JP2016208855A - 撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム - Google Patents

撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】積層化されて光の強度が大きくなった細胞群についても、飽和することなく適切な露光条件で撮像することができる撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムを提供する。【解決手段】細胞を撮像素子によって撮像する撮像部10と、撮像された細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その画像に基づいて、撮像素子の第1の露光条件を決定する露光条件決定部22とを備え、撮像部10が、第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、露光条件決定部22が、第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その画像に基づいて、撮像素子の第2の露光条件を決定し、撮像部10が、第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞群を経時的に複数回撮像する撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムに関するものである。
近年、幹細胞などの培養された透明な細胞を非染色のまま観察する方法として位相差計測が広く使われ始めている。そして、このような位相差計測を行うものとして、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を用いた位相差顕微鏡が使用されている。位相差顕微鏡は、細胞によって生じる回折光と直接光の位相差を検出することによって細胞の画像を生成するものである。
特開2014−76000号公報 特開2009−036808号公報 特開2000−13690号公報 特表2010−500573号公報
ここで、細胞の増殖が進むと細胞群(細胞コロニーとも言う)を形成する。そして、この細胞群の増殖が進むと単層の状態から細胞が複数層に重なり合って積層化する。このように細胞群が積層化された場合、細胞によって発生した回折光が細胞群の中で多重散乱を起こし、直接光と同じ光路を伝搬してしまう。その結果、積層化した細胞群から発せられる光の強度が大きくなり、単層の細胞群から発せられる光の強度とは大きく違ってくる。
したがって、単層の細胞群と積層化された細胞群との両方が撮像領域に含まれている場合に、これらを同じ露光条件で撮像した場合、たとえば単層の細胞群については、適切な露光条件で撮像されているが、積層化された細胞群については、細胞群から発せられる光の強度が撮像素子の検出限界上限レベル以上となり、撮像素子が飽和して適切な細胞群の画像を取得することができない問題が生じる。
また、従来、本撮影の前に、複数の露光条件で細胞を撮像して複数の細胞画像を取得し、その複数の細胞画像に基づいて、適切な露光条件を設定する自動露光制御が行われているが、この自動露光制御を行った場合、適切な露光条件を探索するため、少なくとも3回以上の撮像が必要であり、本撮影を終了するまでの時間が長くなってしまう問題がある。
特許文献1においては、心筋の運動をより明確に観察するために、複数の露光条件によって心筋の細胞群を撮像し、その中から動き領域の面積が最も大きくなる露光条件を最適な露光条件として決定することが開示されているが、上述したように積層化された細胞群を適切に撮像することできる露光条件を決定する方法については何も提案されていない。
また、特許文献2においては、培地のpH(potential hydrogen)値と培地の添加物の吸収特性に基づいて、最適な露光条件を決定することが開示されているが、上述したように積層化された細胞群を適切に撮像することできる露光条件を決定する方法については何も提案されていない。
また、特許文献3および特許文献4には、部分領域毎の明るさに応じて露光条件を最適化することが開示されているが、やはり積層化された細胞群を適切に撮像することできる露光条件を決定する方法については何も提案されていない。
本発明は、上記の問題に鑑み、上述したように積層化されて光の強度が大きくなった細胞群についても、飽和することなく適切な露光条件で撮像することができる撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第1の露光条件を決定する露光条件決定部とを備え、撮像部が、第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、露光条件決定部が、第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その特定した細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第2の露光条件を決定し、撮像部が、第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、単層の細胞群を特定し、その特定した単層の細胞群の画像に基づいて、第1の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の画像に基づいて、検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを推定し、その推定した画像信号の大きさに基づいて、第2の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを、ガウス分布を用いて推定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを、直線近似を用いて推定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の画像の画像信号のうちの検出限界範囲内の画像信号と上記推定した画像信号との画像信号の平均値、分散値および最大値を取得し、平均値に分散値を加算した値と最大値との差が予め設定された範囲内である場合には、最大値に基づいて、第2の露光条件を決定し、上記差が予め設定された範囲外である場合には、平均値に分散値を加算した値に基づいて、第2の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を横切る線分を設定し、その線分上の画像信号に基づいて、第2の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の長径を上記線分として設定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、検出限界範囲を超えている領域を検出し、その検出した一つの領域の重心を通過する線分を設定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域が1つの細胞群に複数含まれる場合、その各領域について推定された画像信号に基づいて、撮像素子の複数の露光条件候補を決定し、その決定した複数の露光条件候補に基づいて、第2の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、複数の露光条件候補の平均値を第2の露光条件として決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、複数の露光条件候補のうち、上記推定された画像信号が最も大きい領域の画像信号に基づいて決定された露光条件候補を第2の露光条件として決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を複数特定した場合、その特定した各細胞群の画像に基づいて、撮像素子の複数の露光条件候補を決定し、その決定した複数の露光条件候補に基づいて、第2の露光条件を決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、複数の露光条件候補の平均値を第2の露光条件として決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、露光条件決定部は、複数の露光条件候補のうち、上記推定された画像信号が最も大きい細胞群の画像に基づいて決定された露光条件候補を第2の露光条件として決定することができる。
また、上記本発明の撮像装置において、第1および第2の露光条件は、撮像素子の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つであることが望ましい。
本発明の撮像方法は、複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像方法であって、複数の細胞を撮像した細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第1の露光条件を決定し、第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、その第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その特定した細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第2の露光条件を決定し、その第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする。
本発明の撮像制御プログラムは、複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像部を制御する撮像制御部と、撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、露光条件決定部が、撮像部によって撮像された細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第1の露光条件を決定し、撮像制御部が、撮像部を制御することによって、第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、露光条件決定部が、第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その特定した細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第2の露光条件を決定し、撮像制御部が、撮像部を制御することによって、第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする。
本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムによれば、複数の細胞を撮像した細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第1の露光条件を決定する。次に、その第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その特定した細胞群の画像に基づいて、撮像素子の第2の露光条件を決定し、第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行う。したがって、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群に適した第2の露光条件を設定することができるので、上述したような積層化された細胞群についても、飽和することなく適切な細胞画像を撮像することができる。
また、従来の自動露出制御のように、本撮影前に少なくとも3回の撮像を行う必要がないので、最終的な観察用の位相差画像を撮像して表示するまでの時間を短縮することができる。
本発明の撮像装置の一実施形態を用いた細胞観察システムの概略構成を示す図 図1に示す細胞観察システムの撮像部の概略構成を示す図 複数の細胞群が含まれている第1の位相差画像の一例を示す図 図3に示す細胞群S1と細胞群S2の拡大図 細胞群を横切る線分の設定方法を説明するための図 撮像素子の検出限界範囲を超えている領域の画像信号を、ガウス分布を用いて推定する方法を説明するための図 撮像素子の検出限界範囲を超えている領域の画像信号を、直線近似を用いて推定する方法を説明するための図 細胞群の画像内に孤立点が存在する場合の画像信号値の分布の一例を示す図 本発明の撮像装置の一実施形態を用いた細胞観察システムの作用を説明するためのフローチャート 1つの細胞群内に、検出限界範囲を超えている領域が複数ある場合を説明する図 1つの細胞群内に、検出限界範囲を超えている領域が複数ある場合の第2の露光条件の決定方法を説明するための図
以下、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムの一実施形態を用いた細胞観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、細胞観察システム1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の細胞観察システム1は、図1に示すように、撮像部10と、撮像制御装置20と、表示装置30と、入力装置40とを備えている。
撮像部10は、培養された細胞群の位相差画像を撮像するものである。また、撮像部10は、細胞群を経時的に複数回撮像する、いわゆるタイムラプス撮影を行うものである。撮像対象の細胞としては、具体的には、iPS(induced pluripotent stem)細胞およびES(embryonic stem)細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞などがある。
図2は、撮像部10の概略構成を示す図である。撮像部10は、図2に示すように、白色光を出射する白色光源11と、リング形状のスリットを有し、白色光源11から出射された白色光が入射されて、いわゆる位相差計測のためのリング状の照明光L1を出射するスリット板12と、スリット板12から出射されたリング状の照明光L1が入射され、その入射されたリング状の照明光L1を、細胞群Sを含む撮像領域に対して照射する対物レンズ13とを備えている。
スリット板12は、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板に対して白色光を透過するリング形状のスリットが設けられたものであり、白色光がスリットを通過することによってリング状の照明光L1が形成される。
また、撮像部10は、位相差レンズ14と、結像レンズ15と、撮像素子16とを備えている。
位相差レンズ14は、対物レンズ14aおよび位相板14bを備えている。位相板14bは、照明光L1の波長に対して透明な透明板に位相リングを形成したものである。なお、上述したスリット板12のスリットの大きさは、この位相リングと共役な関係にある。
位相リングは、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタがリング状に形成されたものである。位相リングに入射された直接光は、位相リングを通過することによって位相が1/4波長ずれるとともに、その明るさが弱められる。一方、細胞群によって回折された回折光は大部分が位相板14bの透明板を通過し、その位相および明るさは変化しない。
位相差レンズ14は、図示省略した光学系駆動部によってZ方向(矢印A方向)に移動するものである。この位相差レンズ14のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される画像のコントラストが調整される。
結像レンズ15は、位相差レンズ14を通過した回折光および直接光が入射され、これらを撮像素子16に結像するものである。
撮像素子16は、結像レンズ15によって結像された回折光および直接光を検出して位相差画像を撮像するものである。撮像素子16としては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどが用いられる。撮像素子としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いるようにしてもよい。なお、本実施形態においては、位相差画像が、本発明の細胞画像に相当するものである。
対物レンズ13と位相差レンズ14との間には、ステージ51が設けられている。そして、このステージ51上に、細胞群Sおよび培養液Cが収容された培養容器50が設置される。ステージ51は、図示省略したステージ駆動部によって互いに直交するX方向およびY方向に移動するものである。培養容器50としては、シャーレ、ディッシュまたはウェルプレートなどを用いることができる。
図1に戻り、撮像制御装置20は、細胞画像取得部21と、露光条件決定部22と、撮像制御部23と、表示制御部24とを備えている。
撮像制御装置20は、コンピュータに対して本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされたものである。
撮像制御装置20は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが中央処理装置によって実行されることによって、図1に示すような細胞画像取得部21、露光条件決定部22、撮像制御部23および表示制御部24が動作する。
細胞画像取得部21は、撮像部10において経時的に複数回撮像された位相差画像を取得して記憶するものである。
露光条件決定部22は、撮像部10において各位相差画像を撮像する際の露光条件を決定するものである。本実施形態の露光条件決定部22は、露光条件として、撮像素子16の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つを決定するものである。
具体的には、露光条件決定部22に予め記憶された初期露光条件に基づいて、撮像制御部23によって撮像部10が制御されて第1の位相差画像が撮像され、細胞画像取得部21によって取得される。
細胞画像取得部21によって取得された第1の位相差画像は、露光条件決定部22に入力され、露光条件決定部22は、第1の位相差画像に含まれる細胞または細胞群を特定する。細胞または細胞群の特定方法としては、たとえば位相差画像を2値化画像に変換した後、テンプレートマッチングなどによって細胞または細胞群を自動的に検出するようにすればよい。また、細胞または細胞群の特定方法については、上述した方法に限らず、その他の公知な方法を用いるようにしてもよい。
次に、露光条件決定部22は、第1の位相差画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子16の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定する。なお、検出限界範囲の上限は、撮像素子16の飽和レベルと同様である。
図3は、第1の位相差画像の一例を示すものであり、複数の細胞および細胞群が含まれている。図3に示す第1の位相差画像に含まれる細胞群のうち、輝度が飽和して白くなっている領域を含まない細胞群が、撮像素子16の検出限界範囲内で検出されている細胞群であって、たとえば細胞群S1が該当する。一方、輝度が飽和して白くなっている細胞の領域を含む細胞群が、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域(飽和領域)を含む細胞群であって、たとえば細胞群S2が該当する。図4Iは、図3に示す細胞群S1の拡大図であり、図4IIは、図3に示す細胞群S2の拡大図である。
撮像素子16の検出限界範囲内で検出されている細胞群を特定する方法としては、たとえば、各細胞群の第1の位相差画像内において、予め設定された閾値以上の画像信号の領域を検出し、その領域の面積が予め設定された閾値以上である領域を飽和領域として検出し、飽和領域を含まない細胞群を、検出限界範囲内で検出されている細胞群として特定するようにすればよい。なお、ここでいう飽和領域を含まないとは、必ずしも飽和している画像信号がゼロでなくてもよく、たとえば輝度が飽和している孤立点およびハロなどの発生によって輝度が飽和している白スジなどは含んでいてもよく、すなわち細胞以外の部分に輝度が飽和している部分が含まれていてもよい。
また、単層からなる細胞群は、細胞領域が検出限界範囲を超えることはないので、単層の細胞群を特定することによって、検出限界範囲内で検出されている細胞群を特定するようにしてもよい。単層の細胞群を特定する方法としては、たとえば単層の細胞群の位相差画像においては核小体が比較的鮮明に現れるが、積層化された細胞群の位相差画像においては核小体が不鮮明になる。そこで、第1の位相差画像の各細胞群に含まれる核小体を検出し、その核小体の画像の鮮鋭度を算出し、鮮鋭度が予め設定された閾値以上である場合に、単層の細胞群として特定するようにしてもよい。
また、単層の細胞群は、上述した白スジを含み、積層化された細胞群は、積層化によって単層の細胞群に含まれるような白スジは相対的に少なくなる。そこで、各細胞群に含まれる白スジを検出し、その白スジの面積や密度などが予め設定された閾値以上である細胞群を単層の細胞群として特定するようにしてもよい。
また、上記説明では、各細胞群の第1の位相差画像の特徴に基づいて、単層の細胞群を特定するようにしたが、これに限らず、図3に示すような第1の位相差画像を表示制御部24が表示装置30に表示させ、表示装置30に表示された第1の位相差画像上において、ユーザが、入力装置40を用いて単層の細胞群を特定するようにしてもよい。
なお、本実施形態における露光条件決定部22は、撮像素子16の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群として、単層の細胞群を特定するものとする。
露光条件決定部22は、上記のようにして単層の細胞群を特定した後、その特定した単層の細胞群の第1の位相差画像に基づいて、第1の露光条件を決定する。第1の露光条件は、単層の細胞群をより適切に撮像することができる露光条件である。第1の露光条件の決定方法としては、たとえば単層の細胞群の第1の位相差画像の画像信号の最大値が、撮像素子16の検出限界範囲の上限値の90%〜95%となる露光条件を第1の露光条件として決定するようにしてもよいし、単層の細胞群の第1の位相差画像の画像信号の平均値が、撮像素子16の検出限界範囲の上限値の40%〜60%となる露光条件を第1の露光条件として決定するようにしてもよい。
また、上記のように単層の細胞群の画像信号の最大値に基づいて、第1の露光条件を決定するようにした場合、単層の細胞群の中に周囲と比較すると明らかに輝度が高くなっている孤立点が存在する場合がある。このような場合に、上述したように単層の細胞群の画像信号の最大値に基づいて、第1の露光条件を決定した場合、孤立点の画像信号値に基づいて第1の露光条件が決定される場合があり、適切な露光条件が設定されない可能性がある。
そこで、単層の細胞群の画像信号の平均値、分散値および最大値をそれぞれ求め、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲内である場合には、すなわちこれらの値の差が小さい場合には、画像信号値の最大値を用いて第1の露光条件を決定するようにし、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲外である場合には、すなわちこれらの値の差が大きく、最大値が明らかに孤立点の画像信号値であると認められる場合には、平均値に分散値を加算した値を用いて第1の露光条件を決定するようにすればよい。なお、ここでいう平均値に加算される分散値とは、プラス側の分散値である。
次いで、露光条件決定部22によって決定された第1の露光条件に基づいて、撮像制御部23によって撮像部10が制御されて第2の位相差画像が撮像され、細胞画像取得部21によって取得される。
細胞画像取得部21によって取得された第2の位相差画像は、露光条件決定部22に入力され、露光条件決定部22は、第2の位相差画像に含まれる細胞群を特定する。細胞群の特定方法は、上述したとおりである。
次に、露光条件決定部22は、第2の位相差画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定する。すなわち、撮像素子16の飽和レベルを超えている領域を含む細胞群を特定する。撮像素子16の検出限界範囲を超えている細胞群を特定する方法としては、たとえば、上記と同様に、各細胞群の第2の位相差画像内において飽和領域を検出し、その飽和領域を含む細胞群を、検出限界範囲を超えている細胞群として特定するようにすればよい。
そして、露光条件決定部22は、上記のようにして検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定した後、その特定した細胞群の第2の位相差画像に基づいて、第2の露光条件を決定する。第2の露光条件は、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域の画像信号値が、検出限界範囲の上限値未満となる露光条件である。以下、第2の露光条件の決定方法について詳細に説明する。
露光条件決定部22は、まず、図5に示すように、検出限界範囲を超えている領域SRを含む細胞群S3の重心Gを求め、その重心Gを含み細胞群S3を横切る線分Lを設定する。線分Lは、細胞群S3の長径であることが望ましい。なお、長径とは、細胞群S3を横切る線分のうち、細胞群S3の輪郭と線分との交点の間の距離が最も長い線分のことである。このように長径を設定することによって、後述する飽和領域の画像信号の推定の精度を向上させることができる。
そして、露光条件決定部22は、図6の上図に示すように、線分L上の画像信号の値をプロットする。図6の上図の縦軸は画像信号値の大きさであり、横軸は線分L上における画素の位置である。また、図6に示すLVが、撮像素子16の検出限界範囲の上限値である。図6の上図に示すように、図5に示す領域SRの画像信号は全て飽和し、上限値LVと同じ値となる。
次いで、露光条件決定部22は、線分L上の画像信号値に基づいて、図6の下図に示すように、領域SR内の線分L上の本来の画像信号値SVを推定する。画像信号値SVは、
撮像素子16の検出限界範囲の上限がないと考えた場合に、領域SRから発せられた光を検出した場合に取得されると推定される画像信号値である。画像信号値SVは、たとえば線分L上の画像信号の値の分布がガウス分布となるように推定される。領域SR内の線分L上の画像信号値SVの推定方法としては、ガウス分布を用いる方法に限らず、たとえば図7に示すように、領域SR以外の画像信号の値の分布に基づいて、領域SRの画像信号の値を直線近似によって推定するようにしてもよい。このようにガウス分布や直線近似を用いることによって、簡易な処理で画像信号の推定を行うことができる。
そして、露光条件決定部22は、上述したようにして領域SR内の推定された画像信号値SVを用いて、第2の露光条件を決定する。具体的には、たとえば領域SR内の推定された画像信号値SVおよび領域SR以外の線分L上の画像信号値の最大値が、撮像素子16の検出限界範囲の上限値LVの90%〜95%となる露光条件を第2の露光条件として決定する。これにより領域SRの画像信号が飽和するのを抑制することができる。また、領域SR内の推定された画像信号値SVと領域SR以外の線分L上の画像信号値との平均値が、検出限界範囲の上限値LVの40%〜60%となる露光条件を第2の露光条件として決定するようにしてもよい。
上記のように細胞群に設定された線分L上の画像信号値に基づいて、第2の露光条件を決定するようにしたので、簡易な演算処理によって第2の露光条件を決定することができる。
また、上記のように、領域SR内の推定された画像信号値SVおよび領域SR以外の線分L上の画像信号値の最大値に基づいて、第2の露光条件または露光条件候補を決定するようにした場合、その線分上に、周囲と比較すると明らかに輝度が高くなっている孤立点が存在する場合がある。たとえば細胞群内に死細胞などが存在する場合に、このような孤立点が現れる。この孤立点の画像信号値IPは、図8に示すようにデルタ関数的な分布となると考えられる。このような場合、孤立点の画像信号値IPについても、上限値LVを超える画像信号値の推定を行うと、その推定した画像信号値は無限大に発散する可能性がある。したがって、上述したように画像信号値の最大値に基づいて、第2の露光条件または露光条件候補を決定した場合、孤立点について推定された画像信号値の影響を受けて、適切な条件が設定されない可能性がある。
そこで、孤立点について推定された画像信号値、領域SR内の推定された画像信号値SVおよび孤立点と領域SR以外の線分L上の画像信号値の平均値、分散値および最大値をそれぞれ求め、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲内である場合には、すなわちこれらの値の差が小さい場合には、画像信号値の最大値を用いて第2の露光条件または露光条件候補を決定するようにし、最大値と平均値に分散値を加算した値との差が予め設定された範囲外である場合には、すなわちこれらの値の差が大きく、最大値が明らかに孤立点の画像信号値であると認められる場合には、平均値に分散値を加算した値を用いて第2の露光条件または露光条件候補を決定するようにすればよい。なお、ここでいう平均値に加算される分散値とは、プラス側の分散値である。
撮像制御部23は、撮像部10の撮像動作を制御するものである。具体的には、撮像制御部23は、白色光源11から出射光量、ステージ51のX−Y方向への移動、位相差レンズのZ方向への移動および撮像素子16の露光動作を制御するものである。特に、撮像制御部23は、予め設定された露光条件、露光条件決定部22によって決定された第1の露光条件および第2の露光条件に基づいて、白色光源11からの出射光量および撮像素子16の露光時間を制御するものである。
露光条件としては、上述したように撮像素子16の露光時間および撮像素子16への入射光量とがあるが、本実施形態においては、上述したように白色光源11からの出射光量を制御することによって撮像素子16への入射光量を制御する。なお、撮像素子16への入射光量への制御は、白色光源11から出射光量の制御に限らず、たとえば、撮像部10が、白色光源11から出射された白色光の光量を制限する絞りなどの光量制限部を備えたものである場合には、その光量制限部を制御することによって撮像素子16への入射光量を制御するようにしてもよい。撮像素子16の露光時間および撮像素子16への入射光量との両方を制御するようにしてもよい。
そして、本実施形態の撮像制御部23は、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が検出されるまでの間は、第1の露光条件に基づく第2の位相差画像の撮像までを行い、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が検出された場合には、第2の露光条件に基づいて第3の位相差画像を撮像する。第3の位相差画像は、積層化された細胞群についても飽和領域を含まないようにすることができ、細胞群の各細胞を適切に観察することができる。
表示制御部24は、細胞画像取得部21によって取得された位相差画像を表示装置30に表示させるものである。また、露光条件決定部22において決定された第1および第2の露光条件および図6および図7に示した推定された画像信号値SVなどを表示装置30に表示させるようにしてもよい。また、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が検出されたことをユーザに知らせる警告メッセージなどを表示装置30に表示させるようにしてもよい。
表示装置30は、細胞画像取得部21によって取得された位相差画像などを表示するものであり、たとえば液晶ディスプレイなどを備えたものである。また、表示装置30をタッチパネルによって構成し、入力装置40と兼用するようにしてもよい。
入力装置40は、マウスやキーボードなどを備えたものであり、ユーザによる種々の設定入力を受け付けるものである。本実施形態の入力装置40は、たとえば上述した初期露光条件の設定入力を受け付けるものである。
次に、本実施形態の細胞観察システム1の作用について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ユーザによって入力装置40を用いて初期露光条件が設定される(S10)。撮像制御部23は、初期露光条件に基づいて撮像部10を制御し、撮像部10によって撮像された第1の位相差画像が細胞画像取得部21によって取得される(S12)。
細胞画像取得部21によって取得された第1の位相差画像は露光条件決定部22によって取得され、露光条件決定部22は、第1の位相差画像に含まれる単層の細胞群を特定する(S14)。そして、露光条件決定部22は、単層の細胞群の第1の位相差画像に基づいて、単層の細胞群をより適切に撮像することができる第1の露光条件を決定する(S16)。
露光条件決定部22によって決定された第1の露光条件は撮像制御部23によって取得され、撮像制御部23は、第1の露光条件に基づいて撮像部10を制御し、撮像部10によって第2の位相差画像が撮像され、第2の位相差画像は細胞画像取得部21によって取得される(S18)。
細胞画像取得部21によって取得された第2の位相差画像は、露光条件決定部22に入力され、露光条件決定部22は、第2の位相差画像に含まれる細胞群を特定し、その特定した細胞群のうち、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定する。
そして、露光条件決定部22は、第2の位相差画像内に、検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が含まれている場合には、その細胞群の画像信号値に基づいて、第2の露光条件を決定する(S20,YES)。
具体的には、露光条件決定部22は、特定した細胞群の重心を通る長径を設定し、その長径上の画像信号値をプロットし、そのプロットした画像信号値に基づいて、上述したようにして飽和領域の画像信号値を推定し(S22)、その推定した飽和領域内の画像信号値を用いて、第2の露光条件を決定する(S24)。
露光条件決定部22によって決定された第2の露光条件は撮像制御部23によって取得され、撮像制御部23は、第2の露光条件に基づいて撮像部10を制御し、撮像部10によって第3の位相差画像が撮像され、第3の位相差画像は細胞画像取得部21によって取得される(S26)。細胞画像取得部21によって取得された第3の位相差画像は表示制御部24に出力され、表示制御部24は、第3の位相差画像を表示装置30に表示させる(S28)。
なお、第1の露光条件に基づいて撮像部10によって撮像された第2の位相差画像内に、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が含まれていない場合には(S20,NO)、第2の位相差画像が表示制御部24に出力され、表示制御部24は、第2の位相差画像を表示装置30に表示させる(S30)。
上記実施形態の細胞観察システム1によれば、複数の細胞を撮像した細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、撮像素子16の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、その特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、撮像素子16の第1の露光条件を決定する。次に、その第1の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行い、第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、撮像素子16の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、その特定した細胞群の画像に基づいて、撮像素子16の第2の露光条件を決定し、第2の露光条件に基づいて、複数の細胞の撮像を行う。したがって、撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群に適した第2の露光条件を設定することができるので、積層化された細胞群についても、飽和することなく適切な細胞画像を撮像することができる。
また、従来の自動露光制御のように、本撮影の前に、少なくとも3回の撮像を行う必要がないので、最終的な観察用の位相差画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態の細胞観察システム1において、第2の位相差画像において特定された細胞群内に、検出限界範囲を超えている領域が複数含まれる場合もある。具体的には、図10に示すように細胞群S4内に、検出限界範囲を超えている領域SR1と領域SR2とが含まれる場合がある。図11は、細胞群S4に設定された線分L上の画像信号値をプロットした図である。この場合には、露光条件決定部22は、上記と同様にガウス分布などを用いて領域SR1の画像信号値SV1と領域SR2の画像信号値SV2とをそれぞれ推定し、これらの推定された画像信号値SV1,SV2とに基づいて第2の露光条件を決定するようにすればよい。具体的には、たとえば画像信号値SV1および画像信号値SV2の両方の画像信号値の中の最大値が、撮像素子16の検出限界範囲の上限値LVの90%〜95%となる露光条件を第2の露光条件として決定するようにすればよい。また、領域SR1の画像信号値SV2、領域SR2の画像信号値SV2、および領域SR1と領域SR2以外の線分L上の画像信号の平均値が、検出限界範囲の上限値LVの40%〜60%となる露光条件を第2の露光条件として決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1において、第2の位相差画像内に、検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群が複数含まれる場合もある。このような場合には、露光条件決定部22は、特定した各細胞群の位相差画像に基づいて、各細胞群に対応する露光条件候補をそれぞれ決定し、その決定した複数の露光条件候補に基づいて、第2の露光条件を決定するようにすればよい。
より具体的には、露光条件決定部22は、各細胞群の画像信号値に基づいて、それぞれ飽和領域の画像信号値を推定し、その推定した画像信号値に基づいて、各細胞群について露光条件候補を決定する。そして、たとえば、その決定した複数の露光条件候補の平均値を第2の露光条件として決定するようにすればよい。また、複数の露光条件候補の平均値ではなく、最小値を用いるようにしてもよい。もしくは、複数の露光条件候補のうち、推定された飽和領域の画像信号値の最大値が最も大きい細胞群の画像に基づいて決定された露光条件候補を第2の露光条件として決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、第2の露光条件を決定する場合、検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を横切る線分として、細胞群の重心を通る長径を設定するようにしたが、これに限らず、たとえば検出限界範囲を超えている領域を検出し、その検出限界範囲の重心を通る線分を設定するようにしてもよい。なお、検出限界範囲を検出する方法としては、画像信号値が飽和レベルに達している領域を検出するようにすればよい。また、この場合も、検出限界範囲の重心を通る長径を設定することが好ましい。また、1つの細胞群の中に、検出限界範囲を超えている領域が複数存在する場合には、検出限界範囲の面積が最も大きい領域の重心を通る線分を設定することが好ましい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、第2の露光条件を決定する場合、1つの細胞群に対して一本の線分を設定するようにしたが、1本に限らず、複数本の線分を設定するようにしてもよい。その場合、各線分上の画像信号値をそれぞれプロットして、上記実施形態と同様に、各線分上の画像信号値に基づいて、それぞれ検出限界範囲を超えている領域の画像信号値を推定するようにすればよい。そして、上記実施形態と同様にして、各線分上の飽和領域を除く画像信号値および推定された画像信号値のうちの最大値または平均値に基づいて、第2の露光条件を決定するようにすればよい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、第2の露光条件を決定する場合、検出限界範囲を超えている領域について推定された画像信号値の最大値が、検出限界範囲の上限値の90%〜95%となる露光条件を第2の露光条件として決定するようにしたが、この上限値に対する比率については、検出限界範囲を超えている領域の面積に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、検出限界範囲を超えている領域の面積が小さいほど推定された画像信号値の推定精度が高くなるので、検出限界範囲を超えている領域の面積が小さいほど上限値に対する比率を大きくするようにしてもよい。具体的には、たとえば検出限界範囲を超えている領域の面積が予め設定された閾値以下である場合には、推定された画像信号値の最大値が、検出限界範囲の上限値の95%となる露光条件を第2の露光条件として決定し、検出限界範囲を超えている領域の面積が閾値未満である場合には、推定された画像信号値の最大値が、検出限界範囲の上限値の90%となる露光条件を第2の露光条件として決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、第2の露光条件に基づく撮像を1回だけ行うようにしたが、第2の露光条件に基づく撮像を複数回行って、その複数回の撮像によって取得された複数の第3の位相差画像を加算して表示させるようにしてもよい。これにより検出限界範囲を超えている領域以外の領域についても暗くなることなく明確に観察することができる。
また、上記実施形態の細胞観察システム1においては、撮像部10によって位相差画像を撮像するようにしたが、位相差画像に限らず、たとえば明視野画像、微分干渉画像または蛍光画像を細胞画像として撮像するものとしてもよい。
1 細胞観察システム
10 撮像部
11 白色光源
12 スリット板
13 対物レンズ
14 位相差レンズ
14a 対物レンズ
14b 位相板
15 結像レンズ
16 撮像素子
20 撮像制御装置
21 細胞画像取得部
22 露光条件決定部
23 撮像制御部
24 表示制御部
30 表示装置
40 入力装置
50 培養容器
51 ステージ

Claims (18)

  1. 複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像部と、
    該撮像部によって撮像された細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、該特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第1の露光条件を決定する露光条件決定部とを備え、
    前記撮像部が、前記第1の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行い、
    前記露光条件決定部が、前記第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、該特定した細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第2の露光条件を決定し、
    前記撮像部が、前記第2の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記露光条件決定部が、単層の細胞群を特定し、該特定した単層の細胞群の画像に基づいて、前記第1の露光条件を決定する請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記露光条件決定部が、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の画像に基づいて、前記検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを推定し、該推定した画像信号の大きさに基づいて、前記第2の露光条件を決定する請求項1または2記載の撮像装置。
  4. 前記露光条件決定部が、前記検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを、ガウス分布を用いて推定する請求項3記載の撮像装置。
  5. 前記露光条件決定部が、前記検出限界範囲を超えている領域の画像信号の大きさを、直線近似を用いて推定する請求項3記載の撮像装置。
  6. 前記露光条件決定部が、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の画像の画像信号のうちの前記検出限界範囲内の画像信号と前記推定した画像信号との平均値、分散値および最大値を取得し、前記平均値に前記分散値を加算した値と前記最大値との差が予め設定された範囲内である場合には、前記最大値に基づいて、前記第2の露光条件を決定し、前記差が前記予め設定された範囲外である場合には、前記平均値に分散値を加算した値に基づいて、前記第2の露光条件を決定する請求項3から5いずれか1項記載の撮像装置。
  7. 前記露光条件決定部が、前記検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を横切る線分を設定し、該線分上の画像信号に基づいて、前記第2の露光条件を決定する請求項3から6いずれか1項記載の撮像装置。
  8. 前記露光条件決定部が、前記検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群の長径を前記線分として設定する請求項7記載の撮像装置。
  9. 前記露光条件決定部が、前記検出限界範囲を超えている領域を検出し、該検出した一つの領域の重心を通過する前記線分を設定する7または8記載の撮像装置。
  10. 前記露光条件決定部が、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域が1つの細胞群に複数含まれる場合、該各領域について推定された画像信号に基づいて、前記撮像素子の複数の露光条件候補を決定し、該決定した複数の露光条件候補に基づいて、前記第2の露光条件を決定する請求項3から9いずれか1項記載の撮像装置。
  11. 前記露光条件決定部が、前記複数の露光条件候補の平均値を前記第2の露光条件として決定する請求項10記載の撮像装置。
  12. 前記露光条件決定部が、前記複数の露光条件候補のうち、前記推定された画像信号が最も大きい領域の画像信号に基づいて決定された露光条件候補を前記第2の露光条件として決定する請求項10記載の撮像装置。
  13. 前記露光条件決定部が、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を複数特定した場合、該特定した各細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の複数の露光条件候補を決定し、該決定した複数の露光条件候補に基づいて、前記第2の露光条件を決定する請求項3から9いずれか1項記載の撮像装置。
  14. 前記露光条件決定部が、前記複数の露光条件候補の平均値を前記第2の露光条件として決定する請求項13記載の撮像装置。
  15. 前記露光条件決定部が、前記複数の露光条件候補のうち、前記推定された画像信号が最も大きい細胞群の画像に基づいて決定された露光条件候補を前記第2の露光条件として決定する請求項13記載の撮像装置。
  16. 前記第1および第2の露光条件が、前記撮像素子の露光時間および入射光量のうちの少なくとも1つのである請求項1から15いずれか1項記載の撮像装置。
  17. 複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像方法であって、
    前記複数の細胞を撮像した細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、
    該特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第1の露光条件を決定し、
    該第1の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行い、
    前記第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、
    該特定した細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第2の露光条件を決定し、
    該第2の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする撮像方法。
  18. 複数の細胞を撮像素子によって撮像する撮像部を制御する撮像制御部と、前記撮像素子の露光条件を決定する露光条件決定部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、
    前記露光条件決定部が、前記撮像部によって撮像された細胞画像に含まれる細胞または細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲内で検出されている細胞または細胞群を特定し、該特定した細胞または細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第1の露光条件を決定し、
    前記撮像制御部が、前記撮像部を制御することによって、前記第1の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行い、
    前記露光条件決定部が、前記第1の露光条件に基づいて撮像された細胞画像に含まれる細胞群のうち、前記撮像素子の検出限界範囲を超えている領域を含む細胞群を特定し、該特定した細胞群の画像に基づいて、前記撮像素子の第2の露光条件を決定し、
    前記撮像制御部が、前記撮像部を制御することによって、前記第2の露光条件に基づいて、前記複数の細胞の撮像を行うことを特徴とする撮像制御プログラム。
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