16の幅方向で外側から内側(中央)に向かって汚泥を移動させ、その先端同士が前記隙間を介して離間した中央部では、両外側から移動された汚泥同士が互いに押し合って圧密され、無機凝集剤F2が汚泥中で十分に混練される。
スクリュー軸44の中央部、つまり各スクリュー40a,40b間で露出したスクリュー軸44の外周面には、ろ布ベルト16の幅方向中央側を搬送されてきた汚泥と、一対のスクリュー40a,40bによって中央に圧密された汚泥とを下流側へと円滑に排出するためのパドル45が複数枚設けられている。パドル45は、例えばスクリュー軸44の外周面に周方向に沿って数枚一組で設けられた羽根車である。
案内板42a,42bは、スクリュー40a,40bの下流側であって該スクリュー40a,40bと近接する位置で起立した壁部46と、壁部46の下端をろ布ベルト16による汚泥の搬送方向で上流側へと湾曲させて突出させることでスクリュー40a,40bの下方略半分を覆う底部47とを有する。各案内板42a,42bの中央側の端部には、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向に沿って下流側へと延びた一対の通路板48a,48bがそれぞれ設けられている。各案内板42a,42b間の隙間は、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向で前方側に位置しており、この隙間が下流側へと汚泥を排出するための汚泥通路43を形成している。
壁部46は、スクリュー40a,40bの高さと同程度の高さに設定される板状部材であり、その高さは適宜変更可能である。底部47は、図1に示すように、壁部46の下端から搬送方向で上流側に向かってスクリュー40a,40bの略中心となる位置まで突出形成される板状部材であり、その長さは適宜変更可能である。案内板42a,42bを構成する壁部46や底部47には、微細な孔部を多数形成したスクリーン等を用いてもよい。
各通路板48a,48bは、スクリュー羽根41a,41b間や案内板42a,42b間に形成される隙間と同幅の隙間を挟んで互いに対面するように起立設置されている。通路板48a,48bは、スクリュー40a,40bによってろ布ベルト16の中央付近に圧密された汚泥を、下流側へと円滑に排出するための通路を形成する壁部材であり、壁部46と同程度の高さに設定される。
従って、移動機構30を設けたことにより、汚泥は無機凝集剤F2と十分に混練されると共に、圧密によって高さを増す。また、この移動機構30の前後に圧密機構28を設けることにより、移動機構30に導入される汚泥を均して平板状に構成することができ、移動機構30による圧密効果が高まる。しかも、スクリュー40a,40bによって中央に集められて圧密されて塊状になった汚泥を圧密機構28によって平板状に均すことができるため、後段の予備脱水ローラ25,26での脱水効率が向上する。
図1に示すように、予備脱水ローラ25,26は、濃縮装置12の下方に配置された脱水装置13の前段脱水部(1次脱水部)を構成するものであり、ろ布ベルト16に対してその外周面が圧接配置されている。
ろ過部18でろ過濃縮されると共に、圧密機構28及び移動機構30で無機凝集剤F2が十分に混練された汚泥は、予備脱水ローラ25,26とろ布ベルト16との間で加圧脱水された後、次工程の脱水装置13に投入される。予備脱水ローラ25,26は、圧密機構28及び移動機構30で圧密された汚泥を潰し、ろ布ベルト16の幅方向に拡大させた状態で脱水装置13に送り出すことで、該脱水装置13に投入される汚泥の脱水面積を拡大させ、ここでの脱水効率を向上させる機能も有する。
1.2 脱水装置の説明
次に、脱水装置13について説明する。
図1に示すように、脱水装置13は、濃縮装置12の出口から落下して投入された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で搬送しながら加圧脱水する脱水部50と、脱水部50で脱水された汚泥をさらに加圧し圧搾する圧搾部52とを備える。脱水装置13は、一般的なベルトプレス型脱水機と略同様な構成である。
ろ布ベルト20,22は、例えば通水性を持った長尺帯状のろ布や微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。下側のろ布ベルト20は、十分な張力で複数のローラに巻き掛けられており、図示しない制御装置によって駆動制御されるモータ等の駆動源によって所定のローラが回転駆動されることにより、図1中に示す矢印の方向(図1では時計方向)に走行可能である。上側のろ布ベルト22についても、十分な張力で複数のローラに巻き掛けられており、図示しない制御装置によって駆動制御されるモータ等の駆動源によって所定のローラが回転駆動されることにより、図1中に示す矢印の方向(図1では反時計方向)に走行可能である。
ローラ21a〜21c間での下のろ布ベルト20と上のろ布ベルト22との外周面同士を上下に蛇行させながら当接又は近接配置した部分が脱水部50を構成しており、この間で汚泥は十分に加圧脱水される。
ローラ21b,21c間での下のろ布ベルト20と上のろ布ベルト22との外周面同士を当接又は近接配置した部分が圧搾部52を構成している。圧搾部52を構成する下のろ布ベルト20のローラ21b,21cの内周面は、無端状に周回する圧搾ベルト53によって支持されており、この部分で汚泥がさらに加圧されて圧搾され、所望の水分率の脱水ケーキとなって外部に排出される。
脱水装置13の入口付近には、濃縮装置12の出口からろ布ベルト20上へと落下・投入された汚泥の高さをある程度均一化させ、ろ布ベルト20,22間に形成された脱水部50の入口50aへと円滑に導入するための均し板51が設けられている。均し板51は、濃縮装置12からろ布ベルト20上への汚泥の落下位置のやや下流側上方に配置され、入口50aに向かって次第に下方に傾斜したプレート部材であり、汚泥を下方に押さえつける方向に付勢された板ばね部材で形成してもよい。
脱水装置13の出口には、ローラ21cの外周面を走行するろ布ベルト20に近接するように、後端下がりの傾斜姿勢で搬出トレイ54が設置されている。脱水ケーキは搬出トレイ54の先端によってろ布ベルト20上から掻き取られ、搬出トレイ54を滑って搬送・排出される。
従って、脱水装置13では、濃縮装置12からろ布ベルト20上に投入された汚泥は、入口50aから脱水部50を構成するろ布ベルト20,22間に引き込まれて挟持・加圧された状態で下流側へと搬送される。この間、水分のみが両ろ布ベルト20,22による加圧力によってろ布ベルト20を透過してろ過脱水され、さらに圧搾部52で圧搾された後、脱水ケーキとして搬出トレイ54上に排出される。これら脱水部50及び圧搾部52でろ過された水分は、ろ布ベルト20を透過して落下し、ろ液受皿58によって回収される。
1.3 切断装置の説明
次に、切断装置14について説明する。
図4は、切断装置14を構成する回転カッター60で汚泥を切断している状態を模式的に示した説明図であり、図4(A)は、平面図であり、図4(B)は、側面図である。また、図5は、切断装置14を構成する上下カッター62で汚泥を切断している状態を模式的に示した説明図であり、図5(A)は、平面図であり、図5(B)は、側面図である。
切断装置14は、脱水装置13で脱水され、搬出トレイ54上を搬送される汚泥を切断するための装置である。図1に示すように、切断装置14は、脱水装置13から出た汚泥を切断する円板状の回転カッター60と、回転カッター60の下流側に配置され、回転カッター60で切断された汚泥をさらに切断して細かくする板状の上下カッター62とを備える。
先ず、回転カッター60は、図4(A)及び図4(B)に示すように、搬出トレイ54での汚泥の搬送方向(図4では右方向)に直交する方向に等間隔で複数(本実施形態では、例えば4枚)並んで設けられた円板状の薄板部材である。各回転カッター60は、その中心間を連結した回転軸64により一体的に回転可能となっており、各回転カッター60の外周刃面の最も下になる部分が搬出トレイ54の上面との間に僅かな隙間を持って配設される。回転カッター60の設置枚数は適宜変更可能であり、また各回転カッター60はそれぞれ個別に回転自由に設置されてもよい。また、回転カッター60の回転軸64を図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動してもよい。
従って、搬出トレイ54上をその幅方向に亘った幅広平板状で搬送されている汚泥Sが各回転カッター60と接触すると、各回転カッター60は回転しながら汚泥Sを搬送方向に沿って切断する。その結果、汚泥Sは、搬送方向に直交する方向に複数(本実施形態では、5本)に切断・分割され、長尺な狭幅棒状の汚泥S1となる。
次に、上下カッター62は、図5(A)及び図5(B)に示すように、搬出トレイ54での汚泥の搬送方向(図5では右方向)に直交する方向に延在するように設けられた矩形状の薄板部材である。上下カッター62は、図示しないモータ等の駆動源を有した昇降駆動部66により上下動可能となっており、最も下動した位置ではその下端刃面が搬出トレイ54の上面との間に僅かな隙間を持つ位置となり、最も上動した位置ではその下端刃面が搬送される汚泥(ここでは汚泥S1)よりも上方の位置となるように配設されている。昇降駆動部66による上下カッター62の上下動のタイミングは適宜変更可能である。
従って、搬出トレイ54上を搬送されて回転カッター60によって切断されることで狭幅棒状に切断・分割された汚泥S1は、所定のタイミングで上下動する上下カッター62によってその搬送方向と直交する方向に切断・分割され、サイコロ状の汚泥S2となる。
なお、後述する乾燥装置15の仕様や乾燥装置15での汚泥の目標含水率等にもよるが、切断装置14は回転カッター60及び上下カッター62の一方のみを有した構成であってもよい。また、回転カッター60及び上下カッター62の両方を設置する場合の並び順は、本実施形態とは逆で上下カッター62を上流側としてもよい。但し、回転カッター60よりも先に上下カッター62で汚泥Sを切断した場合には、搬出トレイ54の幅方向に長尺且つ搬送方向に短尺な形状、具体的には図4中の汚泥S1を90度回転させたような形状となるため、切断された汚泥が搬出トレイ54上で転倒し易く、その下流側の回転カッター60での切断・分割が難しくなる。この点、本実施形態の構成では、先に回転カッター60で汚泥Sを搬送方向に沿って長尺な汚泥S1とするため転倒等の問題は生じ難く、次の上下カッター62で円滑に汚泥S1を切断してサイコロ状の汚泥S2を形成することができる。
1.4 乾燥装置の説明
次に、乾燥装置15について説明する。
乾燥装置15は、切断装置14で切断されてサイコロ状に細かくされた汚泥(汚泥S2)を乾燥させ、その含水率をさらに低下させるための装置である。図3に示すように、乾燥装置15は、切断装置14で切断されて搬出トレイ54から排出された汚泥を受け取り、次工程(例えば外部の焼却設備)へと搬送するコンベア23と、コンベア23を覆うダクト状のカバー部材68とを備える。
コンベア23は、複数のローラに巻き掛けられて周回走行するベルトコンベアであり、汚泥S2を搬送しながら乾燥させるための通気構造23aを有する。本実施形態の場合、図6に示すようにコンベア23をメッシュ状のベルト70で構成することで通気構造23aを構築し、搬送する汚泥S2の下面側にも空気が流通するようにし、汚泥S2を十分に乾燥させることが可能となっている。ベルト70のメッシュ形状は、切断装置14で細かく切断された汚泥S2の外形よりも小さく構成されることで、汚泥S2の落下を防止できる。
なお、通気構造23aはメッシュ状のベルト70以外で構成されてもよく、要は搬送する汚泥S2の下面側に空気が流通し、汚泥S2を十分に乾燥させることができる構成であればよい。このため、通気構造23aは、例えば図7に示すようにメッシュ状又はメッシュ状ではないベルト72の外周面に凹凸構造72aを形成した構成であってもよい。このような凹凸構造72aを設けることでも、搬送する汚泥S2の下面側に空気が流通するため、汚泥S2を十分に乾燥させることができる。このベルト72の凹凸構造72aについても、少なくとも凹部が切断装置14で細かく切断された汚泥S2の外形よりも小さく構成されることで、汚泥S2が凹部に嵌まってしまうことを防止できる。
カバー部材68は、コンベア23の略全長を覆うように設けられた金属製等のダクトであり、コンベア23で搬送・乾燥される汚泥を外気や湿度から保護するためのものである。カバー部材68は、下流側に送風口68aが設けられ、上流側に排気口68bが設けられている。これにより、送風口68aからカバー部材68内に空気を送り込んで排気口68bから排気することで、カバー部材68内が換気され、コンベア23で搬送される汚泥を一層迅速に且つ確実に乾燥させることが可能となる。乾燥装置15が乾燥した低湿度の環境に設置されている場合等には、カバー部材68を省略してもよい。
カバー部材68では、図示しない乾燥空気生成手段によって生成された乾燥空気を送風口68aから送り込んでもよい。但し、本実施形態に係るシステム10では前段の濃縮装置12及び脱水装置13で汚泥の含水率が従来のベルトプレス型脱水機等に比べて十分に低減され、さらに切断装置14で細かく切断された状態で乾燥装置15に投入されるため、特別に乾燥空気等を用いなくても汚泥を十分に乾燥させることができる。このため、乾燥空気生成手段は基本的には不要となる。なお、システム10では、このように乾燥装置15に導入される汚泥の含水率が低いため、例えば乾燥空気生成手段を用いる場合であっても、乾燥空気を加熱するヒータは不要であり、クーラによる除湿のみで十分な性能を発揮できる。
2.汚泥脱水システムの動作及び作用効果の説明
次に、以上のように構成される汚泥脱水乾燥システム10の動作及び作用効果について説明する。
先ず、当該システム10で濃縮・脱水する処理対象物である汚泥は、薬注装置38によって所定の高分子凝集剤F1が添加された状態で凝集混和槽24に導入され、攪拌・混合されてフロック化した状態で濃縮装置12の入口に投入される。
濃縮装置12に投入された汚泥は、走行するろ布ベルト16によってろ過部18を搬送され、圧密機構28及び移動機構30による圧密を受けつつ、薬注装置36から所定の無機凝集剤F2が滴下されつつ、重力濃縮される。
すなわち、無機凝集剤F2が搬送方向に連続する帯状に添加された汚泥は、圧密機構28によって押し潰されて水切りされた後、移動機構30に導入されて各スクリュー40a,40bの回転に巻き込まれると、案内板42a,42bによって案内されつつ、中央部に向かって押し込まれながら移動する。そして、各スクリュー40a,40bによる押出力によってろ布ベルト16の中央部で汚泥同士が押し潰され合って圧密される。これにより、汚泥は、その幅方向寸法が縮小して高さ(嵩)が増加した状態で汚泥通路43を通って通路板48a,48b間から下流側へと排出され、この間にも、ろ布ベルト16による重力ろ過が継続されて所望の濃縮濃度まで濃縮される。これにより、濃縮装置12での汚泥の濃縮濃度は、一般的な濃縮装置で通常の重力ろ過のみを受けた場合に比べて大幅に高まる。
2つの移動機構30によって圧密された汚泥は、その下流側の圧密機構28による押し潰し作用と水切り作用をさらに受けつつ、さらに下流側へと搬送されて予備脱水ローラ25,26に順に導入される。その結果、扁平に広げられると共に、さらに濃縮された汚泥は、次に、脱水装置13の入口側に落下・投入される。
脱水装置13に投入された汚泥は、脱水部50において蛇行する上下一対のろ布ベルト20,22間で挟持・加圧されて効率よく脱水されながら搬送され、次に圧搾部52に導入されることで圧搾され、所望の含水率の脱水ケーキとなり、搬出トレイ54へと排出される。例えば、従来のベルトプレス型脱水機での脱水汚泥の含水率が82wt%程度であったのに比べ、当該システム10の濃縮装置12と脱水装置13を経た脱水汚泥の含水率は75wt%以下まで低下することが実験によって得られた。
次に、脱水装置13から搬出トレイ54に投入されて搬送される汚泥は、切断装置14によって切断・分割されて細かくなり、例えばサイコロ状に細かくなった汚泥S2として乾燥装置15のコンベア23に投入される。当該システム10では、切断装置14を回転カッター60と上下カッター62で構成しているため、汚泥を円滑に且つ確実にサイコロ状の細かな外形に分割することができる。
そして、乾燥装置15では、通気構造23aを持ったコンベア23によってサイコロ状に細かくされた汚泥S2を搬送することで、汚泥がさらに乾燥し、所望の含水率まで低下する。例えば、サイコロ状の汚泥S2をコンベア23で自然乾燥させることで、75wt%程度で乾燥装置15に投入された汚泥の含水率が55wt%程度まで低下することが確認された。なお、同条件で切断装置14を用いない構成の場合には、75wt%程度で乾燥装置15に投入された汚泥の含水率は65wt%程度までしか低下しなかった。
この場合、本実施形態に係る汚泥脱水乾燥システム10は、薬剤として高分子凝集剤F1及び鉄系の無機凝集剤F2を添加した汚泥をろ過体であるろ布ベルト16で搬送しながら重力ろ過して濃縮する濃縮装置12と、濃縮装置12で濃縮された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で搬送しながら加圧脱水する脱水装置13と、脱水装置13で脱水された汚泥を切断する切断装置14と、切断装置14で切断された汚泥を通気構造23aを有したコンベア23で搬送しながら乾燥させる乾燥装置15とを備える。
このように、システム10では、濃縮装置12及び脱水装置13によって十分に脱水された汚泥を切断装置14で細かく切断してから乾燥装置15に導入して乾燥させる。従って、切断装置14に導入される汚泥の含水率が十分に低下しているため、汚泥がぱさぱさした性状となり、例えば回転カッター60や上下カッター62で容易に切断することができる。このため、上記特許文献1の構成のように汚泥を多孔板に対して押圧する等の大型の設備が不要であり、簡素且つ低コストで構成可能な切断装置14で脱水汚泥を細かく分割することができると共に、汚泥の含水率が十分に低下していることから切断後の汚泥の形状が保持される。しかも乾燥装置15は、このように含水率が低下した状態で細かく切断された汚泥を乾燥させればよいため、コンベア23で搬送するだけの自然乾燥であっても所望の含水率まで汚泥を乾燥させることができる。この際、汚泥は切断後の形状、つまり多面形状が保持されているため、乾燥装置15で空気に触れる表面積が大きくなり、乾燥効率が向上する。このため、上記特許文献1の構成のように汚泥を乾燥させるためのヒータやクーラ等の設備が不要となり、一層低コストで脱水汚泥を乾燥することができる。
一方、上記特許文献1のような従来技術では、脱水汚泥の含水率が80wt%を超えるようなこともあり、切断後の形状を保持することができず、切断された汚泥がもとの汚泥の塊に戻ってしまうことになり、その結果、乾燥装置で空気に触れる面積が大きくならず、乾燥が促進されない。また、汚泥の脱水を遠心脱水機で行う場合も同様であり、汚泥は基本的に砂粒状であるので切断することができず、互いに密着しているので、空気に触れる面積は小さいものとなり、その結果、乾燥が促進されない。
これに対して、当該システム10では、濃縮装置12及び脱水装置13を用いることで、切断装置14に投入される直前の汚泥の含水率を従来一般的な脱水機よりも大幅に低い値、例えば下水汚泥を75wt%以下程度とすることで、切断装置14での汚泥の円滑な切断と、乾燥装置15での十分な乾燥とが可能となっている。すなわち、当該システム10では、切断装置14に投入される汚泥の含水率を十分に下げることができるため、例えば回転カッター60や上下カッター62を用いた切断装置14で切断しても汚泥の形状が崩れずに残る。その結果、通気構造23aを有したコンベア23を用いた乾燥装置15において、汚泥の風に当たる表面積を大きく確保することができ、高い乾燥効率で汚泥を乾燥させることができる。
なお、上記では、高分子凝集剤F1及び鉄系の無機凝集剤F2の両方を濃縮装置12で汚泥に添加する薬剤として例示したが、例えば当該システム10で脱水乾燥する汚泥の性状や種類によっては必ずしも両者を添加する必要はない。但し、当該システム10を用いた実験では、嫌気性消化汚泥の処理において、高分子凝集剤F1のみを用いる場合よりも鉄系の無機凝集剤F2のみを用いる場合の方が含水率が低下する結果が得られているため、少なくとも鉄系の無機凝集剤F2は用いることが好ましい。
当該システム10では、切断装置14を回転カッター60及び上下カッター62で構成し、汚泥Sをサイコロ状の汚泥S2に形成することができる。このため、このようなサイコロ状の汚泥S2はコンベア23での搬送時に互いに積み重なった状態となっても十分な空隙ができ、その通気性は十分に確保できる。
また、本実施形態に係る汚泥脱水乾燥システム10は、薬剤として高分子凝集剤F1及び鉄系の無機凝集剤F2を添加して脱水された汚泥を切断する切断装置14と、切断装置14で切断された汚泥を通気構造23aを有したコンベア23で搬送しながら乾燥させる乾燥装置15とを備え、切断装置14は、汚泥の搬送方向に直交する方向に等間隔で複数並んで設けられ、搬送される汚泥に接触して回転することで、汚泥を搬送方向に沿って切断する円板状の回転カッター60と、汚泥の搬送方向に直交する方向に延在するように設けられ、搬送される汚泥に対して上下動しながら接触することで、汚泥を搬送方向に直交する方向に沿って切断する板状の上下カッター62とのうち、少なくとも一方のカッターを有する。
すなわち、例えば上記した濃縮装置12及び脱水装置13以外の脱水設備を用いた場合であっても汚泥が十分に脱水されていれば、回転カッター60や上下カッター62で構成された切断装置14を用いることで汚泥を細かく切断し、乾燥装置15で十分に乾燥することができるため、低コストでの汚泥の乾燥処理が可能となる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば上記実施形態では、脱水装置13の後段に切断装置14及び乾燥装置15を続けて設置した構成を例示したが、切断装置14や乾燥装置15は脱水装置13から離れた位置に別途設置されてもよい。
10 汚泥脱水乾燥システム
12 濃縮装置
13 脱水装置
14 切断装置
15 乾燥装置
16,20,22 ろ布ベルト
18 ろ過部
23 コンベア
23a 通気構造
24 凝集混和槽
25,26 予備脱水ローラ
28 圧密機構
30 移動機構
36,38 薬注装置
40a,40b スクリュー
42a,42b 案内板
50 脱水部
52 圧搾部
54 搬出トレイ
60 回転カッター
62 上下カッター
68 カバー部材
70,72 ベルト
72a 凹凸構造
F1 高分子凝集剤
F2 無機凝集剤
S,S1,S2 汚泥

Claims (7)

  1. 薬剤を添加した汚泥をろ過体で搬送しながら重力ろ過して濃縮する濃縮装置と、
    前記濃縮装置で濃縮された汚泥を一対のベルト間で搬送しながら加圧脱水する脱水装置と、
    前記脱水装置で脱水された汚泥を切断する切断装置と、
    前記切断装置で切断された汚泥を通気構造を有したコンベアで搬送しながら乾燥させる乾燥装置と、
    を備えることを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  2. 請求項1記載の汚泥脱水乾燥システムにおいて、
    前記濃縮装置は、前記ろ過体によって搬送される汚泥に対して鉄系の無機凝集剤を添加する薬注装置を有することを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  3. 請求項1又は2記載の汚泥脱水乾燥システムにおいて、
    前記濃縮装置は、前記ろ過体で搬送される汚泥を該ろ過体による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構と、
    前記移動機構の下流側に設けられ、前記ろ過体の上面で搬送される汚泥を該ろ過体との間で加圧する加圧ローラとを有することを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥脱水乾燥システムにおいて、
    前記切断装置は、汚泥の搬送方向に直交する方向に等間隔で複数並んで設けられ、搬送される汚泥に接触して回転することで、汚泥を搬送方向に沿って切断する円板状の回転カッターと、
    汚泥の搬送方向に直交する方向に延在するように設けられ、搬送される汚泥に対して上下動しながら接触することで、汚泥を搬送方向に直交する方向に沿って切断する板状の上下カッターとのうち、少なくとも一方のカッターを有することを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥脱水乾燥システムにおいて、
    前記乾燥装置は、前記コンベアを覆うカバー部材を有することを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  6. 薬剤が添加されて脱水された汚泥を切断する切断装置と、
    前記切断装置で切断された汚泥を通気構造を有したコンベアで搬送しながら乾燥させる乾燥装置とを備え、
    前記切断装置は、汚泥の搬送方向に直交する方向に等間隔で複数並んで設けられ、搬送される汚泥に接触して回転することで、汚泥を搬送方向に沿って切断する円板状の回転カッターと、
    汚泥の搬送方向に直交する方向に延在するように設けられ、搬送される汚泥に対して上下動しながら接触することで、汚泥を搬送方向に直交する方向に沿って切断する板状の上下カッターとのうち、少なくとも一方のカッターを有することを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
  7. 請求項4又は6記載の汚泥脱水乾燥システムにおいて、
    前記切断装置は、前記回転カッター及び前記上下カッターを有し、前記回転カッターの下流側に前記上下カッターを配置していることを特徴とする汚泥脱水乾燥システム。
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