JP2016209388A - レーザ投光器および放射線治療システム - Google Patents

レーザ投光器および放射線治療システム Download PDF

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Abstract

【課題】基準光の光源の位置ずれの補正を容易に支援することができるレーザ投光器および放射線治療システムを提供する。
【解決手段】放射線治療装置の照射中心を挟んで他のレーザ投光器と互いに対向して配置され、照射中心を標示するための可視光の基準光を照射するレーザ投光器21Lであって、他のレーザ投光器と自機との距離に応じた信号を出力する距離センサ27Lと、距離センサの出力信号に応じて他のレーザ投光器の距離計測対象位置と自機との距離を測定する距離測定部43Lと、目標信号と現在の受光信号との差に応じて、基準光が照射中心を通過するように、かつ距離センサが距離計測対象位置を見込んで距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、基準光源の照射角度および距離センサの見込み角度を補正する角度補正部42Lと、距離測定部により測定された距離を表示する表示部28Lと、を備えたものである。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、レーザ投光器および放射線治療システムに関する。
放射線治療では、治療計画時の被検体撮像によって医用画像データを生成し、その医用画像にもとづいて放射線をあてる標的の大きさや範囲を含む治療計画が決定される。治療計画が決定されると、放射線照射位置を毎回確認しなくても済むように、被検体の体表面に、放射線照射位置を示すためのマークがインクペン等により付けられる。
放射線治療室内には、放射線治療装置と、複数のレーザ投光器が設けられる。レーザ投光器は、たとえば放射線治療室の天井および左右それぞれの壁面の計3箇所に設けられる。これらのレーザ投光器のそれぞれは、放射線治療装置の照射中心(アイソセンタ)を通る可視光ビームを投光し、照射中心を標示する。被検体は、これらのレーザ投光器から投光された可視光ビームが被検体の体表面に付されたマークに一致するように位置決めされる。この結果、治療計画で決定された放射線照射位置と、放射線治療装置の照射中心とを一致させることができる。
一方、設備の経年変化や雰囲気条件の変化等により、レーザ投光器の投光する可視光ビームが照射中心を外れてしまうことがあることが知られている。このため、放射線照射前に保守作業等により、レーザ投光器の投光する可視光ビームが放射線治療装置の照射中心を通っていることを確認しておくことが重要である。この保守作業は、高精度な調整が求められるため、多大な時間と労力を要する。
そこで、この種の保守作業を支援するための技術として、可視光ビームの照射角度を自動的に補正するための技術が開発されている。この技術によれば、保守作業者の負担を低減することができるとともに、保守作業者の熟練度による角度補正に係る調整のばらつきを防ぐことができる。
特開2009−131383号公報
レーザ投光器の投光する可視光ビームが放射線治療装置の照射中心を通らなくなる原因は、照射角度の変化に限られない。この原因としては他にも、たとえば、光源位置が動いてしまう、あるいはレーザ投光器本体が動いてしまうことなどにより、可視光ビームの出射位置がずれてしまうことが挙げられる。しかし、可視光ビームの出射位置がずれてしまった場合には、照射角度を自動的に補正する技術だけでは、レーザ投光器の投光する可視光ビームが放射線治療装置の照射中心を通るようにすることが難しく、誤った位置を照射中心としてしまう場合が生じてしまう。また、照射角度を自動的に補正しただけでは誤った位置を照射中心としてしまっていることに、保守作業者が気づいた場合には、結局手動による高精度な調整が求められるため、さらに時間と労力を要してしまう。
本発明の一実施形態に係るレーザ投光器は、上述した課題を解決するために、放射線治療装置の照射中心を挟んで他のレーザ投光器と互いに対向して配置され、前記照射中心を標示するための可視光の基準光を照射するレーザ投光器であって、前記照射中心を狙って前記基準光を照射する基準光源と、前記他のレーザ投光器の距離計測対象位置と自機との距離に応じた信号を出力する距離センサと、前記距離センサの出力信号に応じて前記他のレーザ投光器の距離計測対象位置と自機との距離を測定する距離測定部と、前記照射中心を通過した前記基準光を受光した前記他のレーザ投光器によりあらかじめ生成された受光信号である目標信号と、前記他のレーザ投光器により生成された前記基準光の現在の受光信号と、の差に応じて、前記基準光が前記照射中心を通過するように、かつ前記距離センサが前記距離計測対象位置を見込んで前記距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、前記基準光源の照射角度および前記距離センサの見込み角度を補正する角度補正部と、前記距離測定部により測定された前記距離を表示する表示部と、を備えたものである。
本発明の一実施形態に係る放射線治療システムの一例を示す外観図。 左右のレーザ投光器から照射される基準光について説明するための図。 レーザ投光器の内部構成例を示すブロック図。 レーザ投光器の詳細な外観例を示す図。 対向配置された2つのレーザ投光器が、それぞれ理想的な設置位置に位置し、かつ理想的な照射角度で基準光を照射する様子の一例を示す説明図。 図5に示す理想的な位置関係から1つのレーザ投光器の位置がずれた場合において、基準光の従来の照射角度補正技術を適用したときの様子の一例を示す説明図。 図5に示す理想的な位置関係から1つのレーザ投光器の位置がずれた場合において、本実施形態に係る角度補正処理および位置補正処理を適用したときの様子の一例を示す説明図。 図3に示す処理回路により、基準光源の照射角度および距離センサの見込み角度を補正する際の手順の一例を示すフローチャート。 図3に示す処理回路により、他のレーザ投光器の距離計測対象位置とレーザ投光器(自機)との現在の距離を表示する際の手順の一例を示すフローチャート。 図3に示す処理回路により、他のレーザ投光器に対するレーザ投光器(自機)の位置を自動的に補正する際の手順の一例を示すフローチャート。
本発明に係るレーザ投光器および放射線治療システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放射線治療システム10の一例を示す外観図である。
放射線治療システム10は、放射線治療装置11、寝台12、寝台12に設けられた天板13、およびレーザ投光器21L、21R、21Tを有する。
放射線治療装置11は、ライナック(Linear Accelerator)などによって構成される。照射中心(アイソセンタ)Cに対して放射線を照射する。
寝台12は、床面に載置され、被検体を載置する天板13を有する。天板13は、被検体を載置可能に構成される。天板13は、図示しない天板駆動装置により、鉛直方向(以下、Y軸方向という)に昇降動させる。また、天板13は、天板駆動装置により、天板13の長手方向(以下、Z軸方向という)に沿って被検体を移送する。また、天板13は、天板駆動装置により、天板13の横手方向(以下、X軸方向という)に沿って被検体を移送する。また、天板13は、天板駆動装置により、照射中心(アイソセンタ)Cを含むY軸を中心に回転することができる。
レーザ投光器21Lは、照射中心Cからみて図1中の左側に位置する投光器であり、たとえば放射線治療室の図1中の左側壁面に設けられる。他のレーザ投光器としてのレーザ投光器21Rは、照射中心Cからみて図1中の右側に位置する投光器であり、たとえば放射線治療室の図1中の右側壁面に設けられる。レーザ投光器21Tは、照射中心Cからみて図1中の上側に位置する投光器であり、たとえば放射線治療室の図1中の天井面に設けられる。
レーザ投光器21L、21R、21Tは、それぞれ照射中心Cを標示するための可視光の基準光(レーザビーム)BL、BR、BTを照射する。基準光BL、BR、BTは、十字ライン光であることが好ましいが、スポット光やライン光であってもよい。なお、図1にはレーザ投光器が左右および上部の3箇所に設けられる場合の例について示したが、左右の一方と上部の2箇所、左右の2箇所のみ、あるいは4箇所以上に設けられてもよい。
図2は、左右のレーザ投光器21L、21Rから照射される基準光について説明するための図である。図2には、レーザ投光器21L、21Rがそれぞれ十字ライン光を照射する場合の例について示した。
左右のレーザ投光器21L、21Rは、照射中心Cを挟んで互いに対向して配置され、照射中心Cを標示するための基準光BLおよびBRを照射する。
レーザ投光器21L、21Rがそれぞれ十字ライン光を照射する場合は、図2に示すように、基準光BLは、鉛直ライン光BLvおよび水平ライン光BLhを有する。また、基準光BRは、鉛直ライン光BRvおよび水平ライン光BRhを有する。鉛直ライン光と水平ライン光は、それぞれ別個の光源から照射されてもよい。
基準光BL、BR、BTは、十字ライン光であることが好ましいが、スポット光やライン光であってもよい。
図3は、レーザ投光器21Lの内部構成例を示すブロック図である。また、図4は、レーザ投光器21Lの詳細な外観例を示す図である。以下、図3および図4を参照してレーザ投光器21Lの構成を説明する。なお、他のレーザ投光器としてのレーザ投光器21Rは、図3および図4に示すレーザ投光器21Lとほぼ同様の構成を有するため、説明を省略する。以下、レーザ投光器21Rの各構成要素のうち、レーザ投光器21Lの各構成要素に対応するものは、レーザ投光器21Lの各構成要素の符号に付したLをRに置き換えた符号を付して説明する。
図4に示すように、レーザ投光器21Lは筐体22Lを有し、左側の壁面に設けられる。また、レーザ投光器21Lは、基準光源23L、基準光受光器24L、測距光源25L、反射ミラー26L、測距光受光器27L、ディスプレイ28Lを有する。また図3に示すように、支持枠29L、入力回路31L、記憶回路32L、通信回路33L、角度駆動機構34L、位置駆動機構35Lおよび処理回路36Lを有する。
レーザ投光器21Lの基準光源23L(図3参照)は、照射中心Cを狙って基準光BLを照射する。この基準光BLは、レーザ投光器21Rの基準光受光器24Rにより受光されて受信信号が生成される。図4には、基準光源23Lが鉛直ライン光BLvの照射用光源23Lvおよび水平ライン光BLhの照射用光源23Lhにより構成される場合の例を示した。
レーザ投光器21Lの基準光受光器24L(図3参照)は、レーザ投光器21Rが照射した基準光BRを受光して受信信号を生成する。図4には、基準光受光器24Lが鉛直ライン光BRvの受光器24Lvおよび水平ライン光BRhの受光器24Lhにより構成される場合の例を示した。また、基準光BRが照射中心Cを通過したか否かをユーザ(保守作業者など)が容易に視認するために、レーザ投光器21Lの設置面近傍には、鉛直ライン光BRvのガイドGLvおよび水平ライン光BRhのガイドGLhが設けられるとよい(図4参照)。
測距光源25Lは、レーザ投光器21Lが備える距離センサの一部を構成する。レーザ投光器21Lが備える距離センサは、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との距離に応じた信号を出力することができればよく、たとえば三角測量法を利用する構成でもよいし、超音波を利用する構成でもよいし、レーザ光線を利用する構成でもよい。本実施形態では、距離センサがレーザ光線を利用する光波測距儀を構成する場合の例について説明する。この場合、図3および図4に示すように、距離センサは、測距用のレーザ光DLを出射する測距光源25Lおよび測距用のレーザ光DLの反射光DLrを受光する測距光受光器27Lを有する。
測距光源25Lは、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置に設けられた反射ミラー26Rを見込んで、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置に対して測距用のレーザ光DLを照射する。
反射ミラー26Lは、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置に設けられ、レーザ投光器21Rの測距光源25Rから照射された測距用のレーザ光DRを反射する。
測距光受光器27Lは、測距用のレーザ光DLの、距離計測対象位置における反射光DLrを受光して出力信号を生成し、処理回路36Lに与える。処理回路36Lは、この出力信号にもとづいて、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との距離を測定する。
ディスプレイ28Lは、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、処理回路36Lの制御に従って、処理回路36Lにより測定された現在の距離などを表示する。また、ディスプレイ28Lは、あらかじめ記憶回路32Lに記憶された設定距離、処理回路36Lにより実際に測定された現在の距離と設定距離との差、の少なくとも一方をさらに表示してもよい。
支持枠29Lは、基準光源23Lと、距離センサの測距光源25Lおよび測距光受光器27Lと、を一体として支持する。支持枠29Lは、処理回路36Lにより、角度駆動機構34Lを介して設置面(壁面)に対する角度を補正される。なお、レーザ投光器21Lは、支持枠29Lを備えずともよい。この場合、基準光源23Lと、距離センサ(測距光源25Lおよび測距光受光器27Lの組)と、には、それぞれ独立に動作する角度駆動機構が設けられ、処理回路36Lによりそれぞれ独立に設置面(壁面)に対する角度を補正されるとよい。
入力回路31Lは、たとえばトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、テンキー、リモートコントローラの受信回路などの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を処理回路36Lに出力する。
ディスプレイ28Lおよび入力回路31Lは、一体として操作パネルを構成してもよい。この場合、操作パネルは、ユーザが押したときにそれぞれ固有の指示信号を処理回路36Lに与えるボタンなどの入力回路31Lの一部としてのハードキーと、表示入力装置とを有する。この場合、表示入力装置は、ディスプレイ28Lと、ディスプレイ28Lの近傍に設けられた入力回路31Lの一部としてのタッチパネルとを有する。ディスプレイ28Lは、処理回路36Lに制御されて、レーザ投光器21Lを操作するための情報およびレーザ投光器21Lを操作するための複数のソフトキーを表示する。タッチパネルは、ユーザによるタッチパネル上の指示位置の情報を処理回路36Lに与える。
記憶回路32Lは、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は赤外線通信や電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされるように構成してもよい。
記憶回路32Lは、照射中心Cを通過した基準光BLを受光したレーザ投光器21Rの基準光受光器24Lによりあらかじめ生成された受光信号である目標信号を記憶しておく。ここで、照射中心Cを「通過」した基準光BLとは、レーザ投光器21Lの理想的な設置位置から理想的な照射角度で照射された基準光BLをいう。また、記憶回路32Lは、レーザ投光器21Lおよび21Rがともに理想的な設置位置にあるときにあらかじめ距離センサの出力信号にもとづいて処理回路36Lにより計測された、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との距離である設定距離(目標距離)を、あらかじめ記憶しておく。なお、目標信号および目標距離は、入力回路31Lを介してユーザにより入力されて記憶回路32Lに記憶されてもよい。
通信回路33Lは、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。通信回路33Lは、この各種プロトコルに従ってレーザ投光器21Lと他のレーザ投光器21Rやその他の機器とを接続する。この接続には、赤外線通信による接続や電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
角度駆動機構34Lは、筐体22Lと支持枠29Lとを介するように取り付けられ、アクチュエータを用いて構成される。角度駆動機構34Lに用いられるアクチュエータは、ステッピングモータやサーボモータ、あるいはピエゾモータなどの駆動装置により構成される。角度駆動機構34Lは、処理回路36Lにより制御されて、筐体22Lに対する支持枠29Lの角度を変更することにより、基準光源23Lと距離センサ(測距光源25Lおよび測距光受光器27L)の設置面に対する角度を変更する。
位置駆動機構35Lは、設置面と筐体22Lとを介するように取り付けられ、アクチュエータを用いて構成される。位置駆動機構35Lに用いられるアクチュエータは、ステッピングモータやサーボモータ、あるいはピエゾモータなどの駆動装置により構成される。位置駆動機構35Lは、処理回路36Lにより制御されて、設置面内における筐体22Lの位置を変更することにより、レーザ投光器21Rに対する自機の位置を変更する。
処理回路36Lは、記憶回路32Lに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、可視光ビームの出射位置の位置ずれの補正を容易に支援する処理を実行するプロセッサである。
処理回路36Lは、図3に示すように、少なくとも受光信号送信機能41L、角度補正機能42L、距離測定機能43L、および位置補正機能44Lを実現する。これらの各機能41L−44Lは、それぞれプログラムの形態で記憶回路32Lに記憶されている。
受光信号送信機能41Lは、レーザ投光器21Rが照射した可視光の基準光BRの受光信号を基準光受光器24Lから受け、この受光信号にもとづく信号をレーザ投光器21Rに送信する機能である。
角度補正機能42Lは、レーザ投光器21Rから、通信回路33Lを介して、基準光BLの現在の受光信号にもとづく信号を受信する機能を有する。また、角度補正機能42Lは、照射中心Cを通過した基準光BLを受光したレーザ投光器21Rによりあらかじめ生成された受光信号である目標信号と、現在の受光信号との差に応じて、基準光BLの照射角度を補正して基準光BLが照射中心Cを通過するように、角度駆動機構34Lを介して支持枠29Lの設置面(壁面)に対する角度を補正する機能を有する。この結果、距離センサは、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置を見込むことになる。角度補正機能42Lは、目標信号と現在の受光信号との差が所定の基準範囲外であるとき、この差が所定の基準範囲内に収まるように角度補正を行うとよい。
なお、対向配置されたレーザ投光器21Rからレーザ投光器21Lに送信される「基準光BLの受光信号にもとづく信号」は、受光信号そのものの情報を示す信号であってもよいし、受光信号と目標信号との差の情報を示す信号であってもよいし、目標信号との差に応じた角度補正を指示する信号であってもよい。受光信号そのものの情報である場合、記憶回路32Lには、あらかじめ照射中心Cを通過した基準光BLを受光したレーザ投光器21Rの基準光受光器24Rによりあらかじめ生成された受光信号である目標信号を記憶させておく。
距離測定機能43Lは、距離センサの測距光受光器27Lの出力信号に応じて、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との距離を測定する機能である。
位置補正機能44Lは、位置駆動機構35Lを介して設置面内における筐体22Lの位置を自動的に変更することにより、距離測定機能43Lにより測定される距離があらかじめ記憶回路32Lに記憶された設定距離となるよう、レーザ投光器21Rに対するレーザ投光器21L(自機)の位置を補正する。位置補正機能44Lは、設定距離と現在の距離との差が所定の基準範囲外であるとき、この差が所定の基準範囲内に収まるように位置補正を行うとよい。
なお、レーザ投光器21Lおよび21Rの一方の距離センサ、反射ミラーおよび距離測定機能43はなくてもよい。この場合、通信回路33Lを介して他方の距離測定結果を取得して利用すればよい。また、ディスプレイ28L、入力回路31Lおよび処理回路36Lの一部または全部は、レーザ投光器21Lの筐体22Lに設けられずともよく、たとえば外部の一般的なパーソナルコンピュータの入力回路および処理回路を用いてもよい。
ここで、本実施形態に係る位置補正について、図5−7を用いてより詳細に説明する。
図5は、レーザ投光器21Lおよび21Rが、それぞれ理想的な設置位置に位置し、かつ理想的な照射角度で基準光BLおよびBRを照射する様子の一例を示す説明図である。図5は、検査室の天井から照射中心Cを見下ろした図である。
図5に示すように、レーザ投光器21Lおよび21Rが、それぞれ理想的な設置位置に位置し、かつ理想的な照射角度で基準光BLおよびBRを照射する場合、基準光BLおよびBRは、それぞれ正確に照射中心Cを通過する。記憶回路32Lにあらかじめ記憶される目標信号は、この図5に示す理想的な位置関係において、レーザ投光器21Rの受光信号送信機能41Rから送信される。また、記憶回路32Lにあらかじめ記憶される設定距離d0は、この図5に示す理想的な位置関係において、距離測定機能43Lにより計測された、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との距離である。
図6は、図5に示す理想的な位置関係からレーザ投光器21Lの位置がずれた場合において、基準光BLの従来の照射角度補正技術を適用したときの様子の一例を示す説明図である。
図6に示すように、図5に示す理想的な位置関係からレーザ投光器21Lの位置がずれてしまい、基準光源23Lの位置がずれてしまった場合を考える。この場合、基準光BLの従来の照射角度補正技術を適用すると、基準光源23Lの照射角度はレーザ投光器21Rに向くように補正される。この結果、照射中心と擬制される位置Cwは、実際の照射中心Cからずれてしまう。
図7は、図5に示す理想的な位置関係からレーザ投光器21Lの位置がずれた場合において、本実施形態に係る角度補正処理および位置補正処理を適用したときの様子の一例を示す説明図である。
本実施形態に係るレーザ投光器21Lは、まず、角度補正機能42Lにより、基準光源23Lの照射角度および距離センサの見込み角度は、レーザ投光器21Rに向くように補正される。この角度補正の後、図7の上図に示すように、距離測定機能43Lにより、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との現在の距離d1が測定され、ディスプレイ28Lに表示される。
また、図7の下図に示すように、本実施形態に係るレーザ投光器21Lの位置補正機能44Lは、位置駆動機構35Lを介して設置面内における筐体22Lの位置を自動的に変更することにより、距離測定機能43Lにより測定される距離があらかじめ記憶回路32Lに記憶された設定距離d0となるよう、レーザ投光器21Rに対するレーザ投光器21L(自機)の位置を補正することができる。位置補正機能44Lを利用するか否かは、入力回路31Lを介してユーザにより設定可能とされる。
次に、本実施形態に係るレーザ投光器21Lおよびレーザ投光器21Lを含む放射線治療システム10の動作の一例について説明する。
図8は、図3に示す処理回路36Lにより、基準光源23Lの照射角度および距離センサの見込み角度を補正する際の手順の一例を示すフローチャートである。図8において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まず、ステップS1において、処理回路36Lは、角度補正機能42Lにより、レーザ投光器21Rから通信回路33Lを介して、基準光BLの現在の受光信号にもとづく信号を受信する。
次に、ステップS2において、処理回路36Lは、角度補正機能42Lにより、目標信号と現在の受光信号との差が所定の基準範囲内か否かを判定する。目標信号と現在の受光信号との差が所定の基準範囲内であれば、一連の処理は終了となる。一方、目標信号と現在の受光信号との差が所定の基準範囲外であれば、ステップS3に進む。
次に、ステップS3において、処理回路36Lは、角度補正機能42Lにより、角度駆動機構34Lを介して支持枠29Lの設置面(壁面)に対する角度を補正することにより、基準光BLが照射中心Cを通過するように、かつ距離センサが距離計測対象位置を見込んで距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、基準光源23Lの照射角度および距離センサの見込み角度を補正し、ステップS1に戻る。
以上の手順により、基準光BLが照射中心Cを通過するように、かつ距離センサが距離計測対象位置を見込んで距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、基準光源23Lの照射角度および距離センサの見込み角度を補正することができる。
図9は、図3に示す処理回路36Lにより、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との現在の距離d1を表示する際の手順の一例を示すフローチャートである。
この手順は、図8の手順により距離センサが距離計測対象位置を見込むように距離センサの見込み角度が補正されて、スタートとなる。
まず、ステップS11において、測距光源25Lは、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置に設けられた反射ミラー26Rを見込んで、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置に対して測距用のレーザ光DLを照射する。この結果、測距光受光器27Lは、測距用のレーザ光DLの、距離計測対象位置における反射光DLrを受光して出力信号を生成し、距離測定機能43Lに与える。
次に、ステップS12において、処理回路36Lは、距離測定機能43Lにより、測距光受光器27Lの出力信号にもとづいて、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との現在の距離d1を測定する。
次に、ステップS13において、処理回路36Lは、距離測定機能43Lにより、測定した現在の距離d1をディスプレイ28Lに表示させる。
以上の手順により、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との現在の距離d1をディスプレイ28L表示することができる。
ディスプレイ28Lに表示された現在の距離d1をみたユーザは、設定距離d0との差異に容易に気づくことができる。このため、ユーザは、ディスプレイ28Lに表示される現在の距離d1の変化を確認しながら、設定距離d0に近づくよう、手動で位置駆動機構35Lを制御し、レーザ投光器21Lの位置を補正することができる。
また、入力回路31Lを介してユーザにより、位置補正機能44Lを利用するよう設定可能とされている場合は、距離測定後に、自動的に位置補正がスタートする。
図10は、図3に示す処理回路36Lにより、レーザ投光器21Rに対するレーザ投光器21L(自機)の位置を自動的に補正する際の手順の一例を示すフローチャートである。図9と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、自動的に位置補正が開始される場合は、ステップS13は省略されてもよい。
ステップS12で現在の距離d1が測定されると、ステップS21において、処理回路36Lは、位置補正機能44Lにより、あらかじめ記憶回路32Lに記憶された設定距離d0と現在の距離d1との差が所定の基準範囲内か否かを判定する。設定距離d0と現在の距離d1との差が所定の基準範囲内であれば、一連の処理は終了となる。一方、設定距離d0と現在の距離d1との差が所定の基準範囲外であれば、ステップS22に進む。
次に、ステップS22において、処理回路36Lは、位置補正機能44Lにより、位置駆動機構35Lを介して設置面内における筐体22Lの位置を自動的に変更することにより、距離測定機能43Lにより測定される距離d1が設定距離d0となるよう、レーザ投光器21Rに対するレーザ投光器21L(自機)の位置を補正し、ステップS11に戻る。
以上の手順により、距離測定後に、レーザ投光器21Rに対するレーザ投光器21L(自機)の位置を自動的に補正することができる。
この位置補正の結果、レーザ投光器21は、理想的な設置位置に戻ることができる。この位置補正機能44Lを利用する場合、自動的に、レーザ投光器21Lに照射中心Cを正しく照射させることができる。
なお、図10のS21以降の手順は、ユーザによる入力回路31Lを介した指示にもとづいて手動で開始されてもよい。
本実施形態に係るレーザ投光器21Lおよびレーザ投光器21Lを含む放射線治療システム10は、基準光源23Lの照射角度および距離センサの見込み角度を補正することができるとともに、レーザ投光器21Rの距離計測対象位置とレーザ投光器21L(自機)との現在の距離d1を表示することができる。このため、本実施形態に係るレーザ投光器21Lおよびレーザ投光器21Lを含む放射線治療システム10によれば、保守作業者の日々の保守作業を支援することができるとともに、基準光の光源の位置ずれの補正を容易に支援することができる。また、一方のレーザ投光器21Rが正確な位置にあれば、レーザ投光器21Lは自機の位置を、設定距離にもとづいて正確に自動的に補正することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
また、本実施形態における処理回路36Lの受光信号送信機能41L、角度補正機能42L、距離測定機能43L、および位置補正機能44Lは、特許請求の範囲における受光信号送信部、角度補正部、距離測定部および位置補正部にそれぞれ対応する。
また、本実施形態における「プロセッサ」という文言は、たとえば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路32Lに保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
なお、記憶回路32Lにプログラムを保存するかわりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで各種機能を実現する。また、図3には単一の処理回路36Lが各機能41L−44Lを実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路36Lを構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能41L−44Lを実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶媒体は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、図3の記憶回路32Lが全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
10 放射線治療システム
11 放射線治療装置
21L、21R、21T レーザ投光器
23L 基準光源
24L 基準光受光器
25L 測距光源
27L 測距光受光器
29L 支持枠
34L 角度駆動機構
35L 位置駆動機構
BL 基準光
BR 基準光
C 照射中心
DL レーザ光
DLr 反射光

Claims (7)

  1. 放射線治療装置の照射中心を挟んで他のレーザ投光器と互いに対向して配置され、前記照射中心を標示するための可視光の基準光を照射するレーザ投光器であって、
    前記照射中心を狙って前記基準光を照射する基準光源と、
    前記他のレーザ投光器の距離計測対象位置と自機との距離に応じた信号を出力する距離センサと、
    前記距離センサの出力信号に応じて前記他のレーザ投光器の距離計測対象位置と自機との距離を測定する距離測定部と、
    前記照射中心を通過した前記基準光を受光した前記他のレーザ投光器によりあらかじめ生成された受光信号である目標信号と、前記他のレーザ投光器により生成された前記基準光の現在の受光信号と、の差に応じて、前記基準光が前記照射中心を通過するように、かつ前記距離センサが前記距離計測対象位置を見込んで前記距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、前記基準光源の照射角度および前記距離センサの見込み角度を補正する角度補正部と、
    前記距離測定部により測定された前記距離を表示する表示部と、
    を備えたレーザ投光器。
  2. 自機の設置面内における自機の位置を変更するための位置駆動機構と、
    前記位置駆動機構を制御することにより、前記距離測定部により測定される前記距離があらかじめ設定された設定距離となるよう、前記他のレーザ投光器に対する自機の位置を補正する位置補正部と、
    をさらに備えた請求項1記載のレーザ投光器。
  3. 前記基準光源と、前記距離センサと、を一体として支持する支持枠と、
    自機の設置面に対する前記支持枠の角度を変更するための角度駆動機構と、
    を更に備え、
    前記角度補正部は、
    前記基準光が前記照射中心を通過するように、かつ前記距離センサが前記距離計測対象位置を見込んで前記距離計測対象位置までの距離に応じた信号を出力するように、前記目標信号と前記現在の受光信号との差に応じて、前記角度駆動機構を介して前記支持枠の角度を変更することにより、前記基準光源の照射角度および前記距離センサの見込み角度を補正する、
    請求項1または2に記載のレーザ投光器。
  4. 前記距離センサは、
    前記他のレーザ投光器の前記距離計測対象位置を見込んで、前記距離計測対象位置に対して測距用のレーザ光を照射する測距光源と、
    前記距離計測対象位置からの反射光を受光する測距光受光器と、
    を有して光波測距儀を構成し、
    前記距離測定部は、
    前記測距光受光器の出力信号に応じて前記他のレーザ投光器の計測対象位置と自機との距離を測定する、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザ投光器。
  5. 前記他のレーザ投光器にとっての自機の距離計測対象位置に設けられ、前記他のレーザ投光器の測距光源から照射された測距用のレーザ光を反射する反射ミラー、
    をさらに備えた請求項4記載のレーザ投光器。
  6. 前記他のレーザ投光器が照射した可視光の基準光を受光して受光信号を生成する基準光受光器と、
    前記他のレーザ投光器が照射した可視光の基準光の受光信号にもとづく信号を前記他のレーザ投光器に送信する受光信号送信部と、
    をさらに備えた請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレーザ投光器。
  7. 前記放射線治療装置と、
    前記他のレーザ投光器と、
    前記放射線治療装置の放射線の前記照射中心を挟んで前記他のレーザ投光器と互いに対向して配置された、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレーザ投光器と、
    を備えた放射線治療システム。
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