JP2011058932A - レーザ視準校正システム - Google Patents

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竜也 大川
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智章 麻生
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Abstract

【課題】 視準校正のための誤差を高精度、容易かつ短時間に確認できるレーザ視準校正システムを提供すること。
【解決手段】 レーザ視準校正システム1は、視準校正のための誤差69を算出及び表示する。レーザ視準校正システム1は、レーザユニット10が配設され、レーザ光線の照準を設定するためのレチクル20aを有する照準ユニット20と、レチクル20aに対応するレチクル30aを有し、レチクル20aがレチクル30aと同軸上に配設され、レチクル20aとレチクル30aとによって照準が設定された状態でレーザ光線を受光する受光ユニット30と、照準が設定された状態で、受光ユニット30が受光したレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を基に、レーザ光軸の視準校正のための誤差69を算出し、算出された誤差を表示する算出表示ユニット50とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光線を用いてワイヤレスでデータを伝送するレーザ光線送出用ユニットにおけるレーザ光軸を視準校正する際において、視準校正のための誤差を算出及び表示するレーザ視準校正システムに関する。
一般的に、レーザユニットは、レーザ光線を用いてワイヤレスでデータを受光器に伝送する。この受光器は、レーザユニットから遠方に離れて配設されている。
また一般に、レーザユニットには、照準ユニットが配設されている。この照準ユニットは、レーザユニットがデータを受光器に伝送する前に、レーザユニットのレーザ光線の照準を受光器に設定する機器である。つまり照準ユニットは、レーザユニットがデータを受光器に伝送する前に、準備として用いられる機器である。
この照準ユニットは、望遠光学レンズである照準眼鏡を有している。照準眼鏡には、十字の指標(以下、レチクル)が配設されている。
上述したようにレーザユニットによってワイヤレスでデータを受光器に伝送する前の準備として、作業員は、照準眼鏡を覗き込み、レチクルによって受光器に照準を設定する(狙いを定める)。
しかしながら、照準ユニットの照準である照準眼鏡の照準軸と、レーザユニットのレーザ光軸との間にて、誤差がどの程度生じしているかを事前に把握することは難しい。そのため照準ユニット(レチクル)によって受光器に照準が設定されても、上述したように誤差が生じていると、レーザユニットのレーザ光線を受光器に命中させることは難しい。
そのためこのような誤差を解消するために、レーザユニットが受光器にデータを伝送する前に、照準眼鏡の照準軸とレーザユニットのレーザ光軸とをレーザ照射到達地点である受光器にて交差(一般的に一点ボアサイト方式と呼ぶ)するように調整する、または照準眼鏡の照準軸に対してレーザユニットのレーザ光軸を非常に高精度に平行となるように(一般的に平行ボアサイト方式と呼ぶ)調整する必要がある。このようにレーザユニットのレーザ光軸の調整を、視準校正とよぶ。
一般的に平行ボアサイト方式によるレーザユニットのレーザ光軸の視準校正では、例えばレチクルを表示する視準校正板が用いられる。より詳細には、視準校正板には、照準軸のための指標であるレチクルAと、レーザ光軸のための指標であるレチクルBとが所望な距離離れて配設されている。レチクルAとレチクルBとの距離は、照準眼鏡の照準軸とレーザユニットのレーザ光軸との相対的な位置関係を示す。
実際の視準校正では、レーザユニットは照準ユニットに配設され、レーザユニットと照準ユニットとは視準校正板から一定距離を離れて配置されている。
そして照準軸がレチクルAに、レーザ光軸がレチクルBに一致するように調整する必要が生じる。
そのため望遠眼鏡に配設されているレチクルがレチクルAと同軸上で重なる(一致する)ことで、照準軸は調整される。これにより照準ユニットは、視準校正される。
しかしながらレーザユニットはレーザ光線を内部から送信するため、レチクルを有する照準眼鏡をレーザユニット内部のレーザ光軸上に配設することができない。そのためレーザユニットでは、照準ユニットのように照準眼鏡によって直接的に視準校正できない。
またレーザユニットから送信されるレーザ光線は肉眼によって視認できない。そのためレーザ光軸がレチクルBに一致することを、作業員は確認できない。
そのためレーザユニットには、レーザユニットのレーザ光軸を間接的に視準校正するレーザ視準校正装置が配設されている。
レーザ視準校正装置は、レーザユニットのレーザ光軸の間接的に表示する視準望遠鏡である。この視準望遠鏡は、レーザユニットに対して着脱自在である。
この視準望遠鏡には、レチクルCを有する光学レンズが配設されている。レチクルCは、レーザユニットのレーザ光軸と平行となるように配設され、光学レンズの中心に位置し、作業員が受光器に照準を設定するためのものである。作業員は、光学レンズを覗き込み、レチクルCが視準校正板に配設されているレチクルDと同軸上で重なる(一致する)ように視準校正する。
これによりレーザユニットのレーザ光軸は、間接的に視準校正される。
なお視準望遠鏡は、視準望遠鏡の中心であるレチクルCをレーザユニットのレーザ光軸と平行となるように調整する調整機構を有している。調整機構は、例えば8個の六角穴付き止めネジである。
例えば特許文献1には、標的装置と制御器を有する標的装置システムで、標的装置が適切な向きに光信号を送信することについて、開示されている。
特開2006−275465号公報
レチクルCがレチクルDに一致するように調整される際、視準望遠鏡の倍率に係らず、作業員が光学レンズを覗き込み、作業員の肉眼によって調整される。そのとき、視準望遠鏡の中心軸に対し、光学レンズの軸線上の眼の位置(目付け位置)を一定に保つことは、困難である。そのため、目付け誤差が生じ、この目付け誤差がそのまま視準校正のための誤差となる。そして視準校正の誤差が生じるたびに、視準校正のための誤差が実際にどの程度の量なのかを確認することは、時間と手間がかかる。また視準校正のための誤差の確認は、目視である。そのため誤差の確認の精度は落ち、レチクルCとレチクルDとを厳密に一致させることは困難である。
このように視準校正のための誤差の確認は、時間と手間がかかり、視準校正のための誤差の確認の精度は低下してしまう。
そのため本発明は、上記事情に鑑み、視準校正のための誤差を高精度、容易かつ短時間に確認できるレーザ視準校正システムを提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、レーザユニットから出射されるレーザ光線のレーザ光軸を視準校正する際に、視準校正のための誤差を算出及び表示するレーザ視準校正システムであって、前記レーザユニットが配設され、前記レーザ光線の照準を設定するための第1の指標を有する照準ユニットと、前記第1の指標に対応する第2の指標を有し、前記第1の指標が前記第2の指標と同軸上に配設され、前記第1の指標と前記第2の指標とによって前記照準が設定された状態で前記レーザ光線を受光する受光ユニットと、前記照準が設定された状態で、前記受光ユニットが受光した前記レーザ光線の前記受光ユニットにおける受光位置を基に、前記レーザ光軸の視準校正のための誤差を算出し、算出された誤差を表示する算出表示ユニットと、を具備し、前記算出表示ユニットは、前記レーザ光線の前記受光ユニットにおける受光位置を基に、前記受光ユニット上の前記受光ユニットの幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の長さと、前記受光ユニット上の前記受光ユニットの高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の長さとを検出し、検出結果から、前記幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線と、前記高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線とを算出し、前記幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線と、前記高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線との交差点を前記レーザ光線の中心位置として検出し、前記レーザ光線の中心位置と前記受光ユニットの中心位置との誤差を前記視準校正のための誤差として算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記誤差を表示する表示部と、を有することを特徴とするレーザ視準校正システムを提供する。
また本発明は目的を達成するために、前記受光ユニットは、前記レーザユニットから出射された前記レーザ光線を受光した際に、前記算出表示ユニットが前記レーザ光軸の視準校正のための誤差を算出するための電気信号を出力する受光素子を所望のピッチで実装した配線板を有していることを特徴とする上記に記載のレーザ視準校正システムを提供する。
本発明によれば、視準校正のための誤差を高精度、容易かつ短時間に確認できるレーザ視準校正システムを提供することができる。
図1は、レーザユニット側から見たレーザ視準校正システムの斜視図である。 図2は、レーザユニットと照準ユニットとの分解図である。 図3は、受光ユニットの分解斜視図である。 図4は、受光素子を所望のピッチで実装したプリント配線基板を示す図と、所望のピッチを部分的に拡大した図である。 図5は、X軸方向におけるレーザ光線のレーザパターンの中心線と、Y軸方向におけるレーザ光線のレーザパターンの中心線と、レーザ光線の中心位置(中心座標)とを算出する図である。 図6は、X軸方向におけるレーザ光線のレーザパターンの中心線と、Y軸方向におけるレーザ光線のレーザパターンの中心線と、レーザ光線の中心位置(中心座標)とを算出する図である。 図7は、レーザ光線の中心位置が受光ユニット(プリント配線基板)の中心位置に対してずれている場合のモニタを示す図である。 図8は、レーザ光線の中心位置が受光ユニット(プリント配線基板)の中心位置に位置している場合のモニタを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1乃至図8を参照して実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のレーザ視準校正システム1は、レーザユニット10から出射されるレーザ光線のレーザ光軸を視準校正する際に、視準校正のための図7と図8とに示すような誤差69を算出及び表示する。
なお一般的に、視準校正には、レーザユニット10から出射されるレーザ光線のレーザ光軸と照準ユニット20の照準軸とが所望の距離離れた地点(本実施形態の場合、図示しない受光器)で一致(交差)するようにレーザ光軸を視準校正する一点ボアサイト方式と、レーザ光線の光軸と照準ユニット20の照準軸とが所望の地点(本実施形態の場合、図示しない受光器)までの距離に係らず理論上は平行関係を維持するようにレーザ光線を視準校正する平行ボアサイト方式とが挙げられる。本実施形態は、一点ボアサイト方式と平行ボアサイト方式とのどちらにも使用できるが、平行ボアサイト方式を用いて説明する。
図1乃至図3に示すようにレーザ視準校正システム1は、レーザユニット10が配設され、レーザ光線の照準を設定するための第1の指標(以下、レチクル20a)を有する照準ユニット20と、レチクル20aに対応する第2の指標(以下、レチクル30a)を有し、レチクル20aがレチクル30aと同軸上に配設され、レチクル20aとレチクル30aとによって照準が設定された状態でレーザ光線を受光する受光ユニット30と、照準が設定された状態で、受光ユニット30が受光したレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を基に、レーザ光軸の視準校正のための誤差69を算出し、算出された誤差を表示する算出表示ユニット50とを有している。
レーザユニット10は、所望の照射範囲(以下、レーザパターン11とする)を有するレーザ光線を出射する例えばプロジェクタである。このレーザユニット10は、必要なデータが付与されたレーザ光線を、ワイヤレスでレーザ光線を受光する図示しない受光器に送信することで、ワイヤレスでデータを受光器に伝送する。
図示しない受光器は、レーザユニット10から例えば1000mの遠方に離れて配設されている。受光器は、レーザユニット10から出射されるレーザ光線の送信先となる。このように本実施形態では、例えば1000mの間でデータが伝送される。
図2に示すようにレーザユニット10は、レーザユニット10を照準ユニット20に固定する固定部13と、算出表示ユニット50によって算出された視準校正のための誤差69を基にレーザ光軸の向きを上下左右方向に調整し、レーザ光軸を視準校正する調整機構15とを有している。固定部13は、例えば取り付け用の金具である。固定部13は、照準ユニット20に対応する形状を有している。
照準ユニット20は、レーザユニット10がデータを受光器に伝送する前に、レーザユニット10のレーザ光線の照準を受光器に設定する機器である。このように照準ユニット20は、レーザユニットがデータを受光器に送信する前に、準備として用いられる機器である。
図1と図2に示すように照準ユニット20は、望遠光学レンズである照準眼鏡21を有している。照準眼鏡21は、受光器にレーザユニット10のレーザ光線の照準を設定するために、覗き込みが可能なレンズである。
図2に示すように照準眼鏡21には、上述したようにレーザ光線の照準を設定するための例えば十字の指標であるレチクル20aが配設されている。レチクル20aは、照準眼鏡21の照準軸の位置を示すものである。このレチクル20aは、レチクル30aと同軸上で重なる(一致する)ことで、レーザユニット10と照準ユニット20とを受光ユニット30に対して位置合わせし、レーザユニット10の照準を設定するものである。照準眼鏡21の倍率は、例えば10倍となっている。
受光ユニット30は、レーザユニット10と照準ユニット20とから、レーザ光線が発射される側に所望な距離離れて配置されている。この所望な距離は、照準眼鏡21の望遠倍率に影響するが、照準眼鏡21を覗き込んだ際に、照準ユニット20から離れて配置されている受光ユニットにおけるレチクル30aを作業者が肉眼によって視認できる距離である。所望な距離は、例えば20mである。
受光ユニット30は、レーザユニットのレーザ光軸の視準校正のために、例えばレチクル30aを表示する視準校正板である。
図3と図4とに示すように受光ユニット30は、レーザユニット10から出射されたレーザ光線を受光した際に算出表示ユニット50がレーザ光軸の視準校正のための誤差を算出するための電気信号を出力する受光素子31aを所望のピッチ60で実装したプリント配線基板31と、外部から入力された交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータユニットである変換部33と、算出表示ユニット50とLANケーブル35aにて接続し、受光素子31aから出力された電気信号をLANケーブル35aを介して算出表示ユニット50に送信し、図示しない電源ケーブルによって図示しない外部の交流電源と接続する接続部35と、プリント配線基板31を保護し、レーザ光線を透過させる性質を有する材質によって形成される保護板37と、レチクル30aを有し、保護板37に対して着脱自在で、レーザ光線を透過させる性質を有する材質によって形成される指標板39と、プリント配線基板31と変換部33と接続部35と保護板37と指標板39とを収容する収容部であるシャーシ41と、シャーシ41を支持し、受光ユニット30を垂直に設置するための取付金具43とを有している。
プリント配線基板31は、例えば幅500mm、高さ500mmを有する基板である。なおプリント配線基板31の幅方向をX軸方向とし、プリント配線基板31の高さ方向をY軸方向とする。なおX軸方向は受光ユニット30の幅方向を含み、またY軸方向は受光ユニット30の高さ方向を含む。
プリント配線基板31において、受光素子31aは、X軸方向とY軸方向とに略等間隔に実装されている。このとき所望のピッチ60は、一方の受光素子31aと他方の受光素子31aとの間隔を示すものである。
この所望のピッチ60は、受光ユニット30が受光したレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を、算出表示ユニット50が受光素子31aを介して算出する際の精度に影響する。なお所望のピッチ60が狭いほど、算出表示ユニット50は受光素子31aを介してレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を高精度(精緻)に算出する。そのため視準校正の精度が高くなる。このように所望のピッチ60は、狭いことが好適である。
この所望のピッチ60は、例えば10mmである。この場合、プリント配線基板31は上述したように例えば幅500mm、高さ500mmを有しているため、受光素子31aは、X軸方向に50個、Y軸方向に50個配設され、プリント配線基板31に50×50、合計2500個配設されている。
また受光素子31aの外形は、例えば幅8mm、奥行き4mm、高さ1.8mmである。
保護板37と指標板39とは、例えば半透明のアクリル板によって形成されている。
図1、図5、図6に示すように算出表示ユニット50は、レーザ光線の受光ユニット30(プリント配線基板31)における受光位置を基に、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のX軸方向におけるレーザ光線のレーザパターン11の長さと、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のY軸方向におけるレーザ光線のレーザパターン11の長さとを検出し、検出結果から、X軸方向におけるレーザ光線のレーザパターン11の中心線61と、Y軸方向におけるレーザ光線のレーザパターン11の中心線63とを算出し、中心線61と中心線63との交差点をレーザ光線の中心位置(中心座標)65として検出し、中心位置65と受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67との誤差を視準校正のための誤差69として算出する算出部51と、算出部51によって算出された誤差69を表示する表示部53とを有している。
算出部51は、例えばCPUであり、受光素子31aから接続部35とLANケーブル35aとを介して電気信号を受信する。
表示部53は、例えばモニタである。
次に算出部51について詳細に説明する。
図5と図6とに示すように算出部51は、上述した電気信号を基に、受光ユニット30(プリント配線基板31)のどの位置にどれだけの大きさを有するレーザパターン11が照射されたかを検出する。つまり、算出部51は、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のX軸方向におけるレーザパターン11の長さと、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のY軸方向におけるレーザパターン11の長さとを検出する。
そして図5に示すように算出部51は、この検出結果から、X軸方向におけるレーザパターン11の中心線61とY軸方向におけるレーザパターン11の中心線63とを算出する。中心線61は、X軸方向におけるレーザパターン11の長さの略半分の位置に位置する線分である。中心線63は、Y軸方向におけるレーザパターン11の長さの略半分の位置に位置する線分である。
そして算出部51は、中心線61と中心線63との交差点をレーザ光線(レーザパターン11)の中心位置65として検出する。
上記において算出部51が、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のX軸方向におけるレーザパターン11の長さと、受光ユニット30(プリント配線基板31)上のY軸方向におけるレーザパターン11の長さとを検出し、検出結果から、X軸方向におけるレーザパターン11の中心線61とY軸方向におけるレーザパターン11の中心線63とを算出する処理は、受光ユニット30(プリント配線基板31)におけるレーザ光線の受光位置を算出する受光位置算出処理である。
また上記において算出部51が、中心線61と中心線63との交差点をレーザ光線(レーザパターン11)の中心位置65として検出する処理は、レーザ光線の中心位置65を算出するレーザ光線座標検出処理である。
なお、算出部51は、受光位置算出処理とレーザ光線座標検出処理とのために、例えばスキャン方式を採用している。
スキャン方式では、Y軸方向において縦一列に配設されている1列の受光素子31aを1単位としている。算出部51は、この1列ごとに、X軸方向に受光素子31aがレーザ光線を受信したか否かを、受光素子31aが出力する出力信号から判定する。
例えばY軸方向においてY1列に配設されている受光素子31aにおいて、X軸方向にプリント配線基板31の左端から順にX1列、X2列、X3列・・・とする。算出部51は、Y1列において、X1列、X2列、X3列・・・と順番に、受光素子31aがレーザ光線を受信したか否かを、受光素子31aが出力する出力信号から判定する。
このとき、算出部51は、1列(例えばY1列)の中で1個でも受光素子31aがレーザ光線を受信したら、受光素子31aがレーザ光線を受信した、と判定する。
算出部51は、X軸方向においても同様に判定する。
このように算出部51は、プリント配線基板31に配設されている受光素子31aを、X軸毎とY軸毎とにスキャンする。そして算出部51は、スキャンによってX軸方向における中心線61とY軸方向における中心線63とを算出する。
算出部51は、このように受光位置算出処理を行う。
そして算出部51は、算出された中心線61と中心線63との交差点をレーザ光線の中心位置65として検出する。
算出部51は、このようにレーザ光線座標検出処理を行う。
次に、算出部51が受光位置算出処理において中心線61,63を算出する際の、受光位置の算出精度について説明する。
算出精度は、上述したように受光素子31aのピッチ60に影響する。
図5に示すように例えばレーザパターン11の縁11aが、縁11aに隣接するY4列且つX13列における受光素子31cによって受光されず、Y4列且つX12列における受光素子31aと受光素子31cとの間に配置する場合、実際の中心線61aと、算出部51が受光位置算出処理によって算出したX軸方向の中心線61とは一致し、誤差は0mmとなる。
また図6に示すように例えばレーザパターン11が上記より右方に移動し、縁11aが受光素子31cによって受光された場合、X軸方向において出力信号を出力する列が1列増加することとなる。
これにより算出部51が受光位置算出処理によって算出したX軸方向の中心線61は、所望するピッチ60(略10mm)の半分だけ右側にずれてしまう。これにより、実際のX軸方向の中心線61aと、算出部51が受光位置算出処理によって算出したX軸方向の中心線61とは一致せず、略5mmの誤差が生じる。
そのためこのような場合に備えて、上述したように受光素子31aのピッチ60は、狭いことが好適である。
なおY軸方向における誤差も上記と同様である。
また図7と図8とに示すように表示部53は、受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67を示す指標53aと、指標53aを通るX軸方向における軸線53bと、指標53aを通るY軸方向における軸線53cとを表示する。軸線53b,53cの交差点が指標53aとなる。
また表示部53は、算出部51がレーザ光線座標検出処理によって算出したレーザ光線の中心位置65を示す指標65aを表示し、さらにレーザ光線の中心位置65と、受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67を示す指標53aとのX軸方向とY軸方向とにおける誤差71を表示する。この誤差71は、視準校正のための誤差69となり、例えば10mmといったように数値にて表示される。
詳細には、例えばX軸方向において、レーザ光線の中心位置65が受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67よりも右方にずれている場合、表示部53は、レーザ光線の中心位置65を示す指標65aを軸線53bの+側に表示する。またX軸方向において、レーザ光線の中心位置65が受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67よりも左方にずれている場合、表示部53は、レーザ光線の中心位置65を示す指標65aを軸線53bの−側に表示する。
また例えばY軸方向において、レーザ光線の中心位置65が受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67よりも上方にずれている場合、表示部53は、レーザ光線の中心位置65を示す指標65aを軸線53cの+側に表示する。またX軸方向において、レーザ光線の中心位置65が受光ユニット30(プリント配線基板31)の中心位置67よりも下方にずれている場合、表示部53は、レーザ光線の中心位置65を示す指標65aを軸線53cの−側に表示する。
誤差が0mmの場合、図8に示すように表示部53は、指標65aを指標53a上に表示する。
次に本実施形態の動作方法について説明する。
図1と図2とに示すようにレーザユニット10は、固定部13によって照準ユニット20に固定される。
図1に示すように受光ユニット30は、レーザユニット10と照準ユニット20とから、レーザ光線が出射される側に所望な距離離れて配置される。受光ユニット30は、図示しない電源ケーブルと接続部35とを通じて図示しない外部の交流電源と接続する。また受光ユニット30は、接続部35とLANケーブル35aとを通じて算出表示ユニット50と接続する。
照準眼鏡21が覗き込まれ、レチクル20aがレチクル30aと同軸上で重なる(一致)するように、レーザユニット10と照準ユニット20とは受光ユニット30に対して位置合わせされ、レーザユニット10の照準が設定される。
レーザユニット10は、受光ユニット30の中央に向けてレーザ光線を連続的に出射する。
このとき算出部51は、受光位置算出処理と、レーザ光線座標検出処理とを行う。
これにより図7と図8とに示すようにレーザ光線の中心位置65を示す指標65aとX軸方向とY軸方向とにおける誤差71(視準校正のための誤差69)とが表示部53に表示される。
そして作業者は、指標65aと誤差71とを基に、誤差71が0mmとなり、指標65aが指標53aに移動するように、調整機構15によってレーザ光軸の向きを上下左右方向に調整し、レーザ光軸を視準校正する。
これにより照準ユニット20(照準眼鏡21)の照準軸とレーザユニット10のレーザ光軸とが平行になる。
そしてレチクル20aによって受光器に照準が設定され、レーザユニット10は受光器にデータを伝送する。
このように本実施形態では、算出表示ユニット50にて受光位置算出処理とレーザ光線座標検出処理とを施すことによって、受光ユニット30が受光したレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を基に、レーザ光軸の視準校正のための誤差69を算出し、算出された誤差69(誤差71)を表示することができる。これにより本実施形態では、視準校正のための誤差69を高精度、容易かつ短時間に確認することができる。
また本実施形態では、受光ユニット30が受光したレーザ光線の受光ユニット30における受光位置を基に算出部51によって視準校正のための誤差69を算出し、表示部53によって視準校正のための誤差69を表示するために、直接的且つ視覚的に視準校正のための誤差69を算出及び表示することができる。
また本実施形態では、視準望遠鏡を用いず、受光位置算出処理とレーザ光線座標検出処理とによって視準校正のための誤差69を算出するために、目付け誤差を解消することができ、高精度な視準校正が実施できる。
なお本実施形態では、受光ユニット30をレーザユニット10と照準ユニット20とから、所望な距離離れて配置している。これにより作業者が照準眼鏡21を覗き込んだ際に、レチクル30aの線の長さと線の幅とが、実寸よりも細くみえてしまう。結果として視準校正が困難となってしまう。しかしながら本実施形態では、レチクル30aの見掛け上の大きさが小さく見えてしまい、視準校正が困難となってしまっても、受光位置算出処理とレーザ光線座標検出処理とによってこの点を解消でき、高精度な視準校正が実施できる。
また本実施形態では、指標65aと数値によって表示される誤差71とにより視準校正のための誤差69を表示部53に表示することができ、これにより視覚的に非常に判りやすく視準校正のための誤差69を判別でき正確に視準校正できる。
また本実施形態では、指標板39を着脱自在としているために、受光ユニット30を様々な照準ユニット20に対応することができる。
また本実施形態では、受光位置算出処理とレーザ光線座標検出処理とによって視準校正のための誤差69を算出し、視準校正のための誤差69を表示する。このとき本実施形態では、レーザ光線を受光ユニット30に照射することで、視準校正のための誤差69を算出し、図6に示すような受光素子31a間のピッチ60による誤差のみを考慮すればよい。そのため本実施形態では、レーザユニット10単体での光軸調整誤差と、照準ユニット20単体での視準調整誤差と、レーザユニット10を照準ユニット20に固定する際の機械的嵌合誤差とを考慮せずに済む。よって本実施形態では、高精度な視準校正ができる。
なお本実施形態では、スキャン方式を用いている。スキャン方式は、レーザ光線の中心位置65のX座標とY座標との絶対位置を判定する際の算出部51の判定処理における負荷に比べ、個々の受光素子31aの信号入力を判定する際の算出部51の判定処理における負荷を減らす。そのため本実施形態では、スキャン方式によって、算出部51の処理速度を向上でき、表示部53にて指標65aを素早く表示することができる。
より詳細には、例えば1列における判定処理が略10msecであり、受光素子31aの配列が50列の場合、10×50、合計略500msecとなる。ここでX軸方向用とY軸方向用とで異なる算出部51が用いられることで、略500msecで判定が終了する。
受光位置算出処理に掛かる時間が略200msecとすることを鑑み、本実施形態では、算出部51によって略1秒以内にレーザ光線の中心位置(中心座標)65を算出することができる。
また本実施形態では、スキャン方式としないと、算出部51によって、受光ユニット30の大きさに応じて必要数配設された受光素子31aの列の数(N本)分同時に信号入力を判定する必要が生じる。そのため算出部51では、受光位置算出処理の際に負荷が増大し、その結果、算出部51を増やす必要が有り、コスト上不利となってしまう。
しかしながら本実施形態では、スキャン方式を用いるために、受光位置算出処理の際に算出部51における負荷を低減することができ、結果的に算出部51を増やす必要がなく、コストを安価にすることができる。
また一般にスキャン方式では、スキャン開始からスキャン終了までの間にて、レーザ光線が移動し、レーザ光線の中心位置65の算出に誤差が生じてしまうことが懸念される。
しかしながら、本実施形態では、レーザ光軸を視準校正のための誤差69を算出することが目的である。そのため本実施形態では、急激にレーザ光線の中心位置65が移動するようにレーザユニット10を操作することは考えにくい。
また本実施形態では、視準校正のための誤差69を算出する際に、レーザ光線を連続して受光ユニット30に照射するために、スキャンが完了する前にレーザ光線が途切れてしまうことも考えにくい。
よって本実施形態では、上述した懸念を解消することができる。
なお本実施形態では、受光ユニット30をレーザユニット10と照準ユニット20とから、所望な距離離れて配置している。
一般に視準校正の観点から、この所望な距離が長ければ長いほど、視準校正の精度は高くなる。しかしながら本実施形態では、上述したようにレーザユニット10と照準ユニット20とを受光ユニット30に対して位置合わせし、レーザユニット10の照準が設定される際に、作業者の肉眼による視認によって、レチクル20aをレチクル30aと同軸上で重ねる(一致する)必要が生じる。そのため所望な距離が長いと、レチクル20aを同軸上にてレチクル30aと容易に重ねることが難しくなり、結果的に視準校正の精度が落ちてしまう。よって本実施形態では、所望な距離を例えば20mとして、作業者が照準眼鏡21を覗き込んだ際に、照準ユニット20から離れて配置されている受光ユニットにおけるレチクル30aを作業者が肉眼によって視認できる距離としている。これにより本実施形態では、作業者が照準眼鏡21を覗き込んだ際にレチクル20aをレチクル30aと同軸上で重ねることができ、視準校正の精度は高く維持できる。
なお本実施形態では、受光ユニット30は、算出表示ユニット50と無線LANによって接続してもよい。
また本実施形態の照準ユニット20の形状と性能とは、特に限定されない。そのため固定部13は、形状が異なる照準ユニット20に対応するような形状を有していればよい。よって本実施形態では、レーザユニット10を、固定部13によってどのような形状を有する照準ユニット20にも配設することができる。
また本実施形態では、照準ユニット20の性能に応じて、指標板39におけるレチクル30aの位置も変更する。そのため本実施形態では、指標板39を着脱自在とすることで、様々な照準ユニット20に対応する指標板39を用いることができる。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
1…レーザ視準校正システム、10…レーザユニット、11…レーザパターン、11a…縁、13…固定部、15…調整機構、20…照準ユニット、20a…レチクル、21…照準眼鏡、30…受光ユニット、30a…レチクル、31…プリント配線基板、31a,31c…受光素子、33…変換部、35a…LANケーブル、35…接続部、37…保護板、39…指標板、41…シャーシ、43…取付金具、50…算出表示ユニット、51…算出部、53…表示部、53a…指標、53b,53c…軸線、60…ピッチ、61…中心線、61a…中心線、63…中心線、65…中心位置、65a…指標、67…中心位置、69,71…誤差。

Claims (1)

  1. レーザユニットから出射されるレーザ光線のレーザ光軸を視準校正する際に、視準校正のための誤差を算出及び表示するレーザ視準校正システムであって、
    前記レーザユニットが配設され、前記レーザ光線の照準を設定するための第1の指標を有する照準ユニットと、
    前記第1の指標に対応する第2の指標を有し、前記第1の指標が前記第2の指標と同軸上に配設され、前記第1の指標と前記第2の指標とによって前記照準が設定された状態で前記レーザ光線を受光する受光ユニットと、
    前記照準が設定された状態で、前記受光ユニットが受光した前記レーザ光線の前記受光ユニットにおける受光位置を基に、前記レーザ光軸の視準校正のための誤差を算出し、算出された誤差を表示する算出表示ユニットと、
    を具備し、
    前記算出表示ユニットは、
    前記レーザ光線の前記受光ユニットにおける受光位置を基に、前記受光ユニット上の前記受光ユニットの幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の長さと、前記受光ユニット上の前記受光ユニットの高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の長さとを検出し、検出結果から、前記幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線と、前記高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線とを算出し、前記幅方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線と、前記高さ方向における前記レーザ光線の照射範囲の中心線との交差点を前記レーザ光線の中心位置として検出し、前記レーザ光線の中心位置と前記受光ユニットの中心位置との誤差を前記視準校正のための誤差として算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記誤差を表示する表示部と、
    を有することを特徴とするレーザ視準校正システム。
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