JP2016205987A - 分光計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な構成で高速計測が可能な分光計測装置を提供する。【解決手段】分光計測装置1は、光源10、回折格子20、空間フィルタ部30、検出部40および解析部50を備える。回折格子20は、光源10から出力された光を空間的に分光して波長によって異なる光路へ光を出力する。空間フィルタ部30は、回折格子20から出力された光を波長によって異なる位置に入力し、波長に応じた損失を該光に与えて該光を出力する。検出部40は、空間フィルタ部30から出力された光の強度を検出する。解析部50は、検出部40による検出結果に基づいて、光源10と検出部40との間の光路上に配置された被測定試料90中の成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めて、被測定試料90を成分について評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、分光計測装置に関するものである。
赤外領域のうちでも特に波長2.5〜25μmの領域は、指紋領域と呼ばれ、物質固有の吸収ピークが現れるので、物質の同定に用いられる。赤外領域における物質の吸収特性を測定する際には、フーリエ変換型赤外分光(FTIR)技術が主に用いられる。FTIRは、干渉光学系における2光路のうち一方の光路上に被測定試料を配置して、その2光路の光路長差を走査することで時系列に干渉強度データを取得し、この時系列データをフーリエ変換することにより、各波長での被測定試料の吸収情報を得る。このことから、FTIRは、被測定試料の詳細な情報を得る為には膨大な量の時系列データを必要とする。しかし、光源として用いられるレーザ光源の性質上、単位時間当たりに得られるデータ数には限界がある。データ数を増やすには長時間に亘って計測を行う必要があることから、高速な計測が困難である。
一方、FTIRとは別に分散型の分光計測装置も知られている。分散型の分光計測装置は、被測定試料を通過した光を分光部により空間的に分光して波長によって異なる光路へ伝搬させ、各波長の光の強度を検出器により検出することにより、各波長での被測定試料の吸収情報を得る。複数の検出器を用いることで、複数波長の光の強度を同時に検出することができるので、高速な計測が可能である。しかし、各波長に対応して検出器を用いる必要がある。被測定試料の詳細な吸収情報を得るには多くの検出器を用いる必要があることから、装置が高価となる。
特許文献1に記載された装置は、コレステロール濃度を測定するものであって、透過波長域が互いに異なる複数のバンドパスフィルタを順次に切り替えて用いることにより、各波長での被測定試料(コレステロール)の吸収情報を得て、コレステロールの濃度を測定する。しかし、多数のバンドパスフィルタを順次に切り替える必要があることから、高速な計測が困難である。
特許文献2に記載された装置は、歯の分光学的特性に基づいて歯色を識別するものであって、被測定試料(歯)における分光学的特性に応じた損失特性を有するフィルタを用いることにより、少数回の光強度測定データから被測定試料(歯)の色を分類する。しかし、被測定試料によってはフィルタの作製が困難であり、また、装置が高価になる可能性がある。
特許文献3に記載された装置は、大気ガス分量を測定するものであって、エタロン、バンドパスフィルタおよび回折格子による空間分散を組み合わせ、被測定試料(大気ガス)の吸収波長における吸光度の変化と、被測定試料が吸収しない波長(窓帯域)の強度とを比較して、大気ガス分量の常時監視を行う。
特許文献3に記載された装置は、被測定試料の特定の単一吸収波長における吸光度を測定する。大気ガスの一部の種類の評価において、同一帯域に吸収を持つ別物質を想定しないでよい場合に限り、単一波長における吸光度の測定により分量評価が可能である。しかし、被測定試料の吸収波長が類似または別の試料の吸収波長と同一である場合に、これらを区別(同定)することができない。
特許第5591680号公報 特許第4508476号公報 特開2001-108613号公報
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、安価な構成で高速計測が可能な分光計測装置を提供することを目的とする。
本発明の分光計測装置は、(1) 光を出力する光源と、(2) 光源から出力された光を空間的に分光して波長によって異なる光路へ光を出力する分光部と、(3) 分光部から出力された光を波長によって異なる位置に入力し、波長に応じた損失を該光に与えて該光を出力する空間フィルタ部と、(4) 空間フィルタ部から出力された光の強度を検出する検出部と、(5) 検出部による検出結果に基づいて、光源と検出部との間の光路上に配置された被測定試料で透過または反射した光のうち前記被測定試料中の成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めて、被測定試料を成分について評価する解析部と、を備える。
本発明の分光計測装置では、空間フィルタ部が各波長の光に与える損失の大きさが可変であるのが好適である。空間フィルタ部が、成分の吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第1フィルタと、成分の非吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第2フィルタとに、時系列で設定されるのが好適である。空間フィルタ部が、成分の吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第1フィルタと、成分の非吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第2フィルタとを含むのが好適である。第1フィルタおよび第2フィルタそれぞれの各波長での損失が互いに相補的であるのが好適である。空間フィルタ部が、成分の吸収帯域および非吸収帯域のうちの何れか一方の帯域の光に対して選択的に損失を与え、解析部が、成分の吸収帯域および非吸収帯域の双方の光の強度と検出部による検出結果とに基づいて、成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めるのも好適である。
また、本発明の分光計測装置では、空間フィルタ部が、被測定試料中のN個(Nは2以上の整数)の成分それぞれに対応して設けられ、解析部が、N個の成分のうちの第i成分用の空間フィルタ部によりN個の成分のうちの第j成分を分光計測する際の感度に基づいて、第i成分用の空間フィルタ部による第i成分についての評価結果を補正するのが好適である。
本発明によれば、安価な構成で高速計測が可能となる。
本実施形態の分光計測装置1の構成を示す図である。 本実施形態の分光計測装置1の構成の一部を示す側面図である。 本実施形態の分光計測装置1の構成の一部を示す斜視図である。 空間フィルタ部30の一例を示す図である。 空間フィルタ部30の他の一例を示す図である。 機械式シャッタアレイによる空間フィルタ部30の構成を示す図である。 被測定試料90中の2つの成分について評価する場合に用いられる空間フィルタ部30の一例を示す図である。 反射型の空間フィルタ部30を用いた場合の分光計測装置1の構成の一部を示す斜視図である。 成分Aの吸収スペクトルを示す図である。 成分Aを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。 成分A用の空間フィルタ部の構成を示す図である。 スペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。 成分Bの吸収スペクトルを示す図である。 成分Bを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。 成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。 成分Xの吸収スペクトルを示す図である。 成分Xを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。 成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Xの濃度との関係を示すグラフである。 光源の出力スペクトルが平坦でない場合における成分Aを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。 光源の出力スペクトルが平坦でない場合におけるスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。 成分A,B,Cそれぞれの吸収スペクトルを示す図である。 成分A,B,Cを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。 成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。 成分B用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。 成分C用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示すグラフである。 成分A用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。 成分B用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。 成分C用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示すグラフである。 本実施形態の変形例の分光計測装置1Aの構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1〜図3は、本実施形態の分光計測装置1の構成を示す図である。これらの図には、説明の便宜のためにxyz直交座標系が示されている。分光計測装置1は、光源10、回折格子20、空間フィルタ部30、検出部40、解析部50、レンズ61、シリンドリカルレンズ62およびシリンドリカルレンズ63を備え、光源10と検出部40との間の光路上に配置された被測定試料90を分光計測する。
図2は、本実施形態の分光計測装置1の構成の一部を示す側面図である。図1は、回折格子20から検出部40までの光学系の光軸(z軸)に垂直なx軸方向に見た分光計測装置1の構成を示す。図2は、z軸およびx軸の双方に垂直なy軸方向に見た分光計測装置1の構成を示す。また、図3は、本実施形態の分光計測装置1の構成の一部を示す斜視図である。
光源10は、光を出力する。光源10は、被測定試料90の分光計測を行うのに好適な波長帯域の光を出力する。光源10は、赤外領域(特に指紋領域である波長2.5〜25μmの領域)の光を出力するのが好適であるが、これに限定されない。光源10として、例えば、ランプ光源、量子カスケードレーザおよび熱型光源等が用いられる。レンズ61は、光源10から出力された光をコリメートする。
回折格子20は、レンズ61によりコリメートされた光のうち被測定試料90を透過した光を入力する。回折格子20は、その入力した光を空間的に分光して波長によって異なる光路へ光を出力する分光部として作用する。回折格子20に入力する光はyz平面に平行に伝搬するとし、回折格子20から出力する光もyz平面に平行に伝搬するとする。回折格子20から出力する光は波長によって異なる方向に伝搬する。
シリンドリカルレンズ62,63は、y軸方向について集光作用を有する。回折格子20は、シリンドリカルレンズ62の前焦点位置に配置されている。空間フィルタ部30は、シリンドリカルレンズ62の後焦点位置かつシリンドリカルレンズ63の前焦点位置に配置されている。検出部40は、シリンドリカルレンズ63の後焦点位置に配置されている。
したがって、空間フィルタ部30は、回折格子20から出力された光を波長によって異なる位置に入力する。そして、空間フィルタ部30は、波長に応じた損失を該光に与えて該光を出力する。また、検出部40は、空間フィルタ部30から出力された光の強度を検出する。検出部40として、光源10から出力される光の帯域に感度を有するものが用いられ、例えば、MCT(テルル化カドミウム水銀)検出器やボロメータなどの熱型検出器が用いられる。
解析部50は、検出部40による検出結果に基づいて、被測定試料90中の成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めて、被測定試料90を前記成分について評価する。
図1ではレンズ61と回折格子20との間の光路上に被測定試料90が配置されているが、これに限定されるものではなく、被測定試料90は光源10と検出部40との間の光路上に配置されればよい。図1では被測定試料90を透過した光を検出しているが、図29に示される分光計測装置1Aの構成のように被測定試料90で反射した光を検出してもよい。図1では回折格子20として反射型回折格子が示されているが、透過型回折格子が用いられてもよい。図1では透過型の空間フィルタ部30が示されているが、反射型の空間フィルタ部が用いられてもよい。図1では透過型のレンズが用いられているが、反射型の集光用曲面鏡が用いられてもよい。
図2および図3に示されるように、空間フィルタ部30は、x軸方向について互いに異なる位置に配置された第1フィルタ31および第2フィルタ32を含む。第1フィルタ31は、被測定試料90中の成分の吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える。第2フィルタ32は、被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える。また、検出部40は、x軸方向について互いに異なる位置に配置された第1検出器41および第2検出器42を含む。第1検出器41は、第1フィルタ31から出力された光の強度を検出する。第2検出器42は、第2フィルタ32から出力された光の強度を検出する。第1フィルタ31および第2フィルタ32それぞれの各波長での損失が互いに相補的であるのが好適である。
図4は、空間フィルタ部30の一例を示す図である。同図において、透過率の大きさが白黒で表されており、白色領域が光を透過させ、黒色領域が光を遮断する。例えば、被測定試料90中の成分の吸収スペクトルにおける各々の吸収ピーク波長を含む半値幅の範囲を吸収帯域とし、その他の範囲を非吸収帯域とする。そして、第1フィルタ31は、被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光に対する透過率を1(または1に近い値)とし、該成分の吸収帯域の光に対する透過率を0(または0に近い値)とする。第2フィルタ32は、逆に、被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光に対する透過率を0(または0に近い値)とし、該成分の吸収帯域の光に対する透過率を1(または1に近い値)とする。
図5は、空間フィルタ部30の他の一例を示す図である。同図において、透過率の大きさが濃淡で表されており、白色に近いほど透過率が大きく、黒色に近いほど透過率が小さい。各波長において、被測定試料90中の成分の吸収が小さいほど、第1フィルタ31の透過率は大きく、第2フィルタ32の透過率は小さい。逆に、各波長において、被測定試料90中の成分の吸収が小さいほど、第1フィルタ31の透過率は小さく、第2フィルタ32の透過率は大きい。
第1フィルタ31および第2フィルタ32それぞれの各波長での損失が上記のような関係を有することから、第1検出器41による検出結果(第1フィルタ31を透過した光の強度)P1は、主に被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光の強度に依存し、第2検出器42による検出結果(第2フィルタ32を透過した光の強度)P2は、主に被測定試料90中の成分の吸収帯域の光の強度に依存する。空間フィルタ部30(第1フィルタ31、第2フィルタ32)は、被測定試料90中の判別したい成分(例えば有害物質や禁止薬物)毎に適切に設計される。上記の検出結果P1,P2は、被測定試料90中の成分の種類や濃度に応じたものとなる。
解析部50は、検出結果P1,P2に基づいて被測定試料90を前記成分について評価する際に、被測定試料90中に前記成分が含まれていないときの第1検出器41による検出結果P1(0)および第2検出器42による検出結果P2(0)を用いるのが好適である。例えば、解析部50は、下記(1)式で定義するスペクトル一致度を求め、このスペクトル一致度に基づいて被測定試料90を前記成分について評価するのが好適である。
本実施形態では、このような第1フィルタ31および第2フィルタ32の双方を用いることにより、何れか一方のみを用いる場合と比較して、被測定試料90を高感度で評価することができるだけでなく、弁別能を高めることができる。例えば、特定の透過波長をもつ成分Aと全ての波長を透過する成分Bとを測定する場合に、フィルタの透過波長と成分Aの透過波長とが互いに一致していると、検出器による検出結果は成分A,Bによらず同一である。しかし、本実施形態では、第1フィルタ31および第2フィルタ32を用いることで、成分Aと成分Bとで互いに異なる検出結果を得ることができる。
空間フィルタ部30は、被測定試料90中の判別したい成分毎に適切に設計される。したがって、空間フィルタ部30が各波長の光に与える損失の大きさが固定である場合には、判別したい成分毎に設計された空間フィルタ部30を用意しておき、これらの空間フィルタ部30を順次に光路中に配置して測定することで、被測定試料90を各成分について評価することができる。
一方、空間フィルタ部30が各波長の光に与える損失の大きさが可変であってもよい。この場合には、判別したい成分毎にフィルタ特性を予め求めて記憶部に記憶しておき、これらのフィルタ特性を順次に記憶部から読み出して空間フィルタ部30に呈示させて測定することで、被測定試料90を各成分について評価することができる。
このようなフィルタ特性が可変である空間フィルタ部30は、液晶シャッタや機械式シャッタ等により実現することができる。図6は、機械式シャッタアレイによる空間フィルタ部30の構成を示す図である。この空間フィルタ部30は、並列配置された複数の帯状シャッタを有し、各々の帯状シャッタが第1フィルタ31および第2フィルタ32の何れかの側に配置されることで、第1フィルタ31および第2フィルタ32それぞれの透過特性を設定することができる。記憶部34は、判別したい成分毎に求められたフィルタ特性を記憶する。フィルタ制御部33は、記憶部34に記憶されているフィルタ特性を順次に読み出して空間フィルタ部30に呈示させる。このように構成される空間フィルタ部30は、互いに相補的な透過特性を有する第1フィルタ31および第2フィルタ32を容易に実現することができる。
また、フィルタ特性が可変である空間フィルタ部30を用いれば、上記のような第1フィルタ31および第2フィルタ32の対を成分毎に時系列で実現することもできる。また、各成分について第1フィルタ31および第2フィルタ32を時系列で実現することができる。この場合、検出部40は1つの検出器を含むだけでよく、シリンドリカルレンズ62,63に替えて通常のレンズを用いることができる。
また、空間フィルタ部30は、被測定試料90中の成分の吸収帯域および非吸収帯域のうちの何れか一方の帯域の光に対して選択的に損失を与えるものであってもよい。この場合、検出部40は、一方の帯域の光の強度を検出する。そして、解析部50は、別手段で求めた前記成分の吸収帯域および非吸収帯域の双方の光の強度と、検出部40による検出結果とに基づいて、前記成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めることができる。前記成分の吸収帯域および非吸収帯域の双方の光の強度を求める手段としては、空間フィルタ部30において全帯域の光を透過させて強度を求める第1の手段、他の成分の吸収帯域および非吸収帯域の双方の光の強度の和を求める第2の手段、ならびに、空間フィルタ部30の前段で光の一部を分岐して強度を求める第3の手段、等がある。
図7は、被測定試料90中の2つの成分について評価する場合に用いられる空間フィルタ部30の一例を示す図である。同図に示される空間フィルタ部30は、リファレンス用フィルタ30R、成分A用の第1フィルタ31Aおよび成分B用の第1フィルタ31Bを含む。リファレンス用フィルタ30Rは、上記の第1の手段を実現するものであって、全帯域の光を透過させる。成分A用の第1フィルタ31Aは、成分Aの非吸収帯域の光を透過させる。成分B用の第1フィルタ31Bは、成分Bの非吸収帯域の光を透過させる。
このような空間フィルタ部30を用いることで、解析部50は、リファレンス用フィルタ30Rを透過して検出器により検出された全帯域の光の強度Ptotal、成分A用の第1フィルタ31Aを透過して検出器により検出された成分Aの非吸収帯域の光の強度P1、および、成分B用の第1フィルタ31Bを透過して検出器により検出された成分Bの非吸収帯域の光の強度P1を得ることができる。そして、解析部50は、全帯域の光の強度Ptotalから成分Aの非吸収帯域の光の強度P1を差し引くことで、成分Aの吸収帯域の光の強度P2(=Ptotal−P1)を求めることができる。また、解析部50は、全帯域の光の強度Ptotalから成分Bの非吸収帯域の光の強度P1を差し引くことで、成分Bの吸収帯域の光の強度P2(=Ptotal−P1)を求めることができる。解析部50は、これらの光強度に基づいて、被測定試料90を成分A、Bについて評価することができる。
また、上記の第2の手段を実現するには、例えば、空間フィルタ部30は、成分A用の第1フィルタ31Aおよび第2フィルタ32A、ならびに、成分B用の第1フィルタ31Bを含む構成とすることができる。この場合、解析部50は、成分A用の第1フィルタ31Aを透過して検出器により検出された成分Aの非吸収帯域の光の強度P1、成分A用の第2フィルタ32Aを透過して検出器により検出された成分Aの吸収帯域の光の強度P2、および、成分B用の第1フィルタ31Bを透過して検出器により検出された成分Bの非吸収帯域の光の強度P1を得ることができる。そして、解析部50は、成分Aの非吸収帯域の光の強度P1と成分Aの吸収帯域の光の強度P2との和Ptotal(=P1+P1)を求めることができる。さらに、解析部50は、この和Ptotalから成分Bの非吸収帯域の光の強度P1を差し引くことで、成分Bの吸収帯域の光の強度P2(=Ptotal−P1)を求めることができる。解析部50は、これらの光強度に基づいて、被測定試料90を成分A、Bについて評価することができる。
上記の第1または第2の手段によれば、一般に被測定試料90中のN個(Nは2以上の整数)の成分について評価するには、空間フィルタ部30は(N+1)個のフィルタを有する構成とすることができる。空間フィルタ部30が各波長の光に与える損失の大きさが可変であれば、空間フィルタ部30を更に小型化することができ、また、検出部40に含まれる検出器の個数も削減することができる。
空間フィルタ部30は反射型のものであってもよい。図8は、反射型の空間フィルタ部30を用いた場合の分光計測装置1の構成の一部を示す斜視図である。空間フィルタ部30が反射型のものである場合、第1フィルタ31は、被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光を選択的に反射させ、該成分の吸収帯域の光を選択的に吸収する。第2フィルタ32は、被測定試料90中の成分の非吸収帯域の光を選択的に吸収し、該成分の吸収帯域の光を選択的に反射させる。
反射型の空間フィルタ部30は、反射特性が固定であってもよいし、反射特性が可変であってもよい。後者の場合、空間フィルタ部30として、液晶やDMD(Digital Micromirror Device)によって構成することができる。また、反射型の空間フィルタ部30を用いる場合においても、被測定試料90中のN個の成分について評価するために、空間フィルタ部30は(N+1)個のフィルタを有する構成とすることができる。
以上のように、本実施形態では、分光部である回折格子20による空間分光を利用するとともに、空間フィルタ部30を用いて検出部40により光検出を行うことで、その検出部40に含まれる検出器の個数を少なくすることができるので、安価に装置を構成することができ、また、高速計測が可能となる。
次に、本実施形態の分光計測装置1の作用効果について行ったシミュレーションの内容および結果について説明する。以下の説明において、被測定試料中の成分の濃度および波長は任意単位である。
図9は、成分Aの吸収スペクトルを示す図である。図10は、成分Aを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。成分Aは、波長200,500および700それぞれにおいて吸収ピークが存在する吸収スペクトルを有するものとした。被測定試料中の成分Aの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とした。また、光源の出力スペクトルは全波長域で平坦であるとした。
図11は、成分A用の空間フィルタ部の構成を示す図である。同図において、透過率の大きさが白黒で表されており、白色領域が光を透過させ、黒色領域が光を遮断する。被測定試料中の成分Aの吸収スペクトルにおける各々の吸収ピーク波長を含む半値幅の範囲を吸収帯域とし、その他の範囲を非吸収帯域とした。そして、第1フィルタ31は、成分Aの非吸収帯域の光に対する透過率を1とし、成分Aの吸収帯域の光に対する透過率を0とした。第2フィルタ32は、逆に、成分Aの非吸収帯域の光に対する透過率を0とし、成分Aの吸収帯域の光に対する透過率を1とした。
以上のような条件で、第1検出器41による検出結果(第1フィルタ31を透過した光の強度)P1、および、第2検出器42による検出結果(第2フィルタ32を透過した光の強度)P2を求めて、スペクトル一致度(上記(1)式)を計算した。図12は、スペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。同図に示されるように、成分Aの濃度が高いほどスペクトル一致度は大きい。
図13は、成分Bの吸収スペクトルを示す図である。図14は、成分Bを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。成分Bは、成分Aとは別のものであって、波長250,440および760それぞれにおいて吸収ピークが存在する吸収スペクトルを有するものとした。被測定試料中の成分Bの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とした。また、光源の出力スペクトルは全波長域で平坦であるとした。図11に示される成分A用の空間フィルタ部を用いた。図15は、成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。同図に示されるように、成分A用の空間フィルタ部を用いて成分Bについて評価すると、スペクトル一致度は負の値となった。
図16は、成分Xの吸収スペクトルを示す図である。図17は、成分Xを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。成分Xは、成分A,Bの何れとも異なり、ランダムな吸収スペクトルを有するものとした。被測定試料中の成分Xの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とした。また、光源の出力スペクトルは全波長域で平坦であるとした。図11に示される成分A用の空間フィルタ部を用いた。図18は、成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Xの濃度との関係を示すグラフである。成分Xのランダムな吸収スペクトルを20種類設定して、その各々の場合についてスペクトル一致度と成分Xの濃度との関係を求めた。同図に示されるように、成分A用の空間フィルタ部を用いて成分Xについて評価すると、スペクトル一致度は、平均的には値0であり、正負の小さい値をとることが分かった。
図19は、光源の出力スペクトルが平坦でない場合における成分Aを含む被測定試料の透過スペクトルを示す図である。成分Aの吸収スペクトルは図9に示されるとおりである。被測定試料中の成分Aの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とした。また、光源の出力光強度は、帯域の中央部で大きく、帯域の周辺で小さいものとした。図11に示される成分A用の空間フィルタ部を用いた。図20は、光源の出力スペクトルが平坦でない場合におけるスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。同図は、光源の出力スペクトルが平坦であるとした場合の図12と殆ど変らない結果となった。すなわち、光源の出力スペクトルの形状への依存性が小さいことが分かる。
以上のシミュレーション結果から分るように、光源の出力スペクトルの形状によらず、成分A用の空間フィルタ部を用いることで被測定試料を成分Aについて選択的に評価することができる。例えば、或る閾値を予め設定しておいて、スペクトル一致度が閾値より大きい場合に、被測定試料中に成分Aが含まれていると判定することができる。
次に、被測定試料中に複数の成分が含まれている場合の本実施形態の分光計測装置1の作用効果について行ったシミュレーションの内容および結果について説明する。以下の説明においても、被測定試料中の各成分の濃度および波長は任意単位である。
図21は、成分A,B,Cそれぞれの吸収スペクトルを示す図である。これらのうち成分Aの吸収スペクトルは、図9に示されたものと同じである。成分A,B,Cそれぞれの吸収スペクトルは互いに異なる。成分A,B,Cを含む被測定試料の透過スペクトルは、何れか1つの成分を含む被測定試料の透過スペクトルと比べて複雑な形状となる。成分Aのみを含む被測定試料の透過スペクトルは図10に示されたとおりであるのに対して、成分A,B,Cを含む被測定試料の透過スペクトルは図22に示されるようなものとなる。図22において、被測定試料中の成分Aの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とし、成分B,Cそれぞれの濃度を10とした。また、光源の出力スペクトルは全波長域で平坦であるとした。
図23は、成分A用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。成分A用の空間フィルタ部は、図11に示されたとおりのものである。被測定試料中の成分Aの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とし、成分Bの濃度を0,2,5,20の各値とし、成分Cの濃度を0,2,5,20の各値とした。同図において、太線のグラフは、成分B,Cの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分B,Cの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示す。
同図から、評価したい成分Aについて求めたスペクトル一致度は、成分A以外に被測定試料に含まれる他の成分の種類によって高い見積もり(overestimation)および低い見積もり(underestimation)の何れかになることが分かる。他の成分の吸収スペクトルが成分Aの吸収スペクトルと類似している場合、スペクトル一致度は高い見積もりとなる。逆に、他の成分の吸収スペクトルが成分Aの吸収スペクトルと相違している場合、スペクトル一致度は低い見積もりとなる。
図24は、成分B用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。成分B用の空間フィルタ部は、成分A用の空間フィルタ部と同様にして設計された。被測定試料中の成分Bの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とし、成分Aの濃度を0,2,5,20の各値とし、成分Cの濃度を0,2,5,20の各値とした。同図において、太線のグラフは、成分A,Cの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分A,Cの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示す。
図25は、成分C用の空間フィルタ部を用いた場合のスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示すグラフである。成分C用の空間フィルタ部は、成分A用の空間フィルタ部と同様にして設計された。被測定試料中の成分Cの濃度を0,1,2,3,5,10,20,30の各値とし、成分Aの濃度を0,2,5,20の各値とし、成分Bの濃度を0,2,5,20の各値とした。同図において、太線のグラフは、成分A,Bの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分A,Bの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示す。
図21に示されるように、成分Cの吸収スペクトルは、成分A,Bそれぞれの吸収スペクトルとの類似度が低い。それ故、図25に示されるように、被測定試料が成分A,Bをも含む場合、成分Cについてのスペクトル一致度は低い見積もりとなる。
以上のように、被測定試料中に複数の成分が含まれている場合、各成分について得られるスペクトル一致度は不正確なものとなる。そこで、以下のような補正を行うのが好ましい。補正を行うに際して考慮すべき点は、成分A用の空間フィルタ部を用いた測定は、成分Aの吸収スペクトルに対して感度を有するだけでなく、他の成分の吸収スペクトルに対してもプラスまたはマイナスの感度を有することである。
N個の成分のうちの第i成分用の空間フィルタ部により、N個の成分のうちの第j成分を分光計測する際の感度をai,jと表す。第i成分用の空間フィルタ部の重み付け係数をK(λ)と表す。第j成分の吸収スペクトルをL(λ)と表す。Nは2以上の整数であり、i,jは1以上N以下の各整数である。λは波長である。感度ai,jは、下記(2)式で表すことができる。重み付け係数K(λ)は、非吸収帯域内では−1/P1(0)であり、吸収帯域内では1/P2(0)である。P1(0)およびP2(0)は、(1)式でも用いられたパラメータである。また、感度行列Aを、感度ai,jを第i行第j列の要素とする下記(3)式で表されるものとする。感度行列Aは予め計算または測定により求めておくことができる。
第i成分についての真のスペクトル一致度をstrue_iとして、真のスペクトル一致度ベクトルStrueを、strue_iを第iの要素とする下記(4)式で表されるものとする。また、第i成分について測定により得られた見かけのスペクトル一致度をsとして、見かけのスペクトル一致度ベクトルSを、sを第iの要素とする下記(5)式で表されるものとする。
見かけのスペクトル一致度ベクトルSは、感度行列Aおよび真のスペクトル一致度ベクトルStrueを用いて、下記(6)式のように表される。したがって、真のスペクトル一致度ベクトルStrueは、下記(7)式のように表される。このように、解析部50は、第i成分用の空間フィルタ部による第i成分についての評価結果(見かけのスペクトル一致度s)を感度ai,jに基づいて補正することで、真のスペクトル一致度strue_iを求めるのが好適である。
図26〜図28は、図23〜図25に示された見かけのスペクトル一致度に対して上記補正を行った結果を示す。
図26は、成分A用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示すグラフである。同図において、太線のグラフは、成分B,Cの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分B,Cの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Aの濃度との関係を示す。
図27は、成分B用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示すグラフである。同図において、太線のグラフは、成分A,Cの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分A,Cの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Bの濃度との関係を示す。
図28は、成分C用の空間フィルタ部を用いた場合の補正後のスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示すグラフである。同図において、太線のグラフは、成分A,Bの何れをも含まないときのスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示す。太線以外の線のグラフは、成分A,Bの何れかを含むときのスペクトル一致度と成分Cの濃度との関係を示す。
図23〜図25に示された補正前のスペクトル一致度に対し、図26〜図28に示された補正後のスペクトル一致度は、評価対象の成分以外の成分の濃度に対する依存性が低減されたことが分かる。補正後のスペクトル一致度は、評価対象の成分以外の成分の濃度が高い場合には、真の値からの差が大きくなる傾向が見られる。しかし、補正後のスペクトル一致度は、評価対象の成分の濃度が0に近い範囲では、真の値からの差が小さい。これは、評価対象の成分の濃度が低くても、擬陽性の心配なく検出することができることを示している。
1,1A…分光計測装置、10…光源、20…回折格子(分光部)、30…空間フィルタ部、31…第1フィルタ、32…第2フィルタ、40…検出部、41…第1検出器、42…第2検出器、50…解析部、61…レンズ、62…シリンドリカルレンズ、63…シリンドリカルレンズ、90…被測定試料。

Claims (7)

  1. 光を出力する光源と、
    前記光源から出力された光を空間的に分光して波長によって異なる光路へ光を出力する分光部と、
    前記分光部から出力された光を波長によって異なる位置に入力し、波長に応じた損失を該光に与えて該光を出力する空間フィルタ部と、
    前記空間フィルタ部から出力された光の強度を検出する検出部と、
    前記検出部による検出結果に基づいて、前記光源と前記検出部との間の光路上に配置された被測定試料で透過または反射した光のうち前記被測定試料中の成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求めて、前記被測定試料を前記成分について評価する解析部と、
    を備える分光計測装置。
  2. 前記空間フィルタ部が各波長の光に与える損失の大きさが可変である、請求項1に記載の分光計測装置。
  3. 前記空間フィルタ部が、前記成分の吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第1フィルタと、前記成分の非吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第2フィルタとに、時系列で設定される、請求項2に記載の分光計測装置。
  4. 前記空間フィルタ部が、前記成分の吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第1フィルタと、前記成分の非吸収帯域の光に対して選択的に損失を与える第2フィルタとを含む、請求項1または2に記載の分光計測装置。
  5. 前記第1フィルタおよび前記第2フィルタそれぞれの各波長での損失が互いに相補的である、請求項3または4に記載の分光計測装置。
  6. 前記空間フィルタ部が、前記成分の吸収帯域および非吸収帯域のうちの何れか一方の帯域の光に対して選択的に損失を与え、
    前記解析部が、前記成分の吸収帯域および非吸収帯域の双方の光の強度と前記検出部による検出結果とに基づいて、前記成分の吸収帯域および非吸収帯域それぞれの光の強度を求める、
    請求項1または2に記載の分光計測装置。
  7. 前記空間フィルタ部が、前記被測定試料中のN個(Nは2以上の整数)の成分それぞれに対応して設けられ、
    前記解析部が、前記N個の成分のうちの第i成分用の前記空間フィルタ部により前記N個の成分のうちの第j成分を分光計測する際の感度に基づいて、第i成分用の前記空間フィルタ部による第i成分についての評価結果を補正する、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の分光計測装置。
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