JP2016206196A - 圧力センサ装置、圧力センサ方法及び記憶媒体 - Google Patents

圧力センサ装置、圧力センサ方法及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】時間の経過に伴うセンサ特性の変化を抑制することができる圧力センサ装置及び圧力センサ方法を提供する。【解決手段】圧力センサ装置10は、加えられる圧力に応じて電気抵抗が変化するよう構成された感圧導電体を有するセンサ部20と、感圧導電体の電気抵抗に関する情報が得られるようセンサ部に電圧を印加する第1処理、および、センサ部に電圧を印加する第2処理を実施する制御部50と、を備えている。第1処理の際、制御部は、感圧導電体に印加される電圧が第1電圧になるよう、センサ部に電圧を印加する。第2処理の際、制御部は、感圧導電体に印加される電圧が、第1電圧とは反対の向きの第2電圧になるよう、センサ部に電圧を印加する。【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、圧力を検出する圧力センサ装置及び圧力センサ方法に関する。また、本開示の実施形態は、圧力センサ方法を実行するためのプログラムが記憶された記憶媒体に関する。
従来、感圧導電体を利用した圧力センサ装置が知られている。感圧導電体とは、加えられる圧力に応じて、圧力が加えられる方向における電気抵抗が変化するよう構成された感圧体のことである。感圧導電体は例えば、シリコーンゴムなどのゴムと、ゴムに添加されたカーボンなどの導電性を有する複数の粒子と、を含んでいる。この場合、感圧導電体に圧力が加えられると、ゴムの部分が歪み、歪んだ部分において粒子同士が接触する。このため、接触状態にある粒子の数が増加し、この結果、感圧導電体の電気抵抗が低下する。すなわち、感圧導電体に加えられる圧力と、感圧導電体の電気抵抗との間には、圧力が増加すると電気抵抗が低下するという関係が存在する。従って、感圧導電体の電気抵抗の測定結果に基づいて、感圧導電体に加えられている圧力の値や分布を算出することができる。
ところで、感圧導電体には、感圧導電体に加えられる圧力と感圧導電体の電気抵抗との間の関係が時間の経過とともに変化する、という課題が存在することが知られている。例えば特許文献1には、一定の圧力を感圧導電体に加え続けた場合に、ゴムのクリープ特性により、感圧導電体の電気抵抗が時間の経過とともに変化するという課題が記載されている。従って、感圧導電体を利用して圧力の値を正確に算出するためには、感圧導電体の特性の変化を考慮して圧力の値を補正することや、感圧導電体の特性の変化自体を抑制することが求められる。例えば特許文献1においては、感圧導電体を二層設け、各層に流れる電流の差分に基づいた補正を実施して、感圧導電体に加えられる圧力を算出することが提案されている。また特許文献2においては、感圧導電体の周囲にスペーサーを配置することにより、感圧導電体の特性の変化を抑制することが提案されている。
特開2013−140137号公報 特開昭62−197729号公報
上述の特許文献1や特許文献2において提案されている方法は、感圧導電体の層の追加や、スペーサーの追加など、圧力センサ装置の構造の複雑化を伴う。また特許文献1において提案されている方法は、圧力の値を算出するためのデータ解析の複雑化をさらに伴う。
本開示の実施形態は、このような点を考慮してなされたものであり、時間の経過に伴うセンサ特性の変化を抑制することができる圧力センサ装置及び圧力センサ方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、圧力センサ装置であって、加えられる圧力に応じて電気抵抗が変化するよう構成された感圧導電体を有するセンサ部と、前記感圧導電体の電気抵抗に関する情報が得られるよう前記センサ部に電圧を印加する第1処理、および、前記センサ部に電圧を印加する第2処理を実施する制御部と、を備え、前記第1処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体に印加される電圧が第1電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加し、前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体に印加される電圧が、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加する、圧力センサ装置である。
本開示の一実施形態による圧力センサ装置において、前記感圧導電体は、複数の単位領域に区画され、前記センサ部および前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域の電気抵抗に関する情報をそれぞれ得ることができるよう構成されていてもよい。
本開示の一実施形態による圧力センサ装置において、前記センサ部は、前記感圧導電体の対応する前記単位領域にそれぞれ電気的に接続された複数のトランジスタを有していてもよい。
本開示の一実施形態による圧力センサ装置において、前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域に印加される電圧が同時に、前記第1電圧とは反対の向きの前記第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加してもよい。
本開示の一実施形態による圧力センサ装置において、前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域に印加される電圧が順に、前記第1電圧とは反対の向きの前記第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加してもよい。
本開示の一実施形態による圧力センサ装置において、前記センサ部は、前記感圧導電体に接する第1電極および第2電極を有し、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方は、導電性炭素材料を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態は、感圧導電体に加えられる圧力を検出する圧力センサ方法であって、前記感圧導電体に第1電圧を印加したときの前記感圧導電体の電気抵抗に基づいて、前記感圧導電体に加えられる圧力を算出する第1処理工程と、前記感圧導電体に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧を印加する第2処理工程と、を備える、圧力センサ方法である。
本開示の一実施形態は、感圧導電体に加えられる圧力を検出する圧力センサ方法を実行するためのプログラムが記憶された、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体であって、前記圧力センサ方法は、前記感圧導電体に第1電圧を印加したときの前記感圧導電体の電気抵抗に基づいて、前記感圧導電体に加えられる圧力を算出する第1処理工程と、前記感圧導電体に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧を印加する第2処理工程と、を備える、記憶媒体である。
本開示の実施形態の圧力センサ装置によれば、時間の経過に伴うセンサ特性の変化を抑制することができる。
図1は、本開示の実施の形態における圧力センサ装置を示す平面図。 図2は、圧力センサ装置のセンサ部を示す平面図。 図3は、図1に示す圧力センサ装置のセンサ部をIII−III方向において切断した場合を示す断面図。 図4は、図3に示すセンサ部のトランジスタを拡大して示す図。 図5は、トランジスタの一変形例を示す断面図。 図6は、センサ部のトランジスタおよび感圧導電体を示す回路図。 図7は、ワードラインW1〜Wmに順にパルスが印加される様子を示すタイミング図。 図8は、本開示の実施の形態における圧力センサ装置の制御方法の一例を示すタイミング図。 図9は、導電性炭素材料を含む電極を介して感圧導電体に電圧を印加した場合に、感圧導電体に流れる電流を測定した結果を示す図。 図10は、アルミニウムを含む電極を介して感圧導電体に電圧を印加した場合に、感圧導電体に流れる電流を測定した結果を示す図。 図11は、トランジスタの一変形例を示す断面図。 図12は、トランジスタの一変形例を示す断面図。 図13は、第1の変形例において、ワードラインW1〜Wmに順にパルスが印加される様子を示すタイミング図。 図14は、第1の変形例における圧力センサ装置の制御方法の一例を示すタイミング図。
以下、図1乃至図8を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「基材」や「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基材」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「面」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(圧力センサ装置)
はじめに図1を参照して、圧力センサ装置10全体について説明する。図1に示すように、圧力センサ装置10は、感圧導電体38を有するセンサ部20と、ケーブル45を介してセンサ部20に電気的に接続された制御部50と、を備えている。制御部50は、感圧導電体38の電気抵抗に関する情報が得られるようセンサ部20に電圧を印加する第1処理を実施するよう構成された部分である。また制御部50は、第1処理に加えて、第1処理の場合とは反対の向きの電圧をセンサ部20に印加する第2処理を実施することができるよう構成されている。以下の説明においては、第1処理をセンサ処理と称し、第2処理をリセット処理と称する。
制御部50は、演算装置及び記憶媒体を含む。演算装置は、例えばCPUである。記憶媒体は、例えばROMやRAMなどのメモリーである。制御部50は、記憶媒体に記憶されたプログラムを演算装置が実行することによって、センサ処理及びリセット処理を実施する。
圧力センサ装置10の用途は特には限られないが、例えば用途の1つとして、圧力センサ装置10をベッドなどの人体の荷重を受ける器具に組み込んで使用することが考えられる。
(センサ部)
次に図1乃至図3を参照して、センサ部20について説明する。図2は、感圧導電体38や後述する第2電極39など、後述するトランジスタ30に重ねられた部材が便宜的に省略された状態のセンサ部20を示す平面図である。また図3は、図1に示す圧力センサ装置10のセンサ部20をIII−III方向において切断した場合を示す断面図である。
図1および図3に示すように、センサ部20は、第1面38aおよび第2面38bを含む感圧導電体38を有している。感圧導電体38は、感圧導電体38に加えられる圧力に応じて、圧力が加えられた方向における感圧導電体38の電気抵抗値が変化するよう構成されたものである。感圧導電体38は例えば、シリコーンゴムなどのゴムと、ゴムに添加されたカーボンなどの導電性を有する複数の粒子と、を含んでいる。図3において、感圧導電体38の面のうちトランジスタ30側に位置する面が符号38aで表され、第1面38aの反対側に位置し、外力Fが加えられる側の面が符号38bで表されている。なお、センサ部20に加えられる外力Fに応じて感圧導電体38の電気抵抗が有意に変化する限りにおいて、第1面38aおよび第2面38bの具体的な形状が特に限られることはない。例えば第1面38aおよび第2面38bには、凹凸や湾曲が存在していてもよい。
好ましくは、感圧導電体38は、第1面38aおよび第2面38bが広がる方向において、複数の単位領域38eに区画されている。これによって、センサ部20に加えられている圧力を複数の位置で個別に算出することができ、従って、センサ部20に加えられる外力Fの圧力分布を算出することが可能になる。なお「区画」とは、感圧導電体38の複数の単位領域38eの電気抵抗に関する情報をそれぞれ個別に得ることができるよう、センサ部20および制御部50が構成されていることを意味している。例えばセンサ部20は、図1乃至図3に示すように、基材21と、基材21上に形成された複数のトランジスタ30と、を有している。複数のトランジスタ30は、感圧導電体38の対応する単位領域38eにそれぞれ電気的に接続されている。このため、例えば、複数のトランジスタ30に流れる電流をそれぞれ個別に測定することにより、トランジスタ30に電気的に接続されている単位領域38eの電気抵抗をそれぞれ個別に測定することができる。
複数の単位領域38eの電気抵抗に関する情報をそれぞれ個別に得ることができる限りにおいて、単位領域38eの構造が特に限られることはない。例えば図3に示すように、隣接する2つの単位領域38eが繋がっていてもよい。言い換えると、感圧導電体38は、複数のトランジスタ30に跨って連続的に設けられていてもよい。若しくは、図示はしないが、隣接する2つの単位領域38eが物理的に分離されていてもよい。
平面視におけるセンサ部20の構成についてさらに説明する。図1および図2に示すように、センサ部20は、基材21の外縁に沿って並べられ、トランジスタ30に電気的に接続された複数の端子部24をさらに有していてもよい。また図1および図2に示すように、基材21は、第1方向D1に沿って延びる一対の第1辺22aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる一対の第2辺22bと、を含む矩形状の外形を有していてもよい。この場合、複数のトランジスタ30は、第1方向D1および第2方向D2に沿ってマトリクス状に配置されていてもよい。
図1および図2において、符号W1〜Wmが付された点線は、各トランジスタ30を順にオン状態にするための制御信号を伝達するために設けられたワードラインを表している。ワードラインW1〜Wmはそれぞれ、第1方向D1に沿って並ぶ複数のトランジスタ30の後述するゲート端子31に電気的に接続されている。例えばワードラインW1は、図1および図2の紙面において最も下側に位置付けられ、第1方向D1に沿って並ぶ複数のトランジスタ30のゲート端子31に電気的に接続されている。このため、トランジスタ30が例えばP型である場合、トランジスタ30の後述する第1端子33または第2端子34に対するゲート端子31の電圧が負になるようにワードラインW1に電圧を印加することにより、ワードラインW1に接続された複数のトランジスタ30を同時にオン状態にすることができる。
図1および図2において、符号B1〜Bnが付された点線は、各トランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eの電気抵抗に関する情報を含む検出信号を伝達するために設けられたビットラインを表している。ビットラインB1〜Bnはそれぞれ、第2方向D2に沿って並ぶ複数のトランジスタ30の第1端子33に電気的に接続されている。例えばビットラインB1は、図1および図2の紙面において最も左側に位置付けられ、第2方向D2に沿って並ぶ複数のトランジスタ30の第1端子33に電気的に接続されている。この場合、ビットラインB1には、ビットラインB1に接続された複数のトランジスタ30のうち、ワードラインW1〜Wmからの制御信号によってオン状態になっている1つのトランジスタ30から取り出された検出信号が伝達される。後述するように、圧力を検出するセンサ処理において、検出信号は、感圧導電体38の単位領域38eを流れる第1電流の電流値であってもよい。
図1および図2に示すセンサ部20によれば、ワードラインW1〜WmやビットラインB1〜Bnの本数がトランジスタ30の数よりも少ない場合であっても、ビットラインB1〜BnとワードラインW1〜Wmとをマトリクス状に配置することにより、任意のトランジスタ30からの検出信号を取り出すことができる。このため、基材21に設けられるラインの本数を削減することができる。図1および図2に示すように、ビットラインB1〜BnおよびワードラインW1〜Wmはそれぞれ、対応する端子部24に接続されている。また上述のケーブル45も、対応する端子部24に接続されている。
トランジスタ30や端子部24を適切に支持することができる限りにおいて、基材21を構成する材料が特に限られることはない。例えば基材21は、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよく、可撓性を有しないリジット基板であってもよい。
次に図4を参照して、トランジスタ30について詳細に説明する。図4は、図3に示すセンサ部20の複数のトランジスタ30のうちの1つおよびその周辺の構成要素を拡大して示す断面図である。
図4に示すように、トランジスタ30は、基材21上に設けられたゲート端子31と、ゲート端子31を覆うよう基材21上に設けられたゲート絶縁膜32と、ゲート絶縁膜32上に設けられた半導体層35と、半導体層35の一端に接続された第1端子33と、半導体層35の他端に接続された第2端子34と、を含んでいる。第1端子33および第2端子34は、ゲート端子31との間の電圧に応じて、一方がいわゆるソース端子として機能し、他方がいわゆるドレイン端子として機能する。また、第1端子33、第2端子34および半導体層35を覆うように絶縁層36が設けられている。また絶縁層36上には、導電性を有する第1電極37が設けられており、この第1電極37は、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aを介して第2端子34に電気的に接続されている。図4に示す例においては、貫通孔36aが第2端子34上に形成されており、この貫通孔36aを介して第2端子34と第1電極37とが電気的に接続されている。第1電極37は、第2端子34が位置する側とは反対側において、感圧導電体38の第1面38aに接している。なお第1電極37は、貫通孔36a内の全域に充填されていてもよく、若しくは貫通孔36aの壁面上にのみ設けられていてもよい。
ゲート端子31、ゲート絶縁膜32、第1端子33、第2端子34や絶縁層36を構成する材料としては、トランジスタにおいて用いられる公知の材料が用いられる。例えば、特開2010−79196号公報において開示されている材料を用いることができる。
半導体層35を構成する材料としては、無機半導体材料または有機半導体材料のいずれが用いられてもよいが、好ましくは有機半導体材料が用いられる。有機半導体材料は一般に、無機半導体材料に比べて低い温度で基材上に形成され得る。このため、トランジスタ30を支持する基材21を構成する材料として、可撓性を有するプラスチックなどの材料を利用することができる。このことにより、機械的衝撃に対する安定性を有し、かつ軽量なトランジスタシートを提供することが可能となる。また、印刷法等の塗布プロセスを用いて有機半導体材料を基材21上に形成することができるので、無機半導体材料が用いられる場合に比べて、多数の有機トランジスタを基材21上に効率的に形成することが可能となる。このため、トランジスタシートの製造コストを低くすることができる可能性がある。
有機半導体材料としては、ペンタセン等の低分子有機半導体材料や、ポリピロール類等の高分子有機半導体材料が用いられ得る。より具体的には、特開2013−21190号公報において開示されている低分子系有機半導体材料や高分子有機半導体材料を用いることができる。ここで「低分子有機半導体材料」とは、例えば、分子量が10000未満の有機半導体材料を意味している。また「高分子有機半導体材料」とは、例えば、分子量が10000以上の有機半導体材料を意味している。
図3および図4に示すように、感圧導電体38の第2面38b上には、導電性を有する第2電極39が設けられている。第2電極39上には、第2電極39を被覆する被覆層40が設けられていてもよい。被覆層40は、トランジスタ30や感圧導電体38に積層される前の第2電極39を支持するための支持体として機能するものであってもよい。被覆層40を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料を用いることができる。
感圧導電体38と同様に、第2電極39および基材層46は、複数のトランジスタ30に跨って連続的に設けられていてもよい。この場合、第2電極39および基材層46は、複数のトランジスタ30において共通に使用される。
第1電極37および第2電極39を構成する材料としては、好ましくは、ゴムを含む感圧導電体38に対して効率的に荷電粒子を注入し、またはゴムを含む感圧導電体38から効率的に荷電粒子を取り出すことができる材料が用いられる。このような材料の例として、例えば後述する実施例によって支持されるように、導電性炭素材料を挙げることができる。導電性炭素材料としては、グラファイト構造またはそれに類似する構造を有するもの、例えばカーボンブラックなどを用いることができる。これによって、感圧導電体38の第1面38aと第1電極37との間の界面、および、感圧導電体38の第2面38bと第2電極39との間の界面に電荷が蓄積されることを抑制することができる。このことは、後述するように、感圧導電体38の電気抵抗を測定する際に生じ得る測定誤差を低減することができる。
なお上述の図3および図4においては、トランジスタ30がいわゆるボトムゲート型となっている例を示した。しかしながら、トランジスタ30のタイプがボトムゲート型に限られることはない。例えば図5に示すように、トランジスタ30は、ゲート端子31が第1端子33、第2端子34および半導体層35よりも基材21から遠い位置に配置される、いわゆるトップゲート型となっていてもよい。
図6は、センサ部20のトランジスタ30および感圧導電体38を示す回路図である。以下の説明においては、図6に示すように、ゲート端子31がワードラインWiに電気的に接続され、第1端子33がビットラインBjに電気的に接続されたトランジスタ30のことを、トランジスタ30_ijとも表す。また、トランジスタ30_ijの第2端子34に電気的に接続された感圧導電体38の単位領域38eのことを、単位領域38e_ijとも表す。ここでiは、1〜mの範囲内の任意の整数であり、またjは、1〜nの範囲内の任意の整数である。
図6においては、第2電極39が接地電位に接続される例が示されているが、第2電極39の電位が安定なものである限り、第2電極39の電位の具体的な値が特に限られることはない。例えば第2電極39は電源電位に接続されていてもよい。また変形例として後述するように、第2電極39の電位が可変であってもよい。
次に、このような構成からなる圧力センサ装置10の制御方法について説明する。はじめに、感圧導電体38の複数の単位領域38eの電気抵抗に関する情報がそれぞれ得られるよう、制御部50を用いてセンサ部20に電圧を印加するセンサ処理S10について説明する。
(センサ処理)
センサ処理S10においては、マトリクス状に配置された複数のトランジスタ30を順にオン状態にするよう、制御部50がワードラインW1〜Wmに電圧を印加する。例えば、トランジスタ30がP型であり、第2端子34の電位が0Vである場合、図7に示すように、負の第1ワード電位V1wを有するパルスをワードラインW1〜Wmに順に印加する。これによって、第2端子34に対するゲート端子31の電圧が順に負になり、トランジスタ30が順にオン状態になる。このようにセンサ処理S10においては、第2端子34がソース端子として機能し、第1端子33がドレイン端子として機能する。
パルスの幅は、ワードラインの本数およびセンサ処理S10が実施される期間に応じて適切に定められる。例えば、ワードラインの本数が256であり、センサ処理S10が実施される期間が10msである場合、パルスの幅が約37μsに設定される。第1ワード電位V1wの値は、トランジスタ30の特性に応じて適切に定められる。例えば、第1ワード電位V1wは−20Vに設定され得る。図7および図8において、符号VOFFは、トランジスタ30をオフ状態にする際にワードラインに印加される電位を表している。
センサ処理S10の間、図7に示すように、ビットラインB1〜Bnの電位は、制御部50によって負の第1ビット電位V1Bに制御される。この場合、ビットラインB1〜Bn、オン状態のトランジスタ30、およびオン状態のトランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eには、単位領域38eの電気抵抗に応じた電流が、感圧導電体38の第2面38b側から第1面38a側に向かって流れる。ここでは、感圧導電体38の第2面38b側から第1面38a側に向かう電流および電圧を、負の電流および電圧と表現する。従って、反対に感圧導電体38の第1面38a側から第2面38b側に向かう電流および電圧は、正の電流および電圧と表現される。第1ビット電位V1Bは、例えば−20Vに設定され得る。
図8は、ワードラインWiの電位、ビットラインBjの電位、および、ワードラインWiに接続されたゲート端子31とビットラインBjに接続された第1端子33とを有するトランジスタ30_ijの第2端子34に接続された感圧導電体38の単位領域38e_ijに印加される電圧、を示すタイミング図である。また図8には、ビットラインBjに流れる電流も併せて示されている。
センサ処理S10の際、負の第1ワード電位V1wを有するパルスがワードラインWiに印加されると、トランジスタ30_ijがオン状態になる。この結果、図8に示すように、負の第1ワード電位V1wを有するパルスがワードラインWiに印加されている間、トランジスタ30_ijに接続された感圧導電体38の単位領域38e_ijに、負の第1電圧Eが印加される。ビットラインBjにおいて、単位領域38e_ij以外の負荷をほぼ無視でき、かつ第2電極39の電位が0Vである場合、単位領域38e_ijに印加される負の第1電圧Eは、上述の第1ビット電位V1Bにほぼ等しくなる。
ビットラインBjには、負の第1電圧Eに応じて負の第1電流I1(ij)が流れる。なおビットラインBjにはトランジスタ30_1j〜30_njが接続されており、各トランジスタ30_1j〜30_njは順にオン状態になる。従って、センサ処理S10の間にビットラインBjに流れる電流は負の第1電流I1(ij)だけではない。図8に示すように、センサ処理S10の間、ビットラインBjには、各トランジスタ30_1j〜30_njおよび対応する感圧導電体38の単位領域38e_1j〜38e_njを通る負の第1電流I1(1j)〜I1(nj)が順に流れる。
ビットラインBjに流れる電流を測定する方法が特に限られることはなく、公知の方法が適宜用いられ得る。例えば、既知の電気抵抗を有するシャント抵抗をビットラインBjに挿入し、シャント抵抗の端子間電圧を測定することにより、ビットラインBjに流れる電流を測定することができる。
感圧導電体38の単位領域38e_ijに印加される負の第1電圧Eと、ビットラインBjに流れる負の第1電流I1(ij)とに基づいて、感圧導電体38の単位領域38e_ijの電気抵抗を算出することができる。そして、単位領域38e_ijの電気抵抗に関する情報に基づいて、単位領域38e_ijに加えられている圧力を算出することができる。このようにして、感圧導電体38の複数の単位領域38eに加えられている圧力を順に算出することにより、センサ部20に加えられる外力Fの圧力分布を算出することができる。
ところでセンサ処理S10においては、図8に示すように、感圧導電体38に電流が流れる際に感圧導電体38に印加される電圧の向きは、常に負である。従ってセンサ処理S10の際、感圧導電体38には、第2面38bから第1面38aへの向きにのみ電流が流れる。すなわち、センサ処理S10の際に感圧導電体38に流れる電流の向きは、一方向のみである。発明者らが鋭意研究を重ねたところ、上述のゴムのクリープ特性以外にも、感圧導電体38に流れる電流の向きが一方向のみであることが、感圧導電体に加えられる圧力と、感圧導電体の電気抵抗との間の関係の、時間の経過に伴う変化を生じさせ得ることを見出した。
感圧導電体38に流れる電流の向きが一方向のみである場合に、感圧導電体に加えられる圧力と感圧導電体の電気抵抗との間の関係が時間の経過とともに変化する理由は、特には限定されないが、例えば次のような理由が考えられる。
第1の理由として、感圧導電体38の第1面38aと第1電極37との間の界面、および、感圧導電体38の第2面38bと第2電極39との間の界面に蓄積される電荷の影響が考えられる。例えば、電荷の蓄積量が時間の経過とともに変化し、これによって、電荷に基づいて生成される電界も時間の経過とともに変化すると仮定する。この場合、感圧導電体38に印加される電圧と、ビットラインに流れる電流との関係が、時間の経過とともに変化し、この結果、感圧導電体38に加えられる圧力と感圧導電体38の電気抵抗との間の関係も、時間の経過とともに変化すると考えらえる。
第2の理由として、感圧導電体38の内部において、導電性を有する複数の粒子が互いに接している部分とその周囲のゴムの部分との間の界面に蓄積される電荷の影響が考えられる。この場合も、上述の第1の理由の場合と同様に、電荷の蓄積量が時間の経過とともに変化することによって、感圧導電体に加えられる圧力と感圧導電体の電気抵抗との間の関係が、時間の経過とともに変化すると考えらえる。
このような背景のもと、本実施の形態においては、制御部50が、センサ処理S10の前または後にリセット処理S20をさらに実施することを提案する。以下、リセット処理S20について説明する。ここでは図7および図8に示すように、センサ処理S10の後にリセット処理S20を実施する例について説明する。
(リセット処理)
リセット処理S20は、感圧導電体38に印加される電圧が第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eになるようセンサ部20に電圧を印加する処理である。例えば、第1電圧Eが負の電圧である場合、図7および図8に示すように、リセット処理S20の際、制御部50は、正の第2電圧Eを感圧導電体38に印加する。具体的には、リセット処理S20の際のビットラインの第2ビット電位V2Bに対する、ワードラインの第2ワード電位V2wが負になり、これによって第1端子33に対するゲート端子31の電圧が負になり、この結果、トランジスタ30がオン状態になるよう、制御部50がセンサ部20に電圧を印加する。これによって、感圧導電体38に正の第2電圧Eが印加され、この結果、感圧導電体38に正の第2電流が流れるようになる。このようにリセット処理S20においては、ビットラインに接続されている第1端子33がソース端子として機能し、第2端子34がドレイン端子として機能する。感圧導電体38に正の第2電圧Eが印加される期間tは、例えば100μsに設定される。なお、感圧導電体38の単位領域38eの電気的な状態の偏りを解消させるという点から考えると、感圧導電体38の単位領域38eに正の第2電圧Eが印加される期間tは、感圧導電体38の単位領域38eに負の第1電圧Eが印加される期間と同程度であることが好ましい。一方、複数の単位領域38eに同時に正の第2電圧Eを印加する場合、単位領域38eに正の第2電圧Eを印加する期間を、単位領域38eに負の第1電圧Eを印加する期間と同程度にすると、複数の単位領域38eに電圧を印加することに起因する電流容量や負荷の増加のため、トランジスタ30が十分にオン状態にならず、このため複数の単位領域38eに十分に正の電圧を印加することができない可能性がある。この場合、単位領域38eに正の第2電圧Eを印加する期間は、単位領域38eに負の第1電圧Eを印加する期間よりも長い期間であって、かつ単位領域38eの電気的な状態の偏りを解消することができる最小の期間に設定されることが好ましい。
リセット処理S20が実施された後には、図7および図8に示すように、再びセンサ処理S10が実施される。
なお図7および図8においては、センサ処理S10を実施した後、一定の時間が経過してから、感圧導電体38に正の第2電圧Eを印加する例が示されているが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、センサ処理S10を実施した直後に、感圧導電体38に正の第2電圧Eを印加してもよい。また図7および図8においては、感圧導電体38に対して正の第2電圧Eを所定の期間にわたって印加した後、一定の時間が経過してから、センサ処理S10を再び実施する例が示されているが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、感圧導電体38に対して正の第2電圧Eを所定の期間にわたって印加した直後に、センサ処理S10を再び実施してもよい。
リセット処理S20の際のワードラインの第2ワード電位V2wの値は、ビットラインに第2ビット電位V2Bが印加されているときに、対応するトランジスタ30がオン状態になるよう、設定されている。例えば図7および図8に示すように、リセット処理S20の際にビットラインに正の第2ビット電位V2Bが印加される場合、ワードラインの第2ワード電位V2wは0Vに設定され得る。
なお図7および図8においては、リセット処理S20の間、制御部50が、全てのワードラインW1〜Wmに第2ワード電位V2wを常に印加する例が示されている。この場合、感圧導電体38の複数の単位領域38eに印加される電圧が同時に、第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eになる。この結果、例えばビットラインBjに流れる正の第2電流I2(j)は、図8に示すように、ビットラインBjに接続されている複数のトランジスタ30_1j〜30_njおよび対応する感圧導電体38の単位領域38e_1j〜38e_njを通る電流の総和になる。
本実施の形態によれば、上述のリセット処理S20を実施することにより、センサ処理S10の際に感圧導電体38に印加される第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eを、感圧導電体38に印加することができる。このため、このようなリセット処理S20が実施されない場合に比べて、感圧導電体38の電気的な状態に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。例えば、感圧導電体38の第1面38aと第1電極37との界面、第2面38bと第2電極39との間の界面や、感圧導電体38の内部に形成され得る界面に電荷が蓄積されてしまうことを抑制することができる。これによって、感圧導電体38に加えられる圧力と、感圧導電体38の電気抵抗との間の関係が、時間の経過とともに変化しまうことを抑制することができる。このため本実施の形態によれば、簡易な構造やデータ解析を採用しながら、圧力センサ装置10によって測定される圧力の精度が、時間の経過とともに劣化してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の図7および図8においては、リセット処理S20の際、制御部50は、感圧導電体38の複数の単位領域38eに印加される電圧が同時に、第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eになるよう、センサ部20に電圧を印加する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、リセット処理S20の際、制御部50は、感圧導電体38の複数の単位領域38eに印加される電圧が順に、第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eになるよう、センサ部20に電圧を印加してもよい。例えば、制御部50は、ビットラインB1〜Bnに第2ビット電位V2Bが印加されている間に、トランジスタ30をオン状態にするための第2ワード電位V2wを有するパルスをワードラインW1〜Wmに順に印加してもよい。この場合、ワードラインW1〜Wmに接続されたトランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eに、順に正の第2電圧Eが印加され、順に正の第2電流が流れるようになる。従って、例えばビットラインBjには、ビットラインBjに接続されている複数のトランジスタ30_1j〜30_njおよび対応する感圧導電体38の単位領域38e_1j〜38e_njを通る正の電流が順に流れる。このため本変形例によれば、上述の本実施の形態の場合に比べて、リセット処理S20の際に各ビットラインに流れる電流の最大値を小さくすることができる。従って、各ビットラインのために制御部50が用意すべき電流容量を小さくすることができる。
一方、上述の本実施の形態においては、例えばビットラインBjに接続されている複数のトランジスタ30_1j〜30_njおよび対応する感圧導電体38の単位領域38e_1j〜38e_njに同時に正の電流を流すことができる。すなわち、感圧導電体38の電気的な状態の偏りを解消させるための工程を、複数の単位領域38eに対して同時に実施することができる。このため、上述の本実施の形態によれば、リセット処理S20において複数の単位領域38e全てに正の電流を流すために要する時間を、上述の第1の変形例の場合に比べて短くすることができる。
以下、制御部50が、リセット処理S20の際、感圧導電体38の複数の単位領域38eに印加される電圧が順に第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eになるよう、センサ部20に電圧を印加する例について、図13及び図14を参照して説明する。本変形例においては、第2電極39の電位が可変である。例えば、制御部50は、ワードラインW1〜Wm及びビットラインB1〜Bnに加えて、第2電極39の電位を制御する。
はじめに、本変形例におけるセンサ処理S10について説明する。センサ処理S10においては、上述の本実施の形態の場合と同様に、図7に示すように、制御部50は、負の第1ワード電位V1wを有するパルスをワードラインW1〜Wmに順に印加する。また、制御部50は、ビットラインB1〜Bnの電位を第1ビット電位V1Bに制御し、第2電極39の電位を第1共通電位V1Cに制御する。第1ワード電位V1w、第1ビット電位V1B、及び第1共通電位V1Cは、第1ワード電位V1wを有するパルスを印加されたトランジスタ30がオン状態になるよう、設定される。例えば、第1ワード電位V1wは−20Vであり、第1ビット電位V1Bは−10Vであり、第1共通電位V1Cは0Vである。
センサ処理S10においては、第1ワード電位V1wを有するパルスを印加されたトランジスタ30において、感圧導電体38を介して第2電極39に接続されている第2端子34に対するゲート端子31の電圧が負になり、トランジスタ30がオン状態になる。このようにセンサ処理S10においては、第2端子34がソース端子として機能し、第1端子33がドレイン端子として機能する。センサ処理S10において、オン状態のトランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eには、図14に示すように、負の第1電圧Eが印加される。
次に、本変形例におけるリセット処理S20について説明する。リセット処理S20において、制御部50は、図13に示すように、負の第2ワード電位V2wを有するパルスをワードラインW1〜Wmに順に印加する。また、制御部50は、ビットラインB1〜Bnの電位を第1ビット電位V2Bに制御し、第2電極39の電位を第2共通電位V2Cに制御する。第2ワード電位V2w、第2ビット電位V2B、及び第2共通電位V2Cは、第2ワード電位V2wを有するパルスを印加されたトランジスタ30がオン状態になり、且つ、オン状態のトランジスタ30に、センサ処理S10の時とは反対の向きの電流が流れるよう、設定される。例えば、第2ワード電位V2wは−20Vであり、第1ビット電位V1Bは−10Vであり、第1共通電位V1Cは−20Vである。
リセット処理S20においては、第2ワード電位V2wを有するパルスを印加されたトランジスタ30において、ビットラインB1〜Bnに接続されている第1端子33に対するゲート端子31の電圧が負になり、トランジスタ30がオン状態になる。このようにリセット処理S20においては、第1端子33がソース端子として機能し、第2端子34がドレイン端子として機能する。リセット処理S20において、オン状態のトランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eには、図14に示すように、正の第2電圧Eが印加される。このように、センサ処理S10の際に感圧導電体38に印加される第1電圧Eとは反対の向きの第2電圧Eを感圧導電体38に印加することにより、感圧導電体38の電気的な状態に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
本変形例におけるリセット処理S20においては、ワードラインW1〜Wmに接続されたトランジスタ30に接続された感圧導電体38の単位領域38eに、順に正の第2電圧Eが印加され、順に正の第2電流が流れる。このため、図14に示すように、例えばビットラインBjには、ビットラインBjに接続されている複数のトランジスタ30_1j〜30_njおよび対応する感圧導電体38の単位領域38e_1j〜38e_njを通る正の電流が順に流れる。このため、本変形例によれば、上述の本実施の形態の場合に比べて、リセット処理S20の際に各ビットラインに流れる電流の最大値を小さくすることができる。従って、各ビットラインのために制御部50が用意すべき電流容量を小さくすることができる。なお、図14においては、リセット処理S20の間、複数のトランジスタ30_1j〜30_njを通る正の電流がビットラインBjに順に流れた結果、ビットラインBjにほぼ一定の電流が連続的に流れる様子が示されている。
なお、上述の変形例においては、複数のワードラインW1〜Wmの1つずつに負の第2ワード電位V2wを有するパルスを順に印加する例を示したが、これに限られることはない。例えば、複数のワードラインに同時に負の第2ワード電位V2wを有するパルスを印加してもよい。具体的には、はじめに、ワードラインW1及びワードラインW2に同時に負の第2ワード電位V2wを有するパルスを印加し、次に、ワードラインW3及びワードラインW4に同時に負の第2ワード電位V2wを有するパルスを印加してもよい。この場合、2本のワードラインWによって制御されるトランジスタ30に接続されている感圧導電体38の複数の単位領域38eを1つの単位として、感圧導電体38の単位領域38eに対するリセット処理が順に実施される。このように、感圧導電体38の複数の単位領域38eのうち同時にリセット処理が実施される単位領域38eの数は任意である。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態においては、感圧導電体38の複数の単位領域38eの電気抵抗を、1つの単位領域38eに対して少なくとも1つ設けられたトランジスタ30を用いてそれぞれ個別に測定する例を示した。すなわち、いわゆるアクティブマトリクス方式が採用される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、感圧導電体38の複数の単位領域38eの電気抵抗をそれぞれ個別に測定する方法として、いわゆるパッシブマトリクス方式が採用されてもよい。
(第3の変形例)
上述の本実施の形態においては、感圧導電体38が複数の単位領域38eに区画されている例を示したが、これに限られることはない。例えば、感圧導電体38全体に対して1つのトランジスタ30のみが接続されていてもよい。この場合であっても、上述のリセット処理S20を実施することにより、感圧導電体38の電気的な状態に偏りが生じてしまうことを抑制することができる。
(その他の変形例)
上述の本実施の形態においては、センサ部20を制御する制御部50が、ケーブル45を介してセンサ部20に電気的に接続される例を示した。しかしながら、制御部50が設けられる場所が特に限られることはない。例えば制御部50は、センサ部20のトランジスタ30等と同様に、センサ部20の基材21上に設けられていてもよい。
また上述の本実施の形態においては、感圧導電体38に第1電極37が接触している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11に示すように、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧導電体38とが対向していてもよい。この場合、トランジスタ30に圧力が加えられていない状態においては、第1電極37と感圧導電体38とは非接触であることが保証される。このため、トランジスタ30に圧力が加えられていない状態において、感圧導電体38の電気的な状態の偏りや、ノイズが生じることを抑制することができる。またこの場合、一定値以上の圧力が感圧導電体38の厚み方向において感圧導電体38に加えられてはじめて、貫通孔36aに押し入れられた感圧導電体38の一部が第1電極37と接触するようになる。すなわち、感圧導電体38に圧力が加えられた時に第2端子34が感圧導電体38に電気的に接続されるようになっている。このため、第1電極37に対して押し付けられる感圧導電体38の圧力を、従来に比べて低減することができる。これによって、大きな圧力が感圧導電体38に加えられる場合であっても、過剰な電流が第1電極37および感圧導電体38に流れてしまうことを抑制することができる。この点でも、感圧導電体38の電気的な状態の偏りが生じることを抑制することができる。また、トランジスタ30の消費電力や、トランジスタ30を駆動するための外部の駆動回路の消費電力が増大してしまうことを抑制することができる。また、トランジスタ30を駆動するための外部の駆動回路に過剰な負荷がかかってしまうことを抑制することができる。
なお図11においては、第2端子34に接続された第1電極37が、開口部を間に挟んで感圧導電体38と対向する例を示した。しかしながら、図示はしないが、第2端子34が開口部を間に挟んで感圧導電体38と対向していてもよい。
また図11においては、ボトムゲート型のトランジスタ30が、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧導電体38とが対向するように構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、絶縁層36の一部に形成された貫通孔36aなどの開口部を間に挟んで第1電極37と感圧導電体38とが対向し、かつ、ゲート端子31が第1端子33、第2端子34および半導体層35よりも基材21から遠い位置に配置されていてもよい。すなわち、図11に示す、第1電極37と感圧導電体38との対向構造が、トップゲート型のトランジスタ30に適用されてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本開示の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、導電性炭素材料を含む第1電極37を感圧導電体38の第1面38aに取り付け、導電性炭素材料を含む第2電極39を感圧導電体38の第2面38bに取り付け、第1電極37、感圧導電体38および第2電極39を含むセンサ体を作製した。次に、第1電極37と第2電極39との間に+20Vの電圧を印加した状態で、5N/cmの圧力を、センサ体に周期的に加えた。センサ体に圧力を加える周期は、概ね20sとした。また、センサ体に周期的に圧力を加えている間、センサ体に流れる電流を測定した。結果を図9に示す。
(実施例2)
アルミニウムを含む第1電極37およびアルミニウムを含む第2電極39を用い、かつ第1電極37と第2電極39との間に印加する電圧を−20Vとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、センサ体に流れる電流を測定した。結果を図10に示す。
図10に示すように、第1電極37および第2電極39がアルミニウムを含む場合、圧力が加えられているときにセンサ体に流れる電流の値が、時間の経過とともに変化した。一方、第1電極37および第2電極39が導電性炭素材料を含む場合、圧力が加えられているときにセンサ体に流れる電流の値は、時間が経過した後もほとんど変化しなかった。感圧導電体38の電気特性の変化を抑制する上では、第1電極37および第2電極39に導電性炭素材料を用いることが有利であると言える。
10 圧力センサ装置
20 センサ部
21 基材
24 端子部
30 トランジスタ
31 ゲート端子
32 ゲート絶縁膜
33 第1端子
34 第2端子
35 半導体層
36 絶縁層
37 第1電極
38 感圧導電体
39 第2電極
40 被覆層
55 ケーブル
60 制御部

Claims (8)

  1. 圧力センサ装置であって、
    加えられる圧力に応じて電気抵抗が変化するよう構成された感圧導電体を有するセンサ部と、
    前記感圧導電体の電気抵抗に関する情報が得られるよう前記センサ部に電圧を印加する第1処理、および、前記センサ部に電圧を印加する第2処理を実施する制御部と、を備え、
    前記第1処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体に印加される電圧が第1電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加し、
    前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体に印加される電圧が、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加する、圧力センサ装置。
  2. 前記感圧導電体は、複数の単位領域に区画され、
    前記センサ部および前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域の電気抵抗に関する情報をそれぞれ得ることができるよう構成されている、請求項1に記載の圧力センサ装置。
  3. 前記センサ部は、前記感圧導電体の対応する前記単位領域にそれぞれ電気的に接続された複数のトランジスタを有する、請求項2に記載の圧力センサ装置。
  4. 前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域に印加される電圧が同時に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加する、請求項2または3に記載の圧力センサ装置。
  5. 前記第2処理の際、前記制御部は、前記感圧導電体の複数の前記単位領域に印加される電圧が順に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧になるよう、前記センサ部に電圧を印加する、請求項2または3に記載の圧力センサ装置。
  6. 前記センサ部は、前記感圧導電体に接する第1電極および第2電極を有し、
    前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方は、導電性炭素材料を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧力センサ装置。
  7. 感圧導電体に加えられる圧力を検出する圧力センサ方法であって、
    前記感圧導電体に第1電圧を印加したときの前記感圧導電体の電気抵抗に基づいて、前記感圧導電体に加えられる圧力を算出する第1処理工程と、
    前記感圧導電体に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧を印加する第2処理工程と、を備える、圧力センサ方法。
  8. 感圧導電体に加えられる圧力を検出する圧力センサ方法を実行するためのプログラムが記憶された、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体であって、
    前記圧力センサ方法は、
    前記感圧導電体に第1電圧を印加したときの前記感圧導電体の電気抵抗に基づいて、前記感圧導電体に加えられる圧力を算出する第1処理工程と、
    前記感圧導電体に、前記第1電圧とは反対の向きの第2電圧を印加する第2処理工程と、を備える、記憶媒体。
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